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KP
家に戻ると、モッチモチの塊がシローの膝の上に積み上がっていた。
「おかえりー」
シローが小さな佐倉たちと安里の頭をナデナデしていた。
「さくら、モチモチー」
「おかえりー」
シローが小さな佐倉たちと安里の頭をナデナデしていた。
「さくら、モチモチー」
牧志 浩太
「ただいま。すごい積み上がってるな、ゲームみたいだ」
ちょっと構図が面白い。
ちょっと構図が面白い。
安里
「お帰り」
安里は目を細め、膝の上でシローの手の感触を心地よさそうに味わっている。
ナデナデされる心地よさに目覚めてしまったらしい。
安里は目を細め、膝の上でシローの手の感触を心地よさそうに味わっている。
ナデナデされる心地よさに目覚めてしまったらしい。
佐倉 光
「なーにやってんだよ……」
自分がされているわけでもないのに何となく赤面してしまう。
自分がされているわけでもないのに何となく赤面してしまう。
佐倉 光
「ほら、飯買ってきたぞ!」
KP
すると、シローの膝にいた佐倉たちが一斉にがばっと顔を上げた。
牧志 浩太
「お、食べる気はあるみたいだな」
モチモチ佐倉
「む」「ザケンナ!」「クソッ」「チッ」「ナルホド!!」「オッケー!」
佐倉 光
「……口悪いヤツ多過ぎじゃない?」
牧志 浩太
「うーん、確かに……。鳴き声になる基準なんなんだろう?」
テーブルのそばにレジャーシートを広げ、買ってきた物を並べて開封する。
テーブルのそばにレジャーシートを広げ、買ってきた物を並べて開封する。
KP
モチモチ佐倉はアッという間に割り当てを食い尽くした。
身長ほどあるサンドイッチを丸々食べて更に物欲しそうにする。
茶はあっという間に空になる。
身長ほどあるサンドイッチを丸々食べて更に物欲しそうにする。
茶はあっという間に空になる。
モチモチ佐倉
「ザケンナ!」
モチモチ佐倉
「クソッ」
KP
食べ物取り合ってる。
佐倉 光
「治安が悪すぎる……なんでお前らそんなに食うんだよ俺なのに。なんか追加出すか。カップ麺とか」
KP
そういえばアタマ佐倉はサイズ比率でまともな量しか食べていない。
牧志 浩太
「えっ、もしかして全員一人分ずつ食うのか!?
佐倉さんと安里はそんなに食べてないのに……、
これ、朝まで置いといたら部屋の物食い尽くしたり、しない……、よな?」
その食欲にちょっと驚く。
えっ、見た目通りの大きさだったよな、佐倉さんたち!?
佐倉さんと安里はそんなに食べてないのに……、
これ、朝まで置いといたら部屋の物食い尽くしたり、しない……、よな?」
その食欲にちょっと驚く。
えっ、見た目通りの大きさだったよな、佐倉さんたち!?
安里
「…………実は俺達の仲間だったりしないよな? ない、よな……?」
その様子を見ていて、ちょっと怪しくなってきてしまったらしい。
モチモチ佐倉さんの頬に手を伸ばしてもちもちする。
その様子を見ていて、ちょっと怪しくなってきてしまったらしい。
モチモチ佐倉さんの頬に手を伸ばしてもちもちする。
KP
モチモチぷわぷわ。柔らかい手応えのなかに、とんでもない量の食料が吸い込まれて行く。
モチモチ佐倉
「オッケー♪」
KP
それは「おかわり」なのか?
牧志 浩太
備蓄からカップ麺などを取り出してきて作る。
空になりそうだ。後で補充しよう。
空になりそうだ。後で補充しよう。
佐倉 光
「いやいやおかしいだろ。その頭の中胃袋なのかよ」
KP
呆れるアタマ佐倉やあなた方を尻目に、モチモチ佐倉たちは普通に合わせて6人分強くらいの食事を食い尽くした。
KP
「すごい。いつものさくらより食べる」
シローも目を丸くしていた。
シローも目を丸くしていた。
牧志 浩太
「ええええ、まだ食べるのか、えっこの身体のどこにこれだけの量が入ってるんだ」
満足そうなモチ佐倉さんのお腹を思わず揉んでしまう。
大きさ的におかしいだろ。ブラックホールでも入ってるんじゃないのか。
満足そうなモチ佐倉さんのお腹を思わず揉んでしまう。
大きさ的におかしいだろ。ブラックホールでも入ってるんじゃないのか。
安里
「………………………………いや、本当に大丈夫か? 翌日になったら増えてないか?」
その様子を見て、安里が恐々と言った。
その様子を見て、安里が恐々と言った。
モチモチ佐倉
「オッケェェェー」
KP
オッケーではない。
佐倉 光
「えっやだ怖。そうなったら俺戻った時どうなるんだよ」
安里
「手足だけ無限に増え続ける佐倉さんに……、いや、それアウトだろ、確実に」
安里は思わずデフォルメされた顔を引きつらせた。
安里は思わずデフォルメされた顔を引きつらせた。
牧志 浩太
「そ、それは困る。
というか、本当に佐倉さんの一部なのか? 違うんじゃないかと思えてきた。いやそれ言ったの俺だけど」
というか、本当に佐倉さんの一部なのか? 違うんじゃないかと思えてきた。いやそれ言ったの俺だけど」
佐倉 光
「……」
佐倉 光
「無限は嫌だけど腕四本くらいなら便利に……」
佐倉 光
「いや、クソ目立つ上エネルギー効率」
牧志 浩太
「まあ確かに、腕がもう二本くらいあったら便利だろうなって時々思うけど、あれ結構混乱するんだよな」
腕の代わりに舌を使っていた時のことを思い出す。
結構感覚が混乱するんだ、あれ。
腕の代わりに舌を使っていた時のことを思い出す。
結構感覚が混乱するんだ、あれ。
牧志 浩太
「さっきも服だけ変身したし、佐倉さんの記憶と姿をコピーした何かとか、そういう?」
モチモチ。モチ佐倉さんのお腹を揉みながらその正体を考える。
もちろん結論は出ない。
モチモチ。モチ佐倉さんのお腹を揉みながらその正体を考える。
もちろん結論は出ない。
佐倉 光
「……俺の一部じゃない可能性か」
KP
佐倉は顔をしかめて考え込んだ。
牧志 浩太
「そう。佐倉さんの一部かも、って思ったのは、タブレット見てて思いついただけだし。
根拠はないんだよな」
無意識に、安里の方に目を向けてしまう。
根拠はないんだよな」
無意識に、安里の方に目を向けてしまう。
安里
「まあ、コピーかと思ったらコピーですらなかった、ってこともあるしな。何だって考えられる」
安里が鼻を鳴らした。ぷい、という可愛らしい音になった。
安里が鼻を鳴らした。ぷい、という可愛らしい音になった。
佐倉 光
「だったら俺何がどうなってんだよって話になるけど。
どっちにしろこいつらは手がかりになるかも知れないし、逃がすわけには行かないな」
どっちにしろこいつらは手がかりになるかも知れないし、逃がすわけには行かないな」
KP
ふと。モチモチ佐倉、とくに外をうろついていた者達はなんだか体が汚れているのに気付いた。
風呂に入れて洗うべきではないだろうか。
風呂に入れて洗うべきではないだろうか。
牧志 浩太
「……とりあえず風呂入るか」
気分を切り替えようとそう口にした。
そういえば、ゴミだらけになっていたモチモチ佐倉さんもいたんだった。洗おう。
気分を切り替えようとそう口にした。
そういえば、ゴミだらけになっていたモチモチ佐倉さんもいたんだった。洗おう。
佐倉 光
「ああ、俺も風呂入りたいな。
悪い牧志、この体じゃ全然手伝えないな、色々、頼む。
シロー、俺達の分も頼むぞ」
悪い牧志、この体じゃ全然手伝えないな、色々、頼む。
シロー、俺達の分も頼むぞ」
KP
「うん!」
牧志 浩太
「勿論。シロー、一緒に準備しよう」
シローに声をかけ、浴槽を洗うのを手伝ってもらったりしながら湯を張る。
シローに声をかけ、浴槽を洗うのを手伝ってもらったりしながら湯を張る。
KP
シローはいつも以上に張り切って風呂を洗う。
牧志 浩太
「ありがとう、シローのおかげでピカピカだ」
シローに笑いかけて……、
シローに笑いかけて……、
KP
「まきし、まきしもモチモチなる?」
安里を見てシローは呟いた。
シローはモチモチのいきものが15人群れている様子を思い描いている!
安里を見てシローは呟いた。
シローはモチモチのいきものが15人群れている様子を思い描いている!
牧志 浩太
「うーん、俺までモチモチになったら大変だな」
言いながらも、否定することはできなかった。
いや、普通にありそう。そのうち先輩もモチモチになって、世界がモチモチの世界に……
……なったらなったで、世の中はそのうち適応しそうな気がした。
半端に混じったら大変だけど。
言いながらも、否定することはできなかった。
いや、普通にありそう。そのうち先輩もモチモチになって、世界がモチモチの世界に……
……なったらなったで、世の中はそのうち適応しそうな気がした。
半端に混じったら大変だけど。
KP
モチモチになるのはまあいいとして、知性のない大食いの生き物が激増するのはちょっと……
牧志 浩太
それはそう 元人間だった分が減っても増えた分食糧消費が6倍になる……
牧志 浩太
湯が溜まったらタオルやらを用意して、佐倉さんたちを呼ぶ。
下手に分けると手間だから、まとめてやってしまおう。
下手に分けると手間だから、まとめてやってしまおう。
佐倉 光
「服脱げー。脱げって言って分かるかお前ら。
脱いでみせればいいのか……」
脱いでみせればいいのか……」
佐倉 光
「あぁ? お前まさかトイレか!? さっさとトイレに、いや無理だろトイレ! 牧志ー!」
KP
佐倉が助けを求めている!
あのサイズで尿意や便意も普通にあるらしい。
あのサイズで尿意や便意も普通にあるらしい。
KP
小さい方はともかく大きい方困るな。ペットシーツか何かが要るか。
牧志 浩太
「えっ!? あの大きさでトイレ!?
あれだけ食べてあれだけ出すのか!?」
あの量を考えると、下手なことをさせたら大惨事になりそうだ!
シローはおまるが必要な年じゃなかったから、そういうのは無い!
慌ててトイレに連れていき、便器のふちに座らせて、落ちないように手を添えてトイレをさせる。
あれだけ食べてあれだけ出すのか!?」
あの量を考えると、下手なことをさせたら大惨事になりそうだ!
シローはおまるが必要な年じゃなかったから、そういうのは無い!
慌ててトイレに連れていき、便器のふちに座らせて、落ちないように手を添えてトイレをさせる。
牧志 浩太
あれだけ食べたので、サイズなりじゃなくて一人分の大きいの出すんじゃないかと牧志は危惧したようです。
KP
いや、やっぱそこ考えるよね……
サイズについてはシナリオには書いてないんだよなぁ
あと当然ながら……佐倉や安里だって排泄あるよ!
サイズについてはシナリオには書いてないんだよなぁ
あと当然ながら……佐倉や安里だって排泄あるよ!
牧志 浩太
ですよね!!
この勢いだと佐倉さんや安里まで牧志にトイレ介助される羽目になる!
この勢いだと佐倉さんや安里まで牧志にトイレ介助される羽目になる!
KP
常に補助必要と考えると大変すぎないか!?
牧志 浩太
ペットシーツでする羽目になるのと牧志に介助される羽目になるの、どちらが面白いかで流れをご決定ください(ひどい選択肢)
ずっとこの状態だったら牧志が疲労困憊するだろうけど、まあ一日二日…… なら?
場合によってはシローに介助される羽目になるかもしれない。
ずっとこの状態だったら牧志が疲労困憊するだろうけど、まあ一日二日…… なら?
場合によってはシローに介助される羽目になるかもしれない。
モチモチ佐倉
「むー……」
モチモチ佐倉
「……」
モチモチ佐倉
「ん」
KP
覚悟したよりも随分とささやかな音がした。
出てきたものは体のサイズに見合った量だったらしい。
出てきたものは体のサイズに見合った量だったらしい。
牧志 浩太
「それはそれで、どこいったんだよ食べた分。
六人分のウンコでトイレが詰まる羽目にならなくてよかったけどさ」
とりあえず大変な事にならなくて済むらしいことに安堵したが、余計に異様だ。
六人分のウンコでトイレが詰まる羽目にならなくてよかったけどさ」
とりあえず大変な事にならなくて済むらしいことに安堵したが、余計に異様だ。
安里
「……」
小さくなった安里がその様子を見ながら、己の尊厳を危惧した。
小さくなった安里がその様子を見ながら、己の尊厳を危惧した。
佐倉 光
「……俺達のトイレ考えよう。急いで」
KP
佐倉は自分たちの尊厳と牧志の手間と事故の可能性を危惧した!
モチモチ佐倉
「ナルホドー!」
KP
そこでやればいいんだな! 理解! そう言いたげな声を出して、いつの間にか牧志によじ登っていたモチモチ佐倉が便座に滑り降りた。
いつの間にかすっぽんぽんになっていたそいつは便座の隅で屈む。
いつの間にかすっぽんぽんになっていたそいつは便座の隅で屈む。
牧志 浩太
「あ、覚えるの早いな」
落ちたら怖い! 慌てて手を添える。
落ちたら怖い! 慌てて手を添える。
モチモチ佐倉
「!」
KP
牧志に支えられ、モチモチ佐倉は足を滑らせて便器に落ちる事故を回避した!
モチモチ佐倉
「!」
二人が用を足したのを見て、残りのモチモチ佐倉たちが我も我もと牧志によじ登り始める。
二人が用を足したのを見て、残りのモチモチ佐倉たちが我も我もと牧志によじ登り始める。
牧志 浩太
「よ、よかった、ああああ、分かった、分かったから順番に!」
一度に来られると対応できない!
そんな話をしたばかりだが、腕が七本欲しいと思った。
一度に来られると対応できない!
そんな話をしたばかりだが、腕が七本欲しいと思った。
佐倉 光
「……地獄絵図だ……」
佐倉が頭を抱えた。
佐倉が頭を抱えた。
佐倉 光
(牧志が買い物から帰ってくるまで待とうかな……
いやしかし、牧志に介助して貰うのと、万一間に合わなかったときに漏らすのと、どっちがよりひでぇかな……)
佐倉はしばらく真剣に考え込んだ!
いやしかし、牧志に介助して貰うのと、万一間に合わなかったときに漏らすのと、どっちがよりひでぇかな……)
佐倉はしばらく真剣に考え込んだ!
安里
「…………」
地獄絵図を見ながら、安里は額に汗を浮かべて何か考え込んでいた。
……佐倉さんには分かるだろう。全く同じことを考えている。
己の尊厳と便意と状況の間で葛藤している。
地獄絵図を見ながら、安里は額に汗を浮かべて何か考え込んでいた。
……佐倉さんには分かるだろう。全く同じことを考えている。
己の尊厳と便意と状況の間で葛藤している。
牧志 浩太
「と、とりあえずホームセンター閉まる前に何か買ってくる! 風呂はその後で温め直そう」
全員(佐倉さんと安里含む)のトイレが終わったら、猫砂、ペットシーツ、そんなものを頭に浮かべながらホームセンターにGoだ!
全員(佐倉さんと安里含む)のトイレが終わったら、猫砂、ペットシーツ、そんなものを頭に浮かべながらホームセンターにGoだ!
KP
牧志が咄嗟に手を添える描写がなかったら、溺れる詰まるイベントが生えるとこだったな!!
牧志 浩太
ひええぇひどいことになる!!
牧志がトイレの水まみれになりながら救助する羽目になるところでしたね。
さすがに生き物ラバーカップするのは躊躇しそう。
牧志がトイレの水まみれになりながら救助する羽目になるところでしたね。
さすがに生き物ラバーカップするのは躊躇しそう。
KP
わざわざトイレについて書かれているってことは、そういうイベントやれってことだなと思って!!
牧志 浩太
なるほどシナリオにあるんだ。そういうことですね間違いない。
牧志が帰ってくるまで我慢できたかどうか【CON】ロールなんです?
牧志が帰ってくるまで我慢できたかどうか【CON】ロールなんです?
KP
エッ
佐倉はいま(某事件の後遺症で)腹の具合が悪くて低下中なのに!?
佐倉はいま(某事件の後遺症で)腹の具合が悪くて低下中なのに!?
牧志 浩太
そういえば!!
でも腹の具合が悪いって妙な整合性が。
でも腹の具合が悪いって妙な整合性が。
KP
ホームセンター閉店間際にギリギリ駆け込みで間に合った!
大抵のものは買えそうだ。
大抵のものは買えそうだ。
牧志 浩太
こちらは駆け込み成功に安堵した。
覆いのついている猫トイレ、消臭型の猫砂一式、それから人間用のトイレ消臭剤、そしてペットシーツを買い込む。
佐倉さんたちを風呂に入れるため、大きなたらいを一緒に買う。
あと先程空になった食べ物備蓄の補充。
覆いのついている猫トイレ、消臭型の猫砂一式、それから人間用のトイレ消臭剤、そしてペットシーツを買い込む。
佐倉さんたちを風呂に入れるため、大きなたらいを一緒に買う。
あと先程空になった食べ物備蓄の補充。
佐倉 光
1d100 30 con Sasa 1d100→ 9→成功
KP
き、気合!!
牧志 浩太
耐えた!!
安里
1d100 60 CON Sasa 1d100→ 61→失敗
牧志 浩太
あ。
KP
か、紙皿だ、紙皿を持てぃ!
やっぱりシローに手伝ってもらうしかない!
はっ。安里はリターンすればなんとかなるのでは!?
やっぱりシローに手伝ってもらうしかない!
はっ。安里はリターンすればなんとかなるのでは!?
牧志 浩太
そういえば! >リターンすれば
便意のあまりに気づいていないに違いない。
便意のあまりに気づいていないに違いない。
KP
佐倉もさすがに便意解消のために返還は……したことないだろうな。
牧志 浩太
佐倉さんも ※それどころではない※ 状態だしなぁ。
佐倉 光
「……まだかよ牧志……!」
KP
プライドのため耐久を選んだ二人は、メロスもとい牧志を待ち続けていた。
なにもかも解消して晴れやかな顔のモチモチ~ズがモッチモッチと押し合ったりコロコロするなか、二人はどこか青ざめて顔をひきつらせていた。
なにもかも解消して晴れやかな顔のモチモチ~ズがモッチモッチと押し合ったりコロコロするなか、二人はどこか青ざめて顔をひきつらせていた。
佐倉 光
連絡、したいけど、それに返事したりする聞遅くなる、だけだ!
佐倉は手のひらに爪を立て、深呼吸をしている。
佐倉は手のひらに爪を立て、深呼吸をしている。
佐倉 光
め、めまいが、する……
安里
「う、ううう、うう」
安里は背を丸めて目を閉じ、脂汗を流しながら浅く速い呼吸を繰り返していた。
唸る声が次第に高くなっていく。
安里は背を丸めて目を閉じ、脂汗を流しながら浅く速い呼吸を繰り返していた。
唸る声が次第に高くなっていく。
KP
「あさと、だいじょうぶ?」
シローが心配そうに覗き込んだ。
シローが心配そうに覗き込んだ。
安里
「うぅうううううう」
声を出すと一緒に出そうだ。
必死に腹を押さえつけて、全身を縮こまらせている。
声を出すと一緒に出そうだ。
必死に腹を押さえつけて、全身を縮こまらせている。
佐倉 光
「限界だ、もう行けっ!」
モチモチ佐倉
「オッケー?」
モチモチ佐倉
「クソッ?」
KP
興味を引かれたのか覗き込み、モチモチと触れようとするモチモチ佐倉たち。
佐倉 光
「シロー、緊急だ、頼む!!」
安里
シローが頷いて立ち上がった時。
モチモチたちのうちの一人が、近づいてきた拍子にこちらへ転がってきた。
ぼすん。
ぶつかった。
よりにもよって、押さえていた腹に。
モチモチたちのうちの一人が、近づいてきた拍子にこちらへ転がってきた。
ぼすん。
ぶつかった。
よりにもよって、押さえていた腹に。
安里
「あ」
全身が震えた。
全身が震えた。
安里
「あ、あ、あああぁ」
緩んでしまった。
緩んでしまった。
安里
一度解放されてしまった肉体は、まるで別の存在になったかのように言う事をきかない。
全身が震える。途方に暮れた解放感の中、溜め込んでいたものがすっかり空っぽになるまで、排出は続いた……。
安里はすっかり汚された顔で、呆然と宙を見ていた。
全身が震える。途方に暮れた解放感の中、溜め込んでいたものがすっかり空っぽになるまで、排出は続いた……。
安里はすっかり汚された顔で、呆然と宙を見ていた。
佐倉 光
「あー……」
KP
「あー」
モチモチ佐倉
「シッテタ!!」
KP
牧志が戻ってきたのは、その悲劇の瞬間だったという……
牧志 浩太
「あ……、」
呆然と宙を見上げる安里の姿と、室内に立ち込める異臭に、何が起きたのかすぐに知った……。
呆然と宙を見上げる安里の姿と、室内に立ち込める異臭に、何が起きたのかすぐに知った……。
牧志 浩太
「と、とりあえず、風呂へ……」
ショックを受けた様子の安里を風呂場へ運び、浅く湯を張ったたらいに入れる。
追い炊きボタンを押して、自分は安里がやらかした結果の始末を……、
いや、振り返れば佐倉さんもピンチだ!
ショックを受けた様子の安里を風呂場へ運び、浅く湯を張ったたらいに入れる。
追い炊きボタンを押して、自分は安里がやらかした結果の始末を……、
いや、振り返れば佐倉さんもピンチだ!
牧志 浩太
混乱の中、急いで猫砂をセットして更なる悲劇を防ぐ。
安里ごめん、ちょっと風呂場で待っててくれ!
安里ごめん、ちょっと風呂場で待っててくれ!
牧志 浩太
牧志「腕が七本欲しい」
KP
全てが落ち着いて、何人かの尊厳が失われたりしたのち。
なぜか素っ裸になっているモチモチ軍団は手洗のなかで芋洗いならぬモチ洗いされていた。
佐倉は「混ざりたくない」と言い張って、一人で外で体を洗っている。
ペットシーツなどの処分は自分でなんとかしたらしい。
なぜか素っ裸になっているモチモチ軍団は手洗のなかで芋洗いならぬモチ洗いされていた。
佐倉は「混ざりたくない」と言い張って、一人で外で体を洗っている。
ペットシーツなどの処分は自分でなんとかしたらしい。
牧志 浩太
「まとめて洗いまーす」
ドタバタが過ぎればモチモチタイムだ。
もちもちした手触りのもちもち感がより増していくのも、薄汚れた髪の毛や体が綺麗になっていくのも、なんだか楽しい。
ドタバタが過ぎればモチモチタイムだ。
もちもちした手触りのもちもち感がより増していくのも、薄汚れた髪の毛や体が綺麗になっていくのも、なんだか楽しい。
モチモチ佐倉
「ザケンナー」
モチモチ佐倉
「ちっ」
モチモチ佐倉
「アハ~」
KP
つるつるの肌が暖まってほどよい弾力が更に手に心地よい。
このまま全てひとまとめにこねあげられてしまいそうな気がした。
このまま全てひとまとめにこねあげられてしまいそうな気がした。
牧志 浩太
吸いつくような感触が気持ちいい。
粘土みたいだ。このまま捏ねたら元の佐倉さんに戻らないかなぁ。
粘土みたいだ。このまま捏ねたら元の佐倉さんに戻らないかなぁ。
安里
呆然としている安里は先に牧志の手によって隅々まできれいに洗われ、湯船の中でぷかぷかと洗面器に入って漂っていた。
佐倉 光
「ドンマイ」
安里に声をかけて、自分の体を洗い流しつつ、自分と同じ姿のモチモチ軍団がコネコネされるのを恐々として見守った。
安里に声をかけて、自分の体を洗い流しつつ、自分と同じ姿のモチモチ軍団がコネコネされるのを恐々として見守った。
安里
「大事なものを失った気がする……」
ようやく呆然から戻ってきて、ぐったりと俯いた安里がぽつりと呟いた。
ようやく呆然から戻ってきて、ぐったりと俯いた安里がぽつりと呟いた。
佐倉 光
「引き際、誤ったな」
KP
佐倉は安里の洗面器を寄せて貰って向かいに入った。
安里
「……そうだな……」
佐倉 光
「……あ……」
佐倉 光
「悪い、安里。RETURNすりゃ良かった」
KP
今更気付いた。
モチモチ佐倉
「シッテタァー」
安里
「…………あ」
安里
「いや……、俺も思いつかなかったし」
いっそ今思い出したくなかった、安里の顔にはそう書いてあった……。
安里は全てを忘れようとするように、湯に頭を突っ込んだ。
いっそ今思い出したくなかった、安里の顔にはそう書いてあった……。
安里は全てを忘れようとするように、湯に頭を突っ込んだ。
牧志 浩太
一度目は直接その場にもらしてはいないけど、佐倉さんの目の前でもらすの二度目ですね、牧志(安里)……。
KP
ありましたね、そんなことも。
まあこっちは咀嚼させられたり歯を磨かれたりしてますし!
尊厳破壊は今更だ。
まあこっちは咀嚼させられたり歯を磨かれたりしてますし!
尊厳破壊は今更だ。
牧志 浩太
そういえばそうですな! >咀嚼させられたり歯を磨かれたり
KP
外では安里の精神状態を表すかのように雨が降り始めていた。
結構な豪雨のようだ。
結構な豪雨のようだ。
佐倉 光
「お、雨か。降られなかった?」
そういえば外から叩きつけるような雨の音が聞こえる。
家に戻ってくるとき、ぽつぽつと冷たい雨の感覚があったのはどうやら勘違いではなかったらしい。
そういえば外から叩きつけるような雨の音が聞こえる。
家に戻ってくるとき、ぽつぽつと冷たい雨の感覚があったのはどうやら勘違いではなかったらしい。
牧志 浩太
「雨? ああ、降ってきたのか。
そういえば、降りかけてたな。
日中に来なくてよかった」
そういえば、降りかけてたな。
日中に来なくてよかった」
牧志 浩太
一通り終わってようやく湯船につかり、大きく息を吐く。
なんだかんだで疲れた身体を、湯のぬくもりがゆっくりとほぐしていく。
明日コンビニで話を聞いて、それで何か分かればいいんだけど。
分からなかったら、先輩にもう一度手伝ってもらって、本格的に調査だな……。
あ、歯ブラシ買い忘れた。
ストックどれくらいあったかな。
なんだかんだで疲れた身体を、湯のぬくもりがゆっくりとほぐしていく。
明日コンビニで話を聞いて、それで何か分かればいいんだけど。
分からなかったら、先輩にもう一度手伝ってもらって、本格的に調査だな……。
あ、歯ブラシ買い忘れた。
ストックどれくらいあったかな。
KP
歯ブラシあってもいいけど、ちっちゃい佐倉は磨くの無理そう。
モチモチ佐倉
「……むー……」
モチモチ六人衆は何だか眠そうな目をしている。
モチモチ六人衆は何だか眠そうな目をしている。
牧志 浩太
「ああ、眠いのか」
眠そうな様子に気づく。
予備の毛布か何か出してきて、彼らの寝床を作ろう。
眠そうな様子に気づく。
予備の毛布か何か出してきて、彼らの寝床を作ろう。
安里
「それじゃ、俺は向こうで寝るよ。佐倉さん、RETURN頼む」
牧志 浩太
「ああ、ありがとう安里」
佐倉 光
「ああ……サンキュ。なんか、ごめん。じゃあな、助かったよ」
佐倉 光
「……古島によろしく」
KP
別れを告げて返還を行う。
安里
「ああ、伝えとくよ」
控えめに手を振って、安里は姿を消した。
控えめに手を振って、安里は姿を消した。
KP
モチモチ軍団は、いつの間にかシャツ一枚になっていたりしっかりパジャマを着込んでいたり、『寝る格好』になって、寄り集まっている。
佐倉 光
「動物の子供みたいだな。これ中身やっぱり俺じゃないのかな」
佐倉 光
「ふー。俺も疲れた……」
KP
「おつかれさまー」
シローがモチモチ軍団に布団をかけてポンポンと軽く叩いた。
「さくらはここで寝ない?」
シローがモチモチ軍団に布団をかけてポンポンと軽く叩いた。
「さくらはここで寝ない?」
佐倉 光
「そこに混ざりたくねぇんだよ」
KP
「さくらなのに?」
牧志 浩太
「こうやって見てると、本当に小さな子供か動物の子供なんだよな。佐倉さんっぽくない。
でも、やろうとしてることは佐倉さんだし……、やっぱりコピー?」
でも、やろうとしてることは佐倉さんだし……、やっぱりコピー?」
KP
モチモチ軍団は揃って寝息を立て始めた。実に平和である。
牧志 浩太
「ほんとに、今日一日色々あったよな。変な夢でも見てるみたいだ」
安里が姿を消し、モチモチ佐倉さんたちが寝る構えに入ってしまうと、なんだか久しぶりの静けさが訪れる。
自分も寝巻に着替えて歯を磨き、小さく伸びをする。
安里が姿を消し、モチモチ佐倉さんたちが寝る構えに入ってしまうと、なんだか久しぶりの静けさが訪れる。
自分も寝巻に着替えて歯を磨き、小さく伸びをする。
KP
佐倉は怠そうにしながらティッシュで歯をこすり、申し訳程度の歯磨きをする。
佐倉 光
「明日こいつらが増えてなきゃ良いんだけど。
つーか俺が明日元に戻ってたらいいんだけど。
こいつらリビングでいいかな」
つーか俺が明日元に戻ってたらいいんだけど。
こいつらリビングでいいかな」
牧志 浩太
「そうなんだよな。部屋かじられてそうな気がして怖い」
さりげなくリビングにある小物をどけたり隠したりする。
さりげなくリビングにある小物をどけたり隠したりする。
佐倉 光
「夜中なんかあったら困るし、牧志んとこで寝ていいか?
床にクッションでも置いてくれればそこで適当に寝るから」
床にクッションでも置いてくれればそこで適当に寝るから」
牧志 浩太
「だな、丁度同じ事思ってた。
佐倉さんの部屋に置くわけにいかないし。
佐倉さんの部屋にはシローに寝てもらって、こいつらがリビング、佐倉さんは俺の部屋、にしよう。
寒いだろうし、俺に潰されるとか気にしなければ布団でいいよ」
佐倉さんの部屋に置くわけにいかないし。
佐倉さんの部屋にはシローに寝てもらって、こいつらがリビング、佐倉さんは俺の部屋、にしよう。
寒いだろうし、俺に潰されるとか気にしなければ布団でいいよ」
佐倉 光
「万一俺が夜中に元のサイズに戻ったら流血沙汰になりそうだから、床でいいよ」
牧志 浩太
モチモチ佐倉さんたちをリビングで寝かせ、シローには佐倉さんの部屋で寝るように言い、佐倉さんと一緒に自室へ。
KP
佐倉は大あくびをした。
佐倉 光
「悪いな、今日一日助かったよ。ありがとう。マジ疲れた……」
牧志 浩太
「いいよ、今更だろ」
床にクッションを置き、そこにタオルをかぶせながら苦笑する。
床にクッションを置き、そこにタオルをかぶせながら苦笑する。
牧志 浩太
「お休み、佐倉さん」
佐倉さんがそこに落ち着くのを見届けて、眠気のままに目を閉じた。
佐倉さんがそこに落ち着くのを見届けて、眠気のままに目を閉じた。
KP
…………。
KP
夜中、あなたはぼんやりと目を開ける。
暗闇の中で何かが蠢いている。
もちもちした複数の影……モチモチ佐倉たちだ。
こちらの部屋に入ってきたのだろうか?
6人は手を繋いだりハグをしたり輪になってぐるぐるとまわっている。
これが夢なのか現なのか、疲れ切ったあなたは覚醒しきっておらず、よく分からない。
暗闇の中で何かが蠢いている。
もちもちした複数の影……モチモチ佐倉たちだ。
こちらの部屋に入ってきたのだろうか?
6人は手を繋いだりハグをしたり輪になってぐるぐるとまわっている。
これが夢なのか現なのか、疲れ切ったあなたは覚醒しきっておらず、よく分からない。
牧志 浩太
「ん……、」
ぼんやりした意識の中に、ふと楽しげな姿が見えた。
佐倉さんだ。
ああ……、やっぱり妖精だったんだ。
ミルクとビスケットを置かなきゃ……。
眠りとも覚醒ともつかない中、そんなことを思った。
ぼんやりした意識の中に、ふと楽しげな姿が見えた。
佐倉さんだ。
ああ……、やっぱり妖精だったんだ。
ミルクとビスケットを置かなきゃ……。
眠りとも覚醒ともつかない中、そんなことを思った。
KP
しかし突然、その影の1つがぶくり、と膨張した。
それに続いてほかの影5つもぶくり、ぶくり、と風船のように膨張する。
膨張した影は互いに絡み合い、うねうねとその身をくねらせる。
《SANチェック:成功時減少 0 / 失敗時減少 1d3》
それに続いてほかの影5つもぶくり、ぶくり、と風船のように膨張する。
膨張した影は互いに絡み合い、うねうねとその身をくねらせる。
《SANチェック:成功時減少 0 / 失敗時減少 1d3》
牧志 浩太
1d100 49 《SANチェック》 Sasa 1d100→ 81→失敗
1d3 Sasa 1d3→3
SAN 49 → 46
1d3 Sasa 1d3→3
SAN 49 → 46
牧志 浩太
覚醒しきらない意識の中にも、恐怖が差した。
あれは……、佐倉さん? いや、違う。
あれは、何だ?
あれは……、佐倉さん? いや、違う。
あれは、何だ?
KP
あなたの疑念をよそに、六つのものは絡み合ったりのしかかったりしつつ、ぐねぐねと蠢き続けた。
だが暫くして、床で寝ていた佐倉が「うぅん」と呻くと、その影はスルスルと縮んでいき、6つのちいさな影にもどった。
闇と静寂が訪れる。
…………
だが暫くして、床で寝ていた佐倉が「うぅん」と呻くと、その影はスルスルと縮んでいき、6つのちいさな影にもどった。
闇と静寂が訪れる。
…………
KP
朝の光が顔を温める。
鳥のさえずりと、隣の部屋から聞こえる賑やかな声が目覚めへと導いた。
鳥のさえずりと、隣の部屋から聞こえる賑やかな声が目覚めへと導いた。
牧志 浩太
「うわぁあああっ!?」
ようやく意識が覚醒して、叫ぶということを思い出した。
叫びを上げて飛び起きるなりリビングの扉を開け、そこに変化が起きていないか確認する。
ようやく意識が覚醒して、叫ぶということを思い出した。
叫びを上げて飛び起きるなりリビングの扉を開け、そこに変化が起きていないか確認する。
佐倉 光
「なんだっ!?」
KP
あなたの足元で佐倉が悲鳴を上げた。
モチモチ佐倉
「ナルホドッ」
モチモチ佐倉
「オッケー!!」
KP
モチモチの佐倉が二人、部屋の床で大運動会をしていた。
テレビを観ているのが二人、電子書籍をフンフン言いながら見ているのが一人、珈琲の粉を散らかしているのが一人いた。
テレビを観ているのが二人、電子書籍をフンフン言いながら見ているのが一人、珈琲の粉を散らかしているのが一人いた。
KP
「おはようまきし」
牧志 浩太
「お、おはよう、……夢?
シロー、夜にこいつら何かしてなかったか?」
シロー、夜にこいつら何かしてなかったか?」
KP
「……ううん? わかんない」
牧志 浩太
案の定コーヒーマシンが大惨事だ!
それはともかく、室内で何か食べられていたり、消えていたりしないか確認する。
それはともかく、室内で何か食べられていたり、消えていたりしないか確認する。
KP
昨日買ったパンの袋が勝手に開けられていたりはしたが、奇妙なものを食べられていたり、異常に大量に食べられてはいないようだ。
つまみ食いレベルだろうか?
つまみ食いレベルだろうか?
モチモチ佐倉
「クソー♪」
KP
あなたの顔を見てモチモチ佐倉たちが嬉しそうにしている。
牧志 浩太
「あ……、ああ。やっぱり夢だったのかな」
嬉しそうな姿を見て、どう思っていいのか分からなくなる。
これは佐倉さんの一部、あるいは、佐倉さんではないにしろ、「佐倉さん」と呼べる何かなのか?
それとも、俺達に懐いているだけの純朴な何かなのか?
……それとも、寝ているうちに俺達を食ってしまうような何かなのか?
だとすれば、佐倉さんはどうして、こんな姿になっている?
心臓がまだ早鐘を打っていた。
嬉しそうな姿を見て、どう思っていいのか分からなくなる。
これは佐倉さんの一部、あるいは、佐倉さんではないにしろ、「佐倉さん」と呼べる何かなのか?
それとも、俺達に懐いているだけの純朴な何かなのか?
……それとも、寝ているうちに俺達を食ってしまうような何かなのか?
だとすれば、佐倉さんはどうして、こんな姿になっている?
心臓がまだ早鐘を打っていた。
佐倉 光
「おはよう、牧志。何かあったのか?」
KP
佐倉は身構えながら部屋から出てきた。
牧志 浩太
「それが、昨日……」
昨日見たものについて佐倉さんに話す。
昨日見たものについて佐倉さんに話す。
KP
話すほどに、昨日の出来事は、これらが何者なのか分からないが故に見てしまった悪夢のような気がしてくる……
佐倉 光
「そうか。俺は、気付かなかったな……」
KP
佐倉はモチモチ佐倉たちをじっと見た。
佐倉 光
「どうしても俺はあいつらを俺の一部とは思えないんだ。
あいつら、今のところ害はなさそうだけど、ほんと何なんだろうな。今日何か分かるといいんだが……」
あいつら、今のところ害はなさそうだけど、ほんと何なんだろうな。今日何か分かるといいんだが……」
牧志 浩太
「ああ……、分かるといいんだけど。
佐倉さんのその状況も、あいつらが何なのかも」
佐倉さんのその状況も、あいつらが何なのかも」
佐倉 光
「そういや雨、やんだな」
KP
外からは昨日の夜中の豪雨が嘘のような太陽の光が差し込んでくる。
牧志 浩太
意識が覚醒してくると共に、あれは夢だったような気がしてきた。
こいつらが増えるんじゃないかと、俺が思っていたせいで見た夢?
疲れのあまり見た悪夢?
それとも、何かを示唆する夢?
分からない。
分からないってことだけが分かるばかりだ。
こいつらが増えるんじゃないかと、俺が思っていたせいで見た夢?
疲れのあまり見た悪夢?
それとも、何かを示唆する夢?
分からない。
分からないってことだけが分かるばかりだ。
牧志 浩太
「行こう、佐倉さん。
昨日の様子のこと、コンビニで聞くんだ。
それから安里の召喚頼む。やっぱり、シローとだけ一緒にはしておけない」
動ける所から動くしかない。
すっかり晴れた空を見上げ、決意を込めてそう言った。
昨日の様子のこと、コンビニで聞くんだ。
それから安里の召喚頼む。やっぱり、シローとだけ一緒にはしておけない」
動ける所から動くしかない。
すっかり晴れた空を見上げ、決意を込めてそう言った。
佐倉 光
「そうだな、今日また天気が崩れるみたいだ、早く動きたいな」
KP
丁度天気予報が始まったところだった。
今晴れ間が見えているのはほんの僅かな隙間の時間であるらしい。
今晴れ間が見えているのはほんの僅かな隙間の時間であるらしい。
KP
あっ、今日も雨降ってるんだった。
そんなことに気付いたKPの悪あがきでした。
そんなことに気付いたKPの悪あがきでした。
牧志 浩太
おおっと。
KP
佐倉はカードを使い、再び安里を召喚した。
佐倉 光
「頼むっ!」
安里
「おはよう、佐倉さん。
……何かあったのか?」
昨日の和やかなそれが嘘のような緊迫の空気に、小さな安里が目を瞬く。
……何かあったのか?」
昨日の和やかなそれが嘘のような緊迫の空気に、小さな安里が目を瞬く。
佐倉 光
「牧志が変な夢? を見たらしくて。今日もあいつらの見張りをして欲しいんだ」
もう一度牧志に説明して貰おう。
もう一度牧志に説明して貰おう。
佐倉 光
「あいつら、安里といるとおとなしいみたいだからさ」
安里
「俺といると大人しい……、か。
それを聞くと、そのことまで嫌な予感に思えてくるな。
分かった。様子を見とくよ」
それを聞くと、そのことまで嫌な予感に思えてくるな。
分かった。様子を見とくよ」
佐倉 光
「シローも安里も、何かあったら逃げてくれよ」
安里
「そうだな、何かあったらそうする」
佐倉 光
「……で、古島、大丈夫そうだった?」
安里
「古島はたっぷり泣いて落ち着いたみたいだ。
それとこれとは別の話だよな、って苦笑いしてた」
それとこれとは別の話だよな、って苦笑いしてた」
佐倉 光
「……そうか。それなら、いいんだけど」
KP
佐倉は気まずそうに頭を掻いた。
安里
「まあ、それは俺達の問題だよ。
俺達っていうか、浩子と古島の。
佐倉さんは俺達のために最善を尽くしてくれたし、俺達は生きたかった。それだけだ」
俺達っていうか、浩子と古島の。
佐倉さんは俺達のために最善を尽くしてくれたし、俺達は生きたかった。それだけだ」
KP
さて、コンビニには牧志と佐倉だけで行く、でいい?(RP上の確認です)
牧志 浩太
コンビニには俺と佐倉さんだけで行く。
KP
では、コンビニに着くと、なんとなく暗い雰囲気の青年が「あ」と顔を上げた。
「らっしゃーせー。お客さん、話聞いてます。いつものお連れさんの話ですよね。よく夜中に来てくれる」
そして他の店員に声をかけて、あなたの所へやって来た。
「らっしゃーせー。お客さん、話聞いてます。いつものお連れさんの話ですよね。よく夜中に来てくれる」
そして他の店員に声をかけて、あなたの所へやって来た。
KP
「黒フードのお兄さんね。一昨日の夜。店に来たときは普通だったし、確か、飲み物買って行かれましたよ。
徒歩でいらしてたと思います。うん……」
青年は店の外の通りを指さした。
「店を出たときになんかあっちの方気にされてたみたいで、歩いて行かれましたね。
いつもはすぐ左曲がって行かれるのに、方向違うから珍しいなって思ったんですよ。
……なんかあったんですか」
徒歩でいらしてたと思います。うん……」
青年は店の外の通りを指さした。
「店を出たときになんかあっちの方気にされてたみたいで、歩いて行かれましたね。
いつもはすぐ左曲がって行かれるのに、方向違うから珍しいなって思ったんですよ。
……なんかあったんですか」
牧志 浩太
「ありがとうございます。
……昨日からあいつ、なんだか様子がおかしくて。
何かあったんじゃないかと思って、俺も気にしてるんです」
まさか小さくなってる、なんて言えないけど。
佐倉さんのことを気にかけていてくれたこと、そして今気にかけてくれることへの感謝を込めて、何かあったのだ、ということだけを明かす。
……昨日からあいつ、なんだか様子がおかしくて。
何かあったんじゃないかと思って、俺も気にしてるんです」
まさか小さくなってる、なんて言えないけど。
佐倉さんのことを気にかけていてくれたこと、そして今気にかけてくれることへの感謝を込めて、何かあったのだ、ということだけを明かす。
牧志 浩太
飲み物などを買って店を出る。
教えてもらった方へ向かう。
少し近づいた辺りで何者かの視線がないか、異変がないかを確認する。
教えてもらった方へ向かう。
少し近づいた辺りで何者かの視線がないか、異変がないかを確認する。
KP
コンビニを出ると、佐倉はあなたのポケットから顔を出した。
雨はまたなんとなくしとしとと降り始めており、昨晩記録的な豪雨に見舞われた影響か路面はすっかり水浸しとなっていた。
道の脇にはちょっとした水流が出来上がっているほどだ。
雨はまたなんとなくしとしとと降り始めており、昨晩記録的な豪雨に見舞われた影響か路面はすっかり水浸しとなっていた。
道の脇にはちょっとした水流が出来上がっているほどだ。
佐倉 光
「……あっちの方で、変な物音がしたんだ……」
KP
佐倉は呟いた。
佐倉 光
「そうだ、襲撃を……受けた気がする。咄嗟に応戦しようとした記憶は……あるけど」
牧志 浩太
「襲撃……、だって。
余計に怪しくなってきたな。
どんな奴だったか、何があったのか、思い出せそう?」
もう一度周囲を見回してから、物音がしたという場所を確認する。
余計に怪しくなってきたな。
どんな奴だったか、何があったのか、思い出せそう?」
もう一度周囲を見回してから、物音がしたという場所を確認する。
佐倉 光
「ああ……そういえば、このへん、だったかな……暗くてよく見えなかったけど、
そうだ、痛みを感じた。食われたんだ。いや、食われかけた?」
そうだ、痛みを感じた。食われたんだ。いや、食われかけた?」
KP
佐倉はポケットのふちでて身を乗り出して、記憶を手繰るようにぶつぶつと呟いている。
佐倉 光
「悪魔だと思った。いきなり横から飛び出してきて」
KP
佐倉は少し先の道の脇に目をやる。
佐倉 光
「召喚して応戦、しようとした時に……撃たれた」
牧志 浩太
「喰われた、撃たれた……、だって?」
ぞくりと背筋に嫌な感覚が走った。
ぞくりと背筋に嫌な感覚が走った。
牧志 浩太
「じゃあ、まさか……、あいつらは、やっぱり佐倉さんの一部なんかじゃなくて、」
家にはシローと安里が……、いる。
焦りが走った。
跳ねた心臓を、胸に手を当て深呼吸して押さえ込む。
家にはシローと安里が……、いる。
焦りが走った。
跳ねた心臓を、胸に手を当て深呼吸して押さえ込む。
牧志 浩太
そこに何か残っていないか確認する。
佐倉 光
「あれは……!」
KP
佐倉が身を乗り出した、そのとき。重すぎる頭のせいでバランスを崩し、短い悲鳴と共に道路脇の水流に飲まれた。
KP
ざあざあと音を立てて流れる水流の下には側溝がある。どうやらその中に流されてしまったようだ。
牧志 浩太
佐倉さんが身を乗り出したと思った一瞬で、風景は変わっていた。
牧志 浩太
「佐倉さん!!」
一瞬にして沸き上がる焦り、自らの不覚への怒りを振り切って、側溝に流されたらしい佐倉さんを追いかける。
一瞬にして沸き上がる焦り、自らの不覚への怒りを振り切って、側溝に流されたらしい佐倉さんを追いかける。
KP
側溝には蓋がしっかりと填まっており、佐倉が流れ落ちてしまった狭い穴からはあなたではせいぜい腕くらいしか入らない。
中は真っ暗闇で、ただ水が流れる音がするばかり。佐倉の姿は見えない。
すぐ側に排水口か何かに続いている穴が見えた。ここへ流れ落ちてしまったのだろうか?
その時。
中は真っ暗闇で、ただ水が流れる音がするばかり。佐倉の姿は見えない。
すぐ側に排水口か何かに続いている穴が見えた。ここへ流れ落ちてしまったのだろうか?
その時。
KP
ゴホォォォォォ
と、何者かが呼吸するような音が聞こえてきた。
と、何者かが呼吸するような音が聞こえてきた。
KP
「ハァイ、ジョージィ!」
低いだみ声がすると同時、白塗りのピエロの顔が闇の中に生えた。
闇の中に真っ赤な紅を塗った口元が微かに見え、目は闇に溶け込んで白目だけがぼんやりとその男の視線を示している。
服装などは全く見えなかった。
《SANチェック:成功時減少 0 / 失敗時減少 1D3》
低いだみ声がすると同時、白塗りのピエロの顔が闇の中に生えた。
闇の中に真っ赤な紅を塗った口元が微かに見え、目は闇に溶け込んで白目だけがぼんやりとその男の視線を示している。
服装などは全く見えなかった。
《SANチェック:成功時減少 0 / 失敗時減少 1D3》
KP
牧志は「IT」って観たことあるのだろうか。
ということなので、側溝って言っても道の端を流れるタイプじゃなくて、映画に出てきたみたいな横に穴があって水が流れ込むタイプのヤツみたい。
ということなので、側溝って言っても道の端を流れるタイプじゃなくて、映画に出てきたみたいな横に穴があって水が流れ込むタイプのヤツみたい。
牧志 浩太
んんwww
ああー、なるほど。
ああー、なるほど。
牧志 浩太
1d100 46 《SANチェック》 Sasa 1d100→ 19→成功
牧志 浩太
「!?」
一瞬驚いたがそれどころじゃない! 佐倉さん!
一瞬驚いたがそれどころじゃない! 佐倉さん!
KP
「挨拶してくれないのかい……? 風船、欲しくないかい?」
ピエロは側溝の闇の中でニコニコと害のなさそうに見える笑みを浮かべて、ささやくように言う。
ピエロは側溝の闇の中でニコニコと害のなさそうに見える笑みを浮かべて、ささやくように言う。
牧志 浩太
「なんだお前、佐倉さんをああした奴か!?」
側溝の蓋を外そうとするが、外れなければ排水管の行く先……近くの川か!?
そちらへ向かって、入れそうな場所を探す!
側溝の蓋を外そうとするが、外れなければ排水管の行く先……近くの川か!?
そちらへ向かって、入れそうな場所を探す!
牧志 浩太
《SANチェック》に成功した牧志、突然出てくるピエロに「それどころじゃないんだよ!」とキレる。
あ、そうか側溝の穴の中にピエロが出たのか。
あ、そうか側溝の穴の中にピエロが出たのか。
KP
そうそう、まんま「IT」のパロディやってますから。
描写ミスってるわ確かに。「穴の中から」が抜けてる。これじゃわからん。
描写ミスってるわ確かに。「穴の中から」が抜けてる。これじゃわからん。
牧志 浩太
いえいえ、どうしてもジャパニーズソッコーイメージに流されてイメージがずれてしまっただけです
KP
何故かここには「IT」みたいな側溝穴がはえてる。
牧志 浩太
牧志は見てるのかなぁ、IT。
結構前の映画だから、見てても覚えてないかもしれないし、見てた方が面白いなら見てるかもしれない。
結構前の映画だから、見てても覚えてないかもしれないし、見てた方が面白いなら見てるかもしれない。
KP
知っていても知らなくてもあんまり変わらないかな。
ぶっちゃけ出オチ!
知っていれば「佐倉さんが食べられたかも知れない」という思考にはなるかも知れないかな?
ぶっちゃけ出オチ!
知っていれば「佐倉さんが食べられたかも知れない」という思考にはなるかも知れないかな?
牧志 浩太
ですよね! >デオチ
では知らない(憶えてない)ことにして、真顔で一方的にシリアスします。
では知らない(憶えてない)ことにして、真顔で一方的にシリアスします。
KP
「サクラサン? …………ああした? どう?」
ピエロは冗談のような笑みを浮かべたまま首をひねった。
ピエロは冗談のような笑みを浮かべたまま首をひねった。
KP
側溝には格子などはないが、大人が通り抜けるのは難しそうだ。
配水管へ向かう?
配水管へ向かう?
牧志 浩太
“それ”をざっと一瞥する。
ピエロが佐倉さんを捕まえている様子がなければ、排水管へ向かう!
ピエロが佐倉さんを捕まえている様子がなければ、排水管へ向かう!
KP
ピエロが佐倉を捕まえている様子はない。
一応流れていった先にこのピエロがいるであろう、といったところなので、容姿を詳しく話せば行方を知っているかも知れない。
……果てしなく怪しいが。
渋谷の配水管……渋谷川にでも繋がっているのだろうか。
渋谷川はほとんど暗渠だったはずだ。
一応流れていった先にこのピエロがいるであろう、といったところなので、容姿を詳しく話せば行方を知っているかも知れない。
……果てしなく怪しいが。
渋谷の配水管……渋谷川にでも繋がっているのだろうか。
渋谷川はほとんど暗渠だったはずだ。
牧志 浩太
川に向かおうとして思い出す。そうだ、渋谷の川なんてほとんど暗渠だ。
最悪、海に流れるまで……、
ぶくぶくに膨らんだ佐倉さんの死体が海に流れていく姿が、ありありと頭の裏に浮かんでしまった。
最悪、海に流れるまで……、
ぶくぶくに膨らんだ佐倉さんの死体が海に流れていく姿が、ありありと頭の裏に浮かんでしまった。
牧志 浩太
「なあ……、」
そうだ。側溝の穴を塞ぐように出てきたこいつ。
こいつが、佐倉さんを捕まえていないか。
それはいま託せる最後の望みだった。
迷っている時間はない。こいつが無駄なら、川でも海でも行くしかない!
そうだ。側溝の穴を塞ぐように出てきたこいつ。
こいつが、佐倉さんを捕まえていないか。
それはいま託せる最後の望みだった。
迷っている時間はない。こいつが無駄なら、川でも海でも行くしかない!
牧志 浩太
「これくらいの大きさの、黒いパーカーに黒い髪の子供を知らないか。
お前がいる所に、流れていったんだよ」
容姿を詳しく説明する。
お前がいる所に、流れていったんだよ」
容姿を詳しく説明する。
KP
ピエロは大袈裟に眉を跳ね上げた。そして暫く振り返ったのか、顔が闇の中に消える。
KP
数秒して「ずぞぞ」と効果音がつきそうな雰囲気で戻ってくると、
KP
「つかぬことを聞くんだけど、その子、“ここで襲われた”とか“撃たれた”的なこと言ってたりする?」
KP
その声は先ほどまでの芝居がかった低音と比べると、随分あっけらかんとした響きだった。
牧志 浩太
「ひょえ?」
突然の雰囲気チェンジに変な声が出た。
いや、そんな場合じゃない!
突然の雰囲気チェンジに変な声が出た。
いや、そんな場合じゃない!
牧志 浩太
「あ、ああ、言ってた! 何か知ってるのか!?」
KP
「えっ、ほぉんとぉー!? すっごい奇跡! ラッキー! 良かったぁ」
KP
怪しいピエロはハイテンションに甲高く叫ぶと同時、自分の顔をメリッと剥がした。
……どうやらハロウィン用のマスクか何かを被っていたらしい。
中から出てきたのは拍子抜けするほどごく普通の、30代くらいのふっくらした男の顔だった。
……どうやらハロウィン用のマスクか何かを被っていたらしい。
中から出てきたのは拍子抜けするほどごく普通の、30代くらいのふっくらした男の顔だった。
KP
「怖い顔しないでよ~。このシチュエーションでここ覗いてくれる人って珍しくてさー。
絶対やりたくてこのマスク買っておいたのに、雨の日に子供どころか大人でも覗いてくれる人いなくってー。
どう、怖かった? 似てなかった? ちょっとくらい本物かもって思わなかった?
だいぶ前にリメイクされて話題になってたじゃない? 新版も旧版もどっちもいいよねぇ~
あ、それとももしかして嘘字幕動画で知ったクチ?」
なんだか……はしゃいでいる……。
絶対やりたくてこのマスク買っておいたのに、雨の日に子供どころか大人でも覗いてくれる人いなくってー。
どう、怖かった? 似てなかった? ちょっとくらい本物かもって思わなかった?
だいぶ前にリメイクされて話題になってたじゃない? 新版も旧版もどっちもいいよねぇ~
あ、それとももしかして嘘字幕動画で知ったクチ?」
なんだか……はしゃいでいる……。
牧志 浩太
「普通、雨の日に側溝なんて覗きませんよ。
それより、この側溝にさっき言った子供が流されたんです。
見てませんか。
それから、襲われたり撃たれたりした時のこと、もし見かけていたら教えて下さい」
ピキッ。額で血管が割れる音がした。気のせいだ。あれに医学的根拠はない。
それより、この側溝にさっき言った子供が流されたんです。
見てませんか。
それから、襲われたり撃たれたりした時のこと、もし見かけていたら教えて下さい」
ピキッ。額で血管が割れる音がした。気のせいだ。あれに医学的根拠はない。
牧志 浩太
佐倉さんは牧志と知り合ってから穏やかに人と付き合うことが増えたけど、牧志は佐倉さんと知り合ってから(※理不尽な悪意と互いの生命の危機を味わい過ぎて)ちょくちょくキレ気味になるようになったなぁと思いました。
記憶を失う前の牧志、そもそもキレ気味になること自体がなさそう。
記憶を失う前の牧志、そもそもキレ気味になること自体がなさそう。
KP
大丈夫、さすがに友人が流されてこんな対応されたら誰でもブチ切れます。
佐倉だったら攻撃的な悪魔喚んで引きずり出してます。
佐倉だったら攻撃的な悪魔喚んで引きずり出してます。
牧志 浩太
それは全くそう。つまり物理に訴えないだけまだ穏やかだった(?)
KP
「ああー、知ってる知ってる。知ってるよー。さっきうちに転がり込んできたから。
丁度探してたんだよねー。
なにしろ彼をあんな感じにしちゃったの僕だし!
治してあげなきゃって思ってさー」
丁度探してたんだよねー。
なにしろ彼をあんな感じにしちゃったの僕だし!
治してあげなきゃって思ってさー」
牧志 浩太
「は!? いや、待てよ、佐倉さん流されてないのか、生きてるか!? 溺れてないか!?
というか、やったのお前なのか!?」
思わず身を乗り出す。
というか、やったのお前なのか!?」
思わず身を乗り出す。
KP
「そうそう。いやー見つかって良かったなぁ!
びっくりしたよ、探し人が転がり込んでくるなんて!
一応訊くんだけど、君が知ってるの彼だけ? 同じ姿をしたヤツいっぱいいたりしない?
いまちょっと気絶しちゃっててまともに話聞けなくてさー」
びっくりしたよ、探し人が転がり込んでくるなんて!
一応訊くんだけど、君が知ってるの彼だけ? 同じ姿をしたヤツいっぱいいたりしない?
いまちょっと気絶しちゃっててまともに話聞けなくてさー」
牧志 浩太
「よ、よかった……、いや、あと六人いる。
あいつら何なんだ? 人間、じゃないよな?」
あいつら何なんだ? 人間、じゃないよな?」
KP
「ああー、やっぱりね。分裂したんだ。
いや人間でしょ? 君の友達なら。
大丈夫大丈夫、治せるから。
ここからの出入りは無理なんで、あと残りのヤツ連れて正面から来てくれる?
はいこれ」
男はメモ帳をさし上げた。
いや人間でしょ? 君の友達なら。
大丈夫大丈夫、治せるから。
ここからの出入りは無理なんで、あと残りのヤツ連れて正面から来てくれる?
はいこれ」
男はメモ帳をさし上げた。
牧志 浩太
メモ帳を受け取る。
牧志 浩太
メモ帳は雨で読めなくなると困るので、大事にしまう。
牧志 浩太
「分裂どうこうは後で聞くとして、一応聞くけど、なんで佐倉さんあんな姿にしたんだ」
KP
「後で詳しく話すけど、事故なんだよ。完全なる事故」
牧志 浩太
張本人wwwww
キレてても優先順位は「佐倉さんが生きているか>やったのお前なのか」みたい。
キレてても優先順位は「佐倉さんが生きているか>やったのお前なのか」みたい。
KP
この人年齢は30代でヨサゲ。
牧志 浩太
ヨカッタ。大学生だと同年代なのでちょっと口調が変わる。>ヨサゲ
KP
ちゃんと研究室持ってる(?)教授だった。
牧志 浩太
また(?)変な教授かー。
KP
ちなみに佐倉返せって言うなら返してくれるよw
牧志 浩太
お、じゃあ返してもらおう。
こういう時に表情が使えるととても味わい深い
こういう時に表情が使えるととても味わい深い
牧志 浩太
「事故。そう事故。分かった後で聞く。
あと、佐倉さん返してもらってもいい?」
あと、佐倉さん返してもらってもいい?」
KP
「ああ、そうだね、びしょ濡れだし、風呂入って着替えてからでもいいよ。
うちにはこのサイズの服はないしね。
ああ、悪いけど13時から14時、19時から20時あたりは避けてくれるかな。
いつもご飯そのくらいに食べてるから」
男は悪びれずに言うと、また暫く姿を消し、手のひらにぐったりした佐倉を乗せて差し出してきた。
うちにはこのサイズの服はないしね。
ああ、悪いけど13時から14時、19時から20時あたりは避けてくれるかな。
いつもご飯そのくらいに食べてるから」
男は悪びれずに言うと、また暫く姿を消し、手のひらにぐったりした佐倉を乗せて差し出してきた。
牧志 浩太
「……」
もう何を言う気力も起きず、佐倉さんを受け取る。
これは突っ込んでも無駄なやつだ。知ってる。現状害意がないらしいからそれでいいです。
もう何を言う気力も起きず、佐倉さんを受け取る。
これは突っ込んでも無駄なやつだ。知ってる。現状害意がないらしいからそれでいいです。
KP
牧志はこういう時の諦めも早い。
話が通じないヤツに遭遇しすぎた……
話が通じないヤツに遭遇しすぎた……
牧志 浩太
話が通じないヤツにもう慣れすぎている……
牧志 浩太
「……佐倉さん」
佐倉さんを受け取り、つんつんと頬をつついて起こす。
熱を出してはいないだろうか。水を呑んでしまっていないか。息をしているか。
佐倉さんを受け取り、つんつんと頬をつついて起こす。
熱を出してはいないだろうか。水を呑んでしまっていないか。息をしているか。
佐倉 光
「……う……牧志……? 俺、落ちて……」
KP
佐倉はぼんやりと言って弱々しく咳き込んだ。
水を飲んでしまってはいないらしいが、自分がどういう状況なのかよく分かっていないらしい。
全身濡れ鼠で随分冷えてしまっている。
水を飲んでしまってはいないらしいが、自分がどういう状況なのかよく分かっていないらしい。
全身濡れ鼠で随分冷えてしまっている。
牧志 浩太
「佐倉さん……!」
小さな眼が開くのを、弱々しい声が耳に届くのを聞いた瞬間、涙で視界が歪んだ。
小さな眼が開くのを、弱々しい声が耳に届くのを聞いた瞬間、涙で視界が歪んだ。
牧志 浩太
「よか、よか……った……!
佐倉さん側溝に落ちちゃったんだよ、海まで流されていくかと、思って、」
冷えた身体を抱きしめる。
ああ、随分冷えてる、早く温めないと。
佐倉さんを両手で抱いて、家へと急ぐ。
佐倉さん側溝に落ちちゃったんだよ、海まで流されていくかと、思って、」
冷えた身体を抱きしめる。
ああ、随分冷えてる、早く温めないと。
佐倉さんを両手で抱いて、家へと急ぐ。
KP
家ではシローが朝食らしきものの準備をしていた。
「おかえりーまきし? どうかした? さくらは?」
あなたの顔色を見たか、シローが心配そうに見上げてくる。
「おかえりーまきし? どうかした? さくらは?」
あなたの顔色を見たか、シローが心配そうに見上げてくる。
牧志 浩太
「ただいま、全員いる?
佐倉さんが側溝に落ちちゃったんだ」
自分自身も必死になったためにしっとりと濡れ、青い顔をして家の扉をくぐる。
佐倉さんが側溝に落ちちゃったんだ」
自分自身も必死になったためにしっとりと濡れ、青い顔をして家の扉をくぐる。
安里
「落ちた、だって?
……うわ、本当にずぶ濡れだな。俺の服貸すよ」
……うわ、本当にずぶ濡れだな。俺の服貸すよ」
牧志 浩太
「ありがとう、助かる」
KP
なにげにKPCの服が濡れるって困る奴じゃないかなぁ、と思いました。
牧志 浩太
ですねぇ。着替えないもんな。
もうちょっと穏やかなシーンでなら人形の服で佐倉さん着せ替えして遊べた所だけど。
もうちょっと穏やかなシーンでなら人形の服で佐倉さん着せ替えして遊べた所だけど。
KP
佐倉は少し体が冷えただけなので、風呂に入るかストーブに当たるかなどして温まればすぐ治るだろう。
問題は着替えがないことだろうか。
ただ、服のサイズも小さいことから、アイロンか何かで強引に乾かすこともできそうだ。
問題は着替えがないことだろうか。
ただ、服のサイズも小さいことから、アイロンか何かで強引に乾かすこともできそうだ。
牧志 浩太
佐倉さんを風呂に入れる。
安里の服を一時的に佐倉さんに貸し、その間にアイロンで佐倉さんの服を乾かす。
(体が冷えた佐倉さんを優先する)
安里の服を一時的に佐倉さんに貸し、その間にアイロンで佐倉さんの服を乾かす。
(体が冷えた佐倉さんを優先する)
佐倉 光
「死ぬかと……思った……」
KP
佐倉はカタカタ震えながら湯に沈んだ。
牧志 浩太
「俺も……、佐倉さんが死んじゃうかと思ったよ。
無事じゃないけど、生きてて……、よかった」
こちらも濡れた身体を風呂で温める。
今更に襲ってくる震えを、穏やかな熱で流した。
無事じゃないけど、生きてて……、よかった」
こちらも濡れた身体を風呂で温める。
今更に襲ってくる震えを、穏やかな熱で流した。
KP
変な教授に解決して貰う で終わりではあるんだけど、そんなにあっさり終わらないよ牧志くん……(合掌)
牧志 浩太
そっかぁ(合掌)
PLは楽しい。
PLは楽しい。
KP
幸い雨はゆっくりと降りやんで行くようだ。
食事などして出直す頃には小雨になっているだろう。
食事などして出直す頃には小雨になっているだろう。
KP
モチモチ佐倉たちはそんな事件があったことなどお構いなしに、散らかしたり騒いだりしながら勝手気儘に過ごしていた。
佐倉 光
「悪いな、安里、ちょっと借りる」
KP
佐倉は借りた服に袖を通し、眉値を寄せた。
佐倉 光
「……このサイズでもあるのか、身長差……」
KP
びみょーに足りない。
安里
「このサイズでもあるのか、身長差……。
いや、気にしないけどさ」
微妙にはみ出た手足を見て、安里が呟いた。
気にしないけど、と敢えて言うあたり、ほんのり気にしている。
いや、気にしないけどさ」
微妙にはみ出た手足を見て、安里が呟いた。
気にしないけど、と敢えて言うあたり、ほんのり気にしている。
安里
服を貸したということは素裸、ないし下着一丁(佐倉さんが下着を借りるかどうか次第だ)である。
微妙に居心地が悪そうだ。
微妙に居心地が悪そうだ。
KP
さすがに下着は借りないよ!
というかとりあえず風呂に入れるなら、服借りるまでもなかったな。タオルかなにかで服モドキ作って乾くの待ってればよかったんだ。
というかとりあえず風呂に入れるなら、服借りるまでもなかったな。タオルかなにかで服モドキ作って乾くの待ってればよかったんだ。
モチモチ佐倉
「オッケー」
佐倉 光
「うわやめろ!」
モチモチ佐倉たちにたかられそうになって、佐倉は逃げ出した。
モチモチ佐倉たちにたかられそうになって、佐倉は逃げ出した。
安里
「こらこら。俺が相手してやるからそっち行くな」
佐倉さんに集ろうとしているモチモチたちを、安里が引き受けに向かう。
佐倉さんに集ろうとしているモチモチたちを、安里が引き受けに向かう。
佐倉 光
「サンキュー。
なんかこいつらに近寄られると寒気がするんだよ」
なんかこいつらに近寄られると寒気がするんだよ」
KP
「さむい? あったかい」
シローがモチモチ佐倉たちに触れて首を傾げた。
シローがモチモチ佐倉たちに触れて首を傾げた。
佐倉 光
「そういうんじゃなくてさ」
KP
そんな何だかんだは昼過ぎ辺りには落ち着くだろう。
牧志 浩太
「それで、側溝の中から出てきた奴が佐倉さんをそうしたらしいんだ。
さっさと逃げちゃったから詳しい事情は聴けなかったけどな。
事故だ、って言ってた。このメモの場所に行けば元に戻すってさ」
佐倉さんと安里に事情を話す。
さっさと逃げちゃったから詳しい事情は聴けなかったけどな。
事故だ、って言ってた。このメモの場所に行けば元に戻すってさ」
佐倉さんと安里に事情を話す。
牧志 浩太
「まあいつも通り、話は通じなさそうな雰囲気だった。
一応先輩に応援頼んで行こう」
佐倉さんの服をアイロンで乾かし終わり、湿っていないことを確認している。
一応先輩に応援頼んで行こう」
佐倉さんの服をアイロンで乾かし終わり、湿っていないことを確認している。
佐倉 光
「溺れてからなんにも覚えてない」
KP
佐倉が悔しそうにぼやいた。
佐倉 光
「撃たれたって勘違いじゃなかったのか。
するとこいつら、本当に俺の一部……?」
疑いの眼でモチモチ軍団を見る。
服が乾いたなら返してもらって、安里に礼を言って服を返そう。
するとこいつら、本当に俺の一部……?」
疑いの眼でモチモチ軍団を見る。
服が乾いたなら返してもらって、安里に礼を言って服を返そう。
牧志 浩太
「無理もないよ。すごい速度で流されたんだ」
言いながら出かける準備を整える。
その横で安里が自分の服を着直している。
言いながら出かける準備を整える。
その横で安里が自分の服を着直している。
佐倉 光
「とにかく、こいつら連れていけば治して貰えるんだな?
少なくとも事情は分かるだろうし、行ってみよう」
少なくとも事情は分かるだろうし、行ってみよう」
牧志 浩太
「ああ、あいつの気が変わらないうちに行こう」
牧志 浩太
「シロー、佐倉さんを元に戻してくれる人が見つかったんだ。行ってくるよ」
モチモチ軍団を安里に集めてもらい、シローに留守番を頼む。
佐倉さんと安里とモチモチ軍団とともに、車に乗り込む。
波照間先輩に事情を伝え、来られそうなら一緒に来てもらえるように頼む。
モチモチ軍団を安里に集めてもらい、シローに留守番を頼む。
佐倉さんと安里とモチモチ軍団とともに、車に乗り込む。
波照間先輩に事情を伝え、来られそうなら一緒に来てもらえるように頼む。
KP
シローは名残惜しそうにしながらも留守番を引き受けた。
KP
徒歩5分の距離なので歩いた方が早いかもしれない。
波照間さんは……呼んでもいいよ。
波照間さんは……呼んでもいいよ。
牧志 浩太
徒歩五分。家のすぐ近所かよ。いやだ。
事前にまずい悪魔やGPの高い場所がないことを確認したはずなのに、悪魔以外の妙なもの居すぎるの困る。
引っ越してすぐあれだったから、今更だけどさ。
事前にまずい悪魔やGPの高い場所がないことを確認したはずなのに、悪魔以外の妙なもの居すぎるの困る。
引っ越してすぐあれだったから、今更だけどさ。
牧志 浩太
歩いた方が早いが、車は万一の逃げ足だ。
それに、そもそもこの数を徒歩で連れて歩きたくない。また一人二人流されそうだ。困る。
知り合いに会ったら説明できない。困る。
それに、そもそもこの数を徒歩で連れて歩きたくない。また一人二人流されそうだ。困る。
知り合いに会ったら説明できない。困る。
波照間 紅
状況を聞き、COMPを持参して合流する。
……多いな。こうやって集まると凄いな。
よりにもよって可愛いとは真逆の佐倉さんなのも…… 凄いな。
そんな感想を抱いてしまった。
……多いな。こうやって集まると凄いな。
よりにもよって可愛いとは真逆の佐倉さんなのも…… 凄いな。
そんな感想を抱いてしまった。
KP
実に六匹、いや八人のモチモチが車に溢れている。
体積的にはそんなに大きくないのに動く喋るとなるとなかなかの圧だ。
モチモチ佐倉は波照間の体にしばらく乗ろうとしたりしていたが、しばらくすると興味を失ったのか好き勝手うろうろし始めた。
体積的にはそんなに大きくないのに動く喋るとなるとなかなかの圧だ。
モチモチ佐倉は波照間の体にしばらく乗ろうとしたりしていたが、しばらくすると興味を失ったのか好き勝手うろうろし始めた。
波照間 紅
「わわわ」
乗っかられて驚いたところで、潮が引くように興味を失われた。
乗っかられて驚いたところで、潮が引くように興味を失われた。
波照間 紅
何というか……気ままな小動物だな。
MIDNIGHT DEJAVO
MIDNIGHT DEJAVO
TRPGリプレイとかゲーム関連
コメント By.KP
七匹のモチモチが集まったらキングモチモチに!
ならないらしい。
七匹のモチモチが集まったらキングモチモチに!
ならないらしい。
【クトゥルフ神話TRPG】
本作は、「 株式会社アークライト 」及び「株式会社KADOKAWA」が権利を有する『クトゥルフ神話TRPG』の二次創作物です。
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