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こちらには
『デート or デッド』のネタバレがあります。

本編見る!
KP
……そんなトラブルをよそに、繁華街の一角のタピオカ屋は繁盛していた。外にはテラス席も設けられているようで、カントリー風の白いチェアが目に眩しい。

周りは若い女の子たちで賑わっていて、長い行列が出来ている。
彼女たちは列に並んでいる間、お互いにカメラアプリで自撮りをしていたり、おしゃべりに夢中だったり、スマホをいじっていたりと各々時間を潰しているようだ。
KP
「んでさ~言ってやったのよ、山登りすんなら最初から言えって。そしたらあいつなんて言ったと思う?
これが山だと思ってなかったですって! 何よあの坂から目線」
KP
「まあまあ、仕方ないって。それでナオちゃん何にする?」
KP
「もちろんこの、正気山脈コラボティーでしょ!
日本のへそに見つかった高さ4メートルの山をめぐる群像劇、しびれるわ~」
佐倉 光
4mはどう間違っても山にはならねぇ……ッ!
そうでもない。
実は、何メートル以上なら山であると言った定義はなく、三土地理院が発行する地形図に載る山として最も低い山は、宮城県仙台市宮城野区蒲生にある「日和山」。標高は3mでしかも人工の山なんだそうである。
大阪の天保山はそれを全力でネタにしている。

佐倉 光
「正気山脈とのコラボ商品か。これだな……」
今までの物ならともかく、ここは他にも客がいるに違いない。
すると、間違いなく牧志の一部なり次の指示なりが渡されるかどうかが大変覚束ないわけだが。
むしろ間違いなく渡されるなら、この店の者が関係しているってことになる。

列に並ぶ。
マーダーミステリー狂気山脈 星ふる天辺微ネタバレ
佐倉 光
登山家が4mに耐えきれずに山を盛ろうとバケツをひっくり返してその上に立ち、教授は猫を追いかけていそうな作品だな。
KP
山をw盛るwwwwwやってそうwwww

KP
よく見ていると、店員はドリンク券のシリアルナンバーを確認して、その下1桁に応じた袋のプレゼントを客に渡しているようだ。
佐倉 光
なるほどシリアルか。手が込んでいる。
食品店に体の一部が保管されていたら……割とホラーだな。
KP
ようやくあなたの順番が来ると、チョコミントカラーの可愛い制服を着た店員に笑顔で迎えられる。
KP
「いらっしゃいませ~、正気山脈コラボティーですね!」
KP
正気山脈コラボティーはタピオカティーの上にうっすらとチーズクリームを敷き、作品の舞台となる山の低さを描いた一品だ。

ドリンク券を渡すと、コラボティーを2杯とおまけを1袋もらえる。
おまけはロゴを描いた袋に入っており、中身は見えない。

〈目星〉で判定。
佐倉 光
1d100 85〈目星〉 Sasa BOT 1d100→9→成功
佐倉 光
と、いうことはここで問いただしても無駄か。
KP
あなたはその袋に、一度開けてもう一度閉じた跡があることに気づく。
佐倉 光
店のヤツが不審がって開けた、とかじゃないだろうな!?
今日何度目かもう分からなくなってきたトイレで開ける。
シナリオのアレンジについて雑談
佐倉 光
そういえば忌胎の記事書いたときチェックしたら、シナリオが販売再開してたので買って読んでみましたよー
思ってたほど違ってなかった!
いや情報の出し方色々違ってはいるんですけど。
KP
あっそうそうシナリオ紹介読みました!
あっ同居対応でいじりちらかした&PCの感情面とか方向性をいじりちらかしたのがバレる! ってどきどきしながら読ませて頂きましたが、楽しかったって書いて下さってこちらも嬉しい。

そうそう、KP情報が丁寧でありがたいんですよね。おかげで骨子を残しつつ(ほんまか?)盛大にいじれた。
情報そのものと流れは生かしたけど、出し方は大いにいじった感じでしたね。まず同居ってところからしてだいぶん流れが変わる。
あと四日目は別物……
佐倉 光
でもやっぱアレンジ上手だなぁーって改めて思いましたよ!
四日目は別物。だけど大事なとこは変わってませんし。
KP
わあぁありがとうございます!
置きだったおかげでできたアレンジでもありましたね。途中だいぶ泥縄というか、おふとんの中で「あそうだ思いついた、こここうしよう」とかやってたので。
佐倉 光
そういうのやりやすいのも置きのいいとこですよね。
レミングスなんて先漠然としか考えてなかったし。
次どの死亡シーンにしようかなーってログ見ながら探しながらやってた。
リアルタイムだと絶対無理。
KP
そうそう。リアルタイムだとこういう泥縄アレンジはできないから、置きのいいとこだなと思います。
うーんこの次どうしようちょっとお待ちください……とかもできるし。
Discordに自分専用サーバー作ってそういう「次のシナリオこここうしよう」「あっ思いついたぞこうしよう」をメモしてるんですが、忌胎のメモ量すごい。
佐倉 光
私もメモ作ってはいるけど、用が済んだらばりばり消してるなぁ。
置きだと夜中になって続きは明日ってときに次の展開思いついちゃったりしたらメモにおとして寝たりしてますねぇ。
KP
こちらも用が済んだメモは消してるんですが、改変ポイント絡みは残してますね。
後で今回の改変ポイント出すために。

ああー、こちらもやってます。文章とか描写の断片とかとりあえず自サーバーにメモして寝る。

KP
繁華街のトイレはちょっと遠い。
手足は入りそうにない小さな袋を開けると、正気山脈コラボコースター&ステッカーセット(全員集合のレアバージョンだ!)と、写真らしいものが2枚入っている。
牧志 浩太
「今度は、何だった?」
佐倉 光
「ステッカーと……写真が二枚だ」
写真は何の写真だろう。裏に何か書いてある?
KP
うち一枚は、穏やかな公園の写真だ。
公園の名前が書いてあり、それによるとここから更に少し南へ下った所にある。

〈写真術〉もしくは〈目星〉
佐倉 光
1d100 85〈目星〉 Sasa BOT 1d100→84→成功
KP
トイレだ。
片隅にあるトイレの壁が、ペンで真っ赤に塗られている。
KP
シナリオ中でもトイレ
佐倉 光
トイレ話だった。
佐倉 光
「公園のトイレの壁が塗られている。ここに行けって事だろうな」
牧志 浩太
「今度はトイレか。
確かに、公園で目につきにくい場所っていったらそうなるよな。
……今度は、足でも出てくるのか?」
佐倉 光
「トイレかー……」
さっきの事を思い出した。
佐倉 光
「そこにあればいいなぁ、と思ったり思わなかったり」
牧志 浩太
「そこに胴体あればいいな。それなら何とは言わないけど無事だ」
佐倉 光
怖いじゃん。首なし手首なしの体がトイレに腰掛けてたら。
KP
全くだ。
KP
もう一枚の写真も見る?
佐倉 光
見る。
KP
もう一枚の写真は……、

あなたの写真、だった。

刃物か何かで、首部分をずたずたに切られているさまは、あなたの首が切られているような不快感を催させる。

写真の中のあなたは、こちらを向いていなかった。
──隠し撮りだ。
一体、いつ!

そんな行為を許してしまった怖気と、狙われているのは彼だけではないのだという確信があなたを襲うだろう。

あなたは誘われているのだ。

SANチェック成功時減少 0失敗時減少 1D2》。
佐倉 光
1d100 68 《SANチェック》 Sasa BOT 1d100→78→失敗
1d2 Sasa BOT 1d2→2
SAN 68 → 66
KP
🎲 Secret Dice 🎲
佐倉 光
短く息をのんだ。
予想していなかったわけではない。誘い出されているのは自分だ、という確信はあった。
しかし、何故? 何者がこんなことを?
俺にここまでされる価値なんかあるはずがない。
そんな想いが胸をかき乱す。
自分はいつでも取るに足らない存在で、だからこそ動けるのだ。
まっすぐに見られたら、逃げられない。
脇役でありたい
KP
そういえば、佐倉さんが生贄にされかけたことはなかったかも、という話が出てましたね。
佐倉 光
誰かの代わりとか、パーツにされかける事はあったけど、意外と『佐倉だから生贄に』って展開はないんですよね。
あくまで「そこにいたから」とか「とばっちり」とかで被害に遭う事が多い。まきこまれ体質。
KP
ですねぇ。
牧志が「牧志だから」狙われることが多いのに比べて、佐倉さんは巻き込まれ体質。
佐倉 光
ハッキングにしろ忍び足にしろ、「見られていない」事が前提なのですよ。
悪魔の後ろに隠れているのもそうだし。「自分は弱い」と猫を被っているのもそうだし。
KP
取るに足らない存在であるということは利点でもあったんだ。
でも、今回はその前提が破れてしまった。
牧志はそもそも生まれにすら因果を背負っている疑惑があるけど、佐倉さんはそういうのないですしね。
佐倉 光
モブだの弱いだの役立たずだの自分の事言ってるけど、半分は意図的なものですからね。
だからいつか記憶を失ったときに「役立たずという言葉には誇りのような感情もつきまとっている」なんて変な感覚を覚えている。
KP
それで「誇りのような感情」だったんだなぁ。
主人公ではないがために、見られずに隠れて動き回れるんだ。補佐タイプですね。
佐倉 光
なんですよ。
おっかしいなぁ『候補者』なのにー

牧志 浩太
「佐倉さん? 何が、あったんだ?」
あなたが息を呑むのを感じ取ったのだろう。
牧志があなたに呼びかける。
佐倉 光
「俺の写真だ。首の部分が切られている。
お前の首も切ってやるって感じに」
牧志 浩太
「そうか……、巻き込んじゃったかな」
牧志があえてそう言ったのは、あなたの言葉に理由は知らずとも何かを感じ取ったのだろうか。
それとも、偶然なのだろうか。
佐倉 光
「しかし、俺を誘い出すならわざわざこんな警戒させるような事……」
牧志 浩太
「そうなんだよな、意図が分からない。
遠回りするっていうと真っ先に浮かぶのは、足がつかないようにだけど、自分の足で歩き回らせてちゃその意味……、も……」

不意に牧志の言葉が途切れる。
佐倉 光
「牧志! おい牧志、しっかりしろ!」
鞄を開ける。
牧志 浩太
鞄の中には、ぼんやりと宙を見ている牧志の首があった。
うつろな眼は光を失い、青白い頬からは随分と血の気が引いている。

一瞬死んでいるように見えた。
HP 8 → 7
佐倉 光
「牧志! 起きろって!」
叫んで軽く頬をペチペチする。
佐倉 光
「息をしろ! 目を開けろ! おい!」
牧志 浩太
「あ、ぁ……、」
牧志は苦しそうに数度、浅く速い息をした。
肺がうまく膨らまない病人のような、ぎこちなく狭い息だった。
牧志 浩太
「ごめん、急に息が苦しくなって、……頭が回らなくて」
佐倉 光
「体との繋がりが弱くなってるのか?
尿意なんかもあるのに突然切れるのかよ……」
歯がみしながら牧志をそっと鞄に戻す。

公園へ向かう。
KP
午後の公園は、長閑な雰囲気に包まれていた。

中央に置かれた遊具の周りでは、小学生くらいの子供たちがわいわいと遊んでいる。
大きな犬を連れたおじさんが、井戸端会議に興じる母親たちの横を通り過ぎる。
ベンチでは、恋人らしい二人組が他愛のない会話に花を咲かせていた。

公園に駐車場はないが、近くのコインパーキングが空いているようだ。
佐倉 光
「公園に着いた。コインパーキングで降りる」

車をコインパーキングに止めて、牧志の頭と手をいれた鞄、それからリュックを持って行く。これ以上増えるならタイヤつきの入れ物が必要になるな。スーツケースなどの。
周囲を警戒しながらトイレを目指そう。
牧志 浩太
「ああ、分かった」
耳に聞こえる牧志の声は次第に曖昧に、弱々しくなりつつあった。
KP
穏やかに夕方に向けて陽が傾いてゆく中、あなたはトイレを目指す。

着いてみれば真っ赤に塗られていることはなく、白い壁に空色のタイルで装飾されていた。

見てすぐ分かるのは、女子トイレの入り口に『一番奥の個室は故障のため、使用禁止中です』という張り紙がされていることだ。

現状、トイレの周囲に人の姿はない。
佐倉 光
このご時世に女子トイレ……ッ!
俺に何か恨みでもあるのかよ!
あるのかもしれないな!
俺の仕事絡みか!?

同封されていた自分の写真を思い出してため息をつく。
俺がここで捕まったら、女子トイレにバラバラ死体持って侵入した、変質者通り越して犯罪者だ。一発アウト。
佐倉 光
小細工してる暇はねぇ。くそ、しゃーねぇ。行くか。
一応周辺の監視カメラなどをチェックして、トイレ周辺にあるようならハッキングして殺しておく。
ループ映像作って流すなんてやってる暇がない。
監視カメラ一ヶ所殺すだけじゃばれるから、周辺のまとめてやっとこう。
KP
監視カメラはトイレの入り口を見るものがひとつあるが、殺すまでもなく普通に壊れていた。メンテしろ。
いや、今ばかりはメンテ不足に感謝だろうか。
佐倉 光
よかった、カメラに細工すると後が面倒だからな。
しなくて済むならその方がいい。
KP
あなたは人目を盗んで中に忍び込む。

女子トイレという未知の空間には甘酸っぱい匂いが…… したりはしない。普通にちょっと臭い。
小便器が並んでいない壁はちょっと新鮮かもしれない。

一番奥の個室のドアに『故障中』と書かれた張り紙がされている。

個室には、内側からカギがかけられているようだ。
古いつくりで隙間が大きく、ドアの上部に人が通れそうなくらいの隙間があるのが見える。
KP
壁をよじ登るなら〈登攀〉で判定。
鍵をどうにかするなら〈鍵開け〉または【DEX】×5で判定。
他に何かうまいやり方があれば、提案次第。
KP
個室の周囲を観察するなら〈目星〉
上から牧志に様子を見させるなら、その時点では判定はいらない。
佐倉 光
くそ、鍵壊れてるのかな。

中に入って、中から鍵が開けられなかったら積むし、荷物を持ってはいるのは難しい。この高さを上から落として無事ではいられない。鍵を何とかするしか……

まずは観察かなぁ? 
1d100 85〈目星〉 Sasa BOT 1d100→4→決定的成功クリティカル)!
KP
必死なあなたの視線は、鍵の周囲に向かう。
何か、何かないのか。必死に見るうち目が乾き、血走ってくる感覚にとらわれる。

その個室はしばらく故障したままなのか、鍵が随分がたついていた。
……外から何か、例えば細い布をかけて引っ張る・細いもので跳ね上げるなどすれば、鍵を外せそうだ!
KP
そういえばあなたはハチマキを持っていたような気がする。なぜか。
あと少々力をかけたくらいでは破損しない薄いカードを持っているような気もする。
佐倉 光
はちまきは……ある。
カードってなんだっけな。
KP
悪魔カード。ラミアさんの。
佐倉 光
あー。
それは使うと怒られそう。
KP
使うものはどちらでもいいしそれ以外でもいい。
クリティカルのおかげで弱点が分かり、判定無しで開けられる。
はちまき
そういうアーティファクトを持っている。
間違っても女子トイレの鍵開け用のアイテムではない。

悪魔カード
佐倉が悪魔使いとして悪魔と契約している大事な証。悪魔がくれるときに、どいつもこいつも『大事にしろ』って言うから、雑に扱ったら相当気を悪くされると思う。
間違っても女子トイレの鍵開け用のアイテムではない。
佐倉 光
…………
考える。
いや。絶対こっちの方が早い。

すまない、姐さん。
次喚んだ時倍払うから許せ。
なんなら牧志から吸ってもいいから。

悪魔カードを出して隙間に差し込み、鍵をはね上げる。

※どう考えてもこっちの方が早そうだった。
KP
ラミアのカードが隙間に差し込まれ…… 僅かにたわみ…… ちょっと嫌な感じに軋み……

バチン! と跳ね返る音がして鍵が外れた。
冷や冷やしたがカードは無事そうだ。
佐倉 光
……よし、良かった。
2年といったら対悪魔の付き合いとしてはかなり長い。
契約破棄されたら割と……ショックかも知れない。
思った以上にほっとして、カードをしまう。
急いでドアを開ける。
佐倉 光
大事な契約のカードを、ただの物品として扱うなんて失礼すぎるので、悪魔使いとして割と重い決断でした。
牧志から吸っていい も、それくらい重く感じているから+牧志を救うための代償だからですね!
KP
ですよね。ラミア姐さんとラミア姐さんとの契約そのものだもの。
こんなことで重い決断させてごめんな佐倉さん。

KP
入ってすぐに気づくのは、室内の異物だ。

予備のトイレットペーパーが積まれている棚に、忘れ物のような風情で保冷バッグが置かれている。
佐倉 光
「バッグだ!」
小声で囁いてまず中身を確認!
KP
中を開けると、真っ白なランチクロスで包まれた何かと、横浜の遊園地の入場券が入っている。
入場券には、大観覧車に赤ペンで印がつけられている。

何かはL字型の手のひらより少し大きい、それこそ弁当箱程のサイズだ。
ランチクロスには不気味な印が赤黒い液体で書かれている。
佐倉 光
その二つを確認したら、バッグを抱えてすぐにトイレを出る。
詳細の観察は後だ!
KP
急いで外へ出たあなたの肩を誰かがぽんと叩く。

「きみ、今女子トイレの方から出てこなかったか?
少し話を聞かせてもらえるかな」

中にいた間に、パトロール中の警察官が通りがかってしまったようだ。
まが わるい !
KP
何らかの交渉系技能、またはRPで切り抜けられる。
佐倉 光
「はいっ、すみませんお腹痛くて、具合悪くてっ。
中入って気付いたんですけど、動く余裕が、なくてっ!」

今俺はHPが減るほどの苦痛に苛まれている上、友人の生死を抱えて不安になっている! 具合が悪い、という言い訳は通じないだろうか?
KP
なるほど。〈言いくるめ〉+20%で判定だ!
佐倉 光
1d100 68〈言いくるめ〉!  Sasa BOT 1d100→68→成功
佐倉 光
あっっっぶねぇ!
KP
「そうか……、それは大変だったね。気をつけてお帰り」

蒼白な顔をしたあなたの迫真の訴えに、警察官はあなたの言を信じてくれたらしい。
どうにか難を逃れられた。
KP
あなたの手の中には、先程の保冷バッグが収まっている……。
牧志 浩太
「聞こえてた、たいへんだったな……」
牧志が弱々しい声で苦笑するのが、あなたの耳に微かに届いた。
佐倉 光
「色々な意味で死ぬかと思った。TARONと対峙した時並み」
ふう、と息をついて荷物を持って車に戻る。
TARONと対峙したとき…真・女神転生TRPGにおいて絶望を齎した悪魔。

佐倉 光
牧志の鞄を助手席に置いて開けたら、まず移動しよう。
牧志 浩太
鞄を開けると、牧志の肌は随分と青ざめていた。

水面で必死に息をする金魚のような、浅くて速い息が、ずっとあなたの耳に聞こえている。
佐倉 光
適当な路地に入って、周囲に人がいない事を確認。
ランチクロスに触れてみる。
佐倉 光
「牧志、何か触れられている感覚はあるか?」
牧志 浩太
「足、だ。左足に、触れられてる気がする……。
さっきより、感覚が、遠い」
牧志は心細そうに、頼りなく感覚を辿る。
牧志 浩太
HP 7 → 6
1d100 63 《SANチェック》 Sasa BOT 1d100→13→成功
佐倉 光
「どうしてここだけ保冷バッグなんだ」
包みを開けずに全て纏めてバッグに入れる。
佐倉 光
「次は遊園地だ。……くそ、行く前に波照間さんに連絡してみる」
運転しながらスピーカーフォンにして波照間さんにコールしてみる。
KP
数度コール音が響いて……。
波照間 紅
「はい、波照間です。……何か、あったんだな?」
聞き慣れた声が、少しばかりの緊迫を伴って聞こえた。
佐倉 光
「悪い。またなんか起きてます。
今俺、ばらばらにされた牧志を集めてるとこで……」
朝に頭が送りつけられてきた事に始まり、
生きたまま分解された牧志を集めさせられていること、
牧志の意識が保てなくなってきているようなので急いでいること、
次は遊園地に向かう事を伝える。
佐倉 光
「俺は指示通りに動くしかないけど、
俺も狙われているかも知れない。
波照間さんは外から見ていて欲しいんだ」
波照間 紅
「何だ、それは……」
電話口の向こうで波照間は一瞬絶句した。
しかし事態の深刻さを悟り、ひとつ咳払いをしてすぐに了承を返す。
佐倉 光
「牧志の体を分解したヤツ、香水をつけていると思います。
それ系、気をつけて」
波照間 紅
「分かった、僕も距離を取って現地に向かう。
次の行き場所が判明したら教えてくれ。

牧志を頼んだ」
KP
そして電話は切れる。
先輩、という牧志の微かな呟きが聞こえた。
佐倉 光
「波照間さん、急に弓術上達したし、来てくれれば頼りになる!」
ひとまず独りきりではなくなったというだけで随分と気持ちが楽になる。
佐倉 光
次の場所には間に合わないだろうけどな。
遊園地に急ぐ!
KP
夕暮れの海辺は穏やかな光を金色に照り返している。

海に突き出すように建てられた観覧車が、点き始めているネオンの光と特徴的なデジタル時計の輝きを水面に投げかけていた。

ちょうど客層が家族連れから恋人たちに変わっていく頃合いで、誰もかれも自分たちの世界に浸りきっており、ひとり遊園地を訪れたようなあなたを気にする者はいない。

これが悪趣味なデートコースならば、きっとここが終着点。


佐倉 光
エグゾディアならあと一カ所なんだが、人間はそれじゃあ復活しない。
今度は何が待っているんだ。

大観覧車へ向かう。
大観覧車は動いているかな。
KP
大観覧車まで行くと、色とりどりのゴンドラが虹色に輝きながらゆっくりと稼働している。

その足下には、恋人たちが多く列を作っていた。
KP
「ここは故郷そっくりだね、エミちゃん……」
「ええ、そうね、あの埠頭にひらめく旗を思い出すわ……」
「いつか、きっと帰ろうね……」
KP
あなた達の身に迫る危機など知らぬ様子で話す恋人たちを眺めながら、あなたは列に並ぶことになるだろう。
佐倉 光
これじゃあ狙ったゴンドラには乗れないだろう。
ゴンドラに乗れば中に何かあり、同時に逃げ場がなくなる、というのは容易に想像がつくが。
佐倉 光
周囲に変わった事はないかと視線を走らせる。
KP
辺りに変わった様子はなく、あなたに向く視線もない。
波照間は向かっている最中なのか、彼の姿はない。
佐倉 光
「牧志、大丈夫か?」
たまに小声で話しかける。
返事がないからといって列を離れる余裕はないと考え、声をかけるだけだ。
牧志 浩太
「大丈夫…‥」
辛うじて微かな声がした。
佐倉 光
「くそ、早くしろよ……」
じりじりとしか回らない観覧車を恨めしげに見上げる。
慌てても仕方がないのだが、牧志の声から力が失われているのを聞くとじっとしていられない。
KP
やがて順番が来る。
スタッフに「お連れの方はいらっしゃいますか?」と確認されるも、流れるように2人乗りのゴンドラへ詰め込まれる。

ゴンドラが次第に高度を上げていく。設置されているスピーカーからは穏やかな音楽が流れ、沈んでいく陽があなたの顔をやさしく照らした。

その時、不意にスピーカーがザザッと音を立てた。
KP
近所の美容クリニックの宣伝が流れ出す。『海乃整形クリニック』というらしい。住所と電話番号を告げた所で、不意に途切れて音楽に戻る。

あなたはそれに違和感を覚えた。
その後、何かの宣伝が流れることはない。
これは、音楽に無理やり割り込ませたのではないか?
佐倉 光
「海乃整形クリニック」
声に出して牧志に伝えると同時、覚えているうちに検索をかけよう。
その名前で出ててくる住所と電話番号は、今聞いたものと一致するだろうか。
KP
一致する。
KP
公式サイトには地図もあり、ここからそう遠くないことが分かる。
佐倉 光
まず波照間さんに連絡する。
もし電話に出てくれるなら伝える。
佐倉 光
「次はこの整形外科に行け、ということらしいんだ」
波照間 紅
「分かった、少し距離を取って接近する」
波照間はすぐに電話を取った。
KP
ゴンドラは一番上まで上がり、緩やかに下り始める。
佐倉 光
海乃整形クリニックに電話をかけてみる。
KP
「はい、海乃整形クリニックです」
落ち着いた女性の声が応対する。
佐倉 光
「牧志浩太はそちらにお邪魔していませんか。
いい加減に帰していただきたいんですけど」
KP
「本日18時半にご予約の佐倉様ですね、院長からお聞きしております。こちらまでどうぞ」

電話口の向こうの女性は、さらりとあなたの名を口にした。
……勿論、予約した覚えなど無い。
佐倉 光
「俺は牧志を連れて帰りたいだけなんで、世話になる予定はないですよ」
くそっ、ふざけやがって。
そりゃあ、荷物送りつけてきたんだ、知ってるだろうさ。
KP
一方的に告げて電話は切れてしまう。
ゴンドラが、柔らかく地面へと近づいてゆく。

扉が開くころには、気づけばすっかり日が暮れていた。
恋人たちの姿もあらかた消えた観覧車の下、見せつけるように、あなたの名前が書かれた診察券が落ちていた。
佐倉 光
拾い上げて、波照間さんに追加連絡。
佐倉 光
「完全に待ち受けられてます。
一時間連絡なしで戻らなかったら、よろしくお願いします」
よろしく、というのは、酒場に依頼かけてくれ、って意味だ。
波照間 紅
「……分かった。
電話、繋げておくか?」
佐倉 光
「そうだな。一応このままで行きます」
波照間 紅
「ああ」
電話をポケットか何かに入れて両手を空けたのか、かさりと音がした。
佐倉 光
では海乃整形クリニックに向かいます。
佐倉 光
そういえば送付元のコンビニってこの辺だったのかな。
KP
発送元のコンビニは、新宿駅の近くのコンビニだ。
人が多く忙しい場所であり、聞いたとしても送り主を覚えていたかは怪しかっただろう。
佐倉 光
そうかー。まあ元々期待なんかしてない。
ほいほいついてっちゃう
佐倉 光
こんなほいほいいっちゃっていいのかねぇ。
KP
しかし外からなんとかしようにも、中に牧志の身体がある可能性があり、戻し方もまだ分かっていないという。
佐倉 光
相手に悪意があるのかどうかもさっぱり分からんなと思っていたけど、女子トイレの時点で悪意山盛りだったね!
一カ所ずつ綺麗に仕上げてお返しするーみたいなのかなと最初思った。
KP
そうでもなかった。
佐倉 光
だとしても首だけ返された時点でぶち切れるけど。
KP
そりゃそうなんですよ。普通に死にかけているし。
佐倉 光
しかし相手魔法使えるみたいだしね。
単に佐倉も拉致ってぶったぎる積もりなら同じようにしたらいいわけでね。
これほんともうわからん。封印が関係あるかなくらいしか。
今一応足だけ積極的に開けてない。
大体のシナリオ、敵の本拠地についての情報が出たら対策なくても情報不足でもメタで見て突っ込むのが正解という事が多いので、割と素直に出た情報の場所に突撃していますし、
決定的にまずいことしていたらKPから突っ込みが入るだろうとは思っているけど、
やっぱり勝てる根拠も対策も武器もなしに突っ込むの、毎度怖いんですよね!
言い訳になるような情報か、役立たなくてもいいから対策っぽいものをシナリオで用意してくれたら突っ込みやすいんだけどなぁ。

KP
そのクリニックは、雑貨屋や服屋などが入るビルの七階にあった。
波照間 紅
「確認した、ビルの七階だな?
向かい側のビルから見ているが、窓がすりガラスで中の様子が分からない」
KP
入り口には「休診日」のプレートがかけられている。
入り口のドアはすりガラスになっていて、中の様子を見ることは出来ないが、明かりはついていないように見える。

あなたは気づく。扉が僅かに開いている。
あなたを誘い込むように。
佐倉 光
「くっっっそ、行くしかねぇか……
波照間さん、最悪悪魔使ってもいい。そういう奴らだきっと」
波照間 紅
「分かった。呼べるように準備をしておく」
佐倉 光
中に入る。

KP
室内に入ると、華やかな提携化粧品や提携エステ、施術例などのポスターがいくつも貼られたそこが、美容整形のクリニックだということに気づく。

入口を入ってすぐの所に受付があり、右側にはパーテーションが立てられていて様子はわからないが、待合所のようだ。

受付に人はおらず、室内はしんとしている。
牧志 浩太
HP 6 → 5
佐倉 光
今の時間は?
KP
18時を少し過ぎたあたりだ。
佐倉 光
ちょっと時間早く来たけど、待ってられないな。
つーか俺同意してないし。
靴のままで入り込む。
万一に備えてマカミ喚んでみようかなー
KP
マカミを呼ぼうとすると、異変に気づく。
……COMPがエラーを起こしている。

このクリニック内に、意図的なものなのかそれとも偶然なのか、何かマグネタイトを歪ませるような磁場が存在しているのだ。
KP
それでも呼ぶというのなら、呼ぶことは可能だ。
佐倉 光
こういう時に喚んで万一の事があったら命に関わるので喚ばない。
佐倉 光
「くそ、悪魔が喚べない。波照間さんも大丈夫かなこれ」
でもまあ波照間さんなら戦闘力あるしな。
佐倉 光
受付に何かあるかな?
KP
受付は奥にはつながっていないようで、レジスターとPCがひとつずつある。
佐倉 光
「レジスターとPC。ちょっと見る」
佐倉 光
まずはPCかな。牧志や自分の名前はあるのか。他に気になる名前などあるか。
KP
PCを見ると、「診断スケジュール」と書かれた共有Excelファイルへのショートカットがデスクトップの片隅にある。
どうもパスワードが設定されているようだ。

〈コンピュータ〉または〈芸術:ハッキング〉で判定。
佐倉 光
1d100 85 〈ハッキング〉 Sasa BOT 1d100→72→成功
佐倉 光
受付のPCに手を伸ばして触れる。
エクセルならそう怖くはないな……
KP
あっさりとパスワードが解除される。
それは患者の予約や施術予定を管理している表で、その中に…… 牧志の名前があった。
〈診断スケジュール〉
○月✕日(今日の日付)
「牧志さん(右手)→○○製薬会社/コインロッカー/000,000。
牧志さん(左足)→○○組/公園/000,000。
牧志さん(左手)→○○病院/ショッピングモール/000,000」

○月△日(明日の日付)
「牧志さん(右足)、佐倉さん(左手)→✕✕組/公園/000,000。
佐倉さん(右足)→✕✕家/公園/000,000」
KP
牧志とあなたの名前と、知らない病院や会社などの名前。
そして、曖昧な書き方で、これはきっとあなたが彼の手足を見つけた場所だろう。

その後に書かれた数字は施術費用、いや。

あなたはその書かれ方に、嫌な考えを浮かべてしまう。

これは。
あの隠され方、渡され方は、元々あなたを走り回らせるためのものではなく。
例えば秘密裏の取引のような、別の目的のためにあったのではないか。
KP
彼という存在の一部がばらばらに切り離され、ただの物として取引の対象となっている。

もし回収していなければ、彼の手足は秘密裏に取引され、戻ってこなかったのかもしれない。

そして、あなた自身の体も、この悍ましい取引の対象とされている。

手足をねっとりと見る視線を感じたような錯覚を覚えた。
その考えが、頭から離れない。

SANチェック成功時減少 1失敗時減少 1D2》。
佐倉 光
なるほどのぅ。
KP
ということでした。
佐倉さんを走り回らせた理由はもう少し後で出ます。
佐倉 光
1d100 66 《SANチェック》Sasa BOT 1d100→78→失敗
1d2 Sasa BOT 1d2→1
SAN値 66 → 65
佐倉 光
飲み込めた、分かった、ぞっとした。
だが同時に急速に落ち着いてもいた。
まだ待合室の様子がわからないんだ、迂闊に声は出せない。牧志に伝えてやりたいな。『味方がいるらしい』って。
波照間さんの通話の、こちらのカメラをオンにしてそのファイルにかざす。
波照間 紅
通話を通してあなたにしか届かないくらいの、微かな驚きと怒りの声が聞こえた。
佐倉 光
おそらく、だが、ある程度誰でもよかったんだ。

そのままレジスターもチェック。
KP
レジスターに気になる物はない。
化粧品の売上などが少額残っているくらいだ。
佐倉 光
よし、待合室覗こう。
足音忍ばせて行く。
こういう場合院長が味方って線はないだろうな。香水は……頭にはついてなかった。となると香水は敵?  どっちだ、思い出せ……
KP
待合室はその怖気のする内情に反して、白く清潔な雰囲気を漂わせていた。

ゆったりと座れるソファとテーブル、大きなテレビが置かれている。

テーブルの上には付箋がつけられた雑誌が数冊置かれている。

待合所の奥に扉がひとつある。
佐倉 光
今日行った場所かなぁ。雑誌を軽く開いてみよう。
佐倉 光
牧志はまだ無事か。
しかしこれなら胴体は売られていなければここにまだあると考えられる。
さっきの一覧には俺たちの手足のことしか書いてなかった。
パーツが生きたまま新鮮なまま買い手にわたるように、胴体は生かしてここに置いてあるんじゃないか?

しかし同時に俺がここにいるのはとんでもないリスク。
捕まえて刻んでくれと言っているようなものだ。
波照間さんに一緒に突入してもらうべきだったか……?
「待ち合わせ時間」は少なくとも俺を走り回らせて売られる筈だった牧志を回収させた奴が指定してきたもの。
そうなると味方の可能性があるんだ……
少なくとも『敵』は俺たちを『名のついた商品』程度にしか見ていない。それなら……怖くない。
視線
KP
なるほどなぁ。「真っ直ぐに見られているのではない」のなら、怖くはない。
佐倉 光
知らないは怖いけど、知られてなきゃ怖くないのだ!
住所なんかは知られているから、そろそろ引っ越しを考えるべきなのかなー。
いやー、大学生と小学生がいる時点でもう住居特定できて当たり前なんだわ。
KP
佐倉さん一人ならいくらでも身を隠せるだろうけど、牧志とシローがいるのが痛いポイントなんですよねぇ。
佐倉 光
そして元々自分の身を守るために一人暮らししてたのに牧志と暮らす事にしたのは、
牧志の異変にすぐ気付くようにするため(もはや互いに気付いて貰うようにするためだけど)なので、
このへんはもうしょうがないんだよな。
KP
なんですよね。
そもそも佐倉さんひとりなら見られることなどなかったし、巻き込まれることも最初の数件くらいで終わっていたかもしれない。
>もはや互いに
夜は星を落とし易い~の事件なんか、同居していなかったらもっと展開変わっていただろうしなぁ。

『夜は星を落とし易い』ネタバレ
佐倉 光
ちなみに普通に非同居版では相手の家に行ったらイベント起きるって感じでしたが、気づくの遅れそうですよね。
KP
だいぶ遅れそう。
佐倉 光
ついでにお伝えしておくと、『夜は星を~』二日目は相手の『部屋』に行くと水が溢れてくる仕様でした。
最初から部屋にいたけど丁度良くクローゼットがあったからそのまま進めました。
KP
なるほど。
シナリオ展開的には同一とはいえ、やっぱり「同居していたからすぐに気づけた」って趣はありますね。
佐倉 光
気がついたら知らん人が同居人面してるって怖いので、あのシナリオは同居してた方が楽しいと思います。
KP
私も思います。佐倉さんの部屋から知らん人が出てくるときとか、部屋の中の物が知らん人の物ってことになってるときとか。
特に同じ家の中の痕跡がすべてなくなっている夢の中のシーンや、知らん人のものってことになってる辺りの怖気とか。

牧志 浩太
「さくらさんなにか……、わかったか?
しゃべれないなら……いい……けど」
あなたが息を呑んだのに気づいたのだろうか。
曖昧な、覚束ない牧志の声が、微かに囁くようにインカムから聞こえた。
佐倉 光
「俺達、切り売りされるとこだったらしい」
牧志 浩太
「な……、」
売られる、という無機質さがより怖気をもたらすのか、遅く緩やかになりつつある息が微かに震えた。
1d100 63 《SANチェック》 Sasa BOT 1d100→63→成功
SAN 63 → 62
KP
雑誌はこのクリニックの特集記事が載っているものらしい。
付箋がつけられているページを開くと、丁度その特集記事だった。

「天才女医現る! まさに神の手」と大きく書かれた見出しの下、院長である海乃がインタビューで以下のように答えている。

「生まれつき体にあるアザがコンプレックスだった。
世の中の美に関するすべての悩みを解決したい」
佐倉 光
「アザぁ……?」
事故で手足を失った、とか。
そういうのならまだ理解できなくもなかった。

いやいやそれに使われていると決まったわけじゃないし。
佐倉 光
あの香水、俺を誘い出し、牧志の体が在る場所に導いたものについていた。
だが牧志が攫われたときにも香ったという。
あれらの誘導に使われた品々は顧客に渡される筈だった物だったとするなら、あの香りは『敵』のものだ。

牧志のもう片方の足は明日売られる予定だった。
同時に売られるはずだった俺が、牧志の体を集めてここにいる。
俺を捕まえるために呼んだ?
いや。集めさせる意味がない。
……くそ、相手の意図が分からない。

牧志の鞄を開けておき、奥の扉へと忍び寄る。
においに気をつけないと……
KP
「カウンセリング室」と書かれた扉の向こうは、しんと静まり返っている……。 
鍵は、ない扉のように見える。
佐倉 光
「波照間さん。
今から奥に入る。不自然な声が聞こえたら動いてくれ」
波照間 紅
「分かった」
波照間の了承の返事。
佐倉 光
扉に近づいて、開ける!
KP
あなたはその扉を、開く。
佐倉 光
なかなか無謀でドキドキしますなぁ。
KP
胴体を人質に取られてさえいなければやりようはあるのにね……
一般の警察を呼んだら牧志の胴体がどうなるかわからないし。

ひとこと
佐倉 光
どこからか見られているという不気味な思いと重いバッグを抱えながら、佐倉は街をひた走る。


【置】CoC『blood red decadence』Side:B 牧志&佐倉 5

ああ、楽しみだ。楽しみで、憎い。
どうして逃げたりしたんだよ、佐倉さん。

俺の獲物なのに。

【置】CoC『鬼面夜行』 牧志&佐倉 2

冷静で、冷酷で、冷徹な、いつもの佐倉さんだった。
ただ、俺の敵だってこと以外は。

CoC『対の棲みか』『第二話 うたかた箱』牧志&佐倉 2

もうやめた方がいいんじゃないのか?

【クトゥルフ神話TRPG】
本作は、「 株式会社アークライト  」及び「株式会社KADOKAWA」が権利を有する『クトゥルフ神話TRPG』の二次創作物です。

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CoC『VOID』継続『AND/HAND』 ヴィキ&結城 1

「ギャップがすごく気持ち悪い……」

Zephyranthes 第八話 『SAMURAI SOUL』1

『SAMURAI SOUL』1