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こちらには
『えっ? 手のひらから唐揚げ出せるんですか?』のネタバレがあります。

KP
あなたは、夢を見る。

どことも知れない暗闇の中、黒猫の面を被った男が、仰々しい演説をぶっている。

あなたはいい加減知っているだろう。
こういうのは大体、ただの夢ではない。
佐倉 光
なんだぁ?
今度は何が起きるってんだ。
佐倉 光
黒猫ってとこがちょっと気に入らない。
KP
男はわざとらしく振り向いた。長くすらりとした指を開く。

「人間、一度は『手の平から何かを出したい』そう願ったことがあるだろう。
火を水を光を妖精を、君だって昔は願ったのではないかな?」
佐倉 光
「昔は金やマグネタイトが欲しいって思ったけどね」
肩をすくめる。
KP
「そんな人の願いを、この僕が叶えてあげようと思ってね。
君だって偶には、童心に還りたいだろう?」

男はあなたに向かって口角を上げた。
くつくつという笑い声がどこからか聞こえてくるような、善意を感じない笑い方だった。
佐倉 光
「童心に返るほどの暇もなけりゃ、代わりにくれてやる物もねぇよ。
退屈しのぎならもっとやる気のあるヤツでやれば?」
ため息まじりに手を振った。
KP
「おやおやおや、つれないねぇ。
君だって、望んだものがあるだろうに」

男の長い指があなたへと伸びる。
はい、と有無を言わせず何かを手渡してきた。
佐倉 光
しつこいなぁ。
出された物を見る。
KP
それは温かい何かだった。
油のいい香りを漂わせ、さくさくとした質感が見てとれる、揚げたての唐揚げだった。

あなたが外でひとつつまみ食いした、あのままの唐揚げだった。
KP
「食べたかったんだろう? 彼と一緒にさ」

男は黒猫の面をかたりと揺らして、仰々しく礼をした。
男に当たっていたスポットライトが消え、辺りは真っ暗になる。
佐倉 光
「勝手に人の心覗いてんじゃねぇよ……」
KP
暗闇の中で相変わらず、手のひらの上はほんのりと温かかった。
KP
〈聞き耳〉で判定。
佐倉 光
1d100 79〈聞き耳〉 Sasa BOT
1d100→67→成功
KP
「叶えられた夢には代償が付き物って言いたかったんだけど、先に言われちゃ恰好がつかないねぇ。アハハ!」

そんな声を残して男は消えた。
佐倉 光
「教えてけよ、代償」
またあいつかな。思いながら唐揚げを見つめる。
かじる。
KP
美味しい。
衣と皮がさくりと口の中ではじけ、肉の旨味とともに脂の甘みが舌へと広がる。
それはあのとき、あなたが唐揚げ屋の外で味わったままの唐揚げだった。
佐倉は「心を覗くな(お前の言う通りだ)」と言って唐揚げをかじることで、納得して契約を受け入れることを明示しています。

KP
あなたが唐揚げをかじると、ぱっと辺りに明かりがついた。

あなたは暗い森の中の、小さく開けた場所に立ち尽くしている。
あなたを照らしていたのは夜の猫の眼のように円い月の光で、周囲は背の高い木々でぐるりと囲まれている。

そして。
一カ所だけわざとらしく続く道の前に、困った顔でかじりかけの唐揚げを手に乗せた牧志がいた。
本編見る!
佐倉 光
「牧志!」
走って近寄る。
牧志 浩太
「佐倉さん」
困惑した顔をしていた彼は、あなたの顔を見てほっと安堵を眼に浮かべた。
その顔の半分には変わらずべったりと痣が張りついていて、長いローブの裾は下生えの中に埋もれていた。
佐倉 光
「お前も変な黒猫野郎と契約したのかよ。
つーか、ここどこだ? 塔の外だな」
牧志 浩太
「俺もってことは、佐倉さんも見たのか? あの、黒猫の面をつけた男」
牧志 浩太
「契約する気なんかなかったのに、一方的に押しつけていったな。
腹立たしいことにすごく美味い、この唐揚げ」
牧志 浩太
「どこだろうな、ここ。確証はないけど、『外』ではないと思う。そういう感じがしないんだ」
佐倉 光
「なるほど同じってことだ。まあ、美味いな、」
残りの唐揚げを口の中に放り込む。肉汁がたっぷりだ。美味い。
牧志 浩太
彼も同じように、口に唐揚げを放り込む。
「ちょっと冷めても美味い」そう漏らす。
牧志 浩太
彼がぐるりと辺りを見回すと、巻きついた鎖が鳴る。
鎖の先を確認すれば、どこへともなく消えている。
佐倉 光
「おー。謎の消え方してやがる。
どうせなら鎖ごと消えとけばいいのにな」
佐倉 光
「……で、手から何を出すって?」
牧志 浩太
「……」
何もなくなった手のひらを、じっと見つめる。
彼がいつもやるように、一度握る。
握った拳を見つめて、開くのを少し躊躇う。
牧志 浩太
「この流れだと、まあ、そうだと思うんだよな」
佐倉 光
「……そうかな?」
自分も手を握って牧志の目の前に出す。
佐倉 光
「違ったらどうする? 俺は塩味希望」
牧志 浩太
「違ったら何が出てくるんだろうな? 悪魔? あー、塩味いいな。俺もそれで」
あなたの前に、拳がふたつ並ぶ。
牧志 浩太
「いっせーの、で一緒に開こう」
佐倉 光
「オッケェー。せぇーのっ」
開く!
KP
同時に拳を開いた!
そのとき…… 脂のいい香りが、その場に溢れ出した。
牧志 浩太
「……唐揚げだ」
あなた達の手の上には、先程と同じように美味しそうな唐揚げが、ほかほかと湯気を立てて乗っかっていた。
KP
何もなかった所に突然唐揚げが出てきたことに……というよりは、このツッコミ所しかない状況に。

SANチェック成功時減少 0失敗時減少 1D3》。
牧志 浩太
1d100 39 《SANチェック》 Sasa BOT
1d100→89→失敗
1d3 Sasa BOT
1d3→2
SAN 39 → 37
このシナリオの正気度
佐倉 光
唐揚げで不定の狂気に!?
そんな事態になるというのか牧志!?
KP
ま、まだセーフッッ!
これで不定になったらフェティッシュ:唐揚げ 確定な気がします。
佐倉 光
事態が悪化するじゃねぇか!
KP
残り少ない正気が唐揚げになってしまう。

KP
あ、そうだ。
唐揚げなんですが、改めて確認したところ、
 ・途中でボンボンSANが減る
 ・終盤でも割と盛大に減る
 ・しかし生還報酬の記載がない
 ・最後が夢エンドなので、SAN減少も全部夢だった! ということかなとも思うけど明言がない=普通に減りっぱなしになる
という感じだったので、生還報酬周りについては改変して調整をかけます。
(制作サークル様のXに金銭が絡まなければ改変OKとの記載あり)

PC(のSAN)に合わせた調整の範疇ということで。
唐揚げでSANロストしたらどんな顔していいのかわかんない。
佐倉 光
夢ということでリセットでいいんじゃないかな。
改変でもいいと思いますし。
そんなことで探求の旅が終わったら、きっかけの本持ってきた佐倉がぶっ壊れますわよ。
KP
最後に派手な《SANチェック》あるので、これは夢リセットが想定なのかなー? という気もしますし、そしたらリセットでいかせて頂きます。
シナリオの流れ的にも派手にぶっとんで全部夢でしたリセット! が一番綺麗な気がする。
佐倉 光
これでロストしたら、目覚めないまま夢の中で唐揚げ生産し続ける存在になるのかしら。
KP
これでロストしたら唐揚げを探求し続ける存在になって塔がからあげタワーになるのかもしれない。
佐倉 光
あー、それはそれでなんだかとっても狂気的。
KP
まさにオカシイ。
KP
あ、ラストに大きな《SANチェック》というのはこちらの勘違いでした。
ルルブ確認し直したらそこそこだった。
大きくはあるけど。
でもまあ夢リセットでいこうかなと思います。
佐倉 光
ほーい

KP
これ置きでやると常に唐揚げが食べたくなりますね(昼食前
佐倉 光
まずい。
KP
腹減ってる時に常に唐揚げの描写が目に触れるのはなかなかまずい。

佐倉 光
1d100 64 《SANチェック》 Sasa BOT 1d100→40→成功
減少なし。
佐倉 光
「……唐揚げだな。しかもできたて」
口に放り込む。
佐倉 光
「あ、これも美味い」
KP
唐揚げは美味しい。とても美味しい。
捻れても潰れてもいない、あなたが外で味わったままのあの唐揚げ、いやあれより更に美味しい気がする。

これはいい肉を使っている。美味しい。なお、ちゃんと塩味。
佐倉 光
「あっさりした味でこれも好みだなー」
牧志 浩太
牧志もそれを口に放り込む。
突然出てきた怪しげな唐揚げへの躊躇い?

目の前に揚げたての唐揚げがあるというのに、そんなものが手を止めるわけがない。
牧志 浩太
「美味しい。唐揚げって、こんなに肉に質感があったんだな。
噛むとじわっと旨い脂が溢れてくる。塩味だけで十分に旨味がこっちを殴ってくる。
えっ、美味しい。もう一つ、今度は青海苔味」

牧志は急かされるように手を握る。開く。また唐揚げが手の上に乗っている。
KP
あなた達は手から唐揚げを出すことができる!

なお、唐揚げ一個出すごとにSANを1消費する。
この消費により不定の狂気を発症した場合、長期の狂気表で内容を決定するが、何がしか唐揚げに関連した狂気となる。
牧志 浩太
SAN 37 → 36
KP
心なしか牧志の目に狂気を感じた気がする……
佐倉 光
牧志くんのリミットいくつだろう。
KP
初期39なので、1時間以内に31まで減ったら不定発症します。
佐倉 光
「竜田揚げ!  とかは出るかな?」
牧志 浩太
「えっどうだろ、試す…… 醤油味の唐揚げだ。
片栗粉使ってるかどうかまでは分からないな」

彼はもう一つ唐揚げを出す。醤油と少し効かせた出汁のいい香りが辺りに満ちる。
牧志 浩太
「あー、じわっと美味しい……」
牧志の視線が味覚の虜となってとろけてゆく。
牧志 浩太
SAN 36 → 35
佐倉 光
「……ちょっと待て」
肩をガシッとつかんで目を覗き込む。
牧志 浩太
「美味しい、今度はカレー味…… 佐倉さん?」

また唐揚げを出そうとしていた牧志の肩を、あなたは掴む。
鎖がじゃらじゃらと揺れ、眼の中に蠢く痣があなたの視界に広がる。

その眼の中に、ここで目覚めた時はなかった、急かされるような狂気がほの見えた。
佐倉 光
「待て、待て待て待て、代償!
代償がやべーやつ!
お前は使うな!
それ使えば使うほどまずいやつ!
いや唐揚げは美味いけどまずい!」
牧志 浩太
「えっ唐揚げ美味しいけどまずい? 何が?」
KP
あなたは背筋に怖気を覚えるだろう。
自覚がない? 

自らの感情に自覚的な彼が、代償たる狂気に常に抗いながら淵にしがみついて探求を続ける彼が、神秘で世界のありようを歪める〈もどす〉ことが人を狂気と同化させうることを、よく知っているはずの彼が?

自覚が、ない?
佐倉 光
自らがそちらへ行くことが即破滅であると何よりも理解しているはずの牧志が、たかが唐揚げで我を忘れる?
こんなのは異常だ!
佐倉 光
いや異常なのは分かってたけどっ!
佐倉 光
「とにかくダメだ、カレー味なら俺が出してやるからっ!」
握って、カレー味をイメージして開く。
KP
ほかぁ……。
あなたの焦りと、カレー粉のいい香りが混じり合う。

カラッと揚がった衣の先端が食欲を刺激してやまない香りを発しているのを嗅げば、ちょっとこのまま自分で食べてしまいたくなる。

この香りは脂と大層相性がいいのだ。

あなたのSANが1減少する。
佐倉 光
SAN 64→63
そのまま牧志に押し付ける。
唐揚げを見ながら手を握ったり開いたりを繰り返す。
牧志 浩太
「えっいいのかありがとう佐倉さん、美味しい」
牧志が礼を言うのと、牧志の口の中に唐揚げが消えるのがほぼ同時だった。
牧志 浩太
「どうしてカレーってこんなに脂に合うんだろう……」
牧志の歯が衣を噛む、さくさくといういい音がする。
KP
望めば手の中に唐揚げが生じるだろう。
望まなければ、塔の中暮らしで少し血の気が失せたあなたの手は、脂に濡れてただそこにあるままだ。
佐倉 光
望……………
むわけないだろ、その危険さは俺もよく知ってるんだ。
俺だって牧志よりマシとは言え大差ない。
むしろ実際に転げ落ちるとまずい牧志よりも、俺の方がやられた経験は多い。
知っている。
知っているが。
佐倉 光
本当に美味そうに唐揚げを食べる牧志を見たら、もう我慢できなかった。
佐倉 光
いいだろう、何十年ぶり、いや、俺と違ってずっとあそこにいる牧志の感覚ならもっとだろう?
佐倉 光
いいじゃないかたまには。こんなに我慢したんだ。
佐倉 光
いいじゃないかちょっとくらい!
佐倉 光
そうして自ら狂気へ背を押した。
三つほど唐揚げを出して、一つを牧志に渡し、二つを自分でかじる。
佐倉 光
そうまずは食って落ち着こう。
エゴに負けた。
あの本を読んだ時点で、唐揚げへの執着に囚われていたのかもしれない……
SAN 63 → 60
牧志 浩太
「佐倉さん……、ごめん。でも美味しい。美味しいんだ。

潰れてもちぎれてもいない肉って、こんなに美味しかったんだ。
開けた所で食べるものって、こんなに美味しかったんだ。

そもそもこの唐揚げ、すごく美味しい。
美味しい……」

牧志の眼に涙が盛り上がった。
大粒の涙をこぼしながら牧志は顔を歪めて笑う。
木々に囲まれた見知らぬ森の中、月の光に照らされてあなた達は唐揚げを楽しむ。
佐倉 光
「美味いなぁ」
しみじみと呟いて味わう。
外で食べたとは言え本物の肉体ではなかったためなのか、それともこの唐揚げが神秘的なものだからなのか。
それに何より、笑顔の牧志を見ると自分も笑顔になった。
とても懐かしい気分だ……。
佐倉 光
そんな果てしないときを抑圧されたエゴを、押さえられるわけがなかったよね!
KP
なかったですね!
佐倉 光
「唐揚げは俺に任せとけって。
俺はそのためにここにいるんだぜ?」
牧志 浩太
「はは……、それじゃ、唐揚げのためにいることになるよ。
でも、ありがとう」

佐倉 光
「ところで、ここはどこって問題がまだ片付いてないな」
KP
唐揚げ食べて落ち着いたあなた達は、改めて辺りを見回す。
〈目星〉〈聞き耳〉で判定。
KP
あ、判定あった。
魔きしは〈目星〉/〈聞き耳〉の値は元のままでいきます。そこは変わらないだろうし。
佐倉 光
はーい
佐倉 光
お茶と一緒につい買ってしまった唐揚げ棒をむしゃむしゃしている……
KP
あーあー……
これを置きでやると本当にPLが持続的に唐揚げ食べたくなる
佐倉 光
1d100 85〈目星〉 Sasa BOT 1d100→8→成功
1d100 79〈聞き耳〉 Sasa BOT 1d100→22→成功
牧志 浩太
1d100 98〈目星〉 Sasa BOT 1d100→76→成功
1d100 97〈聞き耳〉 Sasa BOT 1d100→87→成功
KP
ここに生き物の姿はなく、風の音すらしない。
あなた達の声と唐揚げ食う音を除いて、全くの静寂がここを支配している。
KP
ふと、一カ所だけわざとらしく開いた道の向こうから、鳥か何かの声を聞いた気がした。
牧志 浩太
「何かいるな、鳥……?」
脂がついた口元で牧志は表情を引き締める。
佐倉 光
こういう時、自分独りで動くのが常だった。牧志は動けなかったからだ。あの塔から一歩だって出ることを許されなかったからだ。
しかし今なら、共にゆけるのではないか。
普通の人間だったあの頃のように、感覚を共有できるのではないのか。
唐揚げを噛み締め、カレー味が腑に落ちてゆくのを心地よく感じる。
佐倉 光
「動けそうか?」
どことも知れぬ場所に延びてゆく鎖を目でたどる。
牧志 浩太
「えっ?」
動けそうか、そう掛けられた声に牧志が不思議そうに振り返る。

振り返り、前を向く。
目の前が開けていることに、その時彼は初めて気づいたらしかった。

どこへともなく伸びて下生えの中へ消えてゆく鎖を見て、恐る恐る、草を踏み一歩踏み出した。
彼が歩くと鎖がついてゆく。
一歩、また一歩。道の前まで辿り着く。
長い袖を揺らして手を伸ばす。
伸ばした手が、何かに阻まれることは……、なかった。
牧志 浩太
「行ける……。動けそうだ。続いてる。行っても大丈夫だ」
少し震える声で彼は言う。
佐倉 光
「よーし、唐揚げ食いながら散歩しよう!
次は何がいい?」
佐倉 光
「俺は明太子!」
先に立ち、油でギットギトの手を適当に服の裾でぬぐって牧志に手を差しのべる。
牧志 浩太
「あ……、」
彼は涙の残る顔で笑って、前を向く。
手を伸ばして、少し震える指をゆっくりと曲げ、あなたと手を繋ぐ。
道の先へと、踏み出す。
牧志 浩太
「あ、明太子いいな、俺もそれ……、はは、凄い、歩ける。先がある」
佐倉 光
「テイクアウト用に紙で包んだやつ出してくれないかなー。
串でぶっ刺したやつでもいいけどさ」
そんな感じで!  と念じつつ手を握って開く。
KP
手を開くと出てきたのは変わらず、素手の上に唐揚げだった。
テイクアウトは駄目らしい。
KP
『くず籠ないからね、ここ』
あの男の声が聞こえた気がした。
佐倉 光
固いこと言うなよ、ポケットに入れりゃいいじゃねーか。

新しく出てきた唐揚げを牧志に渡し、自分の分も出す。

SAN 60 → 58
佐倉 光
相棒と共に歩いて美味いものが食えるなんて、『当たり前』であるべきことが、もう果てしなく昔の記憶にしかなかった。
何が起きたとしても後悔はない。
佐倉 光
ピリ辛唐揚げ美味しい。
佐倉 光
なにげにこちらもあと7個出したら不定だ。
KP
1d20 Sasa BOT 1d20→14
KP
美味しいと笑いあいながら歩いていると、再び開けた場所に出た。
その広場には……、鶏が居た。

鶏だ。
ひよこから白いのから茶色いのから黒く雄々しい烏骨鶏から雄から雌から、14羽の鶏がその場にひしめいていた。
牧志 浩太
「うわ、近寄ってきた」
KP
鶏たちは油にまみれたあなた達の手を嗅ぎ、興味を示している。

〈聞き耳〉で判定。
また、二人とも1d10を振ること。
牧志 浩太
1d100 97〈聞き耳〉 Sasa BOT 1d100→95→成功
1d10 Sasa BOT 1d10→7
佐倉 光
1d100 79〈聞き耳〉 Sasa BOT 1d100→74→成功
1d10 Sasa BOT 1d10→10
KP
あなた達はここで佐倉さんが最大10個、牧志が最大7個の唐揚げを出すことができる。
もちろん、1個ごとに正気度を1消費するのは変わらない。

鶏たちはあなた達の食べている唐揚げに興味を示しているようだ。

14羽の鶏たちは、1羽につき唐揚げを1つ食べる。
あなた達は何羽の鶏に唐揚げを与えてもいいし、与えなくてもいい。
牧志 浩太
「……唐揚げ食べた後で鶏って、何なんだ、そういう意味での悪趣味ってことか……?」
牧志 浩太
「いや。でもあいつのせいだったとしたら、そういう素直な悪趣味で喜びそうな気はしないな」

素直な悪趣味とは一体。
佐倉 光
「つってもこいつら、あまり気にしないだろうそういうの」
普通に考えれば人間向けに味付けされたものを動物に与えるのは虐待なのだ。
佐倉 光
まあしかし。
こういう状況で何が影響するかは気になる。
佐倉 光
一個薄味のを出して与えてみよう。何が起きるかなー
SAN 57 → 56
KP
唐揚げを与えられた鶏は嬉しそうに首を上下させると、あなたの後ろをついて歩く。

あなたを餌をくれる人として認識した………… のだろうか?
牧志 浩太
「というかそもそも、鶏って肉を食べ……ないことはないか、どうなんだ?」
うーん、とその様子を見て考え込む。
牧志 浩太
「これは俺の直感なんだけど、細かいことを考えてもしょうがない気がする……」
佐倉 光
「まーな。
どうせここ現実じゃないだろうしさ」
牧志 浩太
「そんな気はするな。もし現実だったとしても、そういう話が通じる方の世界じゃなさそうだ」
KP
そこで、〈聞き耳〉で判定。
佐倉 光
1d100 79〈聞き耳〉 Sasa BOT 1d100→24→成功
牧志 浩太
1d100 97〈聞き耳〉 Sasa BOT 1d100→81→成功
KP
見れば他の鶏もあなたの周りに集まってきている。唐揚げが欲しいのだろうか。
佐倉 光
せっかくだから不定ギリギリまで出してみようか。
鶏がその場で仲間の仇をとろうとかしないみたいだしさ。
不定ギリギリならあと五個だ。適当に出して与えよう。
いや、51になったらもう不定なのか?
うーん。
いっそマックス出すか!
KP
出しちゃう?
佐倉 光
SAN 57 → 47
不定突入
KP
あなたの手から十個の唐揚げが湧き出る。それなりにボリュームのある唐揚げ定食だ。
鶏たちは我先にとあなたの手の中の唐揚げに殺到する。
KP
1d10で種別、1d6で持続期間をどうぞ。
佐倉 光
1d10 Sasa BOT 1d10→2
1d6 Sasa BOT
1d6→4
佐倉 光
こっちの佐倉はいつも自分独りで無茶してるので、本編の佐倉より大胆。
KP
なるほど。
KP
四か月の…… 激しい恐怖症
あなたは唐揚げが恐ろしくてたまらない! どこへ行っても唐揚げが見える! 唐揚げ! 唐揚げ唐揚げ唐揚げ! 恐ろしいのに美味しい! 恐ろしいのに食べたい! 食べたい! 唐揚げ!
KP
唐揚げを見たら食べたくなるんである。いくら恐ろしかろうとも。それが唐揚げだからだ。
佐倉 光
なんてこったい。
佐倉 光
5つくらい手から出したところで青ざめてバラバラと残りを取り落とす。それで出しすぎたかもしれない。
佐倉 光
「どうして俺こんなに執着してんの。食い過ぎだろどうかんがえても」
佐倉 光
ガタガタ震えている。
牧志 浩太
「佐倉さん、どうしたんだ突然。確かにそこそこ食べたけど、まだ食い過ぎって程じゃないだろ」
牧志があなたに駆け寄り、その手を取って様子を確かめる。
KP
取り落とした唐揚げを鶏たちが嬉しそうに食べている……。
合計で十羽の鶏があなた達の後に付き従いだした。

まだ道は続いていて、その向こうから微かに油の匂いがする……。
佐倉 光
「な、何だろうな、急に、怖くてさ……」
手が震え、また唐揚げが飛び出す。
短い悲鳴を上げて最後の唐揚げを地面に落とした。
そこから後ずさる。
佐倉 光
「あのサクサクした衣も、しっとりと弾力に満ちた肉も、全部テロなんだよ。俺達を太らせようとする陰謀なんだ」
佐倉 光
「ああ、食いたい、食いたい、怖い」
佐倉 光
おまえはなにをいっているんだ。
牧志 浩太
「さ、佐倉さんしっかり。何だか饅頭怖いみたいになってる」
饅頭怖いってそういうことじゃない。
驚いた牧志があなたの肩に手を置き、あなたを宥めようとする。

そういえば牧志のこんな風に驚いた顔というのも、随分久しぶりに見る気がする。
佐倉 光
「凄い顔してるーハハハ」
涙目で落ちた唐揚げから距離をとる。
佐倉 光
「あっち行こうぜ」
道の先へ進もう。
牧志 浩太
「あ、ああ。うん、そうしよう」
まだ唐揚げ欲しそうにしている四羽の鶏をちらりと見つつ、牧志はあなたと共に道を行く。
KP
鶏たちが唐揚げを一つ、また一つと食べていく。
すっかりあなたの視界から唐揚げは消え、十羽の鶏があなた達の後に付き従う。
1d20 Sasa BOT 1d20→18

KP
道の先には、もう少し大きく開けた場所があった。
そこには…… 豚? 豚だ。
ふごふごと鳴きながらあなた達を見上げるのは、十八頭の豚だ。
牧場か何かのような風景が、そこにあった。

豚たちは脂の残ったあなたの手を嗅ぎに来る。
まさか、彼らまで唐揚げが欲しいというのだろうか。
佐倉 光
「ブタまで……」
KP
〈聞き耳〉で判定。
また、1d10を振ってください。
佐倉 光
1d100 79〈聞き耳〉 Sasa BOT 1d100→10→成功
1d10 Sasa BOT 1d10→7
牧志 浩太
1d100 97〈聞き耳〉 Sasa BOT 1d100→96→致命的失敗ファンブル
1d10 Sasa BOT 1d10→6
佐倉 光
ワァ
この成功してるのにファンブルするの納得いかなぁい
KP
道は更に向こうへと続いている。
道の先からする油の匂いが、さらに強くなってきた。
牧志 浩太
ここまではっきりと油の匂いがするというのに、牧志はそれを全然分からなかった。
分からなかった? なぜ分からなかったのだろうか。
なんと彼の鼻に唐揚げが詰まっていた!

むりむりと鼻の穴を押し広げて、唐揚げが地面に落ちた。
彼は強制的に唐揚げを一つ呼び出してしまう。牧志のSAN-1。
また、牧志だけ《SANチェック成功時減少 0失敗時減少 1》。
佐倉 光
何故だ。
牧志 浩太
SAN 35 → 34
1d100 34 《SANチェック
牧志 浩太
「ふごふごふごふご」
あなたの呟きに返ったのは、苦しそうな不明瞭な音だった。
あなたは牧志が鼻の穴から唐揚げを押し出すところを見てしまうだろう……。
KP
残る豚は17頭。
あなたは唐揚げを7つまで、牧志はここで出た1つを除いて5つまで呼び出せる。
1d100 34
Sasa BOT 1d100→30→成功
佐倉 光
「……」
ブフォ、と吹き出す音がしたが、佐倉は真顔だった。
しかしその衝撃で手から唐揚げが転げ落ちた。7つ。
SAN 47 → 40
KP
豚たちが集まって転げ落ちた唐揚げを美味そうに食べる。
七頭の豚たちがあなたに付き従う。
牧志 浩太
「鼻に唐揚げ詰まるとは思わなかった。
なんで鼻から出てきたんだ、そのうち目からも出てくるんじゃないだろうな……」

嫌な想像をしてしまったのか、牧志は恐々と自分の目が無事であることを確かめる。
佐倉 光
「こいつらも連れてったら鬼退治の役に立ってくれたりすんのかな」
牧志 浩太
「鬼退治か、可能性はあるかもな。
この唐突さ、何か意味がありそうな気がする。
鶏と豚で退治…… 泥棒退治か?」
KP
豚はまだ十頭いて、物欲しそうにあなた達を見上げている。
牧志にも唐揚げ出してもらう?
正気をふっ飛ばせ
佐倉 光
魔きしくんここで正気ぶっ飛ばしていく?
あと3個だしたら不定だっけ。
牧志 浩太
です。>あと3個
佐倉 光
割と二人ともまずい数値なんだよなw
ふっとばしていくか!
5個出したとして……
のこり29か。
KP
ですね。5個出しちゃう?
佐倉 光
出すか
多分後似たようなイベント一個くらいだろうし!
KP
読まれとる!
KP
いやいやヤギが出るかもしれないじゃない
佐倉 光
エエーヤギは明日でしょ?
羊も好きです。
ほうれん草と羊のカレーすっっき。
KP
だめだ腹が減ってくる。
佐倉 光
PLも正気度をふっとばしてく話だった。
ヤギは明日……翌日、本編の方で牧志がヤギ被るシナリオ遊ぶ予定だった。

牧志 浩太
「うーん……。連れていってみるか」
牧志は手を握り、開く。
その手からひとつ、またひとつと唐揚げが生じる。

その様子はまるで何もない所から花が咲くように…… 見えない。唐揚げは唐揚げだ。
牧志 浩太
「えらくがっついてくるから、かわいいような怖いような気がするな……うわ、手まで食べるな、食べるな」
五つ出てきた唐揚げを、牧志はしゃがみ込んで豚たちに与える。
牧志 浩太
SAN 34 → 29
KP
というわけで牧志も不定の狂気inです。
1d6 期間 Sasa BOT 1d6→1
1d10 種別 Sasa BOT 1d10→7
KP
心因性視覚障害または難聴……? 唐揚げで???
牧志 浩太
耳がよく聞こえない。
鼻から唐揚げが出てきた体験が、あまりに衝撃的だったのだろうか。

牧志は、耳に唐揚げが詰まっているような感覚に捕らわれる。
頭を反対側から叩いてみても当然のように何も出てこないのに、脂でつやつやと濡れた柔らかい塊が、内耳をみっしりと埋めている感覚が離れない。
牧志 浩太
「う、うう……」
しゃがみ込み苦しげに頭を叩く牧志の手を、五頭の豚たちがふごふごと嗅いでいる。
あなた達の周囲を、あなた達に付き従う十二頭の豚たちと十四頭の鶏たちが取り囲んでいる。
佐倉 光
「大丈夫か?
今度は耳から出そうなのか?」
スマホで照らして覗き込んでみる。
佐倉 光
「何もないぜ、よほど奥なら見えねーけど」
これはあれか、心因性、というやつか。
佐倉 光
「何も入っていないよ、大丈夫。
それは確実に気のせいだ。
唐揚げは手から出るもんだぜ、百歩譲って鼻から出ても、耳から出るわけないだろ?」
耳には何も入っていない、ということを示すため、耳にそっと指突っ込んで語りかける。
〈精神分析〉だ!
精神分析
佐倉 光
〈精神分析〉って自分にも使えたっけ。
KP
ざっと見たけど自分自身に使えるかどうかは記載がないっぽい、かな?
佐倉 光
こちらでも確認しました。大丈夫っぽいですね。
KP
ではOKとします。

KP
〈精神分析〉、どうぞ!
佐倉 光
1d100 75 牧志に〈精神分析〉 Sasa BOT 1d100→15→成功
1d3 回復値 Sasa BOT 1d3→3
1d100 75 自分に〈精神分析〉 Sasa BOT 1d100→25→成功
1d3 回復値 Sasa BOT 1d3→2
現在正気度 40 → 42
牧志 浩太
SAN 29 → 32
佐倉 光
自分の胸にも手を当てる。
そういえばそうだ、唐突に唐揚げが怖いなんて状況もおかしいんだ。
俺達は揺るいでいる。
深呼吸して呪文のように状況を整理する。

唐揚げは怖くない。
唐揚げは手から出る物。
唐揚げは美味しい。
落ち着こう……。
牧志 浩太
「……ふはっ、ちょっとくすぐったい」
耳に指を入れられて、何とも言えない感触に吹き出す。

それから、ふう、と息を吐いて。
あなたの指の感触と、そこからどくどくと響く心音に耳を澄ませる。
牧志 浩太
「……」
一度、息を吸い、吐く。
牧志 浩太
「そうか……、何も入ってない、のか。
そうだな、何も入ってない、入ってない……」
目を閉じ、体内の感覚に集中して。
繰り返し言い聞かせるようにして、目を開いた。
牧志 浩太
「……ごめん、また助けられたな」
あなたがそうして彼を宥めることは、もう珍しくなかった。

唐揚げは珍しいかもしれなかったが。
佐倉 光
「……よし、これでしばらくは大丈夫だな。進もうか……」
周囲を見回して。
佐倉 光
「これはなかなか凄いことになってきた。
ブタって人間食うんだろ?
食われる前に食わないと」
冗談なのか本気なのか良く分からない言い方で言って、歩く。
鶏蹴飛ばさないように気をつけないと。

コメント By.佐倉 光
本編の二人と『日常』と『常識』が違う二人による道中。
真面目ですよ!? この飢えなく真面目ですからっ!

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