KP
入り口に近い所の扉を開けると、そこには布をかけられた檻のようなものがいくつか並んでいた。

室内には窓がない。
もともと倉庫か何かだったのだろう部屋を照らすものは扉の外から射す光だけで、中は薄暗い。

床に何か雑誌のようなものが積み上げられている。
檻の中から物音のたぐいはしない。
牧志 浩太
「檻かー、嫌な予感がする!」
牧志が楽しそうに言う。
佐倉 光
「虫の研究なのに檻ー? 何が入ってんだよ一体ー」
ぺらっと布めくって中確認しよっと。
KP
檻の中に積み上げられていたのは、
奇形の動物の磔となった標本、ムカデやゴキブリや蛭といった死んだ害虫の山、種類さまざまな拷問具、人に恐怖や嫌悪をもたらすだろう品々の山だった。

恐怖や嫌悪をもたらすことを目的として雑多に集めた、そんな趣味の悪さがそこには存在した。
KP
SANチェック成功時減少 1失敗時減少 1D3》。
【POW】×5で判定。
牧志 浩太
1d100 58 牧志の《SANチェック》 Sasa 1d100→ 96→致命的失敗ファンブル
SAN 58 → 55
1d100 60 牧志の【POW】 Sasa 1d100→ 22→成功
佐倉 光
1d100 74 《SANチェック》 Sasa 1d100→ 80→失敗
1d3 Sasa 1d3→1
1d100 75 【POW】 Sasa 1d100→ 39→成功
佐倉 光
「気持ち悪……であってるよな。精神に揺さぶりをかけるためのものか」
佐倉 光
「これだけ集まってると笑える。
ネットでしか見たことのないようなものもあるなー」
肩を震わせながら檻をひとつひとつチェックする。
虫がいるせいで? おかげで? あまり抵抗を感じない。
KP
気持ち悪い、恐ろしい、そう感じた瞬間、頭の奥がかあっと熱くなった。

気持ちいい。
途方もない楽しさが溢れ出る。
勝手に口角が上がって笑顔になる。
楽しすぎて踊り出したい気分だ。

目の前の物はなに? 何か楽しいものだ。
ここはどこ? 何か楽しい場所だ。
だってさっきから、楽しくて楽しくてたまらない。こんなにも気持ちがいい!
牧志 浩太
「うわっ、何だこれ、ひどいな!」
牧志が横にいる。彼も満面の笑みを浮かべている。
いますぐ手を取って踊りたい。そうしない理由があっただろうか?
KP
そう思った直後に、我に返る。
あなたはすべきことを思い出すことができる。

それでも頭の中はもうぐずぐずの幸せ漬けになっていて、目の前に積み上げられた物を見ても「楽しい」以外のことを感じることができない。
他の感情が全部その、強烈な……何か脳内物質めいたものに押し流されている。

明らかに症状が進んでいる。
KP
SAN +1d6
牧志 浩太
1d6 牧志の正気度 回復 Sasa 1d6→3
SAN 55 → 58
佐倉 光
1d6 Sasa 1d6→5
SAN 73 → 75
佐倉 光
「あは、あはははははは、ははははははは、ははははは」
こんなの楽しいわけがない、目を覚ませと喚いていたうるさいものはどろどろぐずぐずに溶けて混ざって消え去った。
何故楽しいなんて理由もなく笑う。笑う。
だって笑いたいんだ。踊りたいんだ。歌いたいんだ。それは幸せなことだ。
牧志 浩太
「ふふ、あはは、あははは、佐倉さん変だ、ひどいもの見て笑ってる!
ふふ、俺も変だ、楽しくないのに楽しい、ふふふ」
牧志がぷっと吹き出し、笑いだした。
自然とあなたの手を取る。
佐倉 光
「へへへはははははは牧志ずっと変だってへへへへ」
笑いすぎて腹が痛い。
中にあるものはそんな楽しい物ではないと分かっているのに笑いが際限なくこみ上げている。
佐倉 光
「なんだよもぅぅぅぅ片付けろよぉぉぉ」
床に積み上がった雑誌のようなものを拾って見る。
隻眼
佐倉 光
もう「かわいいから」とか「牧志がいるから」とか理由すっ飛ばして反応してる。
KP
もう理由どこかいったし理性も溶けて混ざっちゃった。

あれこれ隻眼牧志も久しぶりに大笑いしてる?
(同じ脳に同居してる他人の精神には効果あるのかどうか、なかったらそれはそれで隻眼牧志だけ普通にしんどい)
佐倉 光
あー。一部なんだからあるのかなぁ。
KP
魂が別個と考えるとなさそうなんですが、同じ脳を使っているとしたらありそう。
なるほど今の佐倉さんの脳に干渉されると面白い問題になる。
佐倉 光
そこの見えない絶望に浸って凍てついた隻眼牧志君が子供の脳の影響で高速解凍される! かもしれない。
前回の話の時の隻眼牧志君辛すぎたよな。
KP
なるほど!
子供の脳の影響で隻眼牧志が解凍される! あるかもしれない。

前回の話の隻眼牧志は自分が佐倉さんを置いていってしまったことと、その後の佐倉さんの処遇に愕然としていただろうなぁ。

もしかしたら同一人物の関係で唯一牧志の存在を感じ取っていて、違う、違うと佐倉さんの中で喚いていたかもしれないし、そうでなければ「自分が佐倉さんの手を取れれば」と思ってしまっていたかもしれない。

その直後に訳の分からない楽しいぶち込まれる隻眼牧志……。

KP
拾って開くと、凄惨な姿にされた男の姿が目に飛び込んできた。
何処から手に入れてきたのか、それは惨い方法で殺された人間の姿ばかりを集めた写真集だった。

そんなものを見ても、あなたの喉からは笑いしか溢れてこない。

楽しい。
わけもなく楽しい。
牧志 浩太
「はははは、そう俺も変、佐倉さんも変、ふふふ、みんな変だ」
牧志は腹を抱えて笑う、笑う。
KP
なんだか酷使された腹がひくつくのまで、楽しげなリズムに聞こえる。
佐倉 光
「やっばい。やっばいな俺達。本格的にまずいことになってるってぇ」
笑い転げながら写真集を部屋の隅に置き、部屋を出る。
佐倉 光
「これ笑えるの変すぎるって。感情がぶっ壊されへへへへへ」
牧志 浩太
「ふふふふ、感情? 感情って何だっけ楽しいこと? ふふふ、他の感情わからなくなってる、楽しいあははは」
互いの笑い声が室内に響く。
佐倉 光
隣の部屋見ようwww

KP
隣の部屋はどうやら仮眠室にされていたようで、クッションや毛布などが持ち込まれていた。

それらはほどよく汚れていたが目立つ腐汁などはなく、くるまったら気持ちいいだろうなぁと感じる。

クッションの柄には、何となく女性を想起させるものが多い。
佐倉 光
「ここの奴らが寝てた場所かなハハハ」
適当に毛布とかめくってみるけど別に何も無いかな。
佐倉 光
「はー。寝たい」
牧志 浩太
「ああ、いいなぁ、いっぱい笑ったし寝たい! 絶対気持ちいい、ふふふ」
KP
毛布をめくった時、〈聞き耳〉で判定。
佐倉 光
1d100 79〈聞き耳〉 Sasa 1d100→ 36→成功
牧志 浩太
1d100 97〈聞き耳〉 Sasa 1d100→ 68→成功
KP
毛布をめくった時、カチャリという音を聞き取った。
その音はあなたに少し前の記憶を想起させる。

──鍵の音だ。
佐倉 光
「鍵だー! ラッキー!」
佐倉 光
「もーちょっと気をつけて扱えよなぁぁこーゆーのさぁ」
ウッキウキで鍵を拾う。幸せだ。
人の迂闊さや杜撰さに助けられていることが多い。
ハッキングだって結局はケアレスミスだのセキュリティ意識の欠如をつつくもの。割とそういうものなのかもしれない。
牧志 浩太
「ほんとだ、すごい!
気を抜いててくれてよかったなー。
地下書類庫だって、あの階段室の下かな?」
牧志が言う通り、鍵には「地下書類庫」と書かれた古ぼけたタグがついている。
牧志 浩太
「ここ、元から鍵つきっぱなしだったってこと? ふふふ、すごいな、ゆるゆる」
佐倉 光
「ポッケに鍵突っ込んで寝たら絶対落とすんだよなー!
しかもタグ付きだって。
地下か~。行ってみよーぜー」
ケラケラ笑う。
佐倉 光
「ベッドに落ちてた鍵が書庫の鍵ってそこまで同じか~、なつかし~」
牧志 浩太
「ははっ、懐かしい、そうだな、あれも結構前だっけ…… 

……少し前の、あの時にさ。
俺が渡したのも、鍵だったよな。文字通りの」
牧志 浩太
「その鍵を、佐倉さんが掴んでくれた」

楽しそうに大笑いしていた牧志が、ふっと一瞬だけ我に返ったように笑った。
佐倉 光
「……」
KP
ベッドの上に書庫の鍵、どの話でしたっけ。
佐倉 光
bloodredかなと思ったらもの凄く最近の話だった!
というか大事なのは状況より音だったんですね。
KP
ああー!
それはPLが忘れてた。>bloodred
先程のシーンは「毛布めくったら鍵の音に気づいた」なので、音の方ですね。
佐倉 光
「今こうしてるのも二人で足掻いたからさ」
佐倉 光
「だからこんなとこで頭溶かしてる場合じゃねーんだよぉ」
あれを乗り越えた嬉しさと、謎の幸福感がない交ぜになって笑った。
牧志 浩太
「そうだな。
こんなところで頭溶かして終わったって、楽しくもなんともない」
牧志は確かめるように宣言して、あなたの手を強く握った。
佐倉 光
「今回も大丈夫。何とかなるって」
牧志 浩太
「よし、行ってみよう。地下」
佐倉 光
「だな、もう一つの部屋も見たら地下だ」

男性部屋まだ見てなかったはずだから、一応そこ覗いてから階段室へ行く。
KP
鍵を手に寝室を出ようとしたあなたを、快感が横から殴りつけた。

目も眩むような気持ちよさだ。
あまりの衝撃に、何を考えていたのかも一瞬分からなくなる。

眼窩の底できらきら、光が瞬いている。
あまりの情報量に手足がじんじんと痺れている。
分かる。
神経が飽和するほどの喜びで、脳を殴られた。

もぞもぞもぞ、脳の皺のなかを、虫が出入りしている!
KP
SAN+1d6
KP
【POW】×5で判定。
佐倉 光
1d6 Sasa 1d6→2
上限のため回復なし
1d100 75 【POW】 Sasa 1d100→ 27→成功
牧志 浩太
1d6 Sasa 1d6→4
SAN 58 → 62
1d100 60 POW Sasa 1d100→ 56→成功
佐倉 光
「う」
佐倉 光
「アハー」
まずい。まずいって事は分かるのに、頭の芯も手足も痺れて思わず壁に寄りかかってしまう。
立っているのがやっとだ……
何を、しているんだっけ……

脳の皺をなぞる虫の動きに合わせて体が跳ねる。
牧志 浩太
「あっ、あああ、あああぁああああぁ」
牧志があなたの横で床に倒れ、痙攣する手で毛布を掴んだ。
涎を垂らしながら汚い床の上を這いずるさまは、彼自身が虫になったかのようだ。
KP
あなた達は荒れ狂う喜びの中で、辛うじて、視界の中心に自分自身の思考が光るのを見た。
どうにかそれを掴み、己を取り戻すことができる。
牧志 浩太
牧志が背中を震わせながら、壁に爪を立てて起き上がる。
背中が埃まみれになっていた。
KP
虫が脳の皺の間をしきりに出入りしているのを、触覚のないはずのそこで感じる錯覚。
脳の皺のひとつひとつに、喜びを丁寧に塗りたくられている。
手足から快い痺れが抜けない。

明らかに症状が進んでいる。
佐倉 光
「うううううぅぅぅぅ」
気持ちよさへの抵抗の仕方など知らない。
喜びを拒否などできない。
魔法なら意識の芯に力を込めればある程度何とかなるのに、脳味噌を直接嬲る力にはどうしようもない。
汗がポタポタと垂れる。
佐倉 光
「急がないと……」
牧志の脚に掴まって何とか立ちながら、進む。

一番右の部屋をチェックします。
牧志 浩太
「へへへ……、あはは、そう、急がないと、急がないと、しあわせ、しぬ」
牧志の手に汗が滲んでいた。
あなたの手を掴み、身体を引きずるようにして廊下を進む。
正気過剰
佐倉 光
もう正気度 はいらないよぉ……
そして明らかに狂気アクションだよぉ。
KP
もはや「正気」ではないなと書いてて思いました。
佐倉 光
これ事件終わったら改めて削られそうw
佐倉 光
これエロ要素もアリの汎用シナリオとして出せるんじゃないかと思った。
KP
そう、わりとエロシナリオになりかねないなとこの辺で思いました。
進行はわりと素直ですし、グロ方面もうちょっと穏やかにすれば確かにエロ要素もありの汎用シナリオになりそう。
佐倉 光
周り腐った死体だらけなんだけど……
【POW】抵抗失敗したらエロイベントとかでいけますなー。
いくらでも都合のいい感覚や感情を流し込めるとなると好き放題だ。
KP
今回はレプリカ直後にしたいという理由で期間を一週間強としましたが、女の人以外はもっと先に死んでいたことにするとか、症状が悪化するまでの期間をもうちょっと伸ばすとかすれば、もうちょっとお手柔らかな状態(白骨)になっているかも……? >死体
佐倉 光
なるほど乾いていれば害はない!
だいぶ特殊嗜好ですけど、絶対好きな人いるやつ。
KP
今回一週間強にしたいというのが先に来てて、そうなるとまぁ死体はあんまりお手柔らかじゃない状態になってるよなと思ってこうなっちゃったので……。
特殊嗜好ではあるけど好きな人絶対いそうなやつ。

KP
一番右の部屋の扉を開くと、そこは先程の部屋と同じような、毛布やクッションが置かれた部屋だった。

こちらのクッションは黒一色など柄の少ないものや、逆にとげとげした派手な柄のもので、何となく男性の部屋を感じさせた。
佐倉 光
包まって寝たいという欲望に耐えながら、乱暴にクッションを持ち上げたり毛布をバサバサとはためかせる。
ダメだ。ダメだ、この部屋誘惑だらけだ。早く出ないと。
KP
クッションの手触りが、喜びに痺れた手に触れる。

柔らかい。
柔らかくて心地いいものに、指先が埋もれている。

心地いい触感が神経を駆けのぼり、喜びに浸された脳をじいんと痺れさせる。

心地いい。心地いい。
脳が痺れてなにも考えられない。
少しでいい。少しだけでいい。
ああ、ここに埋もれたら、きっと頭が焼き切れてしまう。

破滅の誘惑があなたを誘う。
どうやって、これから逃れればいいのだろう?
KP
SAN +1d6
【POW】×5で判定。
佐倉 光
1d6 回復なし Sasa 1d6→3
1d100 75 【POW】 Sasa 1d100→ 16→成功
牧志 浩太
1d6 Sasa 1d6→2
SAN 62 → 64
1d100 60【POW】Sasa 1d100→ 74→失敗
KP
あなたは身を焼く破滅の誘惑を、溶けた脳に残ったあらゆる意志力を、理性を総動員して、どうにか退けることができる。

目の前に見えている至福から指先を離すのは耐え難い苦痛で、その苦痛を感じた脳の皺にすかさず喜びが流し込まれて思考を焼く。
牧志 浩太
「あは……ふふふ……、佐倉さん、これすごくふかふか、きもちぃ、えへへへへへ、ふふ、あはははは」
目の前で牧志が誘惑に埋もれてしまい、毛布とクッションを引き寄せて丸まっている。
……なんて気持ちよさそうなのだろう。
佐倉 光
「だめだってやめろよぉー」
ふわふわの毛布をひっぺがす。かぶりたくなったので部屋の隅っこに投げ捨てた。
佐倉 光
「うぁぁぁ、苦しい、楽しい、ふわふわする、ああぁ」
佐倉 光
「地下ー。地下行くんだろー? 寝るのはあとで」
ちりんちりん、と鍵を楽しげに慣らす。
牧志 浩太
「ふえぇ、そうだ地下、地下行かなきゃ、地下、このクッションとれない、ふかふかで取れないぃ、ああああああ」

牧志は叫びを上げてクッションを投げ捨てると、クッションを拾いに行けないようにあなたの手を掴み、扉を閉じた。
牧志 浩太
「あ、あああ、あたまとける、焼ける、行こう」
佐倉 光
牧志の手が温かくて柔らかくて幸せだ。
KP
脳みそがむにゅむにゅと蠢いているような錯覚が頭の中を満たしている。
愉快な七色の光が一歩進む度に視界の中を舞って、七色の脳みそがしきりに頭の中で笑っている。

楽しい。
KP
毛布の中やクッションの隙間には、埃しかなかった。楽しい。
こめかみから汗が吹き出して落ちる。楽しい。
佐倉 光
あーあ、トップ絵再現されちゃった。
KP
せっかくだから再現してみました。
いやいや楽しいだけですよ。楽しい。
佐倉 光
脳味噌がケタケタ笑っている。溶けたところからピンク色の煙になって頭蓋の中に溜まってゆく。
つねにとぷとぷ歌っているホワイトソースみたいな脳味噌の中を虫がもぞもぞと踊っている。
一歩踏み出したときの振動が絶好だ。
一呼吸したときの饐えた空気が最高だ。
牧志の乱れた呼吸が近くで聞こえて素晴らしい。
目が見えて楽しい。
この幸せを味わえることが幸せだ。
ずっとおかしいと叫んでいる自分がだんだん溶けてゆく。
幸せだなぁ……

地下へいく。がんばる。
KP
階段室の扉に鍵を差し込もうとすると、頭の中で幸せがはじけて、手ががくがく震える。
何度か扉を引っ掻いてから、ようやく鍵を開けることができた。
佐倉 光
視覚も触覚も筋肉も、何もかもが暴走する感情によって狂っている。
いや狂ってなんかいない。楽しいだけだ。
かつかつと鍵が鍵穴を突く感覚が震えるほどの快感だった。
自分の異常さが分かっているのに感じられない。

KP
扉を開けると、真っ暗な空間の中に、古ぼけた下り階段がぽつんと浮かんでいた。
牧志 浩太
牧志が懐中電灯を取り出して点灯する。
KP
その先から七色の光が溢れ出た。
牧志 浩太
「ひぃいいいぁ」
牧志が上げた声は笑いとも悲鳴ともつかない。
きっと頭の中がショートしている。
KP
万華鏡の光がぐるぐる回る中に、七色の雲に埋もれて階段が浮かんでいる。
佐倉 光
ぐるぐる回る輝きの中にある階段を、震える脚を押しつけるようにして降りる。
転げ落ちたらどんなに気持ちいいんだろうか。
KP
あなた達は虹色の雲の中を歩いている。
虹色の脳みその中を踏んで歩いている。
叫び声をあげて転げ落ちてしまいたい衝動を堪えて歩いている。

七色に輝く視界に足元がふわふわと浮いている。
むにゅむにゅと蠢く地面がもぞもぞと振動を足の裏に伝えてきて、途方もなく気持ちがいい。

まるで頭の中にいるみたいだ。

虹色の脳みそでできた雲は緩やかに下っていて、気持ちいい、もぞもぞ、気持ちいい。
ああ、どうやら自分達は頭の中にいるみたいだ。異常な量の脳内物質が無限のループを作ってしまって、頭の中から信号が出ていかないのだ。

だってこんなにもぞもぞ気持ちいいのはきっと頭の中だ。
佐倉 光
完璧狂気描写じゃないか!
KP
正気度 はあるのに正気じゃなかった!
佐倉 光
脚を下ろすたびに、むにゅりと沈み込んでふわりと浮き上がる。
辛うじて階段から落ちるとそこから先がなくなるかも知れないという意識は残っていた。
この階段は脳味噌のシワシワだ。だからいつまで行っても終わらない。
皺の間には可愛い蟲が這っている。つぶしたらかわいそうだろ?
佐倉 光
もう自分が何のために階段を降りているのかなんていうのもどうでも良くなりかけている。
ただ、隣で笑い続けている牧志の声に、たまに危機感をおぼえては拭い去られる。
その僅かな間に進んでいる。
牧志 浩太
「ふふふふ、あはは、あはははは」
絶え間なく聞こえる笑い声とともに、どれだけ歩いたのかよく分からない。
異常な快感の海をもがきながら、溺れながら進む。
KP
その果てに、とん、と足元から跳ね返る感触がした。
足が一番低い所を踏んでいる。
ああ、ここが一番おしまいの場所なのだ!
牧志 浩太
「佐倉さん、ゴールしたぁあ! 俺達すごい!」
牧志が叫んで手を広げる。
佐倉 光
「ははははははははは、やったー! やりとげたなー!」
その手に飛び込む。
佐倉 光
暖かい腕に包まれると何故か分からないが涙が溢れてきた。
生きていて良かったという想いが溢れて止まらない。
牧志 浩太
「やった! 俺達やったんだ! はははは!」
牧志があなたの手を取り、強く抱きしめる。
生きることの喜びが彼の胸から溢れ出して、あなたの頬を涙で染めた。
KP
達成感が頭の中を燃え上がって堪らない。
雲の中にふわふわと鉄製の棚が浮いて、脳味噌の海を泳ぎきったあなた達を祝福する。

KP
錆びた棚には、さまざまな書物がずらりと並んでいた。
大量の書物に取り囲まれるようにして、中央にある机の上に、瓶がひとつずつ置かれていた。
KP
ゆらゆら光る赤色の瓶。
どろどろ光る青色の瓶。
そろそろ光る黄色の瓶。
KP
なんて愉快な色なんだろう。

楽しい。
楽しすぎて息ができなくなりそう。
ここに並んでいるのは全部、脳味噌水泳大会を終えたあなたのための賞品だ!
KP
うん…… 完全に狂気ですね。(もぞもぞ)
【POW】12まきし【POW】15さくらの差がなかなか判定の成功率に効いてきて、そのせいで牧志がやばい。

佐倉 光
スキップをしながら棚に近寄って、飛び跳ねながら瓶を見る。
どれもとびきり綺麗だ。
切ない夕焼け色と、果てなき自由の青空と、生命溢れる太陽の色。
KP
瓶の中に納まった光はどれも、きらきら揺らめいて美しかった。
まるで世界でいちばん綺麗なものを集めて注ぎ込んだみたいに、ずっと眺めていたいくらいに、綺麗。
並んだ書物がその中に映って、黄金の光に埋もれた図書館みたいに見えた。
佐倉 光
このまばゆい色を脳の虹色に足したらどんなに素敵だろうか。
佐倉 光
全部纏めて蓋を開けて……

手を伸ばしかけて、その後ろにある夢のような光景に目を奪われる。
活字だ! 知識だ! 叡智の塊だ!
佐倉 光
「うわぁぁぁぁ! 本だ! みろよぉ牧志、本があるー!」
一冊抜いて匂いを楽しむ。
KP
古ぼけた紙のかぐわしい埃の匂いが、あなたの鼻腔をいっぱいに埋めた!
その瞬間、その匂いで意識が埋め尽くされる。
叡智の香りで頭の奥がくらくらする。

見渡す限り本、本、本! なんて素敵なのだろう!
ああ、この中に埋まって永遠に貪り続けたい。本の間を這う一匹の虫になりたい。
ああ、もう本しか目に入らない。
虹色の雲の中で本が光り輝いている。
そうだ、あなたはこれを貪る生き物ではなかったか。
これを貪るためにあなたがあるのではなかったか。

ああ、なんて、なんて幸せなのだろう……。
KP
SAN +1d6
【POW】×5で判定。
佐倉 光
1d6 なにこの正気? の暴力。 Sasa 1d6→3 1d100 75 【POW】 Sasa 1d100→ 49→成功
牧志 浩太
1d6 Sasa 1d6→2
SAN 64 → 66
1d100 【POW】 Sasa 1d100→26
KP
片っ端から読み耽って、永遠に本を読み続けていたい衝動をあなたはどうにか制御し、有用そうな情報を探すことができる。

そうするなら〈図書館〉で判定。
片っ端から読むなら判定は不要。
佐倉 光
牧志が大丈夫そうだから溺れとこ。
佐倉 光
ああ。埋まりたい。ずっと本を読んでいたい。知識を溜め込みたい。
学校の勉強なんかで足りるわけがない。毎日図書室に通っても飢餓感は癒えないのだ。
次々とページを繰って、文字を追う幸せに浸る。
何について書かれているのかを掴むだけでも何度も反芻するように読み返し、少しずつ組み立てていかなければ。
一冊で一体どれだけ楽しめるだろう。この脳が破裂するほどに知識を詰め込みたい。
本を抱いて床に座り込み、活字の奈落へ急速に落ち込んでゆく。
牧志 浩太
「ふふふ、ふふ、佐倉さん楽しそう。そっか、……そっか、そっかぁ」
活字の奈落へ落ち込むあなたを、牧志は楽しそうに見守る。
KP
あなたが手に取ったそれは、夢の世界の湖に住まうたゆたうものどもについての散文集だった。
かと思えば回転する結晶体の美しさがいかに人間から意思を奪うかについて滔々と書かれており、そうかと思えば夜な夜な悍ましい儀式に耽る一族の伝承にページが費やされている。

それは、「悍ましいものども」に纏わると彼らが判断した、真偽危うく粒度さまざまなあやしげな書物、写本のたぐいだった。

頭が幸せでいっぱいで、疲れなど感じない。いくらでも読める。いくらでも無数の活字を詰め込める。
牧志 浩太
「そうだ! わかった、俺大事そうなの探しとくから、佐倉さん読んでてよ」
ふふふ、と牧志は軽やかに脚を揺らしながら、本棚に向き合う。
1d100 82 〈図書館〉 Sasa 1d100→ 77→成功
佐倉 光
えらーい
佐倉 光
声をかけられているのにもう気付いていない。細い指で字を追うのに一生懸命だ。
人から意思を奪う光、儀式に伝承、聞いたこともない化け物の話……
月刊アヤカシとは密度が違う。
だからこそとても読みづらいが挑み甲斐がある。なんて素敵なんだろう。
牧志 浩太
その間に牧志は次々と本を引き抜き、有用そうな内容を探す。
抜いた本を次々とあなたの前に積み上げる。
あなたの手の届く所に、本が次々と積まれていく。
心理学、狂気を癒すまでの長い道のり、はじめてのカウンセリング、トラウマと向き合うために……。
牧志 浩太
「お!」
牧志は一冊の本を開いて、楽しそうな声を上げた。
佐倉 光
「……」
読み切れなかったら次の本を。次の本を。引用を追い、別の本を。
比較的読みやすい普通の心理学についての本を読んでいるときに牧志の声が耳に飛び込んできた。
佐倉 光
「…………えっ?」
牧志 浩太
「その瓶のことが書いてある! 詳しい効果と、使った時に考えられる影響だって!」
KP
▼この本を読むことで、活性化薬・鎮静薬・排出薬のそれぞれの薬を飲んだ場合に生じる影響が分かる。
▼この本には、薬の色などは書かれていない。
佐倉 光
「ああ、つまり、あれのことがわかる?」
すっかり忘れ去っていたきらきら綺麗な瓶を指さす。
牧志 浩太
「そうそう、そう! きっと分かる! 
佐倉さん楽しそうだし、読んどこうか?」
KP
▼牧志に読んでもらっても別段差支えはない。
佐倉 光
「読んで~」
にこにこしながらその前に一番いい匂いがして楽しかった本を抱いて座る。
牧志 浩太
「わかった~」
牧志 浩太
牧志がその本を読み、彼の推測を交えて掻い摘んで伝えてくれた内容によると、こうだ。
▼活性化薬
虫を更に活性化することにより、快楽物質が理性を、本能を、感覚を侵す。

激しい多幸感に翻弄されながら、食事・排泄・睡眠といった生存行動のすべてを忘れてしまい、幸福のうちに死に至るだろう。
▼鎮静薬
一度活性化した虫を鎮静することで、本来の共生状態に戻せるだろう。
虫は宿主の理性や感情を損なうことはなく、時折心を軽くしてくれる。

頭の中で、もぞもぞいいながら。
▼排出薬
脳内から虫を排出する。
虫は溶けて血管から流れるため、脳組織を損傷することはない。

虫のもたらす快楽物質に慣れた脳は、虫を除くことで重い欠乏状態となる。
回復するまで、死んだ方がましと思うような抑鬱を味わうだろう。
▼何もしない
活性化薬の瓶だけ中身が随分減っていることから、彼女達は虫を何度も活性化したのだろう。
このままでも虫と共生することはできそうだ。常にひどく幸せで愉快な気分のまま。
佐倉 光
ワーオ
佐倉 光
「アハハハハ、積んでるーwww」
けらけら笑いながらきらきらの薬を覗き込む。
佐倉 光
「虫をもっと元気にしたらー、ここの死体みたいになるんだなー。
でも最高の幸せが味わえるかもー」
牧志 浩太
「ふふふふふ、きっとすっごく気持ちいいよなー? よなー? それで気持ちよくて頭爆発して死んじゃうんだ! あはは、まずいな。でも気持ちよさそう」
佐倉 光
「もとどーりになりたかったら虫を殺して追い出せばいいんだなー。
だけどうっかり死ぬかも?」
牧志 浩太
「死ぬかも? かも? 死んだ方がまし? ひゃー想像つかない、でも我慢すれば元通りにはなれる? でも死ぬ? ふふふ」
佐倉 光
「虫をおとなしくさせてもぞもぞいうのを我慢してればあんまり害がないかもってことだなー。
頭の中に虫飼いっぱなしで大丈夫かしらねーけどさー」
牧志 浩太
「頭の中でずっともぞもぞいうんだなー、ふふふ、気持ちよさそう? かな?」
佐倉 光
「今のままでも一応は問題ナシ? ナシ?
いや大アリだろこんなじょーたいじゃ学校行けねぇし仕事もできねーってのwww」
牧志 浩太
「今のまま! すごく幸せ! 楽しい! 仕事中に落とし穴にはまっちゃうなー」
佐倉 光
共生か排除が無難なとこかー
KP
活性化したら確実に、生命維持してもらわないと死ぬ状態になるだろうなーとは推測できますね。
佐倉 光
「はいはーい、俺案がありまーす!」
元気よく手を上げる。
牧志 浩太
「はい佐倉さん、どうぞ!」
元気よくあなたを指さす。
佐倉 光
「ひとまずさー、弱くして様子見たらいーと思うんだよねー」
佐倉 光
「虫追い出す薬でもんだいなのはさー、ものっすごい濃度の快楽物質? がいきなりなくなるからでしょー?
だったらまずは虫弱くしてさー」
佐倉 光
「そんでなんか問題あったら殺す奴使えばいーじゃん」
まずは共生状態で様子見ようって案ですね。
牧志 浩太
「あー、あー、まずは弱くして様子見て、で何かまずそうだったら殺す! まずくなかったらそのまま!

そっか、一つだけしか使えないんじゃないんだもんな! 佐倉さん天才! 頭いい! 最高!」
牧志 浩太
牧志はあなたの挙げた手と、元気よくハイタッチをする。
佐倉 光
ぱちん、と手を打ち合わせたら、何だか本当に自分が天才のような気がしてきた。
KP
頭の奥から溢れ出す快感が全能感に化ける。
あなたは天才だ! なんでもできる!
佐倉 光
「でさー、どの色がどれってのは~さっきのノートに書いてあったの信じていいと思うしー
つまりは青い薬を……」
佐倉 光
「どーやって摂取したらいいのかわっかんねーんだけどwww
分量とかその本に書いてあった?」
牧志 浩太
「経口摂取! 味は謎! 分量はあった、ちょうどこれ一杯分くらい!」
本棚に置いてあったらしい小さな盃を、牧志はずいっとあなたの前に差し出す。

いくつかセットになった、市販品のガラスの盃だ。
懐中電灯の光にきらきらと光って、見惚れる程に美しい。
これにあの薬を注いだら、さぞかし綺麗だろう。
佐倉 光
綺麗な杯を手に取って眺める。
これで呑んだらどんな薬も幸せな味がするだろうなぁ。
青い薬を……牧志についで貰おう。
ああ、どんな味がするんだろう。楽しみだ!
牧志 浩太
牧志は楽しそうに、青い薬の瓶の蓋を開いた。
両手で支えて、あなたの手の中のきらめく光へと、まばゆい輝きを放つ青い流れを落としてゆく。
KP
その青い一滴が外気に触れた瞬間、異変が起きた。

もぞ。もぞ。もぞもぞもぞもぞ。

その青に抵抗するように、頭の中で激しく虫が這い回る。七色の光が眼窩の奥で明滅する。
思考を切り裂きばらばらにする程の、途方もない喜びがあなたの全身に襲い掛かる。
牧志 浩太
「あぁああああああ!!」

手足が快感でばちばちと震える、気持ちがいい、気持ちよすぎて、苦しい!

肺が躍って息が詰まりそうだ!
KP
薬を口に近づける程に虫が激しく暴れ、脳が震える。耐え難い程の快感が脳を右から左から殴りつける。
快感のスープの中で、脳味噌が跳ねているのが見える。
牧志 浩太
「あぁあああああぁあああ……!」


もぞもぞもぞもぞもぞもぞもぞもぞもぞもぞもぞもぞ
もぞもぞもぞもぞもぞもぞもぞもぞ……!


KP
SANチェック成功時減少 1D2失敗時減少 1D4》。
KP
また、【POW】×4で判定。
失敗するとあまりの喜びに耐えかね、薬を飲めずに盃を机に置いてしまう。

これは成功するまで実行でき、二度目以降の《SANチェック》は0/1となる。
佐倉 光
「うわははははこんなのムリムリムリムリぃ」
指先がぴくぴく震える。
安定した呼吸ができない。
佐倉 光
「なにお前こわい?  虫の奴恐がってる?
ここ調べたら急に楽しすぎてつよーい意思を感じるなあ。
こいつ結構頭いーんじゃないのー?」
佐倉 光
虫がもぞもぞするたびに脳みその皺がぷりんぷりんと弾けて震える。
次々と殴り付けるような快感に震えてはねてふらついて、それでもこの快感に流されるだけではいけないことは分かる。
きれいな杯をいつまでも眺めていたくなる気持ちに全力で抗う。
1d100 75 《SANチェック》 Sasa 1d100→ 5→決定的成功クリティカル)!
1d2 Sasa 1d2→1
SAN 75 → 74
1d100 60 POW Sasa 1d100→ 93→失敗
佐倉 光
杯が震える。
大いなる海のように青い薬が揺れる。
たぷたぷ、たぷたぷ、蕩けた脳も一緒に揺れる。
佐倉 光
ああ、これを飲んだらこんな気持ち良さもなくなってしまうのかな。

つらい、という感情が押し寄せ、思考を押し流す。
杯を置く。
その瞬間に揺らめいた青があまりにも綺麗で、やはりこれを浴びたくなる。
※1行動目失敗
牧志 浩太
1d100 66 《SANチェック》 Sasa 1d100→ 42→成功
d2 Sasa d2→2
SAN 66 → 64
1d100 48 POW Sasa 1d100→ 72→失敗
牧志 浩太
牧志はもう一つの杯に薬を注ぎ、飲もうとした。
その手が激しく振動する。
ぶわんぶわん。
ぶわんぶわんぶわん。
牧志 浩太
「ひゃぁあああ、手、手が震えるこぼれる、勝手に手がにげ、にげる、

そうか、お前こわい、こわいんだな?
このまま……、幸せでいたい?」

牧志はとうとう手を激しく振り始め、杯を持っていられなくなる。
強すぎる信号で手がでたらめに暴れ、意味のある行動が取れない。
KP
幸せに浸されたあなたの脳に、つらい、という感情が流れ込んだ。

この幸せを失ってしまえば、どうせまた、辛くて痛くて悲しい目に遭うのだ。
それが生きる痛みなのだ。

それなら、

死ぬまでずっと幸せでいるくらい、いいんじゃないか?
佐倉 光
「やだよ。俺大人になりたいんだ」
杯に手をのばす。
佐倉 光
1d100 74 SAN Sasa 1d100→ 59→成功
1d100 60 【POW】 Sasa 1d100→ 49→成功
佐倉 光
大人になって、俺は、牧志に借りを返したいんだ。
佐倉 光
だから、お互いにもとの姿に戻ろうぜ……おとなしくしていてくれるなら、殺しはしないから。

一気に杯をあおる。
牧志 浩太
1d100 64 《SANチェック》 Sasa 1d100→ 31→成功
1d100 48 【POW】 Sasa 1d100→ 44→成功
KP
あなたと牧志の目が、一度合った。
震える手をねじ伏せ、二人は同時に杯の中身を呷る。
KP
すとんと腹の奥に青が落ちるのが、一番最初に感じられた。
その青が静かな湖面のように、穏やかに広がっていく。

手足から先に暴れるのをやめた。
すると、踊りだしたくてたまらない気持ちが、ただの錯覚だったと気づいた。

続いて、引きつっていた腹が笑いという反応をやめる。
すると、何をそんなに笑っていたのか、ふと分からなくなった。

青は背筋をなだめるように上っていく。
背をやさしくたしなめられたような気がして、何をそんなに楽しく思っていたのか分からなくなる。

神経を伝って眼球が青く染められて、七色の雲が視界から消える。
そこにあるのはただ狭い地下室と、本の並べられた錆びた棚だった。
瓶の中の色だけが変わらず綺麗だった。

あなたはふと怖くなった。
あんなに楽しかった気持ちが、祭りが終わるかのように、見る間に閉じられていってしまう。

それでも青はもう止まらない。
ふと気づくと、牧志があなたの手を握っていた。
KP
最後に頭の奥へと辿り着くと、そこで嫌だ嫌だと暴れていたものを、お休みなさいと青はゆっくり撫でた。
KP
そうして頭の中の祭りは終わった。
頭の中の虫は、悲しげに微かにもぞ、もぞ、と動いて、そして眠るように動きを止めた。
KP
二人とも汗だくで、ひどく疲れていた。
無理矢理に跳ねていた体が重い。
楽しさが去ってしまって、どんよりと憂鬱な気分だ。

二人とも腐臭が酷いし、疲れ果てている。頭が重い。
あの楽しみが、幸せが懐かしくてたまらない。
この赤い薬をもう一度飲めば、また幸せにしてくれるだろうか?
佐倉 光
巡ってゆく。祭りは終わりだと告げる。浮わついていた気持ちが落ち込んでゆく。怖い。悲しい。辛い。
佐倉 光
辛い、重い、臭い、とにかく疲れた。くたりと崩れ落ちそうになった。
あの赤はまた連れ戻してくれるだろうか。
KP
そう思ったとき、頭の中で虫がもぞ、と微かに動いて、大丈夫だよとあなたをなぐさめた。
KP
これは全くの偶然なんですが偶然にも青ですね。こちらの二人はあれ経験してないけど。
佐倉 光
ですねぇ。青に沈むのが救いになった。前回も今回も。
佐倉 光
頭蓋のなかでうごめいたなにかにそのつもりがあったかなど分からない。
それでも、それが悲しみでも辛さでもなく、平穏なのだと思い出す。
……まだずいぶんと色褪せて見えたが、慰めるような動きが、それでいいのだと思わせてくれた。
牧志 浩太
前で牧志がぐったりと机に縋っていた。
佐倉 光
赤い薬を手に取る。
KP
赤い薬は少し毒々しい色で、平凡な瓶の中でゆらゆら揺れている。
佐倉 光
どうしたものか。
少し考える。
捨ててしまうのがいいだろうか。これはこの惨劇の原因だ。
しかしいつか必要になるかも……
佐倉 光
「ハルカが言ってたんだ。
迷うものは捨てるといいって」
部屋のすみに瓶を投げ捨てる。
KP
部屋の隅に放り投げられた瓶はがしゃんと音を立て、毒々しい色の赤い水たまりを作り、そして床の染みになった。
牧志 浩太
「……部屋の中がごちゃごちゃにならないための心掛けだな」
汗まみれの顔を牧志が重たげに上げ、力を込めて微笑んだ。
佐倉 光
「そうしろっていつも言われてるんだって、言ってたよ」
残った薬をポケットに入れる。
佐倉 光
「あー、疲れた。幸せすぎるってのも疲れるものなんだな」
牧志 浩太
「ほんとに。
そりゃ、あれだけ無理矢理体を動かされてればな。

ずっと跳ねたり笑ったりスキップしてたし。
笑いすぎて腹が痛い。しばらく腹を下しそうだ」
牧志 浩太
「幸せ過ぎて死ぬ、なんてことにならなくてよかったよ。
幸せ以外感じられないってのも、落ち着かないしさ」
牧志はそう穏やかに笑って、服の裾の埃を払う。
転げ回ったせいで、服も手足も埃だらけだ。
佐倉 光
「ま、ある意味幸せな死に方だろうけどな」
こちらも髪の毛をワシワシとかき混ぜて、引っかかったゴミを落とす。
佐倉 光
「さてと、帰ろうか。俺ちょっといい気分なんだ」
牧志 浩太
「そうだな。……帰ろう」
牧志は改めて、あなたの手を取った。
その手の温もりは穏やかで、先程のような笑いだしたいほどの熱に満ちてこそいなかったが、平穏にやさしかった。
KP
帰路につくあなた達の頭の中で、微かに虫が蠢いた。

もぞ、もぞ、もぞもぞ。
嫌な気分はしなかった。

ただ少し、心が軽くなっただけだった。
佐倉 光
ふっと、微笑んだ。
頭の中の住人が増えちまったな。物理的に。
色々な意味で、殺す薬を使う羽目にならないことを願うよ。

佐倉 光
いつもこういうときうっかり「祈る」と書きかけて修正している。
佐倉は祈らないんだよな。
KP
ああー、確かに。何か自分ではないものに祈ることはしないのか。
佐倉 光
皮肉交じりにとか、余程切羽詰まっていて対象が思い当たるとか、目の前にいるとかなら話は別ですが。
メガテン本編で大仕事の成功祈願には行った。どの程度の真剣度だったかは不明ですけどね。
KP
割と雰囲気だった気もしますね、あの時は。
佐倉 光
ちょうど前通ったし程度のテンションでしたね。

KP
……あなたの中にいるはずの彼は、物理的に増えてしまった同居人のことを、一体どう思っているのだろうか?
頭の中から言葉が返ることはない。
一体彼が何を思っているのかは、今も分からないままだった。
佐倉 光
「ケンカすんなよ」
ふと呟いて、牧志について歩いた。
佐倉 光
「世界にはそんなに幸せはのべつまくなし溢れていないけど、だからこそ嬉しいときには嬉しいし、幸せなときは幸せなんじゃないかな」
牧志 浩太
「ずっと幸せだったら、そのうち幸せって何なのか、分からなくなっちゃうかもな。
よし、とりあえず帰ったら風呂入り直して幸せになるか」
佐倉 光
「俺にもまた仲魔ができた、って思っていいかも」
調子に乗りすぎかなこれは。
牧志 浩太
「なるほど? 結果謎だったけど《アナライズ》に反応してたし、仲魔かもな。
あ、そうだ。今やり直してみよう」
牧志はあなたにCOMPを向ける。
佐倉 光
COMPの表示を覗き込む。
『HUMAN』
^^^^^^ Lv:^^^^ 種族:^^^^^^ 属性:NEUTRAL/CHAOS』
KP
……少し変わっているが、やはり名前やLvはきちんと読み取れないようだ。
そんなもの、なのかもしれない。
佐倉 光
「牧志の《アナライズ》結果が更に信用に足らなくなる」
ずらりと並んだ笑顔を思わせる記号に小さなため息をついて苦笑した。
ちょっと、笑えるな。
牧志 浩太
「うーん」
牧志は自分にもCOMPを向ける。
『HUMAN』
『邪神』
『契約済み』
^^^^^^ Lv:^^^^ 種族:^^^^^^ 属性:NEUTRAL/CHAOS』
牧志 浩太
「めちゃくちゃだな。普段の結果記録しとかないと」
佐倉 光
「よーし風呂入ろう風呂ー。全部スッキリさせよう」
牧志 浩太
「だな! 風呂入ろう、風呂。全部流してすっきりしよう」
牧志は晴れやかに笑った。
KP
七色の雲が晴れた道は平穏で、退屈で、灰色で。
そんな灰色が、もしかしたら何より美しいのかもしれなかった。


Call of Cthulhu 6th
  「もぞもぞいう」

  END-1「もぞもぞいう」にて、終了。



佐倉 光
ありがとうございました!
KP
ありがとうございましたー!
佐倉 光
もぞもぞ残っちゃった。
まあー、一番穏当かなって気はする。
KP
残っちゃった。ではEND分岐や途中の諸々など、お伝えしたいことはいろいろあるのですが、まずは忘れないうちに生還報酬と後遺症を。
佐倉 光
はーい!

▼生還報酬
 SAN +1d3
牧志 浩太
1d3

Sasa 1d3→2
SAN 64 → 66
佐倉 光
1d3 Sasa 1d3→1
SAN 74 → 75
正気度 ぱっつぱつだよ。
KP
正気でいっぱい。
牧志も最大値ですね。
▼後遺症「もぞもぞいう」(二人とも)
 ・1シナリオに1回、シナリオ内の好きなタイミングで正気度 を+1d3できる。
  正気度 が0になった直後に使用する場合、減少前の値で《SANチェック》を行い、成功した場合のみ回復できる。
  (※一発1D100みたいなのは比較的生還しやすくなるが、じわじわSANが削れて0になるのは生還しづらいイメージ)
 ・ 不定の狂気回復時のダイスで50以下の出目を出すと、回復値が1d3→1d4になる。
 ・脳内物質が出る時に必ず頭の中で虫の這う「もぞもぞいう」音がするため、虫の這う音が好きになっていく。
 ・虫は狂気を餌にするため、宿主が一定期間平穏に暮らしていると、耳の穴から怪異を引き寄せる匂いを発しだす。
  この匂いは人間には検知できない。(神話事件に巻き込まれやすくなる)
佐倉 光
あーあ。
その被害は自覚しにくいから、殺すって結論には至りにくそう。
KP
そうなんですよ。実はデメリットちゃんとあるけど分からないっていう。
佐倉 光
もっと子供チームでシナリオやれよって言われたw
そうだね1チームだけだと摩耗しちゃうからね1!
KP
ああっ、無理にそんなつもりは!
デメリットないのも面白くないな~、何かデータに影響しないデメリットで面白いことできないかな~くらいでした。
PCにとっては大きなデメリットなんだけど、探索者的には何の問題もないっていう。
でも、子供チームは子供チームで案外面白いので色々やってみたいのはありますね。
佐倉 光
バランス取りが難しいですけどね。佐倉が貧弱すぎて。
感情的でいーかげんになりやすい佐倉もやってて楽しいので歓迎。
KP
なんですよね。HP7はなぁ。何か悍ましいHP増強シナリオでも作ろうかな? >バランス取り
そうそう、二人の関係の閉塞性とか、感情に振り回される佐倉さんとか、随所で覗く無力とか、何かとこれはこれで楽しいんですよね。
佐倉 光
「悍ましい」!!
KP
ただHP増強できちゃうだけだと面白くないかなって……。
佐倉 光
ことあるごとに「早く大人になりたい!」と叫ぶ佐倉。
そのたびにもぞもぞされて「んーまあ、子供でもできることはあるし……」と気を落ち着ける佐倉。
KP
もぞもぞされて落ち着いちゃうのもそれはそれでアブナイ感じある。
今回は勝手にSANが増強されちゃう話だったから、今度は佐倉さんが自ら危ういHP増強手段に手を伸ばしてしまうか、そういう状況に追いやられる話にすればいいのかな。
佐倉 光
強くなれる系でやらかしちゃうやつとか……そういうの探そうかなー
KP
そうそう。そういうのもしあればすごく面白そうですし、なかったら「こういう話が面白いんじゃないか」みたいなのがあればシナリオこしらえます。
(牧志のHP12、佐倉さんのHP7、足して2で割って切り上げて二人ともHP10になったら、うーんちょっと低めかなぁ、と一瞬酷いことを考えました:牧志は佐倉さん死ぬ、生命共有すれば生かせる、となったらやりそう)
佐倉 光
今回のラストで「大人になって借りを返す」って言ってたけど
「返さなきゃいけない」じゃなくて「返したい」なんですよ。
つまりは借りがどの程度あるかとか関係なく、牧志の助けになることがあればしたいと思っているだけ。
だからってこれいじょう借りをでかくしないでくれぇぇw
KP
ああー。「借りを返さなきゃいけない」じゃないんだ。
いや、佐倉さんのHP増やす手段で真っ先に浮かぶのって「何かまずいものを埋め込む」or「人から取ってくる」だよなーと思ってしまって。
佐倉 光
何かまずいもの埋め込んで死にかけて牧志に助けて貰うかぁー。
こちらでもなんか探すなら何なりしてみよう。
成長はナシですね。
KP
ですね。今回は成長なし。
佐倉 光
いやー、牧志君がばっと回復して良かったなぁ!
佐倉は早い内にパツンパツンになって鼻血噴いてたけど。
でもこれから増えたSAN値をフェロモンに惹かれてやって来る怪異にゴリゴリ削られると……
KP
削られると。で、削られてもぞもぞされて回復されると。
佐倉 光
本編レベルで酷い日常になったら駆除も考えるかもしれないけど、そこまでいっていなければ、「まあ楽しいし」でスルーする可能性がある。
KP
活性化されていない虫は、たまに気を楽にしてくれるくらいで、生活や感情や理性の邪魔はしないので大丈夫。怪異寄せるけど。
もぞもぞされると気が楽になるので、気が楽になることともぞもぞが結びついちゃってもぞもぞ音が好きになり始めるけど。

佐倉 光
ところで駆除していたらどうなっていたのでしょう。
KP
あ、ではEND分岐を。
主な分岐はラストの「活性化する」「鎮静する」「排出する」「なにもしない」になります。
END-1「もぞもぞいう」が今回のルート。
END-2「ぽろぽろいう」が排出ルート。
虫が脳内で激しく抵抗して、頭蓋を掘り抜かれるような激痛と同時に、思考をばらばらにする程の途方もない喜びが襲い掛かってきます。

抵抗判定が【POW】×4なのは一緒ですが、1回目のみHP-1d4、《SANチェック成功時減少 1D3失敗時減少 1d5》。となります。
2回目以降は《SANチェック成功時減少 0失敗時減少 1d2》。
佐倉 光
へたしたら死ぬぅ
あ、一回目だけか。
KP
ですです。1回目だけ。
激痛と喜びに耐えて薬を飲むと、虫がぽろぽろ落ちて血管の中を流れていくのを脈打つ感覚とともに感じ、それと同時に奈落へ突き落されるような激しい悲哀、恐怖、絶望、倦怠感に襲われて、しばらく動けなくなります。

時間経過(二人ともPOW判定に失敗した数+思い出す時の【アイデア】ロールに失敗して翌日になった場合)に応じた大きめのSANダメージが入ります。(最終的に黒字にはなるくらい)

また、脳内物質の欠乏により重い鬱状態に陥り、数日はベッドから起き上がることも困難になるでしょう。
不定の狂気〈抑鬱症〉1D6ヶ月。ただし、不定治療中に正気度 を回復することはできない)

その代わり、もはやもぞもぞいう音に悩まされることはありません。
佐倉 光
END-1 の もぞもぞいうのは悩みじゃないみたいだからなぁ。
綺麗な体に戻れる代償がそこそこあるー。
KP
END-1を選ぶ動機もそこそこあってほしいけど、でも綺麗な身体に戻れるルートもちゃんと欲しいなと思ってこうなりました。
今回の「鎮静してから駆除」の場合、数か月単位でゆっくり慣らしてから駆除すればもうちょっとマシにはなると思います。その時に駆除する気があればですが。
佐倉 光
駆除しなければならないと思う理由があればするけど、とくになければそのままほっとくかな。
劇中みたいな明らかにおかしい状態になる、感情を操られるみたいな大きい影響がなければ、共生していくのも悪くないかと。
あと「いつでも殺せる手段がある」というのも余裕になっている気がしますね。
KP
見える範囲特に不都合はないみたいだし、殺せる手段はありますしね。
佐倉 光
大人佐倉だったら少しおいて駆除したんじゃないかなぁ。
何があるか分からないし。
不確定要素抱えておける余裕はないんだ……
KP
そこはやっぱり慎重さの違い? それとも「仲魔?」と思ったから?
そこに差が出るのは面白いなぁ。子供チームで回してよかった。
(END-1になったからってわけではなくて、そこの差が見えたのは面白いの意)
佐倉 光
子供の方が感情豊かな分、道具にされた虫への哀れみなども多分にあるんですよね。
あと気持ち良かったのをなくしたくないなぁ、とも思ってしまう。
KP
ああー。感情豊かな分、虫に対して抱く感情もちょっと違うんだ。
佐倉 光
大人だったら弱体化して無害にしてから虫についてよくよく調べて、駆除が安全にできそうならするでしょうねー。
虫は哀れだとは思うけど、それはそれこれはこれ。
あまりにも怪異にあいすぎているし、単体では無害でも、今後事件でどんな影響を及ぼすかも分からないから。
メリットについて強く意識するようなことでもあれば考えるかもしれないけど。
KP
酷い目に遭わされた場数も違えば、虫に対する態度も違えば慎重さも違うんだなぁ。
佐倉 光
たとえば恐ろしい物を見て恐慌状態に陥った脳で、虫もパニックになってまた物理的に脳を溶かし始めるなんてことが起こる可能性だってある。
そう考えるとなかなか難しい。
KP
そこで恐慌と喜びでぐちゃぐちゃになってしまったら、生き残れるものも生き残れませんしね。牧志の頭にも虫がいるわけだし。
佐倉 光
それで、強化薬つかったらどうなってたんだろう!
KP
では残り2つのENDを。
KP
END-3「きらきらいう」は、鎮静も活性化も排出もしないで、そのまま同居するルートです。
シナリオ途中で解決を放棄した場合(気持ちいいのを手放したくない、危ない目に遭いたくない等)もここに来ます。
▼後遺症:きらきらいう
 ・あらゆる《SANチェック》の正気度 減少値が2分の1(切り上げ)になる。
 ・1ヶ月に1d6正気度 が回復する。この回復は不定の狂気回復時の正気度 回復と重複する。
 ・「常にひどく幸せな気分になっている」「危険を回避できない・逃走できない」という後遺症を負う。
 ・虫は狂気を餌にするため、宿主が一定期間平穏に暮らしていると、耳の穴から怪異を引き寄せる匂いを発しだす。(神話事件に巻き込まれやすくなる)
KP
すぐ死にはしないけど、どこかで神話事件で命を落としそうな気がします。
佐倉 光
引き際分かんなくなるー!
そりゃ死にますね。ええ。
KP
正気度 については最強になるけど命が危なすぎるし、日常の危険も回避できない。
佐倉 光
日常を乗り越えるのが難しく!
KP
なる!
あの状態のままではそれこそ交通事故とかで死にかねない。
佐倉 光
常時《ハピルマ》ってそれ狂気ですよね???
KP
狂気ですね。正気度 とはなんだったのか。
活性化薬を使った場合、END-4「わあわあいう」です。これはロストエンド。
作中で話に出た通り、激しい幸福感に翻弄されて食事・排泄・睡眠など生存に必要な行動を忘れてしまい、衰弱して死にます。

生命を外部から維持してもらえる環境があれば、幸せな夢の中で生きることができるかもしれませんが、現実に戻ってくることはもはや不可能です。
佐倉 光
研究所の皆さんわあわあいっちゃったか。
そういえば虫うつされたときのこと具体的には思い出さないままに終わりましたね。
さすがにあそこで座り込んでエヘエヘ笑いながらロストするのは虫含め誰も幸せにならない。
KP
ならない。
死んだ脳の中で長く生き延びられるような虫ではないので、虫も全滅しちゃいますしね。

虫うつされた時のことは、虫が脳内物質ぶつけて脳をバグらせて邪魔したので、そこの記憶は不明瞭になってしまっています。
ちゃんと思い出しても、女が肉片吐いたこととか、思いっきりこちらに向けて吐いてきたこと、吐瀉物を盛大に浴びたので一応病院…… って話をしたことが分かるくらいかな。
佐倉 光
うん、それはわすれていい記憶だ!
女さんは自分の意思でやったんですね。
※なんとなく敬称つけてるけど、「女さん」が最近ネットで蔑称として使われがちなせいで何となくむずむずするな!
KP
※ちょっとわかる
じゃあ「生き残りさん」ということで。
シナリオ背景はだいたい出ているのですが、こんな感じです。

▼シナリオ背景
「理解しがたい恐ろしいもの、そんなものが存在しているとは思いがたいものども」を目の当たりにし、恐怖と狂気に囚われて対抗できなかった若者達が廃墟に集まり、狂気に対抗する手段を探し始めた。
最初は悔しい体験を共有したり、情報を持ち寄るだけの集まりだったが、ある時その一人が巻き込まれた事件で「人間を幸せにする蟲」と、それらをコントロールする薬を見つける。

虫を有用な寄生虫として研究していた、ある抗神組織……になりたかった組織。数人規模。組織というより探索者グループ。
神話生物がもたらす狂気に寄生虫の脳内物質で対抗しようとした。

虫は元々宿主を殺さない寄生虫であり、虫を鎮静する薬も手に入れていたが、「その程度では足りない」と効果を欲張って虫を活性化させた結果、脳内麻薬過剰となって理性的な行動が取れなくなり、食事さえも取れなくなって幸せに全滅した。
一人だけ生き残りがいるが結局死ぬ。

虫自体の繁殖力は高くなく、宿主の新鮮な脳を口にしない限りは繁殖しない。
幸せそうな様子につられて全員で試してしまい、止める奴がいなかったのが敗因。
ちゃんとした研究員ではない。

▼憑かれた理由
探索者グループの一人がこの虫を全滅させまいと、幸福感に苛まれながらぎりぎりの所で持ち出した。
女は虫を持ち出すつもりであえて肉片を口に含んで襲いかかったのであり、そうでもしないと感染しない。
佐倉 光
「幸福感に苛まれ」ってパワーワード。
しあわせすぎてこわいってそういうことじゃない。
つまり生き残りさんは、仲間の脳味噌口に含んで持ち出したのかな。
KP
そういうことです。
佐倉 光
エグゥイ
そんなの吐きかけられた二人も可哀想。
KP
最後の一人が死んで、もう自分もだめ、っていう時に、佐倉さんが言った通り人命よりも虫を絶やさないことを優先しちゃったんですね。
佐倉 光
随分虫に感情移入していたみたいですしね、筆者。
強化しなければうまくやっていけたかもしれんのに。
(しかし事件はよってくる)
ある意味これって出会ってはいけない存在でしたよね。
共生に見せかけて捕食寄生一歩手前ではないか!
KP
精神的に不安定になってしまっていて、虫に依存してしまっていたところがあると思います。あとちょっと擬人化して見てしまっていた。
軽はずみなことをしなければうまくやれたかもしれないのに。

探索者という意味ではPCたちと同じ、でも道を誤ってしまった人達、というイメージでこうなりました。

出会ってはいけない存在でしたねぇ。そんな都合がいいだけの存在がいるわけなかった。
よりによって、精神的に不安定になっていた人達と虫、それに薬が揃ってしまって不幸が起きた。
佐倉 光
あーあ。
彼女ら、恐ろしいことから逃げたかったわけじゃなくて殴りたかったみたいだから、望んでいたものには出会えたのか。
KP
でも欲張ったせいで、殴る前に死んじゃったんですよね。
欲張らなければ、もしかしたら次にそんな出来事に遭ったときに、一発殴る助けになってくれたのかもしれないのに。
佐倉 光
しれないのになー。
麻薬じみてるなとおもいながらやってました。
実際脳内麻薬だったわけだけど。
「もぞもぞいう」っていうシナリオ名が凄くいいと思いますこの話。
KP
だったわけです。
実際、あの地域の住人(?)からは「薬物やってそうな一団」として見られてました。

あ、廃墟は本当に治安の悪い一帯にあるただの廃墟です。
元店舗か何かを勝手に占拠して使っていました。

おおお、ありがとうございます。タイトルつけるの苦手なのでそれは嬉しい。>もぞもぞいう
割と早いうちに浮かんだんですよね、このシナリオ名。
佐倉 光
「回復シナリオです! 寄生虫です!」ときて「もぞもぞいう」ってもう何が起こるか分かるけど分からんし怖い。
しかし頭だとは思いませんでしたねー。
中盤から「なんかこの描写エロ一歩手前だな???」とか思いながらやってるのも面白かった。
「もぞもぞいう」「虫」って明らかに不快なことを連想させるのに、そこで回復するのもバグり過ぎてて楽しい。
KP
わぁいやったぁ。
一話目のコメントの「KPオリジナルのSAN値回復シナリオです。楽しいですね。嬉しいですね。
ガンガン回復するらしいですよ。やったぁ!
えっ、虫注意? なんで?」が好きです。
認識がバグっちゃう話、好き。

おお、頭だとは思いませんでしたか。どんな推測してらしたのか聞いても?

そう、「喜び・嬉しい」から「原始的な快感」になりだしたあたりで「あっこれなんかエロ一歩手前だな???」ってなってた。
佐倉 光
いや、そんなに具体的に考えてはいなかったけど、体に虫が住み着いて、気持ち良くなる物質でも出すのかな、
それがなにか問題起こしてて最終的に追い出すシナリオでもやるのかな程度でしたね。
住み着くのは体を想定してた。

あと寄生されるところからやるのかなと思っていたので、いきなりSAN値が回復し始めたところで「なにこれこわい」と思いました。
KP
なるほど。
序盤は何気ない平穏なひととき、かと思えばもう既に異常が起きてたおかしかった、っていいよね! を詰め込みました。
佐倉 光
こんなケタケタいひいひ笑いながら探索することになるとは思ってなかった。
やばすぎよ。どう考えても麻薬常習者じゃないか。
描写ひねり出すのに苦労したけど面白かったな。
あと笑顔パターン足りない! と思いました。
KP
今回は本当に笑顔が出ずっぱりでしたね。ひどいはなしだ。
研究所探索に入る所で感じた視線は、あの一帯を溜まり場にしている人たちの視線でした。
事件には関与していないのですが、明らかに頭いってる二人組が来たので「あいつらの仲間かな」と様子を見ていました。
▼向こうのビルの連中
事件には関与していない。
この辺を溜まり場にしている。

普通のお薬をあれこれしたりはしているが、ガチなやつはやっていない。
研究所の連中のことは「あいつら絶対ガチやってるよー。頭いってるもん」と避けていた。
研究所の連中が全滅したあと、佐倉さんたちが来たので、その様子から「あいつらの仲間かな」と思って見ていた。

話を聞くと「研究所」の連中の動向が聞ける。詳しい内情は知らない。
佐倉 光
なるほど一応情報源だったんだ。
KP
なのです。とはいえ大した内容は聞けないので、探索箇所ってわけじゃないけど聞きたければ聞いてもOKなフォローポイントくらいの位置づけですね。
ちなみに女の足取りを無視して病院行くと、実はMRIで虫を発見することができました。毎回「怪異だから科学技術じゃ見えないよ」ってのもなんなので。医者はもれなく《SANチェック》。
佐倉 光
あーあ。
手術で排除可能なんですか?
▼手術で排除する場合
「大脳皮質にエンドルフィン生産性の腫瘍が見つかりました。
手術で取り除くことはできますが、成功率は5%がいい所でしょう……」

「腫瘍」の本体は寄生虫なので、取り除こうとすると逃げる。
この5%ロールに挑戦する者がいるなら、50%の確率でロスト、45%の確率で重篤な後遺症を負い、5%の確率で寄生虫を除去して生還(END-2相当)できる。
このロールの成功率は事前に開示すること。
KP
……というわけで、「非探索者的なアプローチでどうにかすることも可能ではあるけど、だいぶ無理」って感じです。
王道はやっぱり探索者的なアプローチではあるけど、常識的な手段でどうにかしようとするルートがあってもいいよね、でも「理解しがたいもの」に科学で対処するのは相当難しいよ、という塩梅です。
佐倉 光
在るだけでも味わい深い。
病院の計測数値に何故かないはずの絵文字が出ちゃうところだった。
KP
出ちゃうところでした。計測数値は絵文字でいっぱいになるし医者は《SANチェック》する。
今回、イベント的に必要じゃないけど雰囲気のために存在しているものちょこちょこあります。男の仮眠室とか。
あと、探索の自由度でいうと、地下倉庫の扉は実は【STR】に物を言わせて開けることもできました。
この二人じゃ【STR】に物を言わせにくいけど。
溜まり場の扉が開いていたのは誘導というより、「生き残りさんここから出てきたなら開いてるよな」でした。

外に書類が落ちていたのはシナリオ都合的には誘導ですが、作中的には生き残りさんが書類を一緒に持ち出そうとしてぽとぽと落としていったものです。
佐倉 光
エロいけるわって話の直後にあの部屋だったので、「わぁ便利な部屋までご用意されている!」と思った。
なるほどー!
KP
なるほどwww その認識はなかったけど、確かにいける! >仮眠室
ふかふかクッションと毛布もありますしね。
仮眠室は、快適なたまり場(無断)だったころの名残なのでした。
因みに、たまり場を探索しない場合でも、地下倉庫さえ開ければ薬が飲めるのですが、その場合はどれがどれか分からないまま飲むことになりました。

あと「実験室」は恐怖や狂気に対抗する虫の効果を検証するための場所です。
佐倉 光
夢を見すぎた人間の痕跡か。
物悲しいな。

なるほど歩いた痕跡だったんですねぇ。

銃で殺せるなら、科学的にあれこれできることもあるだろう!!  ファンタジーじゃあるまいし!

【STR】でどうこうって、悪魔にでもされてないと出てこない発想だー
牧志はともかく佐倉は考える意味もないからなぁ。
普段瓶の蓋があかなくて苦労するタイプだ。

効果検証は一応まともにやってはいたんだなぁ。
でもあると見るや皆溺れてしまったかぁ。
KP
あるだろう!! でも限界はあった!! >科学的手段

牧志もそういう時にいきなり【STR】でどうにかしよう!! ってタイプじゃないですしね。
普段、牧志が頼まれて瓶の蓋開けたりしてるのかぁ。

なのでした。
そもそも全員晴れない辛さを抱えているのに、目の前で幸せそうな様子を見せつけられたのがだめだった。
佐倉 光
人が欲に任せて悪魔に手を出し、最初はそれなりにバランスを取れた関係が築けていたものの、
欲かきすぎて酷い目に遭ったついでに周囲に迷惑まき散らすって、
たぶん悪魔関係の事件追う仕事ではよくある事例でしょうから、
正気で目にしたら「あーあ」としか言いようがない光景だったなぁ。
牧志もそろそろ見慣れてしまっていそう。
酷い目には遭っていないか。主観的には。
KP
こういうシナリオ鍵の突破を想定していないことが多いから、突破できるルートをほんのり入れてみた感じですね。>【STR】

正気だったら「あーあ」ってなっていたんでしょうね。
牧志も仕事の過程でそろそろ見慣れつつあるんだろうなと思うと、こちらの牧志もそういう所で本編との違いがありますね。

それでも毎回心を痛めるんだろうけど、意味合いが変わってきていそう。
そういうところが出るシナリオもやったら面白いかも。

今回は心を痛めるどころじゃなかったけど。
幸せでしたね……主観的には。
佐倉 光
リアル舞台なのに扉、壁、窓、鍵、破壊の想定を全くしていないシナリオ多いですもんね。
今回のシナリオみたいに鍵を探す過程でヒントが出ることも多いし、強行突破に利点があるシナリオって見たことないんだよなぁ。

CoCには〈鍵開け〉のスキルがあるんだけど。ストーリー主導シナリオだとそれでの突破は基本不可だったりするのかな。
どうせ使えることはないだろうと思うし、泥棒PC作ったことないので取ったことはないなぁ。
素手で〈鍵開け〉技能使うのは無理でしょうし、道具取り上げておけば〈鍵開け〉も封じられるかな。


しかし分岐先でも結構積んできたお陰で大分チームごとの特色が濃くなりましたね。
情報纏めないとワケわかんなくなるな。
今は公開していないストーリー一覧、分岐ごとに分けて真面目に作ろうかな。
KP
なんですよね。>破壊
クラシックシナリオだと結構あるんだけど、ストーリー主導だとやっぱり順番の制御がしづらくなるんでしょうね、〈鍵開け〉・破壊。

強行突破を前提にせず(探索者を限定せず)、かつ、強行突破することで利点がある、は難しいんですよねなかなか。単純に情報量が減る。

戦闘や《SANチェック》をスキップできたら面白いけど、「シナリオを最後まで行かず・見ずに生還できちゃう」のはクラシックシナリオでは利点でもストーリー主導のシナリオでは利点ではないし、何よりクラシックでも「やらず・見ずに途中生還」はPLKPともに消化不良になっちゃうし。
やるとして無用な《SANチェック》やダメージをスキップできるくらいかな。

逆に現代日本で〈鍵開け〉・破壊で突破がメインルートのシナリオ(かなり古いシナリオ)があって、PLが良識的だったので誘導に難儀したことがあったなぁ。

ですね。過去の話を絡めるとき、ストーリー一覧があると何かと確認しやすいかも。
単純に見ていて楽しいのもあります。
佐倉 光
誰かが捕まっていて早く行かないと殺害されるとか、取り返しがつかないことになるとか、そういう特殊条件だったら……とかかな。
鍵を探していると真相は分かるけど犠牲者は出るとか。
今の流行的にそれをやるのはちょっと難しい気はしますけれども。

毎回、「この佐倉この事件のこと知ってたかな……」って確認に時間がかかる。
そのあたりもじっくり確認できるのが置きのいいところなのですけれども、さすがに量が!
KP
どうしても「現代日本で一般人が強行突破」というシチュエーションにしづらいのか、刑事シナリオとかアクション系シナリオが多いですが、そういう誰か救出に行く! とか、急げ! という状況でバン! と蹴破れるのはかっこいいですね。

後は突破・〈鍵開け〉できると何か必須ではない追加情報を掠めとれるとか。
その辺なら割とやれそう。

あんまり強行突破を許してると制御の難しい所でとりあえず人んちのツボ壊すムードで強行突破してみるPLを生むので、そういう所のフォローも難しいのかなぁ、と思います。

それはそれでちゃんとペナルティーもあると面白いですが、「シナリオ作る」という視点でいうと本筋関係ないところにかかるパワーがどんどん増えちゃうし。

ストーリー軽めのアクション系シナリオで、ダンジョンでツボ壊したら何が起きる汎用チャートのあるシナリオでも作ってみようかな。

それはある。置きのいいところですが、本当にチーム毎に色々積まれてきて(楽しい)、たまに間違う!
(いつも検索機能にお世話になっています)
佐倉 光
自由度についてなんかは最近また話題になってたな。
今は割と素直にシナリオに載っかって進むのが主流ですからね。
シナリオから外れるだろうしやらないでおこう って、オートで思考から省かれがち。

途中の諸々ってなんだろう!
一覧また今度作ろう……
KP
なんですよね。それでたまに考えるシナリオがあるとはまってしまいがち。RP雰囲気シナリオに見えて、さらっと雰囲気に任せているとバッドエンドになっちゃうシナリオが一度あって危なかったなぁ。

そういう時はなるべくKPから宣言するか、考え所を匂わせるようにしています。
RPと関係性構築に心を傾けていたら考え所をスルーしちゃってバッドエンド、はもったいないですからね。
レプ心の時も、「気を使ってもらった結果バッドエンド」は非常につらいので、そこは気をつけた。
KP
あ、そうだ途中の諸々。
既にお話したことも多いのですが、ちょっとした描写の裏で起きていたこととかですね。
KP
まず、佐倉さんが寝る前に虫の音に気づいた所。
実は虫はその前からもぞもぞしていて、寝る前に静かになったことで音に気づいたのでした。
つまり、序盤の日常シーンの中でもずっともぞもぞしていたと。
佐倉 光
ですねぇ、雰囲気シナリオか、がっつり自分の行動や意思が反映されるヤツか。
後者って「選択です!」ってシーンでもないとなかなかないシナリオ多いからなぁ。
無意識にそういう物として遊んでいる自覚はあります。
宣言していただけると凄く助かる。

だろうな!!!
シナリオ開始時にはもう脳味噌ペロペロしちゃってた!
KP
しちゃってたんですねぇ。あの日常の背景でもぞもぞもぞもぞ。

あと「研究所」に腐った食べ物がないのは、先に食料を食い尽くして、それでも動けなくなっていたからとか。

終盤の【POW】×5SAN回復は探索一部屋ごと(トイレは除く)に発生するとか。
それくらいですね。>もろもろ
KP
あとちゃんと考えていないところとして、虫がどうやって女と出会ったときの記憶とか、研究所・排出薬を「脅威だ」と感じ取ったかなんですが、

「宿主の神経伝達や脳内物質を検知している」とすると悍ましくていいなと今思いました。
あと排出薬については単純に匂いなどで感じ取っている(※これでもやっぱり宿主の感覚読んでる)か。
佐倉 光
結果的にそこまでたちは悪くないとはいえ(いやただちに影響はないだけだが!?)、がっつり寄生虫ですね。

回復量がエグくて笑えました。
幸せが怖い!
総合回復量30は軽く越えてたよなぁ。
KP
寄生虫の怖さと浪漫も一緒に詰め込まれた結果ですね。

いっぱい盛りました☆
多い方が異様かと思って。
最後に排出ルートだとダメージ来ますしね。
それでも「回復シナリオ」というからには黒字は持って帰ってほしいよね、と盛り盛りにしました。
佐倉 光
回復だし数値的にはダメージ受けてないんだけど、日常から遠ざかる罠!
体に色々入るのお好きだなーと思いながら見てました。
素直な癖がみえるシナリオ楽しい。
KP
わはは。好きです。
素敵なシナリオたくさんある中であえて自作するとなると、勢い癖丸出しかPC特化のシナリオかその両方かになりますね。
佐倉 光
ですねぇ超分かります。
でも癖を積まれる牧志君が毎度毎度気の毒だなぁと思ったりもするw
自分のキャラには遠慮がないですよねここの卓は!
KP
PC特化だといくらでも酷い目にあわせてしまうことができるのが大変ですね。
KP
変な柔軟性というか、変な所で受け入れるから似合ってしまうんですよね、牧志。
今回は佐倉さんの頭も大変な目にあわせてしまいましたが。
佐倉 光
佐倉もなんだかんだいって色々拾ったり引き受けたりしてるから……牧志とか牧志とか牧志ばっかり。
KP
「コピー」とか「増える」とかも大層好きなせいで牧志がどんどん増えていく。
佐倉さん増えた時は残らなかったので(ドリームランドのどこかに彼らの夢はいますが)なぜか牧志ばっかり残る話だったり残る結果になったりして増える増える。
佐倉 光
コピーだからって無碍にできないからー!
元々消える前提のを色々残しちゃってますからね。
これ以上増えても扱いきれないので自重します! 宣言はしておく!
KP
できないですからね!
あの時はどうしようもなく消えたけど、牧志だって深山と緋寒を無碍にできなかったわけで。
今度は個別の意思のないミニマキシがいっぱい増える話をやればいいんです?
佐倉 光
なにそれ……
なんだか随分前にちらっと聞いたことがあるような?
KP
茶番シナリオですけど、こんなのありまして……
「ふえる」というよりも「分裂」っぽい話ですね。
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CoCシナリオ 「7匹のもちもち神話」 - 下着堂本舗 - BOOTH
佐倉 光
モッチモチ
KP
そうモッチモチ二頭身
佐倉 光
次の話がちょっと精神的ダメージきつそうな奴なので、つぎはこれで癒されるのもいいかもしれませんね。
癒やされるの牧志じゃなくて佐倉? うーん、そうかも。
KP
次の話明らかにこわいやつですもんね。派手にダメージ受けた空気をこれでまぜっかえすのはいいかも。
(これ子供チームでやると、「子供佐倉さんより小さい牧志」という事態が発生する?)

コメント By.佐倉 光
まきし は しあわせだ!
さくら は しあわせだ!

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【クトゥルフ神話TRPG】
本作は、「 株式会社アークライト  」及び「株式会社KADOKAWA」が権利を有する『クトゥルフ神話TRPG』の二次創作物です。

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