こちらには
『7匹のもちもち神話
のネタバレがあります。

牧志 浩太

お人好しで温厚、だが意思は強い好青年だったが……。
とある事情で二年より前の記憶の大半を失い、代わりに悪魔使い波照間紅の記憶を持っている。
首から胸へと続く奇妙な【契約】の痣がある。たまに痛むという。
生贄体質らしく、事件に巻き込まれることが多い。

佐倉とは友人。


佐倉 光

サマナーで悪魔退治屋。ハッカーでもある。
基本、知性・理性・効率、そういったものを重視する冷静な青年。とある事件より、体中の痛みに悩まされている。
基本悪魔を召喚して戦うが、悪魔との契約のカードを使ってその力を一時的に借りることもできる。

巻き込まれ体質らしい。

牧志とは友人。


とある事件以来、特殊な事情のため二人が面倒を見ることになった少年。
超美形で類い希な理解力と知性を有する。
年齢は7歳程度。生育環境が特殊だったため、一般的な教育を受けていないので、言語が年齢の割に幼い。


少し前に現れた6人の異星人。佐倉と契約して彼の仲魔として存在している。
その正体は、何にでも変身して喰らい殖える不定形生物だったが、『人間』としての意識を持ち、この星での人間との共存を試みている。
古島は好奇心旺盛な性格で、それが事件を引き起こしてしまうことも。女性。


KP
佐倉がモッチモチになるらしい。
牧志 浩太
もちもちと佐倉さんのギャップで既にわくわくしますね。よろしくお願いします。
KP
よろしくお願いします!
牧志くんの中の人、シナリオはちょっとだけ読んでいて、あるキャラクターたちの正体だけ知っている状態です。
KP
あなたと佐倉が異世界の住人と共に奇妙な体験をした事件からしばらくのち。
ある朝。あなたは夢現の中、なんだか懐かしい感触を味わっていた。
幼い頃、寝こけているあなたを、白い前足が優しく起こしてくれたものだ。
牧志 浩太
ずっと昔の夢を見ていた気がする。
少し小さい弟と、随分年下の妹と一緒に遊んでいた夢。

遊び疲れて寝ると、夕ご飯の時間にはいつも起こしてくれる。
夢うつつの中に味わう、懐かしい感触。

ユキだっけ? ナガグツだっけ?
ああでも、ナガグツはいつも腹にぽーんと飛び込んでくるから、これはユキかな。
牧志 浩太
「うーん……、ユキ……」
半分眠りの中で、声を漏らす。
KP
むにっ。
ほっぺに柔らかい肉球が触れた気がした。
むにむに。何か小さな生き物があなたをユサユサしている。
牧志 浩太
「うーん、もうちょっと……」
うつらうつら。うつらうつら。
うとうと漂う眠りが気持ちよくて、目を開くのが惜しい。
KP
てちてち。小さな前足はあなたの頬や首を叩く。
柔らかく温かい感触は心地よいほどで、マッサージにも感じられる。
その小動物は何か鳴いているようだった。
それは猫の鳴き声のようにも聞こえたし、かすかな人の声にも感じられた。
牧志 浩太
ああ、気持ちいいな。
ユキ、お腹がすいてるのかな。そうか、今日はユキにごはんをあげなきゃいけないんだっけ。
名残惜しい気持ちを押さえて、ゆっくりと眼を開く。
佐倉 光
「おい!!!!」
KP
丸まっちい顔が目の前でドアップになっていた。
どっかで見たような。そうでもないような。
佐倉 光
「起きろって! おい!!」
牧志 浩太
「うーん……、ユキ……、いまご飯あげるから……」
一度、二度、目をまたたく。まだ視界がぼんやりしている。
なんだか丸っこいものが見える。なんだっけ、ユキにしては黒いような……。
佐倉 光
「誰がユキだ、寝ぼけんなって。俺だよ俺」
その丸い生き物は聞き覚えのあるような声で嘆いた。
佐倉 光
「まいったなぁー、力もないみたいだ」
もっちもちの肉球をもつ生き物は、ひどく聞き覚えのあるため息をついた。
牧志 浩太
「……ん……」
牧志 浩太
「……」
ようやく頭がはっきりしてくる。
もう一度、その丸い生き物をよく見ると。

なんだか聞き覚えのある声と顔。
牧志 浩太
「……佐倉さん!?」
驚いて跳ね起きた。
佐倉 光
「うわ!?」
その生き物はコロコロ転がってベットから飛び出た。
牧志 浩太
「ご、ごめん!」
落ちた佐倉さん(?)を慌てて探す。
KP
その縫いぐるみじみた丸っこい生き物は顔面から床に突っ込んでぽよんと跳ね返った。
佐倉 光
「はー。びっくりした」
佐倉 光
「よう、おはよう、牧志」
KP
床で手を振るそれは、明らかに佐倉で、そして明らかに佐倉ではなかった。
縫いぐるみじみた寸胴の丸い体、やたらとでっかい目、申し訳程度の鼻と口。
肉球かと思ったのは柔らかい手のひらだったらしい。
いつもの黒いパーカーもご丁寧に小さく、三頭身程度の体にちょうど合うような、ばかでかいフードの服になっていた。
SANチェック成功時減少 0失敗時減少 1
牧志 浩太
1d100 52 《SANチェック》 Sasa 1d100→ 54→失敗
SAN 52 → 51
KP
ショック受けてーら。


CoCシナリオ「7匹のもちもち神話」

下着堂本舗 様 作


牧志 浩太
「え、えっと……、お、おはよう、佐倉さん??」
目の前の何か(?)が佐倉さんだというのは分かる。
佐倉さんだ。うん、佐倉さんだ。
でも、これは何だ? 異変? 俺が夢を見てる? ええ?

佐倉さんには似合わないくらい、何というか、かわいい。
最近ちょくちょく見る、ゲームキャラのデフォルメフィギュアみたいな、ああいう感じだ。
佐倉さんの目つきや雰囲気のイメージをそのまま、うまーくデフォルメしたらこうなるんだろうなっていう……。
佐倉 光
「おう」
KP
佐倉はぶっきらぼうに応えた。
佐倉 光
「見りゃ分かると思うけど、妙なことになっててさ。
悪いけどそっち上げてもらえるか?
登るのマジ大変だったんだ」
牧志 浩太
「あ、ああ」
縫いぐるみのようなそれは、どの程度の大きさなのだろうか。
抱える程なら腕で抱え、小さいなら掌ですくい、ベッドの上へと運ぶ。
KP
手のひらサイズだ。高さは10センチほど。三頭身……いや、2.5頭身くらいのサイズだろうか。頭がとにかくでかい。
腕も足も短くて丸っこく、やわらかあったかい。
いつもの目つきの悪さですら、かわいい、と思えてしまうようなキャラクターじみたデフォルメだった。
佐倉をできる限り可愛く縫いぐるみにしたらこんな感じだろう。
……どうやら手触りは多少モチモチして柔らかいものの、肌の感触、ちょっと固めの髪の感触、柔らかいポリエステルの黒いパーカー、生きて動いている人間の、ようだが。
牧志 浩太
かわいい。柔らかい。
……でも佐倉さんが縫いぐるみに変えられてしまったとかじゃなくて、生きてるみたいだ。

え、何だこれ??
かわいい好きの呪いか? どこかの悪魔に呪われた??
牧志 浩太
「えっと……、何だそれ、いつからそうなったんだ?」

ベッドの上に運んだ佐倉さんと、潰さないように向き合う。
うち猫とかいなくてよかった。遊ばれる。
牧志 浩太
猫はいないけどシローはいる。物分かりいいから制止したらすぐ止めそうだけど。
牧志 浩太
冷静に向き合ってるような言い方でも、顔が驚きで一杯になってる自覚はある。
佐倉 光
「ああ。そーゆー顔になるよな」
KP
声もいつもより少し高く、鼻をつまんだような声になっていて、キャラクターじみている。
しゃべり方のテンポは間違いなく佐倉なのだが。
KP
佐倉は昨日の夜遅くになっても戻らなかったが、それについては予告があった。
明日は仕事の関係で恐らく、いやまず確実に遅くなる。
あなたはもしかしたら起きていようとしたかも知れないが、昨日はちょっとハードだったので起きて待つのはちょっとしんどかった。
で、起きてみたらこれだ。

佐倉は自分の短い手足を見下ろして首を振った。
牧志 浩太
もともと、俺と佐倉さんは生活時間が合わない。
毎回起きて待っているなんて、土台無理な話だ。

それでもここ最近、あの一件のせいで何となく不安になって、毎回起きて待っていた。

で、その結果、寝不足になっていたのだ。
で、その結果、盛大に寝た。
佐倉 光
「こんなになってるけど俺は佐倉光だ。自認はな」
牧志 浩太
「それで佐倉さんじゃないって可能性があるのか。
それは困るな。姿はともかく、どう聞いても佐倉さんなんだけど」
牧志 浩太
『いつものフレーズ』を口に出して、儀礼程度に確認する。
どっちかと言うと、「いや確実に佐倉さんだと思うけど」という確認の意味が強い。
牧志 浩太
「仕事から戻ったときは普通だった……んだよな、きっと。

仕事中とか仕事の後とか、何か気になったことはなかったか?
仕事中に変な悪魔にちょっかい出されたとか」
佐倉 光
「まあ、俺は俺だと思うけど」
KP
佐倉は頭をガリガリと……掻こうとしたらしいが、頭に手が届かなかった。
なにしろ頭の大きさに対し手が短い。頬の辺りで限界だ。
佐倉は胸のあたりに手をやってため息をついた。
ちっちゃな星形のお守りは胸元にあり、それに触れることはできたようだが……
佐倉 光
「ヒランヤが丸い……落ち着かねー」
KP
とんがっているとアブナイからだろうか。
牧志 浩太
「うーん。持ち物まで影響受けてるのか。
幻……、じゃないよな?」
佐倉さんの頬や身体を触って確認する。もちもち。
佐倉 光
「記憶がいまいちはっきりしねぇんだ。
仕事が終わって帰る前にメッセージ入れたのは覚えてる。
で、帰ろうとして車に乗って……降りた、よな……確か」
短い指で唇のあたりを叩いている。
いつもなら思い出そうとする時にやっている、額を叩くアクションだと気付くだろう。
牧志 浩太
「また、仕事の帰りに何かに巻き込まれたやつか」
そういうの多過ぎて困る。また不安になりかねない。
牧志 浩太
「無事じゃないけど、帰ってはきてくれてよかった」
牧志 浩太
メッセージがちゃんと来ているか、スマートフォンを確認する。
KP
確認するなら、ヒランヤやクリオネなどのお守り類は首にさがっている。(頭がでかすぎるので外せなさそうだが)
左腕の腕輪も残ってはいる。えらく丸っこいが。
そういえば昨日は牧志sは夜の仕事なので喚んでいなかったのだった。
佐倉 光
「まあな、戻ってこられただけ重畳か」
KP
顔に青い縦線が入った。
言葉と裏腹に困っているのが丸わかりである。
KP
スマートフォンにはメッセージが来ている。
『今から帰る』
素っ気ない文章に、夜の街の写真がついていた。
牧志 浩太
佐倉さんの頬や身体を真顔でもちもちしてみるが、体の大きさや輪郭、感触は見た通りだろうか?
KP
もちもち。
赤ちゃんの肌を思わせるハリと柔らかさだ。体の大きさも感触も見た目通り。
どうやら見た目通りの存在になってしまっているようだ。
骨も相当細くなっているのではないかと考えられるが、
肉や肌の弾力は大分強く、強めに押しても跳ね返される。
そういえばさっき、サイズ比で言えば結構な高さから落ちただろうに、全く平気な顔をしている。
もっちもちだ。かわいい。
牧志 浩太
確認のつもりが、暫く頬をもちもちしてしまう。
柔らかい……もちもちだ……。
佐倉 光
「ああ、俺からは感覚はいつも通りなんだけど、痛覚回り鈍い気がするかな」
KP
もちもちの体は風船じみているといえなくもないが、もっと確かな肉の感覚がある。
つるつるの肌と相まって、ストレス解消用グッズみがある。
佐倉 光
「…………」
KP
もちもちつるつるで手触りがいい。ずっと触っていたくなってしまう魅惑的な感覚だ。
佐倉 光
「…………」
KP
もちもちもちもち
佐倉 光
「おい、いい加減にしろって」
牧志 浩太
「ご、ごめん、気持ちよくてつい」
もちもちの触感につい夢中になっていた。
もっと触っていたい、かわいい、食べたら美味そう、そんな気持ちが込み上げてくるのをこらえて手を離す。
佐倉 光
なんか寒気がした。
牧志 浩太
「?」
牧志 浩太
写真に気になるものは映っていないだろうか?
また、それはどこの写真だろうか?
KP
写真には特に気になるものはない。
まあ気になると言えばいつも通り、住所が分かるもの……今回の場合は信号が映り込んでいるが、
そんなの調べるまでもなく佐倉自身がどこで撮った写真なのかを解説してくれる。
池袋駅前、グリーン通りの東口五叉路で撮った写真らしい。
写真を撮ってから車で帰ってきたとのことだ。
車で30分程度の距離だ。深夜ならもっと早く戻れただろう。
牧志 浩太
「うーん。ここまでは無事だったってことだな。
車がちゃんと戻ってきてるか、後で確認しよう」
もちもちしてしまったのを誤魔化すように続ける。
佐倉 光
「ああ、車から降りるところまでは記憶にある。
確かその後……近くのコンビニに行った気がするな。飲み物欲しくて。
そのあたりから曖昧だ」
牧志 浩太
「コンビニか……。コンビニって、うちの近くの?
とりあえず、何か残ってないか車を調べてみるか。その後はコンビニだな」
佐倉 光
「そうだな。いつもの所に停めたはずだよ。コンビニも出てすぐのイン&ヤンだったし」
牧志 浩太
「佐倉さん、COMPは普通通り動きそう? 
自分に《アナライズ》はしてみた?」
佐倉 光
「あ、そうだな」
KP
佐倉は短い腕を伸ばして腕輪に触れる。
ピコピコと玩具じみた音を立ててCOMPが展開したが、なんだかこれも丸っこい。
佐倉 光
「ディスプレイ見えねー」
KP
腕が短すぎ、頭がでかすぎて、腕についているCOMPの液晶画面は見られないのだった。
牧志 浩太
COMPの小さなディスプレイを覗いてみる。
KP
ディスプレイには
【HUMAN】と書いてあった。
ただ、身体能力の欄が明らかにおかしい。
「STR・VIT」が一桁になっていた。
牧志 浩太
「一緒に移動できそうなもの……。
佐倉さん、ポケットとか入れそう?」
衣装入れを探して、胸ポケットつきの白いシャツを取り出す。
佐倉さんの大きさとシャツのポケット、ジャケットのポケットの大きさを見比べる。
KP
シャツの胸ポケットだと胴体だけ入ることはできそうだ。頭はちょっと……難しそうだ。
バランス的に少し不安は残る。
ジャケットのポケットなら問題なく入れるが、頭がほぼ埋まる上にぱっつぱつになりそうな感じはする。
佐倉 光
「なんか踏み台つけてジャケットに入るのが無難かなー」
牧志 浩太
「だな。
バランス悪いと走らなきゃいけなくなった時に困るし、そうしよう。

エネルギーバーとハンカチでも下に重ねて、その上に乗ってもらうか」
ポケットの物を入れたり出したりして、佐倉さんが入れそうなスペースをジャケットのポケットにこしらえる。
KP
そんなことをしていると、なんだかリビングが騒がしい。
シローが朝八時のヒーローアニメの真似でもしているのか、という雰囲気だったのだが、
なんだかキャッキャという楽しげな声があちこちから聞こえてきている。気がする。
一人の声ではないような気が……する。
牧志 浩太
「……ん?」
シローが子供向け番組でも見てるのかな、と一瞬思ったが、それにしては妙に楽しそうな声がリアルだ。
牧志 浩太
「……んん? 妖精族でも出たか?
でも、家の中にそうそう悪魔出ないよな。むしろ出たら困る」

何だか楽しげだけど、もしかしてこれも何かの異変じゃないのか。
牧志 浩太
「佐倉さん、あの声に心当たり……、ある?」
佐倉さんに考えを共有して、聞く。
佐倉 光
「……いや。なんかいるな。シローじゃない」
KP
緊張した佐倉の声はやはり高い。
ふと、思う。
この謎の声と今の佐倉の声、なんか似てないか?
KP
佐倉は骨伝導とかで自分の声に似てても分かんない。
牧志 浩太
確かに。
牧志 浩太
「そうか」
佐倉さんを利き腕と反対側のポケットに入れる。
今の佐倉さんの声と似ている……、やっぱり、この異変と何か関係しているんだろう。
勢い、緊張が高まる。
牧志 浩太
「……」
部屋の扉に隠れながら、そっと扉を少し開けてリビングの様子を窺う。
KP
1d100 79〈聞き耳〉 Sasa 1d100→ 32→成功
KP
部屋が一瞬で、しん、と静まりかえった。
テレビのCMが賑やかに商品を売り出している。
いくつもの視線を感じる。
KP
「おはようまきし!」
リビングのソファの上でコロコロしているシローが手を振る。
テレビを観ていたらしい。まあそれはいつも通りだ。
KP
彼の腕の中でモチモチの佐倉が
モチモチ佐倉
「アハー」
KP
と声を上げ、そしてまた部屋が騒がしくなった。

開いた本(ただし上下が逆だ)を覗き込んでいるモチモチ佐倉。
コーヒーマシンに乗っかっているモチモチ佐倉。周囲に粉が散らかっていていい香りがしている。
なんだか佐倉の部屋の方からも楽しげな声と、キーボードをガシャガシャ叩く音が聞こえる。
佐倉 光
「な……な……」
佐倉 光
「なんだこれー!?」
KP
あなたのポケットで佐倉が悲鳴を上げた。
SANチェック成功時減少 0失敗時減少 1d3
佐倉 光
1d100 61 《SANチェック》 Sasa 1d100→ 59→成功
牧志 浩太
1d100 51 《SANチェック》 Sasa 1d100→ 83→失敗
1d3 Sasa 1d3→3
SAN 51 → 48
牧志 浩太
身構えて扉を開けて……
牧志 浩太
「」

絶句した。
牧志 浩太
「え、ええ、えええええ」
え、何だこれ、なにこれ??
佐倉さんがいっぱい??
もちもちの佐倉さんがいっぱいで、かわいいけど部屋がめちゃくちゃでめちゃくちゃだ!?
牧志 浩太
「なんだこれぇえええ!?」
思わず、叫びながらポケットの中にいる佐倉さんを死守した。
モチモチ佐倉
「!?」
KP
あなたの叫び声を聞いて、モチモチしたほかの佐倉はびくぅっと身を震わせた。
そして逃げ出す!
佐倉の部屋からも物がひっくり返るような音が聞こえてきた。
開いていた窓から、ぽーんぽーんと飛び出す。
牧志 浩太
「えっえっああぁ逃げちゃった!? ちょっ外危ない!」
慌てて窓の外を覗く。
KP
ぽよんぽよん。外の地面にぶつかり、ぷきゅ! と音を立て、しかし平気な様子で『モチモチの佐倉』たちは起き上がる。全部で六体の小さな姿が外へと走って行った。
KP
「あー、いなくなった」
静かになった部屋で、シローがぽつりと呟く。
本編見る!
KP
【アイデア】っ!
牧志 浩太
1d100 90【アイデア】!  Sasa 1d100→ 90→成功
出目が動転してるけど成功
KP
あなたはぱっと見で気付く。
コーヒーマシーン。本。冷蔵庫の側にはレンチンして食べるバーガー。佐倉の部屋からはキーボードの打鍵音。
どうやら彼らは佐倉が好む行動をしていた。
やはり佐倉だからだろうか。

そしてまた、彼らの知能は今ポケットで呆然としている佐倉よりも低いように見えた。
牧志 浩太
めちゃくちゃに悪戯されているように見えた部屋に、ふっと佐倉さんの面影を感じた。
最初に見た一瞬、グレムリンか何かだと思ったんだ。間違っても佐倉さんじゃないと。

でも、これは……、やっぱり佐倉さんなのかもしれない?
佐倉さんは嫌がりそうだけど!
牧志 浩太
「ごめんシロー、留守番頼む!」
とにかくグレムリンだろうが佐倉さんだろうが、逃がすわけにはいかない!
牧志 浩太
室内をざっと見回して、残っているのがいれば捕まえていく。
いなければ、佐倉さんとともに逃げた六人? を探す。
KP
あ、さっき逃げたの五人にしよ。
KP
室内をざっと見る。
〈目星〉
牧志 浩太
1d100 98〈目星〉 Sasa 1d100→ 18→成功
KP
佐倉の部屋の布団が少し盛り上がってモゾモゾ動いていた。
牧志 浩太
「!」
声を上げそうになるのをこらえて、布団の上からそーっとキャッチする。
KP
しのびあし どうぞ!
〈忍び歩き〉または〈隠す〉【DEX】×5 のいずれか
KP
布団の下からフンフーン♪と鼻歌が聞こえてくる。
牧志 浩太
おっと、先に窓と部屋の扉を閉めておく。
1d100 40 DEX Sasa 1d100→ 99→致命的失敗ファンブル
牧志 浩太
すごく無理だった!
KP
では、扉と窓を閉めようとしたときに、床に転がっていたマウスを踏んでしまった!
いつもはこんな物落ちていないのに!
お布団の中の膨らみがモソモソモソモソとふちへ移動する。
牧志 浩太
「!?」
派手に踏んづけた! 痛い!
KP
咄嗟にどうする?
窓を閉める、布団を抑える、その他何か好きなことをして良い!
牧志 浩太
窓を閉める!
KP
okでは【幸運】
牧志 浩太
1d100 60【幸運】 Sasa 1d100→ 28→成功
KP
あなたはモソモソが出口を求めて動き回っている間に、なんとか窓を閉める。
マウスからちょっと嫌な音がしてポケットの佐倉が何やら物言いたげにしていたが、些事だ! 
モソモソから飛び出した生き物は窓にビターンとはりついた。
佐倉 光
「なんだこいつ、俺!?」
牧志 浩太
「っうぇ、危ない……!」
危なかった! これ以上逃がすわけにはいかない。
牧志 浩太
張りついた所をキャッチできるだろうか。
KP
後ろからつまもうとすると、フード部分が丁度いい。
ぷらーーーーんとぶら下がって、チビ佐倉は「ちっ」と舌打ちをした。
佐倉 光
「感じ悪」
KP
ぐちゃぐちゃになった布団の中に硬い物がある。平たい板のようなものだ。
牧志 浩太
「ん?」
チビ佐倉さん(仮)を摘まんでぶら下げたまま、布団を剥がしてその板を見てみる。
KP
そこにあったのは電源が入ったままのタブレットだった。
月刊アヤカシのコラムが開いている。
【エジプトの「オシリスとイシスの伝説」について】

オシリスの弟のセトは、オシリスから王位を奪おうと暗殺計画を企てていた。
一度は暗殺に成功し遺体を川に流すが、オシリスの妻イシスの尽力により遺体の奪還に成功する。
しかしそれを知ったセトはオシリスの遺体を「頭部」や「腕」など14の部位に切断してしまう。
そしてバラバラになったオシリスをエジプトじゅうにばらまいた。
(以下伝説の顛末が書き綴られている…)
牧志 浩太
「…………」
その内容を見て、以前自分がバラバラにされた時のことを思い出した。
佐倉 光
「なんなんだ、こいつら……」
KP
佐倉はモチモチの佐倉をじろじろと見ている。
佐倉 光
「知らねぇぞ、こんな奴ら」
牧志 浩太
「佐倉さん、これは全くの想像なんだけど、嫌なこと思った。
佐倉さんがバラバラにされてこうなったんじゃないか、って」
佐倉 光
「なんでいきなりそんな話に……」
KP
言いながらタブレットを覗き込んだ。
佐倉 光
「……すると俺って、頭なのかな?」
牧志 浩太
「そう。佐倉さんは頭部だから佐倉さんのままなんじゃないかって、思った。
想像だけどさ。とにかく、そうでもそうでなくても、あいつら唯一の手掛かりだ。このまま逃がすわけにはいかない」
牧志 浩太
捕まえた方をつかんだまま反対側のポケットに入れてみるけど、逃げようとする?
KP
モソモソとポケットの中に潜り込んでいる。舌打ちしながら落ち着いたようだ。
佐倉 光
「俺こんなかなぁ……」
KP
佐倉は大分不満げにしていた。

ちなみに頭じゃない佐倉(?)は逃げようとはしない。ここに置いていっても問題ない。
KP
ちょっとCOMP使いたいんだよねー
牧志 浩太
あ、確かにこちらはまだアナライズしてない。
佐倉 光
「鞄にタブレットと一緒に突っ込んどこうぜ」
牧志 浩太
「そうだ、佐倉さん。こいつを《アナライズ》できる?」
捕まえた方を鞄にタブレットと一緒に入れながら、佐倉さんに聞く。
佐倉 光
「あ、そうだな。狙いが付けづらいけど……」
KP
佐倉はアナライズ操作をして、あなたに左腕を上げて見せた。
【HUまン♪】
力 1
体 2
知 いチ
KP
……なんか表示がちょっとおかしい。バグっているのだろうか。
牧志 浩太
「ご機嫌なバグり方されても困る」
当初の予定通り、鞄にタブレットと一緒に入れておこう。
牧志 浩太
「シロー、この子が家の外出ないように見てて。
外は車とか危ないから。ごめん、頼む」手早く頼んで、今度こそ外へ出よう。
佐倉 光
「あ、ひとつ試したいことがあるんだけど」
牧志 浩太
「あっごめん、何?」
おおっと急ブレーキ。
KP
すまない牧志。急がなきゃならないのはその通りなんだ!
牧志 浩太
何せ相手がちっちゃすぎる。街に紛れちゃったら捕捉不能になりますからね。牧志、あせる。
KP
佐倉は手早く召喚コマンドを打ち込んだ。
佐倉 光
「来い、ラミア!」
佐倉 光
「この俺も『人間男』判定なら、《悪魔のキス》が有効か試したくて」
牧志 浩太
「あっ、成程それは大事だ。
ごめん佐倉さん、俺焦ってるな」
胸に手を置いて、すーはー、すーはー。
KP
どばーん!
随分いつもより小さな光の柱が……ちょんみりと出た。
牧志 浩太
ラミアさんは出てきただろうか。スライムになってない?
KP
「喚ん……ちょっとなによこれ!!」
甲高い声で叫んだのは、牧志の手のひらの上に出てきたちっちゃくてキャラクター的にぶっといラミアだった。
佐倉 光
「うーわ。マジかよ」
牧志 浩太
「えっ」
ラミアさんも小さくなった! 
スライムにならなくてよかったけどちょっと意外だ。かわいい。
牧志 浩太
「呼べるのか、よかった。でも小さい。
と、とにかく小さい同士なら効くかも」
KP
「変な状態で喚ばないでくれる!?」
ラミアはぷんぷんと怒り狂い……消えた。
KP
モニターにはBOYCOTTと表示されている。
牧志 浩太
「あー、あーあー、怒られた」唖然。
佐倉 光
「なんだよクソ、あれはあれで小さい人手があれば助かるかも知れないし、
悪魔でも外に出られるのに……
出ようか、牧志」
牧志 浩太
「ああ。随分出遅れた、急ごう。
街に紛れられたら捕捉不能になる」

KP
悪魔類もこんな感じで……出ます。
牧志 浩太
楽しい。
KP
ラミアは付き合いません。プンスコ
牧志 浩太
BOYCOTT笑っちゃった。
KP
というわけで(別人だけど)牧志もちょんみりモチモチしようぜ!!!
という思惑でした!
牧志 浩太
なるほど! いえーいモチモチしよう!

牧志 浩太
「……《悪魔のキス》は使えないけど、古島か浩子さんなら出てきてくれないかな?」
この状況を一番楽しみそうな一人と、受け入れてくれそうな一人の名を挙げた。
佐倉 光
「そうだな。喚んで助けてもらえるか訊いてみるか」
KP
古島を召喚!
佐倉 光
「できてっかな? いまいち自信ない」
古島
「外界だー!」
くるりと軽やかに宙返りして、小さな光の柱から古島が現われた。
……やっぱり小さいし、もちもちしている!
古島
「あれ? 世界がでかい。牧志がでかい! 巨大!
いや、俺が小さい? 小っちゃくて丸い。
えっ、佐倉さんも小っちゃい! 何これ?」
古島は楽しそうに丸っこい手足をぱたぱたと動かす。
佐倉 光
「説明は移動しながらする。できれば協力して欲しい!
よし、行くぞ!」
ビシィ、と玄関を指す。
移動しながら起きたことを古島に説明するよー
古島
「お、ってことは何かピンチ? 分かった、任せてよ」
古島
「ま、俺もちっちゃいけど!」
小さい古島はすぽんともう片方のポケットに落ち着く。
牧志 浩太
「ああ、行こう!」
外へ!
牧志 浩太
あ、波照間先輩に「小さいもちもち佐倉さん見つけたら、捕まえてほしい。佐倉さんがバラバラにされたかもしれない」とメッセージ送っておく。
KP
お、なるほどなるほど

KP
まずはどこへ行く?
佐倉たちが落ちたベランダ下には丸っこい物が落ちた痕跡はあるものの、そこに残っている佐倉はいないようだ。
ここからなら駐車場とコンビニが目の前である。
牧志 浩太
「くそ、もう残ってないか。あまり遠くまで行ってないといいけど」
彼らは埃や土を落としたり、何か痕跡を残していないだろうか?
KP
彼らの体重が軽すぎるためか、足跡は残っていない。
KP
どこからかキャッキャと喜ぶ声が聞こえてくる。
どこからだ?
どうやらすぐ近くのようだが……

駐車場方面から声がする。
牧志 浩太
「!」
車の下か中にでも入っているんだろうか。
佐倉さんの行動をなぞっていたようだから、車に乗ろうとしているのかもしれない。
牧志 浩太
「古島さん、佐倉さん、あっちだ。駐車場」
駐車場に足を向ける。
KP
駐車場に着くと、佐倉の車があった。
そこに奇妙な物はなかったが、駐車場から外へ向かった先に何やらゴチャゴチャと落ちていた。
どうやら佐倉の荷物のようだ。声はそこから聞こえる気がする。
モチモチ佐倉
「む」
KP
荷物の中に座り込んでいる小さな影が振り向いた。
モチモチ佐倉
「むむむむむ」
そいつは近くの物を手当たり次第に投げつけてくる!
牧志 浩太
「あーあー、大惨事。投げるな投げるな、乱暴する気はないよ。
一緒に行こう」
ぎこちなく笑い、警戒を解こうと試みる。
古島
「そうそう。俺と遊ぼう」
ポケットから古島が飛び出し、てんてんと丸く跳ねながら地面に着地して笑いかける。
KP
では古島ぶんの修正+15して何らかの交渉技能だ!
牧志 浩太
やったぜ! 真摯に〈説得〉だ!
捕まえる気はあっても乱暴する気がないのは本当だし。
牧志 浩太
1d100 96〈説得〉
Sasa 1d100→ 25→成功
モチモチ佐倉
「むー」
KP
モチモチ佐倉は、モッチモチの腕で腕組みをして鷹揚に頷いた。
そしてその場で地面にぐねぐねと井の字らしき物を描き始め、古島に挑戦的に棒きれを差し出す。
古島
「おっ。受けて立つ」
必勝法を使うなどという大人げないことはしない。受けて立つ!
古島は笑顔で棒きれを受け取る。
モチモチ佐倉
「むっ!」
KP
古島が乗ってくれたのが嬉しかったのか、ちびモチ佐倉は嬉しそうだ。
佐倉 光
「なんだよこいつ……」
KP
佐倉が呆れたように呟く。
ぶん投げられた佐倉の荷物がそこかしこに散らばっている。
佐倉 光
「パズルと言えなくもない。一応俺っぽい……のか?」
KP
牧志のポケットの佐倉ヘッド(仮)は不満げにしつつも散らばった荷物を見る。
牧志 浩太
「本当、なんなんだろうな。
見た目は佐倉さんで、居場所も佐倉さんっぽいのに、行動だけ見てると佐倉さんには思えない」
佐倉さんが子供になった時のことを思い出して、思えないということもないかもな……、と思う。
が、当人の感情を慮って「思えない」ということにしておく。
KP
慮られた!
牧志 浩太
「他の連中もここに来たのかな。
そういえば最初、車見てみようって話してたよな」
牧志 浩太
散らばっている荷物を拾いながら、彼らの痕跡がないか探す。
また、荷物の中に見慣れない物などはないだろうか?
KP
あなたが散乱した荷物の中からスマホを拾い上げると、ぶるぶる、と着信を示す振動。
佐倉 光
「……ん? それ、着信元が俺のスマートフォンだ。その荷物の中にないのか?」
佐倉 光
※いくつかあるスマホのひとつがここにあって、他の佐倉のスマホから連絡が来ている状態。
牧志 浩太
「えっ? ……、佐倉さんのスマホから?」
牧志 浩太
「あいつ、スマホに悪戯した?
それか、他の佐倉さんが電話をかけて……、いや、誰かが佐倉さん攫って電話掛けてきたとかじゃないだろうな!?」
嫌な予感に襲われて、着信を取る。
牧志 浩太
慮ってたけどつい出た>佐倉さん呼ばわり
KP
スマホにはメッセージが来ている。
写真だ。
いつも佐倉がやっているような、自分の場所が分かるような写真……ではあるのだが、
『コンビニの住所表示……を背景にした犬の糞』だったり、
『大きな有名スーパー……を背景にしたガムのくず』だったり、
『電話ボックスの識別プレート……を背景にしたドヤ顔の自撮り』だったりした。
佐倉 光
「……場所は、分かるけどな……?」
KP
佐倉がもの凄く不満そうな顔をした。
牧志 浩太
「うーん」
その様子は、小さな子供がこちらの反応を窺って楽しげにしている様子を思わせた。
少なくとも、誰かが小さい佐倉さんを攫って……、ってわけじゃなさそうだ。
牧志 浩太
「本気で逃げる気はなさそうで安心したけど、完全に小さな子供だな、これ」
見るからに楽しげな様子と、佐倉さんの不満顔に苦笑する。
まあ、そりゃ自分の顔でこんなことされたら不満だよな。
佐倉 光
俺の美意識に反する。
牧志 浩太
なお牧志当人は「自分の顔で〇〇される」についてはよほどの悪事とかじゃない限り慣れてしまっている模様。
佐倉 光
自分の顔で、というより、こんなのが自分の一部である、ということに納得いってない感じ。
牧志 浩太
ああー、なるほど。「同じ顔の別人」じゃなくて、「自分の一部であるかもしれない」からか。

牧志 浩太
それにしても、場所が分かるように写真を撮ったり、それを佐倉さんのスマホに送ってきたりはできるんだな。
記憶は共有していたりする…… んだろうか?
頭じゃないとすれば、身体が覚えてたりとか、そういう?

うーん。古島さんの件といい、あの時の佐倉さんといい、人間の核について考えさせられることが多いな。
今は考えてる場合じゃないけど。
牧志 浩太
そのドヤ顔、あのもちもち佐倉さんのものだろうか?
KP
あなたのポケットでふくれっ面をしている佐倉とよく似ている。
牧志 浩太
「彼らが心配だし、気が変わられたら困る。悠長にしてるわけにはいかないけど……、
本気で逃げる気がないなら、どうして佐倉さんがこうなったのかも気にした方がいいな」
散乱した荷物はひとまず車に戻し、スマホは回収。
荷物の中に、佐倉さんが何か書き残したりしている物はないだろうか?
KP
荷物の中には特に気になるものはないように思えるが……

〈目星〉
牧志 浩太
1d100 98〈目星〉 Sasa 1d100→ 48→成功
KP
あなたは「あるものが『ない』」ことに気付く。
佐倉が持ち歩いているカードケースに、よく行く図書館の利用者カードが挟まっていない。
KP
どっちかっていうと【アイデア】情報だったなこれ。まあいいか。
牧志 浩太
「……?」
荷物を探っても、何か残してくれているようなものはない。
車内に押し込んで鍵を閉めようとした時、ふと違和感を覚えた。
牧志 浩太
「佐倉さん。図書館のカードって、どこかに置いてきた?
ここにないみたいだ」
車のダッシュボードや座席、物入れなどを見てみるが、そこにもない?
KP
車の隅々まで見てみてもカードは見つからない。
佐倉 光
「いや……でも入ってるはずだよ。抜いた覚えはねぇんだ。
そこにないってことは、誰かが意図的に持ち去ったとしか……」
牧志 浩太
「あいつらが持ち去ったか……、
そうでなければ、この事態に関係する誰かが持ち去ったか、だな。
図書館にも行ってみた方がよさそうだ」
頷く。
佐倉 光
「だな。俺もそう思う」
KP
佐倉は写真をにらみ付けて何事か考え込んでいるようだった。
牧志 浩太
「佐倉さん? 何かその写真に、思い当たることがある?
それを選んだ理由とか、こうなる前に寄ってた場所だとか……」
佐倉 光
「……このルート、俺がたまに気晴らしに行く道だと思う。
被写体はともかく、前にも写真送ったことあるだろ。人魚事件の時とかに。
こいつら、やっぱり俺の一部なのか。
俺の行動をなぞってる……?」
モチモチ佐倉
「むー」
KP
いつつめの井を書こうとしていたらしいモチ佐倉は棒をポイッと放り出した。
モチモチ佐倉
「む」
KP
そして古島に手を差し出す。
古島
「ん」
もちもち古島はにっこりと笑って手を取る。ともだち!
モチモチ佐倉
「む」
手を取って満足げだ。
牧志 浩太
「古島さーん、佐倉さーん、そろそろ行くよー」
遊んでいる二人(?)に声をかける。
こうやって自然に声をかければ、つられて一緒に来てくれないか、という思惑を少し込めた。
古島
「行こう」
手を取って笑いかけ、古島は牧志の所へモチ佐倉さんを導く。
牧志 浩太
正体が何か、何を思っているのか分からない以上、外で彼らを集結させたくはない。まとめて敵に回るかもしれない。
でも目を離してまたいなくなられたら困る。
回収する度に家に戻って閉じ込めておくのは手間だし、佐倉さんの部屋がこれ以上荒らされても困る。
それなら手元に置いておく方がいい…… ……と思う。
牧志 浩太
意外と考えることが多いなこの状況。
牧志 浩太
回収する度に連れてるもちもちが増えて牧志がもちもちまみれになったら面白いなー、と思いつつ、さてどうなるか。
牧志 浩太
「そうか……、そうだ、あの時も。
そういえば、家でもコーヒーメーカーとかPCとか、佐倉さんが使う物で遊んでた。
そういうことだな。
こいつらなりに、佐倉さんの行動をなぞろうとしてるんだ」
牧志 浩太
「意図的なものなのか、までは分からな……」
古島
考え込んでいる牧志の腕を掴んで、駆け上がれるならそのまま、モチ佐倉さんと一緒に牧志の肩の上に乗る!
無理なら下からジャケットの裾を掴んで、牧志に乗せてコールだ。
モチモチ佐倉
「むーむーむー」
KP
古島と一緒に乗せろコールだ!
短い手に低い体力ではよじ登るなど無理なのだ!
牧志 浩太
「うわっ!?」
佐倉 光
「つーことはだ。俺がいつもしていることや、しようとしていたことなんかが手がかりになるか?」
牧志 浩太
「あ、ああ、そうなる。
佐倉さんがやろうとしてたことが手掛かりに、ああああ分かった」
二人を掴み、肩の上に乗せてやる。
……やっぱりもちもちしてて気持ちいい。
モチモチ佐倉
「むむー♪」
モチ佐倉は肩に乗せられ、仏頂面でウキウキしている!
古島
「視界が高いー」
牧志 浩太
「古島さん、つられてないか?」
佐倉 光
「……こいつら何らかの交通機関とか使ってるな。徒歩で行ける距離じゃねぇ。
一応メールの方の行き先は写真を辿れば分かるな。
くそ、こんなに手が小さくなければ監視カメラ覗いて確認できるんだが」
図書館と写真。どちらもそれなりに距離があるため、行くなら車で移動した方が良さそうだ。
牧志 浩太
「俺が代わりにタイピングしてとか、俺の指を押さえて打つキーを伝えて……、とかじゃ厳しいか?
さすがに、タイムラグあるもんな」
佐倉 光
「ああ、さすがに人に説明しながらはちょっとしんどい。
地図調べて直接行った方がいいかも」
牧志 浩太
写真に映っているコンビニの住所表示は、目の前のコンビニとは違う所?
KP
コンビニは近くのコンビニとは違う。具体的には車で五分ほどの距離にある物だ。
佐倉 光
「このルート……駅に向かってる?」
牧志 浩太
「駅だって? 電車でどこかに行こうとしてるのか?
ああ、分かった。まずは写真から辿ってみよう。
その前に一応、最初に行ってたコンビニだけ確認する。
古島さん、その子と一緒に車で待ってて」
古島
「OK」

牧志 浩太
二人を車の後部座席に乗せて鍵を閉め、佐倉さんが車を降りて寄ったという目の前のコンビニに行く。
あまり期待できないが、店員さんがいれば佐倉さんが来なかったか、様子がおかしくなかったか、ということを聞く。
KP
コンビニの店員は顔見知りだ。あなたが入ると元気に挨拶をしてくれる。
しかし夜の担当と朝の担当は別だ。
今ここにいる店員は佐倉の顔は知っているが、昨日来たかどうかまでは知らないようだ。
KP
「昨日の夜の担当なら今日の夕方から来ますから、訊いておきましょうか」
牧志 浩太
「ええ、お願いします」
感謝して、飲み物とおやつを幾つか買い、車に戻る。
KP
車で行けば問題なくモチモチまみれになれますね!
牧志 浩太
ですね! やったぜありがとうございます。

コメント By.KP
佐倉が小さなモチモチになって増えた!?
COMPまでなんだか調子がおかしいぞ!
ドタバタほのぼの大騒ぎ。

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なんだか見覚えのあるような倒れ方だ。三連ファンブルかもしれない。

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本作は、「 株式会社アークライト  」及び「株式会社KADOKAWA」が権利を有する『クトゥルフ神話TRPG』の二次創作物です。

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