こちらには
『星を喰む』『PYX』
のネタバレがあります。
本編見る!
KP
緑色の輝きが行く手に見えた。
先ほどのような星が、道の端にいくつか浮かんでいる。
「口寂しかったら食べるといいよ」
リードは佐倉を見て言った。
佐倉 光
「また星か。……まあ、美味くは……あったかな」
KP
佐倉はあなたに振り向く。
佐倉 光
「折角だから食ってみようかと思うんだけど、どうする?」
牧志 浩太
「そうだな、もう少しだけ。
違う味の星があるのかどうかも気になるし」

その中で先程と違う雰囲気の星がないか探し、あればそれを少し眺めてから口にする。
なければ、どれか一つを手に取って口にする。
KP
その星の大きさは2センチほど。丸みを帯びたその星は翡翠色に光り、ところどころ凹んだような跡がある。
触れるとひんやりしていて、氷菓子のように冷たい。

あなたは星を、自らの口に放り込む。それを噛めば、かり、と軽い音が口内に響いた。
舌に伝わるのは、カカオのような苦味だ。かすかな冷たさと苦みが喉を通り、溶けていく。

その瞬間、あなたの心はぴんと張りつめるような凍えを感じた。
世界の何もかもに呑み込まれるような。果てしない何かに押しつぶされるような。
その冷たさに、あなたは既視感を覚えるかもしれない。
まるで、いつかあなたが感じた「恐怖」と呼ばれるようなもの。

だが直後、それは錯覚のように胸から消えた。
あなたの心に残ったのは、凪のように穏やかな静けさだった。
KP
SAN値回復 1D5
佐倉 光
隣で佐倉がかすかに息をのんだ。
佐倉 光
1D5 Sasa 1D5→5
SAN 42 → 47
牧志 浩太
1d5 Sasa 1d5→2
SAN 55(MAX)

牧志 浩太
「……」
喉の奥へ落ちていく感触とともにやってきたのは、予想を裏切る感覚だった。

胸の奥に冷たく射し込むような、頭の中を掻き回して無意味な行動に駆り立てるような。
全速力でそれから逃れたい衝動を掻き立てるのに、実体がなく、終わりもない。
牧志 浩太
俺は一度そこから生じる不安で、何もかもをめちゃくちゃにしかけた。

それを癒してくれたのは、穏やかな時間と、やさしい何かたちだ。
牧志 浩太
少し遠くなっていたその感情を、魂に教え直されたような味がした。
牧志 浩太
「意外な味。結構バリエーションあるんだな」
胸を押さえてそれだけ口にした。
佐倉 光
「この体になって、こんな思いをすることなんて二度とないんだと、思っていた」
KP
リードはあなたに頷いて、佐倉をじっと見た。
そして「じゃあ行こうか? 月はまだ先なんだ」と言うと歩き出す。
KP
結果的にだけど牧志のこんな反応引き出せたし、前段と分ける必要ないなと思い直しました。
牧志 浩太
確かに。結果としてわりと繋がりましたもんね。
牧志の神としての欲。
佐倉 光
「この感覚、俺も何度か味わったことがある……」
佐倉 光
「思い出さないようにしていたんだな、ということを今思い出した」
牧志 浩太
「だよな、俺もだよ。
もう、こんな思いを本当にすることなんて、ないと思ってた」
KP
「あまり美味しくなかったかな?」
リードは首を傾げた。
佐倉 光
「決して美味くはないんだ。
ただ、なんかクセになりそうな味だ」
牧志 浩太
「美味しくはないけど、俺達が人間なら、必要な味だったな。
忘れちゃ、いけなかった」
牧志 浩太
少年の後をついて歩きだしながら、星はまだ他にないのか、と行く先の道の端を目で追っていた。

この心から知らないうちに欠けつつあったものの存在を知って、味わって、もっと欲しいという気持ちが芽生えている。

欠けたものを、埋めたい。欲しい。味わいたい。
人間の俺には、これが必要だ。
KP
「気に入った?
きみにはもう必要ないかと思っていたんだけど、むしろ」
リードはあなたをしげしげと見つめた。
牧志 浩太
「うん、まあ少し。
忘れそうになってたものを思い出すような味だったんだ」
KP
「必要なのかい? それ。
もう少し先にもあるはずだ」
リードは道の先、変化のないように見える空の向こうを指した。
牧志 浩太
これがあれば、大事なものを見失わずにいられるんじゃないか。
この力を掻き集めて俺のものにすれば、もっとたくさんの俺達を助けられるんじゃないか。

そんな欲が擡げて、頭の中で否定する。
この欲は、きっといいものじゃない。
KP
「それにしても、今日は星の様子が違うな」
牧志 浩太
「様子が違う? どう違うんだ?」
空を見上げ、空の上の星たちに注意を向けてみる。
KP
「オリオン座が見当たらないなってね。
大体の人は言うもんだから覚えちゃったよ」
牧志 浩太
「街中でもよく見える星座だからな、有名なんだ」
牧志 浩太
「そう、星の並びが違うなと思ってたんだ。
そういうものかと思ってたけど、普段なら星座はあるのか?」
KP
「あるね。話をきく限り、そのひとがよく見る空であることが多いようだけど」
KP
「まああまり気にするようなことでもないかな。
きみたちにはこう見えてる、ってだけだろうし。
あまり空を気にするような生活してないとか?」
リードは興味を失ったように肩をすくめた。
KP
きっと、あなたの本質が人ではないので視点が違うのだろう。
牧志 浩太
「ああ、そうなんだ。
ってことは、今ここは俺達の世界になってるんだな、ある意味」
牧志 浩太
「違う所から見た空でも混じったかな。
それか夢の中の空になっちゃってるとか?

そういえば、あっちで星の並びとか、ちゃんと見てみてなかったな。
佐倉さんは見てた?」
佐倉 光
「いや、そんな余裕はなかったな。
いつもと見た目が違っても、異世界だしこんなものだろうと思うだけだし」
牧志 浩太
「それもそうか。
そんな場合じゃなかったしな。
今度、ちょっと見に行ってみようかな」
KP
リードは首を傾げた。
「ぼくがもらった情報にはそんなのなかったけど、異世界出身者?」
牧志 浩太
「出身じゃないな。
妙な縁があってさ」
KP
「ふーん……
きみたちみたいな妙なものに好かれやすいひとだとたまに見るよ」
佐倉 光
1d100 65 さくらの〈心理学〉 Sasa 1d100→ 53→成功
佐倉 光
「もっと星を食べたいって思ったろ。少し」
KP
佐倉はあなたの目を覗き込むようにした。
牧志 浩太
「正直、思ったよ。
もっと食べたい。
もっと食べたら、大事なものを忘れないで、遠くならないで済む気がした。

この星をみんな俺のものにしたら、もっと色んな俺達を助けられるんじゃないかって、ちょっと思った」
黒い眼を見て、ゆっくりと頷く。
佐倉 光
「例えばそれが可能だとしても、どうせ治るからって考えで自分を削るのは、あんま良くねぇ気がするな」
KP
佐倉はリードを見る。
佐倉 光
「大体この星、何でできてるか分かったもんじゃないし」
KP
リードは知らんぷりをした。
佐倉 光
「人間、手が届く範囲しか守れないって言ったことあるだろ。
今回のことで神だろうと変わんねぇなって思ったよ」
牧志 浩太
「そうだな、そう思った。
少しくらい力を手に入れても、手の届く範囲がちょっと増えるだけなんだ。

それに、これを全部俺のにしちゃったら、それはそれで自分を見失う気がするな」
牧志 浩太
「ごめん。ありがとう、佐倉さん」
きらめく星々の誘惑から目をそらし、前を向く。
KP
「きみたち、普通の人間じゃないのかい?」
リードは怪訝そうに問いかける。
牧志 浩太
うーん、と佐倉さんの顔を見る。
牧志 浩太
「言う?」
佐倉 光
「人間人間」
佐倉は雑に手を振った。
KP
「ふぅん?」
リードはしばらくあなた方を見ていたが、そのまま歩を進めた。

KP
更に暫く歩くと、道の端に今度は真っ赤なザクロを思わせる星が浮いていた。
「もっと食べたいなら、あれなんかどうだい?」
リードはその星を指さす。
牧志 浩太
好奇心との間で少し迷って、首を振った。
牧志 浩太
「俺はいいよ、やめとく。
佐倉さん、食べるなら感想聞いていい?」
佐倉 光
「食ってみようかな」
KP
佐倉は道の端に行き、手を伸ばして星を掴み取った。
佐倉 光
「暖かい……というか、熱いというか……いや、温度自体はそんな高くねーんだけど」
KP
佐倉がつまんだ星は今までのものより随分刺々しく、どこか攻撃的なものを感じさせた。
佐倉 光
「辛そう」
KP
佐倉は呟いて星を口に放り込んだ。
その顎が動くと同時、彼は目を見開いた。
佐倉 光
「……」
KP
反射的に拳を握り、それを胸のあたりに当て、目を閉じ深呼吸をする。
佐倉 光
「……」
佐倉 光
1d5+10 Sasa 1d5+10→ 5+10→合計15
SAN 42 → 57
KP
リードは静かな目で佐倉を見つめていた。
KP
佐倉はふっと軽く息をついて目を開いた。
既にその目から感情の波は去り、静かに清んでいた。
佐倉 光
「一瞬すっげぇ辛くて……頭がかっとなった」
佐倉 光
「怒りだ。それも半端じゃない。全てを灼き尽くしたいと願うような」
牧志 浩太
「怒りか……そうか、怒りだったのか。
食べたかったような気もするし、もし誰かのものなら、俺が食べるべきじゃないような気もするな」
KP
「別に、食べても構わないと思うけどね。
ここに在るものはただ消えるだけだったものだ。
君たちが活かしてやったほうがいいんじゃないのかな」
佐倉 光
「誰かの怒り、か。
それなら覚えておいてやるってのもいいかもな」
佐倉 光
「俺があの時、氷の洞窟で壊れるのを止めてくれたのはきっと、お前と、
誰かを救いたいと願った誰かの想いだったんじゃないかって気がする。
あの花が思い出させてくれた」
牧志 浩太
「あの、青い花か。
ああ、俺もそんな気がしてるんだ。
あの海の底で、誰かが願ってくれた気がしてる」
牧志 浩太
「消えるだけのもの……、か。
そうなんだな。それなら」
牧志 浩太
「俺のものにするためじゃなくて、俺の中で取っておくために」
道を行く前に、赤い星をひとつ手に取ることはできるだろうか?
KP
できます。
KP
星は指先でかっと燃えた気がした。
しかし実際には体温より少し高い程度の温度でしかない。
棘は鋭く見えるが指先で触れると少し崩れる。口に入れても体内を傷つけられる心配はなさそうだ。
牧志 浩太
「……」
星の輝きに耳を澄ますように目を閉じて、胸に手を当て、それを口に入れる。
よく噛んで味わい、呑み込む。
KP
カリッ、という軽やかな感覚とともに星は砕け、中からあふれ出た辛味が舌を刺激した。
口の中が熱く燃える。
KP
飲み下した瞬間、かっと頭の奥が熱くなった。
それは何かにぶつけたいような激しい憤りで、地団駄を踏みたくなるような悔しさ。目の奥が痛む。動悸が耳を叩く。喉の奥で叫び声のようなものが暴れる。
だがそうしたとしても、どうしようもないことだけは分かってしまう。
持て余した激情は、あなたの胸をひどくしめつけた。
牧志 浩太
ままならない苛立ちにも似た感情を、自分自身を内から壊そうとする叫びを、じっと隅々まで感じ取ろうとする。

それは憎しみと悲しみに似ていて、少し違う。
望まない現状を、望まないのだと叫ぶ力だ。
俺の手の届かないどこかで、誰にも届かない叫びになって尽きてしまった力だ。
KP
しかし直後、それは錯覚のように胸から消えていた。
あなたの心に残ったのは、凪のように穏やかな静けさだけだった。
口の中の熱も引いて、すっきりしていた。
KP
「どんな味がした?」
リードはあなたに問いかけてくる。
牧志 浩太
「苦くて辛くて、ちょっと覚えのある味かな」
一通り噛みしめ終えてから、そんな言葉にまとめた。
KP
「人間は、そういうのでも味わいたいって思うもの?」
リードはちらと振り向いた。
佐倉 光
「進んで味わいたいもんじゃねーけど、感情としては必要、ってとこかなぁ」
牧志 浩太
「普段は味わわないで済むに越したことはないけど、大事な時には必要かな」
佐倉 光
「そういうのないと、前に進めないこともあるからな」
KP
佐倉は少し遠い目をして笑った。
佐倉 光
「随分遠くまで来たな。まあ今更、戻りたいとも思わないけど」
牧志 浩太
「そうだな、随分遠くまで来た。
でも、佐倉さんやシローやみんなが、同じ所にいてくれてよかったな、って思うよ」

生きている星空の下。
遠く遠く辿ってきた道を振り返って、笑い返した。

あるもの全て取り戻した、ながいながい旅の先だ。
佐倉 光
「まさか牧志と一生? 一緒にいることになるなんて思ってなかった」
KP
佐倉は右手を見下ろしてくすりと笑った。
佐倉 光
「ま、退屈はしねーな」
牧志 浩太
「俺も。まさか、佐倉さんとひとつになるとは思ってなかった」
牧志 浩太
「これはこれで、いいな」
その手を見下ろして、笑いが浮かんだ。
離れなくなっちゃったわけか、ある意味。
KP
あなたの足元で星がさらさらと音を立て笑う。
KP
リードはさあ行こう、と手を振った。
「そろそろ、きみたちも満たされてきた頃だろう?
月はあと少し先だよ」
人の心もつ神
KP
もうそろそろ終盤です。
牧志 浩太
はーい。
PYX第三話の始まりだった月が今回の終着点っていうのも面白い。
KP
ああー、確かに。
KP
同じ存在になっちゃったし元人間という立場上他の神格とあまり話合いそうにないし、これはもう消えるまでずっとの付き合いが確定したなって。
人間の時に「一緒に歩く」と誓うのと全然重み違うなって。
牧志 浩太
これは神話解釈によるんですが、
ニャルラトホテプって、一説によれば「神格の中で唯一、真に魂と人格を持つ存在」なんだそうですよ。
だとすると、本当に互いに唯一。>他の神格と話あわない
旧神側は結構人格持ってそうな人達いるけど、この世界(ルート)だと旧神>>>ニャルみたいなので、それはそれで対等に話ができそうにないしなぁ。
KP
今回の真相って『ニャルラトホテプ』は知ってるのかな。知ってるんだろうなー。
これを言い過ぎると何も遊べなくなっちゃうんだけどな。
牧志 浩太
『ニャルラトホテプ』はすべて知っていても、「牧志」や「佐倉さん」はその真相をすぐには引き出せないかもしれませんし。

人間の心にすべては抱えきれないだろうから、ふだんは忘れていて、ふっと言われて思い出すようなことが随分あるかもしれないし。

あとは、今起きている出来事とすぐに結びつかない、のもある気がします。
CoCのルルブ全部読んでる人間でも、シナリオの真相がすぐには分からないように。

佐倉 光
「お、見ろよ、オリオンだ」
佐倉が指した方に、見覚えのある並びの星が見えていた。
牧志 浩太
「お、ほんとだ。元の世界に近づいてるからかな?
それとも、俺達の魂が満たされてきたからかな」
KP
「……そうかもね」

そうして更にしばらく歩く。

どれくらい歩いたのか。
退屈しのぎに佐倉が宇宙の成り立ちについての話を始めた。
『あなた』にとっては馬鹿馬鹿しいとすら思える、人間の矮小な見解でようやっとひねり出した話だ。
それに、ここの星にはおそらく全く関係ない話だ。
牧志 浩太
土星の猫もイス人の図書館も、双子の神すら出てこない話に、静かに耳を傾けた。
それは芸術的とさえ言える空想で、前提がまちがっていることを除けば、美しく辻褄の合ったひとつの世界だった。

その世界に親しんでいた日々の思い出も相まって、それはちゃんと美しいのだ、と思えた。
KP
そして、星の並びから生み出された星座とその物語について。
といっても佐倉が知っているのは有名なものをいくつか、といったレベルだったが。
牧志 浩太
語られる物語に知っている内容を言い添え、膨らませ、補足しながら話を継ぐ。

ずっと前に親しんだ話だ。
俺が生まれたときに持っていた記憶の中で、一番よく覚えていたのが星のことだった。
KP
「ふーん。人間は神は勝手で気まぐれだ、ってことだけはよく知っているんだな」
リードはくすりと笑った。
佐倉 光
「そうだな、神は勝手で気紛れだ」
佐倉もくすりと笑った。多分リードが抱いた感想とは別の理由で。
牧志 浩太
「勝手で気紛れなものが神なのかもしれないな」

俺達の領域である夢のことを思い出した。
あれは元々神の夢ではなく、人間の夢だという。

そこを住処とする神々がいる。
それなら俺達そのものだって、もしかして人間の夢だったり……、なんてな?
KP
「ギリシア神話だろう。それは知ってるよ。きみが知っている話はそれだけ?」
牧志 浩太
「なかなか厳しいな。
じゃあ、ギリシャ神話以外の星座神話?
それとも、ちょっとマイナーな星座の話にしようか。

地域によっては、星座一つ一つの物語じゃなくて、大きな神話の中に星座があるだけの所もあるから、どこまで星座の話って言っていいか難しいんだよな。

近隣の大国から星座を輸入して、暦のために使っていた国もあるし……」
『僕』はこれが好きだったのだと思い出した所で、そんな挑戦的な振り方をされたから、つい饒舌になる。
佐倉 光
「波照間さん降ろしちゃったなー」
KP
佐倉は笑って話をあなたに譲り、観客になった。
KP
リードはあなたの話を楽しそうに聞く。
リード自身も人が作り上げた星座や神話、それも各国の物に関する知識が多いらしく、あなたの応戦ににわかに楽しげな顔になる。
佐倉 光
「お前ら詳しいなぁー」
完全についていけなくなった佐倉が感心したような声を上げた。
KP
「月の話はどうだい、浩太。これから向かう場所について人間はどんな神話を語っている?」
KP
【知識】/2〈天文学〉 で判定。ただしあなたは波照間の〈天文学〉を使っても良い。
〈歴史〉〈オカルト〉も振っていいや。
牧志 浩太
1d100 73〈天文学〉 Sasa 1d100→ 60→成功
KP
そうだなー。判定は三度。好きなスキルで振ってください。
牧志 浩太
1d100 79 〈歴史〉 Sasa 1d100→ 83→失敗
1d100 73〈天文学〉 Sasa 1d100→ 47→成功
KP
〈天文学〉と言うより〈人文学〉〈オカルト〉だったかなこれ。まあいいや。

KP
月は多くの場合、死と再生のシンボルである。
エジプトにいる聖職者は、月を『宇宙の母』と名付けた。
『月は湿気を与え、妊娠させる光を持ち、生ける者の誕生と植物の結実を促進する』からだと言われている。
牧志 浩太
「月か。月の話なら、星座より随分多いよ。
やっぱり、大きな星で存在感があるからかな。

意味深な模様もあるし、人間が大きな明かりを生み出すまでは、夜の唯一の明かりだった……、
そういえば、太陽がそうであるのと同じように、月も死と再生や、それから母の属性を託されるな」
牧志 浩太
月にいる娘の有名な物語やウサギの話、月で刑罰を受けた男の話や、ヒキガエルの話。
太陽の神と月の神の話、それから変若水の話に、エジプト神話の話と、つぎつぎと語っていく。
KP
「おっと……さすがよく知っているなきみは。
ローマの宗教は『正しい者の霊魂は月で浄化される』と啓示したね。
所詮神話と馬鹿にしたものでもないんだ。
月には強い力がある……」
KP
「――たとえば【 死んだ者の精神を『星』に変形させる力 】とかね 」
牧志 浩太
「何となくそんな気がしてたよ、途中から。
なあ、星にされてしまった死者は、『どうなる』んだ?
想いを抱えたままずっと、そこにいるのか?」
KP
道の端に、青い小さな星が浮かんでいた。
あなたは何故か、その星に呼ばれた気がした。
佐倉が「あ」と声を上げて逆側を見る。
天の川の反対側の端にもうひとつ、青い星が涙のように浮かんでいた。
牧志 浩太
「あれ……、あの星。
織姫と彦星みたいだな」
自分を呼んだように思えた星をひとつ、拾い上げてみる。
KP
それは今までと同じく2センチほどの小さな星で、しかしとげとげしさはなくほのかに暖かい。
綺麗な丸い形をしたその星には無数の穴が開いていた。
海の底のように綺麗な紺碧でひっそりと輝いている。
その輝きはあまりに弱く、「呼ばれた」と感じなければきっと気付かず通り過ぎていただろう。

星を見つめていると、佐倉が道の逆端から星を持ってきた。
彼が持ってきたのも似たような丸い星で、だがこちらには穴はなく、より強い光を放っていた。
まるで叫んでいるかのような光だった。
佐倉 光
「なんだろうな、こいつに呼ばれた気がした」
牧志 浩太
「ああ。俺はこっちの星に呼ばれた気がしたんだ」
KP
「それは死者じゃないよ。死者が残したかたわれとでもいうかな……」
リードは足を止めた。
「きみたちは、『精神』と『魂』の違いを考えたことはある?」
牧志 浩太
「精神と、魂の違い?
いや……、正直、あまり考えたことがなかったな。
魂の方が、もっと色々含んでそうではあるけど」

人間の使う言葉でなのか、そうでないのか。
一瞬色々と考えて、結局素直に口を開いた。
KP
「人間は、天国だの地獄だの輪廻転生だの、いろいろ考えるみたいだけどさ、結局そこに行くのって『魂』だけなんだよ。
それじゃあ、残された『精神』はどうなるか」
リードはあなたが持っている星を見下ろした。

「肉体に残るんだよ。
心臓が動かなくなろうと脳が機能しなくなろうと、そこに在り続ける。ただ動かなくなるだけでね。
……たまに夢の世界に飛ばされてしまう精神もあるようだけど、まあそれはおいといて……」
佐倉 光
「……」
牧志 浩太
「そうか……、置いていかれてしまうのか」
手元の星を見下ろして、ぽつりと呟いた。
牧志 浩太
「魂が生まれ変わっても、そこには行けないんだ。
……もしかしたら、それが、記憶をなくして生まれ変わるってことなのかもしれないな」
牧志 浩太
それを思うと途方もなく寂しくて、孤独な気がした。
やっぱり助けたいという思いがよぎって、小さく首を振る。
次の言葉を待つ。
KP
「その、機能しなくなった精神を、『生きている人間』に活かしたいと考えた神がいるんだ。
かの神は、なんでもかんでも変形させる力を持っていてね。
更に月の光を利用して、
【肉体が死んだ人間の精神を『星』に変形させる】ことに成功したんだ」
そう言って、リードはあなたが持っている星を指した。

夜空にまたたく星。輝きを放つそれ。
あなたが口にし、噛みしめ、呑みくだしたもの。

「この星を喰べて、体内に消化する。
そうすることで、きみは【肉体的に死んだ人間の精神―――他人の正気を、
自分の正気として消化することができた】んだ」
佐倉 光
「残留思念……ってやつかな……死の間際、そのままの精神か」
牧志 浩太
「そうなるな。
……ずうっと、そこに残されたままの精神、か。

やっぱりあれは、誰かの気持ちだったんだ。
俺達、誰かの気持ちを食べて生きるんだな」
KP
※あ。ちょっとした都合により、穴だらけの星は佐倉の方にさせてください。
叫ぶように光る星が牧志を呼んだ。
牧志 浩太
※はーい
KP
ああー。これやっぱり連星でも良かったかも。
まあ折角の天の川だしね。
牧志 浩太
まあせっかく星座の話を語ったあとですし。
牧志 浩太
手元の星。
自分を呼んでいるように感じる星を、よく見てみる。

佐倉さんが持っている、もうひとつの星の傍らに置いてみるが、何か星の様子に変化はあるだろうか?
また、組み合わせられるような部位はあるだろうか?
KP
二つの青い星は全く様子が変わることはない。
穴だらけのひとつはぼんやりと弱々しく、強い光を放つもう一つは何かを呼ぶように、光り続けている。
KP
「何か思うところでもあるのかい?
ただ例えばそれが君たちの知る人だったとしても、そこに魂はないんだ。
それは死を迎えた時の精神がそのままの形で保存されているだけのもの、
それ自体が何かを感じたりはしないし、変化もしないんだ。
もう死んで、残されただけのものだからね」
佐倉 光
「……隣に置いたからって、こいつらがそれと認識することもない、ってことか」
牧志 浩太
リードは「もう変化しない」ということについて、何か含みや、隠していることを持っていないだろうか?

その真意を探ろうとしますが、〈心理学〉で判定することはできますか?
KP
リードは隠し事をしているようには見えない。
それでもやはり疑うようなら判定。
牧志 浩太
判定はしません。
佐倉 光
「なあ、牧志……俺はこいつを知っている気がするよ」
牧志 浩太
「知ってる、だって?
それで、俺達を呼んでるのかな、こいつ」
KP
組み合わせたいなら、半分に割ってくっつけるなどだろうか。
今までのことを考えれば、噛み割ることは簡単にできるだろう。
すぐ崩れてしまうだろうが。
牧志 浩太
「……」
手元のそれを見下ろして、少し、躊躇う。
これがただの置いていかれた気持ちでも、勝手に終わらせるべきじゃないんじゃないか。
牧志 浩太
でも。
これが俺を呼んだ誰かなら、最後に受け取ってやることくらいはできるかもしれない。
KP
つまり、牧志を呼んだのは「死の間際に牧志に強い執着を持った誰かの星」ってことになります。
佐倉も同様。
牧志 浩太
なるほどー。
KP
誰のか情報が欲しかったら言う。
牧志 浩太
そこは出さなくても大丈夫です。
食べた時には知りたいかな。
KP
はーい
KP
割らずにそのまま食べる? それとも分け合う?
牧志 浩太
分け合う。
KP
分け合う、というあなたの提案に佐倉は少し驚いたような顔をして、あなたの手にある星を見つめた。
佐倉 光
「……確かに、それもいいかもしれない。俺が思った通りなら」
KP
佐倉は青く穴だらけの星を苦労して噛み割った。
それは多分に気泡を含んでいて、力をかけたところからぼろぼろと崩れていった。
それでも欠片を零さないようにあなたの手に渡す。
牧志 浩太
叫ぶ星を崩さないようにどうにか噛み割り、その半分を佐倉さんに渡す。
欠片をこぼさないように慎重に受け取って、ふたつ合わせて同時に噛み砕く。
KP
星は口の中で呆気なく砕けて混ざり合った。
塩のような味が口に広がる。

それを呑みくだした瞬間、あなたの目が熱くなる。
喉の奥が苦しくて、無性に叫びたくなる。心臓が裂けて血が流れる。
伸ばした指先は誰の手にも触れず、声は届かず、暗闇に落ちてゆく……

それは絶望にも似た無力感。
命が失われてゆく恐怖より強い、大事なものを案ずる哀しみ。

命が刻々と失われてゆく中、
無力に泣き叫ぶ『彼』の魂は最期に『あなた』を呼んだ。
力を失い、ぼんやりと広がってゆく瞳孔にうつったのは、
間に合わなかった『あなた』の姿だった。

『あなた』は叶わぬ望みに賭けて手を伸ばした。
だが選ばれたのは『あなた』ではなかった。
果てない距離を落下してゆく『あなた』が最期に見たのは、
あなたを引き上げる佐倉の姿だった。

強く強くあなたの心を揺さぶった激情は次の瞬間には胸から消え失せ、
あなたの心に残ったのは、凪のような静けさだった。
哀しみが消える瞬間、『あなた』の心に一抹の安堵がよぎった気がした。
KP
SAN値回復 1D10+1
牧志 浩太
SAN 55(MAX)
佐倉 光
1d10+1 Sasa 1d10+1→ 5+1→合計6
SAN 57 → 58
牧志 浩太
幾筋も、幾筋も涙が溢れ、こぼれた。

ああ……、そうか。
牧志 浩太
「本当だ。俺、こいつらのこと、よく知ってた。
よく、よく知ってた……」
胸が詰まって、出た言葉はそれだけだった。
知ってる。覚えてる。一瞬だって、忘れたはずがない。
牧志 浩太
「そうか……、こんな所に、いたんだな。
全部消えてしまったっていうのに、心だけ、残って」
佐倉 光
「ああ、こんなとこに残ってたんだな。
ご丁寧に、川の反対側にさ」
KP
佐倉は詰まったような声で呟いた。
KP
「きみたちのように、不可思議な現象に巻き込まれ、正気を摩耗する人は案外たくさんいてね……」
リードは静かに話し始めた。
KP
「死んだ体とともに火葬され、朽ちていくくらいなら
精神を星にして、生きている人間の中に『消化』される方が、魂も救われるのではないか……
そう思って、かの神はこんな空間を作ったらしい。
星喰み治療ほしばみちりょう』、なんて名前を付けていたっけな……
まったく暇な神もいるものだよね。わざわざこの僕を案内役なんかにして」
KP
「さあ、もうすぐそこだ」
リードは歩き始める。
牧志 浩太
「そうか。
……こいつが救われるかどうかは、分からないけどさ。

俺は、知れてよかったよ」
礼は言わず、そんな自身の感情だけを落として、あとに続く。
佐倉 光
「……あの時、完全に消えてしまったのかと思っていた……
俺も、良かったと思うよ。
あいつらの魂がもうここにいなくても、あいつら呼んでたんだ」
牧志 浩太
「魂と精神、か。
精神が、消えずにここに残ってたってことはさ。
もしかしたら、魂も消えずに、どこかに行けたのかな」

いつも傍らにある深淵を見下ろしても、神の視界は高く遠すぎて。
あそこで運命の終わった、ただのふたりの人間がどうなったかなんて、見えなかった。

KP
あなたは歩く。星の道を。夜空の中を。
そしてあなたは、見つける。
星よりもひと際輝くそれは、いつもあなたが見ているように上空にあった。
満月でもなく、半月でもなく、それは三日月。

「着いたよ。ここが終着点」
リードはひときわ輝いている月を見上げ、つぶやくように言います。
「治療はここで終わり。あとは覚醒世界に戻るだけ」
牧志 浩太
「そっか。……案内、ありがとう。
やっぱり、夢の中なんだな? ここ」
KP
「きみたちは夢の世界にも何度か行ったことがあるみたいだね。
うん、そうだよ。ここは夢の中に作られた『療養施設』『病院』みたいなものかな。
充分、効果が認められたみたいだ。良かった」
リードはあなた方の顔を見てかすかに笑う。
そして月を見上げた。
KP
「さっきの星、きみたちが知っている人だった?」
牧志 浩太
「よく知ってる人だったよ。
よく、よく知っている人。誰よりも知ってる人だった」
佐倉 光
「ああ。忘れられないヤツだった」
KP
「ぼくにはかの神がどんなつもりかなんて分からない。
だけど……星は、おいしかった?」
リードは月を見つめたままでそう問いかけた。
牧志 浩太
「美味しかったよ」
牧志 浩太
「泣きたいくらいに……、美味しかった」

その横で月を見上げて、答えた。
佐倉 光
「そうだな……美味しかった」
佐倉は胸元に手を当て、ため息をつくように答えた。
KP
「そう」
リードはあなた方の言葉を噛みしめるように頷いた。
そしてにこりと笑う。
KP
「ひとつぼくも、気紛れをやってみようかな。
楽しい話を色々聞かせてくれたお礼だよ。
まあ、やっぱりかの神は人間の神話ではマイナーだったけどね」

月を見つめていた明るい群青色の目が、ふとおりて、あなたに向けられた。
小さな手のひらが差し出される。そこには月の光が輝いていた。

あなたが一つ瞬きするとそこにあったのはふたつの小瓶だった。
手の平サイズのそれは、夜明け前のように深く暗い紺色のガラスでできている。
木のコルクで栓がされており、中には何も入っていない。
リードはあなたと佐倉にひとつずつ瓶を渡してくれる。
明るい夜の瞳に、あなた自身が映る。
リードはどこか興味深そうに、あなたを見て言った。

「これはただの蛇足で、おまけ。
でも、きみが望むなら
ここで、きみ自身の正気を『星』に変えて、その小瓶に入れて、持って帰ることができるよ」
〈星の生成について〉
牧志 浩太
ここは牧志の単純な好奇心に従おう。
KP
まあここの二人はそんなに頻繁にちょっかいかけられることも危険な目に遭うこともないはずだからダイジョブダイジョブ

牧志 浩太
「俺の正気を?
そうか……、取っておけるし、分けられるんだな。

佐倉さん。
俺、自分の心がどんな星になるのか、単純に見てみたい」
佐倉 光
「やっぱなーそこ気になるよなぁ……」
牧志 浩太
「だろ。
さっきの話だと、心が生きてる間に星を見られるなんて、普通ない体験だしさ」
牧志 浩太
「それに、部屋に飾っておけば、忘れずに済みそうだ」
二人は星を生成する。
KP
「星に変えたいというなら、
月の光に小瓶をかざして、こう唱えればいい。
――『星に昇華する』」
牧志 浩太
降り注ぐ月の光に小瓶をかざし、夜明け前の暗さに目を細める。

そしてひとこと、宣言する。
牧志 浩太
『星に昇華する』
KP
月の光が、あなたに降り注ぐ。
ふいにあなたの瞳から、ぽろんと、何かがこぼれた。
それは雫。それは、涙と呼ばれるもの。

そう思われた輝きは、あなたの手のひらで、黒く、赤く、金色に、または銀色に。目まぐるしく色と形を変え、煌めく。
KP
「なんだ、これは!? 星? 星じゃない……!」
KP
それは太陽であり、月であり、天の川であり、天のくらやみだった。『あなた』を象徴するものが混ざり合い、波打っていた。
それは瓶の中に吸い込まれ、中で銀河を形作った。
きっとその中に人間としてのあなたが思い描いた星があるのだろう。
目をこらせばきっと見える。
KP
※好きな星の色・形・味にできます。
牧志 浩太
「ああ、混ざっちゃったか」
小瓶を振ると、中で銀河が揺れ、きらきらと星がきらめいた。
その中心にひとつある星は、炎をまとい金色に燃えている。

それは辛くて温かくて、やさしく鋭い味がするのだろうと思えた。
佐倉 光
「人間の精神だけってのは無理なんかな」
こちらも銀河になってしまったらしい小瓶を覗き込む。
ここに入っているのはクソ苦ブラックホールであるらしい。
死の間際でも強欲な星だ。
牧志 浩太
「意外と不可分なのかもな。
そっちもまた俺達、っていうか」
小瓶の中に入っている黒い星を見て笑う。
そういえば俺にとって佐倉さんの印象は、いつもその黒く澄んだ眼なのだ。
KP
「まさかきみたち本当に人間じゃなかったのか……!」
佐倉 光
「人間人間」
佐倉が胡散臭い笑みでぱたぱたと手を振った。
KP
「当然ながらかの神はご存知だったんだろうけど、
何かトラブルがあったらどうするつもりだったんだか……」
牧志 浩太
かの神。
もしかしたら直接挨拶に行くこともできそうだけど、まあそれをするのも野暮か。

見知らぬ、ちょっとずれた善意と、不思議な体験のままにしておこう。
贈り物なんて、それがいい。

KP
このルートは他ルートの救済係か!?
牧志 浩太
なるほど救済係!! それだ。
またどこかで導入のように手を差し伸べるのかもしれない。
KP
しれない。
いやー「かなしみの星」にあの話がぴったりはまって良かったなぁ。
牧志 浩太
ですねー、導入で出てこなくてよかった。
結果、牧志があの時の「彼」の心を受け止め、知ることができたし。
消えずにのこされたものがある話にもなったし。
KP
夢の守護者、入ったら即夢だと気付いてしまうのでは?
神が人間の精神ボリボリ食うのはかの神的に許せるの?
とか色々あったけど、心は人間だからヨシ!!! で押し切った話でした。
牧志 浩太
心は人間だからヨシ!!
それに神父のあたり見ていると、この世界なら「ニャルの化身同士で知らないことがある」のも普通にありそう。
あくまで佐倉さん&牧志という化身はニャルラトホテプの『断片』に過ぎないのかもしれないし。
かの神的には人間判定かもしれないし。
KP
ですね。
人間で在り続けようとしているがために見えない物も多いかも知れないし、見ようとしすぎると深淵に溺れちゃうのかも知れない。
牧志 浩太
そうそう。あんなものの中に残されたわずかな人間の精神なんて、全てを得るにははかないもの。
KP
それこそクトゥルフ知識探ろうとするたびに正気度 削れちゃう的に。
牧志 浩太
ありそう。
神の意識になろうとする行為は危険。

KP
「……それじゃあ、これで本当に最後。
きみたちを、元の世界へ戻してあげよう」
リードはそう言うと、月の光を浴びながら何やら呪文のようなものを唱え始めた。
すると、星の道から渦のように何かが形成されてゆく。
あなたが数回瞬きをしたあとに現れたのは、あなたの背丈の倍ほどはある大きな門だった。
扉には星のマークが刻まれている。

「この門をくぐれば、元の世界に帰れる」
肩をすくめながら、リードは門の扉を開けた。
中は夜明けの日差しのように明るく、その先は真っ白で何も見えない。

「ぼくは最後にくぐる。
万一にも置き去りになんてできないからね」
先に行きなよ、とリードはあなた方を促した。
牧志 浩太
「分かった。
それじゃ、元気でな」
少しばかりともに話した友愛の情が、きっと互いにあまり適切ではない言葉になって漏れた。

小瓶を片手に持ち、もう片方の手を佐倉さんに差し出して、門をくぐる。
佐倉 光
「じゃあな。かの神によろしく」
佐倉も手を振ってからあなたの手を取る。
KP
「……気紛れなのは知っていたつもりだったけど、
あえてそんな脆いもの抱えてそっちに帰るなんて。

それともやっぱり、きみたちは人間なのかな。

だからぼくも、彼に惹かれるんだろうか……いや、こっちの話だよ」

「それじゃあ、良い『夢』を」

声はどこか子守唄のようにも聞こえ、あなたは自身のまぶたが重くなるのを感じる。
夜明けを踏みしめる感触が、手を繋いだ佐倉の肌の温度があいまいになる。

再び子供の声が、あなたの鼓膜をささやかに震わせた。
「喰べたものは消化される。
きみの中に残るのは必要なものだけ。
それを大事にしなよ」

その言葉はまるで、自分に向けられたものではないようで。
けれどそれは自分に、自分の中の誰かに、投げかけられたような気もした。

星がまたたく。
夜がおわる。
あなたの意識は暗転する。
牧志 浩太
その言葉が染み込むのを感じながら、意識を閉じた。

KP
うぅん。めっちゃくちゃミスった。
まいっか。
牧志 浩太
おおっと。なんだったんだろう。
KP
これ眠るの自室じゃなくて屋外で心労で倒れることになってて、目覚めるの病室だった。
大事なとこじゃないから自室で目覚めたでいいや。
牧志 浩太
おおっと。
とはいえ、直前そういう雰囲気(互いに追い詰められて……)ではなかったですしね。
PCに合わせた調整の範囲範囲。
KP
範囲範囲。
牧志 浩太
この現状は神にとってひとときの夢で、自分たちは「食べられて、必要だから残っているもの」かぁ。
色々重なる言葉でいいな。
KP
なるほどそういう解釈もできるな!!(これはもとからシナリオにある台詞をちょっと変えたヤツでした)
牧志 浩太
なんとそうだった!!
てっきりそういう解釈で入れてくれたものかと。

KP
暖かな空気と鳥のさえずりを感じて目を開くと、そこは自分のベッドだった。
随分すっきりした目覚めだ。
もちろん隣で佐倉が手を握って眠っていたりはしない。
……が、反対側の手にはひんやりとした固い感触があった。
牧志 浩太
「うーん、おはよう……」
寝る前につられて、ついそんな言葉が漏れた。
牧志 浩太
目が覚めて夢に見たものを持っていることに、もう疑いも違和感もない。
そうか、あそこをよく知っている気がしたのは、夢の中だったからなんだな。
牧志 浩太
手の中のそれを見る。
KP
そこにはコルクで封がされた紺碧のビンがあり
その濃い色を貫くほどに明るい、炎をまとい金色に燃える星がひとつ、ぽつりと浮かんでいた。

そこで輝いているのは間違いなく『人間たるあなたの精神』だった。
牧志 浩太
ああ、俺だ。

朝の光の中でもなお眩い輝きは、無くしたくないものを求めて叫んでいるようで。
やっぱり星にしてよかったな、と思った。
その輝きを見ていれば、俺がここにいることを思い出せる。

そういえば銀河じゃなくなってるな。夢から覚めたからか。
牧志 浩太
「おはよう!」
いつもの朝の喜びを噛みしめて、部屋を出る。
佐倉 光
「よう、おはよう」
ちょうど部屋から出てきた佐倉があなたの声に応えた。
牧志 浩太
「佐倉さんの瓶、どうなってた?
俺のは星だけになってた」
同じ夢を見ただろうこと、瓶がそこにあっただろうことをもう疑わず、自分の小瓶を見せる。
佐倉 光
「ああ、俺のはこんなの」
KP
佐倉の瓶はおそらく星が入っている部分だけが真っ黒で、その向こうの風景が見えない。
星がある周囲の背景が歪んで見えた。
牧志 浩太
「おっ、すごい。ブラックホールだ」
懐中電灯を取り出し、それに光を当てて遊ぶ。
佐倉 光
「ここに入って保存されるのは、あくまで人間の精神ってことなのかもな。
あそこでああ見えたのは、あそこが夢で、『俺たち』の領域だからなのかも知れない」
牧志 浩太
「かもな。だとしたら面白いもの見た。
ブラックホールの味かー、興味はあるな」
佐倉 光
「……自分で作っておいてなんだけど、味への興味はそそられるけどあんま美味そうじゃない」
佐倉 光
「まあ、食う機会があれば」
佐倉 光
「ブラックホールってどうやって割るんだ?」
いっそ食べちゃってもいいんだけど、せっかくのギミックに使えるかも知れないAFだし、ちょっともったいないかな!

牧志 浩太
牧志は飾っておいて毎日眺めるつもりだし、ひとまず置いておきたいかな。
KP
なんかまたダイスミスがあったりした時にどこからともなくEAT MEって書かれてる星入りの小瓶が出てくるかも知れない。
牧志 浩太
かもしれない。

KP
佐倉はあなたの星のビンを手に取ってしげしげと眺めた。
佐倉 光
「牧志ってやっぱ見かけに寄らないんだよなぁー」
編に納得した顔で頷いてビンを返す。
佐倉 光
「『かの神』には礼を言っとかないと」
KP
夢から覚めたからこそ分かる。
あれは夢の神の差し金だ。
気に入った夢をコレクションしているだけかと思ったら、気紛れで何か妙なことを始めたらしい。
今回のことは、善意のつもりか、奇妙な実験か。両方かも知れない。
牧志 浩太
「何だかんだであいつにも縁があるよな。俺達じゃない俺達も。

そうだな、礼を言っとかないと。
ずれた善意だったけど、結局随分助かったし、知ることだってできたんだ」
夢の中ではああも思ったけど、夢から覚めたら、それもいいなと思った。

KP
ああそうか。夢の中で「そういうものとして受け取っておこう」ってことになってたな。
その方がいいかな。
牧志 浩太
いや、夢から覚めて「ああ、あいつだったのか。じゃあ礼を言おう」はアリなんで、今ので大丈夫です。
KP
今のところリスクはでかいけど親切なおにーさんかの神。
牧志 浩太
今の所わりと親切な干渉の多いかの神。面白がられているのかもしれない。
KP
今回のことは親切半分興味半分でございますね。(シナリオより興味度は上がっている)
牧志 浩太
なるほどー。上がってるぅ。

牧志 浩太
「そういえば結局何者だったんだろうな、あの『リード』は」
佐倉 光
「さあ、自称通りそのためのものなんだろうけど、変に人間くさかったな。
かの神の趣味かな?」
牧志 浩太
「かな?
人間くさいの好きそうだもんな」

そう笑う、人間である神と神。
愛した朝が今日も始まって、おかげで俺達はもう少し、そしてそれからを続けられそうだった。
KP
あのとき喰べた星の味や感触を
これからも覚えているか、忘れていくのか
それはあなた次第

今 あなたの体の中 心のどこかで
星が きらりとまたたいて
あなたは あなたの道を歩いてゆく
――この世界を 人間として生きてゆく


両者生還 A END


生還報酬
牧志 浩太
ありがとうございましたー!
牧志 浩太
1d5 Sasa 1d5→3
SAN 45 → 48
成長はなし。
佐倉 光
1d5 Sasa 1d5→4
SAN 48 → 52
KP
ありがとうございました。まーた本編で使った方が便利そうなシナリオ別ルートで使っちゃった。
でもこっちの牧志にはきっとこれが必要だったんだ。
牧志 浩太
神牧志が力を振るってしまう理由も明らかになったし、すごく合うし、独自な味が出たし、こちらでやってよかったと思います。
直前の「助けようとして裂けてしまった」からのこの流れ、すごくよかった。
力があり、「無数の自分たち」を実感できる二人だからこそ出た味あると思うんですよ。

儚い人間としての精神を星として形にすることができたり、人間であることを意識できたり、必要だったなと思うことも多く残ったし。

無力を感じたり、牧志の強欲で傲慢な反応が出たり、このルートだからこその面白いこともありましたしね。
KP
このシナリオ、基本癒やされて帰るだけなんですが、
一応ロストもできます。
ロストルートについて
KP
流れで出せなかった情報が結構あったりするので、それについては後で改変としてまとめてお伝えしますね。
牧志 浩太
ああー、そう、それができるんだなと思ってました。
自分で終わりを選ぶ選択、または自分を終わらせて誰かを生かす選択かぁ。
穏やかでさびしい終わり方だなぁ。
■真相・シナリオの経緯(シナリオ本来の流れ)
■NPC
■神話生物
牧志 浩太
コスだった!!
大変不服なのちょっとかわいい。
それで態度があんな感じだったのかー。

神話生物がよく集まる病院にうっかり神が担ぎ込まれるところでしたね。
KP
出し忘れちゃったリード君の絵。
置きだと忘れがちなんだよなぁー
■星について
■改変について

・いつもの判定追加やその他こまごまとした調整
・探索者二人が「ニャルラトホテプ」であるため、それによる改変を多く加えている。
追加された前提
【ヒュプノス】
 ニャル探とかいう変なのができたので、観察がてら治療する。人間の心が維持されていれば夢の奥に侵攻しないだろうから(人間はもっと矮小な現実に拘るものだ)、それを防ぐ意味もあり、ニャル探の心を癒やすのは彼にとっても有益なのだ。
 あの二人はいきなり暴れないなというのは分かっているので、リードには真実を教えず、傷ついた人間を導くようにと命じた。そうして、ニャル探とリードがどんな会話をして、星にどんな反応をするのかを楽しむのである。安全なエンタメだしWinWinだからいいじゃんね。

【リード(コス)】
 いつものバイトだと思ったら相手がなんかやべーやつだった。と思ったらやっぱり人間だった。
 よくわかんないけど大好きな人間に会えるからまあいいや。
※シナリオより少し人間味上がっている。瓶詰め作らせてくれたのは牧志の話が面白かったため。
※神話を聞きたがったのは個人的に好きというのもあるが、【ヒュプノス】の評判を聞くためでもある。「へへっ、偉そうにしてるのにやっぱマイナーじゃん」と思うことで溜飲を下げている。まあヒュプノスにはそこまでバレてるけどあんまり気にされてない。
『忌胎』ネタバレ
【紺碧の星】について

この星は『忌胎』というシナリオに登場した人物らのものである。
牧志を呼んだ星は異世界の佐倉。原因は不明だが、牧志に助けを求めながら独りで死亡した。そのため彼の星は常に牧志を呼んでいる。

異世界の牧志を救えなかったことで道を踏み外した。
最終的には、この世界の佐倉と牧志によって高所から突き落とされ死亡する。死の間際には、佐倉の手による救いを求めて手を伸ばしたが、選ばれなかった。
佐倉を呼んだ星はこちらの牧志。彼の精神は寄生生物に食い荒らされているため星は穴だらけだ。

とはいえ彼らの魂は既にそこにないので、ただのこだまのようなものである。
ヒプノスの気紛れか、はたまた別の神によるものか、精神を星にされてあの空間に放流されていた。
今回の二人が「呼ばれた」と感じたのは、正確には彼らそのものへの呼びかけではなかったのだ。
しかしニャル探は「どこにでもいる」ので、受け取り手としては適切だったんじゃないだろうか。
※都合のいい時だけ神扱い。
・シナリオの流れの変更
哀しみの星にモデルを作った関係で、月に到達してからされる星の正体を少し早めに伝えている。
死者に関係することは多めに仄めかし、その星が彼らであることが分かった方が、星をより美味しく食べられるだろうと思ったため。

本来のシナリオでは外で倒れた探索者が病院で目覚め、ヒュプノスが擬態した医師と会話するくだりがあったりするが、これを丸カット。
発端はKPのうっかりではあるが、そんなに大事なところではないし、擬態見抜いちゃうのも台無しなのでまあいいかなと思う。
・探索者が作成する星が色々混ざってる
勢いで銀河出しちゃったけど、瓶詰めになるのはあくまで人間の精神であるべきだな、と書いてから思った。
瓶の中に入った不純物は後で抜けたんだよきっと。
でも瓶をジ~~~っと見てると宇宙見えちゃうかも知れない。そのほうがはえるから。
牧志 浩太
あああー……、それが回復した正気度 や感情の違いになっていたんだ。
凝ってるなぁ。すごい。
いろんなシチュエーションで死んだ探索者たちのきもちを味わえるシナリオだったんだ。

>改変
調整ありがとうございます!!

途中ちょっとしっぺ返しあるんじゃないの? と怪しんで必要以上に食べない方向に行きかけてたので、早めの開示ありがとうございます。
これはたっぷり味わって消化して受け止めた方が楽しいですもんね。

>ニャル探
これは面白い!! 大盛りありがとうございます。
なるほど、自分の領域にちょっかい出されないためにヒプノスさん的にも利点があったんだ面白い。

矮小な現実エンジョイしてるのも丸わかりされてるしリードとの会話も楽しまれてるし、これは面白い。
その結果礼を言いに行くような素直な二人ですしね。

>リードくん
あの時の牧志は神ならぬ波照間を降ろしていて面白かった。神に人間が降りたが?
ヒュプノスの評判聞いて溜飲下げてるの人間くさくてかわいい。

>星
穴だらけの理由、それ!!
そうかーそれでかぁ……。

無数の自分達の存在をはっきり知っていて、存在する限りその感情を抱いていける神の二人、受け取り手としてはよかったと思います。どこにでもいる。

がっつり盛ってくれてありがとうございます。
銀河になっちゃうところ異様で面白かった。

この二人でやれてよかったなぁー。
ありがとうございました、面白かった!!

>擬態
見抜いたら見抜いたでシレッと「ありがとうございました」って礼を言ってたと思います。
互いにこいつ~って見抜きながら表向きは人間の会話する。
KP
元のシナリオの流れでやろうと思ったら二人揃ってお外で気絶しないとならんかったので、なかなかそれも難しかったでしょうし。
病院でのヒプノスさんとの会話は正体バレなしで「もう大丈夫ですお大事に」程度のヤツだったからまあなくてもいいかと思いました。

神になっちゃった二人が人間の精神食って人間を回復するのちょっと面白いなと思って選びました。
牧志君が流されていたのもあってぴったり合って良かったなぁ。
全く狙ってなくて最後の星を出す直前の思いつきだったけど、あのふたりがばっちり合ってましたしね。
ついでに他のルートもいくつか救済できて良かった。
ついでにごっそりやられていた佐倉も元気になって良かった。

途中でリードが佐倉を気にしていたのは、佐倉の正気度 の回復具合を見ていたためです。
牧志 浩太
ですね。
今回の流れのほうがこの二人に合ってたと思います。
魂を削って無力に凹んで→力を目の前にして神に流されて→魂を癒されて→ただいま愛しの日常!(自室で目覚める)
という流れも綺麗にまとまったし。

この二人はたまに生じるご都合展開の後ろにいる救済役ニャルなんだ、っていうのも見えて面白かった。
でも、いつも何もかもを救いきるほどの力はないところもいい塩梅。

正気度
ですよね。癒しの場だから、ちゃんと癒されるまで見てくれていた。
KP
救済役だから手を差し伸べちゃうけど、それで必ずいい結果になるわけじゃない。
今回裂けちゃった牧志側の佐倉にしてみれば、いつものヤツが儀式中? の牧志を引き裂いて異形化させただけですからね。
未来に助かる縁が結ばれたなんて知る由もないし、異形化した牧志はその後どうなるか分からない。
(一応最初のイメージは塔牧志だったので、彼の目まである痣は裂けた跡なのかなという感じの描写しました)
子供佐倉たちは命は救われたけどその後別のヤツに抉られちゃいますしね。
どちらもほっといたら死んじゃうので、その場では間違いなく助かってはいますが……

ちなみに佐倉は「その場で救えたならそれでヨシとしよう」と考えているので、牧志ほど悩んではいないです。
あと、たぶん牧志ほど感覚が鋭くないので、並行世界からのヘルプコールが頻繁に飛んでこない。
牧志 浩太
ですねぇ。
必ずしもいい結果にならないあたり、本当に「神でありながら観察対象のまま」で、「限界の中の存在」なのが、とてもいい塩梅。
あの時の牧志は、救おうとしたら裂けたこともですし、それで佐倉さんに怒りを向けられたことにも強いショックを受けていた。

>塔牧志
ああー、裂けた跡!
納得。

>救えたら
どちらも、牧志が手を出さなければ死んでいたわけですしね。無念のまま。

>感覚
牧志は縁の中心でもあるし、異様に鋭い感覚が声を届けてしまうのかぁ。
これまた因果な。そして危なっかしい。
KP
基本善意で動くニャルなら、悪意はないけど災厄出ちゃうんだろうなー、というイメージです。
都合がいい神様になっちゃったらニャルっぽくないかなと思ったので。

まあでも神格色々だし、都合のいい神がいても良かったのかな?

とはいえ、本当に100%彼らの善意が反映されるようになっちゃうと、完全にデウスエクスマキナとして便利になり過ぎちゃうし、そうすると出番なくなりそうだし、このくらいの不便さがいいかなーと思います。
牧志 浩太
そうそう。
他ルートの重さも損なわないし、悪意ないのに災厄出ちゃうのも「結局運命の糸を引いてニャルの楽しい感じになるだろう」というPYXラストで書いた文章にも合うし、皮肉でいいし。
これくらいの不便さの方が「人間の心を抱えたままの儚い二人、ずっと『神の雛』であるもの」らしくていいと思います この塩梅大好き
このルートの二人は『神の雛』のままなんですよって話もPYXであったし。
KP
この佐倉はシローの行く末を安定させたらふらっと旅に出ちゃいそうかなー
それこそ「海外旅行行きたい」なんて話も出てましたしね。
牧志 浩太
出てましたしね。
そうなったら牧志もシローの行く末を見届けて、一緒に旅に出るかな。

海外旅行! っていうと古島がついてきたがりそう。
KP
それもまた楽しそう。
遺跡巡りしちゃえ~
CON STRが貧弱じゃなくなったのでそういうのも楽しそうだ。
牧志 浩太
このルートの牧志は大学生しているのが楽しいから大学に通っているだけですしね。
でも旅先からみんなにメッセージは送る。

貧弱じゃなくなったし移動もらくらく。遺跡巡りしよう。博物館を巡ったり星を見に行ったりエジプト行って微妙な会話したりしよう。
KP
ここの二人用のシナリオ探していた時に、どうぶつの森パロで、神話生物や神しかいねぇシナリオとか面白そうだと思ったんですが、《SANチェック》ウェーブでぶっ壊れるのを楽しむシナリオっぽかったので見送りました。
次ー、美術館もいいんですが、諸事情でちょっぴり間を開けたいかなー。
シローの保護施設シナリオなどはまだちゃんと考えてないから、なにか適当なシナリオ挟みたいな。
牧志 浩太
次、PYXがあまりに壮大だった関係で、いきなり本編に戻ると時差ボケ(?)で本編の雰囲気に戻れなさそうなので。
こちらKPになりますが、塔佐倉さんで花ぐもり、どうでしょう?
ちょうど塔ルートへの言及もあったし。
KP
それだと短期間でまたKPお願いしてしまうことになるけど。
牧志 浩太
それはご不満なければ大丈夫です。
KP
じゃあその間に『電子の深淵』をソロで走ってみてKP準備しようかな。
一個シナリオ挟めば美術館やってもいいかなと思うし。
ではお願いします!
牧志 浩太
お、ではそれで。
よろしくお願いします!
あれも回したいきもちが高まってたのでちょうどいいタイミングです。

牧志 浩太
そういえば、進んでいるのと逆の道に行ってたらどうなってたんだろう。>星を喰む
KP
彼が言ったとおり本当に何も無いです。
めんどくさそうに付き合ってくれる。
どこまでも道だけが続きます。
牧志 浩太
なるほどー。ほんとに何もなかった。
KP
あと、道から落ちたら強制回収して貰って《SANチェック》です。
牧志 浩太
ヒューン! リードにあきれ顔されそう。
KP
あーあとひとつ。散々歩かされたのは消化させるためでした。
牧志 浩太
ああー、なるほど、消化のためだったのか。
消化しきらないうちに出てしまわないようにですね。
KP
なので大きめ回復の後は長距離歩いてます。
牧志 浩太
なるほどなるほど。
牧志 浩太
本当に美しくて感情を味わえる素敵なお話と、ニャルな二人がよく合って、色々な反応を引き出せたし楽しかったなぁ。
KP
本当にいい組み合わせになったなぁと思います。
牧志 浩太
うんうん。このルートでやってよかった。
ニャルな二人の現状と役割も明確になったし、全部あいつのせいにもできたし、救ったつもりが皮肉な結果になるのもすごくらしくてよかったし、なにこいつら?? ってなるリードもかわいかった面白かったし、ゆっくりなんでもない話もできたし、「あの」二人の精神が消えずに残っていたことを知ることもできたし。
KP
あのふたり、とことん救いがなかったですからねぇ。
魂は救えなかったけど、取り残された想いくらいは回収してあげたい。
二つに割って二人で食べたことで、両方の想いを受け取れたの良かったと思うんですよ!
牧志 浩太
精神が消滅せずに残っていたことで、「もしかしたら魂も消滅せず、どこかへ行けたかもしれない」という希望を牧志が思うこともできたし。

そうそう、あそこ分け合えてよかった!
二人とも両方の想いを知る事ができた。
KP
あの二人出すこと自体、ほんと直前での思いつきだったけど、やって良かった。
牧志君が「組み合わせられる?」って訊いたから、「そうか割れば二人で受け取れるじゃない!」って気付いた。
牧志 浩太
となるとあの質問してよかったなぁ。>割れば受け取れる

うんうん。導入で出してもらわずに、あそこで出してもらってよかった。
想いだけでも受け取ることができてよかったし、劇中でも出てきたけど、受け取る相手としてもニャルな二人は一番よかった。
牧志 浩太
二話目のトップ絵に青い星ふたつがちゃんとあるのがいいなぁ……
KP
やったー気付いてもらえた!
牧志 浩太
いまトップ絵チェック……と見直したら気づきました!

コメント By.佐倉 光
ひとつひとつ違う星を喰む。それは牧志の心を支えて消化される。
穏やかな道行きで二人は、懐かしい光景を目にすることとなる。

結果的にこのふたりにぴったりなシナリオになりました。
人でなくとも星を食べたくなるのです。

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【クトゥルフ神話TRPG】
本作は、「 株式会社アークライト  」及び「株式会社KADOKAWA」が権利を有する『クトゥルフ神話TRPG』の二次創作物です。

Call of Cthulhu is copyright ©1981, 2015, 2019 by Chaosium Inc. ;all rights reserved. Arranged by Arclight Inc.
Call of Cthulhu is a registered trademark of Chaosium Inc.
PUBLISHED BY KADOKAWA CORPORATION 「クトゥルフ神話TRPG」


TRPGリプレイ ダブルクロス3rd 第三話『Truth or Fiction』1

ヒトとして死ねるのならばそれは幸せなのだ。

TRPGリプレイ CoC『キルキルイキル』海野と渡川『キルキルイキル』1

(ちなみにエロ本はどちらに)
拘りますな

TRPGリプレイ【置】CoC『1100』佐倉&牧志 1

エゴで何が悪いんだ。


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