こちらには
『きょうせい、きょうめい』
のネタバレがあります。
本編見る!
KP
短い廊下は穏やかな明かりに照らされ、白い壁も床も掃除が行き届いている。
廊下に置かれたサイドテーブルには美しいガラスランプが置かれ、来客の目を楽しませるようになっていた。

奥に見える扉に向かって敷かれた絨毯が、快くあなた達の足を迎え入れる。
佐倉 光
牧志以外とも触れれば話が通じるか、試してみたいところだ。
さりげなく触れて『ありがとうございます、ここはどこですか』と伝わるかどうかやってみたい。
距離は詰められるかな。
KP
「おっと」
彼と距離を詰めれば、彼はあなたの手を支える。
しかし、触れてもその心を感じることはなかった。彼が言葉に反応することもない。
佐倉 光
通じるのは牧志限定なのか……
もしかしたら『この状態』の人間となら通じる、とかかな。
KP
「具合がお悪いのですね。
すぐ部屋を用意致しますので、こちらでお休み下さい」

彼は奥の扉を開け、リビングルームにあなた達を案内する。
そこでは数人の男女が楽器を演奏したり歌を歌っったりしており、和気あいあいと過ごしていた。
その者たちは皆、言葉を話すことができるようで、意味のある言葉を交わしている。
佐倉 光
現状、休めるのは素直にありがたい。お言葉に甘えよう。
KP
柔らかく大きな革張りのソファの上に、あなた達は案内される。
まるでベッドのような大きさで、身を横たえることすらできてしまいそうだ。

ソファの前に置かれたテーブルの上に、ガラスの杯に入った一杯の水と、瑞々しい果物が供される。

あなた達を案内した男は、また別の使用人らしき人に客室の準備を指示した。
佐倉 光
喉は渇いているかな。妙な臭いや舌先に触れる味がなければ水はいただこう。
KP
そこそこ歩いたのもあり、それなりに喉は渇いている。
妙な臭いや味はなく、感覚に触れる限りは普通の水だ。爽やかに喉を潤してくれる。
佐倉 光
なんかこういうの昔は警戒しすぎなほどしていたよなぁ。
異変慣れってやつだ。
牧志 浩太
一時期は定食屋などで提供される水や食べ物をやたらと警戒していた牧志も、あなたと同じように水を嗅いで触れて、口をつける。

異変慣れ。

それは案外大丈夫なことが多かったためかもしれないし、
警戒しようがどうにかなる時はなってしまうという諦めかもしれない。

もっとも警戒もなく水を飲む友人達に比べれば、たまに変な顔をされる程度に用心深くはあるが。
佐倉 光
あんまり良くないかなー。
牧志 浩太
あんまり良くないのかもしれないし、それなりに御す術を見つけたということなのかもしれない。

それがある意味、日常になってしまったのかもしれないと思えば……、やっぱり良くないのかもしれない。
佐倉 光
警戒しすぎて食事を摂らずにいていざって時に戦えないのも困るし、
まあ何かあったらその時はその時だ。
佐倉 光
この家や人に不審なところはないだろうか?
服の様子は現代風?
KP
彼らはみな洋風の格式高い服装をまとい、楽しげに会話をしては楽器に弦を這わせて楽を奏でる。
楽器もまた西洋風のものが多いが、古典趣味なのかギリシャ風の古風なリラなども見られた。

会話の内容はといえば、愛、性愛や友愛、知性愛に纏わる高尚なはなしごとが多いように思われる。

現代風かどうかと考えて一瞬戸惑うほどにはフォーマルな服装だが、古びている様子は少なくともない。
佐倉 光
なんつーかまた、浮世離れしてる人たちだなー。
牧志なら歴史の知識で『実は過去の装いである』なんてことが分かったりしないかな。
牧志と話してみる。
牧志 浩太
視線に気づいて牧志が振り返り、手を差し出す。
KP
装いが現代のものか識別しようとするなら、〈歴史〉で判定。
牧志と会話しようとするなら、二人とも【POW】×5で判定。
牧志 浩太
1d100 79 〈歴史〉 Sasa 1d100→ 47→成功
1d100 60 【POW】 Sasa 1d100→ 20→成功
佐倉 光
1d100 20 〈歴史〉 Sasa 1d100→ 11→成功
1d100 75 【POW】 Sasa 1d100→ 91→失敗
▼PL向け情報
本シナリオでは、同じ技能判定に成功した場合でも、それぞれ異なる情報が渡されます。
(片方KPCの場合はこれを言っておかないと分かりませんね、失礼しました)
KP
あなたはフォーマルスーツの由来と変遷をどこかで読んだことがある。
彼らの服装は浮世離れこそしているものの、その変遷の終端である現代のものに当てはまる。
KP
あなたは牧志の心を見失いかけた。
彼の心が、届かない遠い位置にあるかのような不安を覚えた。
佐倉 光
『牧志! 牧志! おい! 聞こえてる!?』
隣にいるのに伝わらない。
そんなことが不安でならない。
KP
しかし、彼があなたの心をそっと掴んで彼の水面に触れさせた。
あなた達は深い安心感を覚える。
牧志 浩太
『大丈夫、聞こえてる』
佐倉 光
良かった、声が聞こえる。
いつか溺れかけた俺にそうしてくれたように水面へ引き上げてくれる。
引き上げられ牧志と心を繋げば、どうしてこんなに不安だったのかと不思議なくらいだ。
牧志 浩太
『……一瞬、聞こえなかったんだ。
横にいるのに、佐倉さんが遠い所にいるみたいだった。
聞こえて、よかった』
牧志は縋るようにあなたの手を握る。
彼もまた、不安そうな手つきだった。
KP
二人とも、正気度 を1d3回復。
佐倉 光
1d3 Sasa 1d3→1
SAN 40 → 41
牧志 浩太
1d3 Sasa 1d3→2
SAN 42 → 44
佐倉 光
シナリオの添え書きから言って、むやみに心を寄せようとするのはまずい気がするんだけどー
KP
ウフーではあるんだけど、全く情報がないとそれはそれで大変 むずかしいはなし
まあロスト率自体は低いシナリオなので、お気軽にどうぞ。

佐倉 光
『夢なのか何なのか分からないけど、一応現代みたいだな』
牧志 浩太
『みたいだな。
あのリラ……、古いハープを持ってる人なんか古風な格好だけど、服の素材は今の素材だ』
佐倉 光
『何とかここがどこなんだか訊ければな』
牧志 浩太
『そうなんだよな。どこだか聞ければ』
佐倉 光
さっき玄関口でしようとしたアクションをして、ここはどこなんだ? を身振りで示す。
KP
案内してくれた男があなたのジェスチャーをみとめ、頷く。
「お部屋ですか? お二階でございますよ。もうすぐ……」

その時ちょうど、先程指示を受けた使用人があなた達の元へ戻って来て、目の前の男になにやら耳打ちをする。
KP
「お部屋の準備ができました。こちらへどうぞ」
牧志 浩太
『通じそうで通じないな。
しらばっくれられてるんじゃないよな? 
この人達も場所を意識してないとか?』
牧志がぼやく。
佐倉 光
ここの人々に自分たちへの悪意がないかって〈心理学〉できる?
KP
可能。クローズドで振ります。
牧志 浩太
牧志にも彼らの様子を窺ってもらう?
佐倉 光
『こいつら信用できるかな?』
振って貰う!
KP
Sasa 🎲 Secret Dice 🎲
🎲 Secret Dice 🎲
KP
彼らの視線を、挙動を窺う。
しかし落ち着いた仕草は、さえずるように言葉を交わす様子はどこか無機質にも見えて、
こちらに果たして悪意があるのかどうか、窺い知ることはできなかった。

警戒をもってすれば、芝居がかった仕草に本心を隠していると取れる。
善意をもってすれば、敢えて隠しているなどと考えることもないと思える。
牧志 浩太
『よく分からないな』
牧志は空いた片手でこめかみを揉んだ。
牧志 浩太
『楽しそうなのに、感情が見えないようにも思えるんだ。
いいホテルとかのCMを見てるような感じっていうかさ』
佐倉 光
『俺にも良く分からない。普通じゃないって気はするけど』
ここに入ったのは正解だったのだろうか?
佐倉 光
『とはいえ、何をどうしたらいいかも分からないしな。
書庫でも借りられれば……いや、読めねぇか』
読むことはできます。
佐倉 光
さっさと逃げ出すべきなのかなー、とは思いつつ!
KP
逃げ出しちゃってもいいですよ。
佐倉 光
きーにーなーるーしー
牧志 浩太
『怪しい気はするんだよな。
玄関から出られるかどうかとか、裏口とか、後で確認しとくか?
あからさまに怪しい動きするわけにもいかないけどさ』
KP
リビングルームは吹き抜けになっていて、片隅に洒落た手摺のついた上り階段がある。
こちらへどうぞ、と彼は先導してあなた達を案内する。
佐倉 光
案内に従ってのぼる。
KP
彼はにっこりと笑うと、二階の廊下を歩いていく。
二階からは饗宴を楽しむリビングの様子が見下ろせた。
KP
「今夜はこちらの部屋をお使いください」
ふたつあるらしい客室の奥の方に、彼はあなた達を案内する。
廊下の突き当りにある窓からは、外が見えそうだ。
KP
「そうそう、お客様と同じ境遇の方は、こちらの部屋にいらっしゃいます」
そう言って彼は、あなたたちの部屋の隣の扉を指し示す。
KP
「また、消灯のお時間までは屋敷の中を散策していただいても構いません。
消灯は23時となります。ごゆっくりどうぞ」
▼PL向け情報
消灯時間の記載があるが、探索に時間制限はない。
(PLにシナリオ付属のマップが提示される)
▼部屋名の書かれていない部屋は、キッチン・バスルーム・リネン室等、直接シナリオに関係のない部屋である。
佐倉 光
ありがとうと頭を下げる。
KP
彼は軽く会釈して、一階へと戻っていった。
佐倉 光
『随分用意がいいな。突然の来客を二組も泊められるなんて』
牧志 浩太
『……なんだよな。
妙な用意のよさといい、怪しいことだらけだ。
あんまりここで寝たい気がしない』
牧志は頷いて渋い顔をする。
佐倉 光
『まずは部屋の様子を見るか……結構広いな』
佐倉 光
『……思い出す』
佐倉 光
『後で隣の部屋、行ってみようぜ。
その人らとなら話ができるかも知れない』
牧志 浩太
『そうだな。同じ立場同士なら話ができるかもしれない。
協力できれば、もっとい……』
その言葉を最後に集中が切れ、牧志の言葉の語尾が静かに消えていく。
佐倉 光
『……牧志』
途切れてゆく繋がりに心細さを覚えた。
隣にいるってのに何なんだ今の俺は。
KP
どうしてか今のあなたは、ひどく心細く感じる。
あなたのもとに言葉はあるのに。傍らに人はいるのに。
その言葉で通じ合うものがいないという、それだけで。
直接触れ合う心がないという、それだけで。
牧志 浩太
去っていく声を惜しむように、牧志が握る手にわずかに力を込めた。
佐倉 光
まずはあてがわれた部屋を見てみる。
どんな内装だろう。気になるものはあるかな。
KP
部屋の扉を開ければ、真っ先に目に入るのは天蓋付きの大きなベッドが1つだ。

傍らのテーブルには銀色の水差しと2人分の杯が用意されており、赤い布が張られた椅子が向かい合わせに2脚置かれている。
背の低い本棚がひとつ置かれており、中には本が詰められている。

大きく開いた窓から、月明かりが射し込んでいた。
窓からは外の様子が見えそうだ。
佐倉 光
まずは窓が開くかを確認。外の景色も見てみよう。
さっき牧志が見たという人影が見えるかも知れない。
KP
窓は開かないようだった。
見れば鍵がかけられている上、鍵を開けたとしても、そもそも大きくは開かないつくりの窓だ。旅館にあるような、採光と換気のための窓である。

空は晴れている。大きな丸い満月と、降るような星とがよく見えた。
外を覗いてみると、この屋敷のものであろう庭が見える。
暗いため何があるのか詳細はよく分からないが、植物の他に石のオブジェがいくつも置かれているのが月明かりに照らされて見えた。
佐倉 光
窓が開かない……
それだけのことなのに不安でならない。
窓が開かない作りになっているくらい、よくあることだろうに。

本棚を探ってみる。
KP
本棚にはさまざまな娯楽本のたぐいが収められている。
その中で、ふと一冊の本が目に留まる。その本は直前に取り出されたことがあるのか、少し飛び出ていた。

プラトン著『饗宴』とある。
佐倉 光
プラトンっつーと哲学者の?

大体こういうのって意味があることが多いよな。
前にここに泊められた奴が読んだ、とか。
本を引き抜いてぱらぱらとめくってみる。
書き込みやしおりはないか? メモなどが挟まれていないか。
牧志 浩太
あなたがめくる本を、牧志が隣で覗き込む。
KP
それは、一堂に会した人々がエロス(愛)を賛美する演説をするという内容だった。
ぱらぱらとめくってみた所、最終的には肉の愛の話題を脱し、哲学的な展開へと続く書物のようだ。

しかし、もう一度めくり直すと、序盤のアリストファネスの演説のページで指が止まる。
そのページに、小さな無地の栞が挟まっていた。
[饗宴] かつて人間はふたりでひとつだったというような話。
ゲーム談義
佐倉 光
人間が片割れを探すっていうとメガテンV思い出してしまうんだ。
思うままに振る舞ったらカオスなエンドでした。
KP
おっと実はVクリアし終わってなくて! やらねば
佐倉 光
ヴェンジェンスが見違えるくらい良くなっているとのこと。
私がこのゲームで「いいなー」と思った要素ほぼ全部追加要素でした……
KP
なんと……、それはクリアせねば。
最近のリメイク、いいリメイクが多くなってきていてとても良い
ライドウもやりたいッッ(幸せな悩み)
佐倉 光
ライドウもやらなきゃ。
ライドウもめちゃくちゃデキ良かったみたいですね!
KP
ほほう! やらねば!
最近本当にやりたかった(けどハード問題でやれなかったりした)ゲームのリメイクが、それもすごくいいリメイクで出てきてて嬉しい
佐倉 光
デジタルデビルサーガが来てくれればなぁー!
リメイク、嬉しいんですけど、そのぶん新作が出る本数を圧迫しているんだと思うとちょっと複雑!
KP
ううっ、それはちょっとある!
リメイクばっかりになったらなったで新しいゲームでなくなっちゃうもんなぁ
佐倉 光
でもやっぱり名作は現行機でも遊びたい!
KP
なんですよね!
特にハードの絡みでやりづらい名作を現行機でプレイできる&色々改善されてプレイしやすくより楽しくなって出てくるのはとても嬉しいわけで
佐倉 光
唐突にアクションやりたくなって聖剣伝説3始めちゃったわけで! 
始めてからライドウもアクションだったじゃないかと思い出しました。
KP
聖剣伝説3もやりたいんですよねぇええ やりたいゲームが多すぎる
佐倉 光
嬉しい悩みだー
KP
やりたい面白いゲームがいっぱいあって時間が足りない 本当に嬉しい悩み

佐倉 光
ずっと前に春日さんがエロスだのアガペーだの言ってた気がするな。
佐倉 光
へぇ……人間はもともともっと強かっただの完全だっただの、夢を見たがるもんだよな。
佐倉 光
まあ人間って欠陥だらけだから、そう思いたくなる気持ちも分かるけどさ。
佐倉 光
しかしこんな話聞いたこともないけど。阿修羅……とも違うな。なんだこれ?
牧志 浩太
「?」
牧志がその内容を覗き込みながら、手の中で球体を作るジェスチャーをする。
佐倉 光
不便そうだな、と笑う。
体が球体じゃ転がっちゃうじゃないか。体内に何が詰まってたっていうんだろう。マグネタイト?
牧志 浩太
「?」
あなたが何に笑ったのかは、牧志はいまいち掴めなかったらしい。
たぶん笑い所がちょっと違うのか、それに思い当たらなかったのだ。そんなこともある。
佐倉 光
他の家具に変わったところはあるかな。ざっと見てみる。
そういえば手を繋ぎっぱなしだ……調べるには繋いだままだと不便だな。離せる?
KP
手を離せばまた少しばかり心細く感じるが、手を離すことはできる。
他に変わった所はというと、天蓋付きのベッドだ。
ふかふかの布団は飛び込めばさぞかし気持ちよさそうで、大げさな表現をすれば果てが見えない程の大きなベッドだが、一つしかない。
佐倉 光
まあ広いから問題はないっちゃないんだろうが……
当たり前のようにここに案内されたのは俺たちが手を繋いでいたからだろうか。

……これまたちょっとばかり嫌な思い出に繋がっている。
大体一つのベッドで寝かせられるときって、広かろうと寝心地が良かろうと碌な事がないんだ。
佐倉 光
大袈裟に肩をすくめてみせる。
牧志 浩太
それはなんとなく通じたのだろうか。
牧志もまた、大きく肩をすくめた。
佐倉 光
さて、この部屋の中は大体調べたかな。
隣のヤツに挨拶でもするか。
隣の部屋の方を指さして外に出ようと伝える。
牧志 浩太
牧志は頷き、隣をついてくる。

KP
もう一つの扉は、あなた達が案内された部屋の扉と同じつくりをしている。
厚みのある扉だったのは、リビングルームでの歓談の声が客の眠りを邪魔しないようにだろうか。
佐倉 光
ノックしてみる。
KP
こん、こん、微かなノックの音。
扉の向こうから……、応答はない。
佐倉 光
留守かな? ドアノブを回して引いてみる。
ちょっと中の様子を見るだけだ。

普通そんなことはしないが、ここに来てからなんとなく意識の下を這い回る嫌な予感がそうさせた。
KP
……おや。扉に鍵がかかっていないようだ。
ノブを引くと、扉は微かな軋み音を立てて開く。
牧志 浩太
開いてしまった扉に、牧志が驚いた顔をする。
KP
室内の雰囲気は自室とほとんど変わらない。
テーブルと椅子、本棚が置かれており、大きなベッドが一つ。

明かりがついておらず、窓のカーテンも閉じられている。
室内を照らすのは隙間から僅かに射し込む月光と、開けた扉から入る外の光だけだ。

布団が膨らんでいる。ベッドの中に誰かいるようだ。
佐倉 光
内鍵のない部屋なんだろうか。
KP
内鍵はあるようだ。にもかかわらず、鍵が閉じていない。
牧志 浩太
閉じていない鍵とベッドを見比べ、牧志が表情を強張らせた。
佐倉 光
寝てるのかな。
俺たちと同じってことは二人連れ。一緒に寝ているって事は、あまり覗き見るのも良くないと思うが。
佐倉 光
人の部屋にずけずけと入り込んで……ってのも何だが、何故だろう。凄まじく気になる。
ベッドの膨らみ方はどんな風だろうか。
気まずそうな状態ならそっと出て行くことにするが。
佐倉 光
俺たちと同じ立場、とすると、全く知らないヤツの家にいるわけで、
そうしたら寝るときには内鍵くらいは閉めないか?
小さな不審点が、眠っている人をよく見る気にさせたのかも知れない。
佐倉 光
絶対見ないといけない奴だと思うけど、勝手に部屋に入って人のベッドはぐヤツ異常じゃない!?
KP
それは本当にそう(ベリー
KP
大きなベッドの中では……、一組の男女が、しっかりと手を繋いで横たわっていた。
KP
〈目星〉で判定。
佐倉 光
1d100 99〈目星〉 Sasa 1d100→ 14→成功
牧志 浩太
1d100 99〈目星〉 Sasa 1d100→ 7→成功
KP
幸い、彼らが死んでいるということはなかった。
彼らは穏やかな、安らかな寝息を立てて眠っている。
ふとあなたはその、穏やかすぎる寝息に違和感を覚えた。

静かに息を吸って、吐く。
息を吸って、吐く。
二人の呼吸のタイミングが一致しているように思えた。
偶然でこのようなことが起きるのだろうか。
佐倉 光
「…………?」
まるでひとつの生き物みたいだ。
牧志 浩太
とんとん、と牧志があなたの肩を軽く叩いた。
佐倉 光
牧志の方に振り向く。
牧志 浩太
牧志はたっぷりとしたシーツの間を指し示した。
そこにはシーツに半分ほど埋もれて隠れているが、開いたままの手帳が置いてあるようだ。
佐倉 光
度を超している、とは思うんだけどな。
なんとなくこの異常な状態の奴らが気になった。
さっきの本で読んだようなことが頭の片隅に無かったとは言い切れない。

手帳を覗き込む。
牧志 浩太
牧志はあなたを止めない。
同じ心持ちなのかそうでないのか、彼がそれを読んだのか読まなかったのか、あなたはふと、わからないと感じた。
KP
開かれたページはメモ用のページで、そこに何かの計画が熱心に書き込まれているようだ。
それは隣の男性と思われる人物との駆け落ちの計画のようであることが分かる。
「あんな親には負けない。わたしたちは決して離れない。」と力強い筆跡で残されていた。
佐倉 光
それで逃避行中にここで寝ている……? 無防備に?
佐倉 光
牧志に問いかけてみる。
自分が感じている違和感は牧志も感じているのだろうか?
KP
言葉を通わせるなら、また手を繋ぎ、意識を集中させる必要がある。
そうするならば、【POW】×5で判定。
佐倉 光
1d100 75 【POW】 Sasa 1d100→ 16→成功
牧志 浩太
1d100 60 【POW】 Sasa 1d100→ 60→成功
KP
もう慣れたものだ。あなた達は手を繋ぎ、心の水面を静かに触れ合わせる。
あなたにとりつく孤独が晴れる。あなた達は、深い安心感を覚える。

もしかしたら彼らも、こうすることを選んだのかもしれないと思った。
KP
正気度 を1d3回復。
また、あなた達は短い会話をすることができる。
牧志 浩太
1d3 Sasa 1d3→3
SAN 44 → 47
佐倉 光
1d3 Sasa 1d3→3
SAN 40 → 43
牧志 浩太
深い安心感と安らぎが、刻まれた傷を癒していく。
牧志の口元が、緩く綻んだ。
佐倉 光
牧志と『つながる』とほっとする。
間違いなく自分にとって良い影響が出ていると感じるが、
割とこれは正常ではない気がする……
佐倉 光
佐倉たちは寝ている場合ではなさそうだなぁ。
KP
目の前の二人は気持ちよさそうにスヤスヤしていますけどねぇ。
佐倉 光
『牧志、どう思う。この部屋の奴ら。
どうにも気持ち悪いんだ』
牧志 浩太
『ああ、気持ちよさそうだよな、二人とも。
しっかり手を繋いで、よく寝て』
うっとりとした声が伝わってくる。
佐倉 光
『?』
牧志 浩太
『……じゃない? 気持ち悪い?
そういえば、これだけ勝手に入ってるのに目を覚まさないな。
佐倉さん、何かに気づいたのか?』
佐倉 光
『二人の呼吸が揃ってるんだ。
いくら仲いいったっておかしくないか?』
牧志 浩太
『何だって? 寝てるのに? 
狸寝入りしてわざわざ合わせてるんじゃなきゃ、おかしいよな。
大体、そんなことする理由もない』
牧志の声はいつも通り、確かだ。
先程牧志の返答に感じた違和感は消えていた。
佐倉 光
『ああ』
佐倉 光
『なあ、二人が羨ましいとか、なんというか、好ましく見えたのか?』
なんとなくさっきの牧志の反応が気になった。
牧志 浩太
『えっ? いや、気持ちよさそうだなとは思ったけど。
こんなにしっかり繋がって、よく寝て』
佐倉 光
『うん……?』
何だかおかしい気はするんだが。

この部屋の本はどんなものがある?
KP
ここにあるのも雑多な娯楽本の類いだが、一冊取り出されて置かれているのに気づく。
動物行動学者の理論をもとに、人間のふれあいについてまとめたレポートのようだ。
佐倉 光
気になる。
こいつらがこんなふうになった原因が書かれているかも。
本を手にとって、牧志の右手でめくってもらうよう頼む。
牧志 浩太
牧志は頷いて、片手でページをめくる。
KP
それは、こんな内容のレポートだった。
[身体接触の段階について]
人間の恋愛は視線→会話→抱擁→キス→性交の順で進む。
[ハグの効用]
抱擁は社会的・性的親密性を深め、幸福感や信頼感を高める効果が科学的に確認されている。
佐倉 光
『今の状態なら、接触の度合いによって伝わるものが増える可能性がある……?』
佐倉 光
試しに実験してみよう……
佐倉 光
というようには思えなかった。
何だかここで眠っている男女の姿が気持ち悪いと思えてしまったためだろうか。
牧志 浩太
『さっきから、接触することについての本が多いな。
饗宴だっけ、あの本は少し毛色が違うけど』
佐倉 光
『そうだな……最初に見たのも接触に関する本だ』
牧志 浩太
『ああ。最初は手を繋ぐ本だったよな。
で、それを見て手を繋いだら心が繋がって、話せるようになったんだ』
佐倉 光
『そういえばここに来たばかりの時、俺を支えてくれたろ?
その時何か感じたことなんかはなかった?』
牧志 浩太
『いや、その時は何もなかった。
完全な抱擁……、でないと何も起きないってことか?』
佐倉 光
すぐにはアレだけど試してみたいなぁー
佐倉 光
『……出ようか』
佐倉 光
冷静に考えなくても、人にあてがわれた部屋に勝手に入り込んでる俺たちはおかしい。
長居すべきじゃないな。
牧志 浩太
『……、そうだな。
というか、もしこの本置いたやつがそうさせたいとしたら、人の部屋に入るの想定して……、

いや、違うな。
対象が……』

眠る二人の寝顔を振り返った牧志の声が、潮が引くように去っていく。
佐倉 光
まただ。俺たちの意思とは関係なく離れて行く。
手を繋いで互いに縋っていないと不安だという気にさせてくる。
なんなんだ、これは?

自分たちの呼吸が揃っていないか、つい確認してしまう。
少し恐ろしい気もするが、思い切って手を離す。
俺たちは互いに個なんだ。

一階の探索に行こう。
KP
離れていく。離れていく。
声が、言葉が、体温が。
あなた達の呼吸は揃っていない。
隣にいるのに、まるで遠い所にいるかのように感じた。
佐倉 光
じっと牧志を見つめる。
大丈夫だ、俺たちは手が届く場所にいる。
孤独なんかじゃないはずだ。
佐倉 光
胸の奥にざわつく奇妙な感情に意図的に背を向ける。
牧志 浩太
牧志はあなたの手を握ろうとした。
手を差し出し、握ろうとして……、あなたの目をじっと見つめる。
そして、手を下ろした。

KP
階段を降りる。
リビングルームの人々はまだ変わらず、同じような会話を繰り広げながら楽器を奏でてる。
KP
「よい夜でございますね」
あなた達を案内してくれた男が、人々の持つ杯に酒を注いで回っていた。
佐倉 光
どうも、と軽く会釈をする。
ここの奴らの浮世離れした感じは一体なんなんだろう。
手を繋いでいる者はいないのだろうか?
KP
さざめくように彼らは笑い、歌う。
時折触れ合わせるように手を繋ぎ、踊りを楽しむ者はいるが、あなたやあの二人のようにしっかりと手を繋ぐ者はいない。
佐倉 光
そのまま玄関に向かって扉を開けてみようとする。
KP
玄関に向かって扉を開けようとすると、先程の男が酒を注ぐ手を止め、こちらへ駆け寄ってくる。
KP
「お外にお出になられるのですか?
山の中ですから、夜は危のうございますよ」
KP
二人とも、【POW】×3で判定。
佐倉 光
1d100 75 【POW】 Sasa 1d100→ 37→成功
佐倉 光
×3か。でも成功
牧志 浩太
1d100 36 【POW】 Sasa 1d100→ 19→成功
佐倉 光
出ることはできるかなー。
KP
彼は止めたそうにしているが、手荒なことはしてこない。
そのまま扉を開けることができる。
佐倉 光
扉を開けて外を確認してみる。
何かいるかな。
KP
外は来た時と同じく、月明かりに照らされ静まり返っている。
何かがいる、という様子はない。
鬱蒼とした木々に覆われた山の中は、音をなにもかも吸い込んでしまうかのようだ。
牧志 浩太
牧志が外を見回す。
こちらを振り返り、頷く。
佐倉 光
ただまあ、夜に森を出歩くのが危険、というのはそれもそうなんだ。
意思疎通もままならないこの状態で外に出たいかと言われればノーだな。
佐倉 光
何よりここのことは気になるし。
屋内に戻る。
牧志 浩太
「?」
牧志がこちらを振り返り、玄関の扉と中を交互に指さす。
佐倉 光
自分を指してから中を指す。
俺はもう少し中を調べる、の意思表示だ。
牧志 浩太
牧志はそのジェスチャーを何度か見比べ、それから室内を覗いて頷いた。
KP
屋内に戻ると、彼は「ごゆっくりお過ごしください」と一礼して、また酒を注ぎに戻っていく。
KP
リビングルームを振り返ると、少し人の数が減っている。
おのおの眠りに向かったり、自室に移ったりしているのだろう。
佐倉 光
一階をぶらぶらと見て回ろう。まずは書庫かな。

コメント By.佐倉 光
わぁい、モリモリ回復していくなぁ!
……大丈夫か? これ。

プレイ日:2025年8月8日 ~ 2025年12月19日

作者名: あやめがさね/入須間

配布・販売サイト: きょうせい、きょうめい

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【クトゥルフ神話TRPG】
本作は、「 株式会社アークライト  」及び「株式会社KADOKAWA」が権利を有する『クトゥルフ神話TRPG』の二次創作物です。

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