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こちらには
『骨組みだけの宇宙』鬼面夜行』のネタバレがあります。

佐倉 光

サマナーで悪魔退治屋。ハッカーでもある。
基本、知性・理性・効率、そういったものを重視する冷静な青年。
悪魔を召喚して戦う。契約中の仲魔はラミアとマカミ。

とある事件より、体中の痛みに悩まされているが、桜色の勾玉により少し改善した。
巻き込まれ体質らしい。

最近記憶障害が完治したばかりなのだが、今度は牧志への奇妙な執着に囚われている。

牧志とは友人。


牧志 浩太

お人好しで温厚、だが意思は強い好青年だったが……。
とある事情で二年より前の記憶の大半を失い、代わりに悪魔使い波照間紅の記憶を持っている。
首から胸へと続く奇妙な【契約】の痣がある。たまに痛むという。
生贄体質らしく、事件に巻き込まれることが多い。

佐倉とは友人。


とある事件以来、特殊な事情のため二人が面倒を見ることになった少年。
超美形で類い希な理解力と知性を有する。
年齢は7歳程度。生育環境が特殊だったため、一般的な教育を受けていないので、言語が年齢の割に幼い。最近になって急に一般的な生活を送り始めたので、外界への興味が強い。


KP
※前回終了後、一週間ほど過ぎた所から開始しようと思います。
※あれからの佐倉さんを見たいので、少し導入を長めにします。
佐倉 光
手を繋がなきゃならんのですねー。
よろしくお願いします!
KP
繋がなきゃならんのです。普段なら容易かっただろうけど。
よろしくお願いします!

KP
あなたが牧志を殺したあの一件の後、あなたは逃げるようにあの場を離れた。

あれから、あなたはどこで、どう過ごしていただろうか。
手の中で危うく力強く鼓動する肉の感触が、あなたの両手をいっぱいに染める生温い血の感触が、
あなたの腕を振り払おうと暴れる彼の手足をへし折ったあの音が、今もあなたの肌に、耳に残っている。

そして、それを食べたいと望んだあなたの感情が、胸に残っている。
佐倉 光
随分と惨めな気分で
公園、ビルの裏、物陰に転がり込むようにして、うずくまっていた。
こんな時に逃げ込みたい異界も、近くには見つからなかった。
いっそ魔界に降りて悪魔と殴り合っていた方がマシだっていうのに。

牧志の血を浴びた服はとっくに処分して、体も洗ったのに、いまだに血臭がする。
毛穴の一つ一つにまでにおいが染みついて、とれない。
いつもならこんなもの、一晩眠れば忘れてしまうのに。
折れる骨の音も、肉を抉る感覚も、日常だったはずなのに。
いつだってそんな物が見え、その中で牧志が死んでいる。
それを貪り食おうとして、目が覚める。
いつ眠っているのか、起きているのかも良く分からない。
食べたかった。食べたくなどなかった。
食べたいわけじゃなかった。それならどうしたかったんだ。

いっそ牧志の事を忘れてしまえばいい。
少し前までそんな事も日常だったはずなのに、どうして今は牧志の事が頭から離れてくれないんだろう。
恐らく狂っているのは牧志に対する認識だけなのに、どうしてここまで何もかもが上手く行かなくなってしまっているんだろう。

一週間そんな風にして、なんとか動ける程度まで回復した。
体調も気分も最悪だ。明らかに風邪を引いた。
このままだと死にそうだと思ったので、最低限、ベッドに寝る事にはした。
新しく覚えた魔法も便利だ。風邪も治る。死ぬほど疲れるけど。

ああ、俺は大分まいっている。随分とまずい状態にある。
会わないと本格的に壊れるかも知れない。
会ってしまったら、取り返しがつかなくなるかも知れない。
わからない……
佐倉 光
※カプセルホテルで正気削りながら溶けてます。ということで回復分SAN適当に削ります。
KP
※はーい。
佐倉 光
無茶をしても《治癒》を使えばなんとかなる! MP回復できなくなったら積むけど。
KP
なるほど、より無茶ができてしまうように!
KP
不安定な体調と睡眠、精神状態が、あなたに何度も何度も夢を見せた。

夢には必ず牧志が出てきた。
その中で彼は死んでいたり、生きていたり、失われかけていたり、何気なく歩いていたり、
沈んでいたり、浮かんでいたり、あなたのことを知らなかったり、知っていたりした。

食べようとして目を覚ます夢。食べてしまって目を覚ます夢。
あなたは、そんな夢も見た。
衝動に耐え切れず、心臓を食べてしまうのだ。

弾力のある肉はあなたの口の中で、あるときは彼の怖れと嘆きをぶちまけて破裂した。
またあるときは、穏やかな声を残して潰れた。

口の中いっぱいに血臭が満ちて、人間ひとりぶんの血肉をあなたの腹に注いだ。
目の前で、標本にされた蟲のように痙攣する身体が動かなくなった。
佐倉 光
噛みしめて、最期の一滴を喉に流し込んだところで、
転がっている牧志と目が合った。
何か問いかけられた気がした。
答えられなくて、喉が詰まった。残らず吐こうとしたが、もうそれは俺の中にこびりついていて、とれなかった。
KP
二度と動かぬ死体の冷たさと、燃えるような血の温かさを感じさせられてから、目が覚めた。
佐倉 光
望みが叶った。
これは……違うな。

ガキみたいに泣きながら目覚めた。
KP
体調不良と精神負荷を繰り返し、ぐらぐらと頭が重い。
鏡を覗けばやつれ果てた鬼のような何かがいた。
佐倉 光
ただの夢だ。血の味も、肉の弾力も、趣味の悪い俺の妄想だ。
現実で俺は牧志を食っていない。それだけはあの男に感謝すべきだ。

ある意味で現実なのかも知れない。
俺は夢の中に牧志を作り出して殺しているのかも知れない。
現実の牧志を殺さないために?
佐倉 光
さあ、どうだろう。良く分からないな。
佐倉 光
あの日から牧志の監視はやめている。
そのぶん、波照間さんにしつこいほど頼んでおいた。あと東浪見とシローにも。
少なくとも、今のこのわけの分からない衝動が収まるまでは会うのは危険だと思う。
佐倉 光
最低限の身支度をする。
そろそろ仕事をしないと色々な意味で死ぬ。
腕輪を通して、栄養ドリンクを流し込む。
大丈夫、暴れていれば少しはスッキリするだろうし忘れられるだろう。
佐倉 光
※悪魔やっつけるだけの簡単なお仕事でもすることにした。
KP
最悪なことにその日の仕事はゾンビ退治だった。
人間のような形をしたもの、人間だったかもしれないものが、あなたの行く手を阻む。

あなたの事情を知っている波照間は何も言わなかった。
他の悪魔使いが怖れるようにあなたを避けた。
KP
「ヤバイな、お前。相当キてる。
一家四人殺してきたばかりって面してるぜ」
横に立つ悪魔使いが、引きつった顔で軽口を叩いた。
佐倉 光
「僕が何人殺してようと関係ないでしょう」
ゾンビ退治にいちいち感情を持ち込む方がどうしているじゃないか。
雑にゾンビの胸を吹き飛ばす。
佐倉 光
「こんなまずそうな奴ら、大したことない」
ゾンビの腕を吹き飛ばす。
佐倉 光
「動くんじゃねぇよ」
ゾンビの足を吹き飛ばす。
佐倉 光
「ただの腐れ肉だ」
頭だけ残して粉々にする。
こんなの食いたいなんて思わない。
佐倉 光
壊せばいい、倒せばいいだけなら簡単だ。
人間の形をしていようとなんだろうと単純作業だ。思考の入る隙間はない。
プチプチを潰すのとさほど変わらない。
KP
人間の形をしていたものは、呆気なく吹き飛んで粉々になった。
残された頭が虚ろに目を剥いて転がった。
白濁した眼球が転がり落ちた。
佐倉 光
終わって、ゾンビの頭だけが落ちているのに気付いて、
何も忘れられていなかったことに気付く。
道理で思ったほどすっきりしていないわけだ。
単ににおいが最悪だからかも知れない。
それでも体を動かせば少しは気分が上向いた。気がした。

KP
あなたはその日も、最悪な気分を引きずって隠れ家に戻る。
いつものように悪魔退治をし、思うさま暴れ回って、スッキリしただろうか。忘れられている瞬間があっただろうか。

枕元に置かれた備品のデジタル時計を見れば、もう真夜中だ。
少なくとも身体は疲れきって、眠りを求めている。
佐倉 光
体を洗い、ベッドに倒れ込む。
これだけ運動してあれば、夢なんかに捕まらずに眠れるだろう……
KP
あなたの意識はあなたが願った通り、ゆっくりと、深く、沈んでいく。
孤独で、冷たい、水の底へ。
KP
〈聞き耳〉または【アイデア】
佐倉 光
1d100 79〈聞き耳〉 Sasa 1d100→ 56→成功
KP
あなたは眠りの底へ身をあずけ、ゆっくりと沈んでいく。

とうとう意識を手放す直前、水の底から空気が抜けていく泡の音を聞いた。
投げ出されて宙を漂う手足を、柔らかな水が受け止めた気がした。

その感覚にはどこか覚えがあるような気がした。
佐倉 光
水の底はきっと静かだ。
そのまま沈んでゆく。



「骨組みだけの宇宙」

aki 様


KP
ふ、とあなたの意識が浮上した。
そこは、あなたが望んだとおりの、静かな水の底だった。

あなたは眠った時と同じ人間のかたちで、水の底に立ち尽くしている。
足元にはがれきが散らばり、地面を覆い隠している。

視線を上げれば、遠くで色とりどりの魚たちが泳いでいるのが見えた。
その傍では、美しい珊瑚が波にまかせてゆらゆらと揺らめいている。

美しく、しかしどこか廃墟のようなむなしさを感じさせる世界だった。
佐倉 光
ああ。夢を見ているのか? 俺は。
しかし望んだ静かな世界だ。

水を呼吸する。
そういえばこんな事があったな。
あの時は水を呼吸できるようになってしまった自分に恐怖したっけ。
いっそこんな現実とかけ離れた異界にいるなら、全て忘れられるかも知れない。

廃墟に見覚えはないかな。
KP
あなたが見覚えはないかと、辺りを見回したときだった。
あなたの背後で不意に、がしゃん、と小さな物音がした。

振り向く? 振り向かない?
佐倉 光
なんだよ。悪魔がいるタイプの異界か。
攻撃態勢で左腕に触れながら振り向く。
KP
そこには、人が倒れていた。
人?
違う。あなたがその人を見紛うわけはなかった。

そこに倒れていたのは牧志だった。

苦しげに顔を歪め、手で喉元を押さえていた。
その眼が数度瞬きをし……、あなたを見た。
本編見る!
KP
そのとき、あなたの身体に異変が起きた。
吸えていると思った水を、吸うことができない。
吐き出した息が泡になり、水の上へと昇っていく。

それは覚えのある感覚だった。
息が、できない。
しかし、あの時とは少し違っていた。
あなたは息を吐く。泡が立ち上る。息を吐く。息を吸う。肺がつぶれるばかりで、息を吸えない。どれだけ吐いても、吸えない。

その異変は、彼を見たあなたを罰するように肺を痛ませた。
佐倉 光
牧志!?
思った瞬間、胸に痛みが走った。
佐倉 光
これひょっとして佐倉は吐ける、牧志は吸える、みたいなやつかなぁー
KP
SANチェック成功時減少 0失敗時減少 1D3》。
佐倉 光
1d100 58 《SANチェック》 Sasa 1d100→ 42→成功
佐倉 光
水を吸えるはずがなかった。
胸をかきむしる。このままでは溺れてしまう。
KP
あなたが辺りを見回そうとした時。
目の前であなたを見つめ、苦しげに喉元を押さえていた牧志が、縋るようにこちらに手を伸ばしてきた。

はく、はく、と。まるで水面から顔を出す魚のように、何度も口が開閉する。
震える指先が宙を掻く。
身体を不規則に震わせ、唇を青白く染めながら、彼はあなたに助けを求めていた。

いつも、そうするように。
KP
これは、あなたの願い、あるいは望み、そんな他愛ない夢なのだろうか。
それとも。
佐倉 光
体は浮かないんですよね。
周囲を観察。する余裕あるのかなぁ。
KP
身体が浮くことはない。あなたは水の底に立っている。
牧志の様子を確認するなら、
〈目星〉〈聞き耳〉【アイデア】それぞれ別情報。
佐倉 光
反射的に手を出しかけて、思わず引っ込める。
苦しみの中でも恐ろしいと感じた。
しかし牧志と一緒に上へ浮き上がって、空気を……
駄目だ、ここの水には浮けない!
1d100 98〈目星〉 Sasa 1d100→ 16→成功
1d100 79〈聞き耳〉 Sasa 1d100→ 64→成功
1d100 85 【アイデア】 Sasa 1d100→ 41→成功
KP
牧志の手が何度も、何度も、あなたの手を求めて水を掻く。
あなたは気づく。彼の口からは、あなたと違って泡が吐き出されていない。

彼がもがく度に足元のがれきが音を立てた。自分の心臓の音がやけに大きく聞こえる。
その中でも、彼が空気を求めて、何度も何度も短く息を吸う音ばかりがあなたの耳に響いた。

あのとき彼の死を見たあなたは、気づいてしまう。
彼はこの静かな水の中で、いままた死にかけている。死にかけて、最後の力であなたの手を望んでいる。
KP
【CON】×5で判定。
牧志 浩太
1d100 60【CON】 Sasa 1d100→ 71→失敗
1d3 Sasa 1d3→3
1d100 55SANSasa 1d100→ 75→失敗
1d3 Sasa 1d3→3
佐倉 光
1d100 30 【CON】 Sasa 1d100→ 3→決定的成功クリティカル)!
KP
あっ、ここ処理間違えた。すみません。
戻すと変なので、このまま行きます……。
佐倉 光
おや。
KP
本来は1判定毎に窒息ロールが入るんですが、勘違いしてそのまま全部出してしまいました。大勢に影響はないです。
KP
あなたの肺を絞り上げるような息苦しさが襲う。生存本能が思考を混乱させ、何もかもを放棄させかけた。

しかしあなたはその苦痛に耐え、思考し、行動することができる。
佐倉 光
俺の仮説が正しければ……いや、だから何だと言うんだ。
俺と牧志が一つにでもならない限り……

その考えはあまりにも甘美で恐ろしい。
だがもう考えている猶予はない。
これがもし、理屈の通らない夢ならありうることだ。

牧志の所に駆け寄って触れる。
佐倉 光
空気を求めて苦しむ牧志の姿が、寄生されて意思と関係なく動く様と重なる。
違う、あれはもう終わった!
KP
あなたの掌に、牧志の手の感触が触れた。
あなたの指に冷えた指先の感触が食い込み、瞬く間に侵食していくかのような錯覚。
あなたの手を、牧志が強い力で掴む。
佐倉 光
反射的に逃げ出そうとする指を、捕まえられる。
KP
掴んだ手から、傍らの身体から空気が流れ込んだ。
潰れかけていた肺が俄かに膨らみ、噎せ返りそうになるだろう。
佐倉 光
突然戻った正常な呼吸に、予期していた事ながら驚いて咳き込む。
全く現実的じゃない。冗談じゃない。思考が乱れて暴れる。
KP
牧志が激しく咳き込み、息を吐いた、
あなたの口からあなたの意によらず息が吐き出され、泡がいくつもいくつも水の上へと昇っていく。
あなたは傍らの身体を通じて呼吸ができていた。
彼は傍らのあなたを通じて呼吸ができていた。

あなたは恐ろしいことに気づく。
これでは、手を離すことができない。
佐倉 光
当たっていて良かった。もう苦しくない。
佐倉 光
牧志にしがみついてうっうっと嗚咽にもならないようなのどの震えを漏らす。
呼吸は戻ったのに苦しい。
てをつなぐ
KP
そういうやつでした。>ひょっとして
佐倉 光
やっぱりそうじゃないかーーーー
KP
佐倉さんが大変かも、というのはこの辺の話でした。普段ならいつものように手を繋いで探索するだけで済むんだけども。
佐倉 光
どっちが右手かな。触れようとしたんだしやっぱりこっちかな。(AND/HANDと同じ)
KP
ですかねやっぱり。いいと思います。>AND/HANDと同じ
佐倉 光
※KPー、後遺症ロールここでやっときます?
KP
お、そうだそうだ。いつもの【CON】ロールをお願いします。

佐倉 光
1d100 30【CON】 Sasa 1d100→ 91→失敗
佐倉 光
駄目だったぁ
しかしこれで牧志の〈応急手当〉ロールチャンスが!
佐倉 光
HP 10 → 9
体をばらばらになりそうな激痛が襲っている。
呼吸困難のためだろうか。
いっそこのまま砕けて溶け崩れて、いつかの夢の牧志のようになってしまえば楽なんじゃないかと思えた。
ほとんど牧志に抱きつくようにして縋って苦痛に耐える。
牧志 浩太
「佐倉さん」
牧志の声が少し震えてあなたを呼んだ。
あなたの背に反対側の手を伸ばし、その背をさすろうとして、少し、躊躇う。

その躊躇いはあなたから逃れたいのではなく、その手があなたを苦しめないかと思ったがためのようだった。

躊躇いを含んだ手があなたの背に伸ばされ、名を呼ぶ声とともに、戻りつつある体温をゆっくりと伝えてくる。
牧志 浩太
〈応急手当〉を試みる。
1d100 59 〈応急手当〉 Sasa 1d100→ 73→失敗
KP
彼の手はあなたの身を裂く激痛を和らげるには至らず、ただその存在ばかりを感じさせた。
佐倉 光
1d100 49 〈応急手当〉!  Sasa 1d100→ 58→失敗
佐倉 光
牧志に触れても触れられても、不安ばかりが押し寄せた。
手の中で震える肉塊を思い出した。
食いたいと思ったことを思い出した。
夢の中でその血を啜って飲み下したことを思い出した。
佐倉 光
あわてて体を離す。そのまま手をも離そうとしかけて、恐ろしいものを見るようにその手を見つめる。
互いにできることが違い、手を繋ぐことで共有している。
どんな理屈だか分からないが、こんなの、地獄だ。
牧志 浩太
慌てて身体を離したあなたに牧志は、はっ、とあなたの背から手を離す。
佐倉 光
「牧志……生きていて良かった」
言葉と裏腹に、目を逸らして恐れるように呟いた。
牧志 浩太
「ごめん、……ああ、無事でよかった。佐倉さんも。
あの時は、ありがとう。逃げたりして、怖がったりしてごめん」
牧志 浩太
あなたが怖れるように呟くのを聞いていながら、彼はどうしても、その一言を言いたかったらしかった。
KP
静かな水の中に彼の声が落ちる。
彼の体温は戻りつつあり、あなたの手に柔らかい熱を伝えた。
その奥に微かに心臓の鼓動を、脈を感じた。
佐倉 光
「いや、いいや……当然だ」
佐倉 光
「俺はお前を追い回して殺した」
佐倉 光
「あのときはあれしかなかった。それだけ……だ。仕方がなかった」
水の中で良かった。
佐倉 光
牧志の手が温かい。命の温度を感じる。
どこまでも貪欲にそれを感じたいと思うと同時、そうあってはならないという強い罪の意識を感じる。
牧志 浩太
「ああしてくれなかったら、俺、本当に死んでたしな。
佐倉さんがいてくれて、よかった」
あなたと手を繋ぐ牧志の声に怖れはなく、柔らかい安堵と喜びと、それから会えたことを喜ぶことへの、引け目のような意識が宿る。
佐倉 光
水のなかで良かった
と思ったのはめちゃくちゃ泣いてたからです。泣いてもばれないはず!
KP
ですよね!
(声で分かりそう)

佐倉 光
「ここは、夢か……?」
牧志 浩太
「夢……、なのか?
確かに、直前に寝たような記憶がある。それで起きたら水の底なんだから、普通に考えたら夢だよな。
最近ちょっと、何を普通に考えればいいのか分からないけど」
KP
あなた達の声が、この空間に微かに反響する。
佐倉 光
「運が良かった、だけだ」
運良く見ていた。
運良くあの男が対処法を知っていた。
運良く食わずに済んだ。
運良く牧志が生き残っていた。
目が合わせられない。
佐倉 光
「夢だろうとそうではなかろうと、早くここから出よう。
俺はおかしい。今度こそ」
噛み殺した言葉の代わりに手を強く握った。
そう、早く終わらせればいい。
そうしたらまた離れられる。
牧志 浩太
「……」
微かに彼の周囲の水が揺れる。
牧志はあなたと握った手を見て、困ったように笑ったようだった。
握った手に籠もる力が、少し強くなる。
佐倉 光
「何か方向が分かる物を持っていないか?」
持ってないかな? こちらも自分の状態を確認する。
また、周囲の状況を今度こそ落ち着いて確認しよう。
KP
自分の身体を見れば、服装は眠った時のものではなく、いつもの黒いパーカーだった。
靴も履いており、がれきを踏んで足を切ってしまう事もないだろう。

荷物や持ち物はない。ただ、ペンダントは変わらず身に着けている。
牧志も同じ状態のようで、いつもの見慣れたジャケット姿だ。
牧志 浩太
ジャケットのポケットを探るも、そこには何もない。
彼は、真珠色の鱗がついたブレスレットだけを身に着けている。そういえば、そのブレスレットは見たことのないものだ。
佐倉 光
服を着ている……
今更驚くようなことでもない。
今までにも何度もあった。持ち物は……お守り系だけか。まったく有り難いね。

牧志もなにかお守りのように見える物を身につけているな……
なんだ? あれは。
気にはなったが、話しかけるのに躊躇した。
KP
これはいつぞやの鱗。
佐倉さんがブレスレットを見たことがないのは、前回終了後(牧志の監視やめてから)に加工したためです。
KP
また持ち物持ってない。前回の件で持ち方変更しておいてよかった。>鱗
佐倉さんからすると「なんか突然見慣れないもの持ってる」になるけど。
佐倉 光
後で追求しよ。
KP
あなたがパーカーを探ると、そこに持ち物は入っていないが……、何か軽い紙のような感触に触れる。
それは、一枚の折り畳まれた紙だった。
佐倉 光
「ん……」
紙きれに気付いて引っ張り出してみる。
何だろう?
KP
それは一枚のメモ用紙のようだった。
折り畳まれており、何かの絵が描かれているような面をこちらに向けている。
牧志 浩太
「それは……、紙? 何か書いてあるな」
あなたの動きに気づき、紙切れに視線を向ける。
佐倉 光
「ポケットに入っていた」
答えて、紙を……片手、しかも左手では広げにくいな。しばらく格闘する。
牧志 浩太
格闘するあなたを見て、牧志が紙の一端を取り、引く。
紙が広がり、中の丁寧で穏やかな筆跡で書かれた文字があなた達の目に触れる。
▽折りたたまれた紙
ここは、深い深い海の底。
かつて大切なものを守り損ねた、亡者の墓場。
彼らの後悔は、それぞれの“力の象徴”に宿る。
傷ついた魂を、どうか救ってあげて。
佐倉 光
「謎かけか? 人を救ってる余裕なんかあるかよ……」
俺自身が傷だらけで人のことなんか構っていられないんだ。
今だってまともに物が考えられないというのに。
KP
その後に、叫ぶような筆跡でひとこと、書き足されていた。
▽書き足された文字
あなた達はまだ、手を繋いでいられる。
佐倉 光
「そうだな。手を繋いでいないと溺れる。厄介だな……」
深いため息をつく。やるしかないだろう。
牧志 浩太
「何だか……、ごめん。
変な時に会っちゃったな。
もうこんなことにも慣れたけど、何も今じゃなくてもよかったのにな」
佐倉 光
「お前が悪いんじゃない」
大体は俺達は悪くねぇんだよ……!
牧志 浩太
「そうだな、……変な目に遭い過ぎだよな、俺達」
牧志があなたの手を握る力は少し強く、その手は温かい。
佐倉 光
いつも通りにやれば、すぐ終わるはずだ。
冷静に、そう、協力、して……
手の温かさをどう受け取っていいかまだ分からなかった。
佐倉 光
『AND/HAND』では「こんな素人とわけの分からないところにいられるか!」で早く離れたかった。
今回は牧志を傷つけるかも知れないから早く離れたい。
状況は似ているが全然違うな。
あと、離したければ離せるな。たぶんふたりとも死ぬけど。
KP
離したければ離せますね。今回はね。
佐倉 光
紙を裏返してみる。何か絵が描いてあったはずだ。
▽紙の裏側
紙を裏返せば、そこに描かれていたのは何かの図だ。
紙の上部には「N」、下部には「S」と書かれており、「S」の方に小さな点が描かれている所からして、自分たちが立っていた場所が南側なのだろうか。

また、反対側、北側に扉のようなものが描かれている。
牧志 浩太
「扉? こっちが出口、ってことか?」
佐倉 光
「北へ行け、ということだな。方向が分からないが」
そのへんに「順路」とか書いてあるんじゃないのか。
投げやり気分で周囲を見回す。
KP
あなたは周囲を見回す。

あなた達のいる場所を覆うように、何本もの太くて白いアーチが床から天井まで伸びている。
それは、巨大な骨のように見えた。
あなた達はそのアーチの端にいる。

また、足元だけでなく、アーチの内側全体にたくさんのがれきが散らばっていた。図で言えば北の方なのだろうか、ひときわ大きながれきの山がある。

アーチの隙間からは外の様子が見え、その先では色とりどりの魚が泳いでいる。
その傍では、美しい珊瑚が波にまかせてゆらゆらと揺らめいていた。

珊瑚の傍にはたおやかな花が咲き、果実が実る木が見える。
海の底のような、地上のような、奇妙な光景だった。
牧志 浩太
「ここが南側の端、みたいだな。この図によると」
佐倉 光
「分かりやすくていいな。順路に沿って行けばいいんだろ……
そして、“力の象徴”って奴を探せばいいんだ」
佐倉 光
少し気が落ち着くと美しさが見えてくる。
いつか溺れかけた水族館をふと思い出した……
あの時も牧志に助けられたな。
そういえば海の中を延々と泳いでいたような気もする。
夢か何かか。果てない海を彷徨い続けていて、諦めかけた頃に牧志と会った気がする。
海の想い出には碌な事がないな。
牧志 浩太
「水族館みたいだな。
大きなトンネルがあって、上に魚が泳いでるやつ」

困惑するような沈黙の中、言葉を探りあぐねていた牧志が上を見上げて、ふと発した。
佐倉 光
会話を交していると不思議と心が落ち着いてきた。
意外と大丈夫、だったのかもしれないし、症状が落ち着いている時期なのかも知れない。
佐倉 光
「よし。いけるいける……」
無意識に呟いていた。まだ、顔はまともに見られない。
佐倉 光
地図にこのアーチのような物は描かれているんだろうか。
鯨の骨か何かだろうか? それっぽく見えるだけかな。
KP
鯨の骨、と考えれば、なにか巨大な生物の骨のようにも見えた。
白いアーチは等間隔に置かれ、奥に行けば行くほど大きく広がっている。

そういえば、海の底だというのに、この一帯は明るい。
見ればアーチがほのかに発光し、この一帯を白く照らしていた。

アーチをよく見るなら
〈目星〉または【アイデア】

本当に骨なのだろうかと考えるのならば
〈地質学〉または〈医学〉
佐倉 光
「これは鯨の骨かな」
アーチを見上げた。
〈目星〉を行う。
骨に関しては〈医学〉で考える。
1d100 98〈目星〉 Sasa 1d100→ 44→成功
1d100 21〈医学〉 Sasa 1d100→ 96→致命的失敗ファンブル
佐倉 光
ありゃ。
大丈夫だと思ったのにもうダメになっちゃったかー。
牧志 浩太
1d100 57 〈医学〉 Sasa 1d100→ 17→成功
KP
成功した牧志のみ、〈生物学〉で判定。
1d100 1〈生物学〉 Sasa 1d100→ 83→失敗
佐倉 光
きょーりゅーか、未知の生物かなんかかしら
KP
何かの骨のような、つるりと長く、白いアーチ。
それを見ていると、不意に意識の中に赤い色が瞬いた。

赤い色。一面赤黒く染まる中、もがき暴れる腕を蛇の尾が掴む。

耳を覆いたくなる程の破砕音。
ぬめる肉の中から突き出した、唐突な、白い色。

目の前の青年が、砕かれた肉になってゆくところ。

あなたは、思い出してしまう。
ありありと。握った手の中に、今も生温かい肉の感触があるかのように。

SANチェック成功時減少 0失敗時減少 1》。
佐倉 光
1d100 58 《SANチェック》 Sasa 1d100→ 7→成功
佐倉 光
悲鳴を上げた。見開いた目の中、瞳が彷徨う。
目の前のものが見えない。見えるのは掌で蠢く赤い塊だ。
手放さなきゃいけない。そうしないと、食べてしまう。
右手を開く。
KP
手を離した瞬間、あなたの肺を痛みが襲った。
悲鳴と共に瞬く間に空気が泡となって出ていき、激しい息苦しさがあなたを襲う。
牧志 浩太
「……!」
佐倉さん、そう彼の唇が動いて声にはならなかった。
もがくようにあなたの手を掴もうとする。
KP
【CON】×5で判定。
牧志 浩太
1d100 60【CON】 Sasa 1d100→ 100→致命的失敗ファンブル
KP
あ。ファンブルのため、牧志は1d3ダメージのところ1d4になります。
牧志 浩太
1d4 Sasa 1d4→1
HP 8 → 7
佐倉 光
1d100 30【CON】 Sasa 1d100→ 77→失敗
1d3 Sasa 1d3→1
失敗してたらかじってたかな!
KP
狙いすましたようなファンブル
佐倉 光
スマナイ牧志。お互い1で済んで良かった。
KP
いいんですよ。1で済んでよかった。
佐倉 光
悲鳴が泡となり、そこで自分が何をしたかに気付いた。
牧志の手の方へ手をのばす。
牧志 浩太
牧志は伸ばされた手を引き寄せて掴み、何度も何度もあなたの身体を通して息を吐く。
互いの身体を通して空気が行き来し、あなたの肺を膨らませる。
牧志 浩太
「佐倉さん、大丈夫、大丈夫だから。
佐倉さんは俺を助けてくれた。殺したりしてない」

あなたの手を握りしめながら、牧志はその上に声を降らせる。
佐倉 光
「ごめん……」
佐倉 光
俺は、手を繋いでいても離しても牧志に苦痛を与えるのか。
どうしたらいい。

なんだか体がだるい。微熱が出ているかもしれない。
後で魔法か何かで治さないと……
牧志 浩太
「いや、いいよ。
それこそ佐倉さんは悪くない。こんな、よく分からない異変が悪いんだ。

……大丈夫だよ。今の佐倉さん、COMPも持ってないし、刃物とかもないだろ。
あの時と違って、俺もちゃんとしてる。手を握ってても大丈夫。
だから、いつもみたいに話そうよ」
佐倉 光
「ああ……」
大丈夫?  大丈夫だって?

ゆっくり呼吸をする。気を落ち着ける。
全く大丈夫だとは思えなかったが、
牧志の言う通り、危害を加えられる要素はない。
ひとまずは問題にならないはずだ。
握った手を見つめてぽつりと答える。
佐倉 光
「努力する……」
牧志 浩太
「……」
あなたに無理をさせていると分かるのだろう。
また謝罪が口をつきそうになったのか、口元が震えた。
呼吸を共有しているためか、その僅かな震えがあなたの身体で感じ取れた。
強欲
KP
佐倉さんはそれどころじゃないけど、牧志は久しぶりに話せる機会ができちゃったせいで話したくなってしまっていて、いまいち意思が合致しない。
情報色々あるんですが、会話もしたいのでゆっくり出していきます。
佐倉 光
はーい。
佐倉は今「はやく終わらせたい」と思っているので性急に動きますけど、あんまり気にしなくて良いです。
KP
はーい。
佐倉さんは牧志と手を握っていなければならないだけで大変だもんな。
佐倉 光
まだ「ぜんぶほしい」が「たべる」になっちゃってるからー。
正直呼吸共有している時点でひとつの存在になっているといえなくもないので、それに気づいたらたぶん少しは落ち着く。
KP
果たしてそこに気づくのか。
(同じaki様のシナリオでめちゃくちゃ不穏なシナリオ見つけちゃったんだよなぁ)
佐倉 光
気づかない方がよいですか~?
KP
いや、気づいてしまって大丈夫です。
落ち着いた後で行っても十分ひどいはなしだと思うのであれ。
むしろ今確認した感じ、落ち着く前に行ったら合致しすぎて大変なことになりそう。
佐倉 光
何があるんですか怖いじゃないですか!
KP
ちょっと合致っぷりがすごくて……。

KP
改めてよく見てみれば、アーチは赤黒い血肉になどまみれておらず、ただ墓場の白を海中にさらしている。

直径50cmはあろうかというその巨大な骨の根元に、白い粉が溜まっている。
発光する骨が海水を僅かに蒸発させるほどの熱を発し、塩を溜めているのだ。
佐倉 光
牧志が柱を見ているのを見て、自分もそちらを覗く。
佐倉 光
「なんだ、塩……?」
牧志 浩太
「ああ。随分熱いみたいだ、これ。
そのおかげで冷えないで済んでるのかな」
KP
〈聞き耳〉で判定。
佐倉 光
1d100 79〈聞き耳〉 Sasa 1d100→ 47→成功
牧志 浩太
1d100 97〈聞き耳〉 Sasa 1d100→ 71→成功
KP
熱について言及されると、そういえば、ひやりと足元に冷気を感じているのに気づいた。

その冷気は、どうやら背後から漂っているようだった。
振り返れば、自分たちの背後を閉ざすアーチは発光しておらず、ひやりと冷たい。
その向こうには真っ暗な闇が広がっていた。

この光が、辛うじてあなたたちのいるところを守っているようにも感じられた。
佐倉 光
「前に進むしかないみたいだな」
ここが人間のいられる場所ではなくて、互いに手を離せば死んでしまうであろう状況であることがゆっくりと染み込んできた。
佐倉 光
俺の気持ちがどうとか、ちっぽけなことにこだわっている場合じゃない。
牧志 浩太
「……」
はくり、と数度口が開閉する。
話そうと言ったくせに、何を話していいのか分からないようだった。
佐倉 光
「指示に従ってみようか。
それしかないみたいだ」
苦笑する。
牧志 浩太
「……だな。進んでみよう」
佐倉 光
外の様子をよく見てみるが、何か見えるだろうか?
KP
アーチの外を見やれば、そこには背後の薄暗さが嘘のように、魚たちが尾をひらめかせる眩い光景が広がっている。

手に取れそうな程の距離に咲く花や果実を前景に、美しい海を背景に、その風景は幻想的な色合いを形作っていた。
KP
海中をよく見るなら
〈目星〉で判定。
佐倉 光
1d100 98〈目星〉 Sasa 1d100→ 51→成功
牧志 浩太
1d100 98〈目星〉 Sasa 1d100→ 20→成功
KP
泳いでいる魚たちは、どれも珍しい種類のようで、図鑑や水族館でも見たことのないようなものばかりだった。

咲いている花は青く、小さな5つの花弁を持つものだ。
実っている果実は緑色の柑橘類で、いかにも酸味が効いていそうだ。
佐倉 光
「綺麗だな」
素直な感想が漏れた。
人間が存在すべきではない世界の風景は、背筋が寒くなるほど恐ろしくも美しい。
牧志 浩太
「だな……。綺麗だ。人がいないから、余計に綺麗に見えるのかな」
牧志がぽつりと呟く。
KP
……光の届かない奥に、あなたたちは見てしまう。
そこには、「人に似た何か」が何体も海底を闊歩していた。
背中を大きく曲げ、大きく離れた二つの目がぎょろぎょろと周囲を見渡している。
水かきのついた手が水をかき分け、それに合わせてえらの様な部分が、ひくりと開閉した。
その生き物は、への字の口を大きく開いたかと思うと、辺りを泳いでいた魚を、ばくん! と丸呑みしてしまった。

人のような、魚のような。
あなたはそれを見たことがあったし、何なら、近しいところへ行きかけたことがある。

この世界は美しくこそあるが、やはり人のあるべきところではない。

SANチェック成功時減少 0失敗時減少 1D4》。
佐倉 光
1d100 58 《SANチェック》 Sasa 1d100→ 14→成功
牧志 浩太
1d100 52 《SANチェック》 Sasa 1d100→ 36→成功
KP
それらは光を嫌うのか、アーチの発光から目を背けるようにし、こちらまで来ることはない。
牧志 浩太
深い闇の向こうから眼をぎらつかせた生き物を見て、牧志は一瞬、怒りのような、寂しさのような、複雑な表情を覗かせた。
その手首で真珠色の鱗が揺れた。
佐倉 光
息をのんだ。
よく覚えていないながら、何が起きたかは何となく知っている。
あれになりかけていたのか、と改めて思うと、牧志に救われていたことを嬉しいと思う。
なにも安心できる状況ではないのだが。
佐倉 光
助けられてばかりだ。
KP
花や果実に対して【知識】または〈博物学〉で判定。
佐倉 光
花には見覚えありそうかな……
1d100 85【知識】 Sasa 1d100→ 77→成功
牧志 浩太
1d100 75【知識】 Sasa 1d100→ 34→成功
KP
その花は勿忘草だ。春の花で、その可憐な仕草と意味ありげな名から、様々なシチュエーションを託される。

ヨーロッパ原産の花で、輸入は明治時代。名も、英名の「私を忘れないでforget-me-not」をそのまま当てたものである。
KP
〈歴史〉で判定。
佐倉 光
1d100 20 【歴史】は初期値!!  Sasa 1d100→ 72→失敗
牧志 浩太
1d100 79 【歴史】 Sasa 1d100→ 100→致命的失敗ファンブル
佐倉 光
ナンテコッタイ
佐倉 光
「勿忘草か。こんな海底に?」
考えるだけ無駄かな。水中で呼吸できるなんて訳のわからない状態なんだ。花くらい咲くだろう。
牧志 浩太
「海底に花が咲いたり実が生ったり、綺麗だけどめちゃくちゃだな。
夢の中っていうの、合ってるのかもしれない。

最近、ただの夢じゃない夢を見過ぎて、何が現実なのか分からなくなりそうだ」
牧志 浩太
「勿忘草か……。何だっけ、咳に効くんだっけ?」
佐倉 光
「そうか、初耳だな……」
あんまり詳しくない。
牧志 浩太
「いや、俺もどこかで聞いたような気がするだけだけど」
牧志 浩太
※民間療法らしいので真似しないで下さい。
KP
緑色の実はライムか何かのようだ。近寄れば、特有の爽やかな香りが漂う。
佐倉 光
「夢だろうとそうじゃなかろうと、この中しか生きて行ける居場所はないみたいだな」
そして、牧志の隣にしか俺の居場所はない。
牧志 浩太
「……行ってみるか、あっちに。戻っても何もないみたいだしな」
牧志 浩太
牧志は手を離さないように気をつけながら、緩やかにあなたの手を引く。
佐倉 光
その速度に合わせて足を踏み出す。
人に合わせるなんて事をするのも久し振りだ……

気が進まなかろうがなんだろうが、動かなければ死ぬ。
恐らくそういうところだ、ここは。

※前に進みます。

KP
北側に近づけば、そこには大きながれきの山がある。
流木、空き瓶、ガラス片、金属片、その他雑多な物が山積しており、ごみ捨て場、あるいは漂着物の流れ着く海岸を連想させた。
先程の文章を読んだせいか、墓場のようだ、とも思えるだろう。

……そういえば、こんながらくたの山の中で、二人揃って燃やされかけたこともあった。
佐倉 光
あの時はもっと近くにいたのにこんなに辛くなかった。
なかなか起きてくれなくて慌てたけどな……
KP
積み重なった品々はどれもぼろぼろで、がらくたのように思える。
その中で異彩を放つのは、がれきの山に隠れるようにして置かれた真っ白な扉だ。

がれきの山の後ろに置かれたそれは、しかし埋もれてはおらず、開けようと思えば開けることができそうだ。
佐倉 光
「開けてくれと言わんばかりだ。
どこでもドアー!  なんてことはないだろうなぁ」
ドアをよく見る。
KP
ドアノブには鍵穴などはついておらず、開けることができそうだ。
扉には何か文字が書かれている。

「心残りは、もうない?
扉を開くことができるのは、一度だけ」
牧志 浩太
「……何もせずに開けたらどうなるか、ってのは書いてないんだな」
牧志は一度、あなたの顔を振り返る。
あなたの、焦り、あるいは苦しみを浮かべているだろう顔を。
確認したい
佐倉 光
PL質問。ここってエリアの北端ですか。
南側にあるのかと思ってたけど、意外とエリア狭い?
佐倉 光
まだ先がある
↑   ↑
骨  骨
骨  骨
骨  骨
骨  骨

壊壊

佐牧
骨  骨
骨骨骨骨

こんなんかと思ってたけど

骨骨骨骨骨骨骨  木
        魚人
 壊壊壊  花    
骨     骨    魚人
骨     骨      
 佐牧     花  
骨骨骨骨骨骨骨花     

こんなの?
KP
あ、二番目の方です。ややこしくてすみません。こんな感じです。

骨骨骨骨

壊壊
骨  骨
骨  骨
骨  骨
骨  骨
骨  骨
佐牧
骨骨骨骨
こちらでも「描写だけだと位置関係わからん」をやってしまった! 失礼しました。
佐倉 光
アイシー。ありがとうございます。
KP
いえいえ。お騒がせしました。
KP
ややこしくてすみません! 細長いエリアの北端です。
一番南側に最初立っていて、北の方にがれきの山が見える。
一番北まで行くと、がれきの山と扉がある。という感じです。
がれきの山をよく見るともうちょっと何かあります。

佐倉 光
「つまりこれ、やることやってから最後に開けろって事だろう?
ボランティアがまだ終わってねぇな。
知ったことか、って開けたとして、碌なことにならない気はする」
佐倉 光
「傷ついた魂だの力の象徴だの、このガラクタの中にあるのか?」
ぐるりと見回す。
佐倉 光
「見当もつかなさすぎて、うんざりするな」
適当なガラクタを手に取った。
地図に書かれた扉はこの扉と大体位置関係一致するかな。
また、地図に何か描いていないかな。

何も無ければ、この近辺から歩きながらめぼしい物を……
手を離せないから手分けできないのだな。
せめて逆方向見て広めの視界を確保するしかないか。
KP
あなたががらくたを手に取った、その時だった。
不意に、キン、と金属同士を打ち鳴らしたような高い音が響く。
その耳障りな音に続くように、声が聞こえた。

『どうして、殺したんだ』
牧志の声、のように聞こえた。

『どうして、守ってくれなかったんだ』
あなたを責め、嘆く声だった。
佐倉 光
「な……!?」
思わず牧志の方を見る。
恐らく彼が発した言葉ではないと思いつつも、見ずにはいられなかった。確認せずにはいられなかった。
牧志 浩太
「う……、何だ、これ」
あなたの手を握る手に力が籠もる。
彼は苦しそうに引き結んだ唇を微かに動かして、声を漏らした。
KP
同時に声が続いた。

『どうして、守れなかったんだ』
声は響く。それはあなたの声だった。

『お前が悪い。お前が弱かったから。耐えられなかったから』
『迷ったから』
『遅かったから』
それはあなたの声で牧志の声だった。幾重にも折り重なり響き返し入り混じる。

『俺が悪い』
『俺のせいで』
『俺の手が届かなかったから』
『お前が悪い』
『お前が仕損じたから』
『お前が』

『お前のせいで』

『『失った』』

無数の声はあなたを、自身を責め立て、喪失を嘆く。
重なる声には、様々な感情が入り混じる。
怨嗟、憤怒、悔恨、憎悪―――濁流のように押し寄せる負の感情が、あなたの手足を引き裂く。
KP
これは誰の声なのだろうか。
傍らの彼は……、本当にそこにいるのだろうか?

SANチェック成功時減少 1失敗時減少 1D3》。

また、▽〈聞き耳〉で判定。
佐倉 光
1d100 58 《SANチェック》 Sasa 1d100→ 80→失敗
1d3 Sasa 1d3→1
SAN 58 → 57
1d100 79〈聞き耳〉 Sasa 1d100→ 8→成功
牧志 浩太
1d100 52 《SANチェック》 Sasa 1d100→ 41→成功
SAN 52 → 51
牧志 浩太
1d100 97〈聞き耳〉 Sasa 1d100→ 70→成功
佐倉 光
違う違う違う、牧志はこんなことを言わない。

そうかな?  自分の心臓を食おうとする奴になんか、幻滅するだろう、普通。
気持ち悪いもんな。
佐倉 光
声の津波のなか立ちすくむ。
なんだ、これは、守れない……
佐倉 光
「守れなかった……?」
牧志 浩太
「佐倉、さん」
あなた達を押し流そうとする声の波の中、牧志があなたの名を呼んだ。
牧志 浩太
「違う。守るとか、じゃなくて」
牧志 浩太
一緒に生き残ったんだ。そう牧志の唇が動いた。
佐倉 光
生き延びた。一緒に。
助けられたぶん助けて、支えあって歩いてきたはずだ……
ああそうだ、守るなんてそんなの、傲慢だ。
KP
あなたは気づく。
声は、あなたの名を呼ばない。

声は傍らの牧志からでもあなたからでもなく、目の前に積もるがらくたの山の中から聞こえている。

それに気づいた途端、突然声が止んだ。辺りに、再び静寂が戻る。

KP
見れば、先程の声の振動か、がらくたの山が少し崩れ、その中からいくつかの物が覗いている。

木箱。
方位磁針。
空き瓶。
本。
それから……、ナイフ。
KP
佐倉さんごめんな刃物出るんだ。
佐倉 光
「残留思念……?  ふざけやがって」
毒づいて、がらくたの中に光るものを見る。
佐倉 光
「力の象徴」
紙切れに書かれていた言葉を繰り返す。
この中じゃあ、単純に考えてナイフだ……

唾を飲み込んで、我知らず乱れかけていた呼吸を整える。
佐倉 光
「牧志。ナイフを拾ってもらえないか」
牧志 浩太
牧志は頷いて、ナイフを拾い上げる。

拾い上げると、刃はひどく錆びてしまっているのが分かる。
本体は残っており、錆びを落とせば使えそうだが、この状態では胸を刺すこともできないだろう。
牧志 浩太
「……?」
牧志は戸惑ったようにあなたの方を振り返り、そこにあなたがいることを確かめるような、心細そうな目をした。
1d100 51 《SANチェック》 Sasa 1d100→ 29→成功
佐倉 光
「どうした、なにか見えたのか?」
ナイフを持ってもらったままでこちらも触れてみようかな。
KP
あなたは錆びたナイフに触れる。

『俺に敵を倒す力があれば、彼を失うことなんてなかったのに』
呟くような声は牧志のものより少し低く、堅い声に聞こえた。

その声は余韻も残さず消えていくが、あなたの身体にどうしてか、何かを失ったようなむなしさと恐れを残した。

SANチェック成功時減少 0失敗時減少 1》。
佐倉 光
1d100 57 SAN Sasa 1d100→ 77→失敗
SAN 57 → 56
牧志 浩太
「声が、したんだ。敵を倒す力があれば彼を失わなかったって、自分を責めるような声。

その声が聞こえた後に、何だか空しくなって、たった一人になったような気がしたんだ」
佐倉 光
悪魔を使って、人を使って、道具を使って、困難を乗り越えてきた。
だが何も持たない状態で俺に何ができる?
そのせいで牧志が死ぬことがあればどうする?

そんな仮定でぽっかり空いた穴に落ちるような心地がした。
ナイフから手を離して牧志の肩を掴む。
牧志 浩太
「佐倉さん」
確かめるようにあなたの名を呼び、彼はナイフを足元に置いてあなたの腕を掴んだ。

呼吸と喪失感を、あなた達はしばし共有する。

佐倉 光
「これを、どう救えというんだ……?」
半ば呆然とナイフを見下ろす。
ただ感情を押し付けられただけじゃないか。
消化しろっていうのか? 無関係な俺達に?
牧志 浩太
「救え、か……。
受け止めろ、ってことじゃないよな。話を聞いてやれってことかな」

牧志はナイフを手に取り、がれきの山に向けて声をかけた。
しかし、声が返ってくることはないようだった。
牧志 浩太
「違うみたいだな……」
牧志 浩太
「救われるって、なんなんだろう」
佐倉 光
「失われたものを取り戻せばいいのか?
失ったのが人間で、当人ももう死んでいるんじゃあ、不可能だ」
佐倉 光
「そうだ、死んだらもう、得られないんだ」
空しさが満ちる。
牧志 浩太
「そうだよな……。死んでしまったら、もう」

取り戻せない。
彼がそれを口にするのを躊躇ったことが、あなたの胸の中で空気が揺らめいたことで分かった。
佐倉 光
だから、死なせるわけにはいかねぇんだよ。
佐倉 光
ちから、か。
知は力。それならきっとこれも力の象徴。

本を拾ってみるかな。
KP
本は革張りの分厚いものだ。
表紙や背表紙には何も書かれておらず、タイトルや作者は分からない。

中はぐっしょりと濡れ、ページをめくれば破けてしまいそうだ。
読むことは難しい。
KP
本に触れると、本の中から声が聞こえてきた。
『俺にもっと物事を理解する力があれば、彼を失うことなどなかったのに』

その声はあなたの声のようにも牧志の声のようにも聞こえて、全く別人の声とも思えた。
その声はあなたの胸の奥に、胸の奥をかきむしるような喪失感を呼び起こす。
KP
※一度感じたことのある感覚のため、《SANチェック》は発生しない。
佐倉 光
「力があれば。知恵があれば。ここにあるのは似たような後悔ばかりだ」
無力を嘆く言葉には軽い苛つきを覚える。
佐倉 光
「終わったことをぐだぐた言って、何になるってんだよ……!」
牧志 浩太
「まあまあ。
それを何とかしてくれ、っていうのが、さっきの人? の願いなんだろうし」
苛立ちを露わにしたあなたを宥めようとして、ふと、牧志は手元のナイフを見た。
牧志 浩太
「……もしかしたら、前を向かせてやってくれ、ってことなのかな。
どうしたらいいのか、見当もつかないけど」
佐倉 光
「前を向く?」
こいつなら方向を指し示せるとか?
方位磁針を拾う。
佐倉 光
好きなの持って扉に入れってことなのかな~とは思っている。
佐倉 光
ナイフは【STR】〈ナイフ〉技能
本は【INT】〈図書館〉
木箱は「は【CON】でやれれば」とかで。
方位磁針は〈ナビゲート〉、空き瓶は……【アイデア】?  わからん。
普通に能力値な気はしている。
KP
【CON】で笑ってしまった
KP
それは手のひらほどの大きさの、小さな方位磁針だ。
上蓋が外れており、針が頼りなく揺れているのが分かる。

よく見てみれば、針の赤い部分、N極が南側を、白い部分、S極が北側を指していることに気づく。

地図とは真逆の方位を示しており、どうやら磁石が狂っているのだと分かる。
KP
あなたがそれに触れると、また声が聞こえてきた。
『俺に安全な道を選ぶ力があれば、彼を失うことなどなかったのに』

……あなたの中に、奇妙な喪失感が降り積もってゆく。
牧志 浩太
「指し示すにしても、これじゃ方向が分からないな」
佐倉 光
「安全な方を選ぶ力があれば、失わずに済んだ、そうだ」
佐倉 光
「分かってきたぞ……
こいつらみんな似たようなことで後悔してるんだな。
詳細はどうあれ、その時自分が無力だったと悔やんでいる」
佐倉 光
「こいつらもそうなんだろう?」
木箱と空き瓶を見下ろした。
不気味さが遠ざかり、興味が湧いてくる。
空き瓶にどんな意味が込められているっていうんだ?
純粋な興味をもって空き瓶を拾い上げる。
KP
瓶は半透明で、緑色をしている。
コルクで栓がされており、よく見れば中に一枚の紙が入っているらしい。

コルクを外せば、紙を取り出すことができそうだ。
KP
瓶に触れると、再びあの声が聞こえてくる。
『俺に想いを届ける力があれば、彼を失うことなどなかったのに』

喪失感はいよいよ強まり、身体に穴が開いたかのように感じる。
KP
〈目星〉または【アイデア】で判定。
佐倉 光
空き瓶じゃないぞこれ!?
なるほど〈交渉力〉とか【APP】かなー
佐倉 光
「想いを届ける力があれば……か。ボトルメール? なるほどな」
強まるばかりの喪失感を埋めるように、牧志の手を無意識のうちに引き寄せていた。
1d100 85 【アイデア】 Sasa 1d100→ 25→成功
KP
この瓶には砂に擦れた様子がない。
どこからか海に流されてここに来たわけではなく、ただここに沈んでいったのだろう。
牧志 浩太
「届ける力があれば、ってことは、届かなかったってことなのかな。

それなら……この中の紙が、想い?」
佐倉 光
「巨大生物に食われて中で書いた……ならこんな書き方にはならねぇか」
当然のように牧志に瓶を渡してコルクを抜こうとする。
牧志 浩太
牧志は瓶を受け取り、コルクをあなたの方に向ける。
KP
コルクを抜き、中から紙を取り出す。
そこには、短い言葉がつづられていた。

その筆跡はあなたのものでも、牧志のものでもあるように見え、あるいはどちらのものでもないように見えた。
▽瓶の中の手紙
今までありがとう。
一緒にいられて幸せだった。
最後に、一つだけ言わせてほしい

(空白)
KP
紙の下には余白が多く、筆跡は途中で不自然に途切れている。
おそらく、この手紙は書きかけなのだろう。
牧志 浩太
「書きかけで瓶に詰めたのか。書ききる時間がなくて、ありがとう、だけでも伝えたかったのかな」
佐倉 光
「流れた様子もないし、これじゃあ本人の力なんて関係ない気もするけどな。
つーか宛名書かないと、届けることもできねぇだろうが」
牧志 浩太
「だよな。……瓶か。
海に流そうとしたらやりそこなって落ちた、とか?
流しても、結局届けたかった所には届かない気がするけど……」
佐倉 光
一瞬それが自分でかいたもののような気がした。
今の自分の内面を文章にしたらさぞグロテスクになるだろうし、それを目にすることで感情がよくない方に固まりそうだ。
軽く背筋が寒くなった。
牧志 浩太
「……」
牧志の唇が微かに動きかけて、あなたの中を音が通りかけて、やめた。
代わりに彼はあなたの手を握った。
佐倉 光
胸に空いた穴の感覚が大きすぎて、残りひとつに触れるのが怖い気はした。
しかし、気になるものは気になる。
佐倉 光
「するとこいつは、持ち上げる力か、破壊する力か……」
木箱にも触れる。
KP
それは縦20cm、横15cmほどの大きさの木箱だ。
ガラスの蓋がついており、中には綿が敷き詰められている。

また、白い綿に紛れるようにして、中には小さな骨が何本も入っていた。
どうやら骨格標本のようだが、骨はばらばらになり、何の生き物だったのか判別するのは難しい。

ガラスの蓋は、簡単に開けることができそうだ。
佐倉 光
予想外の方向だ!
これも『木箱』ではないなぁ。
観察力、〈目星〉【知識】
KP
あなたが木箱に触れると、また、あの声が聞こえてくる。
『俺に正しい答えを導く力があれば、彼を失うことなんてなかったのに』

その声は、あなたの胸をつきりと痛ませた。
あなたの全身を掴んで下ろそうとするような、ひどい喪失感があなたを苛む。
佐倉 光
「う……っ」
一瞬、胸の空洞に牧志を押し込んで埋めたい衝動に駆られた。
佐倉 光
「違う……違う」
呟いて耐える。耐える。
佐倉 光
俺は自分が何をしたいのかすら分かっていないんだ……!
けれどこれは絶対に違う!
牧志 浩太
「佐倉さん、違う、ここにいる。俺はここにいるから。
佐倉さんは何も失くしてない」

衝動に耐えるあなたの肩を牧志が掴む。あなたが普段そうするように、牧志はあなたの眼を覗き込む。
佐倉 光
「たちの悪い幻だ」
呟いて牧志の手を胸に押し当て、目を意識的に見つめ返す。
そうだ、俺達は二人の人間で、この状態が正しい。
牧志も俺も、互いのために生きているわけじゃない、ふたつの個だ。
深呼吸をして空気を巡らせる。

しかしこれは牧志が吸った『空気』だ。
今の俺達は本当に『個』であると言えるのか?
佐倉 光
「つくづく、面倒な状態になってるな、俺達は」
面倒なのは、俺の方だ。
落ち着いたことを明示するように呟いて、牧志の手を掴んだ手の力を抜く。
牧志 浩太
牧志の眼が、ほっと少し和らいだ。
知らずにあちらからも籠もっていた手の力が、ふっと抜ける。
それでも手を離してしまうことはない。
牧志 浩太
「ほんとにな。タイミングが悪すぎる」

彼の口調に合わせて呼吸が焦ったり、和らいだりするのが、あなたの胸ではっきりと感じ取れた。
彼の発する声が呼吸を揺らすのすら、感じ取れてしまう。

コメント By.佐倉 光
牧志に異常な執着を持ってしまい、それが治るまでと距離を置いているところだったのに、強制的に牧志と会わされてしまう佐倉。
この状況を喜ぶべきか、憂うべきなのか?

最悪(良)のタイミングで起こる怪奇現象。ひたすら佐倉の心がかき乱されます。

TRPGリプレイ【置】CoC『アレキの心音』 牧志&佐倉 3

それが、『佐倉さん』だったからだ。
『佐倉さん』の声と心で、俺を呼ぶからだ。

TRPGリプレイ【置】CoC『あのこが巨大化するシナリオ』 佐倉&牧志 3(終)

そうしないのは、あいつが牧志浩太っていう底抜け野郎だからだよ、くそ!

TRPGリプレイ CoC『インモラル・イミテーション』佐倉(子)&牧志 13(終)

「その腕輪もあまりいいものじゃないかもしれない、ってこと、だな……」
「全部、根は一緒なのかもしれない」

【クトゥルフ神話TRPG】
本作は、「 株式会社アークライト  」及び「株式会社KADOKAWA」が権利を有する『クトゥルフ神話TRPG』の二次創作物です。

Call of Cthulhu is copyright ©1981, 2015, 2019 by Chaosium Inc. ;all rights reserved. Arranged by Arclight Inc.
Call of Cthulhu is a registered trademark of Chaosium Inc.
PUBLISHED BY KADOKAWA CORPORATION 「クトゥルフ神話TRPG」


TRPGリプレイ CoC『心臓がちょっとはやく動くだけ』 越生&夏木(終)

『心臓がちょっとはやく動くだけ』
越生&夏木

TRPGリプレイ【置】 CoC『もぞもぞいう』佐倉(子)&牧志 1

「何だこれ☺☺☺ちょっと面白すぎる☺☺☺」
「☺☺☺って何だよわっかんねぇだろ☺☺☺」