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こちらには『ヒナドリ ・ イングレイヴド 』
ネタバレがあります。

牧志 浩太

お人好しで温厚、だが意思は強い好青年だったが……。
とある事情で二年より前の記憶の大半を失い、代わりに悪魔使い波照間紅の記憶を持っている。
首から胸へと続く奇妙な【契約】の痣がある。たまに痛むという。
生贄体質らしく、事件に巻き込まれることが多い。

佐倉とは友人。


佐倉 光

サマナーで悪魔退治屋。ハッカーでもある。
基本、知性・理性・効率、そういったものを重視する冷静な青年。自分の自由意志というものを何より大事に思っている。
巻き込まれ体質らしい。

牧志とは友人。


KP
PC・KPCともに能力的な戦闘技能がないため、その辺何とかするためにちょっとOP長めになります。
牧志 浩太
お手数おかけします。
KP
あなたと佐倉がこの『ずるむけ荘』に引っ越してきてほぼ一年が過ぎようとしている。

あまり生活リズムが合わないなりにも、帰宅した時に人の気配がある家というものに慣れてゆく一年。
長くゆったりした日常と、たまの小さな異変とが、この奇妙な名前のアパートに流れていった。
温かい春が、暑い夏が、涼しい秋が。

再び秋の風が木枯らしとなりつつある今日は、10月31日。
あなたがいまのあなたとなって、2度目のハロウィンだ。

いつかの夜のように空が奇妙な輝きに覆われることもなく、
いつもより少し賑やかな街を戻ったあなたの目の前にはもう見慣れた自宅の扉がある。

今日は佐倉が先に戻っているはずだが、明かりが点いていないようだ。
とはいえ、彼の予定などあってないようなものだが。
牧志 浩太
このアパートに越してきて一年。
もうすっかり道順も覚え、駅前の商店街の人達とも馴染みになった。
この名前を書類に書くことにも躊躇いがなくなった。
人間って慣れるものだ。

生活リズムが合わないなりに、ついでに二人分の料理を作って残しておいたり、佐倉さんに一緒に洗濯物干してもらったり。ちょっとした異変にすぐに気づいてもらったり。
(俺、やっぱり何かしら狙われ過ぎる)
そんな、袖の触れ合うような共同生活だった。

二度目の大学三年生の秋。院進を決めた俺の悩み事といえば、研究室どうするか、ってくらいだ。
珍しく平穏だな、なんて思うのは、なんだかすっかり毒されてしまったのだろう。

いまの俺にとって、初めての何も起きないハロウィン。……このまま、何も起きないよな? 今度こそ。
牧志 浩太
「ただいま、佐倉さん」
いつものように声をかけて扉を開ける。
明かりがついていないのには慣れたものだ。佐倉さんは急に予定が変わることが多いし、俺だって東浪見たちと突然飲みに出かけたりする。
牧志 浩太
また何か起きるんだねぇ
KP
起きるみたいだねぇ
KP
「止まれ」
低い声とともに背に何か硬い物が押しつけられた。
開かれた扉の向こう、暗い部屋の中にはいくつかの生き物の気配がある。
それらはこちらの様子をうかがって息を殺しているようだった。

【アイデア】または〈聞き耳〉
牧志 浩太
「!」

背が、凍った。

そのシチュエーションは知ってる。映画とかで。
でも、まさか。本当にそんな目に遭うなんて、思わないじゃないか。

背筋に、冷や汗が落ちた。
1d100 97〈聞き耳〉
☆ささぼっと☆ 1d100→32→成功
KP
気付いてしまった。
背後から聞こえるのは……

佐倉の声と息づかいだった。
牧志 浩太
「……えっ?」

部屋の中に、何かいる。それは間違いない。だから、状況はおかしい。

でも。
どうして後ろから、佐倉さんが?

佐倉さん、また記憶を失くしちゃったのか?
でも、だとすれば、前のこいつらは……、何だ?
牧志 浩太
「佐倉、さん?」
振り向かないまま慎重に呼びかける。

色んな可能性を考える。また記憶を失っている。何か、例えば脅迫されて、言うことを聞かされている。
操られている。実は、偽者。

背中に押しつけられているのが何か探ろうとする。
暗い室内にいるものが何か、目を凝らし、気配を探る。

両方の相手の出方を見る。
KP
「佐倉さんに敵対されること」にすら冷静に対処できるようになっちゃってる、牧志……。
佐倉 光
色々ありすぎたんだよ。
KP
本当にそれ。ある意味デビルバスターより経験の種類が幅広い。
KP
部屋の中で何やら囁き合うような声がする。
背後の気配が急激に緩んだ。
佐倉 光
「ちぇー、ボイスチェンジャーかましてんのに即バレんのおかしいだろ」
牧志 浩太
「……ああ、少なくとも正気か、よかった。
イタズラ? それとも、ガチ?」

室内を見つめ、少し身構えたまま、声からだけ気を抜いて返す。
佐倉 光
「っつか、俺が相手だって分かってて敵対行動とれるようにしてたな。
なんつーか色々慣れすぎで頼もしいわ」
牧志 浩太
「まあ、佐倉さんに二回ほどすごい眼向けられたことあるし、その時の経験かな」
KP
背後で苦笑する気配がした。
佐倉 光
「ちぇ、俺のせいじゃん。
はーい、サプライズ失敗です!
もう電気点けていいぜ!」
KP
真っ暗だった部屋の中で人が動く気配。
サプライズ!
KP
……佐倉の悪戯に乗ってくれそうな人どれだけいるかな?
候補は東浪見、波照間、東雲あたりなんだけど。
牧志 浩太
東浪見と波照間と東雲さんは乗りそう。名前の出てない牧志の友人は声かければ乗ってきそうだけど、佐倉さんの知り合いじゃないから佐倉さん次第かな。
KP
この日は牧志のっていうより牧志(紅さん)記念日なんで、そのへんの事情知ってる人にだけ声をかけるかな? そういう意味では東雲さんは波照間さんから伝わっているか次第かも。
それだと東浪見君は対象外になってしまうが、去年一緒に騒いだしな! って。
牧志の誕生日だったら、名前出てない友人も呼んだかも知れない。
牧志 浩太
東雲さん次第かなぁ。紅さんの話はしているかもしれないけど、牧志のことまで話してるかどうかは、東雲さんが聞いてくるかどうかによるかも。

東浪見は一年前のハロウィン記念ですしね!
KP
東雲さん空気は読むからなー。
まあぶっちゃけこのイベントそこまで厳密に決める必要はないんですけどね!
もうみんな呼んじゃえ。
牧志 浩太
人数多いほうが楽しいし話したってことにして呼んじゃおう。
波照間にとっても大事な思い出だから、機会さえあれば話すと思うし。

牧志 浩太
気配が緩んでも気を抜かないあたり場慣れしすぎている……。
なんかそろそろ日常生活してても場慣れが滲み出てそう。
佐倉 光
いつ豹変するか分かんないからね……
戦場の傭兵みたいになってら。
牧志 浩太
日常生活してても何かと隙がなさそう。穏やかに自然に背後を確認するし、周囲を分析しているし、両手を空けてる。
あ、持ち物にファーストエイドキットとベルトポーチ追加しました。
佐倉 光
気が休まらなーい!
了解です。
まあな、自室にいようと襲われるときは襲われるもんな……
牧志 浩太
自室にいようと襲われるときは襲われるし異変は起きますからねぇ。

それを気張りなく自然にこなすから、周囲から見てなんだか気配が異様になってそう。

KP
電気が点いた室内には、見知った顔の人々がいた。
あなたを追い越して佐倉が室内に入っていく。
手に持っていたのはシャンパンの瓶だった。あなたに突きつけられていた『銃口』はこれだったようだ。
佐倉 光
「牧志にサプライズしかけた俺がバカだった。
ある意味こっちがサプライズだ」
牧志 浩太
「言っててくれればそうするのに。あ、それじゃサプライズじゃないか」

見知った人々を見て嬉しそうに笑う。東浪見に、先輩に、あ、先輩の彼女(東雲さん)まで来てくれたんだ。
東雲 圓華
「お邪魔してます~」
KP
波照間の横で東雲が手を振った。
牧志 浩太
それにしても、シャンパンの瓶でも意外と分からないもんだな。
後で佐倉さんに銃触らせてもらって、区別覚えようかな?
佐倉 光
「たまには気を抜けよ」
通り抜けざまに軽く肩を叩かれた。
牧志 浩太
「何だか癖になっちゃってさ」肩を叩かれて苦笑。
気を張ってるってつもりはないのだ。ただ色々癖になってしまってるらしい。
KP
※中のヒトへ。この日は『事件』は起きません。
牧志 浩太
※ご連絡ありがとうございます。
楽しくサプライズした次の日以降になにかしら起きちゃうのか、悲しいね。
牧志 浩太
「今晩は、今日は来てくれてありがとうございます。先輩も、東浪見もありがとう。もちろん、佐倉さんも!」

こうやって見回すと、東浪見以外はこの二年でできた知り合いばかりだ。

あの前後できっと友人の顔触れもそこそこ変わっていて、でも東浪見はすっかり忘れた俺に変わらず力を貸してくれた。

ああ、ほんと俺の周囲、いい人ばっかりだな。
色んな感慨で、ちょっと涙が出る。
KP
その日は、持ち寄った酒と料理でちょっとしたパーティーが開かれた。
東雲の目を気にしてか、佐倉はアルコールを口にはしなかったが。

名目はハロウィンパーティー。
しかし何故か2本の蝋燭が立ったケーキがあるのだった。
佐倉 光
「あー、復活記念、つーか?」
KP
ケーキを用意した本人にも確たる理由はないようだったが。
KP
※波照間さんや東浪見さんは任せる!!
牧志 浩太
※はーい!!
KP
※ぶっちゃけこのサプライズパーティーは時期が近かったからぶっ込んだだけで、シナリオ的重要度はあまり高くないです。
牧志 浩太
※楽しいからいいと思います。毎回ハロウィンになんしかする面々!
そのうちハロウィンに集まるのが恒例になりそうで。

あと場慣れしすぎてる牧志出せて楽しかった。
東浪見 空
「おっ、誕生日ケーキだ。2本?
あー、もしかしてあれか! 佐倉さんの祝成人!」
東浪見が別な解釈をぶち込む横で。
波照間 紅
「ハッピーバースデー、じゃなかった。ハッピーハロウィン、牧志」
牧志 浩太
「ありがとう、先輩」
波照間と牧志はそう言い合って、ひっそり杯をぶつけた。
佐倉 光
「俺の成人はもーちょっと先だけどねー。
祭りだし丁度良かったからさ」
東雲 圓華
「佐倉さんはジンジャーエールでいいかしら。
東浪見さん何にします?」
KP
ちょっとした気遣いでひそやかな乾杯は隠された。
東浪見 空
「だなー、あ、俺はそこのシャンパンお願いします。俺も注ぎますよ。東雲さんと波照間先輩何にします?」
東雲 圓華
「私も最初はシャンパンにしますね」
波照間 紅
「ん? ああ、じゃあ僕はその泡盛で」
牧志 浩太
「あ、俺も」
KP
飲み物が行き渡ったところで、もう一度乾杯。
ささやかな楽しい時間が流れてゆく。
ちょっとした飲み会、思い出話、優しく平和な時間。
そういえばここしばらく、あなたの痣が疼くこともない。
ここに引っ越してきてから、呪いが解けたかのようだ。
牧志 浩太
ああ、なんて楽しいんだろう。
こんな時、ああ生きててよかったな、なんて思うのだ。
できたらこれから、今度こそ何もなければいいな。何もないのが当然みたいに、また来年もこうやって、三年目のパーティーができたらいいな。
牧志 浩太
「えっ東浪見、それどうやってるんだ」
東浪見 空
「体幹のなせる業! 牧志も筋トレしてみるか?」
牧志 浩太
「あー、いいかもな筋トレ」
東雲 圓華
「すごい、サーカスみたいですね」STR 8
佐倉 光
「普通の人間鍛えてそこまで行けんの? 俺は無理」STR 6
東浪見 空
「佐倉さんもやる? 筋トレ。まあ伸びしろの多さは人によるけど、少なくとも最初ほど伸びて楽しい」STR18
牧志 浩太
「そこで心底楽しい! って顔ができるのが東浪見の秘訣だな」STR11
波照間 紅
「まあ弓を扱うのに最低限は鍛えたが、僕はあまり伸びなかった方だな」STR9
『一般人』だった人
KP
これは筋トレシナリオやれってことか!?
キャラクターは鍛えるって宣言したところで能力値は伸びないんだなこれが。
牧志 浩太
なんですよねぇ。生まれ持った能力値を伸ばせない(EDUは伸びうるけど)悲しい世界。
牧志 浩太
牧志のサプライズ破り、二度目!
KP
牧志にサプライズしても即バレちゃうので、いつか引っかけてやるぞと躍起になっている佐倉。
いや今回ある意味引っかかってはいたんだけど……
牧志 浩太
本気にしてたからある意味引っかかってはいたけど、びっくりはしてくれなかった。
サプライズ仕掛けようとしたら友達がいつのまにか戦場の傭兵になってた時の佐倉さんの気持ちとは。
KP
常に気をはってるから、こういうからかい方したくなったのかもね……
牧志 浩太
ああー、それはありそう……。
寝る直前までぴんと気を張っているのが分かってしまうから、ばかだな、サプライズだよ、って。
気を張っているという自覚すらないのはだいぶん重症なのよ牧志。

KP
楽しい時間はすぐに過ぎ去って行く。
日付が変わる少し前に、パーティーは解散になるだろう。
波照間 紅
「おっと、もうこんな時間か。僕は東雲さんを送っていくよ」
東浪見 空
「だなー、牧志も佐倉さんも先輩も東雲さんも、今日はサンキューな! また明日!」
牧志 浩太
「こっちこそ、ありがとう。サプライズは変な雰囲気にしちゃったけどさ、楽しかった」
東雲 圓華
「また呼んでくださいねー!」
KP
来客が帰った後は、既に客の手によってかさりげなく片付けられていた。
僅かに残った皿と酒瓶を片付けてしまえば、そこで酒宴が行われていたことを語るのは、そこに漂う酒の香りだけだ。
KP
今日はオープニング終わらないかもw
牧志 浩太
そういえばまたも気づけば1時回ってるゥ。
まあせっかく置きですし、ゆっくり! じっくり!
サプライズパーティーの後の会話もしたいし。
牧志 浩太
手を振って先輩達と別れ、室内に戻る。
そこに漂う酒の香りだけが、先程の楽しい記憶を思い出させた。
牧志 浩太
「ああ、楽しかった!
声かけてくれたの、佐倉さんだよな?」
仕切り直すように、少しオーバーに声を上げた。
残った皿を洗いながら、室内にいるだろう佐倉さんに声をかける。
佐倉 光
「あー、まあな!
そもそもこんなパーティーになる予定じゃなかったんだけどなぁ、ノリと勢いってヤツだ。
東浪見はノリがいいし、波照間さんはやっぱ呼ばないとだろ?
声かけた時丁度東雲さんもいたからな」
佐倉は部屋から何か包みを持って出てきていた。
牧志 浩太
「お、何それ?」
皿を洗い終わって軽く水を切り、シンク横の水切りラックに立てる。
手を拭いてそちらを振り向いた。
佐倉 光
「ハロウィンの夜にぴったりのやべーやつ」
KP
言って包みを開ける。
すると中には、古びた赤い小手が入っていた。
佐倉 光
「スザクの小手っていうんだってさ。ちょっと前に悪魔からもらった。
着用するだけで強くなれるとかって触れ込みでさ。
俺には何の効果もなかったんだけど」
牧志 浩太
「え、それって……、
いいのか、俺に?」

さっきのサプライズよりよっぽど驚いた顔で、その籠手を見つめる。

佐倉さんはそうだけど、俺はそうじゃない。
俺がいくら記憶を持ってて、その世界のことを知ってたとしても。もう、「巻き込みたくない」なんて話じゃなかったとしても。

それは、ずっと引いてた境界のはずだ。
佐倉 光
「まあ……言ってしまうとさ。
これに大した力がないのは分かってるんだ」
KP
だから、それほど迷うこともなく渡せるのだと、言外に言う。
最初は自分が仕事で使おうと思って色々調べた、らしい。
佐倉 光
「大分前に壊れかけたカードの力が使えたことがあったろ?
この装備も大分ガタがきてて、もうあまり持たないらしくて。
だけど、お前みたいな……
つまり力や意思を降ろすのに向いてるヤツなら役立てられるかも、って話なんだ」
佐倉 光
「お守り代わりにでも持ってろよ。
そしたら少しは……そんなピリピリしてなくても済むかも知れないだろ。
多分一ヶ月は保たないだろうけどさ」
牧志 浩太
「あ……、」
その言葉を聞いて、今日のサプライズのことや、パーティーのこと、この一年のことが頭の中を駆け巡った。

そうか。
そういえば俺、あの時あらゆる可能性を考えてたな。佐倉さんが正気に戻らなかったらどうするか、そこまで少し考えてた。

そういえば、背後の足音にすぐ気づいて驚かれたっけ。剣道やってる同級生に、何気なく死角を抑えてる、何かやってんのかって言われて、何のことか分からなかったっけ。

雰囲気優しいけど、最近なぜか偶に怖く見える、って。言われたっけ。

ああ。
気づいてなかったけど、気を張ってたのかもしれないな、俺。
牧志 浩太
「……そうだな。気を張ってたのかもしれない、俺。
こういうのってさ、自分じゃなかなか気づかないもんだな。

それなら……、受け取るよ。お守りにする。

今日は本当にありがとう、佐倉さん」
佐倉 光
「いいよ。壊れるまで置いておくの勿体ないなってだけだから。
あと、騒ぎたかっただけだからさ」
KP
※袖を通してみてもいいしそのまま持っていてもいい。
牧志 浩太
「着けてみてもいい?」
恐る恐る、籠手を手に取る。
その古びた重みを、何気なく左手に通す。
※折角もらったので着けてみる
KP
左手を鳥の羽で覆われたような温かい感覚があった。
そして一瞬小手がかっと熱を持ったかと思うと砕け散る。

その瞬間、あなたは真っ赤に燃えさかる鳥の姿を見た。
四神が一体。不死鳥とも神鳥ガルーダとも呼ばれる存在の一端がそこにあった。
それはもはや意思を残さない力の欠片に過ぎなかったが、ひとときはこの世に顕現していた悪魔そのものが、姿を変えたものだったのだとあなたは知るだろう。
SANチェック成功時減少 0失敗時減少 1
牧志 浩太
1d100 73 《SANチェック
☆ささぼっと☆ 1d100→26→成功
KP
SANチェック》プレゼントしてごめんな!
牧志 浩太
「あ、」
思わず、追うように手を伸ばした。

真っ赤に燃え盛る鳥の姿と共に。
呵々と笑う二つ頭の鳥の姿が、見えた気がした。
牧志 浩太
※合成に使っちゃったけど、女神転生TRPGの方でスパルナのカードを最終的に(洞川さんから譲り受けて)受け取ったのも波照間でしたね
KP
そういえばそう!
スパルナはガルーダの別名だしね。縁があったんだろう。
牧志 浩太
ですねぇ。縁が繋がってたんだ。
佐倉 光
「ええー、もう壊れた? まだもう少し使えるって話だったんだけどな」
KP
佐倉ががっくりと肩を落とす。
しかしあなたの腕にはいまだ鳥の姿をした悪魔の力が宿っているのが感じられた。
牧志 浩太
「いや、前の時と同じかな。
いつまで保つか分からないけど、まだ力を貸してくれてるみたいだ」
そう言って、感謝を込めて左腕をひと撫でする。
佐倉 光
「うーん、そうか。
まああんなでかいのつけて歩くのも目立って不便だし、これで良かったのかもな」
KP
なんとなく釈然としないような顔をしつつ、佐倉はあなたの腕を何度か確認して頷いた。
戦闘技能をプレゼント
KP
これより牧志の【DEX】に+3+1d4、好みの〈戦闘技能〉に+50%(応相談)。
HPは+5となる。

食いしばり HPが0になった瞬間に発動。MP5とSAN値1d5を代償にHPを1残せる。シナリオ中1回だけ使用可。

戦闘で何が使いたいかによって数値調整します。
例えば銃や弓ならそれに類する物が使えるようにします。
牧志 浩太
わーい、ありがとうございます。
武器なしで使える戦闘技能は限られているしな…… と思ってたんですが、戦闘、武器も使えそうなシチュエーションってことですか?
KP
またMP消費で無から湧かせてもいいしなとか思ってるかお
牧志 浩太
わーい。
前回は「波照間として」だったので弓を選びましたが、今度は別なものでもいいなぁ。
「ここで牧志が牧志として〈拳銃〉を使ったら日常の境界を跨いでしまう感じでいいよね」と俺のソウルが言ったので、〈拳銃〉で行きたいです。
最初のサプライズのシーンと嫌な繋がり方するし。
KP
では〈拳銃〉に50%差し上げます。大事に使ってね。
牧志 浩太
わーい。だいじにします。
1d4 とりあえず【DEX】の上昇分
☆ささぼっと☆ 1d4→3
KP
そこそこ大!
牧志 浩太
+6されて、【DEX】14になりました。妹並みの【DEX】だぁ!
HPは16になりますね。
KP
これに自動復活(1だけだけど)ついたらもう、ボッコボコにしていいよね!
牧志 浩太
が、頑張るぅ!
1だけ残るということはその後殴られたらガチで死ぬので頑張りたい

KP
ではそんなことがあってから、特にそんな力が役立つこともなく一週間が過ぎた。
牧志 浩太
気を張っていた、と自覚したことは、少し力の抜き方を教えてくれた。
それでもやっぱり、完全に気を抜いてしまう気にはなれなかったけど。
(あと、試したけど抜けてないって言われた)

あれから一週間。
もうすぐ、佐倉さんの誕生日だな。
カレンダーを見て、ふとそんなことを思った。
佐倉 光
「面白い顔しても気が抜けてないってなんだよ」
KP
佐倉が呆れたように笑っていた。
そんな平和な時間を過ごしていた筈だった、11月8日、午前中は。

KP
絶体絶命とは、どのような状況を指すのだろう。それは例えば『今』だろうか。

現在11月8日。時刻、20時。
あなた方は久しぶりに『ちょっとしたトラブル』に見舞われ、土人形のような物に囲まれている。
事件の元凶は叩き潰し、あとはこれらを破壊してしまえば終わりだ。
敵の数が多い。
自然、互いの背中を庇うように背中合わせになった。

佐倉が悪魔を呼び出すコマンド操作をしながら言う。
佐倉 光
「そっちは任せたからな!」
牧志 浩太
「ああ、任された!」
自然と背中合わせになる。
あの悪魔が力を貸してくれたおかげか、最近身体が軽い。

殴ることくらいしかできないけど、こいつらを抑え込むことくらいなら、なんとか。
そう信じて拳を握る。
KP
つま先に金属質の物が当たる。
『トラブル』の巻き添えになった犠牲者の所持品だろうか。
足元に拳銃が転がっていた。
それはあなたの生活からほど遠いものの筈だった。
牧志 浩太
「……、」
どうしてか、それが目に入った。
驚いたり、慄いたりすることはなかった。同じような状況を見たことがある。

誘われるように手に取る。
安全装置の解除の仕方は分かった。

それの狙いのつけ方なんて知らない。
遠くの的の狙い方は覚えている。

左腕が少し熱をもって感じた。
どうしてだろうか、誰かが傍らでそれの扱い方を教えてくれているような気がした。
KP
この戦闘中、ベレッタ92が使用可能です。
ダメージは1d10 攻撃回数3、装弾数 5/15 故障ナンバーは98。
牧志 浩太
攻撃回数3だぁ
KP
やっとシナリオ上のオープニングにたどり着いた……
牧志 浩太
いきなり背中合わせの戦闘から始まるオープニングでニコニコしてます
KP
敵の数は6体。牧志は銃撃ラウンドに一回、通常ラウンドには【DEX】14・自分の【DEX】の半分である7の時に攻撃が可能。
土人形の【DEX】は5。佐倉は9である。

この戦闘は特殊ルールとなる。
攻撃が命中した場合1d2を振り、その人数倒せる。
失敗した場合は【幸運】を振る。成功すると1体倒せる。

まずは牧志の攻撃ターン。
牧志 浩太
ベレッタ92で土人形に攻撃。
素早く構えて銃撃する。
1d100 75〈拳銃〉
☆ささぼっと☆ 1d100→82→失敗
FANBOX開設したで
牧志 浩太
おっとっと。慣れてないのか早速失敗
技能判定自体に失敗した場合はどうなりますか?
KP
【幸運】を振って、成功したら1体倒せます。失敗したら攻撃失敗です。
牧志 浩太
1d100 60 【幸運】
☆ささぼっと☆ 1d100→14→成功
牧志 浩太
素早く構えて放ったはずの銃弾が、反動を読めずに軌道がずれた。
そのずれた弾が、偶然にも一体を貫く。
牧志 浩太
「うわっ、」

武器は手の中にある。扱い方は分かる。なのに、それの特性が、どう操ればどう反応する物体なのかが分かっていない。

数回慣らしをやりたいと反射的に思ったが、目の前の状況はそれどころじゃない。
KP
土人形は、ぼ、と鈍い音を立て砕け散った。

NEXT 【DEX】14牧志!
牧志 浩太
再度、土人形に〈拳銃〉で攻撃!
1d100 75 ☆ささぼっと☆ 1d100→12→成功
1d2 ☆ささぼっと☆ 1d2→2
FANBOX開設したで
牧志 浩太
今度は、ぶれなかった。
手の中にある鉄の塊が、どう引けばどう反応を返す道具なのか、少しずつ分かってくる。

相手が人形なのが丁度よかった。
本番だけど、練習をやっているような気分に少しなってくる。
KP
引き金を絞る。
確かな手応えとともに土人形が二体吹き飛んだ。

佐倉のアクション。
佐倉は悪魔召喚を行う。

中空に表示された魔法円に、巨大な筆を振るい、コマンドを書き加える。
佐倉 光
「来い、ラミア!」
KP
『SUMMON OK』
魔法円に重なって表示される文字。
力ある霧が巻き上がり、そこに蛇女が現れた。

「はぁーい。何よ、こんなの相手に喚んだの?」
蛇女は少し不満そうに尾を振った。
佐倉 光
「さっきまでは敵が多かったんだよ。
文句言うな、いざという時のガード頼む」
KP
「はいはい」
ラミアはあなたを見下ろすと、ぺろりと唇を舐めた。
佐倉のラミアは次のターンから動きます。

NEXT なんとまた牧志。
三回攻撃強い。
牧志 浩太
背後に重く、強靭な肉がうねる気配を感じる。
聞き慣れた声。背筋をちりちりと舐める、微かな感覚。

ああ、ラミアさんだ。

目の前の視界には土人形しかいないけど、背後に佐倉さんと、ラミアさんがいる。

心強さを感じながら、引き金を引く。
土人形に〈拳銃〉で攻撃。
1d100 75 ☆ささぼっと☆ 1d100→20→成功
1d2 ☆ささぼっと☆ 1d2→2
牧志 浩太
手の中の塊が、両腕と一繋がりの線を描く。

射線の合わせ方は、分かる。
まとめて貫ける位置も、分かる。

慣れてきた。
KP
ゆらりと動いた土人形が重なった一瞬を弾丸が貫く。
土塊が飛び散り、二体の人形は重なり崩れ去った。
あなたの残弾2
敵の残りは1
敵のターン。
1d3
☆ささぼっと☆ 1d3→3
むむ、一番美味しくないとこへ。
1d3 ☆ささぼっと☆ 1d3→3

土人形の拳はラミアを狙う。
「何よ、痛いじゃないの」
ラミアは尾を振り、一撃で土人形を粉砕した。
KP
戦闘終了。
佐倉 光
「数だけの奴らだったな」
KP
佐倉が言って体の力を抜く。
牧志 浩太
「ああ、何とかなってよかった」
銃を手にしたまま降ろす。
背中合わせのまま、周囲の様子を確認しながら応える。
佐倉 光
「それより、すごいな牧志。銃なんか使えたっけ?」
牧志 浩太
「ああ。
この前の悪魔が、力を貸してくれてるみたいなんだ。
横で誰かが教えてくれてるような感じで、扱いが分かる」
佐倉 光
「そうか、タイミング良かったな。
あれが纏まって襲ってきたら結構ヤバかったかもしれないし」
KP
佐倉はラミアに回復魔法をかけた。

ラミアはすっかり癒えた鱗を撫で、あなたに流し目をする。
「ねえぇ、一度くらいこの子の精気吸わせてよ。
とっても美味しそうなんだもの」
牧志 浩太
「だな。早いうちに倒せてよかった」
頷いて振り返る。流し目と見事に目が合った。
佐倉 光
「いいわけねぇだろ」
KP
「今までに何回も助けてあげたんだし、一回くらいいいじゃない」
牧志 浩太
「えっ?」
ラミアさんの厚みのある唇と、そこから覗く舌と白い牙が絡み合うさまに、思わず視線が行ってしまう。
KP
※ラミアはあなたのMPを求めている。
あなたは応じてもいいし応じなくてもいい。
ついでに言えばMP減少を気にする必要はない。
応じると今後少しラミアの態度が変わるかも知れない。
牧志 浩太
い、いや、確かに何度も助けてもらったし、あの時なんかラミアさんがいなければ飢え死にしてた所だったけど、

心臓が無闇に高鳴る。
牧志 浩太
「あ、あの……
優しくしてください」

変なこと言ってしまった。

※応じます。
佐倉 光
「え、おい」
KP
佐倉が声を上げるより早く、ラミアの顔が近づく。
冷たい肌はひやりと吸い付くようにあなたの頬に触れ、唇が近づく。
佐倉 光
「ちょっと待てって! こら! マグネタイトはやっただろ!」
KP
「あぁら、嫉妬?」
蛇の瞳があなたを見つめる。途端、あなたの体は動かなくなった。
牧志 浩太
「ひぁ」
冷たい肌の感触に、変な声が漏れた。
気持ちいいと感じる冷たさに、急所に近づいてくる唇の気配に、全身の血液がそこへ集まっていく。

身体が動かない。
全身で血液が波打っている。
頬が熱い。

時間が長く引き伸ばされていた。
KP
「大丈夫、できるだけ初心者向けにするから……」
1d2
☆ささぼっと☆ 1d2→2
KP
……

あなたのMPが5減った。
記録はしなくてよい。
牧志 浩太
「あう……、」


全身から力が抜けた。
よろよろとへたり込む。
KP
遠くから佐倉の声が聞こえる。
佐倉 光
「おい、明らかにやりすぎだろ!」
KP
「はあぁ、この子の精気、美味しい~
なるほどねぇ、面倒ごとが寄ってくるわけだわ。
ねぇねぇ、あなたあたしのサマナーにならない?」
佐倉 光
「こら、ふざけんな!」
KP
「あーら、大丈夫よ?
契約がいくつあっても、あたしはここにいるから。
何? 俺だけのパートナーじゃないと嫌だって嫉妬かしら?」
佐倉 光
「変なことに巻き込むなって言ってんだよ」
KP
ラミアはさんざんあなた方二人をからかった上で帰還した。
「吸いすぎちゃったから、今度一度あなたの言うことを聞いてあげる」
と言い残して。
牧志 浩太
「はあぁ、心臓に悪い……」

ラミアさんのおかげで、全身から力が抜けるって感覚をちょっと思い出せた気がする……。

まだ心臓が跳ねている。
侵された首筋がどくどくと熱を持っていた。
佐倉 光
「大丈夫か?
あいつめ、吸血が初心者向けかよ。もっと何かあるだろ」
牧志 浩太
「あー、大丈夫、大丈夫、ちょっと初体験だっただけ……」
言いながらふらふらと立ち上がる。
ラミア
「エロ方面で言うならある意味初心者向けよ?」
牧志 浩太
おおっと初心者向けじゃなかったら牧志の初体験までラミアさんになってしまう

KP
次第に周囲の奇妙な空気は薄れ、あなた方は渋谷の裏通りに立ち尽くしていた。
悪魔の気配も、不穏な何かの気配もなく、繁華街をゆく人々の活気が通りの向こうから聞こえてきていた。
佐倉 光
「仕事前にいい運動しちまった」
KP
佐倉がため息をつく。
牧志 浩太
「色々びっくりしたな……。何とかなって、よかった」
牧志 浩太
※表の世界に持って来ちゃいけないもの(拳銃)は力が抜けた時に手放してきたかな
KP
拳銃は放棄したなら現実には出てこない。

佐倉はあなたに肩を貸す。
佐倉 光
「一人で帰れるか?
悪いな、俺これから仕事だからさ。
駅までは送るよ」
牧志 浩太
「ああ、大丈夫。仕事前に災難だったな」
佐倉 光
「ま、今回のは正体も数も分かってるし、日付変わる前には戻れるよ。
じゃあ、また後で!」

KP
あなた方はそうやっていつものように別れた。

そして、その日結局佐倉は帰らず……
翌日になっても連絡のひとつもないまま戻らなかった。
佐倉視点(ネタバレ)
KP
あなたは仕事を無事に終え、報告も済ませた。後は家に戻るだけだ。
佐倉 光
夜食でも食って帰ろうかな。
KP
ラーメン屋に寄ったら夜中になってしまった。
暗い道を歩いていたあなたは、突如大勢の奇妙な男たちに囲まれる。
佐倉 光
口先でかわして逃げよう。その程度、よくあることだ。
KP
男たちはあなたに敵意を向けている。
気まぐれで因縁を付けているわけではなく、完全にあなたに害をなすつもりなのだ。
男たちのなかの一人が何か魔法を使おうとしたように見え、一瞬あなたの意識が曇る。
だがなにごともなかった。
とはいえあなたは囲まれている。逃げることはできそうにない。
佐倉 光
魔法を使うヤツならカタギじゃないな。《悪魔召喚》を行って応戦する。
KP
あなたが召喚を行おうとしたときにはもう、男たちは襲いかかってきた。
あなたは突き倒され、身を守るので精一杯になってしまい、召喚どころではなくなってしまうだろう。
幾人もの男に押さえつけられ、骨が折れるかと言うほどの苦痛を味わう。
腕輪が奪い取られた。
どうやら男たちはあなたを無力化しようとしている。
佐倉 光
大声を上げて助けを呼ぶ。
KP
あなたが声を上げようとしたとき、頭から袋が被せられた。
同時、あなたの意識を何かが冒す。
あなたは突如、抵抗する気力を失った。
速やかに彼らについて行かねばならない。

あなたは自ら、彼らの手に落ちた。



クトゥルフ神話
TRPG
『ヒナドリ・イングレイヴド』
時雨 優葵 様 作



ひとこと
KP
戦闘技能が必要なシナリオなので、それを期間限定で盛るためと、時期的に二人にとって大事な日だったりするので、1はほぼながーい前置きです。
本編は2からだ!


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「その場その場でベストを尽くせ、ってのはいつだって変わらないさ」

【クトゥルフ神話TRPG】
本作は、「 株式会社アークライト  」及び「株式会社KADOKAWA」が権利を有する『クトゥルフ神話TRPG』の二次創作物です。

Call of Cthulhu is copyright ©1981, 2015, 2019 by Chaosium Inc. ;all rights reserved. Arranged by Arclight Inc.
Call of Cthulhu is a registered trademark of Chaosium Inc.
PUBLISHED BY KADOKAWA CORPORATION 「クトゥルフ神話TRPG」


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