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こちらには
『レッド・グランド・セパレート』のネタバレがあります。

牧志 浩太

↑こちらのキャラ紹介は厳密には違います
お人好しで温厚、だが意思は強い好青年だったが……。
とある事情で二年より前の記憶の大半を失い、代わりに悪魔使い波照間紅の記憶を持っている。
首から胸へと続く奇妙な【契約】の痣がある。たまに痛むという。
生贄体質らしく、事件に巻き込まれることが多い。

佐倉とは友人。子供になってしまった佐倉と奇妙な同居生活をしている。


佐倉 光

↑こちらのキャラ紹介は厳密には違います
サマナーで悪魔退治屋。ハッカーでもある。
基本、知性・理性・効率、そういったものを重視する冷静な青年。

とある事件で子供に戻り、そして元に戻れなくなってしまった。
記憶はそのままだが、子供としての感情や衝動に引きずられることがある。

牧志とは友人。


KP
ではぼちぼち始めまーす!
牧志 浩太
はーい、よろしくお願いします!
KP
派手な喧嘩からの誘拐事件以降、なんとなく二人の間にあった壁や緊張感がなくなってきたような気がする。
まあ、とはいえ佐倉は相変わらず無謀と思えるような事をするし、あなたの悩みの種は尽きないが……
牧志 浩太
あの時佐倉さんが怒ってくれて、本当によかった。
改めて実感してみれば家の中は随分荒れていたし、俺は疲れていた。
見えなかった佐倉さんの苦しみの種だって、そこら中に転がっていた。

俺も、佐倉さんも、どうしていいかわからなかったんだ。きっと。
牧志 浩太
あの事件のおかげで、俺と佐倉さんが友達で、相棒だってことを、ようやく思い出せた。
形がどうなっても、それだけは変わらないってことを。
牧志 浩太
佐倉さんはやっぱり自分が小さいってことをよく忘れるけど、前みたいに怒ったり、たしなめたりはしない。
ただ、忘れ物をしたときみたいに、横からちょっと忘れてるよって言うだけだ。
佐倉 光
身の程を知れ、引き際を見極めろ。
そんなの、ずっと俺自身知っていたはずの事なんだ。
今の自分に合った距離を測らなければならない。
今の自分を利用するために。
佐倉 光
牧志をこれ以上困らせるわけにも行かねぇしな。
KP
そんなわけで、二人の生活は随分と安定した……。
ような気がする、そんな日。
その朝もいつも通りだった。
牧志 浩太
「いつも通りの朝だな、って思うと何か起きそうな気がするの、もう癖かな」
大きく伸びをして一週間のスケジュールを思い出す。さて今日は平日だろうか、休日だろうか。


レッド・グランド・セパレート
松葉 様 作


KP
今日は休日。学校行事もない。
牧志 浩太
何もない日だ、と思うと解放感がある。
さて、佐倉さんはもう起きてるだろうか?
佐倉 光
「おーす。俺ちょっと遊び行ってくるからー」
牧志 浩太
「行ってらっしゃい。あ、どこに? 何時まで?」
佐倉 光
「ハルカと待ち合わせしてんだ。昼には帰るよ。
ゲーセン行くんだ」
牧志 浩太
ハルカは知っている人だろうか?
KP
ハルカは小学校の友人だそうだ。
同じクラスで、何かと一緒に叱られる仲であるらしい。
牧志 浩太
そういえば、授業参観などで顔を見たことがあるかもしれない。
何かと一緒に叱られ友達か、いいよなそういうの。
先輩はあんまり同年代に友達いなかったな。
牧志 浩太
佐倉さんのクラスメイトか、そう思うと少し不思議な気持ちがする。
佐倉さんがいるのは今ここなのに、少しだけ過去を覗いているような、過去をやり直しているような気持ちになる。
ハルカとは
KP
その子が金髪お下げかどうかは知らない。
シナリオには無関係の友人です。
牧志 浩太
佐倉さんにクラスの友人が!
KP
牧志君と出会って磨かれた内面的APPのおかげで!
牧志 浩太
一般人の友人と話して遊んで楽しめるようになりましたもんね、佐倉さん。
KP
なんかのときにちびハルカ作ったんだけど、どのPicrew使ったか記録とってなかったし、収録は無理かなー
牧志 浩太
何のときでしたっけね。覚えはある。
ああー、使用Picrewさん不明か、それは残念。
金髪お下げのハルカ……ダブルクロスのキャラクター。同一人物ではない。
そういえばどっちも『普通の子供時代』を送れなかったキャラクターなんである。

牧志 浩太
「お、いいなゲーセン。じゃあ俺はその間図書館でも行ってようかな。何か借りてきてほしい本ある?」
佐倉 光
「そーだなー、都市伝説系の新刊と、月間アヤカシの2013年10月の増刊号あったらよろしくー」
牧志 浩太
「おっ、分かった」その内容をいつも持っている日記帳にメモする。
佐倉 光
「じゃ、また連絡するから。
戻りは11時半ねー」
牧志 浩太
「ああ、よろしく。昼になって連絡なかったら、こっちから連絡入れるよ」
KP
佐倉は小さなリュックを背負って駆け出していった。
牧志 浩太
手を振って、駆け出していく小さな姿を見送る。
牧志 浩太
そういえば最初は転ばないか、攫われてしまわないか、側溝にでも落ちて動けなくならないかとか、とにかく慣れなくて心配したっけ。
……まあ、攫われはしたけど。あれは俺のせいだし。

KP
さて、午前中は何をして過ごそうか?
牧志 浩太
午前中は図書館へ行こう。佐倉さんに頼まれた本を借りたり、アヤカシの数か月前の号をチェックしたり、パズルの本を探したり、最近読むようになった文学作品(教科書の影響だ)を読んだりする。
KP
では、図書館へ向かう道中。
駅の広告用モニターに占いが写っていた。
『本日の牡牛座は波乱万丈な一日になりそう! 
大きな流れには逆らわず従うのが吉。
ラッキーアクションはジャンプ!!』
牧志 浩太
あれからしばらく、ちょっと占いを見るとなんとも言えない気持ちになった。
牧志 浩太
まあそれも和らいできた所で、ふうん、と広告見るのと同じように何となくそれを眺める。
KP
そのまま何となしに見ていると……
『今日の最下位は蠍座のあなた!
非常に運が悪いかも、巻き込まれ事故に注意! 
ラッキーアクションは思い切った行動!!』
画面ではションボリした黒猫がスンスン泣いていた。
牧志 浩太
運が悪いのに思い切った行動なのか、と何となく思った。
そのまま射手座くらいまで見ているかもしれない。
KP
射手座は波照間さんだっけ?
牧志 浩太
です。
KP
『射手座のあなたは、
とってもアクティブな一日になりそう。
色々な人に話しかけて、意見を聞くのが吉!』
番組は終わり、それから広告が流れ始めた……
KP
何故か、占いが気にかかる気がする……
牧志 浩太
ふうん、とそのまま歩き出そうとして、なぜか普段なら気にしないそれが気に掛かった。
なぜだろう。先日の事件のせいで敏感になっているんだろうか。
牧志 浩太
何となく占いの内容を日記帳にメモする。後で話の種にでもしよう。
KP
ぶっちゃけますと、「こう動いた方がスムーズだよ」っていう指標です。
牧志 浩太
ぶっちゃけられた! 分かりました。
牧志 浩太
……せっかく穏やかな休日なんだから、波乱万丈にはならないでほしいな。
牧志 浩太
というか、何かで休日が結構潰れるの、困る。佐倉さんがああなってから忙しいから余計に困る。
KP
そんな心配も不要だったか。
それから図書館で目的の本を見つけたり、読書をしたり、穏やかに過ごした。
KP
佐倉からは、友人がUFOキャッチャーで縫いぐるみを取っただの、ハイスコア出しただのと、他愛もない内容で生存報告が来る。
……単に楽しさを共有したいだけなのかも知れない。
普通の子供のように。
牧志 浩太
その内容に微笑みながら返す。佐倉さんから連絡があると安心するし、楽しそうな様子を垣間見るのは楽しい。
KP
昼前に、三段積みアイスの写真が送られてきた。
つい食べちゃったらしい……
牧志 浩太
いいなそれ美味しそう。俺もアイス食べたくなってきた。
牧志 浩太
こちらからもアヤカシ増刊号を無事借りられたこととか、妖怪AIババアの話とか、パズルの本のこととか、そういった細々したことを返す。
佐倉 光
『よ、妖怪AIババァ!? く、詳しく!』
牧志 浩太
妖怪AIババア。確か、偶に生成画像に同じお婆さんが紛れ込むっていう少し昔の怪談から始まって、それが最近は随分と変化してて……
KP
興味深そうな相づちがメッセンジャーに飛んでくる。
佐倉 光
『今日は外で食べたい気分なんだ、どっかで合流しようぜ』
牧志 浩太
そうそう、深夜4時44分に特定のプロンプトを……
『お、いいな。今ゲーセンだろ、そっち行こうか? それとも、こっち来る?』
佐倉 光
『そっち行くー』
AIによる生成物の偏り
佐倉 光
なるほどそういう……
実際同じようなキャラが出てくる事あるもんなぁ
牧志 浩太
生成画像に知らない手が紛れ込むみたいな話は見たことがあります
佐倉 光
Youtuberの雨穴さんの「変なAI」なんかがそんな感じのネタだった。
牧志 浩太
ほうほう。
佐倉 光
なかなか面白いよ。
牧志 浩太
雨穴さんのシリーズは見たんだけど変なAIは覚えてないなぁ。後で見よう。

牧志 浩太
『OK。今いつもの図書館にいるから、横のショッピングセンターで合流しよう』
佐倉 光
『Ok、さっきハルカと別れたんだ。そっち移動するー』
牧志 浩太
分かった、と返す。
さてこのまま穏やかな一日だといいけど、なんて思うのはフラグかな。
KP
それからほどなく。
佐倉 光
『悪い。なんか腹痛くなってきた。
トイレいきゃ治ると思うけど、ちょっと遅くなる』
牧志 浩太
『大丈夫か? 何ならそっち行くけど』
佐倉 光
『ちょうど磨海銀行があるからちょっとトイレ借りてくる』
牧志 浩太
『分かった。動くのしんどかったらそっち行くから、言って』
割とすごい名前だが、知ってる銀行だろうか。
何となくその場所を調べてみる。
KP
あ、名前は特に意味はないです。
なんかテキトーな名前つけようと思って、メガテンからのデビルチルドレンネタでした。
KP
メッセンジャーに、銀行の位置を示した地図が飛んできた。
ショッピングモールへ向かう途中にある大きな銀行だ。
牧志 浩太
位置が来たということは、結構しんどいのかな。
『分かった、そっち行く』と返して、銀行へ向かって移動する。
KP
単にここにいるよって目印だったけどね。
牧志 浩太
おっとそれは認識違い。
KP
一応丁寧に場所の報告入れてるんだ、あんな事があったばかりだから。
牧志 浩太
なるほど。
KP
まあそれをそのように受け取って向かうのは自由ですよ。

牧志 浩太
では友人とは別れたということですし、そのまま行きます。
友人がいるようなら行かなかったけど。
KP
……さて。銀行へ向かうあなた。
銀行とは反対側にいたため、それなりに連絡が来てから時間が経った。
20分ほどだっただろうか?
例の銀行の割と近くまで到着したが……何だか辺りが騒がしい。
牧志 浩太
「……?」
何だ?
KP
周囲の人々がざわついたり、スマートフォンを見たり、写真を撮ろうとしたりしている。
牧志 浩太
写真を撮ろうとしている方向を確認する。
KP
あの銀行がある方角だ……
「銀行強盗?」 
「え、やだ本当に?」
「逃げてきた奴がさっきいたよ」
「磨海? うっわー、行かなくて良かった」
牧志 浩太
「銀行強盗?」
聞き捨てならない言葉が耳に入る。近くの人に事情を聞こう。
KP
「え、何?」
浮き足だってソワソワしているような青年が振り向いた。
牧志 浩太
「何か起きたんですか。銀行強盗だって聞いたけど」
KP
「ああ、磨海に強盗が入ったらしくて。
人質とって立てこもってるとかって。
こっからじゃ見えないなー」
牧志 浩太
「警察は、もう来てるんですか」
牧志 浩太
人質だなんて、そんな。
──いや、まさか。
自然と焦りが浮かぶ。まさか。まさか、巻き込まれてないよな。
KP
メッセージが届いた。
佐倉 光
『やばい』
牧志 浩太
「!」佐倉さん!
『今、中なのか』返す。
佐倉 光
『なか』
牧志 浩太
『トイレか。それとも捕まってるのか』
佐倉 光
『トイ』
KP
ざわざわと行く手で人が騒いでいる。
牧志 浩太
くそ、嫌な予感が当たった!
近くの人を捕まえて状況を聞きながら、問題の銀行の近くへ移動する。
KP
例の銀行の前に人だかりができていた。
大勢の野次馬、それを追い返そうとする警察官。
銀行の前には黒ずくめの覆面男が数名立っている。
どうやら彼らは警棒やナイフなどで武装しており、まだ人数の少ない警官は手が出せずにいるようだ。
牧志 浩太
警察は来てるみたいだ。
今の所、テロとかじゃなくて銀行強盗。
野次馬に紛れて近くまで移動しつつ、前に飛び出してしまうほどには近寄らない。
スマートフォンで銀行内の見取り図を確認する。どの辺だ、トイレ。
KP
トイレは銀行の奥側にあるようだ。
KP
銀行の中から一人の男が出てきた。
出てきた男は拡声器を持っており、警察や野次馬たちに向けて語り始めた。
本編見る!
牧志 浩太
身を屈めて野次馬に身を隠しつつ、男の声を聞く。
KP
「警察の方々、それ以上こちらに近寄った場合
我々には人質に危害を加えるつもりがあることを先に伝えておく」
野次馬達がスマホを掲げたり、興奮して騒いだりする。
今正に目の前で、スリリングな非日常が起きているのだ!
牧志 浩太
そのうち、警察の人達が人数を集めてくれるはずだ。
待っていれば解決する。そのはずだ、けど。
勢い、心配になってしまう。
KP
「我々の要求は一つだ」
男は息を吸う。そしてはっきりとこう言ったのだった。
「十五時までに“天川薫の運命の人”がここにくること。
誰のことか言わなくても当人にはわかるはず」
牧志 浩太
「な……、に?」
声が漏れた。銀行強盗…… じゃ、ない?
どうして。まさか、まさか。銀行強盗じゃなくて。

最初から、こちらが目的だったっていうのか、こんな大掛かりなことまでして?
KP
うんめいのひと。
奇妙な要求に、周囲の人々から戸惑いの声が上がる。
牧志 浩太
どうして。
KP
「十五時までにその人物がここにこなかったり、
警察を含め部外者が突入して来た場合……」
目の前にその目的の人物がいるとは夢にも思っていないのだろう。
『銀行強盗』は続けた。

「この建物に仕掛けた爆弾を起爆させる」

KP
ざわめきの中に悲鳴が混じった。
さすがに爆弾とは穏やかではない。
牧志 浩太
どうして、どうして、どうして。
男の声に耳をそばだてながら、色々なことが頭を駆け巡った。
あいつ死んでいなかったのか。殺した、と思ったのに。殺したつもりだったのに。殺意で引き潰したのに。
KP
「勿論その人が警察と結託してやってくる……
などということは考えないでほしい。
警察も運命の人も、利口であると我々は信じている。
では十五時だ、運命の人よ、時間厳守で頼む」
牧志 浩太
どうして、また巻き込んじゃったんだ。
KP
警察が同様に拡声器で何か告げているが、
話していた人物は興味ないと言わんばかりにくるりと背を向けて
銀行の中へと戻っていった。
出入り口を他の黒服の強盗犯が陣取り、先ほどの人物の姿は見えなくなる。
現在外に出ている強盗犯は三人ほどいるが、
誰も警察の呼びかけに答える様子は一切ないように見えた。
牧志 浩太
まずは今の時刻を確認する。
KP
今は11時頃。
牧志 浩太
どうして、また、佐倉さんを、これだけ多くの人達を。
巻き込んじゃったんだ、俺は、あいつは!
KP
【アイデア】
牧志 浩太
CCB<=90 【アイデア】 (1D100<=90) > 10 > スペシャル
KP
その、忘れようのない声は。
確実に殺意を込めて轢きつぶしたはずの、あの男の声に似ていた気がした。
牧志 浩太
そうだな。お前、胸に大穴が開いても向かってきたもんな。
そうか、足りなかったのは俺の覚悟か。もっと粉々にしとくべきだったかな。
KP
あなたのスマートフォンが震えた。
牧志 浩太
スマートフォンを見る。
佐倉 光
『牧志』
牧志 浩太
『佐倉さん。聞こえてたよな、まずい状況だ』
佐倉 光
『ああ、こいつらお前を探してる。近くにいるのかよ、お前。見つかるなよ』
佐倉 光
『あいつぶち殺したはずなのに、どうして……』
『あいつも召喚師みたいだったし、悪魔の力かなんかかな……』
牧志 浩太
『ああ。人の中に紛れてるけど、まずいな。少し離れる。
胸に穴開いてても向かってきたんだ、驚きはないな』
人だかりの真ん中あたり、人に紛れたまま男達から視認されなさそうな位置まで下がります。
KP
あなたの痣は特徴的で大層目立つ。
それについて言及されなかったのは幸運だったかも知れない。
牧志 浩太
ジャケットの前を留めて痣を隠す。
そうだ、俺の特徴に言及されたら間違いなく摘み出される。
佐倉 光
『俺は今トイレの個室。あいつらひでぇザルだよ。
トイレちゃんと確認しねーんだ』
『扉の裏にいただけでセーフだった。
ちょっとスリリングだったけど』
佐倉 光
『こういう時チビだと得だな』
牧志 浩太
『よかった。そこは同感、俺も初めて自分の背丈に感謝してる。
ごめん、このままあいつらの前に出るわけにはいかない、何とかしないと。
あいつらの様子は見えた?』
佐倉 光
『何しろここ奥まってるトイレだからさ。
見つからない代わりに状況もよくわからん』
『ナントカシンコウ……信仰かな。って聞こえた。
たまに巡回が来るから、いつも連絡できるわけじゃねぇ』
『ナニ信仰かは聞こえなかったし、違うかも』
牧志 浩太
『また何か分かったら教えて。俺は先輩に連絡する』
フレーバーですが波照間に助けを求めます。
KP
波照間の電話が鳴る。
…………繋がらない…………
悪魔使いとしての佐倉が抜けてしまってから、波照間には大分しわ寄せが行っているらしく、随分と忙しくしているようだ。
牧志 浩太
無理もない。助けを求めるメッセージを一本送っておく。
KP
「こえぇなぁ……」
「なー。物騒だよな……」
「運命の人だってよ……」
「まさか天川ってあの人?」
KP
こそこそと囁き合う声が後ろから聞こえた。
牧志 浩太
天川薫の最近の挙動についてスマートフォンで調べつつ、後ろから聞こえる声に耳をすませる。
KP
「ほんとヤバい」
「やっと通りが平和になったらこれか」
男二人の声だ。
【アイデア】
牧志 浩太
CCB<=90 【アイデア】 (1D100<=90) > 44 > 成功
KP
なんか聞き覚えがある。
最近聞いた事がある。
声の主は確か、誘拐事件の時に路地裏で出会った二人組だ。
名前は知らないが、見た目に反して弱気な奴らだったように思う。
牧志 浩太
あの二人か。そういえば世話になったような気がするな。
悪い奴じゃなかったような気がする。

人込みに身を隠したまま、のそのそとそちらへ近づく。
牧志 浩太
痣はジャケットで隠しておく。
あの二人は俺を見てるから、気休めだけど。
KP
見せつけるようなポンパドールにスキンヘッドの、サングラスをかけた二人。
トゲトゲしいアクセサリーに革ジャンが威圧感を醸し出す。
が、そんな見た目と裏腹に身を縮めて不安そうに囁きあっていた。
牧志 浩太
もしかしたら何か力を貸してもらえないかな、なんて当て込んでいたりは、する。
あいつが少しでも俺の特徴に言及すれば、ここにいる全員敵に回るけど。
KP
「あれっ」
男が素っ頓狂な声を上げた。
牧志 浩太
「久しぶり。何だか災難だな」
その二人に声をかける。
KP
「赤痣の兄さん、ちーっす。
お子さんは見つかりました?」
「銀行強盗だって。怖いっすねー」
KP
この二人、佐倉を探している途中に遭遇したからな。
牧志 浩太
ですね。牧志に謎の通称がついた。
牧志 浩太
「あの時はありがとう、無事見つかったよ。でも、また困っててさ」
KP
「えっ、そうなんすか。どうしたんです?」
牧志 浩太
「巻き込まれたんだよ。銀行の中にいるんだ…… あの子が」
KP
「えぇぇぇぇー!? ヤッバイっすね!?」
「ええー、可愛そうに。無事なんですか?」
牧志 浩太
「ああ。今は無事らしいんだけど、銀行強盗かと思ったら爆弾だっていうし、困ってる。警察はあの通りだし」
KP
「あの銀行いつも使うんすよー。もうカンベンして欲しいっす。
息子さん無事だといいっすね……」
「きっと大丈夫ですよー。日本の警察優秀だし」
「っていうか天川薫ってあの……占い師っすよね?」
「家近所で話したこともあるんですけど、最近見かけないと思ったらこんなことになってるなんてね……」
「なー、びっくりだよ」
牧志 浩太
「ああ。一時期行方不明になってたって聞いたけど、何か知ってる?」
KP
「ウチの近所に住んでるんすよ」
牧志 浩太
「……近所って、どこ? あの通りのあたり?」
KP
「あ、そうそう、あのあたり」
「そういや最近天川さんの家の周辺、
あんまり見かけない人がうろついてて怖いんすよね」
牧志 浩太
「場所、聞いてもいいかな。見かけない人って、どんな? あの男達みたいな?」
KP
「見かけない物騒なのがウロウロしてんすよねー。
ガタイが良くて。怖いよなー。
さすがに見分けはつかないっすけど」
「あ、良かったら案内しましょうか?」
牧志 浩太
「助かるよ。頼む。
今は、できそうなことは何だってしたいんだ」
KP
「心配っすよねー、お子さん」
「運命の人探して来て貰うんですか?」
「なんだろうな、運命の人って」
牧志 浩太
「何だろうな運命の人って。頭がおかしいのか?」
KP
「運命の人っていったら、やっぱり漫画に出てくるみたいな、恋愛系想像しちゃいますけどね」
牧志 浩太
「ああ、話したことがあるんだっけ、ごめん。でもそうとしか思えなくてさ」
KP
「あ、仲がいいわけじゃないっすから別に」
牧志 浩太
「そうか」
KP
そりゃあ、自分の息子が巻き込まれていたら平静でなんて居られないし言葉も乱暴になるよな、と大いに気の毒がられているようだ。
二人の感情があけすけに伝わってくる。……善人である。
底抜けの。
牧志 浩太
「それじゃ、頼む」
……いい奴でよかった。やっぱり俺は、周囲の人には恵まれてるな、と思う。
人じゃない周囲には恵まれてないけど。
牧志 浩太
もしかすると俺より善人かもしれないな、この二人。
牧志 浩太
メッセージに分かった事と移動先をざっとまとめ、佐倉さんからのメッセージが来たらいつでも送信できるようにしておく。
KP
人の良さそうな大男二人は、あなたを伴って以前にも訪れた裏通りの近くにある住宅地へと向かった。

KP
といったところで今晩はここまで!
ありがとうございましたー!
牧志 浩太
ありがとうございましたー!
KP
また牧志君がずーっと眉根を寄せる事になりそうなシナリオだ。
牧志 浩太
そしてまた人間の犯罪者だ。
KP
そしてまたも巻き込まれるみためはこども! ずのうはおとな!
牧志 浩太
そして遠隔コンビの予感!
牧志 浩太
「もしかすると俺より善人かもしれないな」は、はっきりとした殺意と優先順位と守るものができてしまった自分を振り返っての一言ですね。
KP
初期の佐倉が牧志を見たときの感想に似たものがあったかも知れない。
牧志 浩太
そう、底抜けといえばあの時だよなーと思いましたね。
こんな状況だけど善人しかいない空間だ。
(それでもこの状況で他の人のことも考えているあたり、牧志も善人の範疇に十分入るとは思う)
ただやっぱり殺意は随分増したなと思いますしね。特にこちらの牧志。
KP
結構こっちの牧志はつよいと思う。
牧志 浩太
思います。敵と定めたら殺意を発揮できるタイプの牧志。
KP
厳しい顔してる事も多いしねぇ
牧志 浩太
あと最悪の状況になったら佐倉さん優先して他人を犠牲にできる牧志でもありそう。ぎりぎりまでその状況は避けるけど。
KP
前回ラストあんなイベントがあったのも大きいよなー
牧志 浩太
そうそう。それにも関わらず蘇ってきた? から、もう粉々にすると誓ったし。
KP
そうやって牧志に負担かけてるのも知ってるから、佐倉は心底大人に戻りたいなと思っていると思います。
牧志 浩太
なるほどなぁ。そういうところ意外と重いチームで面白い。
KP
まあでも前回の事なんかがあって、少し「子供でいる」事を受け入れて、そのまま頑張る道を模索し始めたところであり!
牧志 浩太
今回早速小さい事を活かせましたしね。
KP
一度目のメッセージ送ったときは近くに人が来てたのでドキドキもんでしたね。
「女子トイレに入ってて無事だった」もちょっと考えたけどそれはさすがにやめたよ!!
中身ちゃんと二十歳だし。
牧志 浩太
ずのうはおとなですしね!!
KP
しかし年齢的には許されるので、どうしてもやらなきゃいけないときはやるかも知れない。
牧志 浩太
まあほら本編でも潜入したし。命には代えられない!
KP
「トイレ切羽詰まってる」くらいでは女子トイレはちょっとなぁ。
いや大事件なんだけど……
そうそう。命には代えられませんからそういう事がもしあればね!
このシーン、KPC銀行に用事があっていくんですけど、さすがにATMも窓口も6歳が一人で利用するのは無理でしたわ。
牧志 浩太
ああー、なるほど。
それでトイレ。
KP
結局トイレに避難する流れになるので手間を省いたとも言う!
よし、ではまた次回!
牧志 浩太
ありがとうございました!

ひとこと
佐倉 光
平穏が訪れたと思ったら、またまた訪れる大ピンチ。
いいやこれはチャンスかも!?


【置】CoC『嗚呼、素晴らしき偶像!』 佐倉&牧志 3

「駄目なヤツだったかー」
「駄目なヤツだったな……」

【置】CoC『ティラノサウルスになろう』 佐倉&牧志 1

あの映画じゃん。あれじゃん。馬鹿じゃないのか? あんな映画観たからってこんな夢見ちゃってる俺馬鹿じゃないのか?

【置】CoC『眼窩に祝福』 佐倉&牧志 1

「いつ!? 何があったんだよ!?」
「あー……、そうなるよな。また何かに巻き込まれたみたいなんだ、俺達」

【クトゥルフ神話TRPG】
本作は、「 株式会社アークライト  」及び「株式会社KADOKAWA」が権利を有する『クトゥルフ神話TRPG』の二次創作物です。

Call of Cthulhu is copyright ©1981, 2015, 2019 by Chaosium Inc. ;all rights reserved. Arranged by Arclight Inc.
Call of Cthulhu is a registered trademark of Chaosium Inc.
PUBLISHED BY KADOKAWA CORPORATION 「クトゥルフ神話TRPG」


【置】CoC『おまえが猫耳メイドになるんかい』 牧志&佐倉(PC視点)

こんな状況だけど正気だ! 正気の佐倉さんが、いる!
助けを求め、巻き込まれた俺を助けようとしてくれている!
……大変だろうな正気でこの状況。後で憤死しないかな。

CoC『VOID』継続『空白の航海』春

「……クオリア、あるじゃあないですか」

CoC『心臓がちょっとはやく動くだけ』 越生&夏木

『心臓がちょっとはやく動くだけ』
越生&夏木