こちらはオリジナルシナリオですが、『1100』のネタバレがあります。
※他のシナリオにも言及していますが、明言されていないものなどは除外しています。


KP
顔に暖かさを感じ、あなたは目覚める。

明るい朝の光が差し込んでいた。
鳥が鳴き交わす声がする。
街の目覚めの音がする。

少し精神的に疲れは感じていたが、爽やかな目覚めだった。
牧志 浩太
(……、)
(……、あれ?)

数度、瞬きをする。
感じた通りにするりと意識に入ってくる刺激に、暫くの間何が起きているのか分からなかった。

濁流のような感覚の暴走から、さっと世界が静かになったような気がした。
色のある世界など、久しぶりに見たような気がした。
牧志 浩太
(ああそうか、佐倉さんが俺の手を引いてくれて、この世界に……?)

暫くの間、意識がついていかずに、ぼんやりと天井を眺めた。
※寝ぼけている
KP
『あなた』が今までいた世界と比べれば、
ここはとても静かで穏やかだ、と感じられた。
ここはとても眩しく賑やかだ、と感じられた。
相反する感覚が両側からあなたを夢に留めていた。

ぼんやりとしているあなたに、じっと視線が注がれているのが感じられた。
そばに誰かがいる。
牧志 浩太
(……?)
誰かの気配に気づいて振り返る。
KP
「おい……」

振り返ると同時、声がかけられた。
声をかけるのに随分と迷って見つめていたらしい。
牧志 浩太
まだ状況を掴み損ねて、ぼんやりとそちらを向いた。
身体の感覚に戸惑いながら、身を起こす。
佐倉 光
「おはよう。……大丈夫か?」

あなたのベッドの上から問いかけてきたのは、
あなたのパジャマを着た黒髪の青年だった。
どうやらあなたは床で眠っていたらしい。
牧志 浩太
「おはよう……、佐倉さん?」

曖昧な疑問符。
どうして彼がここにいるのだろう。
KP
佐倉はあなたの様子を見て、
ぐしゃぐしゃになった頭を掻きながら言う。
佐倉 光
「あんまり大丈夫じゃないって顔してるな……
自分が誰だかは分かってるか?
ここはお前の家で、お前は牧志浩太だぞ?

あー、なんで俺がここにいるかっていえば、
正直俺にも良くわからない。
俺入院してなかったっけ?」
KP
彼自身も状況が完全に飲み込めているわけではないらしく、
言葉には困惑の響きが混じっていた。
それでもその口調は、あなたが馴染みある、と思える話し方だった。
牧志 浩太
ぱち、ぱち、と数度目を瞬く。手を伸ばして視界に収め、その手に無数の傷がないことを認識してようやく、ああ、夢か、と気づく。

ここは俺の家で、俺は牧志浩太。
世界は滅んでなんかいなくて、佐倉さんは俺の部屋で一緒に寝て…… あれ?

「えっ、佐倉さん、思い出したのか?」

急いで身を起こすと、頭痛が走って軽く呻いた。
佐倉 光
「おい、本当に大丈夫かよ」
KP
佐倉は慌ててベッドから降りて、頭を抱えて渋面になった。
佐倉 光
「『思い出したか』って、また俺なんかおかしなことになってたのか?
いや現在進行形?
なんか頭がゴチャゴチャしてて。
んでなんか焦るような事があって……」
KP
佐倉は頭を抱えて呻いた。
佐倉 光
「頭痛は酷いわ起きたばかりなのにくそ眠いわ
なんかここ数日の記憶がはっきりしないし、
夢なんだかリアルなんだか……レイヤーが目茶苦茶に被さってるみたいな。
今もなんか頭の中で誰かが喚いてる気がする。
五月蠅くて考え事どころじゃねぇ……寝不足か、これ。
リアルタイムで脳味噌こね回されてる気分だ」
牧志 浩太
「ああ、うん、大丈夫。ちょっと寝ぼけてた。ちょっと世界が滅んでたった独りになる夢を見ててさ」

夢の内容を洩らしてしまいながら身を起こし、佐倉さんの様子に気づいて慌てる。

「えっ、まさか前みたいに俺と繋がっちゃってるわけじゃないよな」
佐倉 光
「世界が滅ぶ夢?」
KP
割と良くありそうな題材だ。
1d100 55〈心理学〉 Sasa BOT 1d100→22→成功
KP
あっ、オープンでやっちゃったけどまあ良いか。
KP
佐倉は少し眉根を寄せた。
だがひとまずはあなたの言葉に返答する事にしたらしい。
佐倉 光
「ああ、待て、何となく思い出してきたような……
一体あれから何日経ってるんだ。
熱あるのか、俺。やべぇな」
牧志 浩太
聞けそう? と確認して、聞けそうならば、ここ数日何があったかを、佐倉さんが書いていたノートも見せながら説明する。
「それで、俺はあいつをちゃんと見つけたはずだから、後は先輩が間に合ってくれればいいはずなんだ」

いくら実際の自分達にダメージを与えようが、夢の中の話だ。先輩がやってくれている儀式のことも、実感があるようでない。

勢い、曖昧な言い方になってしまった。
佐倉 光
「波照間さんも頑張ってくれてるんだな。
魂の捕獲も上手く行きそうか、良かった。
っていうかあいつ見えたのか。
俺、間違ってなかったんだな。良かった。
さすが頼りになるよ。ありがとう、牧志」
牧志 浩太
「うん。あいつは、ちゃんといたよ。今度こそ見えた。……なんだかくすぐったいな」

真っ向から言われて、少し照れて頬を掻いた。
KP
佐倉はしばし迷った様子を見せ、
左腕からCOMPを外してポーチにしまうと、
ポーチごとあなたに差し出した。
佐倉 光
「そのへんのやつのせいかどうかわかんねぇけど、
割と今意味もなくアマラ経絡バグらせたい気分になってる。
悪いけど意味不明で怖ぇから、俺のCOMPとPC隠しといてくれる?」
KP
さらっと口に出してから、
聴者の知識を慮って言い換えたらしい。
佐倉 光
「あー、つまりだ。
理由も分かんねぇけど世界を滅ぼしたくなってる。
ってとこ?
『むしゃくしゃして』とかそういうしょーもないレベルで。
できるかどうかはともかく、割と洒落にならんから、頼む」
KP
言い方は『そこのティッシュ取って』と変わらない軽さだったが、
その目は真剣だった。
牧志 浩太
「って、えっ?」
そういえば夢の最後の一瞬、そういう衝動に駆られた覚えがある。
覚えがあるが、佐倉さんがそんなことを言うのは珍しい気がする。
「ああ、うん、分かった。分かる。預かっとくよ」
COMPの入ったポーチを受け取り、丁寧に本棚の本の後ろに隠す。
アマラ経絡を操ったときの手筈や流れは忘れてしまったけど、あれが何で、先輩と佐倉さんがそれで何をしたか、それで何ができてしまうのかは覚えてる。
佐倉 光
「それで……お前は、大丈夫なのか?」
牧志 浩太
「俺は……、わからないけど、たぶん大丈夫だ。

アッタさんは、佐倉さんの中によくないものがいて、それが活性化してるって言ってたな。
その排除にあいつが巻き込まれそうになってたから、佐倉さんは逃げ出した。

俺はあいつを見つけたけど、その「よくないもの」をなんとかしたわけじゃない。

だから、その「よくないもの」のせいかもしれない。佐倉さんの今の状態」

考え考え、言う。
そうだ。あの夢の中で、確かに攻撃の意思と悪意を感じた。あれが、俺の、あいつのもののわけがない。

他に、いるんだ。何か。
佐倉 光
「ああー、そうだよな。そうだ。
考えようとすると頭痛が酷くなって……くそ
話からすると、死ぬほど眠いけど寝るとまずいんだな、俺」
KP
佐倉は一通りあなたの事情説明を聞き、自分のメモを読み、
事態は大まかに把握したらしい。
だが、考え事をすると、思考すら遮るような酷い頭痛がするという。
今回の夢はおろか、自分が立てた作戦すら思い出すのに苦労する有様だった。
佐倉 光
「もうそれはいいや。
あとは波照間さんとアッタに任せよう」
牧志 浩太
「邪魔されてるのかな……あー、そうだな。後は先輩とアッタさんに任せよう」
辛そうな様子を見て、考えを走らせようとする言葉を切る。
佐倉 光
「あー、それよりさ。
大丈夫か、ってのはそれもあるけどそれだけじゃなくて」
KP
佐倉は色々と言葉を選んでいる。
佐倉 光
「お前、俺の悪夢引取って身代わりになってくれたろ?
それで、なんつーかさ。
割と酷いもの見たんじゃないかと思ってさ……」
牧志 浩太
俺はちゃんと見つけたはずだ。後は、先輩があれを持ってきてくれるのを待てばいい、はず。

そうやって自分をなだめていると、佐倉さんがどうやら俺を心配してくれてるらしいのに気づいて少し考える。
「ああ、うん。確かに色々見たかな。ちょっと知らなかった感覚を味わったりもした。

まあ、でも。佐倉さんが居てくれたし、あいつも居てくれたし。本当にまずい時には引き止めてくれたから、大丈夫」

あの時は結構まずかったな、とは思うけど、その分色々整理がついた気もするし。
佐倉 光
「この三日、俺何してたのか詳しく聞くのが怖いけど、
役に立ったんなら良かった」
KP
佐倉はあなたの返事を信じることにしたらしい。ベッドに寄りかかって目を閉じた。
佐倉 光
「話せるようだったら、今度詳しく聞かせて……

くそ、この状況で寝るなっていうのかよ。
終わったら丸一日寝こけてやる……」
KP
※現在時刻は午前9時。
波照間の魔術が終わるのは昼の十二時です。それまで佐倉は睡眠欲に耐えつつ休憩します。
牧志 浩太
「めちゃくちゃ眠そうだな。うちの地元のお灸でもしようか、派手に熱いやつ」

もぐさ無いけど薬草の余りで代わりにならないかな、と〈医学〉30らしからぬ雑なことを言いつつ、佐倉さんの横について寝そうになったら起こしてやる。

※佐倉さんの横で一緒に休息します。
KP
では二人が薬草はもぐさとして使えるかなんて寝ぼけた会話をしていた頃。

KP
波照間。

頭の芯がぐらつくような疲労が押し寄せる。
ただ目の前にあるのは例の箱だが、僅かずつ茫漠とした輝きを宿しているような気がする。
いや、それはもしかしたら眠っていない頭が見せる願望なのかも知れない。

そろそろ4日経つのではないか、
そんな疑念が湧いてきたかもしれない儀式開始から72時間後。

一斉に明かりが消えた。
波照間 紅
ずっと変わらない空間で、時間の感覚すらも怪しくなる。

もう終わったんじゃないか、眠ってもいいんじゃないか、少し目を閉じるだけだ、そんな甘えが一瞬よぎって、自身の思考に愕然とする。

眠気のせいだ。身体が眠りを欲して、頭にたわごとを考えさせている。ぴしゃりと頬を叩いて眠気を払う。時間の大半がそんな行動で占められだした頃、不意に明かりが消えた。
「うわっ!?」
咄嗟に、目の前の紙箱を腕で抱え込む。
KP
真っ暗闇の中で、ぼんやりと輝く物がある。
あなたが抱え込もうとした箱だ。
箱がただならぬオーラを宿しているように見えた。
見つめると吸い込まれそうな、不吉な予感がした。

「おー、初めてにしちゃ上出来じゃん。やるね」

背後からガム(だろうか?)を噛みながらのぞき込んでくる気配があった。

「蓋あけんなよ? 三日の苦労がパーんなるよ」
波照間 紅
「……、アッタさん、」振り返る。
ふらつく唇に笑みをどうにか乗せた。どうやら苦笑になっていた。
「案外、過酷なものですね」
KP
「ある意味、神様喚ぶとかそういうのより地味でツラいんじゃない?
んなこたないか」

ぱちん、と音がして電気が点く。
「お前クセェ。
連絡しといてやるから、箱そこに置いて風呂入れ」

アッタはそう言うと部屋を出て行った。

蛍光灯型の電気が点いたその部屋は、
普通に外の車の音も聞こえるただの殺風景な物置に見えた。
波照間 紅
「お借りします」
少し伸びた髭を撫でて苦笑する。

白々とした明かりに照らされた部屋からは神秘と魔法が去り、ただの部屋に戻って見えた。
牧志 浩太
アッタさんの店の風呂……アッタさんが普段入ってるお風呂??
二徹後でなければ思わず風呂の中を見回してしまいそう。
KP
普通に近所の銭湯行けって言われるんじゃないかなw
渋谷に銭湯……あるのか?
牧志 浩太
結構あるみたいです銭湯。昔からぽつんとあるやつとか。
KP
あるのかー。
地味にアッタの口調難しい。
牧志 浩太
アッタさんの口調の塩梅難しそう。

KP
佐倉のスマートフォンが鳴った。
佐倉 光
「……嫌な予感がする……けど出ないわけには行かねぇか」
KP
渋面でスマートフォンのボタンを押した、途端
『着拒解除しとけバカ早く来い』

罵倒と同時に電話は切れた。
佐倉 光
「……準備できたって」
KP
佐倉は肩をすくめて翻訳した。
牧志 浩太
「はは、なんだかほっとする」

佐倉さんの顔で、何となくどんな声が聞こえてきたのかは想像がつく。
笑って大きく伸びをする。さあ、もう少しだ。

顔を洗って服を着替えれば、久々に現実に戻ったような気がした。
KP
佐倉は記憶は少し戻ったものの、体調は相変わらず悪い。
佐倉 光
「悪い、肩貸してくれ……」
KP
このごたごたが片付いたら、改めて入院が必要だろう、という風情だ。
ともあれ、あなたにも覚えがあるアッタの店へ向かう事になる。
牧志 浩太
佐倉さんに肩を貸し、覚えのあるアッタさんの店へ向かう。

……俺が行くのは初めてか。
覚えも馴染みもあるのに初めて、この感覚もなんだか懐かしいな。

KP
※波照間さん、寝る? 見る?
波照間 紅
正直眠くてたまらないが、僕だって見届けたい。
この三日間の成果を、そして、この一連の事件のことを。

カフェイン飲料をもう一本呷り、もう少しだけ起きていることにする。
KP
では波照間。
あなたは自分が作業していた部屋で待つ事になるが、
その部屋の一角に垂らされた布が、風もないのに揺らめいた。

「許可なく触るんじゃないよ? あぶねーから」

アッタは肉食獣を思わせるような目をしてニヤリと笑った。
波照間 紅
「あ、ええ、はい」
布から一歩下がる。

悪魔使いとして悪魔たちと共に戦ってはいても、魔術の深淵は全く窺い知れないものだな、と思った。
KP
「それじゃ、あとの指揮は任せるから。
魂箱詰めにしたらそこのカーテン開けて、
箱持たせたままであのバカと茶髪放り込んで。
あとすぐ戻ってこいって伝えて。
さもないと、見ちゃイケナイ物見る羽目になるかんね」
波照間 紅
分かりました、と頷く。
──見てはいけない物。

どうしてか、何かを思い出しかけた。
あの、赤い ──三つの──

少しだけ好奇心が疼いて、首を振る。
KP
「やめといた方が身のためだよ。じゃー、最後施錠したらBarに鍵届けといて」
アッタはひらりと手を振って出て行った。

KP
二人がアッタの店に到着すると、
目の下にもの凄く深いくまを作った波照間が
カフェイン飲料を啜りながら狭い倉庫で待っていた。

中央の黒くツヤツヤとしたテーブルには紙箱が置いてある。
波照間 紅
「ああ、お帰り。……無事に見つけたんだってな。お疲れ様、佐倉さん、牧志」

辛うじて身ぎれいにした波照間が、深い隈を刻んで寝不足に淀んだ眼で二人を睨む。いや、眠気を堪えているせいで睨むようになっているだけで、睨むつもりはない。
牧志 浩太
「うわっ……、あ、ああ、うん。ありがとう、先輩」

俺達のような危機こそなくても、先輩もだいぶん苦労したらしい、と分かる。先輩のあんな顔を見るのは、必修のレポートの締切と大仕事が被ったというあの時以来だ。
佐倉 光
「こわ。あ、二徹で儀式……
波照間さんもありがとう」
KP
佐倉は素直に頭を下げた。

KP
魂を束縛する箱は用意できている。
あとは魂のありかを知る術者が必要になる。

注)今回、波照間がすでにMPを消費して箱に力を与えているため、
牧志は正気度のみを消費して術を使用する事になる。
呪文の使用法は、以前に波照間が訳した呪文書に載っている。
本来、魂を閉じ込めるには相手の抵抗に打ち勝つ必要があるが、
今回の対象となる『彼』は抵抗しないため、対抗判定は発生しない。

波照間 紅
静かに一歩下がり、二人を見守れる位置を取る。
見守れる、そして、邪魔しない位置を。
牧志 浩太
何でもない紙箱に、吸い込まれそうになるような異様な気配が宿っていた。
それを手に取り、一度、息を呑む。

とうとう。
あいつを、ここへ出すんだ。
夢の世界の外に。
「行くよ、佐倉さん」
一度声をかける。僅かな僅かな迷いを打ち払う。

箱に、手をかけた。
※『魂の束縛』を行使します。
KP
では、コスト正気度3を消費してください。
(波照間さんも実は払ってるけど、普通の魂とは違うのでコスト重め)

KP
閉じた蓋に手を当てると、吸い込まれるような異様な力を感じる。
自分は吸い込まれないように、
対象をこの箱に間違いなく吸い込まなければならない。

あなたの目は佐倉の魂と無数の黒い影のなかに、真っ赤なオニの姿と、隻腕のあなたを見る。
その姿ははっきりと見える。間違える事はないだろう。
あとは選ぶだけだ。

あなたは誰を箱に封じる。
※☆5なので100%成功します。
牧志 浩太
『片目の俺』を封じる。

SAN 58 → 55

KP
あなたは箱を手に、佐倉を前にし、呪文を唱える。
本来ならば、目の前の人間の魂を封じこめるだけの術。
だがあなたが封じる事を望むのは佐倉ではない。

あなたの指は佐倉の魂を注意深く避け、更に奥を手繰る。
指先に絡みつく無数の黒い影が、今までに幾度も感じた感覚のねじれを齎す。
だがそれでも、あなたは探し出すべきものを見失う事はない。
これらはあなたが求める魂ではない。

奥の奥から、傷だらけの手が伸ばされる。
あなたの手を掴む。
牧志 浩太
無数の黒い影を振り払う。
襲い来る歪みに目を閉じ、響く怪音に耳を塞ぐ。泡立ち捻れる触覚を無視し、眼を刺す異臭に鼻を閉じる。舌に滲む嘔気を吐き出して。

その奥にある直感にだけ従う。
あいつは、俺は、そこにいる。
「牧志」
傷だらけの手を掴んだ。
その名を呼ぶ。
「牧志、浩太」
ずっとずっと前に、そいつが持っていた名を。

その手を、引く。
KP
あなたが引く力のままに、牧志浩太の魂は
佐倉の体から離れてあなたの目の前に現れ、
ほんの一瞬あなたを見つめた。

そして彼は落ちてゆく。
この世界に肉体を持たない彼が落ちて、
戻って来られるかも分からない、魂を捕える冥い檻へ。
箱が犠牲者を飲み込み、
おろちのように満足げに身じろぎをした。

佐倉は自分に何が起きているのかも気付いていないのか、
何となく居心地の悪そうな顔をしている。
箱は、魂を飲み込んだまま沈黙していた。
波照間 紅
「牧志、佐倉さん! あっちへ! 入ったらすぐ戻ってきてくれ!」
カーテンの向こうに二人を押し込む。
佐倉 光
「え、何!?」
KP
佐倉はよろめいてカーテンの向こうに突っ込んだ。
カーテンの向こうにあったのは、巨大な穴。
そしてその向こうは、宇宙だった。
牧志 浩太
「え、」
一瞬、見上げて呆然とする。
次の瞬間、思い出す。

門の呪文。
もしかして、佐倉さんは、これをやろうとしていた?
KP
佐倉は門の向こうへ転がり落ちた。
牧志 浩太
「佐倉さん!」
思わず追いかける。
KP
【幸運】、ふっとこうか!
牧志 浩太
1d100 60 【幸運】 Sasa BOT 1d100→40→成功
KP
幸い、向こう側に広がるのは広い宇宙空間のみだった。
幸い? 幸いではなければ何を目撃していたというのだろう。

あなたは宇宙空間に立っている。
そして、地上と同様呼吸もできるし超低温や真空に体が蝕まれる事もない。
あなたより一歩先に来ていた佐倉が、最初は呆然と、やがて目をきらめかせて周囲を見ていた。

ここはどこだろう。
知りたければ〈天文学〉を振っても良い。
牧志 浩太
あああーーーーーなるほど!! >宇宙
KP
ちからわざで解決。
牧志 浩太
1d100 70〈天文学〉 Sasa BOT 1d100→55→成功
KP
あなたの視界に、超巨大な惑星が見える。
可視光においては茶色と白の縞状に見えるだろう。
太陽からの平均距離は7.78×108キロメートル。
内側から5番目の公転軌道を周回している第5惑星である。

あなた方は明らかにその重力圏内にいたが、
その影響を受けずに宇宙空間に存在する事ができていた。

佐倉が目を丸くする。
佐倉 光
「すげぇ、何だこれ、どうなってんだ?」
牧志 浩太
「え……、」
漏れたのはそんな声だけだった。

天文学が好きじゃなくても、誰もが教科書や図鑑やネットで見たことがあるだろう、その巨大な縞模様。

その細やかな表面の対流までも、この距離からなら鮮やかに見て取れた。
「凄い」

佐倉さんの声に応える余裕もなかった。頭の中から溢れた内容が音になって口から漏れる。

中学校のころ食い入るように読んだ天文学の本の中身が頭の中を流れる。夜が明けるまで星を見上げていた記憶が、小さな望遠鏡で繰り返し繰り返し空を覗いた記憶が蘇って。

そういえば、あいつを追いかけた時はこうやって、どこにいるか見る余裕なんてなかったっけ。

KP
波照間さん。二人が戻ってこない。
宇宙をうつした『窓』が不安定に波打っている。
波照間 紅
「佐倉さん! 牧志! 戻ってこい!」
『窓』の向こうに声を限りに呼びかける。その無限の輝きに惹かれる心を抑えつけて、叫ぶ。
KP
すぐ帰ってきなさいってゆったでしょうが!!
佐倉<きいてなかった
牧志 浩太
牧志<びっくりした
KP
普通びっくりすんのよ。
波照間さんも行かせてあげたかったんだけど、
ストッパーになる人が残ってないと、三人して迷子になっちゃう恐れがあるからね!
牧志 浩太
全くだ! 命綱は必要!
あと半分波照間の記憶のせいで我を忘れましたね牧志。

KP
牧志の耳に、宇宙に聞こえるはずのない『音』が届く。
そうだ。『すぐに戻るように』と言われたのだった。
牧志 浩太
「あ、」
音が、声を限りに呼びかける声が耳に届いた。僕の声。先輩の声だ。そのぼんやりとした認識が意識を引き戻す。
「そうだ、戻らないと。佐倉さん、戻ろう」
傍らの佐倉さんの腕に手を伸ばす。その腕を掴んで、あの窓を探す。
KP
ほんの少し前に出たばかりの『窓』は、記憶より幾分遠くに離れていた。
まだ数歩歩けば戻れる距離だ。
佐倉 光
「……あれ」
KP
佐倉が何やら当惑したような声を上げていた。
窓は揺らめいている。
それを目にして佐倉も慌てて窓を越えた。

耳が痛くなるような無音の世界から、狭い倉庫へと瞬時に戻る。

到底遙かな旅をしてきたなどとは信じられないあっけなさだった。
牧志 浩太
「佐倉さん?」
当惑したような声が気になって傍らを振り返る。
佐倉 光
「ああ、なんか頭がすっきりしてんだ。
宇宙? に出てから、頭の中で喚き散らしてた鬱陶しいのが消えたみたいだ」

KP
牧志。あなたも何だか、頭の中が軽くなったような気がするだろう。
なくなってみれば確かにそこには何かがあったのだ。そんな感覚だった。
牧志 浩太
「あ、そういえば……。アッタさんが払ってくれたのかな。俺の中にも、よくないものがいたのか?」

こんこん、と数度こめかみを叩く。何か風通しがよくなったような、晴れやかな気分だった。
波照間 紅
「牧志もか? 佐倉さんの夢を共有してたっていうんなら、佐倉さんの夢を通じて影響を受けたのかもな」
一般とは
牧志 浩太
佐倉さん&牧志が神話事件に巻き込まれすぎて、むしろ波照間が一般人ポジションみたいな会話してるおかしいな。
KP
おっかしいなぁー。
波照間さん今回目茶苦茶頑張ってるし魔術も使ってるのに。
牧志 浩太
めちゃめちゃ頑張ってるし魔術も使ってるんですけどね。しかし彼だけ〈クトゥルフ神話〉技能がないのだ。(牧志にあげちゃったから)
KP
そういう意味では一般人!
でも人間喰いましたよね……
牧志 浩太
ましたね。美味かったこともしっかり覚えてますね。

KP
あなたの手にある箱を、佐倉がじっと見つめている。
佐倉 光
「そこに、いるのか?」
牧志 浩太
「……うん、そのはずだよ。そうだ、“よくないもの” がいなくなったんなら、あいつを戻さないとな」
佐倉 光
「蓋、俺が開けてもいいか?」
牧志 浩太
「ああ、もちろん」
紐で縛られた小さな紙箱を、そっと彼に差し出す。
KP
佐倉は紐にそっと指をかけてほどき、蓋をずらした。
あなたには、佐倉によって箱が開かれると同時、箱に込められた力が霧散し、捕えられた魂が解放されるのが分かる。
もうひとりのあなた、片目の牧志浩太が、こわばった唇でほんの少し笑って、あなたに礼を言ったように思えた。
牧志 浩太
その微かな笑みに軽く手を振って、戻っていく彼を見送った。
佐倉 光
「何か見えるのか」
KP
佐倉はあなたを見て、寂しげに箱の蓋をひっくり返してため息をついた。
佐倉 光
「俺には何も感じられない、ただの箱だな……」
牧志 浩太
「うん。箱から出ていった。ほんの少しだけどさ、笑ってたよ」
俺の感覚と記憶以外に、そこにあいつが確かにいたことを証明する手段はない。

だから、振り返って笑ってみせた。当然、間違いないって口調で断言した。

この確信が伝わるように。
そこにいたあいつが、佐倉さんにも“見える”ように。
佐倉 光
「そうか。助けられたなら、良かった」
KP
佐倉は笑って座り込んだ。
佐倉 光
「いってぇ……」
牧志 浩太
「あっそうか、佐倉さん、怪我! 応急処置しかしてないし、病院に戻らないと」
慌てて駆け寄る。
佐倉 光
「めんどくせぇなぁ、《ディアラマ》で何とかするよ」
佐倉は言って部屋から出て行く。
牧志 浩太
「あー、まあそれでなんとかなるならいいか…… いいのか?」
よくなければ【STR】11で病院に連れて行く。
KP
どう見てもよくなさそうだ。
牧志 浩太
「って佐倉さん、顔が真っ白……。《ディアラマ》はいいけど、少し病院で休んでからにしようよ。体力は追いつかないだろうしさ」
言いながら佐倉さんの腕を掴む。傷に障らないようにしながら、少し強引に引っ張っていく。
佐倉 光
「おい、やめろ、俺怪我人だぞ」
KP
そんな文句を言いながらも、ある程度まずい自覚はあるらしく、諦めたように引っ張られていく。
事情説明が大変そうだ……
ラストに向けて
牧志 浩太
 ・この数日について起きたことの話を佐倉さんとする
 ・アッタさんに菓子折り持って行く波照間
 ・牧志の見舞いに来る東浪見

あたりですね。>やりたいこと
KP
まあ佐倉は再入院ですね。
そしてエンディングは明日かな。
牧志 浩太
ですね。
KP
よーしネタバレ記事書こ。
牧志 浩太
わーーーい。楽しみ!!
まず追加ステージのことと、途中の夢で失敗してたら/成功してたらどうなってたのかと、ロスト分岐あったのかは聞きたいです(盛る)
メガテンたっぷりのシナリオにこんなに綺麗に神話生物絡めるのもすごいし、まさかの精神寄生体というのも「すげーーーー!!」ってなったし、ギミックめちゃくちゃ怖いし面白いしドキドキするし楽しいし、解決方法が「月から引き離す」なのもあまりに絡め方が綺麗で これはすごい!! 面白い!! って超楽しませて頂きました 
駆け抜けて掘り下げていつもと違う佐倉さんとのやりとりからしか見えてこないものもあって、本当に毎回毎回が面白くて、わりとここ最近このために生きてました。
ありがとうございます
(勢い余って感想)
本当にずっとずっと楽しかった いつもと違う二人の姿を見られたように思います。この話、できてよかった。
KP
わーーーい!
初シナリオで目茶苦茶どきどきしました!

牧志君がもの凄く頑張ってくれたお陰でラスト全く危ない事なかったしね、
二人にとっても結構大きなシーンできて楽しかったです!
もっと死亡シーン書きたかったけど(ボソ)
牧志 浩太
佐倉さんの死亡シーンは、正直、もっと見てみたかったのはありますね。
でもそのぶん牧志がいっぱい死んだのでそれはそれで……?(でも見てみたかった)(特に獣のとこ)
KP
けものはねー、牧志が二人分頑張ってくれたからキャンセルされたからなぁ!
ロスト分岐っていうなら、そうだなぁ。
牧志君には今回トラウマぶつけまくる以外はそれほど危険がないシナリオでした。
あるとしたら「自分にもこの影のような物がついているのではないか」と考えた場合かな。
考えて意識しちゃうと佐倉と同じ目に遭うので、同様のロスト条件が生えます。
牧志 浩太
今回の牧志は守るものを二人(佐倉さんと片目の自分)背負っていて、本当に駆け抜けたので影の正体を考えるどころじゃなかったからなぁ。
波照間だけ精神寄生体がつきっぱなし……。
KP
それについてはまたエンディングで言いますけど。
寄生体から逃れるなんて無理だから……
牧志 浩太
おおっとフライング失礼しました。
そこはちゃんと無理なのもCoCらしくていいなウフフ。
KP
佐倉は、MPダメージがかさむ(5につき一度)たびにSANダメージ入りまして、
それの合計が13越えると破壊衝動か自害衝動が生えてました。
ラストにその状態で突入すると、あの箱守りつつ暴れる佐倉を宇宙に放り出さなきゃならなくなってたり、
ことあるごとに自害企てる佐倉を止めなきゃならないことになってた。
牧志 浩太
あ、そうそう、マレモン63p読んで弊害ってこれかー! ってなりましたね。
なるほど箱を狙うものはたぶんいない、っていうのはそれだったんですね。
ことあるごとに自害を企てようとする佐倉さんを止め続けるのも牧志が消耗しそうでいいけど、それがなかったおかげでラスト直前の流れがすごく綺麗になってよかった。
牧志が打ちのめされきったあのシーンで佐倉さんに自害衝動が生えてたらわやくちゃでしたしね。
KP
結果的に守り切って貰えて良かったと思いましたよ。
それなくても充分牧志君ボコボコにできたし(問題発言)
牧志 浩太
ことあるごとに自害を企てようとする佐倉さん、室内の色んなもので色んな死に方しようとする、とかだと牧志が本当に消耗しそうでいいなと思いました(?)
KP
んでもちろんリアルで自害しちゃうとだいたいロストですね。
牧志 浩太
そうならなくてよかったよかった。タイミングが悪いと止めきれませんしね。牧志が寝ている間にやられてしまったらジエンドだし。
牧志は佐倉さんを気合で守りきったぶん、代わりに死にまくったしボッコボコになりましたね。牧志が死にまくる話だった。
KP
まあお得でヨシ。
途中の夢の詳細や分岐はネタバレ記事で書くとして、追加ステージだけ。
あれ、阻止できたからって過去が変わるわけではないですが……
永遠の悪夢を終らせられるなら、それだけで価値があると思いませんか……
もし、牧志が発狂直前で踏み止まって世界の再生に成功していたら。
もし佐倉の言葉が届いていたら。
こんな未来がちょっぴり見えたかも知れません。
この世界、夢の世界がほんとうに存在したりするからね、悪い夢だけじゃなくていい夢だって現実化するかも知れません。
牧志 浩太
ああーやっぱり夢の中であの悪夢を終わらせることができたんだ…… 追加ステージではあるけど成功したかったなぁ。見たかった。

あの悪夢を共有してしまった牧志も、そのおかげで最後に「自分自身の感覚だけを頼りに彼を探して、自分自身として名を呼ぶ」ことができたので、これはこれでアリではあったんですが。
KP
難易度それなりに高かったからしゃーない。
神の呪いはそんなに甘くないのだ。
機会があったらまた試みてみてほしいですね~
牧志 浩太
機会があったら試みたいなぁ。何しかの代償を払うことにはなるでしょうが。

あ、そういえば☆を5まで集めきれず、ラストで魂の束縛に失敗していたらどうなったんでしょうか?
KP
運悪かったら間違って影捕まえちゃったり、佐倉捕まえちゃったりします。
んで宇宙空間へ行くんですけど、精神寄生体に絡みつかれてた彼も月に吹っ飛んでいなくなっちゃいます。
もしかすると寄生体に混じってまた誰かに降りてくるのかも知れないけど……
牧志 浩太
ああー……寄生体と月暮らしはちょっとなぁ。成功してよかった。
アッタさんが無理やり排除してたらそうなっていたわけですね。>一緒にいなくなる
KP
そうなってましたね。
彼女にとっては同じ存在に見えていたから。
オニさんもついてるから、余程運が悪いかファンブル連発しなければ大丈夫な感じでしたけど。
運が悪くて牧志にダメージが蓄積して昏睡状態に陥ったりしていたら、そんなルートもあったかも知れないなぁ。
牧志 浩太
ありがとうオニさん。守護天使のオニが傍らについて彼を守っている図、絵になるなぁと思っていました。

そう、最初かなり無謀なことをしてたので、ダメージダイスが大きくて昏睡してその後時間の取り回しに失敗していたらありえたかもしれない。そんなルートに行かなくてよかった。

佐倉さんもうまいこと昏睡状態に陥らずに、探索者として踏み出す佐倉さんが見られたり、最大限に会話できたりしましたしね。

途中で牧志が盛大に打ちのめされて、佐倉さんがいつになく強く言ってくれて、そこから持ち直す展開は本当にダイスがストーリーを作ってくれた。
KP
いやー、鋭いなー、って思いながら観てました。(影に触れる)
牧志 浩太
わーい。あの時点では確信はなかったので合っててよかった。
KP
目茶苦茶敵っぽい描写盛って、牧志君追い込むの楽しかった。
牧志君が世界の霧=精神寄生体の攻撃 に巻かれたときに、名前呼んだりしたのが耳障りな音に聞こえたりねー
最初の想定では割と佐倉後半は気絶からの昏睡はありうるよなって思ってたのに、牧志君が強い強い……
お陰であんなよわよわ佐倉できて面白かったな。
牧志 浩太
そうそう、精神寄生体の攻撃が「感覚を暴走させる、狂わせる」っていうのが寄生体らしくてほんとうに好きでした。そこからラストの描写に繋がった。今回本当に描写が怖くて鮮やかで美しくてCoCで。好き。

よわよわ佐倉さん楽しかった! サマナーになる以前の佐倉さんと牧志が向き合うの、それもある意味ifで面白いなと思いましたね。
KP
折角の置きだからって描写がんばりましたー! 褒めて貰えて嬉しい!
描写投げると描写帰ってきて嬉しい!
牧志 浩太
あの描写のおかげでこちらも描写を盛れました! 楽しい!
KP
そしてもうすっごい時間だから楽しいけど寝る努力を! する!!(ログ纏めてから)
牧志 浩太
ほんとだ!! おやすみなさい!
続きはエンディングとネタバレ記事のあとだー!
KP
おやすみなさーい!

佐倉 光
「波照間さん、ありがとう。もし会えたらアッタにも宜しく」
KP
佐倉は波照間にそんな声をかけて出て行った。
波照間 紅
「ああ、二人とも助かってよかった」
佐倉さんに声をかけ、まずはひと眠り。気絶したように眠り倒して、丸一日が過ぎた後にアッタの店かBarへ行くだろう。二人分の菓子折り持って。
KP
アッタはあなたから菓子折と鍵を受け取ると、ふんと鼻を鳴らした。
「オマエはまだ間に合うからさ
あんまりああいうのに首突っ込むんじゃないよ。面倒な事になる」
波照間 紅
「……間に合う?」
KP
「あと、あの茶髪……」
波照間 紅
「ああ、彼からもあなたに宜しくと」
KP
「ああ、そう。……ほんと面倒くさいことになってんね」
アッタは額に指を当ててため息をつくと、ひらひらと手を振った。
もう帰れということらしい。
波照間 紅
彼女はまた、僕の知らない何かを視ているらしい。きっとそれは深い闇の底を覗くようなものなんだろうと、何となくだがそんな気がした。

「今回は、本当にありがとうございました。お陰様で、三人を助けることができました」
再び深く礼をし、帰路につく。
KP
その背にアッタはまつげを伏せ、もう一度ため息をついた。
「別ジャンルに干渉すると色々不都合あっから。
せいぜい、自分たちで何とかできる範囲にしときな……」

知るべきできない。

佐倉を蝕んでいたものが、特段特別なものではなかったこと。
あれは波照間や牧志の内にも存在すること。

今回、佐倉の内で宿主に見抜かれたと活性化したもの、
それを目撃した事により活性化しかけていた牧志の内にあるものは、
少々無理をして強引に引き剥がした。
だが毎回そう上手くゆくとは限らないし、
この地球に戻ってきた事でいずれまた彼らも寄生されるだろう。

気付かなければ良い。
見なければ良い。
知らなければ、大きな害はないのだ。

佐倉が抱え込んでいる異世界の精神。
確かにあれ自体には、害はないようだ。
だが……
あれが見てはならぬ物への入り口にならなければ良いのだが。

人間が人間として生きてゆきたいなら、
知ってはならないものがある。

悪魔然り。魔術然り。外宇宙より降り来たるもの然り。

悪魔使いはすでに大きな縁を持ってしまっているが故に、
容易にあちらへと越えてしまう者もいるのだ。
残念ながら……
牧志 浩太
ああ~~ 佐倉さんは少なくとも今回、異世界の牧志を見ようとしたことをきっかけに寄生体の存在に気づいてしまったんだもんなぁ

アッタさんのモノローグが超越的でいいなぁ。本当に逃れることはできない、知らなければ平穏に過ごしていられる、それでも知ってしまう、その中で生きて抗う。
同時にあまりにもメガテンらしくて。

まだ闇の辺で触れかけている危うい彼らを心配してくれているんだな。
結局今回これだけもがいてできたことは、気づいて、気づかれてしまったものを元の気づいて気づかれていない状態に戻しただけ、でもそこに大きな達成感と変化があるのがコディペンデントの時を思い出すようで、今回のバランスとても好きです。
KP
やったー!
ある程度ヒロイックは目指しつつもクトゥルフっぽさは絶対出したかったので嬉しい!
牧志 浩太
どうしようもなくクトゥルフらしいのにめちゃくちゃヒロイックで好きです! このバランスすごい。
アッタさん、危うい三人組がお手数をおかけします。(佐倉さん巻き込む)
KP
ア「こっちがあんまり干渉すると、こっちのプレーン事態危うくなりかねないから、あんまり面倒なの連れてくんな」
本当は「あの茶髪に関わるな」って言いたかったけど、波照間とも佐倉とも強すぎる縁ができてたから諦めた。
これもまた、「彼自体には害はないが、のぞいてはならないものの入り口になりかねない存在」ゆえに。
あと佐倉は手遅れ。
牧志 浩太
諦めたかぁ。
ある意味牧志が佐倉さん達を巻き込んでしまった(前に言ってた)っていうのも間違ってはないんだなぁ。

手遅れ!

今回本当に佐倉さんと牧志と波照間の関係性が深く描写できて、その意味でも楽しかったなぁ。牧志&佐倉さんメインでありつつ波照間も後ろで動けるの、楽しい!

KP
佐倉を病院に送ってひとまず落ち着かせたあなたは、
夕方になってやっと自宅に戻ってきた。
そこでやっと心配して送ってきた東浪見のメールなり留守電なりに気付くかも知れない。
牧志 浩太
「あれ、……ああー、心配させたかな」
そういえば丸三日間、風邪をこじらせたと言って大学を休んでいたのだ。
メッセージは二日目の昼に来ていて、全然気づかないまま今まで置いておかれていた。
東浪見 空
『牧志、死んでないかー? 佐倉さん見つかったか?』
牧志 浩太
メッセージを見ると同時に、部屋の呼び鈴が鳴った。ドアスコープを覗くと、スーパーの袋を持った東浪見がいた。
東浪見 空
「お、生きてた」
牧志 浩太
「ごめん、完全に落ちてた。今気づいた」
東浪見 空
「いいよいいよ、佐倉さんは?」
牧志 浩太
「見つかったよ。いま病院」
東浪見 空
「そっかそっか、ならよかった」
牧志 浩太
東浪見はいつものように深く聞くことなく、部屋の床に胡座をかいて袋の中身を広げる。

そんな様子を見ていると、何だか帰ってきたような気がした。

KP
数日後。
あなたが病院を訪れると、病室は空になっていた。
荷物も持ち出されている。
牧志 浩太
「えっ?」
着替えを持って病室を訪れると、そこは空だった。

空になった病室に、佐倉さんが脱走したあの時を思い出す。
まさか、また? 

背筋が少し寒くなるのを感じながら、病院に話を聞く。
KP
幸い、足取りはすぐに掴めた。
非常階段の所に行くのを見た、という話だ。
割と良くそこにいるらしい。
牧志 浩太
急ぎ足になって非常階段へ向かう。
KP
比較的人の往来が少ない非常階段で、佐倉は手すりに寄りかかって外を見ていた。
佐倉 光
「お、牧志。いつも悪いな」
KP
あなたに気付くと軽く手を上げてにこりと笑う。
牧志 浩太
「ああ、よかった。いたんだな」
ほっとした様子で手を上げて返す。
「荷物まで持ち出していなくなるから、少し肝が冷えた」
反対側の手すりに寄りかかる。
佐倉 光
「毎回逃げ出してやろうかと思ってるからさ」
KP
佐倉は本気なのかそうではないのかよく分からない言い方で嘯く。
牧志 浩太
「なら、先に連絡してから逃げ出してくれると俺の肝に優しいな」
そんな言い方で混ぜっ返して、頷く。
佐倉 光
「なるほど? 逃げ出したくなったら思い出す事にするよ。
着替えサンキュ。後で部屋に置いといてくれると助かるな」
KP
言って、持っていた小型PCをポーチにしまい込んだ。
牧志 浩太
いつもの小型PCをポーチにしまう姿に、なんとなく目が行った。
佐倉 光
「だいぶ記憶もはっきりしてきたし、色々整理してたんだ。
あの時の夢の内容とか」
牧志 浩太
「……そうか、忘れたわけじゃなかったんだな。見てもいい?」
佐倉の隣に移動する。
KP
佐倉は少し迷ったようだった。
佐倉 光
「ああ……いいけど。割と詳細まで書いてるから」
KP
PCにはレポートのように、詳細にわたって夢の内容が書き記されていた。
それは忘れかけていたかもしれないことまでありありと思い出させる記録となっていたかも知れない。
牧志 浩太
「……結構細かいな。そうか、覚えてたんだ」

佐倉さんを殺した瞬間まで、思い出させるようなその記録。少し、声のトーンが下がってしまったかもしれない。

それでもその記録は、それ以外のことまで同時に思い出させてくれた。
確かに存在したあいつの顔と、声と、手の感触と。
何もかも忘れても俺を信じて、助けてくれた佐倉さんの表情を。

暫く、じっとその記録を見ていただろう。
KP
その記録に、あなたが見た『彼』の姿はどこにもない。
『彼』が見続けていた悪夢の片鱗もない。
牧志 浩太
あいつの存在と夢だけがごっそりと消えた詳細な記録は、見ていると少し不思議な感じがした。
本当に、俺にしか見えてなかったんだな。
佐倉 光
「結局俺、あの時何があったのか良くわかってないし、
ところどころ自分が書いた事なのにわかんねぇとこもあるからさ……
夢の事は思い出せるけど、リアルでどうだったかってのはいまいち覚えてない事も多いし」
牧志 浩太
「あー、記憶を失ったりしてたからかな。夢の中の佐倉さんは俺のこと覚えてたけど、現実では忘れてしまってたし」
佐倉 光
「夢の中で覚えてるってことは、ずっと忘れたわけじゃなくて、そう思い込んでいただけなんだろうな」
KP
佐倉は冗談めかして笑う。
佐倉 光
「夢の中に避難してたのかもな。
いや、でも夢じゃ死んでばかりだったんじゃ避難にはならなくねぇか」
牧志 浩太
「忘れても、思い出せないだけでどこかには残ってるってやつかもな。
避難には……あまりならなさそうだけど」
佐倉 光
「忘れてもどこかに残ってる、か」
KP
佐倉は何を思ったか、あなたの顔をじっと見た。
佐倉 光
「そうかもしれないな。必要なときには思い出せる、そんなもんかもしれない」
牧志 浩太
「あ、この時だ。盛大にへこんでた俺を、佐倉さんがベッドに叩き込んで休ませてくれたんだよ」

佐倉さんがどうなっていたかは伏せて、現実で何があったかの話を、夢の記録を見ながらする。

そういえば、あの時の佐倉さんが書いてたノート、まだ家にあるな。
佐倉 光
「何だよ、それで撃たれたのか。随分ドジったもんだな。現実がそうじゃなくて良かったぜ」
KP
佐倉は声を上げて笑った。
牧志 浩太
「本当にな。現実がそうじゃなくてよかったって、これを見てると思うよ」
佐倉 光
「大丈夫だよ、悪夢は人に話せばリアルにならないっていうだろ?」
牧志 浩太
「……っは、確かに。よし、こうやってたっぷり話してるから、絶対現実にはならないな」
佐倉の笑いにつられて、吹き出すように顔をつき合わせて笑った。
佐倉 光
「結局、よくないものって何だったんだろうな……
こうして書いていても全部が悪夢そのものだったみたいにつかみ所がない」
牧志 浩太
「何だったんだろうな。何かいたのは間違いないんだけど、結局先輩もアッタさんから何も聞けなかったみたいだし」
佐倉 光
「ま……いいか」
KP
佐倉にしてはあっさりとそう切って伸びをした。
牧志 浩太
その様子に少し疑問を覚えたが、それ以上聞くことはなかった。
どうしてか、聞くべきではないような気がしたのだ。
佐倉 光
「怪我してりゃ悪夢くらい観るだろ。
一個はっきりしたし、まあ無駄じゃなかったよな」
牧志 浩太
「ああ。どうなることかと思ったけど、無駄じゃなかったって俺も思うよ。

あいつのこともそうだし、
こうやって生きてるっていいな、ってことも何だか思い知ったし」
KP
佐倉は渡る風に気持ちよさそうに目を細めた。
佐倉 光
「俺、昔入院してたとき、よくこういうとこに来ていたんだ」
牧志 浩太
「非常階段?」
佐倉 光
「そ。
世界がよく見えるだろ?」
牧志 浩太
そう言われて、階段の向こうを見やる。

「ああ、確かに。結構見晴らしいいんだな」
佐倉 光
「まあ世界ってのは大げさだけど。
こっから落ちたらどうなるかな、みたいなしょうもないこと考えて来たときとかでもさ
夕焼け綺麗だなとか、鳥が鳴いてるなとか、そういうのが結構精神衛生上良かったりするんだ。
だから、俺の中にいるあいつも、そういうの見たがるんじゃないかと思ったりしてな」
牧志 浩太
「ああ……、」
非常階段から世界を見渡した。

小さくて細々としていて、大きくて広くて、陽がすこしだけ傾いてビルを黄色く染めて、そんな、美しい世界。
「そうだな……、」
眩しくて、目に熱い涙が滲んだ。
砂が目に入ったような気がした。
「あいつなら、絶対に、見たがるよ」
束ねた髪の間を風が抜けた。
KP
風を受ける佐倉の目にはもう迷いの色はなく、穏やかな目で街を見下ろしていた。
何故かその姿に、もう一人のあなた自身の姿が重なって見えたような気がした。


『レミングス・ドリーム』
全員生還にて おわり


おしまい
牧志 浩太
お疲れ様でしたーーーー!!
KP
おつかれさまーーー!
牧志 浩太
エンディングが爽やかでいい……
KP
全員、というか隻眼牧志くんにちゃんと居場所ができて良かったね……
牧志 浩太
ですね……。
片目の牧志には居場所ができたし、佐倉さんは彼の存在を信じることができたし。
これからも傍観者であり続けはするけど、きっと佐倉さんの眼を通してこの美しい世界を穏やかに見ているだろうな、と思えるエンディングでした。
KP
牧志君がドン凹みするレアなシーンも見られたし。
牧志 浩太
そうそう、決して諦めない牧志が動けなくなってしまうシーンはかなりレアだった。
KP
可哀想すぎたけど、見てて楽しかったですすまない!!
牧志 浩太
PLもめちゃくちゃ楽しかったゴメン牧志!!
決して動くことをやめない彼が動けなくなる、動くことが恐ろしくなってしまう、目覚めない方がいいんじゃないかと思ってしまうって、本当に相当レア。
KP
今回レアシーン多かったなー。っと報酬報酬。
牧志 浩太
サマナーではない佐倉さんが覚醒するのも本当にレアシーンでしたしね。っと、報酬と成長。
KP
佐倉を救った(牧志のみ)
+1d5+2

☆5になった(牧志のみ)
+3

自ら悪夢に立ち向かった(佐倉のみ)
1d5+5

異世界の悪夢に挑んだ
+1d3

もうひとりの牧志を救った
+1d5
牧志 浩太
1d5+2+3+1d3+1d5 Sasa BOT 1d5+2+3+1d3+1d5→1+2+3+2+1→合計9
KP
出目!
牧志 浩太
低い!!
ダメージが大きすぎたかぁ。無理もない。
KP
あれー、報酬ちょっと渋かったかな。
2d5+5+1d3 Sasa BOT 2d5+5+1d3→6[2,4]+5+3→合計14
牧志 浩太
1d5で1、1d3で2、1d5でまた1だから、どっちかというと出目が相当渋い気がしますね。
牧志の原点に与えられたダメージはあまりにも大きかったらしい。
KP
成長はですねー、まだ纏めてないけど、今回は一個くらいだっただろうか。
後で出しますね。
クリファンという意味では出目はそんなに荒れなかったんだよね。
紅さんが相当ヒドイ事になってたけど。
牧志 浩太
ありがとうございます。
SAN 54 → 63 ですね。77から63になって終わったって、結構ダメージ受けたなぁ。
KP
減らした値考えるとちょっと渋かったかこれ。
もう一個くらい1d5しときますか。
牧志 浩太
お、ありがとうございます。
1d5 Sasa BOT 1d5→5
KP
牧志 浩太
わお。
SAN 63 → 68
割合ちょうどいい感じ。
KP
佐倉も最初に固定で10受けてるからちょい渋すぎたかもしれん。
1d5 Sasa BOT 1d5→4
牧志 浩太
おお。
KP
18回復。
佐倉は55に18回復で 73かな? ちょい減った。
牧志 浩太
牧志の方が少し低いけど、だいたい同じ位ですね。

牧志 浩太
出目はそんなに荒れませんでしたね。
紅さんとこの出目の悪さはすごかったけど、全体的に牧志POW判定ものすごく頑張ってた。
KP
びっくりするほど失敗しませんでしたからね。
失敗したの一回だけかな。
牧志 浩太
二回くらいはあったかな? 本当に失敗しない。
あの〈機械修理〉成功したのにもびっくりしましたしね。
あと〈医学〉成功も驚いた。
KP
結構「無理かなー」ってとこ成功しまくってましたね。
牧志 浩太
なんですよね。確かPOW×4でも一回成功してたし。
本当にずっと抗い続け背負い続けていた。
KP
やべーもん見たり知ったりした佐倉はともかく、ほぼ夢見てただけの牧志君がこれだけ削られてるの酷いですね!
あ、魔法使ったりはしてる。その分もあるな。
牧志 浩太
2回使ってましたしね。
KP
その分の計算忘れてたから渋くなったなこれ。
あ、そうだ、波照間さんも
佐倉を救った
+1d5+1
振っといてください。
牧志 浩太
とはいえやっぱり、佐倉さんの死、特に「守れなかった」ということがそれだけダメージになるってことですね。
コラジンになったり世界が滅ぶ悪夢を見てしまったり、異様な感覚をいろいろ体感してしまったのもあると思うけど。
1d5+1 Sasa BOT 1d5+1→5+1→合計6
KP
デカァイ!
牧志 浩太
なんと、ありがとうございます。波照間SAN減ってましたっけ。
KP
魔法使ってるから3減ってるはず。
牧志 浩太
あ、そうかそうか。66→63→69ですね。

KP
牧志君の寄生体、気付かなくて良かったですねほんと。
牧志 浩太
本当に本当に。気づいてしまったら相当ハードモードでしたからね。
知らなければ平穏でいられる。
あと、ダオロスの知識ってことはそれが特別なものではないこともある程度分かってるだろうから、エンディングでもあんなに爽やかでいられなかったでしょうし……。
KP
そうなったらそうなったで、佐倉と同じ記憶の混濁を喰らっていただくことになってたかな。
成長、伏せ判定の〈聞き耳〉ファンブル一回だけですね。
牧志 浩太
そうなっていたら今回起きた事を、自分の原点のことを、サマナーではなかった佐倉さんのことを、あんなにきちんと覚えていられなかっただろうし、
本当に気づかなくてよかった。
お、ありがとうございます。
1d100 92 成長判定(〈聞き耳〉) Sasa BOT 1d100→43→成功
牧志 浩太
さすがに成長しませんね。
KP
さすがに92はなー。
牧志 浩太
ですねぇ。ここから成長したら面白すぎる。
KP
異世界の存在が見聞きできちゃう以上の成長って。

KP
レミングスの紅さん、『化物』なのに見た目牧志ベースなの? って思いましたが、
あくまで佐倉が伝聞で想像した紅さんだから説を思い付きました。
牧志ベースの紅さんには実際に会ってるわけですしね。
牧志 浩太
なるほどあくまであれは牧志の夢ではなく、「佐倉さんの夢」だったから。

牧志 浩太
ありがとうございました、本当に楽しかった
KP
私もやってて凄く楽しかったなぁー
牧志 浩太
そして気が早く次のお話なんですけど、ここはゆっくりと雪国に旅行にでも行く姿を見たいなということで、
雪国シナリオを回させていただけたらいいなー、と思っています。
KP
お、ついに!
次回も楽しみ!
ゆっくり? ホントニィ?
牧志 浩太
最初は日常シーン多めにしたいなって(その後日常が続くとは言っていない)

今度は掛け合いが増えるだろうからリアルタイムかな? と思ってはいるんですが、
情景描写のこと考えると置きでも綺麗かなと思ってちょっと迷っています。
KP
私はどちらでも!!
どっちもいいよなー。
牧志 浩太
そうどっちも本当にいいなって。
リアルタイムのスピード感と会話の多さもいいし、単独行動の多いシナリオだと置きだと本当にみっちり描写できるし。

このシナリオについて



コメント By.KP
そこに『いる』ことを信じればいい。
人であるからこそ彼はここにいる。

そこに『いる』ことを知らなければいい。
人でありたいならば、見てはならないものがある。

長い悪夢が終りました!
ひたすらロストが襲う話、夢なら楽しいものですよね!(あくまで中の人は)

TRPGリプレイ CoC『静寂舞手』佐倉&牧志 7

チャンスは、一度きりだ。

TRPGリプレイ【置】CoC『満を持して今日も俺は眠れない』 佐倉&牧志 7

「悪魔じゃなくて友達で」
「誰が悪魔だコラ(僕は悪魔じゃありませんよ)」
「あっ」

TRPGリプレイ【置】CoC『blood red decadence』佐倉&牧志 3

牧志、俺と契約してくれ。

【クトゥルフ神話TRPG】
本作は、「 株式会社アークライト  」及び「株式会社KADOKAWA」が権利を有する『クトゥルフ神話TRPG』の二次創作物です。

Call of Cthulhu is copyright ©1981, 2015, 2019 by Chaosium Inc. ;all rights reserved. Arranged by Arclight Inc.
Call of Cthulhu is a registered trademark of Chaosium Inc.
PUBLISHED BY KADOKAWA CORPORATION 「クトゥルフ神話TRPG」


TRPGリプレイ【置】CoC『夜は星を落とし易い』 牧志&佐倉 1

「おはよう牧志。
……どうしたのさ、怖い顔しちゃって。また悪い夢でも見たの?」

TRPGリプレイ CoC『AND/HAND』佐倉&牧志 1

「死んだ隙に、か? 大胆過ぎる手口だな」
「死んだとかさらっと言うじゃん」

TRPGリプレイ CoC『VOID』継続『やさしい朝をくださいね』春&田尾 1

「こーいうのは誰かに肯定されて初めて、それに価値を認識し始めるものなんだから」