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こちらには
『眼窩に祝福』 のネタバレがあります。

本編見る!
KP
そこは、一面にモニターが広げられた薄暗い部屋だった。
誰もいない中、モニターの光が辺りを照らす様子は、先程との対比でやたらと無機質に感じられた。

モニターの中には、ノイズのちらつく映像が浮かぶ。
これは、監視カメラの映像?
この映像を覗く者がいないのは、あなた達にとって幸運だった…… のだろうか。わからないが。
佐倉 光
「警備室、というか監視室かな。
まだ入っていない部屋の状況も把握できるか。
ここにも人がいないって、本当にトラブルか?」
佐倉 光
「人の体刻んで移植して、ゴミみたいに捨てる奴の意図通りでないってのは、僥倖……だといいんだがなー。
そいつらにも制御できない何かが暴走中とか勘弁だぜ……」
牧志 浩太
「チャンスだと思いたいけど、気をつけた方がいいな……。上に行ったら化け物がうろうろしてるとか、嫌過ぎる。
本当に何が起きてるんだ、今?」
佐倉 光
モニタを見てみる。
KP
モニターは受付付近、一階、地下一階の映像が確認できるようだ。
佐倉 光
地下一階か。死体以外に何も無いような……
一応見る。隠し部屋があるかも知れないしな。
というかあそこが地下、とは限らないか。
KP
廊下に監視カメラはないようで、カメラはどこかの一室を映している。
とにかく薄暗く、映像は不鮮明だ。うっすらと長椅子のようなものが映っており、これまで行った部屋ではないようだ。
牧志 浩太
「この部屋……、上から来たときに見たことがある。
そうだ、思い出した。階段があった部屋、ここだ」
佐倉 光
「階段があった部屋? 上から来た? 最初はここにいたのか?」
佐倉 光
「というかそういえば受付ってなんだ?」
牧志 浩太
「ああ。俺はこの部屋より上の階から逃げてきて、階段を降りたらこの部屋だった。
ここから廊下に出て、探し回って呪文を見つけて移植して、それから、上から離れようとしてあの、最初に居た部屋に着いたんだ。

だから、殺し合いがあったのが一階で、この部屋と俺達が今いるフロアが地下一階、最初に居たのは地下二階、なんだと思う。

受付は……、見てないな。でも、普通に言えば入口、それか出口だよな。
見張りとか、いるのかな」
KP
また、モニターを確認していると、記録用の端末がそこに繋がっていることに気づく。

残念ながら外部のネットワークには繋がっていないようだが、〈機械修理〉または〈電気修理〉で物理的に取り出すか、〈コンピューター〉で認証を突破すれば過去の記録を見られそうだ。
佐倉 光
うーん。〈コンピューター〉の方が成功率高い上、やるならこっちの方が先か……
よし。先にハッキングしよう。どっちかっていうと認証突破なら〈ハッキング〉かなと思いますが、そちらでもよろしいですか?(スキル値は同値)
KP
確かに。〈芸術:ハッキング〉でもOK。
佐倉 光
1d100 85 〈芸術:ハッキング〉!  Sasa 1d100→ 68→成功
佐倉 光
即興でルートを作って無理矢理コンピューターをこじ開ける。認証を無視して入り込む。さあ隠しているものを見せろ。
KP
あなたの指は閉ざされた扉をこじ開け、端末が隠しているものを暴かせる。
記録を遡っても日付は変わらず、どうやら、その日一日のみの記録が残されているようだ。
佐倉 光
「この映像は地下一階、このフロアのどこか、ってことか。
ならここを目指せば上に行けるってことだな。
つまり牧志はこの部屋から出てきて、書庫に行って、あの血のついた部屋で移植をして、地下二階に行った……
記憶を飛ばしたのは血のついた部屋かな」
牧志 浩太
「たぶん。それまでも十分取り乱してたけど、あの辺りで本格的に訳が分からなくなった」
佐倉 光
『その日』の記録を見よう。
KP
その映像は誰もいない部屋を静かに映している。
受付の映像を見れば、なんでもない企業か何かのように、スーツ姿の人間がカウンターにふたり並んでいる。

ガラスの扉を隔てて、大きな駐車場と門扉の向こうに、談笑する人々の通り過ぎる姿が見えた。
何でもない日常が、すぐ向こうにある。

ここが出口なのだろう。
佐倉 光
映像に見入っていた。
なんでもない日常の裏に狂気は隠れているものだ。
KP
地下一階の映像を見れば、相変わらず薄暗い。そこに、目を描いたローブを着た人々が続々と集まってゆく。
薄暗い部屋の中に人影がいくつも集まり、しばし静かになる。

その後だ。
地下一階の映像から人の姿が消えると、一階の映像に続々と人々がやってくるのが見える。
そこには何かを待つように、熱狂に満ちた人々が群れをなしていた。
牧志 浩太
「!」
牧志が何かを予感したのか、映像の再生を止める。
牧志 浩太
「念のため……、ここからは、俺が先に見るよ。いいかな」
佐倉 光
「え、あ、ああ」
驚いて牧志を見、その表情に何かを予感する。
ここから先には俺たちが出てくるのか?
佐倉 光
「頼む」
モニタに背を向ける。耳も塞ぐべきか?  そうしよう。
牧志 浩太
「大丈夫、音声は入ってない」
牧志は自分の身体で覆うようにして、じっと映像を見る。
牧志 浩太
「この部屋、大きな広間みたいだ。
下から上がってくる階段と、あと奥に扉が一つある」
牧志があなたに、映像の内容を掻い摘んで伝えていく。
牧志 浩太
「カメラがエラーを起こしたみたいで、少し映像が飛んでる。

殺し合いだ……。殺し合いが始まってる。
目を見開いて何か叫んでる。けど、唇が読めるほど細かい映像じゃない。

血まみれの佐倉さんが室内にいる。俺が佐倉さんを抱えて走っていく」
微かに強張る牧志の声が、彼が凄惨な映像を一人で受け止めていることを思わせる。
牧志 浩太
「地下一階の映像に、佐倉さんを抱えた俺が出てきた。必死に画面外へ逃げていく。……凄い表情してるな」
牧志 浩太
「俺達以外全員、死んだ。
受付にいた二人は室内に走っていったみたいで、受付には誰もいない。

映像、ここまでみたいだ」
ひとつ微かに息を吐いて、牧志は言葉を切った。
佐倉 光
「大丈夫か、牧志」
牧志 浩太
「大丈夫、俺は一度目の前で見たしな」
佐倉 光
「俺たちがどこから現れたのかは映像が飛んでいて分からない、ってことだな。
その騒ぎのなかで俺は目玉を捨てたのか?
お前が助けてくれなかったら俺はたぶん、そこで死んでいたんだな。
ありがとう」
牧志 浩太
「いいよ。俺こそ、佐倉さんを助けられてよかった。
変な言い方だけど、一緒に巻き込まれてよかった」
佐倉 光
「ひとまず見える範囲に生きている人間はいないか……
一階で俺達がカメラから消えてから、地下に出てくるのにどれくらいかかってる?」
牧志 浩太
「少し時間が空いたな。階段、長さがあるのかもしれない」
佐倉 光
人間一人引きずったり抱えたりしていたら階段は大変そうだ。
時間がかかるのも当たり前か……
佐倉 光
そういえば映像で血まみれって言ってたけど、今の自分は血まみれ?
KP
あなたの目元に触れれば、乾いた血がぱりぱりと音を立てる。そういえば鏡を見た時に、血を拭いた跡が見えた。
それなりに血まみれだったらしい。
佐倉 光
「と、いうことは……階段があるのはまだ見ていない部屋の血痕のない方、ってことか?」
牧志 浩太
「そうなるな。あの部屋に、上への階段があるんだ。上の……、俺が逃げてきた方の。

ただ、まだ思い出せてないことで、気になってる事が一つあってさ。
俺達がいたのは一階だった。
なんで俺は外へ逃げようとしないで、下に逃げたんだ?

映像で見た感じ、単純に、殺し合いに阻まれてそっちへ行けなかった……、ようにも見えたけど」
佐倉 光
「確かにそうだな。出られないような理由があった?
出口の鍵が閉まっているのを知っていたとか、何か恐ろしい化け物でもいたとか……そもそもそこから出られるような出口がない、とか?」
佐倉 光
「次に見るべきは血痕が続いていた部屋か……俺が見た方がいいだろうな」
疑問
佐倉 光
気になっていることとして、肉移植の記述見るに「牧志の目玉を佐倉に移植するのにこの呪文を使った」だと辻褄が合わないことなんだよね。
それだと牧志の目が「魔力を持つ肉」ってことになっちゃう。

佐倉がまみの目を埋められてそれを捨てたのかもしれないし、牧志の包帯の下にまみの肉がある可能性もあるんだけど、少なくとも牧志の目に何かあっても目玉ではないのかな。凹んでいるようだし。

佐倉が自分の目を抜き出したのは「この呪文の術者にされたため」で、「自分の体の一部を排除する」ことをやらされて、そのあとそこに魔力を持つ肉を埋められるはずだったんだけど、牧志がそれを知ってそこに肉が入らないように自分の目で蓋をした、ってとこかなぁ。
でも牧志の目は「魔力持つ肉」か? という問題が。(プレイヤー的には牧志の目玉はそう呼ばれる資格充分ありだと思うけど、とくにKPCに条件がないシナリオなんだからそのセンはないと思うんだよな)
牧志がこの魔法を使った、というところに何か問題がありそうだよなー。
と思ったけど牧志が最初に「人間の肉に魔力を宿して移植する」って言ってるな。別に特別な物じゃなくてもいいのか?

牧志は普通に「移植をした」ことによるSAN値減少ダメージで狂気落ちして記憶飛ばしてついでに痛みを感じなくなっている可能性があるなー。

牧志が廊下にポイされていた理由もよくわかんないな。
牧志も佐倉も実験対象にされてて、「連れてきた人間」として肉移植されていてもおかしくはないな。
いや牧志は光見えないんだよなー。
KP
そう、そこややこしいと思います。まだ明らかになっていない所にアレソレがあります。
>痛みとか魔力とか
KP
あ、すみません。
そこだけは最初のKPの勘違いです。
>人の肉に魔力を宿して
台詞に出ちゃってたかー、失礼しました。

この呪文には「魔力を持つ肉」が必要なんですが、《肉移植》の呪文で魔力が宿ると勘違いしていました。

ルールブックの《肉移植》の記述何度か読み直してようやく「別な手段(《肉に魔力を宿す》の呪文とか、最初から魔力を宿している肉とか)で魔力を宿した肉が必要」ってことに気がつきました。
(進行的には矛盾はないです)
佐倉 光
なるほどっ

牧志 浩太
「化け物じゃなくても、気を失ってる佐倉さん抱えて俺は怪我して、じゃ突破できないような何かがあったか……。

あの部屋は確か、キッチンみたいな感じだったな。
ごめん、任せる。佐倉さんも危なそうだったら交代しよう」
佐倉 光
「そうだな、互いの状態には気を付けよう」
ふと、まだ帰れないと判断したときの自分の記録を思い出した。
佐倉 光
「自分の状態は自分では分からないこともあるからな……」
牧志 浩太
「だな、そうしよう。何かあったら頼む」
佐倉 光
この部屋に他になにもなさそうなら移動します。
KP
移動しようとしたとき、モニターの隅で何かが動いた。

誰もいない受付を映しているモニターの横、一階の様子を映しているらしいモニターだ。
微かに、まだ乾ききらない血の色が見えた。
それは今、現在の様子を映しているはずだ。
牧志 浩太
「!」
牧志がはっとモニターの前から動くのをやめ、それを覗き込む。
佐倉 光
そのようすに気づいて自分も見る。
KP
そこには一面の赤色が広がっていた。
いまだ乾ききらない赤色が、その量が尋常なものではないことを知らしめる。

それらを飾りつけるように横たわり、倒れ込むのは恐らく人間だ。揃いの服装を真っ赤に染め、おのおのに包丁や何かを握りしめ、何人も何人も何人も……。

突然、奥の扉が勢いよく開かれた。
そこにいたのは、ふらつきながら歩くひとりの女。手には鋭い包丁。
ぎらぎらと目を輝かせながら女は死体の間を探し回り、顔を上向かせ、腕を引っ張り、生きているものを探していく。

びく、びく、と喘ぐように死体の合間で肉が揺らめいた。
女は何度か探し回り、まだ生きていたらしい男を見つけ出す。女はその首を掴んで引き上げる。

男の眼が恐怖に見開かれた。
女が振り上げた包丁が、男の顔面に突き刺さった。刺さった刃を力任せに抜き取り、何度も何度もそこへ包丁を振り下ろす。スコップで土を掘るように、女は懸命にそれを掘り出した。

やがて今度こそぴくりとも動かなくなった男の肉が、床に飛び散る。

男から取り出した眼球をうっとりと見つめ、女は辺りをうろつき始めた。

……これは現在の映像だ。
あの女は、まだ上をうろついている。

SANチェック成功時減少 1失敗時減少 1D3》。
佐倉 光
d100 49 《SANチェック》 Sasa 1d100→ 79→失敗
1d3 Sasa 1d3→3
SAN 49 → 46
佐倉 光
不定目前だー
治ると思ったら発生する、不定トレインだぜ!
Sasaさん不調で牧志の結果が来なかったので、CCFOLIAにてダイスロール。
牧志 浩太
CCB<=39 《SANチェック》 (1D100<=39) > 41 > 失敗
1d3 (1D3) > 2
SAN 39 → 37
佐倉 光
不定大丈夫ケ
KP
開始時にリセットかかっているので基準値は34なんですが、あぶない。
佐倉 光
ふたりともこのシナリオで不定落ちしそうだな
KP
あーあ、治ったと思ったらまた不定になる。

佐倉 光
「なんだ、この女?
こいつが元凶?
目玉を探しているのか?」
佐倉 光
「俺の目玉はこいつが持ち去ったのか?
何に使うつもりなんだ?
何かを喚ぶ?
持ち去った、ということは必要なのは眼球だけで人間じゃない、さっきの記載を考えるととくに眼球にこだわる必要はなくて、魔力持つ肉を適正のある人間に埋め込んでその人間に変質をもたらして、馴染んだ人間から何かを持ち去ろうとしている?」

それはなんだ?
それはなんだっていうんだ?
俺の体を使っておいて明かさないなんて、そんなの不条理すぎるじゃないか。
この本に何か書いてあるのか?
手にしていた本にちらと目をやった。
KP
書物はあなたの手の中で、奇妙な存在感を放っている。
あなたの頭の中で、忘れ去られた記憶が疼いている気がした。
牧志 浩太
牧志が気にするように、片眼で僅かにあなたの視線を窺う。
牧志 浩太
「どうなんだろうな……、あの様子を見てると、理性的にやってるようには見えなかった、ような気もする。
執着、しているような」
KP
女は映像の中で、もはや死体しかなくなった広間の中を、死体を踏みつけ、赤い足跡を残しながら、うろつき続けている。
佐倉 光
執着。
それを外から見るとこんなにも醜悪なのか。
唇の端をねじ曲げ笑う。
佐倉 光
「そういや『まみ』の鍵はどうして地下にあったんだろうなぁ。
移植された被害者のかと思っていたけど、『まみ』があれだけ肉片にされているとすると、その持ち物があの死体の山の中にあるのは少し不思議な気はする……」
牧志 浩太
「確かにな。誰かに託したのか、持ち物だけ捨てられたのか……。
あの中を探れば誰かの持ち物があったかもしれないけど、さすがに探る気、起きないな」
KP
受付に人が戻ってくる様子はなく、一階の映像の中ではひたすら女がうろついている……。
佐倉 光
「迂闊に上に行くと遭遇しそうだな。メスくらい持っておいた方がいいか……降りてきても面倒だから急いだ方がいいな」
牧志 浩太
「……だな。急ごう。仮眠室に座布団あったな、持っていく?」
佐倉 光
「確かに。一回防御するくらいには使えるかもな」
休憩所で座布団拾ってから血痕のついた部屋に行こう。
牧志 浩太
牧志も同じように座布団を手に取り、少し身構えた。

KP
階段から血痕を辿ると、この部屋に辿り着く。
六畳ほどの狭い部屋だ。
簡易キッチンがあることから、給湯室なのではないかと察する。

部屋の中央にはまだ新しい血溜まりが残り、鉄臭い臭いを漂わせていた。
牧志 浩太
「あの血溜まり、移植した時のだ」
牧志が呟くように言う。
佐倉 光
「俺が見に行く。
牧志は離れてて……廊下の方で音がしたら教えてくれ」
牧志 浩太
「分かった」
頷いて、扉の傍に位置取る。
佐倉 光
部屋の中央付近から見に行く。
KP
部屋の中央には、血溜まりが残されている。
まだ鉄の臭いを濃く漂わせていて、それが新しいものである、と強く感じさせる。

これが、牧志の眼窩から流れ出した血なのだろう。
佐倉 光
この周囲にはなにか気になるものはないだろうか。
床に何か落ちていないか調べる。
KP
よく見れば、赤黒く濡れた布巾が落ちている。
牧志が止血に使ったのだろうか。
それ以外には何も落ちていないようだ。
佐倉 光
では奥の台所に行って包丁探そうかな。
ついでにここに何かないか見てみる。
佐倉 光
牧志の記憶を奪った何かはここに在るのか?
それともそれはもう去った後なのか?
KP
湯飲みや急須、茶葉などがきちんと揃えられていたようだが、包丁はなくなっている。

シンクの下に物入れがあり、工具や日用品が入っているようだが、ここにも金槌の類はない。
佐倉 光
「この部屋に何かあったわけではない、とすると……
魔法にもっていかれた可能性もあるか。あの魔法は代償に精神を大きく削るようだから。
問題は「牧志がどうしてそれをしなければならないと思ったか」の方か……」
佐倉 光
さっきの「まみ」の培養槽に目玉って二つあったかな。
それから、目玉の色は牧志と同じだったりはしないだろうか。
KP
あそこにあった目玉はひとつだけだ。

培養液ごと黄色く濁っているため元の色は判別しづらかったが、牧志のそれほど明るくはなく、あなたの眼ほど暗くもない、穏やかな茶色がかった色に見えた。
佐倉 光
ふーむ。そのセンってのもちょっと考えてたけどそれはナシか。
牧志の包帯の中に何があるのかは、というより本当に何も無いのかは知りたい所なんだけど……
牧志の目のところ、さっきから凹んでいるように見える、で間違いないだろうか。
少なくとも「たま」は入っていないように見える?
KP
少し凹んでいるように見える。
牧志が眼窩のあたりを指先で押さえた時もそうだった。
少なくとも、球形のもので膨らんでいるようには見えない。
牧志 浩太
「佐倉さん?」
あなたの視線を感じたのか、牧志が不思議そうに顔を上げた。
佐倉 光
「ここには特に何もなさそうだ。
この部屋に何か特別な物があったわけじゃないなら、
魔法か、そのときに見た物が記憶障害の原因なんだろうと思ったんだよ」
牧志 浩太
「確かにな。魔術のせいなのか、それとも、外へ逃げようとして何かを見たのか……。
自分のことなのに他人のことみたいだな、何だか」
佐倉 光
「最後の部屋を見る前に、ちょっとトイレ行ってくる」
というわけでトイレもチェックする。
牧志 浩太
「あ、俺も」

KP
トイレはそれなりに清潔に保たれている。
便器や洗面所の水もきちんと流れるようで、顔の血を洗い流したいと望むなら可能だろう。

特に気になるものはない。洗面所に大きな鏡がある。
佐倉 光
用を足したら洗面所で顔洗っとこうかな。
鏡の中から見つめ返してくる牧志の目玉を嬉しいと思う俺は正気なのか?
自分の目を犠牲にして俺を救おうとした牧志に対する怒りは?

目を伏せて血を洗い流す。
KP
顔に張りついた血と体液が流れると、皮を一枚剥がすような爽快感と共に、鏡の中に映るあなたが少し鮮明になる。

鏡の中に映る牧志の眼が、より鮮やかにあなたを見返した。
佐倉 光
「よし、すっきりした。
お前の方は? 包帯換えなくて平気?」
包帯に血が滲んでいたよな。
牧志 浩太
「あ、そうだな。給湯室に布巾とかあったし、内側だけでも換えといた方がよさそうだ。
痛くないから実感ないけど、膿んだら嫌だもんな」
佐倉 光
じゃあ給湯室とパーツ山ほどあった部屋から使えそうなものかき集めてこよう。
ガーゼとか包帯とかはさみとか。
処置は牧志がやった方がいいのかも知れないけど、アシストしよう。
佐倉 光
適合者は佐倉なんだけど、割と牧志の立ち位置がまだ謎多いんだよなぁ。
ただ佐倉に目を貸して塞いでくれているだけ、なんだろうか。

KP
あなた達は必要な物をかき集め、準備する。
幸い、しばらく探せば求める物は見つかった。
鋏は小ぶりのものしかなかったが、裂くようにすれば布を切れないこともなさそうだ。
佐倉 光
「……中を確認させてくれるか」
牧志の包帯が巻かれた目を指す。
牧志 浩太
「……分かった」
あなたの記憶を呼び戻してしまいはしないか、と危惧したのだろう。
牧志は少し躊躇って、包帯の結び目に手をかける。
KP
赤黒い血と黄色い体液の滲んだ布が、床に落ちる。
牧志 浩太
見慣れた顔の片側、見慣れた形のまぶたが血で張りついて閉じられていた。
まぶたは異様な形に凹んでおり、その形を埋めるべき球体がその向こうにないのが分かる。
佐倉 光
膿に貼り閉じられた瞼をそっと洗って拭い取る。
閉じられた牧志の目を開かせ、その奥の誰も見たことがない場所を見られることに歪んだ喜びを自覚しつつ、それが自分を支えてくれることを望んだ。
ここで正気を失うわけには行かない。
瞼を開かせて、中を確認。
汚れた布などが詰まっていたら排除して清潔なガーゼで保護する。
牧志 浩太
振れられて、指の下でびくりと肌が震えた。
瞼を封じていた血が裂ける。
その内側にあるものを、あなたの前に開く。

瞼の下には、赤黒いうろが穿たれていた。
臓物をえぐり取った跡、ぽっかりと開いた皮膚と肉の内側。
絶え間なく蠢くその闇は、それが生きているということを示していた。
KP
あなたは一度、それに似たものを見たことがある。彼の内側を。命そのものである臓物を抉り出した跡を。

そのとき彼はあなたの手を離れ、不随意に走り出したのだった。首を撥ねられた蛙のように。
KP
佐倉さんのみ《SANチェック成功時減少 0失敗時減少 1D3》。
佐倉 光
1d100 46 (《SANチェック不定 44)
Sasa 1d100→ 4→決定的成功

佐倉 光
また無駄クリだけど良かった!
KP
おおおお、これは強い意志力!!
佐倉さんの《SANチェッククリティカルって無駄クリではあるけど、抗おうという意志の強さを感じさせるシーンが多くて印象的
佐倉 光
いいとこで出ますね、《SANチェッククリティカル
KP
そうそう。
佐倉 光
逃げ出したのは今の牧志? それとも記憶?
KP
あ、紛らわしくてすみません。記憶です。
牧志の心臓を取り出した後、逃げられた時の記憶を佐倉さんが思い出してしまったという描写です。
過去のシナリオでそんなこともあった。

佐倉 光
あのときとは違う。違う。今俺がしくじったら、牧志は視力どころか命を失う可能性がある。

忌まわしい記憶を押し込め、目の前の空洞に集中する。中を清めなくては。そして、中に不審な物がないかよく見なければ。
牧志 浩太
眼の中を覗かれながら、牧志はあなたの肩に手を伸ばした。縋るようにか支えるようにか、温かい手があなたの肩に触れる。
KP
眼の中にあったのは空洞と血の塊だけだ。
布が詰められていたりはせず、不審なもの、異なる肉などは見当たらない。
佐倉 光
「……大丈夫、不審なものはない。消毒だけしておこう」
血の塊を取り除きたいところだが、あまり素人が触れるのも怖いし、開けておくのも良くないだろう。ここはあまりにも脳に近すぎる。
血が止まっているならそこには何も入れずに塞ぐ。瞼を閉じさせてガーゼを当て、包帯を巻く。
鏡の前で、牧志と協力してきちんと固定できるようにしよう。
脅威が襲ってきたときにずり落ちて視界を塞いだりしたら大変だ。
佐倉 光
「魔法の処置跡って怖いな……殺菌とかどうなってんだろうな」
牧志 浩太
牧志は片眼の視線だけで頷く。
KP
協力して傷を処置すれば、無我夢中で巻きつけたらしかった布は、先程よりも大分しっかりとして見える処置跡になった。
これならば、不意にずり落ちてしまうことはないだろう。
佐倉 光
そういえば、今牧志が狂気に陥っているかどうかって分かる?
〈精神分析〉で、それを解除せずに状態を見極めることは可能?
KP
解除せずに状態を見極めることはできる。〈精神分析〉で判定。
佐倉 光
1d100 36〈精神分析〉 Sasa 1d100→ 54→失敗
分からないか。仕方ない。
KP
牧志の眼にあなたの狂気が映ったような気もした。それは牧志の狂気なのかもしれなかった。
佐倉 光
その醜悪さから正視できなかったのかも知れなかった。
よし。すっきりしたところで最後の部屋を見に行こうか。
KP
その部屋は、監視カメラの映像で見た通りに薄暗かった。
左右には長椅子が列をなしており、中央の奥には祭壇のようなものが置かれている。

壁に取り付けられた小さなランプの、頼りない明かりだけが部屋を照らしている。
KP
〈聞き耳〉で判定。
佐倉 光
1d100 79〈聞き耳〉
Sasa 1d100→ 92→失敗
牧志 浩太
1d100 97〈聞き耳〉 Sasa 1d100→ 33→成功
牧志 浩太
牧志がふっと顔を上げた。
牧志 浩太
「空気が動いてる。あっちだ、あの祭壇の奥」
佐倉 光
「祭壇の奥? 階段か?」
するとこの向こうにあの危ない女がいるんだな!?
牧志 浩太
「だと思う。階段があるのはここのはずだし」
牧志は手に持った座布団を、腹の前に回して身構える。
KP
あなたには室内の淀んだ雰囲気しか感じ取れないのだが、牧志には僅かな空気の動きが分かるらしかった。
佐倉 光
声を潜め、まずは長椅子の辺りに何か落ちていないかチェックする。
佐倉 光
あ、もう降りてきているって雰囲気なのかな。
さっきの作業で使った鋏を握り込んでおこう。
KP
今の所、室内には誰もいない。
長椅子の辺りには何も落ちていないようだ。
佐倉 光
では祭壇に近づいて、周囲を調べてみよう。
後ろの壁に何かあるか、動かした跡などはあるか?
KP
薄暗さのために見えなかったが、そのつもりで探せば、祭壇の後ろに扉らしい継ぎ目と、祭壇で隠れる位置にノブがあるのが分かる。
佐倉 光
ここか……
牧志は聞くまでもなくその辺にあるのは知っていただろうけど。

祭壇そのものをよく見てみるけど、何かあるかな。
KP
祭壇は教壇のようなシンプルなものだ。
裏側に荷物が置ける棚がつくられているが、そこには何もないようだった。
佐倉 光
「行ってみるか……上」
本のことは気になるが、まだ見る判断ができない。
上にあの女がいるというのは不安があるが、情報が得られるかも知れない。
何より不安なのは、俺自身がその場を目にして心を乱さずにいられるか、ということだが……
佐倉 光
悪魔カードを取り出して確認。マグネタイト値が安定していそうなものを数枚抜き出しておく。
KP
悪魔カードを確認すれば、問題なく扱えそうだ。
佐倉 光
「行けるか?」
牧志の方を見る。
牧志 浩太
「大丈夫」
牧志は拳を握って、言葉の裏付けをあなたに示すように、はっきりと言う。
その手には、人と戦うには頼りない小さなメス。
佐倉 光
よし。ドアの横に立ってドアノブに手をかけ、そっと開け、しばらく様子を見る。
反応がなければ階段を覗く。
KP
〈聞き耳〉で判定。
佐倉 光
1d100 79〈聞き耳〉 Sasa 1d100→ 48→成功
牧志 浩太
1d100 97〈聞き耳〉 Sasa 1d100→ 36→成功
KP
階段を覗いた瞬間、あなたは気づく。彼も気づく。

扉の後ろに気配がある。包丁があなたの手めがけて振り下ろされる!
あなたは危うく、そのひやりとした刃を避けることができる。

そこにいたのは髪を振り乱し全身を真っ赤に染め、潰れた何かを片手に絡みつかせた女だ。
女が、扉の横に隠れていたのだ。

女は明らかに狂気に呑まれた眼をぎらぎらと輝かせ、あなた達の眼を見据える。

「ひとみを! おまえのあなたの目がほしい! わたしに祝福を祝福がほしいおまえの目が目が目が! 寄越せ!!!」
女は髪を振り乱し、包丁を振り上げて襲い掛かってくる。

KP
戦闘となる。
女との戦闘ルール
佐倉 光
できればノックアウトして拘束してから〈精神分析〉したいな……
こちらの攻撃時にノックアウト宣言してCOMPで攻撃するぞ。
抵抗って、相手のCONと何を競わせるんだろう。
KP
ノックアウト宣言はこれですね。

□ノックアウト攻撃
鈍器でのみ可能。攻撃前に宣言が必要。与えたダメージと受けた方のHPで対抗ロールし、成功した場合はダメージを1/3にし、相手を気絶させる。対抗に失敗した場合は通常通りダメージを受ける。P67
佐倉 光
佐倉の装甲は座布団由来? それ以外の何か?
KP
佐倉さんの装甲は別の何かです。
座布団による装甲とは重複します。

こわい
KP
わりあい終盤です。
佐倉 光
必要なことがちゃんとできているのか、本はいつ見るべきなのか、結構怖いぞぉー。
牧志に目を返してあげられるのか……
KP
行動によってはシナリオが終わっても背景事情が全部判明しないことがあるため、その場合は終了後にKPからお伝えします。

佐倉 光
「生きたまま捕まえたい!」
一応自分の方針を叫んでおく。
牧志 浩太
「OK!」
牧志は小さく叫んで拳を握り込む。
KP
行動順は女(DEX10)→佐倉さん(DEX9)→牧志(DEX8)の順。
KP
DEX10、女の行動。
女は包丁を振りかぶり、先に扉を開けた佐倉さん、あなたに向かって襲い掛かってくる。

包丁で攻撃。対象は佐倉さん。
1d100 40 包丁 Sasa 1d100→ 45→失敗
KP
女は大振りな手つきで包丁を振り回す。
容赦のない軌道が危うくあなたの腕にかすりかけたが、幸い当たることはなかった。
KP
DEX9、佐倉さん。
佐倉 光
悪魔カードの力を解放する。
使うのはごく単純な打撃技だ。
《正拳突き》
だが相手の急所は外すようコントロールを行う。
腕ばかりが大きな邪鬼オバリヨンの姿が浮かび、影の拳が襲いかかる。

《カード・スキル》(〈コンピューター〉)で攻撃。ノックアウト宣言!
1d100 85 Sasa 1d100→ 46→成功
KP
女は攻撃したため〈回避〉しない。ダメージをどうぞ!
佐倉 光
1d6 Sasa 1d6→5
7点!
KP
ノックアウト攻撃ってどちらが気絶判定のロールするのか書いてないな。
現在HPを対抗ロールに使う(現在HPを参照する必要がある)ことから、防御側がロールすることとします。
佐倉 光
シークレットで振らないとばれるなーとおもった。
相手のHP
KP
おっと、確かに。ご指摘ありがとうございます。
防御側がシークレットでロールします。
佐倉 光
失敗した場合牧志に攻撃してもらうべきか否か迷う値だ。
でもまあ相手のHP13以下なら普通に気絶に持ち込めるかもしれないしー
KP
Sasa 🎲 Secret Dice 🎲
KP
現れ出た巨拳は女の身体を打ち据え、木の葉のように舞わせる。
単純な暴力が狂気を黙らせた。

女は包丁を取り落とし、その場に崩れ落ちる。
生きてはいるようで、気を失っただけらしい。
KP
戦闘終了!
佐倉 光
お、良かった平和的(?)に終わった。

佐倉 光
「牧志、押さえておいてくれ!」
包帯の残りがあればそれで腕と足を縛る。
なければ服などで縛って、廊下に移動しよう。ここ暗いし。
牧志 浩太
COMPそれ人に向けるの久しぶりに見た」
牧志は落ちた包丁を手の届かない位置に置くと、包帯の残りで女の手足を縛る。
佐倉 光
「俺平和主義者だからさ」
人間相手色々面倒だもん。
KP
地下の廊下に移動する? 階段を上る?
佐倉 光
登らない。人引きずって登るの大変だし、そっち見たら尋問どころじゃなくなる可能性が高い。
廊下に引きずり出して、ちゃんと身動きできなくなっているの確認してから〈応急手当〉で起こそう。
手当は牧志にやってもらっていい?
こっちはすぐ狂気解除できるように待機。ただ、目は覗かずに声だけでやろうかなぁ今回。
牧志 浩太
牧志は気を失った女の様子を見、外傷と位置を確認していく。
衝撃が重要な内臓に及んでいないことを確認してから、慎重に女を揺り起こす。
1d100 61 〈医学〉 Sasa 1d100→ 49→成功
1d3 Sasa 1d3→3
KP
牧志に手当てを施されて、程なくして女は意識を取り戻した。
あなたの眼を見てわめき始め、縛られた手足でもがく。
牧志 浩太
牧志はその後ろで、女が何かしたらすぐに対処できるように待機する。
佐倉 光
しばらく女を観察したら、目を閉じて語りかける。
1d100 36〈精神分析〉 Sasa 1d100→ 96→致命的失敗ファンブル
佐倉 光
うが!!
おーまーえー、肝心なところでファンブルしてんじゃないよ!
今まで押さえていた反動かなぁ!!
佐倉 光
落ち着いて語りかけようとしていた、はず。
佐倉 光
気がついたら、両の目を見開いて女の目をにらみ付けながら、牧志を追い詰めたことについて胸ぐらつかんで詰め寄っていた。

牧志の目を自ら抉らせたこと、そもそもこんな事態に巻き込んだこと。
女が加害者か被害者かなどどうでも良くなっていて、ただただ執着を源とする憎悪をぶつけまくっていた。
佐倉 光
このままの流れで威圧……しても大した情報出ないだろうなぁ。
ダメ元で威圧。
それでも駄目なら悪い警官良い警官メソッドで牧志に説得して貰う。
駄目なら……身ぐるみ剥いで調査して転がしておこう。
KP
女はあなたの眼球に噛みつこうと、がちがちと歯を鳴らし頭を振る。
勢いで女の唇が切れ、血が流れた。
血走った眼球があなたの目に映る。
その眼に映るあなたの眼も、大きく見開かれて血走っていた。
女はいよいよ激しくわめき立て、あなたの眼球を得ようと歯を、いや、舌までも伸ばそうとする。
牧志 浩太
「佐倉さん、佐倉さん!」
KP
気がつけば牧志が、女ではなくあなたの肩を揺すっていた。
女は激昂しすぎたのか、ふたたび倒れて気を失っている。

話せる状態ではなさそうだ。
KP
ファンブったので……。>交渉不能
佐倉 光
ごめん牧志……
佐倉 光
「……」
佐倉 光
「……ああ……」
やってしまった。相手の狂気に呑まれた。
いや、それは言い訳だな……
佐倉 光
「ごめん、冷静になれなかった。
こいつから話聞きたかったな」
牧志 浩太
「いや。そんなに話聞けそうな感じでもなかったしな」
佐倉 光
「こんなのがうろうろできたってことは、上、まともな人間は残っていなさそうだな」
佐倉 光
体触って変な物持ってないか調べよう。
KP
持ち物は手帳サイズの小さな冊子だけだ。
佐倉 光
冊子を開いてみる。
KP
血と体液で濡れてしまってほとんど読み取れず、辛うじて「聖なる光」「真実の姿」「知」「現実」「化身」といった文字だけが読み取れる。
KP
そして、最後のページに刻み跡がつくほどの強い筆圧で、

ひかりがみたい。

そう書き入れられていた。
佐倉 光
「光? あの虹みたいな花火みたいなヤツか?
いや、それを元にした目玉で作れるっていう発生装置で見られる何かか……」
佐倉 光
「どーにも嫌な予感しかしねぇ。
この女、俺の目玉は持ってないか……」
確かこいつは死体から何かほじくり出していたように思うが、それらしき物は持っていないかな。
この女の目に異変はない?
KP
女の目に異変はない。

眼球は勢い余って握り潰してしまったようで、肉片と細い糸のようなものが手に絡みついていた……。
1d100 Sasa 1d100→20
佐倉 光
牧志のチェックはやっぱり目玉移植に起因するヤツかなー。
牧志 浩太
「……」
牧志は無意識にか眼窩の辺りを弄りつつ、じっと眉根を寄せていた。
佐倉 光
潰れてんの俺の目じゃないだろうな……。
佐倉 光
「上、行くか」
あの映像を見ると、行くのに気合いが要るな。
死体まみれなのはもう分かっているが、それ以上に何かあるのか?
佐倉 光
「俺が見ない方がいい光景なのかもしれないけど、だからってここに籠もってるわけにいかねぇし」
牧志 浩太
「ああ、そうしよう。
……俺も、何か思い出しかけてるんだ。
もし俺が我を失ったら、その時は頼む」

少し迷ってから、牧志は女が持っていた包丁を手に取って立ち上がった。
佐倉 光
「なるべく失わないように頑張ってくれ。俺も自信ないしさ。
たった今おかしくなってた奴に「なんとかしてくれ」はなかなかにヘビーだぞ?」
牧志 浩太
「あー……、できるだけ頑張る」
佐倉 光
カードを再確認して、扉を開けて先へ進む。
KP
改めて扉を開けると、上へ登る階段が続いている。
階段は電灯の明かりで照らされ、上の方から濃い血の臭いが漂ってくる。
階段の向こうに赤い天井が見えた。
佐倉 光
「ひでぇ臭いだ。
ゾンビの群れとはまた違ってたまんねぇな」
佐倉 光
「俺最近グロは苦手なんだけどな……」
ぶつぶつ言いながら歩を進める。
牧志 浩太
「臭いが凄すぎて、鉄板でも齧ってるみたいだ。
この臭い、生きてる感じがするのが余計に堪えるな。

せめて、佐倉さんが治るまでは、こういうの無しにしてほしかったんだけどな……」

牧志はあなたの横に立って、階段を一歩一歩上る。
佐倉 光
臭いと天井の赤がつつぬけってことはここから先に扉はないのか。
じゃあ部屋に出る一歩前で足を止め、外の様子をうかがう。

KP
階段を上りきった先は、赤い部屋になっているようだった。
大きな広間だ。赤茶色の天井、赤黒い床、赤い壁。

いや、それは白かったらしい壁に夥しい赤がぶちまけられたものだ。
壁に倒れ込み、床に崩れ、その上に人間が、人間がいくつも転がっている。臓物をこぼれ落とし、首をもげさせ、骨を折られてうつろに天井を眺めている。

赤と黒と黄色と白の海だった。
その中から突き出した包丁や金槌や鋏がてらてらと体液に濡れて電灯の光を照り返していた。

そこに動くものはなんら見あたらなかった。

SANチェック成功時減少 0失敗時減少 1D3》。
牧志 浩太
1d100 37 《SANチェック》 Sasa 1d100→ 10→成功
佐倉 光
1d100 46 《SANチェック》 Sasa 1d100→ 90→失敗
1d3 Sasa 1d3→2
はい不定
SAN 46 → 44
1d10 Sasa 1d10→4
1d6 期間 Sasa 1d6→3
KP
長期の一時的狂気表でどうぞ。
不定の狂気
佐倉 光
性的嗜好?
KP
……奇妙な性的嗜好?
(RPしづらかったら振り直しても大丈夫です)
佐倉 光
もう勘弁してくれぇw
この流れだと目玉フェチか死体フェチかBLしかないんだよ!
三番目は覚めることを考えればよろしくない。
KP
心臓フェチでもいいですよ(より大変)
佐倉 光
抉らなければいいかー
心音フェチっとく?
KP
なるほどそれなら抉らないで済む。
佐倉 光
添い寝せざるを得なくなるがw
なんとかダイスは活かしたい面倒な性分。
KP
眼窩フェチもありそうだけど大変なことになりそうですしねぇ。
佐倉 光
なめだしたら困るからやめよう。
KP
目玉フェチでも抉らなければSAFEなのでは? って思ったけど舐めそう。
佐倉 光
一ヶ月程度は不定が並走するなら牧志に添い寝することになり、それ以降ならシローのや録音でもアリに。
不定って並走するっけ?
KP
どうだっけなぁ、ちょっと確認します。
佐倉 光
判断次第でたのしそうな方にしろって書いていそうな気もするCoCるるぶ。
KP
並走するかどうかは記載がないですね。
不定に陥ったら、しばらくプレイから外れることになるだろう、みたいな記載もあるし、でも面白いロールプレイのきっかけになるだろう、みたいなことも書いてあるから、判断次第でいいような気がします。
佐倉 光
やはり。
おかしいな? 不定に陥っているのに容赦なく巻き込まれてるんだけど。
KP
どこかにコーナールールあるかもしれないけど、ちょっとぱっと見つかりませんでした。
ごめんな。>佐倉さん
佐倉 光
楽しそうな方でいいんじゃないですかね。
避けまくった後でくっつかざるを得なくなるのもう……
KP
それでいいと思います! 少なくともこのKPはより楽しい方を選びたい!
・執着と心音に対する倒錯性癖が混ざってしまってどうしようもなくなる
・心音に対するフェチズムで執着が上書きされてそれどころじゃなくなる
どっちが楽しいかなぁ
佐倉 光
とりあえず牧志の心音録音してBGMがわりに聴こう。
というかこれ性癖なんで、それ聴いて興奮するんだよな???
KP
興奮するんですね。
佐倉 光
わけがわからないな。
心音聞いていると落ち着く、なら分かるんだけどなぁ。
KP
執着がよからぬ方向に捻じ曲がって上書きされちゃったのでは?
もともと心臓に対する執着もありましたし。狂気から逃れようとするあまり、執着を脳が解釈ミスしたのでは。
心音を聴いていると気持ちいい+執着=? みたいな……
佐倉 光
まあ性癖だったら、そういう気分になったときにたまに聴きたがるだけだから……前よりは安全かな。
KP
心音なら心臓抉るわけにいきませんしね。
安全安全(?)

佐倉 光
おとが しない

ここには生命の音がない

無音が耳を貫く。金属的な耳鳴りがする。
死体など見慣れた。下でも見た。飽きるほど。
どれも動かないし喋らない。
何か、音が、音が必要だ。生命の音。おと。ひびき。
必死で自分の脈を探ろうとしてカードを取り落とした。
牧志 浩太
牧志があなたの眼を見上げ、肩を掴む。
あなたの視界からその光景を覆い隠すように向き合う。
あなたが普段そうするように、あなたの眼を覗き込む。
牧志 浩太
「佐倉さん、大丈夫……、大丈夫だから」
何に対してそう言っていいのか、彼にも分からないらしかった。
大丈夫な要素など、一つもない。
それでも、あなたの肩に手をかけそう繰り返す。
佐倉 光
牧志の声。生命の音。
そんなもの保証にならない。ゾンビだって喋るんだ。

牧志の肩をこちらから掴んで、胸に顔を当てる。
音が聴きたい。音。何の? 生命の音。
自分で何をしているのか分からないまま、牧志の体を壁に押し当てるようにして耳を澄ます。
牧志 浩太
牧志は驚いて身を翻しかけたが、あなたがしようとしていることが「そう」ではないと気づくと、動きを止めてされるままにした。

少し速い心音が、あなたの鼓膜を揺らす。
佐倉 光
鼓動を聴きながら、それに合わせて呼吸をする。
生きている。生きている。
ひとつひとつの音を刻み込むように。
佐倉 光
〈精神分析〉してよいですかっ
KP
どうぞ!
佐倉 光
1d100 36〈精神分析〉 Sasa 1d100→ 12→成功
KP
おお、お見事!
1d3のSAN値回復をどうぞ。
また、このシナリオ中は不定の狂気の症状を抑え込むことができます。
佐倉 光
1d3 Sasa 1d3→2
SAN値 44 → 46
佐倉 光
やったー。
KP
おおー、お見事。シナリオ中に大変なことにならなくて済んだ。
佐倉 光
なんかさー。《ディア》より効く気がするの気のせいですかね。
KP
そんな気もする。
佐倉 光
「……ごめん、少しだけ、聴かせてくれ」
今更のように喉の奥を詰めたような声で囁く。
佐倉 光
心音を聴いていると心が静まってきた。
牧志は生きている。生きている。
俺達は生きてここから出る。
佐倉 光
深く息をついて、牧志から手をはなす。
佐倉 光
「いきなり、ごめん。
生きていることを確かめたくなって」
牧志 浩太
「いいよ。驚いたけど、落ち着いたならよかった」
牧志はなんでもないことだと言うように、一度軽く肩を叩いて身を離す。
佐倉 光
ばつが悪そうにしながら落としたカードを拾う。
佐倉 光
「もう大丈夫……」
そういえば、随分と心が落ち着いた気がする。
今なら冷静に動けそうだ……

改めて部屋の向こう側の様子を見る。
KP
赤くてらてらとたゆたう死体と臓物の海の向こうに、扉がひとつある。
牧志 浩太
「そうだ、思い出した。
俺が放り出されてた廊下、あの扉の向こうだ」
佐倉 光
「そもそも、どうしてお前はそこにいたんだろうな……
そっちを見ていたから『逃げられる場所がない』と思ってた、ってことか」
牧志 浩太
「ああ。佐倉さんの叫び声が聞こえて、驚いて急いで飛び込んだ、までは分かる……。
そっちを見てたから逃げられないと思っていた、そうかもしれない。

そうだ。佐倉さんを抱えたままじゃいけないって、そう思った気がする」
佐倉 光
「この建物自体が牢獄って感じはするが、管理する側の人間が普通に使っていた部屋もあるしなぁ……」
佐倉 光
「ここで『作られた』人間達か。まるで蠱毒だな」
牧志 浩太
「作られた、か……。
そんな感じがするな。生まれたっていうより、作られた。
蟲毒だとしたら、この人達を殺し合わせて呼ばれる光って、なんなんだ……」
佐倉 光
ここには死体しかないのかな。
ざっと見回して、投げ捨てたはずの目玉は見つかるだろうか。
ここで斃れている人間の身元が分かるようなものは?
服装なんかはどうだろう。
KP
服装はみな揃いの白いローブ姿だ。
身元が分かるようなものは見当たらない。

屍と臓物の海のせいで詳しくは分からないが、床に投げ捨てた眼球らしいものが転がっている、ようなことはない。
KP
死体を詳しく検分するならば、〈医学〉で判定。
佐倉 光
折角だし調べてみようここの死屍累々。
1d100 22 〈医学〉 Sasa 1d100→ 72→失敗
佐倉 光
ちょっと胸が悪くなった。
牧志 浩太
牧志は臓物の海のただ中に屈みこみ、命を失った頭蓋を片手で抱き上げるようにして、その様子を確認する。
1d100 61 〈医学〉 Sasa 1d100→ 19→成功
牧志 浩太
「……人間だな。普通に。人間にしか見えない。それは、そうだよな。
みんな目を潰されてる。あの人がやったのかと思ったけど、目を抉りあいながら死んでる人達もいる……。

……ごめん、気分が悪くなってきた。これだけあると人間に見えなくなってきそうだ。肉の塊に見えてくる……」
牧志は小さく呟いて呻き、その場に屈み込み一度目を閉じる。
佐倉 光
その手を取って部屋の隅へ引いていく。
佐倉 光
「これはただの悪夢だ。見なくていい。今は忘れていいんだ。
俺達が帰ることだけ考えよう。悼むのは後でいい」
可愛い子には旅をさせよ
KP
牧志と知り合って自分も他人も大事にできるようになって、そんな成長を得た心をひたすらひどい目に遭わされる佐倉さん…… ごめんな……
佐倉 光
楽しいので仕方ないんだな……
狂気系も美味しくいただけるPLたちなせいで。
KP
いつもありがとうございます。楽しい。
佐倉 光
好きな子ほど虐めてしまうというアレか(違う。)
KP
×関心を引きたい 〇色んな顔を見たい なおアウトだ

佐倉 光
〈精神分析〉で落ち着かせられる?
牧志 浩太
「そうだ……、そうだな。気を取られてる場合じゃない。そんな場合じゃない。
これが何に見えても、今はいい」
牧志は強くあなたの手を握り、力を込めて立ち上がる。
籠もった力に、あなたの手が少し痛んだ。
牧志 浩太
「ありがとう」
牧志 浩太
「ここには、佐倉さんの眼はなさそうだ。
生きてる人もいないみたいだ。
目を潰して死んでるってことが分かるだけだ」
牧志は振り切るようにぐっと顔を上げ、扉を睨んだ。
KP
〈精神分析〉はなくても大丈夫。
佐倉 光
「行こう」
扉に〈聞き耳〉をたてる。音がなければ開く。
KP
扉を開くと、その向こうは短い廊下になっていた。
反対側に、扉がもう一つ見える。
牧志 浩太
「ここだ」
牧志が小さく呟いて声を潜めた。包丁を構える。
佐倉 光
二人とも意識がない状態で運び込まれたのだろうか。
こちらもカードを確認する。
〈聞き耳〉を立てて、音がしなければ扉の影に隠れながらゆっくり扉を開ける。
KP
〈聞き耳〉を立てようとすると、この扉には他の扉より厚みがあることに気づく。

〈聞き耳〉で判定。
佐倉 光
1d100 79〈聞き耳〉 Sasa 1d100→ 58→成功
牧志 浩太
1d100 97〈聞き耳〉 Sasa 1d100→ 15→成功
牧志 浩太
「……」
牧志があなたをちらりと見る。気づいたのだろう。

何かがこの向こうにいる。
佐倉 光
何か、か。
一応扉の影に隠れるようにして扉を開ける。
佐倉 光
こういう所って大体普通に踏み込むしか想定されていないと思うんだけど、ついやりたくなってしまう。
KP
わかります。そりゃそうするよねって思うし。
途中で毎回宣言・判定しているとロール回数が増えすぎる&進行悪くなるけど本当はしたいし、今回は明確に何かいるんだからそりゃあ〈聞き耳〉立てた上で扉に隠れて入るし、そういうのはやっぱり拾いたい。

コメント By.佐倉 光
弱くなってしまった心に再び狂気が忍び寄る。
狂気に狂気があわさって……むしろ前より少しだけ平和になるのだった。

多分平和だ。

TRPGリプレイ CoC『機械仕掛けの街』佐倉&牧志 1

「正直俺にもどっちが正解かわかんねぇよ……」

TRPGリプレイ【置】CoC『しんでなんかないよ』 牧志&佐倉 4

もう、認めるべきではないだろうか?
彼はもうこの世のどこにもいないのだ、ということを。

TRPGリプレイ CoC『瓶の中の君』牧志&佐倉 1

「……そのうち見つかる、か。そうだな、そうかもしれない。なくして忘れても、それはそれで何とかなることもあるしな」

【クトゥルフ神話TRPG】
本作は、「 株式会社アークライト  」及び「株式会社KADOKAWA」が権利を有する『クトゥルフ神話TRPG』の二次創作物です。

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PUBLISHED BY KADOKAWA CORPORATION 「クトゥルフ神話TRPG」


TRPGリプレイ CoC『対の棲みか』『第一話 霧謬の見』春日&唐木 1

『えっ、なにこれ……』
『……何が起こってるんだろう……?』

TRPGリプレイ【置】CoC『しんでなんかないよ』 牧志&佐倉 1

何だかちょっと、死を受け入れるまでの古い儀式のようにも思えた。

TRPGリプレイ ゆうやけこやけ 第十一話『旅するゆうこや』ふたわの一

ふたわのお話