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こちらには
『俺の恋人が庭からボコボコ生えてくるんだが!?』 のネタバレがあります。
また、大きめの改変があります。

本編見る!
佐倉 光
しばらく食べる。そして、ずっと気になってたことを問う。女性の牧志にだ。
佐倉 光
「そっちの世界の牧志も俺と暮らしてるの?
正直信じられねーんだけど、そっちの俺何やったの?
だって俺がだよ?
相手が牧志だって女の人と同居はさぁー」
佐倉 光
「無理でしょ」
佐倉 光
というききかたして良かったかなぁ。
女性の牧志
「まあそうだよな。分かる」
取り皿に分けたパスタをつつきながら、女の牧志は軽やかに苦笑した。
波照間 紅
「え」驚いて彼女を二度見するものが一人いるが、些事だ。
女性の牧志
「発端がさ。俺は女だけど、同時に波照間紅だった。知ってるかもしれないけど、ほとんど波照間紅だった。
その分、この俺を受け入れるのにも結構な時間がかかった」
彼女はこちらの牧志より少し細い指先を、くるくると絡める。
佐倉 光
「まあ……そうだよな。
男の記憶がいきなり上書きされて、ほとんどそれになっちまったら。
自分の体のことも覚束なくなる。
大変だな」
そんな一言で済ませられるような物ではないのだろうが、そうとしか言えなかった。
女性の牧志
「そう。最初色々困った。
前の友達のことも覚えてなかったし、東浪見にも先輩にも相談できないこともあって……、
で、俺にはなったけど、男なのか女なのか、自分でもよく分かってない時期がだいぶ続いてさ」
佐倉 光
「ああ……」
自認性別が一時的にでも変わるなんて大事件だ。さぞ混乱しただろうな。
用を足すのも大変そうだし。
女性の牧志
「その間に……、その、あー、うん。佐倉さんと色々あっただろ。色々。
あの、入れ替わったり、部屋覗かれたり……、吸血鬼になったり」
指先をくるくると捏ねながら、彼女はあー、うー、と数度、言葉に困る。
佐倉 光
「……あー」
佐倉 光
「ああ、なるほど。あったな。色々」
あれ全部相手が女性だったら気まずいなんてものじゃない。
大体入れ替わったとき俺は自分を牧志だと思い込んだのか? おかしいだろ。
佐倉 光
「つーか初っぱなからホテル……ハードモードすぎる」
佐倉 光
「よく逃げ出さなかったね、そっちの俺」
佐倉 光
逃げたんじゃないかなー
毎回同時に巻き込みが来るから逃げられなかっただけでー
女性の牧志
「たぶん、逃げたかったんじゃないかな。
で、逃げた。
でも、色々巻き込まれる度にまた会って、その度にギリギリの状況なもんだから、そのうち顔見知りみたいな、相棒みたいな感じになってさ……、」
佐倉 光
まあ何度も会って、こっちの俺みたいに助けられまくったらそうもなるだろうな。
佐倉 光
そういやさっき俺の前でためらいなく脱いだな?
そこまでプライベート放棄してるってことは。
佐倉 光
「ちょ、お前らどういう関係!?」
佐倉 光
ビミョーだったらボカしてくれてもいい。こちらはどんな内容でも大丈夫です。
女性の牧志
「あー、その、その時に、その……、あの……、うん。吸血鬼の一件。その時に、色々あって。その、色々。色々……。

それで顔見知りみたいな、相棒みたいな、そうじゃないみたいな感じになって、でも佐倉さん案外律儀で、俺が何かと危なっかしいのもあるので、それで……、うん。それで一緒に暮らすことにした、っていう所かな……」
KP
彼女は大層言いづらそうにぼかしたが、あなたは察してしまってもよい。
吸血鬼の一件。その時に勢い余ってなにか起きてしまったらしい。
その結果、何やら名前のつきがたい関係になってしまったようだ。
まちがいがおきた
KP
これまでの諸々、牧志が女だったらうっかり名前のつきづらい関係性になってしまってもおかしくないよな……。ってなってこうなりました。
佐倉 光
なるほど確かにあの一件いろいろあってもおかしくない。
KP
あの時佐倉さんが吸血鬼でしたしね。しかもまだ牧志は自認が怪しいっていう。
佐倉 光
性質上二周目はなかったかも知れないけど。
KP
そうなると二周目はなさそう。あるいは薬は使ったとしても別の夢を見ていそう。
話題に上がっているのは、吸血鬼と化した佐倉と、その生餌になってしまった牧志が二人きりで洋館で暮らすことになってしまう話。
色々起きても不思議はないシナリオなのだ。

佐倉 光
自分の記憶のあれやこれやとか思い出して、そこまでの道のりが違った場合を思って、
何とも形容しがたい関係になってしまってもおかしくないなということがどうしようもなく理解できてしまった。
分かるけど何やってんだよそんな場合じゃなかったろあの時は!!
佐倉 光
「帰ったらそっちの俺に『爆発しろ』って伝えといて」
女性の牧志
「あー……。なんかごめん……。そうだな、うん……」
ほんのりと顔を赤らめて肩を抱くようにしている姿を見て、他の牧志たちも察せざるを得なかったのだろう。
三人とも何を言っていいか分からないし、どんな顔をしていいのかも分からなくなっているのがよく分かる。
波照間 紅
波照間に至っては目を白黒させながら、全員の顔を見比べている。
佐倉 光
「悪かったね、プライベートな話させて。
正直気になりすぎたからさ……
今でもちょっと信じられないような信じられるのが怖いような」
波照間さんには詳細までは話してないからな。「吸血鬼にされて大変だったけど親玉やっつけた」程度しか話してなかったし。
女性の牧志
「いやいいよ、俺だってあんなことしちゃったし、気になるのも分かるしさ……。うん」
佐倉 光
要は二重の意味で襲ったってことじゃねーか。責任とれんのかよそっちの俺。
KP
『案外律儀』というのは、一体どういう方向になのだろうか……。
何したのよ
佐倉 光
実際何があったのかは知らんがそういう理解をしましたw
KP
大丈夫そういう理解で合ってる。
女牧志の口調がこれなのは、その結果自認もろもろよくわからない状態のまま安定してしまったからです。
佐倉 光
何してんだ佐倉。名前のよくわからん関係にしてないでちゃんと責任取りなさいw
KP
しかも牧志の方もよくわからん状態のまま安定してよくわからん関係を受け入れているという。
そしてよくわからん関係のままシローいるという。
佐倉 光
気の毒すぎる。
女性として固まったんじゃなくてどっちかわかんない状態で固まっちゃったの、本当に何したんだよって。
まあ愛があればいいんじゃないかな。たぶんありすぎるくらいにあるだろ。こっちと同じなら。
KP
それはうっかりありすぎるほどにありそう。結果として愛という形になりますしね。
多分長いこと煮詰めた感情が、理性吹っ飛ばしたついでに爆発しちゃったみたいな感じではないかと。
翌日自分のやらかしのあまりの重さに太陽光の下に出たりしてそう。
KP
えらいことにしちゃいましたがOKありがとうございます……。
佐倉 光
面白いのでOkです。
なっても不思議じゃないし。
KP
わぁい。
佐倉 光
しかもそんなわけ分からん状態で夢の世界でのアレがあった後不定形持ち帰ってきたって……
KP
そんな自認も関係もよくわからない状態で夢の世界であんなことになってしまったから、思い出し損ねて不定形持ち帰ってきちゃったのかもしれない。
佐倉 光
あと某NPCが盛大に困惑しそうで気の毒。
そんなわけの分からない関係トレースするの無理。
KP
そりゃそうだ。某NPCが「????」ってなる。
あの世界の某NPCさん性別どっちなんでしょうね。女性でイメージしてたけど、それで某NPCさん女性だったら本格的にわけわからないな。

佐倉 光
「ああなんか俺がやらかしたわけじゃないのにしんどいから、やめようか。
そっちの俺一発殴りたいけど」
目つきが悪い牧志
「賛成。正直どう思っていいか分からないし、あんまり考えてるとまずい所に踏み込みそうだ……」目つきの悪い牧志が、クリームパスタをフォークで突き刺しながら頷いた。
佐倉 光
「……まあ、世界が違えば人も違うって事で」
雑に纏めた。
シローの教育にも悪いところに踏み込みかねないし。
弱気な牧志
気弱な牧志に至っては顔を赤くしながら混乱して「お、俺なのに俺だけど俺で」などと呻いている。まずい所には踏み込まない方が得策かもしれない。
牧志 浩太
牧志が驚いた顔のまま、無言で四角い箱を棚の上にしまうジェスチャーをした。棚に上げよう。
佐倉 光
「あ、そもそも三人について話してなかったですよね」
波照間さんに今更ながら事情説明しよう。
波照間 紅
「あ、ああ。朝起きたら突然増えてた……、って? それはなかなか突飛だな。噂のUFOに乗ってきたんじゃないだろうな」
女性の牧志
「久々に聞いたな、先輩のUFO。動転してる?」
波照間 紅
「それはな。動転はする。不躾ですまないが動転はした」
佐倉 光
「というわけで、手がかり何も無くて……ああ、そうか。UFO」
波照間さんだもんなぁ。そりゃ反応する。
佐倉 光
「んでその不審な光が落ちた方に行ってみようかと思ってんですよ」
佐倉 光
……これから人に会いに行こうって時に言うべきじゃなかったかな?
波照間 紅
「成程、いいかもな。こちらも、ちょっとこれから外せない用事こそあるが、明日にでも調べてみるよ。
Barでも聞いてみようと思うから、何か分かったら教えてもらってもいいか?」
彼は外せない用事をちょっと強調した。未練だ。
佐倉 光
「動画撮っときます」
間が悪いな、波照間さん。でもこっちよりそっちを選ぶんだな。
さっきの話といい波照間さんといい、いいなぁ、と少し思った。
波照間 紅
「頼む」
牧志 浩太
そんなあなたの思いをちょっと察したのか、牧志が小さく苦笑した。
ふえた牧志の特徴
佐倉 光
それぞれの牧志のダイス目、あとの二人のがまだいまいち読み切れんなぁ。
気弱牧志君の記憶が飛んでるのもダイスかなぁー
KP
気弱牧志の記憶が飛んでるのは、実はダイスではなく背景がらみですね。
佐倉 光
おお、そうなると本当にあと二つの特徴分からないな。
目つき悪い牧志はPCとのチェンジと感覚過敏かなという気はするんだけどなー
女牧志さんは性別とぬるぬると香りかな? 香りは背景かもしれんけど。
KP
あれ3D10ですが使いづらいものは不使用でもOKとなっていて、
・「ぬるぬるした」「性別が逆の」牧志
・「敏感な」「【APP】の低い」「ツンデレな」牧志
・「卑屈で」「【POW】/【INT】の高い」牧志です。
卑屈はイメージしづらかったので気弱になりました。
佐倉 光
【APP】の低い」「ツンデレな」で佐倉っぽくなったかーw
なるほどなるほど
KP
牧志の顔なのに「【APP】が低い」ってどういうことだろ? 目つき悪いのかな? ってなって、「ツンデレな」が重なったので佐倉さんな牧志になりました。
佐倉 光
能力値指定もあるのですねぇ
KP
なのです。実は途中の【アイデア】/4、気弱牧志だけ25で振っています。(INT20)
佐倉 光
元々高いよねと思ったら人間越えてた!
思ったよりKPイマジネーションが入ってる!
楽しいです。ありがとうございます。
KP
わぁい、ありがとうございます。シナリオでいうと1~2ページの所に設定を盛りまくってたりしてて、こちらは楽しいけどどうかな? と思ってたので楽しんで頂けてるならめっちゃ嬉しい。
ぬるぬるした性別が逆の牧志、でよからぬ方向に方向性が定まりましたね……。
佐倉 光
最近まともなことばっかり言ってた佐倉に久しぶりに良からぬアクションとかさせられて楽しいです。
KP
わーい。
佐倉 光
牧志何さんなのか名前聞いてないんだよな何となくw
KP
実はド安直に「浩子」です。>何さんなのか
佐倉 光
予想合ってたー!
KP
ですよねー!
そういえば、女牧志のとこだと浩司の「何があったんだよ姉貴」度合いがだいぶん強くなりますね。割と全然違うものになって帰ってきてる。
佐倉 光
あー。ですね。そっちも大変そう。
自分を俺って呼ぶようになるだけでなく性自認まで変わっているようだし。
KP
全然違う度合いがこちらの比じゃないですからね。一人称は違う、口調もなんだか違う、最初に実家に帰った当時はまだ自認がほぼ男。
佐倉 光
それでなにがあったか説明しないのもう「都会って怖いわー」としか言いようが。
KP
その上に「風のさびしく~」で佐倉さん連れていったという……。
佐倉 光
地元がざわついちゃうよ。浩司くんに信用して貰うのちょっと大変だったかも知れないなぁ。
KP
信用してもらうまでに一悶着ありそうだし、終わった後も一悶着ありそう。
佐倉 光
もっと弱気牧志君とも絡みたいんだけどなぁ!
KP
気弱牧志、全員いるとどうしても後ろに引っ込んじゃうのでなかなか出てこないんですよね。
どこかで個別に話す機会がいるのかも。

ところで女牧志のよくわからない関係の記憶が混じってしまっている気弱牧志はだいぶんかわいそうだと思います。
佐倉 光
うん。彼女の事情聞いて、彼女自身も気の毒だけど、そんな記憶持たされてるほか二人もかわいそうだなって思いました。
記憶の主の本人はそんなに辛そうじゃないけど、記憶だけ上書きされるのつっら。
KP
もう自分と彼女のことどう思っていいのかわからない。そもそも記憶が上書きされている牧志なのにまた上書きされてる。
佐倉 光
そんなわけ分からんことされてるのに
更に人間を越えた【INT】持ってるから発狂しやすいってかわいそすぎでは。
KP
気弱なのに〈目星〉/〈聞き耳〉/【INT】が高すぎるせいで気づかなくていいもの見なくていいものにひたすら気づいてしまうから、結果怖がりになるという、実はだいぶんかわいそすぎる。
佐倉 光
ああー、そういう感じなんだ。しかも記憶がわけの分からないことになってて……
早く帰るなりなんなり、解決するといいね……
KP
どうなるかなぁ……。

佐倉 光
噂の現場の具体的な位置と、そこに今人目があるかどうかネットで調べられるかな。
人目が多くて行きづらいようなら時間潰していこうかなー。
KP
場所と写真を上げてる勢がいるので、具体的な位置は分かる。

人目については、確証はないが推察はできる。
噂は賑やかだが、新しい写真はあまりなく、現場に言うほど人はいないのかもしれない。

娯楽の多い現代だ。UFOネタで実際に足を伸ばそうという層は、いうほど多くないのだろう。
佐倉 光
それじゃ食事が終わって一息ついたら現地に向かってみよう。
交通手段は何になるだろう? 車だったら、ちょっと人数多すぎて普通の車じゃ無理だな。
カーシェアでデカめのやつ借りるか。
佐倉 光
「そんなの四人で分けてて足りんの?
……そういえば食べる量も俺の知ってる牧志よりみんな少ないんだよな。
誰かの特徴が全員に出ちまってるとかなのか?」
女性の牧志
「少食っていうか、そんなに腹が減ってなくてさ。
……何か食ったのまで忘れちゃってないよな」
女牧志が腹のあたりに手を当てて言う。
目つきが悪い牧志
「俺も。俺は食うの遅いから勢い外じゃ少なめになるけど、それでも今日は腹が減ってない」
弱気な牧志
「俺も、食欲出ないこと多いけど、それでも今日はあんまり腹減ってない……」
佐倉 光
「腹が減らない……
そういえば夢の世界に行ったときに食欲が出なかったな。
三人とも夢経由でここに?」
牧志 浩太
「全員そうなのか。本当に何か食べて忘れてるとか?」
牧志の食べる量はいつも通りだ。
佐倉 光
「何か食べたから説かー」
佐倉 光
「実は三人とも植物でできてて光を食ってるとか?
だとしたらCOMPポンコツって事になるけど」
目つきが悪い牧志
「うーん、実は全員植物説ってかなり衝撃的だな。
植物の体に俺達の記憶がダウンロードされて? 意図してやれれば世界がひっくり返りそうだ」
佐倉 光
「おっ、そうだな。
本当にそんな技術だったら面白……やべぇな」
使えるかどうかはともかく、今回のことについても色々見ておきたいなー
俺が増えたときのことはあいつらに止められたけどさー。
佐倉 光
このまままっすぐ行くのも何だしゲーセンにでも寄るか。
KP
あなた達は波照間と別れて現地へ向かう。
車でもよいし、電車と徒歩でも行ける距離だ。
途中でゲーセンに寄ることもできるだろう。

佐倉 光
波照間さんが居る間に「そっちの波照間さんこっちのと違う?」って訊けば良かったなと今更思う。
KP
確かに。会ったのは会ったわけだし、後でゲーセンで遊びながらor車内で言及しても。
そういえばゲーセン行くと気弱牧志の【INT】20がパズルゲームで光るかもしれない。
佐倉 光
そうそう、そこ期待してます。
波照間さんについては車内で話題に出そうかな。
KP
ですね。全員癖で助手席か運転席に座ろうとしそうだ。>車
佐倉 光
どうぞどうぞってやる。
『しんでなんかないよ』未経験の牧志に任せるのがいいかもしれないとおもったけど、
免許証とか面倒なことになるから、こっちの世界の二人で運転しようw
KP
一応気弱牧志なら見た目同じだからなんとかなりそ……う?
目つき悪い牧志と女牧志はアウト。

佐倉 光
「そういえばここには今5人牧志がいることになるんだな」
牧志 浩太
「5人? ……あ、そうか。あいつも入れれば、そうなるな」
あなたの頭のあたりに視線を移しながら、牧志が頷く。
女性の牧志
「あいつって、あの他の世界の俺が巻き込まれたっていう?」
牧志 浩太
「そう。あの時の」
目つきが悪い牧志
「佐倉さんの中に俺がいるのか。それも結構衝撃的だな」
佐倉 光
「残念ながら俺には知覚できないから何とも言えないけど、いるのは確からしいからさ。
並行世界のことは知っているし、案外この現象について何か知ってたりして」
弱気な牧志
「今どう思ってるんだろうな……。びっくりしてるかな」
牧志 浩太
「どうだろ、あの時あいつも俺達に会ってるはずだし。案外また増えたなーって思ってるかも」
佐倉 光
「まあー、連れてきて良かったのかたまに疑問には思うけどな。
俺が酷い目に遭いすぎるのに全部付き合わせてるみたいだから」
牧志 浩太
あなたがそう言ったとき、牧志たち四人は同時に目を見合わせて、めいめいの笑い方でふっと笑みをこぼした。
佐倉 光
四人にそうやって分かったように笑われると何か……気恥ずかしいというかかなんというか。
女性の牧志
「まあ、今の時点で全然違うから、違うよって思ってるかもしれないけど」
目つきが悪い牧志
「まあそうだよな。何かしら俺なら」
弱気な牧志
「だと……。思う。違ったら悪いけど」
牧志 浩太
『それでよかったって思ってるよ、俺なら。きっと』
その時だけ、三人の声が揃った。
佐倉 光
「……」
何故だかその言葉は素直に腑に落ちた。
佐倉 光
「説得力ありすぎ。そうだな、そう思っとく」
佐倉 光
車抑えるまでの間時間が余ってゲーセンで時間潰すことにしようか。
佐倉 光
「時間あるしちょっと寄ってっていい?」
牧志 浩太
「お、いいな。どうせ車すぐ空いてないみたいだし、寄ろう寄ろう」
女性の牧志
「いいな。こっちの俺達もパズルゲーム好き?」
牧志 浩太
「好き好き。パズルゲームも好きだし、図書館で暗号の本とか読むのも好き」
KP
「げーむ! する! さめちゃんとる!」
シローがゲーセンのポスターを見てふんすふんすと鼻息荒くしている。
見れば何やら色々催しをやっているようで、その中にパズルゲームの全店対抗大会! なんてのもある。

上位に入れば豪華賞品がもらえるらしい。
しかし四人以上六人以下でチームを組まねばならないそうだから、なかなかハードルが高い。

おや、実施日が今日だ。
佐倉 光
「サメかー。俺あまりクレーン得意じゃねぇんだよな。
誰か得意なヤツいたら助言してやってくんない?」
佐倉 光
「お、ちょうど6人いるじゃん。シローもやる? みんなで参加しようぜ~」
たぶんこのゲームやったことがなくても『牧志』なら問題ないだろうと思った。
シローも飲み込みは異様に早いし、結構頑張れるんじゃないかな?
女性の牧志
「俺もあまりクレーン得意じゃないんだよな」
目つきが悪い牧志
「俺も」
弱気な牧志
「俺も、ごめん……」
牧志 浩太
「そこ苦手なのは全員一緒か。足遅いのも一緒だったりする?」
女性の牧志
「あー、一緒」
目つきが悪い牧志
「俺も」
弱気な牧志
「俺も……」
KP
「やる! やるー!!」
シローは誘われたのが嬉しいようで、サメちゃんのことはすっかり忘れてぴょんぴょん飛び跳ねる。
女性の牧志
「えっ、全員で? しかも全店対抗大会が今日って、運よすぎだろ。やるやる」
牧志 浩太
「今日だったのかこれ。いいな、やろうやろう。
フルメンバーでやったことないんだよな、なかなか乗ってくれる友達いなくてさ」
目つきが悪い牧志
「いいな。これ六人チームでやれるとか、それだけで最高だろ」
弱気な牧志
「え、でも、また世話になっちゃうし……」
佐倉 光
「いーんだよどうせ時間あるし。
俺もフルメンバーでやってみたかったんだ」
やる気あり、と見たら即申し込みを始める。
名前……
佐倉 光
「なんか適当に名前入れて」
自分は「Crow」と入力する。
シローはとりあえずお試しって事でこっちで入れてしまおう。「Shimaenaga」でいっか。
佐倉 光
別に鳥類縛りじゃなくていいよ!!
KP
なるほど鳥類縛り!
佐倉 光
佐倉はまあカラスでヨシ、シローは『白』で可愛いからシマエナガね、程度の軽い意味しかないから。
弱気な牧志
「ごめん、ありがとう。帰れたら、絶対返すから……」
気弱牧志もやりたい気持ちは大いにあったらしく、申し訳なさそうではあるが嬉しそうに、ほのかに笑う。
佐倉 光
「いいよこれはおごりってことで」
牧志 浩太
「お、鳥類縛り?」
牧志が台に向かいながらそんなことを言う。
KP
面白いので表で拾っちゃった。
佐倉 光
「別に縛りってワケじゃないぜ。なんとなくだ。
鶏や白鳥よりはそれっぽいだろ?」
牧志 浩太
「そっか。じゃあ俺鶏で」
牧志は「Yakitori」と入力する。
女性の牧志
「じゃあ俺これで」
女牧志は「Mendori」だ。うーん。
目つきが悪い牧志
「鳥類どころか鶏縛りになってる。鶏から離れろって」
目つき悪い牧志は「Hakuchou」と入れた。……目つき悪いあひるの子?
弱気な牧志
「えっ、えっ鳥、鳥……」
目つきが悪い牧志
「だから別に鳥類縛りじゃないって」
弱気な牧志
結局、気弱牧志は「Chicken」と入れた。
佐倉 光
ちきん……
弱気な牧志
自虐ではなく、咄嗟に思いついたのがそれだったらしい……。
KP
全員入れ終わると、チーム名を入力する画面になった。
佐倉 光
「結局鳥ばっかりだな。Wingsでいいか。焼かれてるのもあるけど」
ポチポチと入力する。
遊んだことないみんなに軽くルールを説明しよう。
牧志 浩太
「まあ、焼いても手羽先になるだけだし」
そんなこと言う牧志の横で、シローが意気込み十分にルールを復唱している。
女性の牧志
「こっちとルールは一緒だな」
目つきが悪い牧志
「らしいな。行けそうだ」
弱気な牧志
「俺も、大丈夫……」
佐倉 光
「よーし、乗り込むぜ!」
皆の顔を見渡して、ゲームスタートだ!
牧志 浩太
「ああ」
女性の牧志
「ああ!」
目つきが悪い牧志
「ああ!」
弱気な牧志
「……うん」
KP
「のりこむー!」
KP
あなたの号令に、五人が一斉に返事した。
KP
このゲームは反射神経とひらめき、気づきの速さと思考速度が物を言う。
チーム戦の場合、それに加えてメンバーの連携も重要だ。
KP
シローは期待した通り呑み込みがよく、初プレイで子供とは思えないほどの速度で盤面を己がものにしていく。
牧志 浩太
牧志と女牧志は意気込み過ぎず、見慣れたプレイスタイルで着実に点数を取っていく。
目つきが悪い牧志
目つき悪い牧志は二人に比べて意地の悪い問題が得意なようで、二人が取りこぼした所を着実にカバーしていく。
佐倉 光
よーしよし、さすが牧志だ、制圧が正確で早い。シローも期待以上。俺も負けてられ……
KP
しかし。
弱気な牧志
一番目を惹くのは、気弱な牧志だった。
おずおずと手を伸ばすのに、解く速度が異様なほどに速いのだ。
その上、界隈で「10秒以内に解いたら自動プレイ扱い」なんて言われている程に難しい問題を次々と解いていく。
まるで最初から答えを知っているような、目が無数についているかのような正確さを備えて。
佐倉 光
「なに!?」
目を離した隙に塗り替えられてゆく盤面に目をみはる。
佐倉 光
「おい、おいおいおい」
佐倉 光
「おいおいおいおい、なんだこりゃあ!?」
思わず声を上げてしまった。手はゆっくり動いているように見えるのに、全てが的確。リアルでTASを見ている気分だ。
弱気な牧志
不安そうな彼の手の中で、盤面が瞬く間に塗り替えられてゆく。
筐体付属のボイスチャットは驚愕のざわめきに満たされ、Web実況のチャット欄も『すごい奴がいる』『業者じゃないのか』『これTAS動画だっけ』なんて叫びで満たされていく。
佐倉 光
「お、いけねっ」
思わず手を止めてしまっていたことに気づき、慌てて自分の領域に手を伸ばす。
牧志 浩太
牧志と女牧志が揃ってぽかんと手を止めている。
一足先に我に返った目つきの悪い牧志が、慌てて二人に声をかける。
目つきが悪い牧志
「手、手止まってる! 絶好のチャンスだぞ!」
牧志 浩太
「あ、あああ、ごめん!?」
佐倉 光
できる限り集中を切らさないように解く、解く、解く。
けっして遅くはない。むしろ早い。自信がある。
だがそれでも追いつけない!
人間業ではない。
その速度に僅かな恐怖を感じるほど。
佐倉 光
「未来が見えるのか!?」
思わず叫んだ。
弱気な牧志
彼はすっかり集中に入り込んでいるのか、あなたの叫びにも振り向く様子はない。
彼の集中が深まるほどに速度は増し、時折ミスをしはじめるのは肉体の速度が思考に追いつかなくなりつつあるのだ、と分かる。
牧志 浩太
牧志たちもシローも、筐体の向こうの対戦相手たちも、ただ彼の速度に追いすがるだけで精一杯になっていた。
佐倉 光
ついに盤面を制圧し、Wingsに勝者の採決が下ったその時、
佐倉 光
「アァァァァァくそッ!」
勝利したチームのメンバーとは思えないような悲鳴を上げていた。
チームが盤面を圧していようと、勝利者は彼一人だ。そう思えてならなかった。
弱気な牧志
「ひっ、ご……、ごめん、」
あなたの悲鳴に、集中から抜けた彼が身をすくませた。
その姿から化け物じみた気配は消えていた。
KP
『お前らスゲーな何あれ!? 死ぬかと思った!』ボイスチャットの向こうから、驚愕と称賛の声が聞こえてくる。

上位どころか飛び込みで優勝を掻っ攫ったあなた達に贈るべく、店員が賞品を用意している。
佐倉 光
「おい、もう一度だもう一度! 今度はソロで! 見たい! 見せろ!!」
ながらでなんてもったいなさ過ぎる! 是非とも最初から最後まで余さず見たい!
もうたった今までの大会がどうでも良くなるレベルの衝撃だった。
弱気な牧志
「あ、あ、ええ?」
牧志 浩太
戸惑う彼の前で、うんうん、と三人が頷く。
目つきが悪い牧志
「いまいち自覚のない顔してるけど、さっきのお前のプレイ凄かったんだよ」
牧志 浩太
「ああ、凄かった。優勝できたの、完全に君のおかげだよ。
というわけで、あのプレイ見たいからもう一回見せて」
牧志が少し強引にコインを追加する。彼も相当見たいらしい。
弱気な牧志
「あ、えっと、分かった」
おずおず、と彼は大会を終えた筐体に手を伸ばす。選択するのは最高難易度。

恐れるような手つきで指先が盤面に触れる。
少し慣れだしたのか、先程よりも速いほどのペースでトップスピードに向けてギアが入っていく。

気づけば指先だけでなく、彼は腕まで使っていた。考えているとは到底思えない、フラッシュの速度で答えに至る脳を一瞬遅れで追いかける肉体。

もしもそこに肉体が必要なかったならば、タイムは最小値以下で計測不能になっていたかもしれない。
そこに時間という概念はなかった。
牧志 浩太
「……」
三人は口まで開けて彼の指先に見入っていた。
KP
周囲には同じようにして、彼のプレイに見入るギャラリーができていた。
佐倉 光
「すげぇ……」
自分があそこに入って戦えるとは思えないほどの実力差。
あれは人の肉体に納まっていてはいけない存在だ。完全に肉体の反応速度が邪魔をしている。
悔しい、と思った自分が恥ずかしくなるほどだ。
戦えない。完全なる格上だ。
その動きの意図が読み切れない。
全く意味のない一手に見えたものが着実に効力を発揮してゆく。ひっくり返す起点となる。
終った時には無意識に拍手をしていた。
牧志 浩太
「すごい、意味わからなすぎてすごいとしか言えない」
あなたの拍手を起点に、我に返った牧志たちとギャラリーたちの控えめな拍手が、プレイを終えて息を吐く彼を取り巻く。
目つきが悪い牧志
「何てコメントしたらいいんだよこんなの。すごい以外に何も言えない。理解できてる自信ないもん、俺」
女性の牧志
「ものすごいもの見た。えっさっきの動画上がってるよな? ちょっとスマホ見せて、スロー再生する」
弱気な牧志
「え、えっと、そんなに凄かったのか」
牧志 浩太
「凄い。なんでこうなるのかさっぱり意味がわからない。ちょっとこれ後でゆっくり読み解きたい」
佐倉 光
「俺も俺も! 動画転送して!」
純粋にもう一度見たいと思った。
牧志 浩太
「するする、これ」
牧志があなたのスマートフォンに動画を転送する。
その顔は興奮の汗に濡れ、サングラスがずれているのにも気づいていない。
佐倉 光
「えぇぇぇ、すげぇな、やり込みまくって全パターン覚えているとかいう前時代的な奴!?」
それにしたって判断が早すぎるのだが!
牧志のサングラスはそっと押し上げておこう。
牧志 浩太
「えっ、でもこれこことかパターンで切り抜けるの無理だろ、あの時複数人だったし、こことか状況で変わるはずだし」
弱気な牧志
「えっ、え、普通に見てるだけだけど……」
牧志 浩太
「ふつう。ふつう?」
牧志は驚きと興奮のあまり、あなたがサングラスを押し上げてくれたことにすら気づいていない。
佐倉 光
「普通はできねぇんだよそんなこと!?
何お前電脳化でもしてんのかよ!?」
思わず再アナライズした。
KP
出てくる結果は変わらず、[ HUMAN ][ 邪神 ] のままだ。
弱気な牧志
「えっ、え、覚えてないけど俺の中何か入ってる?」不安になったのか、自分の頭をこんこん叩きだした。歯車の音がしたりはしない。
目つきが悪い牧志
「これで自覚ないってのも凄いな」
佐倉 光
「入ってないならむしろ入れるべきかもしれないな。勿体ない」
思わずそんなことを呟いてしまった。
佐倉 光
「……あ、優勝だな優勝」
賞品を手に持ったままスーパープレイを見ていた店員を見て、今更のように呟いた。
KP
店員まですっかり我を忘れていた。
あなたの声にはっと気がつき、「チーム[Wings]の皆様、ゆ、優勝おめでとうございます!」と大きな拍手を送ると、代表者であるあなたに賞品を手渡す。
KP
中身を見れば人数分のトロフィーと、商品券が入っていた。
全員で分けても夕食代と、あと何か好きな物を買うくらいにはなるだろう。
佐倉 光
「お、すっげぇ豪華! やったな」
相手が完全格上だと理解して、やっと喜ぶ余裕ができた。
まあ、後で研究はするけどな!!

みんなに賞品分けて、もう少しここで遊んでから買い物して祝杯挙げに行こう。
遊ぶ気満々である。
牧志 浩太
「やったな! みんな、これなら何か買えるな」
女性の牧志
「だな。こっちでの記念すべき初持ち物か、何買おうかなー」
目つきが悪い牧志
「本当はPC欲しいけど、さすがに手が届かないな。何にしようかな」
弱気な牧志
「あ、よかった、さっきのご飯代とここのコイン」
牧志 浩太
「コインはいいよ。優勝できたの君のおかげだし、参加できたのもみんなのおかげだしさ」
KP
件の墜落? 現場はただの町外れで、周辺一帯が立入禁止になるほど人けのない場所でもない。
少々遅くなっても問題ないだろう。
佐倉 光
「返さなくていいよ。いいもん見せて貰ったしさ」
佐倉 光
「シローも頑張ったな! 目茶苦茶いい感じだったぜ!」

同じような顔をした四人組の、奇跡のような勝利だ。
あまりここに長居しては面倒なことになるかも知れない。
佐倉 光
「さっさと移動しようぜ」
牧志 浩太
「だな」
KP
「ぼくがんばった! みんなもがんばった!」
シローは商品券の分け前とミニサメちゃんぬいぐるみ(メンバーに子供がいたのでくれたらしい。店員の計らいだ)を手に満面の笑みを浮かべる。
佐倉 光
この近くのショッピングモールで買い物をしよう。

KP
あなた達は近くのモールへ移動する。
ゲーセン内は大盛り上がりだったが、出てしまえばいつも通りの平穏だ。

よく似た顔の四人にちょくちょく気になるの視線が飛んでくるが、それ以上のものではない
佐倉 光
「GPSトラッカーつきのキーホルダーかアクセサリー……」
佐倉 光
「いやー、どうなんだそれは」
ぶつぶつと呟いている。
佐倉 光
束縛強い彼氏がついに常時位置把握までしようとしてくる。
牧志 浩太
「お、この前の話?」
佐倉 光
「……まあな。電池消耗少ない、充電要らないタイプのヤツで、自分が押した時だけ発信するタイプならアリかなと思って」
佐倉 光
「いや、けどそれじゃあ前回みたいなのには対応できねぇか。
けど常時発信だと電池が持たねーよなぁ」
そんなことを言いつつぶらぶらする。
佐倉 光
焼き鳥のキーホルダー眺めてしばし考えていた。
これに仕込んだらどうだろう。
いやいくらなんでもこれは……邪魔になるやつ。
佐倉 光
買い物はいいものを思いつくまで保留にしようかな。
佐倉 光
これ同じ事を浩子さんとこでもやってたら、友人に本格的に心配されそうだ。
牧志と佐倉は日常においても常に雪山で声をかけ合うがごとく
メッセージのやりとりしてる。
という書き方をしたらそこまでまずい感じではない!
女性の牧志
「ああ、GPSの話? うちは常時発信型。
毎日充電して、信号が切れたり一定範囲内から出たら佐倉さんの所でアラート上がるやつ」
女牧志は何気ない手つきで耳飾りに触れる。
そういえば、彼女の耳飾りは三人と違って大ぶりなものだ。
女性の牧志
指先が耳飾りを弄る。
「だめだ、受かってない。大事な時に壊れちゃ意味ないな」
彼女は寂しげに苦笑した。
目つきが悪い牧志
「えっと、常時位置把握されてる」
女性の牧志
「? うん」
目つきが悪い牧志
「…………」
目つきの悪い牧志が、大層解釈に困っている顔をした。
佐倉 光
「耳飾りにGPSつきはさすがにでかすぎねぇか……」
女性だからお洒落なもんつけてるんだなと思ったのに、真相を聞くとちょっと寒気がした。
いやまあ確かに、素裸でこちらに現れたのについてきた耳飾りは、肌身離さずという点では優秀ではあるんだろうが……
佐倉 光
牧志と暮らし始めた経緯といい、あっちの俺やべーやつじゃないのか。
で、目つきの悪い牧志の反応を見て、「やっぱり常軌を逸しているし、それを普通に受け取っている牧志もちょっと変じゃないか」と思った。
友人がやばい男に捕まっているらしい
KP
A: 実行済み
友人にはちゃんと(?)心配されていそう。なんなら友人を大いに悩ませてそう。
「ああああ止めた方がいいの説得? 説得よね? 自由意志の範囲超えてるよねアレ!? でも当人困ってなさそうだし、でも困ってなさそうですまないでしょ、誰かこういう事案に詳しい人ー!」ってなってる友人、たぶんいる。
佐倉 光
いるね。
東浪見ポジになっていそうな女友達が悩んでそう。
そういえば仮リプレイに追加した文言。
レッドデッド周りについて。浩子さんとこの事情。


多分長いこと煮詰めた感情が、理性吹っ飛ばしたついでに爆発しちゃったみたいな感じではないかと。
翌日自分のやらかしのあまりの重さに太陽光の下に出たりしてそう。
KP
あっ読ませて頂きました。
もともと煮詰まってた感情+牧志が女だったから余計に煮詰まってしまった感情が大爆発しちゃったかー。
太陽光の下に出る佐倉さんを牧志が大丈夫、大丈夫だからって必死に止めて、それで余計に関係性を形にするチャンスを失ったままよくわからん関係で落ち着いてしまいそう。
佐倉 光
ところでさすがにログにするとき全員「牧志浩太」だとわけわかんないので、名前と色変えようかなと思ってます。
正直普通の牧志さんと浩子さんの区別がつかないことがあるw
KP
それはそうですよね。アイコンの色とか変更して区別つくようにしようかな。
そう目つき悪いのと気弱はともかく、そこ二人は分からないなって思った。
佐倉 光
口調全く同じ、自分の話するとき以外は大体反応も同じですからね。
よくわからん関係になったの佐倉がやらかした上逃げたせいかぁ。
KP
そうなりますねぇ。
佐倉 光
反省しなさいwww
KP
当の牧志が何ら反省を促さない。
佐倉 光
なるほど呪……魔法の耳飾りをお渡しすればいいんですね。
KP
ということですね。

佐倉 光
「なあ牧志、いくら何でも……」
牧志 浩太
「ああ、なるほど耳飾り。
確かに、耳飾りなくなったパターンってないな」
牧志は動揺…… しなかった。いい案聞いた顔をしている。
佐倉 光
「えぇ……」
牧志の顔見てちょっと引いてる。
女性の牧志
「慣れると装着感ないよ」
そこではない。
佐倉 光
「本人不満ないならいいけどさー」
俺なら絶対嫌だけどな。
牧志 浩太
「あー……、いい案かと思ったんだけど。
佐倉さんなら悪用しないだろうしさ」
あなたがちょっと引いているのに気づいて、牧志は苦笑した。
悪用するしないの問題ではない。
佐倉 光
「悪用する気は今はねぇけどさぁ……
俺は、自分のことが一番信じられない時があるから、常時ってのはさすがに」
実際それで牧志を殺しかけたときだってあったわけだし。
佐倉 光
しかし前回みたいな事件はGPSがあれば何とかなった可能性も……ううむ。
KP
「とりちゃんー。さめちゃんとりちゃんたべる?」
シローはキーホルダーを気にしている。
佐倉 光
「サメが鳥……射程範囲にいたら食うんじゃないかな、ってそういう話じゃない?」
KP
「じゃあ、とりちゃんかうー」
シローは焼き鳥のキーホルダーを買っていた。食べ物?
佐倉 光
「食べ物なんだ……」
食べ物なら魚の方が良くね? と思わなくもない。
というか焼き鳥を「とりちゃん」と表現するのはどうなんだ。
相変わらずシローは独特の感性を持っているな。
これが「自由な子供の発想」というやつなのか、シロー独特のものなのか、正直よくわからない。
佐倉 光
「よし、じゃあその辺まわってみるか」
近い店から順に巡ろう。
メモにスマホを欲しがる牧志ってのは珍しいなぁ。
牧志 浩太
「ああ……、まあ、確かに。
俺も佐倉さん殺しかけたり、教祖になっちゃったりしたしな。
どうするかは、ちょっと考えるか」
互いの様々な「やらかし」を思い出したのか、牧志は苦笑する。
目つきが悪い牧志
「あー、うん。とりあえず置いといて。
電器屋寄っていいか?
流石に回線やPCは買えないけどさ、メモ代わりに古いスマホでも買おうと思って。何かないと落ち着かない」

目つき悪い牧志が気まずそうに咳払いをした。
女性の牧志
「あ、じゃあ服屋寄りたい」
それを聞いて女牧志が言い足す。
佐倉 光
服か、なるほど。
言われれば下着まで知らない(?)男の借りてるってのは居心地悪いだろうな。
弱気な牧志
「じゃ……、じゃあ、手帳、買いたい。あとペン」
気弱な牧志が恐る恐る言う。
佐倉 光
こっちの牧志はいつもと変わらないなぁ。
さっきまでの神がかったようなオーラが嘘みたいだ。
佐倉 光
「……」
佐倉 光
「お前、生贄にとられそうになること多くない?」
弱気な牧志
「どうだろ、あるかも……。
自信ないけど、たぶん、ある。今も見られてる気がする」
ふるふると気弱な牧志は天井の隅を見て身を震わせた。そこには何も見当たらない。
佐倉 光
「!」
佐倉 光
「……何もいないように見えるけど」
そちらの方向にアナライズしてみる。
KP
アナライズをかけると[ 幽鬼 ] の僅かな反応があった。
時折いる、無害な破片のような悪魔だ。
人が存在に気づくことはそうそうなく、あちらから何かしてくることもない。
気づいてしまうとちょっと鬱陶しいが、気づかなければそれで済むものだ。
佐倉 光
「ああ、何かいるな。よく気付いたなぁ、あんなの」
佐倉 光
「大丈夫、害のないヤツ。ただの幽鬼だ。ぼやっといるだけだから無視しとけよ」
弱気な牧志
「そっか、ありがとう……」
気弱な牧志は一度ぎゅっと目を閉じて、天井の隅のそれから目をそらす。

KP
ここから一番近いのは服屋で、続いて文具屋。
スペースの絡みか、電器屋はちょっと距離がある。
KP
よく見るファストファッション店は高く明るい天井と、爽やかなイメージのポスターであなた達を出迎える。
色とりどりの布の中で楽しそうに服を選ぶ人々の姿は、花屋の風景に少し似ていた。
女性の牧志
「じゃあ選んでくるよ」
女牧志は手を振ってレディースコーナーへ消える。
ついていってもよいし、行かなくてもよい。
佐倉 光
ついては行かないよ、さすがに。
佐倉 光
……いや、一人にしたら危険、なんてことはあるか?
あんな常時見張られることを肯定的に考えるヤツだ、こちらの想定以上に狙われやすいという可能性も……
佐倉 光
ふと、思い至った。
そこまで監視するほどにあの牧志を心配しているらしいあっちの世界の俺は、今一体どうなっているんだろうか。
佐倉 光
「……」
佐倉 光
たまには監視から外れんのもいいんじゃないかな。
無責任にそんなことを思った。
一応服屋の方は見ておくけど、中まで入っていくことはしない。

ひとこと
佐倉 光
世界が違えば人も違い、佐倉と牧志の関係も変わってくる。
とはいえちょっとそれはどうなんだ一体何したんだ佐倉、そして何それを受け入れてるんだ牧志!?


【置】CoC『しんでなんかないよ』 牧志&佐倉 5

知らなかった? 俺は狂ってるんだよ、最初から。

CoC『Switch』子供佐倉&牧志 1

またかよ。またかよ。準備してもこうなるのかよ。
意味ねーじゃん!?

CoC『欠落コディペンデント』牧志&佐倉 3

佐倉さんがあの時休むのを嫌がったのは、きっとこんな気持ちだった。

【クトゥルフ神話TRPG】
本作は、「 株式会社アークライト  」及び「株式会社KADOKAWA」が権利を有する『クトゥルフ神話TRPG』の二次創作物です。

Call of Cthulhu is copyright ©1981, 2015, 2019 by Chaosium Inc. ;all rights reserved. Arranged by Arclight Inc.
Call of Cthulhu is a registered trademark of Chaosium Inc.
PUBLISHED BY KADOKAWA CORPORATION 「クトゥルフ神話TRPG」


CoC『鱗の眼』牧志 浩太

その食べ物は、すっかり俺の好物になってしまった。──その一杯には、相棒と駆け抜けた夜の思い出まで一緒についてくるから。

BEAST BIND 月が見ている 第二章 エイプリルフール

四月馬鹿

【置】CoC『レミングス・ドリーム』牧志&波照間&佐倉 1

「オマエ、あのバカがどこにいるか知ってるか」