
『7匹のもちもち神話』
のネタバレがあります。
本編見る!
KP
ゲートに踏み入ると、中はガラクタでいっぱいだった。
空き箱、曲がった釘、割り箸、空き缶、などなど。
空き箱、曲がった釘、割り箸、空き缶、などなど。
佐倉 光

「ゴミ箱の裏にまたゴミがあるのか。悪魔が集めてんのかな?
遭遇しないうちに見つけ出して脱出しないと……」
遭遇しないうちに見つけ出して脱出しないと……」
古島

佐倉さんとともに、ゲートに足を踏み入れる。
ふと、前にも『こう』していた記憶が蘇った。
『佐倉さん』と二人で、手を取って、彷徨って。
俺のじゃない、『俺』の記憶だ。
……振り払って前を向く。
ふと、前にも『こう』していた記憶が蘇った。
『佐倉さん』と二人で、手を取って、彷徨って。
俺のじゃない、『俺』の記憶だ。
……振り払って前を向く。
古島

「ゴミもこれだけでかいと圧倒的だな。
この釘なんて早贄にされそうだ。
ああ、早く見つけないと。
さっきみたいに騒いでたりするかな」
周囲を見回しながら、声が聞こえないか耳を澄ませる。
この釘なんて早贄にされそうだ。
ああ、早く見つけないと。
さっきみたいに騒いでたりするかな」
周囲を見回しながら、声が聞こえないか耳を澄ませる。
まきしとさくら
牧志 浩太
久し振りに佐倉さんと二人だけでの探索ということで、ちょっと思い出してしまった古島さんです。
KP
それに関して呼び間違いとかしようかなと思ったけど、流石に声がちょっと違うから牧志と勘違いはしないな。
小さくなってて体格よくわかんなくなってるし、慌ててたらするかな?
小さくなってて体格よくわかんなくなってるし、慌ててたらするかな?
牧志 浩太
確か佐倉さんもモチモチボイスになっているし、古島さんもモチモチボイスになってるとしたら、頭の中で補正してしまってうっかりはありそう? >声
KP
あー、そういえばそう。(イメージ的には『鷹の爪の吉田君』を思い出させるような鼻声でいつもより高い感じのボイスになっている)
牧志 浩太
ああー。モチモチといいああいう感じ。
とするとやっぱり頭の中で逆補正しちゃってはありそう。
今にも悪魔が襲ってくるかもしれないから、古島さんもやや真面目になってますしね。
とするとやっぱり頭の中で逆補正しちゃってはありそう。
今にも悪魔が襲ってくるかもしれないから、古島さんもやや真面目になってますしね。
古島は別の世界の牧志とも言うべき『牧志浩子』のコピーのようなものだ。そして浩子は別の世界でこちらのせかいと似て非なる人生を送っており、その過程で『佐倉光』となんとも複雑な関係になってしまっている。
その『佐倉』は現在消息不明である。
その『佐倉』は現在消息不明である。
古島

「あー。これはすごいな、アスレチックだ」
目の前の光景を改めて見て言う。
俺達を捕まえてゴミにしそうな悪魔がいなかったら目一杯遊ぶんだけどな、残念!
目の前の光景を改めて見て言う。
俺達を捕まえてゴミにしそうな悪魔がいなかったら目一杯遊ぶんだけどな、残念!
佐倉 光

「俺、割と人目につかないように行動するの得意な方なんだ」
KP
佐倉は周囲に積み上がるゴミを見て渋面になった。
古島

「どこか登って上から見……うーん、手がモチモチだ」
ぷにぷにモチモチした手では物が掴みにくい!
ぷにぷにモチモチした手では物が掴みにくい!
佐倉 光

「これは想像以上に面倒だぞ……」
KP
▼〈目星〉-30で3回判定。数値は牧志のを使用してよい。
古島

1d100 68〈目星〉 Sasa 1d100→ 29→成功
1d100 68〈目星〉 Sasa 1d100→ 29→成功
1d100 68〈目星〉 Sasa 1d100→ 24→成功
1d100 68〈目星〉 Sasa 1d100→ 29→成功
1d100 68〈目星〉 Sasa 1d100→ 24→成功
KP
1d100 50 ? Sasa 1d100→ 65→失敗
1d100 50 ? Sasa 1d100→ 13→成功
1d100 50 ? Sasa 1d100→ 61→失敗
1d100 50 ? Sasa 1d100→ 13→成功
1d100 50 ? Sasa 1d100→ 61→失敗
牧志 浩太
お、〈忍び歩き〉かな
KP
少し離れたところでガタッと音がした。
モチモチ佐倉

「シッテタ!?」
KP
微かな声と共に物音が遠ざかりながら消えた。
古島

「おっ、発見。佐倉さん、あっちだ」
声のした方向を指さす。
声のした方向を指さす。
佐倉 光

「オッケー」
古島

見つけたはいいが、そちらを振り向けばゴミの迷宮が立ちはだかる。
ぎらりと輝く何かの破片、鋭い切っ先を向ける錆びた釘、いかにも足を取られそうなガムの噛み跡、視界を塞ぐ丸めた紙……、
ぎらりと輝く何かの破片、鋭い切っ先を向ける錆びた釘、いかにも足を取られそうなガムの噛み跡、視界を塞ぐ丸めた紙……、
古島

ああー、何もなしにただ探検するなら、これ絶対楽しいのになあ!
古島

そんな雑念は置いといて、ゴミの合間を抜けて物音の方へ向かう。
牧志 浩太
やや真面目に…… なってなかったかもしれない。(声には出さなかった)
KP
佐倉は物音がした方向に対して挟み撃ちができるように回り込む。
あなたには逆側から回ってくれとハンドサインしつつ、姿勢を低くして空き瓶の向こうに足早に移動する。
あなたには逆側から回ってくれとハンドサインしつつ、姿勢を低くして空き瓶の向こうに足早に移動する。
KP
▼【DEX】×6で判定。数値は牧志のを使用してよい。
古島

頷いて逆側へ回り込む。
1d100 48 【DEX】 Sasa 1d100→ 72→失敗
1d100 48 【DEX】 Sasa 1d100→ 72→失敗
牧志 浩太
あーあ。
佐倉 光

1d100 54 【DEX】 Sasa 1d100→ 12→成功
KP
足元が悪く、上手く進めない。
古島

「!?」
追いかけようとしては足を取られ、手をつこうとしては転びそうになる。
うわうわうわ、このアスレチック難易度高い!
追いかけようとしては足を取られ、手をつこうとしては転びそうになる。
うわうわうわ、このアスレチック難易度高い!
KP
やっと足場が確かなところにたどり着いたとき、向かい側に佐倉が見えた。
佐倉は更に奥側に向かって声をかけようとしている……
何に話しかけようとしているかは、あなたの場所からは分からない。
佐倉は更に奥側に向かって声をかけようとしている……
何に話しかけようとしているかは、あなたの場所からは分からない。
古島

どうにか足場が確かな所に辿り着くと、向かいに佐倉さんの姿が見えた。
KP
この佐倉は……さっきまで一緒にいた佐倉だろうか?
▼見分ける方法について……
【アイデア】(リアルアイデアでも可)
また、彼が発話するまでに1アクションだけ可能だ。
▼見分ける方法について……
【アイデア】(リアルアイデアでも可)
また、彼が発話するまでに1アクションだけ可能だ。
牧志 浩太
おっ、せっかくだからちょっと考えてみよう。
古島

前提についてしつもん!!
発話するまでに、ということは呼びかけたり声を出したりする以外ってことで合ってますか?
また、外見は基本全く一緒という認識で合ってますか?
今までの頭以外の佐倉さんはCOMPを着けていましたか?
発話するまでに、ということは呼びかけたり声を出したりする以外ってことで合ってますか?
また、外見は基本全く一緒という認識で合ってますか?
今までの頭以外の佐倉さんはCOMPを着けていましたか?
KP
彼が何者かに声をかけようとしているから、その声が出るまでに、ですね。
KP
COMP! その佐倉は……つけていない! おそらく波照間が追っていた佐倉だ!
よく見ると向かい側の物陰にもうひとりのCOMPをつけた佐倉の姿が見える。
あなたに何か必死な様子でジェスチャーしている!
「あいつを」「だまらせろ」?
よく見ると向かい側の物陰にもうひとりのCOMPをつけた佐倉の姿が見える。
あなたに何か必死な様子でジェスチャーしている!
「あいつを」「だまらせろ」?
KP
ナイス気づきでした。
牧志 浩太
やったー。リアルアイデアで分かるとやっぱり嬉しい。
古島

佐倉さん、と声をかけようとして……、ふと、その腕が目に入った。
古島

「!」
違和感の正体に気づく。
その腕には、COMPがなかった。
……違う!
こいつは、あの佐倉さんじゃない!
そう気づいた時、ジェスチャーが目に入った。
『黙らせろ』!
違和感の正体に気づく。
その腕には、COMPがなかった。
……違う!
こいつは、あの佐倉さんじゃない!
そう気づいた時、ジェスチャーが目に入った。
『黙らせろ』!
古島

その佐倉さんに後ろから掴みかかって、手で口を塞ぐなり押し倒すなりできるような距離だろうか?
可能ならそうする。
できない距離なら、近くのゴミか何かをかぶせて発話を防ごうとする。
可能ならそうする。
できない距離なら、近くのゴミか何かをかぶせて発話を防ごうとする。
KP
あなたが動くと同時に向かいの佐倉も動く!
佐倉は体当たりでモチモチ佐倉にアタックする。二人がかりで不意を打てば倒せるだろう!
佐倉は体当たりでモチモチ佐倉にアタックする。二人がかりで不意を打てば倒せるだろう!
古島

背後からモチ佐倉さんに飛び掛かり、口を塞ぐ!
モチモチ佐倉

「モガ」
KP
あなたは口をふさぐのに成功した!
佐倉 光

「……」
KP
アタマ佐倉は目線を背後にやる。
それを追うと、ぽっかり穴のような目があいた丸っこい生き物(?)がぷわぷわと漂いながら過ぎ去っていった。
『外道:ポルターガイスト』だ。
話も通じない、悪戯好きの悪魔だ。
元のサイズならそれほど危険ではないが、このサイズで、この場所で攻撃を受けたら、無事では済まないだろう。
それを追うと、ぽっかり穴のような目があいた丸っこい生き物(?)がぷわぷわと漂いながら過ぎ去っていった。
『外道:ポルターガイスト』だ。
話も通じない、悪戯好きの悪魔だ。
元のサイズならそれほど危険ではないが、このサイズで、この場所で攻撃を受けたら、無事では済まないだろう。
古島

「……!!」
腕の中で動く気配を感じながら、心臓が跳ねた。
危なかった……!
この佐倉さんが違う方だと気づかなかったら、ジェスチャーに気づかなかったら、無事じゃすまなかった!
例えばガラスの破片でも投げつけられたら、まっぷたつになりかねない!
腕の中で動く気配を感じながら、心臓が跳ねた。
危なかった……!
この佐倉さんが違う方だと気づかなかったら、ジェスチャーに気づかなかったら、無事じゃすまなかった!
例えばガラスの破片でも投げつけられたら、まっぷたつになりかねない!
古島

「はあぁ……、死ぬかと思った」
それがすっかり過ぎ去っていってから、モチ佐倉さんを抱きかかえたまま、大きく息を吐く。
それがすっかり過ぎ去っていってから、モチ佐倉さんを抱きかかえたまま、大きく息を吐く。
佐倉 光

「急ごう、牧志」
古島

「ああ、戻ろう。
大丈夫、他の佐倉さん達も外にいるからさ」
モチ佐倉さんにそう呼びかけながら、意図せぬ行動を取られないようにしっかり抱きかかえる。
大丈夫、他の佐倉さん達も外にいるからさ」
モチ佐倉さんにそう呼びかけながら、意図せぬ行動を取られないようにしっかり抱きかかえる。
古島

その一瞬。
呼ばれた名に、自然に返事していた。
両手を使ってさえいなければ、きっと自然と手を伸ばしていた。
呼ばれた名に、自然に返事していた。
両手を使ってさえいなければ、きっと自然と手を伸ばしていた。
KP
佐倉は自分が名前を呼び間違えたことに気付いていないようだ。
それはおそらく、あなたがあまりにも自然に返事をしたがゆえに。
それはおそらく、あなたがあまりにも自然に返事をしたがゆえに。
佐倉 光

身を低くして、佐倉は佐倉のモチモチのほっぺに顔を寄せる。
モチモチ佐倉

「モ゙ッモ゙モ゙」
佐倉 光

「お前死ぬ気か。帰るぞ」
モチモチ佐倉

「モ゙?」
佐倉 光

「他の仲間も外で待ってるから」
KP
二人がかりで押さえつつ、こっそりとガラクタの中をぬって出口へ向かう。
▼〈忍び足〉・〈隠す〉・〈隠れる〉・【DEX】×5 いずれかに+20して判定。
▼〈忍び足〉・〈隠す〉・〈隠れる〉・【DEX】×5 いずれかに+20して判定。
古島

1d100 60 【DEX】 Sasa 1d100→ 9→成功
古島

心臓の音がうるさい程に頭に響く。
音を潜め、気配を潜め、出口へと近づく。
背筋をじりじりと焼く死の気配。全身全霊を、ただ手足に集中する。
その時俺は、自分が『誰』で、そこにいる人が『誰』なのか、
きっと、忘れてしまっていた。
音を潜め、気配を潜め、出口へと近づく。
背筋をじりじりと焼く死の気配。全身全霊を、ただ手足に集中する。
その時俺は、自分が『誰』で、そこにいる人が『誰』なのか、
きっと、忘れてしまっていた。
KP
思わぬ所で古島にちょっかいかけてしまった。
牧志 浩太
古島は脱出してから気づいてせつないきもちになります。
そんなつもりじゃない、「佐倉さん」を代わりにするつもりなんかじゃなかったんだ、ってなる
そんなつもりじゃない、「佐倉さん」を代わりにするつもりなんかじゃなかったんだ、ってなる
KP
これはね、佐倉が悪いからしゃーないよ。
牧志 浩太
区別はつきにくくなってるし緊迫した状況だし一瞬のことだし、これは佐倉さんもしょうがないよ。
でもその結果悲しいことになる。
しかも、その悲しみすらも古島自身のものではないのがまぁ複雑。
でもその結果悲しいことになる。
しかも、その悲しみすらも古島自身のものではないのがまぁ複雑。
KP
幸い悪魔に気取られることなく異界出口までたどり着くことができた。
1d100 70 Sasa 1d100→ 38→成功
1d100 70 Sasa 1d100→ 38→成功
KP
異界から脱出するまで息をひそめ、そっと踏み出す。
すると、牧志の心配そうな、警戒するような顔が覗き込んでいた。
すると、牧志の心配そうな、警戒するような顔が覗き込んでいた。
波照間 紅

その後ろで、波照間が悪魔の出現に備えて構えていた。
KP
背後で佐倉が微かに息を呑んだが、背後からなにかが飛んでくることはなく、あなた方は無事脱出に成功した。
牧志 浩太

「佐倉さん、古島さん、よかった。無事だったんだな」
二人……三人がゲートから出てくるのを確認して、小さく息をつく。
二人……三人がゲートから出てくるのを確認して、小さく息をつく。
佐倉 光

「ああ、何とかね。あんな酷い異界見たの久し振りだ」
モチモチ佐倉

「シッテター」
牧志 浩太

「そりゃ中にいた佐倉さんは知ってただろうけどさ。
って、分かって言ってるわけじゃないのか、これ」
って、分かって言ってるわけじゃないのか、これ」
牧志 浩太

「酷いって、悪魔だらけだったとか?」
モチモチ佐倉

「シッテタ」
したり顔でうんうんと頷いている。
したり顔でうんうんと頷いている。
佐倉 光

「ああ、中がらくたまみれな上にポルターガイストがいてさ。
このサイズだとやべぇなあいつ。ガラスの破片とか刃物とかさ……なぁ」
このサイズだとやべぇなあいつ。ガラスの破片とか刃物とかさ……なぁ」
佐倉 光

「古島は怪我してないか?」
振り向いて古島の無事を確認。
振り向いて古島の無事を確認。
牧志 浩太

「うわっ、嫌すぎるし危ないな。本当に無事でよかっ…… ……古島さん?」
古島

振り返ると……、古島は牧志を見上げながら、呆然と立ち尽くしていた。
古島

「違う……、」
古島の小さな唇が、目元が震えた。
古島の小さな唇が、目元が震えた。
牧志 浩太

「……古島さん?」
佐倉 光

「古島? どうした?」
古島

「違うんだ、そんなつもり、じゃ、……、なかったのに」
大きな眼に涙が盛り上がる。
大きな眼に涙が盛り上がる。
牧志 浩太
・泣きながら封印に引っ込んで、代わりにしばらく安里が出てくる
・なんでもないふりして空元気する
どちらもありそうなんですが、ここからのシナリオ展開その他的にどちらがいいかな。
・なんでもないふりして空元気する
どちらもありそうなんですが、ここからのシナリオ展開その他的にどちらがいいかな。
KP
うーん。
どちらでも大丈夫だけど、こっから割とシュールギャグになるし、アレだし、
前者の方が古島さんにとってはいいかもしれぬ。
ここからラストの展開、古島さんの呼び覚まされたトラウマ刺激しそう。
厳密には他の牧志ズも同じなんだけど。
今日二回目のBOYCOTT!?
どちらでも大丈夫だけど、こっから割とシュールギャグになるし、アレだし、
前者の方が古島さんにとってはいいかもしれぬ。
ここからラストの展開、古島さんの呼び覚まされたトラウマ刺激しそう。
厳密には他の牧志ズも同じなんだけど。
今日二回目のBOYCOTT!?
牧志 浩太
古島さんはベースが浩子さん(より浩子さんに近い)から、佐倉さんとの関係性もあって何かとショックだったようです。
では古島さんがシリアスになりすぎるのもなんだし、うわぁぁあん! とBOYCOTTしてすんすんしてます。
しばらくすんすんしたら落ち着くでしょう。
では古島さんがシリアスになりすぎるのもなんだし、うわぁぁあん! とBOYCOTTしてすんすんしてます。
しばらくすんすんしたら落ち着くでしょう。
佐倉 光

「な、何かあったのか?
出てくるときに別のところに拉致られてたとか?」
出てくるときに別のところに拉致られてたとか?」
KP
突然の異変に佐倉は戸惑いつつ、古島の様子を見ようと顔を覗き込む。
古島

古島は大きな眼いっぱいに涙を溜めていた。
佐倉さんに覗き込まれた拍子に、その涙がぼろんと落ちる。
佐倉さんに覗き込まれた拍子に、その涙がぼろんと落ちる。
古島

「違う、違うんだ、うわぁああああん!」
すぽん!
佐倉さんのCOMP目掛けて古島は飛び込んだ。
その姿が掻き消える。
本日二度目の…… BOYCOTT!
やがてCOMPから、すんすんと泣く声が聞こえてきた。
すぽん!
佐倉さんのCOMP目掛けて古島は飛び込んだ。
その姿が掻き消える。
本日二度目の…… BOYCOTT!
やがてCOMPから、すんすんと泣く声が聞こえてきた。
佐倉 光

「え、何なんだよ、どうしたんだよ、古島!?
ステータス異常はなさそうだけど。悪魔みたいなことすんなよ。いや悪魔だけど」
ステータス異常はなさそうだけど。悪魔みたいなことすんなよ。いや悪魔だけど」
モチモチ佐倉

「シッテタ」
牧志 浩太

「えっ、えっ、えええ!? 何があったんだ……!?
佐倉さん、中で何があったんだ?」
まきしはこんらんした。
佐倉さん、中で何があったんだ?」
まきしはこんらんした。
波照間 紅

「……」波照間は唖然とした。
佐倉 光

「な、何も無かった、と思う。俺主観。
中でこいつ見つけて、二人で捕まえて、悪魔に見つからないように逃げてきただけだし」
中でこいつ見つけて、二人で捕まえて、悪魔に見つからないように逃げてきただけだし」
牧志 浩太

「みたいだな。
悪魔に何か見せられでもしたのかな……。
古島さんがこんなに泣くなんて、何があったんだろう」
悪魔に何か見せられでもしたのかな……。
古島さんがこんなに泣くなんて、何があったんだろう」
KP
佐倉は困ったような顔でCOMPを見つめた。
佐倉 光

「なんだかわかんねーけど今は無理そうだな。
誰か代わりに手伝ってくれる奴いるかな……」
誰か代わりに手伝ってくれる奴いるかな……」
安里

ノックでもするように、COMPの画面がチカチカと光った。
佐倉 光

「お?」
誰か応えてくれたかな。着信を見る。
誰か応えてくれたかな。着信を見る。
安里

「……古島に何したんだ?」
応えたのは安里だ。
大いに困惑したメッセージが表示されている。
応えたのは安里だ。
大いに困惑したメッセージが表示されている。
佐倉 光

「い、いや、何も……」
簡単にかくしかする。自分が呼び間違えたことなんて認識してない。
簡単にかくしかする。自分が呼び間違えたことなんて認識してない。
安里

「悪魔のせいにしちゃ、随分落ち込んでたけど……、
とりあえず俺が行く、何かまずい状況なんだよな?」
とりあえず俺が行く、何かまずい状況なんだよな?」
佐倉 光

「あ、ああ、来て手伝ってくれると助かる。今ちょっと困っててさ。
あ、それから、こっち来るときちょっと違う感じでしか喚べないんだけど、害はないから」
召喚コマンドを打ち込もう。
あ、それから、こっち来るときちょっと違う感じでしか喚べないんだけど、害はないから」
召喚コマンドを打ち込もう。
安里

「違う感じ?」
不思議そうなメッセージの途中で、召喚コマンドが打ち込まれた。
形式化された呪文と術式をCOMPがそらんじ、現われたのは牧志のジャケットに似た色のフード付きパーカーを着た牧志……、安里だ。
不思議そうなメッセージの途中で、召喚コマンドが打ち込まれた。
形式化された呪文と術式をCOMPがそらんじ、現われたのは牧志のジャケットに似た色のフード付きパーカーを着た牧志……、安里だ。
安里

「……」
安里は周囲を見回す。
もちもちした佐倉さんを見つけ、何やらもう一人いるのを見つけ、その向こうに巨大な人間が二人いるのを見つけ……どうにも視点がおかしいあたりで、ようやく自分の丸い手のひらを見下ろして。
安里は周囲を見回す。
もちもちした佐倉さんを見つけ、何やらもう一人いるのを見つけ、その向こうに巨大な人間が二人いるのを見つけ……どうにも視点がおかしいあたりで、ようやく自分の丸い手のひらを見下ろして。
安里

「……………………何だこれ。牧志と先輩以外全員ピクシーにでもなった?」
たっぷり沈黙してから、そう言った。
たっぷり沈黙してから、そう言った。
佐倉 光

「ああ。たぶん……そんな感じで。
俺が今こんな風になっちゃってる影響だと思う。
衝撃には強いから、多少高いところから落ちたりしても平気だ」
近くのガラクタから鏡とかそういう映るもの探して見せようか。
俺が今こんな風になっちゃってる影響だと思う。
衝撃には強いから、多少高いところから落ちたりしても平気だ」
近くのガラクタから鏡とかそういう映るもの探して見せようか。
安里

「ああ、そういう? 召喚者が影響受けると、俺達も受けるんだな」
安里

鏡に映る姿を見て、うーん、と唸った。
モチモチ佐倉

「シッテタッ」b
安里

「で、そっちは随分ご機嫌だな」鳴いてる方を見る。
佐倉 光

「多分、なんだけど、俺は分割されちゃってて、俺は頭部、こっちは俺の胴体の一部なんじゃないかと思ってる。
で、こいつらを探してたんだ。あと二匹なんだけど……」
で、こいつらを探してたんだ。あと二匹なんだけど……」
牧志 浩太

「集まった佐倉さん達は、車で待っててもらってるんだ」
安里

「ああ、それでピンチか。
もし悪魔にでも食べられたら、どうなるか分からないもんな」
安里は小さな腕を組む。
もし悪魔にでも食べられたら、どうなるか分からないもんな」
安里は小さな腕を組む。
モチモチ佐倉

「シッテタ!」
牧志 浩太

「古島さんが様子を見ててくれてたんだけど、ごめん安里、代わり頼む」
安里

「この状態が他にも複数いる、と……。ちょっと不安」
佐倉 光

「そうだ、波照間さん、見つけてくれてありがとう。助かったよ」
波照間 紅

「いや、見つけられてよかった。
まさかこんな小さなゲートに入ってしまうとはな。
他の二人の居場所は、検討がついているのか?」
まさかこんな小さなゲートに入ってしまうとはな。
他の二人の居場所は、検討がついているのか?」
モチモチ佐倉

「シッテタッ」
安里と肩を組もうとしたようだが手が届かない!
ほっぺがムニッとひっついた。
安里と肩を組もうとしたようだが手が届かない!
ほっぺがムニッとひっついた。
安里

「うわ」
いきなり近づいてこられて驚いた。むにぃ。
いきなり近づいてこられて驚いた。むにぃ。
安里

「うーん」むにむに。ふわふわして弾力があって気持ちいい。
思わずむにむにと押し返してしまう。
思わずむにむにと押し返してしまう。
佐倉 光

「多分、俺が普段取る行動なぞってるんだと思ってて……
一個思いついたのがあるんだよ。
いつも俺がコーヒー買いに行く店がある。そこに行ってるかも知れない。
電話番号は……」
一個思いついたのがあるんだよ。
いつも俺がコーヒー買いに行く店がある。そこに行ってるかも知れない。
電話番号は……」
牧志 浩太

「! そうか、コーヒーマシン触ってたのがいたな。
部屋の中でやってた行動と、同じことしてるかもしれないのか」
佐倉さんから聞いた電話番号から、店の位置と店名を確認する。
そのまま店に電話をかける。
部屋の中でやってた行動と、同じことしてるかもしれないのか」
佐倉さんから聞いた電話番号から、店の位置と店名を確認する。
そのまま店に電話をかける。
KP
珈琲店にはすぐ繋がった。
佐倉 光

「俺、『只野』名義で定期でコーヒー頼んでるんだ。もしかしたらそれを取りに行ったかも知れない」
牧志 浩太

なるほど、それはありそうだけど……、この姿で?
それに、『只野』さんのコーヒーのことを俺が聞いても、教えてくれるかどうか分からないな。
しばらく考えて口を開く。
それに、『只野』さんのコーヒーのことを俺が聞いても、教えてくれるかどうか分からないな。
しばらく考えて口を開く。
牧志 浩太

「こんにちは。
そちらに只野が落とし物したみたいなんですけど、見かけてませんか?
こういう見た目の、10cmくらいの人形なんですけど……」
モチ佐倉さんを見ながら、その外見を説明する。
そちらに只野が落とし物したみたいなんですけど、見かけてませんか?
こういう見た目の、10cmくらいの人形なんですけど……」
モチ佐倉さんを見ながら、その外見を説明する。
KP
なるほどな?
牧志 浩太
ゆうこやのおばぁちゃんだったらこの姿で行ってもよく来たねぇってしてくれるかもしれないけど。
KP
個人店だから割と緩いよ!
でもさすがにモチモチ佐倉が行ったら「びっくり」されるね!
でもさすがにモチモチ佐倉が行ったら「びっくり」されるね!
牧志 浩太
そうそう。「びっくり」しちゃう。
ゆうこや……TRPG『ゆうやけこやけ』のこと。動物や妖怪として遊べる、女神転生より大分小規模で平和的な話に向いているシステム。
『びっくり』はこの世界におけるダメージ表現である。最大でも気絶してしまうだけ。
『びっくり』はこの世界におけるダメージ表現である。最大でも気絶してしまうだけ。
KP
「ああ! お人形、お預かりしていますよ」
店員の壮年の男はゆったりと答える。
「只野さんによく似ていますよね」
店員の壮年の男はゆったりと答える。
「只野さんによく似ていますよね」
牧志 浩太

「よかった! 今から取りに行きます。
ええ、あいつがモデルのやつで。
俺、只野の友達の牧志といいます」
ええ、あいつがモデルのやつで。
俺、只野の友達の牧志といいます」
KP
「まきし、さん。はい、お待ちしています」
佐倉 光

「会員カードが俺の財布に入ってるから、それ見せればいいと思う」
牧志 浩太

「分かった。すぐ行こう」電話を切って頷く。
牧志 浩太

「先輩、ありがとう! 本当に助かった!」
波照間に礼を言って別れ、車に戻って珈琲店を目指す。
波照間に礼を言って別れ、車に戻って珈琲店を目指す。
KP
車の中では三人のモチモチ佐倉が組み体操していた。
モチモチ佐倉

「クソ」
モチモチ佐倉

「む」
モチモチ佐倉

「ナッルホドー!」
KP
車の中のティッシュが散らかされていた以外変化はなかった。
服装も変わってはいない。
服装も変わってはいない。
佐倉 光

「ひとまずおとなしくしてたみたいだ」
安里

「何だこれ。聞いててもすごい状況だな。
というか、視界がもちもちした何かだらけで圧が強い」
というか、視界がもちもちした何かだらけで圧が強い」
安里

「それぞれ鳴き声違うんだな。喋れないのか?」
古島に比べて腰が引けているが、安里は座席を歩き、モチ佐倉さん達に近寄る。
古島に比べて腰が引けているが、安里は座席を歩き、モチ佐倉さん達に近寄る。
KP
佐倉は自分の財布を探って、珈琲店のスタンプカードを引っ張り出した。
牧志 浩太

「らしいな」
スタンプカードを受け取る。
シッテタの佐倉さんと安里を三人の所に合流させて、ポケットに佐倉さんを収める。
車で行く距離なら車で、徒歩距離ならモチ佐倉さん達と安里を車に置いて、珈琲店へ向かう。
スタンプカードを受け取る。
シッテタの佐倉さんと安里を三人の所に合流させて、ポケットに佐倉さんを収める。
車で行く距離なら車で、徒歩距離ならモチ佐倉さん達と安里を車に置いて、珈琲店へ向かう。
KP
歩いてゆくにはちょっと遠い。車に乗った方がいいだろう。
KP
珈琲店はこぢんまりとした個人店で、ショッピングモールのすみにあった。
KP
佐倉はあなたのポケットから頭を出して人形の振りをしつつ店の場所を教える。
近くの駐車場に車を止めて現地へ行ってみると、
ただの販売店ではなく、喫茶店でコーヒーも売っている、という雰囲気の店だ。
近くの駐車場に車を止めて現地へ行ってみると、
ただの販売店ではなく、喫茶店でコーヒーも売っている、という雰囲気の店だ。
佐倉 光

「割と人が少なくて落ち着くんだよ」
KP
木の色に満ちて珈琲の香りがする店内に入ると、控えめな鈴の音がして、
「いらっしゃいませ」
エプロン姿の壮年の男性が迎えてくれた。
「いらっしゃいませ」
エプロン姿の壮年の男性が迎えてくれた。
牧志 浩太

「へえ……、いい香りがする。
確かに、いい雰囲気の店だな、ここ」
そういえば、佐倉さんがいつもどんなコーヒーをどこで買っているのか、なんてことは気にしたことがなかったな。
ここが、佐倉さんの秘密の居場所の一つ、ってことか。
知らないものを知った気がして、そんな場合じゃないけど、少し楽しくなった。
確かに、いい雰囲気の店だな、ここ」
そういえば、佐倉さんがいつもどんなコーヒーをどこで買っているのか、なんてことは気にしたことがなかったな。
ここが、佐倉さんの秘密の居場所の一つ、ってことか。
知らないものを知った気がして、そんな場合じゃないけど、少し楽しくなった。
牧志 浩太

「お邪魔します、電話させて頂いた牧志です。
只野の代わりに来ました」
証明代わりに、スタンプカードを見せる。
只野の代わりに来ました」
証明代わりに、スタンプカードを見せる。
KP
「はい、お忘れ物でしたね。ご注文の品もお持ちになりますか。
少々お待ちください」
少々お待ちください」
KP
店の奥に入っていった店主は、暫くして困惑したような顔で戻ってきた。
「申し訳ありません、もう少々お待ちください」
店主は奥に入って電話をし始めたようだ。
「申し訳ありません、もう少々お待ちください」
店主は奥に入って電話をし始めたようだ。
牧志 浩太

うーん。これはここにいた佐倉さんが何かやったな。
逃げてないといいんだけど。
逃げてないといいんだけど。
KP
▼〈聞き耳〉
▼【アイデア】
▼【アイデア】
牧志 浩太

1d100 98〈聞き耳〉 Sasa 1d100→ 51→成功
1d100 90【アイデア】 Sasa 1d100→ 64→成功
1d100 90【アイデア】 Sasa 1d100→ 64→成功
KP
「お客さんの忘れ物の人形、動かした? ……本当に? いや……」
KP
どうやら人形がなくなったらしい。
当然あれは人形などではないのだ、なにかの気まぐれで人形の振りもすれば、勝手気ままに動き回ったりもするだろう。
そしてあの佐倉はコーヒーマシーンの所で粉を散らかしていた。
……珈琲を飲みたかったに違いない。
だがマシーンは作動していなかった。
つまりここに珈琲を飲みに来たのではないだろうか?
当然あれは人形などではないのだ、なにかの気まぐれで人形の振りもすれば、勝手気ままに動き回ったりもするだろう。
そしてあの佐倉はコーヒーマシーンの所で粉を散らかしていた。
……珈琲を飲みたかったに違いない。
だがマシーンは作動していなかった。
つまりここに珈琲を飲みに来たのではないだろうか?
KP
カウンター下に並んでいる販売用の珈琲の山がひとつ、ざらっと崩れた。
※珈琲屋さんによくある、ショーウィンドー状で豆ごとに別れている奴。
※珈琲屋さんによくある、ショーウィンドー状で豆ごとに別れている奴。
牧志 浩太

「あ、いた。……またすごい所に入り込んだな……」
モチ佐倉さんが居ると思われるのは、ショーウィンドウの向こうだろうか?
それなら、屈み込んでこんこんとショーウィンドウを叩き、小声で呼びかけてみる。
反応するだろうか?
モチ佐倉さんが居ると思われるのは、ショーウィンドウの向こうだろうか?
それなら、屈み込んでこんこんとショーウィンドウを叩き、小声で呼びかけてみる。
反応するだろうか?
KP
豆の中でもぞもぞと何かが動いている。
モチモチ佐倉

「オッケーオッケー」
KP
あなたに気付いたか、泣きそうな顔で珈琲豆の中でもがいているのはモチモチ佐倉だった。
佐倉 光

「そんなとこで何やってんだよお前……」
牧志 浩太

「あーあー……、きっと珈琲が飲みたかったんだろうな。
でも、やり方が分からなかったんだ」
そう思うと、ちょっと可哀想なような気もした。
やりたいことは分かるのに、やり方が分からなくて、なんとかしようとしてもがいている。
でも、やり方が分からなかったんだ」
そう思うと、ちょっと可哀想なような気もした。
やりたいことは分かるのに、やり方が分からなくて、なんとかしようとしてもがいている。
牧志 浩太

さてこれどうしようか。
店主が戻ってこないうちに回収してもいいけど、うっかりすると泥棒紛いだよな、それ。
それに歩いてた佐倉さんが紛れ込んじゃったんなら、普通に不衛生だから、できれば知らせておきたいし……。
店主が戻ってこないうちに回収してもいいけど、うっかりすると泥棒紛いだよな、それ。
それに歩いてた佐倉さんが紛れ込んじゃったんなら、普通に不衛生だから、できれば知らせておきたいし……。
KP
不衛生。それはそう。
そのへんまあギャグシだから適当でもよかったんだけど、気にしてくれてありがとうございます。
そのへんまあギャグシだから適当でもよかったんだけど、気にしてくれてありがとうございます。
牧志 浩太
自分達が原因で珈琲店に迷惑をかけてしまった って発想になったので割と気にした牧志です。
あと何も知らないお客さんにも波及するのもある。
(直前に見たモチ佐倉さんが大層不衛生だったのもあるかも)
あと何も知らないお客さんにも波及するのもある。
(直前に見たモチ佐倉さんが大層不衛生だったのもあるかも)
KP
最低限ここまで歩いてきた分汚れてますしね!
牧志 浩太
そう!
牧志 浩太

よし。
牧志 浩太

「すみませーん」
奥で電話している店主に声をかける。
奥で電話している店主に声をかける。
KP
「……ちょっと待って」
「はい、お待たせいたしました」
店主は電話を切って表に出てきた。
「はい、お待たせいたしました」
店主は電話を切って表に出てきた。
牧志 浩太

「この豆の中、何か入ってるみたいなんですけど」
モチ佐倉さんがもがいている辺りを指差す。
モチ佐倉さんがもがいている辺りを指差す。
KP
「うわっ!?」
鼠か? ゴキブリか? と身構え覗き込んだ店主は怪訝そうな顔をした。
「……人形? どうしてこんな所に?」
鼠か? ゴキブリか? と身構え覗き込んだ店主は怪訝そうな顔をした。
「……人形? どうしてこんな所に?」
モチモチ佐倉

「オッケー!」
KP
「!?」
店主の顔が凍った。
店主の顔が凍った。
牧志 浩太

ごめん。店主さんのびっくりは尊い犠牲だ。
佐倉さん、この店に行きづらくなったらごめん。
こういうの無闇に知られるべきじゃないんだろうけど、佐倉さんが踏んだ豆誰かが飲んじゃうことを考えたら……、そのままにできませんでした。
佐倉さん、この店に行きづらくなったらごめん。
こういうの無闇に知られるべきじゃないんだろうけど、佐倉さんが踏んだ豆誰かが飲んじゃうことを考えたら……、そのままにできませんでした。
佐倉 光

「俺が弁償するからっ、玩具だって言い張ってっ!」
KP
かすかな声が聞こえる。
佐倉 光

「オッケー!」
KP
あなたのポケットで佐倉が叫んで手を振った。
モチモチ佐倉

「オッケーオッケー」
KP
ショーウィンドーの中でモチモチ佐倉が溺れながら叫ぶ。
牧志 浩太
佐倉さんナイスアドリブ。こういうところは場数の違いですね。
牧志 浩太

「うわっ、すみません、なんでこんな所に!?
ごめんなさい、これ動くやつなんです、驚きましたよね」
佐倉さんナイスアドリブ!
あわあわと驚いた顔をして、店主が我に返る前に何度も頭を下げる。
ごめんなさい、これ動くやつなんです、驚きましたよね」
佐倉さんナイスアドリブ!
あわあわと驚いた顔をして、店主が我に返る前に何度も頭を下げる。
KP
「えっ、えぇっ!?」
モチモチ佐倉

「オッケーオッケー」
KP
店主はモチモチ佐倉が入り込んだ引き出しを引っ張り出して、カウンターの上に乗せる。
半分ほど入った豆……そういえば佐倉が良く買ってくる豆だ……の中からモチモチ佐倉が這いだして「ニコォ」と笑った。
半分ほど入った豆……そういえば佐倉が良く買ってくる豆だ……の中からモチモチ佐倉が這いだして「ニコォ」と笑った。
KP
「に、人形なんですか? 普通の? いやぁ……」
信じられない、という顔でモチモチ佐倉をそっとつまんで引き出しから引っ張り出すと、カウンターの上に置いた。
信じられない、という顔でモチモチ佐倉をそっとつまんで引き出しから引っ張り出すと、カウンターの上に置いた。
KP
「随分精巧ですね」
牧志 浩太

「すみません、豆は弁償しますから、すみません」
ぺこぺこと頭を下げながら、モチ佐倉さんをポケットに回収してしまう。
まさかの事態に慌てている振りで詳しい追及をかわす!
ぺこぺこと頭を下げながら、モチ佐倉さんをポケットに回収してしまう。
まさかの事態に慌てている振りで詳しい追及をかわす!
モチモチ佐倉

「オッケェェェ!?」
KP
モチモチ佐倉はポケットに突っ込まれた!
KP
「い、いえいえ、うちの落ち度ですから。
いやしかし困ったな。これが最後だったので、只野さんご注文の豆が切れてしまいまして」
いやしかし困ったな。これが最後だったので、只野さんご注文の豆が切れてしまいまして」
KP
と、あなたの携帯電話が鳴った。佐倉からだ。
牧志 浩太

「わわわ、すみません」電話を取る。
佐倉 光

「しばらく俺に事情話して、適当なところで電話代わってもらって!」
KP
佐倉はポケットから飛び出し、スマートフォンをかついで床を移動していた。
牧志 浩太

「あっ、只野さん! 今あの人形とコーヒー受け取りに来てるんだけど、実は大変なことになっちゃって」
慌てた振りのはずが、本当に驚いてしまった。
あの姿で電話!? あっでもモチ佐倉さん達もメッセージ投げてきたりしたか、佐倉さんすごいな!
慌てた振りのはずが、本当に驚いてしまった。
あの姿で電話!? あっでもモチ佐倉さん達もメッセージ投げてきたりしたか、佐倉さんすごいな!
KP
あなたが話している間に、佐倉はスマホを担いで入り口に近い席の下に移動する。
佐倉 光

「オッケー代わって」
牧志 浩太

「すみません、只野から代わってって」
しばらく話して、店主に電話を渡す。
しばらく話して、店主に電話を渡す。
KP
店主に電話がパスされた。
「はい……ええ、そうなんですよ。…………えぇっ、そうですね、400gくらい……いや、それは…………」
1d100 52〈言いくるめ〉! Sasa 1d100→ 1→決定的成功(クリティカル)!
「はい……ええ、そうなんですよ。…………えぇっ、そうですね、400gくらい……いや、それは…………」
1d100 52〈言いくるめ〉! Sasa 1d100→ 1→決定的成功(クリティカル)!
KP
自分が損を被るための〈言いくるめ〉にクリティカルかぁ。
牧志 浩太
そういえばそうだ。
KP
余程この店が大事なんだろう。
KP
「……はい……はい、承知いたしました。お大事になさってください」
店主はスマートフォンをあなたに返却する。
店主はスマートフォンをあなたに返却する。
KP
電話の向こうから佐倉の声がした。
佐倉 光

「そこの豆全部こっち払いってことで話ついたから、悪いけど立て替えておいてくれ」
牧志 浩太

「分かった」
電話を切る。
電話を切る。
牧志 浩太

「お騒がせしました」
代金を立て替えて払おう。
それから、テイクアウトがあれば一杯淹れてもらう。
ここにいた佐倉さん、コーヒー飲みたがってたし。
代金を立て替えて払おう。
それから、テイクアウトがあれば一杯淹れてもらう。
ここにいた佐倉さん、コーヒー飲みたがってたし。
牧志 浩太

……騒がせちゃったけど、いい雰囲気の店だな。
KP
豆はできる限り綺麗にして出してくれた。
そして何度も何度も謝られた。
そして何度も何度も謝られた。
KP
「裏に置いておいたんですけど、まさかこんな所に動いてくるなんて。
本当に申し訳ございませんでした、只野さんにも宜しくお伝えください」
本当に申し訳ございませんでした、只野さんにも宜しくお伝えください」
牧志 浩太

「いえ、こっちこそ何だかすみません」
KP
少し多めのコーヒー豆はきちんと包装されて渡された。
珈琲はテイクアウト用の耐熱紙コップに入れて出してくれる。
珈琲はテイクアウト用の耐熱紙コップに入れて出してくれる。
KP
店を出るときに佐倉はスマホを担いだままあなたについて扉をくぐる。
かすかな鈴の音と「ありがとうございました」という声があなたを穏やかに送り出す。
かすかな鈴の音と「ありがとうございました」という声があなたを穏やかに送り出す。
牧志 浩太

「ありがとうございます」
外へ出て車へ戻る。
安里とモチ佐倉さん達はどうしてるかな。
外へ出て車へ戻る。
安里とモチ佐倉さん達はどうしてるかな。
牧志 浩太
古島さんに懐く理由があれなら、安里もくっつかれてるかな?
KP
モチモチ佐倉は安里に押しくら饅頭をするようにひっついたりのしかかったりして、安里をうんざりさせているだろう。
安里が何か遊びを提案したならそっちをやっている可能性はある。
安里が何か遊びを提案したならそっちをやっている可能性はある。
安里

「なんでそんなにくっついてくるんだよ、いいけどさ」
最初は鬱陶しがって押し返していた安里だが、モチモチの感触に負けてしまった。
モチモチ佐倉さん達に包まれてくつろいでしまっている。
最初は鬱陶しがって押し返していた安里だが、モチモチの感触に負けてしまった。
モチモチ佐倉さん達に包まれてくつろいでしまっている。
佐倉 光

「なんでそんなにくっつきたがるんだ。こいつら。男でもいいのかよ。俺そんな趣味ねぇぞ」
KP
佐倉が若干引いている!
牧志 浩太

「ただいま、無事見つかった」
買った豆を車のトランクに入れ、運転席に落ち着く。
まず、先程テイクアウトしたコーヒーをオッケーの佐倉さんに飲ませてやる。
飲みたがってたし。
買った豆を車のトランクに入れ、運転席に落ち着く。
まず、先程テイクアウトしたコーヒーをオッケーの佐倉さんに飲ませてやる。
飲みたがってたし。
モチモチ佐倉

「オッケーオッケー!!」
KP
オッケー佐倉は嬉しそうに珈琲を少し舐めて、満足したのかモチモチ軍団に混ざりに行った。
佐倉 光

「珈琲の五右衛門風呂に入れるな……」
KP
佐倉は顔を突っ込んで啜るようにして珈琲を飲む。
牧志 浩太

満足そうな様子を見てよかった、と笑う。
佐倉さんが珈琲飲むのを手伝ってやる。
そんな場合じゃないんだけど、少し疲れてきたのもあって、何だか穏やかな気持ちになってしまう。
佐倉さんが珈琲飲むのを手伝ってやる。
そんな場合じゃないんだけど、少し疲れてきたのもあって、何だか穏やかな気持ちになってしまう。
安里

「何なんだろうな。
佐倉さんにもこの調子だったのか?」
コーヒーのよい香りが流れてくるのを嗅ぎながら、安里はすっかりモチモチに身を預けている。
佐倉さんにもこの調子だったのか?」
コーヒーのよい香りが流れてくるのを嗅ぎながら、安里はすっかりモチモチに身を預けている。
佐倉 光

「……いや、そういや俺にはひっついてこねぇなこいつら。俺の一部なのに?」
KP
佐倉はどういうことだ、と首を傾げた。
佐倉 光

「うーん、あとはなぁ……俺が普段やってること……ハッキングとか?」
KP
あちこち回って昼時を過ぎた。
と、あなたの電話が鳴った。
と、あなたの電話が鳴った。
牧志 浩太

「ん?」
先輩だろうか。電話を取る。
先輩だろうか。電話を取る。
KP
電話の主はシローだった。
「まきしまきし、さくらいる」
「まきしまきし、さくらいる」
牧志 浩太

「シロー、どうした?
家にいる佐倉さんがどうにかなったのか?」
緊迫が蘇って、思わず耳にスマホをくっつけてしまう。
家にいる佐倉さんがどうにかなったのか?」
緊迫が蘇って、思わず耳にスマホをくっつけてしまう。
KP
シローはえーと、と言葉を止めて
「まえからのいる。パソコンのとこにもいる。ふたりになった」
そこまで言ってから困ったように呟いた。
「ぶんれつ??」
「まえからのいる。パソコンのとこにもいる。ふたりになった」
そこまで言ってから困ったように呟いた。
「ぶんれつ??」
牧志 浩太

「えっ、増えた? いや、じゃないな、どこかから戻ってきたんだ。
分かったシロー、今帰る。
二人とも家の外に出さないように頼む」
電話を切り、振り返る。
分かったシロー、今帰る。
二人とも家の外に出さないように頼む」
電話を切り、振り返る。
牧志 浩太

「あと一人、家に帰ってきたかもしれない。
シローから、家にいた佐倉さんが二人になったって連絡があった」
シローから、家にいた佐倉さんが二人になったって連絡があった」
安里

「そうか、ハッキングなら近くまで行って干渉かけるパターンじゃなきゃ、家でやるよな」
すっかり人間をダメにされていた安里がころんと起き上がる。
すっかり人間をダメにされていた安里がころんと起き上がる。
佐倉 光

「えっ、まさか俺のPC勝手に触ってんの!? いや俺なんだろうけどなんかイヤだ!
急いで帰ろう」
急いで帰ろう」
KP
佐倉が慌てたように叫んだ。
牧志 浩太

「ああ!」
急いで車を発進させ、自宅へ向かう。
急いで車を発進させ、自宅へ向かう。
KP
モチモチ隊はコロンコロンしながらでっかい頭をぶつけあったりしつつモチモチしている。
安里はなんだか古島よりなつかれている感じがする。
安里はなんだか古島よりなつかれている感じがする。
安里

発進の勢いでころんと転がってしまうが、モチモチボディのおかげか痛くない。
座席の上に戻ろうとすると、勢いでころんと他の奴の頭にぶつかった。
ころん。もちもち、ころん。
……「俺」になってからの「俺」が動物を飼うなんて、考えたこともないしこれからも考えないだろうけど、これは……、いいな。
布団に一匹欲しい。
作業中に撫でたい。
座席の上に戻ろうとすると、勢いでころんと他の奴の頭にぶつかった。
ころん。もちもち、ころん。
……「俺」になってからの「俺」が動物を飼うなんて、考えたこともないしこれからも考えないだろうけど、これは……、いいな。
布団に一匹欲しい。
作業中に撫でたい。
安里

安里はなんだか絆されてしまっていた。
モチモチ佐倉

「ナルホド??」
KP
そんな安里をモチモチ佐倉が不思議そうに覗き込んでいた。モチモチ。
KP
それはそれとして家にたどり着くと、シローが玄関を開けた。
その肩にモチモチ佐倉が一人のっかって? へばりついている。
その肩にモチモチ佐倉が一人のっかって? へばりついている。
KP
「おかえり、まきし、さくら、さくら、さくら……おおい」
牧志 浩太

「ただいま。シロー、留守番ありがとう」
シローの頭を撫でてやる。
シローの頭を撫でてやる。
KP
シローは自慢げにしながら嬉しそうに撫でられている。
そして肩のモチモチ佐倉もシローを真似して撫でている。
そして肩のモチモチ佐倉もシローを真似して撫でている。
KP
目をぱちくりさせたシローは、佐倉まみれになっている安里に目を向けた。
「あれ、あさとぅ? ふるじまは?」
「あれ、あさとぅ? ふるじまは?」
牧志 浩太

「ああ。古島さんはちょっと落ち込むことがあったみたいで、帰っちゃったんだ」
牧志 浩太

「大丈夫、またきっと元気になってくれるよ」
安里

「そういうこと」安里は大きな頭でぴょこんと起き上がる。
KP
あなたが抱えている佐倉たちを見て、シローはにこりと笑った。
「おかえりさくら。さくらまってる」
そして佐倉の部屋の方を指さした。
「おかえりさくら。さくらまってる」
そして佐倉の部屋の方を指さした。
牧志 浩太

「そうだ、これで全員集まった……、よな?
また逃げられないように窓確認しとかないと」
窓や扉が開いていないことを確認する。
また逃げられないように窓確認しとかないと」
窓や扉が開いていないことを確認する。
牧志 浩太

「全員いるのを確認したら、シローと安里に見ててもらって、コンビニで話を聞こう」
牧志 浩太

「……ようやく振り出しに戻ったな」
牧志 浩太

佐倉さんの部屋に向かう。
モチモチ佐倉

「フンフフーン♪」
KP
PCの前でドヤ顔でキーボードを叩いている佐倉がいる。
PCの電源は入っていない。
そしてキーボードはめちゃくちゃに叩かれたためか、一部キーが外れていた。
PCの電源は入っていない。
そしてキーボードはめちゃくちゃに叩かれたためか、一部キーが外れていた。
佐倉 光

「あ、あぁぁぁ俺のPC!」
モチモチ佐倉

「ザケンナ」
佐倉 光

「俺のセリフだっ!」
牧志 浩太

「あーあーあー……、どれだけやったんだ。
きっと、悪戯するつもりはなかったんだろうな」
佐倉さんには悪いけど、さっきの様子を見ていたら怒る気は起きなかった。
きっと、悪戯するつもりはなかったんだろうな」
佐倉さんには悪いけど、さっきの様子を見ていたら怒る気は起きなかった。
安里

「妙な所で台詞が合ってるな」
その状況だけ見れば怒ったかもしれない安里は、モチモチ攻めですっかり骨抜きになっている。
その状況だけ見れば怒ったかもしれない安里は、モチモチ攻めですっかり骨抜きになっている。
牧志 浩太

「こっちにおいで。全員集まってるよ」
PCの前にいる佐倉さんに手を伸ばす。
PCの前にいる佐倉さんに手を伸ばす。
佐倉 光

「つーかどうやったら戻るんだよ……これ」
KP
佐倉はモチモチ押しくらに加わってみたり、戻れと命令してみたりしたが、全く効果はなかった。
KP
マウス 牧志に踏まれた
キーボード なんかひどいことになってる
キーボード なんかひどいことになってる
牧志 浩太
あーあ。
KP
それなりにいいやつ使ってるのにっ!
牧志 浩太
珈琲豆といい、佐倉さんの損害が大きい!!
KP
KPCって、そういうものだよね……トオイメ
KP
※おしらせ
一応ですね。シナリオだとこの辺で夜になっちゃってて、一晩モチモチすることになっとりますね。
コンビニの人をヒントにして先へ進むことになるけど、明日の朝まで会えないことにしようかな!
一応ですね。シナリオだとこの辺で夜になっちゃってて、一晩モチモチすることになっとりますね。
コンビニの人をヒントにして先へ進むことになるけど、明日の朝まで会えないことにしようかな!
牧志 浩太
それはモチモチしたい!
ぜひそれでお願いします。
ぜひそれでお願いします。
KP
気がつけばなんだかんだで夕方だ。
モチモチ佐倉たちは落ち着いたのか、本をペラペラめくったり、より集まってモチモチしたり、延々と電気のスイッチをポチポチしたり、めいめいに好き勝手にしている。
モチモチ佐倉たちは落ち着いたのか、本をペラペラめくったり、より集まってモチモチしたり、延々と電気のスイッチをポチポチしたり、めいめいに好き勝手にしている。
牧志 浩太

てんで勝手に遊んでいる様子を見て、なんだか子供が集まってるみたいだな、と思う。
そういえば、シローもあそこから出た直後と、外に出られるようになってすぐの頃くらいは、色々手を出しては俺達をひやひやさせたっけ。
そういえば、シローもあそこから出た直後と、外に出られるようになってすぐの頃くらいは、色々手を出しては俺達をひやひやさせたっけ。
佐倉 光

「腹減ったな……」
KP
アタマ佐倉が呟いたのと同時に、あちこちからぐぅきゅるると音が聞こえた。
牧志 浩太

「確かに、随分走り回ったもんな。
コンビニに話聞きに行ってくるし、ついでに何か買おうか。
シローは何がいい?」
コンビニに話聞きに行ってくるし、ついでに何か買おうか。
シローは何がいい?」
安里

「じゃあ、俺とシローでこいつらの様子見とくよ。
食べ物は牧志と同じのでいい。……古島はまだ泣いてんのかな」
食べ物は牧志と同じのでいい。……古島はまだ泣いてんのかな」
佐倉 光

「俺も一緒に行くよ。
こいつら何食べるのかな。俺は普通に飯食いたいけど」
COMPをチェックしてみる。彼女から何か反応はあるだろうか?
こいつら何食べるのかな。俺は普通に飯食いたいけど」
COMPをチェックしてみる。彼女から何か反応はあるだろうか?
古島

古島から長いメッセージがひとつ来ていた。
古島

『さっきは、突然ごめん。
久しぶりに佐倉さんと二人でこういう異変みたいなのにぶつかって、佐倉さんに牧志って呼ばれて、少し錯覚したんだ。
……俺は、佐倉さんを代わりにしてたのかもしれない、
佐倉さんなら誰でもよかったのかもしれない、
今も俺達を探しているかもしれない佐倉さんを捨てたくせに、佐倉さんがいるから平気な顔してるのかもしれないって、思ってしまったんだ。
あれから、ここで考えた。
やっぱり佐倉さんは佐倉さんだし、佐倉さんじゃない。
でも、まだ少しだけ怖いから、もう少しここで考えさせていてほしい。
安里にはごめん、ありがとうって、伝えておいて』
久しぶりに佐倉さんと二人でこういう異変みたいなのにぶつかって、佐倉さんに牧志って呼ばれて、少し錯覚したんだ。
……俺は、佐倉さんを代わりにしてたのかもしれない、
佐倉さんなら誰でもよかったのかもしれない、
今も俺達を探しているかもしれない佐倉さんを捨てたくせに、佐倉さんがいるから平気な顔してるのかもしれないって、思ってしまったんだ。
あれから、ここで考えた。
やっぱり佐倉さんは佐倉さんだし、佐倉さんじゃない。
でも、まだ少しだけ怖いから、もう少しここで考えさせていてほしい。
安里にはごめん、ありがとうって、伝えておいて』
佐倉 光

「……」
佐倉 光

「最初はみんな、牧志って呼んでたろ……それにたぶんそれは浩子さんの」
佐倉 光

「……難しいな」
浩子たちの事情
KP
たとえばここにあの佐倉がやってきたら浩子さんと取り合う気か? って思ったけど、あの佐倉は増えるか。
牧志 浩太
あの佐倉さんは……、増えますねぇ。
なるほど増えてしまうことによってむしろ問題がなくなる例。
その前に増える要素がなかったとしても、古島さんはあの佐倉さんとの名前のない関係を浩子さんに譲って、自分は「友達」として一緒にいようとするかな。
牧志sとは運命を共にした姉弟・姉妹のような感覚になっているのと、浩子さんの方が本来だという感覚はあるので。
こういう所は、個体名がついた分ややこしくなった所なのかもしれない。
>最初はみんな牧志って呼んでた
なるほど増えてしまうことによってむしろ問題がなくなる例。
その前に増える要素がなかったとしても、古島さんはあの佐倉さんとの名前のない関係を浩子さんに譲って、自分は「友達」として一緒にいようとするかな。
牧志sとは運命を共にした姉弟・姉妹のような感覚になっているのと、浩子さんの方が本来だという感覚はあるので。
こういう所は、個体名がついた分ややこしくなった所なのかもしれない。
>最初はみんな牧志って呼んでた
佐倉 光

メッセージには「わかった」とだけ返して、安里に伝言だけ伝える。
安里

「気にするなって返しといて。
あと、この件が何とかなったら話は聞くからって」
モチ佐倉の一人を枕にしていた安里は、溜息をついてそう言った。
どことなく、きょうだいか何かに返すような口調だった。
あと、この件が何とかなったら話は聞くからって」
モチ佐倉の一人を枕にしていた安里は、溜息をついてそう言った。
どことなく、きょうだいか何かに返すような口調だった。
佐倉 光

安里の言葉をそのまま返信に打つ。
佐倉 光

「行こうか、牧志」
牧志が多すぎるんだ、ここには。
牧志が多すぎるんだ、ここには。
牧志 浩太

心配だけど、佐倉さんが言わなかったってことは、古島さんの中で何か理由が通っていて、佐倉さんにとっても納得のいくようなことなんだろう。
聞くのはやめておいた。
聞くのはやめておいた。
牧志 浩太

「ああ、行こうか」
戸締りを再度確認して、佐倉さんをポケットに入れる。
すぐ近くのコンビニへ向かう。
戸締りを再度確認して、佐倉さんをポケットに入れる。
すぐ近くのコンビニへ向かう。
KP
コンビニにはよく見るおばさんがいた。
「いらっしゃいませぇ~」
美味しそうな揚げ物とおでんの香りがしている。
「いらっしゃいませぇ~」
美味しそうな揚げ物とおでんの香りがしている。
牧志 浩太

「こんばんは」
かくかくしかじか、と昨日の夜の話を聞く。
かくかくしかじか、と昨日の夜の話を聞く。
KP
「あぁら、ケンちゃんのことね。ごめんなさい、明日の朝とシフト代わって貰ったのよぉ。
明日の8時からのシフトにいるはずだから、明日来て貰えるかしらぁ」
おばちゃんは申し訳なさそうに言った。
明日の8時からのシフトにいるはずだから、明日来て貰えるかしらぁ」
おばちゃんは申し訳なさそうに言った。
牧志 浩太

「そうだったんですね。
分かりました、また明日聞きに来ます」
店内に何か痕跡が残っていないか見て回るついでに、食べ物を買う。
分かりました、また明日聞きに来ます」
店内に何か痕跡が残っていないか見て回るついでに、食べ物を買う。
牧志 浩太

ポケットの佐倉さんに、何にする? と無言で視線を向ける。
牧志 浩太

俺は折角だから、おでんにしよう。それとお握り。あと揚げ物を少し。
安里はあの大きさでどれくらい食べるのかな……。
足りなかったらまた買いに来るか。
モチモチの「佐倉さん」達の分は、佐倉さんと同じものを全員で一人分ほど買ってみよう。
食べられなかったら、その分は俺達の明日の朝食だ。
安里はあの大きさでどれくらい食べるのかな……。
足りなかったらまた買いに来るか。
モチモチの「佐倉さん」達の分は、佐倉さんと同じものを全員で一人分ほど買ってみよう。
食べられなかったら、その分は俺達の明日の朝食だ。
KP
佐倉はあなたのポケットの中から食べたい物をこっそり指さしたりして、買い物に参加した。
KP
店内には痕跡のような物は残っていない。
そもそもあったとしてもとっくに仕事熱心な店員達に片付けられていることだろうし、
何かあったなら朝の店員が教えてくれたのではないだろうか?
そもそもあったとしてもとっくに仕事熱心な店員達に片付けられていることだろうし、
何かあったなら朝の店員が教えてくれたのではないだろうか?
牧志 浩太

店内はすっかりいつも通りの様子になっている。
それもそうだ。もう掃除されてるだろうしな。
それもそうだ。もう掃除されてるだろうしな。
牧志 浩太

気を取り直して一通りの食べたい物を買い、おばさんに礼を言って家に戻る。
コメント By.KP
何故かショックで引き籠もる古島。
代打で出てくる安里もモチモチまみれになり、佐倉は自分の居場所を守るために〈言いくるめ〉でクリティカルを出すのだった。
何故かショックで引き籠もる古島。
代打で出てくる安里もモチモチまみれになり、佐倉は自分の居場所を守るために〈言いくるめ〉でクリティカルを出すのだった。
【クトゥルフ神話TRPG】
本作は、「 株式会社アークライト 」及び「株式会社KADOKAWA」が権利を有する『クトゥルフ神話TRPG』の二次創作物です。
Call of Cthulhu is copyright ©1981, 2015, 2019 by Chaosium Inc. ;all rights reserved. Arranged by Arclight Inc.
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TRPGリプレイ ダブルクロス3rd 第六話『胞子の島』1
今回はシナリオクラフトです。
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