こちらには
『インモラル・イミテーション
のネタバレがあります。
本編見る!
こんばんは
KP
こんばんは!
佐倉 光
こんばんはー
KP
ではでは差し支えなければ始めてまいります
佐倉 光
はーい
KP
ちょっと出先のネットトラブルにてスマホでして、レスポンスが少々遅いかもしれません、ご容赦ください
佐倉 光
あらら。了解です!

KP
今あなた達は喧嘩から眼鏡の男を救い、大男を撒いて雑貨屋の前にいる。
そして、眼鏡の男が落とした紙切れを見ようとしていたところだ。
『劉相談所』についての情報が載っている。
牧志 浩太
「これ、相談所だって? 知りたいことはそりゃいくらでもあるし、何か聞けるかもしれないな」
牧志が横から紙切れを覗き込む。
佐倉 光
「金がないからなー。
相談料っていくら位なんだろ」
佐倉 光
「行って訊いてみるか?」
牧志 浩太
「そうなんだよな。まさか千円二千円じゃないだろうし」
佐倉 光
「場合によっちゃそれ目標に稼ぐって手もあるし」
牧志 浩太
「ああ、賛成。最悪でも値段くらいは分かるだろうしな」
KP
ここで〈目星〉で判定。
佐倉 光
CCB<=88〈目星〉1D100<=88) > 57 > 成功
牧志 浩太
CCB<=98〈目星〉1D100<=98) > 32 > 成功
KP
目の前の雑貨屋の看板の隅に、「売ります買いますなんでも」と書かれている。
何がしか売れるようなものがあるのなら、足しにはなるかもしれない。
牧志 浩太
「……なんでも、って本当になんでもなのかな、って一瞬思ってしまった」
佐倉 光
「人とか?」
牧志 浩太
「臓器とか」
佐倉 光
「俺売れるほど健康な臓器ないよ」
牧志 浩太
「俺も臓器なんて売りたくないよ。まともな手術してくれそうな気もしないし」
佐倉 光
「だなー」
自分たちが目覚めた部屋を思い出した。
「ま、なんか手に入ったら思い出そうぜ」
牧志 浩太
「だな。
とにかく、まずはこの相談所だな」
佐倉 光
「ああ、行ってみよう」
KP
相談所に行く?
佐倉 光
いきまーす

KP
地図を辿って行けば、随分と薄暗い路地の奥深くへと導かれてゆく。
どこからともなくこちらを窺うような値踏みするような視線を感じ、進むほど暗くなってゆく周囲には何となく身の危険を覚えるだろう。
佐倉 光
「やーなかんじ」
牧志 浩太
「同感。入りたくないけどこの先なんだよな」
KP
その路地の一番奥、薄暗い袋小路。
猥雑な落書きのある扉に「劉相談所」と薄汚れた木札がかかっている。
佐倉 光
「よし、とりあえず入ってみるか」
ノックノック
KP
「ドウゾ~」
少し語尾の上がった、異国なまりのある日本語で、そう返ってくる。
鍵はかかっていないようだ。
佐倉 光
開けて入ってみる。
KP
中に入ると、そこは事務所といった雰囲気の小部屋だ。
しかしながら床には空き容器やペットボトルなどといったゴミが散乱しており、正面に据えられた書き物机の上も、その前に置かれた応接用のテーブルやソファの上も衣類や書類などが散らばっており雑然としている。
机の向こうの椅子には一人の背の高い男が腰かけており、甘い匂いの煙草をくゆらせている。
佐倉 光
「お邪魔します」
牧志 浩太
「お邪魔します」佐倉さんに続いて扉をくぐる。
KP
男は椅子を軽く回して、「ワタシが劉です。今日ハどんな相談カナ?」と、少し高い声で問いかけてくる。
佐倉 光
「ここから渋谷に帰る方法と……父さんと僕の腕を、本来の腕に戻す方法を知りたいんだ。
情報料はいくらです?」
KP
「フームーン」
男はあなたと牧志の格好を、見定めるようにじろじろと見回す。
「結構ヤバーイ話ダネー。ココで外の話するのは特にオススメしないヨ。デモ、ソウダネー」男は煙草を揺らし、勿体ぶって考えるような仕草を見せる。
佐倉 光
「ヤバーいんですか」
KP
「ヤバーイヨー。詳しくはお金のアトでネ。
ンー、ソウダネー。
初めてダシ、五万でイイヨ。ディスカウントネ」
佐倉 光
「五万かぁ、妥当なんだろうけど、今の俺達には結構な額だなー」
牧志 浩太
「こういう所で相談料、っていうと妥当かむしろ安い気もしてくるけど、あそこの仕事で五万って、気が遠くなるな」
佐倉 光
「もっとドカーンと稼ぐ方法探さないとね」
KP
「ンー、お金ナイナーイ顔してるネー。おシゴト紹介しよっか? 稼ぎ方のレクチャーくらいなら三百円でイイヨ?」
佐倉 光
お。それまさに頼もうかと思ってたとこで。
佐倉 光
「ああ、本当に稼げるヤツなら助かるな。
稼いだらここで情報買うからさ」
KP
「モチロンモチロン、高収入間違いナシネー」
KP
300円を払う?
佐倉 光
払っちゃお。逆に言えば300円くらいなら稼げる事は分かってるんだ。
牧志 浩太
では、服を探って先程の300円を男に差し出す。
[ 牧志 浩太 ] en : 300 → 0
KP
「マイドー」
金色と赤の飾り紐で飾られた豚さんの貯金箱を差し出してくる。硬貨を入れるとよい音がした。
「ソレジャーネー、お仕事情報の前に、まずは簡単な稼ぎ方。
腕に自信があるか、乱暴な連中と組む自信がアルならー、ゴートゥー? ゴートー。
身ぐるみ剥ぐのもイイし、人間ゲットできればいいお金になるネー。
あ、器用ならコツコツ堅実にスリってのもイイネー。
あ、でもゲットされないようにキヲツケテネ」
佐倉 光
なるほどインモラル。
牧志 浩太
「スリが堅実な仕事扱いなのか……」
佐倉 光
「そういうのパクられたら一発アウトじゃん? 警察とかいないの?」
KP
「自治会ならイルヨー。色んなヤバーイ組織の隅っこのごった煮。
警察はイナーイイナーイ」
佐倉 光
「自治かー。警察よりある意味やべぇな。
魔界じゃねぇのかここ。カオスワールドだ」
牧志 浩太
「本当に日本かここ? 何だか信じがたくなってきた……」
KP
「一発逆転したいなら賭場もオススメだネー。
あ、雑貨屋で何か売る? その腕とか」
佐倉 光
「正直売るのも手かと思うけど、外した後の処置も大変そうだもんな」
牧志 浩太
「それに、片腕がなくなるのも痛すぎるしな。できるとして最後の手段にしよう。それより先に仕事情報だ」
KP
「お仕事はネー、色々紹介できるヨ。
なんと一人二万エーン。一気にお金持ち。スゴイデショ」
佐倉 光
「どんな仕事?」
KP
「ンー、二人とも何か特技アル? 
医者とかお薬とかオカーネ一杯ヨー」
男はあなた達をじろじろと見る。
佐倉 光
「俺、コンピューター関係得意なんで、ハッキングとかできるけど。
医者……」
牧志を見る。
牧志 浩太
「医者ってわけじゃないし免許も持ってないけど、人の傷の手当てならそこそこ得意です。それでは?」
牧志が少し息を呑み、考え、そして口にした。
KP
「イイネイイネー。ジャアネ、幾つかアルヨ。
工場で肉を切るおシゴトー。キレイな所で接客をするおシゴトー。秘密厳守のお届けモノー。
手術をするおシゴトー。人間ゲットするお手伝いー」
▽食肉加工工場
▽風俗店
▽奇妙な配達
▽同意のない手術
▽犯罪組織の手伝い

以上の仕事がある。
どれも報酬は一人二万だ。
佐倉 光
(詳細ろくでもなさそう)
牧志 浩太
「…………」
佐倉 光
「まともな方法じゃ稼げないみたいだな」
牧志 浩太
「みたいだな……」
佐倉 光
「この中じゃ食肉加工と配達がまだしもって感じだ。
中身なんだか分かったもんじゃねぇけどな……」
牧志 浩太
「一人二万の食肉工場でこの辺と並ぶって、確実にまともな中身じゃないな」
KP
「マトモだヨー。あっ、苦しいのイヤ? キモチイイお薬サービスしとくヨ?」
佐倉 光
「それ継続コストがバカみたいにかかるやつでしょ?」
KP
「ダイジョブダイジョブ。無害でクリーンなお薬ネー。アルコールよりヤサシイ」
牧志 浩太
「常套句すぎる」
佐倉 光
「なんかやらざるを得ないよな……
比較的安全なのは肉と風俗店だけど」
牧志 浩太
「ああ……。強盗や人攫いなんて論外だし、それに、やばい組織のいる所で外から犯罪なんて、リスクも高すぎる。
そうなると、何かやるしかない、か……」
佐倉 光
「肉はな。ここでしばらく暮らす事を考えると、知らない方がいいヤツなんじゃないかって気もする」
牧志 浩太
「今の時点で何かしら嫌な想像ができてしまうのが嫌だけどな」
佐倉 光
「配達、かな」
牧志 浩太
「だな。中身については考えないことにしよう」
佐倉 光
「配達やってみようと思うんだ。
紹介して貰える?」
男に声をかける。
KP
「ハーイ。荷物一個しかナイから、二人でやるなら折半ネ」
劉は部屋の隅から、微妙に生臭い匂いのするトランクを一つ引きずってくる。
「これを指定の場所マデ届けてほしいンダヨネ。
これに受領印貰ってキテネ。ナイナーイしたらナイナーイネ」
劉はあなた達に、地図の書かれた書類と共にそれを渡してくる。
佐倉 光
「GoogleMapなんてあるワケねーよな」
KP
「全部ボカシネー」
佐倉 光
「むしろ載ってんのかよ。
すげぇなGoogle」
KP
「ウフー」
佐倉 光
地図をできる限り記憶して、確認しなくても行けるようにしたいなー
KP
なるほど。全て記憶しようとするなら、〈ナビゲート〉または〈目星〉/4で判定。
佐倉 光
CCB<=88/4〈目星〉1D100<=22) > 57 > 失敗
無理だな
牧志 浩太
CCB<=98/4〈目星〉1D100<=24) > 82 > 失敗
KP
目的の場所までは随分と入り組んでおり、地図を見なくては分かりそうにない。
覚えるのは至難の業だ。
佐倉 光
「くそ、覚える自信ねぇや」
牧志 浩太
「ごめん、俺もだ」
佐倉 光
「地図係やるよ。牧志の方が少しは警戒できそうだろ」
何より身長の差ってもんがある。
牧志 浩太
「ごめん、頼む。じゃあ俺は周囲を警戒しておくよ」
KP
「ヨロシクネー」
佐倉 光
しゃーない、地図の場所へ向かおう。

KP
あなた達は生臭いトランクを引きずって、路地を出る。
地図に従って歩いていくと、どこからともなく人々が争う声や、誰かの叫びなどが風に乗って聞こえてきた。
佐倉 光
「やだやだ、全力で関わりたくねぇ」
KP
その中でも、商魂逞しく何かを売り歩く声や、子供が何人か集まって遊んでいるらしい声なども聞こえてきた。
佐倉 光
「子供もいるんだな」
牧志 浩太
「らしいな。服も子供のがあったし、いるんだろう。……強盗に人さらい、か。珍しくないんだろうな、あの口調だと」
佐倉 光
「だろうな」
牧志 浩太
「……」
佐倉 光
「子供の健康な臓器か。俺も気をつけないと」
牧志 浩太
「それこそ、ひょいっと抱えられていかれたら、抵抗できないしな。チェーンソーだけじゃ頼りない」
前の事件を思い出したのか、そんなことを呟く。
佐倉 光
「うーん。あったんだよな既に。
武器も揃えたのになくなってるし。あるのは役に立つとも思えないチェーンソーだし」
牧志 浩太
「せっかく対策練ったのに毎回これだ。帰れたら対策見直すべきなのかな」
繋ぐ手にかかる力が無意識にか、少し強くなる。
佐倉 光
「帰れたらまた考えよう」
牧志 浩太
「そうだな。まずは無事に帰る所からだ」
KP
地図に従って歩いていくと、少しずつ周囲は薄暗くなっていく。
差し込む太陽光は不統一な形の軒先や張り出した何かに遮られ、いやな静けさが辺りに満ちてゆく。
佐倉 光
忍び足……は、牧志と一緒じゃ意味がないな。
襲撃を受けるも、二人は何とか逃亡に成功する。
佐倉 光
短い足で必死に牧志を追いながらトランクを支え続ける。
牧志 浩太
トランクと佐倉さんの手を引きずり、走る!
佐倉 光
息を切らし、歯を食いしばりつつ、意識して呼吸を整えながら足を動かす。
KP
逃げ込めば少し地図から逸れてしまったが、回り道をして経路に戻ることができそうだ。
男たちは聞くに堪えない暴言を吐きながらあなた達の姿を探しているが、見た所組織立った相手には見えない。
佐倉 光
捕まったら最悪俺達があの雑貨屋で売られる羽目になりそうだな。
バラされる? 変態の相手? どっちも冗談じゃない。
KP
暫く息を潜めていれば、諦めたらしい男たちはどこへともなく散っていく。
佐倉 光
(今のうちにさっさとこいつを手放そう)
地図を見てさっきの男達の声と逆方向に回り込みつつ目的地へ向かう。
KP
回り込みつつ地図に従って進めば、次第に道は下ってゆく。
ひやりと身体を冷気が撫でた。不均一な建物が作る迷路のような路地から、気づけば地下に入っている。
辺りには人っ子ひとりいない。上の街路に息づいていた人の気配すら消えている。
冷蔵庫の中にでも迷い込んだような、嫌な寒気。
佐倉 光
まだ先なのかな。
牧志 浩太
「随分寒いな……」
佐倉 光
「俺達が届け物ってオチじゃねぇだろうな」
牧志 浩太
「行き先は注文の多い料理店で、このトランクと一緒にいただきます、ってか?
嫌すぎるな。そうだったとしたら、逃げるしかない」
KP
気づけば深く深く折れ曲がりながら続いてゆく道は、まだ続いている。
佐倉 光
「襲撃の危険があるから高額報酬、ってだけだといいけど。
警察いねーんだから、違法性については不問なんだろ?
つまり荷物の内容自体は大して金額に関係ねぇんだ。
その分、ちょっとこえーな」
牧志 浩太
「そうなんだよな。しかもあいつら、組織立った連中には見えなかった。
これの中身が分かって狙ってるのか、それとも金目の物っぽかったから狙ったのかも分からない」
牧志 浩太
「つまり、高額の理由は、狙う狙われるとは関係ない可能性もある……」
KP
歩いていくと、道の奥に扉がひとつ見えてきた。
……目的地は、あそこだ。
佐倉 光
今更びびっても仕方ないな。
扉を叩く。
KP
突然がちゃりと扉が開いた。
佐倉 光
「おわ!?」
届け先で待っていたのは、人間ではなかった。
牧志 浩太
「……!」
牧志が咄嗟に身構え、あなたの前に出ようとする。
佐倉 光
「お、お届け物デース。
い、印鑑かサインくださーい」
KP
蛇はぬたりと舌を出し、ひたひたと唾液の満ちた口を開く。
尖った牙が覗いた。
生臭い息があなた達の鼻をつく。
佐倉 光
思わず飛び上がりそうになった。
KP
「あ! 劉さんの言っていた配達の方ですね!
ありがとうございます、あ、ハンコないんでサインでいいですか?」

口から発されたのは流暢な日本語だった。
牧志 浩太
身構えていた牧志が驚いて目を瞬く。
佐倉 光
「は、ハイ、じゃあこちらに」
ひきつった声で答え、示す。
佐倉 光
佐倉は小声で「TALKTALKTALK」と呟いている。
KP
さらさらと彼(?)は書類に判読しがたいサインを書く。
あなた達がサインをもらい、引き返そうとしたとき、トランクの鍵が壊れてしまったのか、ばかんと扉が開く。
佐倉 光
ひどいっ
荷物はなんとも悍ましい物で、それを見た牧志は発狂してしまう。
牧志 浩太
それを目にした瞬間、目を見開いた。
それの顔が人間のものだと気づいた瞬間、身体が硬直した。
それが人間から「何か」になりかけていると解釈した瞬間、嫌な感覚が腹からせり上げてきて、息ができないような錯覚に襲われた。
牧志 浩太
「……!」
身体が自身を守ろうと収縮反射を起こす。頭を抱え込んで、その場から動けなくなる。
佐倉 光
「くそ、見たくもないもの……
牧志? おい牧志!?」
肩に手をやって揺さぶる。
牧志 浩太
「あ……、ああ、ああう」
喉が収縮して声がうまく出ない。
身体がきつく頭を抱えたまま手を伸ばせない。
KP
「あらら。すみません、鍵が緩かったようで」
蛇人間はあなた達の様子を気にするでもなくトランクをまとめ、それを扉の向こうへと引っ張り込む。
佐倉 光
「ああくそ、まいったな……」
悍ましい届け物を彼の視界から遮るように目の前に座る。
佐倉 光
「おーい、牧志、大丈夫、もうないから。
ゆっくり、俺の目を見て、息吸って。
大丈夫、ゆっくりやれば」
CCB<=23〈精神分析〉1D100<=23) > 88 > 失敗
佐倉 光
だめでした。
牧志 浩太
「う、う、ううー」
身体が接着されたように動かない。口が閉じてしまって開けない。
自分の意思とは裏腹に、身体が外界を拒んでいる。
目を見たいと望むのに、それすら叶わない。
牧志 浩太
身体の接着が解けたのは、ゆうに数分は過ぎてからだった。
佐倉 光
「大丈夫か? 俺の声、聞こえるか?」
牧志 浩太
「う、うう……、ごめん、大丈夫。聞こえてる。ずっと聞こえてはいた。身体が動かなくて」
佐倉 光
「外であれが壊れなくて良かったぜ……
やっぱり碌な荷物じゃなかった。
届け先があれだったし」
KP
「あ、ここで見た物のことは口外しないで下さいね?」
じろりと蛇人間は黄色い眼であなた達を睨むと、扉の向こうに引っ込んだ。
佐倉 光
「はーい」
牧志 浩太
「言われなくても、口外したくならないな……」
牧志 浩太
「ごめん、佐倉さん。ありがとう」
佐倉 光
「ああ、早く戻ろうぜ。荷物手放したからって安全になったわけじゃねぇ」
牧志 浩太
「だな。さっさと戻って受け取るもの受け取ろう」
佐倉 光
戻る!

KP
幸い、帰り道に先程のような襲撃はなかった。
相談所に戻れば、劉があなた達を出迎える。
KP
「オカエリー」
佐倉 光
「ただいまー。
サイン、もらってきたよ」
お届け票をカウンターに置く。
KP
「ヤッタネ。確認します」
劉はサインの記された書類を受け取り、ルーペのような物を持ってきて覗き込む。
それからあなたに近寄り、あなたの腕とサインを見比べた。
佐倉 光
「な、なに」
KP
「ハーイ、確かに。サインもハンコも照合オーケー。ドウゾー」
劉はあなたと牧志に、皺の寄った一万円札を一枚ずつ渡す。
牧志 浩太
「ありがとうございます……、やっぱり普通の一万円札だ」
[ 牧志 浩太 ] en : 0 → 10000
佐倉 光
「ハンコ?」
[ 佐倉 光 ] 円 : 0 → 10000
KP
「ウン。ハンコついてるヨー。無害だからダイジョブ」
佐倉 光
「え……いつの間に」
牧志 浩太
「ハンコないって言ってたよな? 何のことなのか怪しいな……
変な印つけられたんじゃないだろうな?」
KP
「ダイジョブダイジョブ」
金属の腕を見ても、生身の腕を見ても何かあるようには見えない。
佐倉 光
あのトランク売り払ったらいくらになったんだろうなぁw
ナイナーイされるらしいけど。
KP
ナイナーイしたらナイナーイネー。
佐倉 光
「とりあえず元手はできたか」
牧志 浩太
「だな」
牧志 浩太
「後はまたここで仕事するか、ギャンブルか、うーん……」
佐倉 光
「あとできそうなのは食肉加工……ってとこか」
牧志 浩太
「何なのか危ぶまれるけど、少なくとも人殺しとかじゃないはず……、だよな?」
佐倉 光
「死んでるのを解体させられるかも、って覚悟は……」
牧志 浩太
「ありそう……」
佐倉 光
「あと、デミナンディあたりはまあ普通に……
それでも、他のよりはマシかと思うよ、俺」
牧志 浩太
「まあな、それはそう。
同意のない手術なんてやりたくもないし、最後は明らかに酷いことさせられるやつだろ」
佐倉 光
「同意のない手術されてるし俺達」
牧志 浩太
「そもそもされてる方だった」
佐倉 光
「いくか、食肉加工」
牧志 浩太
「そうするか」
佐倉 光
そもそもが食肉加工って精神に来やすい仕事だと聞いた事があるが。
まあグロには割と慣れてるし。大丈夫だと……思いたい。
KP
「お肉切る? 人手イルから二人でも歓迎ネー」
佐倉 光
「ますます不穏ー。
よろしくお願いします」
KP
「ハーイ」

KP
あなた達が案内された倉庫の中は、ひんやり、乾燥して薄暗い場所だ。
こうこうとした蛍光色の明かりだけが、そらぞらしく周囲を照らしている。
室内には責任者らしい男がひとり。
マスクをつけて白い作業着、手袋をつけた男は、あなた達を見ると「ああ、ちょうどよかった。人手が足りてなくてね」と微笑む。
佐倉 光
「お願いします」
そういえば子供の力でもできる仕事なんだろうか?
冷凍肉ならチェーンソーが役立つかもな?
牧志 浩太
「よろしくお願いします」
KP
「それじゃあ、そこの君は肉の分類と細かいカット、そこの君は大きめの切り落としをよろしく。
ノコギリと作業着一式は用意してあるからね。

高級な肉だから気をつけて。ちゃんと入る前にシャワーで全身消毒してね。入ったら最初にレクチャーするからね」
佐倉 光
「はい」
指示に従おう。
牧志 浩太
「はい」
少し覚悟しながら、指示に従う。
KP
作業着に着替えて手袋とマスクを身につけ、つんとした匂いの消毒液のシャワーを浴びれば、何となく仕事をする雰囲気になってきた。
佐倉 光
(この町できっと一番清潔なところだな。
手が洗えてラッキー)
KP
彼はあなた達を解体室に通す。
そこはひやりとした冷気に覆われた空間だった。
大きく細長い肉が、いくつもいくつも天井からぶら下がっている。
佐倉 光
たまに映画なんかで見るヤツだ。
KP
いや、それは。
それぞれ違った顔をした、偶に妙になまなましい切り傷や銃創を刻んだ、髪も毛も肌もついたままの、揃って大きな血抜きの傷を首と胸に刻んだ、

裸の人間だった。

いまからあなた達は、彼らを、解体……、するのだ。

佐倉 光
やっぱりそうじゃん……
佐倉 光
「きっつ……」
KP
SANチェック成功時減少 0失敗時減少 1D3》。
佐倉 光
CCB<=69 《SANチェック》 (1D100<=69) > 52 > 成功
牧志 浩太
CCB<=60 《SANチェック》 (1D100<=60) > 99 > 致命的失敗
[ 牧志 浩太 ]SAN: 60 → 57
佐倉 光
あー、無理もない。
牧志 浩太
「くそ……、」
微かに悪態をついた。
目の前の光景を拒否しようと瞼が震え、拒否してはならないとマスクの下で唇が震える。
牧志 浩太
「くそ、くそ、くそ……、」
その傷はどう見ても、殺されたとしか思えなかった。
素早い血抜きの傷が、そのために殺されたのではないかと想像すらさせた。
佐倉 光
「ただの、肉だよ、牧志……
もう生きていないんだ」
牧志 浩太
「ごめん、分かってる、分かってる……。
俺達がどうしたところで、もう殺されたんだ」
牧志 浩太
「くそ……」
佐倉 光
「考えるな。これはモノなんだ、ここでは」
ゾンビを倒した後で戦利品を探すときの事を思い出そうとする。
そういう時は「気持ち悪いな」と思いこそすれ、それらが生きていたかも知れない事など考えずに済んだのだ。
牧志 浩太
「そう……。そう、だな……」
牧志 浩太
「ただの、肉だ……」
言い聞かせるように数度口にした。自分の中に染み込ませ、言い聞かせるように。
牧志 浩太
牧志浩太という人間の特性を、少しずつ削っていくような声だった。
佐倉 光
それでも、そうすることで心が守れるなら
佐倉 光
仕方のない事だと……
KP
「じゃあ、いまからお手本見せるねー」
朗らかな声で男は言い……、手元の鋸を取り上げた。

KP
本日は以上!
佐倉 光
すげー嫌なところで終わったぁ!
KP
えらいところで切れましたありがとうございました!
佐倉 光
ありがとうございました!
終わった後酷い後遺症出そうだな。
KP
あそこで佐倉さん成功牧志ファンブルらしすぎる。
佐倉 光
いつも死体漁りしてるからね。
さすがに人間の死体をってのはあまりないけどさ。
KP
ですねぇ。牧志の方が「生きていた」ことを考えちゃう。
それでも腐っても襲ってもこない人間そのままの死体はハードだけども。
佐倉 光
いや、「している」ではないのか、もう。
KP
「していた」ですねぇ。
佐倉さんにとっても「いまの日常」ではもうなかった、のにね。
逆に牧志がゾンビ退治くらいしてるかも。
佐倉 光
それでも《宝探し》はしていなさそうだなぁ。
KP
それでもいちいち考えちゃってたんだろうなぁ。
ゾンビが生きていたことや、被害者が生きていたことを。
《宝探し》、していなさそう。
KP
そんな牧志が悪魔使いとして、ある意味割り切っていくステップかも。
佐倉 光
牧志はそんなに感覚すり切れていなさそうだもんね。
KP
いなさそうなんですよね。まだ悪魔使いの感覚になりきっていなさそう、とも言える。
佐倉 光
裏社会に馴染んで行ってしまう
KP
感覚もまだまだ表の人間だった牧志が、世界の裏側に馴染んでいってしまう。
佐倉 光
このシナリオ、常識的な感覚捨てちゃったPCだと楽に稼げそうなのかなぁ。
人さらいやなんかはそれはそれででっかいリスクありそうだけど。
あと性的なアレコレは変な病気貰いそうで怖いわー
KP
最初から裏社会PCだと何かと楽そうではあるけど、そのぶん腕っ節案件になることも多そう。
佐倉 光
食肉なんとか終わらせたらギャンブルに賭けるかねぇ……
俺達の正気が保つかな。
KP
病気もらいそうは確かに。こういう所だからフォローなさそうですしねぇ。
あ、食肉は山分けではないので二万×二人分貰えます。
KP
正気は、がんばれ。
佐倉 光
がんばる。
牧志の方がしんどい役割なのがなんともだけど。
KP
どうしてもパワーとリーチ的にねぇ。
佐倉 光
子供に解体は無理ィ
KP
それはそうゥ
あ、でも床の掃除なんかもできるよ佐倉さん。
なんやかんやが降り積もった床の。
佐倉 光
腑分けとどっちがましだろうねそれ。
KP
最初に削った毛とか皮とかの回収も佐倉さんの役目になりそう。
どっちもどっち。
佐倉 光
というかそもそも人間に食べる所なんてそんなにないだろうに……
KP
「人間を食べるという行為」が好きなヒトがそれなりにいるようです、この街。
佐倉 光
それ「ヒューマン」じゃない人もいるよね!
KP
ないヒトもいそうですねぇ。
佐倉 光
そろそろインセインのキャラクター完成させないとなのでっ
戻ります!
KP
はーい、ありがとうございました!

コメント By.佐倉 光
生きるためには必要なこと。しかし絶対に理解したくはないものだ。

TRPGリプレイ CoC『欠落コディペンデント』牧志&佐倉 7

おいていかないで

TRPGリプレイ【置】CoC『俺の恋人が庭からボコボコ生えてくるんだが!?』佐倉&牧志 3

皆を並ばせて写真撮るわ。
良く考えたらこの状況面白すぎるし。

TRPGリプレイ【置】CoC『Midnight pool』 佐倉&牧志 1

「僕の仕事、何だったんですか?」
「悪魔退治屋。報酬の多寡は分捕った金次第」
「え? 悪魔って言った? 退治? ぶんどるってそれ強盗では?」

【クトゥルフ神話TRPG】
本作は、「 株式会社アークライト  」及び「株式会社KADOKAWA」が権利を有する『クトゥルフ神話TRPG』の二次創作物です。

Call of Cthulhu is copyright ©1981, 2015, 2019 by Chaosium Inc. ;all rights reserved. Arranged by Arclight Inc.
Call of Cthulhu is a registered trademark of Chaosium Inc.
PUBLISHED BY KADOKAWA CORPORATION 「クトゥルフ神話TRPG」


FF XIV TTRPGリプレイ『マーチ・オブ・アルコンズ 異聞』ランドレン&ボラーク 1

「強い種ってどこで交換できる?」
「強い種? それは園芸ギルドで訊いた方がいいと思うけれど」

TRPGリプレイ CoC『キルキルイキル』海野と渡川【after TRPG】『マリトッツォを食べよう!』

キルキルイキル
海野&渡川 あとついでの藤江と徳間
「なんかの罰ゲーム? いや、美味いもんなら罰じゃねぇのか?」