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こちらには
『満を持して今日も俺は眠れない』
ネタバレがあります。

本編見る!


第四夜「 ??? 」


KP
驚きのオール 4 日目。
すべてのダイスロールに-15%。

【幸運】、《SANチェック》、捕獲ルール、その他指示のあるダイスロールはデバフが適用されない)

壊れチャートを2回振ります。

前回振ったチャートの効果が消えるのか、継続(さらに2つ追加される)のかが不明なんですが、寝てないしってことで、ここは
「前回のに加え、さらに2つ追加される」で行きます。
佐倉 光
デバフでっか!!
1d10 Sasa BOT 1d10→4
1d10 Sasa BOT 1d10→6
KP
3徹ですからね!!
牧志のエナドリまだ結構残ってるしなんとかなりますって。
牧志 浩太
1d10 Sasa BOT 1d10→9
1d10 Sasa BOT 1d10→4
佐倉 光
ふらふら 口調荒くなる 攻撃的になる
KP
ふらふらはしょうがないとして、割と攻撃的方面で整合性が取れてる。無理もない。
牧志は「意味のない言葉を言う」「足元がふらふらする」「むしゃくしゃして大暴れする」

うーん、大暴れはやりづらそうなので、ちょっと1つめだけ振り直してもいいですか?
佐倉 光
はーい
KP
1d10 Sasa BOT 1d10→5
「意味のない言葉を言う」「足元がふらふらする」「空元気を出す」やべぇ。OKです。
佐倉 光
似合う……
KP
割とどっちも似合う。
というわけで、人間はここまで寝ないようにできてない! 第四夜、参ります。
佐倉 光
はーい、お願いします!

KP
あなたは異界一つを取り込んで作り上げられた、巨大な悪魔の巣を目の前にしている。
蟻塚のようにも見えるそれを取り囲むように悪魔使いたちが続々と集結し、これまで随分と手こずらせてくれた連中を、とうとう魔界へ叩き返す時を待っていた。

頭の奥がずっと熱をもっている。
眼球がずきずきと痛み、眼を開いているべきではないと訴えてくる。平衡感覚が覚束ない。

絶え間なく寸断される思考に感情の箍が外れ、酷い苛立ちと破壊欲がそのまま外界に出てくる。
この酷い苦痛もままならない思考も、半分は目の前の奴らのせいなのだ。
まあ……、もう半分は別の奴のせいだけども。
佐倉 光
契約と関係なく出てくる悪魔はどいつもこいつも死ね!!  死んで帰れ!!

そんな乱暴な思考が意識を満たす。
悪魔使いにグールか何かと間違われて攻撃されそうになったが、どうやら
ふらふらしながらショットガン撃ちまくり、顔に深いクマを刻み、「コロスコロスコロス」と呟いていたらしい。
どうやら目の前にいる悪魔が死んでいるのに気づかないで撃ち続けていたらしく、なんとも無惨な状態だった。
ラミアに真顔で「ちょっと引くわ。悪魔を殺して平気なの?」とか言われた気がする。
KP
視界が二重にぶれてくる。
目の前をちらちらと動く悪魔の影が煩わしくてならず、うっかり反射的に波照間のアラミタマに銃を向けかけた。あぶない。

そんな状況で(色々な意味で)無事に仕事を終えられたのはきっと奇跡だ。
結局夜までかかったのは、全く奇跡ではない。

横で波照間がチャクラドロップを噛み砕きながら、何かを唱えていた。

《パトラ》だ。
《パトラ》……真・女神転生の、軽い状態異常を治癒する魔法。PANIC(混乱)やSLEEP(睡眠)やHAPPY(幸福)などのバステを解除できる。
チャクラドロップ……MP回復役。飴なので、かみ砕くと溶けるのが早く、早めに効果が出るのだろうか。
波照間 紅
「大丈夫か、いや大丈夫じゃないのは分かってるが聞こえてるか?
SLEEPというより半分PANICになってないか?」
佐倉 光
「あァ? へーきだよ。俺は正気だ。
ちょっと寝てなさ過ぎてふらつ…………
PANICなんか起こしてねぇって。
黄色い青なんか見えてねーからちょっと何もかもぶち壊したい気分になってるだけだから」

目つきがいつも以上に悪くしゃがれ声で、完全に様子が悪役である。
波照間 紅
「……分かった後処理は僕がやっておく。少しでも寝てくれ」

これはだめだ…… という顔で波照間は首を振った。
KP
波照間が後処理を引き受けてくれたので、今すぐ異界を離脱して仮眠を取れば、1時間くらいは眠れるだろうか……。それが足しになるかはともかく。

※仮眠は取れてもデバフ・壊れ状態等は消えません。
佐倉 光
波照間さんも大変なのに、本当にありがたいなあ。
佐倉 光
「ああ、感謝してやらぁ。覚えてろ」
佐倉 光
丁寧に礼を言って帰ってちょっと寝る。
きびすを返したときにそのへんの柱にぶつかった。
波照間 紅
「あっ」
KP
ちょっとドタバタしながらも、あなたは無事自宅に帰り着き、なんとか仮眠を取る。
佐倉 光
喚ばれるギリギリまで寝るため、装備全部ガッツリ整えて、準備も終わらせた上でソファで毛布かぶって寝る。
KP
……

牧志 浩太
「大丈夫、大丈夫だって! ○×△××○○し、佐倉さんももうすぐ戻ってきてくれるし、あいつのスマホ調べれば何かあるって!」
KP
意味不明な言葉の混じった牧志の妙に軽やかな声が、不意にあなたの意識を覚醒させた。
僅かな眠りを味わった肉体はずっしりと重たく、もう起き上がりたくないと訴える。
佐倉 光
「……ンアー」
いつの間にかダイナーの椅子に溶け広がっている自分を発見した。
目を、開けたくない……心底。

握っていたイワクラの水を反射的に開封して自分の頭にぶっかける。
この四日間、イワクラの水を何本消費したか分からない。
佐倉 光
「来てやったぞ畜生……
進んでんだろうなぁ?」
挨拶して進捗聞いただけのつもり。
KP
「ひぇ」
そこはダイナーの二階だった。
苦しそうに眠るエマを前に、すっかり意気消沈した様子で牧志に肩を叩かれていた門番が、地獄の底から響くようなあなたの声に思わず肩を竦ませる。
牧志 浩太
「佐倉さんだいぶん参ってるな、俺も参ってる。参ってるけど何だか元気になってきたから大丈夫」
牧志が眼の下に深い隈を作って、からからと笑う。
佐倉 光
「どう見ても大丈夫じゃねぇだろうが狂気系クセェぞてめぇ。
大学にはナシつけといてやったからな、土曜日も授業だ死んどけ」
(顔色悪いけど大丈夫?  土曜にも受講してもらえるように話つけたから大丈夫だよ)
牧志 浩太
「えっ、話つけてくれたのか! 
ごめん、ありがとう、助かった……!」
余程まずい状況だったのか、その時だけ空元気も吹き飛んであなたに感謝する。
KP
「普通に会話してんの妙な感じっすね」
門番が一瞬真顔になって会話に割り込む。

「あぁぁああ、じゃなくて、あの鏡の代用品探したんすけど見つからなかったんすよ、あれ世界に数個しかないくらい珍しい物で。
そんな都合よくこの街にあるわけないし、もう詰んだっすよ……」
牧志 浩太
「だから、蜘蛛の巣を壊せば世界の繋がりも消えるはずだって分かったんだろ? あとはそこに行く方法だけだって」
佐倉 光
「まだあのクソ野郎のスマホ見てねぇんだろ。
情報出尽くすまでうだうだ考えたって無駄だってんだよ。
簡単に積んだとか抜かしてんじゃねぇぞバカ。
てめぇがヘタレたらエマが裂けんだよ」
(希望を捨てるには早いだろ、まずはスマホをチェックしよう)
牧志 浩太
「ほら、佐倉さんもそう言ってくれてるだろ。
あのスマホ見てみよう」
KP
男が遺したスマートフォンはまだ電池が残っており、電源が入ったままになっている。

簡単なパターンロックがかかっているようだが、〈目星〉または〈芸術:ハッキング〉で解除できる。

失敗しても何かは出ます。
佐倉 光
せっかくだから俺は〈ハッキング〉を使うぜ!
KP
どうぞ!!
佐倉 光
1d100 70 〈弱体化ハッキング〉 Sasa BOT 1d100→56→成功
佐倉 光
「持ち主と同じようにバラバラにしてやる……へへ……」
あの衝撃的なシーンが割と焼き付いているらしい。
KP
あなたはスマートフォンのロックを軽やかに解除する。

メッセージアプリには仕事の連絡や友人との会話らしいものがぽつぽつと残っていたが、どれも少し前の日付で止まっている。

ショートカットにカメラアプリと、日記アプリが入っている。
アプリ起動履歴を見た所、日記アプリは最近まで起動していたようだ。
佐倉 光
日記を開けよう。
佐倉 光
「大体こういうの書く奴は脳みその内容転写するみたいな日記書くって相場が決まってんだ!」
KP
日記アプリを開けると、猫に対するこよなきラブで始まっていた。

短い日々の出来事、友人とのちょっとしたやりとり、仕事であった嫌なことやちょっと嬉しかったことの他、「みーたん」と名付けられた飼い猫を人生の伴侶のように愛している姿がありありと描かれている。

というか、ほとんど猫のことばっかりだ。
しかし、その楽しそうな様子はある日の日記で一転する。
愛猫を失った男の嘆きと、ドリームランドとの関わりが書かれている。
愛猫に会いたい一心でこの街をウルタールにしようと決意したこと、そのためにく物娘の生贄を用意していたこと。
佐倉 光
「なるほど。分かった。
分かったけど死ね。死んでるか。クソが」
事情は分かったけど、許せはしない。
牧志 浩太
「気持ちは分かるけどさ、巻き込むものが大きすぎる。いや、人のことは言えないけどさ」
佐倉 光
「あの野郎が死んでまだ繋がってないってんなら、エマが最後の鍵かも知れねぇな」
牧志 浩太
「蜘蛛の巣をなんとかすれば繋がりは消える、って風にも読めるな。
門番ともそういう話をしてたんだ、昼に」
佐倉 光
写真チェックする。
KP
写真は…… 猫写真だった。
たまに友人と撮影したらしいものもあるが、後はほとんど同じ猫がずっと映されている。

そのとき、エマがふっと目を開いた。
あなた達の前に白紙の紙を置き、おぼつかない手でペンを取り、ゆっくりと文字を書く。

『話は聞いていました 私は蜘蛛になることができるのでしょう?』
『私なら巣に行けるはず 蜘蛛になった私に爆弾を持たせて 巣で起爆させれば 巣を壊せる この街は助かるのではないでしょうか』
『私が街を 両親をどうにか助けられるなら それでもいいです』
牧志 浩太
「えっ」
そこに刻まれた文章に、牧志が絶句する。
佐倉 光
「………くそ、こんな頭回らねえ時にそんな問題突きつけてくるんじゃねぇよ」

門番に訊く。
佐倉 光
「そんな都合のいい爆弾はあるのか?

その手段で巣を壊したとして。
他の蜘蛛がまた巣を作るだけじゃないのかよ」
KP
「いや、蜘蛛の神は一柱だけっすよ。あいつがいなくなったから、もうあいつとの約束も絶えてるはずっす。
できてしまった巣を壊せば、……って、そうじゃないっすよ!

街やご両親を助けようとするエマさんの気持ちはとても優しくて美しいと思いますが!! そんなの良くないですよ!!!
ねぇお二人もそう思いますよね!? ねぇ! 何か他にないんすか! 思いつくこと!!」
牧志 浩太
「わわわわわわ」
KP
門番はあなた達の肩をぐわっと掴むと激しく揺さぶる。
寝不足の頭が盛大にシェイクされる。

うっぷ、気持ち悪い……。
佐倉 光
「ぐぁぁぁやめろ手段の確認だから巣を壊せばokってことでいいんだなァァァァ」
※他に作られた蜘蛛が破られた巣を張り直すってことはないと解釈していいのかな。もしくは放置したら他の蜘蛛がエマの分も広げてはるってことはないのかな。
佐倉 光
「それならエマが蜘蛛にならなけりゃいいってことでいいのかぁぁぁ!?」
KP
整理しますと、以下のように門番は考えています。
 ・巣を張っているのは蜘蛛の神(一柱しかいない)そのもの。
 ・男との約束は無効になっているので、既に張られた巣をなんとかすれば街は元に戻る。
 ・蜘蛛の娘は巣をこちらに向けて張る条件として神が要求したもの。
エマが蜘蛛になるかどうかは直接関係ない。
 ・必要なものは巣に行く手段or巣を破壊する手段。

 ・エマは蜘蛛になった自分に爆弾をつけて巣に送り込むことで、自分もろとも巣を破壊しようと提案している。
佐倉 光
なるほど。必要な道具って訳じゃなくてただの生け贄なんだな。
蜘蛛以外に巣を破壊するものを送る手段があればいい、ということか。
KP
ということです。>生贄
佐倉 光
エマに釘さしとこ。
佐倉 光
「おいエマ。それはいつでもできる最終手段だ。それでうまく行く確証もないのに最終手段の切り札いきなり使いやがったら踏むからな!
巣なんか編んでないでマフラーでも編んで待ってろバカ」
KP
エマはあなたの言葉に呆気に取られたように目を円くし、泣きそうな眼で微笑んだ。
少し震えた字で、こう書く。

『分かりました お待ちしています』
KP
「ってことで何か思いつくことないっすか」
牧志 浩太
「うーん、何か。そういや昨日あったことって話したっけ。途中から一緒だったけど」
佐倉 光
「そんな余裕なかったな」
佐倉 光
「で、お前はなにやってたんだよ。
何か掴んでねぇのかよ」
KP
「あらゆる伝手を当たって鏡の代用品を探してたっすよ~、駄目だったけど。そこの牧志くんにも手伝ってもらったけどアウトォだったっす」
佐倉 光
ではこちらは駅の様子を見ようとなかに入ったら延々延びる階段に捕まって、中で緑の女に襲われたこと、ホームで奇妙な電車を見たこと、悲鳴を聞いて改札に戻ったら女が襲われていたことを話そう。
あとは、エマが不思議な骨董屋の話をしていたことも。
KP
「……いや、ちょっと待つっすよ」

骨董屋の話になった所で、門番が声を上げた。

「不思議な骨董屋! まだ行ってないっすよね?
 よし二人とも、骨董屋に行きますよ!
何か打開策が売ってるかもしれないじゃないですか!」
牧志 浩太
「なるほどそれだ!」
KP
ガタッ! と門番は立ち上がる。ホイッスルを吹き鳴らすと、二階の窓の外にあの動物が乗りつけてきた。
その勢いに当のエマまでもが驚いている。なるほどそれだ! じゃない。
佐倉 光
ショック与えるなとか言ってたろうが!
正直そんな関連のある情報とも思えないし、この状況をなんとかできる都合の良いものがあるなんて思える方がおかしい。
しかし、しかしだ。可能性はゼロって訳じゃあない。
エマを不安にさせないようにと思えば信じるしかないだろうが!
佐倉 光
「それだな!!」
KP
主人につられたのか、動物はちょっと興奮しながらこちらに背をさらしている。

「ほらほら行くっすよ!」
門番はさっさとその背に跨ると、あなた達を手招きする。
佐倉 光
「場所は駅の先だ!」
具体的な情報エマから聞いて行くか、彼女連れていくか。
さすがにショック与えちゃいけない人をのせてくのは無理があるかな。
情報聞き出してから行こう。
KP
道順は昨日エマからもらった紙に書いてあるので、問題ありません。
佐倉 光
はーい、では行く!
KP
「応! 承知っすよ!」
牧志 浩太
「行ける行ける! 行ける気がしてきた!」
KP
力強く動物は空中を蹴り、駆け出していく。
相変わらず狂った街を見下ろしながら、やがて駅の裏側に舞い降りた。

「ここからは道順通り行くっすよ。こういうのは正しい手順を踏むことが大事っすからね」
門番は言うと動物から降り、あなた達を守るように後ろに立った。
佐倉 光
そういう感じの奴なのか。
佐倉 光
「最近だとなんかの塔で聞いたなそんなの。
呪いの一種かも知れねぇからな」
降りたら順番を確認していこう。
佐倉 光
「そういやナシュト、ドリームランドから漏れてきた奴はまだいるのか?」
KP
門番はそう考えているらしい。

「結構捕まえたし、居たとしてもあともう少しだと思うっすよ」

紙に書かれた通りの道順を進んでいけば、途中に道を一周したりなどの奇妙な手順もあったが、やがて店らしい明かりが見えてくる。
牧志 浩太
「お、あれかな」
KP
古めかしいランプを扉の外に掲げ、ねじくれた枝を扉の手すりにあしらった姿は、なるほど骨董店と言えばそれらしく見える。

店は開いているようで、店内に光が灯っており、猫たちが地面に三角耳の影を落としている。
佐倉 光
店員がおかしくなってなきゃいいな、と店の前の猫を見て思った。
とにかく店に入ってみよう。
それにしても、探している物についてなんて説明すりゃいいんだ?
どこにあるかも、現実にあるかも分からない、『神』が編んだ蜘蛛の巣を探して破壊するものはないか、って?
KP
重たい扉を引き開けると、カランカラン、と軽やかなベルの音がした。

室内に足を踏み入れたとき、あなたはふと、何かを潜り抜けたような微かな感覚を覚える。

……次にあなたの目に入ったのは、奇妙な品々で満たされた店内だった。
何とも分からない捻じれた木や、何かの生物の骨でできた調度品。低く唸るような音を立てる卵状のオブジェ。厳重に封をされた宝石箱。びっしりと謎の模様が彫り込まれた柱時計……。

置いてある品物こそ異なっていたが、あの夢の街で見た店に似た雰囲気を感じた。
牧志 浩太
「すごいな。これって本当に〇*〇××〇△#?」

牧志は何を言っているのかよくわからない。
佐倉 光
「これ……とんでもない物ばっかり置いてないか」
異界の店とはまた違う、何か違う方向に人間の生きる世界とは外れている品々。
ここになら何かないだろうか。
というか……
牧志なんで知ってるみたいな反応してるんだ?
佐倉 光
値札とかついてる? 自分に分かる品物はある?
KP
あなたは〈クトゥルフ神話〉で判定してみてもいい。
佐倉 光
1d100 25 〈クトゥルフ神話〉知識 Sasa BOT 1d100→79→失敗
KP
置かれている品々を見ているだけで視線を曲げられ、歪められるような感覚にとらわれる。なにもかもまったく見たことがないつくりをしており、分かるのは箱だろう、時計だろうランプだろうという推測の表層だけだ。

卵状のオブジェはどこかで見たようなことがあるような気もしたが…… 何だったか。
牧志 浩太
「あ、#@△〇$××ー」
牧志は相変わらず何を言っているのかよくわからない。

それらのどれにも値札はなく、雑然と並べられていなければ店というより博物館のようでもあった。
佐倉 光
意味が分からないな……力は感じるが。
KP
あなたがそれらを眺めていると、不意に背後から声をかけられる。
「おや、お客さんなんて珍しいのぉ」

幼い子供のような声だ。
佐倉 光
「あん?」
振り向く。店主か。
KP
微かに複雑な匂いの煙があなたの鼻をかすめた。
振り返ればいつの間にか、黒髪に短い髪の少年が金張りの煙管をふかしながら、あなた達を愉快そうに眺めていた。

どう見ても小学生くらいの見た目だが、喋り方や振る舞いは何だか、年寄りのような雰囲気がある。

「何かお探しかの?」
佐倉 光
「ああ、あんたここの店主かよ」
この店の人間ならどんな見た目をしていようと驚くことはないだろうし、必要な道具を知っているかも知れない。
眠気のせいで『細かいことはまあどうでもいいか』という気分になっていたせいもある。
佐倉 光
「世界を繋げようとしている蜘蛛の巣をぶち壊せるヤツを探してる。
そういうのここにあるかよ?」
KP
「ふむ……、ふむ」
店主は大きな円い眼で、あなたの眼をじっと見た。傍らにあったランタンを手に取り、灯す。

暫く、沈黙が流れた。
複雑な香りの煙だけが互いの間を流れる。

「〇〇×△#=〇×△?」
牧志 浩太
「##〇×ー☆#」
KP
何か話し声が聞こえるがよくわからない。
あなたはうっかり眠り込みそうになって、気づくと店主に肩を叩かれていた。

「もし、もし。お前さんに必要な鏡なら、確かにこの店にあったよ。
じゃがのう、もう売れてしもうたんじゃ。娘さんの誕生日に、と随分な金を積まれての」

店主はそう言うと煙管を置き、あちらを向いて煙を吐いた。
佐倉 光
「売れたァ!?」
目の前が真っ白になった。
希望をちらつかせておいて奪うって悪魔の所業だろうが。
佐倉 光
「どうして売ったんだよ! どこのどいつに売ったんだよ! 教えろ!」
KP
店主はあなたが声を荒らげるのにも怯んだ様子もなく、ゆったりと煙管を取り吹かし始める。

「ここには普段とんとお客が来んでのう。
境目・・あいま・・・などに店を構えてしもうたものじゃから、まあ無理はない」

店主のゆっくりと喋る声が、奇妙な品々の間に満ちる。
「じゃから、独り言が癖になってしもうた」
佐倉 光
「…………」
独り言を黙って聞こう。
KP
「これは独り言なんじゃがの。
先日、随分金の唸っていそうな御仁がこちらに来た。
あの御仁だけならみる・・事もできんかったろうが、
幼い娘さんがこちらをみる・・もんでの、面白く思うて鏡など売ってしもうた。

はてさて、ああいう御仁は大きな家にでも住んでおるんじゃないかのう。そういえば坂の上に大きな家がいくつかあったのう。猫と煙と金持ちは高い所を好む、などと言うがのう。本当かのう。
さてと、今日もお客が来んかったようじゃ。そろそろ店を閉めるかの」

店主は大きく咳ばらいをしてそう言うと、あなた達などいないかのように、調度品の埃を払いだした。
佐倉 光
「牧志、行こう。ここには何も無かったな。
高いところから見下ろせば、奇跡的に何か見つかるかも知れないぜ」
店を後にしよう。

それにしても、建前ってそんなに大事かね。
店には俺達しかいなかったじゃねぇか。
牧志 浩太
「ああ、だな」
牧志はあなたに呼びかけられて、はっと気づいたようにこちらを向く。

頷いて、視線だけに感謝の意を乗せ、店を後にした。
佐倉 光
この店は気になるなぁ。俺がまだ知らないものがゴロゴロしている。時間がある時に来てみたい。
しかし牧志は連れてこない方が良いような気がしてならない。
佐倉 光
「……牧志、大丈夫? なんか話しちゃいけない相手と話してなかったか?」
牧志 浩太
「へ? 何か話してたっけ? ってか、なんで高い所なんだっけ」

店を出る直前にはしっかりと返事をしたように見えたのに、店を出たとたん牧志は不思議そうな顔であなたを見返した。
佐倉 光
「なんか受信してたように見えたぞ。
寝てたな。いや寝ててくれむしろ」
牧志 浩太
「受信?」
佐倉 光
非常時だ、町のこんな惨状を何とかするためなら鏡を借りることだってできるかも知れない。
いや、貸してもらわなければならない。
ナシュトに話して山の上にあるそれらしい家を探そう。
KP
そこに、門番がフードの中に太陽をたくさん乱舞させながら割り込んできた。ちょっと鬱陶しい。

「いやぁ、これは有力っすよ! きっと深淵の谷に繋がる鏡があるに違いないっす!

鏡を使わせてもらって、捕まえた生物に爆弾括り付けて投げ込めば解決! っすね!」

「まぁ蜘蛛神はぶち切れ案件でしょうけど、この際なんだっていいです!」
牧志 浩太
「えっ」
KP
何だか聞き捨てならないことを言ったが、問い質す前に門番はさっさと空飛ぶ動物を呼ぶ。

空中から見れば、あの公園から更に行った辺りに、確かに何軒か大きな家が建っているのを見つける。
あの家の中から街を見下ろせば、さぞかし見晴らしがよいことだろう。
佐倉 光
「おいぶちぎれた蜘蛛神こっちもまとめてひっくり返しに来ないだろうな!?
つーか生物必要なのかよ。蜘蛛なら巣に向かうだろうけど聞けよ俺の話!」
KP
「何かいないと向こうへの扉を開けませんし」
佐倉 光
「やめろこっち見るな灰になる」
頭を抑えて呻く。くらくらするんだよその太陽乱舞。
曇ってろ。頼むから。
KP
門番はえぇー、とか言いながらフードの前をかき寄せた。

佐倉 光
まずは家の周囲を見て、子供がいそうな家を探すか。
娘ってのが何歳かも分からないが、鏡をプレゼントにするなら幼児ってことはないだろう。
古い子供用品、自転車などがあるか。表札に女の子を思わせるような名前がないか。

特に特徴が無ければ端から訊いてみるけど。

ただ、声をかけるなら牧志がやった方がいいだろうね。
佐倉は自覚している分より更に目つきも態度も口調も悪くなってるから(少し自覚はある)。
牧志 浩太
「まぁいいか、行ってみよう」
足取りばかりは元気だが、いい加減眠いのか牧志も発想が雑になっている。
KP
家の周囲を見て回るなら、表札に子供の名前はないが、庭に可愛らしいリボン柄のキックバイクが置いてある家を見つける。

また、ある家の前にしゃがみ込んで猫を撫でている少女を見つけた。
上等な身なりからして、この辺りの家の子供だろうか。
牧志に声をかけてもらう?
佐倉 光
まずは牧志にお願いして、変なこと言いだしたら交代……それ余計怖くない?
とにかくお願いしよう。
牧志 浩太
「こんばんは」
KP
牧志が猫を撫でている少女に近寄って挨拶すると、少女が振り返った。

「変になってない不審者さんだー! 不審者さんもニャンちゃん撫でる? かわいいよ」
牧志 浩太
「ふ、不審者さん。いや無理もないけど」
牧志 浩太
「あー、じゃ少し撫でようかな」
KP
ふかふか。
ふわふわ。

牧志と少女が並んで猫を撫でている和むような奇妙なような図。

猫は牧志の手に撫でられて気持ちよさそうにしている。
牧志はたまに猫に猫語? で話しかけているが、もちろん対話は成立していない。
佐倉 光
「…………」
いや急いでるんだが。早く訊けよ。猫なんか撫でてる場合か。
あるかないかまず聞き出せば後はどーとでもなるだろうが。

いやいや、交渉のためには話題を合わせるのは必要だ。多少は仕方ない。
イライラが……漏れる。足とかに。
サトミタダシの歌を超高速で刻んで耐える。
サトミタダシの歌……とあるチェーン店のテーマソング。やたら耳に残る。
牧志 浩太
後ろから苛立ちのオーラを察知した!
少女は気づいていないようだが、牧志の肩が跳ねた。
牧志 浩太
「あー、それでさ、すごく古そうな鏡をお誕生日にもらったりした?

その鏡がないとどうしても困ることがあって、ちょっとだけ貸してほしいんだ」
KP
「んーっとね、すっごく古い? かどうかはわかんないけど、ユウナちゃんがパパに鏡買ってもらったんだーって言ってたよ。
この前ユウナちゃんの誕生日だったから」
少女は猫の首元をくすぐりながら答える。
牧志 浩太
「そのユウナちゃんに鏡貸してって頼める?」
KP
「いいよー。あのね、こっち!」
少女はあなた達をある家へと連れて行く。
門番は隠れたのか姿を消していた。
佐倉 光
ちょっと距離を置いてついて行く。
この光景みられたら立派な事案だな、と思い深呼吸深呼吸……。
何とかいつもの猫が戻ってくるように念じる。
こんなに周囲猫だらけなんだぞ。俺の猫帰ってこい。
佐倉 光
ニコォ
佐倉 光
無理だ。
仕方ないので距離取ったままでついてく。
KP
開いたままの玄関から、慣れた足取りで家の中に入っていく。
少女はにこにこ笑ってこちらを振り返り、楽しそうに声を潜めて牧志に話しかける。

「不審者さん、ほんとは悪魔つかいなんだよね? でしょ?
ユウナちゃんの鏡、悪魔つかいの鏡なんだよね?」
牧志 浩太
「その不審者さんっていうのはやめてほし……、へっ?」
少女の口から突然発されたフレーズに、牧志が驚いて一瞬立ち止まり、慌ててまた歩き出す。
KP
「だって、こわーい悪魔といっしょだもん」
こちらを覗き見る少女の目は…… 明らかにあなたを見ていた。
佐倉 光
振り向いて《アナライズ》して2秒考える。
俺かー。
そうかー。

えー、俺が何だって?
ああ、悪魔?
誤解は解かないといけないよな。
牧志 浩太
「悪魔じゃなくて友達で」
佐倉 光
「誰が悪魔だコラ」(僕は悪魔じゃありませんよ)
牧志 浩太
「あっ」
KP
「きゃー」少女は笑いながら走っていく。
いくつもの部屋を抜けて、ある部屋の扉を叩いた。

「ゆーうなちゃーん、遊びにきたよー」

ユウナと呼ばれたポニーテールの少女は、テレビの前でお行儀よく座って深夜物の大人向けドラマをぼんやりと見ていた。
少女の姿を見ると、ぱっと表情を明るくする。

「あ! ノゾミちゃん! 後ろの人たちだれー?」
KP
「ユウナちゃんの鏡貸してほしいんだってー」
「えーっ、やだー。すっごく綺麗なんだもん」
やだやだ絶対やだ、とユウナと呼ばれた少女は手足を振り回す。
KP
何らかの交渉技能で成功すれば借りられる。RPでも可。
基本は交渉技能ですが、RPでなんとかすることもできます。
佐倉 光
含み笑いをしながら少女たちに近寄る。
佐倉 光
「よう……ガキ。
世界がおかしくなったから俺達の世界がこっちと繋がってな。
俺のナカマがいっぱいこっち来てんだよ。

その鏡、絶対その野郎に渡すなよ。
それを使われると、世界が元に戻っちまうからなぁ」
言いながら牧志を指さす。
KP
少女達は非常に目つきの悪くなっているあなたの登場に騒然とする。

「えっ、なにこの人こわい」
「ユウナちゃんユウナちゃん、本物の悪魔だよ!」
「なにいってるのノゾミちゃん、悪魔なんてほんとには」

そこですかさず門番がチラっと姿を見せる。

「きゃーオバケ!」
牧志 浩太
「お、俺の言う事を聞け! しまった、あの鏡がないせいで!」
KP
牧志はちょっと棒読みだ。
しかし、異変の中に取り残された少女達にはそれでも効いたらしい。恐怖1/3好奇心2/3といった風にきらきらと眼を輝かせ始める。
何せ世界は実際に狂い、信じられないような出来事が起き、大人たちはおかしくなっているのだ。効果は抜群だ。
佐倉 光
「そいつに鏡渡すんじゃねぇぞ~。
俺達の力を封じる鏡~渡したら許さないぞ~」

立ったまま寝かけてゆらゆらしてる。
攻撃魔法でも使えりゃすこしは説得力出るんだけどなー。
《ディア》しか使えねーしな。

よし頑張れ牧志。
お前はたった今悪魔使いだ!
KP
半分眠りかけてゆらゆらと動くあなたの影が、偶然にも少女の方に被さって恐ろしげな印象を高める。
牧志 浩太
「や、やめろー! その子に手を出すなー!」
佐倉 光
目は充血して真っ赤、深いクマを刻み青ざめた顔、ぼさぼさの髪、ゾンビのようにだらりと垂れ下げた腕。
ゆらりと一歩近づく。
KP
あなたは何か、もっと説得力を増すものを! と願っただろう。

佐倉さん、【幸運】で判定。このロールにはデバフはかからない。
あ、あとこの【幸運】【POW】系ロールと見なせます。
佐倉 光
1d100 75 【幸運】 Sasa BOT 1d100→56→成功
KP
あなたが願った瞬間、説得力を増すものが目の前から現われた。

バガァァァン!!

廊下の内扉が勢いよく吹き飛んだ。
大きな音に思わず全員がそちらを向く。
牧志 浩太
「はぁ!?」
KP
そこには。
脂っぽい皮膚をぎとぎとと光らせた、ヒキガエルのような化け物が三体!
今度の奴は槍こそ持っていないようだが、そのぎらつく眼は真っ直ぐに牧志を睨んでいる。

「きゃああああ!」
その悍ましい様相に少女が悲鳴を上げる。
「ユウナちゃん、鏡を!」
「う、うん!」
少女の声に、ユウナと呼ばれた少女はダッシュで鏡を取りに行く。もはやその眼はあなた達の言葉を信じきっていた。

説得力、上がりすぎだ。
KP
※戦闘に入ります。

爆弾:戦闘開始前に門番が素早く取り出し、あなた達のどちらかに渡します。どちらが受け取ってもOK。

鏡:少女が自身の手番(【DEX】12)で取ってきます。何もしなければ牧志に渡されます。

戦闘の勝利条件は以下3件の達成となります。
 1. 爆弾をムーンビーストに着ける
  〈投擲〉 or 【DEX】×5 or〈こぶし〉成功で装着できる
 2. 爆弾を着けたムーンビーストを送り返す
 3. 全てのムーンビーストを送り返すか殺す

さりげなく門番が守ってくれるため、
少女達はムーンビーストの攻撃対象になりません。

牧志が持っているエナジードリンクを佐倉さんが使いたい場合、どちらかの手番を消費で受け渡せます。

〈回避〉について
「そのラウンドに攻撃すると回避できない」記載から、攻撃以外の行動(応急手当・アイテム受け渡し・移動等)は〈回避〉を行っても実行できるものとします。

ちょっとややこしいので、何かあったらご質問どうぞ!
佐倉 光
はーい
佐倉が持っている薬は今回役に立たなさそうだな。
KP
あと【POW】系だけですしね。>佐倉さんの
KP
全員の【DEX】を開示しておきます。
【DEX】15:門番
【DEX】12:ユウナ、ノゾミ
【DEX】10:ムーンビースト×3
【DEX】9:佐倉さん
【DEX】8:牧志

となります。
佐倉 光
おう門番。働けよ?
手順的には鏡は牧志の方がいいかなぁ。
いやでもエナドリの受け渡しを考えると牧志にそのまま使ってもらった方がいいな。
おっけー了解です。
佐倉 光
鏡は佐倉が奪おう。ケケケ
KP
爆弾はどうしますか?
佐倉 光
爆弾は牧志にドリンク飲んでもらって設置して欲しい!
KP
OK!
少女から鏡を奪うのは自分の手番を消費せずにできるでしょう。
では差し支えなければ戦闘開始!
佐倉 光
いくぞー!

コメント By.佐倉 光
徹夜四日目に突入。訪れる大ピンチ。
ひたすらハイになる牧志とひたすらツンデレモードになる佐倉。
どうしてこれで会話が成立するんだろう。

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「暢気だなぁ」
「暢気だって、言った?」

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がりがり。
がりがり。

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「何に巻き込まれたんだよ俺達、って気分だ」
「ったく馬鹿馬鹿しい」

【クトゥルフ神話TRPG】
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不安と恐怖が、べったりと思考にこびりついていた。