こちらには
『PYX』
のネタバレがあります。
本編見る!
KP
あなたは、ふっと目を覚ます。

あなたは目の細かい砂でできた、心地よい海岸に横たわっていた。
よく澄んだ波がこちらに向かって打ち寄せて、穏やかな波音を耳に届けている。

あなたの身体は、あの時牧志が呼び出したマントに包まれていた。
どうやらテントはあの場所に置き去りになったらしく、ここにはない。
背中で、下敷きになった口がもごもごと不平を述べている。
牧志 浩太
牧志が無表情にあなたを見下ろしていた。
佐倉 光
なんだか予想外の風景に驚いたが、そういえば海岸はこんな雰囲気だった。
ここから宇宙に飛び立ったんだ、そういえば。
佐倉 光
「ん、なんだ、マントもあの口もそのままか……
牧志、おはよう。いるか?」
声をかける。
KP
前回〈夢見〉で呼び出したものは、この回まで存在している感じです。>マントや口
佐倉 光
なるほど了解でっす。
すると神殿前にはテントが放置されているんだな。
KP
てことです。もう一度佐倉さんが起きたら消滅する。
牧志 浩太
(おはよう、佐倉さん。あの口そのままなんだな)
先程寝た時のままの、感情を感じる口調で牧志は応えた。
牧志 浩太
(ここがズーラ? 
それにしては、死体も化け物もいないし、穏やかな雰囲気だけど)
佐倉 光
「ああ、海岸は『こう』なんだよ。
食虫植物みたいに、平和そうな景色で生き物を呼び寄せるんだ……って確かあの本に。
ここから少し内陸に入ったら、歩く死体と化け物だらけだぜ」
牧志 浩太
(そうなのか)
佐倉 光
「……どこ行きゃいいんだろうな。
そういやあの猫はやっぱ来ていないんだな」
ぐるりと見回してみる。

あとは、あの土のことを思いだし、浮いて移動できるような……
あの時履いていた靴のような物を夢見で作れないか考えてみる。
あの時のように空を駆け上がれるほどだったら文句はないが、そうでなくとも、
とにかくここの汚らわしい土を踏まずに済むように1センチでいいから浮きたい。
KP
そうやって周囲を見回すと、対岸に美しい田園風景が見えた。
家は様々な色、形の花々で飾り立てられている。
あちらに見える鮮やかな色の家々からは、朗らかな合唱や楽しそうな笑い声が聞こえる。

……その花々の色、形には見覚えがあった。
あれが、あの死の街の岸辺だ。
ここはズーラその地ではなく、どうやら本当にただの対岸だ。
どうも、出現する位置には少々の誤差があるらしい。
佐倉 光
「ん、あれ、ズーラここじゃねぇな。あっちだ」
今までのことを考えると、結構目的地へのナビが用意されていることが多い。
ズーラの中ではなく、わざわざ対岸に運ばれたのは意味があるのだろうか。
それとも、あの時味わえなかったトラップを体感しろっていうのか。
それはそれで笑えるかも知れない。
佐倉 光
「とにかくこっちで事情知ってる人いないか少し歩いてみるか」
KP
歩き出そうとすると、きい、と木材の鳴る音が聞こえた。
一隻の小舟がこちらへと近寄ってくる。
ひとりでに動く櫂のそばには毛足の短い黒猫が一匹乗っており、にゃあと鳴いた。
KP
「ここに来たってことは、ズーラに行きたいんでしょ? 
この船に乗るとズーラに行けるよ、乗るかい」
佐倉 光
「あ、やあ。船頭さん……」
猫だな。
佐倉 光
「ズーラに用があるんだ。僕とこの……ひと」
つい牧志を見上げる。ひと、というにはちょっとアレかもしれないが。
佐倉 光
「乗せてもらえるかい?」
KP
「ふうん、どうぞ」
猫はひょいと船首の方に寄り、あなた達を導く。
なんとなく素っ気ない雰囲気だが、乗せてくれるようだ。
牧志 浩太
(お邪魔します)
牧志は直立不動のまま、すうっと浮いて船に乗り込む。
その動き方は結晶体の時のままだ。
牧志 浩太
(猫は神様より偉いって言ってたよな。
まさか、夢の世界って……、猫の国?)
佐倉 光
「それにしちゃあ、今までに何回か来ているのに猫はあまり見かけたことはないな。
普段猫ってどこにいるんだい?」
船頭さんに訊いてみる。
KP
「猫? 好きな所にいるよ。
まあ、でも猫の街にいる連中が多いかな。
それより、俺とひと勝負しようぜ。あんたらが面白い人かどうか知りたいんだ」

船頭猫は遊んでくれ! と要求してくる。
無視してもよいが、応じるなら【DEX】×5または、猫と遊ぶのに適切な何らかの技能で判定。
佐倉 光
「オッケー、何する?」
【DEX】?  19あるぜ!
地球が滅びてからこっち、憂鬱なことや陰気なことには飽きているんだ。乗った!
船漕ぎながら遊ぶの??
KP
船の櫂は漕ぐ者がいないというのに、ひとりでに動き、あなた達を恐るべき地へと誘い込むかのように船を動かしてゆく。
それは恐ろしい光景であるかもしれないが、猫と遊ぶのに支障はない。
KP
「追いかけっこでもいいけど、そいつなんか海に落ちたら沈んじまいそうだな!
捕まえっこしようぜ、そいつを俺が捕まえたら俺の勝ちな」

ほれ、と渡されたのは猫じゃらしである。
佐倉 光
「いいぜぇ、捕まえてみな」
今は猫相手でも負ける気がしない!
猫じゃらしを軽くびよんびよんと揺らす。
佐倉 光
これ、酒瓶持ち歩く人間みたいなノリか?
KP
「無論だ!」
ファイティングスピリットに溢れた猫と遊べ!
【DEX】×5で判定!
佐倉 光
1d100 95 【DEX】 全力で猫じゃらしを振るぜ!  Sasa 1d100→ 64→成功
KP
あなたは以前に比べてとても軽く感じる身体で、猫じゃらしを振る!
だが猫は素早い! 素早い! しかも慣れている!
手加減しているつもりはないのに、猫の手が猫じゃらしの先を掠める。
一進一退、危うい攻防。あなたは船の上で猫との全力の戦いを繰り広げ……、

そして、勝利した!
「はは、兄ちゃんやるな。ちょっと気に入ったよ」
心地よい達成感があなたの身を包む。
猫がにやりと笑った気がした。
佐倉 光
「へへー、気持ちいいなぁ」
昔の体だったら絶対猫と渡り合うなんて事はできなかった。
牧志 浩太
(……)
牧志がちょっと羨ましそうにあなたを見ていた。
佐倉 光
そうか。牧志は猫を飼っていたんだったな。
佐倉 光
「ズーラにも猫っているのかい?」
船頭に猫じゃらしを返して訊いてみる。
確かに前来たときはいたけど、彼女は「助けに来てくれた」という風で、そこに住んでいるようには見えなかった。
KP
「ズーラかい? あんまりいないね。そんなにおもしろい所じゃないし」
猫は満足そうに猫じゃらしを咥えて応える。
やはりどこ素っ気なくはあるが、あなたの猫じゃらしの腕は認めたようだった。

KP
やがて、対岸が近づいてくる。
そこにあなたは奇妙なものを見るだろう。

それはあの花で飾り立てられた海岸ではなかった。
それは、あなたの人間としての感情を、酷く掻きむしるだろう光景だった。
KP
それは楽しそうな本が詰まった図書館だ。
ここからでは本の表題など見えないというのに、あなたの興味を惹く書物ばかりが詰まっていると分かる。

たくさんの人が行き交う図書館の中で、波照間があなたに気づいた。東雲がその傍らであなたに笑いかけた。
浩子たちも全員揃って、こちらに呼びかけている。

図書館の裏庭には、色とりどりの花が飾られたカフェがあった。
座席についた東浪見が大きく手を振る。彼に連れられて、シローが満面の笑みを浮かべた。

緋寒と深山も、そこにいた。

ああ、なんだ、みんな本当に無事だったのだ。
そんな楽しそうな所で、楽しく過ごしていたのだ。
カフェの座席はちょうどひとつ空いていて、その空隙があなたを誘った。
KP
人間だった頃の【POW】(15) ×5で判定。
佐倉 光
1d100 75 なにあれ Sasa 1d100→ 4→決定的成功クリティカル)!
佐倉 光
「……ああ」
思わず息を漏らした。
KP
しかしあなたはその光景から、鼻をつく生臭い刺激臭が吹きつけてくるのを、確かに感じた。
覚えがある。あれは、死臭だ。

そのやさしい光景は、悲しいことに幻に過ぎない。
あなたは確信するだろう。
佐倉 光
そういうことか。
ズーラがありもしない平穏で人を招くとは、こういうことか。
外から来る者には、的確に求めるものを見せつけてくるのだ。
佐倉 光
「騙す気なさすぎだろ。何もかも揃いすぎてわざとらしい」
KP
そんな風景を目指して、船は長い旅を続ける。
岸はすぐそこに見えるのに、旅には永遠とも思えるほどの長い時間が必要となった。
KP
ここで、あなた達は〈夢見〉技能の成長ロールを一度行える。
佐倉 光
「知っていてもきっついなぁ」
1d100 81 〈夢見〉成長ロール Sasa 1d100→ 46→成功
牧志 浩太
1d100 24 〈夢見〉成長 Sasa 1d100→ 66→失敗
1d10 Sasa 1d10→1
牧志は〈夢見〉 24→25。
KP
やがて船がその偽りに向けて近づいていくと、美しい岸辺の真の姿が顕になる。

あたりは気味の悪い音に満ちており、あなたは常に誰かにぐらぐらと揺さぶられるような不安定な感覚を覚える。

あなたの前には、あらゆる方向に向かって伸びている曲がりくねった道がある。
その曲がりくねった道は、ひどく不安を煽った。

それよりも目を奪うのは、腐り果てて蛆に覆われた、ぐちゃぐちゃしたものが道にあふれていることだ。

全ての道にまんべんなく、まるで塗りたくられたようにべったりと落ちているそれは、混じった骨のかたちで分かってしまう。

動物でも化け物でもない。
変わり果てた人間の姿、死体だった。

佐倉さんは《SANチェック成功時減少 1失敗時減少 1D4+1》。

あなたはこの、死で舗装された道を進んでいくほかない。
佐倉 光
1d100 46 《SANチェック》 Sasa 1d100→ 85→失敗
1d4+1 Sasa 1d4+1→ 4+1→合計5
SAN 46 → 41
佐倉 光
一気にあの時の嫌な感覚が蘇ってきた。
指先で爪の間に入り込んで蠢く生きた土。
奇妙な笑い声をあげる異臭を放つ化け物。
佐倉 光
1d100 85 【INT】 Sasa 1d100→ 1→決定的成功クリティカル)!
1d10 種類 Sasa 1d10→7

ところで不定リセットってどこかで入りますか
短期 幻覚あるいは妄想
長期 心因性障害、心因性難聴あるいは四肢の機能障害
1d10 期間 Sasa 1d10→5
KP
あ、そうだ。失礼しました。
この直前でリセットしてください。
佐倉 光
では不定には入らず。
KP
また、ここの【アイデア】ロールでのクリティカルにより、あなたは目の前の光景を、目の前の光景がこのドリームランドすべての死であることを、まざまざと理解してしまった。

ドリームランドで狂気の果てに死を迎える者は、すべてここへゆくのだ。

それはあなたすら、例外では、ない。
あなたが「人である」限り。

どうしてかあなたには、それが分かってしまう。

SANチェック成功時減少 0失敗時減少 1》。
佐倉 光
1d100 41 《SANチェック》 Sasa 1d100→ 8→成功
KP
先程の【POW】ロールのクリティカルボーナスはもうちょっと後で出てきます。
佐倉の中の人、判定~描写まで時間を開けたのか、狂気RPをスコッと忘れています。

佐倉 光
「ああ……ああ、そうだった。
夢で酷い死に方をすると、ここに来ることになる……そうだったな」
しくじればここにきた誰かの爪の間に挟まってウネウネしても滅びられない、なんて、
そんな結末はごめんだ。
佐倉 光
「マジで胸糞悪いとこだな」
猫がまだいるなら礼を言って別れる。
KP
気づけば猫はいない。薄情なものだ。
佐倉 光
目を閉じて息を吐く。
防臭マスクでも出そうか……防毒マスクにすべきだろうか。
ひとまず身軽な方が良さそうなので、防臭マスク出します。
そういえばさっきの「浮ける靴」も。
ゴーグルもあった方がいいかなー。臭気が目にしみそう。
夢見
KP
なるほど。

ここには現代の技術は存在しない。
現代的な防臭マスクの機能を期待するなら、「臭いを遮断する魔術的物品」を得ることになるだろう。

鼻にいい匂いのする綿球詰めてどうにかする程度のものなら2MP
「臭いを感じなくなる魔法の仮面」を得るなら15MP

浮遊する靴は20MP
あの時のような「高速で飛べる靴」を望むなら40MP
佐倉 光
そうだった。何でも出せるわけじゃないのだ。
ファンタジー限定だな。
魔法の仮面、目もガードできそうでいいな。それにしよう。
飛べる靴、ここにモンスターがいることは分かっているし、折角だから機動力は高い方がいいな。
消費MPでっかいけど頑張ってみよう。

あとついでに10MPで防御魔法もかけとく!
KP
《肉体の保護》はOK。
あなたの肉体は守られるだろう。
佐倉 光
ではまずそっちの処理から。
10d6 Sasa 10d6→2,6,4,6,2,2,1,4,6,6→合計39
KP
夢見コストのMP解釈わりとザルなので、他のシナリオでは変わる可能性があります。
佐倉 光
それはそう。
KP
夢の中だから物品の価値も次来たら変わってるかもしれないし。
佐倉 光
今回コピペしてるのは、同じものを生み出すときに確認するのめんどいだろうからってだけなので、このシナリオ中で条件変わっても文句言わないよー。
KP
はーい。ありがとうございます。
同じもの二度出すかもしれませんしね、たしかに。
佐倉 光
テントなんかはまた出しそう。
そういえば東浪見のテントはそのまま出てきたな!
きっと東浪見のテントをイメージしたファンタジーテントだったのだ。
KP
あれも実は描写を見るとファンタジーテントになっています。形だけ一緒。
佐倉 光
おおっ。そうでしたか。後で読み直そう。

佐倉 光
1d100 81〈夢見〉 マスクオブガスプロテクション!  Sasa 1d100→ 91→失敗
なにぃ
1d100 81 〈夢見〉 飛ぶ靴 Sasa 1d100→ 26→成功
KP
お、でもいいとこ成功
佐倉 光
うーーーん。臭いのは嫌だからもっかいやるかなぁ。
KP
もう一度試みてもOK。
佐倉 光
MP 100
《肉体の保護》コスト 10
防臭の仮面    15
空飛ぶ靴     40
65消費で35。
ケチっても仕方あるまい。15消費で再挑戦!
MP対抗の機会がないことを祈る!
1d100 81 マスクオブガスプロテクション!  Sasa 1d100→ 64→成功
残りMP20。

KP
気がつくとあなたの足には、あの時のものによく似た貝殻の靴……
……を見た瞬間に何だかイヤな気持ちを覚えた。
すると、靴は履き心地のよい革靴に小さな翼が生えたものに変わる。
佐倉 光
嫌な感覚は一瞬で消え去り、靴が形状を変えた。
……まあ無難だな。『ヘルメスの靴』的なやつ。
むしろその方が俺にぴったりかもしれない。
佐倉 光
そういえば貝殻の靴はノーデンス様の加護だからそりゃ嫌な感じするよね!
KP
yes 人間としての佐倉さんは同じものを夢見てしまうだろうけど、ニャルの方はイヤな気分になるだろうなってなってああなりました
KP
それを視認した直後、鼻にぬるりと何かが入り込んできた。
佐倉 光
無意識に身構えた。
KP
うぞうぞと蠢く触手は痛みもなく鼻孔に入り込むと、鼻の奥で動きを止めた。

するとあの鼻をつく死臭を、綺麗さっぱり、まったく感じなくなった。
鼻を埋められているのに、息苦しさも違和感もない。
どうやらそれは魔法の仮面の一部らしかった。
佐倉 光
フィルター内蔵式じゃないのか。びっくりするじゃないか。
まあ、臭いがなくなってくれるならなんでもいい。
佐倉 光
「準備ok。道を辿っていこうか」
牧志に声をかける。
ここには本もカフェもありゃしない。あるのは陰気な死人のうめき声だけだ。
ここに話が聞ける相手なんているんだろうか?
また墓荒らしはごめんだぞ。
KP
声をかけたが、返事がない。
牧志が……、いない。
どこにもいない。
見当たらない。
まさか、先に夢から覚めてしまったのか?

死ばかりが塗りたくられた道の上で、あなたは、独りだ。
佐倉 光
「牧志!? おい、どこだ!?」
船を降りるときは一緒に降りた?

例の本に変化は出ていないだろうか。
取り出して見てみる。
KP
本に変化はなく、美しい衣服を着た青年は表紙の中で佇むばかりだ。
KP
船が岸辺に近づき、あの死に満ちた光景を目にするまで、あなたと牧志はともにいたはずだ。

それからは?
あなたは牧志に声をかけた。
牧志の顔を見た、ような、気がする。

彼が本当にそこにいたのか、確かめただろうか?

……自信がなくなっていく。
佐倉 光
「……まいったな。幻でも見ているのか、俺は」
幻の中に踏み込んだのだ、自分が今幻の中を漂っていても不思議はない。
少し考えて、進むことにする。
牧志は俺の睡眠についてきている状態だと思われる。
目覚めればまた合流できるかも知れない。

幸い移動手段はある。牧志がそれなりの速度で飛べるのは知っている。
そう簡単にやられたりはしないだろう。
目覚めてもあいつがいなかったら、またあの対岸を目指して寝直してみよう。

一応、船が止まったあたりに夢見で看板でも出しておくか。
「ズーラに行っている。これを見たらここで待っていてくれ」と記入して。
KP
ただの看板なら2MPでよい。
佐倉 光
1d100 81 看板出すぞ Sasa 1d100→ 99→致命的失敗ファンブル
まーたー?
MP 20 → 18
KP
極端では??
成長チェックしてよい。
KP
看板を出そうとした時、背中の口が猿轡をされたまま咳き込みだして、ゲブゲブいう声に集中が乱れた。

その結果、看板の代わりに地面の上に口を出してしまった。
一応、牧志に伝えたかった内容をあなたの声で喋っているので、看板の代わりにはなりそうだ。
KP
<ずーらにいっている これをみたらここでまっていてくれ
佐倉 光
酷いことになったが役には立つ。
もし見られたらセンスは疑われそうだ。
KP
役には立つ。
えっ何だこれ……とは思われる。

猫<兄ちゃん口フェチ?
佐倉 光
「……んー」
佐倉 光
「まあヨシ!」
佐倉 光
さ、進もう。無駄に疲れた。
牧志が見てたらそれはそれでいいけどイヤだなー、などと思いつつ。

KP
あなたは死に満たされた道の上を飛ぶ。

仮面のおかげで臭いも感じられず、空を飛ぶ靴のおかげで腐肉と骨の感触もなく、ただただ視覚に不気味な一種の非現実だった。

そのうち一定の速度はあなたにぼんやりとした眠気に似た感覚をもたらし、この夢が真にただの夢かのように思われてくる。
佐倉 光
快適、とは言えないが、少なくとも不快ではない。
言っちゃなんだが、死体しかなくて、退屈だな……
KP
〈目星〉で判定。
佐倉 光
1d100 98〈目星〉 Sasa 1d100→ 82→成功
KP
夢じみた退屈な風景をぼんやりと眺めていると、不意に見逃せないものが目に映った。

それは形を保った死体だった。
椅子に縛りつけられた格好のまま息絶えたそれは不思議と腐敗しておらず、人間のかたちを保っていた。

それは見覚えのある太い首輪で繋がれ、もうひとつの死体と向き合わされていた。

死してなお青銅のナイフと鋭い針が無限に彼の肉体を切り刻み、恐るべき苦悶の声をあなたの耳に届かせる。
彼の首をちぎらんばかりの強さで首輪が彼の首に食い込み、彼を悶え苦しませる。

彼がその苦痛から逃れようと身を振る程に、互いを結びつける革帯が引かれ、もうひとつの死体に同じ苦痛が与えられる。
それはあなたの、許しがたい記憶だった。
許しがたい記憶を再演する死体の姿は、あなたの精神を強く揺さぶる。
KP
SANチェック成功時減少 0失敗時減少 1D3》。
佐倉 光
1d100 41 《SANチェック》 Sasa 1d100→ 13→成功
佐倉 光
「……」
悪趣味な人形劇から目を背ける。
佐倉 光
まだ続いてるのか、幻は?
明らか悪意山盛りじゃねぇか。
佐倉 光
「おい、何のつもりだ」
見せているヤツがいるのならと思い、不快を声に出す。
KP
目を背けようとした時、あなたの中にそれに反する衝動が湧き上がった。
それは不快極まりない人形劇だ。
いまにもあなたは足を止め、その悍ましい、腹立たしい再演を覆さねばならないと感じる。

その衝動に抗って目を背け、道を進むならば、<あなたの人間としての【POW】×4>で判定。
さきほど幻をはっきりと見破って(クリティカル)いるため、この判定には+30%のボーナスがつく。
足を止めて彼らの拘束を破壊するなら、判定は不要。
佐倉 光
1d100 90 付き合ってられるか Sasa 1d100→ 87→成功
佐倉 光
結構危うかった。
佐倉 光
こんな悪意ばかりの劇に構っていられない。
これ以上、俺を操ろうなんて意図には乗りたくない。
無視して歩を進める。
KP
あなたは己のうちから湧き上がる衝動に耐え、空を蹴って進む。
あなたを内側から外側から操ろうとする何者かの意図に怒り、前だけを見て歩む。

それからも視界を埋め尽くす死の合間に、様々なものが見えては消えた。
美しい幻の破片、次々と生えてきてはあなたを抱きしめようとする腕、原初の恐怖たる夜の記憶、なにものかの笑い声。

しかしあなたは怒りをもってそれらを無視し、前へと突き進むことができる。
佐倉 光
よーく分かった。ここはやっぱり楽しげなもので人を誘い込んで、心を食い荒らす。
死んだ人間を弄び続けるだけでは飽き足らず、生きている人間まで弄ぶ気か。

KP
そうして道の果てまで進むと、そこには一軒の家があった。
それはどこかで見たことがあるような、見覚えがないような、それでいて不思議な郷愁を感じさせる家だった。
カーテンが閉じられ窓の中は見えず、扉がひとつある。
扉は開いてこそいるが、中は薄暗がりでよく見えない。
佐倉 光
ここにあるのも、俺を動揺させたり怒らせるようなものなんじゃないのか。
そう思いながらも、ここにあるかもしれない『贈り物』を無視するわけには行かない。
扉を開ける。
KP
扉を開けると、暗闇の中から細い腕が一対伸びてきた。
たおやかな女の腕は、あなたをそっと抱き寄せようとする。

身を任せる? 抗う?
佐倉 光
距離を取る! そんなことされる心当たりはないぞ。
KP
腕はあなたを包み込もうとする。
距離を取ろうとしたその時、不意に、あなたの心の中に、脳髄を貫く程の強い孤独感と安心感が湧き上がってくる。

その腕がこころよく、やさしいと感じる。
故郷を滅ぼし、世界でたったひとりになったあなたを、その腕が許し、愛し、導いてくれると感じる。
KP
その感情は強烈で、抗いがたい。
意によらず、あなたの両眼から温かい涙が溢れ出る。

『神』の仮面を貫いて、ひとりの人間であるあなたの心を侵し、痺れさせ、渦の中心へと引き込む。
KP
抗うならば、<人間であった頃の【POW】×2>で判定。
佐倉 光
視界が歪む。
哀しい、寂しい、独りでいたくない。
足が震えた。
それは幼い頃に感じていた強烈な孤独を、痛みを、否応もなく抉り出して何倍にも膨れ上がらせて突きつけてきた。

今度はもう地球ごとないのだ。
逃げ場もない。
1d100 30 抵抗!  Sasa 1d100→ 63→失敗
佐倉 光
いや、ここにある!
KP
泣きじゃくる小さなあなたを、腕はそっと包み込む。

それは母親の腕のようであり恋人の腕のようであり、あなたの孤独をそっと溶かし、温めてくれる。

腕がやさしくあなたの背を叩く。
微睡みのようなあまい感覚とともに、あなたの全身から力が抜けてゆく。

ああ、もう、何も背負わなくたっていいのだ。
何を求めなくたっていい。
何もないあなたを受け入れる腕がある。
KP
【POW】16と、あなたの人間だった頃の【POW】で対抗ロールを行うこと。
佐倉 光
これー、どう考えてもココの支配者の差し金なんどけどー、負けたら死体では??
佐倉 光
1d100 45 pow Sasa 1d100→ 39→成功
佐倉 光
その背に回そうとした手が止まった。
かわりに自分の顔を覆うマスクに手をかけ、もぎ取る。
KP
ぞぶりと音を立てて仮面が剥がれる。
あなたの鼻へと入り込んできたのは……、

その腕から香る甘いにおいと、微かな、微かな死臭だ。
佐倉 光
ここには死しかない。
ここには絶望しかない。
安らぎとは真逆、土となっても安息を許されない死者たちの領域だ!

手から逃れて下がろうとする。
佐倉 光
この土地について、人を誘い込もうとする存在について思考を巡らせる。
まず人間の神話知識で振ってみたい。
KP
あなたは逃れようとする。しかし腕の力は強く、否応なしにあなたを安らぎで包み込む。

一瞬目覚めた意識が押さえつけられるように沈み込んでいく、巡らせようとした思考が曇らされていく。
佐倉 光
精神が脱力した肉体の中でもがく。
そうだ、あの手紙を。身分を示す……
KP
あなたは腕に抱かれて、どこか暗いところへ落ちてゆく。
あなたにできるのは、安らぎに身を任せて力を失った肉体の中、その心を守り続けることだけだ。
佐倉 光
抗おうとする心と裏腹に、肉体はその腕に身を任せた。

KP
……ふと、意識が浮かび上がった。
あなたは優しい腕に抱かれて、どこか暗い所にいる。

ふと、柔らかい体温が離れた。
あなたは少し、名残惜しく感じる。
腕の持ち主はあなたの頬をそっと撫で、身を離した。
そして、あなたの顔をじっと覗きこんでくる。
佐倉 光
それはもうひとりのあなただった。
嘲笑うような悲しむような諦めたような、歪んだ口元で笑う、あの白い部屋で会ったあなただった。
佐倉 光
「おまえ……」
俺じゃん!
KP
シリアスなシーンなんだけど、PCが佐倉さんだと不思議な感じになる。>慈愛の腕だと思ったら佐倉さんだった
佐倉 光
「気持ち悪いことすんなっ! 何やってんだよこんなところで!」
一瞬でも身を委ねたことを心底後悔した。

まさか、ここのメッセンジャーは『こいつ』なのか?
佐倉 光(?)
「まあそうなるよな。そうなる気はした」
彼は目の前に座る。あなたの瞼へと、白い手を翳す。
佐倉 光(?)
「俺だってこんな事したくなかったよ。
……いや、本当に。

お前は死の都市で歩みを止めた。
人間としての死の腕に抱かれて、人間として死んだんだ。

そうなったら、後に残るのは俺だけだ。
至るべき未来おれに辿り着いたんだよ、お前は」
佐倉 光
「俺が死んでいる? そんな、馬鹿な!」
ここがどんな場所か知っていながら、馬鹿みたいに自らの足でむざむざと死に踏み込んだ?
佐倉 光
「ふざけるな。認めないぞ、そんなことは」
武器を呼び出そうとする。
佐倉 光(?)
あなたが武器を呼び出そうと願うと、目の前のあなたの手に武器が握られた。
彼は一つ溜息をついて、その武器を傍らに置く。
佐倉 光
「今はお前が『神』……俺はお前の中の、『人間』に過ぎないということか」
舌打ちをする。
力を奪われたのではもう、あの忌まわしい記憶のままじゃないか。
少しずつ砕かれて、俺が俺でなくなる。
あの時にできたことをもう一度やるしかないじゃないか。
佐倉 光
「俺はお前になんかならない」
自己を主張し続ける。
佐倉 光
まずは背嚢を探って例の酒の瓶があるか確認。
佐倉 光
そういえば人間としての力として夢見をまだ試してないなー
あとはワインを飲むまたはかける、か。
すっかり忘れてたな。
佐倉 光(?)
彼は静かにあなたと視線を合わせ、あなたの瞼を閉じさせるように、手を伸ばした。

ぐらり、その瞬間に意識が揺らぐ。
背嚢に伸ばそうとした手が力を失う。
目の前のあなたの黒い眼に、人間の意識が、自我が、心が、呑み込まれる。
KP
牧志は<人間だった頃の【POW】×5>で判定。
持ち物は持っている扱い。
1d100 60 【POW】 Sasa 1d100→ 65→失敗
KP
あなたが最後に伸ばした手は、背嚢の中で何かを掴んだ。

柔らかくて温かく、滑らかな何か。

 猫だった。

「フギャッ!」
強かに手を噛まれた、痛い!
しかしその痛みで、あなたは意識を取り戻す。

目の前の「あなた」の姿が一瞬揺らいだように見えた。
KP
その前に猫の恩返し(?)が発生しました。
佐倉 光
ついてきてるじゃないか!
佐倉 光
「いっってぇ!?」
完全に不意打ちを食らって悲鳴を上げる。
猫!? 猫だ!? どうしてこんなところに! いつの間に!?
KP
猫はあなたの手を強かに噛むと、どこかへ姿を消した。
佐倉 光
目の前で『自分』が揺らいだのを見て確信する。
佐倉 光
これはやはり幻!
俺はまだ何も取り上げられちゃいない。
しかしこのままでは取り上げられる!

幻覚を破る魔法ないかなぁー(呪文書ぺらぺら)
《魔法の感知》で不埒なヤツの居場所を探れないかな。P284
有害な呪いが放つ輝きが見えるようになるヤツ。
あとは【AF 龍の鱗】を使ってみるとかかな。
KP
なるほど。
《魔法の感知》を使うことはできる。
正気度 1d3と呪文のコストを消費すること。
あるいは、【龍の鱗】を使用してもよい。
KP
ただ、そうだなぁ、【龍の鱗】をここで使うのは少し勿体ないかもしれません。
使うことはできる。
佐倉 光
イベント的にほぼ解決しているからかな。
それじゃあ《悪意の感知》だけやろう。

魔法使用コスト1D3
魔法コスト 6MP正気度 消費はなし)
1D3 Sasa 1D3→1
MP18 → 12
SAN 41 → 40
佐倉 光
立ち去る猫を目で追うこともなく、意識を集中させる。
何者かの悪意を探る。
KP
あなたは『神』の知識から呪文を探り、唇へ上らせる。
その呪文が、目の前のあなたに奪われることはなかった。

目の前のあなたの黒い眼が、光っていた。
周囲の暗い風景が光った。
あなたの周囲のすべてが光った。

ここは幻の腹の中だ。
佐倉 光(?)
「ああ」
『あなた』は深く、やさしい溜息をついた。
佐倉 光(?)
ふわりと、まるであどけない少女のように、寂しそうに笑う。
佐倉 光(?)
「俺を、受け入れてはくれないんだな。
お前が望む楽園だって用意できるというのに。
お前の代わりに未来になってやることだってできるのに」
佐倉 光
「冗談だろう?
それにイエスと答えるなんて思っているならお前は俺じゃない。
俺の代わりになんてなれねぇな。
ノーと答えると思っていてやってるなら……」
佐倉 光
「不毛だね。もっと別の楽しいことをしろよ、神なんだったらさ」
解放してくれないならぶん殴るぞ!
佐倉 光(?)
「残念」
『あなた』の髪の先が、するりとほどけた。

指先がほどけ、服がほどけ、その中から現われたのは長い髪。
暗い風景が晴れ、美しい天蓋付きの寝台へと変じてゆく。
KP
「残念。あなたが恋人になってくれれば、わたしはきっと孤独ではなくなったのに」

あなたは豊かな羽毛を湛えた柔らかな寝台の中で、長い黒髪を編んだ、すらりとした背の高い女性と向き合っていた。
彼女はあなたにその美しい脚を寄せ、あなたの肩に腕を絡め、あなたに愛をささやく。

「ねえ、わたしの恋人になって。ここで一緒に暮らしましょう。
もう惑わしたり、いつわりを見せたりしないわ。

わたしはひとりでさびしいの。
わたしと一緒に、わたしのまどろみのなかで、美しい夢だけを見て暮らしましょう。
誰もいない、ふたりだけの世界で」
佐倉 光
「そーゆーのはもっと付き合いが深くなってから言うもんだろ。
ただでさえ夢の中で幸せなんて不毛だってここしばらくでじっくり味わってきたんだ。
その上で、ここは俺の趣味じゃない。
ふたりだけの世界なんて何が面白いんだよ」
腐ってるし。
これはぎりぎり口には出さなかった。

ここで留まるくらいなら、まえに牧志と来たときにカトゥリアに行ってるっつーの。
まだそっちの方が楽しそうだ。
KP
「そう」

彼女は寂しそうに微笑んだ。
その腕が、身体がずるりと腐った肉塊になり、崩れ落ち、消滅する。

あとには奇妙なほどに清潔な部屋と、天蓋付きの寝台が残されていた。
……寝台の上に何かある。
佐倉 光
びみょーに嫌な気分になったわ。
寝台の上を見る。
KP
寝台を見ると、一輪の赤い薔薇と小さなメッセージカードが置かれている。
佐倉 光
拾って見る。
バラは棘に気をつけないとな。
KP
メッセージカードには、華奢な女性の筆跡で「素敵な時間をありがとう。おやすみなさい。ズーラ姫」と書かれていた。

薔薇は触れるとさらさらと崩れ、意思を持つ霧のようにあなたの指にまとわりついて、消えていく。
佐倉 光
「何だったんだよ……」
メッセージカードの裏に何か意味深な言葉が書いてあったりはしないかな。
KP
そして、薔薇が崩れたのと同じ時。
牧志 浩太
(佐倉さん! 大丈夫か!?)
部屋の扉が派手にもげて、牧志が室内に駆け込んできた。
どうやら、扉を開けようにも動く腕がないもので、タックルで扉を壊したらしい。
佐倉 光
「お、よう牧志。良かった。
お前今までどこにいたんだよ」
状況的にベッドに寝てるのかな?
座ってたのかな。
KP
特に身を起こしていなければ、あなたは寝台にひとり横たわっているだろう。
メッセージカードに書かれているのはその言葉だけで、裏には何も書かれていない。
牧志 浩太
(あ、ああ、よかった。佐倉さんこそどこにいたんだ?
俺達の家にいたり大学が見えたりしたけどそれは幻で、真っ暗闇に一人で転がされて死体になって俺が佐倉さんを食べちゃってみんな崩れてゾンビになって俺を見た人がみんな狂って)
牧志の言葉がどうにも要領を得ず、どうも彼も幻でも見せられていたのだろうと分かる。
佐倉 光
「分かるけど分からん」
牧志 浩太
(ごめん、俺も分かってない)
牧志 浩太
(でも佐倉さん無事だったんだな、……よかった)
佐倉 光
寝台の上で伸びをする。
佐倉 光
「いい夢なんだか悪い夢なんだかなんとも言い難いもんを見せられてた。
あとなんか誘惑された。
腐る前だったらなー」
牧志 浩太
(誘惑?)
佐倉 光
「女があの手この手で俺を騙して、絶望させようとしたりした後で、
ここで二人っきりで幸せな夢を見よう、だってさ。
交渉下手すぎか。この条件じゃ幸せなのあいつだけだろ」
簡単に状況を説明する。

佐倉 光
ズーラの姫さん、相手のこと一切考えてない交渉だったなぁ。
交渉と言うより従わせようとしてきただけだった。
KP
正直な所最初から姫の姿で出てきた方がまだ成功率高い気がした。
佐倉さんはこんな所で突然迫られたら警戒するだろうけど。
佐倉 光
それでもあんなアプローチされるよりはまだしも……
彼女、ずっと言うとおりに動く死体としか過ごしていないからコミュ力が……
KP
死体しか周囲にいませんしねぇ……。
人間の恋人作っても吸っては捨てるだけだし。

佐倉 光
「しかし、それっぽいものは何も無かったな。ここじゃなかったのか?
あの女、それなりに大物だったと思うんだけどな」
牧志 浩太
(うーん……)
牧志は少しばかり、くるくると回転しながら考えた。
牧志 浩太
(佐倉さん、何というか……、そういう女の人に縁があるな?)
佐倉 光
「……正直、贅沢言わないからまともな相手に口説かれたい」
なんだこの女運の悪さは。
女運悪い
佐倉 光
一番まともそうな相手が蛇女の悪魔って呪われてるな。
一応浩子さん達もいるけど、あっちも悪魔だし事情が複雑すぎて無理だ。
あとラミアさんは面倒見はいいけどパートナーにはしてくれないと思う。
KP
それは思う。>面倒見はいいけど
そもそも人間をそういう意味でのパートナーにはしなそう。ラミア姉さんはそういうとこの距離感ちゃんと悪魔な気がする。
佐倉 光
ラミアさんにとっても人間は吸って捨てる相手ってとこあるしなぁー。
KP
ですよねぇ。サマナーでなければ彼女も別に友好的な存在ってわけではないしな。
佐倉 光
牧志を吸い殺さないのはその方が都合がいいからですぅ~
KP
ですよね~
「相棒」ではあっても「友達」にはならない間柄だなと思います、佐倉さんとラミア姉さん。

佐倉 光
あの本を出してみる。
KP
本を取り出すと、本は前と同じようにぼんやりと光っていた。

表紙の絵が、あなたの目の前で変化していく。
青年の腕が動く。なめらかな手は、喜んでいるように表情豊かに持ち上げられる。

その腕が、絵の中で見覚えのある腕へと変化した。
牧志の腕だ。
佐倉 光
「絵が」
あわてて顔を上げる。牧志はどうなっている?
牧志 浩太
そこには、ちょっと驚くべき光景が広がっていた。
相変わらず無表情で立っている透けた牧志の、腕だけが色のある、生きた人間の腕になっているのだ。
それが生きていることに気づいていないのか、牧志はだらりと腕を垂らしたままだ。
佐倉 光
「……えーと」
コメントしづれぇ。
佐倉 光
「おめでとう……?」
牧志 浩太
(え、何が?)
牧志は不思議そうに緩く回転している。
後ろ側から見ても、生きた腕だ。
佐倉 光
「腕だけナマっぽくなってる」
腕に触ってみる。
牧志 浩太
(え、腕だけ? え、ほんとだ、触られてる感じが柔らかい!?)
腕に触れられると、驚いたのか腕がびくんと跳ねる。
牧志 浩太
(えっ、え、動く!? 
佐倉さん、腕、腕が! 腕が動く!)
牧志は喜びの混じった驚きの声を上げ、あなたの肩を抱きしめる。
……腕以外は相変わらず、透けているし固いし無表情だ。

腕だけが生えた彫像、としか言えない。
これはコメントしづらいのも無理はない。
佐倉 光
「そうか、動くんだなそれ。良かった」
腕以外は相変わらず堅いしひんやりしていて、命があるなどと考えられなかったが。
佐倉 光
「ああ、元の姿に戻れる可能性、出てきたな」
腕の暖かさが身にしみた。
牧志 浩太
(……うん。
この調子なら、元に戻れそうだ。
ありがとう、佐倉さん。やったな)
動くようになった腕で、牧志は小さく拳を握ってみせた。
初めて感じられる、牧志の生きている実感だった。
佐倉 光
「ああ、いけそうな気がしてきた」
佐倉 光
そしてふと顔を上げるとこっちも真顔になってしまう。
佐倉 光
「……ちょっと、怖い」
これが不気味の谷ってやつなのかなぁー。
牧志 浩太
(……因みに、どんな感じ? あの固くて透明なのから、腕が突然生えてるんだよな?
せめて顔が動くようになってくれたらいいのにな。口も含めて)
前回夢見た鏡がまだ背嚢の中に残っている。
佐倉 光
「ああー、鏡あるよ」
鏡を取り出して向ける。
牧志 浩太
()
牧志 浩太
鏡を向けられるや、牧志は絶句した。
牧志 浩太
(気持ちわる。ええ、肩からいきなり生きた腕……)
自分の身体だというのに、率直な感想を漏らす。
佐倉 光
ソッと自分の肩に掛かってたマントを牧志の体にかけよう。
タイムオーバー
KP
おっと一時過ぎてる! ありがとうございました。
佐倉 光
ですね! ありがとうございました!
なんか日をまたぐところでいいシーンなこと多くない?(多分気のせい)
KP
たぶんいいシーンが多いんですね!(雑な推測)いつもありがとうございます
佐倉 光
なるほどそういうことか!
また明日! おやすみなさい。
KP
おやすみなさーい!

牧志 浩太
(あ、ありがとう……。くっついてる所覆うとだいぶましになるな)

牧志は鏡を見ながら様子を確かめる。
顔は彫像で腕は肉。やっぱり不気味だが、接続部を覆うと連続したものに見えなくなるのか、それなりにましにはなった。
佐倉 光
「今までの経験から言って、
牧志に変化が起きたってことは、ここでのすべきことは終わったと解釈していいと思う。
この土地はあまり長居したくないし」

部屋を見回す。
佐倉 光
「正直ここではあんまり……だけど、
外のこと考えればここで寝るのがベストかな。
別にシェルターなんか建ててそこで寝るって手もあるが、俺今回色々作りすぎてさすがにくらくらするんだ」

※残りMP12。それでもいつものMP考えれば全然減ってないけど。
KP
ここで起きた出来事はさておき、羽毛をたっぷりと湛えた布団は変わらず柔らかい。

主が去った寝室は奇妙に清潔で、ただ静かだ。
牧志 浩太
(今からまた外出る気も起きないしな)
牧志は寝台の横に立つ。
佐倉 光
よーし酒呑んで寝よ。
ワインを口に含んで、背嚢にしっかり片付けてからベッドに横になり、飲み下す。
佐倉 光
「前ここに来たときは、ここで寝ることになるなんて……夢にも……」
スヤァ
KP
スヤァ。

KP
速やかな眠りの波があなたをさらい、ふっと気がつくと石の寝台の上だった。
ゆっくりと寝て疲れが取れた感覚があるのに、意識の上では眠った気がしない。

不整合な気分だ。ドリームランドは健康に悪いかもしれない。

傍らでケット・シーがすやすやと丸くなっていた。
KP
MPはすべて回復する。
佐倉 光
慣れねーなーこの感覚。
見回して、状況に変化がないか、牧志は側にいるか、荷物があるかを確認。
MP 12 → 100
牧志 浩太
(おはよう)
牧志は先に起きて、柔軟をしたり腕を組んだまま回ったりと、腕が動くことを確認していた。

夢の中で彼が着ていたマントはもちろんなくなっており、腕だけが軽やかに動くさまは大層不気味だ。
佐倉 光
「おはよう」
起きたばかりなのに忙しかった感じがする。
体は多分休まっている。
KP
夢の中で出した物や姫のメッセージカードはないが、本や手紙、ワインはちゃんとある。
佐倉 光
ズーラで噛み付いていったのはこのにゃんこ?
KP
噛みついたのは……どうなのだろう?
一瞬のことでよく分からなかった。
とりあえずケット・シーは目覚めて大きく伸びをし、フニャアと鳴いた。
佐倉 光
「……」
猫を見下ろして、猫の喉のあたりを軽く掻いた。嫌がったらやめるけど。
KP
猫は機嫌よく喉を鳴らす。
佐倉 光
「どっちが現実なのかよく分からなくなってくるな」
牧志 浩太
(寝ても起きても起きてるもんな。
夢と現実がごっちゃになると精神に悪い、なんて言うけど、それどころじゃないな今)
佐倉 光
牧志の腕って、いつもの服を着ていて、そのソデ部分も部分的に柔らかくなってるのかなぁ。
KP
あー、シナリオには服の有無の描写がないんですが……
胃袋と接合部の描写しちゃったし、着ていませんね。素裸。
ただし持ち物だけはある。服は結晶体になった時に巻き込まれたらしい。
佐倉 光
それじゃあ、それこそマントみたいなものをこっちでは取り寄せて牧志にかぶせとこうか。
裸マントはそれはそれでヤバい気もするけど、何も着用しないままで生身になっちゃうよりはマシじゃないかな。
本当は服がいいんだが、今の状態じゃ着られないだろ……
佐倉 光
《マント付きの服一式》を取り寄せて被せたり括り付けたりするのもアリかな。そうしたら後で使えるかも知れないしな。
KP
なるほど。
取り寄せようとする前に、【アイデア】で判定。
成功したら何かいいこと思いつくかもしれない。
佐倉 光
1d100 85【アイデア】 Sasa 1d100→ 39→成功
KP
あなたはマントを思い浮かべようとして、ふと思った。

ここにはあなたに傅く蟇蛙らがいる。
彼らは布団を必要としないようだが、空をゆく船を見るに布の存在は知っている。

自ら望まずとも、マントくらいなら彼らに命じれば出てくるのではないか?

もちろん、望むものが欲しければ望んで取り寄せてもよい。
佐倉 光
あれ、そういえば牧志の荷物って持ってたっけ……
KP
牧志の荷物は、寝台の傍らにちょこんと置かれていた。
佐倉 光
牧志は出かけるときに服着ていったかな。
KP
結晶体になる前までは服を着ていた。
結晶体は服を着ていなかった。
人型になってからはそういえば素裸だったが、透明感と材質に気を取られてあまり違和感がなかった。
佐倉 光
そうだな、ムンビが落ち着いてたらマントくれって頼もう。
近くにいるかな?
KP
ここにはいないが、地上には気配がする。
辺りは静けさを取り戻しており、あなた達が寝ている間にどうにか事態が落ち着いたらしい。
佐倉 光
それじゃあ外に出てみよう。
ここの奴らが今の牧志見てどうこうなるとは思えないので、ついてくるかどうかは牧志に任せるよ。
声をかけられそうな奴がいたら、この体で着られそうなマントと、ほか人間の体で何か着られそうなものをくれと頼む。
牧志 浩太
牧志はあなたの横を滑るようについてくる。

KP
ムーン=ビーストのひとりはあなたに話しかけられると、おろおろあわあわと神官を呼びに行く。

「おお、トート様がわたくしどもにお望みを。恐縮でございます」
神官は横笛を鳴らしてそう言うと、他のムーン=ビーストを呼んだ。

暫くして、金糸が編み込まれた豪華なマントと、腰に巻きつける滑らかな布を差し出す。
布は紐で身につけるようにできており、動いたり回ったりしても容易に落ちてしまうことはなさそうだ。
佐倉 光
「サンキュ、助かる」
牧志の体はつるっつるだが、まあ何とかなるだろう。
牧志 浩太
(すごいな、魔法の絨毯みたいな柄だ)
牧志はそれを身に着け、くるくると回りながら布の端が視界を過るのを楽しむ。
牧志 浩太
(意識してなかったけど、服って着ると落ち着くんだな)
佐倉 光
「結構精神状態に影響するよな、着衣」
牧志 浩太
(だな。ほっとする)
KP
「もしもお望み下さるならば、供物や娯楽もご用意できますが、如何にございましょう」

神官はあなたに要求を受けたのが余程嬉しかったのか、そんな提案をしてくる。
佐倉 光
「娯楽? 供物? 例えばどんなの?」
この月にそんな色々あるんだろうか。
牧志 浩太
(……こいつらの娯楽って何だろう、ちょっと怖いような気も)
KP
「はい、我々の船で周囲を遊覧することができます。
拷問部屋にレンの男どもを用意してございますので、ご自由に苛んで頂くことができます。
供物がご入用であれば、奴らの一番よく肥ったものをすぐに締めて調理致します」
佐倉 光
「……」
佐倉 光
「そーゆーの趣味じゃねーから要らねぇや。
捕まえてんのが俺のためだったら解放しといて」
そうじゃなければ……まあ、俺が口を出すことじゃないかな。
牧志 浩太
(で、拷問も嫌すぎるけど、食べるんだなこいつら……。
あの時食べられなくてよかった)
KP
「そ、そうでございますか……、申し訳ありません、トート様がお好みの人間らは滅んでしまいましたもので……」
神官はしょんもりと肩を落としながらその場を立ち去り、辺りには静寂が戻った。
佐倉 光
「いや、人間相手なら拷問嬉しいってわけじゃねーからな?
万一宇宙ステーションに生き残りなんかいても連れてくんなよ?」
いやむしろ保護のために連れてこさせるべき? まあ、いいか……
KP
「拷問は趣味じゃないって? よかった。猫の皮剥ぐやつとは友達になれないんだ」
ケット・シーが半分冗談のような口調でフニャアと笑った。
佐倉 光
「あんなの娯楽になるかよ」
拷問はされる方だったし。人の痛みや苦しみを喜ぶなんて、本能への敗北じゃねーか。
KP
「はあ、そうでございますか……」
神官はあなたの不快をいまいち解さないらしい。
自分達の用意するものがあなたの興を得られなかったのだと思ってか、去る間際に深く頭を垂れた。
牧志 浩太
(価値観が違う、というか、それだけで片付けにくい)
牧志が小さく唸った。

佐倉 光
「続き行こうか」
神殿の中に戻ろ。
またあのモフモフに埋まって、今度はティルヒアとやらを目指す。
佐倉 光
「また墓かぁ」
牧志 浩太
(また墓……っていうか、また姫君だっけ?
発端も女王だし、なんだか多くないか?)
KP
ワインを使ってすぐに眠る? 自然に眠くなるまで待つ?
佐倉 光
1時間くらいのんびりして休憩をとる。
それからワインかな。
牧志 浩太
荘厳に煌めくマントと腰布を纏って、牧志はあなたの傍らに立つ。
その格好になると、水晶で刻まれた古代の彫像のようにも見えてくる。
佐倉 光
思わず小さく噴き出した。
牧志 浩太
最初は何のことだか分からない顔をしていた牧志だが、そのうち視線に気づき、腕だけでポーズを取りだした。
KP
そんなことをしていると、何となく気分も解れてくることだろう。
ワインが誘う急速な眠りの波が、今度はちゃんと眠りだと思えるかもしれない。

コメント By.佐倉 光
かつて訪れたかの土地へ、今度は違う場所から訪れる。

前回裏口だったんだなぁ、と思いました。なるほどこういうことか。

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【クトゥルフ神話TRPG】
本作は、「 株式会社アークライト  」及び「株式会社KADOKAWA」が権利を有する『クトゥルフ神話TRPG』の二次創作物です。

Call of Cthulhu is copyright ©1981, 2015, 2019 by Chaosium Inc. ;all rights reserved. Arranged by Arclight Inc.
Call of Cthulhu is a registered trademark of Chaosium Inc.
PUBLISHED BY KADOKAWA CORPORATION 「クトゥルフ神話TRPG」


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『……イベント起きすぎじゃない?』


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