こちらには
キルキルイキル奇妙な京都
のネタバレがあります。

 一回目 ■■■■■ 2021/9/25 ■■■■■

トーク
渡川 京
こんばんは!
海野 迅
こんばんは
どうしようかなー
掘るの自体は任せるけど、脳内から茶々入れようかな。
渡川 京
はーい
海野 迅
じゃあちょっと掘る前に
海野 迅
いつもの、覚醒ちょっと手前、二人が出会う時間に
なんか食べながら話すか―
渡川 京
お、いいですね
背景変えてもよかです?>覚醒前
海野 迅
あ、どうぞ
いい部屋なかったんだ
渡川 京
じゃあこれで
海野 迅
今日正気度減るって感じじゃないなw
渡川 京
ひととおり話して、最後にダイス振って正気度減る描写してもう時間が少ないんだなーって感じでどうでしょう>ダイスロール
海野 迅
そんな感じでいいかと。

海野 迅
埋葬イベントの少し後、ぐらいでお願いします。
握り飯でも
バカでかいのかじってよう。
渡川 京
その横で不格好な握り飯をかじっている。ふと、思い出したのだ。昔こうやって、おばさんの手伝いという名の遊びで、二人で並んで握り飯を握ったな、と。
それで、キッチンはもうだめだが、米があれば握り飯くらいはできるんじゃないかって、そんな話をして。
その結果だ。
海野 迅
「悪くねぇな。やればやれるもんだ」
贅沢は言えないが、具のバリエーションがない。
渡川 京
「そうか。こっちはだめだった」
海野 迅
「ま、食えるだけいいさ」
渡川 京
「そうだな」ふ、と微笑んだ。
「昔の記憶の中じゃ、最高の握り飯を握れてたんだ。子供の記憶なんてそんなものだな」
海野 迅
「そんなもんだよな」
「俺も最高傑作ができたと思ったやつ、今聴くと酷かったりするよ」
渡川 京
「ああ……、昔の物ってそうだな。絵とかさ」
海野 迅
「意外と面白かったりもするけどな。荒唐無稽すぎて」
「……でだな」
渡川 京
「……どうした?」 ふっ、と言葉を切った様子に、何かを感じ取るのだ。
海野 迅
「前にあれ、埋めたろ。タイムカプセル」
渡川 京
「……、」
海野 迅
「急に、なんつうか、何が入ってたか気になって」
散々、「掘りに行くのは嫌だ」と反対しまくっていたのに、いきなりこれてある。
渡川 京
「どうした、突然。……いや、いいか。そうだな、何を入れたんだっけな、あれ」
海野 迅
「どうせくだんねーもんだとは思うけど」
「なにしろ記憶ザルだから」
渡川 京
迅さん視線が滑ってるのがらしい
渡川 京
「ザルでなくても覚えてないさ、昔の話だ。……行くか?」
海野 迅
「まあなんだ、行ってもいいかなー、と」
渡川 京
どうした、と聞こうとした言葉をすぐに呑み込む。”あの時”、何かあった、何かしたに違いないのだ。迅が。
海野 迅
バレテーラ
実家に連絡とったんだもんな、京。
渡川 京
とったんですよ。
海野 迅
急に帰ってきてなんか探してた、くらいのことは聞いてるんだろうな。
渡川 京
「そうだな、行くか。こういうの、時間を置くと面倒になるしな」
海野 迅
「だな、タイムイズマネー!」
「あ、そんじゃ実行の方任せるから」
「ヨロシク!」
ふざけた様子からは、やはり抵抗があるのか、それともただ面倒なだけなのかはわからないだろう。
両方なのかもしれない。
渡川 京
「任された。土産、要るか?」
海野 迅
「土産かー。なんか駄菓子でも買ってきてくれよ」
「駄菓子屋まだやってたし」
渡川 京
「まだやってたのか? 驚いたな。分かった、300円分買ってくるから楽しみにしてろ」
海野 迅
「せんせー、バナナはおやつに含まれますか」
渡川 京
「バナナは駄菓子屋に売ってない」
海野 迅
「そうだっけぇ?」
海野 迅
あ、曲は都度テキトーに変えますが、なんか流したいのあったら教えてください。
渡川 京
あ、はーい!
海野 迅
「んじゃ、俺は引っ込むから、あと宜しく。おじさんとおばさんにもよろしく……伝えたら変か。まあいいやー」
渡川 京
「まあ、そこは適当にするさ」
海野 迅
ひらひらっと手を振って自室に戻る。
渡川 京
ふう、と一度重い息をついて── そして、身を起こす。部屋の扉に、手をかける。
行こう。いつもの、ちょっとした小旅行だ。今度は、迅も一緒に。
海野 迅
部屋にひっこみはしたが、寝ていない。
もしかすると影響は出るかもしれないが、今日は特別だ。
窓の外に集中して意識を保つ。
渡川 京
ここから移動するので何か旅行っぽいBGMが欲しいです!
海野 迅
すんません今探してました
意外とアクティブ系用意してなかった
渡川 京
いえいえ
渡川 京
──やがて、少しくすんだ色の海が見えてくるだろう。船の上にいるらしい。フェリーだろうか。
向かっているのは、あの海が見える街なのだ。
甲板のへりに肘をついて、京は海を眺めている。
海野 迅
ぼんやりと海が見える。あの日以来海への恐怖は消えた。
風は感じられないが、素直にいい景色だと思えた。
「懐かしいなー」
海野 迅
バイク持ってきてるのかな?
渡川 京
いえす、持参>バイク
東京→山口遠いンな!? ってなって交通手段に悩んでバイク持っていけるってったらフェリーくらいしかないよなってなった
海野 迅
なるほど。いいんじゃないかな、旅行!
渡川 京
「ああ、懐かしいな。岩場で遊んで転んで怪我したり、干潟をさらったりした。崖に迷い込んでこってり絞られた」
どこからか、京の返事が聞こえる。
ライダースジャケット姿で、片手にメット。船を選んだのは、バイクを持ってくるためだったのだろう。
海野 迅
「……あれ、俺の声聞こえてる?」
渡川 京
「ああ、聞いてる。ちょっと頭が痛いが、今日くらいいいだろ」
海野 迅
「まあなんだ、俺も興味があるっつーか?」
頭痛は確かに重い。しかしたまに『二人で旅行』なんてのもいいだろう。
渡川 京
「二人で埋めたタイムカプセルだしな。それに、帰るのも久しぶりなんだ」
「折角だから、二人で帰りたい」
海野 迅
うっかり感情を動かし過ぎて、バイク乗車中に交代! なんて事態にだけはならないようにしよう。
まだうまく乗れないし。
渡川 京
あわてる>乗車中
海野 迅
大変なことになりますよ?
渡川 京
おわおわおわってなっちゃう あぶない
海野 迅
止め方教えてもらってなんとか止めて? って感じになるな。
高速だったら大変だ。
渡川 京
高速だったらアブナイじゃすまない
海野 迅
高速では大人しく寝ます。
渡川 京
笑顔の差分用意しとけばよかったと思う物の描ける自信がない!
海野 迅
イメェジで
渡川 京
そうこうしていると、甲板に人がやってきた。口をつぐみ、海に視線を戻す。
海野 迅
「サンキュ、京」
渡川 京
「いいさ」 その一言だけ言って。
……船は波をかきわけ、進んでいく。
エンジン音と、微かな波の音と、たまに鳥の声。
海野 迅
音もかすかに聞こえる。目を閉じて寝転がっていると、より大きく鮮明に。
渡川 京
たまに京が誰かと話す声が聞こえたり、船室の様子が見えたりもする。
あのときから、京は他人に向けても少し笑うようになった。
海野 迅
「やっぱ自信を持ってりゃ、運やらなんやら後からついてくるもんだって」
何故か自分の事のように嬉しいのだ。
渡川 京
「そんなものかな。……ああ、そんなものかもしれないな」
「そんなものだったのかもしれない」
トーク
海野 迅
こっち山とかヒマワリしか用意してないけど、上陸します?
渡川 京
しますします
海野 迅
あ、道路の方がいいか
渡川 京
あ、そうですな

渡川 京
やがて船が止まり、京はバイクに乗って走りだす。街中を越え、田舎町へと入っていく。
海野 迅
自分も乗っている気分でイメトレをしている。
「……クラッチの切り替えが上手くいかねーんだよなぁ」
乗ると股が痛いし。
渡川 京
「ああ、あれは慣れが要るな。慣れれば何でもないが」独り言の声も、風と排気音がかき消してくれる。
海野 迅
「お、見覚えがある風景」
「あそこだろ、家。前来たときは電車だったからな―、随分見え方が違うもんだ」
言ってから頭痛薬を取りに行く。
渡川 京
「こうやって大きくなってから来ると、随分小さく見えるな。……電車? 家を出てから帰ったこと、あったか?」
海野 迅
「……あー、あったんだよ。随分前に?」
帰りゃばれるんだよな、そういえば。
しくじった。口止めとかしとくべきだったか。
「まー、細かいことは気にすんなって!」
そういえばさっきも駄菓子屋やってたとか口滑らしていたのである。
渡川 京
「そうだな。家も近くなってきたことだし。 ……ああ、あの山だ」あの、と指さすのは、”あの山” だ。
遊びに行った。タイムカプセルを埋めた。そして──
海野 迅
そして……ふたりが一度死んだ場所だ。
渡川 京
きりきりと頭が痛む。頭痛薬── あの病院で処方してもらった鎮痛薬をあおる。
海野 迅
「結構きついな……」
ほんの少し前まではこんな状態で生きていたのに。
「悪いな。もう少しだけ、頼む」
渡川 京
「ああ」
その一瞬、彼の手元にある鎮痛剤の袋が見えるだろう。薬局の薬袋に包まれたそれは、厳重管理するよう注意書きがある。
海野 迅
これじゃこんなことやってるから正気度いかれたみたいだ。
まあ、多分間違ってはいない。
渡川 京
「いいさ。お前と来られて嬉しいんだ。 ──ああ、いい時期に来たな」
目の前には、一面の向日葵畑。
海野 迅
あの時と同じ季節か……ヒマワリ、咲いていた気がするな
海野 迅
……で合ってたっけ。自信ないな。
渡川 京
一面の向日葵畑に埋もれるようにして、二人歩いていったのだ。
その記憶が真実かは分からないが、きっと間違っていない。
道に足を踏み入れると、向日葵は自分の背丈より低かった。ああ、こんなものだ。
帰るって、こんなものだ。
海野 迅
記憶にはほとんど残っていないが、緑と黄色の海に溺れるようにして歩いたような気がする。
今直しているカメラについての話を熱っぽく語る京の手を引きながら。
「このへんだったか?」
10年前の記憶はほとんどないが、あの日に見せられた幻影によれば、山を登る道のすぐ脇だった。
渡川 京
「ああ、確かそのはずだ」
海野 迅
「大体誰視点なんだよ、あの窓の風景」
思わず空にUFOを探してしまう。
「そのでっけー木の裏側あたりじゃなかったか」
渡川 京
「これか? ……ああ、」

これだ。
そう呟いた。今の自分から見ても、巨大な、巨大な木。
手を伸ばす。今の自分が手を伸ばしても、木の太さにずっと届かない。
名前もない、いつからあるのか分からない、木。
海野 迅
「よく登ったなぁ」
渡川 京
「よく来たもんだよな、こんな所まで」
海野 迅
「行方不明騒ぎもいつものことだった……」
「大体の原因は俺だけど、お前もなんか見つけると一直線だったしな」
フローライトを見つけたのも、京だった気がする。
渡川 京
「ああ……、まあそうだな。気になるものを見つけると、止まらなくてさ」
あの石を見つけたのも、たしか俺だった。
海野 迅
二人で行方不明なんていつものこと。
だから発覚が遅れたんだろうな、と思うが、口にはしない。
ま、悪い記憶なんか口にしたっていいことなんかないだろう。
渡川 京
背を丸め、小さなスコップを持ってきて、木の下を掘り返している。
海野 迅
もっとあっちじゃないか、とか好き勝手言ってる。
渡川 京
「そうだったか、いや…… ……ああ、あった」
あっけなく。かつん、と硬いものに当たる音。すっかり錆びた、今からすればだいぶん古めかしいデザインの、クッキーの缶。
海野 迅
「おおー、本当に……これか? こんなんだったかな」
「やべぇなんも覚えてねぇ」
渡川 京
「10年前だとしても古いよな。これ、母さんが裁縫箱に使ってたやつじゃなかったか」
海野 迅
「ああ、京のだったか。道理で」
渡川 京
27年前のノリで描写してしまい誤魔化司祭。
海野 迅
いいんじゃないかな。きっとお母さんが裁縫箱新調したときに譲ってもらったんだ。
この子たちフェルト人形なんて作るのかな? というのはちょっと気になるところではあった。
渡川 京
なんかあんまり作らなそうですよね。お母さんに作ってもらった?
海野 迅
お互いの絵とかならギリ?
またはおばさんにもらった端切れで真似して作ってみたか。
渡川 京
真似したのかわいいなあ
海野 迅
互いの姿を作るってのがまた男の子としては珍しいところではあるな。
渡川 京
「ああ。……ああ、そうだ。この缶、どうしても欲しくてさ。欲しい欲しいって言ってたら、裁縫箱新しいのにしたときにくれて」
「嬉しくてさ、宝物だと思った。だから、宝物に宝物を入れたら最高だと思ってさ」
海野 迅
「ああ、おばさんお裁縫上手だったもんなー、服とかいろいろ作ってくれたな」
渡川 京
「ああ。確か……人形とかも作ってもらってさ。でも、落としてだめにしちまって」
「悔しいから、二人で作ろうって挑戦したんだよな。……さて、開けるぞ。その結果がこの中にある」
海野 迅
「ほんと器用だもんな」
渡川 京
作ってもらった人形がある→だめにしちゃった→くやしい!作る! ってなりました
海野 迅
なるほど!
渡川 京
「ああ」
錆びた缶はぎしぎしと軋みながら、開いていく。
かけられた力が開放された瞬間、ぱこん、と蓋が開いた。
海野 迅
入っているのは、写真と、人形と……
小さなノート……
渡川 京
すっかり色あせた写真のプリントと、石の欠片。小さなフェルトの人形がふたつ。そして、旧い硬貨。──”おじいさん” に貰ったもの。
海野 迅
おじいさんはカメラくれた人かな。
渡川 京
いえす。
海野 迅
「お、俺の分の石だ。ここに入れたのか」
渡川 京
「ああ、そうか……、あれ、これの片割れだったのか」
海野 迅
「お、こっちの部屋にある写真と同じ奴だ」
「本物ここにあったんだな」
渡川 京
「ああ……。……意外と細部違うな、これ。記憶も当てにならないもんだ」
海野 迅
「ああー、ここあくまで記憶の世界だからな」
記憶は美化されるっていうし、リアルで書き換えない方がいいこともあるかもしれないな……
「縫い目がったがただ……思っていたよりはまともだな」
渡川 京
「ああ、確かにな。何か見て分かる」
海野 迅
「そのコインお前が入れたのか」
渡川 京
「ああ。カメラと一緒に貰ったんだ」
海野 迅
「へぇ、初めて見たなぁ」
渡川 京
「海外の硬貨だって聞いて、それだけで嬉しくてさ。……そうやって話すじいちゃんの声も、好きだったな」
海野 迅
「どこのやつなんだ?」
渡川 京
「……覚えてないな。後で調べてみるか」
海野 迅
会ったことあるかな、おじいさん。
そういえば、優しそうなおじいさんとは何度か話したことがある。
いつもごっついカメラを持ち歩いていて……。
「この写真撮ってくれたのおじいさんじゃなかったっけな」
海野 迅
おじいさんご存命だっけ?
情報無かった。
渡川 京
本編中で決めてなかったと思うので、小さいころは存命で今はもう生きてないくらいかしら、と思ってます
海野 迅
りょうかーい
渡川 京
「……」少し目を閉じて、思い出そうとする。
「ああ……、そうだ、そうだったな。撮ってくれた。何度言っても二人ともすぐに動くから辟易してて、でも嬉しそうだった」
海野 迅
「小学生は変顔するもんなの」
渡川 京
「まあそうだな。子供を止めておくのは無理な話だ」
京も京で、気がつくと画面外へ走っていってしまうのだ。
海野 迅
「いい写真だな……」
そんな状況なのに奇跡的に二人ともこっちを見てとびきりの笑顔なのだ。
目もちゃんと開いてる!
渡川 京
「……ああ」写真の中の二人を、静かに見つめている。
海野 迅
「……で、俺はノートか。何書いてたっけ?」
ちょっと開けてみて、そっ閉じする。
あっ、いるかのような行動取っちゃった。いまのなし。
渡川 京
一度目を閉じて、それから、ノートを開く。
海野 迅
ノートの中身は、どっかで聞いたことのあるフレーズとこっぱずかしい内容の歌詞が綴られたものだ。
「あ」
中にはおそらく、ヒーローものっぽい歌詞や、ただただバカなものなど。
渡川 京
「……迅の歌だ」
海野 迅
「見なかったことにして埋め直してくれ」
もしそれでも見てみるなら、京と二人で歌詞を考えたものがひとつふたつあることに気づくかも知れない。
「人には黒歴史ってものがあるのだ」
渡川 京
「もう見たからな。……それに、俺と一緒に考えたやつだろ、これ」
「歌ってくれただろ。覚えてるんだ」
海野 迅
「……あ、そういや……そんなこともあったっけ」
「記憶力いいな」
「……持って帰ってみるか」
渡川 京
「ああ、そうしよう」
海野 迅
「一応俺の処女作ノートだし……」
渡川 京
記憶を辿り、小さくその歌を口ずさむ。途切れ途切れの、壊れたオルゴールのようなメロディは、どこか懐かしさのようなものを感じさせた。
海野 迅
「ってなんでそこまで覚えてんだよ恥ずかしいからやめろって」
渡川 京
「諦めろ。印象に残る記憶ってのはあるもんだ」
渡川 京
”京” が持っている記憶は、迅が忘れていたものに過ぎないのかもしれないが。あるいは、そうではないのかもしれないが。
海野 迅
そうだよなぁ。京が覚えてるなら迅の記憶でもあるはずなんだ。
渡川 京
なんですよね。京が覚えてる記憶は迅さんの記憶。
海野 迅
京が言ったとおり、印象的かどうかで二人活性化するシナプスが違うのでしょう。
渡川 京
ですな。どの記憶がよく思い出されるかが違うんでしょうね。
海野 迅
「そんな気に入ったんなら、まあ、良かった……のか?」
「……」
頭痛がそろそろ耐えがたいほどになっている。
渡川 京
「……帰ろう。戻ったらあっちで、話の続きをすればいいさ」
海野 迅
「ああ、悪いな。しばらく寝るわ……」
あまりの頭痛に目玉が飛び出そうだ。
奥の部屋からいつもよりも多い崩壊の音が聞こえてくる。
少し無理をしすぎた。しかし後悔はない。
渡川 京
その音を頭の中でかすかに聞きながら、眼下に見える一面の向日葵畑を、その前に揺れる木の葉を、静かに眺めている。
最後は、これを見ながら迎えたい。
宝物を詰めたタイムカプセルのように、好きなものを集めた風景の前で、迅と歌っていられたら。
そうしたら。
きっと、それでいい。
トーク
海野 迅
限界が来たらまたここに来ますか。
渡川 京
そうしましょう>限界が来たら
海野 迅
ダイスどっちが振ろうかー。
6D振って小さかった人が振るとか。
渡川 京
お、そうしましょう>小さかった人
海野 迅
それじゃ帰宅しながら振りますかッ
渡川 京
いえす!
海野 迅
1d6 (1D6) > 1
海野 迅
おっと
渡川 京
1d6 (1D6) > 3
渡川 京
どうぞ

海野 迅
ガンバレ私のダイス。
海野 迅
1d10 (1D10) > 8
渡川 京
結構減りましたな
[ 渡川 京 ] > SAN : 31 → 23
海野 迅
すまぬ…すまぬ…
[ 海野 迅 ] > SAN : 31 → 23
渡川 京
いえいえ いずれは終わるもの
だいぶん無理をしたからこそこうなったのかもしれない。
海野 迅
そうだねぇ……
きっと覚醒状態で常に二人の人格で会話なんて相当な無茶なんだ。
渡川 京
相当な無茶であることを分かっていて、それでも二人でこの場所に来たかった。
海野 迅
そうそう。
海野 迅
洗面所の奥あたりで天井が落ちる音がしたかも知れない。
渡川 京
同時に、京が鎮痛剤の袋を乱暴に探り、錠剤を取り出す音がその空間に響いただろう。
記憶が意識の底でまた崩れていく感覚。なにか、またひとつ忘れたような。
──それでも、この時間の記憶だけは、ずっと握りしめ続けるのだ。
”ひさしぶりに山口へ帰った” ”あの山に登って、迅と二人でタイムカプセルを開けた” ”迅と一緒に、あそこに行けて、よかった”

”一面の向日葵畑が、綺麗だった”

日記に書かれた文章の下に、一面の向日葵畑と巨木を写した、一枚の写真。
”渡川京、海野迅 ── 二十二歳、夏”
トーク
海野 迅
いいなぁ、日記。
綺麗だからこれで締めでもいいかも。
渡川 京
ですな これでしめましょうか~
海野 迅
ありがとうございました!
渡川 京
こちらこそ、ありがとうございました! 来月も同じような会話シーンやりたいです
海野 迅
いいですねー。次回もなんか考えよう。
ひまわり見て死にたいなら、一年生き延びないとなー
渡川 京
ですねえ 一年か~
海野 迅
ダイスが2とか3でデレつづけてくれれば何とか。
なかなか大変だな。
渡川 京
二人の終わりはどの季節になるのか
海野 迅
秋なら秋でコスモス見ればいいし、冬ならダイヤモンドダストでもオーロラでも見ればいいし、春なら桜吹雪に埋もれればいい。
その時綺麗なもの見に行こう。
渡川 京
あああ、冬にオーロラ見に行くのいいなあ

 二回目 ■■■■■ 2021/10/22 ■■■■■

トーク
渡川 京
美しい……>背景
海野 迅
秋 釣り でググッだら出たヤツです。
渡川 京
ああっなるほど こんなとこで釣り したいなあ

海野 迅
ある日からいきなり、家にAmazonの荷物がドカドカ届き始めるだろう。
渡川 京
何だこれ? と部屋に運び込む。一応、勝手に開封はしない。
海野 迅
妙に長い包みや、馬鹿でかいハコや、小さな封筒など。
その日に中身について訊くなら、なんとなく誤魔化される。
荷物には「電気製品」とかいう、胡散臭い物を買うときに書かれる品名が書かれている。
渡川 京
電気製品wwww 
海野 迅
そんな長い電気製品があるか。
どうなんだろ、ロッドってどのくらいのコンパクトさで届くんだろw
渡川 京
ポータブルクレーンとかかもしれん(電気製品?)
ロッドか~~~ 先端はたためるにしても、どうしてもそこそこの長さにはなりそう
海野 迅
電気製品……かなぁ。
渡川 京
強く追及はしないだろう。人には誰しも秘密がある。自分たちなら、なおのこと。
海野 迅
それと、突然、「10月23日開けとけ」とカレンダーにメモが追加されている。
渡川 京
なおのこと、秘密を置けるスペースを、保っておきたい。
そこまで思って、カレンダーにメモを見つける。
いつものように迅が何かに使うのかと思って、素直に予定を開ける。
海野 迅
では、翌日にはAmazonのハコはラベルも剥がされて中身は消え失せ、ヒモで纏められていることであろう。
渡川 京
その箱をいつものように、古雑誌と一緒に古紙回収BOXへ。
海野 迅
荷物二人分はバイクじゃ辛いよなぁ。
一人分かな。
渡川 京
一人分なんじゃないですかね。独特な荷物がなければ、一人分で済むはずだし。
海野 迅
では22日「明日ちょっと遠出する予定だから」と言って早めに消えてしまう。
渡川 京
そうかと頷いて、LINEで友人と喋っていたのを切り上げ、こちらも少し早寝する。遠出するというなら、寝不足にするのも悪い。
海野 迅
じゃあねー、京君が次の日目覚めると、迅がめちゃくちゃ焦っている感じになっていることが感じられるだろう。
どうやら屋外に居るようだ。
渡川 京
「……? どうした」 眠そうにしながら、迅に呼びかける。
海野 迅
「クソ、京が起きちま……ああ、おはよ」
「あークソクソ、間に合わなかったか」
渡川 京
「悪い、何かしてるならもうひと眠りしてくるが」
海野 迅
しばらく無言で思案している雰囲気。
「あー、いや、かえって助かったと思うべきか」
外に意識を向けるならば、謎の荷物満載のバイクの横で、新品のライダースーツ姿の迅が途方に暮れている。
渡川 京
「遠出するって言ってたな。その荷物か?」
海野 迅
「うー、そう。着いてから気づいて欲しかった」
「いやそれどころじゃねぇ。バイクのエンジンがかからん。どうしたらいいんだ」
渡川 京
かわいい
海野 迅
多分始めたばかりだから、ちょっと手順ヘンとか、おかしいクセついてるとか、そんなやつ。
京ならさくっとかかるやつだよ。
渡川 京
「何だそれ、サプライズか何かみたいだな。分かった、見てみる」今日は誕生日か何かだっただろうか。思いながら迅と交代。
海野 迅
交代。
海野 迅
乗っけてって貰えるなら行き先伝えておくかな。
海野 迅
「あークソクソ、ドヤ顔する予定だったのに」
渡川 京
慣れた手順でクラッチを握り、ニュートラルを確認。キーを回して、最後にセルスタート……と、確かにかかりにくい。チョークを引く。
「最近寒いからな、それで掛かりにくかったんだろう」
渡川 京
劇中でも突然の冷え込み。
海野 迅
最近急に寒いからなぁ。うち家族全員風邪引きましたわ。
渡川 京
なんと それは災難 お大事に
ほんとストーーンと急に冷え込んだんですよね
海野 迅
症状はあるのに元気な子供二人に仕事の邪魔をされまくるというシンドイ一週間でございました。
渡川 京
お疲れさまです……
海野 迅
「おー、鮮やかだな。20分は頑張ってたんだぜ」
どうやら出先で休憩中に立ち往生したらしい。ここは道路沿いのコンビニだ。
渡川 京
「もう少し早く言ってくれてもよかったのに。まあだが、粘る気持ちは分かる」周囲を見回せば、冷たい風が吹いてきて体が震えた。なるほど、寒い。少し標高があるのかもしれない。
海野 迅
「よし、じゃあこっから先頼む! 地図はナビに入ってるから」
ハンドルに固定されたスマホケースのスマホには、谷川へ向かうルートが示されている。
「たまには山もいいかと思ってさ」
渡川 京
「ああ、いいな。登り切った瞬間の眺めが好きだ」
ちらりとナビを見れば、渓流と、下流には大きな湖があるようだ。どちらも美しいだろう。
海野 迅
「お前海よく行ってるだろ?」
走り出したバイクの上で、眠る気はないらしい迅が話しかける。
「そんときに見かけて、なんかやってみたくなってさぁ」
どうやらバイクのイメトレ中らしい。
海野 迅
実際走っている人と一体になって練習できるって最高の環境だな。
頭痛するけど。
渡川 京
「やってみたくなった?」僅かに走った頭痛を黙殺。錠剤をひとつ口へ。
海野 迅
こういう機会になるとよく目にする錠剤。
すまないな、という気持ちはある。
「もうバレたし、まあ、いいか。釣りだよ釣り。今最高の季節らしいからさ」
「一度やってみたかったんだ」
渡川 京
「ああ……、いいな。俺もやったことがない」
海野 迅
「やっぱアユとか? イワナとか? 今なら割とヘタクソでも釣れて楽しいらしいぞ」
到着まで負担をかけないように少し喋ったり意識を外に向けるのをやめよう……
渡川 京
「イワナか、いいな。渓流と言えば真っ先に浮かぶ」たまに顔をしかめながら、それでも迅さんの声を聞いて楽しそうにする。
海野 迅
湖ならマスもいいなーとかいいながら、現地へ。
どうしようかな。交代挟みながら渓流~湖かな。
渡川 京
「上流から下っていくか」
海野 迅
「いいね、湖まで一気に制覇するぞ」
バイクに積まれているのは新しいアイスボックスやらロッドやらルアーにミルワーム。
やる気は満々である。
到着したら京には休んでいてもらって、頭痛に顔をしかめつつ道具の準備をしよう。
渡川 京
ありがとう、と一言言って眠りに落ちる。起きたら準備が出来ているなんて、それこそ小さい頃の誕生日パーティのようだ。
あの時は確か迅も一緒にいたような気がする。よく一緒に遊んでいたから、迅と、あと迅のお姉さんも一緒に。
海野 迅
おねーちゃんの話題が!
※『奇妙な京都』にPCとして参加している神谷 舞のこと
渡川 京
それはもう!せっかくだから
海野 迅
「こうか! よし、なんとか組み上がった」
京が起きるまで、『初めての釣り』を見ながら少し釣るぞ!
楽しいことをしていれば気が紛れる。頭痛もさほどでも……やっぱり痛い。
収穫をドヤるべく、しばらく頑張る。
choice(いっぱい釣れた,そこそこ,ぜんぜん) (choice(いっぱい釣れた,そこそこ,ぜんぜん)) > ぜんぜん
くそ。
「おっかしーなー、この季節坊主はないって聞いてたのに……」
海野 迅
いけねぇそろそろお時間だ。なんか前置き長くなっちゃってごめんなさい。
渡川 京
いえいえ。この時点ですでに楽しい。
渡川 京
「……ああ、準備できたのか。ありがとう」暫くして目を覚まして、迅が既にしばらく釣っていたことは知らない。
海野 迅
「あ? ああ、準備できたぞ!!」
空になっているミルワームの袋をないないする。
持ってきたのはルアーだけだから!
渡川 京
迅と交代して、釣り糸をたれてみる。
choice(いっぱい釣れた,そこそこ,ぜんぜん) (choice(いっぱい釣れた,そこそこ,ぜんぜん)) > ぜんぜん
海野 迅
おいwww
渡川 京
「…………難しいな」
ないないしようとした袋を発見。何だ、迅も一緒か。
海野 迅
「ああ……うん、難しいな」
少しばつが悪そうに。
「湖に行ってみようぜ。やっぱ山はいまいち相性良くねぇ」
渡川 京
「ああ、そうだな。──楽しいな。迅」遠く下っていく道を眺めながら、どこか遠い目をして。
海野 迅
こんなことをしていると、幼い頃の記憶を思い出す。
いつまでもいつまでも続くと思っていた日々のことを。
いや、過去よりも、きっと今こそが。
「楽しいな」
渡川 京
「ああ」
海野 迅
「よし、湖でもうひと勝負だ。マスやらフナならここの奴らほどツメたくはないだろ」
渡川 京
「全くだ。今度もボウズだったら……、諦めて、道の駅で何か食べよう」ちゃっかりと、ナビの画面にはチェック済みの印がついている。
海野 迅
「さすが慣れてんな」
心の底からその準備の良さを賞賛。
よし、勝負だ。いっぱい釣れた方がSAN振ろうぜ!
渡川 京
「ああいうのを巡るのは嫌いじゃない」釣れたほうなの!? 勝負だ!
海野 迅
同じだったら、前回のヤツで……
choice(いっぱい釣れた,そこそこ,残念やはり坊主だ) (choice(いっぱい釣れた,そこそこ,残念やはり坊主だ)) > そこそこ
渡川 京
choice(いっぱい釣れた,そこそこ,残念やはり坊主だ) (choice(いっぱい釣れた,そこそこ,残念やはり坊主だ)) > いっぱい釣れた
海野 迅
くっっっそ負けた!
「ニジマスって食えるんだよなたしか」京のよりはちっちゃいけど。
渡川 京
「釣り堀の常連だな」
海野 迅
「お前ってホント、何でもそつなくこなすな……」
おかしい。そんなに器用には見えないのに。
機械も魔法のように直っているのが本当に不思議だ。
渡川 京
「今回は運だよ。次来たときは、迅の方が釣れるさ」
── 次。次があるかなど分からないのを承知の上で、そんなことを言う。
海野 迅
「才能、ってヤツなのかぁ……」
たまに、京は自分の中から生まれた幻などではなく、本当に京なのではないのかと思うことがある。
京が京なのは疑うことはないのだが……
どう考えても自分には無理なものを持っているのだ。
「そうだな……今度は負けねぇからな!」
海野 迅
そろそろふって終わりましょうか? お時間過ぎてるし。
渡川 京
ですなですな 1行RPして振ります
渡川 京
「ああ、今度な」
その眼は遠く、微かに口から歌が漏れた。
── そんな、ある日の秋。
1d10 (1D10) > 4
海野 迅
よしよしまだいける
[ 海野 迅 ] > SAN : 23 → 19
渡川 京
いけるいける
[ 渡川 京 ] > SAN : 23 → 19
トーク
海野 迅
長々とありがとうございました。
渡川 京
こちらこそありがとうございました! やっぱり楽しい!!
海野 迅
楽しいなー
今年はなんとか越せそうだ。
ではでは、また来月よろしくお願いします。
渡川 京
またよろしくお願いします!