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こちらには『俺の部屋のカーテン幅が足りないんだが』
ネタバレがあります。

本編見る!

【昼】

佐倉 光
おばさんが言っていた廃ビルの場所や外観の確認をしよう。
KP
噂の廃ビルは鉄筋コンクリート造と思しき 4階建ての、墓石のような建物だった。

停止した自動ドアのガラスにひびが入っていたり、壁にスプレーで落書きされていたりと酷い有様だ。

どうやらあなたの他にも野次馬の姿があるようで、周囲一帯に KEEP OUT の黄色いテープが巡らされ、二人組の警察官がこちらを見張っている。

夜にでもなれば、少しは人気が減るかもしれないが……。
佐倉 光
できる限りの明るいうちに情報を集めて、また夜に出直そう。
牧志には悪いことしたな。

周囲の人に、ここで普段変わったことがないか位は訊いておこう。
KP
野次馬仲間に話を聞けば、夜な夜な怪しい一団が集まっていたらしいことや、殺人事件に関係があるのではないかといった噂を話してくれる。

しかし、聞ける内容については先程聞いた内容と大差がない。
周囲を見て回ろうにも、広範囲にテープが巡らされているため、分かるのはビルの外観と、見える範囲の窓がブルーシートに覆われていることくらいだ。

※空振りだったため、佐倉さんは【昼】のうちに他の場所へ移動できます。
佐倉 光
それじゃ牧志に合流して買い物しよう。
「悪い、遅くなった。
今からそっち行く。
どのへんー?」

連絡して追いかけよう。
一人で買い物するのは大変だし、カーテンまわりの品物は確実にほしいからな。

KP
二階建てのホームセンターは広々とした駐車場と敷地を備え、植木コーナーに咲くパンジーの花々があなたを出迎える。

天井の高い室内にはDMで見たセール、最大 50%OFF 等の貼り紙がそこかしこになされており、主に家族連れで賑わっている。

牧志は、入り口の売れ行き品コーナーのすぐ傍にあるファストフードコーナーであなたを待っていた。

そういえば昼食を摂っていない。少々腹が減った。
佐倉 光
「結構規模大きいなー」
なるほど腹が減ったなと思いつつ牧志の方へ。
牧志 浩太
「佐倉さん、何かあった?」
佐倉 光
「あったといえばあったけど、ないといえばない。
噂通りのビルがあったよ。
けど、昼はあそこを調べるのは無理だな。警察も野次馬も多すぎる。
まあ、だから逆に当たりっぽい」
牧志 浩太
「確かに、それはあったといえばあった、ってことになるな。
それじゃ、昼のうちに買い物済ませた方がいいか。

……気にはなるけど、今回は流石に、俺は足手まといかな……」

牧志は一度言葉を切って、躊躇いつつ口にする。

そこで、二人とも【POW】×5
佐倉 光
1d100 80 【POW】
牧志 浩太
1d100 60 POW Sasa BOT 1d100→22→成功
KP
オンラインだけどプロフィールのserversが出てないし、まだダウン中かな? 新年ですしね
佐倉 光
くっ、あっちで振ったら
佐倉 光 - 今日 20:53
1d100 80 佐倉【POW】 (1D100) > 95
やらかしたわよ!
牧志 浩太
牧志 浩太 - 今日 20:55
1d100 60 POW (1D100) > 9
佐倉 光
牧志がつられて失敗しなくて良かった。

KP
ホームセンターのフードコート、入り口のすぐ傍の一角からは、大きく開かれたホームセンターの入り口が見える。
がりがり

入り口の扉は来る客を迎えて開いている。
がりがり

その向こうから、じっと見据えるような視線を感じた。
がりがり
がりがり
牧志 浩太
「佐倉さん!」

牧志がただならぬ声で叫んで、あなたの腕を掴む。掴まれた腕が少し、痛んだ。
辺りの人々が驚いたようにこちらを見た。
佐倉 光
「あ? え、何だよ?」
その剣幕に驚く。
牧志がこんな声を出す時は【何かがある】のだ。
KP
ふと、掴み上げられた手が目に入った。
見覚えのない汚れで、爪が汚れていた。

爪の間がびっしりと、赤黒い血で汚れていた。

不意に反対側の腕が痛んだ。見ると、自分でやったとは思えないほどの深い引っ掻き傷が、血の色で浮き上がっていた。

少しずつあなたは思い出す。
ふと外から視線を感じて……、腕が痒いと思って、無意識にそこに手を伸ばした。
そこまでしか覚えていない。
佐倉 光
自己剥けかぁ……
佐倉 光
「え……」
一瞬それが何を意味するのか分からなかった。
意味が浸透してくると今度は別の意味でのわけのわからなさが襲ってくる。
佐倉 光
「いてぇ……?」
呆然と呟いて、指先を見つめた。ふた呼吸してから、牧志に問いかける。
「これ、俺が?」
何これめちゃくちゃいてぇんだけど。
何やってるの俺。
佐倉 光
「何かに見られて、痒いなと思って……」
KP
ようやく感覚が追いついてくると、深く刻まれた傷が外気に触れてじくじくと痛んだ。
痛みと痒みがない交ぜになったような不快感が、意識を逸らしがたく脳を苛む。
牧志 浩太
「ああ。何か掻くような音が聞こえて、ふと音のする方を見たら……、
佐倉さんが、必死に腕を掻いてたんだ。爪を立てて、皮がめくれて、血が出るほどに。

覚えて、ないんだな?」
KP
牧志はあなたの腕を掴んだまま、確認するように問いかけた。
佐倉 光
「ああ、覚えてない」
ひりひりじくじくと痛む腕に触れて首を振る。
佐倉 光
「何かの視線を感じた。家出た時みたいな。
それから突然意識が途切れていた気がする」
まずはドラッグストアに行くべきだろうな、とぼんやり思った。
牧志 浩太
「……視線……。
俺もだ。俺も、じっとこっちを見る視線みたいなものを、感じた。

佐倉さん、夜だけどやっぱり俺も行く。
足手まといになるかもしれないけど、お互いに何かあった時に、止める手が欲しい」

牧志はあなたの手を離し、少し考えて言った。
KP
佐倉さん、HP-1d2。
佐倉 光
1d2 Sasa BOT 1d2→1
HP 10→9
KP
牧志が〈応急手当〉を実行。
1d100 56〈応急手当〉 Sasa BOT 1d100→55→成功
1d3 回復量 Sasa BOT 1d3→1
FANBOX開設したで
佐倉 光
HP 9→10
KP
牧志はあなたの腕に刻まれた深い傷を拭い、簡単な手当てを施した。
痛みがなくなるわけではないが、一先ず無視できる程度には和らぐ。
佐倉 光
「サンキュ牧志。大分マシになった」
ミミズ腫れに指を滑らせ、顔をしかめる。
佐倉 光
「そうだな。俺達はまた何かに巻き込まれかけてる。
放置すると危険な類いだって予感がする。
近所の事件が関係あるかどうかなんて分かんねぇけど、異変は異変だし、調べに行こう」
もう、昼間のような興味本位の軽い口調ではなかった。
佐倉 光
「俺の方に変な影響が出ているのはあれを見たせいかもしれない。
あまり考えたくはないが、金縛りがアレの影響だとすると、今度出た時も攻撃できない可能性がある。
見えないように窓を塞げば、何か変わるかも知れない」

というわけで買い物に行くぜ行くぜ。
牧志 浩太
「だな。
少なくとも、他に関係のありそうなものは見当たらないんだ。今の所」
牧志は真剣な眼で頷いた。
KP
あなた達は一先ず昼食を済ませ、目移りするほどに様々な種類の品物で満ちたホームセンターの売り場へ入る。
文具や印鑑、飲み物や酒、牧志が使うような工具に、どうしてこれだけの種類があるのか分からないような専門的な品々。
ちょっとした電化製品に家具や照明、水回り用品。それからもちろんカーテン。
間に合わせのようなものでよければ、衣服もある。
牧志 浩太
「確か、佐倉さん所の棚と、窓を洗うやつ、それから防犯シートとカーテンだったな。あと飲み物とか少し補充しとくか」
気分を入れ替えようとしてか、牧志は意識的にいつものような声で言う。
佐倉 光
「棚はまた今度でもいいよ。荷物多いしさ。
食料も多めに買っておこうかな。レンチン飯とか」
何のための買い物か、を考えなければ、買い物は少しの気分転換にはなる。
あとは、キャンプ道具売り場で頭に付けるタイプの懐中電灯を調達しよう。
佐倉 光
「今回、何が起きていて何に巻き込まれているのかさっぱり分からないのが、本当に気持ち悪い」
懐中電灯を物色しながら、ぼそりと呟いた。
牧志 浩太
「ああ、確かに。あとそうだ、常備薬と救急箱の中身の補充……。
……分からないっていうこと、か」
KP
ぼそりと呟いて、あなたが手に取っているのと同じ、頭につけるタイプの懐中電灯を手に取った。
それから、コンセントに差し込んで足元を照らす常夜灯。

光。原初の闇を照らす手段。
佐倉 光
「分からないことがある、って、いつまでも考えなきゃいけなくて気持ち悪いだろ。
それに本能的に不明な物ってのは怖いんだ。これはどうしようもない。気に入らねぇけどな」
牧志 浩太
「……まあな、それは分かるよ。
分からないってことは、どう対処すればいいのかも分からないし、対処したとして安心していいのかも分からないってことだしさ」
KP
……あなた達は必要な物を一通り調達して、カーテンコーナーへ向かう。
色とりどりの布が展示コーナーに舞う。たくさんのカーテン布や暖簾、後付け式のカーテンレール、汎用性のフックや伸縮棒で売り場は覆われていた。
佐倉 光
「前の部屋より横幅広かったんだな。
適当につけたから気付いてなかったみたいだ」
苦笑してシンプルで安い遮光カーテンを手に取る。
窓枠の広さはちゃんと把握してるし、今度はちゃんと長さを揃えて買うのだから、合わないなんて事はないだろう。
KP
あなたはカーテンを手に取る。
さて、あなたは窓枠の広さをちゃんと控えてきただろうか。
窓の高さが一般的なものだと決め打った、ということはないだろうか。
※ PL情報 ※
もし出発前に正確なカーテン幅を測ると申請していた場合、▼【幸運】成功すればジャストサイズのカーテンを購入することができる。
測ってきていない場合、▼【INT】×2 または〈経理〉/2 に 2 回(長さ×幅)成功しなくてはならない。
KP
というわけで、ここでは明示的な宣言が必要です。
宣言がなかったので、【INT】×2または〈経理〉/2で2回ロール、どうぞ。
1回め、2回目のそれぞれで、どちらかが成功すればOKです。
佐倉 光
はーい。うっかりしてたな。
普通なら測ってないなら買わないところだけども。
KP
買わない、という選択もOKです。
その場合は測ってきて出直すことになるでしょう。
出直す場合、【昼】のターンが今回の買い物で終わります。
【夜】にはホームセンターが閉まってしまうので、再度買いに来るのは明日の【朝】以降になるでしょう。
佐倉 光
そーだなー。出直すかな。無駄な買い物になる確率が高いし。

佐倉 光
「あー……やっべ。窓枠測ってねぇ」
頭をガリガリと引っ掻く。
おそらくさっきのことから心配そうになる牧志の視線を受けて、慌てて自分は正気だ、普通の行動だと言うことを示すようにすぐやめて手をひらりと振る。
KP
頭を引っ掻くあなたの手に、牧志の心配そうな視線が向いた。
慌てて打ち消して手を振るあなたの様子を見て、苦笑する。
牧志 浩太
「ああ、ごめん、つい。
そういえば、色々ありすぎて忘れてたな」
佐倉 光
「ある意味一番大事なことなのになー。
くそ、疲れてんのかな、俺……明日また来るよ。
大体こういうのって適当に買っても駄目なんだ。
目測ってのはずれてるもんだからな」
牧志 浩太
「同感、出直すか。
疲れてるんだな。佐倉さんも、俺も。
夕食、何食べよう?」
KP
話をしながら、あなた達はカーテン以外の買い物を手にして、ホームセンターを後にする。
背後で血のように赤黒い夕焼け空が、最後の色を失ってゆく。

【夜】

KP
自宅に戻った時には、もう夜になっていた。
さて、どうしようか。
佐倉 光
腹ごしらえを終えたら、窓を掃除して、カーテンの隙間は目張りしておこう。
目張りは、ダンボールを隙間に貼り付ける、かな。
牧志の方は隙間ないって言ってたよね。
KP
簡単に目張りをすることはできる。
重みでか、上の方が少し剥がれてきて頼りない……。
佐倉 光
汚れたり捨てたりしても差し支えない黒い服を着用して、昼に買った懐中電灯とCOMPを手に出かけよう。
一応爪は綺麗に切って、腕は完全に隠れるように長袖を着ていく。あまり意味はないような気もするけどな。
行き先は昼に行ったあの廃ビルだ。
KP
街灯が照らす住宅街の道を、あなたは行く。
まばゆい街灯の明るさは、照らしきれない範囲から輪郭を奪い、ただの真っ暗闇に沈める。
牧志 浩太
あなたが殊更に止めることがなければ、牧志もあなたと一緒に家を出る。
佐倉 光
牧志が来るっていうなら止めないよ。
そういうのはもう俺が面倒見るようなことじゃない。
牧志はもう必要に応じて助けるようなことはあれど、保護する相手じゃないからな。
大体俺の方が助けられていることも多い。

今回は牧志の言うとおり、おかしいのは俺の方だ。
頼るようなことがあるかも知れない。

必要がなければライトは消してまず目的地に向かう。
KP
問題の廃ビルは、明かりのない中に影だけで佇み、より墓石のように見えた。
あなたが目した通り、辺りから人の気配は消えている。
野次馬があらかた姿を消したからなのか、警察官の姿もない。
それは、ただの打ち捨てられた建物に相応しい様相だった。

辺りの気配を探るなら、〈目星〉または〈聞き耳〉
佐倉 光
よし、誰もいないな。調べるなら今のうちだ。
1d100 85 佐倉の〈目星〉!  Sasa BOT 1d100→27→成功
KP
1d100 97 牧志の〈聞き耳〉 Sasa BOT 1d100→43→成功
KP
辺りはただ静まり返り、あるといえば風に草木が揺れる音くらいだ。
テープをくぐって、問題のビルに踏み出す?
佐倉 光
踏み出してみよう。
まだ関連も何も予想はついていないが。

もしかするとここで召喚された怪異が俺達に悪影響を与えている、なんてことが……あるかもしれない。
ここにそれをどうにかする手段があるかも知れない。
そうだったら対処が楽でいいんだけどな。

手袋とマスクをしていざ怪しいビルへ。
カルト集団だかチーマーだか分からんが、たちの悪い奴らが集まっている可能性があるし、充分気をつけていこう。
牧志に目配せして先に進む。
牧志 浩太
牧志があなたに応えて視線を返す。
あなたの後ろにつくように、一歩踏み出す。
KP
一歩踏み出した、そのとき。
ぞわりと全身を不快感が撫でた。

あなたは身体中にひどい痒みを感じる。
皮膚の上を。否、下を。まるで小さな蟲が何百何千と這い回るかのような、背筋を無数の歯に齧られているかのような、耐え難い痛痒。
牧志 浩太
牧志があなたの背後で、微かに呻きを漏らすのが聞こえた。
KP
背後を振り返る余裕はあなたになかった。

二人とも【POW】×5
佐倉 光
「く、うぅ、あ……」
思わず声を漏らしていた。
痒み、は、痛み以上に耐えるのが困難な感覚である。
指先が引きつる。
1d100 80 【POW】
牧志 浩太
1d100 60 POW Sasa BOT 1d100→90→失敗
佐倉 光
Sasaさぁぁん!? そして牧志ー!
1d100 80 【POW】 これで失敗したらニワトリさんに頼る Sasa BOT 1d100→86→失敗
佐倉 光
あっ。成功したけど失敗した!
KP
あなたの全身の感覚は、もはやあなたの制御下にはなかった。
今朝からずっと、付きまとっている視線。
視線があなたの全身を刺し貫き、外皮を通して内臓までも刺激している。

見られている。

視線。
視線視線視線視線視線視線視線視線視線視線視線視線視線。

臓器の表面を舐め上げられるかのような不快感。
全身のあらゆる皮膚を捲り上げ体内で蠢く無数の違和感。

あなたの指先が引きつる。
耐えられない。
耐えられるものではない。
異常な感覚を打ち消そうとして、あなたの指が自分の身体に伸びる。

堪えきれず、あなたは自分の身体中を掻き毟る。袖を捲り上げ、服の下に手を突っ込み、搔き毟る。
背後で狂ったように地面をのたうつ音が聞こえ、辛うじて叫び出すことだけは押し殺した、声なき苦痛の叫びに変わる。
剥落した皮膚が爪先に詰まり、温い血が指を汚す。冷えた空気が傷口に沁みて酷く痛んだ。

▼HP-1d2

……まるで皮膚を剥がれたかのように、夜風がひどく身を痛ませた。
逃れたい。
少しでもこの視線と夜風を避けて休みたい。荒くなった呼吸を落ち着けたい。

どこか風の来ない場所へ隠れたい。そう思ったあなたの前に、ビルの入り口が穴を開けていた。

目の前のビルに逃げ込むことも、この場所を逃げ出して自宅に帰ることもできます。
佐倉 光
ほおー。
しかし家に戻っても解決はしない気がするしなぁ。
あのバンバンしてくるやつが視線の主だとして、意図が分からん。
佐倉 光
1d2 Sasa BOT 1d2→1
HP 10→9
牧志 浩太
1d2 Sasa BOT 1d2→2
HP 11 → 9
佐倉 光
呻きながら体をかきむしる。
切ってしまった爪では思うような刺激が得られず、手袋を脱ぎ捨て指を食い込ませるように強く強く。
掻くと血行が良くなって更に痒くなるから掻くな?
そんなことが言えるヤツは痒みって物を知らないんだ。

痛みになれば少しはマシだ。この隙間なく這い回る痒みを掻き潰せば痛みに化ける。
痛みなら、痛みなら。俺は痛みには強い。はず。
皮膚が剥がれようと、血が流れようと、掻き続ける。
じくじくと痛む体が熱を持ち、風が吹き付けるごとに痛みと痒みが押し寄せた。

苦悶のうめき声をなんとか押し殺し、ビルの中へと駆け込む。
誘い込まれた。
そう一瞬思うが、もう耐えられない。
KP
中は暗く、饐えた埃の臭いで鼻腔が痛む。
傷ついた身体は尚もじくじくと痛むが、室内に逃げ込めば視線も絶え、痛みも少しは楽になったように感じる。

あなたの後ろから、転がり込むように駆け込むもう一人の姿があった。
彼は薄汚れたコンクリートの床に倒れ込み、大きく息を吐く。
牧志 浩太
「……、」
それは服を泥だらけにして、血と皮膚片で赤く染まった指で自分の腕を握りしめる牧志だった。

「……さくら……、さん」
彼は地面に転がったまま、僅かに顔を持ち上げて、あなたを案じるように名を呼んだ。
佐倉 光
「視線が……痒い……」
何とか呟いた。袖を降ろして、両手で腕をこする。ゆっくりと痒みを誤魔化す。
佐倉 光
「お前もやられたんだな……くそ……あの窓のヤツも……」
目を閉じて息を詰めて、吐いて、息を整える。
佐倉 光
「ここに元凶が……あるのかなんなのか分からないが……無関係、じゃ、ないんだ、きっと……」
全身にちくちくとした感覚が付き纏い続けている。
牧志 浩太
「ああ……、そうみたいだ。ごめん、止められなかったな……」
彼はそろりと身を起こした。後でどうにかする、と言いながら入り口の近くで泥を払う。
ひくつくように喉を震わせながら、ゆっくりと息を吐く。
牧志 浩太
「ああ……、きっと、無関係、じゃ、ないんだ。
探してみよう、何か、ないか、前みたいに……」
佐倉 光
これさっさと引っ越すべきじゃないのw
KP
好条件の物件だと思ったのにこんなことになるのでした。
佐倉 光
うーん。条件はよくわからんが、怪異に目を付けられて自らずるむけになって殺されたヤツのかわりにこの二人が目を付けられて、ずるむけにされかけてるってとこなんだろうけど。
ここのビルのヤツが怪異呼び出しに失敗でもしたのかな。

KP
あなた達は、打ち捨てられた空間の奥に視線を向けるだろう。
床や壁は薄汚れたコンクリートが剥き出しになっており、あちこちに猥雑な落書きや、貼り紙を剥がした跡がある。
目が慣れてくると、奥にエレベーターと階段があるのが見えた。
佐倉 光
まずは怪我の治療をする。
自分と牧志に。

落ち着いたら、落書きなどに奇妙なところはないか調べてみよう。
あの隙間から除いていたやつに関係すると思われるものはないか、ここに集まっていた奴らの手がかりになるような情報はないか。
というわけでまずは《ディア》挑戦したい。
KP
ひとまず状況は落ち着いている。
《ディア》、どうぞ。

床や壁を調べるなら〈目星〉-10%
懐中電灯などで照らすなら、補正なし。
佐倉 光
1d100 40 牧志に《ディア》〈応急手当〉) Sasa BOT 1d100→39→成功
1d3 Sasa BOT 1d3→2
1d100 40 自分に《ディア》〈応急手当〉) Sasa BOT 1d100→67→失敗
牧志 浩太
HP 9 → 11
こちらからも佐倉さんに〈応急手当〉
1d100 56〈応急手当〉 Sasa BOT 1d100→85→失敗
佐倉 光
牧志の体に手をかざす。
何故かこういう時は不発なことが多いのだ。体の違和感、むず痒さを追い出すように深呼吸して意識を集中。
指先に集まる光をゆっくりと傷に沿わせた。
自分の体に触れて同じことをしようとしたが、もう光は生まれなかった。
体の痛みと痒みで集中できなくて回復魔法が使えません、じゃあ、回復魔法の意味がないじゃないか……
牧志 浩太
牧志は深く息を吐いて目を閉じ、傷を辿る光に身を委ねた。
光が消える頃には、荒かった呼吸は大分落ち着き、痒みに苛まれてひくついていた指先の震えも落ち着いていた。
牧志 浩太
「ありがとう……、少し落ち着いた」
KP
あなたの方も傷こそ痛み続けているが、室内に入ったのがよかったのか、痒みは落ち着きつつある。
佐倉 光
引っ掻き傷程度の痛みなら耐えられる。
明かりをつけ、周囲を確認しよう。
1d100 85〈目星〉 Sasa BOT 1d100→80→成功
佐倉 光
「たまらないな、まったく」
牧志の礼にはため息で答える。
牧志 浩太
「あんな痒み、初めて味わった」
KP
あなた達は、辺りを懐中電灯で照らしながら見回す。
やはり警察は出入りしているらしく、窓はブルーシートで覆われている。
落書きの内容は無秩序で判然としがたく、カルトのシンボルなのか、それとも、曖昧な自己主張なのか、それすらもよく分からない。

しかし、それよりも気づくことがある。
足元に、何か黒いものを擦ったような跡が、べったりとついている。
牧志 浩太
「何だこれ、足跡……?」
KP
その跡をよく見てみる?
佐倉 光
明らかに不審じゃないか。見てみる。
踏まないようにかがんで目を床に近づけ、もし可能なら《マッパー》で分析だ。
KP
それをよく見てみようと目を近づけると、それがもう一つあることが分かる。一つ、二つ……

《マッパー》を使うなら、ここががらんとした何もないフロアで、奥にエレベーターと階段があることが分かる。
また、その跡について調べるとき、以下の代用判定が可能になる。(牧志も横から覗いてよければ代用可能)

〈追跡〉【アイデア】で代用可能)
〈医学〉〈目星〉で代用可能)
佐倉 光
牧志ももちろん見ていいし、《マッパー》に出た情報も共有するよ。
1d100 85 【アイデア】 Sasa BOT 1d100→4→決定的成功クリティカル)!
1d100 85〈目星〉 Sasa BOT 1d100→36→成功
探索中、基本、佐倉はパソコンなど覗かれても怒らないよ。
KP
それは、足跡だった。
人間のものと思われる、裸足の。

牧志が息を呑む。

それはよく見れば、床中を埋め尽くすほどの夥しい量だった。
そんな跡がどうして残っているのかというと、それらが全て、乾いた血に彩られているからだった。

それは全て同じ大きさ、歩き方をしていた。血塗れの人間が一人、この場所を歩き回ったかのような跡だった。

SANチェック成功時減少 1失敗時減少 1D3》。

足跡はまるで何かを探すように、1階中をくまなく歩きまわっていた。そのせいで、最終的にどこへ向かったのかは判然としない。

そう古くない足跡だが、幸い引きずってしまうほど新鮮ではなさそうだ。
牧志 浩太
1d100 69 《SANチェック》 Sasa BOT 1d100→25→成功
SAN 69 → 68
佐倉 光
1d100 74 《SANチェック》 Sasa BOT 1d100→64→成功
SAN 74→73
牧志 浩太
「なあ、これ……、」
牧志の声が乾いている。
「同じ、足跡…… だよな」
佐倉 光
頷く。
同一人物が足に血をつけて探し物? どういう状況だ。
探すようなものがここにあるのか?
もし、足だけではなく全身が血みどろだったとしたら?

「これは、俺にぶつかった奴かな。
そいつが死んだのか?
全身をかきむしった結果、とは思いたくないけど。エグいし」
牧志 浩太
「それは……、想像したくないな。身につまされる。
そもそも、昨日の話じゃないけど、こんなに血だらけで歩けるのか?」
言いながら、牧志は部屋の奥に目を向ける。階段の向こうには懐中電灯の光も届かず、蟠る闇に沈んでいた。
佐倉 光
「行ってみるしかないな」
懐中電灯を階段に向け、上? の様子をうかがう。
物音がしないようならそのまま進む。
するようなら明かりを落として進む。
KP
階段に懐中電灯を向けると、階段にも血の足跡がべったりと残されていた。
上の階から、何度も、何度も往復したかのような足跡だ。

あなた達が一歩踏み出そうとしたとき。

〈聞き耳〉
佐倉 光
1d100 79〈聞き耳〉 Sasa BOT 1d100→6→成功
佐倉 光
おしい
牧志 浩太
1d100 97〈聞き耳〉 Sasa BOT 1d100→89→成功
KP
あなた達は、その足音を聞き取る。

ざり。
ざりと、足裏が砂に塗れたコンクリートの床を踏む音が、微かに、背後から。

この場には隠れられるような場所はない。階段の上に駆け上がる時間もない。どうする?
佐倉 光
明かりつけてたからいるのはばれているだろう。
不謹慎な野次馬のふりをしよう。
壁を背にして振り向き、足音のした方を照らす。
COMPの展開はしておこうか。
KP
「おい!!  そこで何をしている!!
ここは立ち入り禁止だぞ!!」
それはあなたが想像した通りの相手だった。
懐中電灯の眩い明かりがあなたに向かって照射される。

警備を行っていた警察官が、あなた達が一階を探し回っている間に戻ってきてしまったらしい。
牧志 浩太
「うわっ、」

警察官の姿を見て牧志が僅かに浮き足立つ。
鉢合わせるとは思ってなかった!

〈言いくるめ〉または【DEX】×5成功すれば誤魔化す、逃走することができる。
佐倉 光
〈言いくるめ〉は48、【DEX】は45か。
逃げるよりは素直にスンマセーンした方がいいな。
佐倉 光
「あ、あれっ、警察のひと?
やっぱあれ立ち入り禁止のテープだったの?」
1d100 48〈言いくるめ〉!  Sasa BOT 1d100→52→失敗
佐倉 光
ぬぁ。
KP
「お前もカルト宗教のメンバーか!?」
警察官はあなたの胸倉を掴み詰問する。あなたは対応する間もなく掴み上げられる。
牧志 浩太
「ち、違うんです! 俺達、心霊スポット巡りしてて! すみません!」
KP
牧志が慌てて割って入ろうとする。あなたは何か言う?
佐倉 光
「カルト宗教?
僕達はそんなんじゃないです!
カルトなんですか、ここにいたの」
これは本気の問いだ。
KP
警察官はあなたの目をじろりと睨む。割って入る牧志とあなたを交互に見、

「紛らわしい真似をするな。ほら、帰った帰った」と、あなたの衣服を離し、あなた達を追い払う。

解放されたようだが、取り付くしまもない。

佐倉 光
追い出されてほっと息をつく。
佐倉 光
「あっぶね。
悪魔よりよほど怖ぇや。
けどま、情報は得られたか。
今度来るときは黒服はやめとこ……」
牧志 浩太
「驚いた……、まさか、鉢合わせるなんてな。
注意で済んでよかった」

はぁ、と大きく息をつき、胸をなで下ろす。
佐倉 光
「カルトが何かやらかしたくせぇな。
俺たちに絡んできてるのはそれ絡みか。

にしても警察官の態度がだいぶガチだったな。
大きな問題でも起こしたのか……?

なんにせよ、今日はおとなしく退散するしかないな」
部屋にすごすごと戻ろう。
今日はせいぜいビルにカルトがいた、位しか分からなかったな。
牧志 浩太
「みたいだな。でも、なんで俺達に……っと、とにかく帰った方がいいか」

KP
あなた達はすごすごと自宅へ戻る。ちくちくと肌を苛む痒みと視線は、先程のような狂おしいものでこそなかったが、自宅へ戻って部屋の扉を閉めるまで、あなた達に纏わりつき続けていた。

忘れることを許さない程度には。
自宅へ戻って部屋の扉を閉めると、ようやく少し楽になる。
牧志 浩太
「そうだ、佐倉さん。傷、手当てし直すよ」

牧志が救急箱を持ってきて言う。
KP
【夜】のターンが終わったので、ある程度の時間が経過したと見なし、〈応急手当〉を再度試みてよいものとします。
佐倉 光
「この傷、警官に見られなくて良かった。
あからさまに不審だからな」

治療を頼みます。
KP
1d100 56〈応急手当〉 Sasa BOT 1d100→63→失敗
牧志は救急箱を持ってきてあなたの傷を処置するが、痛みこそ少し和らいだものの、思ったより傷が深いらしく、うまくいかない。
佐倉 光
「こっちでやってみる……」
また調子が悪いからうまく行くかは分からないが……
1d100 40 《ディア》 Sasa BOT 1d100→76→失敗

「ダメだ。もう寝るよ……」
窓の目張りを確認して寝るぅ。
牧志 浩太
「……ああ、お休み」
KP
傷を処置したガーゼの上を不安そうに撫でて、牧志は自室に戻る。

代わろうか、と一瞬言いかけて。
より状況が悪化しかねないことに気づいたのか、口を噤んだ。
さて、1d100をどうぞ。
佐倉 光
1d100 Sasa BOT 1d100→92
佐倉 光
わー。たかい。
KP
概ね、うまく窓を塞ぐことができたように、あなたは思う。
カーテンの向こうから辛うじて隙間が消えたことに、外の闇がそこから見えないことに少し安堵を覚えるだろうか。
ちりちりと痛む傷を抱え、あなたは目を閉じる。

KP
——バンッ!!

手のひらで強く窓ガラスを叩く音だ。
ベッドの上で、あなたは目を覚ました。
夜はまだ明けず、身体が動かない。また金縛りだ。
きっと今夜も、「あれ」が窓の向こうに居るのだろう。

「あれ」が。
廃ビルで見た無数の足跡が悪かったのだろうか。
あなたには、それが全身から血を滴らせる人影に思えた。

それが呼吸する度に、血生臭い臭いが漂ってくる気さえした。
身体は言うことをきかず、永遠とも思われる長い時間、あなたは悍ましい姿の怪物を幻視し続ける。
何も見えないはずの隙間に。脳のなかに。
佐倉 光
くそ、くそ、くそ、人の家に何してくれてんだよ。
悪魔はおとなしく魔界にでもいろ!
人が動けないからって好き勝手やりやがって、ぶち殺すぞ!

怒りを叫ぶ自分の下に、耳を塞いでうずくまろうとしている自分がいた。
佐倉 光
もう嫌だ、聞きたくないと喚きながら体を掻きむしり、小さくなって震える自分が。

だがどちらも現実にはならず、ただ目を見開いたままで、騒音と血塗れの幻に苛まれ続けていた。

眠れるはずもない。
KP
痒い。
全身の肌を剃刀で薄く削がれるような痒みと痛みを感じる。

視線だ。
その血走った目が、自分のことを見つめている。身体中が叫び出したくなるほどの不快感に包まれる。
だというのに、あなたの手は、指先は動かない。その痒みを痛みを、どうすることもできない。
窓辺から、その隔たりの向こうであなたを凝視する「それ」の幻から、目を逸らすことができない。

ああ。
「これ」は、ずっと自分達を見ていたのだ。
扉を閉じようとも。家にいるときも、出掛けた先でも。何処に行こうとも。
自分達はずっと、この恐ろしい存在に、見られている。
牧志 浩太
「何かいる」
KP
向こうの部屋から、魘されるような牧志の声が遠く聞こえた。
牧志 浩太
「何かいる、何かいる、何かいる」
KP
強烈な痒みに苛まれ、あなたが喉の奥で小さく呻くと―― 怪物は微かに、笑ったのかもしれなかった。

そう。
それは、「何か」だった。
名がない。分からない。どうして自分をつけ狙うのかも分からない。
どうすればいいのかも、分からない。

だから、こんな日々がいつまで続くのかも分からない。
解放される日が来るのかも、分からない。

耐え難い不快感だけを生み続ける肉体の牢獄の中、あなたの哀れな脳に恐怖が過る。

耐えられない。
耐えられるものではない、
どれだけ掻き毟っても掻き毟っても痒みに苛まれる。

いつか。
あの時一度やりかけたように、耐えきれずに喉笛を掻き切るのではないか。
心臓を抉り出すまで、身体を掻き毟り続けてしまうのではないか。
無限にこの身を襲い続ける痒みに、気が触れてしまうのではないか。

▼《SANチェック成功時減少 1失敗時減少 1D4
佐倉 光
1d100 73 《SANチェック》 Sasa BOT 1d100→50→成功
SAN 73→72
佐倉 光
倒すべき敵がいればいい。
止めるべきなにかが見えればいい。
無力なりに自分が何をすればいいのか、分かればいい。
それが一つも許されない今、どうしたらいいのか分からない。
分からないは怖い。

怖さのあまりに逃げ出したいのにそれも許されない。

牧志の声が聞こえる。
助けに行けない。
助けに来てもらえない。
互いに干渉できず苦しむしかないという事実が、より絶望を深める。

いつまで続くんだ。
いつまで……
KP
バン!
バン!
バン!

怪異は窓を叩いている。

【幸運】で判定。
佐倉 光
1d100 75 【幸運】 Sasa BOT 1d100→51→成功
KP
怪物が激しく窓を叩いている。
ミシリ、と窓枠が軋んだ。

窓を、叩いている。
不意に、あるいは最も知りたくなかったことだけに、気づいてしまった。

こちらへ来ようとしている。
中へ入ろうとしている。
境界を破ろうとしている。

「それ」は自分をどうするつもりだというのだろう。
あらゆる恐ろしい想像が脳の中を巡る。背を流れた脂汗が背中で滲む。

▼《SANチェック:成功時減少 1失敗時減少 1D4
佐倉 光
1d100 72 《SANチェック》 Sasa BOT 1d100→62→成功
SAN 72→71
佐倉 光
破壊しようとしている?
破壊して、どうする?

楽しい想像ができようはずもない。
身動きも許されないままに無防備にあの化物の侵入を許したら、何が起こる。

なにもできずに死ぬ。
それはそれで耐えがたいことだ。

だがもしそうではなかったら。

恐怖に駆られた頭が、ろくでもない妄想を次々と積み上げる。

危険予測。
いつもなら役に立つかもしれないそれは、『自分が動けない』という要素が加われば、ただ精神をすり減らすだけのものだ。
KP
耐え難い不快感。何百何千の無数の蟲が皮膚の下を這い回る感覚。
皮膚が膨れ膿んでいくような熱と痛みと痒みと痒みと痒みと痒み。

あなたの肉体と脳は視線に縫い留められたまま、
苦痛と恐怖だけを生み出し続ける。

…………………………………………
……………………

二人とも【POW】×5
KP
Sasa BOT 🎲 Secret Dice 🎲
🎲 Secret Dice 🎲
牧志 浩太
1d100 60 POW Sasa BOT 1d100→5→決定的成功クリティカル)!
佐倉 光
1d100 80 pow Sasa BOT 1d100→6→成功
佐倉 光
おしい!
KP
……あなたはふと、身体に違和感を覚えて目を開けた。
隙間に施した目張りの向こうから、朝の光が透けてきている。
微かにどこからか、鳥の声。

朝だ。
穏やかな朝が、訪れていた。
佐倉 光
うめき声をあげて体を起こす。
違和感はどこから?
KP
腹の辺りに、何となく違和感がある。何だろうか。
佐倉 光
布団をめくって違和感の元を探る。
あ、手はどうなっている?
KP
あなたの指先は、前のように血で汚れていることはなかった。
先日作った傷は治りかけており、痛みは大分ましになっている。

寝巻に包まれた腹部に、服の上から見る限りは異常はないように見える。
服をめくってみる? または、触れてみる?
佐倉 光
めくる!
KP
あなたは服をめくった。
そこには、それが自身の腹部とは信じられないような、異様な状態があった。

皮膚が柔らかく、ぶよぶよと浮いている。
触れれば今にも剥がれ落ちそうに見えた。
内部が膿んでいるらしく、血と膿の混ざった組織液が溜まっているのが透けて見えた。

▼《SANチェック成功時減少 1失敗時減少 1D3》、▼HP-1d2。
牧志はクリティカルしたため、▼《SANチェック成功時減少 1失敗時減少 1D2》、▼HP-1に軽減。
佐倉 光
1d100 71 《SANチェック
1d2
牧志 浩太
1d100 68 《SANチェック》 Sasa BOT 1d100→95→失敗
1d2
HP 11 → 10
佐倉 光
1d100 71 《SANチェック》 Sasa BOT 1d100→96→致命的失敗ファンブル
SAN 71→68
1d2 Sasa BOT 1d2→2
HP 9→7
KP
佐倉さんSANもHPも最大ダメージ食らってる
佐倉 光
【POW】成功してこれって、失敗したら何が起こるんだぁ!

佐倉 光
やべぇ……何だか分からないがこれはヤバすぎる。
ひっかき傷が膿んだ、なんてそんな常識の範疇に収まるやつじゃない。
呪いか何かか?
結果としては膿んでるんだから、治療が必要だ、これは。

起き上がって、恐る恐る牧志の部屋に声をかける。
佐倉 光
「牧志、大丈夫か?」
牧志 浩太
「おはよう、佐倉さん……、佐倉さんこそ、大丈夫?
昨日、何か、いただろ……。外に、ずっと。
ずっと、ずっと俺達を、じっと見てた」
KP
室内は闇を怖れるように、電灯の白い光で照らされていた。
牧志はひどく青い顔をして、寝床の上で救急箱を手元に引き寄せていた。
あなたのものより小さいが、彼の脚に、血と膿を湛えて揺らめく巨大な水膨れができていた。
それは改めて見ると、気味の悪いクラゲのようにも見えた。
佐倉 光
「ああ、そっちもか」
予想の範囲内でありながら、気分が落ち込んだ。
どこかで今まで何かあったときのように、自分が被害を受けていても牧志は無事でいてくれるような気がしていたのだ。
佐倉 光
「俺は、腹をやられた。それと同じように。
早いところ何とかしないと……」
日を追うごとに状況は悪化している。

最後にどうなるかは想像がつき始めていた。
ビルに無数の血の跡を付け、自分にぶつかって血をべったりとつけ、どこかで死んだ者。
きっと自分たちと同じ運命を辿ったのではないか。

牧志の治療を見ながら、自分も魔法を試みよう。
牧志 浩太
「そうか……。佐倉さんもか。
なあ、行くよな、あのビル。
怖いんだ、もしかしたら怪物の腹の中かもしれない。自分からあっちに飛び込むだけかもしれない。
でも、他に何とかできそうな手掛かりがない」
KP
牧志は救急箱からガーゼと医療用テープを取り出しながら、混乱した心情を吐き出した。
牧志 浩太
自分と佐倉さんに〈応急手当〉を試みます。
1d100 56〈応急手当〉自分 Sasa BOT 1d100→29→成功
1d3 Sasa BOT 1d3→2
HP 10 → 11
1d100 56〈応急手当〉佐倉さん Sasa BOT 1d100→67→失敗
佐倉 光
1d100 40 《ディア》 Sasa BOT 1d100→81→失敗
FANBOX開設したで
KP
佐倉さんへの手当てが成功しない!
佐倉 光
うーん。
KP
佐倉さんは前回の傷も手当失敗しているはずなので、前回の傷にもう一度〈応急手当〉を試みます。
1d100 56〈応急手当〉佐倉さん Sasa BOT 1d100→18→成功
FANBOX開設したで
1d3 Sasa BOT 1d3→2
お。
佐倉 光
1だけ回復した。
HP 7→8
佐倉 光
「ちょっとした刺激が痒くて。
痒いどころじゃないはずなのに。多分神経がいかれてる。
くそ、集中が乱れて、魔法が上手く使えない……」
奥歯をギリギリと噛む。
佐倉 光
「ビル? 行くよ、行くに決まってるだろ。
何もしないで腐ってくなんて冗談じゃねぇ!」
叫んでから、窓の方をちらと見る。
佐倉 光
「意外と、カーテンは重要なんじゃねぇかって気がするんだ。
昨日のビルでのこと覚えてるか?
建造物に入ったら楽になっただろ?
俺達は外に出ると視線で痒みを感じて、おかしくなる。
視線を切る手段が必要なんだ。

今回はちゃんと測って、買いに行く」
幅が足りないんだが!?
佐倉 光
※しかし、測ったとしても【幸運】成功しないとサイズ間違えるってどういうことなの!?
KP
「測ったけど、合うカーテンが在庫無い!」というパターンですね>【幸運】失敗
佐倉 光
なるほど。
このさい合わなくてもいいからでかいの買って帰ればイイジャナイ……
KP
高さはまだしも、幅がでかいやつだとカーテンフックの数と合わなくて、重みで上からデロンするんだもの。(経験者)
佐倉 光
あー。まあね!
でも隅っこ垂らせば何とかッッッ
KP
それはそれで今度は隅っこがデロンしますね……!
佐倉 光
スーン
KP
サイズの合わない遮光カーテンをMOTTAINAIしたら案外判明するいろんな不具合。
佐倉 光
牧志の部屋、隙間空いてないのに同じ被害受けてんだよな。
KP
PL向けにお伝えしておくと、メインで狙われているのは佐倉さんです。
ただ、同じ空間・状況の中に牧志もいたので、巻き込まれています。
佐倉 光
なるほど。

牧志 浩太
「ああ……、そうだな。俺も同感。
怖いけど、何もしないで腐っていくよりは百倍マシ、だな」
あなたの言葉に、何よりあなたの言葉にあなたらしい力が籠っていたことに、
牧志がふっと安堵したように微笑む。
水膨れを潰れないようにガーゼとテープで保護し、その上にそっとズボンを被せた。
牧志 浩太
「成程、境界を引く感じだな。
賛成、そうしよう。……目張りじゃだめなのは、ちょっと納得いかないな」
牧志はそう言うと、救急箱の中になぜか入っているメジャーを取り出した。
佐倉 光
「なんでそんなとこから……助かるけど。
計測手伝ってくれよ」
佐倉 光
牧志の手を借りて窓枠のサイズを図る。
牧志 浩太
「細かい物とりあえずここにいれておいてたんだ。後で戻す」
言いながら計測を手伝う。
測ってみれば、目測より細長い窓だった。
佐倉 光
「あの化物、放っておいたら窓を破壊してきそうだ。
そうしたら何をされるか分からない。
何もなくてもあの視線を遮るものがなくなる。
見える、見えないだけじゃなくて、何かで遮られた空間にいるのが大事な気がする……」
牧志 浩太
「遮られた空間か……。意味付けみたいなものが大事なのかな、そうなると」
KP
・波照間に今回のような不条理怖い目系をぶつけたらどんな顔するか
・佐倉さんが一番苦手な所ぶつけてごめんな(案外これまで二人とも敵や原因が分かりやすいものが多くて、不条理怖い目系なかった)

コメント By.佐倉 光
二人には珍しいガチホラー展開。
殴れる相手がいないととことん弱い佐倉。
これは一筋縄じゃあ行かないぞ……!

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本作は、「 株式会社アークライト  」及び「株式会社KADOKAWA」が権利を有する『クトゥルフ神話TRPG』の二次創作物です。

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「いってらっしゃい、職員さん」
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