
こちらには
『回答者Xの報酬』および
『今昔 狼龍奇譚』
のネタバレがあります。
本編見る!
氷凪

「マキシ。今度は私が立ってみよう」
KP
ややあって、氷凪があなたの肩に手を置き、そっと促した。
牧志 浩太

こくりと頷き、モニターの前から退く。
KP
氷凪がモニターの前に立つと、画面に新たな文字が表示された。
可哀そうに、二人にはとある呪いがかけられました。
これは人の憎しみにより体を異形化させてしまうものだそうです。
治すための薬は1つのみ。どちらに使用しますか?
A:大切な人
B:隣の人
氷凪

「…………」
KP
氷凪の表情が凍てついた。その手が自らの胸を探る。
そしてあなたをちらりと見た。
そしてあなたをちらりと見た。
氷凪

「……私、私は。いや……我々はそもそも異形のもの。龍が今更狼に変じたところで」
目を閉じ、首を振って深呼吸した。
目を閉じ、首を振って深呼吸した。
KP
氷凪ったらしょっぱなにこれ引くんだもんなぁ。
「大事な人」としか言われていないからな……対象が誰かは分からない。
「大事な人」としか言われていないからな……対象が誰かは分からない。
牧志 浩太
確かに。
KP
内容から誰かの顔がちらついてしまったりはするが。
牧志 浩太
どちらも最初に引くものがつよいなぁ。
牧志 浩太

「……決まってるんだろ、どうしたいかなんて」
床に伏せたまま、わずかに顔を上げて苦笑する。
何か言って説得した方がいいのかもしれないけど、それを説得できる言葉がうまく出てこない。
俺は選択を誤ったから、という痛みが胸の奥に刺さっている。
同じ過ちを、見たくなかった。
床に伏せたまま、わずかに顔を上げて苦笑する。
何か言って説得した方がいいのかもしれないけど、それを説得できる言葉がうまく出てこない。
俺は選択を誤ったから、という痛みが胸の奥に刺さっている。
同じ過ちを、見たくなかった。
氷凪

「……こちらだ」
KP
氷凪はBを指した。
氷凪

「300年を無為に過ごした私に、大事な存在など、もうとうに」
KP
自分に言い聞かせるようだった氷凪の言葉は途切れた。
KP
あなたの手を誰かが握っている。
牧志 浩太

手を握る感覚に気づいて、そちらに視線をやる。
KP
そこには佐倉が微笑んで立っていた。あなたの胸に安堵が訪れる。
彼にかけられた呪いは解けた。これで佐倉は大丈夫だ。
彼にかけられた呪いは解けた。これで佐倉は大丈夫だ。
これ実は対象間違ってます……。まあ大差ないって。
KP
ふと氷凪の方に視線をやると、そこは見たこともないような異国の都だった。
どこか日本にも似た町並みで人々が笑い、平和に生きている。
花が咲き乱れ、爽やかな風が吹く。
どこか日本にも似た町並みで人々が笑い、平和に生きている。
花が咲き乱れ、爽やかな風が吹く。
よからぬそうだん
KP
お察しの通り早浪さんがでて来るんだけど、どうしようかな。
大体何が起こるか把握できているようならお任せしようかな。
大体何が起こるか把握できているようならお任せしようかな。
牧志 浩太
おお、ではやります。
起こる出来事の描写だけお願いしたいかな。
起こる出来事の描写だけお願いしたいかな。
KP
では何が起こるかをこちらで簡単に説明しよう。
早浪さんは完全な化け物の狼になって氷凪の胸を暴いて食い殺します。
彼女は牧志たちは無視します。
いや、
都の住人食い殺してからの方がより酷いか……
早浪さんは完全な化け物の狼になって氷凪の胸を暴いて食い殺します。
彼女は牧志たちは無視します。
いや、
都の住人食い殺してからの方がより酷いか……
牧志 浩太
お、了解。その方がより酷いですね!
KP
もしかしたら、隣の人を犠牲にしたときの方しか描写はないのかもしれない!
などと今更思った。
などと今更思った。
牧志 浩太
まあこっちも描写あった方がより選択ぐあいが増してつらいし!
しかし吸血鬼のことを思い出したら今度は人狼とは。
しかし吸血鬼のことを思い出したら今度は人狼とは。
KP
二人に合わせてある程度アレンジは入れているとはいえ、うーん。
最初の選択は、自分の感情と言葉が結びついていない氷凪に自覚して貰うためにBを選んで貰うのは決まっていたけど、よりによってこの質問を一発目に引くとはねぇ。
最初の選択は、自分の感情と言葉が結びついていない氷凪に自覚して貰うためにBを選んで貰うのは決まっていたけど、よりによってこの質問を一発目に引くとはねぇ。
牧志 浩太
なるほど。引くとはねぇ。
方向性は違えど、自覚がたらないズだったかー。
方向性は違えど、自覚がたらないズだったかー。
KP
そのただなかで、氷凪。あなたは立っていた。
あなたの目線の先で自らの身を抱くようにしてもがき苦しんでいるのは一人の女性だ。
あなたの目線の先で自らの身を抱くようにしてもがき苦しんでいるのは一人の女性だ。
氷凪

「早浪……な、何故、早浪が!」
取り乱して彼女の方へと駆け出す。
取り乱して彼女の方へと駆け出す。
早浪

「あ……、ああ……、氷凪か」
早浪は油の切れたような動きで、辛うじて振り向いた。
その身からは、とめどなく堅い毛が溢れ出す。
爽やかな陽光に照らされているというのに、彼女は獣へと変じようとしていた。
早浪は油の切れたような動きで、辛うじて振り向いた。
その身からは、とめどなく堅い毛が溢れ出す。
爽やかな陽光に照らされているというのに、彼女は獣へと変じようとしていた。
氷凪

「馬鹿な、この昼日中に……」
見る間に膨れ上がる筋肉、はみ出してゆく牙に目を見開く。
見る間に膨れ上がる筋肉、はみ出してゆく牙に目を見開く。
氷凪

「そ、そうだ、私の心の臓を! 今こそ喰らうんだ! 龍王の力が呪いを食い尽くしてくれる!」
あの時にできなかったことをするために自ら一歩進み出て自らの胸をはだける。
あの時にできなかったことをするために自ら一歩進み出て自らの胸をはだける。
早浪

「何を言っているんだ……、氷凪」
軋む。軋む。膨れ上がる筋肉、伸びてゆくマズルに彼女の顔立ちが埋もれてゆく。
みるみるうちに声が歪み、聞き取りがたくなっていく。
軋む。軋む。膨れ上がる筋肉、伸びてゆくマズルに彼女の顔立ちが埋もれてゆく。
みるみるうちに声が歪み、聞き取りがたくなっていく。
早浪

「きみが……、」
鋭い爪が、あなたの胸を指した。
そこに心臓はない。
ひくひくと赤く蠢く穴だけが、穿たれていた。
鋭い爪が、あなたの胸を指した。
そこに心臓はない。
ひくひくと赤く蠢く穴だけが、穿たれていた。
早浪

「心臓を……、他人に、やってしまったんじゃないか」
氷凪

「私の……心臓を?」
自らの胸にあいた穴を呆然と見下ろす。
その穴がゆっくりと塞がってゆくのを。
自らの胸にあいた穴を呆然と見下ろす。
その穴がゆっくりと塞がってゆくのを。
氷凪

「そんな、そんな、つもりは……」
震える声で言い、手を伸ばす。
震える声で言い、手を伸ばす。
早浪

「いいんだ、氷凪」
いよいよ耳を澄まさねば判別できぬ声で、獣は笑う。
伸ばした手を、人狼の毛皮がやさしく拒絶した。
いよいよ耳を澄まさねば判別できぬ声で、獣は笑う。
伸ばした手を、人狼の毛皮がやさしく拒絶した。
早浪

「覚悟の、上さ」
それが「はやみ」と名のついた生き物の、恐らくは最後のことばだった。
あなたを掌でそっと押し返し、完全な獣となった狼は、天に吼えた。
それが「はやみ」と名のついた生き物の、恐らくは最後のことばだった。
あなたを掌でそっと押し返し、完全な獣となった狼は、天に吼えた。
罪と罰
KP
あ、そういうことなら氷凪を殺さない方がより辛いかも。罰はくだらない。
そりゃそうだ、薬は龍の心臓なんだから。
そりゃそうだ、薬は龍の心臓なんだから。
牧志 浩太
じゃあそれで。氷凪さんだけ残そうね。
KP
あと、牧志たちは完全蚊帳の外です。
牧志 浩太
はーい。
ここはともに死ねない方がつらいよねぇ。ともに死んだ本編のifにもなるし。
ここはともに死ねない方がつらいよねぇ。ともに死んだ本編のifにもなるし。
氷凪

「まてっ、早浪! 早浪! 待ってくれっ!」
その体を、魂を掴もうとするように両腕で縋り付こうとした。
その体を、魂を掴もうとするように両腕で縋り付こうとした。
早浪
あなたの細腕には、獣の腕は大きすぎた。
獣は鬱陶しげに片腕を振ると、あなたの身体を容易く振り払う。
獣は眼下の街を見下ろすと、いびつに笑った。
早浪という名の生き物が、あなたの同胞を殺してでも守りたいと願った街を。
獣は吼えた。
天を、地を、世を憎むかのように。
そうして街並みめがけて駆け出した。
その眼にあなたは、映っていなかった。
獣は鬱陶しげに片腕を振ると、あなたの身体を容易く振り払う。
獣は眼下の街を見下ろすと、いびつに笑った。
早浪という名の生き物が、あなたの同胞を殺してでも守りたいと願った街を。
獣は吼えた。
天を、地を、世を憎むかのように。
そうして街並みめがけて駆け出した。
その眼にあなたは、映っていなかった。
KP
からっぽの龍は泣き叫ぶ。
友が既にいないことを、それを自ら選んでしまったことを、嘆いてももう遅いのだ。
ぬけがらの獣が、かつて彼女が愛した都を惨劇に染めるのを止める術は既にない。
縺れる足で駆けようともその距離は果てしなく長い。
友が既にいないことを、それを自ら選んでしまったことを、嘆いてももう遅いのだ。
ぬけがらの獣が、かつて彼女が愛した都を惨劇に染めるのを止める術は既にない。
縺れる足で駆けようともその距離は果てしなく長い。
早浪
獣の足跡が紅に染まる。
燃え盛る炎が街を、人を、世を呑む。
あなたは駆け出すも、遠く届かない。
駆ける足を、無情にも小石がとらえた。
顔を上げれば、天が燃えていた……。
燃え盛る炎が街を、人を、世を呑む。
あなたは駆け出すも、遠く届かない。
駆ける足を、無情にも小石がとらえた。
顔を上げれば、天が燃えていた……。
KP
ことばを失い龍は吼えた。
足を取られて倒れても起き上がり、獣を追う。
だがその行く先に見えるのは屍と炎ばかり。
都が死に絶えるまで、龍は屍を生み出す獣を追い続ける。
その目の悲痛なまでの希望が消え失せぬ限り、龍は失せることができないのだ。
足を取られて倒れても起き上がり、獣を追う。
だがその行く先に見えるのは屍と炎ばかり。
都が死に絶えるまで、龍は屍を生み出す獣を追い続ける。
その目の悲痛なまでの希望が消え失せぬ限り、龍は失せることができないのだ。
KP
というわけで、サブPCさんは基本舞台装置となります。
シーンが変わっても記憶は引き継ぎません。
各シーンは真に迫っているので、探索者たちはそれをほぼ現実として受けとります。
シーンが変わっても記憶は引き継ぎません。
各シーンは真に迫っているので、探索者たちはそれをほぼ現実として受けとります。
牧志 浩太
なるほどなるほど。
牧志と氷凪さんがひたすら自分の選択でひどいこと見せられる話だったかぁ。
牧志と氷凪さんがひたすら自分の選択でひどいこと見せられる話だったかぁ。
KP
牧志。あなたはふと我に返る。
あなたの手を握っていた人の姿はなく、そこには薄暗く狭い部屋があるばかりだ。
慟哭が聞こえる。自らの行いを、友の運命を、取り返しのつかない選択を嘆く声なき声が聞こえる。
モニターの前で氷凪が力なく頽れていた。
ピッ、と無表情な音が響く。
あなたの手を握っていた人の姿はなく、そこには薄暗く狭い部屋があるばかりだ。
慟哭が聞こえる。自らの行いを、友の運命を、取り返しのつかない選択を嘆く声なき声が聞こえる。
モニターの前で氷凪が力なく頽れていた。
ピッ、と無表情な音が響く。
氷凪

1d100 45 《SANチェック》 Sasa 1d100→ 98→致命的失敗(ファンブル)
SAN 45 → 42
SAN 45 → 42
牧志 浩太

その様子に、何が起こったのか分かった。
氷凪さんも、きっと同じようなものを見たんだ。
同じような……、選んではいけなかった選択を。
氷凪さんも、きっと同じようなものを見たんだ。
同じような……、選んではいけなかった選択を。
牧志 浩太

「……氷凪さん……、」
辛うじて名を呼んで、彼に近寄る。
辛うじて名を呼んで、彼に近寄る。
氷凪

「……ああ……早浪は、早浪、早浪……」
KP
うわごとのように呟く声には力がない。
左手で胸を掻きむしり、まるで心臓を抉り出そうとしているかのようだ。
左手で胸を掻きむしり、まるで心臓を抉り出そうとしているかのようだ。
氷凪

「……早浪、無事なのか? 生きているのか? ああ」
KP
ことばは次第にくずれて嗚咽に埋もれていった。
牧志 浩太

「氷凪さん、きっと……、幻なんだ。
俺が見た友達の姿はさっきと、今とで、繋がってなかった……から。
本当じゃない。ないんだ、きっと」
かける声は弱々しく、そうだったらいいという願望の響きを帯びて、
とうてい元気づけようとか、そういう意思には届かなかった。
だって、氷凪さんは俺を見限らずにいてくれて、友達を失ったんだ。
俺が見た友達の姿はさっきと、今とで、繋がってなかった……から。
本当じゃない。ないんだ、きっと」
かける声は弱々しく、そうだったらいいという願望の響きを帯びて、
とうてい元気づけようとか、そういう意思には届かなかった。
だって、氷凪さんは俺を見限らずにいてくれて、友達を失ったんだ。
牧志 浩太
幻かも、という可能性に言及するのはまずかったら消します。
最初が「嫌われる」で関係を断たれたのに、次に微笑んでいたから牧志なら「連続してないな」って気づくかと思ったので。
最初が「嫌われる」で関係を断たれたのに、次に微笑んでいたから牧志なら「連続してないな」って気づくかと思ったので。
KP
どう考えるかは自由ですよ。
牧志 浩太
はーい。ありがとうございます。
氷凪

「…………」
KP
元々白い肌は更に青ざめて見えた。
氷凪

「……次を見れば、また早浪に、逢える……のか?」
KP
その言葉に応えるようにモニタがプツンと音を立てて消え、つぎの部屋に続く扉がシュッと音を立て開いた。次の部屋からはまた青白い光が漏れている。
またモニタがあるのだろうと推察できた。
またモニタがあるのだろうと推察できた。
牧志 浩太

「あ……、」
そうか。殺されたって言った。
会えることだけでも、俺とは意味が違うんだ。
そうか。殺されたって言った。
会えることだけでも、俺とは意味が違うんだ。
牧志 浩太

「……」
何を言っていいか分からなかった。
何も言葉が出なかった。
からからに枯れた喉で、ふらふらと次の部屋へ向かう。
何を言っていいか分からなかった。
何も言葉が出なかった。
からからに枯れた喉で、ふらふらと次の部屋へ向かう。
KP
〈目星〉をどうぞ。
牧志 浩太

1d100 97〈目星〉 Sasa 1d100→ 61→成功
目星判定に成功した牧志は、とある文章が表示されたことに気付く。
牧志 浩太

「拘束……、だって?」
ふらつく視界でも、それは目に入った。
もう慣れてしまった思考が、痛む胸を置き去りにして勝手に回りだす。
ふらつく視界でも、それは目に入った。
もう慣れてしまった思考が、痛む胸を置き去りにして勝手に回りだす。
牧志は表示された文章を氷凪に共有する。
牧志 浩太

「さっき、一瞬そう表示されたんだ。
そうか……、
俺達はきっとまた、大事な人か、隣の人を選ばされて……、
それで、ああいうものを見せられるんだ。
きっと、俺達がどうするか見てるんだ。
どっちも嫌だ、自分が犠牲になるっていうのが、
こいつらが想定してる、第三の選択肢で……、
それにはペナルティがあるって、いうんだな。
でも、拘束? 拘束って、何だろう」
横から応えてくれる声がなくとも、独り言は勝手に漏れた。
沈黙の痛みを埋めるように。
そうか……、
俺達はきっとまた、大事な人か、隣の人を選ばされて……、
それで、ああいうものを見せられるんだ。
きっと、俺達がどうするか見てるんだ。
どっちも嫌だ、自分が犠牲になるっていうのが、
こいつらが想定してる、第三の選択肢で……、
それにはペナルティがあるって、いうんだな。
でも、拘束? 拘束って、何だろう」
横から応えてくれる声がなくとも、独り言は勝手に漏れた。
沈黙の痛みを埋めるように。
ひどい選択
牧志 浩太
選択の結果で何がどうなるのか怖いけど、いやな掘り下げシナリオって感じでいいですねこれは
KP
酷いシナリオではあるんだけど、氷凪にとっては色々刺激になるなと思いまして。
後牧志君にぶつけたら牧志君がより苦しみそうだなって。
後牧志君にぶつけたら牧志君がより苦しみそうだなって。
牧志 浩太
いきなり大変なもの引いて、自己犠牲のつもりが自覚不足で大変なことになって早速盛大に苦しみましたね。
その後氷凪さんがBを選んだことでさらに苦しんだっていう。
まだ1つめなのにふらっふらになってどうなっちゃうことやら。
苦しむのもあるし、新しい顔が見えるという意味でも面白い。
この選択が最終的にどうなっちゃうんだろうなーこわいなー。
その後氷凪さんがBを選んだことでさらに苦しんだっていう。
まだ1つめなのにふらっふらになってどうなっちゃうことやら。
苦しむのもあるし、新しい顔が見えるという意味でも面白い。
この選択が最終的にどうなっちゃうんだろうなーこわいなー。
氷凪

「……」
KP
氷凪はまだ何かを思考するような余裕もないようだった。
ただあなたのことばに出てくる単語を繰り返している。
『拘束』『犠牲』と。
ただあなたのことばに出てくる単語を繰り返している。
『拘束』『犠牲』と。
KP
次の部屋にも全く同じ光景があった。
狭く薄暗い空間にモニタが一つ設置されている。
画面には何も表示されていない。
狭く薄暗い空間にモニタが一つ設置されている。
画面には何も表示されていない。
KP
『回答者はモニターの前にお立ち下さい』
おそらく合成音声なのだろう無機質なアナウンスが告げた。
おそらく合成音声なのだろう無機質なアナウンスが告げた。
KP
▼1D15を振ってください。
牧志 浩太

ふらつきながら、モニターの前に立つ。
1d15 Sasa 1d15→9
1d15 Sasa 1d15→9
KP
1d15 Sasa 1d15→6
1d15 Sasa 1d15→11
1d15 Sasa 1d15→11
牧志 浩太

拘束なんかされていないのに、全身を縛られている気がした。
自分か、目の前の人か、大事な人か。
きっといずれ訪れるひどい選択を目の前に突きつけられて、あるはずのそれ以外の道を閉ざされて、罰のようなものを見せつけられる。
自分か、目の前の人か、大事な人か。
きっといずれ訪れるひどい選択を目の前に突きつけられて、あるはずのそれ以外の道を閉ざされて、罰のようなものを見せつけられる。
明日世界が終わるしたら、どちらが最期に手を取れるようにしますか?
A:大切な人と自分
B:隣の相手と大切な人
牧志 浩太

「明日世界が終わるとしたら……、か」
まだ動けない様子の氷凪さんを見やった。
悲痛な叫びが、頭の奥に、胸の奥に残っていた。
ごめん。
でも、答えは決まっていた。
会いたいに決まってる。
手を取りたいに決まってる。
例えば、嫌われてても。
まだ動けない様子の氷凪さんを見やった。
悲痛な叫びが、頭の奥に、胸の奥に残っていた。
ごめん。
でも、答えは決まっていた。
会いたいに決まってる。
手を取りたいに決まってる。
例えば、嫌われてても。
牧志 浩太

優先順位は、もう決まってしまってるんだ。
佐倉さんが言った通りだ。俺は、そんな奴だ。
謝る筋合いなんかないと思ったから、やってから謝ることにした。
佐倉さんが言った通りだ。俺は、そんな奴だ。
謝る筋合いなんかないと思ったから、やってから謝ることにした。
牧志 浩太

「A」
牧志 浩太

「……ごめん」
怖気がするほど白々しい声が、自分の喉から出た。
怖気がするほど白々しい声が、自分の喉から出た。
牧志 浩太
「手を取る」って牧志にとってはキラーワードすぎる。
KP
これに限ってはね……
良い選択を……したよ。
良い選択を……したよ。
牧志 浩太
さっきからアレンジして合わせて盛って下さっているとはいえ引くものがすごい。
よりによって牧志がどうしても自己犠牲を取れない選択肢っていう……
よりによって牧志がどうしても自己犠牲を取れない選択肢っていう……
KP
最初からこんな強烈なのばかり引いて、後のヤツが軽くなりそう。
KP
途端、あなたは酷い混乱の渦の中にいた。
世界の中心に据えられたあなたはありとあらゆる情報を注ぎ込まれ、
そのちっぽけな精神も肉体もはじけ飛ぶ寸前だった。
体が歪んで千切れてばらばらになり、目茶苦茶に融合して戻る。
ありとあらゆる感情がてんでばらばらに喚いて思考を吹き散らし、
あなたという存在の根幹まで砂粒よりも細かく砕いてゆく。
あなたはひとつのことを覚えていた。
自分が最後の楔であることを。
周囲で無秩序に踊り狂う悪夢のようなものは、嵐は、かつての世界そのものであると。
あなたを覆う黒はあなたの絶望の色だけではなく、全ての色が混じり合った結果であると。
情報は膨大すぎ、もはや混ざり合いすぎて生物と無生物の見分けすらつかない有様だった。
そんなものをあなたひとりが負わされ、支えられるはずもない。
またたきの間に世界は終わるだろう。
《SANチェック:成功時減少 1 / 失敗時減少 1D10》
世界の中心に据えられたあなたはありとあらゆる情報を注ぎ込まれ、
そのちっぽけな精神も肉体もはじけ飛ぶ寸前だった。
体が歪んで千切れてばらばらになり、目茶苦茶に融合して戻る。
ありとあらゆる感情がてんでばらばらに喚いて思考を吹き散らし、
あなたという存在の根幹まで砂粒よりも細かく砕いてゆく。
あなたはひとつのことを覚えていた。
自分が最後の楔であることを。
周囲で無秩序に踊り狂う悪夢のようなものは、嵐は、かつての世界そのものであると。
あなたを覆う黒はあなたの絶望の色だけではなく、全ての色が混じり合った結果であると。
情報は膨大すぎ、もはや混ざり合いすぎて生物と無生物の見分けすらつかない有様だった。
そんなものをあなたひとりが負わされ、支えられるはずもない。
またたきの間に世界は終わるだろう。
《SANチェック:成功時減少 1 / 失敗時減少 1D10》
牧志 浩太

1d100 51 《SANチェック》 Sasa 1d100→ 69→失敗
1d10 Sasa 1d10→9
SAN 51 → 42
あら不定
1d10 Sasa 1d10→9
SAN 51 → 42
あら不定
KP
狂気振ってください。
牧志 浩太

1d10 種別 Sasa 1d10→5
1d6 期間 Sasa 1d6→6
1d6 期間 Sasa 1d6→6
KP
恐怖症かフェティッシュか。
恐怖症の方がそれっぽいかな。
フェティッシュしたければそれでも良い。
どちらにせよ続きがあります。
恐怖症の方がそれっぽいかな。
フェティッシュしたければそれでも良い。
どちらにせよ続きがあります。
牧志 浩太

ここは恐怖症かな。
牧志 浩太
なるほどな~~!! そもそも滅ぼしたのが自分!!
すごくいいとこなのに仕事ォオオォオオ
すごくいいとこなのに仕事ォオオォオオ
KP
いってらっしゃいっっ!
KP
別に牧志が滅ぼしたわけじゃないから……
壊れた世界をいきなり負わされただけだから……
壊れた世界をいきなり負わされただけだから……
牧志 浩太
そうでしたね……。
幻かどうかわからないタイミングで「本当だったら辛すぎる」もの投げつけられて、「幻だ」と思おうとした直後に「幻でも無理」なもの投げつけられるのほんとダイスの女神ったら
幻かどうかわからないタイミングで「本当だったら辛すぎる」もの投げつけられて、「幻だ」と思おうとした直後に「幻でも無理」なもの投げつけられるのほんとダイスの女神ったら
別世界の牧志は、このような体験を経て狂気状態で世界を再構築させられた結果生きる者が何も無い崩壊した世界にたったひとりで生き続けるという過酷な運命を背負った。
この時、その世界の佐倉が、なんとか彼を正気に戻そうとしたのだが失敗して世界諸共崩壊している。
ちなみにその牧志は色々あって『隻眼の牧志』として本編の佐倉の中に今もひっそり存在している。
このあたりのいきさつは『レミングス・ドリーム』にて説明されており、崩壊時の様子もそちらで少し語られている。
ちなみに崩壊後に彼がどう過ごしていたかなどはこのイベントがつくられるきっかけになったとあるシナリオで語られているのだが……こちらはネタバレなので、気になる方は『レミングス・ドリーム』から辿ってください。
この時、その世界の佐倉が、なんとか彼を正気に戻そうとしたのだが失敗して世界諸共崩壊している。
ちなみにその牧志は色々あって『隻眼の牧志』として本編の佐倉の中に今もひっそり存在している。
このあたりのいきさつは『レミングス・ドリーム』にて説明されており、崩壊時の様子もそちらで少し語られている。
ちなみに崩壊後に彼がどう過ごしていたかなどはこのイベントがつくられるきっかけになったとあるシナリオで語られているのだが……こちらはネタバレなので、気になる方は『レミングス・ドリーム』から辿ってください。
牧志 浩太

声を発した次の瞬間に、視界に膨大な混乱の渦が投げ込まれた。
本物ではない、幻だ、と叫ぼうとする心ごと理性がちぎれ飛んだ。
頭を固定され、両眼へと無理矢理に情報を注ぎ込まれる拒否感。
処理できない。
解釈できない。
認知できない。
なにも、わからなくなる。
その「わからない」が、溢れ出て壊れた世界を埋め尽くした。
本物ではない、幻だ、と叫ぼうとする心ごと理性がちぎれ飛んだ。
頭を固定され、両眼へと無理矢理に情報を注ぎ込まれる拒否感。
処理できない。
解釈できない。
認知できない。
なにも、わからなくなる。
その「わからない」が、溢れ出て壊れた世界を埋め尽くした。
牧志 浩太

脳内を踊り狂う無数の悪夢の中で、泣きながら何かを必死にかき集めようとしていた。
愛していたはずのありとあらゆるものが手の中でちぎれ飛んだ。
それを手にしておくことさえできれば、なにひとつ失うことはなかったのに。
俺がもうすこし、もうすこし正気でいられれば、何も失うことはなかったのに。
愛していたはずのありとあらゆるものが手の中でちぎれ飛んだ。
それを手にしておくことさえできれば、なにひとつ失うことはなかったのに。
俺がもうすこし、もうすこし正気でいられれば、何も失うことはなかったのに。
牧志 浩太

泣き叫ぶ痛み以外なにもわからなくて、その痛みさえきっとわからなくなる。
牧志 浩太

一瞬後にわからなくなって、涙が途切れた。
あとに残るのは、何かを覚えていたかったという、泣きたくなるような虚無。
ああ、終わってしまう、なくなってしまう。
手なのかどうかすらわからない手を、伸ばした。
ざらざらと崩れていくものを手に、何かの手を取りたくて、取ってほしくて堪らなかった。
あとに残るのは、何かを覚えていたかったという、泣きたくなるような虚無。
ああ、終わってしまう、なくなってしまう。
手なのかどうかすらわからない手を、伸ばした。
ざらざらと崩れていくものを手に、何かの手を取りたくて、取ってほしくて堪らなかった。
牧志 浩太
恐怖症の内容は続き次第で。
KP
あなたは手を伸ばした。そこに手があるのかどうかも分からず、
あなたの記憶が、ばらばらになりかけた体と魂が、
ただ取りたい手を、その先にあるものを辛うじてイメージした。
その瞬間、何もかもが混ざり合ってうねり狂う世界の中から、細い手が伸びてあなたの手を掴んだ。
それは力強く、しぶとく、暖かいだれかのもので、こんな状況でももがいて足掻いたからこそ
あなたの望みに応えたのだろうと思われた。
世界は終わらない。あなたの手で再び作り上げるのだ。
あなたの記憶が、ばらばらになりかけた体と魂が、
ただ取りたい手を、その先にあるものを辛うじてイメージした。
その瞬間、何もかもが混ざり合ってうねり狂う世界の中から、細い手が伸びてあなたの手を掴んだ。
それは力強く、しぶとく、暖かいだれかのもので、こんな状況でももがいて足掻いたからこそ
あなたの望みに応えたのだろうと思われた。
世界は終わらない。あなたの手で再び作り上げるのだ。
KP
思い出して再構成してくれたら100%成功の〈精神分析〉かますよ。
牧志 浩太
思い出すし再構成しますよ。その手の感触から。
牧志 浩太

「あ……、」
その瞬間、それが何か分かった。
それが手であることが分かり、その手を掴むのが自分の手であることが分かった。
眼から涙がこぼれた。
温かい液体を流すのが、眼であることが分かった。
唇が動いた。
いつだってその手を取りたかった、取ってくれた、何か。誰か。
蠢く悪夢の極彩色の真っ暗闇の中に、こぼれ落ちていく砂粒だけの真っ白の中に、俺をたった孤独にしないでいてくれた、誰か。
その瞬間、それが何か分かった。
それが手であることが分かり、その手を掴むのが自分の手であることが分かった。
眼から涙がこぼれた。
温かい液体を流すのが、眼であることが分かった。
唇が動いた。
いつだってその手を取りたかった、取ってくれた、何か。誰か。
蠢く悪夢の極彩色の真っ暗闇の中に、こぼれ落ちていく砂粒だけの真っ白の中に、俺をたった孤独にしないでいてくれた、誰か。
牧志 浩太

「……、さん」
牧志 浩太

「さくら、さん」
呼んだ。
その名を。その姿を。その心を。
呼んだ。
その名を。その姿を。その心を。
KP
佐倉があなたを見つめていた。大丈夫だ、と語りかけてきた。
あなたがあなたであることを思い出させる。
あなたの周りにあるものを、あなたが知っている人を。かつてあったことを。
あなたが愛しているもの、世界そのものを。
恐れはひととき奥にしまい込んで、世界の姿を思い出そう。
全てはここで終わり、ここから始まった。
あなたがあなたであることを思い出させる。
あなたの周りにあるものを、あなたが知っている人を。かつてあったことを。
あなたが愛しているもの、世界そのものを。
恐れはひととき奥にしまい込んで、世界の姿を思い出そう。
全てはここで終わり、ここから始まった。
KP
※不定の狂気は治療を受けて一時収まったものとしてかまいません。
まだ症状すら決定してないけど。
まだ症状すら決定してないけど。
KP
突然闇が降りて、あなたはモニターの前に佇んでいる自分に気付く。
その手は誰とも繋がれてはいなかったが、暖かさを感じられた。
その手は誰とも繋がれてはいなかったが、暖かさを感じられた。
牧志 浩太

はっ、と目が覚めた。
取ってくれた手の温かさも、再生の喜びも、何もかも幻に過ぎなかった。
取ってくれた手の温かさも、再生の喜びも、何もかも幻に過ぎなかった。
KP
かは、と誰かが苦しげな息を吐いた。
それは聞き覚えのある、苦しさを感じさせるものだ。
氷凪の首に真っ黒な首輪が食い込んでいる。
絶望が塗りたくられた目で、彼は自らの手を見つめていた。
それは聞き覚えのある、苦しさを感じさせるものだ。
氷凪の首に真っ黒な首輪が食い込んでいる。
絶望が塗りたくられた目で、彼は自らの手を見つめていた。
牧志 浩太

「氷凪さん……、それ」
思わず一歩退いた。
先程までなかったはずの、真っ暗闇を思わせる色の首輪。
まさか。
まさか、俺が隣の人を選ばなかったから、見捨てたから、害したから、ああなったっていうのか?
……選択の結果を見せつけるように?
その時ふっと過ったのは、目の前の人のことではなく、もっと恐ろしく……、薄情なことだった。
その冷酷さにぞくりと背筋が震えた。
まさか、まさか。
目の前の人を選ばなかったから、目の前の人が縛られた。
自分を犠牲にしたら、自分が縛られる。
それなら。
さっき、俺が佐倉さんを見限ってしまった時。
まさか。
佐倉さんが、こうして縛られた?
思わず一歩退いた。
先程までなかったはずの、真っ暗闇を思わせる色の首輪。
まさか。
まさか、俺が隣の人を選ばなかったから、見捨てたから、害したから、ああなったっていうのか?
……選択の結果を見せつけるように?
その時ふっと過ったのは、目の前の人のことではなく、もっと恐ろしく……、薄情なことだった。
その冷酷さにぞくりと背筋が震えた。
まさか、まさか。
目の前の人を選ばなかったから、目の前の人が縛られた。
自分を犠牲にしたら、自分が縛られる。
それなら。
さっき、俺が佐倉さんを見限ってしまった時。
まさか。
佐倉さんが、こうして縛られた?
牧志 浩太

「あ……、ああ、」
指先が震えた。怖くて堪らなかった。
目の前の人のことではなく、自分が、さっきまで気にしていた人のことを、まったく思わずにいられたことが。
脳の中で蠢く薄情な思考が。
指先が震えた。怖くて堪らなかった。
目の前の人のことではなく、自分が、さっきまで気にしていた人のことを、まったく思わずにいられたことが。
脳の中で蠢く薄情な思考が。
牧志 浩太
ちょっと内容としてはズレますが、衝撃が後から来てダメージ受けたところに戻ってからの出来事が響いたということで、 「自分自身の思考に対する恐怖症」6ヶ月とします。
症状は軽度で、何か考える度に常に頭の中で蠢く思考の存在を感じて恐怖がよぎるくらい、ということでどうでしょう?
症状は軽度で、何か考える度に常に頭の中で蠢く思考の存在を感じて恐怖がよぎるくらい、ということでどうでしょう?
KP
おーけーです。
KP
掛け値なしの一番やベーとこでした。ここ。
牧志 浩太
一番やべーのきっちり引いちゃったかあ。
<頭の中で冷たい思考がもぞもぞしてこわい
<頭の中で冷たい思考がもぞもぞしてこわい
KP
ちょっとノリでやっていいことじゃないなと思ったのでシナリオそのままやる気はなかったけど……
牧志 浩太
もっとひどかったのかシナリオ…… 気になる 終わったら見よう
KP
今回喰らったのは軽い方のダメージで、シナリオそのままです。
描写は違うけども。
描写は違うけども。
牧志 浩太
重い方だともっとハードだったのか。
氷凪

「はやみ……」
KP
氷凪は見開いた目から涙を流し続けていた。
その首にいきなりつけられた首輪のことも意識にないように見えた。
モニターには今、何も表示されていない。
『回答者はモニターの前にお立ち下さい』
おそらく合成音声なのだろう無機質なアナウンスが告げた。
その首にいきなりつけられた首輪のことも意識にないように見えた。
モニターには今、何も表示されていない。
『回答者はモニターの前にお立ち下さい』
おそらく合成音声なのだろう無機質なアナウンスが告げた。
氷凪

「はやみ……」
KP
ゆらゆらとした足取りで氷凪はモニターの前に進み出ようとする。
牧志 浩太

少しの間、呆然としていた。
それでも頭の中で、勝手に思考が回り始める。
冷酷に、薄情に、自分勝手に、前を向こうとする。
それでも頭の中で、勝手に思考が回り始める。
冷酷に、薄情に、自分勝手に、前を向こうとする。
牧志 浩太

モニターの前に進み出る彼の背を見ながら、室内に何かないか、モニターの周囲を探る。
KP
氷凪が見つめるモニターには、このようなことばが表示されていた。
どちらかの出来事を知ることができるそうです。どちらを知りたくないですか?
A:大切な人の命日
B:隣の人の死に方
氷凪

「……知りたい」
KP
ぽつり、と呟いた。
氷凪

「どんな形でもいい、彼女が……生き延びられたのかを。今どうしているかを、知りたい」
牧志 浩太

ぽつり、と落ちた声に、モニターへ視線が吸い寄せられる。
ああ、そういうのもあるのか。
本当にこいつは、俺達の何を知りたいんだろう。
氷凪さんは大事な人を選ぶだろう。
当然だ。
ああ、そういうのもあるのか。
本当にこいつは、俺達の何を知りたいんだろう。
氷凪さんは大事な人を選ぶだろう。
当然だ。
牧志 浩太

覚悟して、せめてもの抵抗をと、縛られるだろう首に腕を差し入れた。
KP
これやっぱり大事な人を選んだ場合の描写はなしだったな。……まあよし。
うーーん、しかしこれは。
うーーん、しかしこれは。
牧志 浩太
なんだろう。
KP
質問が悪すぎる。
牧志 浩太
こんなのもあるのかー。
KP
よりによってこんな質問こんなタイミングで引かなくても。
KP
氷凪の手は、Bを指した。
彼女の死を知りたいという願いは叶えられる。
彼女の死を知りたいという願いは叶えられる。
KP
氷凪。あなたは、なにかを食いちぎった瞬間に我に返る。
目の前でぱたりと倒れるのは見覚えのある女の下半身だ。
臓物が地面に広がる。
気づいた時には喉を熱いものがかけ降りていった。
目の前でぱたりと倒れるのは見覚えのある女の下半身だ。
臓物が地面に広がる。
気づいた時には喉を熱いものがかけ降りていった。
KP
牧志。あなたは、巨大な白い龍が人を食いちぎり、喰らうのを見た。
龍は悲鳴のように甲高く吠えた。その口からふき出た業火は、人の下半身を消し炭に変えてしまった。
あなたは質問の意味を知るかもしれない。
龍は悲鳴のように甲高く吠えた。その口からふき出た業火は、人の下半身を消し炭に変えてしまった。
あなたは質問の意味を知るかもしれない。
KP
▼【アイデア】
【リアルアイデア】でも良い。
【リアルアイデア】でも良い。
牧志 浩太

あっ、と思った瞬間に、何もかもが終わっていた。
巨大な白い龍の角は、氷凪さんの頭に輝く角に似ていた。
強烈な悪意を感じて嘔吐いた。
そうか、「知りたくないのか」とは、誘いではなく否定形だった。
そうか。
「大事な人を選ばなかった」のに、「知りたいという願いが叶えられた」、それは、それは……、
自分で殺せば分かるだろうって、そういうことだと、頭の中で蠢く冷たい思考が答えた。
巨大な白い龍の角は、氷凪さんの頭に輝く角に似ていた。
強烈な悪意を感じて嘔吐いた。
そうか、「知りたくないのか」とは、誘いではなく否定形だった。
そうか。
「大事な人を選ばなかった」のに、「知りたいという願いが叶えられた」、それは、それは……、
自分で殺せば分かるだろうって、そういうことだと、頭の中で蠢く冷たい思考が答えた。
牧志 浩太

1d100 90【アイデア】 Sasa 1d100→ 48→成功
KP
巨大な龍の瞳は金色で縦長の蛇のような瞳孔だった。
さきほどモニターに照らされていたのと全く同じ。
そして当然、今龍に食い殺されたのは、他ならぬ、さきほど氷凪が誇らしげに、嬉しそうに、または呆然と口にしていた名の女性なのだろうと。
さきほどモニターに照らされていたのと全く同じ。
そして当然、今龍に食い殺されたのは、他ならぬ、さきほど氷凪が誇らしげに、嬉しそうに、または呆然と口にしていた名の女性なのだろうと。
KP
正解。
牧志 浩太
やったぜ。
KP
本来のシナリオでは相手を選んだときのみ描写があるんですが。
牧志 浩太
とはいえそれだと選択によっては描写無しになっちゃうし、タイマンでやるならこちらの方が二倍おいしくて嬉しいかも。
氷凪

1d100 42 《SANチェック》 Sasa 1d100→ 88→失敗
1d2 Sasa 1d2→1
SAN 42→41
1d2 Sasa 1d2→1
SAN 42→41
KP
ピッ、と無表情な音が聞こえた。
次の部屋への扉が解錠された音だろう。
次の部屋への扉が解錠された音だろう。
KP
▼〈目星〉
牧志 浩太

1d100 98〈目星〉 Sasa 1d100→ 91→成功
氷凪

1d100 55〈目星〉 Sasa 1d100→ 93→失敗
またモニターに文字が表示されているのに、牧志のみ気付いた。
KP
ずるずると床に座り込んで自らの喉を押さえている氷凪は、それに気付いた様子はない。
モニターの光が消え、次の扉が音を立て開く。
さあ愚図愚図せずに進め。そうせき立てるように。
モニターの光が消え、次の扉が音を立て開く。
さあ愚図愚図せずに進め。そうせき立てるように。
牧志 浩太

「守りたいもの、だって?」
目に触れた途端、口に出していた。
守りたいもの。この文脈で一つしかないだろう。
目に触れた途端、口に出していた。
守りたいもの。この文脈で一つしかないだろう。
牧志 浩太

悪意が、吹きつけてくる。
怒りが胸の奥で蠢いた。
大事な人を選べば、隣の人が縛られていく。
隣の人を選べば……、もしかすると。
自己犠牲を選べば、自分自身が。
怒りが胸の奥で蠢いた。
大事な人を選べば、隣の人が縛られていく。
隣の人を選べば……、もしかすると。
自己犠牲を選べば、自分自身が。
牧志 浩太

それだけなら、隣の人を見捨てて、大事な人を選べって聞こえる。
安易に自己犠牲に走るなと、それでは面白くないとでも言っているようにも聞こえる。
頭の奥で思考が疼く。
それだけじゃない。ただの問いかけじゃない、悪意だ。
さっきの問いは、明らかに間違わせに来ていた。
悪意はきっと、まだある。
安易に自己犠牲に走るなと、それでは面白くないとでも言っているようにも聞こえる。
頭の奥で思考が疼く。
それだけじゃない。ただの問いかけじゃない、悪意だ。
さっきの問いは、明らかに間違わせに来ていた。
悪意はきっと、まだある。
牧志 浩太

彼は聞いていない。伝えない方がよいかもしれない。
頭の奥で、薄情で残酷な思考が呟いた。
頭の奥で、薄情で残酷な思考が呟いた。
牧志 浩太

「……」
牧志は表示された文章を、前の部屋のものと合わせて改めて共有する。
牧志 浩太

「それから、今の所、Aが大事な人を選ぶってことで、Bが隣の人を選ぶってことだ、と思う。
それ以外に自分を犠牲にすることもできるけど、拘束以外にペナルティがあるらしい。
さっきみたいな引っかけの質問もあるし、突然逆転してくることもあるだろうから、注意が要るけど」
それだけ言って、次の部屋へ向かう。
それ以外に自分を犠牲にすることもできるけど、拘束以外にペナルティがあるらしい。
さっきみたいな引っかけの質問もあるし、突然逆転してくることもあるだろうから、注意が要るけど」
それだけ言って、次の部屋へ向かう。
氷凪

「あ、ああ、そう、か。すまない。行かなければならないのだな……」
KP
氷凪はふらりと立ち上がった。しかしもはや彼が既に死者である、という言葉が信じられるほどに、その気配は冷たく、薄らいでいた。
KP
次の部屋も全く同じだった。たまにノイズ混じりだが何もうつっていないモニターが中央に置いてあり、壁には扉の痕跡がある。
『回答者はモニターの前にお立ち下さい』
おそらく合成音声なのだろう無機質なアナウンスが告げた。
『回答者はモニターの前にお立ち下さい』
おそらく合成音声なのだろう無機質なアナウンスが告げた。
牧志 浩太

モニターの近くに何かないか探してから、覚悟を決めてモニターの前に立つ。
KP
1d15をどうぞ。そろそろ被るから次あたり再配置しよう。
牧志 浩太

1d15 Sasa 1d15→5
KP
1d15 Sasa 1d15→13
KP
おっ、かぶりなし。
KP
モニタはこんな文章をうつしだした。
どちらかの現象が起きてしまうようです。どちらの現象を回避したいですか?
A:大切な人が一生誰からも認知されなくなる
B:隣の人が一生誰からも認知されなくなる
牧志 浩太

ちらり、と傍らの人を見た。
深い痛みを背負って、友を失って深く深く嘆いていた人。
その痛みを背負わせたまま、孤独の中に俺が突き落とすのだとしたら。
……それでも、佐倉さんの身が危うくなるかもしれない選択を、選ぶことはできなかった。
じゃあ……、俺が負うなら、というと。
俺がその孤独に耐えられないことは、もう、分かっていた。
深い痛みを背負って、友を失って深く深く嘆いていた人。
その痛みを背負わせたまま、孤独の中に俺が突き落とすのだとしたら。
……それでも、佐倉さんの身が危うくなるかもしれない選択を、選ぶことはできなかった。
じゃあ……、俺が負うなら、というと。
俺がその孤独に耐えられないことは、もう、分かっていた。
牧志 浩太

ごめん、と繰り返し感情が謝っている。
その度に、頭の中に詰まった冷たい思考が、白々しいと自身をなじる。
その度に、頭の中に詰まった冷たい思考が、白々しいと自身をなじる。
牧志 浩太

「A」
呟く。
呟く。
KP
氷凪はとにかく、悪意をぶつけたりぶつけられたりということに全く抵抗力がない。
牧志 浩太
またも牧志が自己犠牲を選べない質問!!
(対の棲みかとスプーキィ・ポルカでそれが無理なことを知ってしまっている)
ですよねぇ。対する牧志は理不尽な悪意が飛んでくることに慣れ過ぎているという。
共通点もあるのに対照的な所は対照的で面白い組み合わせ。
また氷凪さんが牧志にまっすぐ敵意をぶつけられない(ぶつけ慣れてない)からこそ、牧志がよけいつらいという。
なんかそろそろ軽い解離症状起こしてそう。>牧志
(対の棲みかとスプーキィ・ポルカでそれが無理なことを知ってしまっている)
ですよねぇ。対する牧志は理不尽な悪意が飛んでくることに慣れ過ぎているという。
共通点もあるのに対照的な所は対照的で面白い組み合わせ。
また氷凪さんが牧志にまっすぐ敵意をぶつけられない(ぶつけ慣れてない)からこそ、牧志がよけいつらいという。
なんかそろそろ軽い解離症状起こしてそう。>牧志
KP
あなたは雪深い里に立っている。
「こんにちは、牧志さん。今日は晴れて良かったですねぇ」
素朴な格好の、頭に角を生やした村人が優しい顔で手を振る。
あなたはここ、龍族の里に……いつからかよく覚えていないが滞在しているのだ。
「こんにちは、牧志さん。今日は晴れて良かったですねぇ」
素朴な格好の、頭に角を生やした村人が優しい顔で手を振る。
あなたはここ、龍族の里に……いつからかよく覚えていないが滞在しているのだ。
牧志 浩太

「ええ、こんにちは。
今日は雪がひどくないみたいで、よかった」
もう見慣れた顔のような、初めて見るような顔の、角のある村人に手を振って笑いかける。
今日は雪がひどくないみたいで、よかった」
もう見慣れた顔のような、初めて見るような顔の、角のある村人に手を振って笑いかける。
KP
あなたが世話になっているのは、この里で一番広い家だ。
そこには早浪という女性がいる。
彼女曰く、この家は彼女の知り合いのものらしいのだが、あるとき出かけてから戻らないのだという。
帰りを待っているのだ、と言っていた。
そこには早浪という女性がいる。
彼女曰く、この家は彼女の知り合いのものらしいのだが、あるとき出かけてから戻らないのだという。
帰りを待っているのだ、と言っていた。
牧志 浩太

「まだ……、戻られていないんですか?」
その女性は、いつも村の果てを眺めながら、囲炉裏の傍らに座っている。
泣くことも寂しがることもなく、しゃんと背を伸ばして、凪いだ湖のように静かに微笑んで待っている。
その女性は、いつも村の果てを眺めながら、囲炉裏の傍らに座っている。
泣くことも寂しがることもなく、しゃんと背を伸ばして、凪いだ湖のように静かに微笑んで待っている。
KP
この、人ならざるものばかりが棲む里で、いつ戻るか分からないひとを待ち続ける女性は、
優しく、強く、その目はその人がいつか戻ることを信じていたのだろう。
優しく、強く、その目はその人がいつか戻ることを信じていたのだろう。
牧志 浩太

彼女の横に座って、村の果てを眺めながら話を聞くのが日課になっていた。
穏やかで、時折少しばかり寂しさを覗かせて、それでもずっと、ずっと、彼が帰ると信じている、凛とした背中。
俺に向けて話される思い出話は、きっと本当はその人と話すべき言葉だ。
穏やかで、時折少しばかり寂しさを覗かせて、それでもずっと、ずっと、彼が帰ると信じている、凛とした背中。
俺に向けて話される思い出話は、きっと本当はその人と話すべき言葉だ。
牧志 浩太
せっかくだから意図せず早浪さんの横を奪う(ひどいはなし)
KP
氷凪。あなたは世界に存在しない。
存在しないも同然だ。
その手は人をすり抜け、雪深い道を歩こうとも足跡はつかない。
山頂へ行こうとも龍王は応えず、龍に変じて炎を吐いたとて塵一つ動かせない。
あなたの家には早浪が待っているというのに。
満月が近づくごとに呪いが重くなり、苦しんでいるのが見えるというのに。
あなたは力強く鼓動する心臓をかかえているというのに。
声は届かず、手はとれず、呼ぼうとも叫ぼうとも誰も気付かない。
自分がこの世界に何も齎さないと、それでも早浪がここに居続けてくれて、自分を待っていてくれることに希望を見出していた。
だがある日、旅人が訪れた。
彼女と同じ、人間だった。異形に理解を示し、底知れぬ強さを持つ。
旅人はあなたの家の、あなたの場所に悪意なく入り込み、残酷な優しさで早浪を笑顔にした。
存在しないも同然だ。
その手は人をすり抜け、雪深い道を歩こうとも足跡はつかない。
山頂へ行こうとも龍王は応えず、龍に変じて炎を吐いたとて塵一つ動かせない。
あなたの家には早浪が待っているというのに。
満月が近づくごとに呪いが重くなり、苦しんでいるのが見えるというのに。
あなたは力強く鼓動する心臓をかかえているというのに。
声は届かず、手はとれず、呼ぼうとも叫ぼうとも誰も気付かない。
自分がこの世界に何も齎さないと、それでも早浪がここに居続けてくれて、自分を待っていてくれることに希望を見出していた。
だがある日、旅人が訪れた。
彼女と同じ、人間だった。異形に理解を示し、底知れぬ強さを持つ。
旅人はあなたの家の、あなたの場所に悪意なく入り込み、残酷な優しさで早浪を笑顔にした。
氷凪

そのときに抱いた感情は、あまりにも強すぎて、心が焼き切れそうになった。
正体がしれぬそれは、二人が笑顔になる度に心臓の在る場所に黒い根をはっていった。
正体がしれぬそれは、二人が笑顔になる度に心臓の在る場所に黒い根をはっていった。
KP
牧志。あなたはうめき声に気付く。
あなたはまたモニターだけがある暗い部屋に立っている。
じゃら、という金属がぶつかる音がした。
あなたはまたモニターだけがある暗い部屋に立っている。
じゃら、という金属がぶつかる音がした。
牧志 浩太

自分がどれだけ酷いことをしたのか、夢から覚めて初めて気づく。
俺が何もかもの元凶なのに、知らない顔をして、知らない顔で笑んで、いなくなった人の孤独を思うふりをしながらそこにいた。
俺が何もかもの元凶なのに、知らない顔をして、知らない顔で笑んで、いなくなった人の孤独を思うふりをしながらそこにいた。
牧志 浩太

「氷凪さん?」
呻き声に気づいて振り向く。
さっきは首だった。今度は、口でも塞がれたっていうのか。
呻き声に気づいて振り向く。
さっきは首だった。今度は、口でも塞がれたっていうのか。
KP
氷凪の足の方から細かい金属がぶつかり合う音が聞こえてくる。
氷凪

「足を、やられたようだ」
KP
その声には表情がなかった。
氷凪

「分かっている。きみはこうするしかなかった。悪意の主は、この部屋を作り上げたものだ……」
KP
自らに言い聞かせるような声だった。
牧志 浩太

「……ごめん……」
思考を突破して感情が声を漏らした。
思考を突破して感情が声を漏らした。
牧志 浩太
むしろ互いの善性がどちらにも牙を剥いてるなぁ。
KP
たぶん逆の組やるならもっと全然違う雰囲気になるな。
KP
氷凪はあなたから視線を逸らしてかぶりを振り、モニターの前に立った。
するとモニターにこのような文字が浮かんだ。
するとモニターにこのような文字が浮かんだ。
あなたは裁判の証人台に立っています。容疑者はあなたの大切な人と、隣の人。
あなたは罪を犯したのが、自分の大切な人であることを知っています。
あなたの証言で犯人が確定するでしょう。どうしますか?
A:嘘の証言で隣の人に罪を被せ、大切な人を守る
B:ありのまま真実を話し、隣の人を守る
氷凪

「は、ははは、はは。早浪は、罪を犯してなどいないんだよ」
KP
その指がAを指した。
氷凪

「彼女は無実だ」
悪意と善意
牧志 浩太
質問内容が面白いなぁ。ただ単純な「どちらを優先する」じゃないのがまた地獄かつPCの考えを引き出してくれる。
逆の組だとまったく違う雰囲気になりそうで、KPパワーがめっちゃ要りそうで戦々恐々とするけどそちらもすごく楽しみ。
牧志が初拘束される気配。
逆の組だとまったく違う雰囲気になりそうで、KPパワーがめっちゃ要りそうで戦々恐々とするけどそちらもすごく楽しみ。
牧志が初拘束される気配。
KP
なんか結局質問の意図に沿ってない答えをしている氷凪さん。
牧志 浩太
本当に自分の思う所を答えているのが、「突然悪意で謎の質問される」とか「幻を見せられる」とかそういうシチュエーションに慣れてない感が強くて納得みがある。
KP
こんな理屈っぽい悪意まみれのゲーム、一番遠いところにいましたので。
牧志 浩太
ですよね。悪意からも遠ければ謎のゲームに巻き込まれるシチュエーションからも遠い。
「探索者」ではない物語の中の氷凪さんと、ずぶずぶの探索者の牧志の対比がまた面白い。
「探索者」ではない物語の中の氷凪さんと、ずぶずぶの探索者の牧志の対比がまた面白い。
KP
氷凪さんの真っ白な心が踏み荒らされてゆく。
大変面白いんだけど可哀想で、うん。だからやってみたかったし、可哀想だなと思ったんですよね!!
大変面白いんだけど可哀想で、うん。だからやってみたかったし、可哀想だなと思ったんですよね!!
牧志 浩太
ですね!! これは面白い!! 前言大撤回したけどこの二人でやってよかった!!
KP
氷凪自体の反応も双だけど、牧志君にこれぶっつけたら楽しいに決まってるなって!
牧志 浩太
そうなんですよ!! これは牧志がめちゃくちゃつらいしつらいしPLは楽しい。
佐倉 光

「最近探索者イジメが酷くない?」
牧志 浩太

「ひどいはなしだ」
KP
良い感じのタイミングにおいしすぎるダイス目出しちゃうみんなも悪いんだよ……
牧志 浩太
ツッコミ役の存在によって「牧志浩太の異様さ」が浮かび上がるのも楽しいし、単純ではない質問によって牧志の考えや心や痛みが明らかになるのも楽しいし、まあダイス目が見事すぎて楽しいし、旅人編で牧志の優しさがあんな働きするのも楽しいし。
KP
そういう展開をちょっと期待していたら、頼まないのにやってくれてニコニコしちゃった。
牧志 浩太
へへへ。やったぜ。
もうただの善人ではいられなくなって久しいのに、それでも会ったばかりの人のことを考えてこんなに苦しんでしまうあたり、どうしようもなく善人、という牧志の自己矛盾が浮き彫りになって楽しい。
もうただの善人ではいられなくなって久しいのに、それでも会ったばかりの人のことを考えてこんなに苦しんでしまうあたり、どうしようもなく善人、という牧志の自己矛盾が浮き彫りになって楽しい。
KP
善人は善人ではあるんですよ……
牧志 浩太
どちらも善人ではあるからこそ最高につらい。
牧志 浩太

その声に、身構えた。
KP
「人狼 マキシコウタ」
氷凪の声があなたの名を読み上げる。
氷凪の声があなたの名を読み上げる。
氷凪

「龍に加担して都を焼き、国王ならびに王妃を殺害、他多数の国民を殺害した罪。反省の色もなく、許しがたい」
KP
どことも知れないが、金で彩られた、恐らく国王との謁見室の、王座の前で、あなたは座らせられ、後ろから押さえられている。
王座には黒焦げの死体が頭に金輪をはめて座っており、それに首のない女の死体がもたれ掛かっていた。
その王座の前に、氷凪と武装した女性が立っている。
氷凪の冷たい声で『罪状』が読み上げられている。
だがあなたの口には轡がはめられ、手足には枷がかけられ、弁明もできない。
これはあなたの罪ではない。あなたは人狼ですらない!
氷凪はそれを知りながら、酷薄な笑みを浮かべていた。
王座には黒焦げの死体が頭に金輪をはめて座っており、それに首のない女の死体がもたれ掛かっていた。
その王座の前に、氷凪と武装した女性が立っている。
氷凪の冷たい声で『罪状』が読み上げられている。
だがあなたの口には轡がはめられ、手足には枷がかけられ、弁明もできない。
これはあなたの罪ではない。あなたは人狼ですらない!
氷凪はそれを知りながら、酷薄な笑みを浮かべていた。
氷凪

「よって、この者を銃殺刑に処する」
牧志 浩太

冷たい枷はどれだけ揺すっても外れなかった。
何度も逃れようとしたせいで手足の指は役に立たなくされ、何度ももがいたせいで、押さえつける力は背が軋むほどになっている。
違う。違う、俺じゃない。
何度も叫ぶ声は轡のせいで、狼の唸りのような雑音にしかならなかった。
冷たい声で嘘を述べる男に、燃えるような敵意を向けた。
怒りを向けた。
本当に人狼なら、こんな枷をちぎって、こんな奴食い殺してしまえるのに!
何度も逃れようとしたせいで手足の指は役に立たなくされ、何度ももがいたせいで、押さえつける力は背が軋むほどになっている。
違う。違う、俺じゃない。
何度も叫ぶ声は轡のせいで、狼の唸りのような雑音にしかならなかった。
冷たい声で嘘を述べる男に、燃えるような敵意を向けた。
怒りを向けた。
本当に人狼なら、こんな枷をちぎって、こんな奴食い殺してしまえるのに!
牧志 浩太

力のない怒りのあいま。
ここに俺の声を聞くものが誰もいないという事実に、途方もない孤独を覚えた。
嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。
こんな所で死にたくない。諦めたくない。
手足は身体は心臓は叫ぶのに、何度も何度も見つけてきた突破口が、見つからない。
ここに俺の声を聞くものが誰もいないという事実に、途方もない孤独を覚えた。
嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。
こんな所で死にたくない。諦めたくない。
手足は身体は心臓は叫ぶのに、何度も何度も見つけてきた突破口が、見つからない。
KP
乾いた銃声が幾重にも響き、あなたの体を灼熱が駆け抜けた。
見下ろすと胸にはいくつもの穴が空いて、あなたの鼓動に合わせ真っ赤な液体を吹き出していた。
痛みを感じるまもなく、あなたは自らの血の中に倒れる。
見下ろすと胸にはいくつもの穴が空いて、あなたの鼓動に合わせ真っ赤な液体を吹き出していた。
痛みを感じるまもなく、あなたは自らの血の中に倒れる。
KP
氷凪は、晴れやかに笑っていた。
KP
《SANチェック:成功時減少 0 / 失敗時減少 1d2》
牧志 浩太

1d100 42 《SANチェック》 Sasa 1d100→ 17→成功
牧志 浩太

違う、違う、と叫ぶ声も。
牧志 浩太

誰か、誰か、と希う声も。
何も、何も形にはなってくれなくて、ただ一瞬走った灼熱のあと、泣きたくなるような寒さがやってきた。
諦めたくないと声を揃える思考と感情を置き去りに、肉体がおしまいを受け入れて。
男の冷たい眼だけを最期に、呆気なく。
世界は、閉じてしまった。
何も、何も形にはなってくれなくて、ただ一瞬走った灼熱のあと、泣きたくなるような寒さがやってきた。
諦めたくないと声を揃える思考と感情を置き去りに、肉体がおしまいを受け入れて。
男の冷たい眼だけを最期に、呆気なく。
世界は、閉じてしまった。
牧志 浩太
この後で現実に戻っても拘束されてるのかぁー。混乱しそう。
いたみ
牧志 浩太
表の痛めつけられ描写が増えてる:牧志は諦めなさそうの意
KP
諦めなかったがために痛め付けられてより酷いことになってるふたたび!
牧志 浩太
yes!
牧志 浩太
こないだ別な卓のログを探していたら、佐倉さん・月影くんの地獄はやさしいのログに「佐倉くん」ってファイル名がついてて、めちゃくちゃ懐かしいきもちになりました。
牧志が「佐倉さん」連呼するからPLまで完全に「佐倉さん」で馴染んじゃった。
牧志が「佐倉さん」連呼するからPLまで完全に「佐倉さん」で馴染んじゃった。
KP
その頃の佐倉はまだギリ子供でしたしね。
牧志 浩太
ですね。
KP
あー、いくつか描写後ダメージ飛ばしてるな。後でのせよう
(氷凪のぶん)
(氷凪のぶん)
牧志 浩太
おっと氷凪さんのダメージがふえる。
KP
紅さん誕生おめでとう
牧志 浩太
はっ、ほんとだ10/31! ありがとうございます!
奇しくも表では化け物が殺されようとしている。
奇しくも表では化け物が殺されようとしている。
氷凪

「ちがう、ちがう、ちがう、そんな」
KP
あなたは氷凪の取り乱した声で我に返る。
足が重い。
足が重い。
牧志 浩太

「違う……!」
はっと我に返った直後、目の前の男を睨んでしまった。
何度も何度も叫んでいた声が迸り出る。
目の前の男に殴りかかろうとして、重さに足を取られてつんのめる。
はっと我に返った直後、目の前の男を睨んでしまった。
何度も何度も叫んでいた声が迸り出る。
目の前の男に殴りかかろうとして、重さに足を取られてつんのめる。
KP
あなたの足には枷がかけられているらしく、左右の足が肩幅ほどの鎖で繋がれている。なんとか歩くことはできるが、足を広げたり上げたりするのは無理だ。
そこは煌びやかな王宮ではなく、暗い部屋で、モニタの前に立った氷凪があなたの方に振り返っている。
氷凪は否定する言葉を延々と口からこぼし続けていた。
その表情はモニタを背にしているせいで見えない。
▼〈目星〉
そこは煌びやかな王宮ではなく、暗い部屋で、モニタの前に立った氷凪があなたの方に振り返っている。
氷凪は否定する言葉を延々と口からこぼし続けていた。
その表情はモニタを背にしているせいで見えない。
▼〈目星〉
牧志 浩太

1d100 98〈目星〉 Sasa 1d100→ 58→成功
氷凪

1d100 55〈目星〉 Sasa 1d100→ 72→失敗
KP
氷凪の背を照らしていたモニターが、文章を表示する。
またモニターに文章が表示される。
牧志 浩太

「ああ、そうか……、さっきのは幻か」
一度大きく息を吸い、吐いて、死の余韻を、目の前の男に対する狂わんばかりの敵意の、無念の余韻を流す。
一度大きく息を吸い、吐いて、死の余韻を、目の前の男に対する狂わんばかりの敵意の、無念の余韻を流す。
牧志 浩太

「大丈夫、分かる。早浪さんを助けたかったんだろ。
……あそこにいたのが俺だって、そうしてた」
……あそこにいたのが俺だって、そうしてた」
牧志 浩太

足を戒める重い鎖は、先程までの幻を思い出させた。
また息を吸って、吐いて、目の前の人の姿を見直す。
大丈夫。あれはただの悪意だ。
また息を吸って、吐いて、目の前の人の姿を見直す。
大丈夫。あれはただの悪意だ。
氷凪

「…………あんなことが、望みでは」
KP
氷凪は顔を上げない。
あなたの言葉にも頷いてはいるが、言葉が心に届いているかどうかも良く分からない。
あなたの言葉にも頷いてはいるが、言葉が心に届いているかどうかも良く分からない。
牧志は見えた文章を共有する。
牧志 浩太

「……だって。
あからさまになってきた。
俺達を争わせたがってるのかもしれない」
見えたものを読み上げる。
あからさまになってきた。
俺達を争わせたがってるのかもしれない」
見えたものを読み上げる。
牧志 浩太

手を伸ばして足の拘束を確かめる。
枷に継ぎ目や固定している所に隙、鎖に弱いところは見つからないだろうか?
揺すってずらせないだろうか?
枷に継ぎ目や固定している所に隙、鎖に弱いところは見つからないだろうか?
揺すってずらせないだろうか?
KP
枷は分厚い革でできたものだ。鎖は黒光りする金属の物で、どちらにも継ぎ目のような物は見当たらない。
肌に密着して軽く締めるように力がかかっており、指を差し入れる隙間もなかった。
あなたがそうやって針で突いたような隙を探す間、氷凪は虚ろな目をして頭を抱えていた。
肌に密着して軽く締めるように力がかかっており、指を差し入れる隙間もなかった。
あなたがそうやって針で突いたような隙を探す間、氷凪は虚ろな目をして頭を抱えていた。
氷凪

1d100 41 《SANチェック》 Sasa 1d100→ 14→成功
1d5 Sasa 1d5→2
SAN 41→39
1d100 39 《SANチェック》 Sasa 1d100→ 84→失敗
1d2 Sasa 1d2→1
SAN 39→38
1d5 Sasa 1d5→2
SAN 41→39
1d100 39 《SANチェック》 Sasa 1d100→ 84→失敗
1d2 Sasa 1d2→1
SAN 39→38
これは今まで減らし忘れていた分も込みです。
牧志 浩太

「くそ、隙がない」
牧志 浩太

「氷凪さん、分かってる。
あれはきっと、この部屋を作った奴の悪意だ。幻だ。
氷凪さんは何もしてない。
あんなこと、実際にあるわけがない。
さっき言ってくれただろ。
悪いのは俺でも氷凪さんでもない、この部屋を作った奴なんだ」
氷凪さんの肩に手をかけ、揺さぶりながら声をかける。
俺達は誰かの悪意に踊らされてるだけだ。争っているわけじゃない。傷つけたわけじゃない。
俺達は敵じゃないんだ。
あれはきっと、この部屋を作った奴の悪意だ。幻だ。
氷凪さんは何もしてない。
あんなこと、実際にあるわけがない。
さっき言ってくれただろ。
悪いのは俺でも氷凪さんでもない、この部屋を作った奴なんだ」
氷凪さんの肩に手をかけ、揺さぶりながら声をかける。
俺達は誰かの悪意に踊らされてるだけだ。争っているわけじゃない。傷つけたわけじゃない。
俺達は敵じゃないんだ。
牧志 浩太

今の所は。
さっきから頭の中で蠢く思考が、冷たくそう告げた。
さっきから頭の中で蠢く思考が、冷たくそう告げた。
KP
氷凪さんがことごとく追加情報落としてる
今までのは牧志くんがちゃんと共有してくれてるけど。
今までのは牧志くんがちゃんと共有してくれてるけど。
牧志 浩太
そういうところも「そもそもこういう状況に慣れてない」感じを出目がバックアップしてるなぁ。
そして見たものが強すぎて丁寧語が吹っ飛ぶ牧志。
そして見たものが強すぎて丁寧語が吹っ飛ぶ牧志。
KP
全てを拒絶するようにかたく目を閉じていた氷凪はあなたに揺すられて目を開け、怯えたような顔を見せた。
氷凪

「ああ、ああ……そうだな……そう、だ」
KP
半ば無意識にか「しかし」と呟いた。
この部屋のモニターは消え、次の部屋の扉の向こうから明かりが漏れている。
見ずとも分かる、今までと同じモニターがある部屋だ。
この部屋のモニターは消え、次の部屋の扉の向こうから明かりが漏れている。
見ずとも分かる、今までと同じモニターがある部屋だ。
氷凪

「……」
KP
氷凪は音もなく立ち上がると、次の部屋へと歩いて行く。
牧志 浩太

知らないうちに、先から漏れる光を睨んでいた。
彼に続いて、鎖の音を引きずりながら次の部屋へと向かう。
彼に続いて、鎖の音を引きずりながら次の部屋へと向かう。
KP
鎖は重くあなた方の足を引き、氷凪は時折苦しげに呼吸を乱した。
この部屋で最初に目を合わせたときに互いに感じた、同じ立場の仲間という雰囲気は変質してしまっていた。
この部屋で最初に目を合わせたときに互いに感じた、同じ立場の仲間という雰囲気は変質してしまっていた。
KP
モニターには何も表示されていない。
氷凪は足を止めず、モニターの前に立った。
▼1D9どうぞ
氷凪は足を止めず、モニターの前に立った。
▼1D9どうぞ
KP
1d9 Sasa 1d9→2
KP
出目は基本PC優先でやるつもりだったけど、2は譲って貰おうかな……
牧志 浩太

1d9 Sasa 1d9→2
牧志 浩太
かぶった、振り直しますね
KP
おねがいします。
牧志 浩太

1d9 Sasa 1d9→1
KP
モニタは微かにブンと音を立て、このような文字を表示した。
どちらかを救えると言われました。どちらを助けますか?
A:24時間以内に死ぬ大切な人
B:一生死ねない人生を歩む隣の人
氷凪

「…………」
KP
氷凪は暫くその文章を見ていたが、やがて口元を歪め笑った。
氷凪

「そんなもの。決まっている」
KP
その声には喜びすら混ざっているように思えた。
牧志 浩太

ああ、穏やかな雰囲気が少しずつ変わっていく。
俺達を包む悪意が腹立たしくて堪らない……、堪らないのに、それを打ち破る方法が見つからない。
くそ。
聞こえないだろう程の声で悪態を呟く。
思惑通りに踊らされていることがこんなに腹立たしいのに、何も糸口が見つからない。
俺達は、どこに落とされていくんだ。
俺達を包む悪意が腹立たしくて堪らない……、堪らないのに、それを打ち破る方法が見つからない。
くそ。
聞こえないだろう程の声で悪態を呟く。
思惑通りに踊らされていることがこんなに腹立たしいのに、何も糸口が見つからない。
俺達は、どこに落とされていくんだ。
氷凪

「わたしは。どちらも知っている」
KP
呟いて、氷凪は自らの胸に手を当てた。
氷凪

「もう一度くらい耐えられる」
牧志 浩太

「……氷凪さん?」
は、と目を開いた。
もしかして。俺がこんなことを考えている間にも。
は、と目を開いた。
もしかして。俺がこんなことを考えている間にも。
KP
やっと見つけた救いという火に吸い寄せられる蛾のように。
氷凪は「第三の選択肢を望む」と叫んだ。
氷凪は「第三の選択肢を望む」と叫んだ。
牧志 浩太
ああーーーー。
KP
なんか今回ダイスが神ってます。
牧志 浩太
すげぇ。二人はちょうつらいけどありがとう女神様。
KP
やりたかった流れに綺麗に合わせてイベントが出てくる……
牧志 浩太
すごい……。
〈目星〉の成功失敗もあまりにもらしいしなぁ。すごい。
〈目星〉の成功失敗もあまりにもらしいしなぁ。すごい。
KP
氷凪。あなたは事務的な声を聞く。
KP
「次を」
KP
あなたの体は台のような物に縛られており、体を動かすこともできない。
暗く異臭がするその部屋は狭く、暗くて物がまともに見えない。
暗く異臭がするその部屋は狭く、暗くて物がまともに見えない。
KP
足の先に強烈な熱がはしった。
爪が剥がされた。
爪が剥がされた。
KP
「どの程度刻めば再生が可能か……」
KP
「龍どもは便利な体で羨ましいよ」
KP
「まったく、憂鬱だ。こいつら化け物のくせに人間みたいな反応をする」
KP
皮膚がめくり上げられ、肉が剥がされ、骨が乱暴にねじり取られる。痛みが神経を灼く。
KP
「すぐに慣れるさ。所詮妖魅だ」
KP
「本当に心臓はないのだな」
KP
「血が出ないから解体が楽で助かるよ」
KP
「さて、どの臓腑から外す」
KP
やめろと、痛いと叫ぼうとも、無慈悲な手は止まらない。
KP
「啼き声がうるさい」
KP
「肺に穴を開けるか首を開いておけば静かになる。すぐ戻ってしまうが」
KP
「なるほど。首も切り落としても大丈夫ならその方が時間が稼げるかもしれない」
KP
激痛とともに、ごきり、と衝撃があって意識が消し飛ぶ。だがすぐに痛みと苦しみが意識を引き戻す。
KP
「また再生した。人の形をしていてもやはり化け物だな」
KP
「これだけの力があるのに、角に癒やしの力がないなんて本当に?」
KP
「偽薬というものさ。効果はあると言えばある」
KP
「心臓を持つ個体なんて本当にいるのか?」
KP
「こうして力を刮いでゆけば、そのうち核が露出するだろう。こいつらを維持しているものは必ずあるはずだからな」
KP
切り刻まれ、砕かれ、命ある者なら幾度死んだか分からない。
意識が失われれば安堵すらするのに永遠を生きる体は終わりを許さない。
一日。一月。一年。三年。昼夜なく、興味に、悪意に曝され続け、それでも体は存在し続ける。
魂も思考も途切れて、正気も刻まれているのに意識は冴え続け、痛みと苦しみという情報を蓄積し続ける。
消えてしまいたいと、もう在りたくない、と願うたびに、早浪の姿が遠くかすんで見えた。
最期にひとめ逢えるのではないか。
たったひとつのかすかな希望が消滅を阻んでいる。
それを知りつつも、彼女のことを意識から消し去ることはできなかった。
意識が失われれば安堵すらするのに永遠を生きる体は終わりを許さない。
一日。一月。一年。三年。昼夜なく、興味に、悪意に曝され続け、それでも体は存在し続ける。
魂も思考も途切れて、正気も刻まれているのに意識は冴え続け、痛みと苦しみという情報を蓄積し続ける。
消えてしまいたいと、もう在りたくない、と願うたびに、早浪の姿が遠くかすんで見えた。
最期にひとめ逢えるのではないか。
たったひとつのかすかな希望が消滅を阻んでいる。
それを知りつつも、彼女のことを意識から消し去ることはできなかった。
KP
▼氷凪は《SANチェック:成功時減少 0 / 失敗時減少 1D2》
氷凪

1d2 Sasa 1d2→2
HP 9→7
HP 9→7
KP
普通の探索者向けのここでの結果は「若い自分の目の前で年老いた大切な人が死んでゆく」みたいなやつなんだけど、
そんなの氷凪にとっては「共に生きられた」ことでむしろ救いにすらなるからなぁ。
そんなの氷凪にとっては「共に生きられた」ことでむしろ救いにすらなるからなぁ。
牧志 浩太
氷凪さんはそれはむしろずっと味わってきたもんなぁ。
そのぶん悪意がメガ盛りに!
そのぶん悪意がメガ盛りに!
KP
牧志。突然ばちん、という音がした。
氷凪の体に二の腕を巻き込んで胴を締め付けるコルセットがあらわれ、更にそれが青白く光った。
すると氷凪はその場に倒れて長い悲鳴を上げる。想像を絶する痛みと苦しみに苛まれているのだと感じられた。
目は見開いているのに何も見ておらず、手は必死で空を掻いているのに何も掴めない。
1d100 54【POW】×6-3 Sasa 1d100→ 48→成功
氷凪の体に二の腕を巻き込んで胴を締め付けるコルセットがあらわれ、更にそれが青白く光った。
すると氷凪はその場に倒れて長い悲鳴を上げる。想像を絶する痛みと苦しみに苛まれているのだと感じられた。
目は見開いているのに何も見ておらず、手は必死で空を掻いているのに何も掴めない。
1d100 54【POW】×6-3 Sasa 1d100→ 48→成功
KP
氷凪は倒れて白目をむいたまま、目からは涙を、半開きの口からは涎を垂れ流し、全身を痙攣させている。
おそらく自ら望んだ責め苦を受けていて、現実は一切見えていないのだろうとみえた。
おそらく自ら望んだ責め苦を受けていて、現実は一切見えていないのだろうとみえた。
KP
『回答者はモニターの前にお立ち下さい』
用は済んだとばかりに、おそらく合成音声なのだろう無機質なアナウンスが告げた。
用は済んだとばかりに、おそらく合成音声なのだろう無機質なアナウンスが告げた。
牧志 浩太

「氷凪さん! ……氷凪さん!」
あまりの様子に、冷酷で冷静な思考が吹き飛んだ。
目の前の人に駆け寄り、思わず手を握る。
異様な拘束具が与える苦痛を減じる術がないと分かっていながらも、名を叫ばずに、呼びかけずにいられない。
死を望む程の苦痛だと分かる。分かってしまう。
互いの間に渦巻く悪意の大きさに、怒りが燃えた。
その怒りに対して、出来ることが何もない。
あまりの様子に、冷酷で冷静な思考が吹き飛んだ。
目の前の人に駆け寄り、思わず手を握る。
異様な拘束具が与える苦痛を減じる術がないと分かっていながらも、名を叫ばずに、呼びかけずにいられない。
死を望む程の苦痛だと分かる。分かってしまう。
互いの間に渦巻く悪意の大きさに、怒りが燃えた。
その怒りに対して、出来ることが何もない。
KP
氷凪の髪の毛が微かにばちばちと音を立て、指先に微かな痛みが走った。
苦しみ続けているらしい氷凪の体温が、氷のように冷たくなったり熱いと感じられるほどになったりする。
それに伴い、肌の色が蒼と血色の良い色とを明滅するように変わってゆく。
苦しみ続けているらしい氷凪の体温が、氷のように冷たくなったり熱いと感じられるほどになったりする。
それに伴い、肌の色が蒼と血色の良い色とを明滅するように変わってゆく。
KP
氷凪は言葉にならない声を吐き出して、あなたの手に爪を立てた。
それは骨張った死者の手のようで、このまま掴んでいると死に引きずり込まれそうに思えた。
それは骨張った死者の手のようで、このまま掴んでいると死に引きずり込まれそうに思えた。
牧志 浩太

悪趣味に明滅するように変わっていく肌の色が、何度も何度も生きて、死んでを繰り返しているように見えた。
骨ばった手を掴む。微かな痛みとひやりとした怖気が、一度手を震わせた。
手を離しそうになる反射を堪えて、終わらない苦痛を訴える手を掴み続ける。
骨ばった手を掴む。微かな痛みとひやりとした怖気が、一度手を震わせた。
手を離しそうになる反射を堪えて、終わらない苦痛を訴える手を掴み続ける。
牧志 浩太
なんか牧志は大いに苦しんでいるんだけど、ある意味大いに苦しむのにも慣れている所があって、氷凪さんのダメージがむしろ際立つ
KP
強く掴んでいた指が、柔らかいものに沈みかける。
あなたの手の中で、氷凪が溶けかけていた。
あなたがその現象について考える間もなく、氷凪の目がぐるんと回って戻った。
いつの間にか肌の色は最初に見た白に戻っている。
あなたの手の中で、氷凪が溶けかけていた。
あなたがその現象について考える間もなく、氷凪の目がぐるんと回って戻った。
いつの間にか肌の色は最初に見た白に戻っている。
牧志 浩太

「うわ……!?」
本当に引き込まれる!?
驚いて声を上げた時、溶けかけた形がまた元に戻っていった。
本当に引き込まれる!?
驚いて声を上げた時、溶けかけた形がまた元に戻っていった。
KP
氷凪の目は最初あなたをとらえず、目茶苦茶に動き回る。
まだ何か恐ろしいものが見えるかのようだった。
手を強く握り、それに縋るようにして、自分にかたちがあることを確かめるようにみずからの体を指先で辿る。
だが肘のあたりまで固定されてしまった腕は思うように動かないようだった。
まだ何か恐ろしいものが見えるかのようだった。
手を強く握り、それに縋るようにして、自分にかたちがあることを確かめるようにみずからの体を指先で辿る。
だが肘のあたりまで固定されてしまった腕は思うように動かないようだった。
牧志 浩太

「氷凪さん……、気がついたんだな」
片手を握ったまま、反対の手で彼の肌を辿り、形があることを示す。
汗が滲んでいれば、服の袖で拭う。
片手を握ったまま、反対の手で彼の肌を辿り、形があることを示す。
汗が滲んでいれば、服の袖で拭う。
牧志 浩太

「ありがとう、ごめん」
氷凪

「あ……あァ……」
KP
言葉を忘れてしまったかのように声を漏らし、氷凪はあなたの手に縋って身を起こした。
氷凪

「なにを……のぞもう……とも……
のがれる……すべは……ない……のだな……」
のがれる……すべは……ない……のだな……」
KP
それでも、と、氷凪は唇だけで呟いた。そしてゆっくりと壁際の闇が深いところへ、あなたがモニタの前に立つと見えなくなるところへと座り込んで目を閉じた。
牧志 浩太

「分からない……、もしかしたら、どこかで隙を見せるかもしれない」
呟いた言葉は自分に言い聞かせるものに近く、そんな望みなど人に示す根拠はなかった。
呟いた言葉は自分に言い聞かせるものに近く、そんな望みなど人に示す根拠はなかった。
牧志 浩太

「……、くそ……」
あまりの無力感に声を漏らし、モニターの前に立つ。
無力な怒りは自分自身への怒りに変わり始めていた。
あまりの無力感に声を漏らし、モニターの前に立つ。
無力な怒りは自分自身への怒りに変わり始めていた。
KP
モニターは何事もなかったかのようにあなた方を弄ぶ質問を映し出す。
川で2人がおぼれています。一方は救助が間に合いそうです。どちらを助けますか?
A:大切な人
B:隣の人
牧志 浩太

「……そんなの……、」
呻く。
さっきの『ペナルティー』を思えば、“第三の選択肢” なんて、得策ではないことくらい分かった。
ただ質問に弄ばれるだけで済むかどうか、苦しむだけで済むかどうかなんて、分からないんだ。
第四の選択肢。どちらも、と望めば、きっと一番酷い事態を連れてくるだろうことくらい、想像がついた。
呻く。
さっきの『ペナルティー』を思えば、“第三の選択肢” なんて、得策ではないことくらい分かった。
ただ質問に弄ばれるだけで済むかどうか、苦しむだけで済むかどうかなんて、分からないんだ。
第四の選択肢。どちらも、と望めば、きっと一番酷い事態を連れてくるだろうことくらい、想像がついた。
牧志 浩太

「……、」
座り込む氷凪さんの背中を見つめたまま、「A」と息を吐く。
現実でも、現実でもきっと、俺はそうする。
でも、痛みに耐えかねて目を逸らすことはしたくなかった。
俺はそういう奴なんだ。
座り込む氷凪さんの背中を見つめたまま、「A」と息を吐く。
現実でも、現実でもきっと、俺はそうする。
でも、痛みに耐えかねて目を逸らすことはしたくなかった。
俺はそういう奴なんだ。
KP
ああ。と誰かが小さく声を漏らすのが聞こえた。
KP
氷凪。あなたは拘束具をつけたまま冷え切った水の中に放り込まれた。
冷気は容赦なく体の自由を奪い、急速に水底へとあなたを引きずり込んでゆく。
必死でもがいてようやっと頭を水面に出したあなたは、見覚えのある顔を見つける。
冷気は容赦なく体の自由を奪い、急速に水底へとあなたを引きずり込んでゆく。
必死でもがいてようやっと頭を水面に出したあなたは、見覚えのある顔を見つける。
氷凪

マキシだ。彼が今すぐに手を伸ばすなりしてくれれば、浮くものでも投げてくれれば。
KP
あなたは死に物狂いで助けを求める。
あなたの手足は拘束されていて、自らの力で泳ぐことはできない。
これが最後のチャンスだ。
あなたの手足は拘束されていて、自らの力で泳ぐことはできない。
これが最後のチャンスだ。
KP
牧志。あなたは二人の溺れる人物を発見した。
二人はあなたから見てそれぞれ反対側の方角にいる。
二人はあなたから見てそれぞれ反対側の方角にいる。
氷凪

「マキシ!」
佐倉 光

「助けてくれっ!」
KP
二人とも体の自由が利かないのか、暴れることもできないようだ。
あなたの所には浮き輪が一つある。
どちらかになら、投げられる。
それを認識した瞬間、浮き輪は佐倉の方へ飛んでいた。
あなたの所には浮き輪が一つある。
どちらかになら、投げられる。
それを認識した瞬間、浮き輪は佐倉の方へ飛んでいた。
牧志 浩太

二人の姿をそこに見つけて、迷った。
迷いは、一瞬だった。
二人とも助けることはできない、と判断するまでの、僅かな時間だけだった。
佐倉さんを助けないという選択は、ない。
迷いは、一瞬だった。
二人とも助けることはできない、と判断するまでの、僅かな時間だけだった。
佐倉さんを助けないという選択は、ない。
牧志 浩太

「佐倉さん!」
口から真っ直ぐに迸ったのは、佐倉さんの名だった、
腕は迷わなかった。心も迷わなかった。
ただ沈んでいくもう一人の姿を一瞬視界にとらえて、白々しい、なんの意味もない痛みを訴えただけだった。
その瞳が視界から消えるとともに、全身全霊が佐倉さんを助けることに注がれて、もうひとりの存在は消えた。
口から真っ直ぐに迸ったのは、佐倉さんの名だった、
腕は迷わなかった。心も迷わなかった。
ただ沈んでいくもう一人の姿を一瞬視界にとらえて、白々しい、なんの意味もない痛みを訴えただけだった。
その瞳が視界から消えるとともに、全身全霊が佐倉さんを助けることに注がれて、もうひとりの存在は消えた。
KP
佐倉は両腕でもってあなたが投げた救命具にしがみついた。
するとその腕が黒い革の拘束具で自由が利かないように縛り付けられているのが見えた。
間一髪だったに違いない。彼はあなたが陸に引寄せるまでもう動かなかった。
するとその腕が黒い革の拘束具で自由が利かないように縛り付けられているのが見えた。
間一髪だったに違いない。彼はあなたが陸に引寄せるまでもう動かなかった。
佐倉 光

「死ぬかと、思ったぁぁぁ!」
KP
開口一番そんな悲鳴を上げ、冷えきった体を乾いた地面に投げ出した。
佐倉 光

「サンキュ、牧志。また助けられちまった」
牧志 浩太

「ああ、よかった。
あの時見つけなかったら危なかった。酷い事するな」
そう言って、佐倉さんの体温を取り戻すのもそこそこに、浮き輪を抱えて反対側を振り返る。
あの時見つけなかったら危なかった。酷い事するな」
そう言って、佐倉さんの体温を取り戻すのもそこそこに、浮き輪を抱えて反対側を振り返る。
KP
そこにはもう、水面に浮かぶ頭はなかった。
佐倉 光

「どうした? 他にも誰かいたのか?」
牧志 浩太

「……うん」
そう頷いて、上着を脱ぎ佐倉さんに貸す。
冷え切った身体をさすって、体温を取り戻すのを手伝った。
佐倉さんの命が助かった安堵の傍らで、諦めたような痛みがたゆたった。
そう頷いて、上着を脱ぎ佐倉さんに貸す。
冷え切った身体をさすって、体温を取り戻すのを手伝った。
佐倉さんの命が助かった安堵の傍らで、諦めたような痛みがたゆたった。
佐倉 光

「……」
KP
佐倉はようやく体温が戻りつつある手をあなたの肩に軽く乗せた。鎖が重々しい音を立てる。
佐倉 光

「お前は……」
KP
佐倉があなたに何かを言いかけたときだった。
不意に周囲が真っ暗になって音が消え去った。
不意に周囲が真っ暗になって音が消え去った。
牧志 浩太

佐倉さんは何を言いかけたんだろう。
俺を詰ろうとしたのか、窘めようとしたのか、慰めようとしたのか。
俺を詰ろうとしたのか、窘めようとしたのか、慰めようとしたのか。
牧志 浩太
当初、これ牧志は生還できたら佐倉さんに縋って泣きじゃくるだろうなと思っていたんですが、
むしろ氷凪さんを見捨てることへのダメージが強まっているから、優先した当の佐倉さんよりも何らか自分自身(波照間か浩子さん)との対話を選びそうな気もしてきました。
むしろ氷凪さんを見捨てることへのダメージが強まっているから、優先した当の佐倉さんよりも何らか自分自身(波照間か浩子さん)との対話を選びそうな気もしてきました。
KP
けほ、けほ、と誰かが咳き込んでいる音がする。
闇の中でぼんやりと見える白い影が苦しげに身を丸めていた。
闇の中でぼんやりと見える白い影が苦しげに身を丸めていた。
氷凪

1d100 38 《SANチェック》
Sasa 1d100→ 30→成功
Sasa 1d100→ 30→成功
牧志 浩太

「……」
視界が戻る。
咳き込む声に目を逸らしたくなって、拳を握って堪えた。
今度は氷凪さんに何が起きたのかだけを、確認する。
視界が戻る。
咳き込む声に目を逸らしたくなって、拳を握って堪えた。
今度は氷凪さんに何が起きたのかだけを、確認する。
KP
氷凪の腕に枷が増えていた。
そればかりか、胴の枷に腕と首の枷が鎖で繋がれ、もう上半身は自由に動けない有様だった。
そればかりか、胴の枷に腕と首の枷が鎖で繋がれ、もう上半身は自由に動けない有様だった。
KP
このシナリオの表紙に載ってた、首と腕と胴ががっちり固められた状態です。
牧志 浩太
なるほどぉ。どんどん自由意志が奪われていく。
縛りつけられてはいないし感覚は何も塞がれていないのに、もうがっちがちですね。
縛りつけられてはいないし感覚は何も塞がれていないのに、もうがっちがちですね。
氷凪

「……気に病む、ことは……ない」
KP
氷凪は呟いた。
氷凪

「私でも、そうした」
氷凪

「先ほど生きながらに刻まれたことに比べれば……慈悲深いほどだった」
牧志 浩太

「いいよ……、好きに思ってくれていい」
漏れた声は重く、掠れていた。
漏れた声は重く、掠れていた。
牧志 浩太

「腹が立たなかったわけ、ないだろ。目の前で見捨てたんだ。
思惑通りに争いたくなんてないけど、我慢はしなくていい」
思惑通りに争いたくなんてないけど、我慢はしなくていい」
氷凪

「死ぬことも、諦めることも、慣れているよ……」
KP
首を垂れて力なく微笑んだ。
氷凪

「きっとこれが一番、互いにとって良いことなんだ」
牧志 浩太

「……」
声が出ず、触れられなかった。
何も言えない。言う資格はない。
けど、この選択を後悔することだけはできなかった。
声が出ず、触れられなかった。
何も言えない。言う資格はない。
けど、この選択を後悔することだけはできなかった。
KP
▼〈目星〉
氷凪

1d100 55〈目星〉 Sasa 1d100→ 77→失敗
牧志 浩太

1d100 98〈目星〉 Sasa 1d100→ 31→成功
KP
ことごとく外すぅ
牧志 浩太
55なら成功することもあるはずなのになぁ。
KP
モニターが揺らいで文字を表示していた。
またモニターに文字が表示された。
KP
数秒経つとそれはぷつんと音を立てて消える。この部屋はもう真っ暗だ。
次の部屋の扉が開き、ぼんやりとモニターの光が漏れてくる。
次の部屋の扉が開き、ぼんやりとモニターの光が漏れてくる。
牧志 浩太

「……」
ふと気づいた。
俺達が争いあえば、どっちも雁字搦めになる。
もしかして、それこそが目的なのか。
自分勝手に争いあって、雁字搦めになった俺達を見て愚かだと笑うつもりなのか。
いもしない大事な人の幻になんて惑わされずに、目の前の人と協力するべきなのか。
……だとしたら。
氷凪さんの方が正しくて、俺は唆されているだけなのか。
それでも、確証のなさが怖くて。
この選択の向こうに佐倉さんがいたらと思うと、怖くて、思い切れない。
ふと気づいた。
俺達が争いあえば、どっちも雁字搦めになる。
もしかして、それこそが目的なのか。
自分勝手に争いあって、雁字搦めになった俺達を見て愚かだと笑うつもりなのか。
いもしない大事な人の幻になんて惑わされずに、目の前の人と協力するべきなのか。
……だとしたら。
氷凪さんの方が正しくて、俺は唆されているだけなのか。
それでも、確証のなさが怖くて。
この選択の向こうに佐倉さんがいたらと思うと、怖くて、思い切れない。
牧志は先ほどの文章を読み上げる。
牧志 浩太

「……ごめん。どっちが正しいのか、俺にも分からなくなってきた。
俺達に自分勝手な選択をさせて、どっちも雁字搦めにするのが目的なのかもしれない。
あなたの方が正しいのかもしれない。
でも、確証が無くて怖い」
四分の三くらいは独り言の情報共有だった。
俺達に自分勝手な選択をさせて、どっちも雁字搦めにするのが目的なのかもしれない。
あなたの方が正しいのかもしれない。
でも、確証が無くて怖い」
四分の三くらいは独り言の情報共有だった。
牧志 浩太

氷凪さんが歩けないようなら肩を貸し、次の部屋に向かう。
氷凪

「いつ終わるのだろうね」
KP
あなたの肩を借りた氷凪がぼそりと呟いた。
牧志 浩太

「どうだろう……。氷凪さん、俺、ずっと間違ってたかもしれない」
ぽつりと呟く。
ぽつりと呟く。
牧志 浩太

「思い返してみたんだ。
この文章、拘束されるなって言ってるように見える。
今はっきり分かるのは、大事な人を選べば隣の人が拘束されて、目の前の人を選べば大事な人に嫌われたり死んだりする幻を見るってことだけだ。
分からないんだ。それ以外のことは。
佐倉さんに被害が及ぶかもしれないってのは、想像でしかない。
もしかしたら、俺は悪意を仮定しすぎて、ずっと間違ってたのかもしれない。
一番正しいのは、目の前のあなたと協力することだったのかもしれない」
この文章、拘束されるなって言ってるように見える。
今はっきり分かるのは、大事な人を選べば隣の人が拘束されて、目の前の人を選べば大事な人に嫌われたり死んだりする幻を見るってことだけだ。
分からないんだ。それ以外のことは。
佐倉さんに被害が及ぶかもしれないってのは、想像でしかない。
もしかしたら、俺は悪意を仮定しすぎて、ずっと間違ってたのかもしれない。
一番正しいのは、目の前のあなたと協力することだったのかもしれない」
氷凪

「そうなのかも……しれない」
氷凪

「私たちは二人とも間違っているのかもしれない。
大事な人を選んだところで、私たち同様幻を見せられるだけなのかもしれない。
それでも、目の前で苛まれる大事な存在を見て見ぬ振りをするのが正解だとしても、
私は、早浪を見捨てられない」
大事な人を選んだところで、私たち同様幻を見せられるだけなのかもしれない。
それでも、目の前で苛まれる大事な存在を見て見ぬ振りをするのが正解だとしても、
私は、早浪を見捨てられない」
氷凪

「かといって……きみを傷つけたくもないんだ」
牧志 浩太

「……ありがとう。ごめん。
優しいな、氷凪さん」
微かな笑みに似た形で、口元が歪んだ。
優しいな、氷凪さん」
微かな笑みに似た形で、口元が歪んだ。
氷凪

「私は、怖いだけだ……」
KP
その瞳には後悔が宿っているように感じた。
KP
ある意味逃げてるんですよね、氷凪は。
牧志 浩太
優先順位に直面することから?
KP
そんなところ。
早浪を助けるために目の前の牧志を傷つけることを恐れている。
だったら自分がその痛みを引き受ければ誰も傷つかないと思っている。
早浪を助けるために目の前の牧志を傷つけることを恐れている。
だったら自分がその痛みを引き受ければ誰も傷つかないと思っている。
牧志 浩太
さっき牧志が言及した、「安易な自己犠牲(逃げの自己犠牲)」でもあるんだ。
コメント By.KP
協力を望みながらも守るべきものを譲ることができない牧志。
質問と環境に翻弄されて転がり落ちてゆく氷凪。
ふたりはどこへ向かうのか。
ダイス目が二人にもっと苦しめと言っている……!
協力を望みながらも守るべきものを譲ることができない牧志。
質問と環境に翻弄されて転がり落ちてゆく氷凪。
ふたりはどこへ向かうのか。
ダイス目が二人にもっと苦しめと言っている……!
【クトゥルフ神話TRPG】
本作は、「 株式会社アークライト 」及び「株式会社KADOKAWA」が権利を有する『クトゥルフ神話TRPG』の二次創作物です。
Call of Cthulhu is copyright ©1981, 2015, 2019 by Chaosium Inc. ;all rights reserved. Arranged by Arclight Inc.
Call of Cthulhu is a registered trademark of Chaosium Inc.
PUBLISHED BY KADOKAWA CORPORATION 「クトゥルフ神話TRPG」
※コメントは最大500文字、5回まで送信できます