こちらには
『のうみそのきみ
のネタバレがあります。

佐倉 光

サマナーで悪魔退治屋。ハッカーでもある。
基本、知性・理性・効率、そういったものを重視する冷静な青年。とある事件より、体中の痛みに悩まされている。
基本悪魔を召喚して戦うが、悪魔との契約のカードを使ってその力を一時的に借りることもできる。

巻き込まれ体質らしい。
ある種の薬を飲み続けないと破滅、という状態である。

牧志とは友人。


牧志 浩太

お人好しで温厚、だが意思は強い好青年だったが……。
とある事情で二年より前の記憶の大半を失い、代わりに悪魔使い波照間紅の記憶を持っている。
首から胸へと続く奇妙な【契約】の痣がある。たまに痛むという。
生贄体質らしく、事件に巻き込まれることが多い。
とある事件以降、胃袋が独立した生命体になってしまった。

佐倉とは友人。
現在、自分が佐倉を殺害してしまうのではないかという恐怖に囚われている。


とある事件以来、特殊な事情のため二人が面倒を見ることになった少年。
超美形で類い希な理解力と知性を有する。
年齢は7歳程度。生育環境が特殊だったため、一般的な教育を受けていないので、言語が年齢の割に幼い。


少し前に現れた6人の異星人。佐倉と契約して彼の仲魔として存在している。
その正体は、何にでも変身して喰らい殖える不定形生物だったが、『人間』としての意識を持ち、この星での人間との共存を試みている。


佐倉 光
新規キャラグラがっっ!
牧志の脳味噌と思われるカラフル脳がキャラクターグラフィックとして登録されていた。
佐倉 光
あっ、カラフルじゃなくなった!
KP
カラフルなやつ派手過ぎてちょっとアイコンでは見づらいなって思ったのでこうなりました
佐倉 光
いい雰囲気だと思います!
KP
ありがとうございます!
頭の上にのうみそは、何をどうしても頭が輪切りになった上に脳みそが乗っかってる画像になっちゃうので諦めました
佐倉 光
AIさんには理解不能な概念だった!
KP
脳みそ頭よりも輪切りサイボーグとか、アンドロイドっぽい人とか、メジャーな概念に引っ張られちゃうみたい。

KP
のうみそのきみとくらそう。
KP
よろしくお願いします。
佐倉 光
宜しくお願いしまーす! バラバラ事件では直接の害がなかった脳についに魔の手が!
KP
いやいや平穏なおはなしですよぅ。



CoCシナリオ
『のうみそのきみ』
キリコシ屋 / 縹 灘倉 様



KP
舞台はあれから二ヶ月後になります。

牧志は穏やかな生活の力と、何度も世話になっている精神科の力で、心に負った傷を何とか癒そうとしている最中になります。
KP
佐倉さんはシナリオ外の成長判定を1回行って下さい。

牧志は不定治療判定を2回行います。
牧志 浩太
1d100 1ヶ月目 Sasa 1d100→50
1d3 Sasa 1d3→3
1d100 Sasa 1d100→95
アブネー!
1d3 Sasa 1d3→2
SAN 37 → 42
佐倉 光
大人佐倉の顔がもの凄く懐かしい!
なんだかんだ出番がある&仕事で使っている〈忍び歩き〉の訓練をしようかな!
1d100 50〈忍び歩き〉 Sasa 1d100→ 20→成功
佐倉 光
ちぇー。
KP
慣れたもので成長の余地がなかった。

KP
舞台はあれから、二ヶ月後だ。
あの、大層奇妙な事件の後。
牧志 浩太
あなたの手を取れば、あなたを握り潰してしまうのではないか。

朝起きたら、あなたを押し潰してしまっているのではないか。

食事を作れば、あなたが腹痛を起こして死ぬのではないか。

夜眠れば、知らないうちにあなたを殴り殺しているのではないか。
KP
そんな恐怖に、不安に駆られながらも。
何度も何度も、あなたを殺してしまったと泣きながらも。
ようやく彼が自分の手を縛ってもらわなくても眠れるようになってきた、そんな頃だった。
佐倉 光
俺は生きているから大丈夫。
なんなら死んでも生き返るから大丈夫。
根気よく、あまり深刻になりすぎないように、牧志に言う日々。
佐倉 光
「いくらなんでも、握ったくらいで死ぬほど弱くないから大丈夫だって」
牧志 浩太
「そうだよな……、そう、だよな」

弱々しく彼は言い、あなたの肩に触れて大きさを確かめた。
潰れないことを確かめようと、痛いほどの力があなたの肩にかかった。
佐倉 光
牧志が自分を殺すのではないかと危惧するような状況をなるべく避けながら。
たとえば刃物を持っているときに近寄らないこと。
たとえば車の運転を任せないようにすること。
たとえば病気は早めに直す努力をすること、などなど。
なるべくそういうことが意識に登らないように暮らしていた。
KP
あなたは彼の不安のために、懸命に生きた。生きるようにした。
彼は夜毎眠る度に来る恐怖をよく効く薬で眠らせながら、ただ生きている日々に目を向けようとした。
KP
そんな、ことさらに死の影を遠ざけながら暮らす、穏やかで不安定な日々の、ある日。

彼が消えた。
通院の帰りだった。

今から帰るよという定時連絡を最後に、消えてしまった。
佐倉 光
俺ならともかく、牧志が消える理由はない。
これは異変か事件でしかない。

その日の仕事が途切れているなら牧志や牧志の周囲の人に鬼電して探すし、病院周囲に監視カメラがあるならなんとか彼の姿を探そうと手繰るだろう。
KP
あなたは、彼の足取りを必死に辿った。
聞ける人に聞き、手伝いを得て、伝手を辿り、監視カメラの映像を辿る。

あなたはそうして一晩中探し回った。
しかし、彼の姿は見つからない。

分かったのは、角を曲がってカメラの死角に入った瞬間に、ふっつりと姿が消えていることだけだった。
その場所には、何も残されていなかった。
何も。
佐倉 光
「ああ、くそ……っ」
自主的な失踪でも、人間の手による誘拐などでもないことがはっきりしただけだった。
それならあとは、悪魔に連れ去られたか、異界に落ちたか。
それならまだ追いようがある。
しかし、もっと確率が高くたちが悪いのは……いつものやつだった、場合だ。

監視カメラだらけのこの土地で影も形も残さずに人を消せる者。
希に訪れる、牧志の肉体を狙って奪おうとする異形の輩。
KP
探し回って、探し回って。
あなたの脚を、思考を、ひ弱な肉体に積もる疲労が重く引くまで探しても、手掛かりはなかった。

瞼が、重い。
ザントマンに引きずり下ろされているように、重くてたまらない。
佐倉 光
「くそっ、くそっ……!」
探せど探せど見つからない、分からない。
遂に自分の手が届かないところへ行ってしまったのではないのか、という危惧を振り捨て、叫ぶ。
体力が限界だ……

※寝る場所に指定がなければ消えた場所の近くのベンチなどに腰掛けて、あればそこで、意識を失うように寝ます。
KP
彼が消えた場所の、すぐ近く。
ふっと一瞬、休息を取ろうとベンチに腰掛けたつもりだった。
否応なしにあなたの瞼は、あなたの意図を裏切った。

KP
……こぽこぽ、こぽ。
どこか遠く、水の中で息をする音がした。

小さな気泡が、浮かんでいく音。

あなたは崩れ落ちるような眠りの中、
気泡が浮かんでは潰れる音を聞いていた。

不規則に潰れては、消える音。
どうやらあなたは、夢をみているらしかった。
佐倉 光
覚えがある……
以前こうやって、海に沈むように眠って……海の底で牧志と出会った。
もしかしたら、また……
KP
微かな泡の音だけが、あなたの耳に届く。
あなたは視界のきかない海の底、静かに泡を吐いていた。

水の底でうたうあなたの脚は、真珠色に輝く尾鰭。
あなたはそこで手をなびかせて、たったひとり彼を待っていた。

ああ、そうか。
あなたは雨の降りしきる中、あの側溝から海へと流されて、海の底へ沈んでしまったのだった。
佐倉 光
俺は、人魚になってしまったのか……
いや、それは過去の、話の筈だ。
俺は夢を見ているのか?

無意識に胸元に手をやる。ヒランヤなどはあるだろうか。服は着ているだろうか。
そもそもここはどこなんだろうか。
KP
胸元に手をやろうとすると、その手は小さな丸い手だった。
丸くて小さな手のひらが、丸いヒランヤを握っていた。
佐倉 光
丸いヒランヤに触り慣れた手触りはなく、なんとも心許ない。
KP
遠くから呼応するように、気泡ののぼる音が聞こえてくる。
その音が、少しずつ形を取り始める。

気泡ののぼる音が耳の中で反響して、誰かの声に聞こえてくる。
幻、なのだろうか。
遠くからだれかが、あなたを呼んでいる。
あの水面の遥か上から。
佐倉 光
呼ばれている……

短い手と尾を揺らめかせて上を目指す。
そうだ、海底を探していたって探しものは見つからない。
大体、こんな所にいたら俺の方が迷子になってしまう。
牧志が探しているかも知れない。戻らなきゃ……

冷たい水の底から暖かさを求めて水面を目指す。
KP
こぽ、こぽ、こぽ。
あなたは熱を求めて、上を目指す。

KP
『……』
KP
こぽ……、こぽ、こぽ。
遥か上からきらめく光が、まるで夜が明けるように、あなたの視界を黒から青に染めていく。
KP
『……よう』
KP
こぽ、こぽ……、こぽり。
輝く水面が近づいてくる。
青から金色に、世界が染まる。
KP
『……はよう』
KP
こぽ……、こぽ。こぽん。
そうしてあなたは、
牧志 浩太
「おはよう、佐倉さん」
KP
随分久しぶりに聞いたような気のする、牧志の声で目を覚ました。
佐倉 光
「……」
牧志の声だ……
佐倉 光
「牧志!?」
慌てて目を開いた。
牧志 浩太
「おはよう、……どうしたんだ? そんなに慌てて」
目を開けば、そこはアパートの一室のような部屋だった。

あなたはテーブルの前に座っていて、少し俯いていたようだった。
白いテーブルの上に、向かいに座っている人の手が見えた。

見慣れた、牧志の手だ。
聞き慣れた、牧志の声がする。
佐倉 光
「何だよお前、心配……」
牧志 浩太
あなたの向かいに、牧志が座っているらしい。
佐倉 光
「させやがって……」
ほっとしながら顔を上げる。
異変だな。異変だ。しかし合流できれば、いつも通りにやるだけ……
KP
顔を上げると、牧志と目が合……、わなかった。
その代わりに何かと目が合った。
いや、目?

どうやら目ではなかった。
皺だ。
あなたはこれを、何か夢の中で見たことがある。
びっしりと皺の刻まれた、グロテスクな桃色の脂肪のかたまり。

つるりとした水槽の中に入れられたそれは。
そう。

脳みそだ。
牧志 浩太
牧志の頭があるべき場所に、彼の頭はなかった。

代わりに、熱帯魚でも入れるような四角い水槽が置かれていた。
隙間なく満たされた水の中に、ぷかぷかと脳みそが浮かんでいた。
牧志 浩太
「佐倉さん?」
水槽の中にぼこりと一つ、泡が浮かんだ。
KP
SANチェック成功時減少 1失敗時減少 1D4
ちょっと画像は浮いてないんですけども。
(Adobe ExpressによるAI画像です)
佐倉 光
1d100 61 《SANチェック
ついでにコマ作って振ってきました
佐倉 光 - 今日 23:55
CCB<=61 《SANチェック》 (1D100<=61) > 79 > 失敗

佐倉 光 - 今日 23:56
1d4 (1D4) > 2

[ 佐倉 光 ] SAN値 : 61 → 59

本編見る!
佐倉 光
「…………は?」
首の上に水槽が生えている感じかな。
KP
そうです。
首の上に、頭の代わりに脳みその入った水槽が生えています。
佐倉 光
「…………牧志?」
恐る恐る問いかけた。
この声はどこから聞こえているんだ?
牧志 浩太
「……佐倉さん? 何か、あったのか?」

本来なら喉を通って口から出る空気が作るはずの声は、水槽の正面、本来なら口があるはずの位置から聞こえてくる。

そこには、口も、鼻もない。
つるりとしたガラスがあるばかりだ。
水中に浮かぶ脳みそは奇妙な魚のように揺らめくばかりで、表情ひとつ浮かべることはない。
佐倉 光
「『何か』……ってお前」
気付いていないのか?
それとも気付いていながらそれを当然のこととしているのか?

暫く躊躇って口を開く。
佐倉 光
「俺からは、見えちゃいけないものが丸見えになっているように見えるんだけど……」
牧志 浩太
「見えちゃいけないもの?」
彼は不思議そうに、服の裾や襟を確かめた。
こぽり、と時折水槽の中で揺らめく気泡が、彼の動きに添って揺れた。
佐倉 光
「俺の声は聞こえてるんだな。目や鼻、どっかに落としてきたのか?」
佐倉 光
「でもそれなら脳に変な情報が混ざらなくて済んでるのかもな」
牧志 浩太
「へっ? 目や鼻? 俺、どうにかなってるのか?」
彼は水槽の正面に手を伸ばした。
彼の指が、ぺたぺたとガラスに触れる。
牧志 浩太
落ち着いて見れば、水槽から長い透明な管が三本伸びていて、その先が天井へと消えているのに気づく。
どうやらこの水槽は有線式らしい。
佐倉 光
「心配したんだぞ、マジで」
これを無事、と言っていいのかどうかは分からないが、一応、話せている。
まずはヨシとしよう。
牧志 浩太
「ごめん、俺に何かあった……、んだよな、その感じだと。
俺の記憶だと、昨日の晩普通に寝て、起きただけなんだ」
佐倉 光
「…………」
佐倉 光
「俺からは大分異様に見えるんだよ。だから悪いけど、確認させてくれ。
昨日の牧志は誰だった」
牧志 浩太
「昨日は旭橋だった。合ってる?」
彼が口にしたのは、彼が消える直前……、病院に行く前に呼び出していた彼らの名だ。
牧志 浩太
彼は水槽の側面に触れたり、普段なら一つ結びにした髪があるだろう首の後ろに触れたりして、自身の状態を確かめている。
彼の指が、生きた首と唐突なガラスの接合面を辿った。
佐倉 光
「ああ。合ってるよ。
お前さ、昨日帰ってきていないどころか、連絡くれてから消えてるんだよ、魔法みたいに」
牧志 浩太
「何だって? 俺が?」
彼は水槽のガラスに指をつき、考える仕草……だろうか?
水槽の重みを指で支えるような仕草で、少し動きを止める。
牧志 浩太
「……だめだ、全然そんな記憶がない……。
俺の記憶では、普通に帰ってきて寝てるんだ。

それで起きて、朝飯作って……、半分寝てた佐倉さんが起きたと思ったら、突然慌てだしたんだ」
佐倉 光
「てことは、お前視点ここは普通に家って……ことだな?」
水槽の脳、か。牧志にとって全ては現実なんだ。
水槽の脳。
牧志の『頭』を見上げる。
佐倉 光
ふざけんなよ……
牧志 浩太
「ああ……、そうだ。家だよ。
まさか……、そうじゃないって、いうのか?」

こぽり。
『頭』の中で、また一つ気泡が揺らめいた。
佐倉 光
「……分かった。俺の視点からどう見えているか説明するよ。
どっちが本当なのか分かったもんじゃないけどな……
ったく、デヴァ・ユガにでも迷い込んだ気分だぜ」
デヴァ・ユガ……真・女神転生TRPGの佐倉が参加していたキャンペーンに出てきた、大規模でリアルな仮想空間を提供するサービス。
佐倉 光
「俺は戻ってこないお前を探して、ずっと探し回ってた。
で、探し疲れて寝たんだろうな多分。

そしたらここにいた。少なくとも俺達の家じゃねぇな。
で、今のお前な。
……いまいち説明が難しいんだけど。
首から下は普通。首から上は水槽になってて、水槽の中に脳が浮かんでる。
それなのにそっちからは普通に見えて喋れるんだろ?

おかしいの、俺の方なのかもな」
牧志 浩太
「へっ」
脳みそがゆらんと揺れた気がしたのは、驚いたのか彼が頭を動かしたためだ。

彼は急いた手つきで、水槽の側面や上面、ガラスのふちを、管が伸びている接合面を、何度もぺたぺたと触れる。

それは彼が顔の形を確かめようとしている仕草に見えたが、手に触れるのは四角い形ばかりだ。
牧志 浩太
「あ、ああ。俺は普通の頭してるし、佐倉さんも普通の佐倉さんだ。
……想像するとすごいな、それ。確かにそれは見えちゃいけないし、驚くよな。

そうか……。ごめん。
佐倉さんの方が正しいとしたら、随分心配かけたよな。
探してくれてありがとう。会えて、よかった。

……佐倉さんの方がおかしいとしたら、俺からは普通に見えても、きっと何かに巻き込まれてるんだよな……」
佐倉 光
「こっちからは水槽触っているように見えるんだけどな。
俺かお前のどっちかが脳味噌に情報送られて誤魔化されているか、それとも俺が最高にイカれた夢を見ているかだ」
とりあえず、互いがそこにいるということまでもただの情報でなければいい、と思った。
KP
彼はいつも通りの形をした手で、あなたの手を取ろうとした。
ふと、あなたは違和感に気づく。

当惑。感謝や、心配。様々な感情を湛えているべき彼の声に、どこか普段より抑揚がないのだ。
いつもの彼の心を思わせる言葉と、機械的な無感情な声。そして表情ひとつ浮かべない脳みその皺は、あなたに強烈な違和の感覚をもたらした。
佐倉 光
「違うな」
佐倉 光
「テンションがいつもと違う気がする。

俺からは表情が見えないせいでそう思えているのかもしれないが」
佐倉 光
「声の感じもいつもと違う気がするよ」
俺の気のせいなのか?
俺には見えていないだけなのか?
牧志 浩太
「脳味噌に……、難しいな。
目の前に見えてるものどころか、感じてるものも本物じゃないのかもしれない、のか」

彼は胸のあたりに手を当てた。
抑揚の少ない声の中に、弱々しく窄む語尾で辛うじて、彼は困惑しているのだろう、と思えた。
佐倉 光
こっからどうなるんだ楽しみ!
KP
フフ 佐倉さん視点また牧志が無感情ボイスにされてる。
佐倉 光
「悪い、顔触っていいか?」
牧志 浩太
「ああ、頼む」
彼は頷いて、頭の上の水槽を軽く傾けた。

こぽり。微かに呼吸するように気泡を浮かばせ、柔らかく水の中に漂う臓物が。
あなたの手のすぐ下に……、さらけだされる。

皺くちゃの珊瑚のようなかたちで。
浮き袋のような小脳をくっつけて。
神経の束を気持ちよさそうに揺らめかせて。
牧志 浩太
奇妙な水棲のいきものが、あなたの下で漂っている。
本来ならかたい頭蓋に守られて、見えない水槽に漂っているべきものが、そうとも知らずに見せつけられている。
佐倉 光
「俺からはどう見ても脳だけが浮いてる。
神経系繋がってるわけでもないし、きっとこれ、俺がおかしいんだな」
言いながら目を閉じて水槽に触れる。形を辿る。
牧志 浩太
水槽の硬いガラスは、ひやりと冷たい手触りを伝えてくる。

見たままのとおりに、四角くて、冷たい。
そこにあるはずの「彼」のあやうい手触りも、あってしかるべき彼の目鼻の感触も、そこにはない。

繋がった管は唯一なまあたたかく、時折ぴくりと脈動する。
牧志 浩太
「ふふ、くすぐったい、佐倉さんそこ耳の穴」
つるりとしたガラスの下で、彼の声が揺れる。
佐倉 光
「耳かー」
鼻の穴どこかな、などと悪戯心が湧いて探ってみたりしてしまう。
佐倉 光
「俺にはどうしてもガラスに見えるしガラスの手触りなんだけどな」
牧志 浩太
「ぶはっ……! 佐倉さん、ちょ、くすぐったいって」
彼は鼻のあるらしい辺りを軽く手で押さえ、腹を折る。
くしゃみをしているらしい。

あなたの指に、彼の呼気が触れることはない。
こぽ、と気泡が上がるたびに、ガラスの表面に微かな振動を感じるだけだ。
佐倉 光
「いつもの牧志にも見えるんだけどな」
そもそもこの気泡どこから出てんだ?
佐倉 光
目を開けて、管をそっと辿って手を滑らせ、牧志にどこを触っているように見えるか感じるか、訊いてみる。
牧志 浩太
水槽から伸びる三本の管に触れられると、口や耳、眼に触れられているように感じるらしい。

……これは、彼の感覚器か何かなのだろうか?
あなたが水槽から手を離して管を辿っても、彼は“眼に触れられている”と言う。
佐倉 光
「これが感覚器なのか。俺の認識と牧志の認識のすりあわせしたいなぁ。
俺、いま牧志の目をところ触っていることになってんだろ?
明らか、頭の上なんだけどなぁ」
牧志 浩太
「ああ。
俺にはそう見えるし、そう感じられる……、」
彼は管に触れているあなたの手に、手を伸ばした。
彼の温かい指先が、あなたの手に触れる。
柔らかい皺の間から気泡が生まれて、浮かんで、潰れた。
佐倉 光
手元にスマホやポーチなどはないかな。
KP
スマホやポーチを探せば、手元にはない。
あなたは見慣れた部屋着を着ている。
牧志 浩太
「スマホなら、部屋じゃないかな」
佐倉 光
「スマホなら部屋、か」
周囲を見回す。
白いテーブル以外にこの部屋には何が見える?
KP
周囲を見回すと、そこはどこか無機質な印象を覚えるダイニングルームだった。

あなた達が座っている、真っ白なテーブル。と、椅子。
奥にはキッチンが見え、反対側にはリビングルームがある。
KP
リビングルームのテーブルもやはり真っ白で、ソファも白い。
テレビがあるが、今は電源が入っていない。

その向こうの窓に、街の風景が見えている。
KP
何となく部屋の間取りはあなた達の家に似ているような気もするが、家具も窓の大きさも、カーテンの柄も違う。
間取りから想像するに、リビングルームへ行けば、あなたの部屋と彼の部屋への扉や、風呂場・トイレと玄関へ続く廊下があるのだろうか。

佐倉 光
牧志とは思えない水槽の脳からまるっきり牧志の声が……いや、少し感情薄めには見えるか……して、ちょっと脳がバグりそうになった。
転んだらどうなるんだよ、牧志。
その管切れたらどうなるんだよ。
牧志 浩太
「そうだ、佐倉さん。
とりあえず、朝飯食べながら考えないか。
一晩中探しててくれてたなら、腹減ってるだろ」

あなたが周囲を見回したために、彼は朝食の存在を思い出したらしい。

そう言われて、あなたの腹が鳴る。
確かに、空腹だ。
佐倉 光
「食事か。そうだな。確かに腹は減ってるよ」
その頭でどうやって食うつもりなんだ。
牧志 浩太
「あー、佐倉さんからは俺は脳みそに見えてるんだよな……?」
彼はあなたの表情を見て苦笑した、ように空気が揺れた気がした。
気のせいだ。
KP
〈聞き耳〉で判定。
佐倉 光
d100 79〈聞き耳〉 Sasa 1d100→ 87→失敗
牧志 浩太
彼はキッチンへ向かうと、皿を持ってきた。
少し冷めた、牧志がよく作るスクランブルエッグがひと皿。パンがひとつ。
いい香りを漂わせるコーヒー。
牧志 浩太
と。
短い透明なチューブと、何のラベルもない、無機質な缶がひとつ。

彼の側に置かれたその缶は、食べ物の缶というよりは、燃料か何かでも入っていそうに見える。
佐倉 光
「……牧志の飯、俺のと違うんだな?」
一応確認しつつ、牧志のものと思われる缶をしげしげと見つめる。
牧志 浩太
「違う? 同じ物を作ったつもりなんだけど、まさか……、佐倉さんには、料理も別の物に見えてるのか?」
KP
その缶には、丸いプラグがついている。
そのプラグ部分はチューブの径と同じくらいの大きさに見え、この缶にチューブを接続するのではないかと思われる。

そんな缶が、あなたの前にあるものと同じ、無機質な白い皿の上に、ぽつんと乗っている。
佐倉 光
「ああ……同じに見えてるって?」
佐倉 光
「丸いプラグ付きの缶に見えるよ。悪い冗談みたいだ。
何なんだよ、この状況」
牧志 浩太
「何だそれ……、怖気がするな。
俺が作った料理だってそう見えてるだけかもしれないし、佐倉さんが異常な場所の夢を見てる、見させられてるのかもしれないのか……」

彼が恐々と、なのだろうか、どこか無機質な声で言って見下ろすのは、やはり皿の上の丸い缶だった。
佐倉 光
「いっそ全部俺の悪夢であって欲しいよ」
佐倉 光
「いただきます」
ぱん、と両手を打ち合わせてことさら元気に言う。
実は俺が缶の方だったりして。もう何もわかんねぇな。
牧志 浩太
「いただきます」
穏やかな手つきで、彼はいつものように手を合わせる。
そして、缶とチューブを手に取った。
牧志 浩太
彼はチューブを手に取ると、その片方を缶に繋いだ。
そして、自らの頭──水槽に繋がった管を、躊躇いもなく手に取る。

そのうち一本を、かちりと音を立てて引き抜いた。
代わりに、缶から繋がったチューブをそこに接続する。

ず、ぢゅ、ずぢゅ、と。
半固形のものが吸い上げられる、耳を覆いたくなる音がした。
汚らしい音を立てながら、缶の中身が水槽の中へと送り込まれていく。
牧志 浩太
そうしながら、彼は何もない皿の上で、あたかもあなたの皿に盛られたのと同じ物を食べているかのように、空を切って腕を動かしていた。
KP
SANチェック成功時減少 0失敗時減少 1》。
佐倉 光
1d100 59 《SANチェック》 Sasa 1d100→ 92→失敗
SAN 59 → 58
佐倉 光
そんな雑な感じでいいんだ……つーか缶を接続する動きは牧志的に何だったと認識されてるんだ?
おもわずしげしげと見つめてしまう。
あの缶に入っていたものは?
脳に注がれているのは何なんだ??
KP
透明なチューブの中を、硬いゼリー状の物体が移動していく。ずぶ、ずぢゅ、ずる、と音を立てながら、透明なそれはチューブの中を蠕動し、脳が浮かぶ水槽の中へと広げられていく。
牧志 浩太
水槽に変化はなく、透明なそれの存在は水に溶けて分からなくなってしまう。
脳が水槽の中でぬるりと揺らめいたように見えた。
佐倉 光
これは子供佐倉には悪夢以外の何物でもなかったな。
KP
でしたねぇ……。
子供の佐倉は牧志の脳についてトラウマになりかねない深い傷を負っている。
佐倉 光
「今……何食べてる?」
その良く分からない栄養摂取(?)を見ながら言う。
こちらも気を落ち着けるためにコーヒーを口に含んでみる。
牧志 浩太
そうしている彼に話しかけると、もごもごもご……、という曖昧な音が返った。
どうやら、ものを口に含んでいる最中……、なのだろうか?
佐倉 光
「ああ、食ってんならいいよ」
KP
コーヒーを口にすると、それは水だった。
いや、水というわけでもない。何の味もしない液体だ。
微かにコーヒーのような香りだけがする、液体。
佐倉 光
「……」
お湯ですらないのかな。
KP
お湯、ですらない。生温い水だ。
佐倉 光
食事も口に含んでみよう。
KP
スクランブルエッグを口に含めば、粘ついた柔らかい感触が口の中に存在した。
味は、ない。一切の味がない。柔らかい粘土のようなものが口の中にあるだけだ。
佐倉 光
「うーん……」
複雑な顔。
佐倉 光
「これが何者かの実験か何かだとして、俺の見ている風景が正しかったら、差し詰め……
脳に情報ぶち込んで完璧な世界を味わう牧志と、
脳への入力が全部生きているのに感覚を感じられないようにされた俺、どっちが人間らしく生きていると言えるか、ってとこか?」
食欲が湧かない。
佐倉 光
「そんなん脳への入力が全てに決まってんだろ。どうせ本人にしか分かんねぇんだ」
KP
口の中に存在する濡れた粘土は、噛むべきもの、呑み込むべきものとはとても思えなかった。
味が存在しないだけで、食物の感触はこれだけ不快な感覚に化けるのだ。
牧志 浩太
彼はあなたに応えようとし、しばらくしてチューブを水槽から取り外す。
手に取った缶の中身は空になっているようで、最初より随分軽く見えた。

チューブを缶の傍らに置いて、代わりに最初の管を水槽に繋ぐ。
牧志 浩太
「ご馳走様。
……脳に情報を入れられて、普通の世界を見せられている俺と、現実にいるのに感覚を感じられない佐倉さん、か……。

……俺が食べてるスクランブルエッグの味も、佐倉さんのコーヒーの香りも、見せられてる幻かもしれないのか……。
……デヴァ・ユガよりも、よほど区別がつかないな」

彼は確かめるように、少し怖れるように、あなたの手に触れた。
牧志 浩太
「佐倉さんは……、佐倉さんから見ても、そこに、いるんだよな?」
佐倉 光
「俺は、ここにいるつもりだし、状況はどうあれ牧志もここにいるようには見える。
だけど飯は食う気にはなれない。
もしかしたら俺の感覚もおかしくて、あるべき味が感じられないだけなのかも知れないけど」
佐倉 光
「折角用意してくれたのに、悪いな」
牧志の手が触れてくるならじっとしている。
首から下はそのままなんだろうなぁ。あの痣も?
牧志 浩太
「分かった。いいよ、大丈夫。
その調子じゃ、ちゃんと用意できたのかも分からないしな。
もしかしたら、俺が作ったものがおかしいのかもしれない」

彼はあなたの手の形を確かめるように、両手であなたの手を取った。
ゆっくりと、指の腹から掌を辿る。

その手は、少しひやりと冷たいように感じた。
普段通りの彼の仕草なのに、どこか動きはぎこちない。
KP
彼の身体をよく見るなら、〈目星〉で判定。
彼の頭(脳)をよく見るなら、〈医学〉または〈生物学〉で判定。
佐倉 光
ではまず体から。
1d100 98〈目星〉 Sasa 1d100→ 49→成功
1d100 25 〈医学〉 頭を見る Sasa 1d100→ 37→失敗
佐倉 光
彼の動きを、体の状態をよくよく見てみる。
どう考えたっておかしいんだ、これは。
KP
見慣れた服装、見慣れた体つき、見慣れた肌の色。
首から下の身体は、あなたが知る彼そのものだ。
しかし、その動きはどこか軋むようにぎこちなかった。

身体をよく見ると、気づくことがある。
今まで出会ってきた、数えきれない程の出来事で残った小傷などが、残さず消えていた。

どこか曖昧な、彼という人間の形。
ただ首筋の痣だけが、あなたが知るものと端まで変わらず、嫌らしいほどにはっきりと浮かんでいた。
佐倉 光
体まで作り物……なのか?
牧志が手を止めたら、その体をこちらから触ってみる。手応えは人間のもののように感じるだろうか。
牧志 浩太
少しひやりとした温度は、あなたの知る彼の体温よりも冷たい。それでも「温かい」の範疇だ。
触れた肌はしっとりと生きた人間の感触を伝え、そこにはちゃんと人が「いる」と感じられた。
佐倉 光
心臓の鼓動はある? 胸に手を当ててみる。
牧志 浩太
胸に手を当てると、微かに鼓動が感じ取れた。
その規則的なリズムは、あなたが知る彼のそれよりも、少し緩やかだ。
佐倉 光
「俺視点奇妙のてんこ盛りなんだ、ちょっと色々調べさせてくれよ」
佐倉 光
席を立ってぐるりと見回す。まずはキッチンへ行ってみるか。
牧志 浩太
「ああ、頼む。
佐倉さんの視点が正しいなら、俺には色々見えてないみたいだしな。
俺も気にするようにはするけど、俺が何かされてるとすると、あまり期待できないかもしれないな。

佐倉さんの様子も、気にかけておく。
俺視点、佐倉さんの様子が何かおかしかったら知らせるよ」

彼はそう言い、まだスクランブルエッグの乗った皿と、空になった缶とチューブを持って、あなたと共にキッチンへ向かう。
佐倉 光
「ああ、頼むよ。俺が正しいなんて保証はないんだ」
牧志 浩太
シンクの横のゴミ箱に、彼は残った料理を捨てる。
どさ、びちゃ、と、ゴミ箱の底へとあのこころよい黄色が落ちてゆく音が聞こえた。
佐倉 光
「ごめんな」
捨てられるものに呟く。
KP
キッチンを見れば、ひどく寒々しい印象を覚えた。
清潔感のある白で構成されたキッチンには、最低限の食器や調理器具しか置かれていない。

……試験管などを洗うようなブラシがあるのは、あのチューブのためだろうか?
佐倉 光
「このブラシは何に見える? 何のためにここに置いているんだ?」
手に取って訊いてみる。
冷蔵庫なんかには何か入っているだろうか。
牧志 浩太
「コップとか洗うブラシ……、に見えるな。
佐倉さんには、違う物に見えてるのか?」
佐倉 光
「試験管ブラシに見える。まあ大して変わらないかな」
KP
冷蔵庫を開けると、卵や野菜などの食材とともに、そぐわないものが目に入った。
あの缶だ。
丸いプラグのついたあの缶が、庫内にずらりと並んでいる。
佐倉 光
へぇ、なんなんだろ。
一本手に取って見る。成分とか書いてないかな。
KP
缶を手に取ってよく見ても、ラベルなどは貼られていない。
何も書かれていない、無骨でそっけない缶だ。
佐倉 光
牧志にも「これは何に見えるか」と訊いてみよう。
牧志 浩太
あなたには区別のつかないそれらの缶を見ると、彼はチーズ、卵、豚肉、人参といった、彼がよく使う食材や総菜の名を挙げる。
佐倉 光
「へぇ……何をもって認識が別れるんだろう? バーコードすらないのに」
自分の感覚が間違っているのではないかという気がしてくる。

ほか、棚とかに気になるものなどないかな。
そういえば食材そのままむしって食べても美味しくない感じ?
KP
戸棚にはほとんど物が入っていない。僅かな食器があるだけだ。
ストックの食材も、見慣れた鰹節もなく、空白がいやに目について見えた。

野菜をそのまま毟って口にしても、相変わらず味がない。
苦味すらなく、紙を噛んだような感覚になるだけだ。
牧志 浩太
彼はシンクの前に立ち、先程のチューブと皿を洗い始めた。
彼の後姿が目に入る。

成程、後ろ側から人間の脳を見ると、こうなっているのだ。
意外と小さなものだ、人間の核、「彼」の存在とは。

はかなくて柔らかそうな、「彼」だった。
佐倉 光
ちょい前の事件でも、脳味噌に直接害があることはなかったんだけどな……

いや、さすがにこの状況、おかしいのは俺。
でなければ夢。
こんな状況が現実なんてことが……

それでも、今までの経験を思えば、何が起きても不思議はないのだと思える。
佐倉 光
「なぁ、シローはどうした?」
牧志 浩太
「シロー? 出かけてるじゃないか。
俺が不安定だから、たまには気を休めさせようって、東浪見が連れていってくれて……、

まさか、佐倉さん視点では、それも違うのか……?」
牧志 浩太
抑揚の少ない声ではあるが、こうやって話していると、彼の不安そうなのが、微かな声の変化から分かるようになってくる。

相変わらず、脳みそには何の表情もないが。
佐倉 光
「さっき言った通り、俺視点ではここは俺たちの家じゃないから、そもそもシローはいなくても不思議はないかな。
遅くなったから東浪見に頼んでるのは、合ってる。大丈夫」

不安定。確かにこれ以上ないほど不安定に見える。物理で。
液体のなかゆらゆらしている神経を眺め、クラゲみたいだと思った。

キッチンに他気になるところがなければ、牧志の作業が終わるのを待ってリビングに行ってみようかな。
さすがに目を離す気になれない。
牧志 浩太
「そうか……」
半球形から揺らめく赤い糸が、室内の明かりを受けて透明に光っていた。
KP
異常なキッチンには、それ以外に気になるようなものはなかった。
そもそも、物が少ない。

洗い物を終えて、彼はあのチューブを食器と並べてシンクの横の籠に置く。

KP
リビングルームにあるのはテーブルとソファ、テレビだけだ。

窓の外にぼんやりと、見慣れない街の風景が見えている。
今は朝ではあるらしく、朝独特の色合いを帯びた光が街を照らしていた。
牧志 浩太
彼は管を水槽から垂らしたまま、リビングルームへついてくる。

彼を繋ぐ管は、見ればリビングルームの天井の中央から垂れているようだ。
彼が歩くのに従って、天井から引き出されてくるため、彼は歩くのに支障を感じていない。
佐倉 光
うっかり引っかけたりしないように気をつけないとな。
多分大変なことになるか、少なくとも牧志は痛い思いをすることになりそうだ。

窓の外の風景をよく見てみるけど、知っているランドマークなどは全く見えない?
近くに人の姿などは見える?
KP
窓の外を見ると、そこは見慣れない街並みだ。

見覚えがあるような、ないような風景は遠くがぼんやりと霞んでいる。
少し離れたあたりに道を歩く人の姿はあるが、知っているランドマークはどこにも見当たらない。

チェーンのスーパー、民家などで構成された、「どこにでもあるような街並み」に見える。
佐倉 光
なんとなくテレビつけてみる。
テーブルにでもリモコンないかな。
KP
リモコンを探すと、テーブルの上に置いてある。
テレビをつけると、番組が流れだした。
『仰天! 移植と記憶転移』
臓器移植によりドナーの記憶がうつる例などが上げられている。
牧志 浩太
穏やかな低い調子で語られる内容を聞いて、困惑、いや、これは苦笑なのだろう。
彼は微かにこちらを振り向いた。
牧志 浩太
「俺も佐倉さんも、証明しちゃったからな。
少なくとも分かる範囲では、脳みそが核らしいってことを」

彼は胸に手を当てた。
そういえば、その少し下にある胃袋は、今日はなんだか静かだ。
佐倉 光
「牧志もそうだし、俺もそんなようなことあったな」
化け物になりかけたことを思い出す。
佐倉 光
「色々な情報を統合するのが脳、というだけで、記憶含む情報が体に散っているのもまあありうることだとは思うけど、
基本記憶する機能があるのは脳だし、中枢は脳だとして問題はないだろうな。
強いて言うなら、統合された結果が俺なのか、統合しているのが俺なのか。
言葉遊びだな」
佐倉 光
その体は本当に牧志のなんだろうか。
言ったところで当人にとっては日常のようだから、無駄に不安にさせるだけか。

テレビは適当につけっぱなしにしたまま、ソファやテーブルに何かないか見てみる。
牧志 浩太
「そういう情報をどこから記憶として認識するか、っていうと脳だろうしな。

臓器に残っている情報を脳が記憶に組み込んでしまう、みたいなことは、あるかもしれないけど」
KP
ふと、ソファに目をやった時。
ソファの座面の上に、先程は確かに存在しなかったはずの物を見つけた。

ルーズリーフが束ねられた紙束と、事務用品のような素っ気ないボールペンだ。
佐倉 光
「……」
佐倉 光
牧志の脳内にお呼ばれしてるのかなぁ。
佐倉 光
「俺がおかしい、が信憑性を増してきたぞ。これ、さっきからあったか?」
牧志 浩太
「……何だ、それ?
いや、さっきはなかったはずだ、そんなもの」
佐倉 光
手に取って見る。何か書いてある?
KP
ルーズリーフを手に取れば、何かの記録を取るための日付と罫線がある。レポート用紙だ。
中身はすべて白紙らしい。

これは……何の記録を取るためのものなのだろうか?
佐倉 光
はて。それは持って行こう。
佐倉 光
「人が座るところに物を置くなと」
来たばかりのシローに何度か注意した覚えがある。

字を書けるかどうかだけ確認するかな。ページの隅にくるくる、と円を描いて。
KP
円を描くと滑らかに黒いインクが出てきた。書きやすい。
牧志 浩太
「白紙だな……、で、合ってるか?」
佐倉 光
「俺からもそう見える」
言って手に持ったままテーブルの上を見る。
何かおいてある?
KP
テーブルの上には、何も置かれていない。
いつも置いている写真立てなども、当然のようにそこにはない。
佐倉 光
「このテーブル、何かおいてある?」
訊いてみる。
牧志 浩太
「いつもの写真立てがあるな」
彼はそれを手に取ったようだった。
しかし、あなたの目には彼が何もない所で身振りをしているようにしか見えない……。
佐倉 光
「そうか」
さっき言っていたスマートフォンにも期待が持てなくなった。
一応テーブルの上を手で掃いてみる。
手応えはないかな。
KP
手で掻いてみても、何の手ごたえもない……。
テーブルの上には全く何もない、としか思えない。
佐倉 光
「俺には随分と殺風景な部屋に見えているんだよ」
牧志 浩太
「その様子、視覚だけじゃないんだな。
さっきもそうだったんだろうけど、触覚まで違う、って気味が悪いな……。

触って形を確かめられるのに、本当はそこにないかもしれない、だなんて。
デヴァ・ユガと違って、半端に同じ物もあるのが不気味だ」
彼のこぼす声と、浮かび上がる気泡の音。
こぽ、こぽ。
気泡の音は、あなたもまた水の底にいるかのように思わせる。
佐倉 光
「感覚全部狂ってるか、もしかしたら二人纏めて感覚に適当な情報をブチ込まれているかなんじゃないかと思ってるけど」
佐倉 光
「結局は脳に入ってくる信号が『いる世界』ってことになるから、隣にいようが『違う世界にいる』なんてことはありうる。
くそ、気持ち悪いな」
牧志 浩太
「もしかしたら本当は……、隣にいるかどうかすら、分からないんだな」
彼はあなたの手を取った。
そうしようとも、何を確かめることもできないのだった。
佐倉 光
「そうだな。まあ疑えばきりがない。極論脳味噌にデータぶち込まれてるだけかも知れないからな。
だから俺は、基本俺が見ている世界を信じることにしてんだよ」
デヴァ・ユガに知らぬ間に入り込んでいた事件以来、ずっとそうだ。
現実はいつ壊れるか分からないし、信じていたものがいつひっくり返るか分からない。
だからよく見て考えることにしているのだ。

だから今目の前にある牧志の手をしっかりと握り返し、自分はここにいると示す。
牧志 浩太
「そうだな……、そうだな。
俺がどうなってたとしても、隣にいないとしても、声は聞こえる。手は取れる。
今、佐倉さんの声が聞こえている」
彼は確かめるように言って、少し強くあなたの手を握った。
脳みその溝がこちらを向いて、深い溝とあなたの目が合った。
佐倉 光
この部屋に他に何も無いようなら、別の部屋に行ってみよう。
廊下に出る。
佐倉 光
二人してマトリクス状態なのかしら……
佐倉も何かされているような気がするなぁ。

KP
あなた達は廊下に出る。
シローの気配もなく、浩子たちが寛いでいることもない室内。
寒々しく何もないせいか、廊下はひどく静かだと感じられた。
佐倉 光
まずはいつもなら自分の部屋がある方に入ってみるか。
KP
あなたは自分の部屋に入る。
白いベッド、灰色のカーテン、椅子と机、クローゼット。本棚。
机の上にPCがある。あなたが普段使っているものではない。
佐倉 光
「シンプルな部屋だな。俺が前にいた所みたいだ」
ぐるりと見回し、まずはPCを見てみる。スイッチなどは入るだろうか。
牧志 浩太
「俺には佐倉さんの部屋に見えるけど、やっぱりここも殺風景なんだな。
前にいた所って、佐倉さんが住んでた部屋?」
佐倉 光
「ああ、一人暮らし始めてすぐはこんな感じだったと思う。
何もかもに意味が感じられなくてさ」
KP
PCのスイッチを操作すれば、電源が入る。
パスワードを入力するまでもなく、自動ログインが走った。
佐倉 光
「これも俺のPCには見えねーけど……おっ、電源入った」
KP
何かのウィンドウが表示される。
空っぽのそのウィンドウに、文字が映し出された。


 所定の記録用紙に、牧志浩太の記録をとること。
 彼の行動、声色、ちょっとした動作、感情の機微など。
 
 君に期待している役割は、彼が行う出力の観測と記録である。
 君ならば、精密な観測が行えると期待している。

 」
佐倉 光
しばらくウィンドーをにらみ付ける。
横に置いたルーズリーフを見つめる。
佐倉 光
観測して記録しろ……?
前にもこんな事があった。もっとふざけた始まりだったけれど、奇妙な状態という意味では似通っている。
佐倉 光
「ふざけんなよ……」
牧志 浩太
「今は結構色々あるもんな、佐倉さんの部屋……、」
言いかけて、あなたの様子に彼は言葉を止める。
佐倉 光
大雑把すぎだろ。出力ってそれ牧志の発言とその時の動作や感情、動き、全部だろ!? そんなの普通に考えて不可能だろうが。何書きゃいいんだクソが。
いやそれ以前にどうして俺がそんなことしなきゃならねぇんだよ。観測するつもりならてめぇでやれ。

思わずデスクを軽く叩いた。
KP
デスクを叩くと、一瞬ウィンドウがくるりとフリップして消えた。
〈目星〉で判定。
佐倉 光
1d100 98〈目星〉 Sasa 1d100→ 50→成功
KP
「 私には入れない場所であるから 」
消える直前に、ウィンドウの文字がそう変わったのが見えた。
佐倉 光
また何か事故った牧志を助けるためにお前が頑張れ系か!?
KP
詳しくはどこかで明らかになっていくかもしれない。
牧志 浩太
「何か……、あったんだな?」
佐倉 光
「ああ、まあな。
ちょっと今から書き物をする。あんま気にしないでくれ」
くそ、もっと記録しやすいようにフォーマット寄越せってんだよ。
牧志 浩太
「気にしないでくれ、だって?
……何か、俺が知らない方がいいと佐倉さんが思うようなものが、あったんだな?」
彼の言葉は確信を帯びていた。
この状況で、意味もなくあなたが彼に何かを黙るとは、思っていないのだ。
佐倉 光
「俺にも良く分かっていないけど。
想像できる範囲では知らない方がいいと思う。可能なら後で説明する」
牧志 浩太
「そうか……、分かった」
時折気泡をふくらませる水槽の中の脳みそは、その一言を最後に、あなたを信じることにしたらしい。
佐倉 光
思い出せる限り牧志の発言と行動を書き記す。
自分のことは書かなくていいんだよな?
ふと、顔を上げ牧志を見る。
佐倉 光
「俺が何書いてるか見えるのか?」
牧志 浩太
「いや……、見えないんだ。さっき佐倉さんがそこに何か書いた時も。
そのペン、インクが入ってないようにしか、俺には見えない」
佐倉 光
「やっぱりそうか」
佐倉 光
ったく、何が起きているんだよ……
KP
あなたが書いた思い出せる限りの彼の様子は、その不親切なフリーフォーマットの上に、くろぐろと残されていた。
あなたが顔を上げたとき、その1ページがまるで自ら手の中から逃げるように、するりと床に落ちてしまう。
佐倉 光
「あ」
床に手を伸ばす。
KP
あなたの力作は、すうっと床に溶けるように消えてしまった。
牧志 浩太
「紙が……、消えた?」
KP
代わりに、天井からひらりと一枚紙が落ちてきて、あなたの頭の上に乗った。
佐倉 光
「おいおい……そういう方式ならキーボードで打たせてくれよ。書くの結構大変なんだぞ」
ぼやきながら新しい紙を掴んで見る。
KP
「協力ありがとう。この調子で頼む。」
妙な所でアナログな何者かは、あなたのぼやきに構わず、そんな返事を寄越してきた。
KP
【アイデア】で判定。
佐倉 光
1d100 85 Sasa 1d100→ 100→致命的失敗ファンブル

佐倉 光
おいwww
KP
ワオ
佐倉 光
こういう時に便利な激痛。
なんだかんだで佐倉の後遺症の痛みって便利だなぁと思っています。
ファンブル時のお手軽なペナルティに! 演出に! なんやかや役に立つ。
必ずやらなきゃならない判定だったらペナにならない、というのであれば、マイナス修正付きで振らせてもいいと思いますしねー
KP
痛みチェック発生+ちょっとしたイベントが発生することとします。

KP
高圧的にも思える文章を目にしたとき、あなたの身体に、「あの」激痛が走った。
痛みチェックをどうぞ。
また、成功失敗に関わらず、ちょっとしたイベントが発生します。
佐倉 光
1d100 35 【CON】 Sasa 1d100→ 61→失敗
HP 11 → 10
佐倉 光
そうだ。佐倉のHPが11になってたんですよ!!
KP
あ、そうかそうか【CON】!>HP
佐倉 光
たかか1されど1
佐倉 光
今の書き物はPCデスクに座ってやってた感じですね。
佐倉 光
「……ぐぅ……」
その紙を思わず握ってくしゃくしゃにした。
胸元に手をやって深呼吸を繰り返す。
少し横になった方がいいだろうか……? ここは俺の部屋らしいし。
KP
突然の痛みに襲われたあなたは、思わず目の前にある物を掴んでしまった。
そこには丁度、水槽から伸びた管が少し垂れ下がっていた。
痛みに悶えるあなたの指が、紙と一緒に管を握りしめたのを、一瞬後に自覚した。
牧志 浩太
「……!」
彼が身を折った。
彼の手が苦しげに喉を搔きむしる。びく、びく、とあなたの手の中で管が揺れた。
佐倉 光
痛みは勝手に指を曲げようとする。
しかし慌てて手を離す。
ある程度予想していたことだ。あの管は牧志の命に繋がっていると言ってもいい!
牧志 浩太
あなたの手が離れると、彼は喉元に手を当て、肩を上下させて大きく息を吸うような仕草をした。
果たしてその動きが、揺れる水槽の中で泳ぐ脳みそに何かを送り込むことがあるのかどうか、傍から見ていても分からない。

水槽の中で脳はたゆたい、変わらぬ速度で緩やかに気泡を吐く。
それが感じているだろう苦痛も感情も、その奇妙なクラゲの表面に浮かんで見えることはなかった。
佐倉 光
「ごめん、気をつける。大丈夫か?」
牧志 浩太
「ああ……、大丈夫、驚いた。佐倉さんがいきなり首を絞めてきた……、ように見えた、んだ。
これは、俺もおかしいのかもしれないな……」
彼は自分の首を何度かさする。水槽の下の、生きた首。
佐倉 光
「ああ、やっぱりそんな認識に、なるのか……」
佐倉 光
「悪い、いつものが来ててちょい辛いんだ。5分だけ寝かせてくれ」
ベッドに這い上がって横になる。
ベッドに何かある?
牧志 浩太
「ああ、勿論」
彼はあなたの背を、その少し冷たい手でさすろうとする。
〈応急手当〉を試みる。

KP
あなたはベッドに這い上がり、楽な姿勢をとる。

ベッドの位置から、本棚に並ぶ本がよく見えた。
数学の本、パズルの本、月刊アヤカシ、コンピュータ関係の書籍、オカルト関係の書物。
あなたが読みそうな本が並んでいる。

ふと、その本棚に違和感を覚えた。
痛みに滲む視界では特定しきれないが、何か、見慣れないものが混じっているような気がする……。
牧志 浩太
1d100 59 〈応急手当〉 Sasa 1d100→ 66→失敗
牧志 浩太
少し冷たい手が、いつもの手つきで緩やかに背をさする。
しかし、あなたの身を苛む痛みは、思ったように引いてくれない……。
佐倉 光
浅い息をつきながら、自分の力で癒やす努力をしてみようかな。〈応急手当〉振っていいですか。
KP
どうぞ。〈応急手当〉を振ってかまいません。
佐倉 光
1d100 53 《ディア》!  Sasa 1d100→ 29→成功
KP
詳しく本棚を見るなら、〈図書館〉〈目星〉で判定。
それぞれ別情報。
佐倉 光
1d100 85 〈図書館〉 Sasa 1d100→ 89→失敗
1d100 98〈目星〉 Sasa 1d100→ 23→成功
KP
本の間に、何か紙束のようなものが挟まっているのを見つける。
KP
あ、あと明言し忘れ。ベッドの上や机の上にあなたのスマートフォンは「ない」。
佐倉 光
ないかー
佐倉 光
冷や汗を布団にこすりつけ、呼吸を整えながら本棚を見つめる。
佐倉 光
「牧志。さっき俺、お前の頭から繋がってる管を握っちまったんだ。少なくとも俺はそう認識してる。
俺とお前が見てる景色、随分と違うから、分からないけど」
牧志 浩太
「そう、なのか。……やっぱり、俺の方がおかしいのか?」
彼は恐々と、頭に手を伸ばす。
その手が管に触れても、彼の指が細いものを辿るように曲がることはなかった。

佐倉 光
「この本だな、気になるんだ。俺の本、だけか? 入ってるの」
言いながら紙束を引っ張り出してみる。
牧志 浩太
「俺には、佐倉さんの部屋にあるような本があるようにしか見えないな……。
何かあるんだな、そこ」
KP
その紙束には、「研究レポート1・2」と書かれていた。
佐倉 光
なんとか落ち着いてきたので、ベッドに腰掛けてその紙束をチェックする。
KP
それは、何かの実験結果と、実験の目的を書いた二つの資料だった。
他人に読ませることを目的としていないらしい文章は、推測するに、あなたに向けられたものではない。
読みづらく難解な文章をどうにか読み解いていくと、以下のような内容が書かれていた。
《研究レポートⅠ》
脳を除いた肉体に様々な刺激を与える【実験C】について書かれている。
佐倉 光
まただ。まだ被験者の都合を考えない奴らの……
ぎりぎりと歯がみしながら読み進める。
脳と自己
佐倉 光
うーん、脳を除いた体への感覚実験? 謎なことやってんな。
普通に考えれば受信側がないんだから反応もクソもないと思うんだけども。
電気刺激に反応するカエルとは主旨違うしなぁ。
あー、一応脊椎反射はあるか。
最近、意外と脊椎で受け取って脳を介さず返してる情報は多いという動画を観たなぁ。
KP
ほほう。
佐倉 光
脳はその結果を見て「判断」して「理由を後付けしている」に過ぎないと。
意外に自己ってのはふわふわしたもんだなぁ、と脳の研究周り見てると思いますねぇ。
KP
実際の行動は脳の判断よりも先に存在していて、意志というものが後付けにすぎないかもしれない、とかあのあたりの話かな。
佐倉 光
そんなやつですね。
KP
ですねぇ。意識とか自己というものは思うよりも明確なものではない感じ。
佐倉 光
記憶も行動理由も簡単に書き換わるし、書き換わっていることを人は知りもしない。
面白いです。
最優先が「感情」っぽいのがまた面白いなぁ。と。なんでそんなに大事なんだろうな、感情。
そしてなんかこの状況、悪意の産物っぽいな。

《研究レポートⅡ》
とある条件を満たした者を、神話的事象に触れない状態においてその感情の動きを観察する実験Dについて書かれている。
その対象者として牧志が選ばれ、肉体に刻まれた■■■■の印と引き離すために脳を摘出し、複製した肉体に接続して実験中であることが記されている。
また、観察をするために別の観察者を必要とし、それに佐倉が選ばれたらしいことも。

更に、残った牧志の肉体は実験Cに流用されていることも。
悪夢だ
KP
実は感覚実験の方はあんまりメインじゃない感じなのでした。>表
佐倉 光
なるほどー。いい被検体を見つけたねぇっておいこらー!
うぅんこれはひどいw
KP
確かにこれは子供チームに回したらひどい悪夢でしたね。
そして、子供チームと本編牧志のどちらも脳みそ缶されちゃった!
佐倉 光
そうすると佐倉もなんかされてるなぁこれ。しかも日数余計に経過してるじゃないの。また! 行方不明!!
KP
YES!! 佐倉さんもまた行方不明だ。

KP
あなたはそれを読み、知るだろう。
あなたが見ているものはすべて真実、事実なのだ。
彼はあの水槽の中に入れられ、穏やかな世界をいまも夢見せられているのだ。
あのさらけだされたはかなく漂う魚こそが、いまの彼なのだ。

そして、あなたはそんな彼を記録し、解釈するために、ここに置かれているのだ……。

SANチェック成功時減少 1D2失敗時減少 1D6》。
佐倉 光
1d100 58 《SANチェック》 Sasa 1d100→ 65→失敗
1d6 Sasa 1d6→3
SAN 58 → 55
佐倉 光
レポート用紙に「牧志の肉体返せ」と書き殴って床に捨てる。
KP
紙は床へと消えるが、どうやら報告でないものに応える気はないらしい。
天井から紙は落ちてこなかった。
佐倉 光
「……平穏な生活、か」
本人にとっては何も起きていない平穏な世界。
俺から見れば脳を取り出され、つつき回される実験動物。
何が平穏だ。
KP
【アイデア】で判定。
また、【INT】×3で判定。
佐倉 光
1d100 85【アイデア】 Sasa 1d100→ 4→決定的成功クリティカル)!
1d100 51 【INT】 Sasa 1d100→ 26→成功
KP
お。では、先程の【アイデア】失敗分の情報もお出ししましょう。
あなたは序章の難解な文章を読み解いたことで、〈生物学〉への理解を深めることができる。〈生物学〉に+1d10%。
KP
「報告でないものに応える気はない」。
つまり、報告の際に一緒に言いたい事を書けば、この先にいる「何か」と会話を行うことができるのではないだろうか。
KP
……あなたはふと、嫌な予感を覚える。
《研究レポートⅠ》の内容からして、近いうちに程度:強の触覚反応実験が行われるのではないか?
佐倉 光
牧志の肉体に、危害が及ぶ、ということだ。
1d10 Sasa 1d10→10
〈生物学〉 1 → 11
KP
すごく理解が深まった。
▼記録する
これ以後、あなたはこの室内の探索を行いつつ、彼の様子を記録し「何か」へと報告することになります。

報告の文章は実際に書いてもらっても、どのように記すか宣言してもらうだけでもOKです。

報告は何回行っても構いません。
また、報告の際に用紙を通して「何か」に話しかけることができます。
佐倉 光
ほーん。なるほど。
KP
室内の探索でも情報は出ますが、主に報告を通して話が進む感じです。
なお外に出ることもできます。
佐倉 光
おっ? 外出可能なんですか。一応それは質問してからやるけど。
KP
可能です。
佐倉 光
日常とかいいつつ外ないの変だよねとか思ってた。
とりあえずこの生活が続くと俺が餓死するのは確実だw
KP
「食べ物おいしくないんだけどォ!」って何かに訴えてもいいのよ。

コメント By.佐倉 光
ある日牧志の脳味噌が露出した。
一体何が起きている? おかしいのは牧志か、佐倉か?

TRPGリプレイ【置】CoC『禁獄ノ糸』 牧志&佐倉 2

「あ、ああ、ああ、ああ、……ああ、あは、あはは、あははは、」

TRPGリプレイ【置】CoC『スプーキィ・ポルカ』牧志&佐倉 1

「佐倉さん……! 俺、ここだよ!」

【クトゥルフ神話TRPG】
本作は、「 株式会社アークライト  」及び「株式会社KADOKAWA」が権利を有する『クトゥルフ神話TRPG』の二次創作物です。

Call of Cthulhu is copyright ©1981, 2015, 2019 by Chaosium Inc. ;all rights reserved. Arranged by Arclight Inc.
Call of Cthulhu is a registered trademark of Chaosium Inc.
PUBLISHED BY KADOKAWA CORPORATION 「クトゥルフ神話TRPG」


エモクロアTRPGリプレイ『テディベアズ・デイ』 /CoC『VOID』継続 結城&ヴィキ 1

「なんだ、女房の留守中に、早速浮気か」
「うううう浮気!? 違……というかまだ夫婦じゃないですよ!?」

TRPGリプレイ【置】CoC【タイマン限2】収録シナリオ『デート or デッド』 佐倉&牧志 1

「生きてて良かったけど……」
見た目が大分やべぇなこれ。

TRPGリプレイ CoC『誰がロックを殺すのか』 Heavy Howling 1

あなたにとって「ロック」とはなんですか?