こちらには『静寂舞手』のネタバレがあります。
※他のシナリオにも言及していますが、明言されていないものなどは除外しています。


本編見る!
KP
牧志は考えられない! 佐倉さんにはCOMPがない! 
 果たして彼らの運命は!

 静寂舞手、第二回 始まります。
あなたは重たい扉を開ける。
佐倉 光
靴の部屋だったな。
KP
そこは、うっすらと埃っぽい部屋だった。
シャンデリアの蝋燭はほとんど燃え尽きており、ソファの布はほつれている。
床はそれでも綺麗にしたのか、モップやバケツなどの掃除用具が置かれている。
窓も磨かれているようだが、錆びついており開く気配はない。
部屋の奥には大きな暖炉があり、灰にまみれた暖炉の周りには何か小さな豆のようなものが散らばっている。
暖炉の上に、失われてしまったものに縋るように、古びた小さな肖像画が置かれていた。
佐倉 光
「サンドリヨン、か」
けもの
「シンデレラ」
あなたの呟きに獣が応える。
シンデレラまたはサンドリヨン……灰被り姫とも。
家庭でぞんざいに扱われ灰に塗れていた少女が、その心の美しさを認められ、良い魔女の助力で正体を隠して舞踏会に行く。
彼女と踊った王子は彼女に惚れ、魔法のタイムリミットでガラスの靴だけを残して消えた彼女を探すべく、靴を国中の娘に履かせて持ち主を探す。
その際、シンデレラの継母や継姉が無理に靴を履こうとするが……
佐倉 光
「あいつ童話がどーの言ってたし、決め打ちで行ってもよさそうかな……
掃除したら魔女が来るんじゃねぇのか?」
言いながら肖像画見よう。
KP
豪華な服装に身を包み、温かみのある笑顔を浮かべた女性らしい人物の絵だ。
佐倉 光
見覚えはないか。
「童話を元に考えりゃ、実の母親、ってとこか?」
裏返したりしても何もない?
KP
絵を見てみても、見覚えのある人物ではない。
そのタッチは古めかしく、童話の挿絵だと言われれば納得がいくかもしれない。
裏側にも、何もないようだ。
佐倉 光
じゃあすぐ下に視線を落として、灰の中に落ちている物を調べてみるか。
「牧志は離れてていいぜ。毛についたら面倒そうだ」
KP
その暖炉には長らく火を入れた形跡がないようだった。こんもりと積もった灰の中に落ちている豆を拾おうとすると、ぱさぱさと崩れてあなたの指先を灰で汚す。
牧志視点
牧志 浩太
確かに。俺が灰かぶりになってもな、と一歩離れる。
KP
一歩離れようとしたとき、豆を拾う佐倉の傍らに何かが埋もれているのに気づいた。燃えかけた……紙束?

けもの
彼は素直に一歩退く。と、何か見つけたのか、あなたが豆を拾おうとする様子を見ている。
佐倉 光
「? どうかしたのか?」
灰を指先で弄りながら訊く。
けもの
カミ・・
彼は慎重に爪で、あなたの傍らを指す。
その動きで、あなたもそこに燃えかけた紙束らしきものが埋まっているのに気づく。
佐倉 光
「紙? お、よく見えたな……
燃えさしか?」
慎重に拾い上げてみよう。
KP
灰の量がすごい。何かで灰を避けたほうがいいだろう。ちょうど、傍らに薄汚れた火かき棒がある。
佐倉 光
なるほど。では火かき棒を取って。
そんな山になってるのか。
KP
こんもりしています。
火かき棒は汚れているがしっかりとした重みがある。あなたなら持ち歩くこともできそうだ。
佐倉 光
豆はただの豆だったのかな?
KP
豆は拾い上げようとすると崩れてしまった。見る分に違和感はない。
佐倉 光
「これ、主人公への嫌がらせだったような気がする」
佐倉 光
佐倉童話に詳しすぎるかな?
中の人が割と童話好きなんで、どこまでが一般知識なのかよくわからん。
KP
いいんじゃないでしょうか。最近はネットに結構原文もあるし、ネットサーフィンしてて読んだりしててもおかしくない。
佐倉 光
ごそごそと灰の中を弄ってみよう。
さしあたっては紙だな。
KP
灰をよけて暖炉から出してみれば、その紙束は英語でも日本語でもない言語で書かれた、厚めの本だったものらしい。
表記にはアルファベットを使っている。フランス語やイタリア語、スペイン語、あるいはラテン語だろうか。
誰かがここで燃やそうとしたようだが、表紙が少し焦げているぐらいで、紙の部分は不思議とまったく燃えていない。
佐倉 光
灰を払い落として、暖炉から離れて読んでみよう。
ゲッホゲホ
けもの
獣があなたの背後に近寄る。背をさすろうとして、爪に気づいて立ち止まったらしい。
佐倉 光
「サンキュ」
軽く言って本を開いてみる。
面白い事が書かれていそうな予感がする。
KP
佐倉さんは〈ラテン語〉はないか。
佐倉 光
ないねー
そんなもん翻訳使えばいいじゃん! って思ってるから勉強してない。
KP
〈オカルト〉で判定。
佐倉 光
CCB<=75 〈オカルト〉 (1D100<=75) > 16 > 成功
けもの
CCB<=(34/2) 〈オカルト〉 (1D100<=17) > 58 > 失敗
KP
あなたはそれが、ラテン語ではないかと思う。
佐倉 光
「ラテン語かな……消去法で」
牧志視点
KP
あなたはその言葉に、何となく覚えがあるような気がした。ラテン語だと言われて、ああ、そうかと気づく。
牧志 浩太
俺は、ラテン語を読めない。けど、ラテン語の文章を、何の違和感もなく読んだ記憶がある。熱中して勉強した記憶がある。それが読めることで見えてくる世界にのめり込んだ記憶がある。

読めたはずの文章が分からない。これが分かれば、何かの手がかりになるかもしれないのに。そのことが悔しくてならなかった。
KP
波照間の〈ラテン語〉70あるってすごいよなぁ。魔道書の難解な文章でも読み解けるってことだもんな。

けもの
獣はその表紙をどこか悔しそうに見ていた。
KP
牧志は<ラテン語>ないんですけど、波照間にはあるんですよね。
ので読めないんだけど、ラテン語を勉強した、読んだことがあるという記憶だけ残ってる。
佐倉 光
なるほど
勉強した記憶はあるのに読めないの悔しいね。
KP
なんですよね。悔しい!
KP
あなたの手元にスマートフォンはなく、この場で読み解くことはできそうにない。
佐倉 光
「魔法のメガネでもあるといいんだけど」
本は持てそうなら持って行こう
KP
暖炉の傍らに灰まみれのザックがあるのを見つける。中身は空だが、紙束を入れるのに問題はなさそうだ。
佐倉 光
ぽんぽんと叩いて灰を落として、中に入れよう。
また咳き込む。
けもの
背中にほんのりと体温が触れた。毛の感触が首に触れる。獣の太い二の腕らしかった。
爪があなたを傷つけることを怖れ、獣は二の腕を擦りつけるようにしてあなたの背を擦ろうとしているらしかった。
佐倉 光
「ああ、悪い」
どんな姿をしていても、こういうアクションは牧志だなと確信できて少し嬉しい。
喜んでいる場合ではないが。
KP
さて、ここで〈目星〉
佐倉 光
CCB<=85 〈目星〉 (1D100<=85) > 21 > 成功
けもの
CCB<=84 〈目星〉 (1D100<=84) > 11 > スペシャル
KP
マントルピースの上にマッチが置かれているのに気づく。暖炉に薪はないため暖炉への着火は難しそうだが、マッチ自体は乾燥しているので灯すことはできるかもしれない。
佐倉 光
「なあー、牧志」
けもの
「サクラ、サン?」
佐倉 光
「童話のマッチって死亡フラグじゃねーのか?」
けもの
「テンゴク」
獣はなんだか難しそうな顔…… 顔?
何か考えているようだった。
牧志視点
牧志 浩太
(うーん、確かに。天国へ行くってハッピーエンドみたいな描かれ方してるけど、普通に考えたら死ぬってことだもんな)

佐倉 光
マッチを手に取る。
KP
箱を開ければ7本のマッチがある。
佐倉 光
「ああー、七本目は天国だな?
くそ。見える死亡フラグじゃねぇか。
金持ってないよな?」
って一応確認。
けもの
獣は自分の毛皮に触れたり、手を挙げたりしてみている。何も持っていそうにはない。
童話でマッチとくればマッチ売りの少女である。
彼女はマッチが売れず、冬の町で凍えてしまう。
マッチを擦ると幸せな幻が見え、最後の一本を擦ると亡くなった祖母が現われて天国へ導く。
キリスト教的にはハッピーエンドなのだが、死亡エンドだ。
佐倉は金を払うというアクションを挟むことで、ストーリーから外したかったらしい。
佐倉 光
「俺も……とりあえず確認っと」
一本マッチを擦ってみる。
あ、箱に何か書いてある?
KP
何も書いてはいない。
佐倉 光
今回は最初から上位存在の悪ふざけだと分かっているから、ゲーム的な振る舞いをする佐倉。
KP
なるほどなぁ。最初から分かっているから。
KP
マッチはシュボッと音を立て、木と頭薬の燃える匂いをさせながら小さな火を上げる。

周りの景色が陽炎のように揺らいだ。
傍らの壁に、何か映し出されていく。
それは、あなたの傍らで数学パズルの本を手に楽しそうに笑う、牧志の姿だった。
本屋の帰りに寄ったファストフード。そこで二人でパズルに熱中した。
気がつくと辺りは真っ暗になっていて、それにも構わず解法を話し合ったのだ。
それは、あなたと彼の、今もよく覚えている日常だった。
けもの
獣が、その映像に静かに見入っていた。
佐倉 光
「楽しかった想い出が見える、か。やっぱりアレだな」
けもの
獣が緩やかに頷く。
KP
マッチの火は小さなものだ。やがて、弱まっていく。
火が弱まると壁の映像も揺らいで、火が尽きるとともに消える。ふっと暗闇が戻ってきた。
佐倉 光
マッチが燃え尽きたら、今見た幻について牧志に話して、覚えているか訊いてみよう。
けもの
獣は記憶を探りだすように少し考えて、頷いた。
佐倉 光
「そうか、良かった」
ほっと息をつく。
「想い出が見えるだけ、ならひとまず害はなさそうだな。最後の一本は要注意だけど」
KP
幻なりとも日常を目にしたことで、彼が覚えていると返したことで、少し心がやわらぐ。
SAN値回復。《SANチェック成功で1d3、失敗で1回復します。
佐倉 光
CCB<=71 《SANチェック》 (1D100<=71) > 64 > 成功
1d3 (1D3) > 3
[ 佐倉 光 ] SAN : 71 → 74
けもの
CCB<=74 《SANチェック》 (1D100<=74) > 46 > 成功
1d3 (1D3) > 2
[ けもの ] SAN : 74 → 76
※これ、実は成功と失敗の値が反転しています。ちょっと後で気付きます。
佐倉 光
めちゃくちゃほっとした。
最近そういうことありすぎたから。
マッチを燃やすと想い出も燃え尽きる、なんてことじゃなくて良かったが……
碌でもないトラップなんだろうな、これも。
思いながらもマッチをポーチに入れる。
KP
マッチはあなたのポーチの中に、かたりと音を立てて滑り落ちた。
佐倉 光
・道具として使えそう
・後で気弱になった時に使って……なんかあるかな?
という感じ。
KP
普通に火種、重要ですしね。
佐倉 光
ほか、何か気になるものあるかな、ここに。
KP
【アイデア】をどうぞ。
佐倉 光
CCB<=85 【アイデア】 (1D100<=85) > 35 > 成功
靴がないな、そういや。
KP
部屋の僅かな明かりを反射する窓に、違和感を覚えた。また、ソファの後ろに何かあるようだ。
マッチを手にしたあなたは、シャンデリアに差された蝋燭を灯りとして使えるかもしれない、と考えるだろう。
佐倉 光
窓かぁー
まずはソファの裏かな。
KP
〈目星〉
佐倉 光
CCB<=85 〈目星〉 (1D100<=85) > 39 > 成功
KP
ソファの後ろに添わせるように、古びた梯子がひとつ置かれている。巨大な獣の体重に耐えるかは怪しいが、 あなたなら扱えるだろう。
佐倉 光
「牧志、あの蝋燭、取れるか?」
シャンデリアを指して問いかけ……ソファの後ろに椅子を発見。
けもの
獣はシャンデリアに手を伸ばそうとするが、ここの天井は獣の背丈以上に高い。
佐倉 光
「これで取れ、ってことか?」
高さは足りそうかな。
KP
梯子は長いもので、壁に立てかけて支えを取り、あなたがその上に登るならば、なんとか届きそうだ。
佐倉 光
椅子・・をマトモに使うんじゃなくて、ベンチを無理矢理立てるみたいな感じかな。
KP
梯子・・です。はしご。
佐倉 光
ハシゴだった!
じゃあ、梯子使って蝋燭取ろう。
佐倉 光
やだハズカシイ!
前に鞄と靴見間違えて、靴の中に飴玉? って思った事があったな……
KP
あるある!
まあトイレの中にあったりしますし飴玉
佐倉 光
……ありましたね。
使わずに済んだから破棄されたと思う。
トイレの飴玉……真・女神転生TRPGにて、異界の科学技術館のトイレで手に入ったチャクラドロップ。
佐倉 光
「牧志、ちょっと下で見ててくれよ」
けもの
獣は頷いて、梯子にその太い腕を押しつけて支える。
あなたと彼を結ぶ金色の紐が一杯に張られて冷や冷やするが、どうにか、埃の積もったシャンデリアに手が届く。
KP
使いかけの蝋燭を一本取ることができた。明かりとして使うのならば燭台か何かに差すか、あるいはやせ我慢をする必要があるだろう。
佐倉 光
「くっっそ、もっと掃除しろよ!」
ゲホゲホしながら降りてくる。
PCにホコリは大敵だからちゃんと掃除はしている!
けもの
獣があなたを気遣いながら、梯子を元の場所に戻す。
佐倉 光
燭台くらいどっかにあるだろう。
必要になるまでそのまま持って行こう。
牧志に「窓が気になる」と言ってから窓に近づこう。
KP
窓を覗くと、外の景色が見えた。
高い柵に囲まれた庭が、薄青い月光で照らされている。僅かな明かりの中でも、西洋風の整えられた庭園だと分かるだろう。

と、あなたは違和感の正体に気づく。
佐倉 光
あのカエルはいるのか?
KP
カエルの姿はない。
汚れの付き方が光の加減で揺らいで見えた時、あなたはそこに何か書かれているのに気づく。
息を吐きかけて窓を曇らせることで、何かが見えるかもしれない。
佐倉 光
ほー
では息を吐きかけてみよう。
KP
あなたが息を吐きかけると、こんな走り書きのような文字が浮かんできた。

『イステの歌 5 章 11 節』
佐倉 光
「イステの歌?」
けもの
「ホン?」
佐倉 光
「何か知ってるのか?」
けもの
CCB<=90/2 【アイデア】 (1D100<=45) > 25 > 成功
牧志視点
KP
あなたは、それが先程の紙束のことではないかと思う。
牧志 浩太
(本の名前? ……あ、もしかしてさっきの紙束!)

けもの
獣は少し考え、あなたの背のザックを指さす。
佐倉 光
「あ、さっきのやつ?」
取り出してみようか。
本を開いて……数字らしき物とか、段落とか見て、何となくその辺かなーって分からないかな。
KP
取り出してみると、少し灰かぶったその紙束には、先程と変化はなく、やはりラテン語で書かれている。
数字を手掛かりにあたりをつけるなら、〈図書館〉
佐倉 光
CCB<=85 〈図書館〉 (1D100<=85) > 43 > 成功
KP
やはり内容は読めないが、丁度その辺りで、綺麗に1ページだけ切り取られていると分かる。
佐倉 光
「ない。ここを探さないとか」
KP
あ、あと蝋燭の効果を忘れていました。
この館は薄暗く、ともすればあるはずのものを見落としそうだ。
明かりを灯すとよく見えるようになり、各部屋で各々一度ずつ失敗した〈目星〉の技能を振り直せるようになる。また、明かりを灯すことで見つかるものがあるかもしれない。
KP
室内を探してみますか?
佐倉 光
そうしよう。
KP
〈目星〉
佐倉 光
ついでにカンテラか燭台でもないかと。
CCB<=85 〈目星〉 (1D100<=85) > 10 > スペシャル
KP
この部屋にはなさそうだ。蝋燭がシャンデリアのものだったからか、燭台もカンテラもない。
佐倉 光
この部屋って暗い?
KP
暗い。
ただ燭台は手元に無いので、点火するなら蝋燭を直接持って点火することになる。
佐倉 光
そのへんに布があればぐるぐる巻いて、手をガードしたいところだな。
KP
なるほど。カーテンを破る、破れたソファの布を剥がすなどすれば巻けるでしょう。
佐倉 光
「牧志、ちょっと」
ってカーテンの所に手招き。
「これ手に巻きたいんだけど、いい感じにカットできないかな」
けもの
獣はのそのそとあなたの傍らにやってきて、自分の爪とあなたを見比べる。
佐倉 光
「そうそう、よく切れそうだと思ってさ」
牧志視点
牧志 浩太
(あ、確かに切れそうだな、これ。複雑だけど、案外役に立つ時は立つってことか)
手に視線を落として、そこに繋がっている爪を眺める。動物の爪としても見たことのない鋭さと長さだった。

けもの
彼は布を引くような仕草を見せる。引っ張っていてくれれば、といった所だろうか。
佐倉 光
「オッケー」
両手で布を持ってぴんと張ろう。
KP
あなたが布を張ろうとすると、獣が手を出すまでもなく、分厚いカーテンが裂けてしまった。弱い所でもあったのだろうか。
佐倉 光
「あれ、随分脆いな」
けもの
獣も不思議そうにしている。
佐倉 光
「まあいいか」
布を蝋燭の手持ちの部分と、左手にくるくる巻く。素手に垂れてくるよりは幾分マシだろう。
「よし、じゃあ二本目……」
マッチを擦って火をつけよう。
KP
マッチを擦って火をつけると、再び幻があなた達の前に映し出される。
それはあの、ようやく奇妙な事件から解放されて、街の中をふたりで手を取って歩いた、あの日の牧志だった。
幻に照らし出される獣の横顔の、その眼差しに彼の面影を見たのは、あなたの気のせいだろうか。それとも。
SANチェック成功で1d3、失敗で1のSANが回復します。
佐倉 光
CCB<=74 《SANチェック》 (1D100<=74) > 45 > 成功
1d3 (1D3) > 2
[ 佐倉 光 ] SAN : 74 → 76
けもの
CCB<=76 《SANチェック》 (1D100<=76) > 88 > 失敗
[ けもの ] SAN : 76 → 77
どちらにせよ最大値だけど。
佐倉 光
正直リミット近いから勿体ないんだよな……
まあ佐倉はまだ上行ける
「あぶね、見とれてる場合じゃねぇ」
慌てて火を蝋燭にうつした。
KP
マッチの火はあの始まりの日の幻を映し出しながら、きちんと火として働いてくれる。マッチが燃え尽きた時、幻の代わりに蝋燭の明るい光が周囲を照らし出した。
佐倉 光
そろそろ地雷来るんじゃないのかこのマッチ。
佐倉 光
あらためて部屋をよく見てみよう。
灰に埋まっている物はないか。家具の下や物陰に何かないか。
カーテンの下には?
KP
光を手掛かりにあなたは周囲を見回す。
……しかし、この部屋には気になる物はないようだ。
佐倉 光
ちぇっ。
それじゃすっかり自分もサンドリヨンになったところで、別の部屋探索してみるか。
「そろそろ行こうぜ」
けもの
獣は頷いて、あなたの一歩前を行く。
KP
蝋燭は点灯したまま持って行く?
佐倉 光
そうだね。
点灯し直すとなるとマッチが消費されるし……といっても、蝋燭も減るよな。
KP
減りますね。
佐倉 光
次の部屋が明るければすぐ消そうか。
KP
では、部屋を出る?
佐倉 光
出ます。
KP
部屋を出ようとした、そのとき。

バタンといやに激しい音を立てて、目の前の扉が勝手に閉じた。
佐倉 光
閉じ込められた?
KP
です。
部屋の隅の暗闇がくすくす、くすくすと耳障りな声を上げる。くすくす、くすくす、くすくす……
佐倉 光
「またかよ……」
牧志の側によって身構える。
佐倉 光
火を持ったまま出られないって事かな?
KP
いえ、ちょうどイベントです。
佐倉 光
そっかー
部屋ごとになんかあるヤツかこれ
KP
部屋によりますね。>なんかあるか
KP
あなた達は突然、急激な頭痛に苛まれる。
あなたは思わず膝をついてしまうだろう。
けもの
「グッ……、」
佐倉 光
「くそ」
KP
じわり、じわり。蝋燭の光があるはずなのに、その光を喰らうように闇がしみだしてくる。
あなたの眼に自分の膝が映る。その真正面に、ぐあり、と。
僅かな光すら飲み込む、底なしの闇が口を開ける。
佐倉 光
「なんだ……ッ」
KP
暗黒は音もなく広がり……、広がり……、広がる。
そして。
手のひら二つ分ほどの大きさになると、急に侵食を止めた。
やがてその深淵から、きらりと何かが覗く。
佐倉 光
「あぁ、何だこれ?」
KP
あなたの見ている前でゆっくりと闇から押し出されてきたのは、この部屋で見かけなかったもの。
……美しい、ガラスの靴だ。
佐倉 光
そうだ、当然あるべき物がなかった。
KP
それは、美しかった。まるでコンピュータグラフィックスで描かれたような、塵ひとつ、灰ひとつかぶらない、闇の中でいやに輝いて見える、ガラスの靴。
光を通す気配のない暗黒の上に置かれれば、その透明度やきらめきが、より増して見えた。
その美しさが、あなたの心を捉える。目を離せない。なんと美しい靴なのだ。
あなたは美しいその靴に心を奪われ、無意識に手を伸ばし、それを拾う。

佐倉さん、【POW】×1>で判定。
佐倉 光
CCB<=(15×1) 【POW】 (1D100<=75) > 83 > 失敗
KP
ああ、ああ、強烈な意思があなたを突き動かす。意思はもはや強迫観念となってあなたを急き立てる。もはや頭痛も気にはならない。
履かなくては・・・・・・。この靴を履かなくては。なんとしてでも・・・・・・・。あの麗しい王子様に、王子様に見初められるために!
あなたがこの靴を履くか、あるいは獣に履かせるかを選ぶことができます。
佐倉 光
ンアー
まあ自分ではくしかないよ。
だって牧志の足、大きいし。
せっかくのガラスの靴が壊れちゃうじゃない。
佐倉 光
むしろ踏んで壊せるのか、いや怪我をするか?
佐倉 光
「これ、これを、履けば。
手に入る」
ぼんやり呟いて、今はいてる靴を脱ごうとする。
KP
あなたはガラスの靴に手を伸ばす。
見た目はあなたの足にぴったりの大きさであるにも関わらず、履こうとすれば爪先がひっかかった。
―――ああ。
佐倉 光
指さえなければ・・・・・・・
KP
指を切り落とさなければならない。踵を、削ぎ落さなければならない。この指さえなければ。この踵がもう少し小さければ。
強く、強く思う。強く焦がれる。ああ、何とかして、何としてでも、この靴を履かなければならない!
佐倉 光
何か切る道具はないだろうか。
KP
あなたはガラスの靴を大事に抱え、部屋に切る物がないか探し始める。 ……切る物?

ああ、そうだ。
すぐ近くに、ある。

長く、鋭い。
佐倉 光
「その爪、貸してくれよ。
指を落とさなきゃ。カカトも邪魔なんだ」
KP
ああ、はやく、はやく、早く・・
牧志視点
KP
彼が強迫観念に囚われ、何かに支配されたように意思を曲げられている。
どう声をかければ彼に届くのか、あなたであれば分かる。伝わる。

〈精神分析〉または〈心理学〉/2で判定。

けもの
CCB<=(77/2) 〈心理学〉 (1D100<=38) > 15 > 成功
牧志視点
KP
混濁した思考の中。不意に、一つだけ明確に分かった。
これは紛れもなく、危機だ。

もやが掛かった纏まらない思考の合間をもがき、あなたは必死に探す。そして、掴んだ。
分厚い雲の切れ間を見つけたように、あなたの思考にその一瞬光が射す。

あなたは掴んでいた。
闇の中の彼に呼びかける言葉を。

今だけは、『ふたことまで』の言葉でいつものように、彼に声をかけられそうだ。
牧志 浩太
駄目だ、止めないと、正気に返って、混濁した思考が焦りで痛みで恐怖で苦痛で心をぐちゃぐちゃにかき混ぜる。

何より強い危機感が、それらを一瞬すべて黙らせた。

意志を、掴んだ。
彼に呼びかけたいと、強く望んだ。

その光が吹き消えてしまう前に、急いで言葉を探す。早く、早く。

けもの
獣は、あなたをその眼でじっと見つめて。
「佐倉さん、駄目だ。
それは、佐倉さんの意思じゃない」

それは確かに牧志の声だった。
あなたをじっと見つめて、静かに、確かに、呼びかける声だった。
KP
あなたは不意に、自分が何をしていたのか──気づく。
何をしようとしていたのか。
それが、異常であったことに。
牧志視点
KP
彼が応えた安堵とともに、あなたが掴んだはずの光はまた思考の濁流に呑まれていく。

佐倉 光
「あぁ? お前、喋っ……
……
俺、何言ってたんだ。何考えてた」
KP
今のあなたになら、あなたを満たしていた思考の異常さが分かる。指を落とす? 踵を切る? 王子様?

馬鹿な。
佐倉 光
「どうしてこんな物、履こうと思ったんだ!?」
KP
あなたの手にはまだガラスの靴がある。そのきらめきがいっそ悍ましくすら今は見えた。
佐倉 光
捨てるか。
KP
あなたはガラスの靴を投げ捨てる。

粉々になったガラスの欠片は一拍置いて真っ黒に変わり、どろどろに溶けていく。そうして床の影と同化し、見えなくなった。
全ての物音が止んだ、その刹那。
部屋に蟠る闇が、ぬるり──と、滑るように動いた。
佐倉 光
「くそ、トラップ多過ぎだろ!」
KP
そしてその濃い影の中から、ぬらぬらと粘性の光沢を纏った、黒い腕が這い出してくる。
けもの
獣が、あなたを庇うように一歩前に出る。
KP
音もなく身体を引き上げるそれは、細身の男性の姿をしている。しかしその肌は、赤黒い不気味な斑紋に覆われており、肌の色すら分からなかった。
佐倉 光
「こんな王子様却下だ却下」
KP
それは確かに、童話の『王子様』の服装に見えた、かもしれない。しかしまるで幽鬼のようにボロボロの服装は、身体のあらゆる場所を雑に縫うような継ぎ目は、王子様というよりは、ハロウィンのカボチャの化物のようだった。
「ワタ……シ、ノ」
それがぬらぬらと口を開く。
「ツマニ、ムカエ…… ヨウ。
コノ、クツノ…… アウ…… ムスメ……」
牧志視点
牧志 浩太
(うわ……、佐倉さんが靴を履いてたら、あいつの花嫁にされてたってことか? 嫌すぎる、危なかった)

けもの
「アブナカッタ……」
ガラスの靴が砕けた方を一瞬見て、獣が呟く。
佐倉 光
「合わねぇし二人とも男だっての」
KP
直後。ごろり、と『王子様』の右腕が落ちる。質量を感じさせる落下の様子ではあったが、腕が落ちても音はしない。
からからに干からびた枯れ枝のような腕は、落ちた床に群がってきた影にまみれて、解けるように消えていく。
やがてその体が前のめりに崩れ、身体中の縫い跡が、ぱっ、と綻びた。
廊下に落ちる影という影から、狂ったように笑う声が聞こえる。
『めでたしめでたし!  あはははは!』
ひときわ耳障りな、『魔女』の声が。
愉しそうに、あなたがた二人を嘲笑う。
SANチェック成功時減少 1失敗時減少 1D3》。
佐倉 光
CCB<=76 《SANチェック》 (1D100<=76) > 39 > 成功
[ 佐倉 光 ] SAN : 76 → 75
けもの
CCB<=77 《SANチェック》 (1D100<=77) > 71 > 成功
[ けもの ] SAN : 77 → 76
佐倉 光
「くそ、いちいちキメェんだよ」
けもの
「ガ……ッ!」
あなたを操られたことに怒るように、獣が牙を剥く。
しかし、その叫びに応える声はなかった。
KP
扉は何事もなかったように、平然と開いている。
あなたが取り落した蝋燭が、床の上でかすかに燃えていた。
佐倉 光
「悪い、油断してた。サンキュ、牧志」
蝋燭を拾う。
KP
蝋燭を拾うことができた。どうにか火を消さずに済んだようだ。
けもの
「ヨカッタ」
獣は安堵したように、あなたを見て頷く。
あなたに笑い返そうとして、うまくいかなかったのか、獣の口がわずかに歪んだ。
佐倉 光
「くそ、精神攻撃がメインか。
俺がなんか変だったら教えてくれ」
けもの
「ワカッタ」
獣は頷いて、それから自分を爪で指す。
自分が変だったら教えてくれ、と返したいのだろう。
佐倉 光
「そうだな、お互いに気をつけよう」
けもの
獣は確かめるように頷く。
佐倉 光
「ここはあからさまな悪意に満ちてて、ある物全部信用できない。
けどその分、ゲーム的にもなってる。
全部に意味がある。又は悪意がある。
それなら俺たちの得意分野だろ?」
ごわごわの毛が生えた背を軽く叩く。
「いけるって」
けもの
「パズル」
獣はあなたの笑みに応えるように、深く牙を剥いた。そして、深く屈むと、こつん、とあなたの頭に頭をぶつけてみせる。
やっぱり、人のように笑うのは難しいようだった。
佐倉 光
「そうだ、パズルだ」
ま、あいつはこういう姿を見たがってんだろ?
でもって後でぶっ壊すのを楽しもうってんだ。
何してくるかは分からないが……
いやまあ、色々想像はつくが……今は口に出すのはやめよう。
けもの
「イケル」
獣は少し迷うと、四本の長い指を曲げ、ほとんど目立たない短い五本目の指でサムズアップしてみせた。
佐倉 光
「ああ、よし次行こうぜ」
その拳に自分の拳を軽くぶつけ。
扉を出る。
何事もなければリンゴの部屋を目指そう。

KP
あなた達は扉を出て、エントランスに戻ってきた。エントランスはただ、蝋燭の光が小さく見えるような暗さと、重苦しい静寂に満たされている。
佐倉 光
ついでにここも再調査するか。
蝋燭ある事だし。
KP
エントランスを見渡すが、ここにも気になる物はないようだ。
佐倉 光
減りを見る。
蝋燭は大体どれくらい保ちそうかな。
KP
蝋燭は使いさしのもので、あまり長く保ちそうには見えない。
佐倉 光
そうかー
次の部屋の様子見て、消すかどうか決めよう。

KP
扉は林檎の木や実の意匠を装飾に取り入れた、美しいアール・ヌーヴォー調のものだ。ワンポイントとして、七人の小さな老人の姿も描かれている。
あなたの目線のあたりに、何かを嵌めるくぼみがついている。
佐倉 光
「あれ、七人の小人? 爺さんだな」
片手でポーチを探ってリンゴを探す。
KP
ガラス細工を丁度嵌められそうだ。
佐倉 光
リンゴを押し込む。
KP
ガラス細工を嵌めてみると、かちりと小さな音がして開錠されたようだ。
白雪姫。
自らを世界一美しいと自負する魔女は、毎日鏡に世界一美しい物の名前を訊いていた。だがある日、それが彼女の継子である白雪姫になってしまう。
魔女は白雪姫殺害を画策する。何度も試みるが、白雪姫を可哀想に思う狩人や七人の小人達によりそれは失敗に終わる。
ある日魔女は自ら毒を仕込んだ林檎を手に、白雪姫に会いに行くのだった……。
佐倉 光
部屋の中は暗いのかな?
KP
扉の向こうに広がっていたのは、豪奢なテーブルの置かれた綺麗な部屋だった。これまでと同じく薄暗いが、その煌びやかさは、少し風景を明るく見せるだろう。
部屋の隅には、上品で小ぶりなアルコープベッドがある。
そんな部屋の中で、ひときわ目を引くのは大きな鏡だった。
あなた方が遠目に映っているが、その鏡像は一瞬── ぐにゃりと歪む。
佐倉 光
おっと
KP
次の一瞬になると、そこには何も映らなくなっていた。
牧志視点
KP
鏡に映る佐倉の姿に、一瞬違和感がよぎった。しかしそれがどうしてなのか、考えようとすれば強制的に思考が逸らされて行く。
牧志 浩太
(あっ……、)
もどかしい。何か分かったと感じたはずなのに、次の瞬間にはそれが何だったか分からなくなる。大荒れの波の中で小舟にしがみついてるような、そんな気分だ。

佐倉 光
「おい、何かいたか?」
鏡を指す。
けもの
CCB<=75 〈母国語(日本語)〉 (1D100<=75) > 70 > 成功
「サッキ、スコシ、ヘン」
獣は鏡を指して頷く。
「ワカラナカッタ」
佐倉 光
けもの
少しだけ調子が戻ってきた。
佐倉 光
物陰なんかを優先で蝋燭を手に捜し物をして、何もなければ火を消しておこうか。
KP
蝋燭の光が辺りを照らし出す。
しかし、物陰にあの紙や、その他の気になる物はないようだ。
佐倉 光
じゃあ、蝋燭を一瞬迷って消そう。
節約はしないとな……
KP
蝋燭を消すと、辺りが一気に真っ暗になったように感じる。光を見ていた眼が闇に慣れるまで、時間がかかっているのだ。
佐倉 光
牧志の側によって目を閉じる。
けもの
毛の感触と微かな体温。
大きな温かいものが傍らに存在している感覚は、場違いにも少し安らぎを感じさせた。
佐倉 光
言っちゃなんだが、悪魔が使えない今、牧志の姿は頼りになる。
けもの
言葉がままならない。自身がままならない。思考が、考えが、ままならない。その恐怖に耐え、それでもあなたと共に進もうとする意志が、彼の体温から伝わってきた。
佐倉 光
【牧志が牧志の心を持っている限りは・・・・・・・・・・・・・、だが】
ふと、思い浮かんだ懸念を頭から追い出す。
20秒ほど数えて目を開ける。
牧志視点
牧志 浩太
ままならない。さっきから頭がずっとぐちゃぐちゃで、次の瞬間には何も分からなくなっていそうな気さえして怖かった。
もどかしい。呼びかけられる言葉に応えられないのがもどかしい。考えたいことも言いたいことも一杯あるのに、なにひとつ形になってくれない。

傍らの小さな体温から、僅かに震える背の振動が伝わってきた。
まあ、そうだよな。怖いよな、こんなの。
でも、横にいてくれてありがとう、佐倉さん。

KP
目を開くと、先程より闇に慣れた眼が薄暗い室内の様子を捉えてくれるようになった。
佐倉 光
「鏡か……
精霊が教えてくれるんだったな、自分の知りたい事を」
KP
鏡にはふたたび、あなたたちの姿が平然と映っている。
佐倉 光
この部屋鏡とベッドの他に何か気になるものはあるかな。
KP
鏡とベッドの他に、豪奢なテーブルがひとつある。
佐倉 光
「鏡よ鏡。世界で一番イケてる悪魔使いは誰。なんつってな」
けもの
獣はあなたの声に応えて微かに笑い声を出そうとしたが、不明瞭な唸りになるばかりだった。
佐倉 光
小さく笑ってテーブルの方に向かおう。
KP
テーブルの上には、金色の燭台がひとつ置かれていた。蝋燭をひとつ差せるようになっているが、蝋燭はない。
佐倉 光
「ラッキー」
持っていた蝋燭を燭台に差し込もう。
あ、燭台に何か描いてあったりする?
裏側とか。
KP
燭台には蔓草のような意匠があしらわれているが、特別なもののようには見えない。裏側には何も書かれていない。
佐倉 光
「変な物じゃなさそうだ。これで扱いやすくなるな」
手に巻いていた布をほどく。
確認
KP
たまにシナリオ参照して「これ後でどうなってるんだ?」とか確認してたりしてるので、応答が遅いことがありますが、気にしないであげてください
佐倉 光
はーい
情報量多いシナリオはね、大変だからね。
KP
長さがあるのもあって、全部確認してはいるけどどこでどうなるのか全部把握しきれてないアイテムとかがある……。

佐倉 光
ベッドの方も見てみようか。
KP
ひだのついた重厚なカーテンが一面にめぐらされた、華やかな寝台だ。ふかふかの布団が敷き詰められていて、この中で眠ってしまえればさぞかし気持ちいいだろうと思える。
童話のお姫様が眠っているような、そんな寝台だ。
セミダブルぐらいの大きさはあるが、置かれている枕は子供用のサイズだ。
佐倉 光
「眠ってる場合じゃない」
KP
と、ふと違和感に気づく。
羽毛がたっぷり詰まっていそうな柔らかな枕の上に、真っ赤に熟した林檎がぽつんと置かれている。
佐倉 光
「この組み合わせ……」
けもの
獣は一度鏡を見やる。
「ドクリンゴ?」
佐倉 光
「だなー。あと要素盛りすぎ。
多分触ると碌な事にならない」
言いながら手を伸ばす。
KP
遠目には真っ赤に見えていたが、手に取れば枕に埋まっていた部分は青林檎だったことが分かる。

完熟した真っ赤な部分とまだ青い部分が、きっぱり半分ずつの林檎である。
さて、白雪姫のお話でこの半分になった林檎がどういう使われ方をしていたか、あなたは知っているだろうか。
知らない場合、【知識】で判定してもよい。
佐倉 光
「赤い方をババアが食って、安全だって証明したんだよな」
逆だったかも知れないが。
けもの
CCB<=75/2 【知識】 (1D100<=37) > 22 > 成功
牧志視点
KP
確か逆だったはずだ。魔女は白雪姫に、美味しそうな赤い方を食べさせたのだ。
牧志 浩太
(赤い林檎と青林檎って品種が違うんだっけ。って、それはどうでもよくて)

けもの
「アカイノ、ヒメニ、タベサセタ」
佐倉 光
「ああ、逆か」
けもの
獣は頷く。
佐倉 光
「うろ覚えだな……」
KP
林檎を手に取ると、その下から小さなフルーツナイフが出てくる。
ナイフの柄に、『切り分けてどうぞ半分ずつお食べなさい』と文字が彫られているのが見えた。
佐倉 光
「何で食う必要があるんだよ」
けもの
「キルダケ、キル?」
佐倉 光
「そうだな、中見てみるのもわるかねぇか」
おしまい
KP
獣側があんまり喋れないのでちょっと牧志が淡泊になっちゃってますが、心情は分かるはずだしもうちょっと描写を入れていこうかな。
佐倉 光
何となく分かるからって〈心理学〉してないしなー
アクションしてくれれば反応できる。
KP
行動にかかわるようなところはともかく、普段の描写まで心理学入れてると煩雑になっちゃいますしね。
もうちょっとアクションしていこう。
元シナリオの情報量と描写が多いと進めるだけであっぷあっぷになっちゃいがちだけど、もっと色々入れていきたいな~
佐倉 光
「踏んでいいのよ?」っていうトラップが多くて、
「あーもーくそー!」って言いながら踏んじゃう。
ゲーム的にやるってのはそういうことだ!!
KP
いやぁ助かります(魔女さん談)
佐倉 光
SAN回復があるって事は、後で削ってくるんだろうな~
KP
ウフフ
佐倉 光
ラテン語の所で思いましたが、荒野の牧志はラテン語識ってたかも知れない。
クリティカルで出たらそういう感じかなと思ったり。
KP
確かに。その可能性はだいぶあるんですよね。
一度振ってみてもらっても面白いかな。
佐倉 光
佐倉に全然繋がりのない技能でクリティカルが出たら、識らないはずのことを【思い出す】かもしれないなぁ。
KP
繋がりのない技能とか詳しくなさそうな事柄でクリティカル出したら、そういうことかもしれませんね。その時は描写入れよう。
佐倉 光
そういうことなら識らない技能でも遠慮なく振れるな!
KP
ですね!



ひとこと
佐倉 光
不気味な出来事もありつつも、なんとなく『いつものように』歩き出す二人。
楽しそうで歪で危険なトラップだらけのこの世界でも、背を預ける相手がいれば怖くない。
世界が悪意に満ちているならばそこには必ず意図や意味がある。
それならいっそ分かりやすいじゃないか。


先は全く見えないけれど、まだまだ余裕がありますね。
はてさて何が待ち受けているのやら。


CoC『欠落コディペンデント』牧志&佐倉 4

(くそ、何が不安だ……、それどころじゃなかった!)

【置】CoC『惑いの欠片』 佐倉&牧志 5

底抜け野郎め。ふと、そんな言葉が浮かんだ。

【置】CoC『しんでなんかないよ』 牧志&佐倉 3

「美味しくはなかったよ、塩辛くて、痛かった……、」

【クトゥルフ神話TRPG】
本作は、「 株式会社アークライト  」及び「株式会社KADOKAWA」が権利を有する『クトゥルフ神話TRPG』の二次創作物です。

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PUBLISHED BY KADOKAWA CORPORATION 「クトゥルフ神話TRPG」


ダブルクロス 第三話『Truth or Fiction』1

ヒトとして死ねるのならばそれは幸せなのだ。

CoC『対の棲みか』『第二話 うたかた箱』牧志&佐倉 1

なんだかすごく既視感のある状況だ。俺が僕の敵じゃなくてよかった気がする。

ゆうやけこやけ 第八話『ふたりの娘』の一

はじまり