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こちらには
『せんたく』 のネタバレがあります。

本編見る!
KP
【物理】のボタンを押すと、ゴウン、と洗濯機が駆動する音が少し響いた。ややあって洗濯機の扉がひとりでに開く。
中には大きな棒鍵が入っていた。
10センチほどのサイズの、単純な形の物だ。
牧志 浩太
「……鍵か、これ」
オーパーツの雑誌に、この鍵は出てきただろうか。
KP
幸いそんなに光るような物ではなく、あなたの顔が映ったりもしなかった。
あの雑誌に載っていた機械とはまた違うような気がする。
むしろ、先ほど読んだ絵描きの絵本のイラストに出てきた鍵そのものだ。
牧志 浩太
「これ……、あの絵描きの絵本の鍵か?
【物理】だったのか、あれ。意外な所来たな」
鍵に触れながら言う。
佐倉 光
【物理キー】【電子錠】だったのかな、もしかして」
牧志 浩太
「そういうことだったのか」
KP
鍵はしっかりとした金属製で、不意に絵になって消えたりはしない。
洗濯機の扉が開くと同時、奥へ向かう扉の方から何かが外れるような音がした。
佐倉 光
「また開いたみたいだぜ」
牧志 浩太
「……開いたな」
牧志 浩太
「服、どうする。洗っていく?
俺は洗っていかないつもりだけど、佐倉さん、俺よりずっとしんどそうだろ。

俺のせいでもあるしさ、それ。
俺の欲張りに付き合わなくてもいいんだ」
佐倉 光
「俺は……」
ちら、とノートの方を見る。
佐倉 光
「やめておくよ。どうにも嫌な感じがする」
牧志 浩太
「そうか。じゃあ、行こう」
奥への扉に触れ、向こうで物音がしないか聞き耳を立てる。
KP
向こう側からはかすかに洗濯機が作動している音が聞こえてくる。
しかし何かがいる気配はしないようだ。
〈聞き耳〉
牧志 浩太
1d100 97〈聞き耳〉
CCB<=97 (1D100<=97) > 84 > 成功
KP
人の気配は全く感じないが、深い水の中で空気や水が動くような独特の響きがほんのかすかに聞こえる。
また、向こう側はひんやりとしている。
牧志 浩太
「水なのか……? これ。もしかして水の中だったりするのか」
閉じられるように準備しながら、少し扉を開け、向こうの様子を確認する。
KP
扉の向こうはやはり全く配置が同じコインランドリーだ。
設備は最初の部屋のと同じように見える。
なんとなく部屋全体が青みがかって見えるのが違いと言えば違いだ。
佐倉 光
「またコインランドリーか。いつになったら終わるんだよ……」
牧志 浩太
「なんとなくだけど、五つあるんじゃないかと思うんだ。5枚だろ、このコイン」
佐倉 光
「確かに。最初の普通のヤツ、ボロボロのヤツ、SF、でこれが四つ目か」
佐倉 光
「最初の部屋で全部使ったら、黒い洗濯機を開けざるを得なくなるんだな」
牧志 浩太
「ああ。……そうか、そうなるか。そうなるな、そうしないと開かないわけだから」
牧志 浩太
「海の中か、あんまりいい思い出ないな。入るしかないけど」
扉を開けて室内に入る。今いる部屋の金属的な光沢から、少し逃げるような足の速さがあった。

KP
中は最初の部屋と全くといっていいほど同じに見えた。
だが一瞬にしてそれは全くの間違いであることが知れる。
背後。
あなた方が踏み込んだ扉の真横に並ぶ硝子のウインドーの向こうは海中だった。
真っ暗で見通せない闇の中水が揺らめき、店舗の明かりが届く範囲の地面……いや海底を骨のように白い砂が覆う。
佐倉が息を呑む。その指がほんの僅か、あなたの手に触れた。
ウインドーの向こうの海には歪な魚が泳いでいる。

【知識】〈生物学〉その他海に関する知識と思われるもの 別情報。
牧志 浩太
「……!」
息を、呑んだ。
触れた指を辿り、なかば無意識で佐倉さんの手を強く握り込む。
牧志 浩太
〈オカルト〉または〈水泳〉で、魚の正体や海の地域など分からないだろうか?
KP
〈オカルト〉は振ってみてもいいかな。それとは別に【知識】を。
牧志 浩太
1d100 75【知識】 Sasa 1d100→ 16→成功
1d100 44 〈オカルト〉 Sasa 1d100→ 36→成功
佐倉 光
1d100 85【知識】 Sasa 1d100→ 11→成功
牧志 浩太
〈神話〉知識は振れたりしますか?
KP
振れません。〈オカルト〉等の結果をお伝えしますね。
KP
海底の砂を擬態するような茶色で、グロテスクなまでに目玉が大きな魚がよぎる。広がった口を海底にペタペタとつけ、這い回るように餌を探している。
これは一般的な魚ではない。だが、どこかで見た、という気はする。
これは深海魚だ。
岩がゴツゴツしていて海藻なども生えていない。おそらくここは深海なのだ。

あなたの知識にあるような異形の生物などはおらず、ここはただの海底だろう。
……ただの海底に、煌々と明かりの点いたコインランドリーがあるのか、在るとしたら何者が使うのか、といった疑問はあるが。

窓に沿って並べられたソファは海水の色を反射してか少しあおみどり色だ。
牧志 浩太
「海の底だ……。深海だ」
手を握りしめたまま、溜息をつくように呟いて風景を見回す。

海の色が射し込む室内は少し異様で、取り残されたように美しい。
以前に科学番組で見た、潜水艦の中のようにも見えた。
滅んで、海の中に沈んでしまった都市の中のようでもあった。
牧志 浩太
「……潜水艦のコインランドリー?」
佐倉 光
「……潜水艦でも洗濯は……するのか?」
牧志 浩太
「いや、しないと思うけど……。洗濯する程長時間いないだろうし、まさか海水に洗剤垂れ流すわけにもいかないし」
本日時間切れ
KP
そろそろ山を越え終わりが近づいて参りました。
最後まで悔いのないせんたくを。
そんな一時!
牧志 浩太
とにかく確信がなくてこわいなぁあああ!!!
ありがとうございました!
KP
ありがとうございました!
これ絶対やる側だと怖いヤツ!
牧志 浩太
めちゃくちゃ怖い!!
続きがこわくてこわくて気になって仕方がありません
KP
お口チャックしよう。
牧志 浩太
どきどき。
置きの最終時間は夜中1時にしようと約束してやっています。大体いつもいいところで一時なんだよなぁ!

KP
設備は、回っている四台の洗濯機、書籍棚が置かれた作業用テーブル、ノートが置かれた机とティーサーバー。閉ざされた奥の扉。
前までと全く同じだ。
違いと言えば、黒い扉の洗濯機だ。今までとは違い、ボタンは三つあって絵が描かれているようだ。
牧志 浩太
ノートを見てみる。
KP
ノートには今までと同様、やはり四人分の筆跡。
真面目な字「さあ、洗濯をしましょう。そして先に進みましょう!」
↑雑な字「洗おうぜー! ぜーんぶ洗っちまおうぜー!」
↑丸文字「あはは、洗ったらどんどん嫌なこと忘れてく。サイコーじゃん。もっと洗お」

殴り書き「ここまで洗い続けてしまったならば、もはや止めるべきでもないのだろう。しかしあえて、もう1度言おう。決して洗濯してはいけない。積み重ねてきた自分というものを、洗い流して良いはずがない。選び、抱え、進み続けるしかないのだ」
↑真面目な字「洗濯しましょうよ」
↑雑な字「洗濯しろよ」
↑丸文字「洗濯しよーよ」
牧志 浩太
「……怖」

三人の文字は洗っているらしいのに、染まっていくようだ。
佐倉 光
「ホラーじゃんこんなの」
牧志 浩太
「言ってることは同じ、なのか?」

怖気を覚えて、回っている洗濯機を見てみる。
中身はどうなっている? 今までと同じか?
KP
回っている洗濯機は4基。中身も今までと同じだ。
回り続けるドラムのなかで、服が翻弄されている。

〈目星〉どうぞ
牧志 浩太
1d100 98〈目星〉 Sasa 1d100→ 64→成功
KP
洗濯機の中の衣類は先ほどまでと同様だ。
あなたは、服が入った洗濯機の中で下着と靴下まで回っているのを見る。

【アイデア】/2
牧志 浩太
1d100 45 Sasa 1d100→ 13→成功
佐倉 光
1d100 42 Sasa 1d100→ 70→失敗
KP
男物の全身、スーツまで一緒に回っているのはウォッシャブルとしてあり得ないことではない。
しかし女物が下着まで纏めてネットにも入らずに全身一緒くたに回っているのは、
絶対、とは言えないが不自然ではないだろうか?
牧志 浩太
「……あれ?」
今度は洗濯機の中をちゃんと見たためか、違和感に気づいて声を上げる。
佐倉 光
「どうかしたのか?」
KP
佐倉ものぞき込む。
牧志 浩太
「いや、ネットとか使わないんだなって。
単純に、ここになかっただけかもしれないけど。

それに、俺達はシャツだけなのに、ここでは全部回ってる」
佐倉 光
「ん、ああ、そういえばそうだな?
レースだの化繊だの、そのまま突っ込むとまずいんじゃなかったっけ?
それにこいつらの服毎回入ってるから、俺達とは違うんだろうな?
物量はともかく、洗ったら都度取り出してるよなぁ、当然」
牧志 浩太
「そうなんだよな。
そういうものかと思って気にしてなかったけど、ノートの内容といい、前の時間と後の時間が同時に存在してるみたいだ」
佐倉 光
「だよなぁ……完全に紙の上で会話してやがるし、一緒にいたなら紙に書く必要はないしな」
牧志 浩太
「ああ。
先に来た人が後に残して、っていうように見えるのに、服は一緒に回ってる」
せんたくの知識
牧志 浩太
女物が、というよりは「傷つきやすいものや金具あるものはネット使うべし」っていう情報として知ってるんだろうな。
KP
佐倉ちょっと迷ったけど、レースは破れそう くらいは知ってても良いかなと……
佐倉が洗濯に詳しいのって汚れを落とす方面だけであって、全般詳しいわけじゃないし…………
牧志 浩太
汚れを強力に落とす方面は詳しくても、傷つけないようにどうこう方面はそんなに詳しくなさそう。>佐倉さん
レースが盛大に洗濯機の中で絡まってるのを見て「うーん」ってなった?

牧志は「割と生活力ある」の範疇で家事トリビア雑多に知ってる感じかな?

波照間高3のときアイ中2だから、まだ洗濯のやり方でもめたりはしてないよなぁと。

牧志 浩太
視線をずらし、黒い扉の洗濯機のボタンを見る。何が描かれているだろうか。
KP
黒い扉の洗濯機にはボタンが三つ。
ボタンにはイラストが描かれている。
【筆を持った男】の絵、【金庫】の絵、【海】の絵だ。
筆を持った男の絵は、先ほどの絵描きの絵本と同じ人物のようだ。
牧志 浩太
「ここだけ絵か。金庫はあの電子金庫なんだろうな。
あとは絵描きと、海か。

これまでとの整合性でいうと、絵描きを選ぶべきなのかな」
佐倉 光
「そうだな、ライオンにはあまり関係なさそうだし、金庫と棒鍵は関係なさそうだしな。
手持ちの物に関係しそうなのは絵描きくらいだ」
牧志 浩太
書籍棚を見てみる。本はあるだろうか。
KP
絵本が一冊だけ置かれている。
「魚の恩返し」という題名だ。小さな魚が波間に顔を出しているイラストが描かれていた。
佐倉 光
「海だから海の絵本……って訳でもないか。
今までもあまり関係なかったしなぁ」
牧志 浩太
「今までも、その場所とは関係ありそうでないような感じだったんだよな」
本を読んでみる。
『絵本「魚の恩返し」』

小さな小さな魚が、誤って浜に打ち上げられてしまったところを人間に助けてもらうお話だ。
数年後、今度は人間が海で溺れてしまったものの、気が付くと浜に打ち上げられていた。
助かったのか、と周囲を見回すと、あまりにも巨大な灯りが1つ、海面から顔を出しており、尾ひれを翻して海に帰っていくのが見えるのだった。
佐倉 光
「これも恩返しか。
ライオンとはちょっと毛色が違うけど、育って助けに来てくれたって感じだ。
もう俺達には関係なさそうだけどな」
牧志 浩太
「だな。
魚を選んでても、恩返しには辿り着くのか。

……何だか考え疲れてきたな。
佐倉さん、何か飲む?」
ティーサーバーに近づく。
佐倉 光
「そうだな、俺も休憩しよう。
さっきコーヒー飲んだから緑茶にでもするかな」
KP
ティーサーバーには似たようなラインナップが並んでいる。
水、麦茶、緑茶、珈琲。
違うと言えば、紙コップに魚のイラストが描いてあるくらいだ。
牧志 浩太
「分かった」
こちらは麦茶にし、テーブルの上に麦茶と緑茶を運ぶ。
佐倉 光
「サンキュ」
KP
※ぶっちゃけティーサーバーは「お洗濯時間かかるし茶くらい飲みたいよね」と思ってKPが追加した雰囲気アイテムなので、謎解きとは関係ありません。
牧志 浩太
よかったヨモツヘグイなかった。
KP
佐倉はノートを見直していたようだ。
牧志 浩太
「ノートか。何か気づいた?」
横に並んでノートを覗き込む。
佐倉 光
「いや、やっぱり洗った奴らの態度の変化が気になるってだけだけど、この4人目はどうして最初から【選択しろ】って書いていたのかと思ったんだ。
偶然先にボタンを押したのかな?」
牧志 浩太
「そういえば、そうだな。
ノートも、本も、一番最初に一番情報があるんだ。
本はともかく、ノートはまだ全員何も知らない状態のはずだ。
その状態で、なんであんなことを書けたんだ?」
佐倉 光
「あの啓発書みたいなヤツの内容を当てはめてまるっと信じた上で先にボタンを押した、あたりが妥当かな……」
佐倉 光
「というか、普通に俺達と同じ立場ならそれ以外の流れがないよな。
狂信、盲信、それともここについて何か知っていた上で入ったか……」
牧志 浩太
「知った上でか、確かにそれくらいしか思いつかないな。
それか、どうしても次に来る人に伝えたくて、戻って書いたか……。
でも、あの時扉は勝手に閉まった。

そうでなければ、それこそ、時間が同時に存在しているのか」
佐倉 光
「こいつらと俺達は同時に進んでいる、という可能性もあるかもな?」
KP
肩をすくめ、佐倉は茶を飲み干した。
佐倉 光
「落ち着いたみたいで良かった」
牧志 浩太
「ごめん、こんな時に。助かった」
コップを傾け、香りのする水分が喉を滑り落ちていく心地よさを楽しむ。
佐倉 光
「大したことしてないさ。
さっさと終わらせて帰って寝ようぜ」
牧志 浩太
「……そうだな。
帰ったら、落ち着くまでサングラスでも買ってかけてようと思うよ。それなら、眼を見ないで済むし」
本編だが『眼窩に祝福』ネタバレ
佐倉 光
「……そういえば、ずっと気になっていることがあるんだよ。
その……目がアレだった時にさ」
言いながら窓の外に目をやる。
何か巨大な影が遠くをゆったりと横切っていった。
佐倉 光
「俺は生贄だか実験体だかの条件を満たしていたから捕まったんだと思う。
拉致されたの、ちょうど変な光を見た直後だったし。
明確な条件があったみたいだから、人を選んで捕まえてたんだろうな、奴ら。

それなら牧志はどうして捕まったんだろうって。
わざわざ捕まえておいて廊下に放り出しておくなんて、どうしてそんな無駄なこと……」
牧志 浩太
「ああ……、あの時の」
窓の外に目をやった。
室内の明かりに照らされて、白い砂の中を小さないきものが這っているのが見えた。
牧志 浩太
「気を失う間際に、少しだけ声が聞こえたんだ。
外れない、とか、面倒だ一緒に連れていけ、とか、そういう怒鳴り声」
明かりさえ青緑色に見える室内で、曖昧な光が佐倉さんの横顔を照らした。
牧志 浩太
「だから、佐倉さんが俺のこと離さないでいてくれたんじゃないかなって、そう思ってたんだけど」
確かに、それ以上のこと考えたことはなかったな、と呟く。
佐倉 光
「えっ? どうして俺が出てくるんだ?
ちょっと待ってくれ、俺は一人でいる時に拉致されたんだぞ。
どうして俺が牧志を掴まえてるんだ。
あの時は、帰るのはまだ早いと思ったから、牧志に会わないようにわざわざ逆方向に出かけたんだ。それで映画館の前通ったときに気が遠くなって、あそこにいたんだぞ」
牧志 浩太
「えっ? 俺は普段見ない映画見ようと思って、そしたら普段の所じゃやってなくて、行ったら佐倉さんの姿を見かけて、あっ、って思ったら急に気が遠くなって、周囲でも人が倒れてるのが見えて……」
牧志 浩太
呪文で他人も巻き込んで黙らせてから目的の人だけ殴って連れて行くタイプの教団。
KP
凄まじく迷惑だ!

佐倉は、自分が無自覚に牧志を事件に巻き込んで傷つけていたことを知った。
KP
がたん、と音がした。
佐倉がよろけてワゴンを押したのだ。
その視線は明らかに彷徨って、動揺していた。
1d100 32 Sasa 1d100→ 87→失敗
牧志 浩太
SANチェック》させちゃった
佐倉 光
「俺だったのか」
佐倉 光
「おかしくなってた俺が、巻き込んだんだ!
だけどそうしなきゃ俺は、ここにいなかった。
あいつみたいに……!」
牧志 浩太
「佐倉さん!」
慌てて手を伸ばし、体を支える。
佐倉 光
「やっと辻褄が合った。
あの時からずっと、どうしてか『巻き込んだ』と思ってた。
俺が最初に、無関係のお前を引きずり込んだからだ」
牧志 浩太
「いいよそんなの。
巻き込まれなきゃこうやって、二人ともここにはいなかっただろ」
佐倉 光
「あの時の俺には受け止めきれなかったってことかも知れないが、こんな大事なことを忘れているなんてな……」
KP
佐倉はあなたの目を見、そして慌ててそらした。
佐倉 光
「ごめん。ありがとう、牧志。
また助けられたな」
牧志 浩太
「そうだな、助けられてよかった。
あの時佐倉さんが巻き込んでくれなかったら、知らないうちに佐倉さんを失ってる所だった。
それが一番怖かったんだ」
佐倉 光
「助けられておいて言うことじゃないけど、
お前……底抜けにも程があるぞ。
勝ち目があるならいいけど、ないときに軽々しく俺のためだからって自分を犠牲にしようとするな。
もっと自分の心配もしてくれ」
佐倉 光
「尚更二人揃って生きて戻れて良かったよ、本当に。
俺のせいで死なせたりしたら」
佐倉は言葉を止めて唸った。
牧志 浩太
「ごめん、そうだな。あの時は悪かった。
俺もちょっと、気負ってしまってた」

一度言葉を止め、自分の指先を見下ろす。
躊躇わず指が動いたあの時は、助けたかった、というだけじゃなかった。

罪の意識をなんとかしたかったんだ。
佐倉 光
「たらればはナシ。今回も二人で何とかする。それでいいな」
牧志 浩太
「ああ。
二人で何とかして、帰ろう。
で、帰ったら貸し借りはなし」

その言葉は半分、自分に向いていた。
佐倉 光
「そう、貸し借りナシ。
そもそも貸しとか思ってないから何も言わないんだ、
そんなのを勝手に負うなって話で……」
佐倉 光
「俺も気をつける」
牧志 浩太
「前にもそんな話したのにな。すっかり忘れてた」
佐倉 光
「俺もだ」
正気度の回復とは
KP
確かに、すごくこのくだりやった記憶があるんだよな!!
牧志 浩太
前にもこんな話をしたのに、受けたダメージが重すぎて互いに忘れてた。
KP
なんとなくSAN値回復には、忘却によるSAN値回復と、天羅万象などでいう『昇華』による回復があるのかなーと思ってます。
『昇華』はちゃんと覚えているけど、その時の感情や悔恨、恐怖に整理をつけて、ダメージのない想い出にする感じ。クリア報酬や桜のお宿での回復みたいなのはこれ。
えぐいもん見たとかそういう『普通の』ダメージならそういった方法で癒やせるのかなと。
忘却で癒やすのは、それではどうにもならないものなのかなと。
牧志 浩太
ああー、納得。
乗り越えるなり解釈するなりして「思い出」として記憶にしまえるものと、忘れるしかないものがある。
KP
つまりここで洗うべきはそういった「どうしようもないもの」に限るべきなんだけど、放り込んでぐるんぐるんしたらそりゃあ運に任せるしか……
牧志 浩太
相手は洗濯機ですしねぇ。
KP
なんかこのシナリオについてとっても腑に落ちました。
終わったら話そうー
牧志 浩太
そのときはぜひー

KP
激しい音が空気をびりびりと震わせた。
今まで通り抜けてきた部屋の方から何者かが迫る響きが扉を揺るがしている。
佐倉はコップを握りつぶしてティーサーバーに作り付けられたゴミ箱に放り込んだ。
佐倉 光
「休憩終わりっ。せんたくの時間だ」
牧志 浩太
「だな!」
黒い扉の洗濯機に近づき、【絵描き】のボタンを押す。
KP
【絵描き】のボタンを押すと、ゴウン、と洗濯機が駆動する音が少し響いた後、洗濯機の扉がひとりでに開いた。

中には部屋があった。先ほどの絵本の挿絵そのままの光景だった。
あなた方が覗いているのはその部屋の窓からのようで、洗濯機の中とは完全にサイズが合わない。
簡素なベッドと小さな箪笥、テーブル代わりの木箱だけが配置されたワンルームに、所狭しとキャンバスや丸めた紙のような物が置かれている。
そしてその中、こちらを裏側にして置かれたイーゼルの向こうに、ぎょっとしたような顔の痩せた青年がいた。
彼は驚きのあまり叫んだようだったが、その声は全く聞こえない。
KP
同時、奥へ向かう扉の方で何かが外れる音がした。
牧志 浩太
「うわ、ごめん」
思わずその小さな部屋から目を離す。

角度を変えて、イーゼルにかけられた絵画を見ることはできるだろうか?
また、窓の向こうへ手なり指を差し入れることはできるだろうか?
牧志 浩太
何者かが今にもこちらに来そうなら無理はせず、奥の扉へ向かう。
KP
イーゼルはこちらからでは見えない。
洗濯機の中に手を伸ばそうとすると、見えない壁で弾かれてしまう。
絵描きはびっくりはしたものの、あなた方を興味深そうに見ている。
そのまま奥の部屋へ行く?
牧志 浩太
「あ、えっと。ごめん、お邪魔しました」
その様子なら、うっかり話しかけてしまう。
牧志 浩太
「えっと、これはあなたのものか?」
玩具の肉と棒鍵を彼の前に差し出してみる。
サイズが違いすぎるが。
KP
絵描きはあなたの挨拶に、大袈裟なほどにペコペコした。
そして、あなたが差し出した巨大肉……の玩具を見て、首をふって、物欲しそうな目で見つめ始めた。
あっ。ヨダレが垂れた。
佐倉 光
「こいつのじゃないけど、おおいに興味があるって感じだな」
牧志 浩太
「って感じだな。えっ、でもあげられないよなこれ」
見えない壁を肉の玩具でこつんこつんと叩いてみる。
KP
肉は何の抵抗もなくその『窓』を通り抜けそうになった。
絵描きは目を丸くしてそれを手で止める。
そして部屋の中を指さした。

そして、肉に向かって手をにょろにょろしたり、なにか棒状のものをもってくるくる回したり。
そしてもう一度部屋をさしてしょんぼりした顔をした。
【アイデア】で何をいいたいか察せてもよい。
牧志 浩太
1d100 90 【アイデア】 Sasa 1d100→ 71→成功
佐倉 光
1d100 85 【アイデア】 Sasa 1d100→ 36→成功
KP
『気持ちはありがたい。しかしこの部屋には焼く設備がない。
ああ、焼いた肉は好物なんだけどなぁ。
お腹空いた(T-T)』
というメッセージが切々と伝わってきた。
牧志 浩太
「ああ……、
そうか、鍵じゃなくて上手に焼けましたってやつだ」

いいのだろうか。焼いてみて玩具だったらものすごくがっかりしないだろうか。

いや、でも、もしかしたら魔法の絵描きなら、これ本物にできたりしないか。
牧志 浩太
肉と一緒にガスバーナーを差し出してみる。
佐倉 光
「あげちゃっていいか?
これライオンが出てきたら使うんじゃないのか?
つってもまあ、プラだもんな……」
KP
絵描きは「おお!」というような顔をしたが、しょんぼりと首をふって、あなた方を期待を込めた目で見ている。
佐倉 光
「えーと、
それで焼いたことはないのでうまく焼ける自信がありません、焼いてくれませんか?」
だってさ」
牧志 浩太
「えっ、これを?」
ガスバーナーを点火して、恐る恐る端を炙ってみる。
まずい感じのガスが出てきたら止める。
KP
恐る恐る肉を炙ったとたん。
謎の音楽が流れてきた。
火が当たった部分がみるみる溶けて……違う。流れ落ちるのは油と肉汁。たちまち立ち込める食欲をそそるかおり。
あなたの手のなかでみるみる肉は本物の焼き肉になって行く!
佐倉 光
「はぁ!?  なにこれ」
牧志 浩太
「えっ、えっ、ええええ」
みるみるうちに姿を変えていく肉!
驚きながらも、うっかり焦がさないように肉を回転させ、炙っていく。
佐倉 光
「なんだこれ面白!」
KP
『ウルトラ上手に焼けましたー♪』
肉はじゅうじゅうと音を立てて、特大の骨付き焼き肉に変貌した!
佐倉 光
「うわ、美味そう、脳がバグる」
牧志 浩太
「ちゃんと焼けているかどうか味見をします」
弱った心に肉は目の毒だ。虚ろな声で言って肉を少しかじる。
KP
大変美味だ!
味付けなど一切していないのにぴりっとした香辛料の香り、こってりとしたソース、野性味溢れる獣脂が食欲をそそる。
プラスチック臭など一切しない。
牧志 浩太
「ああああああ、美味しい」
バグった!

理性を総動員して、肉を三分割するようにちぎる。

三分の一はこれから出るライオンの分、三分の一は絵描きの分、そして残りは…… 俺達の分だ!
KP
www
これどうしようかな
KP
骨付きのでっかい部分と、小さい部分に割れた。
牧志 浩太
でっかい分を絵描きに差し出し、小さい分の片方を俺と佐倉さんで食べる。
残りはライオンのために残しておく。
KP
お。骨付きのでかいの 小さいの 小さいの って感じですがどうします?
小さいと言ってもまあ、一般的なフライドチキン程度の大きさはある。
牧志 浩太
でかいのを絵描きに差し出し、小さいのの片方を佐倉さんと自分で分け合って食べ、もう一つの小さいのを残しておきます。
KP
なるほど了解です。
KP
では絵描きは感激したような顔をし、幸せそうに肉にかぶりつく。
そこで不思議な窓を挟んで食事タイムになった。
佐倉 光
「美味いなこれ。何なんだよ。何の肉なんだ?」
牧志 浩太
「えっ、気にしてなかった。
そういえば何の肉なんだろうな」

肉を大事そうに食べながら、食感や味わいを探ろうとする。
これ、何の肉だろうか。
KP
探っちゃう?
【アイデア】/4
佐倉 光
1d100 18 【アイデア】 Sasa 1d100→ 81→失敗
牧志 浩太
1d100 22 【アイデア】 Sasa 1d100→ 26→失敗
KP
味わったことはないが美味しい肉だ。
牧志 浩太
「分からないけど……、美味しい」
自然と頬が緩む。探ろうとする試みは美味しさだけを一杯に噛み締めた。
KP
しみ込むような美味さは【美味い肉】という概念の塊のようだった。
佐倉 光
「そもそもが漫画肉ってリアルにないヤツだから、考えるだけ多分無駄だ」
KP
絵描きは肉をペロリと平らげると、あなた方に嬉しそうに頭を下げ、
ちょっと待つようにと身振りを行った。
そして小さなキャンバスに向かい、絵筆を振るい始めた。
佐倉 光
「おいおい、礼は嬉しいけど絵なんか待ってる場合じゃないんだぞ」
KP
佐倉がちらりと入り口の方を振り返る。
いつの間にか静かにはなっていたが、またいつ叩かれるか、またいつ開くか分からないのだ。
KP
だが絵描きは数回筆を振るっただけでキャンバスをこちらに渡してきた。
牧志 浩太
「いや、大丈夫そうだ。ありがとう」
礼を言ってキャンバスを受け取り、表面を確認する。
KP
変にリアルな鍵穴のイラストだ。
大きな鍵穴が開いていて、穴はまるで本物のように黒々としている。

絵描きは上機嫌で手を振り、洗濯機の扉を閉める。
佐倉 光
「あ、おいっ」
KP
佐倉が手を伸ばしたその目の前で扉は閉じてしまった。
牧志 浩太
「これ、さっきの話に出てきたやつだよな。
感謝してくれた、ってことなのかな」

棒鍵と絵の鍵穴の大きさは合うだろうか。合うなら開けてみる。
KP
ただの絵であるはずの鍵穴に、鍵はスムーズに入っていった。
そしてひねるとカチリと金属音をあげ、キャンバスが開いた。
その向こうには空間があり、その中にぽつりと火が点いたカンテラが置いてあった。
その明かりは見ているだけで心が安らぐような灯だった。
【プラスチックの肉】を失い【カンテラ】【焼き肉の欠片】を入手。
牧志 浩太
「よかったのか悪かったのか分からないけど、なんだかほっとする光だ。
喜んでもらえたし、よかったような気はするな」
カンテラを籠に入れる。
佐倉 光
「助けたら助けてくれるって話が多いし、これはこれで良かった……といいな」
牧志 浩太
「ああ」
奥の扉に〈聞き耳〉を立てる。
KP
〈聞き耳〉
牧志 浩太
1d100 97 Sasa 1d100→ 5→決定的成功クリティカル)!
KP
扉の向こうから錆と生臭い不快な臭いがする。そして微かに雨の音が聞こえる。
牧志 浩太
「……錆の臭い……。まさか、血の臭いがどうこうって、このことか」
無意識に身体が強張るのを感じながら、扉を少し開けて向こうの様子を確認する。

KP
全く同じ作りの部屋だ。
しかし扉の向こうは赤かった。
部屋全体を覆う錆の色、生臭さ、薄暗さ。電気は切れかけなのかチカチカと揺らいでいる。
中央の作業テーブルはあるものの、書籍棚は壊れている。
左端のには小さな机はあるが傾いでいる。
ティーサーバーからは赤い液体がぽつぽつと滴り、床にシミを作っていた。
洗濯機はやはり四台が回っており、一台の扉は真っ黒だ。
今までと同様、先へ進む扉もある。
佐倉 光
「うわ、臭ぇな。嫌な感じだ」
佐倉 光
「コインの枚数から言って最後の部屋か……」
牧志 浩太
「う……、」
あの血塗れの室内を、無数に転がった殺し合いの痕跡が過って、呻いた。

傍らの佐倉さんの横顔から、思わず目を逸らす。
その眼が自分の手で抉り出され、放り投げられた瞬間を思い出した。
佐倉 光
「大丈夫か、牧志。映りそうな物はないけど、また目を閉じていくか?」
牧志 浩太
「いや、大丈夫。ちょっと思い出しただけだ。
コインの枚数からしてここが最後なんだしな、ちゃんと見ておきたい」
佐倉 光
「進もう」
KP
佐倉が言って先に踏み出した。
牧志 浩太
「ああ」
その横を踏み出す。
KP
あなた方の背後で扉が閉じる。
一気に部屋が暗くなり、あなたの籠に入っているカンテラだけが明るく周囲を照らしていた。
不安を煽る水音、異臭、まるでここは死が満ちているあの場所のようだ。
背後のウインドーの向こうではじとじとと赤い雨が降り、その向こうがよく見えない。
唸り続ける洗濯機の音が、まるで巨大な魔物のうなり声のように聞こえた。

不気味なその空間でカンテラの明かりは、恐怖と不安を祓う唯一の光だった。
佐倉 光
「不思議だ。この明かり、見ていると心が落ち着く」
牧志 浩太
「このカンテラ……、貰えてよかったな」
KP
先ほどまでと同様、洗濯機、机に乗ったノート、扉がある。しかし作業台の破壊された書籍棚には本は入っていなかった。
牧志 浩太
ノートを読んでみる。
KP
ノートにはあちこちに赤錆色の染みができている。
真面目な字「洗えば洗うほどに身軽になっていくのが分かります。しがらみから逃れられる解放感、自分を縛っていたのは自分そのものであるということに、手放すことでようやく気が付けました……さあ、もっと洗っていきましょう。洗えば洗うほど、私は私を取り戻していくのですから」
↑雑な字「ポエミー(笑) でもちょっと分かるわ。俺ももっと洗おっと」
↑丸文字「このままぜーんぶ洗って消せたら、もっと楽になれそー。洗お洗お」
殴り書き「確かに、自身の行動を縛るのもまた、自身の経験や記憶からくる「今の自分」というものなのだろう。だが、それは決して不自由だということではない。自分を手放し、記憶を消し去り、経験を捨て去り、まっさらになったとて、それは決して自由なんかじゃないのだ。自分を自由たらしめるのもまた、選び、抱え、積み重ねてきた自分自身に他ならない。それを忘れてはならない」
↑真面目な字「洗え」
↑雑な字「洗え」
↑丸文字「洗え」
牧志 浩太
赤錆色の染みと文字が重なって怖気が走った。
ノートを取った手が、微かに震える。

ノートに何か挟まっていたり、裏に何か書かれていたりはしないだろうか。
KP
何も挟まっていない。裏にも赤い染みがついているだけだ。
佐倉 光
「思考停止か。同調圧力か。狂気か」
佐倉 光
「早くここを出ないと危険な気がする」
牧志 浩太
黒い扉の洗濯機を探す。
KP
黒い扉の洗濯機にはやはりボタンがついていた。一つ前の部屋と同じ三つのボタンに絵が描いてある。
ひとつは獅子に似た生物
ひとつは四つ足の機械の化け物
ひとつは巨大なイカのような怪物
いずれも恐ろしげに描かれており、不吉を感じさせた。
牧志 浩太
「ライオンと、あの機械と、海の生き物だ……」
あの鍵はまだ手元に残っているだろうか。
KP
残っている。
佐倉 光
「最初の部屋にあった本の関連か。いかにも最後って雰囲気だ」
牧志 浩太
「ああ。ここには本はないし、最初に戻ってきたって感じだ」
他の洗濯機を見てみるが、中はどんな状態になっているだろうか。
KP
今までと同じだ。4台が回っており、3台では同じ服が回っている。ほかは空だ。
回る洗濯機は悲鳴のようなきしみをたまに上げている…………
牧志 浩太
「ライオンと、あの機械と、海……。海はもう無しでいいんだろう。

家に帰れる話とすればライオンだけど、肉はもうない。
これっぽっちの量で足りるかわからない」
牧志 浩太
「機械っていっても制御装置はない。

こんな怖そうなの選ばないで、洗って出る、ってのも考えられるけど、ここまで来て選ばないのがいい方向に転ぶか分からない。

洗われる量が同じかどうか、分からないしな。
時間が同時に存在するなら、ここで洗ったら一気に真っ白になる可能性もある。
佐倉さん、どう思う?」

コインランドリーの中を見回して、一度考える。

奥の扉の向こうに聞き耳を立ててみるが、何か聞こえるだろうか。
KP
奥の扉の向こうからは何も聞こえない。

佐倉は考え考え答える。
佐倉 光
「そう、だな。
俺はここで洗濯するのは嫌だよ。中まで錆だらけだ。赤い水出そうだし、絶対に綺麗にならないと思う。そもそも長居したくない」
佐倉 光
「で、どのボタンを押すか、か。どれも大差ない気がする。
海と機械は関係しそうな物が一個もないとなると、肉があるライオンが一番マシかもな……焼いた肉でいけるかわかんねぇけど」
佐倉 光
「今まで通りなら、こっちのボタンを押したら出口が開くだろうし、まずそうならとっとと逃げるのも手じゃねぇかな」
牧志 浩太
「そうだよな。
……よし。
ライオンのボタン押して、まずそうだったらすぐ逃げよう」
牧志 浩太
籠を抱え、片手にカンテラを持ち、カンテラを持った手で獅子のような生物のボタンを押す。
佐倉 光
肉掲げてようか?
牧志 浩太
頼む。
KP
【獅子】のボタンを押すと、ゴウン、と洗濯機が駆動する音が少し響いた。
それは怪物のうなり声でもあるように聞こえた。
そして扉は勝手に弾かれたように開く。
中から巨大なライオンのような赤い獣が飛び出した。

そのたてがみは弱々しく燃える焔であり、目のある部分には小さな目が所狭しとひしめき、その一つ一つがあなた方二人をとらえる。尾は三つに割れ、不機嫌そうに揺れていた。
脇腹からは骨が浮き出、顔には無数の深い皺が寄っている。

知らない生き物であっても分かる感情。
この獣は腹を空かしてこの上なく不機嫌だ。
そんなときに目の前に現れたあなた方は?
餌か、さもなくば八つ当たりの対象だ!

それは本能に働きかける恐怖。
こんな巨大な獣に襲われて無事でいられるだろうか?
SANチェック成功時減少 1失敗時減少 1d3
牧志 浩太
1d100 48 Sasa 1d100→ 2→決定的成功クリティカル)!
佐倉 光
1d100 31 Sasa 1d100→ 20→成功
SAN 31 → 30
牧志 浩太
「……!!」
ぞくりと背筋が震え、一瞬、背を向けて逃げ出したい本能が背を貫いた。
牧志 浩太
それを愚かな理性で抑え込む。
違う。こいつはきっと物語のひとつだ。さっきと同じようなお膳立てだ。
そうでなかったとしても、背を向けていいはずがない!
牧志 浩太
「佐倉さん、肉を!」
叫ぶと同時にカンテラを突きつける。
肉の量が足りなかったとしても、気くらい引けるはずだ!
佐倉 光
「おう!」
KP
佐倉は焼き肉を掲げた。
香辛料が利いてソースがついた肉は、いまだに美味そうな匂いを放っている。
佐倉 光
「腹が減っているんだな。こいつでどうだ!?」

▼佐倉は〈言いくるめ〉/2〈心理学〉/2
1d100 54 《悪魔会話》 Sasa 1d100→ 48→成功
牧志 浩太
ナイス!
KP
『オレサマ オマエ マルカジリ』
そんな声が聞こえてきそうな鼻先に、佐倉は肉を突きつけた。
獅子のような化け物はそれの匂いをフンフンと嗅ぐと、牙を剥きだして唸った。
そして瞬時に口を開け、かぶりつく。
佐倉 光
1d100 40 〈回避〉 Sasa 1d100→ 38→成功
佐倉 光
「あぶね!」
KP
佐倉が手を放した刹那、獅子はがぶりと焼き肉に食いついた。
飯にありついたというのに獅子の機嫌は悪いままだ。
ぐるる、と唸ってあなた方をにらみ付ける。

『消エロ』

無数の目のうち三つがあなた方を見たとき、そう言われた気がした。
佐倉 光
「牧志。あいつの気が変わらないうちに行こう」
KP
佐倉が囁く。
牧志 浩太
「ああ、行こう」

背筋にひやりと汗が落ちた。
あの一瞬、佐倉さんが喰われてしまったように見えたのだ。
間違えたんじゃないか。選ばず、洗っていれば。
そんな後悔が一瞬頭の中に過って、でも佐倉さんはそこにいてくれた。
牧志 浩太
奥の扉から外へ出る。
KP
焼き肉はお好きじゃなかった。
獅子「折角の美味い肉を台無しにしたあげく減らしおって」プンプン
牧志 浩太
スン
でも焼かなかったらプラスチックだったじゃーん
KP
ちょっぴり貰えたし、交渉成功したから見逃してあげる。
牧志 浩太
佐倉さんナイス!

KP
奥の扉を開けると、音も光も不快な臭いすらも消え失せ、周囲は沈黙と闇に包まれた。
聞こえるのはただ、あなたと佐倉の息づかいだけである。
暗くなった、のではなく、闇が無限に広がる空間に立っているのだ。
あの機嫌の悪い獣は気配すらもない。
ただあなたがかざすカンテラの明かりの中、青ざめた佐倉の顔が浮かび上がっていた。
牧志 浩太
傍らにいる人の息づかいが聞こえることに安堵した。
カンテラの光が、傍らにいる人の横顔を照らし出すことに安堵した。
KP
まっすぐ前、8メートルほど先に、ぽつりと一台の洗濯機が置かれている。
光ひつとない暗闇の中、このカンテラの明かりが届かない場所にあるというのに、
『そこにあるのだ』とはっきり分かる、何の変哲もない白い洗濯機。
佐倉 光
「悪魔に食われなくて済んだけど……今度は何だ?」
牧志 浩太
「洗濯機だ」
背後の扉を閉め、確かめるように言う。
牧志 浩太
カンテラを辺りにかざしてみるが、他のものや地面、道などは見つかるだろうか。
KP
あなたがかざすカンテラの明かりの中に、真っ赤な線が浮かんだ。
それは洗濯機に向かってまっすぐ伸びている。
明かりの端に『洗え』という文字が見えた。
それは引っ掻いて描かれたようなもので、どこかノートで見た丁寧な字に似ていた。
牧志 浩太
「怖」

辺りにカンテラをかざしてみるが、他に線はないだろうか。
KP
床をよく見れば他にも見つかる。
↑『洗え』
これは丸文字だ。
↑『洗え』
これは雑な字。
佐倉 光
「なんだよ、これ……」
KP
気付けばそれは無数に。視界を埋め尽くすほどに。
四方八方から伸ばされた矢印はただ一点、洗濯機へと向かい、『洗え』と命令する。


↑『洗え』
↑『洗え』
↑『洗え』
↑『洗え』
↑『洗え』『洗え』『洗え』『洗え』『洗え』『洗え』『洗え』『洗え』
 『洗え』『洗え』『洗え』『洗え』『洗え』『洗え』『洗え』『洗え』



牧志 浩太
「うっぷ……、もう狂気だな」

あの殴り書きの字はここにはないのだろうか。
KP
殴り書きは見当たらない。
佐倉 光
「気持ち悪……誰がこんな所で洗うか」
KP
と、カンテラの輝きが強くなった。
光はぼんやりと、洗濯機の更に奥を照らし出す。
そこには『道』が見えた。
牧志 浩太
「……道だ」

落ちないかどうか爪先で探りながら、赤い線を辿って洗濯機の前まで行き、その先にある『道』を確認する。
KP
無数の狂気じみた矢印を踏み、あなたは更に奥へ進む。

矢印がと途切れた頃、道はカンテラをかざさずとも見えるようになった。
暗闇なのは相変わらずだが、不安を煽るような異様さはなく、ただ静かな、心の奥底へと辿ってゆくような長い道のりだ。
疲労も眠気も空腹も薄れ、心は穏やかになってゆく。
牧志 浩太
かつ、かつと意識的に足音を鳴らしながら、道をただただ辿ってゆく。
深い深い所へ下るような、どこか懐かしいような道のり。
佐倉 光
「様子が変わったな。しかしこの道はどこへ続くんだ?」
牧志 浩太
「そうなんだよな。先が見えない」

道を辿りながらも、カンテラをかざして他に道がないか探す。

また、一度足を止めて道のない所を手探りしてみるが、そこに地面はあるようだろうか?
KP
道はただまっすぐにのびている。
横に逸れようとすると強い不安が襲った。
この道を外れると戻ってこられなくなるのではないか? という予感がする。

KP
あなたと佐倉の足音がやみに響く。
声を発するとそれは空間に響きながらどこまでも広がって、ぼやけてゆくような心地がした。
KP
この先にあなたがたの『せんたく』の結果が待っている。
何の根拠もないが、はっきりとそんな確信があった。
牧志 浩太
少し不安になって、佐倉さんの手に手を伸ばした。
佐倉さんが持っている籠に物を全部放り込み、籠を重ねて持ってもらって、佐倉さんと手を繋ぐ。
そうして歩いていく。
KP
佐倉は驚く様子もなくあなたと手を繋いだ。
いつもの少し体温低めのひやりとした指先と暖かい掌が、あなたと不安を分け合う。
牧志 浩太
「なんでだろうな。
俺達がやったことが、『せんたく』なら、その結果がこの先に待ってるような気がする」
牧志 浩太
「ちょっと怖いな。どうなるんだろう」
どこまでも広がってぼやけていく声を傍らの耳に届けようと、声を発する。
佐倉 光
「何かあったらまた考えようぜ」
KP
佐倉は静かに、だが明るい声で言った。
牧志 浩太
「そうだな。とりあえず洗わずに済んだんだ」
頷いて、先へ進む。
KP
カンテラは揺るぐことなく、確かな輝きであなた方を導いていた。
KP
ふと、冴え冴えとした空気が閉塞感を打ち払ったのを感じる。
いつから聞こえていたのだろう。
流れる水の音がする。

あなたは、『たどり着いた』と思った。
そして『ここからけっして先へ進んではならない』とも。

そこにあったのは清らかな川だった。
周囲の様子はぼんやりとして何も見えないが、川の存在だけははっきりと聞こえ、見え、跳ねる冷たい水しぶきまでくっきりと鮮やかに感じられた。
どこか神秘を感じさせるそこに、タライと洗濯板、ブラシなど、洗濯に使えそうな品が2セット置かれていた。

ここで洗えば、手にした衣服の汚れは綺麗さっぱり落ちるに違いない。
そんな確信があった。
それはあの謎のコインランドリーに入ったときに感じたものよりも強い、疑うべくもない事実だ。
KP
【アイデア】
牧志 浩太
1d100 90 Sasa 1d100→ 49→成功
KP
この川の水はあまりにも清い。
その力の全てを受ければあっという間にこの服の汚れは落ち、色合いも何もかも洗い流してまっさらにするだろう。
だからこそせんたくが必要なのだ。
小さなタライで水を掬い、落とすべき物を見極める選択が。
牧志 浩太
「洗濯板だ。
あそこを出ても、結局洗濯なのか。
でも、洗濯機で回すよりは調整が効きそうだな」
KP
あなたはここで洗ってもいいし、川に背を向けてもいい。
牧志 浩太
川に背を向け、辺りを見回す。
どうしてだろう、ここから先に進むところはないと感じる。
ここが一番先、おしまいの場所なのだと。
牧志 浩太
カンテラを持ち辺りを見回してみるが、道は見つかるだろうか。
KP
帰りたいと望むなら帰れるのではないか、と思える。
牧志は洗わないでおく?
牧志 浩太
胸にべったりとついた機械油と血に、少しだけ水をかけて擦ってみる。

そして、自分の記憶や感情に何か変化がないか探る。
KP
ちょっとだけ洗いますね?
では1D6+5の正気度回復が行えます。
牧志 浩太
1D6+5 Sasa 1d6+5→ 5+5→合計10
SAN 48 → 58
KP
おおー。
KP
佐倉もタライに水をくみ、特に悍ましいまでの汚れを、ブラシで丁寧に撫でるように落とす。
1d6+5 Sasa 1d6+5→ 4+5→合計9
SAN 31 → 40
KP
あなたは心が軽くなったような心地がした。

服にべったりこびり付いた汚れは随分薄くなったが、首から胸の辺りまでこびり付いたものは、どうこすろうと落ちなかった。
それはもはや繊維の奥まで食い込み、根をはり、その服の一部となっているのだろう。
しかしそれ以外の部分は、軽くこすっただけなのに見違えるほどに綺麗になり、実は真っ白ではなく様々な色合いをもつ布地がはっきりと見えるようになった。
KP
佐倉が持つパーカーはまだ全体的に赤茶けた色が染みついていたが、それでも触れるだけで汚染されそうな悍ましい汚れは随分と薄くなった。
牧志 浩太
風が吹き抜けていくように、ふっと心が軽くなる。

こびりついた痛みが、何もかも失いたくないという欲がその上に降り積もり、色さえ覆い隠していたのだと気づく。
茶色、金色、赤色、黒。白いように見えた襟つきのシャツは様々な色を持っていた。
懐かしく、大事な色。
KP
あなたの服はほぼもうすぐ落とせそうな所は全て綺麗になっている。
佐倉の服はまだまだ汚れている。
再度洗うこともできるし、この川につけるならこのこびり付いた汚れすらまっさらにできるだろうが……
KP
佐倉どうするかは悩む所なんだけど、いつもの佐倉ならこういうところでは欲張らないんだよなー。
牧志 浩太
自分の胸に手を当て、様々なことを思い出してみる。
忘れてしまったようなことはないだろうか。思い出せなくなったことはないだろうか。
牧志 浩太
「随分心が軽くなったような気がするんだ。
佐倉さんの服、まだちょっと汚れてるだろ。
ここでなら、もう少し洗っていっていいのかもしれない。

でも、何か無くしてないかは怖いな。
佐倉さん、ちょっと突き合わせ手伝って」

佐倉さんと記憶を突き合わせる。
KP
あなたと佐倉の記憶には支障はない、ような気がする。少なくとも言語化できる範囲においては。
KP
【アイデア】
牧志 浩太
1d100 90 Sasa 1d100→ 54→成功
KP
あなたはふと気付くだろう。
先日恐ろしい目に遭ったときに腹を抉った痛みの輪郭が。
悪夢にみるような今までに見た無数の死の痕跡が。
心をかき乱す化け物との遭遇の記憶が。
ほんの少しぼやけて薄れていることに。
牧志 浩太
そうか、それはやさしい忘却だ。

覚えていなければならないことは覚えていても、忘れていくべき痛みの記憶を、この水は流してくれる。

痛みを思い出にすることを、手伝ってくれる。

それなら、ここでおしまいだ。
これ以上は、大事なものを流してしまう。
痛みも苦しみも恐れも怒りも、自分がそれを感じた理由は、そこにあった心は、心が受けた痛みの強さは忘れたくない。
その強さまで忘れてしまったら、痛かったということを忘れてしまう。
それは、忘れたくない。
牧志 浩太
「大丈夫そうだ、覚えていたいことはちゃんと覚えてる。
ただ、なんていうのかな。痛かった記憶や苦しかった記憶が、少し曖昧になってる。

昔やった大怪我のことを思い出すみたいに」
牧志 浩太
「悔しいけど、それでいいのかもしれない。

どうせ、普通にしててもそういうのって、過ぎれば忘れるしな。
佐倉さんが言ったように。

ただ、俺の方はこれ以上は駄目そうだ。
これ以上流したら、大事なものまで流してしまう」

失いたくない痛みの強い色は、きっと、あの桜色の手帳が覚えていてくれる。
牧志 浩太
牧志の現状と感想は言いつつ、どうするかは任せる。
佐倉 光
「これ以上はやめておくよ。まあ随分マシにはなったし」
KP
佐倉はぱん、と音を立てて服を広げた。
佐倉 光
「やりすぎてまた毎日牧志に『お前誰だ』なんて訊きたくないし」
KP
佐倉はふっと笑った。
佐倉 光
「帰ろうぜ」
牧志 浩太
「そうだな」
笑いあう。
KP
あなたの手の中で、佐倉の手の中で、手にしていた服がみるみる乾いてゆく。
と同時に周囲の景色が薄れていった。

〈オカルト〉
牧志は+30
牧志 浩太
1d100 74 Sasa 1d100→ 77→失敗
牧志 浩太
残念。
佐倉 光
1d100 75 〈オカルト〉 Sasa 1d100→ 90→失敗
KP
何処とも知れぬ静かな場所が遠ざかる。
あなた方はまだここに来るべき存在ではないのだ。
いやむしろ


ここへ来ることを許されていない存在なのかも知れない。


牧志 浩太
何となく、その場所を一度見たような気がした。
清らかなその流れを聴いたような気がした。

そこは静かで、救われていて、それでも。
俺達はただの現実に帰りたい。

帰ろう。

KP
ふと気付くとあなた方は自分の家に立っていた。
なんとなく色々と会話をしたことは思い出せるが、どういう流れでそういう話をしたかが思い出せない。
ずっと自室にいただろうか? どこかへ出かけていたような気もするが、なんだか記憶がぼんやりしている。
佐倉 光
「……あれ?」
佐倉が鞄を引っかけ、首を傾げた。
牧志 浩太
「あれ?」
ぱちりと目を開く。

何だか色々と話をしたし、随分と心が軽くなっているような気もするが、その経緯が思い出せない。
牧志 浩太
「佐倉さん、どこか行ってたっけ? 飲み物、まだ買いに行ってないよな?」
佐倉 光
「ああ、その筈だけど……茶とかコーヒーとか飲んだよなぁ?」
KP
佐倉は怪訝そうにしていた。
しかしその顔は随分と明るくなっているように見えた。
佐倉 光
「まあいっか、今から出るのも面倒だし寝るかな……」
KP
佐倉は身につけかけたバッグを腕にぶら下げて欠伸をした。
牧志 浩太
「そう。お茶とか飲みながら話をしたような気がするんだ。

前の時、どうして俺が佐倉さんを助けられたのかとか、そういう話」

ふと、ぽつりと話を出した。
自分たちはどこかで、それを受け入れた気がするのだ。
何も時間など過ぎていないというのに。
牧志 浩太
まだ、佐倉さんの眼をまっすぐ見ることはできない。
鏡の向こうに映る薄茶色の円を思うと、それが恐ろしい。

けれどその痛みが、風が吹き抜けたように、どうしてか軽くなっているのだ。
牧志 浩太
話したからかもしれない。
どこだか分からないけど、どこか知らない場所で、きっと話をした、そのおかげかもしれない。
牧志 浩太
忘却は記憶を折り畳み、言葉になることだけを残していく。
心が受け入れられるように。
思い出として、重ねていけるように。

そんなやさしい忘却が、少し前を向かせてくれた気がした。
牧志 浩太
それでも忘れたくないものを、選び取った気がした。
KP
時は記憶を薄れさせてゆく。押し流してゆく。
それは無慈悲でありながら、人の心を守るには必要なことなのだ。
だから人は記す。話す。伝える。
忘却の果てに失いたくないことを時々振り返って選び取りながら生きてゆくのだ。


せんたく

エンディングA



KP
生還おめでとうございます。
牧志 浩太
ありがとうございましたー!
とにかく確証がないので怖かった!
KP
わかる!! これ絶対怖いなと思いながらやってたし、実際きちんと指針を持ってないとゴリゴリ削られるだけ削られて終わるんだ。
割と優しい方向に改変入れてたりもします。
牧志 浩太
なんと。それはお手数を。>やさしい方向に
時間制限とかですかね?
確証ないのに時間制限入るのが怖いったら。
KP
時間制限は二人とも探索失敗していないし無駄行動も別にしていないので大丈夫なんですよ。
このシナリオ、「回復はする」んだけど、ほぼ確実に代償として【EDU】要求されるんですよね。
「記憶を忘却してSAN値を回復するならば経験は失われるべきだ」ということらしい。
「回復シナリオ」と銘打ってはいるけど、「回復したなぁ!」って値回復しようと思ったらゴリッゴリ【EDU】削れるし、途中での回復量は雀の涙。
「回復するポイントもあるシナリオ」って感じなんですよね。
純粋にノーリスクで回復するのは初回の洗濯機とラストの川一回目だけです。
多分ノーリスクで行こうとするとトントンかチョイ減る。
そしてまともに回復するのはラスト1回のみです。道中は0~3程度。
牧志 浩太
ああー。
それはお手数を。いま見たら最後の回復の値とか増やして下さってたんですね。
経験は失いたくなかったし、危ないところだったなぁ。
KP
そう、佐倉2回目洗うかどうか迷ったのはそのためです。KPが知っているデメリットを前提に考えると不公平だから。でもまあ佐倉なら洗わないかなと。
ちなみに【EDU】減った場合は、学習することを選ぶなら、【POW】増加する判定みたいなのをして1ポイントにつき1D6ヶ月くらいで回復する処理を入れる予定でした。今までの人生で得た物が失いっぱなしで戻ってこない、というのもないだろう、【INT】ならともかく【EDU】なら学習で戻してもいいだろうと思ったため。
ただしその間は呪文書の解読・呪文の習得などはできず、知識の再習得を行うという感じで。
牧志 浩太
なるほど。
でも記憶は失いたくなかったし、よかった。
あれ佐倉さんが〈言いくるめ〉失敗してたら戦闘? >ライオン
KP
戦闘ですね。その場合はシナリオと同じ処理をする予定でした。
また、肉をあげるときの〈回避〉失敗したらガブゥされて佐倉が怪我を負うけど見逃して貰えます。
「カンテラ」はグッドエンド条件なんだけど、本には載ってないクリア条件だから怖いよなぁ、と思いながら見てました。
牧志 浩太
ひえぇ。
二人とも【DEX】低いし、ライオンもぐもぐエンドにならなくてよかった。
あそこは本当に危ないところでしたね……!?
KP
あと、焼いた肉の骨付き部分を「あげた」ことにしようと思っていたから、「焼いた骨付き肉」をライオンに渡そうとしていたら危なかった。
あのこ生肉じゃないと受け付けないから……
牧志 浩太
怖い怖い。柔軟な処理ありがとうございます。
洗いたくないけど肉はシナリオ的にはもうない扱いだろうし、洗濯して出るしかないかと思った。
KP
最悪でもBエンドだけど、そしたら問答無用で【EDU】減ですしね!
怪物たちを従えたり倒したりすることができず、カンテラも持たずに奥にたどり着くとエンドB。置いてある洗濯機で一度服を洗うとSAN値が回復して帰れますが、【EDU】が削られます。
牧志 浩太
記憶を失うのはやだー!(よくばり牧志)
KP
まあ牧志君はそういうと思ったから途中は謎解き以外の所はあんまり心配してなかった。
牧志 浩太
牧志の根源は記憶ですからね。
でも意図せず失う羽目になったかもしれなかったし、ライオンと戦闘じゃライオンに食われて死んでた可能性もあるし、危ない危ない。
KP
ただ、最後の川拒否ったら本当にただ変な経験だけしてSAN値減らされて終わるので、「いいから洗え、なっ?」って描写増やしましたw
牧志 浩太
ふふふw
ありがとうございます。
KP
ラストお察しかも知れませんが、勝手に「レテ川」だったことにしてます。冥府まで行っちゃった。
牧志 浩太
ですよね。
その関係でちょこっと描写重ねました。
牧志くんは冥府に行ったことがあるらしい。
またの名を地獄。地獄行きなの!?
KP
「代償大きすぎて回復シナリオじゃないよな」と思ったけど面白そうだったので強行しました。
ちょびっと回復したから許して。

あと改変……途中で言いましたがティーサーバーは追加、あとは本棚がタブレットになってたり、肉焼きがモンハンだったり、そんなデマカセ描写はしてますが大筋は弄っておりません。
牧志 浩太
すごく怖いし面白かったからいいと思うんですよ。これはボロボロ状態で行った方が雰囲気でる。
大事な会話もできましたしね。
KP
ああ、焼き肉分けたときの処理どうしようか迷ったけど、さっき書いたとおり、「骨付きの大きい部分」をどちらに渡したかで分岐することにしました。
牧志 浩太
あそこはややこしい処理失礼しました。
これ、戦闘回避しつつグッドエンド行くにはどうしてればよかったんだろう。
KP
単純にプラ肉をライオンさんにあげればクリアでしたね。
他にも色々ルートはあるけど、一番単純なのはライオンさん。
牧志 浩太
ああー、その場合カンテラなくてもライオンが導いてくれるのか。
KP
ほかはカンテラ持ってモンスターから逃亡、
電子ボタン押して出てくるカードキー使って金庫開けて出てきたパーツを四つ足の機械に取り付ける(ただし戦闘処理)
魚を「バケツ」に入れてからどっかででてくる海に放してラストでイカボタンを押すと怪獣大決戦になって、逃がした魚がバカデカアンコウになって助けてくれる
ハッピーエンドルートはよっつあります。
牧志 浩太
なるほどなるほど。そこはちょっと考えすぎたなぁ。

ガスバーナーはルートによってはブラフだったわけですね。必ずしも全部使わなくてもいいし、使うとアウトになったりするの面白いな。

でも絵描きのくだり雰囲気が楽しかったから、このルートで行けてよかったな。ありがとうございます。
道中でもちょいちょうダメージはくらうので、どのルートなら安全ってこともない気はします。結局このシナリオで回復したいなら【EDU】を削る必要があるかな。

牧志 浩太
おっと、成長処理。
1d100 97〈聞き耳〉 Sasa 1d100→ 9→成功
牧志 浩太
さすがに成長はなし。

KP
この手のシナリオ、正解を走っているけど確証がなくて悩んでいるのを見ているとき「大丈夫です合ってます!」って言えないのがシンドイ!
牧志 浩太
わかる!!
あああー言いたい言えないィィィーってなる
KP
肉とバーナー手に入れて、物理キー手に入れたから「よし、余程のことがない限りは勝ち確だ!」と思いながら見てたけど、これ確証ないから怖いよねー、と思って、絵描きに肉あげちゃってその後困らないかな!? と思ったから一応佐倉に一言言わせたけど佐倉にも確証がないからぼんやりした言い方になって、ああああ
牧志 浩太
ですよねぇええ
あそこ勝ち確ルートから外れて下手したら戦闘負けの出目勝負ルートに行っちゃうとこでしたもんね
正解から外れちゃう瞬間は「ああああ」ってなるよなぁああ
KP
後でライオン出てくる保証はないしね!
牧志 浩太
あそこ肉は後で使うはずだからPLも相当迷ったんですけど、困ってそうな人がいたらあげちゃうんだよ牧志ってやつは
KP
そうなると思ったから、牧志君がささっと立ち去ろうとしたときにガッツポーズしつつ、でも絵描きさんは肉食べたいアクションするよねーと思って入れたら案の定反応した挙げ句焼いてあげちゃうしぃぃぃ!
牧志 浩太
あとメタいとこ「何もしないのが正解」なパターンあると思ってなくてなるほどなぁあああってなった!
KP
一応「全部が使われるわけじゃない」ってヒントは一度佐倉に言わせたし、あとはもう何も言わないことにした……
わかんないですよねあれね!
先でどんな選択肢が出てくるかなんてPC知らないもの!
牧志 浩太
「アイテムを全部使うわけじゃない」じゃなくて「ボタン押した結果を使うわけじゃない」だったとはー!
そう、先が見えないですからね!
これはこわたのしかった
KP
カンテラがゴールってヒントないからなぁ。
他のは本でなんとなく想像がつくけど。
牧志 浩太
これで戦闘敗北で死んじゃったらさすがにそれは「のぉおおお難しいよぉおお」だっただろうけど、エンド記載的に戦闘で死ぬのはそんなに想定してないっぽいですしね。
いやぁ、でも出目のおかげで丸くおさまってよかった 二人とも【DEX】低いし!
KP
よかったよかった! 逃亡失敗したら危なかった。
牧志 浩太
ですよねぇ。
想定してなさそうとはいえ、普通に逃亡失敗あるもんな!
あのボタン「押さない」という選択肢もあったけど、あそこで洗ったら一気に真っ白になっちゃう可能性を考えるとそれも取りにくかったですしね。
とにかく確証がなくてこわいこわいなんだ。佐倉さんの出目が超ナイスで助かった。
KP
あそこ確か洗うと結構でっかい【EDU】ダメージ発生しなかったっけ……
途中の洗濯機、ダメージあるくせに回復値しぶちんなんだよなぁ。
ある意味「洗うな」が正解だからそれでいいんですけどね。
変に回復しちゃうと洗っちゃうPC出そうだし。
牧志 浩太
発生するんですよ。
でも肉ない状態であそこに行った以上、確実性をとると洗って出るしかないですからね。
「洗いたくないけど洗わなきゃいけないかもしれない」状況になってた。
佐倉さんの出目のおかげで丸くおさまったけど、危なかったぁああ!
KP
悪魔使いの面目躍如だ!
あそこ焼き肉あったからあんな判定にしたけど、焼き肉もなかったら普通に戦闘でした。
牧志 浩太
そう! 悪魔会話で成功して乗り切るの、悪魔使いの面目躍如で大層かっこよかった!
KP
悪魔使いだからああしたというよりは、牧志君が「肉を残す」という判断をしたことに対するアンサーですね。
牧志 浩太
あっ残しておいてよかった。【STR】11で焼き肉分割認めてもらえてよかった。
肉は後で確実に使うけど、でもここでも肉使うのにスルーしていいのか!?  あと牧志はあげちゃうよな。って迷った結果でした。

いやそう思うとほんと今回危うい綱渡りで生還してますね……こえぇ……よかった。
KP
よかった。
牧志 浩太
これ戦闘で片方ロストしたら戻ってきたときどうなったんだ……。覚えてないのになぜか相手が死んでいて、死体が戻ってきたのか……。
死んだ理由すら覚えてないのつらすぎるが。
KP
どうなのかなぁ。生きてるけど記憶がごっそりやられていたりするのかも知れないし。
いきなりいなくなるのも怖いけど。
牧志 浩太
いきなりいなくなるのは怖いなぁ。辛すぎる。失った理由すら分からないから、どう思っていいのかも分からない。
KP
途中で正気度回復には二種類在るって話しましたけど、あの時にラストで「自分にとって危険な汚れを、手洗いで丁寧に選択して洗濯するすることで一度だけノーリスク回復ができる」って解釈を思いつきました。
最後がレテ川になったのは、最初は深層心理にでも降りて貰うかと思って通路歩かせてて、ふと「忘却のレテ川」って冥府にあるよな。冥府なら牧志君行ったことあるしやるしかないな! と思いました。
っていうか牧志君地獄行きだったの?(ヤボツッコミ)
牧志 浩太
なるほどなー!!
そう、あそこは綺麗に絡んで美しかったです。>冥府
ちょっとナルグ川かなとも終わるまで思ってた。

そりゃ地獄の蓋をこじ開けてもらって戻ってきた男ですし。>地獄行き

死体が戻ってくるのならまだしも、「知らないうちに消えてしまう」だと本当に、死んだのか死んでないのかも分からないから、どう追いかけていいのかわからなくて辛すぎる。本当に生還できてよかった。
牧志がいちばん恐れていたのは「知らないうちに佐倉さんが死んでしまう」ことですからね……。
KP
あー。ナルグ川ちょっと迷ったけど、冥府の方が面白いかなって。
生きてるときの牧志君意外に業が深かったの……?
それとも「地獄」って「天国」と大差ないのかな。
牧志 浩太
あれは冥府で面白かったと思います。
CoCでメガテンですしねぇ。「地獄」も「天国」も変わらないのかもしれない。
牧志の服と佐倉の服についていた「こすっても落ちない汚れ」は〈クトゥルフ神話〉知識分です。
これは普通に洗ったのでは落ちませんが、このシナリオの最後の川で川の水につけてがっつり洗えば、まあ、落ちたんじゃないでしょうか。
悍ましい記憶とともに今までの人生経験やソレによって形成された心も綺麗さっぱり流れ落ちて、生まれる前の赤ん坊のようなまっさらな記憶と心になりますね。

最後、タライで洗えば一度はペナルティなしで回復できる理由についてはシナリオには記されていません。あくまでKPの解釈となります。
KP
結構危険なシナリオだったと思うから何事もなくクリアできて良かった……!
たぶん目茶苦茶に選択してクリア不能なんて事態にはならないだろうと思ったけど、怖かったなぁ。
牧志 浩太
本当に! 記憶を失うだけかなと思ってたら、案外戦闘ロストの可能性あったのはヒヤヒヤした!
あそこは佐倉さんがいい感じにヒントくれてよかったですね。>選択
いまいち確証ないのがずっと悩みどころだったから。
これのKPCは本当に、正解を外れた瞬間にめちゃくちゃ胃が痛かったと思います。貫いてくれてありがとうございます。
KP
KPは回答知っているから正解言いたいけどやっぱそこは誘導になりすぎないようにしよう! ってバランスを考えていると「あれ、佐倉喋ってないな」って事態に……
牧志 浩太
いやいや、十分佐倉さんと一緒に探索して意見もらえてる感じがありました。本当にいいバランスだった。
KP
やったー!
牧志 浩太
KPCうまいな!! ってずっと思ってましたし終わっても思ってる
KP
まあいい感じの目は出たものの、さすがに1になっちゃってからの回復は大変だ。
おお、うれしい!
いる意味ない・全部お前だけでいいじゃん は回避しようと全力で頑張っております!
牧志 浩太
ありがとうございます! おかげで楽しかった!
今回は佐倉さんいなかったら最悪戦闘で死んでましたしね!
KP
あれは半分牧志君の手柄なのでセーフ!
牧志 浩太
それだけじゃなくて、途中の会話もほんとに「一緒に謎解きしている」という感覚がありつつ決定的な誘導はなくてほどよくヒントはくれててめちゃバランスよかった
KP
ニヤニヤしてしまうっ。
こちらも本当に怖かったけど楽しかったです!
ありがとう牧志!
牧志 浩太
ありがとう佐倉さん!
ここでは解説していませんが、先客の服が全部回っている理由は、シナリオのバッドエンドを見ると分かります。
たぶん人が通り抜けると必ず回るのでしょうね。
牧志と佐倉の分、最初の部屋に服は入って回るのかどうかは……どうなんだろう? 洗ったから入るのかな?

KP
次どうしよう? 牧志君の「自分の目を見られない」狂気と佐倉の「心臓の音聴きたい」狂気が残ってるんですよね。
こちらが出そうとしてたシナリオで佐倉の正気度は随分戻るとは思いますが、このシナリオはいつやってもいいかなって感じです。
突然不条理なことに巻き込まれて酷い目に遭うだけなので。
牧志 浩太
そうですねぇ……以前挙がってたバディものは子供佐倉さんちーむでやったほうが楽しいだろうし、何かいいものあるかな。
KP
また何か楽しそうなの探そう~
ああ、そういえば
牧志 浩太
おっ?
KP
牧志君が教祖になっちゃうヤツありましたよね
牧志 浩太
ああ、ありますね!
いっちょいっときます?
KP
進行的に問題なさそうなら!
牧志 浩太
問題ありません!
あのあと牧志はサングラス装備するので、いかつい教祖になる。
KP
牧志教!
牧志 浩太
いつから始めましょう?
KP
そうだなー、さすがにログがめっちゃ溜まっておりまして。
せめて前々回の目玉回が終わってからにしようかな……
牧志 浩太
ですよね…… すごいピッチでいつもありがとうございます。
では目玉終わったらゆるゆると開始する感じで。
KP
大変ならリプレイ作らなきゃいいじゃないって言われるんだけど、読み返したいからっっ!
牧志 浩太
ありがとうございますっっ!! いつも読み返してる!
KP
そしてそろそろ晩ご飯食べられる感じになったので鍋の元に戻ります。
ありがとうございました!
牧志 浩太
なべ! ありがとうございました!


ひとこと
佐倉 光
もしかしたら作者さんの意図とは少し違う解釈になったのかも知れません。
それでもやはり、最後のシーンを考えると「こうだと綺麗にはまるかな」と思いました。


【置】CoC『midnight pool』 佐倉&牧志 1

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「悪魔退治屋。報酬の多寡は分捕った金次第」
「え? 悪魔って言った? 退治? ぶんどるってそれ強盗では?」

【置】CoC『刻の牢獄』波照間 2

彼女は。
彼女は、また来るだろうか。

【置】CoC『俺の恋人が庭からボコボコ生えてくるんだが!?』佐倉&牧志 3

皆を並ばせて写真撮るわ。
良く考えたらこの状況面白すぎるし。

【クトゥルフ神話TRPG】
本作は、「 株式会社アークライト  」及び「株式会社KADOKAWA」が権利を有する『クトゥルフ神話TRPG』の二次創作物です。

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