こちらの子供佐倉チームはいっそ二人とも戦闘技能つけて、バトル系シナリオ遊べるようにしたいね!という話になりました。
そこで、牧志は真・女神転生TRPG的に覚醒して悪魔に変身して戦える能力を得、佐倉は投擲で『アギストーン』などの魔法石を投げて戦うことにしました。
どちらもCOMPを取り上げたり魔法石の個数を制限したりでシナリオの都合で使用できる範囲が限定できる感じです。

牧志 浩太

↑こちらのキャラ紹介は厳密には違います
お人好しで温厚、だが意思は強い好青年だったが……。
とある事情で二年より前の記憶の大半を失い、代わりに悪魔使い波照間紅の記憶を持っている。
首から胸へと続く奇妙な【契約】の痣がある。たまに痛むという。
生贄体質らしく、事件に巻き込まれることが多い。

佐倉とは友人。子供になってしまった佐倉と奇妙な同居生活をしている。


佐倉 光

↑こちらのキャラ紹介は厳密には違います
サマナーで悪魔退治屋。ハッカーでもある。
基本、知性・理性・効率、そういったものを重視する冷静な青年。

とある事件で子供に戻り、そして元に戻れなくなってしまった。
記憶はそのままだが、子供としての感情や衝動に引きずられることがある。

牧志とは友人。


佐倉 光
こんばんはー
KP
こんばんはー!
佐倉 光
開始前に、〈精神分析〉10 を、〈投擲〉に振り直すことにしました。
KP
お、分かりました。
佐倉 光
こっちの佐倉ちょっとそういう器用なことできない。
上がりすぎた〈目星〉振ろうかと思ったら、ゴリゴリ上がったの分岐した後だった。
牧志 浩太
そうなんですよね、案外分岐後に成長しているものが多くて。
KP
よし、ではコマ設定などOKでしたら始めてまいります。
佐倉 光
okでーす
よろしくお願いします!
KP
よろしくお願いしまーす!
今回はオープニングを長めに取りまして、牧志がデビルシフターになるまでのあれこれもちょこっとやらせてもらおうと思います。
佐倉 光
はーい
進路はシフターかぁ

KP
佐倉光が二度続けて捕まった、あの事件から少し。
佐倉 光
ふがいなさ過ぎてあんま思い出したくない。
KP
望む将来を捨て悪魔使いとなる覚悟を決めた牧志浩太は、二人の悪魔使い ── 波照間紅と、あなたに師事することを決めた。
さて、とはいえまずは〈覚醒〉できるかどうか、から始まるのが悪魔使いの道であろうか。
佐倉 光
〈覚醒〉って大体酷い目に遭ったり大事な人を失ったりするんだよな。
牧志の場合随分酷い目に遭ってるし、言わせてもらえば俺も随分死んだり死にかけたりしているから、条件は十分揃っていると思う……
牧志 浩太
「……なろうと思ってなる場合って、どうしたらいいんだ?」前回の言い切りが嘘のように、牧志は早速間の抜けたことを言った。
佐倉 光
ま、俺は『元』だけどな。
佐倉 光
「そーだなー、大体誰かに選ばれる感じだよ」
佐倉 光
「いや、それって特別な場合なのか?」
牧志 浩太
「先輩の場合も突然出来事が向こうからやってきて、って感じだったしな。ああは言ったけど、実はなろうとしてなれるものなのかよく分かってない」
佐倉 光
「俺もなんか知らんうちになってたから、それに関しては助言は難しいな」
牧志 浩太
「だよな。そこは佐倉さんも一緒だったし」
佐倉 光
他の悪魔使いに色々訊いてみたりしても、「なんとなく」とか「怪しいPCもらった」とか「変なプログラムダウンロードした」とか……
佐倉 光
あとは、家族が死んで気がついたらなってた、とかそんなやつだ。真似したくてするもんじゃないな。
牧志 浩太
「うーん、なろうとしてなれるものじゃないか……」
佐倉 光
「俺ももうあそこの所属じゃねぇしな。
ピクシーにでも訊いてみるかなぁ。
牧志の場合素質は充分あると思うんだけど」
佐倉 光
「ま、なれない方が幸せかもな」
牧志 浩太
「俺の場合、なれなかったとしても十分色々巻き込まれるからな」牧志はそう言って、手を一度握って、開いて苦笑した。
佐倉 光
「ま、そんなの焦ったって仕方ないしさ。
何も無いならない方がいいし」
牧志 浩太
「そうだな。もし機会があったら、ってことで」
佐倉 光
そういやこの絵、大人の服着たまま変身しちゃった前提のブカブカ服のままだなー
KP
そういえば。
佐倉 光
本格的に使うなら何か描くべきかー
俺、今候補者オンリー扱いだよなー。
なんか別のクラスくれよニャル。
KP
悪魔使いは境界を踏み、境界を引き、境界の向こうを視、境界の向こうに手綱を引く者。
そう「なる」ということは、きっと今以上に、このあえかな日常を手放すことになるのだ。
だからきっと、なれないのならばその方が幸いなのだろう。
佐倉 光
実のところ、少しほっとしているんだ。
あのストーカーどもは退治したし、変な事件さえ起こらなきゃ別に悪魔使いになんてなる必要ない。
俺達二人とも、普通に生きて行けばいいんだ。
佐倉 光
きっと退屈だろうな。
佐倉 光
それでいいんだよ、それで……しばらくはさ。
KP
今日も、新しくできた「普通の世界」の友人が、あなたを手招く。
佐倉 光
「遊び行ってくるっ!」
牧志 浩太
「ああ、いってらっしゃい。何時まで?」
佐倉 光
「18時には帰るよ」
牧志 浩太
「分かった。夕食何がいい?」
佐倉 光
「ハンバーグ!!」
牧志 浩太
「OK! 今日はちょっと凝って煮込みにしてみる、昨日レシピ見たんだ」
佐倉 光
「おおー楽しみー!
明日やり方教えてくれよ」
牧志 浩太
「おっ、じゃあうまくいったら教える」
牧志 浩太
「うまくいかなかったら改善してから教える」
佐倉 光
「ああ!」
佐倉 光
手を振って玄関から出て行く。
KP
部屋の扉が閉じる。
あの事件の余韻もようやく去って、ただただ続くばかりの、続いて、未来を想像できるような。
朝が来て、夜が来て、学校の日があって、休みの日があって、規則的に続くような。
そんな日常が、続くと思っていたのだ。
だってあなたも彼も、もう、普通の人なのだから。
佐倉 光
普通の日々が続くんだなぁ

KP
………その日、あなたには何もなかった。
たっぷり遊んで、牧志会心の煮込みハンバーグを味わって、楽しい気持ちで眠りについたのだ。
牧志 浩太
もちろんレシピとやり方は教えてもらった。赤味噌が隠し味。
佐倉 光
煮込みハンバーグ美味しかったなー。
あいつの料理の腕はもの凄い勢いで上達してる。
俺も負けてられない。
なにしろ年齢のお陰か、覚えるのが早い。
集中力がないのがまあ、困ったところだが、そこは大人の知識で何とかしよう。
牧志 浩太
牧志は、あなたに積極的に料理を手伝わせてくれた。
素直に助かるのもあるだろうし、あなたが料理を覚えていくのが楽しいのかもしれない。
牧志 浩太
「人と一緒に料理するって、なんだか楽しいよな」
彼はそう言って笑う。
佐倉 光
「料理ってのも意外と面白い。それに自分で食べたい物作れるの最高だな」
佐倉 光
「後片付けは面倒臭ぇけど」
牧志 浩太
「分かる。後片付けが一番面倒なんだよな」
KP
そんな会話をした翌日。

KP
あなたと牧志はいつものように、家路を辿っていた。
前のように二人で図書館に行って、充実した一日を過ごした帰りである。
牧志 浩太
新作のパズルの話や、アヤカシ増刊号の話、それから、新しい話題も増えているかもしれない。
佐倉 光
「本重いんだよなー」
牧志 浩太
「かさばるのと重いのが一番の欠点だよな。でも電子書籍は電子書籍で、何ページかに渡るようなパズルはやりづらいし」
佐倉 光
「前よりさらに重い物持てなくなったから、なにげに読書も大変」
牧志 浩太
「ああー、そこはどうしようもないな。
この間VR読書って試してみたけど、やっぱり見える範囲が狭くてさ」
KP
そんな話をしていた時だった。
牧志 浩太
「……?」
ふっと、牧志が振り向いた。
佐倉 光
「どうした?」
自分も振り向く。
KP
誰かが、ぽん、と牧志の肩を叩いて去っていくのが、丁度見えた。
何でもないようなシャツにスウェット姿の、しかし随分と美しい顔立ちの男だった。
浅黒く彫りの深い顔の中に浮かぶ眼の色を、あなたはどこかで見たような気がした。
牧志 浩太
「何でもない……、か? 何だったんだ」
牧志は確かめるように、叩かれた肩をさする。
痛みなどはないようだった。
KP
牧志を悪魔使いにするようなものを渡すとしたら、間違いなく「誰かさん」だよなぁーって。
佐倉 光
だろーなー
佐倉 光
「ん? 誰だ今の?」
佐倉 光
「なんか、どこかで……?」
牧志 浩太
「いや、知らないけど……。どこかで見たような気がするな。知り合いのような、そうじゃないような気がする。
墾田永年私財法Tシャツなんか着てる知り合いいたかな」
佐倉 光
「そんなん着てた? なんでこんなに気になるんだろう?」
牧志 浩太
「そう、妙に気になるんだよな。Tシャツがなのか、顔がなのか……」
KP
墾田永年私財法Tシャツ…… 実在。
佐倉 光
なんかで出さなかった?
KP
出したかも。
牧志 浩太
「……妙なことの前触れじゃないよな、これ?」
佐倉 光
「目が、のような気がする……早く帰ろうぜ。
巻き込まれちゃかなわないよ」
牧志 浩太
「ああ、そうだな。帰ろう」
佐倉 光
家に戻ろうとする。今日は追求しようなんて気にならなかった。何故か。
追求してはならない気がした。
牧志 浩太
牧志はあなたの手を引き、家路を急ぐ。
KP
ところで、あなたのCOMPはどうしているのだろうか。
まだ家に置いてあるのか、あるいは返却などしてしまったのだろうか。
佐倉 光
家にあると思うよ。
KP
なぜか焦る手で家の扉を開ける。
あなたはふと、ひやりとした気配を感じた気がした。
佐倉 光
「!」
佐倉 光
……?
周囲の様子をうかがう。
牧志 浩太
牧志も同じように、辺りを見回す。
KP
そして、異変に気づく。
あの日からずっと、起動しないまま置かれていたあなたのCOMP。
それが、相変わらず起動はしていなかったが、何かに反応するようにインジケーターだけを光らせていた。
佐倉 光
「俺のCOMP? どうして動いてんだ……」
慌てて近づいて拾う。
牧志 浩太
「佐倉さんのCOMPが? なんで、今になって」
牧志は少し後ろから、辺りの様子を窺いながら近づいてくる。
佐倉 光
「俺が多少なりとも育って使えるようになったってんなら嬉しいんだけど……
展開しねーな……」
KP
光っているインジケーターは、エネミーソナーの下にある小さなランプだった。
それは、異界に干渉する者が近くにいると、その力を受けて光るのだ。
佐倉 光
「エネミーソナー!? 悪魔でもいるのか!?」
佐倉 光
「近いぞ……」
牧志 浩太
牧志がそれを聞いて、咄嗟に身構える。
KP
ふと、あなたは再びひやりとした気配を感じる。
それをあなたは知っていた。
それは、異界へのゲートが開かれる気配だった。
牧志 浩太
牧志があなたを庇うように、前に出る。
佐倉 光
「ゲートが開く……!? こんな所に!?
馬鹿な、開くようなものは何も……」
佐倉 光
そういえばここじゃないけど俺の部屋でもゲート開いたことあるわー。
クトゥルフ系だけどー
KP
ありましたねぇ。
KP
目の前の窓がゆるりと揺らめいた。
牧志 浩太
「……っ、」牧志が微かに呻いた。あの時叩かれた肩を押さえる。
KP
揺らめいて、一瞬、あなたがそうなる前に見たきりの異界の風景を、その向こうに映し出した。
……異界は一度開いて、その向こうから何が顔を出すこともなく閉じる。
佐倉 光
「……え。
なんだ? 今の?」
牧志 浩太
「あれ、異界、だよな……」
牧志が肩を押さえて、苦しそうに呻く。
佐倉 光
「ああ、俺も前に見たことある」
佐倉 光
「どうした、肩」
牧志 浩太
「分からない、でも変な感覚があるんだ。痛いような、脈打ってるような……、佐倉さん、」
佐倉 光
「ああ?」
牧志が押さえているところを見てみる。
牧志 浩太
牧志はジャケットを脱ぎ、シャツを下ろしてあなたに肩を見せる。
見れば、首筋の痣がそこまで広がっており……、蠢くように肌に食い込んで、奇妙な模様と、文字のようなものを形作っていた。
佐倉 光
「うわなんだこれ!? 呪い!?」
牧志 浩太
あなたはその文字を知っている。
知らないはずがなかった。それは、悪魔召喚プログラムの一部だ。
佐倉 光
「これは、悪魔召喚プログラム……!
なに? どうして、こんな所に!?」
痣に触れる。
無意識に召喚プログラムを読み上げてしまう。

EL ELOHIM ELOHO ELOHIM SEBAOTH
ELION EIECH ADIER EIECH ADONAI

牧志 浩太
あなたの指先に痣は僅かに反応した。
指先に、ずっと前に慣れ親しんでいた異界の感触を覚える。
そこには何かの力が渦巻いていた。
牧志 浩太
「さっきから変な感じがするんだ。変な、じゃない、覚えのあるような。異界の感触。COMPを使う時の感覚に似てる」
佐倉 光
ふと気付いて写真を撮る。
無意識に、召喚の言葉を唇にのぼらせながら。
佐倉 光
牧志の痣がうごめきながらどんどん文字を刻んで行ってるところなのかな。
KP
そうそうそんな感じ。

JAH SADAI TETRAGRAMMATON SADAI
AGIOS O THEOS ISCHIROS ATHANATON
AGLA AMEN

KP
──ぱん、と一度、空気を揺らす音がした。
カチカチと歯車のような音がし、蠢きながら文字を刻んでゆく痣を追いかけるように、肌の上の痣を硬質な感触が覆っていく。
佐倉 光
ま た お ま え か
お前らの中でも一番ロクでもない感じなの来たわ
あ、でも穂坂ちゃんや洞川さんとお揃いだね牧志!
KP
やったね! チクタクマン関係者三人目!
おおい!
佐倉 光
「うわっ!?」
牧志 浩太
「……!」
KP
そういえば、あなたは聞いたことがある。
悪魔使いと呼ばれる者の中に、「そういう」能力を持つ者がいるのではなかったか。
悪魔の力を目の前の空間ではなく、己の肉体に降ろす者。あなたはそれをひとりだけ、目の前で見たことがある。
佐倉 光
そうだ。俺は見たことがある。
その力を借りたことがある。
KP
そのひとりは目の前の彼でなく、目の前の彼だった。
佐倉 光
牧志浩太ではない、別の名を名乗る彼だ!
KP
歯車の音が止まる。
片腕が機械のような形にすっかり変じると、それはまだ不安定なのか、巻き戻されるように元に戻っていく。
佐倉 光
「デビルシフト……」
いや、それにしたって……今何に変身しようと、したんだ?
とても嫌な感じがした……
KP
瞬く間に、肌の色が取り戻されていく。
異界の気配が去ると同時、痣を覆うように二の腕に嵌められた、奇妙な銀色の装身具だけを残して消えた。
それには、薄い液晶パネルが備えられていた。
佐倉 光
「覚醒した……いや」
佐倉 光
「させられた、のか?」
牧志 浩太
「させられた……」
牧志は呆然と、その銀色の腕輪を撫でる。
彼の指先に、微かに液晶パネルが反応して光った。
KP
物体としてのCOMPないと武器交換ができないという事情により、COMP経由でのデビルシフトになります。
佐倉 光
はーい
特殊なヤツだった。
KP
そもそもCoC的な誰かさんの干渉せいがあるので特殊な形になっているということで。
佐倉 光
どっかに女神転生×CoCって刻印入ってそうだなそのCOMP。
KP
入ってるかもしれない。裏側とかに。
佐倉 光
歯車印だ!
初期カードやっぱりショゴスなのん?
肉体的な力はベースが人間って事を考えると、夢の時と大差ないな!
佐倉 光
「COMP……サマナー、なのか?」
牧志 浩太
「でも、さっきのは召喚したって感じじゃなかったよな」
佐倉 光
「ああ、どっちかっていうと、『デビルシフター』に見えたんだ。
悪魔と契約して得たカードを媒体にして、悪魔に変身する」
牧志 浩太
「そうだ、異界の気配が腕から這い上がってくる気がしたんだ。そうなのかもしれない。でも、これはCOMPに見える」
佐倉 光
「けど、さっき変わりかけてたのは……
何かカード持ってるのか?」
牧志 浩太
牧志は少しやりづらそうにしながら(場所が悪い。二の腕だ)記憶を辿りつつ液晶パネルを操作する。
ピッ、と小さな音がして、あなたが扱っていたそれに似たカードが吐き出される。
牧志 浩太
それには赤い模様と無数の歯車が描かれていた。
名前の記載は……、 ない。
KP
初期カードはなんだかわからんものです。
佐倉 光
やべーのお持ちだ。
佐倉 光
「……え……これ」
牧志 浩太
「何だこれ……。この色、痣の色に似てる」
佐倉 光
「…………」
知っているはずの名前が出てこない。
確実に知っているのに。あいつとは目の前で話したのに。
なんならまいにちあっていたのに?
KP
あなたは「それ」を知っている気がした。
知っているはずの、聞いたはずの名なのだ。
しかし、どうしてか口に上らせようにも、記憶を呼び起こそうにも、何かがその名からあなたを阻む。
佐倉 光
はーいKP。〈神話〉知識振ってみていい?
KP
お。どうぞ。
牧志 浩太
CCB<=33〈クトゥルフ神話〉1D100<=33) > 94 > 失敗
佐倉 光
CCB<=24〈クトゥルフ神話〉1D100<=24) > 5 > 決定的成功
佐倉 光
うそん
然るべき方法でアクセスできちゃった……
KP
できちゃった。さすが本家悪魔使い。
佐倉 光
適当なところで一瞬気絶して忘れます。
KP
はーい。
佐倉 光
「こ……こいつは……」
KP
あなたはその名をとうとう記憶から掘り出した。
それは── 
■■■■■■、そして、■■■■■■■■■。

なぜか、口にすることは憚られた。
佐倉 光
おかしいな。以前は当たり前のようにこれについて話していたのに。
KP
だが、あなたは知っていた。
気づいた。
あの時牧志の肩を叩いたあの男は、「それ」そのものだ。
佐倉 光
「そういう、ことかよ……!」
KP
あの時牧志に痣を刻んだ、「あれ」そのものだ。
佐倉 光
「全部あいつだったんだ。あいつの目論見だったんだ。全部全部全部!」
牧志 浩太
「佐倉、さん? どうした、何に気づいたんだ」
佐倉 光
「牧志、そいつは、いや、俺の力も、全部……ッ」
佐倉 光
ふつ、と言葉が途切れた。
KP
あっ、佐倉さんたらCoC以前のことにまで気づいちゃった。流石クリティカル
佐倉たち真・女神転生チームのメンバーに力をくれたのはおそらくニャルラトホテプに連なるもの、そして彼らに仕事をくれる神父も『彼』であると示唆されています。
チクタクマンも別のメンバーに覚醒のきっかけを与えたり、東京を混乱に陥れる事件の背景にいたりしています。
牧志 浩太
「佐倉さん!?」
佐倉 光
「……」
佐倉 光
「あ、あれ、お前、それなに、COMP?」
牧志 浩太
「……佐倉さん? さっき、何を言いかけてたんだ?」
佐倉 光
「あ、ああ、そうか。デビルシフターなのにCOMPがあるってのは、珍しいな……って?」
佐倉 光
「変わったカードだな。なんだこれ?」
牧志 浩太
「いや、さっき、何かに気づいたようなこと言ってただろ。全部あいつのせいだったとか、佐倉さんの力がどうとか」
牧志 浩太
「覚えて……、ないのか?」
佐倉 光
「え、いや……?」
首を傾げた。
牧志 浩太
「……そうか……。なんだったんだろうな」
佐倉 光
一応佐倉の方は人間を愛しているヤツから与えられたヤツらしいんで、全く同じってワケじゃあないんだが……
そこ飛び越えて根っこ見ちゃった。
KP
根っこは一緒ですからねぇ。クリティカルしちゃったがばかりに。
佐倉 光
チクタクはチクタクでも、人間を愛しているチクタクもいるかもしんないだろ!!!
愛し方が人と違う場合!? しらん!!!
佐倉 光
「なんだったんだ、ってのはそれのことだろ。
COMPだよな。悪魔に変身できるのか?」
牧志 浩太
「やってみる」
牧志はカードを手に取り、かつて波照間がそうしていたように、液晶パネルの上に翳す。
KP
データが固まっていないためMP消費の処理は省略します。
佐倉 光
はーい
いちいちチクタク降ろして戦うのこわぁ
牧志 浩太
カードが腕輪に吸い込まれた。
パネルの上を一瞬呪文が流れ、片腕が先程見た硬質なそれに変じていく。
牧志 浩太
「……マグネタイト取られた感覚もあるな。随分久しぶりで、変な感じだ」
佐倉 光
「おおー、腕だけなのか。
ロボっぽいな」
牧志 浩太
「みたいだ。レベル上げれば、もっと範囲広げられたりもするのかな」
佐倉 光
そのレベル上げちゃダメーーー!
ナントカ方程式使わなくても最大レベルまで上げたらなれちゃうよやったね!
牧志 浩太
アカーーーン!
佐倉 光
「マシンのカードなのかな? 見たことないな、こんなやつ……」
牧志 浩太
「だよな。何なんだろうな、こいつ」
牧志は不思議そうに腕を曲げたり、伸ばしたりする。腕の動きに問題はないようだ。
牧志 浩太
「とにかく、先輩に連絡ついたらBarに確認取ってみるよ」
佐倉 光
「そう、か……」
何となく不気味なものを感じながら、不思議とそれについて深く考えようという気にはなれなかった。
KP
何かがあなたを引き止めているようにも感じた。あなた自身の理性、本能、あるいは別の何かが。
KP
そして今回本当にシナリオに関係ない、というか、世界観が半分くらいメガテンになっちゃったから、インタールードとしてSwitch! のログとは分けたほうが綺麗かもしれない。
佐倉 光
じゃあ全然別の「牧志覚醒編」として分けるかー
KP
それがいいかとー
普段のオープニング日常シーンと違って、シナリオと無関係な異変が起きてますしね。
牧志 浩太
「……結局望んだ通りにはなったわけだけど、何だか変な形になっちゃったな」
佐倉 光
「そうだな……まあ、なんにせよ……
ようこそ、異界へ」
牧志 浩太
「……そうだな。ところでそれって、何て返せばいいんだ? お邪魔します?」
佐倉 光
「え、別に決まりとかないんだけど。
「今後ともよろしく」かなぁ?
悪魔連中みんなそう言ってるし」
牧志 浩太
「じゃあ、今後ともよろしく、佐倉さん」
牧志は先程機械へと変じた右腕を、あなたに差し出した。
佐倉 光
自分も右手を出す。
腕にぐるりと巻いた痣と、指にぐるりと巻いた痣。
二重の因縁を纏った腕を。
牧志 浩太
あなたの小さな手を包み込むその手は、慣れた手であって、因縁の絡みつく手だった。
佐倉 光
「本当に来ちまったんだな……」
いやむしろ今俺は悪魔召喚できないわけで。
今や俺の方が一般人、か。
牧志 浩太
「だな。でも、これで何かあったときに何かできるかもしれないから、よかったとも言えるかな。
勿論、どうにもならないことの方が多いだろうし。
前みたいに佐倉さん人質に取られたりしたら、殴ってどうにかするわけにもいかないから、油断は禁物だけどさ」
佐倉 光
「俺のCOMP、結局光っただけかよ……ちぇ」
KP
COMPはしれっと沈黙を守っている。
もう、反応することもないようだ。
佐倉 光
牧志が力を得たのは、僥倖のようで……そうではないようにも思えた。
その力がさらに様々なものを引寄せてしまうような。
佐倉 光
具体的にはバトルシナリオとか。
KP
バトルシナリオとかですね。
牧志 浩太
実際、彼の肩には今までなかった痣が、呪文ごとべったりと喰いついているのだ。
まるで彼自身を喰らうように。
牧志 浩太
「そういえば取れるのかな、これ」
牧志は腕輪をずらしてみている。一応、ちゃんと取れるらしい。
佐倉 光
「あー。とれるのか。
そりゃそうだな」
牧志 浩太
「取れないと困るしな、風呂とか。……これ隠さないと温泉禁止になったりするのか?」
腕輪をずらすと、下からあの呪文の痣が覗いた。
佐倉 光
「まずそうだな。
ちょーっとユニークすぎる」
牧志 浩太
「カバー用のシールとか肌色の包帯とか、多めに買っとくかな。観光地の温泉とかなら大体売ってるみたいだったけど、ないと悲しいし。
まさか、こんな問題が出るとは」
佐倉 光
「だな。今までのはちょっと変な痣で済んでたけど、呪文はちょっとな」
牧志 浩太
「だよな。かといって腕輪つけたままじゃ、すっきりしないし」
牧志 浩太
「……COMPって防水?」
佐倉 光
「一応そうだ。そこそこ耐性はあるはずだぜ。
自動車事故は無理だけど」
牧志 浩太
「うーん。それは俺本体が無理そう」
KP
分岐後に結構重大なことが起きまくっていて、こういう時に「あれっどこで分岐したっけ」ってなりがち
佐倉 光
事故はまだだった気がする。
KP
ですね。事故はまだだった。
佐倉 光
「肝心な時にないと困るから、あまり手放さない方がいいぜ……」
牧志 浩太
「ああ、確かに。肝心な時にないってこと、結構あったもんな。
温泉で何かあったら困るし、やっぱりつけとくか……」
佐倉 光
でも次なくすシナリオなのよね。
KP
なんですよねぇ。
佐倉 光
「それじゃ、案内しようか。場所だけは分かるから」
牧志 浩太
「ああ、頼む。改めてよろしく、佐倉さん」
KP
あなた達は、一度辿った道を行く。
前に歩いたきりの道を。以前とは違う人と共に。
この道を共に行くとは、思わなかっただろう人と共に。
佐倉 光
連れて行くことになるなんて思っていなかった。
KP
そうしてあなた達は、一度辿り着いたはずの「普通の世界」と、再び袂を分かつのだった。

KP
あの後分かったことが、二つある。
一つは、牧志の痣を呪文として読み取れるのは、同じ悪魔使いだけだということ。
他の人間には、不規則に入り組んだ痣にしか見えないようだった。
気持ち悪いなどと言われることこそあったが、それを人工物として見とがめられることはなかった。
佐倉 光
まあ、不幸中の幸い、といったところか?
牧志 浩太
「まあよかったかな。この呪文見せて歩くのにも抵抗があるし」
KP
もう一つ分かったことは、牧志のCOMPが通常の解析を受け付けないことだった。
解析装置を繋げば通常の反応こそ返すのだが、内部をまったく解析できないのだ。
佐倉 光
「ブラックボックスにも程があるぞ」
牧志 浩太
「本当に何なんだろうな、これ」
佐倉 光
「あまりいいモンじゃない気はするんだけどな……」
しかしそこから先は考えようとすると頭がぼんやりして考えを放棄してしまうのだ。
KP
付属していたカードにはやはり名がなく、神父はそれについて口を閉ざした。
佐倉 光
お、普通に入れたんだな牧志。
牧志の存在自体Barでも警戒されてそう
管理下に置かないとまずそうだからって理由で入れて貰ってなーい?
KP
間違いなくその理由な気がするぅ。
牧志 浩太
Barは彼に門戸を開いたようだったが、あなたの付き添いは不可だったため、中の様子はよく分からない。
アイテム買ってくるくらいならできそうだ、とは牧志談。

ただ、彼が以前のメンバーと会うことについてはよい顔をされなかったらしく、牧志もなにかと複雑だから、と、それは避けるようだった。
佐倉 光
「じゃあ、魔法石頼むよ。それくらいなら使えると思うし」
牧志 浩太
「分かった。こういう時はレート下がってるのが逆に便利だな」
佐倉 光
「全属性の買っても万で済む!? うっそだろ」
牧志 浩太
「前だったら百倍だったからな。その代わり、仕事してもそんなに稼げないけど」
牧志 浩太
「あれ、先輩からメッセージ来てる」
佐倉 光
「どうした?」
牧志 浩太
「……あー……」波照間から来たらしいメッセージを見て、牧志は苦笑いした。
佐倉 光
「どうしたんだよ? 仕事?」
牧志 浩太
「いや。『君は警戒されている。すまない』だって。
そんな気はしてた。行っても先輩か神父以外いないことが多かったしさ」
佐倉 光
「あー……」
牧志 浩太
「明らかにこれ絡みだもんな、俺の。カードもよくわからないし」牧志は苦笑しながら首筋の痣を掻いた。
佐倉 光
「やっぱり俺たちとは違うのか。
結局そのカードなんだか分からなかったしな」
牧志 浩太
「だな。他の悪魔カード差したらどうなるのか、ちょっと怖いな」
佐倉 光
「そのカード、あまりいい感じしねーんだよなぁ」
牧志 浩太
「逆に、早く他の悪魔と契約させてもらって、そっちに移した方がよかったりするのかもしれないな。そもそもできるのか、ってのも分からないけど」
佐倉 光
「悪魔に遭遇できれば、そうそう問題はなそうだけどな。
カード獲得なら手伝えるしさ」
牧志 浩太
「それじゃ、まずはカード獲得が最初の方針かな」
佐倉 光
「そうだな。異界に行って悪魔会話するだけなら俺も手伝えるし」
牧志 浩太
「お、じゃあその時はよろしく」
KP
そうして、あなた達は歩いていく。
少し変わった日常の形を。

KP
というわけで、本日は牧志覚醒編でした!
佐倉 光
はーい、何か懐かしいようなそうでもないような不思議な回だった。
KP
牧志が悪魔使い(?)になるということで、割と今回はメガテン寄りになりましたしね。
佐倉 光
とうとうこの日が来てしまったかぁ。
KP
来てしまったんですねぇ。牧志が決定的に日常を踏み外す日。
佐倉 光
絶対に来ないだろうと思っていたし、佐倉は絶対に来させたくなかったんだけどな。
KP
しかしそこに「いやぁバランス取りたくてさ」と笑うTシャツの男がいるのでした。
佐倉 光
おまえぇ
KP
「一人減って一人増えるなら結果一緒だろ?」なんてケラケラと笑って去る。
佐倉 光
ふざけた格好していたら許して貰えると思ったら大間違いだからな!
KP
当人がふざけたかっただけな気がする。>ふざけた格好
佐倉 光
俺が育ち直してレベル60まで上げたら使役してやるからなー!
KP
はてさて佐倉さんが育ち直してCOMPを使えるようになるのと、牧志のレベル(?)が上がってしまうのと、どっちが早いのか。
KP
次回までに佐倉さんのアイテムデータと牧志のデビルシフトのデータ作らないと。
MP消費で〈こぶし〉にダメボがつくor他の近接武器と同じくらいのダメージになる、くらいが丁度いいかな~。

ひとこと
佐倉 光
本来Switchのオープニングとして語られた、牧志に戦闘力を持たせるための演出ですが、あまりにも本編と関係なさ過ぎる上メガテン味が濃すぎるので、別の話として独立して収録としました。
牧志はデビルシフターとしての至近攻撃力、佐倉は魔法石を投擲することによる遠隔攻撃を行えるようになりました。
ここのふたりはバトルシナリオでの活躍が見込まれますね!
……佐倉のHPが7になっちゃってさらに儚くなりましたが。


CoC『AND/HAND』佐倉&牧志 1

「死んだ隙に、か? 大胆過ぎる手口だな」
「死んだとかさらっと言うじゃん」

【置】CoC『忌胎』 佐倉&牧志 3

「カラオケ行くか。ストレス発散しようぜ」
「いいな! 思いっきり歌おう」

女神転生TRPG派生CoC 4人の牧志について(シリーズ内シナリオバレあり)

これは佐倉と牧志がセットで動くことが多い、女神転生TRPG派生タイマンCoCシリーズのひとつのシナリオについて、大変致命的なネタバレがあります。

【クトゥルフ神話TRPG】
本作は、「 株式会社アークライト  」及び「株式会社KADOKAWA」が権利を有する『クトゥルフ神話TRPG』の二次創作物です。

Call of Cthulhu is copyright ©1981, 2015, 2019 by Chaosium Inc. ;all rights reserved. Arranged by Arclight Inc.
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PUBLISHED BY KADOKAWA CORPORATION 「クトゥルフ神話TRPG」


ダブルクロス 第十一話『嵐に告ぐ』 1

「それはもはや隷属であり、形を伴った強迫観念そのものです」

ダブルクロス 第二話『World End Juvenile』1

「ふふ、チェスニィにわかるかなぁ?」「分かるさ。だってお前にもらった名なんだから。一生かけても見つけてやる」

【置】CoC『blood red decadence』佐倉&牧志 1

いいだろもうラッキーってことで!
本能には逆らえない。