こちらには
『レプリカの心相
のネタバレがあります。
本編見る!
KP
機体管理室。
あの時彼が寝かされていた寝台の上に、今は誰もいない。

彼に繋がっていた機械も稼働しておらず、ケーブル類は束ねて寝台の下に纏められ、室内は火が消えたようになっている。
佐倉 光
室内に気になるようなものはないかな。
KP
機械を見てもスイッチのようなものは見当たらず、作動のさせ方も用途も分からない。
他に気になるものはないようだ。
KP
他に気になるものといえば、部屋の隅にあるパネルだけだ。
先程の停止コードの資料に記載があったパネルとは、これのことだろう。
佐倉 光
お、バネルか。操作方法って見るだけで分かりそうなヤツかな。
KP
触れて番号をタッチすればよさそうだが、指の跡などがないところからして、毎回表示される数字の位置が変わる程度の配慮はあるのかもしれない。

あなたでも背伸びすれば手が届きそうな位置にある。
佐倉 光
経過観察室にそんなパネルあったかなぁ。
KP
あの部屋にそんなパネルがあった覚えはないが、もしかしたらどこかに隠されていたのかもしれない。
例えば冷蔵庫の裏とか、そういう目に入りづらいところに。
佐倉 光
あと、歩いた範囲に廊下のやつってパネルありそうかな。
KP
歩いた範囲には見当たらなかった。
佐倉 光
『被検者』は牧志、もしかしたら俺も、だろ。
『機体』はレプリカだ。
問題は『検体』。
『検体保管室』には人の気配があったって事は、あそこでレプリカの修理やメンテナンスをしているのかな。

『検体』について素直に訊いても、答えて貰えない気がする。
研究とやらに支障が出そうだからだ。
最初に技術について訊いたときもそんなことを言っていた。
被験者にそういった情報を与えない、というのが実験の条件にあると考えるべきだろう。

部屋に気になるものがないようなら、行ってみるか、『検体保管室』。
佐倉 光
あ、行く前に拝借した鍵は、『検体保管室』の以外シレッとお返ししておくね。
KP
OK。鍵はシレっと返却された。
佐倉 光
ん、そうか、二階にもあるのか上り階段。
KP
ありますね。
佐倉 光
行くならそっちが先かな。
佐倉 光
それにしても、見学していいって言われた割には鍵かかってるところだらけだし、見学するなら受付とあの汚い部屋と三階くらいしか選択肢がねーのな。
上には見晴らしのいい部屋でもあんのかな。
上に行ってみよう。

KP
三階への階段に視線を遣る。
あなたはその上から、何となく「生きている」という気配を感じた。

廊下に明かりが灯っている。
微かに、機械の駆動する音のような低音が聞こえた。
佐倉 光
見ていいって言われてるんだ、行くのを遠慮する必要はないな。
万一鍵のことバレたら拾ったとでも言えばいいさ。
KP
〈聞き耳〉で判定!
佐倉 光
1d100 79〈聞き耳〉 Sasa 1d100→ 91→失敗
KP
あなたは三階へ向けて歩を進め……、

どん。
何か柔らかいものにぶつかった。
佐倉 光
おっ。誰だ。人がいたのか?
佐倉 光
量産型クルー?
KP
マダー
佐倉 光
マダカー
KP
見上げれば、それは……、色國だった。
彼を連れては、いない。
KP
「こんにちは。ごめんなさい、ぶつかっちゃったね。
ごめんね、上は作業中だから、まだ上がらないでくれるかな?

……あら」
KP
「その鍵はどうしたの? 返してくれるかな?」
彼女は、目ざとくあなたの持つ鍵を見つけた。
あなたを二階へと押し戻しながら、鍵を持つ手に手を伸ばす。
佐倉 光
「これは二階に落ちてたの拾ったんだ」
佐倉 光
くそ、ここで鍵を取られたらあの部屋が確認できなくなるかもしれない。

佐倉 光
鍵返したときはまだ作業中に見えたのかな。
KP
鍵を返したときには、まだ廊下に姿は見なかった。
検体管理室の中の気配が彼女のものだったかどうかは定かでない。
佐倉 光
いや、モニタはどうなっていたかなと。
確認しなかったから不明かな?
KP
ああ、確認しなかったのでそこは不明。
佐倉 光
宣言すべきだったなー。
さすがに鍵見える状態で持ってないつもりだったけど、〈目星〉振られたかっ
KP
〈目星〉されましたね。

佐倉 光
「浩太にはまだ会えない?
見られるところが全然なくてつまらないんだ」

強引にあの扉、開けちまうか?
それともなにも知らない振りをして一度返すか?
くそ、どうしたらいい。
KP
「そう、落ちてたのね。
じゃあ、返してくれるかな?」
彼女はあなたの手を掴み、強引に鍵をもぎ取った。
有無を言わせぬ力に、手が少し痛む。
佐倉 光
「いてぇ!」
おい、これが寄る辺なき可哀想な子供への態度かよ。
佐倉 光
俺達に協力的に見えるのはやはり情ではないな。
実験の方が大事。
実験の邪魔になるなら力ずくで捻じ伏せられる。
佐倉 光
とはいえ、死んだ牧志に何か変化が起きそうなのは事実。
牧志を弄んでいる、とも言えるが、これはチャンスにもなり得る。
KP
「ごめんね。随分水が入っちゃってて、もう少しかかりそうなの」

彼女はあなたの片手を掴んだまま、あなたの眼をじっと覗き込んだ。
穏やかに微笑みながら、どこか冷たさを感じる目つきだった。
KP
Sasa 🎲 Secret Dice 🎲
KP
「……気になる? この研究のこと」
彼女はふと、口角を微かに歪めた。
佐倉 光
「気になるよ。気になるに決まってるだろ。
死んだ人間と親しい人間とレプリカを使って、一体なんの研究をしているんだ。

牧志の体はどこにある。
レプリカには、牧志の記憶が入っているんじゃないのか!?」
KP
「あら、どうしてそう思うの?」
あなたの問い。いや叫びに、彼女は静かにあなたを見下ろした。
佐倉 光
くそ、もう賭けるしかねえ!
佐倉 光
「元の体がなくちゃ、あんな精巧なロボット作れないだろ。
実験が終わって最終的に【破棄】されるまでは残されていると思った」
佐倉 光
「レプリカについては、この2日の経験だよ。
俺に感情の発露タイミングを教えろ、と言っただろ。
確かに感情は俺が働きかけないとあまり目立って出てくることはない。
だけど模倣にしろ何にしろ、明らかにあいつの中には元々感情がある。

そして無意識の行動もそうだ。
教えてもいないのにあいつは牧志浩太の行動をなぞっている。
その感情や行動を生み出すには【牧志浩太】の記憶が絶対に必要だ。

浩太はただのロボットじゃないな。お前、牧志に何をしたんだ」
佐倉 光
「……知りたいだけだよ。恨んではいない」
佐倉 光
「ただ俺は、そっくりなものじゃなくて、牧志浩太と話したいんだ。
あんたはその方法を知らないか」
KP
「そっか……」
彼女はくすくすと笑った。
さきほどまでの柔らかい声が、猫撫で声の一種に過ぎなかったのだと分かるような、低い、楽しそうな声。
KP
「随分賢いんだね、君は。
それだけで、そこまで思いつくとは思わなかった。
じゃあ、見ていこうか。

大丈夫、君の望みは叶うよ」

彼女はあなたの背に手をあてがい、そっと押す。
検体管理室の方へ向かって。
佐倉 光
ここからはお互い猫かぶりはナシ、ってことだな。
検体管理室へ向かう。
油断はできない。

KP
彼女が扉を開ける。
中へと入れば、まず目に飛び込んでくるのはずらりと並んだベッドだ。
二十床ほどあるだろうか。その上のどれにも、病院着を身に纏った人間が仰向けで眠っている。

あなたは気づくだろう。
あなたが感じ取ったのは、彼らの微かな気配だ。
KP
部屋には書類棚や、カルテのようなものが並べられたデスクがある。
佐倉 光
「!」
息を呑む。これ全てが被検体か。
牧志はここにいるのか?
KP
〈目星〉で判定。
佐倉 光
1d100 98〈目星〉 Sasa 1d100→ 9→成功
KP
並べられたカルテの中に、あなたは牧志とあなたの名を見た。
KP
そして。

一番奥のベッドに、牧志が、いた。
つい先程まであなたと共にいた人形と、指の先までそっくりだった。
髪の色も、肌も、爪のかたちも、痣に刻まれた呪文のひとつひとつまでも。

ああ、だが、しかし。
あなたは気づいてしまうだろう。

それは牧志だ、なぜならば。
きっとあの事故で負ったのだろう、むごたらしい傷のあとが、彼の腕に、脚に、残されているのだ。
佐倉 光
「牧志……」
それはほとんど声にはならなかった。
何度も見て、すがって、その冷たさを知っていた。
その事を否応なく思い出した。

その傷は開いたまま?  塞がれている?
KP
傷は塞がれ、処置されていた。
病院着のような簡素な服の合間から、肌や、腕に走った継ぎ目のようなあとが見えた。
佐倉 光
「どうして……どうして遺体が残されているんだ。
コピーを作るためなら、もう完成しているのに残しておく意味、ないだろ……」
KP
「ふふ、契約だって言ったでしょう?
レプリカを育ててもらう、ちょっとしたお礼だよ。

そう、彼は死んだ。
車に轢かれて、普通なら手の施しようのない状態だった。

でもね、私ならこの肉体を治療できる」
佐倉 光
「なんだって……この状態から?」
佐倉 光
「牧志は生き返るのか!?」
思わず彼女に詰め寄っていた。
KP
「私達は、完璧な人間の作成を目的としている」
詰め寄るあなたの手をそっと受け止め、彼女は微かに目を細めた。
KP
「そのためには、色んな人の思考パターンや行動データが必要になる。
でも、遠くから観察して読み取るだけでは、情報量が圧倒的に足りないの。

だから、彼の遺体をベースにレプリカを作って、一番近しい人である君に育ててもらうことで、正確な感情や思考のデータを得る」
KP
「そのお礼に私は彼を治療して、十全なデータがとれ次第、君に返す。

……ね、悪くないでしょう?」
よからぬ花の咲くように、彼女は顔をほころばせた。
佐倉 光
「……そうだな。それが本当なら」
頷く。牧志が生き返るというなら、言うことはない。
むしろ感謝すべきことだ。
佐倉 光
「あんなものが、人間の感情や思考のデータ採りの役に立つのか」
KP
「君は彼にたくさん語りかけて、たくさん手を取って、たくさんのことを教えてくれたでしょう?
十分役に立つよ。ありがとう」
彼女は楽しそうに言った。
佐倉 光
〈心理学〉振ってみたいけど57なんだよなーびみょう。
KP
振ってみてもいいですよ。
佐倉 光
他に多数横たわっている人々を見る。
佐倉 光
「ここにいるのは、レプリカじゃなくて人間なのか?
生き返らせる技術なんて物があるなら、どうして今までのヤツには返してやらなかったんだ」
一連の質問に対する反応に〈心理学〉。57!
KP
Sasa 🎲 Secret Dice 🎲
KP
彼女はまったく楽しそうだ。
実験の結果にしか興味がない、のだろう。
返すか返さないかも例えば、結果次第なのではないか。
KP
「喜ばせておいてごめんね。治療は必ず成功するわけじゃないの。
その時は、あのままレプリカを連れて帰ってもらうつもりだったんだ」
佐倉 光
「……」
佐倉 光
「浩太が……レプリカがどうして池に落ちたのか、理由は分かった?」
佐倉 光
牧志を連れ帰れる、というならもう言うことはないんだけど、問題は浩太の中身よ。
魂だけ拉致られました、なんてことになってたら救出したことにならないからな。
KP
「ごめんね、言い忘れていたことが一つだけあったの。
資料室の資料……、 見たんでしょう?」
佐倉 光
頷く。
佐倉 光
「完全に理解した、とは言い切れないけど」
KP
「ハートカードは、使い過ぎるとレプリカの頭脳に負荷をかけるの。
よほど無理をさせなければ、暴走、なんてことにはならないんだけどね。

そこまで行かなくても、負荷が溜まってたみたい。
あの程度で姿勢制御がうまくいかなくなるなんて思ってなかったから、少し意外だったかな。ごめんね」
佐倉 光
「そういう大事なことは、実験で明らかになっているなら言っておいて欲しかった。
暴走すると何が起こるんだ……」
KP
「壊れちゃうんだよ、それだけ。
ああ、そうだ。
もし暴走した時は、『平然/無表情』のカードで止めてね」
佐倉 光
「人間も巻き添えに壊れたんだろ」
機械の町でのことなんか思い出した。冗談じゃない。
佐倉 光
浩太の中身が牧志由来なら、どんなに辛くてもそう簡単に自ら命を絶つ、なんてことにはならないのではないか、と思った。
するとやはりあれは、ただの事故?
いや、あれは『牧志由来』ではあっても、『牧志浩太』ではないのかもしれないが……
佐倉 光
「浩太は『寂しい』と言っていたんだ。朝からずっと。
教えてくれないか。あのレプリカがもっている記憶や感情は、牧志浩太の何なんだ。
ただのコピーなのか?」
KP
「ああ…… 記憶?
そうだね、彼の行動や知識は牧志さんのものをベースにしているんだ。
そうじゃないと、赤ん坊を育てることになっちゃうからね。

寂しい? ああ、認識エラーのこと?
そうか、君には記憶や感情があるように見えたんだね」
佐倉 光
「ただのエラー、なのか?」
納得はしていないが追求はやめる。
色々気になる
佐倉 光
こんなのんびり質問タイムしてていいのかなー。
知りたいことだらけだから訊いちゃってるけど。
あとは「完全な人間なんか作ってどーすんだい?」とかかなぁ。

言葉通りに牧志を返してくれるならやぶさかでない。
問題はレプリカ浩太君の中身の正体と処遇かな。
入れない3Fの謎はPLとしては追求したいが、佐倉としては触れる必要のないところではあるな。
3Fには、このひとの中身さんと浩太くんはありそうだけど。

浩太とは!
・牧志浩太の精神が迷子になってて浩太というガワを被っている
・彼女の言うとおりの牧志ベースのロボで、色々不安定なだけ

さあどっちだ! わからん。前者っぽいかなと思っているけど。
実はもう解決パートなのに無駄に食い下がってるなんてことはないかなぁ、というのは心配!!
KP
大丈夫、まだシナリオの範囲です。
ここで質問大会するのも想定されています。
(というか、そもそも質問大会するシーンです)
佐倉 光
メタ的には「停止コード」と「量産型」がまだ来てないしな! とは思っている。
KP
食い下がる佐倉さん見てるの楽しいので&行動の自由度に対するフォローもきかせやすい(シナリオ側のフォロー・分岐が多い)シナリオなので、「無駄な行動かも!!」「無駄に伸ばしちゃってるかも!!」については気にしなくて大丈夫です。

佐倉 光
「そもそもレプリカは、もともといる人間が人間のガワを被るために作られたものなんだろ。
つまりは精巧な着ぐるみだ。
あんたは、それに新しく作った心を乗せるつもりなのか?
なんのためにそんなことを?」
KP
「なんのために、って?」
彼女はくすりと笑った。
「分からない? 研究に理由なんていらないんだよ。私は人間を造ってみたいだけ。
役に立つ理由が必要な探求なんて、面白くないじゃない」
KP
「それじゃ、改めてお願いさせてもらおうかな。
まだもうちょっとデータが欲しいんだ。

君が手を貸してくれるなら、私は引き続き牧志さんの治療を行う。
今日まででいいから、もう少しレプリカと過ごしてやってくれないかな?」
佐倉 光
「わかったよ。牧志が帰ってくるなら文句はないんだ」
牧志の痛々しい傷を見て、頷いた。
彼女の動機は、想像の範囲内だ。俺にも解りすぎるほどに分かる。
そこに理由など要らない。
KP
「それじゃ、もう少しだけレプリカのことをお願いね。
牧志さんの治療が終わったら、私から呼びに行くよ」
彼女はあなたを部屋の出口へと促す。
佐倉 光
おとなしく廊下に出る。
佐倉 光
経過観察室に戻るか。
戻ったら一応経過観察室のパネルも探そっと。
KP
彼女はあなたを先導して部屋を出ると、あなたを階段まで送り、三階へと上がっていった。
佐倉 光
そーっと後を追えそうかなぁ。
佐倉 光
まああんまりやりすぎて機嫌を損ねるのもまずいか?
廊下覗くくらいできるかな。
KP
こっそり階段から三階の廊下を覗くと、そこにはなにか、大きな部屋があるらしかった。
佐倉 光
レプリカの工房とか整備室とか、そういったところかな。
見とがめられずに見るのは無理そうだし、おとなしく帰るか。

佐倉 光
経過観察室に戻ります。
で、パネル探す。
パネルのことを知っているのは知られたくないから、あまり派手にはやらないよ。
KP
〈目星〉で判定。
佐倉 光
1d100 98〈目星〉 Sasa 1d100→ 25→成功
KP
キッチンの戸棚の奥が切り欠いてあり、調味料などが入った小箱をどかすとパネルが隠されていた。
KP
そうやってパネルを探していると、扉の開く音がした。
浩太
「佐倉さん」
少しばかり控えめな、遠慮がちにあなたを呼ぶ声。
浩太
「ごめん、心配かけたな」
扉の向こうから姿を現したのは牧志、いや、「浩太」だった。
佐倉 光
「まき……浩太」
そっとパネルを元通り隠し、駆け寄る。
佐倉 光
「ばっかやろ、なんで上がってこなかったんだよ! 死ぬかと思っただろ!」
佐倉 光
「いや、落ちたときのエラーで無理だった、ってんならどうしようもないんだろうけど」
佐倉 光
「とにかくっ! 心配したんだからな!」
叫んで彼の腹に抱きつく。

泣いてはいない。この程度で泣いてはいないが!
腹のあたりに顔を埋めてしばらく温かさを味わう。
浩太
「そっか、……本当にごめん、ありがとう。
落ちて動けなかったんだ。でも、心配したよな」

彼は目を閉じて微笑む。
彼の手が、あなたの背をそっと抱きしめた。
機械だなんて信じられないような、柔らかな温かさがあなたを包んだ。
佐倉 光
「池の所で、何か見たのか?」
動作不良、という言葉にはまだ納得がいっていない。
佐倉 光
「いきなりバランスを崩したように見えたけど、あの時何考えてた?」
浩太
分からない、と彼は首を振ったが、少ししてぽつりと口にした。
浩太
「疲れてたのかもしれない」
佐倉 光
そうか。カードを見せられすぎると負荷がかかるって言ってたな。
それをロボットとしての浩太なりに言えばそんな感じになるか。
佐倉 光
だけどな。俺はどうしたって見極めなきゃならない。
浩太は何者なのか。
あの女が言うとおりの、作り物に牧志を再現したものが詰まった半端なものに過ぎないのか、それとももっと別のものなのか。
あの女はおそらく本当のことを言っている。
だが全てを語ってはいない気がする……
佐倉 光
「ごめんな、無理をさせすぎたかも知れない。
そんな状態で水に近づくべきじゃなかったよな。俺が迂闊だった」
浩太
「いや、大丈夫。俺こそ、池に近づいたりして悪かった」
佐倉 光
「茶でも飲もうか……」
佐倉 光
ロボットに対して、茶を飲む、というのが安らぎ効果があるかは分からない。
しかし人間の感情がベースにあるなら。
さらには別のものであるなら。
茶を飲んで気を落ち着けるというのは意外に理にかなった行動であるのかも知れない。
とりあえず湯沸かしだ。電気ケトルか何かあるかな。あれば水を入れ替えて湯を湧かそう。
浩太
「お茶?
そうだな、飲もうか」
彼は頷いて、シンクの上の電気ケトルに手をやった。

あなたの位置からは、戸棚のストッカーに揃えられた様々な茶葉類が見える。
コーヒー、紅茶、ハーブティー、緑茶、それに麦茶のティーバッグ。
浩太
「佐倉さん、何を飲む?」
佐倉 光
「麦茶……いや、コーヒーをくれ。砂糖二つで
砂糖くらい自分で入れるよね。
湯を扱うことについては無理をせず牧志に任せてるけど。【STR】低すぎて安定しなくて危険だから。
浩太
彼は頷いて、電気ケトルから湯を注ぐ。
コーヒーが一杯と、小さなポットの麦茶が、テーブルに置かれる。
佐倉 光
「サンキュ」
佐倉 光
そういや一応水濡れ耐性低いことは分かったんだし、水関係は極力俺がやるべきだよな。
佐倉 光
コーヒーに砂糖を2個放り込んでクリープも入れる。
佐倉 光
一口飲んでその苦さに悶絶する。砂糖2個もぶちこんでてこの味かよ!
更に2個追加。頑張って混ぜる。まだ苦いがあとは我慢する。
佐倉 光
「まあ……帰ってきてくれて良かったよ」
浩太
「よかった?」
彼は麦茶のカップに口をつけながら、ぽつりと返した。
佐倉 光
「……ここにいたいって言ってくれたろ」
佐倉 光
「俺もいて欲しいって思ってるからだよ」
佐倉 光
こちらもコーヒーを口に含んで、飲み下す。
佐倉 光
「苦っ」
浩太
「……」
彼は少し黙って、麦茶を一口飲んだ。
そうして、ひどく泣きそうな、困ったような顔で、
浩太
「……、うれしい」
と、顔を歪めて笑った。

それは「嬉しい」なんて言葉には到底似合わない顔で、水に落ちたせいでどこか壊れたのかもしれなかった。
佐倉 光
「……お前さ。今朝から何か悩んでない?
俺に何か隠してない?」
苦いコーヒーを少しずつ喉に流し込んで行く。
俺が子供だって事実は変わらないが、今はこれが必要な気がする。
浩太
「……」
彼は不思議そうにあなたを見た、気がした。
もう慣れ親しんだ無表情が、そう見えるだけかもしれなかった。
浩太
「……、」
その口元が、ぐにゃりと歪んだ。
浩太
「……、」
無表情が、いまにも泣きそうな、ひどく辛そうな笑みに変わり、そしてまた、無表情に戻り、今度は泣き顔になる。
まるで紙をくしゃくしゃと丸めるように、移り変わる。
佐倉 光
これがただのエラーか? やっぱり気になる。
佐倉 光
「表情が分からないのか? 何か、気になることがあるんだな?
ゆっくりでいいから言葉にしてみてくれないか?」
そうやってしばらく様子を見る。
浩太
「……、」
あなたは彼が何か言い出すのを、じっと待った。
しかし、彼は泣きそうな顔で拳を握ったまま、一言も発することはなかった。
KP
廊下に通じる扉から、こんこん、と静かに扉を叩く音がした。
佐倉 光
「ん?」
扉の方へ行く。
KP
「入ってもいい?」
色國の声だ。
佐倉 光
「どうぞ」
KP
彼女は扉を開き、ゆっくりと部屋へ踏み入ってくる。
にこり、と笑顔を浮かべてあなたの方を見た。
「朗報だよ。牧志さんの容態が安定した。
まだ身体が万全じゃないから今は眠っているけど、実験はこれでお終い。
今日まで、協力どうもありがとう」
佐倉 光
「そうか、良かった」
KP
「レプリカはこちらで処分させてもらうよ。お疲れ様」
佐倉 光
「え? 聞いてないんだけど」
当たり前のように続けられた言葉に、半分予想していた事が結びつく。
だから浩太は沈んでいたんじゃないか。
『用済みの自分は処分される』ことを知っていたから鬱いでいたんじゃないのか。
KP
「え? だって、同じ人間が二人いたら困るでしょう?」
彼女は不思議そうに、柔らかく笑った。
いるんだなこれが
佐倉 光
これ本編だと「いや別に?」って言えるなw
KP
本編では6人いるけどな!(台無し)
そうそれ。
佐倉 光
子供佐倉の中にだって隻眼の牧志君いるからね!!
KP
それな!! いるんだよ!

佐倉 光
「別に、困りはしないよ。
そもそもレプリカは連れて帰ってもいいことになってたじゃないか」
KP
「治療が失敗するかもしれなかったからね。
成功したんだから、もういらないじゃない?」
佐倉 光
「あんた、ナチュラルにひでぇな。
模倣だろうと何だろうと感情を持っているヤツに『用が済んだからもう要らない』っていうのかよ」
佐倉 光
「牧志だって多分同じ事を言うさ。浩太も連れて帰るよ」
KP
「だって、そうでしょう?」
彼女はふわりと笑った。
「君だって、レプリカが牧志さんの姿をしていたから、そんなに心を傾けたんじゃないかな。

彼の顔で、彼と同じようにそこにいてくれたから、そんなに愛着を覚えてるんだ」
佐倉 光
「それは否定はできねぇよ。
けどそれとこれとは関係ないだろ」
KP
「だめだよ。同じ人間は二人も返せない。
それとも、そんなにレプリカを壊したくないなら、牧志さんを殺してそいつを選ぶ?
私は同じ人間が二人いなければいいから、それでも構わないよ?」
佐倉 光
「いやそもそも、浩太は浩太であって牧志じゃないだろ。
浩太は牧志を模して作られたロボット、であって牧志とは別物だ。同じ人間じゃない。
俺は牧志浩太と、牧志のレプリカとして作られた浩太を連れて帰りたいって言ってるんだ。

大体、どうして同じ人間を返せないなんて言うんだ。あんたには関係ない話だろうに」
佐倉 光
「そもそも俺はね。
レプリカの中に牧志の精神が乗っている可能性を考えている」
佐倉 光
「こんな状態で、はいそうですかと承服できるかよ」

佐倉 光
選ばなきゃ駄目なシーンかな? これ
KP
「食い下がっても大丈夫。ただ色國には両方返せない理由がある」とお伝えしておきます。

このシナリオ、色々な所でPCの行動や意思によって分岐します。シーンの意図に添う必要はありません。
佐倉 光
ほーん
なんだろうな。

KP
「わがままだなあ。それはできないよ。
そうだね、君は賢いから、理由を教えないと納得しないかな?

このプロジェクトはね、あんまり公なものじゃないんだ。
だって、色々発展途上だからさ。

同じ人間を二人も返したら、誰か賢いやつがそれを見つけて、プロジェクトの存在が公になっちゃうかもしれないでしょ?

だから、だめ」
わがままな子供に言い聞かせるように、彼女は笑う。
KP
「そっか、それくらい君はレプリカに魂を感じたんだね。
そこまで入れ込んじゃう人は久しぶりだなあ」
佐倉 光
「そもそも、レプリカってのは、人の形を失った者が人を装うためのものだ。
中身は外から入れるために作られている。
それなら、今意識不明の牧志の精神がそこにある可能性を考えるのは自然だろ?

それに、『菊間さんが気付いたこと』だ。
レプリカが本人であると気付いた、ということじゃないのか」
佐倉 光
「もしそうじゃなかったとしても、そう考えてしまうほどに心を感じさせるヤツを
破棄なんて言葉で片付けるヤツに委ねたくはないね」
佐倉 光
「同じではいけないというなら、外見のデザインを少し変えてくれよ。
そのぶんの協力はするし、代価も……払う」
佐倉 光
例えば目の前に元気になった牧志がいるなら、意見も少しは変わるかも知れない。
……いや、それでも浩太を処分されたくないというのは変わらないかな。
どうしても選ばなければならないなら俺は牧志を選ぶ。
しかし浩太の存在がいまいちはっきりしない今、浩太を破棄するのは「牧志を選ばない」と同義になりかねない。
KP
「そうか、そう信じたいんだね。
君は代わりの人形と遊んでいたわけじゃないって。
その子にはちゃんと心がある、って」
KP
「大丈夫。彼は戻ってくる。
彼が元気になったら、その子のことなんて忘れちゃうよ」
KP
彼女は笑い、何かタブレットのようなものを取り出した。

その時だった。
浩太
微動だにしなかった浩太が、不意にあなたに駆け寄った。
まるで置いていくなと叫ぶかのように、あなたに縋りつく。
佐倉 光
おっと。
その縋り方にも覚えがある?
あと俺動ける?
浩太
その縋り方はどこか不自然なようにも思えた。
KP
あなたは動ける。
レプリカの腕を振り払おうとしてもいいし、別の行動を取ってもいい。
ただし、直後に状況が動くため、何かするなら一つだけだ。
QTE
佐倉 光
うーん。やれることは思いつくけど、やっていいのかは気になるな!
(シナリオ壊すとかじゃなくて、登場人物の運命的に!!)
KP
なんだろ!!
KP
そうだ。
状況に迷うかもなので提示しておきます。
動いたり走ったり何かに駆け寄ったりといった行動を取るには、レプリカの腕を振り払う必要があります。
体格差があるので。
佐倉 光
移動する気はないので大丈夫!
KP
はーい!
それはフライング失礼しました
佐倉 光
そこまで読んでも仕方ないかも知れないんだけど、暴走の結果についてもちょっと腑に落ちないんですよね。
良くないことが起こったように読めるように書かれているんだけど、良くないことが起こったという記載があるわけじゃない。ただ「レプリカが暴走して壊れた」とあるだけで。そしてAの運命は記されていない。
まあ感極まってAを抱きしめ殺しただけかもしれんし裏読みしすぎかも知れませんけど!
KP
なるほど。
佐倉 光
暴走したら人に危害を加えたように見えるのに、浩太は負荷がかかって動けなくなっている、というのもちぐはぐで。
単に自分を儚んで身を投げちゃったのかも知れないけども。
KP
その辺についてはKPからは語りにくい所かな。どうなんでしょうね。
佐倉 光
でしょうね!! それで、カードどれ使おっかなーって悩みつつ寝る!!

佐倉 光
さすがに色國にはカードは効かないよなぁー。効いたら面白いけど。
これだと意味はないかもしれないが、やっとこう。
佐倉 光
浩太に『悲しみ/絶望』のカードを突きつける。
佐倉は〈覚えさせる〉判定に成功。
佐倉 光
不自然な行動は操られたためもしくはロボットとしての行動と判断、感情を刺激することで何か起きないかなと期待した。
暴走したと判断して『平然/無表情』のカードを使うのとどっちにすべきか悩んだんだけどなー。
浩太
あなたは彼の方を振り向いて、カードを突きつける。
その瞬間に見えたのは、あの無表情ではなく、なにか強い光を宿した眼の色だった。

彼の表情がその光もろともみるみるうちに曇り、別離を悲しみもがく色に変じていく。
KP
直後、バチンと電気が走るような音が聞こえ、目の前の身体が崩れ落ちた。

見れば、彼は目を見開いたまま、ぐったりと倒れていた。
色國が手元のタブレットを操作している。
KP
「暴走しちゃったかな、危なかったね。
さあ、おいでレプリカ」
浩太
色國が言うと、彼は── レプリカは虚ろな瞳のまま手をほどき、立ち上がる。
意思の宿らない眼であなたに背を向けた。
佐倉 光
ああ、やらかしたか。可哀想なことしたな。
佐倉 光
「待ってくれ、今の行動は暴走じゃない!」
叫んでレプリカの目や表情に先ほどの強い光を探そうとする。
浩太
彼の眼にも口元にも、もう、先程の光は見つけられなかった。
それは最初に出会ったときと同じ、牧志浩太のかたちをした人形に見えた。
KP
「じゃあ、処理や手続きで1、2時間くらいかかると思う。
君の荷物も取ってこなきゃいけないしね。

待たせて悪いけど、本でも読んでゆっくりしていて。
ああ、やり残したゲームとかあったら、やってもらってもいいよ。
掃除はこっちでやるから、大丈夫」
佐倉 光
「……はい」

扉が閉じて二人が……一人と一体が? 二体がか? どうでもいいか。出て行くのを見送る。
KP
扉が閉まれば二人の姿は見えなくなり、あなたは一人部屋に残される。

本物の彼が戻ってくるまで、あなたにできるのは、ただ待つことだけだ。
佐倉 光
待つだけ? ふざけるなよ。俺はまだ納得していないぞ。
本当の意味で牧志が戻ってくるのか、浩太はどうなるのか、何も分からないままじゃねぇか。
大体牧志は『死んでいた』んだぞ。その間どこにあいつがいたか、俺の疑念はまだ晴れていない。

もしかしたら牧志を危険に晒すかも知れない。
俺は人形一つ気になるという理由で全てをぶち壊そうとしているのかも知れない。

知ったことか。
俺は俺のエゴでこれを始めたらしい。
それなら俺のエゴで最後まで見届ける。

出口は開く? 開かないようなら
先ほど見つけたパネルにコード「289430」を叩き込む。
KP
出口は問題なく開く。
また、その場から動くなら、〈聞き耳〉で判定。
佐倉 光
お。
これは意外だ。
1d100 79〈聞き耳〉 Sasa 1d100→ 30→成功
KP
近くからカチャッ、と金属同士が擦れるような音が聞こえた。
……自分の服のポケットからだ。
佐倉 光
おっとそうきたか。なるほど。
佐倉 光
ポケットに手を突っ込んで探る。
KP
見れば、自分のポケットに 6cm ほどの大きさの銀色の鍵が入っていた。

【アイデア】で判定。
佐倉 光
1d100 85【アイデア】 Sasa 1d100→ 90→失敗
佐倉 光
くっ。
佐倉 光
きっとこれはさっき浩太が入れてくれた物だ。
彼が何かを訴えている。とすれば絶対に何か意味がある。
検体管理室か、それとも3Fか。
KP
見覚えがある、これは検体管理室の鍵だ。

記憶を辿るが、さきほど色國が入ってきた時まで、こんなものは持っていなかったはずだ。
何せ一度取り上げられたのだ。
佐倉 光
あいつがあの女から取り戻してくれたんだろう。
佐倉 光
いや、盗み直す、か。
佐倉 光
まあどっちでもいいや。
佐倉 光
浩太は何かを知っている。どうしてかそれを言ってくれない……言えない状態だな。
そして牧志の体が保管してある部屋へ行けというんだ。
牧志なら、危険を冒してもこの事態を打開するための何かを考えたはず。
それはおそらく模倣であってもだ。

まずは牧志の様子を見に行くべきだな。
牧志が『生き返っている』なら二人で浩太を助ける手段を考えられる。
もしそうではなかったら……
俺一人でも浩太を何とかして助け出さないと。
佐倉 光
鍵がここにあるなら、施錠されている場合色國がそこにいる可能性は低い、と考える。
マスターキーで動いているなら、あんな引き出しの見える所にキーは置いておかないだろう。
そうとばかりも言い切れないけど、もう可能性考え過ぎてたら何もできない。賭けてやる!
佐倉 光
部屋を出て2Fの検体管理室を目指す。

佐倉 光
まーイロクニさんからするとワガママで迷惑な被験者だよな。
文句は言う、指示に従わない、挙げ句鍵勝手に取って施錠された部屋開ける。
契約したとき「牧志が生き返るなら何されても文句言いません」とか言質取られてるかも知れないのにw
KP
自分で契約したらしいのにねぇ。
佐倉 光
覚えてないときの契約って法的拘束力あったっけー。
判断能力不十分じゃないのぉー? しかもこっちはコドモだしー。

事故まで仕組まれていたパターンだったらマジふざけんなだけど多分そこまではしてないと思う。
よって佐倉にとって結果的に恩人であるという事実は変わらない。

KP
あなたは室内を抜け出し、ひっそりと階段を上って検体管理室へ向かう。

検体管理室の扉は、相変わらず人の気配を湛えて、静かに沈黙していた。
佐倉 光
周囲の物音を確認して、そっと鍵を開け中に滑り込む。
KP
物音はない。
扉を開ければ、検体管理室は、先ほど訪れたときと何ら変わらない光景だ。
KP
室内には眠る人間たちのほか、先程あなた達の名前が見えたカルテと、背の低い書類棚がある。
牧志 浩太
部屋の奥に眠る牧志は変わらずそこにいて、傷もすっかりと癒えていた。
穏やかな呼吸音が聞こえる。
佐倉 光
胸に手を当て、その肉体が生きていることに座り込みそうになるほど安堵する。
佐倉 光
「牧志、おい、牧志」
声をかけてみる。
牧志 浩太
あなたの侵入に気づいたのか、少しだけ苦しげに眉を寄せるが、今目を覚ます様子はない。
その肌は、胸は柔らかく、温かかった。
そうして触れて音を聞いてみると、「浩太」の呼吸はあまりに規則的で、無機質だったのだと気づく。
佐倉 光
「牧志! 俺だ! そこにいるのか!?」
声を殺して呼びかける。
牧志 浩太
「……さくら……、さん?」

あなたが呼びかけると、彼は僅かに目を開き、確かにあなたの名を呼んだ。
しかし身体の調子がまだ思わしくないのか、すぐにまた目を閉じて眠りに落ちてしまう。
佐倉 光
「ああ……」
目を、開けてくれた。牧志は帰ってきてくれるかもしれない……!
佐倉 光
そこで目覚めるまで待っていたい気もした。
しかし目をもぎ離す。
『浩太』のことを忘れるわけには行かない。
佐倉 光
まずは情報……だな。
カルテを見る。
KP
【35B】と書かれたカルテを見れば、それは2枚あった。
そこには、佐倉の契約に何者かが関与した可能性、牧志が事故死していること、35Bと呼称されていること、そして35Bに様々な抑制が課されていること、新たに『自壊の禁止』が課されたことが書かれていた。
佐倉 光
クトーニアンの導き~なんかやられてる~
佐倉 光
やっぱりあいつ、全部持ってたんだ。
意図的に抑えられてただのロボットみたいな反応をしていたんだ。
そして何を思ったか……やっぱり自分から飛び込んだのか。
佐倉 光
『牧志』がそうまで思い詰めるなんて、一体どんな状況なんだよ。
佐倉 光
横たわる牧志を見つめる。
脳裏に荒野の中に佇む牧志の姿が浮かんだ。
佐倉 光
あいつの中にいるのが俺が知る牧志じゃなかったとしても。
助けない理由は、ないな。
佐倉 光
周囲の横たわる人々を観察する。
KP
周囲に横たわる人々はみな目を閉じ、安らかに眠っている。
その中に傷ついた者はなく、その様子だけ見ていると、ただの宿泊所のようにすら見えた。

彼らに目を覚ます様子はない。
佐倉 光
ここの人たちは何らかの原因で死亡した人たちだと思うんだが……牧志とは違うのか?
必ず治療が成功するわけではないと言っていたな。

書類棚を調べよう。
先ほど見た症例の詳しい情報、ほかレプリカについて気になるものはないだろうか。
KP
書類棚には、様々な記録が並んでいるようだ。
しかしそれらにはみな埃が被っており、色國はこの背の低い棚に、あまり関心を払っていなかったのだろうと思われる。

全部見ている時間はない。
レプリカについての書類を探すのなら、〈図書館〉で判定。
佐倉 光
1d100 75 〈図書館〉 Sasa 1d100→ 58→成功
KP
『レプリカについて・詳細』というファイルを見つけた。
レプリカには二種ある。
サイバネティックスは中身が機械であり、オルガンベースの脳を観測することでその完璧な模倣物を作ることができる。
オルガンベースは中に生体の脳を搭載したものであり、作成時にボディに制限を課すことで、様々なことを制限することが可能。
そしてその制限の解除方法についても記されている。
正しい方法で間違いなく行うことが重要であるらしい。
KP
……レプリカには、二種類の存在がいる。
そして、『オルガンベース/レプリカ』とは、正確には機械ではない。

それは生きた脳を内包した機械なのだ。
KP
では。
『記憶と経験をすべて持つ』『生きた脳』 ……とは?
佐倉 光
あれ、接続されてるだけじゃなくて脳抜かれてる??
でも生身の方も反応してるんだよな?
佐倉 光
「……」
横たわっている牧志の方に行って、頭の所を調べる。
何か接続されている? 重さは?
KP
何か接続されている、ようには見えない。
重さにも違和感はない。
佐倉 光
どういうこと、だ?
俺の考えは間違っているのか?
浩太には牧志の脳が詰められていて、制限を受けている……
または遠隔の操作をさせられている……そう考えたんだが。

頭に手術痕などはある?
KP
〈目星〉で判定。
佐倉 光
1d100 98〈目星〉 Sasa 1d100→ 32→成功
佐倉 光
丁寧に髪の毛をかき分けてみる。
佐倉 光
肉体の方が、ただ反応してるだけじゃなくて「さくらさん」って言ってるってことは、牧志本人か、牧志由来のなにかがいるんだよなぁ。
佐倉 光
まず間違いなく浩太は『オルガンベース/レプリカ』。制限を受けた牧志の脳によって動いている。
問題は、『ここにあるのは誰の脳か』ってことだ。

心臓の次は脳かよ、くそ!

大体クトーニアンって何だ。俺、何かされたのか?
KP
肌や、腕の継ぎ目に紛れて、それはひどく分かりにくい。
しかしあなたの指先は、その敏い眼は、とうとう見つけ出す。

頭蓋をくり抜くように引かれた跡を。
KP
いまだ、分からないことは多い。
しかし、あなたは一つ、確実なことを思い出すだろう。
レプリカは処分するのだ、と女は言っていた。

では。

その頭部に収められているという、中の『生きた脳』……は、どうなる?
佐倉 光
メタ的には、肉体の方にはそれっぽくコピーした機械制御の精神が入っていて、「わーいやったー」って素直に肉体連れ帰ったら中身なんか違うってのがグロテスクでありそうだなぁと思うであります。
KP
そうですね、情報を見たところ「オルガンベースの頭部のコフィンには脳が収められている」。

どこかよそに脳があってロボットボディを遠隔制御している、というケースはないと見て構いません。
佐倉 光
心臓の次は! 脳を抜かれている!!!
尚更何の実験してるんだよぉイロクニさんよぉ。
あとこれ単純にイロクニやっつけちゃったら脳戻せないよなぁ!?
前回と同じ悩みが発生!

佐倉 光
諸共に処分か? それともシレッとホルマリン漬けか? 取り外されて実験体か?
どれも冗談じゃねぇぞ。
グズグズしている場合じゃない、牧志が『殺され』る!

3Fへ突撃するしかないな。この部屋に石みたいに投げられそうなものはないか。
ぱっと見回して見つからなければすぐに行く。
KP
工具か何かが落ちている。投げられそうなものというと、それくらいだ。
佐倉 光
ではそれだけ拾って3Fを目指す。

KP
あなたは跳ねる心臓を抱えながら、三階へと走る。

三階は大きな部屋に埋め尽くされていた。
その扉が、微かに開いている。

その向こうから、薄青い光と、寒気のするような機械の駆動音が漏れていた。
佐倉 光
扉を開けて飛び込む!
KP
……ぶうん……、と唸る機械の低音が、室内を埋めていた。
その部屋は明らかに生きており、
あちこちに点在するモニターの光が、散乱する廃材と、人間の腕や足、頭、胴、臓器のように見える、おぞましい廃品どもを浮かび上がらせていた。

しかし、あなたは部屋の奥、しらじらとした明かりに照らされたそれに視線がいくだろう。
浩太
そこには『浩太』がいた。

無数の機械の管に繋がれ、抵抗も許されず、身動きもかなわないように固定されていた。

彼の周囲を厳つい機械のアームが取り囲んでいた。
それらは鋭い刃や鋸を備え、必要のなくなった人形を解体するシーケンスを、いまかいまかと待っていた。
KP
無数のモニターは、何かのログを流していた。
その中に『彼』の名が見えた気がした。
佐倉 光
小学生の社会見学には刺激が強すぎだろ。

あいつの姿がなければ周囲に警戒しつつ名前が見えたモニターに駆け寄る。
あの女の姿がない、というのはおかしいけどな。
あいつの本体は悪魔のはず。着ぐるみを脱いでいても不思議はない。
KP
そのモニターは、何かのログを流していた。

『実験ログ:35B/牧志浩太』

昨日の日付が見えた。
それは誰かの── 否。

あなたはその口調を知っている。
それは誰かのひとりがたりだ。
誰にも届かない自問自答だ。

誰にも届かない筈なのに、悪趣味にも記録され、この場に垂れ流されていた、囚われてもがく牧志浩太のひとりがたりだ。
KP
※ここから『実験ログ』が開示されます。
少々長いですが時間経過は処理しませんので、リアクションでも差し挟みながらご覧ください。

コメント By.佐倉 光
PLは背景情報を想像しつつ、手探りで進んでいます。
間違えたら、たぶん取り返しのつかないことに……なる!

TRPGリプレイ【置】CoC『識に響奏』 波照間&東雲 1

「そうですか、それはいい時に来られました。二人きり……」
「静かで……いいですね」

TRPGリプレイ CoC『インモラル・イミテーション』佐倉(子)&牧志 10

「割とこういう事多いんだよな……」
「手掛かりの事がなかったら、それこそ火つけでもなんでもできるんだけどさ」

TRPGリプレイ CoC『機械仕掛けの街』佐倉&牧志 2(終)

「面白かったか? 見物料払えよ」

【クトゥルフ神話TRPG】
本作は、「 株式会社アークライト  」及び「株式会社KADOKAWA」が権利を有する『クトゥルフ神話TRPG』の二次創作物です。

Call of Cthulhu is copyright ©1981, 2015, 2019 by Chaosium Inc. ;all rights reserved. Arranged by Arclight Inc.
Call of Cthulhu is a registered trademark of Chaosium Inc.
PUBLISHED BY KADOKAWA CORPORATION 「クトゥルフ神話TRPG」


TRPGリプレイ CoC『VOID』継続『やさしい朝をくださいね』春&田尾 1

「こーいうのは誰かに肯定されて初めて、それに価値を認識し始めるものなんだから」

TRPGリプレイ ダブルクロス3rd 番外編

ダブルクロス
番外編 1
■前回ラストで子供たちがみんなでホラー映画鑑賞会していた裏で、大人たちは何をしていたのか……
女二人でひたすら呑んでました。
みたいな。

TRPGリプレイ CoC『VOID』継続『迷い家は桜の先に』 結城&ヴィキ 1

「これ、科学の敗北、ってやつじゃない? ひょっとして」