こちらはオリジナルシナリオですが、『1100』静寂舞手』『100万回目のハッピーバースデー』『対の棲みか』のネタバレがあります。
※他のシナリオにも言及していますが、明言されていないものなどは除外しています。



佐倉視点(ネタバレ)
佐倉 光
自分のPCの中に情報がないか隅々までチェックしていよう。
KP
あなたと牧志や波照間のやりとりらしきものが大量に残っている。

あなた自身の発言は、書いた覚えなど全くないのに、間違いなく自分が書いた物だと確信できた。

波照間とのやりとりは簡素な情報交換がほとんどだが、たまに悪魔や事件の愚痴や相談などが書かれている。
波照間はそれひとつひとつに丁寧な返信をしてくれていた。
数は少ないが密度が濃い。悪魔使いとしての話には興味がそそられたが、今役立ちそうな物ではなかった。
ただ、波照間は真摯に協力してくれるし、今まさにそうなのだろうと思えた。

一方、牧志とのやりとりはとにかく数が多い。
あなたの状況や失われた記憶などを探るのに使えそうな情報もあるにはあったが、8割方は下らないジョークや「何食べる?」のようななんでもないやりとりだった。
と思えば時折超難問のクイズをやりとりしていたりもする。
あなたと牧志がそういったことも話すほどに仲が良かったことは何よりも強く伝わってくるだろう。
佐倉 光
俺は、こんなに深く付き合いのあるヤツらを綺麗さっぱり忘れているっていうのか。
なかなか、ショックが大きい。

KP
さて……一方牧志。
買い物も終わり、自室に戻ると、佐倉がベッドに座ったまま壁により掛かり、PCの画面をじっと見ていた。
テーブルの上にきちんと整えられた資料にはいくつか書き込みが追加されている。

あなたが扉を開けると顔を上げた。僅かだが顔色が良くなっている。
佐倉 光
「ああ、お帰り。
素材、ネットで買わなくても大丈夫そうか?」
MP 9→15
牧志 浩太
「ただいま」
少し緊張しながら部屋の扉を開く。
佐倉さんが変わらずそこにいたことに、安堵の息を吐いていた。
「うん、大丈夫そうだ。水晶片や音叉まで置いてる店があるのにはちょっと驚いたな」
佐倉 光
「音叉や水晶なんて割と普通だろ? ドラッグストアにはないかも知れないけどな」
牧志 浩太
「宝石とかパワーストーンとかああいう店、普段あんまり行かないからさ」
一緒に買ってきた飲み物などを置く。モンエナは身体に悪そうだからやめておいた。
KP
飲み物は礼を言って受け取る。モンエナについてはノーコメントだった。
さすがに飲みたいと思える状態ではないらしい。
牧志 浩太
「それは?」
資料を開き書き込みをしている様子に声をかける。
KP
資料の隅に、自分が見てきた夢について書いてあるようだ。
あなたが資料を気にしているのを見て言う。
佐倉 光
「全部最終的に俺が死ぬ夢なんだけど、
最初他の登場人物は出てこなかった気がするな」
KP
あなたが目撃したボールルームでも、いきなり黒い霧に包まれ孤立している状況から始まったのだという。
ただ、その時は広場中央に誰かがいて、その人たちを逃がさなければならないと思ったので叫んだ、とのことだ。
牧志 浩太
資料を軽く見やるようにし、拒否されなければ資料を見る。
「中央か、本来俺達がいた場所だ。記憶が消えてしまっているから見えなかったとかなのかな……? 他の夢は?」
佐倉 光
「偽物の俺に吸い殺されるのは見ていたって言ってたな。
あの時も、『誰かに助けを求めないと』と思っていた気はする。
それが誰かは分からなかったんだが」
佐倉視点(ネタバレ)
佐倉 光
夢の中では確信していた気もするから、『今は忘れている』だけかもしれない。
いや、分かっていたと思い込んでいただけかも知れない。
なにしろ夢だからな……

KP
 小動物の時は、誰かに助けを求めるために走っておそらく車に轢かれる夢。
ラミアに締められたときは、悪魔と戦うために彼女を呼び出した夢。
佐倉 光
「最近見る夢は、大体誰かに助けを求めたり、誰かと行動しているな。
その誰かってのは蛇女以外出てきてないけど」
KP
 それ以前は大体、普通に敵性悪魔に殺されたり、高所から落ちたり、そういった脈絡のない死が多かったのだという。
記憶の再現でもなく、ただただ死が襲ってくるだけの夢。
佐倉 光
「そういえば、短剣で自刃する夢の時はお前がいたっけ。
記憶を元にしたからいた、というだけかもしれないけどな」
牧志 浩太
「そうだったのか……、その変化は気になるな。
……なあ、それって、いつから? 
もしかして、昨日の夜からだったりする?」

はっと、気がついた。
昨日の夜。
俺が佐倉さんの夢の中にいたらしい、あの夜。

もしかして、そこから何か変わったんじゃないのか。
佐倉 光
「ああ、言われてみればそのあたりからだったかな」
KP
あなたはラミアの言葉を思い出すかも知れない。
彼がいきなり記憶を失って逃亡を図ったのは今朝。
あなたが佐倉の夢を見たのも今朝だったが……。
牧志 浩太
「そこで、何かあったんだ。
佐倉さんが記憶を失ったのも昨日の夜。俺が佐倉さんの夢を見たのも、昨日の夜だ。
ちょっと何かは分からないし、偶然の一致かもしれないけど、覚えておいていいかもしれない」

言いながら、日記帳を取り出し書き入れる。
「うーん、何か分かりそうで確信が分からないな……」
日記帳と一緒に持っているペンは、キャップを後ろに差して、カン、と一度尻側を叩くとうまく嵌って書ける長さになる。
KP
佐倉はその動作をじっと見ていた。
佐倉視点(ネタバレ)
KP
あなたはどこかでその動作を見たことがある、と思った。
だがいつどこで誰がその動作をしていたのかはどうしても思い出せない。
佐倉 光
ああ、もちろん牧志がやっていたんだろう。
普通見たら思い出すだろうが。
親しい相手だったんだろう? 情けない。

KP
暫く目を細め、そして少し苛立たしそうに指先で机を叩いた。
佐倉 光
「くそ、どうして忘れたんだろうな、俺は」
KP
佐倉がずっと見ていたのはどうやら、あなたとのメール等のやりとりだったようだ。
KP
明らかに自分と心から信頼している相手とのやりとりを読んでものすごく歯がゆい気分になってる。
あと少し申し訳なくなっているかも知れない。忘れてしまっていることに。
牧志 浩太
自分に心から信頼している相手がいた、ってことも一緒に見せられるわけですもんね。

でも牧志、案外気に病んでいない。忘れられていても佐倉さんが自分と友達だったってことを認めて、関わってくれるからなんでしょうね。
牧志 浩太
「そう、そこは気になるんだよな。少しずつ削れているからにしても、変化が急激すぎるように思うんだ。

気がついたら突然異界にいてラミアさんがいた、って認識なんだよな?

……あ、そのメッセージ、介入者騒ぎのときのだ」ふとメッセージの一つに目を留め、懐かしそうに少し目を細める。
佐倉 光
「俺がちゃんと覚えていたらきっと、もっと……」
KP
玄関で呼び鈴が鳴った。
牧志 浩太
「あっと、来たかな」急いで出てドアスコープを確認する。
KP
真っ赤な壁がいた。

悪魔二体が、玄関前で宅配便のおニイさんと遭遇しました。
なんやかやあって、鏡も受け取ったので持ってます。
おニイさんに《SANチェック》入ったかどうかは、二人の手際による!
牧志 浩太
「あっ、あー……」
よからぬ鉢合わせが発生したことを察した。

急いで宅配便のお兄さんから荷物を受け取り、まずは仕事を完遂させてあげよう。今日見たもののことはそのまま忘れてほしい。

それから、届け物に来てくれた悪魔たちと向き合う。
「久し振り……、だな」

思わず漏れていたのはそんな言葉だった。自分の記憶じゃないと分かっているはずなのに、感慨が溢れ出て止まらない。

あれだけ共にいた仲間だったんだ。
KP
「おう、おめぇどっかで会ったかよ?」
赤い勾玉が訝しそうにぐるぐる回る。
赤いオニは抱えていた包みをあなたに突き出す。
「そういや魂の色が似てるな」
そんな巨大勾玉の言葉に、オニは「そうか?」と言いたそうに低く唸った。
牧志 浩太
「あ……、」
はっと我に返る。そうだ、そうじゃない。
「すまない、ありがとう。確かに受け取りました」

包みを受け取り、一礼する。
KP
「おう、腹に力入れて気張れよ」
赤い勾玉はふんと鼻息荒く鼓舞し、
オニはあなたの胸を優しく静かにずしりと叩き、そうして去って行った。
牧志 浩太
その後ろ姿を、荷物を持ったまま遠くなるまで見送っていた。
佐倉視点(ネタバレ)
KP
赤い悪魔が二体去って行く。
佐倉 光
当然あいつらとも知り合いだったんだろうな、俺は……
歯がゆさを胸にその背を見送る。

彼らは波照間の仲魔、オニとアラミタマである。
牧志は彼らとともに戦った波照間の記憶を持っているが、彼らにとっては初対面なのだ。

KP
さて、現在の時間は夜9時頃。
今日今すぐに作り始めるか、それとも睡眠を取ってからにするか。
帰ってきてご飯くらいは食べたことにしよう……
牧志 浩太
すぐに作ってから寝たら消費したMP回復しますか?
KP
そうだなー、寝てる間に何もなければ回復するでしょう。
なんもなければ起床時に全快している扱い。
なんかあったら……
あ、薬を飲んだ場合の睡眠時間は四時間です。
牧志 浩太
ヤダコワーイ。
とはいえどちらにせよ起きてから作ったら消費しっぱなしだしな。
では夢の薬の作成を行ってから寝ます。材料の分量的に何服まで作れそうですか?
KP
希望数作れるよ。
牧志 浩太
では予備も考慮して6服(9MP/SAN2)作成します。

牧志 浩太
「まずは場を清めて、それから……」
恐る恐る、受け取った荷物を開封する。
KP
くすんだ銀の手鏡と、瓶に入った一握りの輝く砂が出てきた。
清めるのは大きく動かなくて済むようなことなら佐倉も手伝う。
牧志 浩太
「なんだか現実離れした色だ。これがそうなんだな」
その輝きを眺めていると、仲間たちの顔を思い出した。

佐倉さんにも無理のない範囲で手伝ってもらいつつ、場を清める。
手順を何度も思い返し、鏡と薬草と砂を準備する。

その儀式と呪文が、「僕ら」がやるものより、もう少し不確かで、もう少し不確実で、もう少し闇を覗くような行いだってことを、「俺」はどうしてか知っていた。

緊張する指で鏡面に薬草と砂を乗せ、呪文を辿る。
KP
最初の30分、それは全く徒労のように思えた。薬草は輝く砂を乗せたままアンティークの鏡の上にしおれ、ただ時の経つままに乾いて行くだけのように見えた。
牧志 浩太
頭の奥に微かに迷いが過った。どれだけ異界を駆けた記憶を持っていようと、俺が俺でしかないってことは痛いほど知っている。
KP
あなたの集中が限界を迎え、一瞬くらりと脳の芯が揺れたように思った、その瞬間。
砂は速やかに形を失い溶け、薬草はしなびて黒く縮み、ぼんやりとあなたの顔をうつすのみだった鏡が、さび付いたように真っ黒に変色してゆく。
牧志 浩太
本当に俺にできるのかって、一瞬だけ思ってしまった、その瞬間だった。

あらゆるものが移った。
鏡の上で急速な変化が起きた。それが世界の位相の僅かにずれる瞬間であることを、ふたつの記憶が訴えていた。
KP
あなたの口から流れる呪文は歌のように朗々と部屋に響き、鏡の上の理を曲げてゆく。
今や真っ黒になった鏡の中にはこまかな輝きが見えていた。それははるか夢の世界で見た空。鏡はまるで、別世界へのゲートのように見えた。
その上で黒く縮んだ薬草は燐光を上げ、異臭を放って焼け焦げる。もと砂だった光がその中にゆっくりと馴染んでいった。

じつに五時間。あなたは途切れなくそれを行わなくてはならない。
佐倉はその様子を黙って見つめていた。
佐倉視点(ネタバレ)
KP
それは人の触れてはならぬものに感じられた。
佐倉 光
牧志がそういう事になれているようには見えない。
下手をすると、俺のためにこういう事に初めて手を出した可能性もある。
くそ、俺が本調子なら喜んでやるのになぁ……!
KP
今のあなたはその儀式を見ているだけでもひどい頭痛がしてくる。
佐倉 光
たまに休みつつ儀式を見物しよう。

牧志 浩太
胡座をかいて座り込んだ身体が、音を響かせる入れ物になる。身体を通じて呪文が通り抜けていく、そんな感覚だった。複雑な呪文を追い続け集中し続ける頭と、空っぽになった思考が別々に存在していた。
KP
そして五時間後、鏡の上には茶色の薄い液体が溜まっていた。
ほんのりと鼻の奥を刺激する香りは、嗅ぐだけで眠気を誘った。
牧志 浩太
起きながらにして夢を見ているようだった。

その夢から覚めた時、鏡の上には茶色い液体が溜まっていた。
急いで液体を瓶に受ける。

今にも眠りに落ちそうなくらい、頭も身体も疲れきっていた。
KP
あなたは、薬を飲んで寝る? 飲まずに寝る?
牧志 浩太
夢の薬、「飲んだら眠りに落ちる」ですか? 「眠るときに飲んでいると効果を発揮する」ですか?
KP
飲んだら麻酔のようにすみやかに眠りに落ちます。
夜中過ぎてるし、さすがに午前中寝ていたとはいえ佐倉も眠そうではある。
牧志 浩太
うーん佐倉さんを複数回眠らせるのはリスクが高いけど牧志のMP回復……
KP
ここはまあ、どっちでもまだ大丈夫かな!
牧志 浩太
牧志が昼間に休養してMPを回復することはできますか?
KP
できますよー
昼間何もしないor楽しいことだけしてたら全快します。
たのしいっつってもさすがに一日中パズル解いてたら全快はしなさそうだけどもw
牧志 浩太
では、佐倉さんと一緒に薬を飲んで寝ます。

MP3/12 SAN73
KP
佐倉 MP 15/15 SAN 65
KP
二人どうやって寝てるんだろう。ひとりがベッド、一人が床とか椅子かな。
牧志 浩太
佐倉さんにベッドを譲って、牧志は床ですね。
毛布にくるまるなり何なりして寝ます。

KP
薬を口に含むと、酩酊したように急激に感覚が鈍く遠くなってゆく。
全てがぼんやりとし、悪魔によって沼に引きずり込まれるように抵抗する隙も与えられず落ちてゆく。
それでもあなたは、一緒に落ちてゆく誰かの気配だけは感じていた。

全ての感覚が定かではないというのに、あなたは林立する影を見ていた。
それは頭と手足のような出っ張りを持ち、ゆらゆらと揺れ、以前見た物と同じようにべったりとその空間に染みついていた。
それはそこにあるのが当然とも思えたがやはり怖気立つほどに異質でもあった。
そこに『ない』が『ある』かのように。
それらは存在するだけで空間を冒していた。
牧志 浩太
「……」
すべてが定かでなく曖昧な感覚は、思考を混濁のただ中に落とされていくあの感覚に少し似ていた。
KP
あなたとともに落ちてゆく佐倉がその影の中に飲み込まれて消える。
あなた自身もまた、無数の真っ暗闇の穴を思わせる影の中に、粉々になって落ちてゆく。
影がいくつかあなたを見た……気がした。
我知らず背筋が震えるほどの怖気と、ねっとりとした闇が絡みつく不快感があなたを襲う。

SANチェック成功時減少 0失敗時減少 1d3
牧志 浩太
怖気立つように異質なそれにできることは、あらゆる意志を奮い立たせて睨みつけようとすることだけだった。

落ちる。
落ちる。
飲み込まれる。
粉砕される。
失われる。

探す。
影の合間に、影ではないものが見えないかと。
あの泣くような眼をしたもうひとりの俺が、そこにいないかと。
1d100 73 牧志《SANチェック》 Sasa BOT 1d100→88→失敗
1d3 Sasa BOT 1d3→3
SAN 73 → 70

「あ、ああ……、」
砕ける。落ちてゆく。心臓を侵されるような不快感に意識が震えた。
影が、こっちを見ている。
それが背筋を貫く怖気になって、泣きわめいて視線を逸らして丸まってしまいたいような恐怖と、そうした所で何も変わらないと知っているかのような絶望が襲う。
KP
闇の中に人間らしきものは見えなかった。
そこにあるのはただ、異質な影ばかり。
ゆらゆらとゆらめく影が何故か嘲笑った気がした。

KP
突如賑やかな音楽と人のざわめきがあなたを包んだ。
そしてあなたの目の前にあなたがいた。
あなたともう一人のあなたは、ショッピングモールのフードコードにいるようだった。

目の前のあなたはスマートフォンを見ている。
『牧志』
「星の教団? こんな胡散臭いの……」
KP
目の前のあなたはそう言うと、興味なさそうにスマートフォンに触れた。
その瞬間……

〈目星〉〈心理学〉
別情報。


PL情報 あなたは『佐倉』です。
牧志 浩太
〈目星〉〈心理学〉も佐倉さんの技能値で振ることになりますか?
KP
今回はあなた自身のものです。
〈心理学〉はこちらで振りますね。
振りますか?
あ、大事なことを。
あなたはあなたが牧志だとちゃんと知っています。
牧志 浩太
お。振ります。>〈心理学〉
1d100 89〈目星〉 Sasa BOT 1d100→40→成功
佐倉 光
(えっ、フードコート? ……そうか、あの時の夢か。俺が佐倉さんになってた、あの時の)
🎲 Secret Dice 🎲
KP
Sasa BOT 1d100→30→成功

KP
あなたは見る。
目の前のあなたが持っているスマートフォンには、星の教団の勧誘メールが表示されている。
『牧志』はさしたる興味も持たず、削除しようとした、ように見えた。

だが彼の顔が驚愕に染まる。
その指がリンクに触れていた。
彼は瞬時に、リンクから指をずらそうとした。
だが彼の意思を嘲笑うように指はリンクの真上でスマートフォンから離れる。
佐倉 光
そうだ。この後何が起きたか、知っている。
これがまた「死ぬ夢」だっていうなら、この後に起きることは。
KP
あなたは宇宙にいた。
形もなく、境界もなく、
憎しみも悲しみもない世界で全てを知ったという至福があなたを満たす。
全てが一つとなる。
不完全な個ではなく、おおいなるものの一部となるのだ。

溶けてゆく。
思考が、心が、魂が……


何かをしますか?
何かをするなら【POW】判定を。
佐倉 光
(嫌だ)
(──嫌だ)
牧志 浩太
(溶けて、たまるか!)

傍らにいるはずの人の腕を掴もうとします。
×5? >【POW】
KP
あ、そうです。5倍。
牧志 浩太
1d100 60 Sasa BOT 1d100→54→成功
KP
あなたは自分の意志で傍らにいたはずのひとを探す。
あなたは自分の意志で腕を掴もうと試みる。
あなたは自分の意志で抵抗する。

傍らにいるはずの人の実体はあなた同様境界を失って消え失せかけていた。
だが、あなたが強い意思を持って腕を掴もうとした瞬間、
そのひとはあなたを見た気がした。


だがそこまでだった。
あなたと彼は霧散する。
全てと一つになって、得体の知れぬ巨大なものに引寄せられてゆく。
溶ける一瞬、あなたは暗い宇宙空間にも関わらず、べったりと黒い影が染みついているのを見た。
1d6 Sasa BOT 1d6→1
MP 15→14
両者《SANチェック成功時減少 0失敗時減少 1
1d100 65 佐倉《SANチェック》 Sasa BOT 1d100→40→成功
牧志 浩太
見つけた気がした。
そのとき、確かに見つけた気がしたのに……、
1d100 70 《SANチェック》 Sasa BOT 1d100→74→失敗
FANBOX開設したで
SAN 70 → 69

KP
あなたは唐突に自宅にいた。
だが周囲の光景がなんとなくぼやけている。

あなたは鉛筆で描かれた地図を目の前にし、電話を持っている。
電話の向こうから佐倉の声がした。
佐倉 光
『多分これ映画館、だな。入ってみる』
KP
そして、その直後どこからかあなた自身の声が聞こえた。
牧志の声
『ああ、そこに手がかりがあるかも知れない。調べてみて』
佐倉 光
『分かった……ここも暗いな。どんな映画やってんのかもわかんねぇけど』
KP
僅かな呼吸音と足音が聞こえる。
電話の向こうで佐倉が歩いているらしかった。
佐倉視点(ネタバレ)
KP
あなたは映画館の中に入って行く。
何やら映画をやっているのだろうか、賑やかだ。
佐倉 光
どんな映画だろう。
KP
内容の予想は全くつかないが、とても気になる。
何か想像もつかない知識を得られそうな予感がする。
佐倉 光
この事態を打開する情報が得られるかも知れないな。入ってみるか。

KP
何かをしますか?
何かをするなら【POW】判定を。
牧志 浩太
あれ、と声を上げる。俺自身の声が聞こえる。

違和感があった。
佐倉さんの行動が違う。映画館? 行かなかったはずだ。

だとすれば、そこに佐倉さんが死ぬ原因があるんだ。
そこに導いたのは……、俺の声?
「だめだ、佐倉さん」
鉛筆で描かれた地図から映画館を消そうとする。

同時に、聞こえた俺の声の正体を見極めようと、曖昧な中で耳をすませ、目をこらす。
1d100 60 【POW】 Sasa BOT 1d100→41→成功
KP
あなたは自分の意志で消しゴムを手に取り、今描かれたばかりの映画館を消し去ろうとする。
……【アイデア】
牧志 浩太
1d100 90 【アイデア】 Sasa BOT 1d100→79→成功
KP
佐倉はすでに映画館に入っているかも知れない。
その状態で消したら、何が起きるのだろうか。

先ほどの声は自分の口から出ていたような気がした。
それは確かにあなたの意志ではなかったはずだ。
SANチェック成功時減少 0失敗時減少 1
牧志 浩太
危ない。気づいて手を止める。
1d100 69 《SANチェック》 Sasa BOT 1d100→71→失敗
SAN 69 → 68
無駄だ、と考えていられなかった。
他に探すものがあるはずだ、とも考えていられなかった。

「佐倉さん! だめだ、戻って!」
電話の向こうに向かって声を上げる。彼を引き留めようと。
佐倉 光
『えっ? どうした、突然。何かあったのか?』
KP
佐倉は足を止めた。
佐倉 光
『今、映画館の中にいる。何か上映してるな、よく見えねぇけど』
牧志 浩太
「見ない方がいいやつだ、それ。それより、今思ったんだけど、外への扉を描いたら戻れるかもしれない」

聞こえた?
これが、俺がここに「いる」ってことなのか?
KP
あなたは気付く。
はっきり以前とは違う。
何にも触れられず、その世界に存在していなかった前回と違い、
あなたは確実にこの世界に存在している。
佐倉視点(ネタバレ)
KP
何故かは分からないが、あなたは映画が見たくて仕方がない。
絶対にあなたにとって必要な情報があると確信できる。

佐倉 光
『ん? 何か気付いたんだな。
気になるんだけどなー、あの映画……観てからでもいいか?』
KP
佐倉は余程映画が気になるのか、名残惜しそうにしている。
牧志 浩太
「やめとこう、嫌な予感がする。それより、描いてみるから確認してほしい」

少しずつ手応えを感じながら、どうするべきか考える。ここで運命を変えられたとして、本当の解決にはならない。
もうひとりの俺を描いてみたとしても、それが本物とは限らない。
ここで、できることは……。

>映画館の前にヒカリエを描いてみます。
KP
佐倉が映画館を出て距離を取ったのを確認し、あなたはヒカリエを描く。
電話の向こうで驚きに息を呑む気配があった。
佐倉 光
『おい、何だこれ、何を描いた? ビル?』
KP
警戒しながらも足早になってゆく靴音。
佐倉 光
『まさかこれ、ヒカリエか? 渋谷の?
向こう側に動く物が見える。あれは人か?
ちょっと様子を見て』
KP
唐突に電話が切れた。
牧志 浩太
切れた電話を祈るように持ったまま、あの時と同じように家を出てヒカリエに向かおうとする。

向かいながら、辺りを見回す。
あの影が出てこないか。もうひとりの俺がどこかにいないか。
KP
家を出ようと立ったあなたの目の前に
あの染みついたような影が立っていた。
世界において異質なそれは、あなたに触れようとでもいうのか
手のような棒状の物を伸ばし、うめき声のような音を立てる。

それが存在するだけで周囲の風景が歪んでゆくように思えた。
牧志 浩太
ぞくりと背筋が震えた。

それを、俺は知っていると感じた。
それは何なのか。なぜ知っていると感じるのか。

咄嗟に避けようとして思いとどまる。
触れられれば、……何か分かるんじゃないのか。

情報が欲しい。

>それに向かって手を伸ばしてみます。
KP
黒い棒状の影は光を吸い取っているのか、まるで平面のように見えた。
のぞき込むとその中へふらりと落ちそうだ。
あなたはそれに触れる。

触覚が崩壊した。
歪みと痛みが指先から皮膚や筋肉を伝い、全てをひっくり返してゆく。
ぶつぶつと泡立ち弾け、熱く冷たくぬるついていた。
混乱する感覚に満たされたあなたは闇の中をのぞき込む。

1d100をどうぞ。
KP視点(ネタバレ)
これは〈聞き耳〉判定です。

牧志 浩太
1d100 Sasa BOT 1d100→36
牧志 浩太
だいぶん無謀なことをした気がするこわい!!
KP
ウフフ
KP
一瞬、鮮烈なまでの感覚が駆け抜けた。

それはざらりとした粒状のもの。
冷たくもなく熱くもない、触れるもの全てを覆う細かい粒子。
口の中にも容赦なく入り込み舌に貼り付く。
その粒子は服の中にも流れ込んで、布を堅くし、きしきしと鳴らした。
目が痛む。

目の前の影が身じろぎをするように震えた。

☆0→1

次の瞬間、あなたの部屋だった世界は黒く染まり、残らず黒い灰のようになってとなって崩壊した。
それは流砂のようにあなたを包み込み引きずり倒す。
感じられたのは明らかな攻撃の意志と悪意だった。

SANチェック成功時減少 1失敗時減少 1d2
MPに1d6のダメージ。
1d6 Sasa BOT
牧志 浩太
なんか増えたぁあああ!!
1d6→6
牧志 浩太
1d6 Sasa BOT 1d6→2
1d100 68 《SANチェック》 Sasa BOT 1d100→6→成功
SAN 68 → 67
MP 1/12
KP
お、牧志君耐えた。
牧志 浩太
色々考えてはいるけど確信は……ない!
無謀なタイミングで無謀なことをしてしまったけど耐えた! つよい
牧志 浩太
触れたところから認識が崩壊する。皮膚を筋肉を泡立ち弾けぬるつく感覚が侵していく。ひたひたと闇に満たされている。全身の神経を闇に舐られている。小さく呻く声すら声にならない。

空気を求めて開いた口の中に細かい粒子が注がれた。砂のようなそれに頭まで埋められながら、

影と向き合った。

次の瞬間、明らかな悪意に意識が覚醒する。引きずり込もうとするそれから咄嗟に逃れようとした。
KP
部屋が崩壊し、見えたのは黒い影の群れだった。
〈目星〉
牧志 浩太
1d100 89〈目星〉 Sasa BOT 1d100→22→成功
KP
あなたの目の前にあった影がぐちゃりと崩れ落ちる。
それは周囲の部屋の残骸に埋もれるように溶けてゆくかに見えた。

突如その向こう側で空間がねじれて歪んだ。
とおもえばそこに、見上げるほどに巨大な影があった。
それが発する低く歪んだ音が周囲を満たす。
鼓膜に空気の塊を叩きつけ、物理的な痛みをももたらす轟音。
その震えは部屋の残骸を吹き飛ばし、
そして

あなたは目を覚ました。
牧志 浩太
「ひっ」
息を詰まらせる自分の呼吸で目を覚ました。

ひどく頭が痛み、しばらくの間、床の上で毛布を引き寄せてうずくまる。
起き上がるのにも困難を感じるほどに、消耗し疲労していた。
KP
時刻は朝の6時頃。眠った後とは思えないほど、酷い疲労がのしかかっていた。
佐倉視点(ネタバレ)
KP
あなたは目覚めた。
ここ最近にしては悪くない気分だ。
佐倉 光
夢の中で死ななかったからだろうか。
KP
対して、同じ部屋で目覚めた青年の顔色がかなり悪い。
……顔は分かるし、なんとなく何を話したかは思い出せる気がするのだが、名前がどうしても思い出せない。
佐倉 光
やっぱりおかしい。この症状、進んでいるのか。
自分が何を忘れたか分からなくなるのもまずいな……

佐倉 光
「大丈夫か……酷い顔だ」
KP
ベッドの上で佐倉が起き上がっていた。
言う彼もよく眠ったという顔ではない。
だが昨日ほど酷い顔色でもなかった。
佐倉 光
「お前が何かしてくれたのか? 死なずに終わった夢がある」
KP
ゆっくり立ち上がり、ふらつきながら台所へ向かうと、水をくんであなたに差し出した。
そして何故かじっとあなたの顔を見つめる。
牧志 浩太
うう、としばらく呻いてから、ようやくベッドにすがりつくように身を起こす。

「うう、ありがとう……、」
差し出された水をふらつく手で受け取る。冷たい水が喉に触れると、ようやく人心地がついた。
「あの薬のおかげかな。前と違って、夢の中で声が届いたんだ。……佐倉さん? 何か、気になることがある?」
佐倉 光
「う……ええと……」
KP
佐倉は困ったように視線を彷徨わせた。
佐倉 光
「悪い。なんていったっけ、名前」
牧志 浩太
「あ……、」

忘れてしまったのか。

焦りがまた首をもたげる。
だめだ、焦るな。首を振り、焦りを払おうと意識する。それでも心臓の鼓動は少し速くなっていた。
「牧志だよ。牧志浩太」
佐倉 光
「ああ、そうか、牧志、牧志浩太……」
KP
全然ピンときていない顔だった。
何度も繰り返す顔も何だか自信なさそうで頼りなかった。
佐倉視点(ネタバレ)
KP
全く記憶に引っかからない。
本当にこの青年はそう名乗っていただろうか。
佐倉 光
いや、嘘をつく理由がないし、明らかにおかしいのは俺だから、忘れたんだろうな。普通に。

佐倉 光
「悪い、助けてもらってるのに。
俺のために大変な目に遭ってるんだろ?
夢の中で声を聞いた気がする。ほんと、ごめん」
牧志 浩太
「いいよ、それは大丈夫。俺がそうしたくてしてるんだし。
けど、また忘れてしまったってのは嫌な兆候だな」

それから、夢の中で起きたことを話す。
「起きてみて、我ながらちょっと無謀だったかなとは思った。案外焦ってるのかもしれないな、俺……」
佐倉 光
「気持ちは嬉しいけど、あまり無理はしないでくれよ。
佐倉視点(ネタバレ)
佐倉 光
どうやら今の俺は相当まずい状態にあるらしい。
助けてくれるはずのやつに先に潰れられると困るんだ。
KP
それだけだろうか。

佐倉 光
きっと俺は、お前に何かあったら悲しいと思うんだ」
佐倉視点(ネタバレ)
佐倉 光
何もかもが不確かな現状でも、それだけは確信できる。
これがいつも通り、一時的な異変だとして、もし俺が記憶を取り戻したら。
あんなクソくだらないやり取りをする、したいと思う相手がいなかったら。
その程度の想像はできる。

牧志 浩太
「そうだな、気をつける。
焦って仕損じたら、何にもならないしな」

もう一杯水を飲んで、息を吐く。
ようやく、今ここにいる実感が戻ってきた。
KP
佐倉も見た夢について語る。
一つ目はあなたが見たとおり。だが最後に誰かに呼びかけられた気がしたらしい。
二つ目はあなたの言葉に従って町中に生えた奇妙なビルに踏み込んだ途端夢が終ったという。
相変わらず、あなたが見たという影については全く目にしていない。
牧志 浩太
「そうなんじゃないかと思うけど、分からないんだよな。
最後に部屋が崩れた時には、ものすごい悪意を感じた。
あの影は世界にとって、異様で異常だった。触った時には身体中の神経がおかしくなったような気がした。

だから普通に考えれば、あれが「まずいもの」なんだろうと思うんだけど」
佐倉 光
「その影がアッタって人が言ってたっていう、まずいもの か?
毎回お前を見てたり、手を伸ばしてきたり……か。
何なんだろうな、それ」
牧志 浩太
断言できないこととできることを頭の中で分けようとしていたとき、佐倉さんの呟きが耳に入った。
「そういえば、そうだな。過去の夢だからだと思ってたんだけど……、俺の声に応えたときにも、佐倉さんは俺を知ってるみたいだった」
佐倉 光
「言い方が……あれだけど、面白い状況だな。
俺自身の記憶はもうめちゃくちゃで穴だらけなのに、夢の中だと普通に覚えているのか。
目が覚めたとき、夢で体験していたことは覚えているんだけど、そういえば俺自身の意志で夢を動かせた気はあまりしない。
決められた道を自覚なく進んでいる、みたいな気がする」

「……なあ、牧志。多分、なんだけどな。
今回お前が俺の夢に干渉したことで、俺が受けるはずだったダメージがそっちに行ったんじゃないかって気がするんだ。
それに関してなんだけど」

「少しずつ起きたときの疲労が強くなってきている。
それをお前が引き受けたの、きっとあの薬の効果だろう?
このままじゃ危険なんじゃないのか?」

「俺にできることがないのが歯がゆいな……」
牧志 浩太
「確かに。忘れたっていっても、どこかには残ってるんだな。俺の夢じゃなくて佐倉さんの夢だ、ってことならさ」

「ああ、佐倉さんに行くはずのものだったのか、あの悪意。
……うーん、とはいえまだ見つかってないしな、もう一人の俺。先輩は儀式中だし。何かあの悪意から身を守る方法があれば、あ」
ふと何かに気づいたように声を上げる。

「そういえば、精神のガードがどうとかって、あのメモに書いてあったな。もしかして、佐倉さんの守護天使ガーディアンのことか?

あー、でも佐倉さん、悪魔たちのことも覚えてないんだっけ、今?」
佐倉視点(ネタバレ)
佐倉 光
守護天使ガーディアン
KP
始めて聞く単語だ。それに悪魔のことも記憶にない。
あなたが悪魔使いであるというなら、当然悪魔との関わりがあるはずなのに、だ。

佐倉 光
「ああ、うん、みたいだ。ごめん」
KP
佐倉は腕輪に触れたが、少しも反応しなかった。
佐倉視点(ネタバレ)
KP
調子が悪いからだ、いつものことだ、以前はそう思った。
果たしてそうだっただろうか。
この腕輪があなたの望みに答えたことが、本当に、あったというのだろうか。

佐倉 光
「俺、本当にサマナーなのかな」
牧志 浩太
「佐倉さんが? それは間違いないよ。
ラミアさんはぎりぎりまで佐倉さんの言う事、聞こうとしてくれてたしさ」

彼女の蛇の眼を思い出す。
本能が危機を、怖気を訴えるあの眼。それと同時に、ああ、佐倉さんの仲間のラミアさんだって、そう感じる眼。
佐倉 光
守護天使ガーディアン? そいつ今、どこにいるんだろう。
なあ、全部覚えている俺だったら、知らないかな……」
牧志 浩太
「……そうか、夢の中の佐倉さんは俺のことを覚えてた。
夢の中で佐倉さんと話せれば、今分からないことも聞けるかもしれない。

……佐倉さんがいてくれてよかった。俺だけじゃ、気づけないことだらけだ」ふっと、半分弱音のような半分感謝のような、そんな実感を纏った言葉が漏れた。

KP
ひとまず朝です。
何かすることがあればどうぞ。
特になければ夜まで飛びます。
佐倉は昨日よりも色々なことを忘れているようだ。
過去の事件のことも、詳細を忘れ始めている。
また、記憶だけではなく、集中力や思考力も落ち始めているように見えた。
そのためだろうか。発言や行動のはしはしに自信のなさが垣間見える。
牧志 浩太
「……」
休養に専念してMPを回復します。
KP
11か。何もしなければ夕方には全快しますね。
牧志 浩太
「気が焦る時に全力で休む! っていうのも、案外難しいな」
MP 12/12
SAN 67
夜まで飛んでOKです。
KP
二人とも薬で寝た分の4時間しか寝てないから、ちょっと寝不足気味かも知れない。
ともあれ夕食を終え、現在夜の八時頃か。
佐倉SAN 65
MP 15
佐倉 光
「何もしないでいると、どんどん自分が腐っていくような気がする」
牧志 浩太
「その気持ちは少し分かるな。何か読む?」
佐倉 光
「何か、普段俺が読まなさそうで、牧志が面白いと思うものを見せてくれるかな。何でもいい」
佐倉視点(ネタバレ)
佐倉 光
正直、知っているはずの本でも知らないものとして読めてしまいそうで怖い。
それを確認するのも何だか恐ろしい気がする。

KP
なんだろなー。機械関係とかかなぁ。
あと〈歴史〉とか持ってたよな。
牧志 浩太
ああー、確かに。〈オカルト〉から手を出したら案外〈歴史〉も面白かった、なんて言ってましたね。
牧志 浩太
「普段佐倉さんが読まなさそうなものか……、うーん……」
少し寝不足を感じて欠伸を噛み殺しながら、本棚を探る。
「こんなのどうかな。雑学みたいな本だけど、結構色んなエピソードがあって面白かったんだ。無敵のチェス人形の中に実は人が入ってたとかさ」
差し出した本には「からくり人形の歴史と雑学 - 着ぐるみからヒューマノイドまで - 」とある。
「確かに人は入ってたっていうけど、その仕組みが結構凝っててさ。随分後までバレなかったっていうし」
まぜまぜ
牧志 浩太
混ぜた。
KP
たのしそう
牧志 浩太
ちょっとチクタクマン方面の因果を感じてしまうあたり、ちょっと因果な所ある。
KP
あーーーー
佐倉覚えてないんだろうなぁ。
牧志 浩太
そもそも牧志が機械が好き、っていうのも覚えてないだろうしなぁ。
KP
牧志のこと忘れちゃってるからなぁ。

この記憶喪失、要になる記憶が消えて、記憶の繋がりがバラバラになってしまう感じなので、「機械が好きな知り合いがいたな」はまた覚えている可能性……なくはない。
牧志 浩太
ああー、そういう感じなんだ。それが牧志のことだとは忘れていても、どこかに牧志の印象がバラバラに残っているのかもしれない。

佐倉 光
「へぇ……面白そうだな、読んでみたい。
ロボットと呼ばれているものが実はパワードスーツ、みたいなところに決着するのかな、これ」
KP
佐倉は興味深そうにページを繰り、牧志に時折興味のある内容について話を振ったり質問したりした。
睡魔に逆らう助けにはなったかも知れない。
牧志 浩太
「ああ、確かに中に人が入っててもロボットって言うもんな。一番最初の作品では生き物なんだっけ、ロボットって」

そんな話をしばらくしたことは、焦る心を少し安らがせる助けにもなったかもしれない。
KP
さて。今日はどう寝ようか……
牧志 浩太
夢の中の佐倉さんから情報を得に行くため、
再度、夢の薬を使って寝ます。
KP
二人は茶色の液体を口に含む。
同時に果てない井戸の底のようなくらやみに落ちてゆく。

落ちてゆくあなたは、また空間に無数に立っている黒い影を見た。
それらはそこここにへばりつき、その世界を冒していた。

それら全てが一斉にあなたを見た。
世界にあいた空洞すべてが、侵入者を認識した。
あなたは逃げ場のない場所に入り込んでしまったような心地になるだろう。
牧志 浩太
「……っ、」
身が竦む。

どうしようもなく、怯む。

逃げ出したくなろうとも、取り囲まれ逃げ場はない。

ここに来た目的に、頭の中で縋りついた。逃げられないんじゃない、逃げないんだ。

KP
不意にあなたは、ほんのりと暖かいベンチに座っていた。
冬へと近づいてゆく風が心地よく、
日差しがぬくぬくと気持ち良く、眠気を誘う。
遠くからかすかに街の喧騒が聞こえ、
近くでは烏の鳴き声がした。

どうやらここは公園で、あなたはうたた寝をしていたようだ。

あなたの膝のすぐ横で、黒い猫が丸くなって眠っている。
小動物の体温が服ごしに伝わり、とても暖かかった。
牧志 浩太
場面の転換が急で、一瞬、ついて行きそびれる。
見下ろせば傍らに黒い猫がいた。
「あー……、」
よりによって、猫。
色々聞きたかったのに間が悪い。
「佐倉さん、佐倉さん。ごめん、起きて」

柔らかく眠る猫の毛皮に手を添え、そっと揺り起こす。

夢の中だし、猫でも喋れたりしないかな。
KP
猫は欠伸をした。
前足を突っ張り、尾っぽを伸ばして伸び。
そしてあなたを見上げて「にゃあ」と鳴いた。
残念ながら会話については前と変わらないらしい。
佐倉視点(ネタバレ)
KP
牧志は何故か、ずいぶんと緊張した顔をしていた。
佐倉 光
牧志? どうかしたのか?

KP
本人の心情くっっっそシリアスで焦っているのに、暖かい公園で小動物と一緒っていう和み系シチュエーションなのがこの話のお約束なのか。
牧志 浩太
なのかもしれない。あの時もそうでしたね。ギャップが…… 楽しい!
そしてまた猫に真顔で話しかける青年になるのだった。
KP
今回見てる人はたぶんいないからヘーキヘーキ!
牧志 浩太
「だめかー……、佐倉さん、聞きたいことがあるんだけど」

仕方ない。気持ちを切り替え、持っているだろう五十音表とスマートフォンを取り出す。

あの時も一度やった会話だ。何とかなるなる。聞きたい内容がちょっと唐突で高度なのが手掛かりだけど。
「佐倉さん。

俺は夢の外から来た。佐倉さんが残したメモを見たんだ。

どこかにいる片目の俺と、佐倉さんの守護天使のオニを探してるんだ。

どこにいるか、知ってる?」

分からなかったら分からなかったで、次に聞けるかもしれないし。
話すだけ話しておこう、今のうちに。
KP
1d100をどうぞ。
1d100 Sasa BOT 1d100→81
牧志 浩太
1d100 Sasa BOT 1d100→6
FANBOX開設したで
KP
よりによって……
牧志 浩太
ええぇ何があったんだ こわい!! >よりによって
KP
あ、いえ、マックス伝わらない数値が出たなって。
牧志 浩太
ああー。
なるほどそのダイス! つたわらない!
これは意思疎通の度合いを決めるダイスです。出した数値が近ければ近いほど意思の疎通ができたということになり、逆に遠いと伝わりません。
佐倉視点(ネタバレ)
佐倉 光
いきなり何を言っているんだ? 片目の牧志に守護天使のオニ? 意味が分からないな。 夢? 夢の話? いやただの夢の話、こんな必死にしないよな。
なんだ? もっと詳しく……

KP
猫は困惑している。
『ゆ め?』
猫の前足が め を指したところで表が突然の風に吹き飛ばされ、そして空中で黒い灰となって散った。
あなたは得も言われぬ不気味さを感じる。
SANチェック成功時減少 0失敗時減少 1
1d100 65 Sasa BOT 1d100→58→成功
牧志 浩太
1d100 68 《SANチェック》 Sasa BOT 1d100→89→失敗
SAN 67 → 66
「!」
思わず手で顔を覆う。
佐倉視点(ネタバレ)
KP
風に舞う黒い灰を見ていると、何もかもがあの灰のように砕けてゆく気がした。
今考えていたことも、自分の体のことも、どうでもよいことのように心のすみで弾けて消える。
そんなことより小腹がすいた。
隣の人間は美味しいものを持っていたはずだ。まだあるだろうか。

KP
猫は舞い上がった紙を目で追った。
そして急に興味をなくしたように再び欠伸をすると、
あなたの荷物の、
『先ほど』ちゅーるが出てきたポケットをフンフンと嗅ぎ始めた。
甘えるように鳴いてあなたの手に頭をこすりつける。
牧志 浩太
怖気と怒りを覚えながら、表の代わりにスマートフォンを取り出して、もう一度試みようとした所で、猫は視線を逸らしてしまった。
「佐倉さん……」
柔らかな毛皮の感触を途方に暮れたように感じながら、片手でポケットを探る。
KP
ポケットの中には外袋が開いたちゅーるがあった。
まだ何本か残っている。
ピンクのパッケージ。一番人気と噂のまぐろ味だ。
黒猫がごろごろと喉を鳴らす。
牧志 浩太
少し泣きたくなりながら、それを開封して猫の口に差し出す。
牧志 浩太
いやなよかん
KP
猫は、嬉しそうにちゅーるの袋にむしゃぶりついた。
無心に、美味そうに。
そこには佐倉の面影はなかった。

陽が陰ってゆく。
KP
いやあ、和む風景だねっ
牧志 浩太
かわいいね 和む風景ですねっ
牧志 浩太
「佐倉さん、俺、探してるんだよ、佐倉さんが守りたいって思ってくれたあいつを……」

寒さを感じて猫の毛皮を抱きしめた。手から離れていってしまうものを引き留めるように。

警戒して辺りを見回しながら、せめてこの小さな猫を守ろうとした。
KP
空は陰り、公園は暗くなり、周囲の様子が見えなくなってゆく。
気温は急激に下がって、身震いするほどに寒い。

猫は少し驚いたように後足に力を入れたが、逃げ出すことはなかった。
抱いた腕の中、少し早い猫の心音が伝わる。
体温はかわらず暖かく、この世界で唯一の暖かさのように思えた。
佐倉視点(ネタバレ)
KP
あなたを抱く人間の背後に真っ黒ななにかが見えた。
それは太陽に暖められたベンチや人の腕の中のように安心できる存在に思えた。

KP
猫が不意に顔を上げた。
じっとあなたの斜め背後を見ている。
そして、にゃあ、と声を上げた。
猫が見ている方にあの影があった。

1d100
1d100 Sasa BOT 1d100→96→致命的失敗ファンブル
ファンブルは無関係です。96。
牧志 浩太
1d100 Sasa BOT 1d100→32
振り返る。猫を抱えたまま影と向き合った。
「お前は、何なんだ」

影に向かって声を出す。
肌が粟立つような怖気を堪えて、影を見つめる。その正体を暴こうと。
KP
猫の鳴き声は何の変哲もないもののように聞こえたが、
あなたは経験上、猫の声には不思議と敵意がなかったと感じた。
次の瞬間には、猫の姿は手応えがなくなり黒い灰のように砕け散る。

影は軋んだような音を立てる。
その姿の後ろに見上げるほどの影が盛り上がり怪音を発した。
影はあなたににじり寄ってくる。

ひどい腐臭がした、とあなたは感じた。
涙が出、吐き気がするほどの生臭さが喉の奥を刺激する。

1d100をどうぞ。
KP視点(ネタバレ)
これは〈聞き耳〉判定です。

牧志 浩太
1d100 Sasa BOT 1d100→97→致命的失敗ファンブル
牧志 浩太
うぉい
KP
うぅん
KP
あなたの体は拒否感に耐えきれない。
悪寒が走り、力が抜ける。
その影に触れる前に視界がぼやけて、前を向いていられなくなった。

座り込んだあなたを、黒化して崩壊する世界が包んでゆく。

目の前にいた影が甲高い叫び声を上げた。
それはマンドラゴラの声を思わせるような、不吉で歪んだものに聞こえた。

あなたの体を砕けた世界が侵蝕してゆく……

SANチェック成功時減少 1失敗時減少 1d4
1d100 65 Sasa BOT 1d100→55→成功
SAN 65→64
牧志 浩太
「う……っ、」

激しい刺激に、勝手に眼から涙が溢れ出し、異臭が喉の奥を突く。
肉体が意志をねじ伏せ、全力で逃れようとする。

向き合うことはできなかった。
崩壊していく世界に呑み込まれる。叫びを上げることさえできたかどうかわからない。


激しい嫌悪感と吐き気のただ中、どうしてか猫の声に敵意がなかったことが、記憶の底に残った。

俺達は知っているのに。
猫がどれだけ鋭敏な生き物であるか。
1d100 66 《SANチェック》 Sasa BOT 1d100→92→失敗
1d4 Sasa BOT 1d4→3
SAN 66 → 63
見えてきた
牧志 浩太
残念!
追加で作り直せるのかな、夢の薬
KP
プレイヤーさんは大体想像がついてるパターンと見たね!!
つくれますよ。
またコストと時間はかかるけど。
牧志 浩太
お、よかった。これは夢の薬が足りなくなりそう。
KP
一日一回しか飲んじゃダメなんて誰も言ってないのだ。
牧志 浩太
追加で作ったり飲んだりしたかったけど、牧志のPOWがそこそこだったせいでMPがスッカラカンになりましたからね、1日目……。
(何があるか分からなかったので2日目はMP最大で挑みたかった)
そろそろ時間がないのと、流れも見えてきたので時間をフルに使って挑みたいところ。
KP
通常睡眠したら夜も休めるし、無理せずうまくやってね……
どうせ三日目までは術は使えないから焦らなくて大丈夫よ……
牧志 浩太
通常睡眠したらまた佐倉さんが削れそう……

1d6 Sasa BOT 1d6→3
佐倉 MP 15→12(8/1)
   SAN (4/13)
牧志 MP 12
☆ 1
DD 1/4
タイムリミットまであと 48時間(現在の薬の時間除く)
ギミック
KP
基本睡眠しながら進む話だから、余程のことがない限り不定には入らないなぁ
牧志 浩太
おお、タイムリミットのカウントほか一覧化ありがとうございます。(なんかこわいのある)
不定の管理が置き卓で一番ややこしいところだから、それがないのはありがたいかも
KP
一応今回とある法則に基づいたギミックがあって、ちゃんとしたルールはあるんですよね。
なかなか把握は難しいかもだけど、牧志君の様子を見る限り、そんなに大変じゃないはず……
牧志 浩太
ほほう あとでログ見直そう
ギミックちゃんとあるの怖いけどとても楽しい

KP
世界は不意に静まりかえった。
あなたは大きな公園に佇んでいた。

先ほどいた代々木公園ではない。
公園は奇妙なことに高い壁に囲まれ、
遊具はどれも大きく、まるで巨人が使うよう。

違う。大きいのは公園ではない。

あなたは自分の手足が短く丸くなっているのを知る。
あなたは、子供になっているのだ。
牧志 浩太
「あれ……、」
激しい嘔気が不意に引いて、辺りを見回した。

夢がまた移り変わったと気づく。巨大な空間に、一瞬アリスの部屋にでも入ったかと思って、違うと気づく。

見覚えはなかったような気がしたが、何だかぼんやりと覚えのあるような気もする場所だった。
「あれ……、俺、小さくなってる。そうか、あの時のか」

俺が、隠されていた場所だ。
KP
その空間に明るい笑い声が響いた。
佐倉 光
「何だよ、そんな所にいたのか。あちこち探したんだぞ?」
KP
涙をこらえたような、喜びに満ちた声だった。
佐倉 光
「みんなであいつをぶっ飛ばす!」
KP
あなたは彼が何か巨大な存在と対峙しているのを感じるだろう。
牧志 浩太
「佐倉……、さん」

迎えに来てくれた。見つけてくれた。翻弄される意識にひどい心細さと喜びが溢れそうになって、すんでのところで、これが夢だと思い出す。

これは、あいつと出会ったときの夢だ。
「佐倉さん。聞こえる? ここは夢の中だ。あの時じゃない。俺は、佐倉さんの中にいる片目の俺を探してここに来たんだ」

聞き慣れた声に向かって呼びかける。公園を出て、彼の傍らへ行こうとする。
佐倉視点(ネタバレ)
佐倉 光
いきなり口数多いな!? 今までの奴ら、話しかけてきたの一瞬だったぞ!?
KP
面食らったあなたの目の前を触手が通りすぎる。

佐倉 光
「え? 悪い、結構忙しくて。
夢? 片目の牧志ってあいつだな? さっき会ったぞ」
KP
この公園は高い塀に囲まれていて出口がない。
だがこれは精神世界だったはずだ。
あなたの意志で何とかなるのではないだろうか?

何かをするなら【POW】×5判定を。
牧志 浩太
「ああ、そうだ。佐倉さん、直前まで何をしてたか分かる?」
1d100 60 POW Sasa BOT 1d100→53→成功
佐倉 光
「直前? いきなり何だよ。
色々な世界を巡って、色々なお前に会って、お前を探して、
そしたらいきなりお前が化け物になってさ」
KP
公園の壁が消え去る。
その向こうには真っ暗な空間が広がっていた。
牧志 浩太
「あー、そこは連続してるのか……。佐倉さん、ここは夢の中なんだ」

公園を出る。

佐倉さんの……、いや。
〈片目の俺〉のもとへ行けないだろうか?
KP
なるほど。
今あなたは佐倉と繋がっていると感じる。
現在佐倉がインストールしている鍵はもう2本あるようだ。
佐倉を通じてこちらからアクセスを試みることはできるかも知れない。
佐倉 光
「どうした、お前何かやってる?」
KP
佐倉が戸惑った声を上げる。
佐倉視点(ネタバレ)
KP
-444-は今までの鍵とは明らかに違う。
彼は大人の姿に戻り、あなたの中で動き始めていると感じられる。
佐倉 光
おいおいちょっと待て、俺が知ってる牧志だから特別なのか?
いや、今刺さってるのあいつが一番会っちゃいけない奴の鍵だぞ!? 大丈夫なのかそれは!?
KP
あなたの手には、隻眼の牧志から託された銃が現れた。
佐倉 光
それどころじゃねぇ! くそ、後で説明しろよな! 引き金を引く!

佐倉 光
「くそ、重すぎだこの銃。当たれぇぇぇ!」
1d100 55 Sasa BOT 1d100→12→成功
KP
あたったわ。
牧志 浩太
その鍵がどの鍵か、繋がりを通じて知ることはできるだろうか。
KP
そうだなー、【アイデア】してみてください。
牧志 浩太
1d100 90 【アイデア】 Sasa BOT 1d100→62→成功
KP
佐倉が撃った銃は『彼』の物だった。それを辿ればいいはずだ。
だが問題はもう一本の鍵。
それこそはあなたが絶対に接触してはいけない悪意の鍵。
自分の場所から踏み出すのは大きな危険を伴うだろう。

そしてまたもうひとつ。
複数の鍵が刺さっている場合、長い時間留まってはいられない。
佐倉と繋がっている時間も、アクセスできる時間も、ほんの短い時間だろう。
接触するつもりなら急がなければならない。
アクセスしますか?
牧志 浩太
アクセスします。
佐倉視点(ネタバレ)
KP
牧志が消えた。
いや、あなたから『見えなくなった』だけで、いなくなったわけではないと感じる。
佐倉 光
何を考えているんだ? いや、気を散らしていられない。
俺は俺で必要なことをしないと。

KP
あなたは安全地帯から踏み出した。
彼のもとへゆく。
そう思うだけで充分だった。
あなたは以前にも訪れた、虚ろな砂漠に降り立っていた。

灰色の砂が大地に降り積もり、崩壊した世界の痕跡がわずかに残る空間に。
風が空虚な歌を歌い、光はぼんやりと鈍色の空に漂う。暑さも寒さもなく、だというのに背筋には寒さが付きまとう。
細かく砕けたガラス片のような砂が、目に入り込んで痛みをもたらし、あなたの柔らかい手足を容赦なく傷つけた。

それは現実ではなかったはずだが、あまりにも真に迫っていた。

あなたが辿った銃の痕跡は、かしいだ元ビルの壁の裏へと続いていた。
牧志 浩太
ああ、と声が漏れた。
何もないくせに記憶だけが残っている。何もないくせに手足に刺さる。

手庇で砂を防ぎ、痛みに呻きながら、足を踏み出す。
痕跡の続く先へ。あいつが、たった独りでいた所へ。
KP
物陰に、黒々とした影が凝っていた。
そのすぐ横にあの銃が置いてある。
あなたも佐倉の部屋で見たことがあるかも知れない、
だがもっと古びて傷だらけの骨董品じみたショットガンと、
それに巻き付いた鈍く輝くもの。

それは
瓶の形をしていた。
古いお守りの形をしていた。
二重にぶれた五芒星の形をしていた。
あなたが近づくと、黒い影は身じろぎをし、
その背後から巨大な影が生えてくる。
牧志 浩太
あの銃だ、と見て分かった。
あいつが、もうそれを向ける相手もいないんだろうに、その片腕で大事そうに抱えていた銃。

影に近づく。
巨大な影を目の前にして身構えた。
目を凝らす。
影の正体を見極めようとする。
KP
影は動かなかった。
あなたを威圧するように現れた巨大な影も、銃のすぐ横に凝る影も。

目をこらすあなたの眼球の奥に痛みが走る。
そこにあるのはただ黒い空洞のような影だというのに、
無数の光が散った。でたらめな色彩が溢れた。
頭痛がするほど素早く飛び交う輝きが見えた。

1d100どうぞ。
KP視点(ネタバレ)
これは〈目星〉判定です。

牧志 浩太
1d100 Sasa BOT 1d100→10
成長記録
KP
そういや牧志くん伏せ判定でファンブル出てたな。
終ったときの成長忘れないようにしないと。
牧志 浩太
シークレットでファンブル/クリティカル出ると成長チェックの扱いが難ですよね 〈心理学〉とか
KP
成長は最後に纏めてカウントしますね。
牧志 浩太
はーい!
KP
今回伏せ判定多いからー
牧志 浩太
何の判定なのかも含めて開示が楽しみ
KP
おあつらえ向きに444の鍵と荒野の鍵同時に刺してたんだよな。
牧志 浩太
そういえば!
あまりに良い一致

牧志 浩太
「う……、」
まただ、この世界にとって異常で異質なそれの奥を覗き込もうとすれば、感覚が混乱する。視覚が痛む。眼球に視神経に信号が迸る。
このまま眼が破けるのではないかとすら感じさせられた。
KP
目玉が膨張して弾けるのではないかと思えるほどの激痛。
まともに目を開いていられない感覚の混乱。
牧志 浩太
激痛が眼球を刺し、視神経を貫き、脳を抉り出す。耐えきれずに瞼が震えた。
KP
だが不意に、視界が晴れる。
さっきまで影がいたそこに一瞬見えたのは、
ぼろ布を纏ってあなたを見ている隻眼隻腕の青年と、
彼を守るように背後に立つ真っ赤な鬼の姿だった。
牧志 浩太
「……あ、」

そうか。
そこに、いたのか。

守って、くれていたのか。

「いた、んだな」

手を伸ばす。

「佐倉さんが」

「お前を、」

俺を、

「守りたいって、」
KP
青年が口を開く。その口から、まるで切り貼りされたようにそぐわない
耳をつんざくような雑音が飛び出す。
それを認識した瞬間、あなたはその世界から放り出された。

真っ白な空間に、無数の触手を生やし、醜く膨れ上がる蛸のような頭をし、蝙蝠のような羽を生やした存在の目の前……。
あなたは……あっけにとられた顔の佐倉の目の前にいた。

彼は押しだされた鍵を受け止めると同時、
最後に胸に残った鍵に手をかけていた。
佐倉 光
「え、お前、なんで……」
KP
ぽかんと口を開けた佐倉は、明らかにあり得ない唐突な事象に混乱していた。
牧志 浩太
「佐倉さん、あいつがいたんだ。見つけたんだ。立ってた、守ってくれてた、」

混乱したまままくし立てる。激痛の余韻かそれとも感極まった感情か、眼から大粒の涙が次から次へとこぼれ落ちた。
KP
佐倉はあからさまに頭上に疑問符を飛ばしている。
佐倉 光
「え、は? うん? あいつ? まあ元気そうで良かっ……あぶねぇ!」
KP
突き飛ばされた。
牧志 浩太
「うわっ……!」
その衝撃で我に返る。
KP
あなたを庇うようにコラジンに立ち向かおうと構えたまま、
その手が胸元で力を入れた。
ぐっ、と胸に刺さっている物を引く。
同時、佐倉の顔が驚愕に満ちた。
佐倉 光
「抜けな……」
KP
次の瞬間、佐倉は絶叫していた。
牧志 浩太
「佐倉さん!」
その鍵を引き抜こうと駆け寄る。
別角度からもう一度
牧志 浩太
この回、牧志は -444- としてしかここにはいなかったから、本来この位置では見ていなかったはずのものを見ているんだなぁ。
KP
そうなりますねー
牧志 浩太
面白い。
KP
コラジンぶん《SANチェック》入れようかなとちょっと思ったけど、ちょっと理不尽すぎるのでやめたw
牧志 浩太
ま、まあ -444- としては見ていたしってことで!
KP
そうそう。多分見ていただろうと思って。
牧志 浩太
そうそう。位置は違うけどきっと見ていた。
KP
折角かっこよく決めたシーンを自ら踏みにじってゆくスタイルッッ
牧志 浩太
しかしそれが楽しいッ

KP
佐倉の胸に突き刺さった最後の鍵が、
鍵が炭化したかのようにみるみる黒く変色してゆく。
「くそ、正体現したな」
佐倉視点(ネタバレ)
KP
鍵は正体を現した。あなたの胸に根をはり、内側からあなたを書き換えようと触手を伸ばす。
あなた一人の意志力では到底打ち勝つことのできない、狂人の意志があなたを蝕んでゆく。
佐倉 光
まずい、みんなの力を借りないと……!

KP
呻いて他の鍵を取り出そうとした佐倉は、
鍵を取り落とした。
何かをするならPOW判定!
牧志 浩太
落ちた鍵を「自分(-444-)」の鍵とともに拾って佐倉さんの胸に突き刺そうとする。
1d100 60 POW Sasa BOT 1d100→15→成功
いいことなんだけど……
KP
今回POW失敗しないな牧志。
牧志 浩太
PLは佐倉さんが色んなバリエーションで死ぬとこもっと見たいなーとちょっと思ってるけど、牧志の意志力が今回それ以上に強い しじまのときはあんなに失敗し倒したのに不思議なものです
KP
ちょっと思ってるけど牧志君が全力で阻止しに来る。
まあ……そろそろ敵さんも本気出してくるから……
牧志 浩太
牧志の本気vs敵の本気でバトルだ 怖いけど楽しいッッ!
(ほう 割と楽しみ)>敵さんも本気

KP
あなたは素早く鍵を拾い集め、佐倉の胸に突き刺した。
うち二本は半ばまで胸に吸い込まれる。
佐倉は一瞬よろめいたが、あなたに礼を言う。
黒化した鍵から佐倉の体へと広がりかけていた触手か血管のような黒いしみが、
黒い霧のように霧散した。

-444--036-と刻印された鍵は跳ね返されてあなたの手に残った。
佐倉 光
「なんだか分かんねぇが……こいつをやっつけてさっさと帰ろうぜ、牧志!」
KP
佐倉はあなたにニヤリと笑って見せ……世界ごと蒸発した。

そして……
コラジンの触手があなたに突き刺さる。
牧志 MPに1d6ダメージ
SANチェック成功時減少 0失敗時減少 1
牧志 浩太
1d6 Sasa BOT 1d6→5
1d100 63 《SANチェック》 Sasa BOT 1d100→8→成功
MP 12 → 7
KP
佐倉 MP 12(8/1)
   SAN (4/13)
牧志 MP 12→7
☆ 1→3
DD 2/4
タイムリミットまであと 48時間(現在の薬の時間除く)
KP
※今回ファインプレー過ぎたから☆オマケしました。
牧志 浩太
※やったー
牧志 浩太
ひどく遠く懐かしくすら感じる笑顔が、世界ごと目の前で蒸発した。

「ぁ、ぐ……、」

何気なく放り投げられた触手が、胸の中心に突き刺さる。
KP
あなたの体が内側から崩壊してゆく。
それは夢だと分かっていてもどうしようもなく不快な感覚だった。
佐倉視点(ネタバレ)
KP
あなたはすでにその世界から切り離されている。
彼はあなたの身代わりになったのだと、あなたは知るだろう。
彼はあなたの代わりに死ぬのだ。
佐倉 光
「牧志!」
KP
あなたの哀しみは強くこの世界を揺るがす。

KP
そしてあなたの意識が途切れる瞬間……世界が震えた。
世界そのものが強烈な感情に揺り動かされるように。
それは慟哭のように、あなたには感じられた。
1d6 Sasa BOT 1d6→4
1d4 Sasa BOT 1d4→1
SAN 64→63
佐倉 MP 12→8(12/2)
   SAN 63(5/13)
牧志 MP 7
   SAN 63
☆ 3
DD 3/4
牧志 浩太
身体が触手に縫い止められていた。

突き刺さった触手が心臓の内側で蠢いた。ずくりと振動する毎に肉体が、精神が、そこから吸い上げられてゆく。

蠢く触手に手を伸ばしても、非実体のそれは指先に触れることすらない。

背筋を這い、後頭部をのたくり、這い上がるそれが内側から自身を崩壊させていく。

とうとう最後の意識が途切れる間際、世界の慟哭を聴いた気がした。
起きなかった悲劇
KP
ところで鍵刺すの失敗してたら、佐倉乗っ取りのち牧志君に攻撃してました。
牧志 浩太
侵されて崩壊するのかと思ったら、まさかの乗っ取られて攻撃!!
KP
精神上書きかなって。
牧志 浩太
精神上書きされて乗っ取られた上、佐倉さんだったものに攻撃されるのは衝撃大きそうだなぁ。
KP
佐倉だったものにコラジンへの生贄として捧げられんの。
いやあ残念~
(良かったね牧志くん……)
牧志 浩太
夢とはいえ起きてから暫く混乱しそう。

KP
あなたは粉々になる。
あなただった破片の全ては一つも残さずにその存在に吸収され、何も遺らない。
そしてあなただったものは広がってゆく。
別の次元へ、別のあなたへ。

あなただったものが触れると、別次元のあなたと同じ顔、似た顔をした者達は、
その年齢も状態も関係なく、砕けてあなたの一部となった。
中には異常に気づく者もあった。
その中には、悪魔に変じかけた青年も、僅かな希望を隻眼に宿した青年も、魔を操る笛を手にした男も、必死に魔術もてあなたを押しとどめようとした者もいた。
が、気付こうと気付くまいと結果は同じ。
皆おしなべて触れた瞬間に内側から弾けて粒子となり、あなたの一部となる。

別次元のあなたたちを全て砕いて吸収し、あなただったものは、
もう存在しない誰かのために世界に顕現した。
牧志 浩太
一瞬で、それに吸収された。

広がってゆく。
あらゆる世界へ。
あらゆる自分へ。

触れるだけで自分が砕けていく。
世界が砕けていく。
自他の境界が、世界の境界が崩れて、

そして生まれたような気がして。

KP
「ちぇ、ついてねぇな」
不意に誰かが言う声が聞こえた。
その人は苦笑いをしてあなたの目をのぞき込んでいた。

「牧志、――――――」

その人の口は動いて何かを言っていたが、
言葉は、最後まで聞こえなかった。
そのひとの愁いを含んだ笑顔が瞬時に光に溶け、
ばさりと灰色の砂が降った。
牧志 浩太
誰かが俺の眼を覗き込んでいる。
その声を聞き取りたくて耳を澄ましても、とうとう何も聞こえなかった。
KP
1d6 Sasa BOT 1d6→2
佐倉 MP 8→6/15(14/2)
   SAN 63(5/13)
牧志 MP 7/12
   SAN 63
☆ 3
DD 4/4
悪夢
KP
最後の最後に〈精神分析〉を試みたけど失敗したんだな……
牧志 浩太
そうかぁそんな状況で最後に試みてくれたのか……
KP
ちなみに彼が聞き取れなかった言葉は、こっちの佐倉が会いに行ったときに代わりに言っていた感じで。
牧志 浩太
最後の最後に浮かべる表情が苦笑い、っていうのがまた、あまりにも。
KP
コラジン倒そうとする佐倉が乗っ取られるという悪夢は防いだ。
それにより牧志がかわりにダメージを受けることになって、
コラジンに喰われる悪夢を見せられた
と同時に、夢から外れる佐倉が消える
その光景で隻眼牧志くんの記憶が刺激されて
彼の悪夢が流れ込んできてしまった という流れですね。
牧志 浩太
ああーーー、それで片目くんの夢が見えたのか……!
いつものアクションの描写をめちゃくちゃ細かくできて楽しいし、佐倉さんは別人のようになってしまっているし牧志のダメージも大きいしその状態で向き合うし たのしい
よりによって最後の最後に罵倒でも嘆きでもなく、そんな顔されたらずっと記憶に残っちゃうよな、片目くん……
KP
罵倒したり嘆いたりは諦めちゃったって事だからやらないかなーと。
牧志と一緒なら尚更最後まで足掻くだろうから。
牧志 浩太
それで最後の〈精神分析〉か……。
その結果、最後に残されたのがどうしようもなく佐倉さんらしい表情になった。


コメント By.KP
次次と襲い来る死の悪夢。
記憶を失ってゆく佐倉。
牧志は彼の夢に入り込み、彼が守ろうとした物を探し手を伸ばす。

今までに乗り越えてきた死、あったかもしれない死、悪意をこめた悪夢が牧志と佐倉に襲いかかります。
PCはしんどい! PLKPは楽しい!
サディズムなのかマゾヒズムなのかよくわからないね!

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【クトゥルフ神話TRPG】
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