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こちらには
『鬼面夜行』のネタバレがあります。

牧志 浩太

お人好しで温厚、だが意思は強い好青年だったが……。
とある事情で二年より前の記憶の大半を失い、代わりに悪魔使い波照間紅の記憶を持っている。
首から胸へと続く奇妙な【契約】の痣がある。たまに痛むという。
生贄体質らしく、事件に巻き込まれることが多い。

佐倉とは友人。


佐倉 光

サマナーで悪魔退治屋。ハッカーでもある。
基本、知性・理性・効率、そういったものを重視する冷静な青年。
悪魔を召喚して戦う。契約中の仲魔はラミアとマカミ。

とある事件より、体中の痛みに悩まされているが、桜色の勾玉により少し改善した。
巻き込まれ体質らしい。

最近記憶障害が完治したばかりなのだが、今度は牧志への奇妙な執着に囚われている。

牧志とは友人。


とある事件以来、特殊な事情のため二人が面倒を見ることになった少年。
超美形で類い希な理解力と知性を有する。
年齢は7歳程度。生育環境が特殊だったため、一般的な教育を受けていないので、言語が年齢の割に幼い。最近になって急に一般的な生活を送り始めたので、外界への興味が強い。


KP
こんばんは。悪夢の先の悪夢へようこそ。
牧志 浩太
悪夢の先にまた悪夢とはひどいはなしだ よろしくお願いします!
KP
今回の話、いつものようにちょっぴり前日譚が長めになります。
牧志 浩太
はーい!

KP
長い長い夢の果て、ようやくあなた方は目覚める事ができた。
しかしあの日以降、佐倉の様子が前にも増しておかしい。

最初は、記憶がない、という今までによくあった現象の結果であるのかと、あなたは思ったかも知れないし、何か別の要因を察したかも知れない。
とにかく、佐倉の振る舞いは時に奇妙だった。

常におかしい、というわけではない。
何事もない日もある。
日常において、あなたから触れる事はあっても、佐倉の方から触れてくることは滅多にない。いつも通りなら。

だがふとしたとき、何かもの言いたげな視線からそれは始まる。
そして気がつくと思い詰めたような目で触れてもいいかと訊いてくる。
牧志 浩太
その時は、あまり気にしていなかったように思う。
様子がおかしいのは分かっていた。
けど俺も十分に心細かったし、佐倉さんはそれどころじゃなく打ちのめされていたのが、分かっていたから。

四日間ずっと眠り続けていた俺を、佐倉さんはずっと見ていたんだ。
そしてあの異様な夢の中を一緒に彷徨って、心をぼろぼろに掻き回された。
本当はきっと見るべきではなかったものに、夢を通してたくさん触れてしまった。

佐倉さんを壊してしまった、俺を助けるために。

だからきっと、そのせいで心細くなっているのだと思っていた。
牧志 浩太
「いいよ」
そう返して手を出す。いつものように。
KP
手を取ってほっとした顔をする事もある。
そのまま抱きついてくる事もある。
佐倉 光
「あの夢のように中にいられたら良かった」
そんな事を口走る事もあった。
牧志 浩太
「意外とよかったかもな、あれ。少なくとも、何かあった時に離れ離れにならないで済むし」
そんな風に返したかもしれない。
KP
あなたが心配だから。
見ていないと不安だから。
彼が言う言葉と、その感情は、似ているようで、微妙に違うと感じられたかも知れない。
それでも佐倉は常にあなたの意志を確認したし、あなたが対応できないというときは素直に引き下がっていた。
そういう風に見えた。
その時彼は、彼自身が異常であると確かに自覚していたのだ。
牧志 浩太
そんな会話の中で、静かに違和感を覚え始めていた。
心配。不安。以前に俺がとりつかれていたような、自分でも制御できない程の不安。
そういうものかと思った。
そういうものかと思ったけど、

何か違うように感じた。
何か違うように感じて、桜色の手帳に佐倉さんの現状を書き留めた。
牧志 浩太
ここからどう転げ落ちていくのか楽しみですね
夢の中では落ちなかったのにリアルに戻ってきてから転げ落ちちゃうのかぁ。

KP
仕事が休みだから、と大学までの道中をついてくる、迎えに来る。
大学に忍び込んでいるなんてこともあった。
牧志 浩太
「あれ、いいのか? 
でも佐倉さん、昨日結構遅くまで仕事してたろ」
最近本当に大学の行き帰りで色々ありすぎたので、それに否と言うことはなかった。

そもそも心が疲れている時に、身体まで余計に疲れてしまうんじゃないかと、心配して止めたことはある。
けど、違和感を覚えた。
牧志 浩太
「うわ、びっくりした。おはよう」

突然学内で会った、というか忍び込んでるのを見つけたときは驚いた。
ああ、佐倉さんこういうの得意だから、大学にも入れてしまうんだな。
牧志 浩太
大学に佐倉さんがいるのはちょっと不思議な気分だ。
その人だれ? って大学の友達に聞かれて、友達、って答えた。
けど、違和感を覚えた。
KP
理由もなくリビングで寝る。
目覚めると部屋にいる。
視線が付きまとう。
牧志 浩太
リビングで寝ているのを見つけて、毛布を持っていった。
牧志 浩太
目が覚めると部屋にいて、途中まで寝ぼけてシローと間違えた。
起こしに来てくれたのかな、と頭を撫でたところで気づいた。
KP
指摘したりやめてほしいと頼むと物言いたげな視線とともに消える、とはいえ。

それは自らが個を大事にしているがために尊重していたはずの、あなたの個にも、じわりじわりと侵入してくるような行動だった。
牧志 浩太
気がつけばどこでも、視界の中に佐倉さんがいる。

心配? 用心? 物言いたげな視線がずっと背中にくっついている。
偶に、本当に佐倉さんの視線だったか分からなくなるような、何かの意味を籠もらせた、纏わりつくような、視線。

何だかその視線がひどくらしくない気がして、ある日まっすぐ向き合って聞いた。
牧志 浩太
「佐倉さん。
いつもありがとう、疲れてないか?」
コーヒーを用意して切り出した。
佐倉 光
「疲れ? いいや、そんなことはない」
あなたと話す佐倉は本当に嬉しそうだった。
牧志 浩太
「何か、俺に言いたいことがあるんだろ? 聞かせてよ」
牧志 浩太
あんまり嫌がってなかった
佐倉 光
「どうしてそう思う?」
もはや自然にあなたの手に触れてくる。
佐倉 光
「俺は、いつも通りだよ」
好意の視線。それはいつも通りであるようで、どこかずれているような気もした。
KP
「みて!」
それは唐突に視界に飛び込んできた。
シローが何か本の中で発見したらしい。およそ子供が読む物ではない専門書の中の記述を指して、嬉しそうにあなたたちに報告する。
「これ、かいてるの違う! 月、猫じゃない、うさぎ!」
KP
ほんの一瞬。
知覚も難しいほどの一瞬の間、あなたは佐倉から気配を感じた。
それは冷たい、氷のような、つまらないものに向ける視線。
『邪魔だな』と言いたげな。
『消えろよ』と言いたげな。
KP
忙しいときにシローに話しかけられて、『ちょっと騒がしいな』とか『今はやめて欲しい』などとあなた自身も感じる事はまあ、ある。
機嫌が悪いときの佐倉がそんな雰囲気を発している事もままあった。
佐倉が記憶を失っていたときなどは尚更だ。
それでもこの一瞬ほどの、敵に向けるような悪意のようなものを感じる事はなかった。
まるで……鬼のような。
佐倉 光
「そうだな。後で聞くよ。ちょっと待ってな」
そう応えた佐倉の声にも顔にもそんな気配はなく、思いやりと優しさすら感じるいつもの佐倉だった。
KP
「うん、あとで、する」
シローは素直に引き下がった。
牧志 浩太
「……!」
それが佐倉さんの発した気配だと気づく前に、咄嗟に身構えていた。

その一瞬、身をひたりと打ったのは。
柔らかいものに隠した、刃のような悪意だ。

違う・・
ようやく、ようやく違和感の正体に気づいた。

これ・・は、違う。
心配とか不安とか心が弱っているとか、そういうのじゃない。
いつも自分自身を中心に置いて、さらりと関わり合いながら手を伸ばしてくれた、そんな手じゃ、ない。
牧志 浩太
「佐倉さん!」
思わず佐倉さんの手を引いていた。拒否されなければ、その眼をじっと覗き込む。

その奥にあるものは何だ。
心配や不安だと思っていた、けどそういうものとは決定的に違う、その淀みは何だ。

何か、異変が。
佐倉さんじゃないものの意思が、その光を歪めてはいないか。
佐倉 光
「え、なに? どうした?」
KP
佐倉は本気で戸惑っていた。
だがあなたの目を見つめ返してくる。
あなたはその瞳の黒の奥に、異変がないかとのぞき込む。
牧志 浩太
「……」
覗き込む。深く、深く。
手当てをするときに、傷口に噛み込んだ鋭い破片を探す、その眼で。
🎲 Secret Dice 🎲
KP
Sasa 🎲 Secret Dice 🎲 1d100 → 41 →成功

KP
あなたは、佐倉の目にあなたに対する強い執着を感じ取った。

彼はあなたを常に視界に入れたいと思っているし、触れていたいと思っている。
だがそれは好意とは微妙に違う。一方的な意志。欲望の押しつけだ。
それを彼は半ば自覚しており、強靱な意志で抑えつけている。
自分は異常だから、自重しなければならない。
それでも漏れでるものが違和感となってあなたに感じられるのだ。

そしてこれは彼自身自覚しているかは不明だが、それによりストレスが蓄積している。

今シローに対して送った冷たい目は、
あなたと一緒にいて話している時間を邪魔されたことによるものである。
下手をすると彼自身気づいていないのかも知れなかった。
その強靱すぎる自らを制御しようとする理性により、佐倉の欲望は殺され続けている。
見えるよりもずっと身勝手で暴力的な何かを、彼は抱えているのかも知れなかった……無自覚なままに。
牧志 浩太
「佐倉……さん?」
思わず、確かめるように呼んだ。
それは佐倉さんが俺に向ける感情とは思えなかった。
好意よりも、どこか悪意に少し似ていた。

それを棘のついた鉄の輪のように強くきつく押さえつける、強靭な理性が見えた。
鼓動する肉が拍動のたびにどす黒い血を流すのが見えて、それがあまりに痛そうで、一瞬、いいよ、と言いたくなった。

いい。
ずっと存在していて、いい。
そんなに痛そうにするくらいなら、いい。
きっとこの手を絡みつけて、縛りつけて、縫い止めて、いい。

けど、その衝動を歯を食いしばって堪えた。
それが、佐倉さんのものとは思えなかった。
それがもしも、あの日から後を引く佐倉さんの狂気だったとして、ここで従っていいとは思えなかった。
牧志 浩太
「佐倉さん。
それ、いつからだ。
いつから、そんなに酷くなった。
あの夢の事件があった時から、ずっとそうなのか?
何か、身の回りに変なこととか、きっかけはなかったか?」

手を握りしめたまま、問うた。
佐倉 光
1d100 34〈精神分析〉 Sasa 1d100→ 20→成功
※これは自覚についての判定なので、回復はありません。
佐倉 光
「『それ』?」
KP
あなたの問いかけに、戸惑うように応えて、それから顔をしかめる。
佐倉 光
「……俺はおかしいか。そうだよな。
俺はずっとおかしい」
KP
小さなため息を落とす。
佐倉 光
「夢の時から。
正確にはきっと、あれを……
あの、屍肉喰いの所で、あれ……あれに」
佐倉 光
「……」
KP
視線が彷徨った。口にしようと思い出したところで、
彼は記憶の中で再びそのものと対峙しそうになり、
無意識のうちに思い出すのを避けたのかも知れない。
佐倉 光
「……あれに、お前が襲われ……て、ばらばらに……されているのを……見て、からだ」
KP
ぞくりと背を震わせ、あなたの手を固く握ると、自らの顔を寄せる。縋るように。
佐倉 光
「許せなかった。怖かった。
何度殺しても足りないと思ったし、逃げ出したいと思った。
あのとき、あのとき、俺は」
KP
佐倉は目を伏せた。あなたの手の甲に佐倉の額と髪の毛が当たる。
牧志 浩太
「そうか……」
じっと、彼がその痛みを、苦しみを、ずっと抑えてきた傷を吐き出すのを受け止める。

何か、また外から何か、また何かが佐倉さんをおかしくしているのかと思った。
その可能性は頭の中に置いておきながら、そうじゃないのかもしれないと思った。
牧志 浩太
これは佐倉さんの狂気だった。傷だった。
その傷をつけたのは、俺だ。
俺が佐倉さんを殺して、巻き込んで、あんなものに触れさせて、それなのに。

見てほしいなんて望んだ。
牧志 浩太
罪の意識がもたげた。
俺のせいだ。
佐倉さんをこんなにしたのは、俺だ。
佐倉 光
「必死にお前をかき集めて、守ろうと……して……
だってあのままじゃ、あいつがお前を持って行っちまうか、周りのやつらがお前を……かも……しれなくて……
だったら、だったらいっそ」
KP
かり。

あなたの手に軽い痛みが走る。
牧志 浩太
不意に手に痛みが走った。
手が痺れたようになって、不思議な程、咄嗟に手を引っ込めようとか、そんな気が起きなかった。
牧志 浩太
「いっそ?」
手を取られたまま、穏やかに問い返す。

いっそ、どうするんだろう。
この手を捕まえて、縛っておくんだろうか。
奪い取られないように、縫い止めておくんだろうか。
ばらばらにならないように、縫い閉じておくんだろうか。

どこへも持って行かれないように、閉じ込めておきたいんだろうか。

それとも、いっそ殺してしまいたい、とか?
理由
牧志 浩太
体験があまりにあんまりすぎて、「無理もない……」と思ってしまった
KP
多分ばらばらになっても問題ないスライム状だから遠慮なく引きちぎられたんだと思うんですけどーねー。
直前に人間の姿の牧志が捕まってるの見たし、その更に前にも実際に別の事件で刻まれてるの見たしねー。
牧志 浩太
ですねぇ。人間の牧志が刻まれて死にかけているのも見たし、直前に人間の牧志が捕まっているの見たし、その前提であんなのに遭ってしまったら。

あれこれ牧志があの身体に馴染みすぎてたせい?

KP
佐倉があなたの手から真っ青になった顔を離した。
あなたの手に歯を立てたのだ。
佐倉 光
「ち、違う!
こんなのは、俺がしたい事じゃない!」
KP
佐倉は首を振って頭を抱えた。
佐倉 光
「俺はおかしいんだよ……!
時々制御が利かない。変な事ばかり考える。
おかしいのは分かっているのにどうしようもないんだ!
見ていなきゃ、と思って見れば、触らないと、と思う。
触れば、もっと強く長くと望む。
全部俺のじゃないと我慢ができなくなる。
常にお前が見えていないとおかしくなる。
だからさ。最初は恋愛感情かなんかかと思ったんだよ。
だけど、だったらおかしいだろ、どうして『そうじゃない時』なんてのがあるんだ。

これは違う、もっとまずいやつだ。バグなんだ。
お前が心配だからじゃない。
おかしい時の俺はお前の事なんか考えてないんだ。
俺は、俺はただお前を所有? 支配? 占有?」
KP
これはもはやあなたへの説明でも何でもなく、彼自身の混乱した思考の吐露だった。
佐倉 光
「俺はアレみたいにお前を粉々にして、食いたいとすら思う事もある。
いっそしばらく異界にでも引っ込んどいた方がいいかも知れないな……?」
KP
最後の一言は完全に無意識のようだった。
KP
これを狂気が強いうちにやっときたかったんですよね。
行動の理由
KP
分離脳の話で、人間の脳は自分の行動の理由が分からないとき、自覚なく行動した理由を捏造したりする、というのがあります。
脳バグの結果の強い執着による行動に、後から無自覚に「牧志が心配だから」という理由つけちゃったりしてたんじゃないかな。
なんていう裏設定。
牧志 浩太
ああ~~!
いいですね。これは確かに直後にやるのが一番面白い。
狂気の産物なのに、そこに理由をつけてしまっていて、牧志も牧志で心配されるのも無理はないようなことに遭いすぎだから、最初その違和感に気づかなかったっていう。

このタイミングにやれてよかった。牧志も罪の意識を引きずってるタイミングでもありますしね。

牧志 浩太
歯を立てられた手を、ぼんやりと見やる。
微かな歯型が残っていた。
必死に抑えてくれているから、これだけで済んだと分かる。
牧志 浩太
「そうか……、」
手に刻まれたそれは、佐倉さんがどうしようもなく壊れてしまっているという証で。

俺が、俺の夢が、望みが、佐倉さんをどうしようもなく壊してしまったという証だった。
牧志 浩太
「あの時みたいに、ばらばらになっても大丈夫な身体なら、よかったのにな」
どうしようもない呟きが、唇を割って漏れてしまった。
牧志 浩太
「それなら、佐倉さんに食べられても一緒にいられた。
二つに分けて半分あげられた。俺の中身を全部渡しても、ここにいられた」
牧志 浩太
「でも、無理だ。
佐倉さんに食べられてしまったら、俺、ここにいられない。

心は地獄の蓋の向こうに持っていかれる。
体は溶けて、ばらばらになって、ただの養分になる」

歯型のついた手を、小さく握る。
真っ暗闇に落ちていくような無力感が、手を痺れさせた。

何もできない。
俺の存在は今の佐倉さんを、ただただ苦しめている。
佐倉 光
「もし、でも簡単に食われていいとか言うんじゃねぇよ。
全部寄越せっつってんだろ。
もし、の話だって解決にならねぇ」
KP
佐倉はしばらく黙り込んだ。
わざわざあなたにそんなことを言ったことを後悔するような間。
牧志 浩太
「……そうだな、その方がいいかも。いいのかな。
ラミアさんに見張ってもらってさ。

ああ、それか、逆に、佐倉さんのこと縛って部屋に閉じ込めておくのはどうかな。
毎日絶対に帰ってくるからさ、必要な時以外出歩かないようにする。
粉々にされたら死んじゃうけど、あげられるものはあげてもいいし」
牧志 浩太
佐倉さんの狂気につられているのか罪の意識のせいか自分のこと考えなさすぎなのか色んな経験しすぎで発想がずれているのか、
まきしが あんがい おかしい
KP
二人ともバグってる。
牧志 浩太
二人ともバグっている。
牧志も回復したとはいえ&佐倉さんより値小さかったとはいえ結構な【SAN】ダメージ喰らってましたしね。
牧志 浩太
あと、前回ラストで思ったんですが、【STR】普通程度の牧志が力ずくという発想を覚えたのは佐倉さんといるからだよなーと。
紅さんの経験もあるけど。
佐倉 光
「縛る?
お前の発想も大概キてんな。そーゆー奴だよ、お前は」
KP
佐倉はひきつるように笑う。少し楽しそうだった。
佐倉 光
「その発想はなかった。
……いや、駄目だろシローの教育に悪い。
今の状態で最悪だってのに。
大体そんなのお前だって最悪な気分になるだろうが。

しばらく家を出る。連絡も取らないでおく。
この俺自身の心底キモい状態が治るまで……少し、頭冷やしてくる。
帰れそうになったら、一週間前に連絡入れるよ。

あともし、俺がトチ狂って食わせろだの殺させろだの言ってきたら、今日みたいなバカ言ってないで、ちゃんと逃げろよ」
牧志 浩太
「……ごめん。
ごめん、佐倉さん。辛いこと言ったよな。

分かった。分かったよ。
もし命に関わるようなことがあったら、その時は連絡入れてくれていいから」

迷った。
本当に佐倉さんをこんなに傷つけてしまった、それだけなのか?
もし、他に何か起きていたら?

迷った。
今の佐倉さんはどうしようもなく壊れて、傷ついている。
そんな佐倉さんを一人にして、大丈夫なのか?

でも。
俺は何もできない。
傍にいるだけ、佐倉さんを苦しめる。
きっと、これが一番いい。
牧志 浩太
佐倉さんと別れてから、先輩に連絡を入れて事情を伝えておく。
時間があれば佐倉さんの様子を見てやってほしい。頼む、と。
犬と猫
KP
佐倉は病気になるとひたすらほっといて欲しい派ぽい。
必要なものベッド脇に並べてとにかくとじ込もって寝る。
心の異常もそうやって治そうとしますね。
大丈夫必要ならちゃんと病院も行くから。
牧志 浩太
これまでも異変があったときにひたすら籠もる描写ありましたしね。猫だなあ。
佐倉さんは猫で牧志は犬。やっぱり端から見ると不思議なコンビだと思います。
牧志の他の友人、犬タイプ多そうなので。(東浪見は大型犬)

KP
かくして佐倉は最低限の荷物を手に家を出て行った。
どこへ行く、とも言わなかったが、波照間経由で写真を送ってくる事で生存報告はしていた。

そうして暫く耐えれば日常が戻ってくる。
そう願っていた。


鬼面夜行

まつげ屋/ ほふ 様 作


KP
それから二週間も過ぎただろうか。
佐倉が戻ってくる様子はない。
だが生存報告は変わらずなされていた。

たまに視線を感じる。
振り向いても誰もいない。
しかしその視線に敵意はなかった。
牧志 浩太
それから、いつものように過ごしていた。

家に帰れば、シローとふたりきり。
寂しがるシローに絵本を読んでやったり、ホットケーキを焼いてやったりしながら、ふと落ちる沈黙を埋めていた。

閉まったままの部屋の扉に、あの雨の夜を思い出した。
佐倉さんと暮らす前は一人で暮らしていたはずなのに、いざいなくなるとそこに沈黙が空く。
牧志 浩太
気づけば、いつもより多く友達に連絡を取っていた。口数が多い、と言われて、俺もまぁまぁ弱ってるなと気づく。
東浪見は何かと俺を連れ出してくれて、先輩は酒を片手にゆっくりと話を聞いてくれた。

久しぶりに先輩を紅と呼び、あの日の話をした。
牧志 浩太
時折来る生存報告に、たまに感じる視線に安堵した。

俺が不安に取り憑かれた時だって、結局病院の助けを借りても、あの子たちに助けてもらっても、抜けきるまでに二ヶ月かかったのだ。

きっと、いつか戻ってくるだろう。
いつか。
数か月か数年か分からないけど、いつか。
もう少しすれば、きっと待つのも日常になる。
佐倉視点(ネタバレ)
佐倉 光
それからは異界で過ごした。
自分の壊れた心と向き合う日々。
時折訪れる衝動を破壊で満たし、時折牧志をハッキングした監視カメラ越しに見つめる日々。

波照間さんに事情は説明した。
東浪見にはもしシローが行く事があれば頼むと頼んだ。
こんな時にも俺達は異変に巻き込まれないという保証はないんだ。

あまり見ていると、これが必要な行動なのか、俺の狂気の沙汰なのか良く分からなくなる。
気を……つけないと。

佐倉視点(ネタバレ)
KP
ある日、牧志が夜道を歩いているのを褒められた物ではない方法で見ていたあなたは、彼が背後から突然殴り倒されるのを目撃した。
場所は幸いそう遠くない。

現場に到着したあなたは、倒れた牧志の口に見覚えのある生き物が入り込んで行くのを見た。
それは長い触手を持った生き物だった。
以前に牧志を乗っ取り、もう一人の牧志を壊した……旅するもの。
あなたが触れるよりも早く、その生き物は牧志の体内に消えた。

あなたと同時、牧志を殴った男が声を上げ、そして覚束ない手で取りだしたノートをめくり始めた。
佐倉 光
あれを排除する方法を俺は知らない。前回は奴らが勝手に出て行ったんだ。
このままだと牧志は三日で乗っ取られる。
佐倉 光
この男は、牧志をあれの巣にするために殴ったのか? 殺してやる。
《悪魔召喚》でラミアを喚ぶ。
KP
男は酔っ払いのようだった。あなたが悪魔を喚んだのにひどく驚いて胡乱な言葉で弁解をした。
その言葉は支離滅裂だ。話しても益がない。

牧志は白目を剥いてびくびくと震えている。
口に手を入れようと、腹を押そうと、寄生生物は出てくる気配がない。

あなたはふと、酔っ払いがオロオロとめくるページに、『旅するもの』の記載があるのを発見した。
佐倉 光
こいつは事情を知っているのか。ラミアに締め上げさせて威圧する。
KP
その男は酒臭い息を吐きながら、あたふたと自分の立場を語った。
また、牧志を助ける方法についても。
彼はあの生き物を駆除するためにここに来ていた。
牧志を襲ったのは偶然である。というか襲うつもりは多分なかった。
酒のせいだ。
酔っていたから分からない。
佐倉 光
ぶち殺してやろうか。本気でそう思った。
しかしこの男は何か知っている。逃がすわけには行かない。
KP
男は情けない声で謝りながら、牧志を助ける手段について語った。
腹を割いて摘出する必要がある。だが生きた人間にそれを行った場合、旅するものが暴れて宿主が死亡してしまう。
ならば宿主が死ななければいい。

男は秘術について語った。
心臓を取り出す事で、その人間を死から遠ざける秘術だ。
「何を隠そうこの私自身も」
佐倉 光
ラミアにGo指示出して男を殺す。

KP
男は震え上がってあなたに協力する事を約束した。
男は反省しているし、あなたに『殺された』ときに酒気も吹っ飛んだらしく、まともに話をしてくれるようになった。
佐倉 光
牧志が乗っ取られたり死んだりしたらこの程度じゃ済まさない。精神死ぬまで殺すからな。
男に対してはサクと名乗った。

まずはシローと東浪見に連絡して、シローには家を出て貰い、牧志を連れて自宅に戻ろう。

久しぶりの自宅に感慨を覚えている暇などない。牧志をベッドに寝かせ、手順を確認。必要そうなので儀式準備中に《治癒》を習得する。
《ディア》とは大分術の様式が違うが、似ている部分もある。なんとか脳に焼き付ける事はできた。

それから《カーの分配》を手伝う。
KP
見るも悍ましい儀式の果て、あなたの目の前に取り出された牧志の心臓がある。
佐倉 光
これを速やかに容器に移さなければならない……
手を伸ばし、肉塊に触れた時、これは牧志の中核だとの思いが突如わき上がった。
これを自分のものにすれば、牧志は永遠にここにいることになる。
ともにある。
ことになる。
これなら守れる。
何があっても離さずにいられる。
KP
血のにおいが濃く、牧志のぽっかり空いた胸から流れ出す血はベッドに染み込み続ける。
牧志の命は、存在は今、あなたの手の中にある。

「サクさん! 何をしているんですか!」
男が喚いてあなたの手から心臓を奪い取った。
佐倉 光
「何をする!」
奪い返そうとする。
KP
「今自分が何をしようとしたか、分かっていますか!? 心臓を壊したら、死んでしまいますよ!」
佐倉 光
「……えっ?」
KP
「分からないんですか、あなた今この心臓、囓ろうとしていましたよ!」
KP
あなた方二人が揉み合っていると、突然牧志が起き上がった。
牧志は目をぽっかりと見開いたままで逃げ出す。
KP
「ああっ、段階が進んだ!」
でも起きたばかりならそんなに動けないはず……
佐倉 光
「牧志! 待て!」
KP
牧志を止めようとしたあなたの手には心臓が握られていた。
牧志は虚ろな目であなたに手を伸ばす。
佐倉 光
心臓は渡せない。一歩さがった。
KP
牧志はあなたの前を走って外へ出て行ってしまった。
KP
「ああもう、何してるんですかっ!
早く追うんです! そんなに早く動けないはず、まだ間に合います!」
佐倉 光
「わ、分かった、これは任せるからな!
あいつは今、殺されても死なない状態にある、間違いないな!?」
KP
「頭だけは傷つけちゃ駄目ですよ! 頭が術の核ですから!」
佐倉 光
牧志を追う。
KP
牧志の姿はもう見えない。
佐倉 光
「あぁぁぁぁ、くそっ、くそっ、くそっ!」
監視カメラに侵入して牧志を必死で探す。

KP
そしてあなたは随分と探し回った後で、あのゴミ捨て場に倒れている牧志を発見した。
どうやらまだ体の支配が完全ではないらしい。
佐倉 光
それにしたって随分逃げたじゃないか。何が起きたばかりはほとんど動けない、だ、嘘つきめ。
佐倉 光
見つかって良かった。思わず安堵の笑みが漏れる。
佐倉 光
しかし中身が蟲野郎なら遠慮している場合じゃないな。
万一に備えて《悪魔召喚》でマカミを喚ぶ。
マカミなら痛みなどほぼなく無力化できる。それに万一の時の蘇生も可能だ。
KP
しかしマカミを呼び出そうとしたとき、召喚プロセスに原因不明のエラーが発生した。
佐倉 光
ならば仕方ない、またラミアだ。
KP
あなたの仲魔は今度は召喚に応じた。
佐倉 光
「ラミア。牧志が寄生生物にやられている。
頭以外は破壊されても大丈夫な状態にしてあるから、移動能力を奪え。遠慮するな」
KP
「そう。毎度毎度大変ねぇ、ボーヤたち」
ラミアは少し気の毒そうに、だが面白がるように笑った。

KP
そしてある夜。
あなたは唐突に目を覚ます。
そこはかとなく、臭い。
暗闇に、街灯がぼんやりと光っている。

いつも歩いている道のゴミ捨て場にあなたは倒れていた。
何故自分がここにいるのかも分からない。思い出せない。
妙に体が重い。頭がぼんやりする。
牧志 浩太
はっ、と身を起こそうとしてよろめいた。
牧志 浩太
咄嗟に佐倉さんの姿を探そうとして、そうだ、いないのだ、と気づく。
こんな時、傍らに佐倉さんの姿があることが。
なければ探すことが、もう染みついてしまっている。

心細い。
その心細さを堪えて、辺りを見回し、自分の状態を確認する。
牧志 浩太
どうしてこんな所にいるんだ?
直前まで何をしていたっけ?
何時間くらい気を失ってた?
妙に体が重いが、怪我はしている?
持ち物は手元にある?
KP
あなたは持ち物を身につけていない。
そして、佐倉の姿を探したあなたは、少し離れたところに立ってあなたを見つめている彼を発見する。
真顔であなたを見つめている佐倉の目は落ちくぼんでいて、満足に眠っていないのだろう、と見て取れる。
何より……彼は恐ろしい気配を纏っていた。
あなたを見つめる黒い目が、恐ろしくてたまらない。
あなたは、闇の中に立つ彼をその時、鬼と錯覚した。
本編見る!
牧志 浩太
それが誰か認識する前に、背が竦んだ。
闇の中に立つ何者かの、黒い目。
その眼がこちらをひたりと見ていた。
実はここでSANチェック入れ忘れています。不覚!
牧志 浩太
思わず、身構える。片手がゴミの中に、何か投げられるもの、使えるものはないか探そうとする。
それからようやく、それが佐倉さんであることに、気づいた。
佐倉視点(ネタバレ)
KP
牧志は目を見開いてぎょろぎょろと動かしながら、いびつな動きで起き上がった。
その喉から息が漏れている。
かろうじて声、に聞こえる程度の音。
佐倉 光
蟲野郎の支配下か。前回より随分とやられるのが早い。今は逃がすわけには行かない。

KP
さくらは腕輪に触れ、あなたに向かって呟いた。
佐倉 光
「避けるんじゃねぇぞ……」
唇の端をねじ曲げ、さくらは笑ったように見えた。
佐倉 光
「Go、ラミア!」
KP
さくらの指示に従い、鬼女ラミアがあなたに襲いかかる。

あなたは回避を試みた。だが体は思うように動かなかった。
致命傷を避けるために身をよじると、勢い余って転倒してしまう。
牧志 浩太
「……!」
咄嗟に腕で身をかばいながら、身をよじった。
足元がふらつく。足下を掬われるように、ゴミの上へ転ぶ。
牧志 浩太
ひっ、と喉から声が漏れた。
あの時はいっそ構わないとすら思っていたのに、いざ向き合ってみると、ただただ向けられる死が、その冷たさが怖くてたまらない。
牧志 浩太
「どうして……、なんで、佐倉さん」
情けないほど震えた声が喉から漏れた。
あの時の佐倉さんは随分耐えてくれていたのだと、改めて気づく。
KP
あなたの目の前にゴミ袋が転げ落ち、廃棄品が倒れ込んだ。
攻撃を阻まれた鬼女ラミアの怒りの声がぼうぼうと鼓膜を揺らした。
佐倉視点(ネタバレ)
佐倉 光
逃げられる。そう思った途端頭に血が上った。
以前見た光景が脳裏をよぎる。
平然と笑って、異世界の自分を殺そうとした、あの男。
させるわけにはいかない。
逃がすわけにはいかない。
捕まえなければならない。

牧志は、俺のだ

佐倉 光
「逃がすな!」
KP
さくらの声がまるで猟犬に命令する猟師のように聞こえた。

今なら、逃げられる。
牧志 浩太
咄嗟に、逃げる。
逃げる。
相手が誰だとか、そんなことすら考えていられなかった。
ただ生存本能が思考を燃やしていた。
牧志 浩太
殺意向けられたら感情より先に本能が反応して、咄嗟に死を恐れてしまうんだなぁ。相手が佐倉さんでも。
KP
あなたは自分の命を守るために、以下の行動を取る事ができる。
①この場から離れるための【DEX】×5
あなたはとても足が重く感じる。
【DEX】/2×5で判定すること。
牧志 浩太
1d100 20 Sasa 1d100→ 73→失敗
KP
背に痛みが走った。
1d4 Sasa 1d4→3
3ダメージが発生する。
牧志 浩太
HP11 → 8
KP
鬼女ラミアの爪で抉られたのだ。
運良く急所を逸らす事ができた。
すなわち……彼らはあなたを殺害する気なのだ。
牧志 浩太
ひえぇ。開幕5分で殺されて終わってしまうのか!?
牧志 浩太
猟犬に追い立てられる獲物のように、足をもつれさせながら、逃げる、逃げようとする。

それでも脚は重く、重く、重く。
鮮やかな苦痛が背に走り、流れ出す血液がより力を奪う。

いまここで俺はただの獲物で、向けられるのはただの殺意だった。
恐怖が心臓を激しく打ち鳴らす。汗が噴き出し、ままならない身体の中で思考だけが空回りしようとする。

深呼吸する時間さえ与えられない。
逃げなくては、隠れなくては、それ以上のことは何も考えられなかった。
佐倉視点(ネタバレ)
KP
ぐらりと頭の芯が揺れる。
あなたはずっと人間らしい生活を送っていない。睡眠も食事も休憩も足りていない。
自覚せずともあなたの体にはガタが来ている。
加えて不安定な精神状態が、《悪魔召喚》を、ラミアを維持するマグネタイトを不安定にしている。

KP
「ちょっと。マグネタイト足りないわよ。しっかりしてよね」
背後で声が聞こえる。
佐倉 光
「うるせぇ、見失うな!」
KP
さくら鬼女ラミアの動きがにぶい。
あちらももしかすると本来の力が出せていないのだろうか。

あなたは何とか少し距離を離す事ができた。
目を誤魔化すための隠れ場所を探す必要がある……

〈目星〉
※ただしあなたは目がかすんでいる。
〈目星〉/2で判定すること。
牧志 浩太
1d100 49 Sasa 1d100→ 79→失敗
KP
かろうじて「廃小屋」が見つかった。
侵入が容易なので隠れる時間が多く確保できそうだが、長時間隠れるには向かないだろう。
牧志 浩太
背後で話し声が聞こえる。
そうか、あちらも弱って見えた。

どこかに隠れて、体勢を立て直したい。
ひどく重い身体が、そう訴えた。

咄嗟にその小屋に飛び込む。
KP
あなたはぼろぼろの小屋の中で息を潜める。

さくらもまた息を潜めているのか、気配が消えてしまった。
猟師は得物が動くのを待っているのだ。
〈隠れる〉または〈忍び歩き〉+80%の補正。今回半減はありません。
牧志 浩太
口を押さえる。
鼻で少しずつ、少しずつ息を吸い、口で吐く。
激しく胸を叩く心臓を、恐怖と焦りに突き動かされて空回りしようとする頭を、必死に鎮めようとする。
牧志 浩太
このまま、ずっとここにはいられない。
動かなければ狩り出される。
動けば、狩られる。

爪に裂かれた背が灼熱感を伴って痛んで、血の臭いがより恐怖を掻き立てた。
牧志 浩太
距離を取らなければ。
1d100 90〈忍び歩き〉補正込み Sasa 1d100→ 82→成功
KP
背後で恐ろしい気配がする。壁一枚隔てた向こうに、さくらがいる。
抉られた背が激しく痛んだ。
だが声を上げれば気付かれてしまうだろう。

ただ黙って耐え続けるあなたの耳に、舌打ちが聞こえた。
佐倉 光
「くそ、どこに……」
KP
「爪は当たったから、怪我はしてるはずよ。そんなに遠くには行けないわ」
牧志 浩太
背を焼く痛みと流れ落ちる汗の中、辛うじて少し落ち着いた呼吸の間に、声が聞こえた。
佐倉視点(ネタバレ)
佐倉 光
牧志は正気であるように見えない。やむを得ない。殺して止めるしかないだろう。死にはしないが……それでも、絶対に逃がすわけには行かない。
ラミアには念を押しておかなければ。頭を狙ってはいけない。頭を破壊したとき、牧志は本当に死んでしまうのだ。

佐倉 光
「探せ。見つけたら殺していい。……分かってるな?」
KP
「はいはい、分かってるわよ」
KP
さくらが冷酷に命ずる様子が、鬼女ラミアが舌なめずりする様子が、脳裏に浮かぶようだった。
あなたが波照間の記憶でよく知っている二人の容赦ない殺意は今、あなたに向けられている。
牧志 浩太
聞こえる何気ない会話は聞き慣れた声で、鬼であると同時に佐倉さんで、ラミアさんだった。
どうして。今にも飛び出して、そう言いたくなる。
どうしてなんて分かっている。俺が佐倉さんをあんなに壊して、傷つけて、痛めつけたからだ。
牧志 浩太
泣きたくなる。
泣いても意味はない、殺されるだけだ。
牧志 浩太
殺されたく、なかった。
殺されてもいい。殺されたくない。
思考が混乱する。

KP
随分長いこと、ふたりは探し回っていた。
だが、あなたが見つけ出した場所は奇跡的に猟犬の目からあなたを守った。
牧志 浩太
小屋の中から、辺りの様子を窺う。
二人はまだ、近くにいるだろうか?
佐倉視点(ネタバレ)
KP
どこをどう探そうとも、牧志の姿はなかった。
佐倉 光
「あぁ、くそっ、くそくそっ! どこにいるんだよ!」
KP
夜とはいえ人目はある。ラミアが目撃されたら騒ぎになるだろう。
佐倉 光
仕方ない。ラミアを返還して捜索を続ける。

KP
どれだけ経っただろうか。
あなたを殺そうと付け狙う二人の気配は消えていた。

あなたは隠れおおせた、生き延びたのだ。
安堵が押し寄せる。
今、ここでなら落ち着いて自身の状態を確認する事ができそうだ。

▼探索:自分について/記憶をたどる/周囲の状況
牧志 浩太
ずっと詰めていた息を、は、と吐いた。
背の痛みは火傷のような、鈍く煩わしい痛みへと変じていた。
裂かれた背に汗が流れて、じりじりと痛む。

それは佐倉さんが俺を殺そうとした痛みで、
俺が、殺されてもいいって言えなかった痛みだ。
牧志 浩太
殺そうとした。
佐倉さんが。俺を。冷静に。冷たく。
獲物を見る目で。いつものような鋭い殺意で。

もしかしたら、俺だって分からなかったんじゃないか?
それは唯一の希望だった。それならいいと思った。
牧志 浩太
「……!」
音を立てないように、頬を叩いた。
ごちゃごちゃと色々思い始める感情を、とにかく黙らせる。
このずきずきと背を焼く痛みのせいだ。痛みのせいで、くだらないことを思っているだけだ。

全部棚に上げろ。考えろ、今の状況だけを。
本当なら俺だって、佐倉さんに殺されたくなんかないんだよ。
どれだけ傷つけたんだって、また笑いあいたいんだ。
牧志 浩太
傷に〈応急手当〉を試みることはできますか?
KP
では〈応急手当〉を試みようとしたあなたは気付く。
こんなに傷は浅かったか?
いや。傷が……塞がっているのだ。
HPを最大まで回復。
牧志 浩太
HP8 → 11
牧志 浩太
「……?」
傷を手当しようとして、違和感に気づいた。
傷が、塞がり始めている?
あんなに大きく裂かれたはずの傷が?
牧志 浩太
何が、起きている?
確かめないと、何がどうなっていて、何が起きている……。

>自分について
KP
何故だか非常に体調が悪い。空腹も感じている。
少し休んだことで目の霞みはましになってきたが、体が重い。とにかく体調が悪い。
服装は普段外出する時のものだが、持ち物は何も持っていない。
KP
具体的なステータス変化について、情報に載せました。
牧志 浩太
ふむふむ。ということは最大HPが8まで下がっているかな。
KP
実はそういう事ですね。
【アイデア】 をどうぞ。
なんとあなたの【POW】は総合で2さがってしまいます。
アイテムの補助分がない+減少1ですから。
牧志 浩太
1d100 90 【アイデア】 Sasa 1d100→ 98→致命的失敗ファンブル
牧志 浩太
わお
KP
あなたは恐怖のあまりものが落ち着いて考えられない。
いまだに外をさくらがうろついているような気さえしてくる……
牧志 浩太
ひた、と外を歩く足音が聞こえた気がした。
振り返っても何の気配もない。
ようやく落ち着いてきた心臓がまた跳ねた。
そんなにも死が怖いことが、殺されてもいいってあの時思えなかったことが、感情を痛めつける。

どうして。
嘆く声で思考がいっぱいになりそうになって、そうだ、もうちょっと温かく殺してほしかったんだって、そんなことに気づいた。

牧志 浩太
いうて悪いのは前回の件の発端になった誰かさんだし、「殺されてもいいと言えなかったこと」にまで罪の意識を抱かなくてもいいと思うんだ牧志は。(PL談)
KP
そうだよ! 牧志のせいじゃないよ。
あと佐倉も「殺されていい」なんて、「もしも」だとしたって思うなって言ってったじゃないかー
牧志 浩太
そうそう。そんなこと思うな、逃げろってちゃんと佐倉さんも言ってくれたはずなんですけどね。
牧志は佐倉さんと話したい、向き合って対話したいんだなぁ。>もうちょっと温かく殺されたかった
KP
さてどうなることやら。

牧志 浩太
満ち満ちてくる意味のない感情をどうにか振り払って、記憶を辿ろうとする。
何が起きてるんだ。
どうして、俺はこんな所にいる?

>記憶をたどる
KP
本日に至るまでの記憶があるが、今日、夜道で目を覚ます以前の記憶があいまいだ。
外出をしたような、していないような。それすらもおぼろげだ。
少なくとも佐倉は……いなかったように思う。
牧志 浩太
くそ。
その間に何があったのかを一番思い出したいのに、記憶に霞がかかったように曖昧だ。
周囲の様子を確認しよう。

>周囲の状況
KP
夜だ。一応人の往来はあるがそれも数時間後には途絶えるだろう。

ふと何かの気配を感じた。方角は北。佐倉に追われていた方角だ。
なんとなくだが、あなたは「目的地は北なのではないか」と感じた。
ここから北へ向かえば、ちょうど自分の家もある。
牧志 浩太
目的地は…… 北?
どうしてそう感じるのか、よく分からない。
何か、覚えているのか? 俺は?
牧志 浩太
家もあるが、佐倉さんに追われている状況で家に戻るのは得策か? 下手するとシローを巻き込むかもしれない。

家に戻れば何か、今日起きたことの手掛かりがあるかもしれないが……
牧志 浩太
とにかく、北へ向かおう。
身を隠せる場所が多そうな道を辿っていく。

>北へ向かう
佐倉視点(ネタバレ)
佐倉 光
ふらふら、と家に戻ろうとしているのに気付いた。
今戻ってどうする? まだ牧志を捕まえていないのに?
決まっている。あそこには牧志の核がある。アレを食べればいい。食べてしまえばずっと一緒にいられる。
ふら、とそちらへ向かいかけて足を止める。
違う、今探しているのは牧志の体だ。
そうしなければ牧志が死ぬ。
同じ死ぬなら、一緒になった方がいいに決まっている。決まっている。

自分の中のおかしな理屈に頭を殴られ揺さぶられながら探し続ける。
もうわけが分からない。たぶんこれは、牧志を見れば、牧志に触れれば、収まるに違いない……

牧志 浩太
傷は治るし、何が起きてるんだろうなぁ。怖いなぁ。佐倉さんの狂気も含め怖い楽しみです。生きたい。
牧志のとりえの〈目星〉がなおってよかった。

持ち物ないと【POW】がさらに1下がっちゃうのは確かにそうだ。うっかりしてました。
KP
あのとき「鱗貼る?」って言ったのは、割とアイテム取り上げられちゃう機会が多いからですね。
ペンダント等ならともかく、日記だと携帯品と一緒になくなっちゃうからなぁ……なんとかならんかしら。
牧志 浩太
確かになぁ。
それこそペンダントにでも加工して持とうかな。
今回の件で、持ち物なくなったらまずいことにも気づいたでしょうし。
でも貼るのはあの時の牧志としてはNOだったしなぁ。
ペンダントに加工して提げておく、のが一番いいかも。そのためにも生き残らなきゃなりませんが。
KP
がんばってね……
牧志 浩太
頑張って佐倉さんと共に生きたい……。

KP
あなたは、追跡者に見つからないように移動を開始する。
しかし、刻一刻と人は少なくなってきている。

現在時刻は21時。大体一カ所での行動に30分かかる。店は22時には閉まってしまうだろう。

探索箇所は以下の通りだが、上のものほど現在地に近く、下の物ほど北にある。
一度北に行ってから戻るならば時間がかかるということに注意。
また、ほかに立ち寄りたい場所があればここに記載されていなくても行動が可能な場合がある。
あなたは財布を持っていないが……
【幸運】ロール。

【探索可能な場所】(上ほど現在値に近い)
▼ドラッグストア
▼バス停のベンチ
▼飲食店
牧志 浩太
d100 50 【幸運】 Sasa 1d100→ 94→失敗
牧志 浩太
自分の家はどのあたりにありますか?
KP
飲食店の更に先、もう少し歩いた先だ。
徒歩での距離は飲食店から15分ほどだろうか?
牧志 浩太
交番に寄って窮状を訴え、小銭を貸してもらうことはできますか?
KP
なるほど。では再度【幸運】をどうぞ。
牧志 浩太
1d100 50 Sasa 1d100→ 77→失敗
牧志 浩太
うーんだめだ。
KP
近くにあった交番はパトロール中で不在だった。
牧志 浩太
東浪見の家や友達の家は近辺にありますか?
KP
東浪見の家はたしか電車に乗らないと無理だったよなぁ。
ほか友人の家も、残念ながらない。
牧志 浩太
そういえばそうか、東浪見の家は結構遠かったですね。
KP
友人宅あってもいいかな……もっかい【幸運】振ってみるか。
牧志 浩太
1d100 50 Sasa 1d100→ 73→失敗
牧志 浩太
さっきから出目がわるぅい。
KP
さすがに2回サービスしたらこれ以上はちょっと難しいなぁー。
牧志 浩太
この探索可能な場所というのは、「そこに何かありそうな気がする」?
それとも、寄る事によって手当のできる物を買えたり、そういうことができるんじゃないかという意味で目的地にリストアップしている?
KP
飲食店とドラッグストアは買い物可能な場所ですね。

牧志 浩太
では、バス停のベンチに行ってみる。
KP
上に雨よけがあり、簡素なベンチがあるタイプのバス停だ。
周囲には街路樹や植え込みがあるため、周囲から丸見えとはならないだろう。
既にバスの運行は終了しているが、座って休憩ができる。
牧志 浩太
は、と息を吐く。

家以外に辛うじて落ち着けそうな場所がある、というのは、それだけで安心感がある。
最悪ここで夜を過ごしてもいい。

ベンチの近くに小銭など落ちていないだろうか?

>小銭でも落ちていないか探します
【アイデア】失敗した内容について、再度考えてみることはできますか?
KP
▼よろしいならば【幸運】だっ!
KP
休憩を取るならば落ち着いて考え直してみる事もできるだろう。
【アイデア】
牧志 浩太
1d100 50 【幸運】 Sasa 1d100→ 58→失敗
牧志 浩太
出目がわるーい!
KP
4連かー。不幸だな。
KP
残念ながら小銭の類いは落ちていなかった。
最近は電子マネーが普及しているので、こんな所で小銭を落とす人もそうそういないのだ……
牧志 浩太
1d100 90 【アイデア】 Sasa 1d100→ 39→成功
KP
それはそうと、外出しているはずなのに自分はポーチやスマートフォン等を持っていないのはどうしてだろうか、ということは気になった。
牧志 浩太
そういえば、連れ去られたわけでもないのに、どうして俺は何も持ってないんだ?

久しぶりにあの鱗が手元になくて、少し落ち着かない。
妙に心がざわついている。
牧志 浩太
連れ去られて……連れ去られた?
目が覚めたらゴミ捨て場だったんだ。連れ去られて、捨てられた?

どうして。
誰に?
佐倉さんなら、連れ去ったりせずに、その時点で殺してただろう。

手を握って、拳を胸に当てて、息を吸って、吐く。
息を落ち着ける。

俺を連れ去ったとすれば、佐倉さん以外の誰かだ。
俺のこの状態もある。体調が悪いのはもしかすれば飲まず食わずで気絶していたとかかもしれないけど、この傷は説明がつかない。
牧志 浩太
家に、向かおう。
持ち物があるかもしれない。シローもいる。

佐倉さんが戻ってきている可能性もあるからリスクはあるが、家から連れ出されたんだとすれば、持ち物や何かが家に残っている可能性もある。
牧志 浩太
>自宅へ向かう。
人がいれば道中、佐倉さんの特徴を挙げ、そういう人を見なかったか聞いていく。
KP
あ、では休憩中にちょっとしたイベント。
KP
眼鏡の女性とショートカットの女性が話しながら歩いてくる。
「この辺だよ事件があったの。男の人が不審者に殴られた? かなんかで怪我したって~」
「え、こわ!」
眼鏡の女性が不安そうに周囲を見回す。それをジョートカットの女性が安心させるようになだめる。
「不審者はその後別の人に取り押さえられたっぽいから大丈夫だって」
「あ、そうなの。じゃあ大丈夫なんだ」
ほっと胸をなで下ろした眼鏡の女性は、あなたに気付いて引きつり笑いを浮かべた。
「行こ……」
女性達は足を速めた。放っておくならそのまま行ってしまうだろう。
呼び止めて話がしたいなら、そんな場所でこんな話題が出たばかりで、しかも相手は男性でちょっと警戒心高めの彼女らに話を聞いて貰えるか、
▼何らかの〈交渉技能〉で判定が必要である。
牧志 浩太
はっ、と声が耳に入ってそちらを向く。
牧志 浩太
「すみません。その話、聞かせてもらえますか。
俺、目を覚ましたら変な所で倒れてて、弱ってるんです」

座ったまま二人から距離を取って何もするつもりがないことを示し、弱っていて無力であることを訴えて話を聞きます。
1d100 77 〈説得〉 Sasa 1d100→ 28→成功
KP
その行動なら多少なりとも+判定……と思ったけど成功したな。

KP
ふたりはびっくりしたように足を止めた。
「やだ、行こうよ」
眼鏡の女性が袖を引くが、ショートカットの女性はあなたを見て完全にあなたに正対する。
「交番ならあっちにありますけど」
あなたが来た方を指さす。
牧志 浩太
「はい。さっき行ったんですけど、パトロール中だったのか誰もいなくて」
KP
「その話、って、暴力事件の事ですか?
見たわけではないので、そんなに詳しくはないですけど」
牧志 浩太
「はい、そう、その話です。
それっていつのことで、場所はどこで、殴ったのはどんな人だったかとか、ご存知ですか?」

こんな状態の俺の話を聞いてくれる。優しい人だ。会えてよかった。
KP
「えぇっ、大丈夫ですか?」
「ちょっとあーちゃん……」
「困ってるみたいだし、話くらいいいじゃない」
牧志 浩太
「今日のこと何も覚えてないし、起きたら何も持ってなくて」
牧志 浩太
「もしかしたら、殴られたの俺かもしれなくて」
KP
眼鏡の女性は目を丸くした。
「えー、記憶喪失?」
「場所はこの辺って事しか知らないですね。
犯人は普通の男の人だったって聞いてます。
被害者は良く分からないけど、そっちも男の人だったはずですよ」
牧志 浩太
近くで今日自分を見たかどうかと、佐倉さんの特徴を挙げて、こういう人を見たかどうかも聞きます。
KP
あなたが佐倉の特徴を述べると、ショートカットの女性は小首をかしげた。
「不審者を取り押さえたのが、目つきが悪くて顔色も悪くて、少し背の高い黒ずくめの人だったって聞いてます」
「く、詳しいね」
「それ明らかに犯人でしょって見た目なのに、人は見かけに寄らないよねって話したから覚えてるの。
お知り合いの方なんですか?
あ、昨日ですよ。事件があったの」
牧志 浩太
「ええ、友達なんです。
今はちょっと喧嘩してて、会いたくないんですけど。
今日、この辺では見ましたか?」
KP
「さあ……見てはいませんね」
「仲直り……できるといいですね」

「まあ……これでもどうぞ」
ショートカットの女性はあなたにコンビニに売っているような小パッケージのお菓子をくれる。(Bitsみたいなやつ。内容はお好みでいい)
「あーちゃんの好みって分かりやすいよね」
「そんなのじゃないってば」
牧志 浩太
「ありがとう……、本当に、助かりました」

その小さなお菓子を抱き、その人の優しさを感じながら口にする。
空腹が少しなりとも癒されれば、ほろりと涙が出そうになった。
KP
女性達は立ち去り、あなたは彼女の優しさを口にして、腹が少し満たされるとともに少し心が和んだ事だろう。
そうして僅かな休息を取ったあなたはそろそろ出発しようかと立ち上がろうとする……そのとき。

不意に突き刺すような痛みが首から脳天へと走った。
立ち上がろうとした不意の事で、あなたは体勢を崩してしまうだろう。

▼1d100
牧志 浩太
1d100 Sasa 1d100→86
KP
あなたはとてつもない不安と不快感に襲われた。
正気度が1D6減少。
牧志 浩太
1d6 Sasa 1d6→6
KP
あらあら。
一時的発狂ですぅ。
牧志 浩太
SAN 57 → 51
1d100 90 【アイデア】 Sasa 1d100→ 82→成功
牧志 浩太
1d10 種別 Sasa 1d10→1
1d10+4 Sasa 1d10+4→ 1+4→合計5
気絶または金切り声の発作かな。5ラウンド気絶で構いませんか?
KP
Ok。1分間かな。

KP
目が覚めると頭痛は消えている。その後は特に何も無いので好きに演出してくれて構わない。
その後で移動となる。
牧志 浩太
「う、ぁ、」
予期せぬ突然の激痛に、ぐらりと意識が傾いだ。

背筋を這い上がる不安。身体を引き裂かれるような不快感に、暫くそこで意識を失っていたらしい。

そういえば先程から、休憩して物を腹に入れたというのに、まったく体調が戻らない。
傷も治ったはずなのに、俺に何が起きているんだ?

首筋や頭を確かめてみるが、傷や、あるいは殴られた跡などはないだろうか。
KP
頭にも首にも傷はない。
なんならさっき受けた傷も綺麗さっぱり消え去っている。
牧志 浩太
>付近を調べる。
暴力事件があったという現場の痕跡があったり、持ち物が落ちていたりしないだろうか。

>近くに公園などがあれば、そこの水道で水分を取り、トイレがあれば用を足しておく。
KP
そのアクション二つを行うなら合計で30分、つまり1行動分かかるが、それでいい?
トイレと水くらいなら今回の行動に含めてもいい。
牧志 浩太
では、それで。

KP
あなたバス停近辺を調べる。が、残念ながらそれらしき痕跡は見当たらない。
このあたりはそんなに治安が悪くないはずだ。

そういえば、とあなたは思い当たる。
あなたが目覚めたゴミ捨て場はこのすぐ先だ。
あの辺りには飲み屋街もある。可能性があるとしたらあの近辺かも知れない。
牧志 浩太
そうか、あれから随分下ってきてたのか。
そういえば、あの時は周囲を調べる間もなかったな。

佐倉さんがあの辺りを探しに来ていたらまずいが……。
探すなら人通りがなくなる前にした方がよさそうだ。

>ゴミ捨て場近辺に持ち物や、何かの痕跡がないか探すことはできますか?
佐倉さんが戻ってきていないか注意し、それらしい影があるようなら近寄りません。
KP
では、そう決意したところで……
▼1d100
牧志 浩太
1d100 Sasa 1d100→9
KP
ずきり。先ほどより少し弱いが、また頭痛がする。
正気度1D3減少
牧志 浩太
1d3 Sasa 1d3→3
牧志 浩太
SAN 51 → 48
KP
次のポイントについた時点で1時間が経過するので不定リセットしてください。
牧志 浩太
うーん時間食っちゃったなぁ。
目覚めた場所からどれくらい移動しているか確認しそびれた。やらかしたかも。
SAN減少といい出目悪いィ。
牧志 浩太
「う……、」
呻く。殴られた痛みなのか?
まずいことになっているかもしれない。
それでも今は歩みを止めるわけにはいかない。
KP
頭の痛みはほどなく潮が引くように消え去って行く。

KP
では、移動ですね。飲食店は閉店していますし、そもそもお金がないので立ち寄っても意味がないでしょう。
そのまま進むと、あなたが倒れていたゴミ捨て場が目に入る。
周囲に人の姿はないので、多少ここで調べ物をしていても問題はないだろう。

調べるなら▼〈目星〉
牧志 浩太
1d100 98〈目星〉 Sasa 1d100→ 99→致命的失敗ファンブル
牧志 浩太
えぇー
なんだこの出目
KP
マジッすか。
調子悪いなぁ。納得だけど。
牧志 浩太
納得の調子の悪さではあるけども。
KP
時間をかけるならもう一度振ってもいい。
ファンブルについては振るか振らないかで演出内容を決めよう。
牧志 浩太
ここに何かある可能性は高いので、時間をかけて調べ直す。
1d100 98 Sasa 1d100→ 14→成功
KP
ではあなたはまた謎の頭痛に苛まれる事になる。
▼1d100
牧志 浩太
1d100 Sasa 1d100→57
KP
頭が痛い。何故か自分が削り取られて行くような心地がする。
▼1D3の正気度減少
牧志 浩太
1d3 Sasa 1d3→2
SAN 48 → 46
牧志 浩太
「う、うう、うぁ……、」

ただの頭痛というよりも、もっと不安を覚えるような痛みだった。
頭の後ろから刃物で削り取られているような。自分の存在そのものを削られていくような。

追われているという感覚が、背筋にひたりとつく刃の怖気になって冷たい汗を流す。

佐倉さんが今もどこかにいて俺を狙っている。次に会ったら殺される。

死がすぐ近くにあることが、どうしてこんなに怖い。
たったひとりであることが、どうしてそれ以上に怖い。

怖い。
KP
頭痛と恐怖が収まってくると、闇に慣れた目が様々な物をとらえる。
電信柱に新しい張り紙が貼ってある。
不審者に注意! といった内容だ。この近辺では度々不審な男が目撃されているらしい。
酒癖の悪い酔っ払いであるのか、この辺りを通行する人に暴力を加えようとしたり、物を壊したりしているらしい。

また、ゴミ捨て場の外にガラス片がいくつか見つかった。濃い紫色で、破片に葡萄を思わせる彫り物があった。
ワインボトルだろうか。
牧志 浩太
胸に手を当てて、激しく打つ心臓を押さえ込む。

俺や佐倉さんの持ち物や、財布などは落ちていないか。
ついでに小銭が落ちていれば、申し訳ないが拾っておく。
KP
小銭などは見当たらない。見覚えのある持ち物などもないようだ。
牧志 浩太
また、そのワインボトルだったらしいガラス片を見てみる。
見覚えがあったり、何か思い出したりしないか。
KP
ワインボトルの破片は何の変哲もないもののように見える。記憶にもとくにひっかかるものはない。
牧志 浩太
不審者に注意の張り紙には、それ以上何か書いてあるだろうか?
KP
不審者注意の張り紙は最低限の注意喚起、といった感じだ……

そうやってゴミ捨て場を見ていると、視界の端で何か小さなものが動いた。
あなたの背に怖気が走る。
牧志 浩太
「!」
咄嗟にどこかに隠れようとしながら、そちらを窺う。
牧志 浩太
小さくても油断はならない、佐倉さんは妖精族だって扱う……。
KP
暗闇で動くそれは30cmほどの影で、ゆらゆらと無数の触手のようなものを揺らめかせていた。
だが次の瞬間、その生き物はあなたに気付いたか恐ろしいほどの速さで逃げ去った。

それは、何故かとてつもなくあなたを不安にさせた。
なにか、あなたの記憶に、忌まわしく思い出したくないものとして刻まれている。
それについてよくよく考えるなら

〈目星〉(その生き物の特徴を的確にとらえられたか)
〈クトゥルフ神話〉知識(その生き物が何だったか)
牧志 浩太
1d100 98〈目星〉 Sasa 1d100→ 73→成功
KP
見えちゃったかー
牧志 浩太
1d100 39 〈クトゥルフ神話〉知識 Sasa 1d100→ 12→成功
KP
わかっちゃったかー。
牧志 浩太
見えちゃった☆
KP
これ速攻終わる可能性出てきたぞ。
そうだな、状況的に〈目星〉判定下げるべきだったな。
牧志 浩太
ひぇ。
まさかの見てはいけないもの見ちゃってロストエンドなの??
マイナス補正で振り直しにします?
KP
いやー、どうかな。どうしようかな。悩むなこれ。
このへんにしとこう。

KP
あなたは、それを知っている。
あなたは、それに遭遇した事がある。
それどころか。
あれはあなたを〓※⌘■§〼■※○⌘コ゚■╋⏄⌘〓‖ ̄〼○∇ヸ〓〼※■

思考を妨げる激しい頭痛が襲った。
SANチェック成功時減少 1失敗時減少 1d3+1
牧志 浩太
1d100 46 Sasa 1d100→ 30→成功
SAN 46 → 45
KP
痛みは収まらない。執拗にあなたの頭蓋を叩き続ける。
▼1d100
牧志 浩太
1d100 Sasa 1d100→44
KP
激しい痛みがぎりぎりと脳の奥にねじ込まれて行く。
正気度減少 1D6
牧志 浩太
1d6 Sasa 1d6→3
SAN 45 → 42
牧志 浩太
これ中にシャンちゃんいるんじゃないだろうな??
実はここダメージ値間違えてます。ごめん牧志。

牧志 浩太
「あ、あ、ああああ……!」
今すぐにのたうち回りたい程の強烈な痛み。身体を二つに分ける程の痛み。
あらゆる思考を行動を奪い、それ以外のことが考えられなくなる程の、痛み。

ぎりぎりと脳の奥を裂いてねじ込まれる痛みに、それが去るのを待つことしかできない。

一瞬、恐怖さえ忘れる程の痛みだった。
KP
ゴミ捨て場に沈黙が訪れた。
徐々に頭痛が治まって行く。
牧志 浩太
何だったんだ。
あれは、何だったんだ。
俺はあれに遭ったことがあるはずだ。
考えようとすればまたこの痛みが襲ってくるのではないか、そんな恐怖が思考を押し止める。
牧志 浩太
「……」
とにかく……、行こう。
あれが佐倉さんの悪魔なら、これで見つかった可能性もある。
そうでなくても、あまりここにいるのはよくない。
牧志 浩太
何かの気配がする方は、自宅よりさらに北ですか?
KP
今のところ自宅の方向であるという事しか分からない。
牧志 浩太
では、自宅の方向へ向かう。
牧志 浩太
少なくとも何かいるのはほぼ確実そう。佐倉さんも何かに憑かれている可能性がある?
不審者が憑かれて牧志を襲い、佐倉さんが不審者を取り押さえた時にやられたとすれば納得はいくんだよなー

コメント By.KP
突如殺意を込めて襲ってくる佐倉。
一体何が起きたのか。意味も分からぬままに牧志は逃げ出す。

佐倉の執着の狂気が強いうちにやっておきたかった話です。

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それは、まるで。まるで……、もう生きてない、ような。

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「おはよう牧志。
……どうしたのさ、怖い顔しちゃって。また悪い夢でも見たの?」