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こちらには【ワンナイ卓】収録シナリオ『こどもぱにっく!』
ネタバレがあります。


佐倉 光

サマナーで悪魔退治屋。ハッカーでもある。
基本、知性・理性・効率、そういったものを重視する冷静な青年。
体力にはとにかく自信がない。
少年時代は病院にいた。

牧志とは友人。


牧志 浩太

お人好しで温厚、だが意思は強い好青年。
とある事情で二年より前の記憶の大半を失い、代わりに悪魔使い波照間紅の記憶を持っている。体力はまあまあ。
首から胸へと続く奇妙な【契約】の痣がある。たまに痛むという。

佐倉とは友人。




「こどもぱにっく!」

シナリオ集【ワンナイ卓】より
香月 悠 様


KP
よろしくお願いします!
佐倉 光
宜しくお願いしまーす!
KP
突然であるが、あなた達は酒盛りをしていた。
様々な酒、ノンアルコールドリンク、ソフトドリンクにおつまみなどを取りそろえた宅飲みである。
どうしてこうなったかというと。
佐倉 光
東浪見がいる~
東浪見 空
「や」
KP
紆余曲折あって現在はあなた達の友人である東浪見が、突然酒を持って現れたのだ。
東浪見 空
曰く、先輩からごちゃっと色々酒をもらったので、宅飲みしないか? と。
KP
なるほどタダで酒が飲める。ついでに酒以外も東浪見は持ってきてくれた。
佐倉 光
誰の家?
KP
さて、誰の家で飲んでいるのだろうか。誰の家でもよいが、酒を持ち込む関係上誰かの家がいいだろう。
東浪見は実家暮らしであるが、東浪見の家でも別に構わない。よく部の友人を連れ込んで飲み会してたりもする男だ。
佐倉 光
俺の家そんな広くないよ。
じゃあ余裕ありそうな東浪見んちで。
KP
というわけで、あなた達は東浪見の家に上がり込んで酒盛りをしているわけだ。
東浪見の母親は「食べさせ甲斐があるわ~」と、なんだか嬉しそうにつまみを作ってくれた。
牧志 浩太
「東浪見の母さんすごいよな、二人も上がり込んでるのに歓迎してくれるんだから」
牧志 浩太
牧志は平然とした様子で日本酒を飲んでいる。
佐倉 光
基本ノンアルだけど、一杯くらいは飲むかな。
佐倉 光
酔っ払って寝なきゃならないようでも、割と寝ちゃいやすいので問題ない!
東浪見 空
東浪見は翡翠色の綺麗な瓶を取り出して、あなたに酒を注いでくれる。曰く、先輩がどこからかゲットしてきた秘蔵? の酒なんだとか。
佐倉 光
酒かぁ……まあ、折角だし一口くらい飲んでおくか……
東浪見 空
「兄貴たちが家出てから、俺だけじゃ食わせ甲斐が無いって言ってるからな~」東浪見はほろ酔い具合である。
佐倉 光
「東浪見だけで充分食うと思うんだけど」
牧志 浩太
「俺も同感。兄貴たちも食うのか?」
東浪見 空
「一番上の兄貴がめっちゃくちゃ食うなー。次の兄貴は割と小食」
佐倉 光
「このツマミ美味いな」
東浪見 空
「お、後で母さんに言っとこ。喜ぶぞ」
佐倉 光
「ここんちの小食ってどの程度なんだろう」
東浪見 空
「牧志の1.5倍くらい」
佐倉 光
「それ小食って言わねぇよ」
東浪見 空
「そうか?」
牧志 浩太
「……東浪見んち比か」
佐倉 光
道理でつまみが大盛りなワケだ。
牧志 浩太
「そりゃ、つまみもこの量になるよな。美味しい」
佐倉 光
グラスに口を付ける。
東浪見 空
ふわり、と不思議な香りがする。嗅いだことのないような香りだが、華やかな甘い香りで悪くない。
牧志 浩太
「お、この秘蔵? の酒、美味いな」
牧志と東浪見もその酒を分け合っている。
佐倉 光
「美味いなこれ。どこの?」
東浪見 空
「えーとなんだっけ、宝屋? とかいうとこの酒だって。そこの社長と先輩が飲み友達だとかって」
牧志 浩太
「え、社長さんと? すごいな東浪見の先輩」
佐倉 光
「へぇー、あんま聞いたことないメーカー」
佐倉 光
そもそもあんまり酒積極的に飲まないから知らないだけかも知れない。
牧志 浩太
「確かに。あんまり聞いたことないな」
東浪見 空
「この辺の酒全部そうでさ。宣伝も兼ねてじゃないか? あ、いつものモールに直営店あるってさ」東浪見の足の下から、ちょっとこぼした酒に濡れたパンフレットが出てくる。
佐倉 光
「へー」
なんとなく拾ってみる。
飲んだのはなんて名前のか分かるかな。
KP
新しい方向性を狙っているのか、白雪、眠り姫、シンデレラなど、童話をモチーフとした可愛らしいラベルが並ぶ。
その傍らにどっしりとした瓶の日本酒や、さりげなくウィスキーなんかもある。
それらの酒も東浪見は持ってきているが、あなたが先程飲ませてもらった酒にはラベルがない。
牧志 浩太
「お、何だこれ。ウィスキーの梅酒?」
東浪見 空
「あ、そうそう。煙くさいやつを選んで漬けましたっていう」
牧志 浩太
「煙くさい梅酒か、想像しにくいな……」言いながら一口飲む。
「……梅の燻製?」
牧志 浩太
牧志もあんまり知らないらしい。
東浪見 空
「燻製だな。
お、佐倉さんどしたん、それ気に入った?」あなたが翡翠色の酒瓶を気にしているのを見かけた。
佐倉 光
「いや、なんて名前なのかと思ったんだけど……
のってないな」
パンフをひっくり返して首をかしげている。
「ラベルもないし、同じ形の瓶もないみたいだ」
東浪見 空
「ほんとだ、そもそもラベルないな」
佐倉 光
「詰め替えってワケじゃあないよな……」
牧志 浩太
「酒に試供品ってあるのかな?」
佐倉 光
「まあ……体に入る物は一応チェックしたいたちなんで見てただけだよ。普通に美味い酒だったし」
東浪見 空
「ああー、そういう。じゃあ今度先輩に聞いとく。
ってか今聞こ」気持ちよく酔っているくらいとはいえ、この中では割と酔っている東浪見が、どこかへ電話を掛けだす。
牧志 浩太
「え、もう夜遅いぞ」
東浪見 空
「大丈夫大丈夫、堅苦しい先輩じゃないから」
気持ちよさそうに酔っ払っている声が電話の向こうから聞こえてきた。
「んー、先輩もそんなんあったっけ? ってさ」
佐倉 光
「…………」
牧志 浩太
「……」
佐倉 光
「大丈夫かなこれ?」
牧志 浩太
「まさか、また変なことになったりしないよな……?」
東浪見 空
「変なこと?」
佐倉 光
「二人三脚したばっかだし、大丈夫だろ……」
牧志 浩太
「そう思いたい……」
佐倉 光
「とりあえず、俺はこれ以上はやめとこうかな。水が美味い」
牧志 浩太
「そうだな、それがいいと思う」
東浪見 空
「お、じゃあこれ飲む? 酒を仕込んだのと同じ水。っていっても、水は水だけど」
佐倉 光
水もらうよ。
KP
まろやかな水だ。
佐倉 光
酒飲んでるときの冷水ってうまいよね! と思っている中のヒト。
KP
酒と水を交互に呑むとお口がリセットされていいよねと思っている中の人。
KP
そんな風にしながら、ちょっとモヤモヤする酒盛りの夜は更けていく。
佐倉 光
少ししか飲んでないけど、酒飲むと眠くなるんだよなぁ……
KP
あなたは酒を飲んだ後の心地よい眠気のままに、目の前のベッド(東浪見の)に入り込むだろう。
佐倉 光
スヤァ
KP
スヤァ……。

KP
そして、翌朝。
あなたは異様な臭気で目を覚ます。つんと強い、刺激臭のような匂いだ。
佐倉 光
なんだ……?
佐倉 光
目を開けてみる。
KP
その中に甘く美味しそうな匂いや、それから汗の匂いなどが入り混じり、室内は異様な臭気に満たされていた。
佐倉 光
あれ、俺は……どこで寝てたんだっけ?
KP
目を開けると、あなたは昨夜寝たのと同じベッドの中にいた。簡素な、少し汗くさい布団……、いや。
おかしい。何だか布団が大きい。
大きな布団の汗臭い匂いがあなたを圧倒し、そこに刺激臭が覆いかぶさってくる。何だこれは。
〈聞き耳〉
佐倉 光
自覚出るまで大人のままでいこ。
佐倉 光
CCB<=60〈聞き耳〉1D100<=60) > 94 > 失敗
KP
強い薬品のような刺激臭が鼻に突き刺さる。様々な匂いが入り混じって涙が出そうだ。

<CON×3>で判定。
佐倉 光
CCB<=(6×3) 【CON】 (1D100<=18) > 74 > 失敗
「うえぇ、なんだこれ?」
じたばたする。ここはどこだ?
けほけほ、と弱々しく咳をする。
体に布が巻き付いてる……
KP
室内を満たすあまりの臭気に、気持ち悪くなってくる。吐きそう……。

ぐわんぐわんと頭の中を不快感が満たして、どうにも我慢がならなくなってくる。あなたはそんな自身に違和感を覚える。いつもなら我慢できる程度の不快や違和感が、とにかく我慢しがたいのだ。
室内を見回せば誰もいない。牧志の姿もない。あなたは心細さに襲われる。不快感と心細さで泣きたくなる。
身体にはあなたの動きを束縛するように黒い布が巻きついていた。
佐倉 光
「うう」
感覚も、自分の感情も、なにもかもが抑えきれないことに混乱する。
何が起きている? 俺はどこにいる? どうしてこんなに心が落ち着かない?
佐倉 光
あれれ。むしろ大人の泣き顔に出番が来るとは。
KP
自覚が出るまでが面白いのでつい遊ぶKP。
佐倉 光
「うあぁぁ」
KP
一度涙がこぼれると、もう止まらなかった。
涙が涙を、声が声を呼び、連鎖的に泣き声が増幅されていく。
佐倉 光
目からボロボロ流れ落ちる涙が止まらない。
なんだこれ、呪いか何かか。
俺どうなってるんだ!?
KP
そのとき、ばん、と大きな音を立てて扉が開いた。あなたはそれに驚いてしまうだろう。
佐倉 光
「あ!?」
牧志 浩太
扉の前にいたのは背の高い青年、いや、よく見ればそれは牧志浩太だった。捨てようとしていたのか酒瓶をいくつか抱えたまま、驚いた顔でじっとあなたを見ている。
KP
外の空気が開けた扉から入ってきて、少しだけ室内の臭気がやわらぐ。
佐倉 光
「あぁぁああ、えと、ごめん、きもちわるい」
口が何だかうまく動かない。
牧志 浩太
「え、えっと……」
CCB<=90 【アイデア】 (1D100<=90) > 62 > 成功
佐倉 光
「でかくない?」
牧志 浩太
「…………」彼はあなたの眼の色を、服装を、確かめるようにじっ、と、見る。
佐倉 光
「なに?」
気持ち悪すぎて相手の変な行動まで頭が回らない。
ていうかどうしてこんなにでけぇんだよなにもかも。
牧志 浩太
「……なあ」暫く経ってようやく牧志は口を開いた。
「もしかして、もしかしてなんだけどさ」
佐倉 光
「どうした?」
なにそんなにびっくりしてんだよ。
驚いてるのは俺の方なんだけど。
牧志 浩太
「…………佐倉さん、だったりする?」
佐倉 光
「……え? 何、言ってんの?
俺が他の誰に見えるんだよ」
牧志 浩太
「え、本当に佐倉さんなのか、その言い方。
あんなこと二回もあるってどういうことなんだ? また夢か? 大体あれは夢だったのか?」 牧志は混乱した調子でつぶやく。
佐倉 光
また牧志になっちゃってるのかなぁ俺……
ぼんやりとヒランヤを……
KP
あなたはヒランヤに手を伸ばす。ヒランヤがなんだか大きい。
佐倉 光
「んー?」
ヒランヤに触れる自分の手をぼんやりと見つめ。
KP
それは小さく短く、丸い子供の手に見えた。
佐倉 光
「あれ、俺の手ちっちぇえ」
言う声が高いのに気付き。
「牧志?」
KP
涙に濡れたあなたの声は、高い子供の声だった。
佐倉 光
「一応訊くんだけど、俺、どうなってる?」
牧志 浩太
「あー、やっぱり佐倉さんなんだよな。そう。佐倉さん、子供になってるんだ。5、6歳くらいかな……」


佐倉 光
「えぇぇぇぇ!?
うそだろ」
KP
おおーーーー!
KP
えぇえええ!? と叫んだ声すらも高かった。
牧志 浩太
「本当」
KP
なんだこれは! 二人とも、《SANチェック成功時減少 1失敗時減少 1D3
牧志 浩太
CCB<=76 《SANチェック》 (1D100<=76) > 17 > 成功
system
[ 牧志 浩太 ] SAN : 76 → 75
佐倉 光
CCB<=80 《SANチェック》 (1D100<=80) > 27 > 成功
[ 佐倉 光 ] SAN : 80 → 79
KP
さて、佐倉さんは【STR】を-3、【SIZ】を-6してください。
年の割にちょっと背の高い子供である。
佐倉 光
【STR】3になっちゃった
KP
シナリオでは-6なんだけど、-6すると【STR】なくなっちゃうから……。
KP
あと牧志は【CON】×5でロール。
牧志 浩太
CCB<=(12×5) 【CON】 (1D100<=60) > 76 > 失敗
KP
ここ、めちゃくちゃ酒の匂いが籠っている。一度出てから室内に戻ってくると自覚する。牧志もちょっと気持ち悪くなってきた。
牧志 浩太
「うっぷ、凄い臭いだな……。東浪見、換気しないで出てったのか」
KP
牧志の言葉でなんとなく分かる。この異様な刺激臭はどうやら、昨日の酒盛りの臭気らしい。
そういえば、辺りにはまだ捨てていない酒瓶などが散乱している。
今のあなたにとって匂いが強く感じられているのだ。
佐倉 光
「あり得ないくらい臭ぇよこの部屋」
牧志 浩太
「ちょっと換気しよう、これは酷い」
佐倉 光
「俺なんでこんなことになってんだ……」
鼻をつまんでため息ついたら酒臭さが肺の奥まで入ってきた。
牧志 浩太
牧志はあなたの横に歩いてきて、部屋の窓を開ける。見慣れたはずの背が随分と高く、大きく見える。
外から冬の、強烈に寒い外気が吹き込んできた。
佐倉 光
「うわさっっっむ!」
布団に潜り込む。でもこの布団も臭い。
牧志 浩太
「あっ、ごめん」
佐倉 光
ていうか俺の服もなんか臭い。
KP
布団は大層汗臭かった。ついでに服まで酒臭い……。
佐倉 光
「大人ってくせぇんだな」
牧志 浩太
「そう言われると複雑だな。嗅覚も鋭敏になってるのか」
佐倉 光
「たぶん。感覚が鋭敏すぎるのと、なんか情緒が暴れる」
牧志 浩太
「情緒が…… 感情が抑えにくくなってるのか」
佐倉 光
「そんな感じ。もう泣きてぇ」
牧志 浩太
「とりあえず、今暖房入れるから」
佐倉 光
「まいったな、よりによって東浪見んちでこんな分かりやすい異変に遭遇するなんて」
牧志 浩太
「本当にな」

KP
しばらく換気してから暖房を入れ……てもやっぱり臭うので、あなた達は東浪見の兄の部屋だという別の部屋に場所を移して、どうにか落ち着いた。
佐倉 光
「この部屋はあっちよりはマシだな」
ようやっと吐き気が収まった。
牧志 浩太
「しばらく使ってないらしいからな」
佐倉 光
「道理でほこり臭い」
牧志 浩太
「とにかく、どうして佐倉さんがそんなことになったのか、だよな」
佐倉 光
牧志なんか見たことないような顔が出てきた。
KP
表情どれにしようかと思って結局いつもの真顔になりました。
牧志 浩太
牧志は床に胡坐をかく。
佐倉 光
「普通に考えるなら、昨日飲んだヤツが怪しいかな……」
牧志 浩太
「……だよな。あのラベルのないやつ。東浪見が持ってきたから油断してた……」
佐倉 光
「けど、あれ飲んだの俺だけじゃないだろ?」
牧志 浩太
「ああ、そうなんだ。俺も東浪見も一緒に分けて飲んだはずだ。なんで佐倉さんだけ?」
佐倉 光
「何かと反応したとか、運が悪かったとか……他に俺しか呑んでないやつ……」
牧志 浩太
「とはいえ、後は何かあったかな…… 東浪見も間に水とか茶とか、飲んでたと思うし」
佐倉 光
「ああ、最後に水貰って飲んだな、俺も」
牧志 浩太
「酒を仕込んだのと同じ水だ、って言ってたな」
佐倉 光
「あれも美味かったけど、牧志は飲んだ?」
牧志 浩太
「俺は飲んでない。東浪見は、どうだったかな」
佐倉 光
「そうだよ東浪見。今いないのはラッキーだけど、あいつ出かけてるの?」
牧志 浩太
「練習があるからって出てったんだ。……そうだ、じゃあ、東浪見が出てくまでは佐倉さん、元のままだったのか?」
佐倉 光
「さすがに部屋に見知らぬ子供が寝てたら気付くだろ」
牧志 浩太
「だよな」
佐倉 光
「うーん、吐いてみるかなぁ。でも東浪見の家族の人に見つかった時の言い訳……
気付いて放置した……ってことはさすがに東浪見でもないと思うし」
牧志 浩太
「流石に、ないと思う。少なくとも俺を起こすんじゃないかな。
東浪見の悪戯、って可能性は……。いや、しそうにないな」
佐倉 光
「悪戯でヒトを子供にするヤツ……」
佐倉 光
「いたわ。ごめん」
いつかの飲み会のことを思い出した。
牧志 浩太
「いや、まああの時はどっちもどっちだったし」
佐倉 光
「にしてもまいったなー。戻れんのか?」
本当にトイレ行って吐いてみようかな。
KP
ここは二階だ。この階にもトイレはある。
佐倉 光
「うーん……」
牧志 浩太
「とにかく、あの酒が何だったか、だよな」
牧志は足元に落ちたままのパンフレットを拾い上げる。
「東浪見の悪戯じゃなきゃ、あの酒と水が怪しいってことになるんだ」
佐倉 光
「まあ……別に無理に戻る必要ないかな?」
牧志 浩太
「へ?」
佐倉 光
「俺何歳くらいに見える?」
牧志 浩太
「5、6歳くらい……かな」
佐倉 光
「すると、寿命的に14歳くらい戻ってて……
ちょっと得してるんじゃないかな?」
佐倉 光
「あーでも5歳じゃ色々不便かなー」
牧志 浩太
「なるほど? 確かに、身体が弱いってこともないみたいだしな」
佐倉 光
CON減ってませんからね。
KP
ませんからね。
佐倉 光
「まあ、自分に起きたことは気になるし」
佐倉 光
「このまま子供になり続けて消えます、なんてのは困るし。
そもそもこんな体じゃ一人で暮らせないか……」
佐倉 光
同居してたらそのままでいいかとか思った可能性w
牧志 浩太
「それは困るな。まあ確かに、子供が一人って結構色々やりづらいしな。
なんなら、そこは俺ん家来てもいいけど」
佐倉 光
「問題はCOMPが応えてくれるかどうかだな」
KP
試してみる?
佐倉 光
試す。
佐倉 光
腕輪でけぇ……
指を滑らせ、起動する。
KP
腕輪は大きく、あなたの腕から容易に抜け落ちそうになる。
COMPは困惑するように光を放った。数度変形しかけ、「なんかちがう」とでも言いたげに腕輪の形に戻ってしまう。
佐倉 光
「くそ」
牧志 浩太
「うーん、同じ人間でも駄目か。
何で判断してるんだろうな、COMP」
佐倉 光
「わがままなんだよこいつ」
ふくれっ面で腕輪を外してその辺に落ちてたポーチに押し込む。
「COMPが使えりゃ何とかなるかと思ったけど、これじゃ仕事もできないな」
KP
本筋には関係ないんですが、「鬼の駅にて」での出来事って、牧志に話しました? >佐倉さん
佐倉 光
あー……そうだなぁ、言ったかも。
波照間さんが大変だった程度の話をして、追求されたなら軽く話すね。
牧志 浩太
じゃあ軽く話されたことがあるということで。
牧志 浩太
「前の話だと、変な事になってた先輩の声には応えたんだろ。でも、今の佐倉さんには応えない……。判断基準がよく分からないな、COMP」
佐倉 光
「今の俺、鬼になりかけてる波照間さんより資格ないの!?」
牧志 浩太
「そうなるな」
佐倉 光
「すげー敗北感。
中身俺のままなのにひどくない?」
牧志 浩太
「それだな。基準が謎だ。
そうなると、プログラミングやハッキング方面で仕事するか、COMPが反応してくれるようになるまで俺が佐倉さん養うか、素直に元に戻るか」
佐倉 光
ああでも今の自分に悪魔を御する自信はないかも知れない。
「元に戻る努力するよ……
戻れるならな」
佐倉 光
正直、14年分もの時間戻ったってのはかなり美味しいと思うのだが……その間にどれだけ学び直せることだろう。
牧志 浩太
「だな。まあ、最悪戻れなかったら佐倉さん、プログラマーやってよ。俺の名義使っていいから」
佐倉 光
「最悪そうさせてもらお……」
佐倉 光
「あの酒、あの会社のなのかな。調べてみるか」
牧志 浩太
「ああ、モールにも店があるって言ってたな。俺は東浪見にも連絡入れとく、あの酒美味かったから先輩経由で聞いてみてほしいって」
佐倉 光
「俺、いつまでもここにいるとまずいかな。
場所移す?」
牧志 浩太
「確かにな、東浪見の母さんに見つかったらややこしい。佐倉さん、俺が話してる間にこっそり出られる?」
佐倉 光
「そうだな……俺は先に帰ったことにしといてくれ。でもまずは子供服が必要かなぁ」
佐倉 光
「裾も袖も余る余る」
牧志 浩太
「子供服か、まさか東浪見の母さんに借りるわけにもいかないしな。出たらどこかで調達しよう」
佐倉 光
「こっそり出るのはこの格好で何とかする。
下脱いでもギリ何とかなるだろ。
靴は諦める」
KP
ちょっとあれなかんじの格好にはなるが、幸い下を脱いでも服が十分にあなたの身体を隠してくれる。靴は諦めるしかない。
佐倉 光
突然戻ったら社会的に終わるなって思った。
KP
突然戻ったら完全にアウト。
まあその場合は牧志が慌ててジャケットで…… やっぱりアウト。
牧志 浩太
「それじゃ、とにかくここ脱出しよう」
佐倉 光
「はー、せめて俺かお前の家だったらなぁ」
牧志 浩太
「まさかこんなことになるとは思ってなかったもんな……」
佐倉 光
タラレバして外に出よ。
でっかいヒランヤ撫でつつ。
KP
ヒランヤの慣れた冷たい感触は、今も抑えがたい感情と感覚でざわつくあなたの心を少し落ち着かせてくれた。
佐倉 光
「腹減ったぁ」
ものすごくションボリしつつ身を潜める。
KP
せっかくだから〈忍び歩き〉+20%でロールをどうぞ。
牧志が東浪見の母さんを引きつけてくれるので、プラス補正。
佐倉 光
CCB<=50+20〈忍び歩き〉1D100<=70) > 30 > 成功
KP
あなたは首尾よく、牧志とともに東浪見の家を脱出することができた。
佐倉 光
そろそろと荷物をひきずって玄関へ。

佐倉 光
「パソコン重い」
牧志 浩太
「あ、俺が持つよ」ひょい、と高い位置から手が伸びてくる。
佐倉 光
「うわ、サンキュ」
佐倉 光
「でけぇなぁ……」
牧志 浩太
「あ、ごめん。驚かせたか」
たのしい
佐倉 光
6才かー。100センチとかだよな。
もうちょっとあるかな?
KP
平均で113cmくらいらしいので、佐倉さんならもうちょっとあるかな?
佐倉 光
じゃあ120くらい……それでもちっちゃいけど。
こんなのんびりやってていいのかしらw
KP
すみません今日中には絶対終わりませんねこれ…… でものんびりやるの楽しい……
佐倉 光
ですよねー!
せっかくほぼ全種顔作ったし伸びても大丈夫!
KP
ありがとうございます!!
歩いている時に発生するアクシデント表とかもあるので、ちょっと楽しみたい

佐倉 光
牧志の歩幅に追いつくのが大変だ。
牧志 浩太
大変そうにしているあなたの様子を見て、牧志は歩くスピードを緩める。
KP
低い位置から見上げると、普段気にしていなかったような、様々な情報が目に、耳に飛び込んでくる。
佐倉 光
「けっこー低いとこって汚ぇな~」
牧志 浩太
「ああ、視点が違うのか」
佐倉 光
「つか回り全然見えねぇ。視界も狭いぞきっと」
佐倉 光
言いながら牧志にしがみつく。
正直車道を走っている車がでかすぎて怖い。
自転車も怖い。
KP
巨大な車がすぐ横を走り抜け、歩道を爆走する自転車のタイヤが間近に見える。恐ろしい!
牧志 浩太
「うわ、あいつ危ないな」牧志はあなたを建物側に庇う。
KP
では早速、アクシデント表、行きましょうか。
佐倉さん、1D6をどうぞ。
佐倉 光
1d6 (1D6) > 5
KP
牧志にしがみついて歩くあなたの視界に、ふと目に入るものがある。
それはカランカランと軽やかな音を鳴らしながら揺れる鈴付きのストラップで、キラキラ…… カランカラン…… 色んな色で朝陽にキラキラして……

うずうず。うずうず。どうしようもなくそれが気になる! あなたはたまらず手を出したくなってしまう。
【STR】×5で判定。
佐倉 光
綺麗だなぁ。
思った途端、手が伸びていた。
誰のだとか、周囲の状況とか、全く気にせずに。
CCB<=(3×5) 【STR】 (1D100<=15) > 50 > 失敗
KP
幸い、あなたの手はそれに少し触れただけで、勢い余って壊してしまうことはなかった。
牧志 浩太
「さ、佐倉さん、だめだろ!」
あなたが無意識ならばこちらも反射だ。牧志が驚いて咄嗟に声を上げる。
KP
その声に我に返ると、あなたの手は前を行く高校生の鞄についたストラップに触れていた。
佐倉 光
「!」
びっくりしてちょっと涙が出た。
牧志 浩太
「……ごめん、佐倉さん。びっくりしてつい」
牧志は屈んであなたに視線を合わせる。
佐倉 光
「な、なに!? ああ、えぇ?」
目を丸くしたまま、通り過ぎていく高校生と牧志を見比べる。
牧志 浩太
「引っ張ろうとしてたんだ。そんなことするとは思わなかったから」
KP
高校生は「?」という顔をして一度振り返ったが、友達に話しかけられてそのまま歩いていった。
佐倉 光
「あ、えーと。
綺麗だとおもったとこまでは覚えてるんだけど。
やべぇな俺、自覚なくおかしいパターンか。
人のだとか、当然触るべきじゃないとか、そういうのも吹っ飛んでた」
牧志 浩太
「何だか変だな。いくら子供の姿だからって、そんなに我を忘れるものか? もしかして、そのうち精神まで子供に戻っちゃったりとか……」
佐倉 光
「ガキってそういうもんなのかな。記憶があるから油断してた」
牧志 浩太
「どうだろうな、もしかすると子供になっただけじゃなくて、そういうのも強められてるのかもしれない。
何のために? っていうと、分からないけど」
佐倉 光
「こりゃCOMPに拒否られても仕方ないかもなぁ。
なっさけな……」
KP
そうして自覚すると、街中で気にしてもいなかったような様々な情報が、物が、音や光の動きが、一々自分を惹きつけるような感覚に気づくだろう。
佐倉 光
「街って面白そうなもんに溢れてんだなー」
佐倉 光
「あの手すりの曲がったとこが顔に見えるー」
佐倉 光
「なんか知らねぇけど面白すぎる」
牧志 浩太
「あ、言われてみれば見える。じゃなくて、えーと、とにかく服なんとかしよう」
佐倉 光
「そうそう、服。
ガキの服ってどこで売ってんだろ」
牧志 浩太
「普通にスーパーとかならあるんじゃないか? ……そうだよな、裸足じゃ痛いよな。危ないし」
佐倉 光
裸足でペタペタ歩いてるのかな今
KP
裸足かなぁ。アスファルトがちょっと痛い。
佐倉 光
「折り入ってお願いが」
佐倉 光
「おんぶして」
KP
かわいい。
牧志 浩太
「ああ、勿論」
牧志は屈んで、背中であなたを迎える。
佐倉 光
「いやマジでそろそろ足限界。痛い。
小石が痛すぎる」
牧志 浩太
「だよな。色々ありすぎて忘れてた」
佐倉 光
広い背中に遠慮なくよじ登る。
牧志 浩太
いつものジャケットの背中が、あなたの前に広がる。肩に手をかけてよじ登れば、牧志の手があなたの尻を支えてくれる。
佐倉 光
「お、大体いつもの高さ……だけどちょっと違うな。視界の広さが違うせいかな」
牧志 浩太
「じゃないか? 佐倉さん、ちょっと体温高いな。今」
佐倉 光
「ふー、落ち着くー」
牧志 浩太
「不思議な感じだ。おんぶなんて、最近やってなかったな」
佐倉 光
「小動物は体温が高くて心臓が早く動くんだ」
牧志 浩太
「確かに、猫もあったかいもんな」
佐倉 光
子供の平熱は37度行くからね~
佐倉 光
「……」
佐倉 光
「猫に恐竜に子供……」
牧志 浩太
「……そういえば、猫にもなってたもんな、佐倉さん……」
佐倉 光
「そろそろ俺ぶっ壊れそう」
牧志 浩太
「ぶっ壊れたら困るな。
俺は精々、子供と幽霊と他人くらいかな」
佐倉 光
「普通人間は自分以外にならねぇんだよ」
牧志 浩太
「それだな」
佐倉 光
おんぶしてもらった記憶もあんまりないからものすごく心地いいんだと思う。
KP
確かに。街を歩いたりおんぶしてもらったり、本当はできなかったことをやってるんだ。
佐倉 光
「あったけー」
牧志 浩太
「こっちも温かい」
佐倉 光
でかいスーパーの子供服売り場とかユニクロとかかな?
KP
ユニクロかな。スーパーだとシーン的にショッピングモールとかぶっちゃうしというシーン的な都合で。
佐倉 光
はーい
KP
そんな風に話しながら、角を曲がってユニクロに向かう。

佐倉 光
「おおー、布の海だ!」
牧志 浩太
「そっか、佐倉さんの視界だと服も大きいんだもんな。お、キッズコーナーちょうど一階だ」
佐倉 光
「やべぇあそこ歩いてるヤツの光る靴が凄まじく魅力的に見える」
佐倉 光
「光るやつってなんでこんなに気になるんだろうな!」
牧志 浩太
「あっちの靴屋に売ってるけど、履いてみるか? ついでに音も鳴るやつ」
佐倉 光
「いや……音はさすがに……」
葛藤してる。
牧志 浩太
「はぐれたら分かりそうだし、案外ありかなって思ったんだけどな」
牧志 浩太
「あ、でもこっそり何かしづらいか」
佐倉 光
「ああ、〈忍び歩き〉もクソもなくなるな」
牧志 浩太
「やめとくか」
佐倉 光
「光るのもパスだな。高ぇし」
牧志 浩太
「確かに、それは問題だ」
佐倉 光
リアル子供、ピコピコ靴要らない年齢になってから欲しがってました。
KP
子供アイテム、離れてから却って魅力的に見えるのありますね。要らない年齢になってからベビーカーにライドオンしたりしてた。(母よ、ありがとう)
そーゆーもんである。
佐倉 光
「くそ……なんだこの謎の敗北感」
牧志 浩太
「まあまあ。服何にする?
大人っぽいのからコラボTシャツまで、何でもあるみたいだ」
牧志 浩太
「子供の服ってちっちゃいなー」
佐倉 光
choice 絶対キャラ物がいい ワンポイントのキャラ物にしよう あのピンクのヤツかっこいいよな!  いや無地でしょ普通に (choice 絶対キャラ物がいい ワンポイントのキャラ物にしよう あのピンクのヤツかっこいいよな!  いや無地でしょ普通に) > ワンポイントのキャラ物にしよう
佐倉 光
無難なとこにいったな佐倉よ
佐倉 光
「……これにしよ……」
大人とお揃いになるらしい、有名漫画のシンプルなキャラクター商品だ。
牧志 浩太
「なあなあ佐倉さん、これ凄い」一面に抽象画が描かれた謎のTシャツを持ってきた。
佐倉 光
「謎すぎる。っつか派手すぎる」
と、理性は言うのだが。視線が謎Tから離れない。
KP
あなたの眼を引きつけてやまない色彩の群れ! でも理性は全力でNOを訴える!
牧志 浩太
「だめかー。じゃあ寝巻に買おう」
牧志はなぜか大人用の謎Tを買っていた。
佐倉 光
choice 謎T着よう!  いや俺はキャラ物がいい (choice 謎T着よう!  いや俺はキャラ物がいい) > いや俺はキャラ物がいい
佐倉 光
「龍滅の刃ってやつのだ」
観たことはないんだけど知ってる。
牧志に引っ張られて、さっきのよりちょっと派手目のデザインのになった。
一応少し大きめのサイズのにしておこうかな……
牧志 浩太
「映画やってたよな、こないだ」

KP
あなたは一揃いの子供服を揃えることができた。靴屋で靴も買うことができ、鏡を覗けばそこには、ワンポイントの入った少し大きめのシャツを着た、違和感のない格好の子供がいた。
佐倉 光
「……うーん。
昔に戻った、ってワケじゃないんだよな」
となりに立っている牧志との身長差がエグい。
鏡を見ながらしみじみ呟く。
「戻ったんなら虚弱体質も元通りだろうしさ」
牧志 浩太
「今の佐倉さんだけど、子供、って感じだな。そう思うと、時間を戻すようなものじゃないんだな」
佐倉 光
「記憶そのままだし、知能が落ちてる感じはあまりしない。脳味噌どうなってんだろうな今」
KP
鏡の中の子供が、あなたが考えるのに合わせて表情を変える。
牧志 浩太
「ああ、さっきは驚いたけど、話してても普通に佐倉さんって感じだ」
佐倉 光
「この現象解明したら欲しがるヤツいっぱいいるだろうな。副作用次第だけど」
牧志 浩太
「確かにな。それこそ年取ってからでも戻れるなら、不老不死でも目指せるわけだ」
佐倉 光
「割と真面目にこの現象解明したいなぁ」
牧志 浩太
「詳しく分かるといいんだけどな。誰かが意図的にやったなら、それこそ問い詰められたら……。
佐倉 光
うう、玩具売り場のキラキラ光線銃が気になる。
佐倉 光
「この副作用けっこう重いぞ」
牧志 浩太
……とりあえず、例のモール行ってみようか。
東浪見から返事も来た。先輩に連絡ついたら詳しく聞き直してみるって」
佐倉 光
「異様に疲れて腹が減るの、体小さくて体力がないからなんだろうな。
東浪見が何か聞いてきてくれるといいけど」
牧志 浩太
「ああ、身体が小さい分許容量も小さいって感じなのかな。ああ、あっちも何か分かることを祈ろう」
佐倉 光
「子供も結構大変だ……」
佐倉 光
「とりあえずモールを目指そう。車……」
佐倉 光
「無理じゃん?」
牧志 浩太
「ここからだと、俺の家とは反対方向だな……。レンタカーでも借りるか。
俺が運転するよ。免許取っといてよかった」確かもう取ってたはず。
佐倉 光
「子供不便すぎる」
牧志 浩太
「下手すると一人で歩いてるだけでも迷子センター行きだしな」苦笑。
佐倉 光
「体は子供! 頭脳は大人! が許されるのは漫画の中だけか」
牧志 浩太
「体は子供! 頭脳は大人! でも一応保護者はいるしな。しょっちゅう一人でどっか行くけど」
佐倉 光
「COMP使えりゃ似たようなことできそうなんだけどなー」
牧志 浩太
「体は子供で頭脳は大人の天才ハッカー、なんだか漫画に出そう」
佐倉 光
「この体疲れやすすぎて、ハッキングも結構大変かも知れない」
佐倉 光
疲れやすく回復しやすい! それがお子様という生き物!
牧志 浩太
「ああ、確かに集中力を保つのとか大変そうだ。疲れるのもあるけど、さっきから佐倉さん、視線があっちこっち行ってるし」
佐倉 光
「あ、分かる? 狭い視界に物がどんどん飛び込んでくるから気になって」
佐倉 光
「見てるうちに牧志を見失いそうになる」
牧志 浩太
「分かる分かる。間近に見えるんだもんな、手でも繋いどくか」牧志はあなたに手を伸ばす。
佐倉 光
「……そうだな」
手を伸ばす。でっかいなぁ牧志の手。
佐倉 光
あと、遠い。
牧志 浩太
あなたの小さな手を、牧志の手が包み込むように繋ぐ。大人の手だ、と感じる大きな手だった。
KP
そしてやっぱり相手が子供の姿でも「佐倉さん」呼びを貫き続ける牧志。
佐倉 光
まあ中身はいつも通りですしー
佐倉 光
(この姿で家に戻ったらどんな顔されるかな……
面倒なことにしかならないか)
佐倉 光
(ずっとこのままだったらマジで牧志の世話になるしかなくなるかなぁ)
佐倉 光
色々不都合はあるけど、まあ何とかなりそうな気もしてしまいつつ、大人の歩調にがんばって合わせて歩く。
牧志 浩太
牧志はあなたを連れてレンタカーを借りる。ジュニアシートをご一緒にいかがですかと案内された。
彼が書類を書くカウンターが、随分と高く見えた、
佐倉 光
何やってんだか全然見えねぇ……
牧志 浩太
彼が店員と話している位置も、高い。声が上から降ってくる。
KP
一々描写が楽しすぎて全然進まないけど楽しい……
佐倉 光
遊びまくっておる。
佐倉 光
カウンターに両手引っかけて跳ねたり、椅子によじ登って足ぶらぶらさせてみたりしている。
暇だな。視界が狭くて低いからものがよく見えないせいか。
スマホもでかすぎて持ち歩くの辛いしなぁ。
KP
店員が退屈そうなあなたの姿を見つけて、ゲーム機を模したおもちゃを渡してくれた。
佐倉 光
ははは、いい年こいた大人がそんなものに魅力を感じるわけがないじゃないか。
佐倉 光
あれだ。懐かしい物ってちょっと触りたくなるじゃないか。触った記憶もあんまりないけど。
佐倉 光
「……」
佐倉 光
夢中でボタンをポチポチしてる。
牧志 浩太
「佐倉さん、佐倉さーん」牧志があなたを呼ぶ声に気づくのがちょっと遅れた。
佐倉 光
「…………」
牧志 浩太
「ごめん、遅くなった。ジュニアシートの使い方聞いててさ」
佐倉 光
「よし入ったー! おっしゃー!」
佐倉 光
思わずガッツポーズしたところではっと我に返る。
牧志 浩太
「案外熱中してる」
佐倉 光
「……」
佐倉 光
「いいタイミングだっただけだよ!」
佐倉 光
「くそ、こんな子供騙しに引っかかるなんて」
牧志 浩太
「まあまあ。今は子供なんだし、仕方ないって」
牧志はあなたの手を取り、あなたをいつものような助手席ではなく、後部座席に案内する。
佐倉 光
「後ろ何も見えなくてつまんない」
素直な感想を吐いたら、子供そのものだった。
仕方ないじゃないか。座高が足りなくて空しか見えないんだ!
佐倉 光
ジュニアシートに乗ってればそこまで酷くはないかなw
KP
ジュニアシートあるしちょっとは外が見えるかも。
佐倉 光
屋根と車の上にニンジャ走らせてよう。
牧志 浩太
牧志は偶にあなたの方を気にしながら、車を走らせてモールへと向かう。
KP
ここで二人とも、【幸運】
佐倉 光
CCB<=75 【幸運】 (1D100<=75) > 5 > 決定的成功/スペシャル
KP
わお! 成長チェックどうぞ。
牧志 浩太
CCB<=60 【幸運】 (1D100<=60) > 17 > 成功
KP
なんと、いつになく信号に恵まれた!
車は軽快にすいすいと走り、あなたが退屈しきるよりも前にモールに到着する。

KP
以前にも行ったショッピングモールの駐車場へと車は滑り込む。
店内に入れば、音と光の群れと人々のざわめき、楽しそうなおもちゃの奏でる音楽や巨大な広告、それから漂うハンバーグのいい匂いがあなたを迎えた。
佐倉 光
「我ながら想像通りですごくアレなんだけど」
牧志 浩太
「だけど?」
佐倉 光
「迷子になりそうだマジで。
誘惑が多すぎる」
牧志 浩太
「ああー……」牧志はあなたの手をちょっと強めに握る。
佐倉 光
丁度今のこちらから見ると、佐倉の立ち絵にいい感じに喋ったときの牧志の絵が重なって、本当に手を繋いでるみたいになってる。
佐倉の身長が高すぎるけど。
KP
ああー、いい。
KP
ではせっかくなのでもう一度アクシデント表行っときましょうか。1d6をどうぞ。
佐倉 光
1d6 (1D6) > 4
KP
お、これはちょうどいいものが。
牧志に手を引かれて店内に踏み出したそのとき、ハンバーグのいい香りがあなたの鼻をくすぐった。
不意に、腹の底が抜けたかと思う程の空腹があなたを襲う。おなかすいた! 空いた!!
【CON】×5をどうぞ。
佐倉 光
CCB<=(6×5) 【CON】 (1D100<=30) > 14 > 成功
KP
あなたは堪らず泣きだしそうになるのを、気合で堪えた! 目元に涙が滲むが、どうにか泣き出してしまうことは避けられた。
佐倉 光
「…………牧志」
牧志 浩太
「あー、腹減ったな……、」何気なく呟いたところに、声をかけられて振り返って。
佐倉 光
「今死ぬほど腹が減ってて割と泣きたくなってる」
牧志 浩太
「え、どうしたんだ、佐倉さん……あー、ああー」あなたの表情を見てびっくりする。
佐倉 光
「ハンバーグ食べたい」
KP
泣きだしたい衝動を堪えるあなたであるが、とにかく空腹が凄い。もう一歩も動けない。無理。
佐倉 光
「あそこのあれ食べないともう動けない。
悪いけどこれは譲れない。
ここで飯にしよう!」
言って指すのはお子様ランチセットだ!
だって玩具がついてるんだぜ!
佐倉 光
何がついてるかとか割とどうでもいい。
なんか貰えるってだけで、ほらなんか、その。
嬉しい。
牧志 浩太
「奇遇だな佐倉さん、俺も腹減った。飯にしよう、そうしよう」
KP
あなた達は連れ立ってレストランに吸い込まれていく。
佐倉 光
そういえば佐倉って交渉キーワードに「わがまま」「気まぐれ」持ってたなー、などと。
KP
ああー、そういえば。ハイピクシーさんのでしたっけ。
佐倉 光
そうなのです。

KP
いつもより大きく見える席に落ち着くと、タブレットで注文。お子様ランチセットだ!
佐倉 光
12歳以下のお子様に限る? 19歳のお子様だけどな! 堂々と頼むぞ。
KP
今のあなたにそれを頼むことを阻むものはない。堂々とポチッだ!
牧志 浩太
牧志はハンバーグ&ステーキご飯セットを頼んだ。
佐倉 光
テーブル高いな。子供椅子持ってくるか。ずるずる。
KP
大きすぎる椅子の代わりに子供椅子に座ると、実にしっくりと馴染んだ。
AIさん
KP
AIさんにお子様ランチを要求したところ、執拗にキャラ弁を出してくる
佐倉 光
キャラ弁出してる人多いのかな。
KP
かもしれない。
それかお子様ランチ概念がローカルなものだから?
佐倉 光
あー、日本独自なんでしたっけね。お子様ランチ。
KP
そうそう。
佐倉 光
二人三脚も向こうには競技としてないのかな? と思った。
訳される先の英語がないと、AIさんが理解してくれない。
KP
ですねぇ。

佐倉 光
「牧志。ある意味怖いことなんだけど」
牧志 浩太
「ん?」
佐倉 光
「俺今すげー楽しい。
お子様ランチセットが楽しみで仕方ない」
牧志 浩太
「……佐倉さん、段々馴染んできてないか?」
佐倉 光
「割と危機感覚えるレベル」
牧志 浩太
「そのうち段々馴染んできて、佐倉さんの記憶を持ったまま精神が子供になっちゃうとか……」
佐倉 光
「なんならお子様ランチについてくるゼリーが何色かとかそういう割とどうでもいいことで喜べる自信ある」
牧志 浩太
「どれでも同じ味のあれだな」
佐倉 光
「分かってんだよ。俺の知識はそんなの全部同じだって言ってんだよ。クソどうでもいいだろうそんなこと、って」
佐倉 光
「どうなんだろうな。そういうの無視して楽しいって気分に浸ってていいのか」
佐倉 光
「割と自己の存在について真剣に悩むレベルだ」
牧志 浩太
「とはいえ、身体がそうなら引っ張られる、ってのはあるのかもしれないしな。本能は案外人間の精神を引っ張るものだって、こないだ実感したし」
佐倉 光
「意外と早く戻らないと危険かもな、この状態」
牧志 浩太
「前の俺みたいに、佐倉さんが佐倉さんってこと忘れて子供になっちゃったら困るしな。あー、でもあの時の俺は忘れてたわけじゃなかったな……」
佐倉 光
「あー、飲み会の時?」
佐倉 光
「ああ、記憶吹っ飛んだときか……」
牧志 浩太
「ああ、そっちじゃなくて……あ、来た」
KP
そんな話をしながら空腹を堪えて待っていると、とうとう……。

というわけで、お子様ランチが来るところで本日は以上です。

おしまい
佐倉 光
はーい
ありがとうございました!
KP
ありがとうございました! 何かと面白くてつい遊んじゃう。
佐倉 光
慌てて一日で描いた割に何とかなったのでうれしい。
KP
表情がくるくる変わって、佐倉さんっぽさとかわいいところが両立していて見てて楽しい。ありがとうございます。
KP
いつもの牧志と子供の佐倉さんが一緒にいるの面白い。
佐倉 光
そして珍しいことに絵柄が統一されてるという。
TRPGでなかなかないぞ!
KP
確かに!! いつも牧志の絵助かってます!
佐倉 光
今「あれ、どっちも私の絵では」って気付いたw
KP
すごい。
佐倉 光
ついつい調子に乗ってコドモムーブしてしまう!
KP
シナリオが真面目に動き出しちゃうとアクシデント表とか子供ムーブで遊びにくくなってくるし、どっちかというとこの辺の子供ムーブで遊ぶのがメインなシナリオっぽいので、ガンガン遊んでいってください私も楽しい。
佐倉 光
ついでに失われた少年時代を取り戻させてもらってるなぁ
KP
佐倉さんの場合、本来経験してない少年時代なんですよね。成程なぁってなる。
佐倉 光
想定してなかった。
KP
こちらもそれは想定してなかった。すごい。
牧志は佐倉さんおんぶしながら、五歳下の妹をおんぶした時のこととか思い出してると思います。
佐倉 光
さすがトリプルお兄ちゃん。
KP
子供になった佐倉さんとトリプルお兄ちゃん、いい組み合わせかもしれない。

佐倉 光
これリアルタイム卓で良かったとは思うんだけど
表情残せないの惜しすぎるな
一長一短!
ココフォリア様ログに立ち絵情報くださいッッッ
KP
そうなんですよね、二人三脚でも思ったけど本当にそれ!! ログに立ち絵情報ください!!
佐倉 光
後で手でつけることはできるんだけど、さすがにログと照らし合わせてはできないから、牧志の分フィーリングになっちゃう。
KP
ですねぇ。編集の仕方がわかれば、こちらが指定して付け直していただくのもありかな?
佐倉 光
編集そちらでもできるんですよね実は。
たしかそういう権限だったはず。
KP
確かそのはず。
こちらが編集して表情入れちゃうのもありかな?
佐倉 光
やっちゃう?
KP
やっちゃう。
佐倉 光
じゃあやるとき一報ください。
編集時間重なるとややこしいことになるし。
KP
あんまりしっかり入れるのは無理かもしれないけど、通常・真顔・苦笑・笑顔くらいは分けたいなーと。

あ、ですね。
では、やるときはお知らせします。
佐倉 光
細かく入れようと思うと今度は「表情全部欲しいな!!」ってなっちゃうからさすがに無理ィ
KP
それは無理ィィ
そんなわけでリアルタイム卓だけど表情変化ついてます。
これ毎回はさすがに無理!!


ひとこと
佐倉 光
目が覚めたら子供になっていた!
でも……脳味噌の中身が変わっていないならまあいいか。


ただの茶番かと思いきや、いつの間にか、
佐倉が経験し損ねていた子供時代を取り戻す話になっているのでした。


CoC『欠落コディペンデント』牧志&佐倉 3

佐倉さんがあの時休むのを嫌がったのは、きっとこんな気持ちだった。

【置】CoC『blood red decadence』Side:B 牧志&佐倉 2

佐倉さんも「こう」なったら、佐倉さんを殺さずに済むかな。

【置】CoC『刻の牢獄』波照間 4

「私の事を覚えている? 波照間さん」

【クトゥルフ神話TRPG】
本作は、「 株式会社アークライト  」及び「株式会社KADOKAWA」が権利を有する『クトゥルフ神話TRPG』の二次創作物です。

Call of Cthulhu is copyright ©1981, 2015, 2019 by Chaosium Inc. ;all rights reserved. Arranged by Arclight Inc.
Call of Cthulhu is a registered trademark of Chaosium Inc.
PUBLISHED BY KADOKAWA CORPORATION 「クトゥルフ神話TRPG」


【置】CoC『けものシッターKPC』 牧志&佐倉

「こんなのそれこそ波照間さんや春日さんのほうが適役だろ!? なんで俺なんだよ!?」

【置】CoC『鬼面夜行』 牧志&佐倉 1

俺が佐倉さんをあんなに壊して、傷つけて、痛めつけたからだ。
殺されてもいい。殺されたくない。

ゆうやけこやけ 第一話『龍の眠る滝』の一

ふたわのもののけ