こちらには
『波間のダージュ』
のネタバレがあります。
本編見る!


生贄とは、“神に捧げられる定め”を呪いとして与えられた者である。
人がそうであるように、神々もまた掟のなかに生きている。
定められた皿、自らの取り分というものが決まっていて、それを律儀に守っている。
では7つも呪いを受けた者は?

“誰も食べられない!”

万能の神は、ケーキを切り分けることだけは出来ないらしい。

──ヒュペルボレオスにて、魔術師たちの笑い話





第四波
『波間の葬送歌ダージュ



KP
あなたは夢を見ていた。
ごうごうと燃える炎の中、二つの影が立っていた。
子供たちが眠れない夜にする影絵遊びのように、それはシルエットしか見えない。
片方は緩やかなシルエットの布を纏った男、そしてもう片方は灰色の織り手のような背格好をしていた。
あなたはなんとなくそれが、ダージュであると理解していた。

ダージュは男に対して、まるで祈るように頭を垂れたまま動かない。
男はそんなダージュを興味なさげに一瞥した後、あなたの方へと顔を向ける。影だから、当然顔は見えないが。
『我が怒りをその身に受けし者よ。矮小なる運命の紡ぎ手よ』
『かの蜘蛛神の信徒へ伝えよ。太古の契り、今こそ果たすべしと』

凛とした、厳かな声だった。男の視線もまた、体の芯から畏怖で震えるような、そんな威圧感を纏っていた。
あれこそが、ヒプノスと呼ばれるドリームランドと覚醒世界の境界、波間の本来の主なのだと察するだろう。

SANチェック成功時減少 1失敗時減少 1d3
判定
牧志 浩太
1d100 38 マキシ《SANチェック》 Sasa 1d100→ 52→失敗
1d3 Sasa 1d3→1
SAN 38 → 37
東浪見 海
1d100 53 カイ《SANチェック》 Sasa 1d100→ 93→失敗
1d3 Sasa 1d3→1
SAN 53 → 52
波照間 紅
1d100 68 コウ《SANチェック》 Sasa 1d100→ 74→失敗
1d3 Sasa 1d3→1
SAN 68 → 67
東雲 圓華
1d100 77 東雲 《SANチェック》 Sasa 1d100→ 89→失敗
1d3 Sasa 1d3→2
SAN 77 → 75

KP
……そんな光景を最後に、あなたは目覚める。
一番に感じたのは、汗でぐっしょりと濡れた体の不快さだった。
シーツの中で硬直したように強張った体は、つい先程まで金縛りのような状態だったのだと教えてくれた。

ゆっくりと身を起こせば、もうすっかり夜は明けていた。今日はアトラック=ナチャが波間へ到来する日。
そして、ダージュや佐倉と約束した波間の最後の日でもある。
牧志 浩太
目が覚めてすぐ、身体ががたがたと震えているのを自覚する。
あれが以前に出会った男ヒプノスであると気づく前に、あれが“神”であると気づいた。
同室のコウ、クウと顔を見合わせる。
レンが起きていれば、同じ夢を見たか見なかったかと、その顔を覗き込む。
東浪見 空
「な、なあ。マキシも見たか?」
牧志 浩太
「あ……、ああ。見たよ。同じ夢だろう。めちゃくちゃ怒ってたな」
波照間 紅
「ああ、怒っていた……。あれが、そうか、そうなんだな」
牧志 浩太
ささやかな二週間は、今までで一番楽しい終末の前夜だった。
その眠りにしがみつく心が少しあったのは、間違ってない。
……あともう一日だけ、あと一時間だけここで微睡んでいられたらって、そんな弱い心がさしていた。
牧志 浩太
幸いにもあの夢が、そんな未練じみたものを吹っ飛ばした。
月影 蓮
「……すっごい夢見た……なにあれ」
KP
レンは総毛立った肌をこすっていた。
月影 蓮
「みんなも見た? ものすごい怒ってる……ひとに伝言頼まれるヤツ」
牧志 浩太
「見た見た。太古の契りを果たせって言ってた」
震える肩を押さえてこくこくと頷く。
波照間 紅
「伝言を聞いていたのは、ダージュだったな。
契りが何なのか、聞ける機会があればいいが」
牧志 浩太
「あいつらはいいけど、俺達も巻き込まれそうなのがな。
とにかく、ダージュを探そう。今日は、確か……」
牧志 浩太
“お祭りの日”の予定が決まっていれば、それを思い出す。
KP
今日はダージュは招来準備で神殿にいるはずだが、紡ぎ手が用もなく近寄るのは禁じられている。
後ほど会ったときに伝えるしかないだろう……随分とぎりぎりになりそうだが。

祭りのあと、神殿でアトラック=ナチャの招来の儀式が始まる。
アトラック=ナチャが到来した際に、かの神の足止めをすることがあなた方と佐倉の役目だ。

今日、子供たちは朝食を食べず、祭りの準備をする手はずになっている。
それが終われば祭りで少し楽しんで良いことになっている。
牧志 浩太
「聞けたとしてもぎりぎりだし、ダージュの邪魔をするわけにいかないな。
聞けたら、くらいにしとくか」
東浪見 空
「今日は朝飯ないんだっけ。腹減る」
波照間 紅
「……今日で、全てが決まるのか。
妙な気分だ」
牧志 浩太
「俺もだよ。祭りを楽しむ気分になれそうにない。
でもここでばれたら全部台無しだ。最後の日、せいぜい楽しもう」
牧志 浩太
一度空を見上げて、汗を流して身支度をしたら祭りの準備に向かおう。
士幌 美雪
「おはよーみんな! いよいよ今日だねぇ!」
東雲 圓華
「おはよう、紅さん、私たちなんだか恐ろしい夢を見て……」
月影 蓮
「牧志、先輩迎えに行くよね? ……あ」
KP
そんな話題の真っ最中に、綺麗な仕事用の服に着替えた佐倉が車椅子で出てきていた。
佐倉 光
「よう、みんな」
佐倉 光
「みんなも変な夢見たか?」
東浪見 海
「おはよう、いよいよ今日だね。
そうそう、三人一緒に変な夢見てさ」
牧志 浩太
「おはよう、三人とも。
お、サクラも来たんだな。おはよう」
波照間 紅
「ここの全員か、そんな気はしたな。
……怒った人の夢だな?」
佐倉 光
「多分ありゃ『早く波間返せや』って催促だな。
井戸の魔力も切れてたし、神とは言え色々限界なんだろうな」
佐倉 光
「今日一日くらい辛抱して欲しいもんだ」
牧志 浩太
「本当にな。もうすぐなんだからさ」
佐倉さんのその物言いに合わせて小さく笑うと、肩の震えが少し収まった気がした。
そうだ。何が訪れようが、俺達はやるようにやるしかない。
KP
他の子供たちの忙しない足音を聞きながら、あなた方もまた家を出ることになるだろう。
朝の光が優しくあなた方を照らしていた。

KP
祭りの準備は簡単なものだ。
波間中の至る場所を飾り付け、簡易的な出店のテントを組み立てる。
出店とはいっても、子供たちが思い思いのお菓子や花を配るだけのものだが。

あなた方以外の子供たちは、無邪気な気持ちでアトラック=ナチャの到来を喜んでいる。それがなんだか奇妙に感じたかもしれない。
だが、作戦まで怪しまれるわけにはいかない。儀式までは祭りを楽しむほかないだろう。
ヒースの丘、レンの蜘蛛たちの巣、涸れ井戸、出店の様子を見ることもできる。
KP
※茶番は終わりだと言ったな。アレは嘘だ!
といっても純粋に楽しめる機会は終わったので半分嘘ではない。
東浪見 空
「学祭みてぇ」
騒がしさに紛れて、クウがぽつりと言う。
その手の中には、体力に任せて焼いたらしい大量のクッキーがある。
牧志 浩太
「ああ……、はは、確かに」
どっちかというとお遊戯会だな、なんて思った。
学祭か、そんな言葉もひどく……、ひどく。数十年、足して数百年ぶりに聞いた。
KP
実際、紡ぎ手たちが出している店は『お店屋さんゴッコ』の風情だった。
野っ原に置かれたテーブルにちょっと綺麗な敷物をしいて食べ物や飲み物、玩具や本を並べ、手書きの値札を配置していく。
あなた方もまずはその手伝いからだ。
的当てゲームだの花占いだのビンゴ大会だのお店屋さんだのの設置、交代で店番などをする。

お金がわりになるのは、ピカピカ光る石やちょっと綺麗な虫の脱け殻、綺麗に巻けた糸の切れ端などだ。
それぞれに良いと思った物が代価になる。
代価がなくてもお願いするともらえたり遊ばせてもらえる。そんなノリだ。
牧志 浩太
「ごめんごめん、遅れた!」
それが何だろうと、楽しそうな風景は心を沸き立たせた。
奇妙な感覚を覚えながらも、大きく声を上げれば、幼子の気持ちが戻ってくる。
その中へ飛び込んでいく。
牧志 浩太
サクラに現状やることがなければ、サクラと一緒にヒースの丘へ行く。
サクラが忙しいようなら、クウと一緒に出店へ。
東浪見 海
クウとカイは他の子供たちの出店を見に行く。準備が遅れていれば手伝ったりする。
KP
「クウ来たー!」
KP
「おーい、こっちこっちー!」
KP
クウのクッキーは五個ずつ小さな袋詰めにしてリボンを付ける。
何人かはその作業を手伝うだろう。
東浪見 空
「おう!」
大量のクッキーを抱えてみんなの所へ向かう。
月影 蓮
「空腹にこの作業は響くわー」
KP
言いながらレンはちょっぴりつまみ食いをした。
月影 蓮
「5枚までなら俺の分ってことでいいよね」
東浪見 空
「いっぱい作ったからちょっとくらいなら大丈夫、全部食うなよー」
月影 蓮
「なんかすっごいパワー溢れる味ー」
東浪見 空
作業を手伝おうとした所でテント設営の手伝いを頼まれ、そっちへ行く。
東浪見 海
「マリー、そっちどう?」
KP
「おはよぉカイ! サンドイッチ作る人手が足りなくてさー。
あ、みんなもいるなら手伝って! いっくらでも人欲しい!」
東浪見 海
「お、サンドイッチだ。いいね。
もちろん。これ紙巻いて包もうよ」
牧志 浩太
「おれも手伝うよ、この前のパンケーキからちょっと自信出てきたんだ」
士幌 美雪
「あのパンケーキすっっっごく美味しかったぁー!」
KP
「ね! また作ってよ!」
サンドイッチは卵とハムとレタスだ。
牧志 浩太
「うん、また……」
何気なく返しかけて、言葉を飲んでしまった。
牧志 浩太
「……」
牧志 浩太
「うん、また作るよ」
ほぼ確実に、それは叶わないけど。

KP
そんなこんなして少し手伝ったらあなた方もお客になって楽しむ番だ。
KP
※各ポイントで小イベントや能力アップがあったりします。
KP
マキシの手が空いたとき、丁度サクラも店番を終えたところだった。
佐倉 光
「お、そっちもフリーか。付き合ってくれよ」
牧志 浩太
「サクラもちょうど空いたところ?
うん、どこ行こうか」

華やかな祭りの風景は、最後の一日の記念みたいだった。
何もかも偽物ではあるけど、この風景くらいは土産に貰っていこう。
随分働かされた正当な報酬だ。
波照間 紅
シノノメさんはどこへ行くだろうか?
奇妙な気分を覚えながら、シノノメさんが行きたい場所へ行こう。
東雲 圓華
「コウさん! 見て、あっち!」
KP
丘の反対側から煙が上がっていた。
東雲 圓華
「キャンプファイアーですって。見に行ってみない?」
波照間 紅
「キャンプファイアーだって?
いいな、行ってみようか」
少し遠慮がちに、東雲さんの小さな手に手を伸ばす。
東雲 圓華
「行きましょ!」
その手をそっと握る。
波照間 紅
「あ、ああ」
シノノメさんの柔らかい手の感触を感じながら、炎が見える方へ歩いていく。
もうすぐ終わるから
牧志 浩太
楽しむ気分にいまいちなれない牧志たちですが、最後のお祭りを楽しもう。
KP
佐倉的には、塔で動けなかった牧志が踊ったりしているだけで嬉しいんだけどね。
牧志 浩太
そうなんですよね。檻とはいえ広い所を踊ったり駆けまわったり、みんなと話したりできるだけで、本当はなかったはずの時間。
KP
それもあってねー、この世界の終わりは望ましくもあり惜しくもあり。
牧志 浩太
せめてもう一日だけ、と佐倉さんも望んでいるかもしれない。

KP
涸れ井戸の周囲では大きな炎が上がっていた。
キャンプファイアーを模しているのだろうか、四角く組まれた木のなかでごうごうと炎が燃えている。
周囲に居る子供たちはせっせと火に薪をくべている。
とくにマシュマロなど焼いたり歌ったり踊ったりということなどはなく、ただひたすらに業火が燃やされている。
熱気があなた方の服を揺らす。
東雲 圓華
「まあ、凄い! ……燃やしているだけなのね?」
波照間 紅
「すごいな。……本当だ、特に歌ったりしないんだな?」
確かに、これだけの火勢を前に何もしないのも不思議だ。
もしかしたら儀式の一環なんだろうか?
波照間 紅
「やあ。ここで何かするのか?」
火に薪をくべる子供達に聞く。
KP
「おっ、コウとシノノメじゃん。相変わらず仲いーね」
波照間 紅
「そう言われると、その……、照れくさいな」
KP
「ダージュ様から祭りに必要だから、儀式が終わるまで火を絶やさないでって言われてんのさ。
暑くてたまんないよ」
東雲 圓華
「こんな場所で?」
KP
ここは神殿からヒースの丘を挟んだ反対側だ。
【アイデア】
波照間 紅
1d100 85【アイデア】 Sasa 1d100→ 27→成功
東雲 圓華
1d100 70【アイデア】 Sasa 1d100→ 80→失敗
KP
これは儀式の一環であろうと思われる。
だがアトラック=ナチャの到来に必要なものではないだろう。
恐らく、ヴォルヴァドスの招来に必要なのだ。
波照間 紅
ああ、そういうことか。
緑色の炎……、火が必要なんだな。
波照間 紅
「それは大事な任だな。出店から何か持ってこようか?」
KP
「ああー、飲み物欲しいな」
KP
「私も欲しい!」
KP
「おれもー! ジュースがいい!」
東雲 圓華
「ええ、分かったわ」
東雲 圓華
「ねぇ、丘の上通って行きましょうか」
KP
シノノメが指した丘の上には踊っている紡ぎ手たちがいる。
波照間 紅
「ああ、そうしよう」
踊っている紡ぎ手たちの横を通っていく。

KP
というわけでひと足先に丘の上に向かったマキシとサクラ。
あなたがいつも糸を紡いでいたヒースの丘。いつも通り、花々がゆらゆらと風に揺られていた。
そんな穏やかな光景のなか、子供たちは手を取り合って歌い、踊っている。
花冠を頭に乗せ、背中に羽を生やした子供たちは、お伽話に出て来る妖精のようだった。
牧志 浩太
「綺麗だな。いつもの丘だ」
車椅子を押しながら歩く。
いつも通り、もうずっとずっと糸を紡いできた丘は、ここが牢屋だなんて嘘のようにやさしい。
そういうものこそ、本当に怖ろしいのかもしれない。
牧志 浩太
ひとりひとり、知った顔のはずなのに。
揺れる花々の中、手を取り合って歌う子供達は、顔のない妖精みたいだった。
俺が子供であるということを失ったから、余計にそう思うのかもしれない。

出店から、ミルクとビスケットでも持ってこようかな。
そう思って、やめておこうと首を振る。
佐倉 光
《妖精の輪》か……グロいな。
攫われた方なんだよこっちは」
KP
サクラはぽつりと呟いた。
牧志 浩太
「……そうだな」
KP
〈芸術(ダンス)〉〈芸術(歌唱)〉【DEX】×5など任意の技能
上手に歌い、踊ることができる。

▼技能に成功した場合、任意の〈芸術〉技能を1d3成長
牧志 浩太
「ちょっと踊っていくか」
その代わりに、佐倉さんを誘って輪の中へ入る。
車椅子でも手振りはできるし。
1d100 40 【DEX】 Sasa 1d100→ 55→失敗
牧志 浩太
「わっ」
振り付けは平易だけど、全然リズムが合わない。
やっぱりこういうの、どうにも得意じゃないな。
KP
サクラは積極的に踊ることはせずにその場の雰囲気を楽しむように体を揺らしていた。
牧志 浩太
リズムに乗るのを諦めて、軽く歌を口ずさみながら手足を揺らした。
KP
そんな横をコウとシノノメが歩いて通ったのかな。
KP
※判定が発生した場合、この場にいない皆も描写外で遊んだということで判定して良いことにします。
牧志 浩太
お、やったー。
そんな横を歩いていって、ついでに少し踊っていったのかも。
東浪見 海
1d100 80 カイ【DEX】 Sasa 1d100→ 87→失敗
波照間 紅
1d100 25 コウ【DEX】 Sasa 1d100→ 37→失敗
東雲 圓華
1d100 55 シノノメ【DEX】 Sasa 1d100→ 67→失敗
KP
拙かったり調子が出なかったり、それでも楽しく踊ることはできただろう。
東浪見 海
「意外と難しいよこれ」
牧志 浩太
「ふう、久しぶりに動いた気がするな。
この数百年結構遊んだのに、不思議な感じだ」

佐倉 光
「ちょっとあいつらの様子見に行っていいか?」
KP
踊りが一段落したところでサクラはレンの蜘蛛たちが巣をかけている洞窟の方を指した。
牧志 浩太
「ああ、そうだな。
確かに、あいつらの様子も気になる。
……仲良くやってたけどさ、あいつらも蜘蛛なんだよな」
佐倉 光
「あいつらの親が来るのを邪魔するってことは、俺たちはあいつらの敵になるってことだ」
佐倉 光
「とはいえ、あいつらには随分救われたんだ。あまりやり合いたくはないな」
牧志 浩太
「それはな。
最初は大変だったけど、あいつらには随分世話になったし、助けられたんだ。
……できたら、直接やりあいたくはないな。
そうする時点で、結末は一緒なのかもしれないけどさ」

KP
レンの蜘蛛たちの巣に向かえば、いつも以上に忙しなく動き回っている姿があった。
親であるアトラック=ナチャの到来を予期しているのだろう。
そんな中、顔なじみのパセリたち4匹はあなたたちの姿に気付いたようで嬉しそうに近寄って来る。

「きゅう!」

子供たちの誰かがあげたのか、花冠が頭の上にちょこんと乗っている。
ご機嫌な様子である。
どうやら遊んで欲しいらしい。
牧志 浩太
「お、四匹とも揃ってるな。
おっ、冠がついてる。かわいいかわいい」
思わず、いつものようにその背を撫でる。
牧志 浩太
パセリたちといつものように遊ぼう。
KP
レンの蜘蛛と遊ぶ場合は【STR】×5【CON】×5〈肉体を使う任意の技能〉
レンの蜘蛛たちが満足するまで遊んでやることができる。

▼技能に成功した場合、任意の“肉体を使う技能”に+1d3成長
佐倉 光
「おっ。やる気だな」
サクラは腕を差し出して、自分の上を歩き回る蜘蛛たちに障害物を出してやる遊びを始めた。
牧志 浩太
よし、俺も俺も。こちらは追いかけっこだ。
小さな手の指を蜘蛛みたいに曲げて、その後ろを指の蜘蛛で追いかける。
牧志 浩太
「ほらほら、後ろから迫ってくるぞー!」
牧志 浩太
【CON】で判定。
マキシ - 今日 0:02
CCB<=60 【CON】 (1D100<=60) > 66 > 失敗
牧志 浩太
「うわっ、速いな!?」
KP
きっと蜘蛛たちが興奮しすぎていたのだろう、あなたがいくら遊んでやっても彼らの『遊んで!』モードはやむことがなかった。
牧志 浩太
「ちょ、ちょっと待って、指、指いたたた、腕!」
遊んでやっているつもりが、いつのまにかすっかり遊ばれている……!
佐倉 光
「ちょっ、もう無理、ちょっと休憩!」
KP
サクラも音を上げてしまった。
牧志 浩太
「む、無理。カイ、クウ、交代!」
そこにやってきた二人に交代を要求し、少し離れた所でダウンする。
東浪見 空
「お、よっしゃ来い!」
東浪見 海
カイ - 今日 0:07
CCB<=73 〈芸術:ダンス〉 (1D100<=73) > 50 > 成功
波照間 紅
コウ - 今日 0:08
CCB<=77 〈弓〉 (1D100<=77) > 46 > 成功
東浪見 海
カイとコウは軽やかに成功
東浪見 海
カイは〈キック〉を上げます。
カイ - 今日 0:09
1d3 (1D3) > 2
〈キック〉 55 → 57
波照間 紅
コウは〈弓〉を上げます。
コウ - 今日 0:09
1d3 (1D3) > 2
〈弓〉 77 → 79
東雲 圓華
シノノメ - 今日 0:09
CCB<=50 〈芸術(ダンス)〉 (1D100<=50) > 86 > 失敗
東雲 圓華
シノノメはマイペースにコウの応援してた
波照間 紅
シノノメさんがかわいい

KP
蜘蛛たちはあらたな犠牲者にむくむくの足で襲いかかる!
シノノメはたかられた!
波照間 紅
「シ、シノノメさん、髪が大変なことに!」
慌てて蜘蛛たちを引き受ける。
東浪見 海
「おっ、今日はずいぶんテンション高いじゃん、四匹とも」
KP
カイの足の上でまるでリフティングされるように蜘蛛たちは軽やかに跳ねた。
かと思えばクウと追いかけっこをし、コウの的当ての的代わりに走り回った。
で、たまにへたったマキシやサクラ、応援組のシノノメにモフモフスリスリした。
東浪見 空
「すっげー、速ぇ! 負けねーからなー!」
牧志 浩太
「ああ、うん、ありがと……。ふふ、ふかふかだなぁ」
KP
全員とじゃれついて、ようやく蜘蛛たちは満足したようだった。
子蜘蛛たちはいつも以上に遊びに全力だったように思えた。
もしかすると彼らも今日が最後であることを感じ取っているのかも知れない。
月影 蓮
「みんなこんなとこにいたんだ! 今ならご飯の屋台すいてるよ、食べに行こー」
KP
レンが呼びに来た。
牧志 浩太
「行く行く! 蜘蛛たちと遊んでたんだ」
波照間 紅
「丁度いいな、腹も減ったところだ」
東浪見 空
「おう! もう腹ペコペコだよ」
東浪見 海
「あれだけ動いたらね。行こっか。じゃあね、みんな」
蜘蛛たちに手を振り、連れ立って出店の方へ行く。
牧志 浩太
「……」
連れ立って歩いていく直前に、蜘蛛たちの方を振り返る。
牧志 浩太
「パセリ、セージ、ローズマリー、タイム」
一匹一匹の名を、一度ずつ、確かめるように呼んだ。
牧志 浩太
「じゃあな。遊んでくれてありがとう」
またな、とはもう言わない。きっとそれは、もうない。
KP
蜘蛛たちは四匹身を寄せ合い、ふわふわの足を振った。
そして巣を去って行くあなた方をいつまでも見つめているようだった。
佐倉 光
「パセリ、セージ、ローズマリー、タイム。
確か意味のない言葉、または魔除けの呪いだったかな……」
KP
サクラがぽつりと呟いた。
牧志 浩太
「……あの歌か。
確か、妖精に攫われないために、だっけ」
呟いた声に、一度足を止める。
佐倉 光
「名前なんかつけちまったから、情が湧いちゃったな。
少なくとも俺が名前を付けるべきじゃなかったのに」
牧志 浩太
「そうだな。
……でも、そのおかげで俺も随分救われたよ。勝手な話だけどさ」

KP
屋台には今はそれほど人がいないので、並ばずに食事をしたり遊んだりできるだろう。
士幌 美雪
「あっ、戻ってきたー! どうどう、的当てやらないー?」
KP
いつのまにか店番に入っていたらしいミユキが手を振った。
牧志 浩太
「お、やるやる。まずは何か食べてからかな」
KP
サンドイッチはすぐにもらえたし、スープもついてきた。
すぐ近くの木陰に敷物が敷いてあるのでピクニックのように食事ができるだろう。
佐倉 光
「お、あっちにあるのクウのクッキーだろ。まだ残ってるかな」
牧志 浩太
「お、ほんとだ。
まだ微妙に残ってるみたいだし、こっちはみんなで焼いたやつかな」
きれいに巻かれたサンドイッチを手に取り、スープの器とクッキーを手に木陰へ座り込む。
牧志 浩太
「うわっ、なんだこれ、すごく美味しい。美味しい!」
一口含んだ瞬間にほろりと崩れる優しさに笑う。
波照間 紅
「空腹に染みるな。美味い」
牧志 浩太
「俺さ、この二週間と一日で、懐かしく思うものが随分増えたよ」
周囲の子供達に聞こえないよう、小さな小さな声でサクラの後ろ頭に囁いた。
牧志 浩太
「これを持って帰れれば、もうしばらくは大丈夫そうだ」
佐倉 光
「そうか……絶対、持って帰ろうな」
牧志 浩太
「……ああ。絶対に、絶対にだ。
一緒に持って帰ろう。
サクラと、みんなと一緒に」
勝機は危うい、けれど決意を囁くことはできた。
それ以外のものなど、恐れても意味はない。

✦クッキー屋さん
月影 蓮
「クッキーと言えば、ダージュが焼いてくれたのがあったよね。
どこで作ったんだろなー、あれ」
東浪見 空
「どこって、食堂じゃねーの?」
KP
これはヒントなどではなく本当にどこで焼いたのかは謎。
牧志 浩太
謎だった。
東浪見 海
「ああー、あったね。今食べちゃう?
お祭りが始まったら、それどころじゃないだろうしさ」
東雲 圓華
「そうね、味が気になるわ。取ってこようかしら」
佐倉 光
「ああ、そんなこともあろうかと持ってきたよ、全員分」
KP
サクラは車椅子の横にぶら下げていたサックからクッキーの袋を出した。
東浪見 海
「おっ、準備いーい!」
KP
ダージュのクッキーは可もなく不可もなく。ほんのり甘い、シンプルなバタークッキーだった。
齧るとなんだか勇気が湧くような気がした。

アイテムとしてのクッキーは全部で4個。食べた人はMPを6上昇させる。全員で1個ずつ食べても良いし、例えば1人が2つ食べ、誰かは食べない、のような分配も可能。
上限突破可能。
KP
東雲のMPは14。
また、アイテムとしては後で食べることにしてもかまいません。
クッキーの分配
牧志 浩太
ふむふむ。
MPはマキシ・カイ12、コウ10。

紐1本につき4MPだから、一人ずつ食べると端数が出るけど、一人で2枚食べると全部使える。
MPが4で割ってぴったりの人は1枚、端数のある人は2枚食べるのがよさそう。

行動速めで攻撃成功率低めのカイが端数なしなんですよね。
KP
MP使い切ったら気絶しちゃうのも忘れないでくださいねー
牧志 浩太
開示できたらでいいんですが、今後サクラさんは戦闘に参加しますか?
KP
ぶっちゃけると参加はしますがアシストです。彼のMPを増やすのは……まあナシではないけど本人が食べた方がいいかな?
いやー、とりあえず気絶については置いておいても良いかな。
牧志 浩太
ぶっちゃけありがとうございます。
あれ、置いておいてもいいのか。
KP
なんとかなるよ!! とだけ言っとこ。
牧志 浩太
では、RP的な要素も含めて、

・コウの分はシノノメさんにあげる
・シノノメさんは2枚食べる(MP14→26)
・マキシの分はカイにあげる
・カイは2枚食べる(MP12→24)

これで行きます。
増加分は端数を出さないようにしつつ、行動速めで攻撃成功率 or ダメージが低めの人に集める作戦です。
KP
Ok、増加させておきます。
クッキー少し交換したりして食べたかな。

KP
ここまでダイスゲームに勝ってるから、最後まで勝ち続けたいものだなぁ。
牧志 浩太
勝ち続けたいなぁ。誰も欠ける事なく、一緒に帰りたい。
どうなることやら。
KP
奇跡的にサクラのパラメーターは全然減ってないし、がんばれると思いたいなー
牧志 浩太
思いたい。
ほんとにこれはこの流れで一緒に帰りたいもの。

KP
丸っこい蜘蛛を象ったクッキーは、ほんの少しハーブの香りがした。
牧志 浩太
「このクッキー、あいつらそっくり」
東浪見 海
「ほんとだ。それに爽やかないい匂い」
東雲 圓華
「コウさん、これも美味しいわ」
クッキーを半分に割ってコウに渡す。
波照間 紅
「ありがとう。
シノノメさん、よかったら僕のも」
クッキーを割って渡す。ちょっと大きめに。
月影 蓮
「蜘蛛のクッキーなんて字面だと嫌がる人いそう」
佐倉 光
「俺なんか色々複雑な気分だよ」
牧志 浩太
「確かにな。
俺達はあいつらのこと知ってるから抵抗ないけどさ」
KP
サンドイッチにクッキー、暖かいスープを食べてお腹がいっぱいになった。
東浪見 空
「はぁー、腹いっぱい!」
三人分くらいのサンドイッチとスープを平らげて満足そうにする。
東浪見 海
MP 12 → 24
東雲 圓華
MP 14 → 26

コメント By.KP(佐倉)
いい天気だ。今日も思いっきり遊ぼう!

プレイ日:2025年5月20日 ~ 2025年12月18日

作者名: つきめぐり/つきのわむく

配布・販売サイト: 【COC6版】波間のダージュ【継続推奨人数可変シナリオ】SPLL:E194766

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【クトゥルフ神話TRPG】
本作は、「 株式会社アークライト  」及び「株式会社KADOKAWA」が権利を有する『クトゥルフ神話TRPG』の二次創作物です。

Call of Cthulhu is copyright ©1981, 2015, 2019 by Chaosium Inc. ;all rights reserved. Arranged by Arclight Inc.
Call of Cthulhu is a registered trademark of Chaosium Inc.
PUBLISHED BY KADOKAWA CORPORATION 「クトゥルフ神話TRPG」



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何だよ。特殊性癖か何かか!?
おかしな所だらけだな!


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