
『おばけのまち』
のネタバレがあります。
本編見る!
KP
遊園地の門は開いており、カウンターにも人はおらず、チケット販売ブースにはシャッターが降りている。
もぎりが立っているであろう入り口の所には貼り紙がしてあり、
『おばけの日 入場無料』
と書いてあった。
入ってすぐの所に広場があり、ベンチが置いてあるのが見えた。
あそこなら休憩するのにうってつけかも知れない。
園内に人影はなく楽しげな音楽だけが聞こえてくる。
もぎりが立っているであろう入り口の所には貼り紙がしてあり、
『おばけの日 入場無料』
と書いてあった。
入ってすぐの所に広場があり、ベンチが置いてあるのが見えた。
あそこなら休憩するのにうってつけかも知れない。
園内に人影はなく楽しげな音楽だけが聞こえてくる。
牧志 浩太

「……おばけの日だってさ。
中にもおばけがいたらやだな……」
中にもおばけがいたらやだな……」
牧志 浩太

「あっ、座れそう。
あそこでラムネ飲もう」
あそこでラムネ飲もう」
佐倉 光

「うん、ちょっと入るだけなら怒られないかな」
KP
園内に入ると、少し暖かく感じた。
ベンチからは、目の前にコーヒーカップとメリーゴーランドと射的ゲーム、少し歩いた先に観覧車とジェットコースターが見える。案内図を見ると、おばけ屋敷、なんていうのもある。
園内の案内図にも「おばけの日 無料」と書かれていた。
人の姿はないが、遊具は動いているようだ。
ベンチからは、目の前にコーヒーカップとメリーゴーランドと射的ゲーム、少し歩いた先に観覧車とジェットコースターが見える。案内図を見ると、おばけ屋敷、なんていうのもある。
園内の案内図にも「おばけの日 無料」と書かれていた。
人の姿はないが、遊具は動いているようだ。
KP
まあぶっちゃけますと。
基本遊び場です。
遊びやすいように小細工はしますが。
遊具増やしてもいいって書いてある。
基本遊び場です。
遊びやすいように小細工はしますが。
遊具増やしてもいいって書いてある。
牧志 浩太
なるほどー!
それは遊ばせていただこう。
それは遊ばせていただこう。
牧志 浩太

「……大丈夫そう、無料って書いてあるしさ」
中におばけいない?
恐る恐る遊園地の中に足を踏み入れる。
中におばけいない?
恐る恐る遊園地の中に足を踏み入れる。
牧志 浩太

辺りを見回して、おばけがいないようなら、ベンチに座る。
佐倉 光

袋から瓶を取り出して、じっと見つめる。
佐倉 光

「これ、どうやって飲むの?」
牧志 浩太

「このビー玉が栓になってるから、こうやって、上から押して、ぽんって落とすんだ」
同じく瓶を取り出して、やってみせる。
きらきら光る水色のビー玉を上から押すと、カランと音がしてビー玉が落ち、一気にしゅわっと泡が沸き上がる。
同じく瓶を取り出して、やってみせる。
きらきら光る水色のビー玉を上から押すと、カランと音がしてビー玉が落ち、一気にしゅわっと泡が沸き上がる。
牧志 浩太

「わわっ、こぼれちゃう」
慌てて飲み口に吸いつく。
慌てて飲み口に吸いつく。
佐倉 光

「こうかな?」
見様見真似でぐっと押し込んで、
見様見真似でぐっと押し込んで、
佐倉 光

「うわ!」
こちらも溢れて慌てて瓶に吸い付く。
こちらも溢れて慌てて瓶に吸い付く。
佐倉 光

「いたたたた、喉痛い」
牧志 浩太

「光、泡だらけ!」
そう言う自分の口元も泡だらけだ。
そう言う自分の口元も泡だらけだ。
佐倉 光

「いたたた、おいしい!
浩太もあわあわだよ!」
浩太もあわあわだよ!」
KP
きゃあきゃあ騒ぎながら飲んでいると、胸の奥が暖まってくる。安心する。二人でいれば大丈夫だという気がする。
KP
正気度 2d3+2回復
牧志 浩太

2d3+2 Sasa 2d3+2→ 3[2,1]+2→合計5
SAN 45 → 50
SAN 45 → 50
佐倉 光

2d3+2 Sasa 2d3+2→ 4[1,3]+2→合計6
SAN 45 → 51
SAN 45 → 51
牧志 浩太

「ほんとだ、おれもあわあわ! おれも光もおじさんだ!」
ああ、光がいてくれてよかった。
おれひとりだったら、きっとさみしくなっちゃってたよ。
二人でいればきっと大丈夫。
そんなわけのない自信が、胸の奥から湧いてきた。
ああ、光がいてくれてよかった。
おれひとりだったら、きっとさみしくなっちゃってたよ。
二人でいればきっと大丈夫。
そんなわけのない自信が、胸の奥から湧いてきた。
KP
〈目星〉をどうぞ。
牧志 浩太

1d100 99〈目星〉 Sasa 1d100→ 93→成功
KP
無人だと思った園の奥で、何かが動いた。
人の姿だったように思えた。
人の姿だったように思えた。
牧志 浩太

「あれ……、誰かいる。
おばけ、じゃなかったよな?
光、行ってみよう」
おばけ、じゃなかったよな?
光、行ってみよう」
佐倉 光

「う、うん。人かな」
KP
光はあなたの手を取った。その手にはまだ瓶を持っている。
佐倉 光

「このビー玉、取れないのかなぁ」
牧志 浩太

「母さんが一回蓋あっためて取ってくれたよ。柔らかくなるんだ。
吸ったりいろいろしてたら、口に跡ついちゃったことがある」
吸ったりいろいろしてたら、口に跡ついちゃったことがある」
KP
人影は、メリーゴーランド、射的場、あと建物がある方に消えたように見えた。
どれに消えたのかは良く分からない。
どれに消えたのかは良く分からない。
牧志 浩太

「人……だったかも。
あっち行っちゃったな」
メリーゴーランドのあたりに行ってみる。
あっち行っちゃったな」
メリーゴーランドのあたりに行ってみる。
牧志 浩太

空き瓶はビニール袋に入れて持っておく。
ポイ捨てなどしないぜ。
ポイ捨てなどしないぜ。
KP
あ、ゴミ箱ありますのでビー玉に拘りがなければ捨てていけます。
牧志 浩太

捨てずに持っておきます。
捨てちゃうのなんだか勿体ないし、投げたら武器にできないかな? なんて思ってる。
捨てちゃうのなんだか勿体ないし、投げたら武器にできないかな? なんて思ってる。
ビー玉
牧志 浩太
一時だ! ありがとうございました!
ラムネの一幕微笑ましくて楽しい。
ラムネの一幕微笑ましくて楽しい。
KP
ラムネのビー玉取れないかなーってずーっと瓶を観察して、プラの蓋に色々やっていた想い出。
牧志 浩太
あるある。揺すったり力を加えたりしました。
ただ「温めて柔らかくする」という発想は出てこなかったんですよねぇ。
ただ「温めて柔らかくする」という発想は出てこなかったんですよねぇ。
KP
カッターで一生懸命削ったり、圧をかけたりやったけど、たぶん小学生低学年だったから力も足りなかったし、無理だったなぁ。
牧志 浩太
やりましたやりました。あの素材プラだから柔らかそうに見えるわりに、結構かたい。
KP
むしろあっためれば取れるんだ、あれ。
裂け目を入れれば破壊できそうだと思ったのにすっっっごい丈夫で絶望した。
ビー玉なんて普通に買うこともできるのに、どうしてラムネのビー玉ってあんなに魅力的で綺麗に見えるのだろうなぁ。
裂け目を入れれば破壊できそうだと思ったのにすっっっごい丈夫で絶望した。
ビー玉なんて普通に買うこともできるのに、どうしてラムネのビー玉ってあんなに魅力的で綺麗に見えるのだろうなぁ。
牧志 浩太
試してないのですが、Googleに聞いた所そんなのが出ました。現実的な温度で軟化するんでしょうね。>あっためる
わかる。柔らかそうに見えるのに全然傷がつかなくて無理ぃってなりました。
>魅力
水色で透明で気泡の入っている、ラムネそのものみたいな質感のあのビー玉がなかなか市販してないからだと思ってます。
市販のやつ中に柄入ってるもの多いし。
あれ蓋がとれない理由は「ビー玉の誤飲防止」だそうでなるほどなーってなりました。子供が飲むものだもんな。
わかる。柔らかそうに見えるのに全然傷がつかなくて無理ぃってなりました。
>魅力
水色で透明で気泡の入っている、ラムネそのものみたいな質感のあのビー玉がなかなか市販してないからだと思ってます。
市販のやつ中に柄入ってるもの多いし。
あれ蓋がとれない理由は「ビー玉の誤飲防止」だそうでなるほどなーってなりました。子供が飲むものだもんな。
KP
なるほどー。再利用時そうやって付けなおしてるんだろうなぁ。
>飾りのないビー玉
魅力的なんですよねー!
最近は割とそういうの売ってますけど、当時は中に模様はいってるヤツばっかりだったな。
>ビー玉の誤飲防止
それはそう。
>飾りのないビー玉
魅力的なんですよねー!
最近は割とそういうの売ってますけど、当時は中に模様はいってるヤツばっかりだったな。
>ビー玉の誤飲防止
それはそう。
牧志 浩太
そうそう当時はほんとに柄入りのやつしかなくて。
あとラムネ瓶の中に入ってると水滴みたいで本当に綺麗なのもある。
あとラムネ瓶の中に入ってると水滴みたいで本当に綺麗なのもある。
欲しいなぁ
KP
ビー玉ググって、「ホタルガラスのブレスレット」が欲しくなってしまった迂闊。
使わないよぅー
使わないよぅー
牧志 浩太
ウワーッ(綺麗)
KP
装飾品買っても使わないから……ッ! 見なかったことにしよう。
牧志 浩太
>装飾品
使わないけど綺麗なんですよねぇええ。
ぬおおお綺麗だなホタルガラス。見てたら欲しくなってきてしまった。
使わないけど綺麗なんですよねぇええ。
ぬおおお綺麗だなホタルガラス。見てたら欲しくなってきてしまった。
KP
お値段ピンキリ!
「ハテルマブルー」なんてのも見つけてしまった。
「ハテルマブルー」なんてのも見つけてしまった。
牧志 浩太
うっ(ちょっと欲しい度合いが上がってしまった)
KP
ピアスくらいなら買っても許されるかな……(ぐらぐら)
ピアスって自分で見えないんだよなー
ピアスって自分で見えないんだよなー
牧志 浩太
ピアスくらいならつけずに飾っておいてもスペースとりませんし……
石が少ない分わりと手を出しやすいお値段なのがぐらぐらきますねこれね>ピアス
石が少ない分わりと手を出しやすいお値段なのがぐらぐらきますねこれね>ピアス
KP
形によってはコップの持ち手に引っかけとく、なんて用途が。>ピアス
……なくしそう。
……なくしそう。
牧志 浩太
ああー。面白いけど落としそう。
KP
深夜テンションでポチりそうで怖いので閉じておきます!
KP
二人の子供時代、大人の記憶なしバージョンも味わい深い。
牧志 浩太
そうそう、大人の記憶ないバージョンも「もし子供の頃に出会っていたら」みたいで味わい深い。
対等な大人の二人とは違う関係性とか。
対等な大人の二人とは違う関係性とか。
KP
まさか妹情報吐くことになるとは。
アイちゃん赤ちゃんだなぁー。
アイちゃん赤ちゃんだなぁー。
牧志 浩太
なるとは。記憶混ざってることにしておいてよかった。
6歳としたら1歳ですしね。まだ元気な赤ちゃん。
いもうとができた! ちっちゃくて壊れやすそう、でもすっごく元気! って小さい波照間がびっくりしてる頃。
6歳としたら1歳ですしね。まだ元気な赤ちゃん。
いもうとができた! ちっちゃくて壊れやすそう、でもすっごく元気! って小さい波照間がびっくりしてる頃。
KP
対の棲みかの思い出話で出てたなぁー
牧志 浩太
そうそう、ほんのり出てましたね。いもうとの話。
KP
とうとう佐倉の妹に名前がついた……
牧志 浩太
佐倉さんの妹の解像度が上がっていく……。
小さい頃に「浩太」が佐倉さんと出会っていたら、来るたびにパズルやクイズに明け暮れたんだろうなぁ。
小さい頃に「浩太」が佐倉さんと出会っていたら、来るたびにパズルやクイズに明け暮れたんだろうなぁ。
KP
佐倉がひねくれる前に会っていたらそれはそれでいい友達になれていたでしょうねぇ。
EDU上がった経緯が経緯だから、そうやって充実した人生送っていたら今ほどEDU上がってなかったかも。
EDU上がった経緯が経緯だから、そうやって充実した人生送っていたら今ほどEDU上がってなかったかも。
牧志 浩太
パズルやクイズふっかけすぎて浩司にちょっとげんなりされてたような話もあったから、好きなだけパズルで一緒に遊べるとなったら浩太も喜びそうで。
それはそれでいい友達になってそう。
今ほどEDU高くないけどひねくれた経験のない佐倉さんかぁ。
佐倉さんは素直なEDUになるのに、今よりパズルやクイズにのめり込みながら育っていく牧志のINTは相変わらずという……
それはそれでいい友達になってそう。
今ほどEDU高くないけどひねくれた経験のない佐倉さんかぁ。
佐倉さんは素直なEDUになるのに、今よりパズルやクイズにのめり込みながら育っていく牧志のINTは相変わらずという……
KP
そしてどこからか怪しげな数式が
牧志 浩太
そう、だめなやつが……。
あーあ結局CoC始まってしまう。
目の前で幼馴染がニャルになったらつらい。
あーあ結局CoC始まってしまう。
目の前で幼馴染がニャルになったらつらい。
KP
いやいや、悪魔使いの波照間・佐倉と接触していない時点ではまだ隠されているはずで!
牧志 浩太
はっ、確かに! おじいちゃんが隠してくれていた!
牧志がうっかり自ら探り当ててしまわなければSAFEですね。
おっと、そんなこんなで2時だ。
寝ます、ありがとうございました!
牧志がうっかり自ら探り当ててしまわなければSAFEですね。
おっと、そんなこんなで2時だ。
寝ます、ありがとうございました!
KP
はい、パン焼かなきゃ! ありがとうございましたー!
KP
メリーゴーランドは止まっていた。誰かが中へ駆け込んでいって、こちらから見えない向こう側に入っていったような気がする。
そこには馬だけではなく、角の生えた馬、真っ赤でにょろっと尻尾が生えたようなもの、頭は馬のようなのに黒い鳥? 龍? のような全身に鱗が生えた不思議なものや、翼が生えた船? など、色々なものが設置されていた。
そのひとは跨がるものではなく、中に座るタイプのものに入ってしまったらしく、外からでは確認できなかった。
そこには馬だけではなく、角の生えた馬、真っ赤でにょろっと尻尾が生えたようなもの、頭は馬のようなのに黒い鳥? 龍? のような全身に鱗が生えた不思議なものや、翼が生えた船? など、色々なものが設置されていた。
そのひとは跨がるものではなく、中に座るタイプのものに入ってしまったらしく、外からでは確認できなかった。
牧志 浩太

「何これ、かっこいい」
メリーゴーランドといえばかわいらしいイメージだが、黒い竜に羽が生えた船だって?
黒くて赤いし、ちょっと怖いけどかっこいい。
メリーゴーランドといえばかわいらしいイメージだが、黒い竜に羽が生えた船だって?
黒くて赤いし、ちょっと怖いけどかっこいい。
牧志 浩太

「あの人、どこいっちゃったのかな」
光が一緒に登れそうなら、もそもそとメリーゴーランドに登って、入るやつの中を覗き込んでみる。
光が一緒に登れそうなら、もそもそとメリーゴーランドに登って、入るやつの中を覗き込んでみる。
KP
覗き込もうとすると、音楽が始まってメリーゴーランドが回り始めた。とりあえず何かに掴まらないと危ない!
佐倉 光

「うわわ」
光はすぐ近くにいた黒い竜のようなものにつかまった。
光はすぐ近くにいた黒い竜のようなものにつかまった。
KP
馬、ユニコーン、荒御魂、シャンタク鳥、アメノトリフネ
他に乗りたいものがあればそれがあります。
一緒にアメノトリフネ(某シナリオで乗ったやつ)に乗ってしまうのもいいかもしれないけどね!
他に乗りたいものがあればそれがあります。
一緒にアメノトリフネ(某シナリオで乗ったやつ)に乗ってしまうのもいいかもしれないけどね!
牧志 浩太
ニョロっとしたやつ、アラミタマだった!
ああー、一緒にアメノトリフネに乗るのいいなぁ。
ああー、一緒にアメノトリフネに乗るのいいなぁ。
ユニコーンと荒御魂は悪魔召喚師波照間の仲魔、アメノトリフネは仲魔ではないがちょっとした事情で乗ったことがある。シャンタク鳥には佐倉がちょっと因縁がある。
KP
ブー、とブザーが鳴った。
「大変危険ですので、いずれかの馬にお乗りいただき、安全バーにしっかりとお掴まりください」
入ってきた入り口は閉じてしまっていた。
「大変危険ですので、いずれかの馬にお乗りいただき、安全バーにしっかりとお掴まりください」
入ってきた入り口は閉じてしまっていた。
牧志 浩太

「うわ、うわぁあ!?」
慌てて、光が乗っている竜のすぐ後ろにあった船に乗り込む。
船の中から見ると、光が乗っている竜が自分の乗った船を引いているみたいだ。
慌てて、光が乗っている竜のすぐ後ろにあった船に乗り込む。
船の中から見ると、光が乗っている竜が自分の乗った船を引いているみたいだ。
佐倉 光

「わわ! やだ!」
KP
光はあなたが船に乗り込んだのを見て慌てて船に登ってきた。
メリーゴーランドは楽しげな音楽と共にぐんぐんスピードを上げる。
メリーゴーランドは楽しげな音楽と共にぐんぐんスピードを上げる。
佐倉 光

「よ、良かった。あぶなかっ……」
KP
前を行く黒い龍みたいな馬みたいな鳥みたいなものがひとうち羽ばたいた。
そしてバーを離れてぐんぐん空へと昇って行く。
二人が乗っている船も船首を上げ、広げた羽を緩やかに動かした。
くるくると周りながら楽しげな音楽を鳴らすメリーゴーランドを離れ、馬は園内を駆け始め、翼持つものはゆったりと空を舞い始めた!
そしてバーを離れてぐんぐん空へと昇って行く。
二人が乗っている船も船首を上げ、広げた羽を緩やかに動かした。
くるくると周りながら楽しげな音楽を鳴らすメリーゴーランドを離れ、馬は園内を駆け始め、翼持つものはゆったりと空を舞い始めた!
牧志 浩太

「すごい……」
思わず状況も忘れて声を漏らした。
みるみるうちにメリーゴーランドが遠くなっていく。
思わず状況も忘れて声を漏らした。
みるみるうちにメリーゴーランドが遠くなっていく。
牧志 浩太

「なあ、光、こいつ飛んでる! ほんとに飛んでる!」
思わず声を上げて船から乗り出す。
夢の中みたいだ。
そういえば、お兄さんも夢の話してた。
これは夢? おれの? 光の? 別の誰かの?
おれは夢を見てるだけ? おばけに会って、光に会った夢を見てる?
思わず声を上げて船から乗り出す。
夢の中みたいだ。
そういえば、お兄さんも夢の話してた。
これは夢? おれの? 光の? 別の誰かの?
おれは夢を見てるだけ? おばけに会って、光に会った夢を見てる?
佐倉 光

「わぁぁぁすごい! すごいすごい! どうやって飛んでるんだろう!?」
KP
光も乗り出してレールがないかと探しているようだった。
KP
空飛ぶ『馬』たちは気紛れに飛んでいるわけではなく、ちゃんと進む道が決まっているらしい。
ゆったりと園の上空5メートル程度の所を一周して行く。ジェットコースターのコースの横を併走し、観覧車をゆったり回って、5分程度でメリーゴーランドに元通りに舞い降りていった。
ゆったりと園の上空5メートル程度の所を一周して行く。ジェットコースターのコースの横を併走し、観覧車をゆったり回って、5分程度でメリーゴーランドに元通りに舞い降りていった。
佐倉 光

「すごいね! すごい! 空なんか飛んだの初めてだ!
メリーゴーランドってこんなやつなの!?」
振り向いた光の頬は上気していた。
メリーゴーランドってこんなやつなの!?」
振り向いた光の頬は上気していた。
牧志 浩太

「ううん、おれもこんなのはじめて!
びっくりした! すごかった!」
興奮しながら竜によじ登る。
もしかして生きてやしないかと、竜の背を撫でてみる。
びっくりした! すごかった!」
興奮しながら竜によじ登る。
もしかして生きてやしないかと、竜の背を撫でてみる。
KP
ツヤツヤとした鱗はまるきりプラスチックか何かでできているようでひんやりとしてかたい。
さっきまで羽ばたいていたようには見えなかったし、
馬をメリーゴーランドに差し込んでいるバーはしっかりと固定されていて外れそうに見えなかった。
さっきまで羽ばたいていたようには見えなかったし、
馬をメリーゴーランドに差し込んでいるバーはしっかりと固定されていて外れそうに見えなかった。
佐倉 光

「もっかい乗りたいなぁ」
光が呟いて色々な奇妙な生物がいるメリーゴーランドを見上げている。
光が呟いて色々な奇妙な生物がいるメリーゴーランドを見上げている。
牧志 浩太

「他の行ってみようよ、他のもすごいかもしれないし!
あいつどこ行ったのかな?」
空飛ぶメリーゴーランドの衝撃で半分目的が逸れてしまいながら、人影を探して辺りを見回す。
あいつどこ行ったのかな?」
空飛ぶメリーゴーランドの衝撃で半分目的が逸れてしまいながら、人影を探して辺りを見回す。
KP
足音が遠ざかってゆく。いつの間にここを出たのだろう、人影は建物が並ぶ方へと駆けて行っていた。
そちらにはミニゲームコーナーやおばけ屋敷があるようだ。
そちらにはミニゲームコーナーやおばけ屋敷があるようだ。
牧志 浩太

「おばけ屋敷……」
背筋が震えた。ちょっとこわい。
ほんとのおばけが出てきたらどうしよう。
背筋が震えた。ちょっとこわい。
ほんとのおばけが出てきたらどうしよう。
牧志 浩太

「う、ううん、ほんとのおばけが出たら逃げる!」
拳を握って決意を固め、人影を追って建物の並ぶ方へ向かう。
拳を握って決意を固め、人影を追って建物の並ぶ方へ向かう。
KP
そこはゲームコーナーで、色々な玩具が棚に並んでいた。
どうやら手裏剣投げ・パンチングマシーン・くじ引きのいずれかに成功すると、景品が当たるらしい。
『ひとり1回』と書かれている。
どうやら手裏剣投げ・パンチングマシーン・くじ引きのいずれかに成功すると、景品が当たるらしい。
『ひとり1回』と書かれている。
佐倉 光

光が足を止めた。ずらりと並んだ景品の中の一つをじっと見つめている。
牧志 浩太

「あいつどこ行ったんだろ……、?
何か欲しいものがあるのか?」
光が景品を見ているのに気づいて足を止める。
何か欲しいものがあるのか?」
光が景品を見ているのに気づいて足を止める。
佐倉 光

「うん……」
KP
光が見ている方を見ると、ぱっと目についたのは、恐ろしい風貌の鬼……をかたどった縫いぐるみだった。
あなたはその隣に、男の子の人形を見つける。赤茶の髪を首の後ろでくくり、白いマントを被っている。その片目が髪の毛で隠されていた。
何故だろう、とても気になる。
あなたはその隣に、男の子の人形を見つける。赤茶の髪を首の後ろでくくり、白いマントを被っている。その片目が髪の毛で隠されていた。
何故だろう、とても気になる。
牧志 浩太

「鬼だ、なまはげかな?
あ、この子の髪の毛、おれの髪の毛に似てる!」
ほらほら、と髪を一房持ち上げて比べてみせる。
あ、この子の髪の毛、おれの髪の毛に似てる!」
ほらほら、と髪を一房持ち上げて比べてみせる。
牧志 浩太

他の子と違う赤い髪の毛は、浩司とお揃い。
父さんはもうちょっと黒っぽくて、母さんの髪は真っ黒だけど、おじいちゃんも昔はおんなじ色だったんだって!
おれたちおばけ? って言ったら、いでんだよ、って父さん言ってたな。
父さんはもうちょっと黒っぽくて、母さんの髪は真っ黒だけど、おじいちゃんも昔はおんなじ色だったんだって!
おれたちおばけ? って言ったら、いでんだよ、って父さん言ってたな。
佐倉 光

「浩太の髪のいろ、綺麗だよね。
ほんとだ、顔も似てる……あれ、首の所に赤いのある?」
カウンターに身を乗り出して覗き込もうとするが、マントに隠れていて人形の首はよく見えない。
ほんとだ、顔も似てる……あれ、首の所に赤いのある?」
カウンターに身を乗り出して覗き込もうとするが、マントに隠れていて人形の首はよく見えない。
佐倉 光

光がそわそわしている。
佐倉 光

「遊んでいっていい? アレ欲しい」
牧志 浩太

「……」
ちらっと頭上の月を見る。
夜明けまで、まだ猶予はありそうだろうか?
ちらっと頭上の月を見る。
夜明けまで、まだ猶予はありそうだろうか?
KP
月はまだ高い。余裕はありそうだ。
牧志 浩太

「……」
確かに、こう。
これだけ遊べる物がいろいろあったら、そわそわしちゃうのだ。
子供だけで遊園地にいくなんて初めてだ。
さっきのみたいに、何かすごいことがあるかもしれない。
そわそわ。
そわそわそわ。
光にあの人形とってあげたいし。
そわそわ。
確かに、こう。
これだけ遊べる物がいろいろあったら、そわそわしちゃうのだ。
子供だけで遊園地にいくなんて初めてだ。
さっきのみたいに、何かすごいことがあるかもしれない。
そわそわ。
そわそわそわ。
光にあの人形とってあげたいし。
そわそわ。
牧志 浩太

「いいよ、まだ時間ありそうだしな」
目の前のゲームコーナーの誘惑に負けた。
目の前のゲームコーナーの誘惑に負けた。
KP
ゲームは三種類。
手裏剣投げ 【DEX】×5または〈投擲〉
パンチングマシーン 【STR】×5または〈こぶし〉
くじ引き 【幸運】
3回判定する。成功回数によって景品のグレードが変化する。
どれかひとつのゲームを一回遊ぶことができる。
手裏剣投げ 【DEX】×5または〈投擲〉
パンチングマシーン 【STR】×5または〈こぶし〉
くじ引き 【幸運】
3回判定する。成功回数によって景品のグレードが変化する。
どれかひとつのゲームを一回遊ぶことができる。
KP
ここのゲームコーナーまるっと追加要素なのでお気楽にどうぞ。
牧志 浩太
はーい!
隻眼牧志&オニぬいぐるみだぁ
隻眼牧志&オニぬいぐるみだぁ
オニは真・女神転生TRPGPCの悪魔使いとしての佐倉の能力の一つ、《守護天使》。悪魔を一体自分に憑けることで回復などを行う。現在の佐倉の《守護天使》は妖鬼族のオニ。
隻眼牧志は色々あって佐倉の精神に同居している異世界の牧志。佐倉がそれと認識することはできないのだが、常にともにある。
両者とも佐倉の精神に同化しているような状態で、佐倉に何かあったときに助けてくれることがある。
隻眼牧志は色々あって佐倉の精神に同居している異世界の牧志。佐倉がそれと認識することはできないのだが、常にともにある。
両者とも佐倉の精神に同化しているような状態で、佐倉に何かあったときに助けてくれることがある。
牧志 浩太

よし、パンチングマシーンだ!
何だかいけそうな気がする。理由はないけど。
何だかいけそうな気がする。理由はないけど。
KP
コーナーのはしに真っ赤なグローブとターゲットがついたマシンがある。
前に立つと反応してピカピカと光った。
では、【STR】×5または〈こぶし〉で3回判定をどうぞ。
前に立つと反応してピカピカと光った。
では、【STR】×5または〈こぶし〉で3回判定をどうぞ。
牧志 浩太

よーし、行くぞ!
グローブをつけて拳を握り、ターゲットを思いっきり殴る!
あ、鈴はちゃんとポケットにしまっておく。
グローブをつけて拳を握り、ターゲットを思いっきり殴る!
あ、鈴はちゃんとポケットにしまっておく。
牧志 浩太

1d100 70〈こぶし〉 Sasa 1d100→ 34→成功
1d100 70〈こぶし〉 Sasa 1d100→ 17→成功
1d100 70〈こぶし〉 Sasa 1d100→ 80→失敗
1d100 70〈こぶし〉 Sasa 1d100→ 17→成功
1d100 70〈こぶし〉 Sasa 1d100→ 80→失敗
KP
パンチングマシーンを叩く、叩く、叩く!
三発目はいまいちだったが、最初の二発でファンファーレが鳴った。
マシンから賞品の引換券が一枚出てきた。B賞らしい。
さっきのぬいぐるみがある区分だ。
三発目はいまいちだったが、最初の二発でファンファーレが鳴った。
マシンから賞品の引換券が一枚出てきた。B賞らしい。
さっきのぬいぐるみがある区分だ。
佐倉 光

「すごーい! やった! あたったね!」
光が飛び上がってはしゃぐ。
光が飛び上がってはしゃぐ。
牧志 浩太

「やったー!」
光とハイタッチ!
光とハイタッチ!
佐倉 光

「やったー!」
ハイタッチ!
ハイタッチ!
KP
B賞では
・鬼の縫いぐるみ
・赤い髪の旅人の縫いぐるみ
その他がもらえる。
・鬼の縫いぐるみ
・赤い髪の旅人の縫いぐるみ
その他がもらえる。
牧志 浩太
どちらか一つ? >赤い髪の旅人 or オニのぬいぐるみ
KP
ひとつです。
一応後で光もチャレンジするから、気を遣わなくてもいいですよー。
それとも先にゲーム処理しちゃった方が選びやすいかな。
一応後で光もチャレンジするから、気を遣わなくてもいいですよー。
それとも先にゲーム処理しちゃった方が選びやすいかな。
牧志 浩太
では、赤い髪の旅人のぬいぐるみをもらいます。
KP
棚から自分で取る形式らしい。
管理する人もいないのに、こんな方式で大丈夫なのだろうか。
管理する人もいないのに、こんな方式で大丈夫なのだろうか。
牧志 浩太

よいしょ、と棚からぬいぐるみを取る。
KP
赤茶色の髪の人形は、白いマントを身につけていて、背中には銃らしき物を背負っていた。
フェルトで作られていて中に綿が詰まっている。
造形はそんなに細かくないのだが、やはり自分に似ていると思えたし、手にすると何故かほっとした。
フェルトで作られていて中に綿が詰まっている。
造形はそんなに細かくないのだが、やはり自分に似ていると思えたし、手にすると何故かほっとした。
牧志 浩太

こいつにも首に痣あるのかな?
マントをぺろっとめくって見てみる。
マントをぺろっとめくって見てみる。
KP
マントの下は簡素な服で、見える肌には赤い模様が描かれていた。
佐倉 光

「いいなーいいなー。よし、がんばるぞー」
くじ引き一択だなぁ……
くじ引き一択だなぁ……
牧志 浩太

「がんばれー!」
くじ引きで何をがんばるのか分からないが、雰囲気で光を応援。
くじ引きで何をがんばるのか分からないが、雰囲気で光を応援。
KP
光は気合いを入れてクジの箱に手を突っ込んだ!
佐倉 光

1d100 75【幸運】! Sasa 1d100→ 95→失敗
1d100 75【幸運】! Sasa 1d100→ 26→成功
1d100 75【幸運】! Sasa 1d100→ 93→失敗
うーーーん。
1d2 つかう つかわない Sasa 1d2→1
1d100 75【幸運】! Sasa 1d100→ 47→成功
1d100 75【幸運】! Sasa 1d100→ 26→成功
1d100 75【幸運】! Sasa 1d100→ 93→失敗
うーーーん。
1d2 つかう つかわない Sasa 1d2→1
1d100 75【幸運】! Sasa 1d100→ 47→成功
KP
B賞を当てたと喜ぶ光の手の中で、さっき本屋さんでもらったヘビお姉さんの栞がクシャクシャになっていた。
・栞(ダイスの振り直し)を使用。
・栞(ダイスの振り直し)を使用。
KP
びみょーなとこだったけど……
牧志 浩太
ラミア姉さんパワーがくじ引きに使われた!
でもおかげでぬいぐるみが揃いそう
でもおかげでぬいぐるみが揃いそう
KP
※縫いぐるみはアイテム欄に入れておいて下さいね。
牧志 浩太
お、「なんとかなる」要素かしら。
KP
※なんとかなる要素でした。
牧志 浩太
※なるほど。ゲットできてよかった。
《リカームドラ》しちゃうんじゃないだろうな? 隻眼牧志(ぬいぐるみ)……
《リカームドラ》しちゃうんじゃないだろうな? 隻眼牧志(ぬいぐるみ)……
隻眼牧志登場時、彼の固有能力として《自己犠牲による復活》があった。
KP
光は引換券を使ってオニの縫いぐるみを取った!
真っ赤な体に一本角のオニはいかにも恐ろしげなのに、変に愛嬌があった。
真っ赤な体に一本角のオニはいかにも恐ろしげなのに、変に愛嬌があった。
佐倉 光

「見てみてー、もらったー!」
牧志 浩太

「やったな!」
再びハイタッチ!
再びハイタッチ!
佐倉 光

「やったー!」
ハイタッチ!
ハイタッチ!
牧志 浩太

「こいつら仲間かな?」
ぬいぐるみを横に並べてみる。
ぬいぐるみを横に並べてみる。
KP
並んだ縫いぐるみはどこか嬉しそうに見えた。
佐倉 光

「同じシリーズなのかな? なんか、並べとくと……うーん、ぴったり、って感じ」
KP
佐倉はオニの縫いぐるみを抱いて嬉しそうに顔を埋めた。
すると背後でガタンと音がした。
すると背後でガタンと音がした。
牧志 浩太

「わ」びっくりして、ぬいぐるみを抱いたまま振り返る。
KP
おばけ屋敷の扉が開いていた。招くように、誘うように。
牧志 浩太

「……」
迷いながら、じっとお化け屋敷の扉を見る。
迷いながら、じっとお化け屋敷の扉を見る。
牧志 浩太

「開いてる……、あの人、あそこに入ったのかな。
だよな。たぶん、きっと」
光の手を引いて、恐る恐るお化け屋敷の扉の前まで向かい、中をそーっと窺う。
だよな。たぶん、きっと」
光の手を引いて、恐る恐るお化け屋敷の扉の前まで向かい、中をそーっと窺う。
佐倉 光

「…………」
あなたの後ろから覗く。
あなたの後ろから覗く。
佐倉 光

「人、いるのかな……」
KP
入り口には『おばけの日 誰でもどうぞ』と手書きの看板が出ている。
開け放たれた扉の向こうには白っぽくて薄暗い廊下がある。どうやら病院をモチーフにしたおばけ屋敷のようだ。
開け放たれた扉の向こうには白っぽくて薄暗い廊下がある。どうやら病院をモチーフにしたおばけ屋敷のようだ。
牧志 浩太

「わかんない……、でも、開いてるし」
恐る恐る中に入る。
恐る恐る中に入る。
牧志 浩太

「病院だ……。」
薄暗くて白っぽい廊下の無機質さに、肩を震わせる。
薄暗くて白っぽい廊下の無機質さに、肩を震わせる。
佐倉 光

「…………」
KP
コツンコツンと足音が響いた。
光があなたの腕に貼り付くほどに縮こまっている。
心臓のドキドキが伝わってくるほどだ。
廊下の横からガタンと音がしたり、
天井からうめき声が聞こえたり、
シクシク泣く声が聞こえたり……
機械式のビックリ系の仕掛けが次々と襲ってくる!
……正直あまり怖くない。
光があなたの腕に貼り付くほどに縮こまっている。
心臓のドキドキが伝わってくるほどだ。
廊下の横からガタンと音がしたり、
天井からうめき声が聞こえたり、
シクシク泣く声が聞こえたり……
機械式のビックリ系の仕掛けが次々と襲ってくる!
……正直あまり怖くない。
牧志 浩太

「うわぁ!?」
牧志 浩太

「ひゃっ!?」
牧志 浩太

「ひっ!?」
そういうのが怖くないのは、お化け屋敷が安全だと分かっているからなのだ。
いまにも本物のおばけ── しかも曰く、子供を食ってしまう── に追いかけられるかもしれないという状況では、怖いに決まっている!
そういうのが怖くないのは、お化け屋敷が安全だと分かっているからなのだ。
いまにも本物のおばけ── しかも曰く、子供を食ってしまう── に追いかけられるかもしれないという状況では、怖いに決まっている!
佐倉 光

「たったたたたただ音がしてるだけだし!!
病院におばけってそんなにいないし!! あんまり! たまにしか!!」
病院におばけってそんなにいないし!! あんまり! たまにしか!!」
牧志 浩太

「そっそそそっそうだよな!?
ただの機械だし! おばけじゃないし! えったまにいる!?」
怖がっちゃだめだと思えば思う程怖くなる!
ただの機械だし! おばけじゃないし! えったまにいる!?」
怖がっちゃだめだと思えば思う程怖くなる!
KP
光の口数が増えて小声になっていた。怖がるとそれを観察して分析して恐怖を紛らわそうとするのか、口数が増えるらしい。
そして少し歩いたとき。
扉を開けるとそこに硝子張りの部屋があった。
そこにはつるりとした椅子があり、硝子の壁の向こうで白衣の人が忙しく動き回っているように動いていた。人は簡素な作りで、見るからに作り物だ。
椅子には物々しい枷がついていて、誰も座っていないにもかかわらず不気味に見えた。
肘掛けにはこれ見よがしな血の跡がついている。
そして少し歩いたとき。
扉を開けるとそこに硝子張りの部屋があった。
そこにはつるりとした椅子があり、硝子の壁の向こうで白衣の人が忙しく動き回っているように動いていた。人は簡素な作りで、見るからに作り物だ。
椅子には物々しい枷がついていて、誰も座っていないにもかかわらず不気味に見えた。
肘掛けにはこれ見よがしな血の跡がついている。
牧志 浩太

扉を開けた先にあったのは、ガラス張りの部屋にこわそうな椅子。
じっけん施設とか、ああいうやつだ。アニメで見たことがある。
じっけん施設とか、ああいうやつだ。アニメで見たことがある。
KP
その部屋に入った途端、光が今までと比べものにならないほど硬直して目を見開き、がたがたと震え始めた。
ばたん、と後ろで扉が閉まる。
……順路の前の方はちゃんと開いていて進めるようになっていたが、光は今入ってきた扉の方へ駆け出し、壁を叩いて泣き叫んだ。
ばたん、と後ろで扉が閉まる。
……順路の前の方はちゃんと開いていて進めるようになっていたが、光は今入ってきた扉の方へ駆け出し、壁を叩いて泣き叫んだ。
佐倉 光

「やだ! やだ! やめて! だして!!」
パニックになりかかっている。
パニックになりかかっている。
牧志 浩太

「……光?」
それを見た瞬間にパニックになる光を見て、肘掛けの枷についた血の跡を見て、なんでだろう。
それを見た瞬間にパニックになる光を見て、肘掛けの枷についた血の跡を見て、なんでだろう。
牧志 浩太

真っ先に沸き上がったのは、頭の中が真っ赤になるような怒りだった。
指先ががたがたと震えるような、黙っていられないような、そんな凶悪な感覚。
指先ががたがたと震えるような、黙っていられないような、そんな凶悪な感覚。
牧志 浩太

「光、大丈夫。大丈夫だから。
こんなの、おれが壊してやる!」
叫んで、作り物の白衣の人や椅子に殴りかかる。
こんなの、おれが壊してやる!」
叫んで、作り物の白衣の人や椅子に殴りかかる。
KP
その拳が椅子に、白衣の人に届きそうになったその時、明かりが消え、一瞬何も見えなくなった。
背後で光が悲鳴を上げたのが聞こえた。
背後で光が悲鳴を上げたのが聞こえた。
KP
そして、薄暗がりの中に、椅子にぐったりと座り込んでいる黒髪の男の人の姿が見えた。
そこはもう病院ではなくて、丸太小屋のように見える。
男の人はうつむいていてぴくりともしない。
動かないのは当たり前だ。
その人は生きているはずがないのだから。
そこはもう病院ではなくて、丸太小屋のように見える。
男の人はうつむいていてぴくりともしない。
動かないのは当たり前だ。
その人は生きているはずがないのだから。
牧志 浩太

「……光……!」
光に駆け寄ろうとして、迷った。
黒い髪の男の人が……、知らない人が、いる。
光に駆け寄ろうとして、迷った。
黒い髪の男の人が……、知らない人が、いる。
牧志 浩太

「……あ……、」
しんで、しまった。
どうしてか、そんな言葉が浮かんだ。
おれのせいで、おれの、おれのせいで、その人はしんでしまった。
違う。しんでなんか、ない。ない。ちょっと、寝てるだけだ。
違う。分かってるはずだ、その人は、もう……。
しんで、しまった。
どうしてか、そんな言葉が浮かんだ。
おれのせいで、おれの、おれのせいで、その人はしんでしまった。
違う。しんでなんか、ない。ない。ちょっと、寝てるだけだ。
違う。分かってるはずだ、その人は、もう……。
牧志 浩太

「……」
ふらふらとその人に近寄る。
胸があたたかいことを確かめたくて。
ふらふらとその人に近寄る。
胸があたたかいことを確かめたくて。
どちらもシナリオに起因する彼らのトラウマ。
佐倉 光

「浩太っ!」
KP
いつの間にか駆け寄ってきていた光がガチガチと歯を鳴らしながら何か訴えていた。
KP
白い霧が漂ってきている。
〈聞き耳〉をどうぞ。
〈聞き耳〉をどうぞ。
牧志 浩太

1d100 97〈聞き耳〉 Sasa 1d100→ 45→成功
KP
こつ、こつ、こつ、という足音が、入り口の方から近づいてきていた。
それと同時に、今までにも何度か感じた、怖気立つような気配が。
さっき閉じたばかりの扉の向こうから近づいてくる。
それと同時に、今までにも何度か感じた、怖気立つような気配が。
さっき閉じたばかりの扉の向こうから近づいてくる。
佐倉 光

「おば おば おば」
牧志 浩太

「……!」
びくり、と背筋が震えた。
あいつが。本物のおばけが、いる!
びくり、と背筋が震えた。
あいつが。本物のおばけが、いる!
牧志 浩太

「ご、ごめ、ごめん光、おれ」
慌ててどこかに隠れようとする。
慌ててどこかに隠れようとする。
KP
ここは一本道だ、隠れる場所などない!
牧志 浩太

「……!」
相手が扉の向こうから近づいてくるなら、扉の真横、扉を開ければ扉の陰になる位置で、屈んで息をひそめる!
相手が扉の向こうから近づいてくるなら、扉の真横、扉を開ければ扉の陰になる位置で、屈んで息をひそめる!
KP
なるほど。では扉が開く。
KP
1d100 69 Sasa 1d100→ 69→成功
KP
おばけは立ち止まると、あなたたちに手を伸ばしてきた。
真っ白で生気のない手があなた方を捕まえようと伸びてくる!
《SANチェック:成功時減少 1 / 失敗時減少 1D4+1》
真っ白で生気のない手があなた方を捕まえようと伸びてくる!
《SANチェック:成功時減少 1 / 失敗時減少 1D4+1》
牧志 浩太

1d100 50 《SANチェック》 Sasa 1d100→ 31→成功
SAN 50 → 49
SAN 50 → 49
佐倉 光

1d100 51 《SANチェック》 Sasa 1d100→ 61→失敗
1d4+1 Sasa 1d4+1→ 2+1→合計3
SAN 51 → 48
1d4+1 Sasa 1d4+1→ 2+1→合計3
SAN 51 → 48
牧志 浩太

「あ、ああ、あああ……!」
見つかった。後ずさりしながら、光を後ろに庇おうとすることしかできない。
そんな、いやだ、食べられたくない、はやく駅に行ってればよかった、ぐちゃぐちゃの気持ちが吹き荒れる。
見つかった。後ずさりしながら、光を後ろに庇おうとすることしかできない。
そんな、いやだ、食べられたくない、はやく駅に行ってればよかった、ぐちゃぐちゃの気持ちが吹き荒れる。
KP
ふたりとも【POW】×4で判定。
牧志 浩太

1d100 48 POW Sasa 1d100→ 9→成功
佐倉 光

1d100 60 POW Sasa 1d100→ 51→成功
KP
あなた方の手には、空になったラムネの瓶がある!
これを投げつけて気を逸らしたりできないだろうか。
これを投げつけて気を逸らしたりできないだろうか。
KP
〈投擲〉で判定することにより当たるかチャレンジできる。
外れても逃走は可能だ。
外れても逃走は可能だ。
牧志 浩太

そうだ、瓶……!
ビニール袋の中のそれを感じた時に、ふっと、さっき感じた怒りが戻ってきた。
こんなところで、おばけなんかに食べられてたまるか!
ビニール袋の中のそれを感じた時に、ふっと、さっき感じた怒りが戻ってきた。
こんなところで、おばけなんかに食べられてたまるか!
牧志 浩太

「……!」
おばけに瓶を投げつける!
1d100 25〈投擲〉 Sasa 1d100→ 71→失敗
おばけに瓶を投げつける!
1d100 25〈投擲〉 Sasa 1d100→ 71→失敗
佐倉 光

1d100 33〈投擲〉 Sasa 1d100→ 66→失敗
KP
残念! 瓶はおばけに当たらない。
しかしおばけは一瞬怯んだように見えた。
逃げ出すなら今だ!
逃げ出すなら【DEX】×5
しかしおばけは一瞬怯んだように見えた。
逃げ出すなら今だ!
逃げ出すなら【DEX】×5
牧志 浩太

「光!」
光の手を引いて逃げ出す!
1d100 40 【DEX】 Sasa 1d100→ 94→失敗
光の手を引いて逃げ出す!
1d100 40 【DEX】 Sasa 1d100→ 94→失敗
佐倉 光

「う、うん!」
1d100 50 【DEX】 Sasa 1d100→ 41→成功
1d100 50 【DEX】 Sasa 1d100→ 41→成功
KP
逃げ出すあなた方の目の前に、唐突に砂漠が広がり、大男が刃物を振りかざすのが見えた。
あなたは足を取られて転んだ! 後ろから白い影が迫ってくる!
SAN-1d3
あなたは足を取られて転んだ! 後ろから白い影が迫ってくる!
SAN-1d3
牧志 浩太

1d3 Sasa 1d3→3
SAN 49 → 46
SAN 49 → 46
佐倉 光

「浩太!」
光があなたを引っ張り起こす。
光があなたを引っ張り起こす。
牧志 浩太

「光!」
助け起こされて、急いで走ろうとする。
助け起こされて、急いで走ろうとする。
KP
走る中で色々なものが見えた。
夜の森の中を追って来る恐ろしい吸血鬼。
一個一個ケースに詰められて部屋中に並べられた人間の中身。
どろっとした青いもの。
多脚で馬鹿でかい筒を載せた機械。
それらは視界の端で踊る。
だがもう走るのに夢中で、しっかりと見ている余裕などなかった。
夜の森の中を追って来る恐ろしい吸血鬼。
一個一個ケースに詰められて部屋中に並べられた人間の中身。
どろっとした青いもの。
多脚で馬鹿でかい筒を載せた機械。
それらは視界の端で踊る。
だがもう走るのに夢中で、しっかりと見ている余裕などなかった。
牧志 浩太

いやだいやだいやだいやだ。
おばけが追いかけてくる。こわいものが視界の隅で踊る。
心臓が胸の中で一緒に踊る。
捕まったら食べられる。
わき目も振らず、光の手をしっかりと握りしめて、走る、走る、走る!
おばけが追いかけてくる。こわいものが視界の隅で踊る。
心臓が胸の中で一緒に踊る。
捕まったら食べられる。
わき目も振らず、光の手をしっかりと握りしめて、走る、走る、走る!
KP
どこをどう走ったのかなんて分からないまま道をゆくと、
夜の遊園地に出た。
明るい街灯がまるで太陽みたいに眩しく思えた。
気がついてみればもう背後にあの気配はなかった。
あなたの隣には涙とハナミズでべしょべしょになった光がいた。
夜の遊園地に出た。
明るい街灯がまるで太陽みたいに眩しく思えた。
気がついてみればもう背後にあの気配はなかった。
あなたの隣には涙とハナミズでべしょべしょになった光がいた。
牧志 浩太

「に、にげ、にげた……」
太陽みたいに明るい街灯の光を浴びて、ぺたん、とその場に尻もちをついた。
太陽みたいに明るい街灯の光を浴びて、ぺたん、とその場に尻もちをついた。
牧志 浩太

「こ、こ」
牧志 浩太

「こわかったぁああああ」
緊張が途切れて、たまらずこちらも泣きだした。
緊張が途切れて、たまらずこちらも泣きだした。
佐倉 光

「おばけ屋敷におばけがいるなんてぇぇぇ」
KP
えぐえぐ、としゃくり上げながら光は泣いていた。
佐倉 光

「もうやだ、病院やだ、注射いやだぁ」
牧志 浩太

「うわぁああああん、こわかったよぉおお、食べられるのやだぁあああ」みるみるうちにこちらも涙と鼻水まみれになっていく。
佐倉 光

「ヘビやだ……注射ヤダ……」
KP
【アイデア】。
牧志 浩太

1d100 90【アイデア】 Sasa 1d100→ 15→成功
佐倉 光

1d100 85【アイデア】 Sasa 1d100→ 51→成功
KP
あなたはふと、気付くだろう。
あのおばけが来たとき、『足音がしていた』のだ。
そういえば今までも足音が聞こえていたように思う。
あのおばけが来たとき、『足音がしていた』のだ。
そういえば今までも足音が聞こえていたように思う。
牧志 浩太

「うーっ」
自分の服の裾で鼻をかみ、涙を拭う。
自分の服の裾で鼻をかみ、涙を拭う。
牧志 浩太

「ゆうれいみたいなおばけなのに足があるなんてひどい」
佐倉 光

「あし? ……あし……そっか」
スンスン、と鼻を鳴らしながらあなたの言葉に応える。
スンスン、と鼻を鳴らしながらあなたの言葉に応える。
佐倉 光

「おばけなのにゆうれいじゃないのかな」
牧志 浩太

「そうなのかも……。ゆうれいじゃないおばけなのかも。うちゅうじんとか」
佐倉 光

「うちゅうじん!
内臓とられちゃう?」
内臓とられちゃう?」
牧志 浩太

「ないぞう! やだ!」
慌てて胸の辺りをガードする。
慌てて胸の辺りをガードする。
牧志 浩太

「こわくないおばけならいいのに。ないぞうたべちゃうなんてひどいよ」
KP
うちゅうじんに恐怖の感情があるのか浩太くん。
牧志 浩太
波照間が会ったみたいな、怖くないうちゅうじんならよかったのに! ないぞうとっちゃううちゅうじんなんてヤダ!
KP
つまり佐倉が余計なこと言った!
牧志 浩太
YES!
KP
ふと。あなたは見慣れないものに気付く。
おばけ屋敷を出てすぐの所に、青い絵本が一冊落ちている。
こんな物、入るときにはなかったように思えるのだが……
おばけ屋敷を出てすぐの所に、青い絵本が一冊落ちている。
こんな物、入るときにはなかったように思えるのだが……
牧志 浩太

「……あれ?」
そうやって光と言いあっていると、ちょっと気持ちが落ち着いてきた気がした。
そうやって光と言いあっていると、ちょっと気持ちが落ち着いてきた気がした。
牧志 浩太

「あんな本、あったっけ。おばけのほんかな」
絵本を拾って見てみる。おばけの攻略法かいてないかな。
絵本を拾って見てみる。おばけの攻略法かいてないかな。
KP
それは『さみしいおばけ』という絵本だった。
KP
【アイデア】をどうぞ。
牧志 浩太

1d100 90【アイデア】 Sasa 1d100→ 10→成功
佐倉 光

1d100 85【アイデア】 Sasa 1d100→ 70→成功
KP
この絵本は知らない。だがなんとなくそのタイトルには聞き覚えがある気がした。
牧志 浩太

「さみしいおばけ……、あいつのことかな」
あいつ、さみしくて子供を食べちゃうんだって言ってたし。
あいつ、さみしくて子供を食べちゃうんだって言ってたし。
牧志 浩太

絵本を読んでみる。
KP
それは水彩画のイラストに短い文章が書かれた、低学年向けの絵本のようだった。
さみしさに呑み込まれてこどもを食べてしまう危険なおばけと、友達になりたい子供の物語だ。
物語は「消えてしまいました」で終わっているが、何が起きたのかは肝心なところが破れていて分からない。
物語は「消えてしまいました」で終わっているが、何が起きたのかは肝心なところが破れていて分からない。
KP
最後のページは朝日のなか、黒々とした影が描かれているように見えた。
そしてその時、あなたはなんとなく視線を感じた気がする。
誰かがあなたを、あなたたちを見ている。
そしてその時、あなたはなんとなく視線を感じた気がする。
誰かがあなたを、あなたたちを見ている。
KP
《SANチェック:成功時減少 0 / 失敗時減少 1》
牧志 浩太

1d100 46 《SANチェック》 Sasa 1d100→ 64→失敗
SAN 46 → 45
SAN 46 → 45
佐倉 光

1d100 48 《SANチェック》 Sasa 1d100→ 57→失敗
SAN 48 → 47
SAN 48 → 47
牧志 浩太

「えーっ!」
それを読んで声を上げる。
それを読んで声を上げる。
牧志 浩太

「攻略法のとこ破れてる! ひどいよ!」
周囲や、ゴミ箱があればゴミ箱の中を探してみるが、破れたページは見当たらないだろうか。
周囲や、ゴミ箱があればゴミ箱の中を探してみるが、破れたページは見当たらないだろうか。
KP
それらしい物は見当たらない……
佐倉 光

「おばけはこわい、って事しか分からないし」
佐倉 光

「そんなの知ってるし」
佐倉 光

「ちょっと怖くなって来ちゃった」
KP
光がちらりとおばけ屋敷を見る。
おばけはまだそこにいるのかも知れなかった。
おばけはまだそこにいるのかも知れなかった。
牧志 浩太

「おれも。……おれ、きっとおばけの攻略法だと思うんだ、このページ。
……本がここにあるってことは、ページ落としてきたのはおばけ屋敷のなかじゃなくて、外だよな?
あいつが持っていってなかったら、だけど」
……本がここにあるってことは、ページ落としてきたのはおばけ屋敷のなかじゃなくて、外だよな?
あいつが持っていってなかったら、だけど」
佐倉 光

「多分中にそういうのはなかったと思う……」
牧志 浩太

「おばけ屋敷、もうやだ。
ページがどこいったのか探してみようよ」
ページがどこいったのか探してみようよ」
佐倉 光

「うん。僕、もうここ嫌だ」
牧志 浩太

「おれも……」
おずおずと手を差し出し、光と手を繋ぐ。
鼻水ついてるけど、きっと些事、ってやつ。光も鼻水まみれだったし。
おずおずと手を差し出し、光と手を繋ぐ。
鼻水ついてるけど、きっと些事、ってやつ。光も鼻水まみれだったし。
KP
ベトベトになっていても、手を繋げば安心できた。
トイレなどで手を洗うこともできるだろう。
……光は独りになるのを嫌がったが。
トイレなどで手を洗うこともできるだろう。
……光は独りになるのを嫌がったが。
牧志 浩太

「ふふ、鼻水だらけ。手、洗っていこうよ」
光と一緒にトイレに行って手を洗う。
光と一緒にトイレに行って手を洗う。
KP
鏡の中の二人は青ざめていて、顔はべちゃべちゃになっていて酷い有様だった。
光は個室からトイレットペーパーを持ってきて鼻をかんだり顔を拭いたりする。
光は個室からトイレットペーパーを持ってきて鼻をかんだり顔を拭いたりする。
牧志 浩太

こちらもトイレットペーパーで服の汚れを拭ったり、顔を拭いたりする。
佐倉 光

「もう、行こうよ」
綺麗になった手でぎゅっとオニの縫いぐるみを抱きしめて心細そうに言う。
綺麗になった手でぎゅっとオニの縫いぐるみを抱きしめて心細そうに言う。
佐倉 光

「駅に行って、おうち帰ろうよ……」
牧志 浩太

「光……」
光の心細そうな様子に、攻略法のページを探すんだ! と思っていた心がへにゃりと萎びていく。
光の心細そうな様子に、攻略法のページを探すんだ! と思っていた心がへにゃりと萎びていく。
牧志 浩太

「……それが、いいのかな。
おばけ攻略しなくても、駅に行ったらきっと帰れるよな。
きっと……。わかんないけど……」
おばけ攻略しなくても、駅に行ったらきっと帰れるよな。
きっと……。わかんないけど……」
佐倉 光

「……帰りたいよ……」
KP
おばけ屋敷が余程怖かったのだろう。
この奇妙な遊園地を楽しみたいという気持ちはしぼんでしまったようだ。
そういえばゲームコーナーとおばけ屋敷でそれなりに時間がかかったらしく、
月がさっきより傾いていた。
この奇妙な遊園地を楽しみたいという気持ちはしぼんでしまったようだ。
そういえばゲームコーナーとおばけ屋敷でそれなりに時間がかかったらしく、
月がさっきより傾いていた。
牧志 浩太

「うん……、駅、行ってみようか」
駅に行って大人の人に会って話を聞いて、それで帰るんだ。
電車に乗れば、きっと帰れるはず。
それに、本のページが駅に落ちてるかもしれないし。
さみしいおばけのことは気になるけど……、食べられたくないし。
それに、光を守らなくちゃ。
駅に行って大人の人に会って話を聞いて、それで帰るんだ。
電車に乗れば、きっと帰れるはず。
それに、本のページが駅に落ちてるかもしれないし。
さみしいおばけのことは気になるけど……、食べられたくないし。
それに、光を守らなくちゃ。
佐倉 光

「うん、行こう」
KP
あなたの言葉に光はほっとしたように頷く。
牧志 浩太

遊園地の中を回って、ページが落ちていないか探す。
それから、遊園地を出て駅に向かう。
それから、遊園地を出て駅に向かう。
KP
遊園地にはゴミは落ちていなかった。
牧志 浩太

遊園地の中にページが落ちていなかったことに肩を落とす。
牧志 浩太

よし。駅に行って……、光と一緒に帰るんだ。
それに、ページも探す!
自分に言い聞かせて、胸の前でぐっと拳を握る。
片手を光としっかり繋ぎ、片手に鈴を握り込んで、駅に向かって歩き出す。
それに、ページも探す!
自分に言い聞かせて、胸の前でぐっと拳を握る。
片手を光としっかり繋ぎ、片手に鈴を握り込んで、駅に向かって歩き出す。
佐倉 光

光は鈴を握った手で縫いぐるみを抱え、あなたとしっかり手を繋いだ。
牧志 浩太

遊園地を出て駅に向かう。
KP
白い霧がじっとりと周囲を包んでいる……
賑やかな場所から離れるにつれ、静寂がここにいる二人以外の人間は存在しないかのような錯覚を与える。
賑やかな場所から離れるにつれ、静寂がここにいる二人以外の人間は存在しないかのような錯覚を与える。
KP
【POW】×5判定。
牧志 浩太

1d100 60 【POW】 Sasa 1d100→ 76→失敗
SAN 45 → 43
SAN 45 → 43
佐倉 光

1d100 75 POW Sasa 1d100→ 1→決定的成功(クリティカル)!
SAN 47 → 46
SAN 47 → 46
牧志 浩太

明るい遊園地から一歩外に出てしまうと、街は寒くて、暗かった。
さっきまで明るい所にいたせいで、ほんとに真っ暗に見える。
さみしくて、世界にふたりっきりになっちゃったみたいだ。
明るいところに帰りたくなる。本屋でお兄さんとお話していたい。
遊園地で光と遊んでいたい。
さっきまで明るい所にいたせいで、ほんとに真っ暗に見える。
さみしくて、世界にふたりっきりになっちゃったみたいだ。
明るいところに帰りたくなる。本屋でお兄さんとお話していたい。
遊園地で光と遊んでいたい。
牧志 浩太

……ううん、だめだ。
光がいるんだ。一緒に帰らなきゃ。帰りたい。
くじけそうになる気持ちを、ぐっと手を握って奮い立たせる。
光がいるんだ。一緒に帰らなきゃ。帰りたい。
くじけそうになる気持ちを、ぐっと手を握って奮い立たせる。
KP
Sasa 🎲 Secret Dice 🎲
KP
足音が、聞こえた。同時に寒気がする。
佐倉 光

「浩太ぁ……っ!」
KP
光が微かな声を上げてあなたの手を強く握った。
KP
〈隠れる〉・〈忍び歩き〉・【DEX】・〈心理学〉のいずれかで判定。
牧志 浩太

1d100 77〈心理学〉 Sasa 1d100→ 36→成功
佐倉 光

1d100 65〈心理学〉! Sasa 1d100→ 7→成功
KP
おばけのサーチ力高いんだけど、二人とも隠れるの上手いなぁ。
牧志 浩太
二人ともそれなりの〈心理学〉技能値があるとはいえ、なかなかの成功率。
牧志 浩太

大丈夫、後ろに回ろう。
そう合図して光の手を引き、おばけの背後側に回って物陰に身をひそめる。
心臓がばくばくと跳ねていて、こわいって叫んでる。
でも、光がいるんだ。こんなの平気なふりしないと。
そう合図して光の手を引き、おばけの背後側に回って物陰に身をひそめる。
心臓がばくばくと跳ねていて、こわいって叫んでる。
でも、光がいるんだ。こんなの平気なふりしないと。
KP
おばけはゆらりゆらりと体を揺らしながら通りを歩いて行く。
時折両手で顔を覆うような動きをしていた。
あなた方が見つめる前で、おばけはふらふらしながら遊園地の方へ戻っていった。
時折両手で顔を覆うような動きをしていた。
あなた方が見つめる前で、おばけはふらふらしながら遊園地の方へ戻っていった。
佐倉 光

「……足、あった」
光が囁いた。
光が囁いた。
牧志 浩太

「うん……、あったな」
おばけが去るのを見届けてから、うん、と頷き返す。
おばけが去るのを見届けてから、うん、と頷き返す。
牧志 浩太

「ほんとはおばけじゃなくて、お兄さんか、誰かがおれたちからかってるだけ…… だったら、いいのにな」
佐倉 光

「そう、だね。でも」
KP
光は首を振った。
佐倉 光

「あのおばけ怖いよ」
牧志 浩太

「うん……、おれも」
光の手を握る。
ひとりっきりだったら、どれだけさみしくて、怖くて、泣いちゃってただろう。
光の手を握る。
ひとりっきりだったら、どれだけさみしくて、怖くて、泣いちゃってただろう。
コメント By.KP(佐倉)
こんな場所では遊ぶしかないよね!
シナリオにない要素モリモリで遊び倒します。
こんな場所では遊ぶしかないよね!
シナリオにない要素モリモリで遊び倒します。
【クトゥルフ神話TRPG】
本作は、「 株式会社アークライト 」及び「株式会社KADOKAWA」が権利を有する『クトゥルフ神話TRPG』の二次創作物です。
Call of Cthulhu is copyright ©1981, 2015, 2019 by Chaosium Inc. ;all rights reserved. Arranged by Arclight Inc.
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