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こちらには『忌胎』
『ヒナドリ・イングレイヴド』
ネタバレがあります。
また、かなり大きな改変がありますので、
プレイ参考にはしないでください。

本編見る!
KP
駅前の喫茶店は、あの時と同じように人でごった返していた。珈琲の柔らかくも苦い香りが、あなた達を迎える。
注文カウンターの上に定番のモーニングと、「限定メニュー!」と書かれたPOPが躍っている。
◎SNSで話題沸騰!  大人気メニュー☆
エディブル・フラワーの蜂蜜酒漬け
深海蛸のもちもちバーガー
空飛ぶ蛇のカリカリ揚げ
黒い仔ヤギのあったかシチュー
牧志 浩太
「……三番目は無し、いや逆にアリか?」
よりによってそんなメニューに遭わなくても……と、牧志が苦笑する。
KP
「そんなメニュー」はシナリオに元々あるやつなので全くの偶然です。
佐倉 光
「朝からいろいろな意味でトバしてるメニューだな。
なんかのコラボメニューか?」
牧志 浩太
「じゃないか? あ、大人気スマホゲームとのコラボだってさ」

このゲーム知らないなー、と言いながら牧志はメニューを眺める。
牧志視点(ネタバレ)
平行世界の牧志
こんなゲームあったっけ?
やっぱり、俺と佐倉さんとその周囲はほぼ同じでも、それ以外は微妙に違うな。

佐倉 光
「空飛ぶ蛇って、あの体平たくしてグライダーみたいに飛ぶ奴?
……ケツァルコアトル?」
蛇食おう蛇。ただの蛇に恨みはないが、無性に蛇が食べたい。噛み締めて粉々にして飲み下したい。
シチューもいいな。職業的に。
牧志 浩太
「ケツァルコアトル食うのすごいな。
よし、それにしよう」

あなたの眼に覗いた感情に気づいたのかもしれない。
蛇食べるってのもいいよな、に方針転換したようだ。
KP
彼はドリンクメニューに視線を移す。
喫茶店らしくブレンドコーヒー、スペシャリティコーヒー、カフェラテ、カプチーノなど様々なコーヒーメニューが並ぶほか、紅茶の種類も豊富だ。

ただハーブティーの類はなく、牧志があのとき「選択肢がない」と言った理由が分かるメニュー構成でもある。
辛うじてカフェインレスコーヒーはあった。
佐倉 光
そういえばあの時はカフェインレスコーヒー飲んでたなぁ。

色々なことを思い出す。
追手に怯えて、どこへ行ったらいいかも分からずもがいていた。
もがいていたのは牧志で、俺はいないも同然で、ただただ金魚のフンしてただけだけど。
佐倉 光
頭をすっきりさせるために苦味の強い味にしよう。
ぴりっと苦いマンデリンだ。
佐倉 光
中の人はブラジル、マンデリン、モカマタリなんかが好きです。Nespressoのおかげでフレーバーコーヒーも好きになってきた。
KP
いいですよね。こちらもマンデリンは割と何にでも合わせられて好き。
フレーバーコーヒーはバニラが好きだなぁ。
牧志 浩太
「やっぱり選択肢がないな。
そういえば、前に来たときに初めて飲んだんだ、コーヒー」
そう言いながら、柔らかい香りを漂わせるカフェインレスコーヒーに口をつける。
牧志視点(ネタバレ)
平行世界の牧志
あの時初めて飲んだんだよな、コーヒー。
ハーブティーといい、ほぼ麦茶しか飲まなかった俺の飲み物の選択肢が、佐倉さんと友達になってから随分広がった。

先輩の記憶で、酒をゆっくり楽しむ感覚を知ったのもある。酒以外にもその感覚を広げていったら、案外楽しかったって感じだ。

KP
経験したことの影響で、麦茶しか飲まなかった牧志の飲み物範囲が色々広がってる。
佐倉 光
「そういえば、前お前の体で飲んだときはひどい目に遭った。
今度そういう機会があったらカフェインレスにしよう」
自覚できればね。
牧志 浩太
「ああ、あの時か。
あの時も今思えば不思議な体験だったよな、俺が佐倉さんになってさ……」
牧志視点(ネタバレ)
平行世界の牧志
ずっと、ずっと昔のことのはずなのに、今もつい最近のように覚えてる。
あれからの記憶は苦しくて曖昧で、こんな時間の方がずっと鮮明だ。

ああ、泣きそうだ。だめだ、泣いたら佐倉さんに気づかれる。
いつもの俺で、この時間の中の俺でいなきゃ。

佐倉 光
まずは食事を楽しもう。
とにかく牧志が元気になったのは良いことだ。
牧志視点(ネタバレ)
平行世界の牧志
今のうちに、“俺”の日記帳を読んでおこう。
この世界の俺は、俺に一番近い。でも、俺がここに来てからの十日間だけは違う。
その間の話を振られた時に、返せるようにしておかないと。

牧志 浩太
「うわ、我ながらすごく錯乱してるな」
彼は料理を待つ間、自分の日記帳をぱらぱらとめくり、苦笑した。
佐倉 光
「錯乱してただけ、か」
それには特にコメントしない。食事は楽しくしたいんだ。
佐倉 光
「悪いな、勝手に色々見ちまった。
非常事態だと思ったし」
日記見たこととか謝っとこうね!
牧志 浩太
「ああ、いいよ。
慌てさせちゃったの、俺の方だし」
色々助かった、と牧志は礼で返してきた。
KP
やってきた料理は厚みのあるチップスのような揚げ物だった。衣に包まれていて、本当に蛇なのか鶏肉なのかよくわからない。
爽やかなソースのかかった、玉ねぎとベビーリーフのサラダがついている。
佐倉 光
「さすがに本物の蛇ってことはないだろうけど。ササミだよなぁ」
それでも何となく注意深く食べてしまう。
さすがに揚げ物とサラダだけじゃなんだし、通常のモーニングも頼んどこう。
あの時と見える風景が似ている。
今の俺は一人で途方に暮れている訳じゃない。だけど情報が足りないのはあの時と同じだ。
牧志視点(ネタバレ)
平行世界の牧志
瑞々しい葉をつまんで口に入れると、口の中でさくりと水気が弾けた。
ぱさぱさとした葉の欠片が口の中で踊る。懐かしい感覚だった。

もうずっと昔に、その味も匂いも分からなくなっている。
この身体の感覚は脊椎の中を這い、脳に絡みつく「俺」に支配されていて、「俺」にとって都合のいいものを快と感じ、都合のいいものだけを処理するようになっている。

ああ、後で吐かないとな、これ。吐きたくないな。

牧志 浩太
「だよな、多分。カエルとかなら飲み屋でちょくちょく見るけど」
ちょっと入れたら腹が減ってくるな、と言いつつ、盛大にやらかした後だから用心しているのか、牧志はご飯物を頼まなかった。
牧志視点(ネタバレ)
平行世界の牧志
揚げ物をつまむ佐倉さんを見ていると、ふと思い出が疼いてご飯が食べたくなった。
吐く量が増えたらトイレを詰まらせてしまうから、やめておいた。あの細かい粒はたまに蟲に見える。

KP
最初に頼んだ揚げ物とサラダが空になったころ、すぐ横の席に二人組の高校生が座ってきた。ひっきりなしに喋っていて、迷惑なほどではないが騒がしい。

その声を聞くともなしに聞いていると、
牧志 浩太
「あ、俺トイレ」
すっかり空になった皿を残して、牧志がゆっくりと立ち上がった。
牧志視点(ネタバレ)
KP
あなたは薄暗い中でもがいていた。

あなたが息を吸い、吐く度に、それが胎の中で蠢く。
それはあなたの一部になったようにすら感じられるのに、決してあなたの思うようにはならなかった。
牧志 浩太
首を巡らせ、辺りを見回す。
ここはどこだ。出られそうな場所はないか。あいつはまだいるのか。
KP
その動きにさえ悍ましい蠢動がついてきた。
辺りは何もないコンクリートのフロアで、廃ビルか何かだろうか。
高い位置の割れた窓から、外の光が射してくる。
また、少し向こうの壁に扉が一つ見えた。
牧志 浩太
その扉に向かって這いずる。合わせて、床に手足の拘束を擦りつけて、それを切ろうとする。
KP
あなたは扉を目指して、手足を擦りつけながら芋虫のように這いずる。
絶え間ない痛みを伴いながら蠢く腹の重さが、まともに休めていない身体の疲れがあなたの身体をより重くし、扉を遥か彼方に見せた。

佐倉 光
荷物があれば見ておくが。
なければ少し間を置いて自分もトイレに行くかな、上着だけ置いて。
KP
ポーチだけだから荷物はない。
トイレに行こうとすると、ふと横で喋る高校生たちの会話が聞こえてきた。

「ねぇあれ聞いた? A組のさ、山田の話!
え、何かあったの?」
「お前知らないの? 人間の、それも自分の親の死体を食ってたって話。」
「ええぇー、何それヤバくない?」

聞く? そのままトイレに行く?
佐倉 光
異変か。聞いておこう。
本業に近しい話に聞こえる。
立つのをやめて水をすする。
KP
あなたは立ち上がるのをやめ、横で水をすする。
横で悪魔使いが聞いていることなど知らず、彼らは喋りだす。

「山田、しばらくガッコ来てなかったじゃん」
「なかったなかった」
「そうそう、そんでおかしいよなって話になって、クラスの何人かで家に行ったんだって。そしたら……」
「ちょっと、タメないでよ。早く言って」

「そしたら、中からスゲェ臭いがして。
入ってみてみたら、山田の親が死んでたんだってよ!
それだけじゃなくて、死体に歯型とか嚙み切った跡がめっちゃついてて、山田に聞いたら『お腹が空いてたから食べた』って答えたんだって!」

片方が早口で言い切った後、その場に暫く、気まずい沈黙が落ちた。
だが、あなたの関心を引いたのは、きっとその次に出てきた言葉だっただろう。
「ちょっと……、それ、マジの話? え、ヤバくない? 山田くん、どーなったのさ。てか、なんで親死んでたの? まさか……」

「いや、それもまたキショイ話でさ。腹が裂けて死んでたんだって。しかも、内側から!
何かが腹を突き破ったみたいだったって言ってた。
あーあと、山田は警察に保護されたってのは聞いたけど、そっからは知らねぇー」

「そ、そうだよね。センセーとかも教えてくれるわけないもんね。というか、ご飯食べる前にそんな話、しないでよ!
あーもう、早くなんか頼もうよ」
「おう、っつかテストベンキョー怠ぃよなぁ。こんなヤベェ話あんのに中止になんねぇの、それこそヤバくね?
あーあ、またどっかに隕石でも落ちねぇかなー」

彼らは凄惨な話題を口に上らせたにも関わらず、そこからさっさと話題を変えて他愛ない話を始めた。
佐倉 光
やだ、メガテン臭い事件が起きてる。
KP
そうなのです。佐倉さんの本業レーダーが反応する!
せっかく日常で気分が上向いてきたのにね。
佐倉 光
腹が、裂けた?
腹が裂けて死んだ人間の子供が、その死体を食った?

寄生生物。

ぱっと思い浮かんだ言葉は、やはり昨日から今朝にかけての出来事のせいだ。

ああくそ、もっと語れよ。
山田についてもっとくわしく!!
普段と様子違ったのかとか、前後に変なことはなかったのかとか……
佐倉 光
「その話マジですか?
詳しく聞きたいんですけど。あ、僕オカルトライターで」
高校生たちに声をかける。
話が聞けなくとも、学校が分かれば調べることができるかもしれない。
話が聞けないようならネットで噂話検索しよう。
佐倉 光
とはいえだいたいこういう情報って話しかけること想定されてないよね、などと思ってしまう中の人である。
普段こういう情報収集ではオカルトライターってことにしている。
KP
なんですよね。でもそう言われると話しかけるルートをつい生やしてしまう中の人。
とはいえ突然話に割り込まれて一瞬ヒいちゃう高校生達でもありました。
佐倉 光
こういう描写盛ってると、ついやろうと思っていた調査忘れるんだよな!!
KP
わかる!!
でもこういう描写楽しい
KP
「え、なに」
突然話に割り込まれた高校生たちは、ちょっと驚いて…… というか、引いた様子であなたを見る。

彼らの学校を推定しようとするなら、【知識】で判定。
佐倉 光
1d100 95 【知識】!  ☆ささぼっと☆ 1d100→63→成功
KP
彼らは私服姿だが、片方のブラウスに校章のピンがついたままになっていた。近所の高校だ。

あなたが詳しく話を聞こうとしたとき、
牧志 浩太
「ただいま、お待たせ」
牧志が戻ってきた。
牧志 浩太
「この後どうする? 映画? カラオケ? ゲーセンで前やった対戦ゲーやるのもいいかな」
彼は嬉しそうに言う。
しょう来のゆめ
佐倉 光
牧志に夢のこと話して意見を聞く
異常行動を取った高校生について調べる

なんか一行目、進路相談みたいだな。
KP
進路相談みたいだなで笑ってしまった
佐倉さんが子供のままだったら、進路書く紙を家に持って帰ってくる佐倉さんがいたかもしれない
佐倉 光
「しょう来のゆめは、悪ましょうかんしになって、全部の悪まや、かいいを支はいすることです……」(習ってない字書けない縛りめんどくせぇ)

「牧志ー、この内容ダメ出し食らったんだけど、小学生の夢としてはアリじゃないの?  仮面ライダーになりたいとどこが違うんだよ」
猫被れてないぞ佐倉……
KP
「やっぱりダークサイドはだめなんじゃないか? 悪魔とか支配は教室の後ろに貼れなさそうだし」猫被れてないなー、なんて思いながら持ち帰り仕事やってる牧志。

佐倉 光
話して良いのかなーこれー
気絶した後の事話すかどうかを悩むなー

佐倉 光
「ああ、お帰り」

高校生たちにもっと詳しく話を聞きたいところだったが、
さっきの話しぶりだとあまり詳しい話は出てこないかも知れない。
高校生たちに愛想笑いをする。
佐倉 光
「ああ、邪魔してごめんなさい。連れが来たので失礼します」
佐倉 光
後で高校名入れて検索するなりしてみよう。
それだけ異様なことがあったなら何かかにか情報が出てくるかも知れない。
佐倉 光
牧志に夢の話とかしておきたかったな。
佐倉 光
「カラオケ行くか。ストレス発散しようぜ」
牧志 浩太
「いいな! 思いっきり歌おう」

KP
朝から昼に差し掛かろうとしている時間帯。穏やかな陽の光に目を細めながら、彼は喫茶店の外に出る。

駅前は今日も賑やかで、あなた達に何があろうと、ひとりの少年とその親に何が起きようと、変わらずに時を流していく。

少し歩くと、派手な看板を掲げたカラオケ店がすぐに見つかった。どうやら待たずに入れそうである。
牧志視点(ネタバレ)
KP
あなたは薄暗い中でもがいていた。
身じろぎする度に襲う不快感と痛み、圧迫感に喉を酸っぱい物がせり上がる。
胎の中に無数の蟲が一杯に詰まって、胃液すら入る隙がないかのような感覚。
牧志 浩太
「っ、ぶ、」
牧志 浩太
身じろぎする度に、体内の動きが激しくなるように感じた。
一瞬迷う、動かない方がいいのか。でも、あいつは俺を殺すつもりだった。
直接手を下せないだけだ。窒息とかで死ぬと都合が悪いから、口を塞がなかっただけだ。

あの眼には殺意があった。

このまま雛に喰われて死ねって、嫌だ、腹を食い破られて死ぬなんて、嫌だ。

あいつ俺と入れ替わる気だった。入れ替わって、佐倉さん達に何をするつもりなんだ。

ここを、出ないと。

佐倉 光
くそ、すっきりしないのが気持ち悪い。
牧志はいつも通りだ。
変な夢なんかに惑わされている俺の方がどうかしているんじゃないのか。

あの日記は全部痛みから来る妄想と悪夢で、俺はそれに影響されただけだっていうのか?

話したいのも勿論だが、この一週間で大分ストレスを貯めていた自覚があるので、二時間ほど部屋を確保する。
KP
部屋はすんなりと確保できた。
ドリンクも飲み放題で、牧志は見たことのないジュースに挑戦してみている。

辺りから聞こえる誰かの歌い声、アップテンポな音楽があなたを歌いたい気分にさせるだろう。

【幸運】で判定。
佐倉 光
1d100 75 【幸運】 ☆ささぼっと☆ 1d100→1→決定的成功クリティカル)!
KP
ドリンクを持って、番号をたよりに扉を開ける。
あなた達は唖然とするだろう。

そこは巨大なパーティールームだったのだ!

十数人は入れそうな大きな部屋に巨大なモニター。輝くミラーボールにスタンドマイク。他のルームよりふかふかのソファ。
牧志 浩太
「えっ、え、間違ってないよな?」
牧志が部屋番号を二度見する。部屋番号は合っていた。どうやら、人数の少ない客が多く、最後に空いていたのがここだったらしい。
牧志はその事実を知ると、満面の笑みを浮かべて室内に駆け出す。
牧志 浩太
「佐倉さん、すごい! すごいな! うわ、こんな所二人で貸し切るなんて初めてだ」
KP
※出目によって部屋の広い狭いが決まるダイスでした
佐倉 光
「……すげーな。宴会できるじゃん」

うわー、ステージがある。
盛り上げグッズの数も多い。
タンバリンにカスタネットに……間抜けな顔の楽器もあるな。
佐倉 光
「てかこんな部屋に二人って逆に落ち着かねぇぞ」
巨大モニタの前、椅子のすみにちんまり座って端末で選曲をする。
テーブルが広すぎてこれも落ち着かないので、菓子盛り頼んでみたり。
牧志 浩太
「完全に宴会場だよな、ここ。お、メガホンがある」
KP
巨大なモニタの前、牧志はあなたの反対側に座って端末を手に取る。端末も4つくらいあるので使い放題だ。

部屋番号で早合点したのか、菓子盛りがパーティーサイズになりかけ、牧志が慌てて制止。
大きなテーブルにちんまりと置かれた菓子盛りは、なんだか小さく見えた。

牧志も歌いたい気分なのだろう。アップテンポな曲を選ぶ。
あなたも知っている曲だ。
佐倉 光
しばらくは歌おう。
ストレスを叩きつけるようなアップテンポな歌から、声帯を苛めるような音域の広い曲、がなるようなロックに、ひたすら細かく刻むラップ。
牧志の歌に打楽器で合わせたりもしてみる。
KP
あなた達は歌う。
牧志はよく知れたポップスからちょっとニッチな曲まで、楽しそうに歌った。よく伸びる声は大きな室内でもよく響き、あなたの歌に合わせて楽しそうに踊る姿が(身のこなしはさておき)雰囲気を盛り上げた。
歌の上手さは
佐倉 光
※佐倉の歌の上手さって決まってたかなぁ~
牧志くんは歌か躍りが上手い、だっただろうか?
牧志くんは歌結構上手いだった
牧志 浩太
※牧志は「歌は結構上手い。踊りは上手くはないけど(【DEX】がこれだから)楽しそうに踊る」だったはず。
佐倉 光
1d5 実は上手い 声だけは良い リズム感はあるけど声量ない まあまあ 絶望的 ☆ささぼっと☆ 1d5→1
佐倉 光
上手いんかぁ
KP
実は歌上手いコンビだった!
佐倉 光
悪魔との交渉用に練習してんのかな
KP
その可能性はありそう
波照間が曲でウケを取ったあたりから練習始めたとか?
佐倉 光
メガテンの時にもしかしたら決めたかもなんだけど覚えてないし、あれから見習って練習始めたんでしょうね。
最近出目が低いな。
KP
なんだろうこの出目の低さ。普段は低くていいんだけど!

佐倉 光
緋寒と深山のことを思い出した。
彼らが辿ったであろう運命は知っている。
翌日、あの研究所に行ってみたのだ。
研究資料も、使われていた機械も、ひとつも残っていなかった。とんでもない力を持った何者かが残らず破壊した形跡があったし、何か重要なものが入っていたらしいタンクは壊れて、下の床にヒビが入っていた。
部屋中に飛び散っている粘液のどれかが彼らだったのかなど、想像もできなかった。
だからだろうか、彼らを思い出すときはついこう思ってしまうのだ。
佐倉 光
「緋寒と深山、元気にやってるかな」
牧志 浩太
「……、」
歌の合間、牧志はあなたの小さな呟きに応えようとして、うまく言葉が出てこなかったらしい。くしゃ、と表情を崩して、泣きそうに笑った。
牧志視点(ネタバレ)
平行世界の牧志
ああ、緋寒、深山……。
俺は、あいつらみたいにはなれそうにないや。

KP
踊りまくって少し息を切らせた彼は、一度ジュースを飲んで息をつく。
牧志視点(ネタバレ)
KP
あなたは薄暗い中でもがいていた。

絶え間なく襲う吐き気でまた、唾液を吐く。
身体はひっきりなしに蠕動して異物を吐き出そうとしているのに、それは腹の中に爪を立ててしがみつき、出てこない。

あれから何も飲んでいない。視界がぐらつく。水分が足りない。栄養が、休息が、何一つ足りない。
あなたに与えられているのは、内側で絶えず蠢くものだけだ。
牧志 浩太
(くそ、)
視界が揺らぐ。前がうまく見えない。どれくらい進んだのか、進めているのか分からない。
手の拘束が緩んできた気がする。ただの願望かもしれない。
KP
また、喉がひくつく。上へ向かって蠕動を繰り返す胃が、またあなたに吐き気をもたらした。

佐倉 光
こんな楽しいときに話したくはないが、話しておいた方がいいだろう。
歌の切れ目に何となく話し出す。
佐倉 光
「あのさー。
さっき言ってた気になることについてなんだけど。
十日前のこと。
お前が夢だって言った奴。
どんな内容だったか思い出せる?」
KP
夢の話を振られると気まずそうな顔をした。
牧志 浩太
「ああ、あれだよな。路地の向こうにもう一人の俺がいて……。気持ち悪い蟲みたいなのを持ってて、俺の腹を裂いて」
佐倉 光
「その内容の夢、俺も見たんだよ、昨日」
佐倉 光
「やけにリアルで、詳細にわたっていて、真に迫っててさ。
俺はその夢に一切干渉できない、記録を見せられているだけみたいな状態だった」
牧志 浩太
「えっ、佐倉さんもか?
……夢の薬使った、わけじゃないよな。タイミングが違うし。
俺があんな話し方したから、影響させちゃったかな……」
佐倉 光
「そうかも、しれない。
そうじゃないかもしれない」
佐倉 光
「だから、嫌なことを思い出させるけど、見たもの思い出せるだけ話すよ」
腹を刺された牧志が気絶するところまで話をしよう。できるだけ詳細に。刺激的になりすぎそうなところは抑えるけど。
佐倉 光
本物だと思ってるからある程度正直に話してるんだけど、シナリオ想定的にどうなんだかすっごく怖いんだよな!
KP
元々同居PC想定されてなかった関係で随所に調整入れてるし、好きに動いて下さっていいんですよ!
牧志 浩太
「……」
彼はじっと、あなたの話を聞いていた。
そして、困ったように小さく苦笑した。
牧志 浩太
「なんだか、俺以上にはっきり見てるな」
佐倉 光
「やっぱり、そうか。
だから気になっていたんだ」
佐倉 光
「俺が見ていたのはお前の記憶じゃない。
それが起きた空間そのものだった。
だからこれはおそらく夢の共有じゃない」
牧志 浩太
「……」
彼は一度目を閉じ、じっとその内容を考えているようだった。
牧志視点(ネタバレ)
平行世界の牧志
一瞬視界が真っ赤に染まったような気がして、急いで目を閉じる。
脳の奥で蟲がぶんぶんと羽音を立てている。一瞬、そこから湧き上がる怒りに飲み込まれそうになって、頭の中でそいつに触手を突き立てて押し殺す。

間違いない。間違いない!
何かが、俺の邪魔をしている。

佐倉 光
「どう思う。
これは、俺が作り上げた妄想の夢だと思うか?」
牧志 浩太
「とはいえ、俺、こうやって元気になったしな。
今度は佐倉さんの腹が痛くなる……、ってことも、ないようだし。

それに、俺の日記見たなら分かると思うけど、他にも悪い夢、見てたんだ。
だから、もしかすると、悪い夢を見続けるってことの方に、何かあるのかもしれない」
佐倉 光
「今晩どうなるか、か」
佐倉 光
「まあ、俺も昨日の夢を起点にして変な夢を見始めるかも知れないしな……」
牧志 浩太
「それは困るな……。今晩次第、か。何もなければいいんだけどな」
佐倉 光
「裂け、暴け、選べ……この言葉に何か心当たりはあるか」
牧志 浩太
「裂け、暴け、選べ……?」
佐倉 光
「夢の中で聞いたんだ。知らないなら、いい……」
牧志 浩太
「いや、待ってくれ。違うんだ。聞いたような気がする」
牧志 浩太
「それってさ、もうちょっと違う言い方じゃなかったか?」
牧志視点(ネタバレ)
平行世界の牧志
ああ、覚えてる、知ってるよ。
俺が願ってしまったことだ。

何も見ず、気づかないまま一緒にいてくれなんて、きっと叶わない。
佐倉さんはきっと、俺の中に詰まっているこの思惑を、どろどろになった俺の中身を暴くだろう。

期待してしまうんだ。
佐倉さん、ひとりきりになった俺に手を伸ばしたことがあるから。

全部裂いて、暴いて、その時に。
俺を、選んでくれないかって。

佐倉 光
「ああ、聞いていたんだな……あの状態で。
『裂いて、暴いて、最後に俺を選んでくれないか』と言っていた……確か」
正確に言おう。
KP
その一言を聞いたとき、彼はどこか痛みを思い出したような顔をした。
残り時間10分です。
いつの間に時間が経っていたのか、端末から響く明るいアナウンスが会話を断ち切る。
佐倉 光
「やっぱりただの夢じゃなさそうだ……

だからずっと気になっているんだ。
お前の中にいたあの生き物は今どうなっているのか。
死んで溶けて排出された、とかならいい。
お前の中に溶け込んでしまったんじゃないか、
それで、今は大丈夫でも後で影響が出はしないかってことが気になっているんだよ」
佐倉 光
「だから、なんかあったら教えてくれ」
佐倉 光
退出準備をしよう。
牧志 浩太
「……分かった、その時は今度こそ、すぐに言うよ。
佐倉さんも、何かあったら教えて」

プラカップや食器などを一か所にまとめ、伝票を持って立ち上がる。
牧志視点(ネタバレ)
平行世界の牧志
打ちひしがれたような陽の光が、目に滲む。
ああ、出たくないな。ずっとここにいたいな。

一緒に、いたいな。

KP
会計を済ませて外に出ると、もう随分と傾いて低い位置から射す陽が、辺りを打ちひしがれたような金色に染めていた。

その光の何もかもを溶かすような色に染められて、前を行く彼の表情は見えなかった。
『裂いて、暴いて、そして最後に、
 俺を選んでくれないか、って』

あのどこか祈るような声の響きを、あなたは何となく思い出していた。
佐倉 光
なんか酷なことしたかなって気はするね!
佐倉 光
『あの牧志』は一体何だったのか。
俺の顔をしてあいつを見ていたのは……

牧志の腹を割いたヤツは、一体何を思ってあんなことをしたのか。
分からない……
佐倉 光
隕石に乗ってやって来た寄生生物の仕業っぽく見える。
親に取り憑いてたやつが成長して胎食い破って出た後に子供に取り憑いたように見える。

牧志についてはよーわからん。
その時の態度と隻眼くんの態度から言ってのっぴきならない事情がありそうではあり。
病院出てった牧志が自分の中にいた奴を過去の自分に移植しに行ったのかもしれんけどまあ、わからん。
選べってのがまず分からん。
蟲が自意識も牧志になってんのかもしれんけどわからん。
KP
わからんが多くてごめんな佐倉さん。

KP
陽が低く傾こうと、駅前の雑踏は相変わらず賑やかだ。むしろ、これから賑やかになっていく所まである。
クラクションの音、人の笑い声、怒鳴り声、車の走行音、日常の音であふれかえった道を、あなた達は二人で歩いていく。

横断歩道で立ち止まり、あなたが前を見た、その時だった。

低く射す光が目に入ったせいだったのか。

視界がくらみ、ぼやける。
人の声が遠のいていく。あなたを呼ぶ牧志の声が、遠のいていく。
むせ返るような鉄の臭い。

たまらずあなたは、その場にしゃがみこんでしまうだろう。

【POW】×5
佐倉 光
1d100 75 【POW】×5 ☆ささぼっと☆ 1d100→41→成功
佐倉 光
なんだこれ……血臭?
ぐら、として胸元のヒランヤを握る。
KP
あなたは眩む視界の中、ヒランヤを握る。
ひやりとした感触が、どうにかあなたの意識をその場に繋ぎ止めてくれた。

金色の陽光が辺りを染める中、そこに誰かがいた。
あれが誰か、あなたは知っている。
自分自身だ。見間違うはずがない。

「それ」は横断歩道の真ん中に立っていた。
「それ」には片目がなかった。
しゃがみ込んだあなたを静かに見据えるあなたは、ごぽり、と口から血をあふれさせた。

しかし、瞬きをすれば、「それ」はもうそこにいなかった。
最初から何もなかったかのように。

SANチェック成功時減少 0失敗時減少 1D2》。
1d100 67 SAN ☆ささぼっと☆ 1d100→84→失敗
1d2
☆ささぼっと☆ 1d2→2
SAN 67→65
佐倉 光
何だ、今の。
俺?
いや……

俺はあれは俺ではないと思っていた。
俺の中にいる、もうひとり。
『彼』に何かあったのか?
俺には彼の存在は感知できない。
彼に何かが起きていても、知ることができない。
牧志に、何が起きているというんだ。
この世界の牧志だけではなく、他の世界のあいつにも何か良くないことが起きているのか?
牧志 浩太
「佐倉さん!」

視界が戻れば周囲には変わらぬ雑踏、何人かの人があなたと牧志を心配そうに見ていた。
膝をついたあなたを牧志が支え、青ざめた顔であなたの顔を覗き込んでいた。
牧志視点(ネタバレ)
平行世界の牧志
(佐倉さん……)

牧志 浩太
「ごめん、佐倉さん。引き回しちゃったな。
そういえば、佐倉さんも随分色々してくれた後だったんだもんな。

帰ろう」
佐倉 光
「ああ……」
肩を借りて立ち上がる。
暫く黙ってヒランヤを握っていた。

何かは起きている。良くない方に転がり続けている。
そんな気がする。
だが何も見えない。
どうしたらいい……
KP
特に止めなければ、牧志はあなたを心配して一緒に家に帰ろうとする。帰る?
佐倉 光
あ、帰る前に検索しよう。
あの変な噂について。

牧志には少し休みたいと言って、飲み物買って公園かどこかで座る。
KP
夕暮れの公園は、まだ少し肌寒く感じた。
牧志が買ってきてくれた飲み物は、温かい紅茶だった。

先程の噂について調べると、意外なことに見つかったのは噂ではなく、ニュース記事だった。

『都内に住む10代の少年が、死んだ母親の肉を食べていたとして、今日未明、死体遺棄及び死体損壊の罪に問われ逮捕された。

少年は母親を殺したことについては否定しているが、死体を損傷したことについては肯定の意を示している。

なお、動機についてははっきりとしていない』
突然人の屍肉を食む人々の事が記事になっていた。
佐倉 光
SAN 65→64
ガキの大量発生でも起きてるのか?
しかしGPゲートパワーが上がったって話は聞いてないな。
屍肉を自覚なく喰う人間か……

自覚なしに。
自覚なしに思考が歪められている、のか?
スマートフォンを睨み付けてうなる。
GPゲートパワー……真・女神転生TRPGにおける、現実を魔界の脅威が侵蝕した度合いを示す数値。
なんとなく、高ければその近辺は悪魔が多く出て危険、ということになる。
あくまで真・女神転生の設定なので、この女神転生CoCにおいての事件は基本対象外である。
KP
GPゲートパワーの上昇は報告されてはいない。
もしそうなっていれば、あなたにも連絡が来ていたことだろう。

また、腹を突き破られた死体について調べていると、こんな記事が見つかる。

『都内某所にて、変死体が発見される。遺体は腹部が不自然に割かれており、失血性ショックで死亡したものとみられている』

それは先程の一見して異常を感じる記事からすると、淡々としたものだった。

そこで、あなたは少し肌寒さを覚えた。
詳しく調べるにしても、一度家に帰った方がいいだろう。
佐倉 光
「もういいよ。少し、治った」

正直治ったどころか気分は大分落ち込んだが。
佐倉 光
「悪い。そろそろ帰ろうぜ」
牧志 浩太
「ああ、帰ろう」
あなたがスマートフォンを覗き込んで唸る姿を、牧志はどこかもの思うように見ていた。
牧志視点(ネタバレ)
平行世界の牧志
……ああ。
やっぱり、見過ごしてはくれない。目を瞑ってはくれないんだな、佐倉さん。

そうだよな、知ってる、知ってるよ。
気になることに、目を瞑ったりできないもんな。

KP
引っ越してからも何かと色々あったり、一年程の平穏を過ごさせてくれたりしたあなた達の部屋は、穏やかな静寂であなた達を迎えた。

引っ張り出したままの布団と枕が、玄関のそばに転がっているのが、昨日の出来事を思い出させる。

あ、と牧志はそれに気づいて、布団をたたみ、枕をその上に乗せて持って行く。
牧志視点(ネタバレ)
KP
あなたは、一瞬意識を失っていたようだ。

一瞬? いや、どれほど意識を手放していたのだろう。
気づけば辺りは夜になっているようだった、いつから夜になっていたのか分からない。

疲労と脱水があなたの意識を奪っては、腹の中を掻かれる痛みがあなたの意識を戻す。あなたは必死に意識を掴んで、また手放しそうになりながら、地面を這い、近づく。
牧志 浩太
(くそ、目がちかちかする……!)
目を凝らし、視界を保とうとする。
次に気を失ったら、戻ってこられない気がした。
KP
扉に手がかかった。
あなたはそれに縋りつく。
開かない。
外から鍵がかけられている。

開かない、と認識した手が脱力しそうになる。
力とともに、意識が手の中から落ちそうになる。
牧志 浩太
手の拘束に隙間はあるだろうか。ノブなりレバーなりに拘束を差し込み、引っ張って引きちぎろうとする。
KP
涙で汚れた視界で、あなたはドアのレバーを掻く。
隙間が足りない。うまく掛からない。
壁に擦りつけて傷だらけになった手が痛む。

佐倉 光
晩飯は何か温めれば簡単に食べられる物でも買ってきたかな。
なんだかんだで部屋が乱れていたら整えて、最近新しくなったばかりのソファに座ろう。
前のソファ、壊れたところ直しても直らなくて、上で雑に寝っ転がることができなかったんだよなぁ。
KP
新しいソファはあなたを心地よく迎えてくれる。
前のソファは底板が派手に割れていて、直しても体重をかけるとまた凹んでしまったのだ。

確かに安いソファではあったが、一体どれだけの力で蹴ったというのやら。
佐倉 光
貼り紙を見る度、牧志がそれだけ心配してくれたという事実を噛みしめると同時、
牧志は怒らせるまいと思った。
牧志 浩太
「佐倉さん、夕食何か適当な炒め物でいい?」
牧志が何か作るらしい。
牧志視点(ネタバレ)
平行世界の牧志
(うまく作れるかな、料理は久しぶりだ。でも、作り方は覚えてる。
味見には自信がないから、ベーコンの味だけでまとめよう。

ああ、懐かしいな、俺達の家だ……)

佐倉 光
「ああ、悪いな、病み上がりなのに」
先ほどの記事を更に追いかけながら、じっと考えていた。
食器出すとかそういうのは手伝うよ。
牧志 浩太
「いいよ、佐倉さんも疲れてるだろ。
さっき調子崩してたし」

牧志は冷蔵庫の中の残り物を探し、手早く卵炒めを作る。いつも通りの慣れた手つきと、少し出汁が強めの味付け。
佐倉 光
日常の風景を眺めながら、思う。

腹が裂けた人々が、屍肉食った人々が、異常なほどの腹痛に悩まされたという話はなかったのだろうか。

牧志は、どうだ。
自覚なく、屍肉を喰らうのか。
なんなら、俺は?
そんなことが気になって仕方がないのだ……
佐倉 光
良い香りがする。
たまに牧志が作ってくれる料理は、簡単ながら素直に美味いと感じる。
KP
肉の事を気にしていたあなたは、そういえば卵炒めに野菜が入ってなかったな、なんて、そんなことを思ったかもしれない。
佐倉 光
野菜なしってちょっと珍しいかな。
KP
野菜のない卵炒めは、朝食の時などにはちょくちょくある。ベーコンやハムで作った簡単なやつだ。
今回もそういう雰囲気の一品ではある。牧志も疲れているのかもしれない。病み上がりではあるし。
佐倉 光
そっと《アナライズ》の操作をしようとする。
KP
牧志が洗い物をしている間に、あなたはCOMPを起動する。

《アナライズ》は問題なく使えそうだ。
どこに向ける?
佐倉 光
まずは牧志だな。
一番気になるのはそっちだ。
KP
あなたは牧志の後ろ姿にCOMPを向ける。

【人間】、それから偶に【邪神】の表示。
……あの痣が反応に紛れ込んでくるようだ。
あなたは少し、忌々しく思うかもしれない。

画面が少しノイズ気味だ、調子が悪いのだろうか……。
あの時のようなエラーの表示はない。
牧志にはとある邪神との契約の印が入っているため、《アナライズ》すると【邪神】と表示されてしまうことがある。
佐倉 光
舌打ちをする。
邪神表示、本当に邪魔だ。
こういう時に正しい結果がでないようにあいつが邪魔しているのではないかとすら思える。

まあ、不審に思うほどの事じゃないな。COMPの不調はたまにあるけど、今日は動いているようだし。

自分自身もついでに《アナライズ》してみる。
KP
あなたにCOMPを向けると、素直に【人間】と表示される。ノイズも収まった。
佐倉 光
自分に異変はない、ということにほっとする。
考えなければいけない要素が減るのは良いことだ。
KP
そうこうしているうちに牧志が洗い物を終え、風呂って浸かると気持ちいいけど洗うの面倒なんだよな、なんて言いながら風呂を洗いに行く。今日は湯を張りたい気分らしい。

夕食後の穏やかな時間。
好きな事をしてもいいし、腰を据えて調べ物をするにも丁度いい時間だ。
佐倉 光
それじゃ、牧志と同じような現象に苛まれている人はいないか、SNSで調べようかな。
KP
腹痛、悪夢。蟲が這うような感覚。
そういった内容について調べても、気になるような投稿は見当たらない。精神病の兆候だったり、明らかに薬物関係だったりするものばかりだ。

ただ、先程の腹が不自然に裂けた変死体について、もう少し詳細を調べることができた。
2、3件ほど、同じような事件が最近起きている。

〈オカルト〉〈図書館〉〈コンピューター〉のいずれかで判定。
佐倉 光
1d100 85 〈コンピューター〉 ☆ささぼっと☆ 1d100→36→成功
佐倉 光
「ないか……」
落胆しつつ、並行して調べていた腹が割けた死体についての情報を詳しく見る。
8年前の記事だ。人間が内側から食い破られたように死んでいるというショッキングなものだ。
佐倉 光
アヤカシの情報で、しかも八年前……いくらなんでも古すぎるが、似ているのは気になるな。

『寄生虫』。
あの白い不気味な生き物を思い出してしまう。
あれはまだ牧志の中にいて、完全に取り憑いてしまい、彼の『蟲は異物』という感覚を眠らせるか殺すかして潜んでいるのではないのか。
そして時に屍肉を喰うために、宿主の意識を乗っ取って……
牧志 浩太
「佐倉さーん、風呂先に使うよー」
牧志のそんな声があなたの思索に割り込んだ。
佐倉 光
「ああ、いいよ。寝る前にでも入る」
牧志 浩太
「分かった、じゃあ使い終わったらお湯落として換気扇入れといて。
……やっぱり、まだ気になるのか? 夢のこと」
牧志視点(ネタバレ)
平行世界の牧志
忘れて……、くれないかな。くれないよな。ただの夢だって、思ってくれないかな。
あともう少しでいいんだ。
せめてあいつが、“俺”が死ぬまで。

佐倉 光
「そりゃ、なるよ。
十日間尋常じゃなかったんだ。

ただの夢とは思えないような夢、
その上……内側から食い破られた死体。屍肉を自覚なく喰う人間の多発。

牧志が無関係だって確信が得られなくて、気持ち悪いんだ。
ただの考えすぎだと思いたいよ、俺だって」
牧志 浩太
「そうか……。
なんで、佐倉さんまで夢を見てるんだろうな」
彼は不思議そうに言って、浴室の扉が閉じる音がした。
佐倉 光
そうだな。俺はまだ異常に晒されていない、とCOMPが証明している。
本人が助けを求めているわけではないとしたら、俺にあの夢を見せたのは、誰だ?

8年前と現在に何か共通する事はないだろうか。
何か特定のジャンルの企業が来たとか……

隕石?

ふと思いついて八年前に隕石が落ちた記録はないか調べる。

特に気になる情報がなければソファに転がったまま考え事していよう。
KP
あなたは調べるが、8年前に隕石が落ちた記録はない。「都内連続変死事件」という見出しが見つかるが、隕石とは関係ないようだ。古い記事でリンクも切れてしまっている。

図書館にでも行けば、紙の新聞が探せるかもしれないが……。

見つかるのは、あの時ニュースで聞いた十日前の隕石落下の話くらいだ。

『都内の一角で、付近の窓ガラスが次々に割れるという事件が起こった。
消防と警察によると、空震の発生源だと思われる廃ビルを調査したところ直径約10mの陥没が確認された。

ごく小さな大きさの隕石が落ちたものとみられている。
歩行中だった数名と、付近の建物内にいた15人が軽いけがを負ったが、命に別状はなかった。

なお、落ちたと思われる隕石については発見されていない。』
佐倉 光
その数名と15名が裂けたりしていないか? ふと思った。
調べるのは難しいかな。
KP
記事にあるのはこの内容だけで、その15人が誰かなどの情報はない。
佐倉 光
だよなー、さすがに。
廃ビルの場所は分かる?
KP
ビルの場所は分かる。
佐倉 光
明日行ってみるかな。関係あるかどうかは分からないが……
正直これについては突拍子もない空想に過ぎないし、それが当たっていたからと言って解決に繋がるとは思えない。
佐倉 光
「それより俺は牧志が無事かどうかだけ知りたいんだよ……くそ」
悪態をついてコーヒーを淹れに行こう。
不謹慎かも知れないが、この騒ぎは全部どこかのゲートから漏れ出したグールだのガキだのの仕業で、牧志の夢はただの悪夢、俺は前に繋がったことがあるから同じ夢を見てしまった、あの吸血鬼の時みたいに。
ということに、してしまいたかった。
KP
重たい徒労感があなたの意識を引きずる。
あなたの感情は全部杞憂だということにしてしまいたいと訴えているのに、あなたの思考はそれを許さなかった。
佐倉 光
コーヒー飲んでうたた寝しちゃうか。
KP
思考が疲れすぎているのか、それとも感情か。
あなたはふと眠気を覚えた。
風呂に入って身体を温め、ベッドに入れば、心地よく眠れるだろうか……。

※他に調べたいこと、やっておきたいことがなければ就寝になります。うたた寝でもガチ寝でもOK。
佐倉 光
なるほどちゃんと寝なさいってお達しが出たので、牧志が上がるの待って風呂入って寝よう。
一応寝る前に牧志に言って腹見せてもらっとこうかな。
KP
あの時と同じく、腹には異変は感じられなかった。
あの時裂けたはずの傷も、見当たらなかった。
牧志視点(ネタバレ)
平行世界の牧志
(うまく隠せてるかな)

佐倉 光
「問題ナシ。悪いな。暫く気にさせてもらうから」
欠伸をして部屋に戻りかけ、少し考えて牧志に問いかける。
佐倉 光
「何か気になること、あるんじゃないのか?」
牧志 浩太
「え、俺が? それはもちろん、佐倉さんと俺の夢のことは気になるけど」
寝ようとしていたのか、寝巻姿の牧志が振り返る。
佐倉 光
「……そうだな。
俺、夢の中で隻眼のお前に会った気がする。
夢を見せたのはあいつかも知れないと思ったんだ。
夕方、俺がいきなり座り込んだとき、俺の顔をしたあいつが……
血を吐いたように見えて」
佐倉 光
首を振る。
佐倉 光
「悪いな、俺にも意味が分からない。
今日は悪夢を観ずに眠れるといいな、お互い」
牧志視点(ネタバレ)
平行世界の牧志
……ああ。
そうか、そうかもしれないんだな。
あいつだって俺だ、こちらの様子を感じ取っているのかもしれない。

皮肉だな。同じ、佐倉さんを失った俺なのにさ。
でも、そうだな。止めるよな、お前なら。

やっぱり、あまり時間をかけていられない。

牧志 浩太
「そうか……。そうかもしれないんだな」
彼は真顔でそう呟いた。
それから、あなたの言葉を聞いて微笑む。
牧志 浩太
「だな、お休み」
彼はあなたに手を振り、自分のベッドへ潜り込む。
牧志視点(ネタバレ)
平行世界の牧志
一応、少しだけ様子を見に行っておこう。
まさかあの状態で脱走はできないと思うけど、何があるか分からないし。

佐倉さんを起こさないように行かないと。
睡眠薬はほんの少しだけにしたから、ばれてはないと思うけど、ほとんど効果もないだろう。

佐倉 光
「お休み」
自分の部屋に戻り、電気を消した。
寝付けるまでは随分かかった気がする。

コメント By.佐倉 光
元気になった牧志と一日遊び倒す佐倉。
何気ない日常が戻ってきた。
やはりあれはただの意味のない夢だったのだろうか。

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