こちらには
『2人用のエモシに3人来た』
のネタバレがあります。
本編見る!
牧志 浩太
俺が先頭に立ち、剣を抜いた状態で持って次の扉を開けてみる。
KP
扉を開けると、そこはいままでいた温室と打って変わって無機質な部屋だ。
天井の高さは3m程度で、奥へと続いているようだが壁が視界を遮っている。
一見すると迷路の入口のようにも見えるそこには、石板が一つ置かれていた。
牧志 浩太
「……ようやく『試練』っぽい部屋になってきたな」
牧志 浩太
それどころじゃなかったが、警戒を取り戻して周囲を見回す。
KP
そこにあるのは通路の入り口と石板だけのようだ。
波照間 紅
「迷路か何かの入り口に見えるな」
牧志 浩太
「ダンジョンを踏破しろって? COMP無しでモンスターは困るな」
佐倉 光
「なんかアミューズメントパークっぽくもあるな」
牧志 浩太
「毎回思うんだけどさ、ほんと許可取れよな。
あと代償と命の危険無しにして、そしたら普通に人気出そうなのに」
佐倉 光
「そーゆーのは観察者にとって楽しくないか、面倒なんだろうな」
KP
佐倉は肩をすくめた。
牧志 浩太
「まあそうなんだろうな。
俺達に配慮してやる筋合いはないってか。
まあそうだな、大体そうだもんな」
揃って肩をすくめる。
波照間 紅
置かれた石板を見る。
〈石板の内容〉
例え前が見えずとも、その両の手を繋いで離すな。
KP
文字の下には向かい合ってお互いの両手を繋ぐイラストが彫られており、どうやら両手を掴んだ状態で進んでいくことを想定しているようだ。
目の前の通路は、確かに2人であればどちらかが後ろ向きになったり、横這いで進んだりする必要が出てきそうな気がする。
佐倉 光
「……俺ら輪になって進まなきゃなんないわけ?」
佐倉がぽつりと呟いた。
波照間 紅
「……却って進みづらそうだな」
KP
両手を繋ぐ、となればそうせざるを得ないだろう。
牧志 浩太
「二人だけで進めば……、いや、残り一人がそのまま置いていかれたら困るな」
牧志 浩太
やればやるほど間が抜けてくるな、これ。
波照間 紅
「諦めよう」
気味が悪いより脱力が勝ってきた。
牧志と佐倉さんの手を取り、輪になって通路の奥へとのそのそ進む。
牧志 浩太
剣を腰に戻し、先輩に従って輪になって進む。
一応、俺が先頭に来る(後ろ向きになる)位置についておく。

KP
三人で手を繋ぎ通路を進み始めると、あなた方はある問題にぶち当たる。
通路が狭いのだ。
当然二人用であるから、通路のサイズも二人が通るのに適した広さになっている。
そこを3人輪になって進むのはかなり骨が折れる。

さらに牧志は剣を腰に帯びているため、たびたびそれが壁に当たってひっかかるのだ。
それを回避するために手を繋いだままぐるぐる回りながら角を曲がり進んでいくことになり、あなた方は次第に疲弊してゆくだろう。
佐倉 光
「次右……さっき左だったよな? ぐるぐる回るから分からなくなってきた」
牧志 浩太
「俺も分からなくなってきた……。無理だこれ。
明らかに三人なんて想定してないだろ」
波照間 紅
「すまない、僕も混乱してきた」
牧志 浩太
「そもそも三人の時点で想定外だろ。
無視したらどうなるんだ?

提案、試しに一直線になって進んでみないか。
向こうにも思惑があるなら、一撃で殺しには来ないだろ、きっと……。
もしかしたら、何か違うって気づくかもしれない」
牧志 浩太
疲れてきたせいで意見が雑だ。
明らかに無理なんだから仕方ない。
それで無理なら、二人で輪になって、残る一人は肩車だ肩車。
KP
と、その時、ちょうど後ろ向きに進んでいた牧志の背後に何かがふっと現れる。
牧志からは死角になっており見えないが、波照間と佐倉はしっかりとその姿を捉える。

腕が四本。足も四本。顔は首から二つ生えてプルプル震えている。右は牧志で左は波照間だ。
ニコリと笑った牧志と憤怒の表情の波照間がじっとこちらを見ている。
手足が果てしなく伸びたり、カクカクと奇妙に折れ曲がり頭を貫通したり、震えながら壁にめり込んだりしている。
リアルな人体に見えるものがそんなバグった挙動をしているのを目撃してしまった波照間と佐倉は《SANチェック成功時減少 0失敗時減少 1D2》。
波照間 紅
1d100 34 《SANチェック》 Sasa 1d100→ 15→成功
佐倉 光
1d100 50 Sasa 1d100→ 43→成功

佐倉 光
「うわキモ!?」
波照間 紅
「!?」
何だあれは!? 
奇妙な鏡でも設置されているのかと思ったが、表情が合わない!
波照間 紅
「悪魔か!?」
思わず身構えそうになるが、手は繋いでいるしCOMPは無い!
とりあえずそちらをよく見てみるが、鏡か何か設置されているだろうか?
KP
何もない。それはただ牧志の後ろでがくがくと奇妙な動きをしている。
佐倉 光
「牧志、ちょっと待て、止まれ」
牧志 浩太
「えっ、悪魔!? 何かあったのか」
その場で止まり、そちらを振り返る。
KP
牧志が振り返った瞬間、それは消え去った。
牧志 浩太
「何かいたのか」
佐倉 光
「なんつーか、うん、バグった牧志と波照間さんみたいなやつがいた」
牧志 浩太
「へっ?」
波照間 紅
「僕と牧志が繋がったようなのが出てきてな……」かくかくしかじか。
牧志 浩太
「うおわ……。何だそれ、まるきりゲームのバグじゃないか。気持ち悪。
前のあの夢みたいだけど、あの時は伸びたりしてなかったよな。
何だ、三人いるせいでここ自体がおかしくなってきてるのか?」
今度は佐倉さんと先輩が混じったのが出てくるんじゃないかと、輪になったまま周囲を見回す。
牧志 浩太
「そうなんだよな。
想像だけど、二人なら相手の偽物が出てきて惑わすとか、そういうやつなんじゃないのか?
それが、三人になったからバグったとかさ」
波照間 紅
「何者かの作為、か。
もしそういう作為の中に、僕らがいるんだとすれば……、ありえそうではあるな」
佐倉 光
「そうだなー、さっきの変なケーキや服もそうだけど、バグった感あんだよなー」
牧志 浩太
「だよな。
完全に、二人用の所に三人入れたからバグりましたって感じだ」
KP
今のところそのようなことはなさそうだ。
ところで手は離す?
牧志 浩太
周囲の様子を窺いながら、片手だけ離してみる。
何かあれば、すぐ手を握れるように身構えておく。
佐倉 光
「なんで牧志と波照間さんだけだったんだろうな?」
KP
牧志は手を離した。
すると途端、暗闇があたりを包む。それはあまりに深く、あなた方はお互いの姿を見失う。
どこからか「離したね、離したね、もう一生会えないかもね」と笑う声が聞こえ、あたりに複数の「何か」の気配を感じる。

……とはいえ、離したのは片手だけだ。なんなら一人は全く手を離していない状態である。
ちょっと不気味ではあるが。
牧志 浩太
離したっていっても、片手しか離してないしな。三人いるし。
何だかずれているせいで、恐怖よりも「うーん」という気持ちが先行してきた。うーん。
牧志 浩太
「いっそ、このまま一直線で進んでみるか」
そのまま、通路の壁に沿って一直線になって、今まで進んでいた方向に進んでみる。
KP
進もうとした途端、あたりがぱっと明るくなった。
立っていたのは鉄扉の前だ。
背後には迷路の出口らしい通路がある。
目の前には何も設置されていない台座があり、そこには『残念』と書かれた紙が置いてあった。
波照間 紅
「出られた? ……残念?」
牧志 浩太
「途中で手を放したから、この『試練』は失敗、やり直しか0点扱いで次のステージへ、ってことか?」
台座に置かれた紙を拾い上げ、裏や、他に何か書かれていないか見る。
KP
ペラペラの紙には他のことは何も書かれていない。ただただ残念である。
台座には握り拳ほどのものが置けそうな雰囲気であった。
佐倉 光
「こういうノリものすごく記憶に新しいぞ。
変な格好させられることも含め」
牧志 浩太
「……だよなあ。
ゲームみたいなのに無理やり参加させられるこの感じ、あれだよな」
波照間 紅
「?」
KP
男三人の苦行はまだ続くのでした。
牧志 浩太
男三人の苦行は楽しく眺めます。ひどいはなしだ。
KPはPCトラブルで苦行していた。
牧志 浩太
「それはともかく。
成功してればここに何かあったかもしれないか、何か手に入ってここに置けたかもしれないってことかな、これ」
波照間 紅
「そう見えるな」
佐倉 光
「そうだなー。ますますアミューズメントパークじみてきた。
さっきのは一応手を放すと怖い思いをさせられるってトラップだろうし」
牧志 浩太
「バグっててクリアできないの、普通に酷いな。変な格好し損だ。
これ、リトライはできるのかな。嫌だけど。しないけど」
背後の迷路の出口を覗き込んでみる。
KP
迷宮の出口から覗くとそちらは暗くて何も見えなかった。
中に入るのはできそうだが、道が見えないのは大変そうだ。
佐倉 光
「そのうち無茶振りされるんじゃないだろうな……」
牧志 浩太
「何なら、バグってるせいで余計に変な無茶振りになりそうで嫌だ」
波照間 紅
「現状も無茶振りではあるしな。意図しないものではあるが」
牧志 浩太
「とにかく、『二人の力で試練を潜り抜けろ。嫌がらせあり』ってのが本来の意図っぽいな。
とりあえず意図通り進んでみて、バグってたら突ついてみるか。
もしかしたら、バグってるおかげで壁すりぬけたりして出られるかもしれないし」
波照間 紅
「そうなってくると完全に、いつぞやのデヴァ・ユガだな」
佐倉 光
「実はここ電脳空間だったりすんのかな。
そうだとしても分かんねぇけど」
牧志 浩太
「実は夢、って可能性もあるんだよな。
そうだとしても分からないけどさ」
牧志 浩太
二人の力で暗闇の中を潜り抜ける。
あの映画を思い出……、すわけがない。こんなひどい状況で。
KP
男女ってとこしか共通点無いしなぁ……
戻ってみる?
牧志 浩太
いや、先の鉄扉を開け、向こうの様子を見てみる。
また輪になってぐるぐる回るのは嫌だ。あれで抜けられる気がしないし。

KP
扉を開けるとそこはいままでと打って変わってがらんとした部屋だった。
しかし部屋の中央に鎮座するそれが、同時にあなた方に強烈な印象を与える部屋でもあった。

そこに置かれていたのは巨大な天秤だ。
片方には大きな球が乗せられており完全に地面についている。
もう片方の皿は透明な水晶玉が乗せられている以外は空で宙に浮いている。天秤の裏には奥へ続く扉らしきものが見える。
牧志 浩太
「いかにも意味深になってきたな。
天秤……、謎解きか、そうでなければ何かを選べ、ってことか」
波照間 紅
「これを釣り合わせれば扉が開く、とかか?」
奥の扉に手をかけて開こうとする。
KP
奥の扉は完全に天秤の皿に押さえられていて開けることが出来ない。
何とかして動かすしかなさそうだ。
牧志 浩太
「じゃないかなって。
先輩も何となくノリが分かってきたな。
何かを犠牲にしろって言ってきて、実は正解はそうじゃないとかもありそう」
何か石板や、書かれた物がないか探す。
KP
天秤に近付いて確認すると、台座のところに銘板がはめ込まれており、以下のようなことが書かれている。
〈天秤の銘板〉
フィールド上にいる全ての者でその身を削り、天秤を釣り合わせよ。
足りない分は水晶玉に捧げるがいい。
触れて念じればその重さが自ずと分かるだろう。
KP
……全員〈聞き耳〉
牧志 浩太
1d100 97 牧志〈聞き耳〉 Sasa 1d100→ 71→成功
佐倉 光
1d100 85〈聞き耳〉 Sasa 1d100→ 76→成功
KP
「『フィールド上にいる全ての者』ってなんだよ! これじゃこの3人全員参加しないといけなくなるだろ!」
何者かの声が聞こえた。

「も、申し訳ありません、直前までカードゲームやってて……」
「エモいタイマンシナリオって俺言ったじゃん!」
「あーあどうすんだよ、あのおもり2人分だぞ。3人いたら過剰だよ……」
牧志 浩太
「…………」
思わず渋い顔になる。
何か聞こえた。明確に聞こえた。聞こえたな?
何か、もの凄くメタなフレーズまで聞こえた気がするぞ?

明らかに、いるじゃないか。
俺達をゲームに押し込んだ何者かが。
しかもいつかの奴らみたいな、愉快犯寄りの何者かだろ。これ。
佐倉 光
「なんか、聞こえた」
牧志 浩太
「誰だか知らないが、三人いるの認識してるんだな?
おおい。想定外だろ。俺達解放しろよ」
声の聞こえた方に向けて呼びかけてみる。
KP
何者かの声は聞こえなくなり、とくに反応もない。
波照間 紅
「どうした?」
牧志 浩太
「どうも思惑の違う、ってよりプレイ性の違う二人がいるみたいでさ。
そいつらのゲームに俺達巻き込まれたっぽい」かくかくしかじか。
佐倉 光
「詳細は分かんねーけど、遊ばれてるくさいな。しかもそいつらにとっても想定外の事態が起きてるようだし」
佐倉 光
「なんだよタイマンシナリオって……喧嘩すんのか?」
牧志 浩太
「完全に遊ばれてるな。
で、こっちの声は聞こえないか、取り合う気がないと。
喧嘩……、二人で協力して突破して、最後に戦わされるとか割とありえそうで嫌だ」
佐倉 光
「ものすごーく覚えがある」
KP
異世界の騎士と出会ったときのことを思い出したのか、佐倉が渋面になった。
波照間 紅
「男女のペアで最後に喧嘩は、色々やりづらくないか?」
牧志 浩太
「あー、それはそうだ」
佐倉 光
「まあ……そうすると剣持ってる方が有利すぎるか」
牧志 浩太
「とにかく、答える気がないらしいし、とりあえずさっきの想定で行くしかないな。
二人のはずが三人なんだから、難易度下がってるだろ」
佐倉 光
「だなー」
牧志 浩太
天秤に近づく。
まずは皿を傾けるなり鎖を引くなり球を押すなりして、大きな球を天秤から落とそうと試みる。
それが不可能なら、水晶玉に触れてみる。
KP
それは何かしらの金属球らしいことが分かる。しかし鉄とも鉛とも金銀とも違う不思議な金属で、それがなんであるのかは分からない。
試しに天秤に触れて動かしてみるとそこそこの重量があるが、あなた方3人の体重合計よりは軽そうだ。
大きな球は皿の上から動くことはないようだ。

それは一見すると何の変哲もない手のひらサイズの水晶玉だ。
しかし触れてみると、一瞬くらりと眩暈がしたのち目がすうっと閉じてしまう。そして瞼の裏に映し出される暗闇を見つめる中、声が聞こえてくる。
「汝の重さを差し出せ。魂のかけら、記憶、体の一部……好きなものを述べるがいい。私はその重さを計ってやろう」
目は閉じられているが、手を水晶からどけることはそう難しくない。
牧志 浩太
「やだよ。こんなのに記憶なんかやるか」
何か考える前に口から出ていた。
確実に、それはない。
牧志 浩太
……いや、さっきの会話からして、大量に入れればキャパオーバーしてぶっ壊れるとか、そんなのもあるか?
牧志 浩太
それにしても、いきなり選択肢に入れるやつじゃないな。
取られ損の可能性もあるし。
牧志 浩太
まずは「血を差し出す」とイメージする。
具体的に400mlくらい。
KP
ああ、重さを揃えるという観点なら、あなた方三人の合計の重さはこの重りよりずっと重いなと気づいて良い。
それはそれとして差し出せるか試す?
牧志 浩太
やろうとして、さっきの会話を思い出す。
そういえば三人いたら過剰だとか言ってたな。
牧志 浩太
あ。直接乗ればいいのか。単純。
うっかりまた呑まれる所だった。危ない危ない。
牧志 浩太
ヒントありがとうございます。
置きって文章中にあるヒントをうっかり読み飛ばしがち。
KP
二人で乗ろうとするとちょーっと足りないんですよね!
牧志 浩太
なるほどー!

牧志 浩太
「というわけで、直接乗ってみよう」
波照間 紅
「ああそうか、削れというのも単なる嫌がらせか」
牧志 浩太
「と思う。
自分から捧げるしかないと思い込ませて差し出させるつもりなら、性格悪いなーあいつら。
ほんと、いつかのあれを思い出す」
牧志 浩太
三人全員で、水晶玉がある天秤の皿に乗ってみる。
KP
ガコォン! と音がしてあなた方が乗った方の天秤が下がりきった。
佐倉 光
「……なるほど?」
KP
佐倉は天秤から降りた。すると、今度は重りの方がやや重い状態になる。
KP
どうやらそもそもの仕掛けとしては、二人の重さでは足りないので何かを差し出して重さを追加する、という想定であるようだ。
今回は重さを減らす必要があるようだ……
牧志 浩太
ああなるほど、そういう思惑。
そこまで性格悪いわけじゃなかった。性格悪いけど。
牧志 浩太
とりあえず、三人乗った状態から、
いかにも重そうなこの剣と甲冑を下ろして様子を見る。
牧志 浩太
それで駄目なら、天秤が下がりきる前に一瞬扉を触れるタイミングがないか目を凝らす。
触れるタイミングがあれば、隙を見て扉を開ける。
KP
では、鎧と剣を外してもまだ重いなと分かる。
わかった、時に、「汝らは釣り合わない」という声がどこからともなく聞こえてきたかと思うと、体に鞭打たれたような痛みが走った。
KP
全員HPを1d3マイナスする。
牧志 浩太
「痛て、試行回数ありかよ!」
波照間 紅
「うっ」
佐倉 光
「痛!」
牧志 浩太
1d3 まきしの Sasa 1d3→2
HP 11 → 9
波照間 紅
1d3 はてるまの Sasa 1d3→3
HP 10 → 7
佐倉 光
1d3 Sasa 1d3→2
1d100 35 【CON】 Sasa 1d100→ 1→決定的成功クリティカル)!
HP 11 → 9
KP
佐倉は痛そうに顔をしかめ、胸元を握った。
……そこにお守りはない。

KP
シナリオの書き方だと「乗ったとき判定」のようなのですが、
どのタイミングにダメージなんだ? って話になっちゃうので、
数秒同じ重さで維持された場合に判定が行われる、という感じにしました。
牧志 浩太
なるほど。

牧志 浩太
「いたた、バグってるくせに試行回数ありかよ。
ちょっと慎重にいかないとな」
牧志 浩太
「そうなると、
水晶玉を天秤から下ろして、何か水晶玉に捧げて減らしてから三人で乗る。
二人で乗って、もう一人が何か捧げて合わせる……、あたりか?」
天秤から下りて作戦会議。
KP
【アイデア】
牧志 浩太
1d100 90 牧志【アイデア】 Sasa 1d100→ 71→成功
佐倉 光
1d100 85【アイデア】
Sasa 1d100→ 77→成功
波照間 紅
1d100 85 波照間【アイデア】 Sasa 1d100→ 84→成功
KP
このチームみんな賢いな
牧志 浩太
なんですよね。【INT】高いチーム。

KP
とりあえず思いつくこととしては、「全員が天秤に『乗って』いる必要はあるのか?」ということだ。
もしかして触れてさえいればいけるのではないのか?
ぶら下がる、押し上げる、なども可能なのではないだろうか。
牧志 浩太
「あ、そうか。
例えば片手を天秤にかけておくとか、押し上げるとかでも行ける?」
波照間 紅
「やる価値はあるな」
佐倉 光
「なんか差し出すってのも馬鹿馬鹿しいしな」
牧志 浩太
「ああ。あれ聞いといて思惑通り差し出すのも馬鹿らしい。
そもそもバグってるしな、前提」
牧志 浩太
「とりあえず、さっきの傷見るよ。
一応服の布はあるし」

牧志 浩太
全員の傷に〈応急手当〉をできますか?
KP
手当は可能。
牧志 浩太
全員に〈応急手当〉を試みる。
牧志 浩太
1d100 59 自分の Sasa 1d100→ 37→成功
1d3 回復 Sasa 1d3→1
1d100 59 佐倉さんの Sasa 1d100→ 80→失敗
1d100 59 波照間の Sasa 1d100→ 28→成功
1d3 回復 Sasa 1d3→1
HP 9 → 10
波照間 紅
HP 7 → 8
佐倉 光
1d100 53 佐倉自己《ディア》 Sasa 1d100→ 34→成功
1d3 Sasa 1d3→3
HP 9 → 11

波照間 紅
「助かる、少し楽になった」
波照間 紅
「全く、強かにやられたな」
佐倉 光
「くそ、痛ぇな。あんまり何回もやられたくはねぇ、さっさと片付けよう」
牧志 浩太
「ああ。
二人が天秤に乗って、もう一人が天秤に手をかけて重さをちょうど合うように調整する、で行こう」
牧志 浩太
「まったく何がエモいだ、頓知比べじゃないか」
佐倉 光
「エモいって感動的とか良い感じがするとか悲劇とか、そういうやつだろ?」
佐倉 光
「ある意味悲劇ではある」
KP
下着姿の佐倉は股間を輝かせながらため息をついた。
波照間 紅
「ある意味悲劇で喜劇だな」
牧志 浩太
「やる方は悲劇100%だよなー……。
そりゃ感情は動くけどさ、怒りとか呆れ方面に」
KP
※調整役は【DEX】【STR】が高い者がやった方が良いかもしれない。これは別に結果に影響しない。
牧志 浩太
波照間と佐倉さんが乗り、下から牧志が【STR】11で調整しよう。
KP
佐倉は天秤の中で姿勢を低くして高さを見る。
佐倉 光
「もうちょっと上……あ、行き過ぎもうちょい下……オッケーそのまま維持」
KP
そうやって数秒待つと。
「汝らは釣り合った。互いの重さを確かめ合い、進むがいい」という声がしたかと思うと、水晶がぱきんと音を立てて割れた。
そして中から先ほどまではなかったであろう青い宝石が転がり出てきた。報酬か何かだろうか。
天秤の裏側の壁にある扉はいつの間にか少し開いている。先に進めそうだ。
牧志 浩太
「うまくいった、らしいな」
青い宝石をキャッチ。しまう所に余裕がありそうな俺が持っておこう。
先輩も佐倉さんも、しまう所なさそうだし。
隠し場所
KP
佐倉のしまう所……海パン刑事になってしまう。
牧志 浩太
なってしまう。女物パンツは四次元じゃなさそうだしやめよう。
KP
はみ出るとかそれ以前に痛そう。
牧志 浩太
痛そう。すごい挟みそうだしゴロゴロしそう。
KP
さすがに貰っても胸の下着は着けてないと思います……必要ないし。
牧志 浩太
それこそ何かをしまう役にしか立たない。

牧志 浩太
「なるほど、相手の意図は『そういうの』ってことだ。
二人を悩ませたり、葛藤させりするようなの。

ただ、三人になったせいでバグってて、そこに付け入る隙がある。

そういうの、ずっと昔に覚えがあるな。
……そういえばあの時だって、『三人になった』から、何とかなったんだ」
波照間 紅
「あの時?」
牧志 浩太
短く話をする。一人の猟師のおかげで助かった時の話。
佐倉 光
「ああ、元気かなぁ」
本当にあの時は彼がいてくれたお陰で助かったんだ。
牧志 浩太
「きっと元気だよ。
あれを処分する方法も見つかって、一杯やって……」
牧志 浩太
扉を開け、向こうの様子を見る。

KP
部屋に入ると、まず最初にむわっとした獣臭が鼻をつく。
続いて、目の前に壁のようにはめ込まれた扉つきの檻があり、その奥に先へ進む扉が見えた。
しかし檻の中にいるそれに、あなた方の目は奪われることになる。

それは人ほどの大きさがあり、二足で歩いていた。
だがその足は蹄がついており、全身が毛で覆われている。頭には角が生えており、尻には短い尾もある。
一見すると立ったヤギのようにも見えるが、その顔は草食動物のそれではない。巨大な口からは牙が覗いており、明らかに肉を引きちぎるための形状をしている。
それはあなた方に気付くと、不快な鳴き声をあげながらこちらを威嚇してくる。

そんな奇怪な怪物を目撃したあなた方は《SANチェック成功時減少 0失敗時減少 1d5》。
KP
檻の手前には台座が設置されており、そこには鍵と一枚のメモ、それから輪が4つある手錠が一つ置かれている。
牧志 浩太
「うわ出た」

真っ先に出た声はそれだった。
うわ、本当にモンスター出た。
牧志 浩太
1d100 50 牧志《SANチェック》 Sasa 1d100→ 19→成功
波照間 紅
1d100 34 波照間《SANチェック》 Sasa 1d100→ 25→成功
佐倉 光
1d100 49 《SANチェック》 Sasa 1d100→ 46→成功
波照間 紅
「悪魔!?」
咄嗟に身構える。背中でまた手が空を切る。
勢いでドレスがふわりとめくれ上がったが、例によって股間だけ謎にブロックされていた。
波照間 紅
「いや、こいつもその、仕掛け? の一端か。驚いた?」
数度目を瞬く。キマイラの一種か何かか。
色々不整合で苦労しそうな出で立ちをしているな、と思った。
牧志 浩太
「で、また嫌な感じの物が置かれてるなー」

半ば現実逃避で、後退りながら呟く。
ここ現実か知らないけどまあ、現状的には現実。
佐倉 光
「また拘束……なんだよこの手のヤツ全員拘束フェチかよ」
KP
佐倉は心底うんざりしたような声を上げた。
牧志 浩太
「ああ、そういう……。
いや本当にそれだよ。
最近拘束されすぎだろ、俺達」
〈手紙の内容〉
手錠を嵌めて檻の鍵で扉を開き、中に入れ。手錠の鍵は怪物の腹の中にある。
KP
どうやら2人が手錠をした状態でこの怪物と戦うのがこの部屋の主目的のようだ。
手錠の形状は一般的な手錠を横にしたあと縦に繋げたような形をしており、向かい合わせでなら2人で剣を握ることが出来る。
つまり2人が不自由な中息を合わせて剣を振ることで怪物に立ち向かうということだ。

……1人余るわけだが。
波照間 紅
「空中から突然僕らを鞭打った所からして、手錠をせずに入ればいい、とは行きそうにないな」
牧志 浩太
「……ここは全員でやれ、とは書いてないよな。
俺と先輩だけ手錠をして、佐倉さんには補助に回ってもらうか?」
牧志 浩太
「本当なら檻越しに突き刺したい所だけどなー、こんなの。
それか、こいつに手錠を嵌めてしまうか」
佐倉 光
「そんなの、手錠つけてないヤツが剣持った方がいいだろ」
佐倉 光
「俺、剣なんか使えないけど」
KP
佐倉はそう言って牧志の腰に下がっている剣を貸してくれと手を出す。
余程拘束されるのが嫌らしく、試してみる気にはなったらしい。
ところで牧志、あなたは剣を手にするならスムーズに振ることが出来ると分かって良い。

手錠をバケモノにはめるのは……難しいのではないだろうか。
手錠をはめるのは相手の協力か、さもなくば少しの間でも無力化することが必要である。
牧志 浩太
「三人のうち二人が手錠をつけて、自由な一人が剣を持つでも、『二人で手錠をつける』『怪物と戦う』って条件は満たせる……、か」
波照間 紅
「『手錠をつけた人間が剣を持っているかどうか』を検知していなければ、使える手段だな」
牧志 浩太
「分かった、頼む」
剣を外し、まずは佐倉さんに持ってもらって使えそうか試してもらう。
KP
佐倉は剣を手にして、そして驚くほど軽やかに振り回した。
佐倉 光
「……意外と行けそうだな」
KP
使った本人が驚いている。
KP
>※牧志と佐倉は剣を使うときにバフがかかって、楽々と使いこなすことができる。
〈剣〉(初期値:20)+50
ダメージ1d8+db。
手錠をつけたふたりの【DEX】は2人の数値を足して2で割ったものを使う。〈回避〉は数値の高いほうを使用する。
KP
牧志も佐倉もダメボは0だったかな。
牧志 浩太
二人ともダメボは0ですね。
牧志 浩太
「えっ、結構行けそう。
実は俺も、それ見てると振り回せそうな気がしててさ」
波照間 紅
「『ただ殺す』ことが目的じゃない、ということか。『戦える道具』ではあるんだな」
牧志 浩太
「とすると、甲冑も佐倉さんに着てもらった方がいいな。
俺達が手錠をつけて、佐倉さんが自由になって怪物と戦うんだ」
佐倉さんと服を交換しようと提案。
牧志 浩太
その格好はだいぶ嫌だけど、生存のためだ生存の。
KP
佐倉は手錠をじっと見て、剣と見比べて、そして頷いた。
佐倉 光
「……分かった。借りる」
KP
佐倉はあなたが脱いだ鎧を身につける。
脱がれた下着はあまりにも心細い布きれだが……つける?
牧志 浩太
うーーーーーん。
足も入るとは思えない小さい布切れ。
しかも妙な背徳感を醸し出すレース。
その上、直前まで佐倉さんの股間に密着してたやつ。

嫌だ。だいぶ嫌だ、けど。
牧志 浩太
裸は裸で座りが悪い!
牧志 浩太
諦めよう。下着をつける。
うっ、妙な圧迫感と温もり。
KP
佐倉細いからまだましだったけど、牧志はもっときつそうだなー
牧志 浩太
牧志はねぇ。普通程度の筋肉はありそうですしね。パッツパツのキッツキツになる。

KP
小さな布切れば引っ張ると「ビッ」と不穏な音と手応えを返してきた。
綺麗なレースのそれは、男性の体を包むようには出来ていないのだ。
見下ろすと不自然な輝きがそこを覆っていて、破れたのかどうかもよく分からない。
あとちょっと寒い。
牧志 浩太
「ゲッ」
綺麗な最低限の布は、明らかに想定外の形を押し込まれて不穏な音を立てた。
辛うじて入った……、の、か?
牧志 浩太
股間がきつきつに圧迫されて、僅かな動きも許さない。
そろそろと足を動かそうとすると、また不穏な音が聞こえたような気がした。

こ、これ、着けた方が動きづらいんじゃないのか!?
思わずおっかなびっくりした動きになってしまう。そろそろと可動域を確認する。
牧志 浩太
「ひぇ」
何だこれ。怖い。
KP
あまりにも華奢で危うい布きれを気にしながら、あなたは股関節を動かす。
ものすごく引きつった感じになるし抑えつけられるしお世辞にも着心地がいいとは言えないが、一応隠されるべきものは隠された感覚はある。
見た目で言うと履いていようが履いていまいが光っているのだが、感覚は大切なのである。
牧志 浩太
とりあえず布で覆われてる感覚だけで、落ち着くものはあるんだ。うん。
急所だし。防御力ないけど。
佐倉 光
「……よし……」
KP
佐倉は少しほっとしたような顔をして、全身のベルトを確認している。
牧志 浩太
とにかく、鍵を拾い、先輩の腕に手錠をつけて準備を整える。
自分の分は先輩につけてもらう。
牧志 浩太
「自分から手錠をつけるってのも、変な気分だなー」
波照間 紅
「確かにな」
牧志 浩太
牧志の【DEX】8、波照間の【DEX】5なので、13/2=切り捨てなら6。
〈回避〉は牧志の23のほうが高い。
KP
冷たい手錠はしっかりとあなた方の腕にはまりその自由を奪った。
確かにこのまま剣を振るうことも可能かと思われるが、多少は動きに制限がかかりそうだ。
牧志 浩太
「とりあえず、準備はできた。行こう」
佐倉さんに声をかけ、準備が整っているようなら、檻の扉を開ける。
佐倉 光
「分かった! 開けるぞ」
KP
佐倉が鍵を使って鉄格子の扉を開けると、中の怪物はあなた方を待ちかねていたかのように飛び跳ねる。
あなた方は3人で力を合わせてこの怪物に立ち向かうことになる。

コメント By.KP(佐倉)
二人で入るべき場所に三人で入ると色々とおかしな事になるのであり。
それは悲劇にも喜劇にもなるのであり。

プレイ日:2025年12月2日 ~ 2025年12月15日

作者名: 自惚屋。booth部/香月悠

配布・販売サイト: 【CoC】2人用のエモシに3人来た SPLL:E190466

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