こちらには『静寂舞手』のネタバレがあります。
※他のシナリオにも言及していますが、明言されていないものなどは除外しています。


本編見る!
開始前雑談
佐倉 光
あ、そういや火かき棒持ってくって話してなかったな。
危ない物つつけるから持って行こって思ってたのに。
KP
おっと、そういえば持って行かないなって思っていました。一度入った部屋には入れないとかそういうことはないので、次回冒頭あたりにでも。
佐倉 光
なんかいろいろあって忘れちゃってた。
KP
もっと重要そうな本が出てきたりいろいろありましたしね。

佐倉 光
ログ読んでて、一個何となく思ってたことが正解だったな~と思った。
いや、どういう流れかは分からないけども。
後で話題に……いや、早めに出すべきかな。
KP
何だろ……終わってからしかお返事できない内容かもしれないけど気になる
佐倉 光
次回リンゴの部屋にいる内に話題に出そう。
しかし、ルール上もう遅すぎか。
というか私にもこれが何を意味するのか分かってないしな。
KP
なんだろぉおお。楽しみにしています。
佐倉 光
今日しなきゃいけないこと
○思い出したことを牧志に確認と共有
○火かき棒取りに行く
○肖像画について確認
佐倉 光
いやーしかしりんごの部屋、裏をかいて『ねずの木の話』とかじゃなくて良かった。
あと『トルーデおばさん』とかもヤバい。
今回のテーマには則さない上知名度ないから出てこないだろうけど。
KP
知らない話がどんどん出てくる!(読んでみた)

ある程度知名度のある(ラストは知られてなかったりしても名前は知られてたりする)話だけですね、基本
そういえば原典ちゃんと全部読んだことってなくて、カエルを投げるくだりとか知らなかったのでへえぇー! ってなっています
『ねずの木の話』……継母によって幼い兄妹の兄が首を切り落とされ、妹にはその罪がなすりつけられ、父はその肉を知らずに食わされ、継母は報いとして石臼を投げつけられる話。一応ハッピーエンドにはなるが、色々酷い。
『トルーデおばさん』……親の言う事を訊かなかった少女が、好奇心で怪しい魔女の家に行き、マキに変えられて燃やされる話。救いはない。

KP
あなたたちは今、大きな寝台のある部屋の寝台の上で、半分ずつの林檎とナイフと向き合っている。
切るだけ切ってみるか、と獣があなたに提案したところだ。
佐倉 光
とりあえずだな。色の違うところでスパッとやってみよう。
KP
あなたはフルーツナイフを手に取り、林檎を半分に切る。その様子を獣が見ていた。
佐倉 光
「色々観察したいところだけど……
さっきの事考えると強制的に食わされそうな気もすんだよな……俺が変だったら止めてくれよ?」
けもの
「ワカッタ。スグ、トメル」
獣は頷いて、何かあったら体当たりでもできるようにか、あなたの横に陣取る。
KP
するりと、フルーツナイフが林檎に吸い込まれていく。
佐倉 光
(万一俺が操られて……ナイフで牧志に襲いかかったとして。
まあ、俺の力でこの毛を突き通せるとは思えないし、大丈夫だろ……)
KP
林檎を切ると、その果肉の中に小瓶がひとつずつ埋め込まれていた。赤い方には錠剤が二粒、青い方には、液体が二口分ほどだろうか、入っている。
けもの
あなたに異変がないか、獣はじっと身構える。
KP
………
しばらく待ってみても、無理矢理飲まされるようなことはなかった。
けもの
「……ダイジョウブ、ソウカ?」
獣はあなたの手の中のフルーツナイフと、林檎の中の瓶を見やる。
佐倉 光
「ここは選択肢あり、だ」
大丈夫だと頷いてみせる。
けもの
獣がほっと安堵の息を吐いたような気がした。それでも気を抜ききってしまうことはなく、何かあれば動けるように背が撓む。
佐倉 光
錠剤はともかく、液体ってどう入ってるんだ?
KP
あ、林檎の中に瓶が埋め込まれてて、その中に入ってます。
佐倉 光
どっちにも小瓶が入ってて、液体入りと、二粒の錠剤入り、ってことだね。
KP
そうそう。
佐倉 光
では瓶をほじくり出して、よく見てみるけど……
「さっきの話でいやぁ、液体は毒か?
しかし、確か白雪姫って、毒林檎喉に引っかけたから食わなくて済んで生きてたって話だろ? こんなの飲んだらあの世行きじゃねぇのか?」
けもの
「タブン。……コッチ、ナンダロウナ」青い方に埋め込まれていた瓶を指す。
KP
よく見てみるならば〈薬学〉で判定。
佐倉 光
CCB<=1 〈薬学〉 (1D100<=1) > 39 > 失敗
ねーよそんなの
KP
わからん!
佐倉 光
どちらもラベルなしか。
KP
ラベルなどはない。ただ得体が知れない。
佐倉 光
「つーか、リンゴ食えって書いてるんだからリンゴだけ食えばいいんじゃねぇのか?」
けもの
獣はあなたの言葉を聞いて、ひらりと眼を瞬かせた。
「……ナルホド?」
佐倉 光
「半分ずつ食えとは書いてるけど……
薬飲め、とは書いてねーよな」
けもの
「サクラサン、スゴイナ」
確かに、と獣は頷く。
「オレ、オモイツカナカッタ」
佐倉 光
「普通に考えれば、薬を半分ずつ両方飲む、ってのが正解な気はするけど……
さっきのこと考えりゃ、毒飲んだ途端にベッドにバタンキューでお迎えが来そうだ」
けもの
「ソレハ、コワイナ」
佐倉 光
「だからやるなら交互に、とは思ってる。
まずはもう少し部屋を調べてみるか」
けもの
「ナニカ、オキルカモ、シレナイシナ」
獣は頷いて、寝台に背を向ける。
佐倉 光
リンゴはそのままにして鏡を調べてみよう。
一応ナイフはポーチに入れておく。
KP
あなたは小さなナイフをポーチに滑り込ませる。

KP
三言までOKだと結構喋れる。
佐倉 光
そうだね、ちゃんと会話になる。
佐倉 光
「喋れるようになったのか?」
随分口数が多くなったな、と思う。
牧志視点
KP
あなたの思考は安定しない。混濁したり、少しだけ明瞭になったりを繰り返している。今は辛うじて喋れている言葉も、いつ忘れてしまうか分からない不安を覚えるだろう。
牧志 浩太
(これくらい喋れると、割と楽なんだけどな)

けもの
「スコシダケ、マシニ、ナッタ」

いつまでこうしていられるのか分からない、そんな不安が微かに口調の端から滲んだ。
KP
金の縁取りがされた大きな鏡に、あなたたちの姿が映っていた。
けもの
CCB<=(18×1) 【INT】 (1D100<=18) > 91 > 失敗
「グ……、」
鏡に映る姿を見て、獣が呻く。
牧志視点
KP
先程も覚えた違和感が頭の奥で疼く。何かがおかしい。何かがおかしいと感じるのに、それが何か考えよう、確かめようとすれば、その端から思考が逸らされてしまう。
牧志 浩太
(くそっ、何かおかしいのに、絶対何かおかしいのに……!)

佐倉 光
「どうした?
何か見えるのか?」
けもの
「ア、アア……、」
獣が鏡に映るあなたの姿を見つめながら、こめかみを押さえ、苦しそうに呻く。
佐倉 光
「どうしたんだ、おい! 大丈夫か!」
牧志視点
牧志 浩太
雑多な思考を振り払おうと頭を振る。苦しい。考えたいのに考えられない。簡単にできたはずのことができない。振っても振っても邪魔なものが離れてくれない。一瞬前の思考と一瞬後の思考が繋がらない。

けもの
「ワカラナイ、」
獣は頭を振る。あなたの頬に爪が当たりそうになる。
佐倉 光
「おっとと。おい、落ち着け」
一歩さがって声をかける。
牧志視点
牧志 浩太
(……、あ……、)
佐倉さんが一歩下がった。

自分の手の爪を呆然と見る。そうか、俺。

けもの
「……ゴメン……、」
あなたが一歩退ったのを見て、ようやく気付いたのか、我に返ってあなたを見やる。
佐倉 光
「何が見えたんだ?」
自分も鏡を見ながら問いかける。
いや、牧志に向き直って目を見よう。
けもの
「……サクラサン、オカシカッタ」
獣は鏡に映るあなたの像を爪で指し、苦しげに言う。
佐倉 光
「俺がおかしい?」
けもの
「ワカラナイ。カンガエ、ラレナイ」
佐倉 光
何が見えちゃったのやら。
佐倉 光
「そうか……」
けもの
焦燥感に近いもどかしさ。何かが分かったはずなのに、それを正しく考えることができない、そんな苦しみが彼の呻き声から感じられた。
佐倉 光
そうか、〈心理学〉した方が良かったか。
KP
おっと確かに。描写との区別がなかなか難しい。
佐倉 光
自分には像はとくにおかしく見えない?
KP
特にあなたの姿に違和感はないように見える。
佐倉 光
鏡面に触れてみたり、裏側が見られるようなら見てみる。
KP
裏側には板張りの裏面しかなく、鏡面に触れても違和感は……、いや。

ここで【アイデア】
佐倉 光
CCB<=85 【アイデア】 (1D100<=85) > 54 > 成功
KP
鏡面に触れ、また正面に戻ったとき。あなたの肩越しに、古ぼけた飾り棚が映り込んでいる。

こんな棚、最初からあっただろうか?
佐倉 光
「ん……?」
振り向く。
飾り棚は現実にもある?
KP
そこには前からあったように、平然と飾り棚が存在している。
装飾はアール・ヌーヴォー調で他の調度品とそう大きくセンスが外れているようには見えないが、草葉や花のオーソドックスな文様であり、ほかの調度品とデザインの調和はとれていない。
ほとんどの棚板が崩落しており、あなたの腰のあたりの高さの一段しか、無事な棚板がない。
佐倉 光
「これ……さっきからあったか?」
けもの
「ナカッタ。ト、オモウ」
獣は首を振る。
佐倉 光
「鏡を見ていたらいきなりあった、ような気がする」
けもの
「ウシロ、ミテレバ、ヨカッタナ」
獣は少し警戒するように周囲を見回した。
佐倉 光
「まあ……いつ何が起こるか、こんな不条理な空間で予想するのも難しいさ。
なるべく気をつけるようにしようぜ」
けもの
「アリガト。ソウスル」
獣は言い、あなたと背中合わせに位置取る。
佐倉 光
棚に近寄る。
KP
棚に近づくなら〈目星〉
佐倉 光
CCB<=85 〈目星〉 (1D100<=85) > 58 > 成功
KP
砂埃の降り積もった棚板に、一冊のノートが置かれているのを見つけた。

ノートも棚板も同じだけ砂埃が降り積もっており、まるで一体化しているかのようだ。この様子ではしばらく誰も触っていないのだろう。
佐倉 光
ノートの表紙には何か書いてある?
KP
表紙には何もない。ただ、雨ざらしにされたかのような紙の傷み方から、殆ど屋根もないようなあばら家に放置されていたのではないかと思う。
けもの
「ソレハ?」
獣があなたの手元を覗き込む。
佐倉 光
「よくわかんねぇけど……この屋敷に最初からあった物には見えねぇな。
棚ごと引っ越してきたのか?」
けもの
「オハナシニ、ノート、ナイヨナ?」
佐倉 光
「そうだな」
ノートを手に取る。
ホコリをそっと吹き飛ばして、めくってみる。
KP
そっと埃を飛ばしてノートを開くと、傷んだ紙がパリパリと音を立てた。
様々な国の言語や日付が書かれているが、ところどころ日本語で書かれている箇所もある。
BGMが不気味なものになる。
佐倉 光
わあ狂気曲。
KP
それは、痛ましく綴られた記録だった。
犠牲者たちの、だろうか。
日本語の箇所は、こんな文章で始まっている。
[1982 年 4 月]

この日付入りの書き残しは、かつてここに閉じ込められた人たちのものだろうか。

私たち兄妹はどうしてもここを出ることができないでいる。
せめて最期の時を穏やかに過ごすため、兄を元に戻してあげたい。

どうして。

醜く太った灰色の鳥にされた兄は、今も苦しげに鳴いている。

どうして私じゃないの。代わりになりたい。
佐倉 光
おいw ツゥイトツゥイトじゃねえかwww
あ、白鳥の王子か?
みにくいあひるの子じゃないかな?
けもの
「……」
その記述を見て、獣がごわごわとした毛に覆われた自らの胸を押さえた。
佐倉 光
読みつつ、牧志の腕にそっと手を当てる。
けもの
「……」
そっと触れられた手を、獣が見遣る。
あなたの手は毛の中に埋もれて、ひどく小さく細く見えた。
KP
記述はまだ続く。
佐倉 光
なんとなく、自分の中に渦巻いていた疑念を思い返しつつ、読み続ける。
[1993 年 11 月]

これを読んだどこかの誰かへ。
脱出の方法はある、どうか諦めないでくれ。

俺たち夫婦はついにこの-------の監視を誤魔化し、---------に気づいた。
そうして『フィッチャーの鳥』にされていた俺を、妻が元に戻した。

アレにやられると、体液を吸い尽くされてなお、不気味な模様が肌に残る。
妻の足首に忌々しいそいつがまだいるのが気がかりだが、早く帰って親友の外科医に診せようと思う。

俺たちの病院の番号を書いておく。
内科医の俺は今回役立たずだが、妻は腕の立つ精神科医だ。頼って欲しい。

下村医院
xxx-xxx-xxxx
内科・循環器科 下村来栖(シモムラ クリス)
精神科 下村汎子(シモムラ ヒロコ)

もしも外科医のツテが欲しければ、俺の名前を出して連絡をとってくれ。
親友の亮司は腕の立つ気さくな外科医だ。きっと、快く力になってくれる。

県立総合病院外科医 半田亮司(ハンダ リョウジ)
xxx-xxx-xxxx
佐倉 光
フィッチャーの鳥か……マイナーなの持ってきたな。
(あんま覚えてない)
KP
あ、そういえば部屋のテーマ以外の所では比較的マイナーなのもありましたな。
フィッチャーの鳥。まっしろ白鳥とも。
概ね、主人公がパワフルで賢く、一人で解決できる青髯、といった風情のお話。
童話の中での『フィッチャーの鳥』はあくまで変装だった筈だが……
KP
記述は、まだ続く。
まだ読む?
佐倉 光
読む。
途中でやめる理由がないね。
例えお約束でラストにトラップが仕掛けられているだろうと確信していてもだ。
[2011 年 4 月]

これを見た人へ。
おんどり犬と猫に追いかけられているうちに危険な種子を失くした。

うっかり拾っても決して血液を与えないように 決して。決して!
建物なんか二階分ブチ抜く高さに成長する。
最悪の場合はアルカリ性水溶液で鎮静化すること。
これを絶対どこかにメモしとけって助手に言われたので、汚い字でメモをしています。

外が賑やかだからそろそろ行きます。植物由来の麻酔薬が効かないのは助手が立証済みだけど、こっちにはまだ毒薬がある。

私の助手を返せ、畜生ども。
佐倉 光
「ロバは?」
思わず呟いた。
助手さんがロバだったんじゃないかな?
けもの
「……ドク?」
獣は読みづらそうにしながら文章を追う。その言葉にひたりと目を止めた。
佐倉 光
「毒、ねえ」
ベッドの方を見る。
けもの
「……ナゲル?」
佐倉 光
「なるほど?
あの毒、服薬しなくても効くのか?」
けもの
「ワカラナイ、ケド」
[2022 年 3 月]
ひどく汚い、まるで利き手ではない手で無理やり書いたかのような筆跡で綴られている。

2011 年の日本人。おい、やばい種どこだよ書いとけよ。回収してえ……

下村夫妻の書き置きもありがたいけど、普通に繋がらないよな。30年も前の連絡先っていう以前に、こういう時って大体そう。


筆記者:栗野恒夫 相棒:牟入経夢(ケイ)

ケイは夜にしかヒトに戻れず、昼は白鳥の姿にされている。
彼女を元に戻すために俺はイラクサを紡いで編み続けているが、日が落ちると編みかけの服は消えてしまう。
毎日、毎日、振出しに戻る。せめて打開策として分かったことは書いておきたいが、それすらたった一つだけだ。

『イステの歌』を解読しろ。
佐倉 光
あ、白鳥の王子だ。
作っても消えるの酷。
KP
まったくだ。
魔女に白鳥に変えられた11人の兄を救うため、妹がイラクサ(トゲトゲの堅い草)を使って服を作る。ちなみにその間口を効いてはならないため、いろいろと誤解を受けたり魔女の嫌がらせを受けても弁解できず、処刑されそうになってしまう。
そんなわけで最後の一着が未完成のまま使用された。
けもの
「……サッキノ」
佐倉 光
「あれか。肝心の部分が行方不明だ。
何者かが大事な所だけ持ち去った、のはともかく、どうして他の部分が焼かれていたんだ?」
ラテン語だ。悔しいことに、優秀な翻訳者のケイでもピンポイントで分からない言語で書かれていやがる。
ケイはこのノートに書かれているうち、英語、中国語、フランス語、イタリア語、ドイツ語を訳してくれた。
けれど誰もが二人組で捕らえられ、最後は色んな童話になぞらえて嬲り殺される……
それ以上の具体的な情報が何一つとして載っていない。

イラクサで手が限界だから、俺の記述はここで終わる。
この続きは俺の代わりに相棒が書いてくれるだろう。

俺たちもこうやって、何度も見知らぬ誰かのおかげで何度も命を繋いできた。
いつか同じ状況の誰かの助けになりますように。
佐倉 光
「なんだか……記憶に新しいな、この状況」
けもの
「アア……。」
あなたの言葉に、少し前の出来事を思い出したのだろう。あなたと彼が巻き込まれた、あの出来事。
あの時も、彼らも、二人組だった。
KP
ここから、筆跡が変わる。
恒夫のおかげで私は元の姿に戻れました。半分だけ。まさか、両足が根元から無くなるなんて思いもしなかった。

『白鳥の王子』には、一人分だけ片袖が間に合わなくて白鳥の翼のままになってしまったというバリエーションがあるのを私は知っていました。

きっとそういうことなんです。恒夫が完成させたのは、上衣だけだったから。
佐倉 光
一日で上だけでも完成させたのスゲーよ? しかもイラクサだよ?
セーター一枚編むのに何日かかると思ってんの??
KP
まったくよ ざっくり編みでも相当時間かかるのよ
その上にズダボロになった手でノートを書いているっていう
[苦しげに、ノートの中の筆跡がぶれる。]

やっぱり『アレ』は私たちを弄びたかっただけで、救いなんか最初から用意していなかった。

彼は『イステの歌』にあった呪文を何とか試そうとし、見つかりました。

イステの歌はあの『魔女』に暖炉に投げ込まれて燃えました。
私の相棒は最高だった。それなのに、これじゃ私が殺したみたいなものだ。

託されたノートにだって、希望のあることなんて何一つ書けやしない。
なんで私たちだったの。

血の海みたいな水槽を見つけました。足のない私なら、うっかり助かってしまうことはないでしょう。
牧志視点
牧志 浩太
(……、あいつ、何度、繰り返したんだ。こんなに、やり方ばかり凝って、)
混沌とした思考の中に怒りが湧き上がる。腹の奥がずんと重くなるようだった。

けもの
「……」
ギリ、と獣の牙が鳴った。
佐倉 光
「なるほど、そうするとやっぱり切れ端を探す意味はあるかも知れない」
けもの
「アア、モヤサレテ、ナイカモ……」
前の事を思い出したのだろう。獣の大きな顎が、俯いた。
「……ゴメン。イマノコト、カンガエル」
牧志視点
牧志 浩太
(……そうだ。引っ張られたらあいつの思う壺だ)

佐倉 光
(目の前で燃やす、という嫌がらせがしたかっただけの可能性もあるけど……
本気で阻止したがった可能性も、ある)
「そうだな、一応第一目標だ」
あえて、犠牲者には触れない。
けもの
「アア。モクヒョウガ、ミエタ」
獣の腕が微かに震えていた。
佐倉 光
記載はまだある?
KP
ノートはまだ続いているが、ここからは英語になっている。〈英語〉成功すれば読めるだろう。
佐倉 光
〈英語〉はねぇなぁ
KP
文章は口語だ。ニュアンスを読み取るのは困難だろうが、現代日本人ということを考慮して、【知識】/4>で成功すれば拾い読み程度はできるかもしれない。
けもの
CCB<=(75/8) 【知識】 (1D100<=9) > 89 > 失敗
佐倉 光
CCB<=95/4 【知識】 (1D100<=23) > 72 > 失敗
KP
いくつかの単語こそ分かっても、文章構成が読み取れない。

ただ、[Beast] という一単語だけは、拾えた。
Beast. ── 獣。
佐倉 光
牧志をちらと見る。
「俺たちと同じ立場のヤツか書いたのかも知れない。読めたらいいんだけどな……」
ノートはそれくらいかな。
ぱらぱらと最後までめくってみても、気になる記載はない?
そーいやさっきのメモ、裏見たりしてないなー
KP
その次は中国語、イタリア語、ドイツ語、と続く。同名の技能判定に成功すれば読める。
佐倉 光
〈外国語〉なんて持ってないぞー
KP
ドイツ語の記述を最後に、ノートは終わっている。
佐倉 光
「いくつか分かったな。
俺たちの前にも連れてこられて、童話をネタに遊ばれて殺された奴らと、『脱出した』と確信してノートを書いた奴らがいる。
実際脱出できたかはわかんねーけどな。
大体解呪は元ネタに沿って行う事になる……が、それだと無理なのかもな」
けもの
「ウタ、タネ、カンシ」
獣はあえて犠牲者たちの末路に触れず、関係がありそうだと思ったのだろう、一言二言そう拾う。
佐倉 光
牧志の言葉に頷く。
「歌はかなり強いカードになり得るけど、手元にない、読めない、の二重苦だな。
種は……見つければ二階に上がるのに使えそうだ。血を注げばいいって書いてた。
問題は監視だけど……」
けもの
「カンシハ、アイツノコト?」
佐倉 光
「どの程度行動がバレるのか分かんねぇからなぁ……」
けもの
獣はぐるりと周囲を見回す。外の光の届かない範囲には闇があるばかりだ。
佐倉 光
「……闇か?」
けもの
「アイツ、カゲカラ、デテキタ」
佐倉 光
「とはいえ、どうにかする手段なんて。
あのマッチや燭台程度じゃな……
いっそ放火でもしてやろうか」
牧志視点
牧志 浩太
(カーテンなら沢山あるな。燃やしたらよく燃えそうだ)

けもの
「……」獣がカーテンをちらりと見て、一瞬過激なことを言ったのが聞こえた。
その言葉がちょうど、あなたの言葉と重なる。
「……ハッ……、カンガエ、イッショ」
ここに来て、初めてだろうか。
獣の牙のあいまから、空気が漏れるような笑い声が漏れた。
佐倉 光
「お前も言うようになったじゃん?」
けもの
「スコシ、ナレタ」
佐倉 光
「お前には慣れて欲しくなかったなー。
ま、慣れちまったモンはしょうがない。
……最後の手段だ。普通に考えりゃ俺たちが死ぬ」
けもの
「アア。トビラ、アカナイ」獣は頷く。
佐倉 光
「……なあ、牧志」
けもの
「……サクラ、サン?」
佐倉 光
「一応確認しておきたいんだけど。
お前、俺を投げた?
こう壁にビターンって」
けもの
えっ? 獣はひらりと眼を瞬かせる。
「ナゲテナイ。……ト、オモウ……」

〈心理学〉+30%をどうぞ。
佐倉 光
CCB<=55+30 〈心理学〉 (1D100<=85) > 37 > 成功
けもの
獣は少し焦りながら記憶をたぐるが、雑多な思考と曖昧な感覚が飛び交い、記憶を手繰ることすら困難なように思われる。
過去のことはともかく、少し前のことがうまく思い出せないのだろうか、そう感じさせる。
佐倉 光
「覚えてない、か?
まあ……そんな気もしたから、一応、なんだけどな」
けもの
獣は苦しげに唸り声を漏らした。
「……ワカラナイ……、アタマ、グチャグチャ……」
佐倉 光
「いや、いい。覚えてないなら」
けもの
「……ゴメン」
佐倉 光
「ただな、もしかすると……
俺はカエルだったんじゃないか、と思うんだ」
けもの
CCB<=(18×1) 【INT】 (1D100<=18) > 45 > 失敗
佐倉 光
腕組みをしてエントランスの方を見る。
けもの
「……?」獣はあなたの言葉を掴みあぐねて、つられるようにエントランスの方を見た。

KP
獣の記憶力が落ちているせいで、佐倉さんと一緒に作戦会議が、できない!
佐倉 光
そう思うから1から話してるよー
KP
ありがとう佐倉さん
佐倉 光
とはいえ、すぐ忘れちゃうかも知れないけど。

佐倉 光
「『カエルの王様』は、カエルが色々あって壁に叩きつけられて人間に戻る話だろ?」
けもの
「アア」
佐倉 光
「エントランスの装飾やあの金の鞠考えると、あそこが『カエルの王様』の部屋だろうと思う」
けもの
「カエル、ナゲル」
佐倉 光
「で……俺、目が覚めたとき、体が叩きつけられたみたいに痛かったんだ。
もしかすると、カエルになった俺の呪いを、牧志姫が解いたんじゃないかと思ってさ」
(そして、代わりに呪いを受けた、なんてことはないだろうか……)
「俺、同衾迫ったりしてねーだろーな?」
牧志視点
牧志 浩太
(えっ? 佐倉さんがカエルに? いやなかったと思うんだけど、えー……)

けもの
「……オボエテ、ナイ」
獣はなんともいいがたい反応をして、困った顔をした。いや獣の表情は分からないが、返答に困っている気がした。
佐倉 光
一応〈心理学〉? それとも変わらないかな。
けもの
〈心理学〉+30%してみてもいい。
佐倉 光
CCB<=55+30 〈心理学〉 (1D100<=85) > 39 > 成功
けもの
えっそんな事は、なかったと思うんだけど思い出せない……! と割と真面目に考えてしまっている。真面目に考えてしまっているのが、ありありと分かる。
佐倉 光
「いや、まあ、状況証拠からの推測だし。
覚えてないってんなら、そんなことはなかったのかもな」
けもの
「ゴメン。カノウセイ、オボエトク」
彼はそう言って、何かを探すような仕草をした。もちろん獣の肉体には何も持ち物は見当たらない。
きっと彼の日記帳と、あの手帳用のペンを探したのだろう。
佐倉 光
ノート、ねえ。
書ける物はその辺にある?
KP
ない。不自然にノートだけが残されている。
佐倉 光
一応ノートも袋に突っ込んでいこうか。メモ帳に使えるかも知れないし、後で実は必要な情報が見つかる可能性もある。
KP
あなたは紙束と一緒にザックへノートを突っ込む。
佐倉 光
「ん……待てよ、豆か」
あの灰の中に種はないだろうか?
とりあえずベッドの所に戻って、メモ帳裏返してみよう。
鏡がいまだ無反応なのと、七人の小人? 老人? が出てこないのは気になるが。
KP
どれのことですっけメモ帳。紙束?
佐倉 光
メッセージカード、だったか。
「半分ずつ食え」って書いてたヤツ。
KP
あ、あれはナイフの柄に書かれています。
佐倉 光
長文だな。
ナイフには他には何も書いてないかな。
KP
ナイフの柄を裏返しても何も書かれていない。
佐倉 光
そうすると、これ喰うしかない?
いやー……食う理由今のところないなぁ。
とりあえず、林檎の赤いヤツの隅っこ、ニオイを嗅いでかじってみるか。
KP
みずみずしい林檎の香りがする。
佐倉 光
青い方は?
KP
爽やかな林檎の香りがする。
佐倉 光
とりあえず薬二種をポーチに突っ込んで、リンゴをいくつかに切り分けてー
「変なところで変な物食いたくないんだけどな。
ものすごく嫌な思い出があるんだ」
……科学技術館とか……駅とか……
牧志視点
牧志 浩太
(ああ、そういえば夢の世界で林檎、食べたな。俺にも味が伝わってきた。……不思議だ、ここに来るより前のことはちゃんと思い出せる)

けもの
「リンゴ……。ユメノ、セカイノ」
彼がぽつりと言った。あなたが暗い洞窟を飛び、疲れ果てた身体で辛うじて林檎を口にした、あの時のことを思い出したらしかった。
佐倉 光
「ああ……アレはマジてしみた。ものっっっすごく美味かった」
けもの
「オイシカッタ」
佐倉 光
「ま、悪い事ばかりじゃ、ない……って思いたいけど、ここじゃあな」
さくさくと皮を厚めに剥く。
意図的にだぞ! 不器用だからじゃないんだからな!
けもの
獣は林檎の皮を剥くあなたの手を、静かに見ている。
佐倉 光
【DEX】9は言い訳しながらリンゴを一かけ口に入れた。
一応、皮に毒が仕掛けられているのを警戒して厚く剥いた。
こんな心配がないリンゴは薄く向いた方が美味しいぞ。
KP
爽やかでみずみずしい果実の味わいは、あの時の思い出そのままに、あなたの身に染みわたるように思えた。
そういえばここに来てから、何も飲んだり食べたりしていない。
佐倉 光
これでリンゴにも毒が仕掛けられていたら笑うしかない、と思ったが、意外と美味い……
「悪い、先に食う。一応警戒頼む」
けもの
「アア」
彼は頷いて、少し背をかがめて周囲を見回す。
佐倉 光
八つに切り分けたリンゴの、赤い部分を二欠け、青い部分を二欠け。
特に何事もなく腹に収まるようなら、牧志に「食えるかも知れない」と伝える。
食うかどうかはまかせるけどね。
KP
青い部分は、甘酸っぱい爽やかな味わいであなたの鼻腔を和ませた。美味しい。
佐倉 光
「ふつーに美味い。腹減ってんだな俺……」
けもの
「……」
彼は恐る恐るそれを手に取ろうとするが、爪が邪魔でうまくいかない。親指が短く、うまくつまめない。
佐倉 光
「あーん、ってしてやろうかー?」
けもの
獣は頷いてそっと口を開けた。
赤黒い口の中には、尖った不揃いな牙が禍々しく生え揃っている。
佐倉 光
「つか、爪でぶっ刺して食えばよくね?」
言いながらリンゴを一かけずつ口に放り込む。
さすがに手を口に近づけるのは少し怖い。
牧志に悪意がなくても、腕がなくなるかも知れない。
牧志視点
牧志 浩太
(動物園のライオンになった気分だな)

けもの
「アリガト」
彼は林檎をいくつか口に放り込まれると、ゆっくりと口を閉じて咀嚼した。

「……オイシイ」
微かに微笑むような、和むような雰囲気が、彼から伝わる。
……なんだか動物園の餌やり体験のようだ。
佐倉 光
「お前って何に変身しているんだろうなぁ……
狼、のようでもあるし、ライオンのようでもあるし」
けもの
「ンー……。ドウナンダロウ、ナ」
佐倉 光
《アナライズ》……は無理だし」
KP
COMPは相変わらず沈黙を貫いている。
佐倉 光
「ジャミングでも受けてんのかな。
腹ごしらえはできたし、指示にも従ったし。ヨシとしよう」
けもの
「アア」
獣はのそりと立ち上がり、外へのドアを見遣る。
佐倉 光
「また何かあんのかな……」
けもの
「マタ、ナニカ、オキルカ?」
そしてあなたの一歩先を行くように前に出た。
佐倉 光
「鏡の方、注意しとく」
けもの
「アア」
佐倉 光
部屋を出よう。
佐倉 光
ちょっと薬はノリで口にするのは難しかったね!
KP
それはそう! 見るからにヤバイ!

KP
あなた達は、扉を開けて部屋を出ようとする。
……そのとき。
ゆらりと、室内の影が揺れた。
佐倉 光
「来る……?」
KP
『鏡よ鏡。世界で一番美しいのは、だぁれ?』
佐倉 光
鏡を見る。
KP
『魔女様。それは、彼でございます』
それはあの男の声だった。あの男の声で、一人芝居が始まる。姿は見えないが、声は部屋の影全体から響いているようだった。
『ああ、憎らしい憎らしい!』
牧志視点
牧志 浩太
(くそ、また出た)

けもの
「グ……、」
あなたの背後を庇うように、獣はあなたと背中合わせになる。
KP
『ですが、ありとあらゆる手を尽くして彼を殺して、その肝をステーキにして食べたところで仕方ないのです。猟師も小人もいませんから、ハッピーエンドになりません』
『このお話は王子様が迎えに来て目を覚ましてくれるから、ロマンチックなのでしょう?』
佐倉 光
(小人いないのかよ……)
KP
『ほら、だからあなたのために── とびきり美しい王子様を、用意しましたよ!』
けたたましく響く老若男女の笑い声。部屋のあらゆる場所から吹き出す笑い声が、あなたの鼓膜に突き刺さる。
佐倉 光
耳を塞ぐ。
KP
耳を塞いでもなお、笑い声はまったく減じない。塞いだ手を、指をすり抜けるように、笑い声が頭の中を反響する。
鏡を見ていたあなたは、気づく。
──鏡に映ったあなたの影、その背後に、ゆらりと濃い影が揺らめいた。
佐倉 光
「! 牧志、影が!」
KP
その影はやがて3メートル位はありそうな、巨大なやつれた男の姿をとった。セルロイドのアンティークドールのような造形のそれは、ぎしぎしと軋みながら、目前の獣に向き合う。
佐倉 光
牧志から離れようとする。
俺の影ならついてくるはずだ!
けもの
「ガッ!」
獣はその影と向き合っていた。咄嗟に飛び掛かろうとしたのか、逃げようとしたのか、しかし。
KP
二人の足下から、ゆるりと暗黒の影が伸びてくる。
あなたの脚が、動かない。
佐倉 光
「くそっ! 好き勝手、やりやがって!」
けもの
「グ……ッ!」
獣も同じように、逃れようとして身を捻る。
KP
〈王子〉の眼球の位置にはぽっかりと漆黒が口を開けており、半開きになった口からは細い蝕肢のような糸状の何かが蠢きながら這い出していた。
SANチェック成功時減少 1失敗時減少 1D3
けもの
CCB<=76 《SANチェック》 (1D100<=76) > 43 > 成功
[ けもの ] SAN : 76 → 75
佐倉 光
CCB<=75 《SANチェック》 (1D100<=75) > 1 > 決定的成功/スペシャル
[ 佐倉 光 ] SAN : 75 → 74
KP
やる気だ!
佐倉 光
また《SANチェック》でクリティカル/ファンブルだよ!
成長できねぇんだよそれじゃあ!

KP
『アア……、ワタシ、ノ、ウンメイ……』
ぎしり、巨大な人形の腕が軋む。
巨大な人形が、獣の背よりなお高い位置から、ゆっくりと獣にのしかかる。
『…… アイヲ…… チカ、オウ……』
牧志視点
KP
口の中から溢れ出る触肢を絶えずもつれ蠢かせながら、巨大な人形がゆっくりとあなたへと迫る。正面から向き合う姿勢に嫌な予感がした。
あなたは身を捻り逃れようとしたが、あなたの脚はまるで石になったようにあなたの身体を床の上へ縫い止める。
牧志 浩太
(……え、え、これって、もしかして、)

けもの
「ガ、ガアアアアッ……!」
獣は嫌がるように身を捻るが、その脚はまるで石になったように動かない。
牧志視点
牧志 浩太
(え、ちょっとそれは、来るな、来るな来るな来るな)

佐倉 光
一番良いのは光源を作ってみる事だと思うんだけど……
さっきの事を考えると、あまり宛にならないなぁ。
KP
蝋燭、そこまで大きい光源ではないですからねぇ。
佐倉 光
ポーチからナイフを出して投げつけてみるか。
〈投擲〉? そんなもんない。
KP
相手は巨大な影だ。しかも、あなたの方を向いてはいない。
〈投擲〉+50%で判定。
佐倉 光
CCB<=25+50 〈投擲〉 (1D100<=75) > 96 > 致命的失敗
えぇぇぇ
お前ここで!?
KP
せ、成長記録してもいいですよ。
佐倉 光
わ、わーいやったぁ!
KP
あなたは咄嗟にポーチからナイフを抜いて投げようとする。しかし、動揺したのだろうか、あなたはナイフの刃を掴んでしまう。
佐倉 光
「いっっってぇ!」
KP
痛みに呻いている間に、無機質な人形の顔が、獣の顔に近づいていく。
その眼の中から這い出す黒い髪の毛のような触手が、ぞわぞわと何かを探すように、獣の顔を絡めとっていく。
牧志視点
KP
あなたの顔に無数の触肢が絡みつく。無数の蛆虫に顔を撫でられ這われるような悍ましい感触が頬を、目元を、眼球を、埋め尽くしていく。
真っ黒な闇が視界を覆う。
ねばねば、さらさら、もぞもぞ、みちみち、理解しがたい感覚の群れにあなたの思考はパニックになる。

喰われる。
牧志 浩太
(あ、あ、あ、ああ、ぞわぞわする、来るな来るな来るな気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い来るな来るな来るな)
絶えず襲う悍ましい感覚を払おうと爪を振り上げる。自分の顔を引っ掻く。痛みでもいいからそれ以外の感覚が欲しかった。正常な感覚が欲しかった。
KP
あなたの爪が顔に触れることはなかった。爪などないかのように触肢はあなたの上で蠢く。
牧志 浩太
(きもち、わるい)混濁した思考がそれだけに埋め尽くされていく。

けもの
「ガ、ア、アアア……!」
佐倉 光
「牧志、牧志!」
KP
わめく獣の声に構わず、『王子様』は獣の牙の生えた口を貪るように口づけをする。かつん、かつんと牙に当たって音が響く。
牧志視点
KP
あなたは気づいてしまう。あなたの唇に数度触れては離れる柔らかい何かは、人形の、唇だ。
牧志 浩太
(うぇえ、)

佐倉 光
あっ。
お気の毒に……
解毒薬かなぁ……嫌だなぁ。
KP
見れば、人形の顔にはひびが入っていた。その割れ目からは蠢く蛆虫のような真っ黒な物体が漏れて出て、その蠢く影が、触手が、獣の口から獣の中へと入り込んでいく。
牧志視点
KP
とうとう人形の唇があなたに押しつけられる。そこから蠢く分厚い何かが、口の中へとねじ込まれた。牙をものともせず口を無理やりこじ開けると、蠢く触肢があなたの内部へと侵入する。
獣とて体内の粘膜は柔らかいものらしかった。無数の蟲があなたの内部を探るように這い回る。どれだけ拒もうが次から次へと入ってくる。あなたの内側がそれになってしまうかのようだった。皮膚の内臓の心臓の内側でそれが絶えず蠢きあなたを暴くかのような感覚に、あなたは悶える。
牧志 浩太
(……あ……、うぇ……、)
もう何も考える余裕などなかった。それを振り払おうとわめく自分の声すら遠い。息が足りない。頭が回らない。頭蓋の内側で蠢くようなそれの音と感触しか内側にも外側にも存在しなかった。

佐倉 光
「おい、くそ、やめろ!」
けもの
「ア……、ガ……ッ、」
KP
獣の頬が含まされたもので膨れ上がる。苦しげにわめく声が不明瞭なものになっていく。
『王子様』のおぞましい口づけは、その状態でも狂ったように続いた。
佐倉 光
「牧志は女でも美しくも死体でもねえんだぞくそが!」
KP
やがてほとんど原型をとどめなくなったどろどろの『王子様』は、獣に縋りつくように腕を絡めながら溶け落ちる。
獣の牙のあいまから、真っ黒な液体が溢れ出していく。
それは、形をもった「影」だった。
流れ落ち、溶け落ち、霧散していく。
影は最初から何もなかったかのように音もなく霧散し、部屋に響く笑い声も止んだ。
牧志視点
KP
あなたの内側に嫌な感触だけを残して、影はどろどろとあなたの中から流れ落ちていった。
牧志 浩太
(うぇ、気持ち悪……。今だけは早く忘れたい……)

KP
SANチェック成功時減少 1D2失敗時減少 1D4+1
KP
もしかしなくても、牧志が覚えている範囲ではファーストキス……。
佐倉 光
そうだよねー
佐倉 光
CCB<=74 《SANチェック》 (1D100<=74) > 97 > 致命的失敗
んー
狂気だわ。
KP
あーあー。最大値(5)減らしてください。
けもの
CCB<=75 《SANチェック》 (1D100<=75) > 97 > 致命的失敗
さすがにこれはめちゃくちゃイヤだったらしい。
[ けもの ] SAN : 75 → 70
佐倉 光
ふたりしてwww
[ 佐倉 光 ] SAN : 74 → 69
これ最悪の事態を招きかねんぞ。
1d10 (1D10) > 2
1d10 (1D10) > 1
KP
あ、一時的狂気なのでまず【アイデア】ロールを。
佐倉 光
あ、そうか
CCB<=85 【アイデア】 (1D100<=85) > 79 > 成功
頑張ったんだけどなー
けもの
CCB<=90/2 【アイデア】 (1D100<=45) > 94 > 失敗
佐倉 光

忘却する事で自衛したか?
けもの
獣は物をうまく考えられなかったおかげで【アイデア】ロールを免れた。
もしかしなくてもこれがファーストキスとか、そういうことを考えずに済んだらしい。

佐倉 光
【パニックで逃げ出す】
1+4ラウンド
KP
こんなところで。
佐倉 光
牧志が殺人癖、佐倉が行動不能とかだしたらジ・エンドだったから……
まだマシだ。
KP
【アイデア】だから、ここにも〈けものしぐさ〉が適用されるおかげで命拾いを。
佐倉 光
それも考慮に入ってるのかな……
KP
それはあるかも。

けもの
あなたの狂気が獣に伝播する。獣の苦しみがあなたに跳ね返る。
「ガッ……、サクラ、サン!」
彼は足が動くことに気づいて、咄嗟にあなたに駆け寄る。
牧志視点
KP
呆然としていたあなたは、はっと急に佐倉が走り出したのに気づく。
牧志 浩太
(って、佐倉さん!?)こんな場所で単独行動したら、危ない!

佐倉 光
「うわぁぁぁぁぁ!」
頭の中がぐちゃぐちゃになった。
ここはどこだ? 俺はどこにいる?
KP
あなたの背後から巨大な獣が迫ってくる。
牧志視点
牧志 浩太
走り出す佐倉さんを咄嗟に追いかける。名を呼びたかったが言葉がうまく出ない。口からさっきの影が垂れてくる嫌な感触を頭から追いやって、走る。

佐倉 光
あれはなんだ!?
まるで人間のようなうなり声を上げ、恐ろしげな爪をかざし迫ってくる、あの化け物は何だ!?
KP
あなたなどたやすく切り裂けそうな爪を備え、狼とも獅子ともつかず、牙からわずかに黒い影を垂らして、低い唸り声を上げて迫ってくる。
佐倉 光
扉を開けてエントランスへ。
転がるように、どことも知れぬ建物の中を逃げる。
けもの
「サクラ、サン……!」
獣は夢中になってあなたを追う。さいわい少しだけあなたより動きが遅いのか、少しずつ距離は離れていく。
牧志視点
牧志 浩太
(あっこれもしかして脚は別に速くなってないな!?)

KP
【DEX】1差。>少しだけ遅い
佐倉 光
そこは強化されないんだな。
KP
ないのです。発狂こそしていないものの、獣も起きたことが起きた事なのでちょっとパニックになってる。
佐倉 光
ぐちゃぐちゃになっている間にファーストキスの悲劇を忘れられそうだねやった!
KP
やったぜ!
佐倉さんの記憶にだけ残っちゃうじゃない。>牧志のファーストキスの悲劇
佐倉 光
これは……お口チャックしとこう。
KP
あーあ、秘密が増えた。
佐倉 光
片目君も喋んなよ?
KP
二人に秘密を握られてる!
片目君……佐倉の中にいるもう一人のこと。

牧志視点
牧志 浩太
(佐倉さん!)少しずつ離れていく小さな影を必死に追いかける。部屋に飛び込まれた。半分体当たりのように扉にぶつかりながら扉を叩く。

佐倉 光
すぐ向かい側にあった扉に逃げ込んだ。
KP
さいわい、扉はたやすく開いた。薄暗い室内であなたは灰に埋もれる。
佐倉 光
激しく咳き込みながら扉を押さえる。
けもの
向こうから獣がドン、ドンと、数度強く扉を叩くような、体当たりするような強い衝撃。
佐倉 光
あ、紐があったなそういや。
じゃあ逃げたくても紐に繋がれてて逃げ切れないじゃんWWW
KP
金色の紐が扉に挟まっているのが見えた。

KP
この紐数メートルくらいは伸びるっぽいので(シャンデリアの所参照)【DEX】があんまり違わなかったからピーンってならずにすみましたね。
佐倉 光
ピーンってなってたら「何この状況!?」ってなってもっとパニックになってたな。
KP
ステーン! なにこれ!? ってなるところだった
狂気ついでに探索済みの部屋に戻るムーブがあまりに鮮やか

佐倉 光
両手でドアを押さえながら、ドアを塞ぐ事ができる物がないか、と部屋を見回していて、はたと気付いた。
俺、何やってんの?
牧志視点
牧志 浩太
不意に向こうから感じる慌てた気配が消えて、辺りが静かになったような気がした。
……あ。これ、普通に怖いな? 扉に体当たりしてたな、俺?

けもの
そのあたりでちょうど獣も我に返ったようだ。扉を叩く音が止む。
佐倉 光
「……
えー……と?
何してんだ俺」
けもの
CCB<=75 〈母国語(日本語)〉 (1D100<=75) > 43 > 成功
「……サクラ、サン。ダイジョウブ?」
扉の外から、微かに獣の、心配そうに呼びかける声。
佐倉 光
「確か『王子』が……
……
……ああ、大丈夫、悪い、混乱していたみたいだ」
けもの
「……ヨカッタ」
微かに、安堵の息。
佐倉 光
ドアを開ける。
「俺、お前から逃げてた?」
けもの
「ウン」
獣は大きな背を丸めて、扉にもたれるように座り込んでいた。その手に、扉に挟まっていた金色の紐がある。
佐倉 光
「まあなんつーか。
衝撃的だったっつーか。
要素多過ぎで」
けもの
CCB<=(18×1) 【INT】 (1D100<=18) > 99 > 致命的失敗
けもの
あっよかった衝撃的過ぎてめっちゃ忘れてる。
佐倉 光
よしよしよし
牧志視点
牧志 浩太
(何があったんだっけ、確かどろどろした影が……)

けもの
「……ナニガ、アッタンダッケ」
佐倉 光
「影が出て襲ってきたから逃げたんだけど。
混乱しすぎてお前を敵と間違えたみたいだ。
悪かったよ」
半分はそういう事だし。
けもの
「ソウカ……。イヤ、ヨカッタ」
獣はしばし考え、言葉をたぐる。
「サクラ、サン。ダイジョウブデ」
佐倉 光
「お前、ちょっとは怒ってもいいんだぞ?」
けもの
「ビックリシタ、シカタナイ」
獣は安堵したように息を吐いて、緩やかに首を振る。
佐倉 光
牧志だなぁ。
そんな事を思いつつ。
「俺、こっちの部屋でちょっと気になる事があってさ」
けもの
獣はその言葉を聞いてのそりと身を起こし、室内に入ってくる。
佐倉 光
「まず、さっきのノートにあった種。ここの豆に紛れてないかと思って。
ちょっと掃除でもしてみるか。
あと、肖像画だ。考えてみればこれも童話には出てこないな。さっきは勝手に実母かと思ったけど」
持って行けるサイズなら持って行こうと思う。
「それと……
火かき棒。何かと役に立つかも知れない」
佐倉 光
というわけで三つ気になるよ!
佐倉 光
火かき棒にぼろ布巻いて、松明代わりに使う……ってのもアリかなぁ。
特殊な能力はないだろうけども。
KP
火かき棒は持って行くことができる。
灰かぶりよろしく掃除をしてみると、豆はすべて最初から灰を固めて作られていたかのように崩れてしまい、種のようなものは残らない。
肖像画は、同じく持って行くことができる。
佐倉 光
「ちぇ。種はなしか」
灰をどけたところに字が書いてあったりはしないか。
KP
特に何もない。
佐倉 光
「さっきの部屋といい、童話と関係ない物が置いてある……
何かの役に立つかもな?」
そうすると、エントランスの「関係ない物」はガラス細工だろうか。
けもの
「オハナシ、カンケイナイ……」
獣はあなたの背負っているザックなどを見ながら、数度頷いた。
佐倉 光
「よし、確認終わり。じゃあ次は。
エントランス奥のでけー扉だな」
けもの
「アア」
佐倉 光
エントランスに戻って、ボール・ルームに行ってみよう。
あっ
KP
あっ?
佐倉 光
行く前に、残った二つのガラス細工見て
「こっちの鍵ってどんな話だ?」って訊いておこう!
チョイメタではあるが、喋れるようになったと判断した相手に問いかけてみるのは不自然じゃないと思う!
けもの
「アオヒゲ。エート……」
言葉をたぐりながら、どう説明していいものかと困っているようだ。
牧志視点
牧志 浩太
(ええと、分かる、分かるんだけどなんて言っていいか分からない)

佐倉 光
〈心理学〉してみる……って
意味あるのかなぁ?
けもの
してみてもいい。
佐倉 光
CCB<=55 〈心理学〉 (1D100<=55) > 54 > 成功
+30だったか。まあいい。
けもの
「チマミレ、ノ、ハナシ」
童話の内容を彼は知っているが、それを説明する言葉がうまく出てこないらしく、爪の生えた手をわきわきと動かしている。ちょっと怖い。
佐倉 光
「……血まみれねー。
平和な話じゃない、ってことだけ分かった。あと髭と鍵?
青髯って何だ。そり残しか?
剃り損ねて血まみれ……のわけねーよな」
牧志視点
牧志 浩太
(いやそうじゃなくて、ええと)

けもの
「ミルナノ、ヘヤ。カギ」
わきわきわき……。説明しづらい! 童話のあらすじを説明するのはなかなかの難題らしく、よからぬ方向に話が行くあなたに、どんどん獣の眼が困ったような色を帯びていく。
佐倉 光
「……みるなのへや……
なんかまずい物でも隠してあんのか」
けもの
「チマミレ。ツマノ、シタイ」こくりと獣は頷く。
佐倉 光
「ロクでもねー」
けもの
「ロクデモナイ」
佐倉 光
「……まあ、先に中身分かる方からにしよう」
ボール・ルームの扉を開ける。

佐倉 光
そもそもが扉開けるのがアウトの話だからなぁ……
KP
なんですよねぇ。その上に主人公の機転というよりお兄ちゃん頼み。
ラテン語が読めるお兄ちゃん(波照間)この場に、いない!
佐倉 光
いないなー
KP
実はあのお兄ちゃん〈ラテン語〉70あるんですよ。〈弓道〉〈オカルト〉さしおいてなにやってるんだっていう。
佐倉 光
お兄ちゃんここにいてくれたらなぁ!
そしてさっきのカエルの理屈で言うならここは牧志の部屋なんだが……

KP
そこは、広々としたダンスホールだった。中庭に向かってか、半円形に突き出すような形状をしている。
部屋の規模の割に小さなシャンデリアが、心許なくあなたがたの足元を照らしていた。
けもの
CCB<=75 〈母国語(日本語)〉 (1D100<=75) > 58 > 成功
佐倉 光
「ダンスホールか」
けもの
「アア」
佐倉 光
この部屋何か気になるものあるかなぁ。
KP
ぱっと見て分かるのは、食器やグラスの置かれたテーブルがある。
それ以外に気になるものを探すなら、〈目星〉
また、それとは別に【アイデア】
佐倉 光
でずにーなら喋るんだけどな、ここの食器。
ではまず部屋全体を見る。
CCB<=85 〈目星〉 (1D100<=85) > 90 > 失敗
うーん、なんか調子悪いぞ。
けもの
CCB<=84 〈目星〉 (1D100<=84) > 3 > 決定的成功/スペシャル
わお
佐倉 光
やった!
CCB<=85 【アイデア】 (1D100<=85) > 29 > 成功
KP
ではまず【アイデア】の結果から。
あなたは先程鍵の形のガラス細工を取り出した時に、ポーチの中に違和感を覚えたような気がした。
佐倉 光
ん?
ポーチの中探ってみる。
折れてたり?
KP
ポーチの中を探ると、いくつか物がなくなっている。フルーツナイフ、肖像画、それから林檎の中に入っていたあの薬。
佐倉 光
ああー
なるほど?
「牧志。物がなくなってる」
けもの
「ア?」床の一点を見ていた獣が振り返る。
KP
いまあなたが持っているのは、
ガラス細工、紙束、蝋燭、燭台、ぼろ布、火かき棒、マッチ、それからノートだ。
佐倉 光
「謎解きに関係ないものは没収されるのかも知れない。
もしくは、部屋の中で行う必要がある、か」
けもの
「……」獣は考えるようにポーチの中をじっと見る。
牧志視点
牧志 浩太
(ナイフと肖像画と薬は消えた、童話に関係のある物は消えるのか? でも、マッチは消えてないよな……?)

佐倉 光
「あ、そうだ、なんか見つけたのか?」
あ、まず〈心理学〉かな?
KP
〈心理学〉+30%、どうぞ。
佐倉 光
CCB<=55+30 〈心理学〉 (1D100<=85) > 85 > 成功
ギリ!
けもの
獣の背からは、なくなったものの共通点について考えているような雰囲気が伝わってきた。共通点は童話に関係があるか? しかし、火かき棒やマッチは?
佐倉 光
「ナイフと絵と薬か……後で部屋に戻って、部屋に残っているか調べてみてもいいかもな。
……火かき棒もマッチも、火に関係あるな?」
けもの
「……ロウソク、モ?」
佐倉 光
「ああ、燭台や蝋燭もそうだ」
けもの
「……ノート?」
佐倉 光
「強いて言えば、紙束は燃えるな……
燃えて、光を出す」
けもの
「……ヒカリ。カゲ」
獣はたぐるように続ける。
佐倉 光
「やっぱ放火かァ?
ま、冗談はさておき……
何を見つけたんだ?」
牧志視点
KP
柱の影に、薬局で貰う処方薬の袋のようなものが見つかる。 風雨に晒されたように表面がざらついており、インクが滲んでいて文字は読みづらい が日本語で記されているようだ。
牧志 浩太
(何だあれ、薬の袋?)

けもの
「アレ」
大理石の広々とした床の一点を、獣は指す。

柱の影に、薬局で貰う処方薬の袋のようなものが落ちていた。
風雨に晒されたように表面がざらついており、インクが滲んでいて文字は読みづらいが日本語で記されているようだ。
佐倉 光
拾って読んでみる。
KP
〈母国語(日本語)〉または【アイデア】成功すれば読み取れる。
佐倉 光
CCB<=95 〈母国語(日本語)〉 (1D100<=95) > 97 > 致命的失敗
www
おま
けもの
CCB<=(75/2) 〈母国語(日本語)〉 (1D100<=37) > 95 > 失敗
KP
うーん! インクが滲んでいてよくわからん!
とりあえず中身が空であることはよくわかった。

佐倉 光
っていうかどうせなら【アイデア】で振れば成長の余地があったのにwww
KP
そうか最大値なんですね。あーあ。
KP
まさかここで失敗するとは。
佐倉 光
佐倉お前……
ファンブルしすぎじゃないか?
KP
大丈夫今回は獣もわりとファンブルしてるから…… してるから?
でも獣はクリティカルもしてるか。
佐倉 光
牧志君は割とクリファン激しい。
佐倉は何故かSAN値とか意味ないところでクリファン激しい。
KP
ですねぇ。なぜか。

佐倉 光
仕方ない、紙を拾ってポーチに突っ込んでー
テーブルを見てみよう。
KP
テーブルには埃を被った食器やグラスが置きっぱなしになっている。花瓶に入った花はドライフラワー状態で、花弁と茎の間に蜘蛛の巣が張っている。
ここは長く使われていなかった部屋なのだろうか。
〈目星〉
佐倉 光
CCB<=85 〈目星〉 (1D100<=85) > 35 > 成功
KP
テーブルの下に、色あせた赤いダンスシューズが転がっている。サイズはあなたの足に丁度合いそうだ。
佐倉 光
赤い……ダンスシューズ……
足切られそー
そういや佐倉は『美女と野獣』についてどの程度識っていて良いんだろう。
KP
そうですね…… 中でも有名な話だし、概略くらいは知っていてかまいません。
【知識】成功したら、もう少し詳しく知っているかも。>美女と野獣
佐倉 光
CCB<=95 【知識】 (1D100<=95) > 22 > 成功
「美女と野獣にもダンスシーン出てきたよな……
しかしあれはディズニー版だ……」
けもの
獣はあなたの呟きを聞き取り、自分の爪を見て、ううん、と困ったような眼をした。
牧志視点
牧志 浩太
(ううん、この爪じゃ手を取ってダンスはできそうにないな)

佐倉 光
手に取ってよく見てみる。
『私を履け』とか書いてあんのかな?
KP
さて、赤い靴を持ち上げると、なんだか中でからころと音がする。
佐倉 光
逆さにして振ってみる。
KP
何も出てこない。靴の中に何か入っているのか?
佐倉 光
「もとの童話だと、一回城から出るんだよな、ベルは」
靴の中に手を入れてみるか。
KP
やっぱり何も出てこないが、からころという音はし続ける。
佐倉 光
「何だこれ?」
けもの
CCB<=(75/2) 【知識】 (1D100<=37) > 19 > 成功
牧志視点
牧志 浩太
(確か、家族の顔を見に二ヶ月だけ家に帰してもらうんだっけ。そしたら引き留められて遅くなって、急いで帰って…… 走れメロスかな?)

けもの
「メロス」
あなたの呟きに獣が応える。
言わんとすることは分からなくもないが、何だか違う。
佐倉 光
「うーん……合っているような、違うような……
いや泣いて解決するのは同じっちゃあ同じ?」
けもの
獣は自身の爪をすっと差し出す。切ってみようか、と言いたいのだろう。
佐倉 光
「なるほど」
じゃあ音がする靴を牧志の前に両手で持って出す。
けもの
獣は爪でその靴を切り裂こうとする。
しかし、なぜか滑ってしまってうまくいかない。
何度試しても、状況は変わらなかった。
佐倉 光
「何だこりゃ」
けもの
「グゥ」
少し苛立ったように獣が靴を追いかけても、まるで靴は逃げるように獣の爪を逃れる。
佐倉 光
「俺に履いて踊れっての?
いやー、無理だから。
俺、踊りとか知らねぇし」
けもの
「オレモ」
佐倉 光
「よし、保留」
靴をテーブルの下に戻す。
赤い靴、ってとこが気に食わない。
「じゃ、狂気の世界に行ってみるか」
けもの
「アリス?」
佐倉 光
左手の扉を指す。
「そ。狂気しかないだろ?
ま、この館全体が狂気の産物って気も、するけどな」
けもの
「アクシュミ」まったくだ、と獣は頷いた。
佐倉 光
じゃあ行こう、と苦笑じみた笑みを牧志に向けて、扉へ向かって歩き出す。
KP
あなたたちは扉へ向かって歩き出す。
そのとき──
本日は以上!
佐倉 光
お疲れ様でしたー!
KP
お疲れさまでしたー! ありがとうございました
佐倉 光
ありがとうございました!
おしまい
KP
いやー獣が割と喋れると会話のテンポがよくなりますね。
佐倉 光
結構ポンポン会話できていいなー
割といつものノリで喋れる。
何をどうしたらいいのかはまださっぱり見えてこないけど……
あと2フロアはありそうだしなぁ。
KP
そうそう。あと序盤全然喋れなくて、次第に喋れるようになってくるのがなんだかそれらしい。
佐倉 光
そして踊らされそうだしなぁ……
KP
ありますねぇ。しかも残ったのがアリスと青髭。
佐倉 光
いやだぁぁぁぁ!
絶対不条理恐怖系じゃねーか!
そのまま喋れる牧志君でいてくれ。
KP
それはダイス目次第なんですよねぇ。とはいえ一度会話のテンポがよくなったことで喋る雰囲気を掴んできたのはありますし、喋れない獣に戻ってももうちょっとなんとかなる、かも?
佐倉 光
なるといーなー
KP
そういえば〈母国語〉について、シナリオを見直してどうも処理を間違えた(これ〈母国語〉も/2されるっぽい)のですが、/2せずに走ってしまったのでこのまま走ります。
KP
「ゴメン処理間違えた」ってログのどこかに書いておいてください……。
佐倉 光
はーい
牧志の〈母国語〉ですよね?
KP
そうそう。喋れるか喋れないか決定する時のですね。
佐倉 光
なるほど
KP
うーんどうしようかな、ここから直そうかな……
choice[なおす,このまま] (choice[なおす,このまま]) > なおす
佐倉 光
次回の牧志は無口になりそう。
KP
次回(次の部屋)から処理を直します。
佐倉 光
はーい
それはそれで佐倉がもの凄く不安になりそう。
KP
いきなりまた無口になりますからねぇ。
佐倉 光
ヤツも言ってたけど、希望を与えて取り上げる、は残酷なんだよ?
というわけで卓外で言ってた確認したい事は、「俺投げられたんじゃない?」でした。
12時半です、寝ましょう。
KP
なるほどなるほど。
KPのミスにより意図せずイイ展開を!
佐倉 光
これもあいつのトラップだなぁぁぁぁ!?
KP
魔女「処理間違えたメンゴ」
佐倉 光
不条理……ッ!
KP
ではログを取ります、ありがとうございました!
佐倉 光
ありがとうございました!

キスのおもひで
KP
正式ログだー! ありがとうございます!
佐倉さんの赤面がこんなとこでwww(トップ絵でも出てましたね)
佐倉 光
赤面はログでは初かなw
トップ絵に泣いてる顔は出したかと思うけども。
KP
あれ、非公開ログで一度トップになってませんでしたっけ 気のせいか
佐倉 光
その後に影に酷いディープキスされんの可哀想すぎる。
KP
まったくで。>その後に
牧志のファーストキス事件……
佐倉 光
あれぐだぐだになっちゃって確認とかしなかったけど、体の中に変な物入れられてない!?
KP
(no comment)
佐倉 光
嗚呼
KP
あの後の最高にドタバタな展開好きです。
佐倉 光
いっそ人工呼吸しとけば良かった!?(よくない)
KP
なるほど!?
しかしそれどころか逃げちゃった。
佐倉 光
怖かったんだもん。
KP
その前の描写をきれいに受けてくれて楽しかったです。
佐倉 光
きっと波照間さんの記憶に、甘酸っぱいファーストキスの記憶が……!
《悪魔のキス》
KP
はっそういえば
やったね、ファーストキスの記憶は別にあったよ
あ、でもあれは耳ぺろだっけ
佐倉 光
ですね、残念!
波照間は科学技術館で《悪魔のキス》をくらっている。
KP
残念!
ってことは耳に初体験な感触を受けた記憶はあると。
佐倉 光
なるほど! ……しかも騙されてやられた屈辱的な感触。
KP
初体験すぎて屈辱を覚える余裕はなかったのでそこはSAFE
佐倉 光
そんな素直に受け取っちゃったかー。
KP
それはもう。
PALYZEなことを訴える余裕すらなかったし。
佐倉 光
佐倉は多分ラミアさんに奪われてるな。
もれなくパラライズ。
KP
あー……(納得)
波照間はメガテン本編通して女性悪魔がエンジェルさんしかいませんでしたしね。
佐倉 光
エンジェルさんはちゅーしてくれそうにない。
KP
素足で頭を踏まれる体験はした模様>エンジェルさん
佐倉 光
二人とも倒錯的な体験しかしてないな!?
ピクシーたんは!?
KP
はっそうだピクシー!
そうだそうだ 正式なカードとして入るより前の仲間だからうっかり
佐倉 光
ピクシーたんならほっぺにチューくらいならしてくれるはずだ!
KP
してくれそう!
してくれたらくれたで慌てて真っ赤になってよくわからない弁明しそう>波照間
佐倉 光
ピクシーにめっちゃ笑われそう。
KP
楽しそうに笑ってくれつつもいちどチュッしてくれそう
佐倉 光
してくれそう。
ピクシーは癒やし。特に3は正ヒロイン。異論は認め……る。
KP
異論なし
佐倉 光
(グータッチ)
KP
(イエーイ)
そういえばラミアさんのまるだしおっぱいと一緒に戦ってた記憶もしっかり残ってるんだなぁ、牧志に
佐倉 光
あらあら。
あらあら。
結構まるだしの人と同行する機会多かったですね。
まるだしの悪魔とも戦ったし。
KP
そうそう。オキュペテーといいコカクチョウといいルサールカといい。
記憶の中にまるだしがいっぱい……。

ちょっとくらい触っても怒られないかなとか考えてしまいつつ結局触らなかった記憶とかも残ってる
佐倉 光
牧志君の性癖が歪みそうで心配。
しかし、どんなに幸せな記憶があっても、影にぶちゅーされたという事実は揺るがないんだなこれが……。
さっさと忘れよう。
KP
【INT】×1でファンブルするほど忘れたかった。
佐倉 光
またも芸術的なファンブルだった。
ファンブル芸の激しいシリーズ。
KP
ほんとに。>ファンブル
牧志自身の性癖はどうなんでしょうねぇ……。
佐倉 光
牧志くんに普通の恋愛を……シナリオで。
KP
普通の恋愛…… になるのかなぁ。>シナリオ



ひとこと
佐倉 光
横たわる過去を目の前に、彼らは何を思う。


牧志くんが可哀想すぎましたが、そこが三連ファンブル&失敗と更なるファンブルで大騒ぎに。
このシリーズ、毎度毎度ファンブルの芸術点が高い。
それにしてもファンブル出過ぎじゃないのか女神!?


【置】CoC『ヒナドリ ・ イングレイヴド 』 牧志&佐倉 6

佐倉さんは、俺は。
雛鳥なんかじゃない。

CoC『100万回目のハッピーバースデー』佐倉&牧志 3

「俺たちはおかしいんだ」

【クトゥルフ神話TRPG】
本作は、「 株式会社アークライト  」及び「株式会社KADOKAWA」が権利を有する『クトゥルフ神話TRPG』の二次創作物です。

Call of Cthulhu is copyright ©1981, 2015, 2019 by Chaosium Inc. ;all rights reserved. Arranged by Arclight Inc.
Call of Cthulhu is a registered trademark of Chaosium Inc.
PUBLISHED BY KADOKAWA CORPORATION 「クトゥルフ神話TRPG」


【置】CoC『えっ? 手のひらから唐揚げ出せるんですか?』 佐倉&牧志(塔) 1

「クイ……テー……カラ……アゲ……
喰いてぇ……唐揚げェっ! 
ニクやマガツヒと違って唐揚げは来ねぇんだよ……どうして唐揚げは来ないッ!」

CoC『ペルソナ 勝利の塔』3-1

「ほう……埴輪のプリンスさま! か……」