
こちらには
『回答者Xの報酬』および
『今昔 狼龍奇譚』
のネタバレがあります。
本編見る!
早浪

彼女はあなたに肩を借り、室内に足を踏み入れる。
KP
もう何度目なのだろうか。
扉の閉まる音がし、ぼう、と青白い光が室内を照らした。
扉の閉まる音がし、ぼう、と青白い光が室内を照らした。
KP
▼二人とも、1d5を振って下さい。
早浪

1d5 早浪の Sasa 1d5→2
佐倉 光

1d5 Sasa 1d5→3
KP
「回答者はモニターの前にお立ち下さい」
変わらぬ、無機質な声。
変わらぬ、モニターの表示。
変わらぬ、無機質な声。
変わらぬ、モニターの表示。
佐倉 光

足の鎖を鳴らしてモニターの前に立つ。
俺達はどこまでいっても虜囚だ。
何が正しいかも分からない。正しい道がそもそもあるかも分からない。
ただ予測を立て、少しでも安全に見える方を選ぶだけだ。
現実的には何も判断できず、何も変わらない。そんなものを選択と呼べるのか?
俺達はどこまでいっても虜囚だ。
何が正しいかも分からない。正しい道がそもそもあるかも分からない。
ただ予測を立て、少しでも安全に見える方を選ぶだけだ。
現実的には何も判断できず、何も変わらない。そんなものを選択と呼べるのか?
KP
鎖を引きずる音に不自由さを思い知らされながら、あなたはモニターの前に立つ。
あなたの痛みを嘲笑うように、じわりとモニターの文字が滲み、質問を映し出す。
あなたの痛みを嘲笑うように、じわりとモニターの文字が滲み、質問を映し出す。
どちらかを選ばないと、大切な人が命を落としてしまうようです。
選んだ結果、この先一生影響が出るとしたら、どちらが嫌ですか?
A:大切な人に嫌われる
B:隣の相手の心を歪め、自分に恋させる
嫌われる佐倉
KP
「悪意」を変換しようとしたらスマホが「鮎喰」って変換してきて笑っちゃった(地名だそうです)アユ オイシイヨネ
佐倉 光
塩振って食べたい おなかすいた 昼ご飯食べたい たべよう。
KP
牧志に嫌われる佐倉さんのリアクションめちゃくちゃ見たいけど、まっっっったく想像がつかないな……!? ってなってる
佐倉 光
記憶をなくした上で誤解をする
とか
佐倉の姿と行動が完全に変わって、外側と内側が一致しなくなる
とかかなぁ
とか
佐倉の姿と行動が完全に変わって、外側と内側が一致しなくなる
とかかなぁ
KP
「牧志が人を嫌う」の時点で想像がつかなくてうんうんしてます。
ああー、牧志が佐倉さんの記憶をなくした(過去の記憶を思い出した)上で、友達を傷つけたと誤解してしまうのは面白いかも。
ああー、牧志が佐倉さんの記憶をなくした(過去の記憶を思い出した)上で、友達を傷つけたと誤解してしまうのは面白いかも。
佐倉 光
あとはそれこそX佐倉が地球に来たら
とかかなー
嫌われているわけではないけど拒絶はされる。
とかかなー
嫌われているわけではないけど拒絶はされる。
KP
ああー。それもつらくて面白い。
嫌われてないのに拒絶される。
案ありがとうございます。
なおA選んだ時の展開も考えてあります。
嫌われてないのに拒絶される。
案ありがとうございます。
なおA選んだ時の展開も考えてあります。
佐倉 光
どっちも気になるなこれー。
佐倉 光

「はは、そりゃいいや。早浪さん美人だしな」
喉の奥で笑う。
喉の奥で笑う。
佐倉 光

「その上で牧志も死なないなんて最高じゃないか」
早浪

「それは……、ありがとう、と言えばいいのか?」
あなたの自棄めいた笑い声が軽い冗談などではなく、もっと痛みを湛えた声だと分かるのだろう。
彼女の返す言葉は、ぎこちなかった。
あなたの自棄めいた笑い声が軽い冗談などではなく、もっと痛みを湛えた声だと分かるのだろう。
彼女の返す言葉は、ぎこちなかった。
早浪

「好きにするといい……、私はもう、何が正しいのか分からなくなってきた。
あの文章だって、牢獄の主が示すものに過ぎないのだ」
あの文章だって、牢獄の主が示すものに過ぎないのだ」
佐倉 光

これはおそらくゲーム。枷が増えないものを選ぶべき、というのが今のところ唯一の指針だ。そうなれば。
佐倉 光

「ちぇ。残念だな」
佐倉 光

「BだよB。くそ」
KP
答えた途端、扉があるのだろう壁が目に入った。
合わせ鏡のように、何度も開いては通って、通っては開いた扉。
この問いに、終わりなどあるのだろうか?
これはあなた方への悪意ではなく、彼らへの悪意ではないのだろうか?
あの幻の中のように、あなたが彼を見捨てれば見捨てるほど、彼はあなたの選択に責めさいなまれるのではないだろうか?
《SANチェック:成功時減少 0 / 失敗時減少 1D2》。
合わせ鏡のように、何度も開いては通って、通っては開いた扉。
この問いに、終わりなどあるのだろうか?
これはあなた方への悪意ではなく、彼らへの悪意ではないのだろうか?
あの幻の中のように、あなたが彼を見捨てれば見捨てるほど、彼はあなたの選択に責めさいなまれるのではないだろうか?
《SANチェック:成功時減少 0 / 失敗時減少 1D2》。
佐倉 光

1d100 60 《SANチェック》 Sasa 1d100→ 98→致命的失敗(ファンブル)
1d2 Sasa 1d2→2
あ、ファンブルだから2か。まあよし。
1d2 Sasa 1d2→2
あ、ファンブルだから2か。まあよし。
佐倉 光

俺は正解を見つけたつもりで最悪の選択肢をとっていないか?
もう何も考えることなく、ハヤミに全ての枷を押しつけるべきなんじゃないのか?
そもそも目の前にいない人間がどうなっているか分からないのだから、そもそもBは選ぶべきではないのではないのか?
もう何も考えることなく、ハヤミに全ての枷を押しつけるべきなんじゃないのか?
そもそも目の前にいない人間がどうなっているか分からないのだから、そもそもBは選ぶべきではないのではないのか?
KP
風景が変わ、らなかった。
空気の漏れる音がする。
目の前には、静かに扉が開いている。
その向こうに、あなたの見慣れた街の風景が、柔らかくたゆたっていた。
気づけば、横に早浪はいない。
空気の漏れる音がする。
目の前には、静かに扉が開いている。
その向こうに、あなたの見慣れた街の風景が、柔らかくたゆたっていた。
気づけば、横に早浪はいない。
佐倉 光

終わった……のか?
ハヤミさんは自分の在るべき世界に帰れたんだろうか。
扉を開け、街に歩き出す。
ハヤミさんは自分の在るべき世界に帰れたんだろうか。
扉を開け、街に歩き出す。
KP
一歩踏み出すと、扉も壁も消えた。
何事もなかったかのように。
交差点の向こう。遠くに、見覚えのある背中が見える。
牧志だ。
何事もなかったかのように。
交差点の向こう。遠くに、見覚えのある背中が見える。
牧志だ。
佐倉 光

牧志だ! まずは無事を確かめて……
佐倉 光

「牧志!」
叫んで手を振る。
叫んで手を振る。
KP
少し距離があるせいか、それとも誰かと話しているらしいせいか。
気づかなかったのだろうか? 彼は振り返らない。
気づかなかったのだろうか? 彼は振り返らない。
佐倉 光

渡れるようなら人を押しのけても渡って向こう側へ行く。
KP
あなたは通る人を押しのけ、牧志の背中に駆け寄る。
周囲が俄かにざわめくも、あなたを阻む者はない。
見慣れたジャケットの背中に、指先が届いた。
周囲が俄かにざわめくも、あなたを阻む者はない。
見慣れたジャケットの背中に、指先が届いた。
佐倉 光

「牧志!」
叫んで肩を叩く。
叫んで肩を叩く。
KP
彼は振り返った。
牧志 浩太

見知らぬ人を見る、不思議そうな眼で。
KP
直後。
彼の横にいる誰かが叫んだ。
「牧志、こいつだ!」
彼の横にいる誰かが叫んだ。
「牧志、こいつだ!」
牧志 浩太

彼の表情が変わった。
色素の薄いその眼に炎が燃える。
拳を握り、あなたに向けられるのは。
あなたに向いたことなどないはずの。
敵意と、強い怒りだった。
色素の薄いその眼に炎が燃える。
拳を握り、あなたに向けられるのは。
あなたに向いたことなどないはずの。
敵意と、強い怒りだった。
佐倉 光

「……えっ?」
たじろいで一歩さがる。
牧志、だよな? そう呼んでいたし。
なんだ、この敵意は?
傍らにいるのは誰だろう?
たじろいで一歩さがる。
牧志、だよな? そう呼んでいたし。
なんだ、この敵意は?
傍らにいるのは誰だろう?
KP
傍らの見知らぬ誰かが、あなたを指差して叫ぶ。
「こいつが、東浪見や先輩を呪ったんだ……!」
「こいつが、東浪見や先輩を呪ったんだ……!」
牧志 浩太

牧志は傍らの誰かを信じている様子だった。
その眼には光が宿っていた。正気を失っている様子はなかった。
その眼に宿る光が、あなたを真っ直ぐに睨んでいた。
その眼には光が宿っていた。正気を失っている様子はなかった。
その眼に宿る光が、あなたを真っ直ぐに睨んでいた。
佐倉 光

「待ってくれ、どういう事だ?
牧志、呪いって何だ?」
話せば分かる、という甘い考えは、彼の目を見て吹き飛んだ。
牧志は俺を、知らない?
牧志、呪いって何だ?」
話せば分かる、という甘い考えは、彼の目を見て吹き飛んだ。
牧志は俺を、知らない?
KP
あなたは話そうとした。
近寄ろうとしたかもしれない。
しかし、声が出なかった。
塞がれている。
どこかでバチン、と音がした。
半端に口を開かされた形で、黒い革の轡があなたの口に食い込んでいた。
くぐもった呻き声と涎のほか、あなたの声を一切封じていた。
近寄ろうとしたかもしれない。
しかし、声が出なかった。
塞がれている。
どこかでバチン、と音がした。
半端に口を開かされた形で、黒い革の轡があなたの口に食い込んでいた。
くぐもった呻き声と涎のほか、あなたの声を一切封じていた。
牧志 浩太

「どうして……、どうして、あんなことをしたんだよ」
ふつふつと腹の奥から湧き上がる怒りの声が、話すことの出来ないあなたに向けられる。
ふつふつと腹の奥から湧き上がる怒りの声が、話すことの出来ないあなたに向けられる。
癖ェ
KP
ちょっと反則な幻ですが二周目なので。
(二周目補正でひどいを積まれる佐倉さんごめん)
(二周目補正でひどいを積まれる佐倉さんごめん)
佐倉 光
おかしいなぁ枷を回避してるはずなのに枷されてる。
KP
「ゲームの構造に慣れている牧志&佐倉さんと敵対してこない早浪・氷凪さんだと、終盤になるとあまり拘束されないので、フル拘束の佐倉さんも一度見たい」という私情が入りました。
青の方で一度されたけど。>拘束
青の方で一度されたけど。>拘束
佐倉 光
なんてひどい幻だ!
そう、枷回避しちゃうからギチギチ見られないんですよねw
そう、枷回避しちゃうからギチギチ見られないんですよねw
KP
なんですよね。最後の方になると分かってきちゃうものだから。牧志は最後まで怖がって氷凪さんギチギチにしちゃったけど、たしか口は塞がなかったし。
二周目って同意さえ取れていればどんな無茶でもできるんですよね!
佐倉 光

な……に……?
これは一体どういう状況だ?
喋れない、と判断してすぐ、身振りで牧志に自分に敵意や悪意などないことを伝えようとした。
これは一体どういう状況だ?
喋れない、と判断してすぐ、身振りで牧志に自分に敵意や悪意などないことを伝えようとした。
KP
腕を動かそうとすると、腕が痛む程に締めつけられた。
後ろ手に固定された腕はぴくりとも動かず、動かそうとすればするほど絞められて痛む。
拳で何かを形作ろうにも、指にまで枷が嵌められていた。
後ろ手に固定された腕はぴくりとも動かず、動かそうとすればするほど絞められて痛む。
拳で何かを形作ろうにも、指にまで枷が嵌められていた。
牧志 浩太

「……解けよ。呪いを解けよ。先輩達を元に戻せよ」
牧志は重い声で言う。
爪先で地面を踏み、一歩あなたに歩み寄る。
その素振りは到底、あなたを窮地から救おう、というようには見えなかった。
牧志は重い声で言う。
爪先で地面を踏み、一歩あなたに歩み寄る。
その素振りは到底、あなたを窮地から救おう、というようには見えなかった。
佐倉 光

待て、俺は知らない!
首を振ろうとしたが、腕と胴に固定された、顎まで固定する首輪が首の動きを妨げた。
バランスを崩して地面に倒れる。
首を振ろうとしたが、腕と胴に固定された、顎まで固定する首輪が首の動きを妨げた。
バランスを崩して地面に倒れる。
佐倉 光

なぜだ? なぜだ? どうしてこんなことになっている!?
呪いなんて知らない、この枷は何だ、牧志に何が起きているんだ!
牧志の意思がこもった憎しみの声と目が胸の奥底に突き刺さった。
呪いなんて知らない、この枷は何だ、牧志に何が起きているんだ!
牧志の意思がこもった憎しみの声と目が胸の奥底に突き刺さった。
KP
首を振ろうとすれば首輪が食い込み、あなたの動きを罰する。
物のように地面に倒れたあなたは、両足を縛る枷の存在に気づいた。
一度倒れてしまえば、起き上がることすら満足にできず、首輪に首を絞められながら首を上げ、彼らを見上げることしかできない。
物のように地面に倒れたあなたは、両足を縛る枷の存在に気づいた。
一度倒れてしまえば、起き上がることすら満足にできず、首輪に首を絞められながら首を上げ、彼らを見上げることしかできない。
牧志 浩太

「何か……、言えよ。呪いの解き方を言えよ。
それとも、話す気なんかないっていうのか」
牧志の爪先があなたの目前に迫った。
……口を開こうとしても轡が深く食い込むばかりで、何も喋れないというのに!
あなたを縛る枷は、彼には見えていないようだった。
それとも、話す気なんかないっていうのか」
牧志の爪先があなたの目前に迫った。
……口を開こうとしても轡が深く食い込むばかりで、何も喋れないというのに!
あなたを縛る枷は、彼には見えていないようだった。
佐倉 光

轡から飛び出た突起に舌を押さえられうーうーと唸るような声しか上げられないが、それでも何とか牧志に自分の異常を伝えようとした。
佐倉 光

俺は知らない、何も知らない! 枷を外してくれ! 俺に喋らせてくれ!
全身で蚯蚓のようにのたくり、体を起こそうと、何かをしようと、もがく。あがく。
全身で蚯蚓のようにのたくり、体を起こそうと、何かをしようと、もがく。あがく。
KP
もがけばもがくほど、身体を起こそうとすればするほど、枷が首を絞めた。
喋ろうとすれば、轡がより深くまで食い込んだ。
己の潔白と窮地を伝えるあらゆる手段を、枷は無情にも封じる。
喋ろうとすれば、轡がより深くまで食い込んだ。
己の潔白と窮地を伝えるあらゆる手段を、枷は無情にも封じる。
牧志 浩太

……牧志はもがくあなたを助け起こそうとはせず、敵意と怒りを込めてあなたを睨んだ。
牧志 浩太

「俺だってそんなこと、したくないよ」
牧志 浩太

「でも、お前に喋る気がないなら……、こうするしか、ないんだ」
牧志の爪先が、あなたの腹に向かって振るわれた。
牧志の爪先が、あなたの腹に向かって振るわれた。
佐倉 光

痛みに引きつる体の動きですら、枷は抑えつける。
悲鳴も轡に抑えられる。
痛みは鈍く、腹から広がっていった。
牧志には何が見えているんだ?
牧志には俺は見えていないのか!?
腹の痛みはねじ切れるような内側の痛みを伴っていた。
身を縮めて、体の急所を守る。
悲鳴も轡に抑えられる。
痛みは鈍く、腹から広がっていった。
牧志には何が見えているんだ?
牧志には俺は見えていないのか!?
腹の痛みはねじ切れるような内側の痛みを伴っていた。
身を縮めて、体の急所を守る。
佐倉 光

牧志に敵意を向けられるのは初めてじゃない。
だけど、あの時は、牧志は正気じゃなかった。
今は……澄んだ目に憎悪を満たしている。
だけど、あの時は、牧志は正気じゃなかった。
今は……澄んだ目に憎悪を満たしている。
牧志 浩太

何度も、何度も。逃れることのできないあなたを、牧志の怒りを帯びた爪先が襲う。
あなたにできるのは、身体の急所を辛うじて守ることだけだった。
その爪先に込められているのが、害意や暴力性ではない、と、彼のことをよく知るあなたには、分かってしまう。
それは敵意で、怒りで、無力感を伴う燃え滾る憎悪だ。
他者のものではない、彼自身の。
あなたにできるのは、身体の急所を辛うじて守ることだけだった。
その爪先に込められているのが、害意や暴力性ではない、と、彼のことをよく知るあなたには、分かってしまう。
それは敵意で、怒りで、無力感を伴う燃え滾る憎悪だ。
他者のものではない、彼自身の。
佐倉 光

括られた心臓を、脳を、直接蹴りつけられているような心地だった。
牧志にそんな感情を向けられることそのものが凄まじい痛みを齎した。
それでも逃げることすら叶わず、両腕で体を庇うこともできず、地面に這いつくばってうめき声を上げ続けるだけだった。
喉からこみ上げた物が枷の隙間から垂れた。目から、鼻から、液体が漏れた。
何があった。何がお前をそうまで狩り立てている。
波照間さんや東浪見に一体何があったっていうんだ。
腫れ上がって熱を持ち始めた体はもう、自分のものとも思えない。
牧志にそんな感情を向けられることそのものが凄まじい痛みを齎した。
それでも逃げることすら叶わず、両腕で体を庇うこともできず、地面に這いつくばってうめき声を上げ続けるだけだった。
喉からこみ上げた物が枷の隙間から垂れた。目から、鼻から、液体が漏れた。
何があった。何がお前をそうまで狩り立てている。
波照間さんや東浪見に一体何があったっていうんだ。
腫れ上がって熱を持ち始めた体はもう、自分のものとも思えない。
牧志 浩太

彼はあなたに何度も、何度も苦痛を加えた。
淡々と。
繰り返し。
まるで、彼の方が苦しんでいるかのような眼で。
淡々と。
繰り返し。
まるで、彼の方が苦しんでいるかのような眼で。
牧志 浩太

それでも口を割る事のできないあなたに、彼は諦めたように肩を落とし、傍らの誰かの方を向いた。
熱と苦痛と酸欠で曖昧になり始める意識の中、彼らが何か話しているのが聞こえる。
熱と苦痛と酸欠で曖昧になり始める意識の中、彼らが何か話しているのが聞こえる。
佐倉 光

したくてしているわけじゃない。
あいつにとってこれは『必要なこと』なんだ。
何故だ。俺は何をしたんだ。何が起きたんだ。
あいつにとってこれは『必要なこと』なんだ。
何故だ。俺は何をしたんだ。何が起きたんだ。
佐倉 光

腫れた筋肉が枷に抑えつけられてさらに痛みをもたらす。
枷の隙間から辛うじて呼吸をしながら、必死で耳をそばだてた。
枷の隙間から辛うじて呼吸をしながら、必死で耳をそばだてた。
牧志 浩太

あなたが内容を聞き取る前に、彼はこちらを振り向いた。
その手に、呪術用の品と明らかに分かる、細い刃が握られていた。
その手に、呪術用の品と明らかに分かる、細い刃が握られていた。
牧志 浩太

「分かったよ。根負けだ」
彼はあなたに馬乗りになると、あなたの胸にそれを突き刺した。
痛みはなかった。
代わりに、彼の憎悪と怒りが直接そこから流れ込んできて、あなたの心臓を内側から絶えず突き刺すようになった。
彼はあなたに馬乗りになると、あなたの胸にそれを突き刺した。
痛みはなかった。
代わりに、彼の憎悪と怒りが直接そこから流れ込んできて、あなたの心臓を内側から絶えず突き刺すようになった。
佐倉 光

「アア……アアァアア……」
体の中心に鋭すぎて熱を帯びた氷を捻じ込まれた気がした。
貫かれたところから、一呼吸ごとに心臓が軋んで震えた。
体の中心に鋭すぎて熱を帯びた氷を捻じ込まれた気がした。
貫かれたところから、一呼吸ごとに心臓が軋んで震えた。
牧志 浩太

「俺はずっとお前を憎む。一生、ずっと。
お前が呪いを解く気になるまで、お前の心臓を憎しみで刺す」
彼はそう、沸々と燃えるような声で、冷たく宣言して。
縛られたままのあなたに、背を向けた。
お前が呪いを解く気になるまで、お前の心臓を憎しみで刺す」
彼はそう、沸々と燃えるような声で、冷たく宣言して。
縛られたままのあなたに、背を向けた。
佐倉 光

待ってくれ、俺じゃない、俺じゃないんだ!
お前にそんな顔をさせているのは何なんだ、教えてくれ!
拘束を解いて、話してくれればきっと……
お前にそんな顔をさせているのは何なんだ、教えてくれ!
拘束を解いて、話してくれればきっと……
佐倉 光

憎しみが、怒りが、心臓を重く熱く煮えたぎったもので抉り続ける。
全身を巡る血の中に彼の憎悪が冷たくうねり、毛細血管の先にまで痺れるような重みを齎した。
びくとも動かない全身がヘドロになったような気がするのに、枷は無慈悲に膨れ上がって弾けることすら許さない。
全身を巡る血の中に彼の憎悪が冷たくうねり、毛細血管の先にまで痺れるような重みを齎した。
びくとも動かない全身がヘドロになったような気がするのに、枷は無慈悲に膨れ上がって弾けることすら許さない。
佐倉 光

牧志が彼らしからぬ暗い目をしていたのに、自分は何もできないことが、吐き気がするほどの不条理と無力感を齎した。
牧志 浩太

動けないあなたを置いて、彼は誰かと共に立ち去っていく。
彼の背中が遠くなる。足音がいやに大きく響いた。
手を伸ばすことも、その現状をどうにかすることも、あなたにはできなかった。
彼の背中が遠くなる。足音がいやに大きく響いた。
手を伸ばすことも、その現状をどうにかすることも、あなたにはできなかった。
牧志 浩太

彼はずっと、ずっと、あなたを憎み続けていた。
疲労と苦痛であなたの意識が薄れ始めるまで、ずっと、ずっと彼の憎悪だけを傍らに感じていた。
疲労と苦痛であなたの意識が薄れ始めるまで、ずっと、ずっと彼の憎悪だけを傍らに感じていた。
佐倉 光

何も分からず、全ての自由が奪われた状態で、ひたすらにうなり声を上げ、体に限界が訪れるまで
全身を縛り上げる枷を、胸を貫く呪いの刃を排除しようと、のたうち回っていた。
全身を縛り上げる枷を、胸を貫く呪いの刃を排除しようと、のたうち回っていた。
KP
……いつの間にか、意識は落ちていたのだろう。
次に目覚めたとき、あなたは一度出たはずの暗い室内にいた。
あなたの傍らにいるのは、早浪だった。
次に目覚めたとき、あなたは一度出たはずの暗い室内にいた。
あなたの傍らにいるのは、早浪だった。
佐倉 光

「アア……アアうぁ……」
自由になった腕で胸のあたりを押さえて声を漏らす。
戻ったことは理解できているのに、心臓は重く痛み続けた。
そこに刺さった刃を抜こうと、奇妙に体をねじ曲げ、胸を掻きむしった。
ハヤミがいる。
ハヤミがいるということは、ここはあの部屋で、幻を見ていたに過ぎない。
自分に言い聞かせるように言葉を発したくとも、声は無秩序に漏れるばかりだった。
自由になった腕で胸のあたりを押さえて声を漏らす。
戻ったことは理解できているのに、心臓は重く痛み続けた。
そこに刺さった刃を抜こうと、奇妙に体をねじ曲げ、胸を掻きむしった。
ハヤミがいる。
ハヤミがいるということは、ここはあの部屋で、幻を見ていたに過ぎない。
自分に言い聞かせるように言葉を発したくとも、声は無秩序に漏れるばかりだった。
早浪

「……」
無機質な声があなた達の間に割り込もうとも、彼女はあなたが落ち着くのを、じっと傍らで待っていた。
無機質な声があなた達の間に割り込もうとも、彼女はあなたが落ち着くのを、じっと傍らで待っていた。
早浪

「大丈夫だ……、ただの、幻だ」
あなたの眼を見つめながら言う声は、しかし語尾が弱かった。
あなたの眼を見つめながら言う声は、しかし語尾が弱かった。
佐倉 光
はやみさん優しい。
KP
でもSANがバリバリに削れている(あと1で不定だし正気度 25)なので、だいぶん弱っていたりします。
佐倉 光
そうなんだよねー。
あまりにもしんどかったらダメージこっちに押しつけても良い……なんて言える状態じゃないな佐倉。
あまりにもしんどかったらダメージこっちに押しつけても良い……なんて言える状態じゃないな佐倉。
佐倉 光

「ああ、ああ……」
両腕で頭を抱え、随分と長いことうめき続け、ようやっと言葉を思い出した。
両腕で頭を抱え、随分と長いことうめき続け、ようやっと言葉を思い出した。
佐倉 光

「まぼ……ろし……」
その言葉に縋るようにして、ようやっと身を起こして目を開けた。
その言葉に縋るようにして、ようやっと身を起こして目を開けた。
早浪

「大丈夫……、の筈がないな。余程、辛いものを見せられたか」
彼女はあなたの眼を覗き込む。
彼女はあなたの眼を覗き込む。
佐倉 光

「憎まれるのが……あんなに苦痛なんて、
助けられないのが……あんなに辛いだなんて、知らなかったな」
虚ろに笑って呟いた。
助けられないのが……あんなに辛いだなんて、知らなかったな」
虚ろに笑って呟いた。
佐倉 光

「だけどもう終わった。終わったんだ。終わった……」
自らを落ち着けようと言葉を重ねる。
精神を整えて、現実に引き戻すいつもの方法だ。
自らを落ち着けようと言葉を重ねる。
精神を整えて、現実に引き戻すいつもの方法だ。
早浪

「ああ、そうだ。幻は終わった。
この状況とて……、いずれ……、終わるはずだ……」
彼女は弱々しい声で呟いて、ふらつきながら縛られた身体を引きずる。
モニターの前に立った。
この状況とて……、いずれ……、終わるはずだ……」
彼女は弱々しい声で呟いて、ふらつきながら縛られた身体を引きずる。
モニターの前に立った。
口枷
KP
そういえば弁明したいのに轡でできない、二回やっちゃったな。(2のログ読んでて気づいた)
佐倉 光
轡回だったのか。
今回ダメージ貰うと轡でしたわ。そういえば。
今回ダメージ貰うと轡でしたわ。そういえば。
KP
思考と言語で動き立ち回る佐倉さんを、弁明も叶わない状況に追い込むの面白いが先行してしまった。
佐倉 光
二人とも無力にされてるんだなー。
KP
ですねぇ。
佐倉 光
KPはオニだぁぁ!
オニ「いや俺そこまで酷い事しないし」
オニ「いや俺そこまで酷い事しないし」
KP
それはそうオニは悪くない。
KP
モニターの文字が滲み、質問を形作る。
明日地球が滅びるとしたら、どちらが最期に会えるようにしますか?
A:大切な人と自分
B:隣の相手と大切な人
早浪

「…………」
彼女は……、即答しなかった。
首と脚を縛られ、幻の余韻に呻いて頭を抱えるあなたと。
首と腕、脚を縛られ、腕も脚も振るうことができなくなった自身を、見比べた。
青白い光に照らされる横顔が。
その眼に湛えられていた意志の光が。
随分と弱々しくなっていることに、改めて気づくだろう。
彼女はもう、辛うじて立っているようなありさまだった。
彼女は……、即答しなかった。
首と脚を縛られ、幻の余韻に呻いて頭を抱えるあなたと。
首と腕、脚を縛られ、腕も脚も振るうことができなくなった自身を、見比べた。
青白い光に照らされる横顔が。
その眼に湛えられていた意志の光が。
随分と弱々しくなっていることに、改めて気づくだろう。
彼女はもう、辛うじて立っているようなありさまだった。
佐倉 光

いつも事件後に牧志と自分の精神の状態を確認する際の経験から、彼女の心がもはやすり切れてしまいそうになっているのを、悟る。
彼女がAを選べば、彼女が辛い幻に苛まれることはなく、心が壊れることもない。
それでも暫く声は出せなかった。
またあんな幻を見るのか?
そもそも本当に幻で済んでいるのかどうかも定かではない、あれを?
そして枷を負うのか?
枷を負うのは得策ではない。
しかし……
さっき見た牧志の憎しみの表情から想起されたのは、無人の花園で牧志に殺されかける光景だった。
狂気に落ちた人間は、何をするか分からない。
この狭い部屋で、何も無い状態で、拘束されているとはいえ自分より屈強な人間を抑えられるだろうか?
彼女がAを選べば、彼女が辛い幻に苛まれることはなく、心が壊れることもない。
それでも暫く声は出せなかった。
またあんな幻を見るのか?
そもそも本当に幻で済んでいるのかどうかも定かではない、あれを?
そして枷を負うのか?
枷を負うのは得策ではない。
しかし……
さっき見た牧志の憎しみの表情から想起されたのは、無人の花園で牧志に殺されかける光景だった。
狂気に落ちた人間は、何をするか分からない。
この狭い部屋で、何も無い状態で、拘束されているとはいえ自分より屈強な人間を抑えられるだろうか?
佐倉 光

「辛かったら……Aを」
やっとそれだけ呟いた。
やっとそれだけ呟いた。
早浪

彼女は随分と、長い間、迷っていた。
これまで目にした言葉を繰り返し、自身の身体を見下ろし、あなたの身体と見比べる。
あなたの自由な腕と、自身の縛られた腕を見比べ、何度も何度も今までに見たものを諳んじた。
これまで目にした言葉を繰り返し、自身の身体を見下ろし、あなたの身体と見比べる。
あなたの自由な腕と、自身の縛られた腕を見比べ、何度も何度も今までに見たものを諳んじた。
早浪

「……すまない。
私は……、私は、信じられない。
これが、正しかったのかを。
君がこの後も、友であるのかを……」
迷い、迷い。
彼女はあなたに背を向けながら、無為に懺悔を呟いた。
私は……、私は、信じられない。
これが、正しかったのかを。
君がこの後も、友であるのかを……」
迷い、迷い。
彼女はあなたに背を向けながら、無為に懺悔を呟いた。
早浪

「……Aだ」
辛うじて囁くような声とともに、変化する風景があなたの意識をさらった。
辛うじて囁くような声とともに、変化する風景があなたの意識をさらった。
KP
氷凪。
あなたはある日の雪山で出会った「誰か」の記憶を、存在を失い、ただ無為に雪山を彷徨うばかりであった。
心を交わした「誰か」などいなかった。
あなたの目を、この雪山の小さな集落の外へと向けた「誰か」などいなかった。
鳳佳は飛び立ち、そしてどこかで潰えた。
あなたは未練のようなかなしみを手放すこともできずに、ただ存在するばかりであった。
あなたはある日の雪山で出会った「誰か」の記憶を、存在を失い、ただ無為に雪山を彷徨うばかりであった。
心を交わした「誰か」などいなかった。
あなたの目を、この雪山の小さな集落の外へと向けた「誰か」などいなかった。
鳳佳は飛び立ち、そしてどこかで潰えた。
あなたは未練のようなかなしみを手放すこともできずに、ただ存在するばかりであった。
KP
そうしてあなたにもたらされたのは、彼らの滅びではなく、世の滅びであった。
ある一人の女の絶えざる欲が、どこかで地獄の釜の蓋を開いてしまったのだ、とは、あなたの知るところではないだろう。
世界は端から燃え、永劫の夕焼けで空を染めだした。
燃えている。
空が海がくつくつ、くつくつと泡立っている。
あらゆる生命が終焉の歌を唄いながら、世界の終焉にひれ伏している。
その様相は山の上からでもはっきりと見えた。
いずれは、この集落も呑み込まれるだろう。
ある一人の女の絶えざる欲が、どこかで地獄の釜の蓋を開いてしまったのだ、とは、あなたの知るところではないだろう。
世界は端から燃え、永劫の夕焼けで空を染めだした。
燃えている。
空が海がくつくつ、くつくつと泡立っている。
あらゆる生命が終焉の歌を唄いながら、世界の終焉にひれ伏している。
その様相は山の上からでもはっきりと見えた。
いずれは、この集落も呑み込まれるだろう。
世界が終わる幻
KP
今回も、氷凪さんにご登場願おうと思います。
早浪が消えたときの「続き」の幻で、世界の終わりに氷凪さんに会って、消えてしまったことを詫びることができる話です。
早浪が消えたときの「続き」の幻で、世界の終わりに氷凪さんに会って、消えてしまったことを詫びることができる話です。
佐倉 光
この幻だったかー。
早浪さんがこんなの食らったらただじゃすまなかったよなー。
早浪さんがこんなの食らったらただじゃすまなかったよなー。
KP
この幻でした。
SANダメージはやっぱりノリで放つにはデカすぎるし、そもそもこれ幻だし、でだいぶ軽減してあります。
SANダメージはやっぱりノリで放つにはデカすぎるし、そもそもこれ幻だし、でだいぶ軽減してあります。
佐倉 光
ちょっとね!
継続でボロボロの人間にはしんどいわ。
15のうちの12だからそれなりに出る可能性高いしさ!
継続でボロボロの人間にはしんどいわ。
15のうちの12だからそれなりに出る可能性高いしさ!
KP
それよ!! >継続でボロボロの
そもそもわりと継続向けのお話でこれはちょっとしんどい。
そもそもわりと継続向けのお話でこれはちょっとしんどい。
佐倉 光
SAN値60程度の探索者にスリルを味わわせる前提なのかなーと思ったり。
KP
幻なのにSANダメージ全部来るなら、他の死ぬやつとかも来てしかるですしね。
佐倉 光
あー、そうですね。
KP
そうそう。ほか0/1d2なのにこれだけまっすぐ来るのは、CoCらしくはあるけど他が軽くない? っていう。
他のやつ大盛りちらかしちゃったせいもあるけど。
他のやつ大盛りちらかしちゃったせいもあるけど。
佐倉 光
そもそもこれで死ぬのはよほど運が悪い、程度のノリかなとおもった。
KP
かなーとは思いましたね。
SAN60程度あるのが前提で、まあ失敗しないししても大きい目出ないだろう、って前提なのかも。
SAN60程度あるのが前提で、まあ失敗しないししても大きい目出ないだろう、って前提なのかも。
佐倉 光
あと、このレベルのダメージはやっぱり、私の個人的なキーパー感覚からすると、事件の真相絡みとかしかもそれを放置したとか、明確に選択誤ったとかの理由がほしいなーと。
ということで前回は『ちょっとでけぇ』ていどにさせてもらったよ!
シナリオにも『ここは好きに変えて』って書いてあるとこだし、エエじゃろと思います。
ということで前回は『ちょっとでけぇ』ていどにさせてもらったよ!
シナリオにも『ここは好きに変えて』って書いてあるとこだし、エエじゃろと思います。
KP
ですね。ここで大ダメージ与えるのが大事なところじゃないみたいだし。遠慮なくいじるぜ。
そもそもクラシック寄りの運でさらっと死ぬシナリオか、それまでに警告があるとかならわかるけど、このシナリオで(基本地獄if&つらいつらいで遊ぶ話に)ここだけほんとに死ぬの合わないよなーって。
そもそもクラシック寄りの運でさらっと死ぬシナリオか、それまでに警告があるとかならわかるけど、このシナリオで(基本地獄if&つらいつらいで遊ぶ話に)ここだけほんとに死ぬの合わないよなーって。
佐倉 光
そもそもロスト率について言及されてないし、注意書にも
『PLを過剰に苦しめることがないようご注意ください。
このシナリオを、他人を傷つけるために利用することは避けてください。
全員で卓を楽しく囲むことを念頭に置き、PC並びにPL選びは慎重に行ってください。』
とある。
これ多分これで死ぬの想定されてない。
今までに見たことあるトラウマ神格見て「ぎゃあああ!」って叫んで欲しいだけだと思う。
『PLを過剰に苦しめることがないようご注意ください。
このシナリオを、他人を傷つけるために利用することは避けてください。
全員で卓を楽しく囲むことを念頭に置き、PC並びにPL選びは慎重に行ってください。』
とある。
これ多分これで死ぬの想定されてない。
今までに見たことあるトラウマ神格見て「ぎゃあああ!」って叫んで欲しいだけだと思う。
KP
ですねー。
氷凪

ああ、全てが終わるのか。
私は何もなすことがないままに無に帰すのだ。
私は何のために在るのかという問いの答えも、ずっと刺さり続けている楔の正体も分からぬままに終わるのだ。
そもそもそんなものは無かったのだろう。
私は、思い違いをしていたのだろう。
最後の龍族としてすべての終わりを見届けることこそが、私の役目だったのだ。
私は何もなすことがないままに無に帰すのだ。
私は何のために在るのかという問いの答えも、ずっと刺さり続けている楔の正体も分からぬままに終わるのだ。
そもそもそんなものは無かったのだろう。
私は、思い違いをしていたのだろう。
最後の龍族としてすべての終わりを見届けることこそが、私の役目だったのだ。
氷凪

山頂の方を見上げ、かなしげに笑う。
KP
ふと、あなたは燃える空の彼方から、溶けてゆく雪を踏んで、なにものかが歩いてくるのを見た。
氷凪

こんな場所まで滅びに追いたてられて人が訪れるまでになったか。
今さら逃げも隠れもする必要はあるまい。
まっすぐに立ったまま来客を迎えよう。
今さら逃げも隠れもする必要はあるまい。
まっすぐに立ったまま来客を迎えよう。
早浪

それは、ぼろぼろの旅装に身を包んだ、ひとりの女だった。
旅装の裾は炎に焼けて焦げ、女の髪は先の方が溶けている。
顔には大きな疵痕が刻まれていた。
旅装の裾は炎に焼けて焦げ、女の髪は先の方が溶けている。
顔には大きな疵痕が刻まれていた。
早浪

「氷凪……!」
早浪

彼女は久しく誰も呼ぶ者がなかったはずの、あなたの名を叫んだ。
そのとき、すべてが蘇った。
あの日山に来たのは彼女だ。
あなたと心を交わしたのは、彼女だった。
あなたは彼女と共に、空へと舞い上がるはずだったのだ。
あなたは無為ではなかったはずだったのだ。
そのとき、すべてが蘇った。
あの日山に来たのは彼女だ。
あなたと心を交わしたのは、彼女だった。
あなたは彼女と共に、空へと舞い上がるはずだったのだ。
あなたは無為ではなかったはずだったのだ。
最後の邂逅
KP
つまりSANダメージ自体は幻補正で軽減しつつ、ひでーのは見てもらいつつ、いっちょ発狂はしてもらっていいということ。
なお早浪さんは背中向けているので直接見ていません。>早浪さんにダメージこない
なお早浪さんは背中向けているので直接見ていません。>早浪さんにダメージこない
佐倉 光
なるほー。
龍変身して二人で空に上がって終わりを迎えようかと思った。
抱き合って終わるのとどっちがええかね!
龍変身して二人で空に上がって終わりを迎えようかと思った。
抱き合って終わるのとどっちがええかね!
KP
ああー、いいですね。
舞い上がって終わる世界を眺めつつ、空中で龍姿の氷凪さんと抱擁して終わろう。
反対側見てれば大丈夫大丈夫。
舞い上がって終わる世界を眺めつつ、空中で龍姿の氷凪さんと抱擁して終わろう。
反対側見てれば大丈夫大丈夫。
佐倉 光
龍の姿で抱擁(完全に包む)なら都合の悪い方向の外見えないな! よし。
KP
ですね!
氷凪

からの器に清水が注がれるがごとく、すべてを取り戻した。
指先に血が巡り、世界が色彩を増した。
指先に血が巡り、世界が色彩を増した。
氷凪

「早浪!」
どうして忘れていた。どうして失っていた。こんなにも大切なものを!
早浪に駆け寄る。
どうして忘れていた。どうして失っていた。こんなにも大切なものを!
早浪に駆け寄る。
早浪

「氷凪!」
彼女の歩みが速まる。雪の上を勢い余って駆け出す。
叫ぶ。跳ねる。一足飛びに、あなたの腕の中へと飛び込む。
彼女の歩みが速まる。雪の上を勢い余って駆け出す。
叫ぶ。跳ねる。一足飛びに、あなたの腕の中へと飛び込む。
氷凪

「ああ、早浪。まるで全てに取り残されてしまったような心地だった」
何百年の時をうめるように、今や熱く鼓動する胸に早浪を抱きしめた。
何百年の時をうめるように、今や熱く鼓動する胸に早浪を抱きしめた。
氷凪

「約束を果たしたいところだが、もはやそのような必要もなさそうだな……」
真っ赤に溶ける空を見上げて泣き笑いのような顔になる。
真っ赤に溶ける空を見上げて泣き笑いのような顔になる。
早浪

「ああ……、ああ……、すまない、氷凪。
私は一度、きみを捨てたのだ。
私は消えてよいと、自ら口にしたのだ。
見るべきものを見誤り、きみを無為にしてしまった」
彼女はあなたの熱い胸に頭をうずめ、おうおうと泣いた。
私は一度、きみを捨てたのだ。
私は消えてよいと、自ら口にしたのだ。
見るべきものを見誤り、きみを無為にしてしまった」
彼女はあなたの熱い胸に頭をうずめ、おうおうと泣いた。
KP
世の終わる嵐の音が、あなた達の立つ山の上に、轟々と近づきつつある。
氷凪

「最期に見えた。それで充分だよ。
戻ってきてくれて、私に逢いに来てくれて、ありがとう」
白い頬を涙が伝った。
戻ってきてくれて、私に逢いに来てくれて、ありがとう」
白い頬を涙が伝った。
氷凪

「きみが来てくれたお陰で、私はずっと望んでいたことを果たせる。
共に来てくれるな?」
有無を言わせぬ言葉と共に龍の鼓動が強く体を震わせる。
共に来てくれるな?」
有無を言わせぬ言葉と共に龍の鼓動が強く体を震わせる。
早浪

「ああ……、勿論だ」
早浪

「勿論だ!」
彼女は歓喜の声を上げて、あなたを抱きしめた。
彼女は歓喜の声を上げて、あなたを抱きしめた。
氷凪

白い体は膨れ上がり、鱗に覆われた龍と化す。
ふさふさと伸びた白い毛は暖かく、白い翼がやさしく包む。
ひとを柔らかく包んだまま、龍は真っ赤な空へふわりと舞い上がった。
天から見下ろせば、灼き尽くされ溶けてゆくひとつひとつの命も遠く、ただ世界は美しい。
ふさふさと伸びた白い毛は暖かく、白い翼がやさしく包む。
ひとを柔らかく包んだまま、龍は真っ赤な空へふわりと舞い上がった。
天から見下ろせば、灼き尽くされ溶けてゆくひとつひとつの命も遠く、ただ世界は美しい。
氷凪

「このまま世界の果てを目指そうか」
白龍は天の果てを指した。
白龍は天の果てを指した。
早浪

「いいな。世界の果てか、楽しみだ」
最早気負う物も背負う者もない。
そう思えば、自然と唇に笑みが浮かんだ。
何を負うこともなく、彼とある早浪でいられる。
最早気負う物も背負う者もない。
そう思えば、自然と唇に笑みが浮かんだ。
何を負うこともなく、彼とある早浪でいられる。
氷凪

意識のある限り、話をし続けた。
早浪の体を包む羽毛は愛撫をするかのようにそよいで、滅びの冷気からも熱からも守り続けた。
早浪の体を包む羽毛は愛撫をするかのようにそよいで、滅びの冷気からも熱からも守り続けた。
早浪

「ああ、ああ、なんと美しいのだろうな。
もう滅んでしまうというのに、不思議と美しく見える」
世界が端から燃えてゆく。
空が赤く、海が赤く、吹きつける冷気と黒い雲が混じって果てのあわいを紫に染めた。
身を投げれば死ぬ海が、あんなに美しく輝いて見えるのと、きっと変わらないのだ。
あらゆるかなしみを放り捨て、
大きくやさしい背の上で、童女のように笑った。
もう滅んでしまうというのに、不思議と美しく見える」
世界が端から燃えてゆく。
空が赤く、海が赤く、吹きつける冷気と黒い雲が混じって果てのあわいを紫に染めた。
身を投げれば死ぬ海が、あんなに美しく輝いて見えるのと、きっと変わらないのだ。
あらゆるかなしみを放り捨て、
大きくやさしい背の上で、童女のように笑った。
氷凪

「生まれ変わる先はあるのだろうか」
その体がついに燃え始めたときに、呟く。
その体がついに燃え始めたときに、呟く。
早浪

「輪廻か。さあ、どうだろうな。
次の世に生まれ変わろうにも、世は滅びてしまうのだ」
次の世に生まれ変わろうにも、世は滅びてしまうのだ」
氷凪

背に巨大な前足を差し伸べ、腹の方へ来るようにとさそう。
氷凪

両前足で乗り手を覆うように抱くと、龍は急激に空を駆け上り始める。
この滅びる世を後に旅立とうとでもいうように。
人はおろか龍すらも見たこともない世界の果てを目指すように。
その心臓が燃え尽きてしまうまで、乗り手を抱き続けた。
この滅びる世を後に旅立とうとでもいうように。
人はおろか龍すらも見たこともない世界の果てを目指すように。
その心臓が燃え尽きてしまうまで、乗り手を抱き続けた。
早浪

その身に抱かれ、包まれ。
耳元で風が鳴るのを聞きながら、静かに目を閉じた。
後は、彼の温度があればよい。
心臓の音が、あればよい。
そのほかに、なにもいらない。
耳元で風が鳴るのを聞きながら、静かに目を閉じた。
後は、彼の温度があればよい。
心臓の音が、あればよい。
そのほかに、なにもいらない。
うたかたの夢
佐倉 光
めちゃくちゃいいシーンなんだけど、氷凪は全く関与していない幻なんだよなー……
同じ状況になればその通りの行動はするだろうけれども。
同じ状況になればその通りの行動はするだろうけれども。
KP
なんですよねぇ。無為にしてしまったことも詫びられたことも、最初から存在しない幻にすぎない。
罪な黒幕である。
ちょっと二人で都に行かないENDに情景が似ている気もしますね。
罪な黒幕である。
ちょっと二人で都に行かないENDに情景が似ている気もしますね。
佐倉 光
このシーンがただの幻ってそのほうが酷くないか。
ああー、都に行かないエンド。こんなに壮絶じゃないけど似てるかも。
ああー、都に行かないエンド。こんなに壮絶じゃないけど似てるかも。
KP
しかも協力しようとしてくれた佐倉さん捨てて氷凪を選んだ結果見たifですからね。
もう何もいらない! 氷凪がいればいい! って幻の中で叫んでる分余計にひどい。
というわけで佐倉さんsideは牧志ニャル様エンドです。
もう何もいらない! 氷凪がいればいい! って幻の中で叫んでる分余計にひどい。
というわけで佐倉さんsideは牧志ニャル様エンドです。
KP
佐倉。
嬉しそうに空を舞いながら燃えてゆく巨大な龍を、あなたはひとり見上げていた。
滅びゆくこの世に出口などあろうはずもない。
あれは、鱗も残さずに燃え尽きることだろう。
嬉しそうに空を舞いながら燃えてゆく巨大な龍を、あなたはひとり見上げていた。
滅びゆくこの世に出口などあろうはずもない。
あれは、鱗も残さずに燃え尽きることだろう。
佐倉 光

ああ。どこへなりと行けばいい。どこへ行こうと同じなんだ。
KP
あなたの傍らには、誰もいない。
あなたが、手を離してしまったからだ。
つい昨日のことのように、あなたは憶えている。
あなたは、手を離してしまったのだ。
神への供物として壊された牧志は、とうとうあなたの眼を見ることはなかった。
彼が発し続ける嘆きは神に捧げられ、契約の先で神は喜んで供物を受け取った。
そうして神は彼を媒体に、この世に舞い降りたのだ。
今も憶えている。
彼の全身が真っ赤な痣に包まれ、腫れ上がり形を変えてゆくのを。
そこから世界が滅びはじめたのを。
天を衝く彼の嘆きが、なにものかの笑い声に変じてゆくのを。
あなたが、手を離してしまったからだ。
つい昨日のことのように、あなたは憶えている。
あなたは、手を離してしまったのだ。
神への供物として壊された牧志は、とうとうあなたの眼を見ることはなかった。
彼が発し続ける嘆きは神に捧げられ、契約の先で神は喜んで供物を受け取った。
そうして神は彼を媒体に、この世に舞い降りたのだ。
今も憶えている。
彼の全身が真っ赤な痣に包まれ、腫れ上がり形を変えてゆくのを。
そこから世界が滅びはじめたのを。
天を衝く彼の嘆きが、なにものかの笑い声に変じてゆくのを。
佐倉 光

ついに声は届かなかった。
牧志は境界を既に越えていて、もう俺の手が届く存在ではなくなっていた。
あとはただあいつが『作られた』『育てられた』目的を果たすために、最後の一滴まで崩れ落ちてゆくのを見ているだけだった。
それに気付いたのはもう、牧志浩太が残らず砕け散って、べつのものになってからだった。
牧志は境界を既に越えていて、もう俺の手が届く存在ではなくなっていた。
あとはただあいつが『作られた』『育てられた』目的を果たすために、最後の一滴まで崩れ落ちてゆくのを見ているだけだった。
それに気付いたのはもう、牧志浩太が残らず砕け散って、べつのものになってからだった。
佐倉 光

この世界が滅びたのは俺のせいだ、とひとしきり悔やんだのち、自分の傲慢に気付く。
佐倉 光

俺の手が届いたところで、結局牧志を救える力なんて俺には無かった。
そもそもあの存在に弄ばれていた。
自分が得たと思っていた力はあれの気まぐれに過ぎなかった。
自分が何を望もうと、何を求めようと、何も変わらないのだ、何も。
牧志は生贄として用意され、生贄として出来上がり、そうなるだけの存在だった。
ともに歩いているなどと酷い思い違いだった。
分かったようなことを言いながら、彼の運命に引きずられていたに過ぎなかった。
ただ決まり切った破滅へと進んでいただけだった。
そもそもあの存在に弄ばれていた。
自分が得たと思っていた力はあれの気まぐれに過ぎなかった。
自分が何を望もうと、何を求めようと、何も変わらないのだ、何も。
牧志は生贄として用意され、生贄として出来上がり、そうなるだけの存在だった。
ともに歩いているなどと酷い思い違いだった。
分かったようなことを言いながら、彼の運命に引きずられていたに過ぎなかった。
ただ決まり切った破滅へと進んでいただけだった。
佐倉 光

運命を変える力など、俺にはなかった。
俺の言葉に力など無かったんだ。
俺の言葉に力など無かったんだ。
KP
世界が燃えている。泡立っている。
解き放たれた神は、けたたましく笑いながら踊り狂っていた。
それは牧志にも見え、女にも見え、男にも見え、やせ細り、膨れ、巨大であると同時に極小であり、無限であると同時に単一である。
あらゆる理解の試みを嘲笑う、這い寄る混沌であった。
解き放たれた神は、けたたましく笑いながら踊り狂っていた。
それは牧志にも見え、女にも見え、男にも見え、やせ細り、膨れ、巨大であると同時に極小であり、無限であると同時に単一である。
あらゆる理解の試みを嘲笑う、這い寄る混沌であった。
KP
無力なる人間の開かれた両の眼を、踊り狂う神の姿が静かに侵す。
あなたがこの歳月で得たはずの、あらゆる知の無為を知らしめた。
《SANチェック:成功時減少 1D5 / 失敗時減少 1D12》。
あなたがこの歳月で得たはずの、あらゆる知の無為を知らしめた。
《SANチェック:成功時減少 1D5 / 失敗時減少 1D12》。
佐倉 光
1d100 60 《SANチェック》
1d100 60 《SANチェック》
1d100 60 《SANチェック》
KP
むむっSasaさんが寝てる
佐倉 光
滅びに巻き込まれたか。振ってこよ。
佐倉 光

佐倉 光 - 今日 19:56
1D100 60 SaNc (1D100) > 9
佐倉 光 - 今日 19:57
1d5 (1D5) > 2
SAN 60 → 58
1D100 60 SaNc (1D100) > 9
佐倉 光 - 今日 19:57
1d5 (1D5) > 2
SAN 60 → 58
KP
無力で殴られまくる佐倉さん……
最初思っていたのと違って、むしろ後で謝るのは早浪(東浪見)の方かもしれない。
最初思っていたのと違って、むしろ後で謝るのは早浪(東浪見)の方かもしれない。
佐倉 光

無力に溺れて考えることをついに放棄し、世界の滅びを待った。
この世界を滅ぼすのがせめて牧志だったなら、まだ少しは希望が持てたかもしれない、と思った。
この世界を滅ぼすのがせめて牧志だったなら、まだ少しは希望が持てたかもしれない、と思った。
KP
燃える世界の端から、崩壊の泡がしたたり落ちてゆく。
巨大な泡の柱が彼方からやってきて、そうして呆気なく、世界もろともあなたを呑み込んだ。
巨大な泡の柱が彼方からやってきて、そうして呆気なく、世界もろともあなたを呑み込んだ。
KP
……いまにも消えてゆく青白い光が。
無力に溺れるあなたを、静かに照らした。
無力に溺れるあなたを、静かに照らした。
KP
▼それぞれ〈目星〉で判定。
早浪

KP - 今日 20:05
CCB<=75 〈目星〉 (1D100<=75) > 95 > 失敗
CCB<=75 〈目星〉 (1D100<=75) > 95 > 失敗
佐倉 光

佐倉 光 - 今日 20:04
1d100 98〈目星〉 (1D100) > 12
1d100 98〈目星〉 (1D100) > 12
また不気味な文章が表示された。
KP
そんな文字があなたの眼に映った、直後。
ふっと蝋燭を吹き消すように、辺りは真っ暗になった。
ふっと蝋燭を吹き消すように、辺りは真っ暗になった。
早浪

「……」
彼女はあなたに背を向けたまま、静かに項垂れていた。
彼女はあなたに背を向けたまま、静かに項垂れていた。
佐倉 光

相手とは、誰のことだ。
牧志か。ハヤミさんか。
滅びを見た影響か、心が乾ききっていた。悲しみも怒りもなかった。
牧志か。ハヤミさんか。
滅びを見た影響か、心が乾ききっていた。悲しみも怒りもなかった。
KP
なんだかひどく、息苦しい。
佐倉 光

口にかかる不快な感覚からなんとなく起きたことは分かった。
顔に触れる。
顔に触れる。
KP
予期していた通り、あなたの口を黒革の轡が塞いでいる。
深く食い込んだ轡は舌を押さえつけ、その両端は鎖であなたの首輪に繋がれていた。
あなたは言葉を封じられ、項垂れる彼女と同じように、無力に項垂れた姿勢を強要されていた。
無理に顔を上げようとすれば、轡が顎を苛む。
深く食い込んだ轡は舌を押さえつけ、その両端は鎖であなたの首輪に繋がれていた。
あなたは言葉を封じられ、項垂れる彼女と同じように、無力に項垂れた姿勢を強要されていた。
無理に顔を上げようとすれば、轡が顎を苛む。
佐倉 光

言葉が封じられた。
もう、何もかもが無駄なのだという気分が押し寄せてくる。
何を選ぼうとも同じなのだと。
もう、何もかもが無駄なのだという気分が押し寄せてくる。
何を選ぼうとも同じなのだと。
佐倉 光

いや、待て。何を決めつけている。
所詮幻の無力感をいつまで引きずってやがる。バカかてめえは。
鎖に阻まれようと首をできるだけ上へ向ける。
そもそもハヤミさんに枷をかけろと言ったのは俺自身だ。
それで押しつぶされていたらかっこ悪すぎるじゃないか。
所詮幻の無力感をいつまで引きずってやがる。バカかてめえは。
鎖に阻まれようと首をできるだけ上へ向ける。
そもそもハヤミさんに枷をかけろと言ったのは俺自身だ。
それで押しつぶされていたらかっこ悪すぎるじゃないか。
佐倉 光

最後の決断。相手を守れるのは己だけ。
俺はまだ、何かを守らなきゃいけない。
俺はまだ、何かを守らなきゃいけない。
KP
鎖に引かれ、ぎりぎりと口に轡が食い込む。
屈するまいと首を上げた時、壁からピピッ、と音が鳴った。
空気の漏れる音。
扉が、開く。
扉の中から光が溢れ出て、あなたの眼を刺した。
今までとは違う。
ここから見える室内は、煌々と白い明かりに照らされていた。
屈するまいと首を上げた時、壁からピピッ、と音が鳴った。
空気の漏れる音。
扉が、開く。
扉の中から光が溢れ出て、あなたの眼を刺した。
今までとは違う。
ここから見える室内は、煌々と白い明かりに照らされていた。
佐倉 光

嫌な予感はしている。
次の部屋は『最後』で様子が違うようだ。
そこで何が起きる。
この状態で何かと戦うのか?
口と首の枷は戦いに関係ない。その分俺の方が少し有利になる。
ハヤミの様子を見て、彼女が一人で歩いて行くようなら手は貸さない。
次の部屋は『最後』で様子が違うようだ。
そこで何が起きる。
この状態で何かと戦うのか?
口と首の枷は戦いに関係ない。その分俺の方が少し有利になる。
ハヤミの様子を見て、彼女が一人で歩いて行くようなら手は貸さない。
早浪

彼女は無言で前へと顔を向けた。
ふらつきながら、室内へと一歩を踏み出す。
ふらつきながら、室内へと一歩を踏み出す。
佐倉 光

こちらも中へ。
次は何をさせられるんだ。
次は何をさせられるんだ。
KP
……室内へ入ると、いままでと同様に扉が閉じた。
早浪

「何……、だと? 拘束が、消えている……」
煌々と室内を照らす明かりの中。
気がつけば、あなた達の自由を奪っていた拘束具は、すべて消え失せている。
久しぶりの自由。
それを噛みしめる間もなく。早浪が声を上げた。
煌々と室内を照らす明かりの中。
気がつけば、あなた達の自由を奪っていた拘束具は、すべて消え失せている。
久しぶりの自由。
それを噛みしめる間もなく。早浪が声を上げた。
早浪

「氷凪!」
佐倉 光

ふは、と息を吐く。あの拘束は? 意味がない? そんな馬鹿な。
部屋を見る。何がある。
部屋を見る。何がある。
KP
そこには二人の人間が転がされていた。
ひとりは、頭に角を生やした、黒い髪の細身の男。
……あなたには分かるだろう、『氷凪』だ。
ひとりは、頭に角を生やした、黒い髪の細身の男。
……あなたには分かるだろう、『氷凪』だ。
牧志 浩太

もうひとりは、見間違うはずがない、牧志だった。
KP
『氷凪』は。
黒革の拘束具で後ろ手に腕を縛られ、両足を繋がれ、首輪に首を絞められていた。
黒革の拘束具で後ろ手に腕を縛られ、両足を繋がれ、首輪に首を絞められていた。
牧志 浩太

牧志は。
両足を繋がれ、口に轡を深く食い込まされ。苦しげに時折もがくたび、轡と繋がった首輪に首を絞め上げられていた。
両足を繋がれ、口に轡を深く食い込まされ。苦しげに時折もがくたび、轡と繋がった首輪に首を絞め上げられていた。
KP
……彼らは、あなた達が負ってきた枷を負わされているのだ。
佐倉 光

「牧志!」
くそ、そういうオチか!
すぐに駆け寄って彼を救い出そうとしながら、最後に見た文を思い出していた。
くそ、そういうオチか!
すぐに駆け寄って彼を救い出そうとしながら、最後に見た文を思い出していた。
KP
彼らの間に、モニターがひとつ置かれていた。
駆け寄ろうとしたあなたの眼に、水のように光るその表面が入るだろう。
砂嵐の画面の中、赤く血のように滲む文字が、ちかちかと光る。
駆け寄ろうとしたあなたの眼に、水のように光るその表面が入るだろう。
砂嵐の画面の中、赤く血のように滲む文字が、ちかちかと光る。
「このままではあなたの大切な人が、隣の人に殺されてしまう」
KP
どうしてか、その文字から目が離せない。
一文字一文字、あなた達に向かって刻みつけるように、文字が滲み出ていく。
一文字一文字、あなた達に向かって刻みつけるように、文字が滲み出ていく。
「あなたは、あなたの大切な人を守るため、隣の人を殺しますか?」
「それとも、あなたの大切な人を殺されるくらいならばと、あなたが先に殺しますか?」
「それとも、そんなことを考える隣の人への制裁として、隣の人の大切な人を殺しますか?」
「それとも、別の道を歩みますか?」
KP
拘束は同数だ。
……二人とも、【POW】×5で判定!
どちらも成功した場合、出目の大小によって判断されます。
……二人とも、【POW】×5で判定!
どちらも成功した場合、出目の大小によって判断されます。
佐倉 光

1d100 75 【POW】×5
佐倉 光 - 今日 0:12
1d100 75 POW (1D100) > 9
佐倉 光 - 今日 0:12
1d100 75 POW (1D100) > 9
早浪

KP - 今日 0:12
CCB<=75 【POW】×5 (1D100<=75) > 62 > 成功
CCB<=75 【POW】×5 (1D100<=75) > 62 > 成功
佐倉 光

モニターから目が離せない。
それどころじゃないっていうのに。
今すぐ、あの幻覚の影響がないか確かめなければならないのに!
それどころじゃないっていうのに。
今すぐ、あの幻覚の影響がないか確かめなければならないのに!
早浪

その時あなたは、横にいた早浪の身体が、ふらりと傾ぐのを見た。
早浪

「……ああ……、」
彼女が息を漏らした。
あなたはその一瞬、彼女の全身が縛られる幻を見た。
彼女が息を漏らした。
あなたはその一瞬、彼女の全身が縛られる幻を見た。
早浪

口に轡を。
眼に目隠しを。
胴に拘束具を。
首に首輪を。
足に鎖を。
腕に枷を。
眼に目隠しを。
胴に拘束具を。
首に首輪を。
足に鎖を。
腕に枷を。
早浪

「そう、だ……。
私は、氷凪を選んだ。氷凪が大事だ。
そのためなら、きみなど死んで構わない」
彼女の唇が、眼が熱を帯びてゆく。
眼の光が、どろりとした悪意に侵されてゆく。
私は、氷凪を選んだ。氷凪が大事だ。
そのためなら、きみなど死んで構わない」
彼女の唇が、眼が熱を帯びてゆく。
眼の光が、どろりとした悪意に侵されてゆく。
早浪

「きみの友など、死んで構わない。
ああ、そうだ。きみも、きみの友も、ここで殺してしまおう。
それを代わりとして、私達は生まれ変わるんだ」
ああ、そうだ。きみも、きみの友も、ここで殺してしまおう。
それを代わりとして、私達は生まれ変わるんだ」
KP
あなたは、足の裏から室内そのものが燃え上がるような感覚に気づくだろう。
それは憎悪。悪意。狂気にも近しい望み。
あなた達は最初から囲まれていたのだ。
この部屋、そのものの意思に。
それは憎悪。悪意。狂気にも近しい望み。
あなた達は最初から囲まれていたのだ。
この部屋、そのものの意思に。
KP
どす黒い感情が、あなたの心臓を侵す。
狂気とも呼べるこの部屋の意思と混ざりあっていくような、奇妙な感覚。
狂気とも呼べるこの部屋の意思と混ざりあっていくような、奇妙な感覚。
KP
しかし、あなたにはまだ選択権がある。
まだ、あなたの意思は侵されきっていない。
それを証明するように、あなたの手には銀色に光るナイフが握られていた。
まだ、あなたの意思は侵されきっていない。
それを証明するように、あなたの手には銀色に光るナイフが握られていた。
佐倉 光

気持ち……悪い……
そうだ。ここには最初から悪意しかなかった。
牧志に駆け寄りながらナイフで自らの指を傷つける。
その切れ味を確かめると共に、痛みに集中する。
そうだ。ここには最初から悪意しかなかった。
牧志に駆け寄りながらナイフで自らの指を傷つける。
その切れ味を確かめると共に、痛みに集中する。
KP
鋭い痛みが走る。
痛みと赤い血の色が、少しあなたの意識を確かにする。
しかし、悪意は足元から絶えず這い上がってきていた。
心臓が拍動する度に、悪意を吸い上げているのを感じる。視界が絶えず、明滅する憎悪で赤く脈動する。
あなたに残された時間は長くない。
いずれあなたも我を失い、彼女と、氷凪と殺し合うだろう。
そうなれば、牧志も無事では済まない。
痛みと赤い血の色が、少しあなたの意識を確かにする。
しかし、悪意は足元から絶えず這い上がってきていた。
心臓が拍動する度に、悪意を吸い上げているのを感じる。視界が絶えず、明滅する憎悪で赤く脈動する。
あなたに残された時間は長くない。
いずれあなたも我を失い、彼女と、氷凪と殺し合うだろう。
そうなれば、牧志も無事では済まない。
早浪

彼女は、縛られた牧志へと近づいた。
逞しいその腕ならば、彼の首を折ってしまえるだろう。
牧志は気を失っているのか、薬でも使われたのか、己の命が危ういというのに、時折もがく他に動く様子がない。
逞しいその腕ならば、彼の首を折ってしまえるだろう。
牧志は気を失っているのか、薬でも使われたのか、己の命が危ういというのに、時折もがく他に動く様子がない。
KP
あなたは、何を選ぶか。
佐倉 光

「待て!」
ハヤミは明らかに様子がおかしい。
声には応えるか?
ハヤミは明らかに様子がおかしい。
声には応えるか?
早浪

一瞬だけ反応して振り返った眼は、憎悪と悪意に染まりきっていた。
彼女は人の姿をしているにも関わらず、それは怒れる狼の眼に見えた。
それきり彼女は応えることなく、牧志の首へと手を伸ばす。
彼女は人の姿をしているにも関わらず、それは怒れる狼の眼に見えた。
それきり彼女は応えることなく、牧志の首へと手を伸ばす。
佐倉 光

俺もああなるっていうのか。
選ぶこともできない、何者かの操り人形に。
選ぶこともできない、何者かの操り人形に。
佐倉 光

ハヤミに体当たりをかける。
早浪

彼女の眼には、倒れている牧志しか映っていない。
彼女は避けない。
あなたは彼女に体当たりをかけることができる。
彼女は避けない。
あなたは彼女に体当たりをかけることができる。
KP
あなたの(【STR】+【SIZ】)/2で、早浪の(【STR】14+【SIZ】15)/2 = 15と対抗判定を行うこと。
成功すれば、彼女の体勢を崩させることができる。
小数点以下は切り上げとする。
成功すれば、彼女の体勢を崩させることができる。
小数点以下は切り上げとする。
佐倉 光

10対15か。分が悪いな。
1d100 25 対抗! Sasa 1d100→ 58→失敗
ですよねー。
1d100 25 対抗! Sasa 1d100→ 58→失敗
ですよねー。
早浪

あなたは全力で彼女に体当たりをかける。
しかし、彼女の逞しい背はびくともしない。
牧志の首へと、その手が伸びた。
しかし、彼女の逞しい背はびくともしない。
牧志の首へと、その手が伸びた。
佐倉 光

あの女は戦闘職。悠長なことはしていられない。
ヒナギを人質に交渉をすることも考えたが、その間に牧志の首がへし折られたら意味がない。
ヒナギを人質に交渉をすることも考えたが、その間に牧志の首がへし折られたら意味がない。
佐倉 光

ああ。くそ。これしかねぇってのかよ。
佐倉 光

話すんじゃなかったな。こんなことなら。やりづらくてかなわない。
佐倉 光

ハヤミの首筋にナイフをあてがう。
早浪

彼女はあなたを振り返らない。
KP
彼女の首筋に刃を宛がう。
どく、どく、と、強く鼓動する血流を感じた。
生きている。
彼女の腕が動こうとする度に、筋肉の動きが刃を通じて伝わる。
生きている人間の音だ。
どく、どく、と、強く鼓動する血流を感じた。
生きている。
彼女の腕が動こうとする度に、筋肉の動きが刃を通じて伝わる。
生きている人間の音だ。
早浪

彼女は、手を止めない。
ミシリ、と彼女の手の下で牧志の首が音を立てた。
ミシリ、と彼女の手の下で牧志の首が音を立てた。
佐倉 光

手が止まらないようならそのまま滑らせる。
KP
……あなたは刃を滑らせた。
溢れ出る生命の躍動のままに、真っ赤な血が迸って。
あなたの身体を、手を、床を、天井までも染めてなお。
赤は、止まらなかった。
あなたの選択を知らしめるように。
溢れ出る生命の躍動のままに、真っ赤な血が迸って。
あなたの身体を、手を、床を、天井までも染めてなお。
赤は、止まらなかった。
あなたの選択を知らしめるように。
佐倉 光

判断を、誤ったんだ。最初から俺達は、敵同士だった。
こういう時に同じ立場の人間が敵である場合があるということを想定していなかった。
ああ。彼女は死者だと言っていたじゃないか。
それならば在るべき姿に戻ったに過ぎないだろう。
肩を貸したときの彼女の体温を、
ここに来るまでに見せた様々な表情を、
知らぬ世界のものごとに驚く楽しそうな表情を思い出せば、深いため息が出た。
こういう時に同じ立場の人間が敵である場合があるということを想定していなかった。
ああ。彼女は死者だと言っていたじゃないか。
それならば在るべき姿に戻ったに過ぎないだろう。
肩を貸したときの彼女の体温を、
ここに来るまでに見せた様々な表情を、
知らぬ世界のものごとに驚く楽しそうな表情を思い出せば、深いため息が出た。
KP
早浪と佐倉さんだと体格と筋力が圧倒的に違うし、早浪の腕なら素手でもやれかねないんだもんなぁ。
佐倉 光
締めるんじゃなくて折る・骨をずらすことができそうで怖いからな……
もうちょっと余裕があれば、ヒナギにナイフを突きつけて「やめないと殺すぞ」って脅そうかと一瞬思ったんだけど、そんな暇なかった。
もうちょっと余裕があれば、ヒナギにナイフを突きつけて「やめないと殺すぞ」って脅そうかと一瞬思ったんだけど、そんな暇なかった。
KP
そうなんですよね。早浪の腕なら牧志の首を折ってしまえてもおかしくないんだもんな。
その結果佐倉さんに速い決断を強いることになった。
その結果佐倉さんに速い決断を強いることになった。
佐倉 光

「こんな所で会いたくなかったよ、ハヤミさん」
KP
彼女の身体は赤く染まってなお温かく、嘘のような熱を残していた。
佐倉 光

ハヤミの体を牧志の上からどけて、牧志の無事を確かめようとする。
KP
呼びかけられて、牧志が微かに身じろいだ。
彼が薄っすらと眼を開くと同時、どこかでパキリと音がした。
白い世界が割れ、ゆっくりと意識が薄らいでいく。
ああ、きっと、今度こそ、本当に。
悪夢は、終わったのだろうか。
それとも。
これさえも、幻に過ぎないのだろうか……。
彼が薄っすらと眼を開くと同時、どこかでパキリと音がした。
白い世界が割れ、ゆっくりと意識が薄らいでいく。
ああ、きっと、今度こそ、本当に。
悪夢は、終わったのだろうか。
それとも。
これさえも、幻に過ぎないのだろうか……。
佐倉 光

牧志の無事を確かめながら、全てがただの悪夢で、実体のない幻であるようにと願った。
既に死者であると語った女騎士さえも。
既に死者であると語った女騎士さえも。
佐倉 光
自分の殺人をなかったことにしたいというよりは、こんな哀れな末路を辿る奴は『夢』の方がいい、という意味で。
最後、望んだはずの友との再会より、全く関係ない男の殺害を優先した時点で、彼女がおかしくなっていたのは明らかだから。
シナリオの構造上あり得ないけど、物語としては、最後に早浪側も佐倉が氷凪を殺そうとした幻を見てその対処を迫られている、というのもアリなんだよな。
最後、望んだはずの友との再会より、全く関係ない男の殺害を優先した時点で、彼女がおかしくなっていたのは明らかだから。
シナリオの構造上あり得ないけど、物語としては、最後に早浪側も佐倉が氷凪を殺そうとした幻を見てその対処を迫られている、というのもアリなんだよな。
KP
確かに。悪意の強さ的に、互いに幻に分断されて……、というのも十分ありえる。
KP
………………
KP
不意にあなたは目を覚ます。
そこは喧騒な街中、スクランブル交差点。
あなたは信号が青に変わるのを待っていた。
誰でもない見知らぬ人の騒がしさが、今日も傍らを過ぎていく。
先ほどの部屋は何だったのだろうか。
ひどく、ひどく嫌な夢を見ていたような気がする。
そこは喧騒な街中、スクランブル交差点。
あなたは信号が青に変わるのを待っていた。
誰でもない見知らぬ人の騒がしさが、今日も傍らを過ぎていく。
先ほどの部屋は何だったのだろうか。
ひどく、ひどく嫌な夢を見ていたような気がする。
KP
▼この記憶、残しておきますか?
佐倉 光

▼残します
佐倉 光

いつかのように交差点の前に立ちすくんで空を見上げ、荒く呼吸をついた。
白昼夢? 幻覚?
はっきりしているのは何者かの悪意に曝されてもがいていたということだけだ。
慌てて、牧志の無事を確かめたくてスマートフォンを取り出そうとする。
白昼夢? 幻覚?
はっきりしているのは何者かの悪意に曝されてもがいていたということだけだ。
慌てて、牧志の無事を確かめたくてスマートフォンを取り出そうとする。
KP
その時、陽光がスマートフォンの画面に射し込んだ。
思わず眩しさに目をつぶるだろう。
次に目を開けると、目の前にひとりの女がいた。
早浪だった。
思わず眩しさに目をつぶるだろう。
次に目を開けると、目の前にひとりの女がいた。
早浪だった。
早浪

「サクラ」
周囲の風景が動きを止めていた。
墨で描いたような白黒の世界の前に、そこだけ色のある彼女が、凛々しく武装した姿で立っていた。
周囲の風景が動きを止めていた。
墨で描いたような白黒の世界の前に、そこだけ色のある彼女が、凛々しく武装した姿で立っていた。
佐倉 光

「ハヤミ……さん」
彼女はこの手で殺したはずだ。
まだ夢は終わっていないのか?
やはり彼女は悪魔か何かだったのか?
まだ何かあるというのか?
片足を半歩引いて身構える。
彼女はこの手で殺したはずだ。
まだ夢は終わっていないのか?
やはり彼女は悪魔か何かだったのか?
まだ何かあるというのか?
片足を半歩引いて身構える。
早浪

「すまなかった……、私を止めてくれて、ありがとう」
彼女の眼は光を取り戻していた。
彼女の眼は光を取り戻していた。
佐倉 光

「正気に戻ったのか……良かった」
構えを解いて少し気まずそうに頭を掻く。
構えを解いて少し気まずそうに頭を掻く。
佐倉 光

「悪かったね。俺非力だから、咄嗟に止めようと思ったらあれしかなくてさ」
佐倉 光

「あれは、それまでの質問と同じような幻覚だったのか?」
佐倉 光

「てかやっぱり幽霊? ヒナギさんとは会えなかったのか?」
反射的に左腕に手をやる。
反射的に左腕に手をやる。
早浪

「私は……、」
何か言いかけた彼女とあなたの間に、ふと花のにおいのする風が吹いた。
何か言いかけた彼女とあなたの間に、ふと花のにおいのする風が吹いた。
KP
その風の強さに顔をしかめた時、最初から誰もいなかったかのように、彼女は姿を消していた。
信号が変わる。人が歩きだす。
信号が変わる。人が歩きだす。
佐倉 光

ほんの瞬きの間に人が消え去ったことに困惑して息を呑む。
東浪見 海

「うわ、ごっめん」
目の前であなたにぶつかりそうになったのは、早浪ではなく、どこかで見たことのあるようなないような女性だった。
目の前であなたにぶつかりそうになったのは、早浪ではなく、どこかで見たことのあるようなないような女性だった。
佐倉 光

「うわ!?」
慌てて道をあける。
慌てて道をあける。
佐倉 光

「……あれ」
どこかで見たような雰囲気だ。どこでだっただろう?
どこかで見たような雰囲気だ。どこでだっただろう?
佐倉 光

「ああ、ごめんなさい」
東浪見 海

「いいよいいよ、こっちこそ前見てなかったし。
美雪ー! また迷うよー!」
彼女はそう手を振ると、小走りに去っていった。
美雪ー! また迷うよー!」
彼女はそう手を振ると、小走りに去っていった。
KP
スマホ見たら牧志からのメッセージが来ているところまでにしておいて四人でのエンディングにするか、牧志が佐倉さんに謝るところは先に二人でやるか、どっちが綺麗かなぁ。
佐倉 光
四人を最後にした方が明るくて良いかもしれませんねー
KP
確かに。では二人の方が先かな。
KP
街は変わらず動き出す。
手の中のスマートフォンを見下ろせば、牧志からのメッセージが来ていた。
手の中のスマートフォンを見下ろせば、牧志からのメッセージが来ていた。
佐倉 光

牧志!
すぐさまメッセージを確認。いつ来たものだろう?
すぐさまメッセージを確認。いつ来たものだろう?
牧志 浩太

メッセージの時刻を確認すれば、つい少し前だ。
幾つかのメッセージが連続して送られている。
幾つかのメッセージが連続して送られている。
牧志 浩太

『佐倉さん、無事?』
牧志 浩太

『生きてる? 覚えてる?』
牧志 浩太

『ごめん驚くよな、でも送りたくて、謝りたいんだ』
牧志 浩太

『話がしたい。ごめん』
あなたは仕事で遅くまでかかる、と彼に伝えていたはずだが……。
混乱した様子のメッセージ、まさか彼に何かあったのだろうか?
あなたは仕事で遅くまでかかる、と彼に伝えていたはずだが……。
混乱した様子のメッセージ、まさか彼に何かあったのだろうか?
佐倉 光

歩きながら電話をかける。
あいつには何かあったのか?
あいつには何かあったのか?
佐倉 光

幸い、忘れられたり恨まれたりはしていないようだけど。
牧志 浩太

『佐倉さん……!』
すぐに電話に出た牧志の声が、涙を湛えて震えていた。
すぐに電話に出た牧志の声が、涙を湛えて震えていた。
佐倉 光

「もしも」
牧志 浩太

『ごめん、俺佐倉さんのこと裏切って、傷つけて、大丈夫だと思ってたんだ、でも、でも、佐倉さんは無事? 大変なことになってない? 失望した? ごめん、ごめん俺、そんなつもりじゃなくて、』
電話に出た途端に、電話口に言葉がぶちまけられた。
涙をすすりながら早口で繰り出される懺悔のような言葉は、注意していなければ聞き落としてしまいそうだ。
電話に出た途端に、電話口に言葉がぶちまけられた。
涙をすすりながら早口で繰り出される懺悔のような言葉は、注意していなければ聞き落としてしまいそうだ。
佐倉 光

「ああぁ!? おう、ちょっと待て、落ち着け?
お前こそ無事なんだな?
拷問受ける夢とか世界滅ぼす夢とか見てないか」
言葉を浴びせられて逆に冷静になってしまった。
察するに、あいつも似たような体験をさせられたんじゃないのか。
お前こそ無事なんだな?
拷問受ける夢とか世界滅ぼす夢とか見てないか」
言葉を浴びせられて逆に冷静になってしまった。
察するに、あいつも似たような体験をさせられたんじゃないのか。
佐倉 光

「良かった、そっちも無事なんだな。今家か? もう出てるか。
俺、別れてすぐ碌でもない白昼夢を観ててさ」
俺、別れてすぐ碌でもない白昼夢を観ててさ」
佐倉 光

「なんか、安心したよ」
牧志 浩太

安心したというあなたの一言に、電話の向こうから聞こえる声が、啜り泣きのような声に変わった。
牧志 浩太

『よかった……、佐倉さんだぁ……』
牧志 浩太

『うん、俺も、無事……。
いま、渋谷の交差点の近くにいるんだ、佐倉さんは?』
いま、渋谷の交差点の近くにいるんだ、佐倉さんは?』
KP
おや?
すぐ近くではあるまいか。
すぐ近くではあるまいか。
KP
東浪見が「美雪ー」って追いかけていったということは、東浪見と美雪はすぐ近くにいる=佐倉さんと牧志もすぐ近くにいる、という。
佐倉 光
たしかにー
佐倉 光

時間を確認。
……30分くらいなら、何とかなるな。
……30分くらいなら、何とかなるな。
佐倉 光

俺も一応無事を確認しておきたいし。
佐倉 光

「渋谷スクランブルのハチ公口側だ。新宿ラインに乗るとこだけど、少し時間がある。そっちも時間があるなら合流しよう。
俺も少し話したいことあるし」
俺も少し話したいことあるし」
牧志 浩太

「うん……、会いたい。
そっち行くよ」
言うなり電話が切れた。
それから、数分もしないうちに、
そっち行くよ」
言うなり電話が切れた。
それから、数分もしないうちに、
牧志 浩太

「佐倉さん!」
目元を涙の跡でぼろぼろにした牧志が、道の向こうから走ってきて。
目元を涙の跡でぼろぼろにした牧志が、道の向こうから走ってきて。
佐倉 光

ああ、無事だ。いつも通りの牧志だ。
牧志 浩太

あなたを、力一杯抱きしめた。
……ちょっと痛い。
……ちょっと痛い。
佐倉 光

思わず牧志の首を確認……してたら抱きつかれて目を白黒させる。
佐倉 光

「ちょ、痛い痛い痛い」
叫びながらも抵抗しない。
こちらも牧志の無事を確かめるように背に手を回して手応えを確認してしまう。
生きてる。いつも通りだ。痣も広がっていないし、どこも失っていない。
安堵のあまり思わず声を上げてしまった。
叫びながらも抵抗しない。
こちらも牧志の無事を確かめるように背に手を回して手応えを確認してしまう。
生きてる。いつも通りだ。痣も広がっていないし、どこも失っていない。
安堵のあまり思わず声を上げてしまった。
牧志 浩太

「よかったぁ……、無事だ……」
涙をぼろぼろこぼし、鼻水をすすりながら、牧志はあなたの背に手を回してその無事を確かめた。
触れる背中は、首筋の痣の大きさは全くいつも通りの彼だった。
互いになにも失ってはいなかった。
涙をぼろぼろこぼし、鼻水をすすりながら、牧志はあなたの背に手を回してその無事を確かめた。
触れる背中は、首筋の痣の大きさは全くいつも通りの彼だった。
互いになにも失ってはいなかった。
牧志 浩太

「ごめん、おれ、佐倉さんのこと傷つけた。
佐倉さん俺のこと信じてくれてたのに、俺、佐倉さんより自分がやりたいことを選んだ」
うー、と鼻をかんで、涙を拭う。
佐倉さん俺のこと信じてくれてたのに、俺、佐倉さんより自分がやりたいことを選んだ」
うー、と鼻をかんで、涙を拭う。
佐倉 光

「傷つけた? むしろ酷いことをしたのは俺で……」
牧志の肩に手を置いて、向き合う。
牧志の肩に手を置いて、向き合う。
佐倉 光

「もしかして、なんだけど、変な質問されて、変な夢見せられてなかった?
最後に殺すの殺さないのって話になるヤツ」
最後に殺すの殺さないのって話になるヤツ」
牧志 浩太

「……えっ」
牧志は驚いてあなたの目を見る。
牧志は驚いてあなたの目を見る。
牧志 浩太

「もしかして……、佐倉さんも?
暗い部屋で、モニター見せられて、知らない人と一緒にいてどっちを選ぶって」
暗い部屋で、モニター見せられて、知らない人と一緒にいてどっちを選ぶって」
佐倉 光

「……なるほど。俺もそんな所にいたよ」
佐倉 光

額に手を当て、少し考える。
佐倉 光

「じゃあもう一個確認。
お前は瓶に詰められたり、嵐の海で女の人を見捨てたり、延々と拷問された挙げ句世界を滅ぼす生贄になったりする経験をした?」
お前は瓶に詰められたり、嵐の海で女の人を見捨てたり、延々と拷問された挙げ句世界を滅ぼす生贄になったりする経験をした?」
牧志 浩太

「いや。
俺は佐倉さんを裏切ってしまって失望されたり、大きな龍が女の人を……、食いちぎるのを見せられたり、大事な人を悪気なく奪ってしまったり、罪を被せられて殺されたりしてた」
俺は佐倉さんを裏切ってしまって失望されたり、大きな龍が女の人を……、食いちぎるのを見せられたり、大事な人を悪気なく奪ってしまったり、罪を被せられて殺されたりしてた」
牧志 浩太

「佐倉さんが……、俺のせいで記憶を全部なくして死ぬ夢もあったな。
佐倉さん、大丈夫?
記憶がなくなってたりしない?」
佐倉さん、大丈夫?
記憶がなくなってたりしない?」
佐倉 光

「記憶をなくして死ぬ? また極端だな」
佐倉 光

「違う物を見せられていた、ってことは……」
佐倉 光

「俺が見た物は、お前には関係なかったのかな」
やっと心が落ち着いた。
やっと心が落ち着いた。
佐倉 光

「最後にお前は首をへし折られかけていたよ」
佐倉 光
「なんか……選択肢のせいもあるだろうけど、全体的に俺が観た物の方がひどくない?」
KP
「ごめん、二度目だしせっかくだから盛っちゃった。
同じ内容だとイマイチでさあ。
君達にとっては同時だったって? そんなこともあるよ」
同じ内容だとイマイチでさあ。
君達にとっては同時だったって? そんなこともあるよ」
牧志 浩太

「そうか……、」
牧志 浩太

「全部、悪い夢だったんだ」
牧志はすっかり泣ききったような眼に、また涙を滲ませた。
牧志はすっかり泣ききったような眼に、また涙を滲ませた。
佐倉 光

「お互い悪い夢を観ていただけなんだよ。多分な」
佐倉 光

「……よし、安心した。仕事行ってくる」
佐倉 光

ふと、牧志が囚われて苛まれる幻影を思いだし、思わず肩を掴む力が強まる。
佐倉 光

「……気を、付けて行ってきてくれよ」
牧志 浩太

「うん……、
佐倉さんも、気をつけて」
彼は肩を掴むあなたの手に、少し不安そうに手を重ねた。
佐倉さんも、気をつけて」
彼は肩を掴むあなたの手に、少し不安そうに手を重ねた。
佐倉 光

「今日は早めに戻るようにするから、詳しく話してくれよ。
俺も色々と話したいことがあるんだよ」
俺も色々と話したいことがあるんだよ」
牧志 浩太

「うん……、話させてよ。話そう。
仕事前に大変だったな。お疲れ」
牧志は小さく手を振る。日常を取り戻すように。
仕事前に大変だったな。お疲れ」
牧志は小さく手を振る。日常を取り戻すように。
佐倉 光
夜に戻ってきてからハヤミさんの話をして「あれ、同じ人??」ってなるな。
そうしたら夢に出てきた人、なんて漠然としたものじゃなくて、実在人物なのかも知れないと思うかな。
そうしたら夢に出てきた人、なんて漠然としたものじゃなくて、実在人物なのかも知れないと思うかな。
KP
なりますね。話を聞けば聞くほど同じ人。
牧志 浩太

「全部、悪い夢だったんなら……、氷凪さんに、悪いことしちゃったな」
牧志はあなたを見送る。
別れる刹那、彼はぽつりと呟いた。
牧志はあなたを見送る。
別れる刹那、彼はぽつりと呟いた。
佐倉 光

「ヒナギ? まさかハヤミも……」
ああくそ、電車に遅れる。
ああくそ、電車に遅れる。
佐倉 光

「今日は絶対、早く帰ってくるからな! 寝てんなよ!」
牧志 浩太

「あ、ああ。勿論!」
牧志 浩太

「佐倉さん、行ってらっしゃい!」
そうしてもう一度手を振るとき、たまらずにまた涙が滲んだ。
そうしてもう一度手を振るとき、たまらずにまた涙が滲んだ。
佐倉 光

手を振り返す。
佐倉 光

仕事前に牧志に会えて良かった。
あの気分のままじゃあ到底仕事にならないところだった。
あれはただの悪趣味な実験だか嫌がらせだかに付き合わされただけで、俺達は不快な夢を見せられただけなんだ。
あの気分のままじゃあ到底仕事にならないところだった。
あれはただの悪趣味な実験だか嫌がらせだかに付き合わされただけで、俺達は不快な夢を見せられただけなんだ。
佐倉 光

ハヤミって結局何者だったんだろう?
首をひねって、人混みをすり抜け改札をくぐり抜けた。
さあ、仕事の時間だ。
首をひねって、人混みをすり抜け改札をくぐり抜けた。
さあ、仕事の時間だ。
KP
「その二人」がただの夢の産物ではないかもしれないことを知るのは、仕事を終えて帰ってからのことだった。
『回答者Xの報酬』
END.A 「報酬:偽薬-ノシーボエフェクト-」
END
佐倉 光
『氷凪』が牧志と出会ったのは例の事件の1週間ほど前。
例の事件は誘拐から四日ほどで解決しているから、これから11日後に今日22時からの出来事が起きるわけだな。
例の事件は誘拐から四日ほどで解決しているから、これから11日後に今日22時からの出来事が起きるわけだな。
KP
ああー、そうなる。
牧志と会ったのが記憶を取り戻すきっかけだったとすれば、いい塩梅の日数ですね。
ここでしめるのが綺麗かなーと思いますが、いかがでしょう。
牧志と会ったのが記憶を取り戻すきっかけだったとすれば、いい塩梅の日数ですね。
ここでしめるのが綺麗かなーと思いますが、いかがでしょう。
佐倉 光
いいと思います!
あとは四人でわちゃわちゃしよう。
その十日の間に東浪見のおねーちゃんの顔写真など見て「あれっ? この人知ってる」ってなると。
あとは四人でわちゃわちゃしよう。
その十日の間に東浪見のおねーちゃんの顔写真など見て「あれっ? この人知ってる」ってなると。
KP
なると。東浪見が家族の話でも話題に出したんでしょう。
佐倉 光
んで11日経過後の海&美雪は牧志&佐倉を見て「あーーーーー」って気付くわけだな。
どういうきっかけで出会ったかは不明。
どういうきっかけで出会ったかは不明。
KP
というわけですね。
またスクランブル交差点で偶然ばったりしたのでは。
またスクランブル交差点で偶然ばったりしたのでは。
佐倉 光
なるほどそれもいいかも。
休日の外出で四人で鉢合わせちゃったかな。
休日の外出で四人で鉢合わせちゃったかな。
KP
ですね。鉢合わせちゃった。
鉢合わせちゃった場面がこのお話の完全なエンディングになります。
KP
ありがとうございましたー!
二周目だからって大盛り盛りにしてごめんな佐倉さん&氷凪さん。
二周目だからって大盛り盛りにしてごめんな佐倉さん&氷凪さん。
佐倉 光
ありがとうございましたー!
ヒド楽しかった。
ヒド楽しかった。
KP
ひどいという意味でもifルートたのしいの意味でも楽しかった!
佐倉さんが早めに「正解(仮称)」を見つけ、牧志より冷静だったがために、いろんなひどいめにあう牧志。
やっぱり佐倉さん&早浪はちょっと雰囲気が違って、でもなかなか葛藤もあっていい具合に楽しかった。
佐倉さんが早めに「正解(仮称)」を見つけ、牧志より冷静だったがために、いろんなひどいめにあう牧志。
やっぱり佐倉さん&早浪はちょっと雰囲気が違って、でもなかなか葛藤もあっていい具合に楽しかった。
佐倉 光
中の人的に佐倉はずっとA選ぶかなと思ってたんだけど、そうじゃなかった。
KP
そうそう。むしろ牧志の方が怖がってAを選んでた。
積極的に協力を取りにいこうとしてたし、早浪さんのことも気にしてくれていましたね。
むしろ最後に裏切ったのは早浪の方だった。
積極的に協力を取りにいこうとしてたし、早浪さんのことも気にしてくれていましたね。
むしろ最後に裏切ったのは早浪の方だった。
佐倉 光
あくまでゲームとみて最適解を選んだつもりでいたら、まあザクザクやられましたね。
KP
やられましたねぇ。
冷静さと感情の両方で「ほんとうの最適解」を見つけようとしてくれていた。
でも悪意しかなかった。
冷静さと感情の両方で「ほんとうの最適解」を見つけようとしてくれていた。
でも悪意しかなかった。
佐倉 光
命に関わらない選択だから牧志を選んだつもりでいたらがっつり命どころか存在に関わった挙げ句続編付きだった!!
いやしかしそれは先にこっちが「記憶がやられる佐倉」で命を脅かしたからな!!
しかし割と牧志の生贄エンドは普通に未来に地続きでありそうなだけに怖すぎるんだよ!?
いやしかしそれは先にこっちが「記憶がやられる佐倉」で命を脅かしたからな!!
しかし割と牧志の生贄エンドは普通に未来に地続きでありそうなだけに怖すぎるんだよ!?
KP
続編は完全に「二周目だし!!」ですね。二周目だからちょっとスタンダード外れてもいいだろうと、「夢の中で犯した罪を勝手に夢の中で償ったつもりになったひどい早浪」と、「出たと思ったら実はまだ夢の中だった&佐倉さんの<裏切り>によって世界が滅ぶ」を足しちゃいました。
牧志の生贄エンドも、佐倉さんが大事なところで一瞬干渉を受けて手を離してしまうのも、どちらも普通にありそうなケースなのでこわいこわい。
牧志の生贄エンドも、佐倉さんが大事なところで一瞬干渉を受けて手を離してしまうのも、どちらも普通にありそうなケースなのでこわいこわい。
KP
青のときに佐倉さんは血を採られるだけの存在にされかけていたけど、牧志も生贄の血肉を得るためだけに幽閉され、延々と血肉を切られるとかあってもおかしくないわけで……。
佐倉 光
そう、ありそうで怖いんだよアレ。
牧志はそのように作られた存在である案が出ていたから、
「実はそうで、その運命には抗いようがなかったことに気付いてしまう佐倉」にしました。
牧志はそのように作られた存在である案が出ていたから、
「実はそうで、その運命には抗いようがなかったことに気付いてしまう佐倉」にしました。
KP
あそこは圧倒的な無力感であああ……、ってなりましたね。
そうかぁ、そうなるかぁって。
今回、ひどいのをぶつけたら素敵に調理してくれて、とてもとてもいいひどさを返して下さって楽しかった。
佐倉さんは無力だったし、牧志自身すら無力だった。決められた破滅へ落ちるまでのひとときを慰撫する存在にすぎなかった。
そうかぁ、そうなるかぁって。
今回、ひどいのをぶつけたら素敵に調理してくれて、とてもとてもいいひどさを返して下さって楽しかった。
佐倉さんは無力だったし、牧志自身すら無力だった。決められた破滅へ落ちるまでのひとときを慰撫する存在にすぎなかった。
佐倉 光
ものっすごく「ハヤミさんに好きにならせる!」って展開何が待っていたのか知りたいんですけど。
KP
Aを選んだ場合、元シナリオの描写が「好きになられすぎてストーカー化されヤベェ」だったので、
「サクラ、私と共に死んでくれ!」ってなってました。ちょっとコミカル。
佐倉さんも好きだし国も好き! ともに命を殉じたい!
「サクラ、私と共に死んでくれ!」ってなってました。ちょっとコミカル。
佐倉さんも好きだし国も好き! ともに命を殉じたい!
佐倉 光
なんでこっちの選択肢でも佐倉が酷い目に遭う前提なんだwww 面白いけど。
KP
なぜかAを選んだはずなのに佐倉さんがヤバい目に遭うんですよねぇ、この選択肢。
佐倉 光
元々のシナリオからして、Aでも何故か選択者が酷い目に遭うヤツがたまにあるんですよね。
結局正解なんてなかったんや!
結局正解なんてなかったんや!
KP
そうそう。
ひっかけ的な選択肢や余計なひどいがついてくる選択肢もあるので、「やっぱり悪意しかなかった」ということかなーと思ってます。
しかしこれ佐倉さん&早浪の記憶を読んで悪夢を作っているということは、佐倉さんは牧志はそういうとき自分の五感をあげちゃいそうだと思ってい…… 思っていそうですね。
眼球あげた前科あるしな。
ひっかけ的な選択肢や余計なひどいがついてくる選択肢もあるので、「やっぱり悪意しかなかった」ということかなーと思ってます。
しかしこれ佐倉さん&早浪の記憶を読んで悪夢を作っているということは、佐倉さんは牧志はそういうとき自分の五感をあげちゃいそうだと思ってい…… 思っていそうですね。
眼球あげた前科あるしな。
佐倉 光
前科あるんだよ。ぎりぎりの時、精神的にまずいときは迷いなく自分の肉を切り分けてくれそう感は佐倉も持っている。
だからこそ前にも増して自分がしっかりしないとと思っている。
だからこそ前にも増して自分がしっかりしないとと思っている。
KP
牧志は「佐倉さんと意志疎通はしたい」し「孤独には耐えられない」から全部はあげないだろうけど、じゃあ意志疎通できる範囲でってあげてしまいそうだしなぁ。
やはり二人で無事に窮地を切り抜けなくてはならない。
やはり二人で無事に窮地を切り抜けなくてはならない。
佐倉 光
全部くれるとは思っていないけど、そのへん悪意込みで誇張されているんじゃないかなと思います。
今回の魔きしくんは裏事情によってはアリだけど普通に考えれば過剰だし。
今回の魔きしくんは裏事情によってはアリだけど普通に考えれば過剰だし。
KP
ですねぇ。
「視覚だけで済むと思った?」って盛られた。
二人の記憶混ぜ混ぜして誇張して作ったりもしているし。
今回は二周目なので悪夢内容アレンジ強めでもOK+割と行けそうだったので、元々恋愛系だった質問も入れましたね。
最後は「二周目だし流れが面白いのを選ぼう+違うの見たい」で任意になっちゃいましたが。
「視覚だけで済むと思った?」って盛られた。
二人の記憶混ぜ混ぜして誇張して作ったりもしているし。
今回は二周目なので悪夢内容アレンジ強めでもOK+割と行けそうだったので、元々恋愛系だった質問も入れましたね。
最後は「二周目だし流れが面白いのを選ぼう+違うの見たい」で任意になっちゃいましたが。
佐倉 光
おっ、恋愛系も入ってくるんだ! と思いながら見ていました。
最初にそれっぽい描写も入りましたしね。
まあでも佐倉がもうBでいくって決めてたからなー
一周目恋愛系オミットしたのは、氷凪でやってもあまり面白そうな展開思いつかなかったから、というのもあります。
ゴハン作ってくるーノシ
最初にそれっぽい描写も入りましたしね。
まあでも佐倉がもうBでいくって決めてたからなー
一周目恋愛系オミットしたのは、氷凪でやってもあまり面白そうな展開思いつかなかったから、というのもあります。
ゴハン作ってくるーノシ
KP
恋愛系、そのまま恋愛じゃなくて「裏切る」「奪う」といった内容に変えてたりもしていますね。
ストーカーは行けそうだったのでそのまま通したけど。
いってらっしゃいませー!
ストーカーは行けそうだったのでそのまま通したけど。
いってらっしゃいませー!
生還報酬・後遺症など
KP
▼成長
佐倉さんのみ。
CONは何か肉体に関わる技能、またはシナリオに関係していそうな技能でどうぞ。
・モニタ確認〈目星〉クリティカル
・痛みチェックCONクリティカル
佐倉さんのみ。
CONは何か肉体に関わる技能、またはシナリオに関係していそうな技能でどうぞ。
・モニタ確認〈目星〉クリティカル
・痛みチェックCONクリティカル
佐倉 光
2d6+5 Sasa 2d6+5→ 7[5,2]+5→合計12
佐倉 光
……61がマックスだわ。
KP
つくづくひどいMAX値である。
佐倉 光
刺すときの感情は「後悔と諦め」かなー
1d100 98〈目星〉! Sasa 1d100→ 44→成功
1d100 98〈目星〉! Sasa 1d100→ 44→成功
佐倉 光
【CON】か。忍耐力 みたいなスキルがあればなぁ。
KP
何か肉体関係の技能の他、シナリオに関係していそうなやつでも大丈夫です。
佐倉 光
うーん……〈ナイフ〉?
KP
なるほど。OKです。
佐倉 光
初期値20でしたっけ〈ナイフ〉
KP
25ですね。
佐倉 光
25だ。確認した!
1d100 25 〈ナイフ〉 Sasa 1d100→ 24→成功
1d100 25 〈ナイフ〉 Sasa 1d100→ 24→成功
佐倉 光
オイィィィ。
乗り気じゃなさ過ぎて使い方考えるどころじゃなかったね。
乗り気じゃなさ過ぎて使い方考えるどころじゃなかったね。
KP
乗り気じゃなさが出目に出てる!
あそこの佐倉さんは思ったよりすごく躊躇ってくれてよかったなぁ。
行動は速かったけど心情的に。
あそこの佐倉さんは思ったよりすごく躊躇ってくれてよかったなぁ。
行動は速かったけど心情的に。
佐倉 光
協力するつもりで、あわよくば敵対したときに情に訴えるために感情積んだのが完全裏目に!
KP
ごめんな協力ルートはなかったんだ!
佐倉さんはかなり早い段階で協力を見据えて動いてくれていたのが、きれいに裏目に出ましたねぇ。
ゲームだと思ったら悪意じゃねぇか。
佐倉さんはかなり早い段階で協力を見据えて動いてくれていたのが、きれいに裏目に出ましたねぇ。
ゲームだと思ったら悪意じゃねぇか。
佐倉 光
ほんとひどい。
殴らせ・悪口言わせもしてくれない黒幕が黒幕から出てこないひどい。
殴らせ・悪口言わせもしてくれない黒幕が黒幕から出てこないひどい。
KP
ゲームかと思ったら悪意だし黒幕は何も開示してくれないし、ひどいはなしだ。
佐倉 光
イスの奴らってロクなのがいないな!?(経験上)
いい関わり方したことが一回もないんですよね。
いい関わり方したことが一回もないんですよね。
KP
そうね話の通じるイスさんに遭遇してないな!
原典では珍しく話の通じる方なのに、おかしいなぁ。
大体ひっどい関わり方しかしてない。
原典では珍しく話の通じる方なのに、おかしいなぁ。
大体ひっどい関わり方しかしてない。
佐倉 光
「イスの奴」って知らないで悪意とか変な興味だけ浴びせられている事件もあるし。
KP
ですねぇ。
どうにも関わるイスさんが質の悪い個体ばっかり。
図書館行く? って言ってもらえたら大喜びだろうになぁ。おかしいなあ。
どうにも関わるイスさんが質の悪い個体ばっかり。
図書館行く? って言ってもらえたら大喜びだろうになぁ。おかしいなあ。
佐倉 光
ほんと話が通じない奴しかいなかったぞ!?
KP
結構シナリオでもお助けNPC枠で出てきてくれるイスさん、ちょくちょくいるのに偶然にも話の通じないイスさんにしか会っていない。おかしいな。
佐倉 光
一般的にただのモンスターみたいな某種族とはがっちり交渉するし、変な関わり方ばっかりだ。
KP
ですねぇ。なんだか変な関わり方が多い。
(某種族、そういえばKPCの頭がのうみそになっちゃうシナリオあったなー)
(某種族、そういえばKPCの頭がのうみそになっちゃうシナリオあったなー)
佐倉 光
のうみそになっちゃうってなんだ……
次は風呂で溺れるか、激怒する佐倉が暴走するか。
※後者まだ読んでないので合うかどうか分からないんですが
ともあれ一時半ですし、次考える前に寝よう!!
次は風呂で溺れるか、激怒する佐倉が暴走するか。
※後者まだ読んでないので合うかどうか分からないんですが
ともあれ一時半ですし、次考える前に寝よう!!
KP
ですね!! ありがとうございました!!
明るく終わったから次はもちもちでも風呂で溺れるでも佐倉さん暴走でも、どれでもいけそう。
もちもちはシナリオ読んじゃってるんですが、背景知ってようが知ってまいがあんまり関係ないシナリオだったので、ここはあえて牧志じゃなくて佐倉さんが増えても面白いかも。
明るく終わったから次はもちもちでも風呂で溺れるでも佐倉さん暴走でも、どれでもいけそう。
もちもちはシナリオ読んじゃってるんですが、背景知ってようが知ってまいがあんまり関係ないシナリオだったので、ここはあえて牧志じゃなくて佐倉さんが増えても面白いかも。
佐倉 光
増えてモッチモチになる佐倉!
それも面白いかも知れない。
それも面白いかも知れない。
KP
そうそう。たまには佐倉さんが増えても面白い。
コメント By.佐倉 光
あがいて、もがいて、得られた物はなんだったのか。
報酬とはなんだったというのか……
二周目故の悪意と不条理をたっぷり盛られ、つぶれかける佐倉と早浪。
ふたりはどんな結末を選ぶというのか。
いやー、酷い話でした。(褒め言葉)
あがいて、もがいて、得られた物はなんだったのか。
報酬とはなんだったというのか……
二周目故の悪意と不条理をたっぷり盛られ、つぶれかける佐倉と早浪。
ふたりはどんな結末を選ぶというのか。
いやー、酷い話でした。(褒め言葉)
【クトゥルフ神話TRPG】
本作は、「 株式会社アークライト 」及び「株式会社KADOKAWA」が権利を有する『クトゥルフ神話TRPG』の二次創作物です。
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