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こちらには
『おまえが猫耳メイドになるんかい』のネタバレがあります。
こちらはPC視点がデフォルトオープンになっています。
また、こちらは無料版として単品公開されていた版のプレイ記録です。

牧志 浩太

お人好しで温厚、だが意思は強い好青年だったが……。
とある事情で二年より前の記憶の大半を失い、代わりに悪魔使い波照間紅の記憶を持っている。
首から胸へと続く奇妙な【契約】の痣がある。たまに痛むという。
生贄体質らしく、事件に巻き込まれることが多い。

佐倉とは友人。


佐倉 光

サマナーで悪魔退治屋。ハッカーでもある。
基本、知性・理性・効率、そういったものを重視する冷静な青年。
とある事件より、体中の痛みに悩まされているが、桜色の勾玉により少し改善した。
巻き込まれ体質らしい。

最近、遭遇した事件で恐ろしいものを目撃したことで、繰り返し再発する記憶障害にかかっている。

牧志とは友人。


とある事件以来、特殊な事情のため二人が面倒を見ることになった少年。
超美形で類い希な理解力と知性を有する。
年齢は7歳程度。生育環境が特殊だったため、一般的な教育を受けていないので、言語が年齢の割に幼い。最近になって急に一般的な生活を送り始めたので、外界への興味が強い。


KP
まさかガチでこいつ(ふざけて作った猫佐倉)の出番が来るとはな!


牧志 浩太
ふふふふふそういえばwwwありましたねwww
やっぱり猫モチーフは佐倉さんの方が圧倒的に似合う。牧志は見た目が犬系なんですよね。
レトリーバ・柴系似合いそう
佐倉視点(ネタバレ)
KP
あなたは目を覚ます。周囲は暗く、体には激痛が走っている。そしてあなたを目覚めさせた衝撃と音が再び暗闇の空間を揺らした。
すぐ目の前に同じように誰かがいるのは分かった。
そこは真の暗闇というわけではなく、わずかな隙間からかすかな光が差し込んでいて影の中にうっすらとものが見える。
誰かの息づかいが聞こえる。
佐倉 光
スマートフォンには触れるかな。
KP
残念ながら、あなたはとても狭い箱に詰め込まれているようで腕が自由に動かせない。スマートフォンが入っているズボンのポケットには手が届かず、いつものポーチもない。
ただただ体に激痛が走り、ものがまともに考えられない。
分かるのはただ、自分の命が脅かされている事だけだ。
佐倉 光
ディア応急手当で自分の傷を癒やそう。
KP
ぼんやりと輝いた命の光の向こう、真っ青になった牧志の顔が見えた。
ようやく状況が見えてくる。あなたと牧志は箱に詰め込まれている。牧志が下、あなたは上に被さるように。足は適当に折り曲げられていて少し痛んだ。
牧志は生きてはいるようだが、全身に酷い傷を負っているようだった。服は破れ、血を流し、気絶しているのか、反応がない。

その姿を見てあなたは思い出す。
牧志とあなたはトラックにはねられたのだ。
はねられた、といっても軽い接触で済んだあなたは自由に動けないながらも通報して助けを求めようとした。
しかし、トラックから降りてきた男達はあなたが生きていると見るや、暴行を加えたのだ。
そして気を失い……気がついたらここにいた。
佐倉 光
良かった、と息をつく。牧志は死んではいない。自分も。
しかしここはどこだ。
ひとまず牧志を起こそう。
佐倉 光
「おい、牧志! 起きろ!」

牧志視点
KP
思い切りトラックで跳ね飛ばされたような衝撃だった。
佐倉だ。
佐倉があなたをのぞき込んできている。

見慣れた真っ黒な目。を縁取るアイメイク。
いつも以上に白い肌にうっすらとピンク色。
口には……口紅。

黒いワンピースの上に白いエプロンを着用している。
肩を縁取る白いフリル。
きゅっと絞られた腰からふんわりと膨らんだスカートの先も白いフリルと
黒いリボンで丁寧に可愛らしく飾られている。

そう、つまり、佐倉がメイドになっている。

いや。それだけではこの衝撃を言い表すに不十分だ。

佐倉のほっそりとした手はゆるいグーを作っている。
頭にはホワイトブリムが揺れていたが、それよりもむしろもっと衝撃的な事に、
彼の黒い髪の毛の中からぴょんぴょんと飛び出ているのは、
変にリアルな猫の耳。あざとく可愛らしく片耳が少しだけ寝ている。

そう、つまり、佐倉が猫耳メイドになっている。

いや、佐倉かこれ?
一応首元にヒランヤと勾玉とクリオネはさがっているようだが、
それらは真っ白なブラウスのひだと……そのささやかながらある胸の谷間に埋もれていた。

胸。
おっぱい。
生物学的にXX染色体を持つ人にあるやつ。
そういえばいつもよりほんのり肉付きがいいかもしれない。
佐倉 光
「おかえりにゃさいませご主人様!」
KP
佐倉っぽいひとはバカデカボイスでそう叫んだ。
その声は間違いなく佐倉だった。

SANチェック成功時減少 0失敗時減少 1



おまえが猫耳メイドになるんかい

サワガニ 様 作


牧志 浩太
んんんwwwよろしくお願いしますwww
KP
よろしくお願いします。
KP
あ、牧志君はいつも通りです。
服装は自由ですけど。
本編見る!
牧志視点
牧志 浩太
1d100 65 《SANチェック》 Sasa BOT 1d100→40→成功
牧志 浩太
えっえっ何これなんだこれ。

俺がメイドで?
メイドが俺で?
猫? じゃなくて猫耳だな?
佐倉さん結構腰細いなじゃなくて?

春日さんよりちょっとあるくらいかな違う違うそうじゃない。こんな所で名前出してごめん俺の記憶の中だけど。
ある共通点がある人達の姿が頭の中を巡る。ごめん。
共通点……佐倉の方があるんだ……
牧志 浩太
目を白黒させる。
一度目を閉じる。
開く。同時に手も握って開いた。

夢じゃないっぽい。
牧志 浩太
出会った一瞬で色々考えてこういう時だけは俺ってもしかして頭の回転速いかもしれないな何だこれしか考えられないけどな、

で、

牧志 浩太
「…………へぇっ!?」

結局でかい声で叫び返すことしかできなかった。
佐倉視点(ネタバレ)
佐倉 光
良かった、目が覚めたみたいだ。
佐倉 光
「大丈夫か、牧志」
傷に触れてディア応急手当で傷を癒やそう。

牧志視点
佐倉 光
「いっぱいいっぱいご奉仕するにゃん!」
佐倉はあなたの頭にすっと手を触れた。
佐倉 光
「ご主人様幸せになぁれ~☆」
ハスキーボイスだ。
1d100 49 《おまじない☆》 Sasa BOT 1d100→48→成功
KP
何だか心があったかくなった。

佐倉視点(ネタバレ)
KP
効果はあったようだ。少しだけだが牧志の顔色が良くなったように思える。
だが、その視線はあなたを見ているようで見ていないと感じるだろう。暗くて良くは分からないが……

牧志 浩太
「えっえっ……」
牧志視点
牧志 浩太
幸せになぁれという祈り。
発した人の状況が何であれ声がちょっと聞いたことのない声であれ、投げかけられるその言葉は少し心を温かく……

いやほんとか? ほんとか!? 何かおかしくないか!?

牧志 浩太
「佐倉さんそんなこと言わないだろどうしちゃったんだよ」
牧志視点
牧志 浩太
その肩を掴んで揺さぶろうとする。
幸せになぁれなんて言わないだろ佐倉さん。

佐倉視点(ネタバレ)
KP
牧志は呂律の回っていない声であなたが誰なのか良く分かっていないような事を言った。
佐倉 光
酷い怪我だ、まだ意識が朦朧としているみたいだな。
「おい、牧志!
しっかりしろ。
まいったな、状況が分かっていないのか?」
KP
牧志の目は開いてはいるもののどんよりと濁っている。
佐倉 光
精神を侵されてはいないだろうか。〈精神分析〉を試みよう。

牧志視点
佐倉 光
「お帰り嬉しいにゃん。ありがとにゃん。
お席に案内するにゃん」
KP
佐倉はやんわりとあなたの手を取って、決して強引ではなく甘えるように席に引っ張ってゆく。

佐倉はいつもより背が高い。
いや、背筋が伸びているからそう見えるのだ。
確かにこの格好で猫背だと格好がつかないだろう。
その尻、スカートのフリルの下からは黒い猫尻尾がのぞいていてゆらゆらとやけにリアルな動きで揺れていた。

あなたを席に座らせて目をのぞき込む。
1d100 33 《ご主人様は元気かにゃ?》  Sasa BOT 1d100→80→失敗
佐倉 光
「精一杯頑張るにゃん!」

佐倉視点(ネタバレ)
KP
どんよりと濁った牧志の目は何もうつしていないように見えた。
ただの意識混濁なのか、狂気に染まっているのかどうかも良く分からない。
そもそも彼の内にまともな思考があるかどうかすら定かではない。
佐倉 光
「おいおい、まずいな。早く治療……」
KP
獣の気配がした。
箱の外に何者かがいる。
あなたを目覚めさせた衝撃も、箱の外にいる何ものかがこの箱に攻撃を加えたからだ。
佐倉 光
もの凄くやばい状態じゃないのか、これ。俺達、処分されようとしてる……?

牧志 浩太
「えっとここどこ? 俺はだれ? 佐倉さんどうしたの?」
牧志視点
牧志 浩太
混乱しきった顔で黒い眼を覗き返す。

〈心理学〉で佐倉さんが本気でそうしているのか、意図せぬものなのか探ることはできますか?  77です。
KP
こっちで振ろうかな。
🎲 Secret Dice 🎲
KP
1d100 77 〈心理学〉 Sasa BOT 1d100 → 80 → 失敗

KP
佐倉の目はメイドさんの目だ。
すなわち「精一杯頑張ってご主人様に幸せになって貰えるようにご奉仕するにゃん」というつよい決意だ。

ついでに言えばあなたはどうしてここにいるのかさっぱり分からないし、記憶も何だか定かではない。

牧志 浩太
「えぇぇえええ」
牧志視点
牧志 浩太
佐倉さんらしからぬ決意をその眼の中に見てしまった! 何だこれ!
今度は親じゃなくてご主人様!?
佐倉さん、何されちゃったんだよ!?

ついでに本当にここどこだ!?
佐倉 光
「佐倉光だにゃん☆ よろしくにゃん☆」

佐倉視点(ネタバレ)
佐倉 光
「今、俺達大ピンチだ。外に化け物がいる」
牧志の目を見て語りかけよう。

牧志 浩太
「えっえっ、えっとよろしく」
牧志視点
牧志 浩太
辺りを見回す。ここはどこだ。俺達何をされているんだ。
KP
ここはメイド喫茶だ。
佐倉と同じような格好をした女の子達が笑顔と愛嬌を振りまき、主に男性客がちらほらと腰掛けている。
にっこり笑った巻き髪のメイドさんがあなたの視線を捕え……

あなたの目の前に佐倉のほっぺを膨らませた顔が割り込んだ。
佐倉 光
「だめにゃんご主人様。こっち見てくれないとかなしいにゃん」
KP
言った次の瞬間には、にぱっ、と笑顔になる。
佐倉 光
「ねこちゃんメイドのイタズラっ!
ケチャップにゃんにゃんび~む・おむらいす お持ちしまーす!」
佐倉は軽い足取りで席を外れた、と思った次の瞬間にはもう手にふわふわと湯気を立てるオムライスを持っていた。

あなたの目の前に半熟の黄身がとろりと広がった美味しそうな大きなオムライスが乗った皿が置かれた。
鮮やかなパセリとカリッとした付け合わせのポテトがとても食欲をそそる。

佐倉はケチャップを手に取った。どうやらかけてくれるらしい。

佐倉視点(ネタバレ)
佐倉 光
「よろしく? 何言ってんだよ。まいったな。こんな時に……!
おい何見てんだよ、しっかりしてくれ。
俺達の命がかかってんだぞ」
KP
あなたの真剣な語りかけに、牧志は頼りないながらも返事をした。

牧志 浩太
「あ、あ、ああ……」
牧志視点
牧志 浩太
わけのわからないうちに状況に巻き込まれ、されるがままになってしまう。

牧志 浩太
佐倉さんのアイコンにこの台詞がついてるだけでもう震えるwww笑うwww
KP
前の話とのギャップよ。
牧志 浩太
それな
前話だってデートだったんだがな。

牧志 浩太
何だこれ何これ新手のヒナドリ? 今度は捕まって何されたんだ佐倉さん、いや俺も捕まってる?

とりあえずオムライスは美味しそうだけど食べていいのか? これ?
佐倉さん(?)の笑顔が眩しい……。
牧志 浩太
巻き髪のメイドさんやこの店に、見覚えはあるだろうか?
また、必死に直前までの記憶と、佐倉さんが何をしようとしていたか思い出そうとするが、思い出せるだろうか? マヂムリ?
KP
マヂムリ。
昨日までの事は何となく思い出せるんだけど。

この店には……牧志君は多分見覚えはないな。

佐倉視点(ネタバレ)
佐倉 光
「俺にも正直良く分からないが、これだけは確かなんだ。落ち着いて聞いてくれ」

牧志視点
佐倉 光
「うふん。ちゃーんと見ててねっ」
佐倉はウインクして見せると、ケチャップを逆さに持ち替えた。
佐倉 光
「おいしくなぁれっ・おいしくなぁれっ・にゃんにゃんび~む♪」
KP
ケチャップを妙に繊細に動かして、佐倉は楽しげに唱える。
ケチャップの上にはハートマーク……ではない。
メッセージが描かれていた。

「お前は猫の忍者に狙われている」

ケチャップなのに綺麗な字だ。
牧志 浩太
「うわぁああああ」
『うふん』にキャパオーバーを起こした!
思わず叫んで…… オムライスを見て……
牧志 浩太
「はぇ」

そうか、分かったぞ。
これは佐倉さんが、この状況の中で俺に何かを伝えようとしているんだ。
考えろ、考えるんだ、牧志浩太! 俺と佐倉さんの、あの、尊厳のために!

ホントニ?
牧志 浩太
一言言ったけど言語にならなかった。
ところで他のメイドさんは猫耳なのだろうか。
猫耳なのは佐倉さんだけ?
KP
ああ、他のヒトも猫耳ですね。
でも他のヒトの猫耳猫尻尾は佐倉みたいなフッサフサした感じじゃないかな。
牧志 浩太
なるほど。

佐倉視点(ネタバレ)
佐倉 光
「この箱の外に化け物がいる」
牧志 浩太
「うわぁああああ。
はぇ」
KP
聞いているのだろうか。それにしては反応がおかしいような気もする。
佐倉 光
伝えるべき事を伝えるしかない! 真摯に、語りかけ続ける。
佐倉 光
「俺達殺されかけてるんだ。俺は身動き取れない。箱の下の方に何かないか?」

牧志視点
KP
佐倉はあなたが声を上げた、と見るやスプーンで文字を塗り広げて読めなくしてしまった。

佐倉はそのままオムライスをすくい上げると、あなたの口に近づける。
佐倉 光
「さー、召し上がれ~♪」
牧志 浩太
間違いない。
この行動、これは佐倉さんからのメッセージだ。
きっと佐倉さんやこの人達は意図に反してこんなことをさせられてうわぁあああ!
KP
その吐息がかかるほどに近く顔を寄せてくる。
まつげが長い。爪は綺麗に整えられて、いつも彼がつけている勾玉のような桜色に輝いている。
牧志 浩太
佐倉さんなのにいい匂いがする! いい匂いがするのに佐倉さんだ! 佐倉さんからいい匂いが佐倉さんが柔らかくてああぁあああ!?
牧志 浩太
パニックのあまり口を閉じられない。
思わず怪しいオムライスを受け入れてしまうだろう。
KP
オムライスは……美味しい。半熟卵がケチャップライスにほどよくからみ、本格的なケチャップの酸味がアクセントを加えている。
あなたが困惑しながらもオムライスを受け入れるその耳元に、佐倉は囁いた。
佐倉 光
「このままだとお前は猫の忍者に殺されるぞ。
身を守る為の武器を探せ」
その額には汗が浮かび、瞳には焦りの色があった気がする。

牧志 浩太
「はっ!」
佐倉視点(ネタバレ)
KP
ほんの一瞬だったが、牧志に見つめ返された気がした。
佐倉 光
伝わった……?

牧志視点
牧志 浩太
その黒い眼と目が合う。

佐倉さんだ!
こんな状況だけど正気だ! 正気の佐倉さんが、いる!
助けを求め、巻き込まれた俺を助けようとしてくれている!
牧志 浩太
……大変だろうな正気でこの状況。後で憤死しないかな。
牧志 浩太
オムライスを食べる動きに紛れさせて、微かに、微かに頷く。

ここは敵地だ。“猫”が俺達を狙っている。
牧志 浩太
それなら探そう、“武器” を。
KP
おもろ。(裏でメモ取りながら)
牧志 浩太
おもろすぎる。
明らかに怪しいオムライスなのに受け入れさせてごめん牧志。
牧志 浩太
メッセージだ、暗号だ、と思うから一度も猫の忍者にツッコミが入らない。
KP
そういえばそう。
フツーに受けいけられている!
でも「ニンジャ」はシレッとなかったことにされてる!
牧志 浩太
突然のシリアスおもろ。
大丈夫ニンジャもちゃんと覚えてますよ!
KP
〈聞き耳〉をどうぞ。
牧志 浩太
1d100 97 Sasa BOT 1d100→75→成功
KP
微かに獣の唸り声が聞こえる。
ぶくぶく泡立つ様な、小さな生き物が胴体を震わせて声を絞る様な、そんな声だ。
それと外側の壁で爪研ぎをする音も。この音の主が猫の忍者なのだろうか。

店の他の皆は全く気が付いている様子がない。
狙われているのが自分だけだからだろうか?

佐倉視点(ネタバレ)
KP
外でガリガリと箱を引っ掻く音がする。どうやら化け物はこの箱が開けられずにいるようだった。内側のあなたが隙間から見える光などで得られる情報を総合すると、『あなたがたは箱に閉じ込められており、それを開けようとしている化け物がいるが、この箱をぐるぐると巻いているテープのようなものがそれを阻んでいる、という状態』のようだ。
佐倉 光
くそ、牧志がスマホ持ってりゃいいんだが、さっきからいまいち話が通じねぇ!
外の化け物が諦めるまで、ここで持ちこたえるしかないか……

牧志視点
牧志 浩太
「……」
オムライスを食べながら、こっそりと辺りの様子を窺う。

鋭い獣の牙を間近に感じたような気がし、背筋がひやりと冷えた。

ここは猫の腹の中なのではないか、そんな感覚さえ覚える。
牧志 浩太
まずは自分の持ち物と状態を確認。
持ち物やベルトポーチはちゃんとあるか。何か自分に変化は起きていないか。
KP
持ち物は……あると思う。ある。
あなた自身には多分……変調はない。
いや、軽い頭痛がするかも知れない。

牧志 浩太
「佐倉さん。トイレはどっちかな」
牧志視点
牧志 浩太
それから、トイレに行くふりをして大回りし、店内の様子をぐるりと確認する。

可能なら厨房の方も覗く。
また、獣の声と音がした方向を確認し、そのあたりで外の様子を窺う。
佐倉 光
「トイレはあっちにゃん。ごあんないするにゃん」
佐倉は何事もなかったかのようにニコニコしている。

佐倉視点(ネタバレ)
KP
牧志は真剣な顔でそう言った。
佐倉 光
「はぁ……!?
何? 切羽詰まっちゃってんの? こんな状況で?」
ぽかんと口を開け……
「いやいや無理無理無理! トイレとか無理だから我慢しろ!?」

牧志視点
KP
では、地図を提示します。
牧志 浩太
佐倉さんが正気だということが分かった以上、驚いたりすると佐倉さんに悪い…… ので。

なるべく平然としていたいんだけど。
佐倉さんにこんなことを強いている何者かに、俺の命を狙う何かに、本当は内心怒りたいんだけど。

だけど。
牧志 浩太
ごめん無理。
色々あんまりにもあんまりだ。
牧志 浩太
「ありがとう」
そんな諸々が拮抗して、何とも言えない表情になっているのを自覚しながら、大回り気味にトイレを目指す。
佐倉 光
「お役に立てて嬉しいにゃん♪」

佐倉視点(ネタバレ)
牧志 浩太
「ありがとう」
佐倉 光
「え? あ? はぁ? うん? やっぱお前まだ寝てる?」

牧志視点
牧志 浩太
「佐倉さん、あれは何? フォトスポット? 一緒に写真を撮ってもいいの?
あの人形が並んでいる所は何?」
牧志 浩太
途中、フォトスポットや花壇、ステージなどに気を取られているふりをして、そちらに近づくことはできるだろうか。
牧志 浩太
そういったことができそうなら、一通り回ってそれらと、それらの周囲の物の様子を確認する。

また、それらの物について佐倉さんに聞く。
KP
※それぞれは探索場所になるので、訪れるとなんかかんかあります。
佐倉はついてきてくれるみたいです。

一個一個見ます? どこからにしましょう。
KP
立ち上がって並んで歩くと……佐倉がデカい。
背が伸びているだけでこんなにも存在感があるものだろうか。
猫耳でかさ増しされているためだろうか。胸囲があるからだろうか。
さらに幅広のスカートを着用しているためだろうか。随分いつもより大きく見える。
KP
でかく見える要因だらけだった。なんならヒールも履いてるかも知れない。
牧志 浩太
それはでっっっかい。
何だか牧志が背丈を意識する局面が多い。
牧志 浩太
「……」
女の子になってるのに背丈同じなのか。
佐倉さん、こんなに背が高かったんだな。
佐倉 光
「……?」
KP
佐倉は微笑んであなたを見下ろしている。
牧志 浩太
しかもヒールやスカートで、余計に大きく見える。東浪見よりでかく見える。

遙か上に佐倉さんの顔がある気がして、何なら少し怖い。
もし今の佐倉さんが敵に回らされたら勝てないんじゃないか、そんな錯覚さえ覚える。
牧志 浩太
なんだか複雑だ……。
アイ、上から撫でてごめん。
今ならお兄ちゃん、あの時アイが怒った理由が分かるよ。

佐倉視点(ネタバレ)
牧志 浩太
「佐倉さん、あれは何? フォトスポット? 一緒に写真を撮ってもいいの?
あの人形が並んでいる所は何?」
佐倉 光
「え? フォト? なに? 写真? あの化け物の写真撮りたいのか? いやだめだぞ開けたら!?」
やっぱり寝てるー!? なんか楽しそうな夢みてるー!?
KP
がりがりと化け物が箱を引っ掻く。化け物は箱の中に何かいる事は知っていて、執拗に破壊しようとしている。
佐倉 光
このまま、牧志が正気になるまでなんとか持ちこたえて、二人であいつをなんとかする方法を……
KP
扉の隙間に爪が捻じ込まれた。外からの空気が流れ込む。
ほんのかすか、焦げ臭いにおいがした。

牧志視点
牧志 浩太
そういえば、獣の声や爪とぎの音がどの辺からしたかは分かるだろうか?
KP
獣の音や気配は、あまりにも微かだったので良く分からない。この店の外である事は確実だ。
……今もどこからともなくそんな恐ろしい気配を感じている気がする。
牧志 浩太
……気を取り直そう、気を。
いかにも何かありそうな、人形のあたりから確認する。
KP
人形が並んでいる。マスコットキャラクターらしき曖昧な輪郭の猫が3匹見える。両脇は大きく、真ん中は小さい。
佐倉 光
「このお店のマスコットだにゃん♪ カワイイでしょ?
しっかり見てくれよにゃん♪」
KP
佐倉はにっこり笑って示した。

なんだか、この両端の猫に見覚えがある気が……する。

【アイデア】で判定。
牧志 浩太
1d100 90 【アイデア】 Sasa BOT 1d100→82→成功
KP
頭がズキっと傷んだ。
そういえば、自分はこの猫耳メイドカフェに入る前に何をしていたのだろうか。
さっぱり思い出せない。

猫マスコットを見ていると、その目玉がぎょろっとこちらを見た。
鬱陶しそうに、厄介そうに、冷酷な目。

あなたはその目に恐怖心がある。
まるでこの目の持ち主に、命を脅かされたことがあるかのようだ。
牧志 浩太
「……!」
害意しか感じられない目つきに、ぞくりと背筋が冷えた。

そうだ。間違いない。
訳の分からない状況に見えて、俺は今、確かに命を狙われているんだ。
そして、きっと佐倉さんも。

牧志 浩太
「この子が? かわいいね」
佐倉視点(ネタバレ)
KP
牧志はあなたの横、扉の隙間の化け物の爪が飛び出ているところに手を伸ばす。
佐倉 光
「おい、触るな!」
手を掴んで押し戻す。

牧志視点
牧志 浩太
持ち上げられる大きさなら、そのマスコットを持ち上げてよく見てみる。
そのマスコットそのものや、それがあった場所に何かあるだろうか。
KP
手を伸ばす。
その指先が触れる瞬間、あなたは違和感をおぼえた。

真ん中の猫マスコットが木の枝になっている。
何かがぶつかって折れただろう枝に、血が付いている。
何かを忘れているのか、そもそも認識していなかったのか。
判断はできなかった。
SANチェック成功時減少 0失敗時減少 1
佐倉 光
「お触り禁止だにゃ~ん」
佐倉の手がソッとあなたの手を握る。やわらかい。あたたかい。
牧志 浩太
1d100 65 《SANチェック》 Sasa BOT 1d100→25→成功

牧志 浩太
「くそ」
微かに呻く。
佐倉視点(ネタバレ)
KP
牧志はおとなしく手を引っ込めた。
佐倉 光
さっきから話が通じているような通じていないような。
これはただ意識が朦朧としているだけなのか?
実はもっとまずい状態じゃないのか?
KP
化け物の爪が引っ込んだ。その隙間から僅かだが外が見える。
佐倉 光
思い切って外を見る。
KP
そこはどうやらどこかの山中に見えた。様々なガラクタが積み上げられたその場所はどうやら夜らしくあまり視界がきかない。
だが、光が見えた。
燃えている。
燃えているのだ。山積みのガラクタの一角が。
佐倉 光
火事!?
KP
どうやらあなた方はゴミ捨て場に捨てられており、そして近くでは火災が発生中。更に化け物に興味を持たれている状態のようだ。
大ピンチである。
佐倉 光
「おい、起きろ牧志! まずいぞ! 山火事だ! 俺達ゴミ捨て場で火事に遭ってる!」
牧志を起こそうと叫ぶ。

牧志視点
牧志 浩太
何が起きた。ここは何だ。俺は今どうなっていて、俺は何を忘れている。
牧志 浩太
そして確信した。

佐倉さんはずっと正気で、何かを知っていて、何かの目を盗んで俺にそれを伝えようとしてくれている。

あの一言だけ佐倉さんの口調に戻ったのは、きっとそういうことだ。
牧志 浩太
他に気になるものがなければ、横の花壇に視線を移す。
KP
屋内にもかかわらず幅広のプランターが置いてあり、植物が植わっている……のだが。
植えられているのは苔だ。大変地味だ。
変わり種の盆栽だろうか?

〈博物学〉もしくは【アイデア】/2
牧志 浩太
1d100 45 【アイデア】 Sasa BOT 1d100→38→成功
KP
それは苔ではなかった。
山だ。小さい小さい山の精巧なミニチュアだ。
苔に見えたのは小さな小さな爪楊枝の先ほどの木で、生えている植物はソヨゴ、アセビ、ツガ、ヒノキ、ミズナラ、カエデ。
みっしりと生えているため苔に見えてしまったのだ。
実際ミニチュアでこういう森を再現するときは苔を使うというが……
KP
奇妙な事に、その小さな山の奥底でゴミ山が燃えている。
フェンスに囲まれた場所に積まれている、というわけでもなく、本当にただ山の中腹に積まれているだけといったものたち。
細かいビーズのようなタイヤ、刻んだ紙くずのように見えるのは木材。
人目を忍ぶような道の果てに無造作に積まれたそれらは、不法投棄された廃棄物といった雰囲気を醸し出していた。
小さな山の煙は薄く、燃える炎は爪の先に灯せるかどうかという程度だが、何故かあなたの心に不安を呼び起こした。
牧志 浩太
「……」
普段ならきっと、その精巧さにため息をついたんだろう。

その美しさに似合わない光景。
燃える炎の中に無造作に積まれたものたちは、心に不安を呼び起こした。
牧志 浩太
そのゴミ山をよく見てみる。
山の木々に血痕はついていないだろうか。
ゴミ山の中に、炎の中に、見たことのあるものはないだろうか?
KP
さすがに細かすぎて血痕等までは良く分からない。
だが見れば見るほどに惹き込まれていきそうな精巧さだ……
古いタイヤ、壊れた家電、業務用らしい冷蔵庫、廃車になったバスのようなもの、
壊れた椅子に机、廃材に……

佐倉視点(ネタバレ)
KP
化け物がまた箱を殴った。
箱のふたの隙間が少し広がった。外からかすかに煙のにおいがする。
火事は少しずつ広がっているようだった。
佐倉 光
「おい、何ぼやっとしてるんだよ、早く起きてくれ!」

牧志視点
KP
ぽん、と後ろから叩かれた。
その衝撃はあまりに大きくて、そのミニチュアに突っ込みそうになった。
かすかな煙が喉を刺激する。なんだか咳がしたくなった。

牧志 浩太
「うわっ!?」
佐倉視点(ネタバレ)
佐倉 光
「くそっ、このままじゃ一酸化中毒でも死ねるぞ」

牧志視点
牧志 浩太
煙を吸い込んでしまい、思わず派手に咳をしてしまう。
KP
ミニチュアはあなたの咳で呆気なく吹き飛んだ。
佐倉 光
「ご主人様そんなに気になるにゃん?」

牧志 浩太
「あっ、ああ、ごめん」
佐倉視点(ネタバレ)
KP
牧志は庫内に溜まった土をいじり始めた。

牧志視点
牧志 浩太
思わずそれに手を出して拾い上げる。
パーツが散らばっていれば拾う。

拾い上げながらそれと、それがあった所を見る。
KP
指先につくのは茶色の土ばかりだ。
そんなに派手に吹き飛んだのだろうか。

牧志 浩太
「あれ、ないな」
佐倉視点(ネタバレ)
KP
牧志は指先を難しい顔で見つめている。

牧志視点
牧志 浩太
ミニチュアをよく見てみる。どうなっているだろうか。
KP
ミニチュアがあった場所には無惨にほじくり返されたような土が少量積もるばかりだ。
至近距離とは言え、小さくて軽いミニチュアとはいえ、
たかが咳ごときでそんなに痕跡もなく派手に吹っ飛ぶものだろうか?
あからさまにおかしい。
佐倉 光
「何か見つけたのかにゃん?」

佐倉視点(ネタバレ)
佐倉 光
「何か見つけたのか?」

牧志 浩太
「掘り返された土しかない。
ごめん、飛ばしちゃったみたいだ」
牧志視点
牧志 浩太
ミニチュアが飛ばされて落ちたはずの場所には何かあるだろうか?
佐倉 光
「だいじょぶだいじょぶ気にする事ないにゃん♪ ないにゃん!!!」
何故かバカデカボイスで強調された。
KP
ミニチュアが落ちたはずの床は磨かれていてつやつやと綺麗だった。

佐倉視点(ネタバレ)
佐倉 光
「お、おう、そうだな!? いいから起きて!? 起きてー!?」
KP
隙間から、火事が少しずつ広がりつつあるのが見えていた。

牧志視点
牧志 浩太
ないようなら、フォトスポットへ向けて歩く。
その途中で玄関を見る。
KP
フォトスポットは銀色でピカピカしていた。

佐倉視点(ネタバレ)
KP
牧志の顔色が見るからに悪くなってきた。
体温が下がっているような気がする。
佐倉 光
か、体が冷えてきてる! やべぇ!?
「おい牧志! 目を開けろ! 牧志ーーーー! 牧志返事しろーーーーーー!」

牧志視点
佐倉 光
「写真撮るにゃーーーーん☆ 撮るにゃーーーん!! 一緒に撮るにゃーーーーーーん!!!!」
KP
なんだか佐倉がテンションを上げている。
尻尾がくねくねして、耳がピンと立っている。
ぴょんぴょんと跳びはねて嬉しそうだ。跳ねるたびスカートがふらふらと楽しげに舞う。
KP
これは……ヒドイね。
牧志 浩太
これはひどい。
牧志がシリアスと頭が痛いの間を反復横飛びする羽目になっている!
KP
何言ってるんですかずっとシリアスなんですよ!?
猫忍者が狙ってるんですよ!?
牧志 浩太
ずっとシリアスなのにPLの背中が笑いでぷるぷるする不思議!
牧志 浩太
玄関を見てみるが、扉の外に何か見えたりはしないだろうか?
また、出入りする人はいるだろうか?
牧志 浩太
「……」
佐倉さん……。くそ、見ていると頭がくらくらしてくる。
この状況に惑わされている場合じゃないっていうのに。

思い出せ、波照間紅。佐倉さんは交渉のためなら案外何でもやるぞ! メイドでも! いや無理か。

無理だな。それは無理。

牧志 浩太
「一緒に撮っていいのかな? なら、一緒に撮ろう」
佐倉視点(ネタバレ)
KP
その声はぼんやりとしていて夢見るようだった。半分寝言のように聞こえた。

牧志視点
牧志 浩太
言いながらスマートフォンを取り出そうとする。
スマートフォンはあるだろうか? また、電波は通じているかも確認する。
KP
玄関マットには店名が書いてあるみたいだ。
とってもキュートでポップな字体で「三代目猪狐巳流狗組」と書いてある。

【知識】で判定。
牧志 浩太
1d100 75 Sasa BOT 1d100→9→成功
KP
三代目猪狐巳流狗組は最近ここいらで幅を利かせているヤクザだ。
自分はいつの間にか反社猫耳メイドカフェに来てしまったのかもしれない。

普通に可愛らしい店構えで、そういった要素は見えないのだが。

扉は白い木で作られていて、閉じているため外が見えない……

佐倉視点(ネタバレ)
KP
牧志がぼんやりとしたまま手を伸ばし、あなたの横にある隙間に触れようとしている。
隙間からはまたがりがりと執拗に引っ掻き続ける不穏な音がしていた。
差し込む光は少しずつ多くなってきている。
この箱を閉ざすものは着々と破壊されつつあるようだった。
佐倉 光
「だめだ牧志! 中から力を加えるな! 開いたら終わりだ!」

牧志視点
佐倉 光
「ご主人様ァ、まだご奉仕終わってないにゃん。
まだまだ帰るのは早いにゃん」
KP
佐倉が真剣な目で扉とあなたの間に割り込んだ。
彼……いや彼女の背後で、さっき聞こえた不穏な爪音が聞こえた気がした。
佐倉 光
「帰っちゃだめにゃーーーーん!! だめにゃーーーーーーん!!!」
佐倉 光
「帰ったら泣いちゃうにゃーーーーん!!!」

佐倉視点(ネタバレ)
佐倉 光
「この箱の外に化け物がいるんだ! この箱が開いちまったら俺達はひとたまりもない!
ぼやっとしていたら火事で死ぬ!」
佐倉 光
「ちくしょう、どうしたらいいんだよ! 俺達大ピンチなんだってばーー!」

牧志視点
牧志 浩太
「ああ、ごめんごめん。
見たことのある店名だなと思って見てただけなんだ」
まあ、そうだな。
当然、ただで出してもらえるはずがない。
牧志 浩太
改めてフォトスポットに向き直り、スマートフォンを取り出そうとする。
スマートフォンはあるだろうか? また、電波は通じているだろうか?
KP
スマートフォンはいつも通りに見えるが、ネットを繋げようとすると肉球がポスポスと画面を横切って画面を隠す。
電波の表示の前には黒猫が寝ていて見えない。
カメラアプリは普通に立ち上がるようだ。
牧志 浩太
くそ、気の抜ける妨害の仕方だ。

カメラアプリを立ち上げ、フォトスポットに立ち、佐倉さんと自分を入れて写真を撮る。

佐倉さんの横に顔を寄せて、なるべく背後のフォトスポットが広く画面に入るようにする。

佐倉視点(ネタバレ)
KP
牧志の顔色は悪くなる一方だ。さっきから返ってくる意味不明の返答も段々何を言っているのか良く分からなくなってきた。
佐倉 光
「牧志、起きろーーーーーー!」

牧志視点
佐倉 光
「はい、チーーーーーズ!」
KP
いつもより柔らかな髪があなたの頬をくすぐる。
……なんだろう。寒気がする。

〈医学〉または【CON】×5
牧志 浩太
1d100 60【CON】 Sasa BOT 1d100→14→成功
KP
あなたの心臓はドキドキと速く脈打っている。
背筋がゾクゾクする。頭がクラクラしてぼんやりする。
それは女性の佐倉の顔があまりにも近いから……ではない。
なんだか寒いのは、ピカピカで無機質で、冷蔵庫の中みたいなステージに寒さを錯覚しているから……ではない。

あなたは気付く。これは怪我をした時の、貧血の寒さだ。
自分の体を調べてみても怪我はない。しかし、寒いのだ。

自分はもしかしてピンチなのではないだろうか?
牧志 浩太
「く、そ……、」
胸を押さえ、呻く。
血が、命が足りない感覚が分かる。
分かるに決まっている。錯覚とは思えなかった。
この感覚はもう何度も味わった。つい、最近にも。

血がついた木の枝を思い出した。
俺は何か現実ではないものを見せられていて、きっと怪我を負わされている。

牧志 浩太
写真を見る。
その写真が何か、自分に見えていなかったものをとらえてはいないか。
KP
写真には満面の笑顔の佐倉と、あなた自身のアップが写っていた。
手元が不意に暗くなってふと顔を上げると、目の前に男性客のドアップがあった。
腕を組んだメイドさんと談笑しながらまっすぐに歩いてくる。避けきれない!
牧志 浩太
「あっうわ!?」
咄嗟にスマートフォンを、取り落とさないように握りしめる!
KP
男性客も、彼と腕を組んだメイドも、あなたに一切視線を向ける事なくぶつかり……
ぶつかった部分が煙のように消えた。

二人は何事もなかったかのように舞台に上がって写真を撮り始める。
牧志 浩太
「……!」
消えた!
まさか、ここにいる、居させられているのは俺と、佐倉さんだけなのか?
牧志 浩太
フォトスポットで写真を撮る二人を見るが、フォトスポットには何かあるだろうか。撮影用の小道具とか。
KP
そういえば他の客もメイドもあなたが見えていないかのように振る舞っている。
幻にしてはあまりにもリアルで息づかいが聞こえるほどだが、
おそらくこれは現実ではないのだろう。
▼《SANチェック成功時減少 0失敗時減少 1
KP
フォトスポットにはサングラスや本などの小道具はあるが、触れようとするとぼんやりとほどける。
牧志 浩太
1d100 65 《SANチェック》 Sasa BOT 1d100→46→成功
牧志 浩太
これは現実ではないんだ。この気の抜けるような場所も、
牧志 浩太
きっと佐倉さんが女の子になってるのもだ。
きっとそうだ。そうしよう。そう決めた。
この匂いも柔らかい髪も幻だ。
佐倉 光
「ご主人様お揃いにゃーーーーーん!!!!」
佐倉があなたの胸を見て叫んだ。

見下ろした先に、見慣れない出っ張りが見えた。
あなた自身の胸が膨らんでいる。

たぶんこれも幻。
幻……なのか?

SANチェック成功時減少 1失敗時減少 1d3
牧志 浩太
1d100 65 《SANチェック》 Sasa BOT 1d100→74→失敗
1d3 Sasa BOT 1d3→3
SAN 65 → 62
牧志 浩太
「へっ!?」
ま、ま、幻……だよな? 幻だ、幻!
俺は取り込まれかけていてこれは事態が進行しているまずい兆候だ、呆気にとられてる場合じゃない、惑わされている場合じゃない!
牧志 浩太
思わず盛大に動転して、幻と確かめようと自分の胸を鷲掴みにしてしまう。
牧志 浩太
ここで3減るの笑っちゃった
KP
折角正気に戻りかけていた(?)のに
何揉んでるの……
牧志 浩太
せっかく正気に戻りかけていたけどこのお約束はやらずにいられない。
あーあ、正気で焦っている佐倉さんの前でおっぱいに溺れかけてしまった。
KP
ムニィ。
とっても柔らかくて、暖かい感触が指先に伝わった。
牧志 浩太
「……」
思わずそれをむにむにと揉んでしまう。
こんなことしている場合じゃない、幻を見ているだけだと分かっているのに、手が離せない……。
KP
むにむにむにむに。
柔らかくて弾力があるそれを揉んでいると不思議と心が落ち着いた。
なんだか気持ちいい。

佐倉視点(ネタバレ)
KP
牧志が突然、牧志に密着してしまっている方のあなたの腕を掴んだ。
佐倉 光
へ?
KP
そのまま真剣な顔で揉み続けている。
佐倉 光
マッサージ?? いやこんなことやってる場合じゃないって言うか俺の腕なんだと思ってる!?
佐倉 光
「牧志ーーーーー!
目を開けろ! このままじゃ死ぬんだよ! 俺達!」
牧志の肩掴んでできるだけ力入れて揺する。
佐倉は筋肉がないので腕が柔らかい。

牧志視点
佐倉 光
「ご主人様ーーーーーー!
ご主人様のほうがおっきいなんてひどいにゃん!!!」
KP
何故か佐倉に肩掴まれて揺すられた。

牧志 浩太
「ご、ごめん! そんな場合じゃないな!?」
佐倉視点(ネタバレ)
佐倉 光
「そうだよ!?」

牧志視点
佐倉 光
「そうだにゃん!!!」
佐倉はプンスコしている。
牧志 浩太
もっと揉みたい気持ちをこらえて胸から手を引き剥がす。
二人ともピンチなのに、こんなものに溺れている場合じゃない!
牧志 浩太
ところで揉まれる感触はあったのだろうか。
KP
【アイデア】/2で判定してみよう>揉まれる感触
牧志 浩太
1d100 45 Sasa BOT 1d100→64→失敗
KP
たぶんあったんじゃないかな。
あってしかるべきだろう自分のおっぱい揉んだんだから。
牧志 浩太
大きな手にマッサージされるような感覚と、独特の柔らかさと弾力のあるものを揉む感覚が合い混じって、すごく気持ちよかった……。

牧志 浩太
「そうだトイレ、ここかな」
佐倉視点(ネタバレ)
KP
牧志は言いながら隙間の方を覗いた。
佐倉 光
なんかさっきから、牧志が俺の知らない世界を見ている気がする……
KP
彼は彼なりに、辻褄の合う夢を見ているのかも知れない。

牧志視点
牧志 浩太
トイレと間違えたふりをして、カーテンの合間からキッチンと更衣室を覗く。
KP
キッチンに入ると、目の下にクマを作った過労ドジっ子メイドが
フォンデュフォークをガスコンロの直火で炙っていた。
そのサイズはバットほどもある巨大なもの。なんだか禍々しい。

「消毒ってこうでしたっけェ?」
もうひとりのメイドが慌てたようにたたみかけている。
「違うよ!? 普通に洗って拭くだけでいいよ!?
取手が木だから大丈夫だけどそれ銀で出来てるから! 熱伝導すごいから! 危ないから置いて! ちょっと休も! ね!?」
二人はドタバタと部屋から出て行った。
KP
あなたの足元で置きざられたフォンデュフォークが光ってる。大きさは40cm程だ。
佐倉は踊るような足取りでそのフォークの側で跳ねる。
佐倉 光
「しっかり握れ。もえもえにゃ~ん♪」
KP
萌え……というには随分と物騒なアイテムだが。
牧志 浩太
「!」
さっとそれを拾い上げる。
牧志 浩太
きっとこれが佐倉さんの言う、“武器” だ。

全部幻なら見た目通りのものとは思えないし、向こうから用意されたものが役に立つのかどうかも分からないが、少なくともこれに何かはあるんだ。

佐倉視点(ネタバレ)
KP
かすかに金属音がした。牧志の下からだ。牧志の片腕が、何かを握ったらしい。
佐倉 光
「何か見つけたのか? 武器になりそうか?
それなら離すな、しっかり握っててくれ!」
KP
牧志の目はどこを見つめているか分からないながら、何か決意のような物を秘めているように見えた。

牧志視点
KP
置きなのに今日で終わりそうな勢いだwww
牧志 浩太
ちょっと面白すぎてwwwww
KP
面白い。
牧志 浩太
あと牧志の方がでかいの妙に納得がいきましたね。
KP
そんな気がして。
牧志 浩太
牧志の方が背が低くてでかくて柔らかい顔立ちなのかぁ…… かわいいな……。ってなりますね。
KP
キッチンにはもう人影はない。奥の更衣室を覗くのを見とがめられる事はないだろう。
何より今あなたも佐倉も女性である!
万一の事があってもおそらく即死はないだろう。

まあ、客が覗くのはどうかという問題はあるが、店員である佐倉が一緒にいるのだ!
牧志 浩太
これが冷める前に行かないと。急いで更衣室を覗く。
大いに気は引けたし、何か開けるべきでない扉を開けているような気はしたが、最初から全部幻なのなら構うことはない!
KP
そこは、夜の交差点だった。

真っ暗で視界の悪い交差点、青信号の横断歩道を渡っている自分が一台の小型トラックに跳ねられている。
それはスピードを緩めずに走り去り、トラックの影からどこにもいなかった猫耳メイドがパッと2人現れた。
メイドの周りには猫の忍者がたくさんいて、倒れている貴方を見てにゃんにゃん鳴きながら道路で爪研ぎをしている。

道路の真ん中で猫耳メイドが立っている。
猫の忍者があなたを狙っている。

「兄ィ、どげんしよ」
「ついでに山に捨てたらよか」
「ほうじゃの」
道路の真ん中で猫耳メイドが低い声で喋った。
猫の忍者があなたを狙っている。


トラックが走ってきてあなたを跳ねる。
猫耳メイド達は血に塗れながらあなたの体を車内に詰める。
佐倉がそれを見ている。

「兄ィ、見られちょる」
「ついでに殺したらよか」
KP
更衣室の扉を佐倉がバタンと閉じた。

佐倉視点(ネタバレ)
KP
ぎぎ、と扉が歪んだ。ついに十分に開いた隙間から爪が中に侵入し、こじ開けにかかっている。もう時間の問題だ。
ついでに火事もそれなりに大きな炎になってきていて、すぐ近くにある古いタイヤに燃え移りかけているのが見えた。
佐倉 光
ヤバすぎる。
このまま扉が開けられて、たとえ俺が逃げられても動けない牧志は確実に殺される。何が何でも起こさないと。
牧志を揺さぶりながら危機を喚き続けよう。
KP
もはや猶予はない。

牧志視点
佐倉 光
「お前は猫の忍者に狙われている」
武器を取れ。
佐倉はあなたにそう詰め寄る。
ささやかな胸を押しつけるようにして、何度も何度も語りかけてくる。

猫の忍者があなたを狙っている。

SANチェック成功時減少 0失敗時減少 1
牧志 浩太
1d100 62 《SANチェック
Sasa BOT 1d100→79→失敗
SAN 62 → 61
牧志 浩太
「そうか」

手の中の“武器”を構える。
その幻は奇妙な出来事をこそ伴っていたが、
それは人間の悪意に見えた。

そうか。
俺はずっと夢を見ているんだ。

あの時と同じであの時と逆だ。
それは人間の悪意に見えた。

当然のような別れが俺を狙っている。
きっとありふれた偶然で、きっと何よりも恐ろしいただの人間の悪意だ。

それでもまだ俺はここにいるらしい、
そして手の中には何かがある。
それなら不確かでもそれを取るしかない。

まだ終わっていない。
KP
ここにはもう何もない。
閉じられた扉の向こうからは何の音もしない……

いや。爪を研ぐ音が聞こえる。
引っ掻く音が聞こえる。
あなたを狙う猫の忍者がそこにいる。
KP
一応まだ探索できる場所はあるけど、終わりたければ終われる!
牧志 浩太
悩む!
ステージは見てみたいけど、そのまま行くのが流れ的に綺麗そう。
KP
そうなんですよねー!

ああ、ここで出せばいいかな。
牧志 浩太
お、出せるようならぜひ。
KP
キッチンにある鍋に、食器に、あなたの姿が映っている。
背が低めで肉付きが良い女性……
ではない!
服がビリビリになって手と足が露出してすりむけていて、顔面は蒼白。
頭にはタンコブが出来て血がダラダラ流れている。

そんな光景は一瞬でかき消え、厳しい顔の女性がこちらを見ている。

だがそれでも、その一瞬の光景こそが真実なのだと、あなたはその身を襲う寒気から思い知った。
SANチェック成功時減少 0失敗時減少 1

扉の横に置かれた空き缶に山ほど積まれた煙草の吸い殻があり、鼻が曲がりそうな臭気を放っていた。
煙草は二種類あるらしい。
牧志 浩太
1d100 61 《SANチェック》 Sasa BOT 1d100→79→失敗
SAN 61 → 60
KP
命の危機に気付いてしまった……
牧志 浩太
「いる」
佐倉さんの方を一度振り返る。
身軽にするためジャケットを脱ぎ捨てる。
牧志 浩太
「いる」
なんでもない理由でゴミのように俺を投げ捨てた奴らがそこにいる。
なんでもない人間の理由もない害意がそこにいる。
牧志 浩太
そうと分かれば幻に用はない。

佐倉視点(ネタバレ)
KP
ぼんやりと見開いていた牧志の目が急速に意志の光を取り戻す。
だが軋む扉は最早限界だった。扉をぐるぐると巻いて外から閉ざしていたダクトテープらしき物がみるみる引きちぎられてゆく。
佐倉 光
「牧志! 目を覚ませぇーーーッ!」

牧志視点
KP
どーしよっかなー。
もういいか、もっかい写真撮るかー
牧志 浩太
ここで外へ出る(?)のが綺麗っぽいかな。
これが何かのせいで見ている夢なのか、ただネコミミメイド見たせいで牧志が見ている夢なのかが問題。主に牧志の沽券的に。
KP
あなたが自分のすべきことに気付いたその時、佐倉が喚き始める。
佐倉 光
「ご主人様っ! そろそろお出かけの時間だにゃん!」
いや、彼女は……彼は、ずっと叫んでいた。
叫んでいたのだ!
佐倉 光
「ご主人様!! ご主人様ーーーーーー!!!!」
佐倉 光
「まきしーーーー!! 起きろっ、死ぬぞ!!」
牧志 浩太
「佐倉さん!」
その“武器”を構え、外へ飛び出す!

KP
意識が戻る。

真っ暗だ。
タバコと鉄の匂い、頬どころか全身をぎりぎりと締め付ける痛み、煙にむせる肺。
いつも通りの男の佐倉が叫んでいる。暗くて何も見えないが、きっと必死の形相だ。
あなたは狭い空間にいる。

ガン!
あなたたちがいる小さな箱が揺れる。
ガン! ガン!
強烈な力で叩かれている。
かすかに歪んだ扉の隙間、何か尖ったものが侵入してこようとしている。
佐倉 光
「化け物だ、化け物がいるんだよっ! もう破られる!」
牧志 浩太
一瞬視界が明滅した。
明るく可愛らしい場所から、暗く汚らしい場所へ。
身体はひどく痛くて寒い。頭ががんがんと痛む。
これが、現実だ。
牧志 浩太
「ごめん、起きた!」
咄嗟に身を起こす。
KP
佐倉と頭をぶつけそうになる。
あなたと佐倉は体をおり曲げて何か小さい箱に詰められているのだ。

あなたの手には鉄パイプが握られていた。
猫の忍者があなたを狙っている。そうだ、猫の忍者が自分を狙っているのだから。

バガッと、扉が開いた。
佐倉 光
「うわあぁぁぁぁッ!」
二人は猫の忍者と遭遇する!
牧志は武器を手に、何とか忍者を撃退する。
牧志 浩太
「あ、ああ、ああ……、」
怪物が動かなくなるのを見届けて、ようやく怖気がやってきた。
危なかった。爪が微かに頬を裂いていた。
もう少し遅かったら裂かれていた。
KP
あなた方は古い業務用冷蔵庫の中にいたようだった。
ダクトテープでぐるぐ巻きにされていたらしいそれの表面は傷だらけで、今までこの化け物が絶えずこの箱を開けようと執拗に攻撃し続けていたであろう事が分かった。

辺りは燃えているが、まだ逃げられない程ではない。
しかし急がなければ、積み上がった古いタイヤに木材まで火が届いたら危険だ。
佐倉 光
「走れるか!?」
佐倉があなたに手を差し伸べる。
牧志 浩太
「っ、大丈夫!」
佐倉さんの手にしがみつく。駆け出す。
全身は痛むし頭はがんがんと響くし足元はふらつくが、それどころじゃない。
走らなければ、死だ!
牧志 浩太
辺りが燃えている。
ここで、俺達は燃やされようとしていたのだ。
ゴミと一緒に。なんでもない理由のない人間の悪意によって。
牧志 浩太
きっともう少し遅れていたら、あいつに喰われていたか、燃えていたか。
どっちにしろ、諦めたくないと願う間もなく、死んでいたのだ。
KP
佐倉はスマートフォンを取り出して叫んでいた。
佐倉 光
「くそっ、またスマホ割れた!
もしもしっ!? 消防!? 火事と事件両方です! 至急助けてくださいっ!」

KP
あなたと佐倉は警察に駆け込んで助けを求めた。

あなたは帰宅途中信号無視をした小型トラックに轢き逃げに遭い、
事件発覚を恐れた短絡的で計画性のない反社会的な人物A・Bに山中に不法投棄されてしまったことを知る。

佐倉は牧志の事故及び車内に運び込まれる瞬間を目撃してしまった為暴行され、巻き込まれてしまったのだ。
詰めの甘い犯罪者達は犠牲者たちの死を確認せずに業務用冷蔵庫にまとめて放り込んでダクトテープでぐるぐる巻きにし、
そのまま不法投棄のゴミとともに山中に放棄したのだ……。
佐倉 光
「火事の原因は多分煙草だ。
あいつら吸っては捨てしてやがったからな」
佐倉は忌々しそうに吐き捨てた。
KP
佐倉だってこういう緊急時は助けを求める事もあるのです。
ディア使って少し治したとはいえ大怪我には変わりないし。
牧志 浩太
それはそう。だいぶ死ぬところだっただろうし。佐倉さんも暴行されているし。
しかも周囲燃えてるし。
もえもえキューンだし。
KP
もえもえ。
牧志 浩太
「……」
牧志 浩太
「ごめん、佐倉さん。助かった。
もう少し遅れてたら、死んでたな」

あいつらの詰めが甘くなかったら。
俺がもう少し目を覚ますのが遅れたら。

今更になって、血が足りないのとは別の震えが、背筋に走った。
牧志 浩太
「怖いな」
呟く。怖い。どうして怖いかってありふれているからだ。
おそろしいものが顔を出さなくたって、人間は簡単に死ぬ。
諦めたくないともがく間さえ与えられずに。
牧志 浩太
「あ……。そういえばあの猫の忍者、じゃない化け物、あいつ何だったんだ」
佐倉 光
「知らないよ。俺も気絶してたし。気がついたら外をうろついてたんだ」
病院の隣のベッドで佐倉がため息をついた。
KP
「それにしても、運が良かったですね、ダクトテープが古かったお陰で中から開けて逃げられたなんて」
事情聴取で警察官に言われた事を思い出す。
牧志 浩太
「……?」
あいつの死体は残っていたはずだけど……
いや、そういうこともあるのかもしれない。
あれくらいで、死んだりなんかしていなかったのかもしれない。
そもそも死ぬものかどうかだって、分からないし。

そういえばあの化け物がいなかったら、それはそれで蒸し焼きになってたのか、俺達。
牧志 浩太
「複雑」

KP
それから数日後。
佐倉がこっそりかけ続けた回復魔法の力もあって、あなた方は超回復力を発揮し、数日で退院できる事になる。
いまだ体は痛むが、動けないほどではない。

あなた方は退院の手続き待ちで待合室でテレビを観るともなしに見ていた。

可愛らしい猫耳メイド達が映っていて、日本のカルチャーを盛り上げたいのだとインタビューに答えている。
その子にあなたは見覚えがある。
あの悪夢のような店にいた店員だ。
店内の様子にも見覚えがあった。
あなたが悪夢のひとときを過ごしたあの店そのものだ。
さすがに店内のプランターには花が植えられているようだったが……
牧志 浩太
「あれ?」
あれは、見覚えがある。
あの夢の中で見た空間に、よく似ている。

ただの夢…… じゃ、なかったのか?
いや、そんなはずもないか。
どこか番組で見たことがあって、夢に見たのかな。
牧志 浩太
ふと、メイド姿の佐倉さんを思い出した。
結局あれは、単純に死にかけてる俺が見ていた夢だったわけだ。
牧志 浩太
呑気だよな。
佐倉さんがずっと呼んでいてくれた声は、聞こえていたみたいだけど。
あんな夢を見たことは黙っておこう。
牧志 浩太
というか俺、変な願望でもあるのかな……。
女の子になって揉まれたい願望? いや、やめよう。
牧志 浩太
というか、信号無視程度で死にかけるなんて、不覚。
KP
あの店は「えも~しょなるきゃっと☆」という名前の、実在するメイド喫茶らしい。
あなたはメイド喫茶など行った事もないわけだが……

ないわけだが。
もしかしたら失われた記憶の向こうで行った事でもあったのだろうか。
KP
経験があろうとなかろうと実在です。ちゃんと理由があります。
牧志 浩太
「……東浪見に聞いてみ、いや、やめよう」
通ってたとか言われても、それはそれで困る。
あの夢の印象が強すぎて、今更行こうって気にもならないし。
というか絶対に佐倉さんを思い出すし。
牧志 浩太
……あれも俺の想像だった、ってことなのかな。
うーん。
佐倉 光
「どうかした?」
珍しいものに反応してるな、と佐倉が首をかしげた。
牧志 浩太
「うわ」
丁度佐倉さんのことを考えていた時だったから、ちょっと驚いた。
KP
〈目星〉
牧志 浩太
1d100 98 Sasa BOT 1d100→4→決定的成功クリティカル)!
KP
ここでか。
KP
店の影にちらっと何かが写った。
あれはあの程度で死にはしないのだ。
牧志 浩太
「……まあ、そうだよな」

呟く。
こうやって過ごす日常の裏に、照らし切れない程の闇があることは、もう驚くに値しない。

その上を綱渡りしながら、俺達は生きている。
牧志 浩太
〈神話〉知識33%の認識ってもはやこういうのになってそうで。
KP
あなたは知っている。

小柄な怪物がまだ街に潜んでいる事を。

人類は人ならざるものに狙われている事を。

それは悪夢のような現実だということを。



猫の忍者に狙われています。


END


【えもえもにゃん】
正気度獲得 1d3



KP
最後までシナリオ探索者は「猫の忍者だった」と思い続けるんだけど、そんなわけでちょっぴり改変。
牧志 浩太
ありがとうございます。
牧志は「おそろしいなにか」の存在を素直に受け止めちゃうからなあ。
牧志 浩太
1d3 Sasa BOT 1d3→2
KP
致し方なしとはいえ赤字になってる……
牧志 浩太
最終SAN 62。
ちょっといろいろ衝撃が強すぎて。
真相説明・KPC視点など説明
KP
というわけで佐倉視点チラ出しでした。
にしても本当に置きなのに一日で終わったんだが!?
牧志 浩太
面白すぎるwwwありがとうございますwww
ほんと佐倉さんの尊厳が死んだかと思ったら牧志の尊厳が死んでた話だった。
KP
うっかりいつの日か夢を共有されたら佐倉も死にます。
牧志 浩太
結局自分の夢だったのが恥ずかしいので牧志も言いません大丈夫。なんらかのアクシデントで共有されなければ。
KP
このシリーズ忘れた頃に共有されるからなぁ。
冒頭の猫佐倉も作ったの確か「対の棲みか」の頃だよ。
牧志 浩太
ですよね。まさか今になって出番があるとは。
佐倉さんが牧志錯乱中の出来事を当人に伝えなかった(エンディング描写的に、ぽい)ために答え合わせは行われず、胸の感触の答え合わせも行われず、牧志は変な狂気の芽をそっと胸の奥にしまった。
KP
狭いところに閉じ込められて出血しまくってたし、普通に精神錯乱してたんだなって理解してるよ佐倉は。
どんな夢見てたかなんてしらないよ。
牧志 浩太
言語にならない叫びの方が多かったですしね。共有されなければ平和平和。
KP
※だから最初に《ディア》〈精神分析〉してた。
牧志 浩太
現実サイドだと普通に大怪我した牧志が錯乱している風に見えますもんね。
成長ロール
KP
あっ、折角なので成長どうぞ。
牧志 浩太
そうだそうだ。【STR】ロールの分、化け物に鉄パイプ投げようとしてファンブルなので、〈こぶし〉でもいいですか?
KP
いいですよー
牧志 浩太
1d100 66〈こぶし〉
KP
Sasaさん笑い転げてる。
牧志 浩太
無理もない。
1d100 66
Sasaさん笑い転げてる。
1d100 66 くるかな?  Sasa BOT
1d100→14→成功
牧志 浩太
1d100 98〈目星〉 Sasa BOT
1d100→89→成功
成長はなし。
KP
おめでた……くなかった。
牧志 浩太
〈こぶし〉も66ありますしね。そんな増えない。
KP
66あったら結構実用レベル近いもんなぁ。
牧志 浩太
DBないので微妙ではありますけどね。

KP
ちなみにこの方が作った「おまえが○○なんかい」シリーズあと二つある。
牧志 浩太
そうそう、フィギュアとコラボもあるなと思ってました。
合いそうなら合間に軽い話! って時にまたやりたい。
KP
いつ消すか分かんないって書いてあるのでDLしときました。
牧志 浩太
同じく落としてあります。
KP
よーし。又遊べる!
牧志 浩太
やったぜ!
今回本当に面白すぎて駆け抜けちゃった。
牧志 浩太
牧志は女の子になった自分自身(夢だけど)の顔を一瞬見てるんだよなぁ……
KP
ギャグシのくせに二人とも二重に殺されかけてるのひどい。
……三重かな。
牧志 浩太
本当にそれ。しかも起点が人間の犯罪者という。
しかもしかも起点が交通事故(信号無視)っていう。
KP
ウェンディゴに襲われなければ一酸化炭素中毒か蒸し焼きだったしー。
ウェンディゴとも普通に戦えば死んでたと思うしー。
牧志 浩太
なんですよね。いなければいなかったで人間の犯罪者のせいで蒸し焼きっていう、本当にどうしようもない死に方をしてた。
ある意味運が悪くて運がよかったわけで。
牧志 浩太
「交通事故の怖さは知ってたのに、信号無視程度で撥ねられるとは不覚」
KP
前回あれだったので後遺症出ていたのかも知れませんしー
牧志 浩太
犯罪者だから、単純に回避しがたいえっげつないスピードで警察とおチェイス疾走中だったのかもしれないし。
KP
そしてまた保護者が帰ってこない定期。
牧志 浩太
そう、シローにとっては保護者が二重に殺されかけてるっていう。
しかし本当にギャップのどうしようもなさと猫モチーフの変な似合い具合は佐倉さんの方がはるかにこのシナリオ合うので、回して頂けてよかった。
牧志は逆に困惑して???? ってなってるのが似合うし。
KP
そうそう。組み合わせも良かったなぁ。
牧志 浩太
そうそう。逆でも佐倉さんは盛大に困惑したでしょうけど、ここまで最高に面白くはなってなかったと思う。
佐倉さんの意図してなさそうさがすごい。>メイド
KP
耳と尻尾が変に生々しかったのは、黒猫になった時のイメージが重なっちゃったんじゃないかな。
牧志 浩太
ああー。かもしれない。
猫になったことありますしね佐倉さん。
KP
まあ中の人のただの趣味なんですけど。
牧志 浩太
いいと思います。牧志は間違いなく犬耳の方が似合うタイプ。
KP
にあいそう。
レトリーバか柴か。
牧志 浩太
佐倉さんは猫っぽくて、牧志は犬っぽいと思います。ああー、レトリーバーはぽいかも。

コメント By.KP
どうして佐倉が猫耳メイドさんなんかになっているんだ!?
とにかく二人とも真剣であるが故の不思議空間へようこそ。

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