こちらには
『線、不一致』『ヒナドリ・イングレイヴド』
のネタバレがあります。
本編見る!
佐倉 光
あいつだ!
あいつだ、あいつだ!
あの時は異世界の俺たちが追い払ってくれたらしい。
しかし今は……
KP
SANチェック成功時減少 1D3失敗時減少 1D20》。
佐倉 光
1d100 52 正気度 Sasa 1d100→ 66→失敗
1d20 Sasa 1d20→7
SAN 52 → 45
KP
通常通り【アイデア】ロールと一時的狂気をどうぞ。
佐倉 光
1d100 85 Sasa 1d100→ 30→成功
1d10 効果 Sasa 1d10→9
1d10 期間 Sasa 1d10→1
佐倉 光
変なもの食うか偏執狂
犬から逃れるためにおかしなことをしなければならないと思い込む(偏執狂)とかかな?
KP
かな?
犬は食べたらおいしくないしなぁ。
「特定の事柄や考え方に異常に執着する」の他、「不信感に支配され、根拠なしに他人からの危害や迫害を確信する状態」も偏執狂(パラノイア)に含むそうなので、牧志や自分含め何も信じられなくなるかもしれない。
佐倉 光
「不信」かなー

佐倉 光
「逃げ」
見つかってはならなかった。こいつは、こいつはどこまでも追って来る!

恐怖のあまりに身をこわばらせて後ろへ下がろうとする。
牧志 浩太(?)
彼は一瞬振り返った。
素早く懐から何か小瓶のようなものを取り出すと、“それ”目がけて投げつける。
佐倉 光
「うぁぁぁ」
頭を抱えて叫ぶ。
牧志 浩太(?)
「その顔が見たかったんだ」

彼は晴れやかに笑った。
牧志 浩太(?)
彼はそれだけ言うと、『門』をくぐって姿を消した。
“それ”もまた、あなたの横を素早く通り過ぎ、彼を追って姿を消す。
佐倉 光
激しく乱れる呼吸音を聞きながら、閉じてしまった門を見つめている。
今にもまたそこから化け物が現れるのではないのか?
KP
この場に残されたのは、あなた一人だけ。
包囲していた化け物達も、気づけば残らず姿を消していた。

……のもつかの間。
牧志 浩太
「っわ!?」
門が嫌がるようにぐぐっと収縮し、白衣とチョーカーを身に着けた牧志をぺっと吐き出した。

吐き出し終わった門はすうっと消え、そこには最初から何もなかったような平穏だけが残っていた。
佐倉 光
「お、お前っ、お前、誰だ!」
奥歯がかみ合わない。
この男は何者だ。向こうの牧志か? こちらの牧志か? こちらの牧志だって、あいつみたいにもう壊されたんじゃないのか?
牧志 浩太
「あ……、ああ、」
消えた門の向こうから現われ出た男は、ふらりとその場にへたり込んで。
何度か目を瞬いて、あなたの生きた眼を、表情を目で追う。
牧志 浩太
「……」
しばらく彼から言葉は出なかった。
互いに我に返るには、少しかかっただろう。
佐倉 光
「…………」
しばらく相手の一挙手一投足を注意深く観察する。
近づいて肩を掴む。首のチョーカーに指をかけてずらす。
あの恐ろしい傷跡はないか?
腕にケロイド状の跡はないか?
牧志 浩太
首のチョーカーをずらすと、その下に傷はなく、見慣れた赤い痣が覗いた。
腕はいつも通りの、見慣れた色の肌だった。
疑い、恐れるあなたを見ても、嘲うことはなかった。
……涙の滲むその眼に、光があった。
牧志 浩太
くしゃりと涙を滲ませる姿を見ていれば、どうやらあなたの知る牧志であるようだった。
佐倉 光
それが間違いなく自分の知る牧志である、と確信できるようになるまで随分とかかった。
佐倉 光
「ああ、お前、牧志だな? こっちの牧志浩太、だよな!?」
牧志 浩太
「……うん……。」
佐倉 光
「良かった、心配したんだぞ!」
牧志 浩太
「ごめん、佐倉さん。心配かけた、よな。
……よかった、ちゃんと生きてる……」

彼は確かに、あなたの知る彼だった。
壊れていない。壊されていない。あなたの隣に立つ、相棒だ。
佐倉 光
「良かった、戻ってきてくれて」
腕を掴んで、抱くようにしたまましばらく体の力が抜けて動けなかった。
牧志 浩太
「俺も、もど、戻れてよかった。
……見捨てたくなかった、けど、……けど、帰れてよかった。
ここに、帰れてよかった」
牧志は腕を伸ばし、あなたの背を強く抱きしめた。
佐倉 光
二人とも酷いもん見たからなぁ。
牧志は特にそうだろうけど。
KP
二人ともまあ酷いもの見ましたからね……。
牧志は特にそうだけど、佐倉さんもまあまあ酷い。
佐倉 光
「あいつ、元の世界に帰ったのか。
俺の顔を見に来た、と言っていた。
また来るつもりなのかな」
物陰に、通りの向こうに、あの犬顔の悪魔がいないかと視線を彷徨わせる。
KP
東京の街は、夜なお明るい。
すっかり日が暮れた街をゆく人々の合間に、犬顔の悪魔も、肉の色をした皮膜の蟲も、鋭角の獣も、そして、光のない眼で嘲う牧志も。
姿を覗かせることは、なかった。
牧志 浩太
「結局、佐倉さんに直接何かはしなかったんだな、あいつ。
また来るつもりなのかな。また……、来られても困るけどさ」
牧志 浩太
「あっちの佐倉さんを……、殺そうかどうか、迷ったんだ。
箱のケーブル引っこ抜けば、そうできそうだった。
でも、結局しなかった。できなかったんだ。
……ずっとあのままなのかな、あっちの佐倉さん……」
佐倉 光
「あっちの世界はあっちの世界。気にしても、仕方ねぇ」
まっ黒な、絶望がよどんで溜まっているふたつの穴を意識から追い出す。
あれが自分の未来だなんて。それを齎すのが相棒だなんて、そんなのひどい冗談だ。
牧志 浩太
牧志はその言葉に頷き、一度強く目をつぶった。
視界に残る幻を追い出すために。
牧志 浩太
「そうだな……。
俺達は、ここにいるんだ」
佐倉 光
「それよりあの『牧志』、壊れたあいつの代わりに俺に悲鳴を上げさせたいみたいだ。
気をつけてくれ。
お前に何かするかも知れない」
牧志 浩太
「……! それで、佐倉さんにちょっかい出したのか。
分かった。自分の姿を知らない所で見かけたりしたら気をつける」
佐倉 光
「……あいつみたいに、お前が、牧志が、壊されるなんて考え、たくもない」
よく知った顔が全く知らない憎しみをたたえて見つめてくる。
あれが牧志の未来だなんて、冗談じゃない。
牧志 浩太
「ああ、壊されてたまるか。佐倉さんがあんなになるのだって、絶対に嫌だ」
牧志は傷に侵されていない拳を、強く握り込む。
牧志 浩太
「もしあれが俺達の未来だったとしても、ああなるとは限らない。……だろ。
俺達がどうなるかなんて、変わるし、分かれるんだ」
佐倉 光
「そうだ。変わる。
あいつがこちらに干渉してきたことで、もう変わっているはず。だろう?」
牧志 浩太
「ああ、そうだ。
そうだよ。あいつが干渉してきたんだから、その時点でもう変わってるはずだ。
俺は壊されたりなんかしない。佐倉さんを壊したりしないし、壊させなんかしない」
牧志は決意するように拳を握る。
佐倉 光
「そういえばその服に変なものはついていないか?
盗聴器とか、そういう……
いや、あるわけないと思うけど、万一……

というかその服やチョーカーに手がかりはないかな?」
チョーカー外して貰ってよく見たりしてみる。

そういえば時間帯いつ頃なんだろう。
牧志 浩太
「あ、そうか。
これ、持ってきちゃったな」
牧志は白衣を脱ぎ、チョーカーを外す。
KP
白衣は普通の白衣のようだ。タグの所にクリーニング用の管理番号が書かれている。

チョーカーを外すと、項にあたる位置に小さな突起がある。
中身は……、発信機だ。
彼が自ら外したということは、「外せない」という訳ではないのだろうが。

「面白い事になる」とは、もしも牧志がチョーカーをつけたまま向こうで逃げていたら、これで追われていた……、ということだろう。
KP
周囲を改めて見回せば、もうすっかり日が暮れている。
何だかんだで走り回らされ、実に空腹だ。
佐倉 光
「発信器か……」
佐倉 光
「ってことは、こっち来てたあいつもやっぱり監視されてた、ってことだよな。
読んでくれた記録によれば、こっちに来たのはあいつの勝手な行動だったみたいだし」
佐倉 光
「あいつは色々な意味で俺たちが知っているヒナドリじゃないな」
牧志 浩太
「そう、なるな。
……それほどまでに、自分の意思があって、自由にできてるように見えるのにさ。
それでも、あいつは人を、佐倉さんを憎むんだな……」
東浪見 空
「牧志見つかった?」
スマホに東浪見からメッセージが入っている。
佐倉 光
「ああ、会えたよ。今日は悪い。ありがとう。
もし牧志の様子が変だったら教えてくれ」
東浪見 空
「いいっていいって、見つかってよかった。
変? おう、分かった」
東浪見から返ってきたのはそんな、いつも通りの返事だった。

KP
シナリオとしては、ここで終わりです。
やりたい行動や会話などが終わったらしめます。
佐倉 光
おっと、終わりなんだー。
意外とあっさりだった!
KP
実はそうなのです。意外と短編。
佐倉 光
本当にただ顔見に来ただけだったのかよあいつー。
これで満足して、またしばらくは佐倉の生首つついて過ごすのかなー。
KP
本当にただ佐倉さんの顔を見ておちょくりに来ただけでした。
この後、蛇人間の拠点に猟犬持ち込んで大変なことにしたり、猟犬から逃げながら他の世界の佐倉さんにもちょっかいかけに行ったりします。

佐倉 光
「あいつがこっちにいる間、変な化け物がウロウロしていて、帰り際に高速道路で見た犬がさ……」
と、牧志がいなかった間のことを話しながら帰宅しよう。
途中で何か食べて帰ってもいいな。
牧志 浩太
「うわ、あれに遭ったのか!?
しかも、あれまで一緒に連れてっただって!?
何なんだあいつ……。佐倉さんや俺が目をつけられなくてよかった」
KP
そんな話をしながら帰る、平穏な道すがら。
漂ってくるいい匂いに惹かれて、何か食べて帰ったりもすることだろう。
あなたの隣を歩くのは、いつもの相棒である。
佐倉 光
とりあえず牧志が持って帰ってきたチョーカーの発信器は破壊しておきたいな。
KP
パキリという小さな音と共に、発信機はその役割を失った。
佐倉 光
「あいつはまた現れるかも知れない。
一応そのチョーカーだけでもしばらく持っておいた方がいいと思う」
佐倉 光
「あれで満足しててくれりゃいいんだけどな」
佐倉 光
「俺、あいつのことをどう思ったらいいかいまいちよく分からないんだ……どう考えても敵なのにな」
牧志 浩太
「そりゃ、そうだよ。
どう考えても敵だけどさ……、だけど、俺なんだ。
それも自分からそうしたわけじゃなくて、壊されてああなった」
佐倉 光
「もしまたあいつが現れて、お前に何かあったら、今度は迷わずに戦う。
あいつが未来だろうが何だろうが、今を守らなきゃ未来なんか来ねぇ」
牧志 浩太
「ああ、勿論だ。
俺に何かある前でもいい。今度現われたら、容赦しないでいい。
あいつに何があったんだとしても、あいつは、敵だ」
佐倉 光
「そこにいてくれ、牧志」
牧志 浩太
「勿論だ。俺は、ここにいる。
何かあっても必ず戻ってくるし、一緒に戻ってこよう。

絶対に。絶対にだ」

牧志はあなたに手を差し出した。
見慣れた厚みの、見慣れた形の手だった。
佐倉 光
その手を握る。
温かい、今までに何度も、支え、支えられ、導き、導かれた手だ。
佐倉 光
ずっと胸を締め付けていた不安がゆっくりと溶けてゆく気がした。
佐倉 光
「そうだな。きっと、大丈夫」
少し目と喉の奥が湿っぽかったが、笑って誤魔化した。
牧志 浩太
「ああ。……大丈夫。大丈夫だ、絶対に」
牧志は久しぶりの笑みを浮かべ、静かに断言した。
佐倉 光
このあたりでokです!
向こうの牧志ストッパーぶっ壊されて怖いもの知らずすぎる。
KP
あなた達の世界は、あなた達の選択と行動によるものだ。
それは尊く、かけがえのないものである。
しかし、もしもの世界は案外すぐ側に存在する。

貴方たちが至らなかった結果が、世界がどこかで存在しているのだ。
それらに優劣は無く、ただそうであったかもしれない可能性がそこにある。

ただそれだけなのだ。
いまを生きる君に、幸多くあれ。


END「線、一致」にて、両者生還。


▼生還報酬
佐倉 光
SAN 45 → 53
牧志 浩太
SAN 47 → 51(MAX)
KP
ありがとうございました!
佐倉 光
ありがとうございましたー!
別の可能性がチラ見えする話だった。
KP
でした。本当にチラッとちょっかい出されるだけの話なのでした。
佐倉 光
これやっぱ最後の所で振り向かなかったら犬に食い殺されてオワリなのかなー
KP
実はこの話、エンディングは1つしかありません。
犬のターゲットは向こうの牧志なので振り返らなくても佐倉さんが喰われることはないし、向こうの牧志の気が済んだら牧志は帰ってくる。

向こうの牧志が危なそうな描写や、佐倉さんが危なそうな描写は色々あって大盛りになった結果が多いです。
佐倉 光
なるほどぉ。
犬に追われながら観光していったのかあいつ。
そして盛りでひどいことになっちゃった向こうの佐倉、終わるといいね……
でもあの牧志執着故に終わらせてくれそうにない。
KP
あの牧志は終わらせなさそう。
こちらの牧志が出会った時が唯一のチャンスだったのかもしれないし、また向こうの牧志がどこかの世界にちょっかいを出す度にチャンスが訪れ、どこかの牧志が佐倉さんを終わらせるのかもしれない。
佐倉 光
未来の牧志が「こうならないように過去に素直じゃない警告」をしに来た話だったりするのかなーと思ったりしてました。
とはいえヘビ云々は盛りだから、元の話では純粋に敵なのかな?
だったらそれはないかなぁ、とか。
シナリオ概要に「どうしようもなく味方だということを知っている」みたいな文言があったから、こんな仕打ちされてても実はどっかでどんでん返しある系かなー、と思ったためですね。
KP
なるほどー。
どうしようもなく味方~は、「あれは別の世界のKPCで、こちらのKPCはちゃんと味方だって知っている」ということなのかなと思っていました。
佐倉 光
要は「こいつは味方の筈なのに!!!」という葛藤しろということかな、と終わってから理解した。遅い!
KP
>素直じゃない警告
元シナリオのKPCにも、割とそういう色があったりします。

元シナリオのKPCは「自分の夢を叶えるために、自らPCを裏切った」なんですね。
それは後悔していないし、もうPCのもとへ戻ることはないけど、そうではなかった世界に少しセンチメンタルを覚えているような感じ。

(今回は改変大盛りにしちゃいましたが、このままでやってもそれはそれで面白かったかなと回しながら思いました)
佐倉 光
なーるほどー!
裏切られた向こうのPCさんはやっぱりイヂめられてるんですか?
それともそこはまるっと盛り? 
例えば神を喚びたくて騙して生贄にして精神ぶっ壊したとか、そんな感じになるのかな。
KP
>裏切られたPC
イヂめられてほとんど正気度がなくなってるらしい所まではシナリオにあります。どうなっているかは盛り。

「PCを裏切ったことを後悔していても構いませんが、もうPC側に戻ることはないとしてください。
だからこそ映える「本物の悪役」を存分に披露していただきたく思います。if だし SAN 値ほぼ無いし悪役だし、普段言わないことも言っちゃって良いんじゃないかな、とも思います。
KP の思う悪役KPCをぜひ送り出してください。」
ということで、元シナリオでもKPCは悪役なんですね。
佐倉 光
なるほどなるほど、PCに直接害を与えた上で更に意図的に正気度削ってる、というのは元々なんだ。
そんな意地悪する人があっさりKPC帰してくれるわけがない!
と思っていたので本当に牧志が帰ってきてびっくりした。
ifのKPCについて
KP
ということらしいので、神話事象に巻き込んだのか直接害を与えたのか、色々やってきたみたいですね。
で、元シナリオのKPCは「元気なPCの顔をちょっと見たかった」くらいの目的でやらかしています。

今回のif牧志が佐倉さんに直接危害を加えなかったり、牧志をあっさり返してくれたりした理由は別に設定しています。
佐倉 光
昔を懐かしんじゃったかKPCさん。

おお。なんだろう。
といってももうすっごい時間ですね!
KP
ですね! 続きはまた明日!
KPCが裏切った理由が自由だからってヒナドリ牧志にしたら、そこからKPCの行動原理が変わってしまい、大改変大盛りマシマシになってしまったので、元々のシナリオ背景・改変ポイント・本卓独自背景など、お話したいことが色々あります。
佐倉 光
聞きたい! いろいろわからん! 楽しみにしつつ寝ます。
KP
ですよね!
PC視点見えないこともある他、if牧志の性格が悪いせいで、まぁ~佐倉さんびびらせようと(本来のシナリオでは普通に話す)情報を伏せる伏せる。
ありがとうございました!
佐倉 光
ありがとうございました!
▼シナリオ背景(シナリオ本来)
KP
というわけで、元シナリオのifKPCもなかなかすごいやつです。
▼未来なの? 別の世界なの?
「この世界の未来」ではなく、別の世界です。
それを伏せたのは、if牧志がびびる佐倉さんを見たがったせいです。性格悪い。
佐倉 光
異世界観光だった。
PLは完全別世界で未来じゃないんだろうなぁと思った。
しかし考えてみれば最初にむこうの牧志が「佐倉もヘビとヒナドリのことを知っている」ことを知らなかったような発言をしているので、佐倉も普通に別世界だと判断できても良かったな!
きっと色々衝撃で吹き飛んだんだ。
▼背景(本卓)①
佐倉さんではなく、牧志が蛇人間に捕まり、魔術と薬と洗脳、そして苛烈な拷問によって支配されてしまった世界が舞台。

この世界の佐倉さんは牧志を支配から解放することができず、辛うじて逃げたものの、牧志はより深い支配を受けることになった。
支配と苦痛の果てに自ら人間を憎むようになった牧志は、それでも佐倉さんの存在を忘れられず、その執着を憎悪だと思い込んでしまう。
定期的に発作のように憎悪に駆られるようになってしまい、牧志を救おうとしていた佐倉さんを捕らえ、箱に詰め込み、憎悪の波が来る度に責め苛んでいた。

繰り返し繰り返しそうした果てに佐倉さんは正気を失い、次第に反応しなくなる。
「発作」に耐えられなくなった牧志は、蛇人間たちが手に入れ作り上げた「時を遡る装置」を無断で使い、壊してしまう前の佐倉さんに会いに行く。
その結果、別の世界に飛んできてしまった傍迷惑が今回の話である。
KP
>知ってるんだ
あれは「こっちの佐倉さんは、あれ(支配)を自分で経験したんだな」という意味の「知ってるんだ」でした。
色々一緒に判明しすぎたから仕方ない。
佐倉 光
この牧志はどうにも救われないし、佐倉も救われないなぁ。
この世界ではヒナドリシナリオのNPCさんたちが侵入できなかったりして牧志と出会わず、つつがなく実験が成功してしまったんだろうね。
あと本編と違って物理的な拷問も伴っていたようだし。
佐倉は全てが終わってから牧志を救おうと無駄な努力をして捕まっちゃったかー。ひどい。
KP
佐倉さんへの友情も優しさも何もかも曲げられてしまった分、巣窟牧志よりもある意味救われないんですよね。

無機質なヒナドリではなく、それなりに牧志っぽく振る舞うのは、一度徹底的に壊されてから作中に出た理由で再構築されたものです。

元シナリオのifPC・KPCは正気度ちょっと残っていますが、こちらは佐倉さんも牧志も完全に0です。
▼背景(本卓)② 
牧志があっさり帰った理由と、佐倉さん&牧志に直接危害を加えなかった理由。

①勿体ない
佐倉さんを壊してしまったif牧志は、自分がその状態に耐えられないことに気づき、初めてそれを悔いて、「今度こそ、壊さずにゆっくり甚振ろう」と決めました。 

物理的に危害を加えてしまうと、自分が抑えが効かなくなって壊してしまうことが分かっていたので、直接危害を加えずに恐怖や困惑の表情を味わう方向に移りました。
傍迷惑。

何度か「勿体ない」と発言しているのは、「壊れたり死んだら、甚振れる佐倉さんが一人減るので勿体ない」の意です。

この後、蛇人間の拠点に猟犬持ち込んで大変なことにしたり、そのまま他の世界の佐倉さんにもちょっかいかけたりしに行きます。傍迷惑。

②支配
if牧志は蛇人間に支配されているので、実はそんなに長く自由に行動できません。
佐倉さんへの執着を抱えたまま人間を憎悪させられ、蛇人間の手駒として動かされつつ、別の世界の佐倉さんにチラチラ干渉することしかできないのでした。傍迷惑。
佐倉 光
何があっても満足できないし、別世界の佐倉たちを見ても幸せにはならないだろうし。
ただただ迷惑だぁ。

①勿体ない
反省したのえらい! ……かな。

元の世界でヘビ人間が全てを掌握したら人間はヒナドリ含め殺されるかも知れないし、そうなったら終わるのかも知れませんが。
KP
ああー……。
そうなったら終わるかもしれませんね。諸共。
そうなった時には、手駒でしかないヒナドリも殺されるのだろうし。
▼向こうに行った牧志
意図的に攫ったわけではなく、if牧志がこちらに来たことで入れ替わるように向こうに飛ばされただけです。
そのため、if牧志が向こうに戻ると帰ってきます。

が、今回はこちらの二人の行動にも意味を持たせたかったことから、牧志が向こうで「時を遡る装置」の鍵を見つけたことにif牧志が気づき、丁度いいから帰る気になった、としました。

鍵に触れたことで猟犬に見つかるかもしれない? どうでしょうね。
佐倉 光
あれ、じゃあ前日に何かに追われていたのは牧志ではなかった?
明らかに犬ではないものが出てきたり、みんなには見えていなかったりするのはなんだったんでしょう?
予兆?
KP
前日(まだ牧志がこちらにいる時)のあれについては詳しい理由が書かれていないんですよね。

本卓的には予兆かなと思います。
あの時点では、佐倉さんを追ってはいなかったし。
蛇人間の手駒がこちらの世界に干渉しようとしているのに気づいて、ミ=ゴ(あの肉蟲はミ=ゴです)が行動していたんじゃないかと。

if牧志が出現してから(当日)のは、if牧志が使役したり、召喚したり、面白いのがいるぞと告げ口したり、交渉したりして佐倉さんにけしかけているものです。

みんなに見えていなかったのは、if牧志が魔術で隠していたり、ミ=ゴが自ら対象外の人間から身を隠していたりしたためです。
(シナリオでは他の人間について言及されないため、ここは盛り)
佐倉 光
あー、やっぱミ=ゴ。
首切られているって書いてたから、シナリオの元々のKPCがおかしい事情がミ=ゴに改造されたか何かで、
ヘビにぶち壊された後でミ=ゴに脳弄られて二重に壊れちゃったのかなと思ってました。
KP
ああー。ではなかったのです。
今回のミ=ゴさんは「何か変な化け物」枠ですね。

if牧志が佐倉さんの首カットしたのは、佐倉さんが何度か脱走したためです。(本卓限定裏設定)
佐倉 光
ああー、牧志が首にカット跡があったみたいだから、首外されて脳弄られてるのかなと。
KP
ああー!
あれはカット跡ではなく、無意識に首輪に抵抗して掻きむしった跡です。>首の跡
佐倉 光
そうだったのかー!
首輪で傷を隠している、というふうに認識してしまった。
それもあって向こうに行っちゃってた牧志にチョーカーつけるように言ったんですよね。なるほどー
KP
あ、でもうなじの「V」のマークを隠すチョーカーでもあるので、その指示自体は間違っていなかったと思います。
あのマークないのがバレちゃうから。
▼あれ何
犬頭の悪魔? は食屍鬼だったりします。
佐倉 光
食屍鬼ー。食屍鬼は……見たかもしれないけどさすがに覚えてない。
食い残しの谷は見ましたけども。
KP
実は眠れない夜で出てきてたりします。
焼肉屋の主人ですね。
あと「夢の中ならきみは正しい」でも登場しています。
あの時は二人ともそれどころじゃなかったけど。
佐倉 光
なるほどちょい役!
KP
食屍鬼、チョイ役がちですが、中では結構話せる(?)やつっぽいので、食屍鬼メインのシナリオなんかもやってみたいですね。
また波照間が引き込まれそうだけど。
▼改変ポイント
if牧志の行動原理が変わってしまった関係上、色々改変することになってしまいました。

主に
 ・いつもの判定調整&省略など
 ・同居しているPC対応(導入)
 ・他の世界の存在を佐倉さん&牧志が知っていることによる調整
 ・周囲の人間への言及など、シナリオに記載のない所の辻褄合わせ
 ・PCの行動に対応した盛り
 ・牧志と佐倉さんの行動に意味を持たせるため&if牧志の境遇開示のため、牧志の探索シーンを大盛り
 ・if牧志の境遇に合わせ、情報の出し方を調整&シナリオ行動に対する裏設定の追加
 ・if牧志の行動原理が数段悪意強い方向に変わったことによる変更

になります。
▼導入
本来は職場に向かう途中でKPCに出会いますが、同居しているので大学帰りに変更。

 ・牧志は佐倉さんと定期的に連絡を取っている
 ・佐倉さんは「別の世界」の存在を知っており、if牧志が牧志とは別人であると分かる
ことから、シナリオになかった牧志を探すシーンが発生しました。

「大学を出て街を無意味にうろうろしていた」時点で、実はif牧志に入れ替わっています。
なので昼を最後に連絡がなかったんですね。
▼白状①
if牧志の境遇のせいで外見と様子が別人すぎるため、正体を白状するシーンが早まりました。
(本来は本物の牧志から連絡が来るシーンの直前)
▼白状②
本当は白状した後、最近の佐倉さんの様子を色々と聞いたり、「PCにとって敵って何? 正義って?」と聞いたりするシーンがあるのですが、牧志&佐倉さんに正義の概念はいまいちそぐわないこと、if牧志の悪意が強いことからカットになりました。
▼途中のイベントの簡略化
途中一緒に逃げるシーンではイベントが5つほど用意されていて、全部使わなくてよい(ifKPCが満足するまでPCにちょっかいかけたら次に移ってよい)となっているのですが、うまく使えなかったイベントは出していません。
 ・ifKPCが変な神話的アーティファクトに縁があることを示唆するイベント(このif牧志だと今更感が強い)
 ・亡霊の幻影が出て襲ってくるイベント(ifKPCのちょっかいだが、PLへの誤誘導になりそう)
▼白状③
if牧志の性格が悪いため、本物牧志の危険を示唆する台詞などが増えています。
▼本物牧志からの連絡
・牧志と佐倉さんの行動に意味を持たせるため&if牧志の境遇開示のため、牧志の探索シーンを大盛りにしています。
・if牧志の境遇に合わせ、情報の出し方を調整しています。
▼if牧志再登場
・元シナリオでは冊子でifKPCのバックグラウンドが明かされた後、「今どこにいるかとか具体的なのはわからないし……向こうから来るまで……待ちで!」とKPCが電話を切るのですが、
 ・牧志そういう感じじゃない
 ・牧志が危ないかもという脅しが追加された
関係で、if牧志が牧志との通話を強制的に切った描写が追加されています。

・if牧志の行動原理がシナリオと異なるため、台詞が悪意強い方向に変わっています。

・元シナリオでは「別の世界から来た」ことをifKPCが言いますが、if牧志の行動原理がこれなので、佐倉さんを怖がらせようと伏せました。
▼猟犬
元シナリオではifKPCが猟犬に発砲(PCを庇う)し、「気をつけな」と言い捨てて去るシーンがあります。
とてもかっこいいシーンなのですが、今回のif牧志には合わないので泣く泣くカット。
▼全体的に
シナリオのifKPCは「迷惑でちょっと寂しそうな愉快犯」なのですが、if牧志をこんなにしたせいでだいぶ味が変わっています。
佐倉さん…… ごめん。
KP
改変ポイントで大きめなのはこんな所…… のはず。
佐倉 光
おおー、大分味わい変わっているんだなぁ。
かっこよく最後にPC守るシーンが、「その顔見たかったんだよ」と嗤って去るシーンに化けたかぁ。
ぜんぶ ヘビが わるい。

悪意トッピングによる緊張感と酷いイベント盛りありがとうございます!
おかげで二度目にif牧志が現れたシーン、いよいよ牧志に危機が迫るかと思って緊張してたなー。
向こうの佐倉が「死んでいない」事を知った時は、
何らかの方法で向こうの佐倉を復活させればif牧志との関係性が変わったりする話かなーと思ってましたね。
実際見たら「脳みそ露出コロシテ生首」じゃ無理臭いなと思いましたが……
というかあのシーンで「好きな台詞いれてね」はだいぶんシュールでちょっと面白かった。
何も迷う余地無く瞬時に台詞決まりましたが。
KP
だったのです。
途中辺りで元のまま(『自分の夢』のために佐倉さんを裏切った牧志)行っても面白そうだったな、と思いましたが、GOしちゃった以上は突っ走りました。
楽しんで頂けたならよかった!

>関係性
「もうPCのもとに戻ることはない」とシナリオにも断言されていますし、ここは戻れない方が美しいので、判定追加したりしてPC視点・PL視点ともに無理なことを明示しています。

>台詞をいれてね
酷い目に遭っている境遇はこちらで作ってしまったとしても、やっぱりPCは自分のものなので、リアクションは自分でやりたいかなって。
「殺してくれ」に望むものが「死」ですらなく、ただ「終わり」なのがつらい。
佐倉 光
牧志があそこまで歪んでしまうまでに何があったか、考えるだに恐ろしいですねぇ。
牧志を救おうとしたあまりに引き際を見失い、牧志の感情のはけ口となり、抵抗するたび奪われとうとう首になってしまった佐倉の絶望はいかばかりか。
本編の二人はそんな末路に向かわず、あくまでもifであって欲しいもの。
ありがとうございましたー!
KP
しかもそれをやるのが、救いたかったはずの牧志当人というのがまあ、酷い。
本編の二人はそんなことにならないで元気に相棒やってて欲しいもの。

ありがとうございました!
佐倉 光
次何回そっかー
いんとぜろ・冒涜的広告でギャグでもいいし、主従もおもしろそうですなぁー
KP
そうそう、主従ifも面白そうだし、いんとぜろも冒涜的広告も面白そう
今回酷い話だったし、アホになっておきます?(いんとぜろ)
佐倉 光
アホになりますかぁ
KP
なりましょう
今回ほんと酷かったし、アホになろう

コメント By.佐倉 光
エンディングと解説の回。
色々と事情が変わった結果ひどい事になっちゃったなぁ……

プレイ日:2025年12月16日 ~ 2025年12月26日

作者名: お寿司/に

配布・販売サイト: 線、不一致

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【クトゥルフ神話TRPG】
本作は、「 株式会社アークライト  」及び「株式会社KADOKAWA」が権利を有する『クトゥルフ神話TRPG』の二次創作物です。

Call of Cthulhu is copyright ©1981, 2015, 2019 by Chaosium Inc. ;all rights reserved. Arranged by Arclight Inc.
Call of Cthulhu is a registered trademark of Chaosium Inc.
PUBLISHED BY KADOKAWA CORPORATION 「クトゥルフ神話TRPG」



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