こちらはオリジナルシナリオです。


佐倉 光
着席~。
KP
こんばんはー!
佐倉 光
こんばんはー
疲れてはいるけどセッションはしたい!
よろしくお願いします!
KP
よろしくお願いします!
今日ですが、24時までという関係で、たぶん今日中には日常シーン終わらないと思われます
もうしばらくゆっくり旅行だ。
佐倉 光
はーい

温泉旅行のある意味クライマックス。

佐倉 光
主題だからな!
KP
さて、買い物は後にして温泉だ! と決意した二人。夕食前に温泉をと、同じことを考える客たちの後をついていけば、「大浴場こちら」という古ぼけた看板が廊下にかかっている。
佐倉 光
浴衣とタオル持って向かおう。
KP
客室に浴衣とタオルが備え付けられていた。
浴衣姿で向かえば少し寒いくらいの、丁度いい温度に通路は温められている。
牧志 浩太
「浴衣だと流石にちょっと寒いな。でも、温泉が気持ちよさそうだ」
佐倉 光
「ちょっと体が冷えたとこで入る風呂がいいんじゃないかな、がーっと血管広がる感じが全身で味わえるぞ」
牧志 浩太
「いいよなあれ。寒ければ寒いほど気持ちいい」
佐倉 光
そういや前回、いきなり湯船に入ろうとして怒られたことを思い出した。
公衆浴場、なんてものも初めてだったからなぁ。
KP
廊下には床の間のようなスペースがしつらえられており、華やかな青磁の壷などに花が生けられて飾られている。その上に観光案内のポスター。
佐倉 光
名所の写真とかあるのかな。見てみよう。
KP
雄大な山々をバックに鳥が飛ぶ写真や、夏の畑の写真、重たそうに雪が積もった写真などがある。
佐倉 光
綺麗だなぁ。
と思いつつ。
積雪の写真は大体今と同じくらいなのかな。
KP
城跡の写真もあるが、点在する館は復元イメージだ。
なるほど。見比べるならば、少し雪は薄いが迫るほどに思える。
【アイデア】
佐倉 光
CCB<=85 【アイデア】 (1D100<=85) > 79 > 成功
KP
このような写真だから、一番雪が深く積もる…… 2月くらいの写真を使っているのではないだろうか。
今はまだそんな時期ではないのに、積雪は迫るほどだ。
佐倉 光
そういや3月に人形祭りがあるとか言ってたな。
KP
人形祭りについて思い出すなら、小さく案内がある。雛人形を家々から集めて飾り、その前で子供たちが歌を唄ったりするのだそうだ。
牧志 浩太
「ん、観光案内?」あなたがポスターを見ているのを見て、同じくポスターに目をやる。
佐倉 光
「ああ、どんなとこなのかなと思ってさー。
今年は随分降ってんだな」
牧志 浩太
「ああ、そういえば運転してくれてた人も言ってたな。前に帰ったのは何月だったか、確かに雪はすごいんだけど、ここまでだったかな……」
佐倉 光
「ふーん。異常気象ってヤツかな。
最近異常気象って単語良く聞くけど」
牧志 浩太
「あの後が11月1日だろ、ああ、それから一度すぐ帰ったんだ。あの時は随分な雪だって思ったけど、今思えばこれよりだいぶ薄かった気がするな」
異常気象
佐倉 光
北海道某市では30年ほど前より積雪が増えています。
KP
おや、そうなんですか
佐倉 光
そうなんですよね。
やっぱり気候の変動は起きているみたい。
KP
こちらは夏の雨や台風が増えてるというか、夏の気候が荒れがちになっていますね
台風とかゲリラ豪雨が多い多い。
佐倉 光
豪雨増えましたね。
KP
ですねぇ。
水害が多くなるのは困る。

牧志 浩太
「かもしれないな。東京でも台風増えてるしさ」
佐倉 光
「こんだけ異常重なるともう正常なんじゃないかって思うけど」
牧志 浩太
「毎年のように言ってるもんな」
佐倉 光
「……
……」
牧志 浩太
「佐倉さん?」
佐倉 光
「変な事件に巻き込まれるのもそろそろ正常になりつつあんのか」
牧志 浩太
「それはちょっと困るな」
佐倉 光
嫌なこと思い出しちゃった。風呂風呂。

KP
少し早足に廊下の奥へ向かえば、狭い渡り廊下の向こうに大浴場の扉がある。出てきた客の肩から微かに湯の匂いがして、期待を高めるだろう。
牧志 浩太
「お、浴場は離れになってる感じかな」
佐倉 光
「この足元だけ暖かいの面白いな」
床暖なんてのも触れたことないんだ。
牧志 浩太
「ああ、確かに」
KP
扉を開けると、木製の棚が並ぶ脱衣所がある。その一角でストーブが焚かれていた。
佐倉 光
「おー、すっげぇ本物だ」
牧志 浩太
「本物って何が?」
佐倉 光
「銭湯んとき言ったかも知れないけど、温泉とかそういうの行ったことないんだ。
割とこの棚が並んでるとこだけでもテンション上がる」
牧志 浩太
「そういえば言ってたな。初温泉か」
KP
天井近くの窓はすりガラスになっており、外の光を柔らかく取り入れている。
牧志 浩太
「……何か、もうちょっと変わり種の温泉の方がよかったかな?
真っ赤なやつとか」
佐倉 光
「いや、充分面白いし。ここで適当にカゴ取って脱いでいいんだよな。」
牧志 浩太
「あ、そうそう。貴重品はそっちのロッカー」
佐倉 光
マッカは使え……るわけない。
KP
100円返却式だ。マッカはちょっと入らない。
牧志 浩太
「あ、しまった小銭ないな。佐倉さん、100円玉ある?」
佐倉 光
choice あるよ ないなぁ マッカで良い?  (choice あるよ ないなぁ マッカで良い?) > あるよ
あったね。
「あるよ。へー、これ返却式か」
牧志 浩太
「ごめん、ちょっと貸して。戻ってきたら返すから」
佐倉 光
じゃあ1枚出して渡す。
大きくて入らないかも知れない。
牧志 浩太
「ありがとう、助か…… あれ? 入らないな」
あれ? と手元のコインを見る。
佐倉 光
マッカってどういう見た目なんだろな。
ルキフグスの顔でも描いてあるんだろうかw
KP
どうなんでしょうね? ルシファーの顔かもしれない
佐倉 光
そういうのだとエンジェルさんとかが持ちたがらなさそう。
KP
確かに。
佐倉 光
無難に1マッカってかいてある。
牧志 浩太
「ごめん、これマッカだ。佐倉さん、同じ財布に入れてるんだな」
佐倉 光
こっち見た瞬間に吹き出した。
「入れる前に気付くかなーって思った」
牧志 浩太
「えぇ、悪戯? 久しぶりにされたな」
つられるようにぷっと吹き出した。
佐倉 光
「交換する?」
牧志 浩太
「じゃあカードと交換で」
佐倉 光
「俺のカードかぁ。名刺はないなー」
牧志 浩太
「何か作る? 透明で格好いいやつ。冗談だけど」
佐倉 光
普通の百円玉を指先で転がしてる。
「それの価値、まだこれの10倍くらいはあると思うけど、交換する?」
牧志 浩太
「俺が持ってても使い所がないなー」
佐倉 光
「はは、そうだな!」
で、交換。
どこかでは普通に使われているって? たぶんそれこの佐倉は知らないか、この世界でまだそれは公になっていないんだろう。
KP
まだあの場所の外に出てないんですよ、きっと。その話は。
牧志 浩太
100円玉を受け取って、貴重品を入れて施錠。
佐倉 光
こちらも施錠して腕に貴重品鍵巻いてる。
牧志 浩太
「……本当に素で間違えたのかなって思ったんだよなー、僕は前に一度やったから……」そんなことを言いながら服を脱ぐ。
佐倉 光
「波照間さんはナチュラルにやるからなぁ、そういうの。
名刺ねー。悪魔退治屋・悪魔召喚師、か。そろそろ本当に必要になるかも知れないな。
学校卒業したら」
牧志 浩太
「そう、うっかり混じってたし、普通に気づいてなかった。あれ、佐倉さん卒業まだなんだっけ」
年齢……
佐倉 光
確かまだ卒業してないはず……
KP
おっとそうでしたっけ。19才って話が出てたから、卒業して1年目だと思ってた。
佐倉 光
たしか秋くらいの事件でまだ卒業してないことにしようって話になった気がする。
ほら年齢管理適当にやってるからわけわかんなくなった!
留年したのかもね!
KP
じゃあ適当で!!
それはあるかもしれない、出席足りなさそうだし。
年齢管理ちゃんとしようとすると季節感のあるシナリオやりにくくなりますしねぇ。
雰囲気で!!
佐倉 光
ふんいき!
不定の狂気と季節絡んでくると有耶無耶にしづらくなる年齢。

佐倉 光
「あと数ヶ月ってとこかな」
牧志 浩太
「そっか。あともう少しだな」
KP
そんな話をしながら脱衣所の向こうの扉へ向かうと、その奥にもうひとつ部屋がある。雪や風を避けるための小部屋らしく、開けると向こうはきんと寒い。
牧志 浩太
「うわっ、寒」
佐倉 光
「さむ。
出るの勇気いるなこれ」
牧志 浩太
「だなー……、よし、いっせーので出よう」
佐倉 光
「いっせーの」
言いながらダッシュしてる。
風呂で走ってはいけない。
KP
心を決めてあなた達は外へ飛び出す。
そこは、一面の白い空間だった。
遠くに雪に覆われた山々。
白く濁った温かい湯が、白い湯けむりを上げる。
一面の湯気に覆われて、湯気が吸いこまれていく空だけが青かった。
牧志 浩太
「うわ……、すごいな」一度、寒さも忘れてその光景に見入る。
佐倉 光
「はー、綺麗だなー!」
牧志 浩太
「だな! うっ、寒。早く入ろう」
佐倉 光
「ぐわ、寒」
牧志 浩太
横から上がった声で我に返ったように寒さを思い出し、急いでかけ湯をして湯に足をつける。
「熱!」
佐倉 光
足踏みをしながらかけ湯もそこそこに風呂に。
牧志 浩太
「うわ、熱い熱い。あー、でも少し浸かってると慣れてくる。慣れてきた? 熱いのか冷たいのかわからなくなってきた」
佐倉 光
「あつ! 体中痺れる!」
熱い熱い騒ぎながら笑っている。
「感覚おかしい! なんだこれ」
牧志 浩太
「分かる! 動くと熱い! 動かないと冷たい!」
佐倉 光
湯の中でだんだんゆったりと体を動かす。
「顔だけ冷たいー」
牧志 浩太
「あー、少し慣れてきた……。はー、身体が緩んでくる……」
佐倉 光
さっき入ったばかりなのに風呂入りたい。
KP
KPも入りたい。
温泉入りたい……。
佐倉 光
風呂のフチに頭乗せて大の字で空見上げてる。
「広い風呂っていいなー」
牧志 浩太
「だなー……。こうやって空を見上げてるとさ、このまま空っぽになりそうになる」
佐倉 光
「(牧志が)空っぽはもうしばらくいいや……」
ちょっと前のことを思い出した。
牧志 浩太
「ああ、うん、大丈夫、あの空っぽはちょっと困る」
佐倉 光
「溶けそうだ」
このまま寝たら気持ちよさそうだ……
まあ間違いなく溺れるけどな!
牧志 浩太
「分かる……。本当にやったら溺れるけどさ、こういう寝床欲しい」
佐倉 光
そんなあなた方に寝湯!
岩盤浴も良いぞ。
岩盤浴行きたいなーーー
KP
岩盤浴! 実はあれあんまりちゃんと味わったことなくて
(せっかちなので普通の風呂に行ってしまう)
KP
温かい湯は強張っていた肩をゆっくりとほぐし、空気も風景もひどく冷たいのに、身体だけが温かいという体験をあなた達に与えてくれる。
佐倉 光
「これさー、湯から上がれなくなるんじゃ?」
牧志 浩太
「なるなる。出る時に決心要りそう、出たら絶対寒いよなこれ」
KP
冷たい空風があなた達の顔に吹きつけ、頭を冷やす。温かい湯の中にいればこそ気持ちいいが、外で浴びたらこれはこれは寒そうだ。
佐倉 光
「不老不死の泉って話を思い出すな」
牧志 浩太
「どんな話だっけ、お姉さんがいるやつ?」
佐倉 光
「俺が知ってるのは、『入ると不老不死になれる泉』の話だ。
入っているといつまでも健康で歳も取らない。
当然、入ってみたいって思うじゃないか。先客も一杯いるんだ」
牧志 浩太
なんとなく続きが想像できたが、口には出さない。
佐倉 光
「入って周囲の人に話を聞いてみると、何千年も前の人までいるんだ。
出なければ、いつまでもいられるんだな。
多分その泉のまわりには死体が転がってるんじゃないか?
なーんてオカルト」
牧志 浩太
「ああ、成程。出たらその時点で一気に歳とって死ぬと」
クロちゃんの。
佐倉 光
たまに漫画に出てくるようなネタだけど、最初に読んだのはTRPGのネタ本でしたねー。
毎度寒くて風呂から出られない話聞く度思い出す。
KP
なるほど。
何千年もずっとお風呂生活、ふやけそう。
佐倉 光
出るとライフとか生命力が1になっちゃう呪いの泉って書いてあったなー。
クロちゃんのRPG見聞録、クロちゃんのRPG千夜一夜。当時TRPGやってなかったけど全巻集めたなぁー。
もしかしたらトラップ・コレクションで読んだのかも知れない。富士見のコレクションシリーズも好きだったなー。

牧志 浩太
「……それでも出たいと思う気持ち、か。美女と野獣の美女は、家族に会いたくて家に帰してくれって頼んだんだっけな」
佐倉 光
「メロスか」
牧志 浩太
「そうそう。ちょっと思った」
佐倉 光
「家族に会いたい、ってのは俺はいまいちよくわかんないけど」
メロスと同じ立場なら、まず親友を犠牲に家族に会いに行こうとはしないからなぁ。
牧志 浩太
「うーん、確かにそこは解釈分かれるよな。じゃあ、友達や仲間だったら?」
佐倉 光
なんとなく魔きしくんを思い出す中の人である。
KP
思った。
佐倉 光
「そうだなー、それなら考えるかな。
前提が美女と野獣だってんなら、外の世界から切り離されてふたりだけになるわけだろ」
牧志 浩太
「だな。森の奥の城だっけ、二人だけ。ネットも通じない」
佐倉 光
「ネットくらいは通じてくれないと一日で帰る」
牧志 浩太
「しまった、それ以前だった。
じゃあネットは通じるくらいで」
佐倉 光
「うーん……それなら。
……やっぱすぐ逃げ出す気がする。
それどんなに快適でも病院暮らしと変わらないような」
好きな相手と二人きりって前提がスポーンと抜けてる。
牧志 浩太
「うーん、確かにな。息が詰まりそうだ。こうやって旅行にも行けないしさ」うーん、と大きく伸びをする。
彼の首から胸にかけて刻まれた赤い痣が、ふと目に入った。
佐倉 光
広がっているのだろうか。
牧志 浩太
それは少し広がっているようにも見えたし、湯気のせいか、あなたの気のせいかもしれなかった。
佐倉 光
何とかしないとな……とはいえ、これを何とかできた牧志はあの時いなかったっけ。
隻眼のあいつにもついてたし。
牧志 浩太
これを負っていなかったのは、因果が反転した“紅”くらいだったようにも思われる。そうならなかったからこそ、彼らはまだ力を持っていて、日常を外れていたのかもしれない。
佐倉 光
予想以上にだらだらと風呂に入っちゃってるw
KP
つい会話が楽しくて!!
KP
そんな話をしていると、少し離れた所で湯に浸かっていた中年の男性が、「やあ、旅行かね」と声をかけてきた。
先程の運転手よりも歳が若いせいか、まだ比較的言葉が分かる。
佐倉 光
「あ、はい」
あいつも風呂に浸かってんのかなー、なんて思ってたら声をかけられ、つい反射的に返事をする。
牧志 浩太
「あ、はい。そうです」
KP
「そうかそうか、いらっしゃい。この風呂はどうだい?」
佐倉 光
「地元の方ですか」
KP
「ああ。住まいはもう少し離れているんだが、こっちに湯治に来ていてね」
佐倉 光
「景色が良くて良いところですねー。
効くんですか、温泉って」
KP
「正直微妙だが、気持ちいいからいいんじゃないかな」わはは、と男性は笑う。
牧志 浩太
「うーん、案外適当」
佐倉 光
「まー、効くって思えば効くでしょうし、気持ち良ければ良い効果があるって事ですよねー」
KP
「そういうこと。おっと、そろそろ飯の時間だ。それじゃあ、よい風呂を」そう言って男性は風呂を上がっていく。
牧志 浩太
「あー、もうそんな時間か」
佐倉 光
「他にも人がいたんだな」
牧志 浩太
「だな。湯気でよく分からなかった」
KP
時間経過は雰囲気でお送りしております。
佐倉 光
雰囲気大事。
佐倉 光
「正直そろそろのぼせそう」
寒いところに出たくなくて延々と話をしていたような節もある。
牧志 浩太
「よし、出るか! うわっぷ」 また寒い風が顔に吹きつけてきた。
佐倉 光
「凍える! 凍え死ぬ!」
KP
出るぞ! と決心して出るなら、【POW】×5で判定。失敗すると決心が鈍ってのろのろしてしまう。
佐倉 光
CCB<=(15×5) 【POW】 (1D100<=75) > 9 > スペシャル
牧志 浩太
CCB<=(12×5) 【POW】 (1D100<=60) > 61 > 失敗
「寒!」出ようとした瞬間の空風! 思わず決意が鈍って湯船の中に戻ってしまう。
「うー、寒い……。もうちょっとだけ」
佐倉 光
「おい、早く上がれよ寒いんだよ!
あと15秒のうちに出てこないなら先に行くからな!
15。
13。
5」
牧志 浩太
「ああっ、うわ!」
佐倉 光
「先行く!」
牧志 浩太
慌てて風呂から上がる。
寒い寒いと叫びつつ、後を追うように風呂場を出た。
佐倉 光
寒すぎたので時間が縮みました。
KP
一気に縮む様子が大層らしい。
別に待つ必要はなかったよね? と思う中の人だった。

KP
そんなこんなでドタバタしつつ温泉を出る。身体を拭いて浴衣を着て、脱衣所の温かい空気に触れると、ようやく身体がほかほかと温かいのを感じる。
身体から湯気が微かに出ているような、湯の匂いを全身から感じるような気がした。
佐倉 光
「あったけーーーーー!」
芯から暖かい。先ほどまでの寒さが嘘のようだ。
「頭だけ寒いの気持ち良かったよなー」
牧志 浩太
「だな。今も頭はちゃんと冷えてて、身体の芯があったかい……
気持ちいいなぁ」
気持ちよさそうにふにゃりと笑む。
佐倉 光
「これ座ったらもう立てなくなるぞ」
牧志 浩太
「分かる。夕食の後は部屋でゴロゴロしよう。
どっちにしてたっけ、夕食」
夕食は部屋で食べるか、宴会場で食べるか選べるらしかった。あなた達はどちらを選んだだろうか。
佐倉 光
折角だから宴会場かな。
変化
佐倉 光
前の佐倉なら迷わず「部屋!」なんだけど。
KP
ああー、そこが変わってるんだ。食事中って割と無防備になる時間ですしね。
佐倉 光
さっさと終らせたい時間だし。
KP
色々な変化の果てに旅行を楽しむ二人がいるんだなぁ。
佐倉 光
だいぶ変わったからねぇ、佐倉。
今メガテンの頃の佐倉やれって言われたらちょっと程度が分からなくて困るかも知れない。
※前回の話みたいな極端な佐倉ならできる

佐倉 光
「宴会場だったな、確か」
牧志 浩太
「そうそう。一つしかないから分かりやすいな」
佐倉 光
「フロアは……っと」
チェックして向かおう。
佐倉 光
民宿だからフロアってほど階数はないかな。

KP
場所をチェックして宴会場に向かう。
部屋で食べる人が案外多かったのか、広い宴会場に人はまばらだ。大きな漆塗りの卓の片隅に、あなた達の食事が用意されている。
一人用の鍋の上にセットされた肉料理、甘く煮しめられた魚。
彩り鮮やかな野菜の漬物や、小鉢の料理。それから、柔らかく湯気を立てる白飯。
食前酒は透明な水のような色で、小さなグラスの中で澄んだ香りとともにあなた達を出迎えた。
佐倉 光
「美味そうだなぁー」
佐倉 光
さすがに食前酒は出ないかな?
飲みたいけど。主に中の人がw
KP
残念ながら、食前酒は佐倉さんの分はない。
その代わりに地元の果物を使ったジュースが供されている。
佐倉 光
「こういう時年上だなーって思うんだよなー。
普段全然意識してないからびっくりする」
牧志 浩太
「あー、そうか、佐倉さんまだだもんな。年上か、俺もそんな気しないな、あんまり」
佐倉 光
「お、ジュース美味い。甘すぎなくていいな」
牧志 浩太
「お、それいいな。後で売店見直そう」
KP
鍋の下にセットされた固形燃料に火がつけられる。燃えていく燃料の上で、鍋がふつふつと音を立て始めた。
佐倉 光
物珍しそうに見てる。
KP
一人鍋with固形燃料は旅行の浪漫。
佐倉 光
わかる。
佐倉 光
「一人用鍋かぁー。贅沢」
牧志 浩太
「いいよな、これ。旅先だなーって感じがする」
佐倉 光
「初めて見た。
俺今回こればっかだな」
牧志 浩太
「だな。旅行、来られてよかった」ふと、安堵のような実感を込めて呟く。
佐倉 光
「ありがとう。たぶん俺の発想に普通の旅行ってないからさ」
牧志 浩太
「じゃあ、佐倉さんに俺の発想を提供できたわけだ」
佐倉 光
「いろいろ新鮮だった」
アマラ経絡をターミナルでひとっ飛び、じゃきっと味わえない面白さだ。
「瞬間移動できたら便利だとか、バーチャルで暮らせたら楽しいとか、普段は色々簡単に短縮して効率的にってなるけどさー。
たまにはこういうのも面白いな。
不便が楽しい」
牧志 浩太
「だな。毎日だったら大変だけど、たまにやると楽しいってやつ」
佐倉 光
鍋が煮えるまでの間、小鉢をつつく。
「これもまた非日常と」
牧志 浩太
「そういうことだな。
俺も本当は初めてなんだよな、こういうの。きっと、初めてじゃないんだろうけど」
何かを思い出そうとするように、耳を澄ませるように、一度小鉢の上で箸を止めた。
佐倉 光
「そうか、近所なら前に来ていたかもしれないんだな。
そういや、車のおじさんも知ってたみたいだし」
牧志 浩太
「そうらしいんだよな。受付のおばさんも知ってたようだし。よく来てたのかもしれない。
あと、それもそうだけどさ。旅行自体が、俺が知ってるのは俺の記憶じゃないんだ」
佐倉 光
「ああ、そうか。
波照間さん呑みまくってそう」
牧志 浩太
「覚えてるのはもうちょっと前だから、さすがに呑んではないかな。
雪を見に行った記憶も、一度だけあるんだ。テンション上がりすぎてきれいに風邪引いた」
佐倉 光
「ああ、そうか、沖縄だからな、波照間さん」
佐倉 光
妹がツッコミ入れそう。
KP
風邪引いてるの見て盛大に呆れてそうだけど、当人もテンションは上がってるので人の事言えない。どちらも小さい頃で、その後妹はそのことを忘れてて、群馬で再度テンション上がって失敗する。
波照間の妹はCoCペルソナのPCである。ちょうどこの頃雪でテンション上がる話が出ていた。
牧志 浩太
「静かにテンション上がるから、止める人がいないんだよ、先輩」
佐倉 光
「気付いたときにはブチ上がってる……分かる気がする。
なんか口数多いと思ったらやたら圧が強くなってたりする」
牧志 浩太
「そうそれ。周囲が気づいた時にはノンストップになってる」
佐倉 光
「お互い初旅行か。いいとこ選んだよな」
牧志 浩太
「だな。ご飯も美味しいし。食事もだけど、文字通りに米が美味しい」
佐倉 光
「米ってこんな美味いものなんだなー」
牧志 浩太
「塩だけでもう二杯はいけそう」
佐倉 光
そういえば東北は米所なんだっけ、などと思い出したりしている。
ということはお酒も美味しいんだろうな。
KP
そういえば観光案内にも、米と酒のことが言及されていたか。
牧志 浩太
あえて酒には言及しなかったのは彼のやさしさだろうか。小さなグラスの一杯を美味そうに飲んでいた。
KP
人のまばらな宴会場に、あなた達の声がぽつぽつと静かに響く。
佐倉 光
あのBarでの一件で、酒の美味さは知ってしまったからなー。
KP
ですねぇ。それからも何だかんだと飲んでいるのだ。
佐倉 光
そして同時に「やっぱ呑みすぎて理性飛ばしちゃ駄目だな」と思ったので、深酒はしないのだ。
……いや、直後に一回してたわ、深酒。(『1100』)
深酒っていうよりやけ酒かな……
KP
あれはやけ酒でしたねぇ……

おしまい
KP
というところで、本日は以上。
佐倉 光
はーい、ありがとうございました!
本当にただのんびり観光してしまった。
KP
ありがとうございました! これまでの積み重ねの話ができて楽しい。
牧志にとっては初旅行であり、初旅行ではないんですよね。
佐倉 光
近くにこんな観光地があるなら、子供の頃にも何度か来ているんだろうしなぁ。
KP
行き先さえも不明になってしまっているけど、バス旅行……。
『地獄はやさしい』で起きた悲劇。牧志は『対の棲みか』でその帰りのバスでのことをおぼろげに思い出している。
佐倉 光
あれ帰り道でしたからね。
KP
なんですよね。牧志が思い出せたのは帰り道の姿と、その時の感情だけ。
佐倉 光
『楽しかった』ことは覚えているけど、その後の事を思うと。
いろいろつらい。
KP
あ、あと一応、どんな旅行でどんな人がいたかと、旅行中のことはとりとめもなく思い出してましたね。ただ、顔や名前までは思い出してなさそう。
佐倉 光
覚えていなくて良かったのかどうなのか……
彼らのなれの果ては目撃しちゃったからなぁ。
KP
彼らがどうなったか、その旅行の終わりがどうなったかは分かってしまっているんですよね……。
自分が入っていたサークルのことを追えば、彼らの名前と顔は分かるだろうけど。それだけ。
佐倉 光
それは牧志の記憶にはないんだもんなぁ。
ただ辛いことになってしまいそうだ。
KP
その顔を見ても実感が持てずに、あの夜に見たもののことを思い出してしまいそうで。
佐倉 光
牧志は、それを思い出すことと、人間の彼らとの縁を忘れてしまったことで傷つきそうだからさ。
KP
痛むでしょうね。記憶がふっつりと切れてしまっていることに、彼らを忘れてしまったことに、気にしないはずだったけど、今更。
可愛がられた記憶だけ朧げな追想として思い出してしまったぶん、余計に。
佐倉 光
よし、楽しい旅行で「旅行」に対する印象を上げよう。
KP
印象上げよう。自分自身の記憶に楽しい旅行を刻もう。事件? いやいや起きませんって。
佐倉 光
雪女? いやいや、イエティだって悪ふざけだったんですから……
KP
あとマッカの一幕は笑いました。
佐倉 光
悪戯したいなって。
カードクレって言われて噴いた。
もうそんなもの必要ないでしょうが!
交渉・カード……女神転生において、悪魔の力を借りるために交渉をする。なかに「カードをもらう」というのがある。その悪魔と契約するということになり、全面的に力を貸してもらえるようになる。
牧志は(波照間ではないので)悪魔カードは使用できないし、そんなものなくても……ねぇ。
KP
まったくだ。あのやりとり面白すぎた。牧志は佐倉さんの悪戯を素で受けちゃうし。
佐倉 光
交渉ごっこしようとは思ってたけど、あんな広がると思ってませんでした。
KP
やったぜ。
忘れた記憶もどこかには残っているかもしれないとはいえ、記憶がほとんど差し替わっているから、牧志は牧志でも、発想も少なからず影響を受けているんですよねぇ。
佐倉 光
最近安定してるから、佐倉もそういうネタ振るのに遠慮がなくなってきてる。
KP
そうそう。あそこで「僕」と言ったのは、自分の体験で実感がある、ってことを強調したかったからですね。
佐倉 光
僕 と言われることに恐怖とか混乱がなくなって、「ああ、波照間さんの記憶で体験してるのか」と普通に受け止めるようになった。
前は「えっ大丈夫お前牧志ってこと忘れてない? まざっちゃってる?」って心配してたからなー。
KP
牧志は牧志のままそうやって語れるようになったし、佐倉さんもそのことを普通に受け止められるようになっている。
佐倉 光
今彼が言う「僕」は混同の「僕」じゃなくて、区別のための「僕」なんですよね。
KP
そうそう。一時期の「俺」「僕」に加えて、「俺」「先輩」「僕」を使い分けているんですよね。
意味合いを区別するために使い分けるようになってる。
佐倉 光
牧志君の変化も大きいんだよな。
って毎度こんな話してるけど。
KP
これだけ続けてて毎回なにしか変化があって楽しい。
佐倉 光
ですねぇー!

ひとこと
佐倉 光
温泉でのんびり……今回の時間半分以上温泉で駄弁っているだけだったりします。
事件? そんなものないない!
時間に追われずに温泉に行きたいですねー。


CoC【ワンナイ卓】収録シナリオ『こどもぱにっく!』 佐倉&牧志 3

「その人もきっと『困ってる』んじゃないかな」

CoCキャットゥルフ『それは月明かりの下で』 ユキ 2

あなたは《月への跳躍》ができる特別な猫だ。
いつもより少し難しくはなるが、夢の世界へ行くことはできるかも知れない。

【置】CoC『忌胎』 佐倉&牧志 1

俺にできることはないのか、何か……

【クトゥルフ神話TRPG】
本作は、「 株式会社アークライト  」及び「株式会社KADOKAWA」が権利を有する『クトゥルフ神話TRPG』の二次創作物です。

Call of Cthulhu is copyright ©1981, 2015, 2019 by Chaosium Inc. ;all rights reserved. Arranged by Arclight Inc.
Call of Cthulhu is a registered trademark of Chaosium Inc.
PUBLISHED BY KADOKAWA CORPORATION 「クトゥルフ神話TRPG」


マモノスクランブル『ミス・ミスフォーチュン』 1

「でもこの呪い痛くないやつだよ。よかったね~」
「じわじわ死ぬけどな」
「死にたくない。普通に」