こちらには
『ブルー・スターズ・セパレート』のネタバレがあります。
本編見る!
KP
きた!
牧志 浩太
こんばんはー!
KP
玉を入れる作業中だったな。残り一個が手元にある。
行くべき残り一カ所は自然公園。
行くべき残り一カ所は自然公園。
牧志 浩太
ですね。
気が重くなりながら自然公園へ向かうところ。
気が重くなりながら自然公園へ向かうところ。
KP
このあたりで自然公園と言ったらここである、というぐらい有名な公園。それなりに規模があり自然も多く、様々な人が訪れる場所だ。
牧志 浩太
結局、佐倉さんがどこへ連れ去られたのかも分かっていなければ、
奴らの意図も分からないままだ。
分かったのは狙われていたのが俺だったってことと、何か事態が進みつつあること。
唯一の希望は、これを三つ沈めてもすぐに世界が滅ぶわけじゃなさそうだ、ってことくらい……。
奴らの意図も分からないままだ。
分かったのは狙われていたのが俺だったってことと、何か事態が進みつつあること。
唯一の希望は、これを三つ沈めてもすぐに世界が滅ぶわけじゃなさそうだ、ってことくらい……。
KP
あなたの苦悩を余所に、公園には人が集い、思い思いの時を過ごしている。
目的の沼はもっと奥だ。
目的の沼はもっと奥だ。
牧志 浩太
周囲にこちらを監視している視線がないか、公園全体をぐるりと見回す。
KP
今のところ気配がない……
見張りは本当にいるのだろうか?
そんな疑念まで浮かんでくる。
見張りは本当にいるのだろうか?
そんな疑念まで浮かんでくる。
牧志 浩太
ふと気づいて、自分の服や髪、持ち物を確認する。
何か仕掛けられていたり、見慣れないものがあったりしないだろうか。
何か仕掛けられていたり、見慣れないものがあったりしないだろうか。
KP
玉が入っていた紙袋が二重底になっている……
折り目の所に仕込まれていたので気付かなかったが、貼り付けるタイプの改造タグが入れられていた。
折り目の所に仕込まれていたので気付かなかったが、貼り付けるタイプの改造タグが入れられていた。
牧志 浩太
「くそ……、気づくのが遅れた」
自分の不甲斐なさに怒りが漏れる。この程度の仕掛けに気づかなかったなんて。
自分の不甲斐なさに怒りが漏れる。この程度の仕掛けに気づかなかったなんて。
KP
仕掛けなくていい物を追加してしまった。
折角だからもうちょっと追加します……
折角だからもうちょっと追加します……
KP
二重底の裏を覗くと、小さく星を模したような何かの文様が描き込まれていた。
見ていると何だか寒気がする……
見ていると何だか寒気がする……
牧志 浩太
それを…… スマートフォンしかないのは問題だが、撮影しておく。
それから、手帳にも書き写す。
それから、手帳にも書き写す。
牧志 浩太
他にも一通り、自分の持ち物などを調べる。
KP
他にはないように見える。
牧志 浩太
奥の沼へ向かう。
玉をジャケットのポケットに入れて隠し、紙袋を沼の傍らに置く。
玉をジャケットのポケットに入れて隠し、紙袋を沼の傍らに置く。
KP
公園の奥まで行くと、人の姿が急激に減ってゆく。
ここは穴場のデートスポットではあるが、今日は人がいないようだ。
……まあ、利点が「二人きりになれる」程度しかないような場所ではある。
そこは沼とは呼ばれているが、イネ科の植物が生えている、澄んだ水をたたえた水場だ。ガマのほ等も生えている。
ここは穴場のデートスポットではあるが、今日は人がいないようだ。
……まあ、利点が「二人きりになれる」程度しかないような場所ではある。
そこは沼とは呼ばれているが、イネ科の植物が生えている、澄んだ水をたたえた水場だ。ガマのほ等も生えている。
牧志 浩太
……こういう時でなければ、散歩に丁度いいのにな。
KP
あなたが水場に近づいたその時。
KP
「どろぼーーーーーッ!」
「ひったくりだーーーーー!」
「まてー!」
「ひったくりだーーーーー!」
「まてー!」
牧志 浩太
「は!?」 思わず振り返る。泥棒なんてしてないぞ!?
KP
あなたの方へ男がひとり、鞄を抱えて駆けてくる。
あなたを見て目を丸くし、一瞬躊躇ったように見えた。
「そこどけぇ!」
甲高い声で男は叫んで突っ込んでくる。
あなたを見て目を丸くし、一瞬躊躇ったように見えた。
「そこどけぇ!」
甲高い声で男は叫んで突っ込んでくる。
牧志 浩太
「!」咄嗟に男から鞄を奪い取ろうと駆け出す。
KP
あなたの【STR】は!
牧志 浩太
11!
KP
×5で判定ッ!
牧志 浩太
CCB<=(11×5) 【STR】 (1D100<=55) > 59 > 失敗
KP
ドカーン!
牧志 浩太
「うわっ!?」
KP
正面衝突して二人して地面を転がった。
牧志 浩太
「痛っ!」
KP
「この野郎道塞……いてっ」
ひったくり男は毒づいてもがき、荷物を手放し逃げだそうとした。
そこに追いかけてきていたらしいガタイのいい男二人が飛びかかり、あなたもろとももみくちゃになった。
ひったくり男は毒づいてもがき、荷物を手放し逃げだそうとした。
そこに追いかけてきていたらしいガタイのいい男二人が飛びかかり、あなたもろとももみくちゃになった。
牧志 浩太
「うわわわわぁ!?
ち、違う、俺じゃなくてそいつ!」
ち、違う、俺じゃなくてそいつ!」
KP
「あ、すんません」
男はあなたに謝り、泥棒らしき男を取り押さえた。
どうやら泥棒を捕える助けにはなったようだが……
ぶつけた尻が痛い……
HP-1。
[ 牧志 浩太 ] HP : 11 → 10
男はあなたに謝り、泥棒らしき男を取り押さえた。
どうやら泥棒を捕える助けにはなったようだが……
ぶつけた尻が痛い……
HP-1。
[ 牧志 浩太 ] HP : 11 → 10
牧志 浩太
と、とにかく玉なくなってないだろうな!?
ジャケットのポケットを確認する。
あとスマートフォンも落としてないか確認だ。
ジャケットのポケットを確認する。
あとスマートフォンも落としてないか確認だ。
KP
玉とスマホは幸い無事だ。
牧志 浩太
「痛たたた……、」
つまらないことで怪我してしまったけど、放っとくわけにもいかない。
つまらないことで怪我してしまったけど、放っとくわけにもいかない。
KP
「名誉の負傷だね、兄さん。大丈夫?」
泥棒を捕まえたふたりのうちの一人があなたに手を差し伸べる。
泥棒を捕まえたふたりのうちの一人があなたに手を差し伸べる。
牧志 浩太
「ああ、大丈夫です。びっくりしました」
手を取って立ち上がる。
手を取って立ち上がる。
KP
「お陰で捕まえられたよ。ありがとうねー」
牧志 浩太
「いえ、よかった」
KP
「おばーちゃーん、荷物! 荷物無事だよー」
男はあなたが無事立ったのを見て微笑むと、荷物を拾い上げて振り向いて叫んだ。
男はあなたが無事立ったのを見て微笑むと、荷物を拾い上げて振り向いて叫んだ。
牧志 浩太
前にもこういうことがあって、その時は俺が世話になった。
そういうことを思い出すと、世の中捨てたものじゃないな、と思う。
そういうことを思い出すと、世の中捨てたものじゃないな、と思う。
牧志 浩太
……その世の中が俺のせいでピンチかもしれないんだけどさ、今。
KP
ありましたね。
牧志 浩太
そうそう。
猫騒ぎの時に。
KP
老婆がよちよちとやってきて、大事そうに荷物を受け取って抱え込んだ。
そして男二人とあなたに何度も頭を下げる。
そして男二人とあなたに何度も頭を下げる。
KP
「本当にどうもありがとうございました、
お陰様で無事荷物が帰ってきましたよぉ」
お陰様で無事荷物が帰ってきましたよぉ」
牧志 浩太
「いえ、お怪我がなくてよかった」微笑む。
KP
「今日は午前中『オレオレ詐欺の対策講座』というものに行っていたんですけどねぇ、ひったくりに遭うとは思いませんでしたねぇ」
牧志 浩太
「それは災難でしたね」
KP
「詐欺を防ぐなら、互いしか知らない質問をするのが良いって言いますけど、ひったくりにはどうしようもありませんものねぇ」
老婆は教わってきたばかりの知識をしみじみと語ってひったくり男を見下ろしため息をついた。
老婆は教わってきたばかりの知識をしみじみと語ってひったくり男を見下ろしため息をついた。
牧志 浩太
「ああ、言いますね。でも最近は警察や医者をかたるものもあるといいますから、なかなか油断がならないですけど」
KP
「物騒なの中ですよぉ、まったく。
でも、あなた方のような若者がいるならまだまだ大丈夫だわねぇ。
つまらないものだけれど、良かったら食べて頂戴ねぇ」
老婆は黒飴とハッカ飴を出してあなたと男達に手渡した。
でも、あなた方のような若者がいるならまだまだ大丈夫だわねぇ。
つまらないものだけれど、良かったら食べて頂戴ねぇ」
老婆は黒飴とハッカ飴を出してあなたと男達に手渡した。
牧志 浩太
「ああ、ありがとうございます」何だか懐かしい感じのする飴だ。
受け取って、パッケージに何か仕掛けられていないかちらりと確認してポケットに入れる。
受け取って、パッケージに何か仕掛けられていないかちらりと確認してポケットに入れる。
KP
飴は普通の飴だ。買ったばかりの物らしい。
泥棒を突き出すために三人揃って警察に行くのだとその場を去って行った。
「怪我してるなら兄さんも一緒に来る?」と声をかけてくれる。
泥棒を突き出すために三人揃って警察に行くのだとその場を去って行った。
「怪我してるなら兄さんも一緒に来る?」と声をかけてくれる。
牧志 浩太
これどさくさに行っていいやつ?w
KP
行ってもいいけど、事情聴取とかでちょっと時間取られます。
牧志 浩太
「ああ、俺はいいです。その代わり、警察に行くんだったら、届け物をお願いしていいですか? さっき、落とし物を見つけちゃって。
見つけた場所も一緒に書いておくんで、お願いします」
あの封筒の中に、仕掛けや印がないか確認する。
なければ、日記帳のページに今の状況を洗いざらい書いて、あの写真と一緒に封筒に入れ、男に託す。
見つけた場所も一緒に書いておくんで、お願いします」
あの封筒の中に、仕掛けや印がないか確認する。
なければ、日記帳のページに今の状況を洗いざらい書いて、あの写真と一緒に封筒に入れ、男に託す。
KP
「ああ、はい、分かったよ。
どうかしたの、なんか顔色悪いけど」
男は心配そうに封筒を受け取った。
どうかしたの、なんか顔色悪いけど」
男は心配そうに封筒を受け取った。
牧志 浩太
「さっきから尻が痛くて。後で病院でも行きます」苦笑してみせる。
KP
「ああ、連絡先かな? お預かりするね」
納得顔で封筒をしまうと、男は立ち去った。
納得顔で封筒をしまうと、男は立ち去った。
牧志 浩太
ありがとうございます、と男を見送る。
牧志 浩太
……正直、これだけじゃ動いてもらうのは厳しいだろうけど、可能な限り望みは託しておきたい。
牧志 浩太
折角のチャンスだ。
KP
そして、周囲から人の気配が消えた。
牧志 浩太
……改めて、玉をジャケットのポケットに隠したまま、紙袋を沼の傍らに置き、しばらく反応を待つ。
KP
周囲に人の気配がない。こちらを見ている者の存在も感じない。
あなたを監視している者などいないということだろうか。
あなたを監視している者などいないということだろうか。
牧志 浩太
相手からの連絡もないだろうか。
KP
そうだな、どの程度待つ?
牧志 浩太
十五分程待ってみる。
KP
そうしたら、メッセンジャーに連絡が入る。
牧志 浩太
「!」
KP
『まだか』
『はやくしろ』
『早くしないと 痛い目に遭うぞ』
『はやく』
『はやくしろ』
『早くしないと 痛い目に遭うぞ』
『はやく』
牧志 浩太
「少しアクシデントがあった。今から入れる」そう返す。
KP
『はやくして』
牧志 浩太
くそ、これは何かの手段でやっぱり確認してるな。
……一度息を吸い、玉を取り出す。
玉を水の中に沈める。
……一度息を吸い、玉を取り出す。
玉を水の中に沈める。
牧志 浩太
紙袋の印と、玉を沈めた水中の様子を確認する。
KP
玉は透明な水の中にゆっりと沈んでゆく。
そして、あるときを境にふっと肉眼で確認できなくなってしまった。
紙袋の印か。ちょっとひっかかる。
【アイデア】。
そして、あるときを境にふっと肉眼で確認できなくなってしまった。
紙袋の印か。ちょっとひっかかる。
【アイデア】。
牧志 浩太
水の中を探ってみる。
見落とした! 指に触れる事はない。
牧志 浩太
CCB<=90 【アイデア】 (1D100<=90) > 7 > スペシャル
KP
あなたは、駅で見たポスターに鏤められた様々な印の中にそれがあるのを思い出した。
牧志 浩太
「……!」
そうか、あのポスターだ!
そうか、あのポスターだ!
KP
サイトに行けば、正体が分かるかも知れない。
牧志 浩太
すぐにサイトを確認する。
KP
「おまじないの印」
『大好きなあの人に渡すものに書いておきましょう。ちょっぴりあなたに心が揺らぐカモ!』
そんな内容だった。
『大好きなあの人に渡すものに書いておきましょう。ちょっぴりあなたに心が揺らぐカモ!』
そんな内容だった。
牧志 浩太
やっぱりだ、やっぱりこいつが絡んでる。
その印をスクリーンショットし、サイトを確認する。
住所は書いていないだろうが、行動スケジュールとか、どこでいつ講演するかとか、書いていないか。
その印をスクリーンショットし、サイトを確認する。
住所は書いていないだろうが、行動スケジュールとか、どこでいつ講演するかとか、書いていないか。
KP
明日講演があるようだが、今日は特に用事は書かれていない……
と、スマートフォンが突然震える。
と、スマートフォンが突然震える。
牧志 浩太
メッセージだろうか、確認する。
KP
電話だ。
牧志 浩太
発信元はどこになっているだろうか。
KP
あのアカウントから、音声通話がかかってきた。
牧志 浩太
くそ、と毒づき、通話を取る。
KP
「遅い。
泉の前で何してたんだよおめぇ、待ちくたびれたっつぅの。
おかげでこっちはな……」
泉の前で何してたんだよおめぇ、待ちくたびれたっつぅの。
おかげでこっちはな……」
牧志 浩太
「ひったくりに巻き込まれたんだ。仕方ない。
危うく玉を取られる所だった。取られなくてよかったな」
危うく玉を取られる所だった。取られなくてよかったな」
KP
「まあいい」
男はエホンエホンと咳払いをする。
男はエホンエホンと咳払いをする。
牧志 浩太
会話しながら、背後に何か聞こえないか耳を澄ませる。
KP
背景が何だか騒がしい。
「さて、これで最後だ……
ちょっと待て」
男は一度言葉を切ると、画面をタップしたらしかった。
「……こらうるっせぇぞ電話中だぞ!
ったく」
舌打ちをして画面を見、しまった、という顔をする。
「さて、これで最後だ……
ちょっと待て」
男は一度言葉を切ると、画面をタップしたらしかった。
「……こらうるっせぇぞ電話中だぞ!
ったく」
舌打ちをして画面を見、しまった、という顔をする。
KP
「この通話が終了次第住所を送る。
その場所に来い」
その場所に来い」
牧志 浩太
「その前に」割り込む。
KP
「ほへ?」
平静と重々しさを装った声が台無しである。
平静と重々しさを装った声が台無しである。
牧志 浩太
「佐倉さんの姿を見せろ。佐倉さんが生きていなければ、俺は従わない」
KP
「…………ちょっと待て」
男は疲れ切ったように呟いた。
男は疲れ切ったように呟いた。
牧志 浩太
男の一言一言と背後の様子に耳を澄ませながら、待つ。
くそ、こんな時に佐倉さんがいてくれれば。
くそ、こんな時に佐倉さんがいてくれれば。
KP
男は背後に声をかける。
「電話、出せそう?
あぁぁぁそー。まいったな畜生」
「電話、出せそう?
あぁぁぁそー。まいったな畜生」
KP
〈聞き耳〉をどうぞ。
牧志 浩太
CCB<=97 〈聞き耳〉 (1D100<=97) > 78 > 成功
KP
「捕まえましたー! あいつ隠れてた! 猫かよ!」
「何でもいいから連れてきてー」
そんな会話が漏れ聞こえた。
「何でもいいから連れてきてー」
そんな会話が漏れ聞こえた。
牧志 浩太
「……!」
成程。佐倉さん、相当抵抗してくれてるみたいだ。
こんな時だというのに、思わず笑みが口元に浮かんだ。
成程。佐倉さん、相当抵抗してくれてるみたいだ。
こんな時だというのに、思わず笑みが口元に浮かんだ。
KP
不貞腐れたようにほっぺを膨らませた佐倉がカメラの前に現れた。
牧志 浩太
「……佐倉さん」気を抜いたら泣きだしてしまいそうで、必死に口元を引き締める。
佐倉 光
「よう、牧志。
悪いなー、この脱出ゲー結構難しいわ。
やりすぎてゲームオーバーしても困るしさー。
COMPないのマジ不便。
ごめんな足手まといで」
悪いなー、この脱出ゲー結構難しいわ。
やりすぎてゲームオーバーしても困るしさー。
COMPないのマジ不便。
ごめんな足手まといで」
牧志 浩太
「いや、こっちこそごめん。あの時はありがとう」
牧志 浩太
「玉は三つ沈めてきた、自然公園と駅前の噴水と神社の池。次で最後だって。
神社の池は別の世界に繋がってるっていうけど、どうだろうな。そういえば佐倉さんは占いって好き?」
神社の池は別の世界に繋がってるっていうけど、どうだろうな。そういえば佐倉さんは占いって好き?」
佐倉 光
「占い? 嫌いじゃねぇよ」
牧志 浩太
「そっか。天川薫の占い公演が明日 ── であるって。随分丁寧な字の人だったよ」
KP
「おっとそこまでだ!」
牧志 浩太
「その様子、図星か」
KP
「平然と情報交換始めてんじゃねぇぞ。
このクソガキいい加減にしないと本当に殺すぞ」
このクソガキいい加減にしないと本当に殺すぞ」
KP
男に押しのけられて佐倉が転がり、怒声を上げた。
佐倉は抱え上げられて連れて行かれた。
佐倉は抱え上げられて連れて行かれた。
牧志 浩太
「おい、殺すなよ。殺したら俺は従わないぞ」
KP
「いや殺さない殺さない。
殺したら身代金取れないだろうが、まったく」
ごほんごほん。男はまた咳払いをする。
「どこまで話したか分からなくなっただろうが。
えー。
この通話が終了次第住所を送る。その場所に来い。そこで身代金と人質の交換を行う」
棒読みである。
殺したら身代金取れないだろうが、まったく」
ごほんごほん。男はまた咳払いをする。
「どこまで話したか分からなくなっただろうが。
えー。
この通話が終了次第住所を送る。その場所に来い。そこで身代金と人質の交換を行う」
棒読みである。
KP
「勿論人質は無事だ。
君が約束を守ってくれている限りはね。
君の息子は元気だっただろう?
これが我々の誠意だと思ってくれたまえ。
しかしあまり遅くなるようなら……
どうなっても保証はできないとは言っておく!」
君が約束を守ってくれている限りはね。
君の息子は元気だっただろう?
これが我々の誠意だと思ってくれたまえ。
しかしあまり遅くなるようなら……
どうなっても保証はできないとは言っておく!」
牧志 浩太
「……分かった」
くそ、当てが外れた。やっぱり、先程ので相手の目的は完遂されてしまったのか? 俺は、何をさせられたんだ?
くそ、当てが外れた。やっぱり、先程ので相手の目的は完遂されてしまったのか? 俺は、何をさせられたんだ?
牧志 浩太
あの夢は、関係があるのか?
KP
「身代金の金額は……えー。
最近ないもんな。えー。
お前が相応しいと思う額を持って来い!
安すぎて我々と友人をがっかりさせることのないように頼むぞ?
では、約束の場所で会おう。
良い取引ができることを期待している」
最近ないもんな。えー。
お前が相応しいと思う額を持って来い!
安すぎて我々と友人をがっかりさせることのないように頼むぞ?
では、約束の場所で会おう。
良い取引ができることを期待している」
牧志 浩太
「…………」
答えず、通話が切れるのを待つ。
答えず、通話が切れるのを待つ。
KP
ぷつり、と電話が切れた。
そして程なく住所と指定時間が送られてくる。
そして程なく住所と指定時間が送られてくる。
牧志 浩太
「くそ。……佐倉さん。先輩。おばあちゃん。みんな、ごめん」
ぽつりと呟いて、その住所と時間を確認する。
ぽつりと呟いて、その住所と時間を確認する。
KP
車で一時間ほど行った山の中。
指定時間は、19時頃。
まだ数時間の猶予はある。
『つうほうしたらすぐわかる そうなったらおわりだ』
チャットがオマケのように飛んできた。
指定時間は、19時頃。
まだ数時間の猶予はある。
『つうほうしたらすぐわかる そうなったらおわりだ』
チャットがオマケのように飛んできた。
牧志 浩太
それを無視して、日が傾きつつある空を見上げる。
見た所、まだ世界は滅んでない。俺が何かおかしくなる、ってこともなさそうだ。
佐倉さんと合流したら、すぐさま作戦会議だ。
見た所、まだ世界は滅んでない。俺が何かおかしくなる、ってこともなさそうだ。
佐倉さんと合流したら、すぐさま作戦会議だ。
牧志 浩太
ネットでちらりとこの周辺の様子を確認する。何か変化が起きていないか。
KP
今のところ何も起きていないようだ。
牧志 浩太
家に戻り、貯金を下ろしてくる。
大学の学費向こう一年分。俺の、なけなしの財産。
……母さん、父さん、ごめん、と。
心の中で謝った時、四人の人の顔が浮かんだ。
大学の学費向こう一年分。俺の、なけなしの財産。
……母さん、父さん、ごめん、と。
心の中で謝った時、四人の人の顔が浮かんだ。
牧志 浩太
佐倉さんの生活と、学校周りの費用のために貯めておいた分には、手をつけない。
中学校の修学旅行のための費用にも。
中学校の修学旅行のための費用にも。
牧志 浩太
それからまず、ネットで天川薫について詳しく調査する。
その後、車を出す。
時間に余裕があれば、あの三角形の中心の位置に一度行く。
その後、車を出す。
時間に余裕があれば、あの三角形の中心の位置に一度行く。
牧志 浩太
それから、玉を沈めた位置を周ってみる。
KP
天川薫を検索すると、彼に心酔するような書き込みが目立つ。
確かに最近ここ数年目立ってきている人物のようだ。
スピリチュアルというか、宗教じみた話がちらほらと見える。
サイトの背景に水が揺れている。
確かに最近ここ数年目立ってきている人物のようだ。
スピリチュアルというか、宗教じみた話がちらほらと見える。
サイトの背景に水が揺れている。
牧志 浩太
「水だ……。嫌な整合性だな。あの夢も、こいつのせいか?」
つい独り言が漏れてしまう。
つい独り言が漏れてしまう。
KP
……ぐらり、と揺れた気がした。
しかし地震のような継続的な揺れはなく、気のせいだったのだろうかと思うだろう。
しかし地震のような継続的な揺れはなく、気のせいだったのだろうかと思うだろう。
KP
【幸運】で判定。
牧志 浩太
CCB<=60 【幸運】 (1D100<=60) > 90 > 失敗
ああー。
ああー。
KP
1D10のMPダメージを受けます。
牧志 浩太
1d10 (1D10) > 3
[ 牧志 浩太 ] MP : 12 → 9
[ 牧志 浩太 ] MP : 12 → 9
KP
立ちくらみがする。
まるで体のエネルギーを持って行かれるかのような不快感。
まるで体のエネルギーを持って行かれるかのような不快感。
牧志 浩太
「く、そ……、」
呻く。何かを身体の芯から引き抜かれるような、その嫌な感覚には覚えがあった。
呻く。何かを身体の芯から引き抜かれるような、その嫌な感覚には覚えがあった。
牧志 浩太
明日行われるという講演の場所を確認する。
KP
丁度調べ物用に開いていたスマートフォンのSNSに、「立ちくらみがする」 「今の何?」 「地震?」といった書き込みがちらほらと混ざった。
KP
奇怪な現象に、《SANチェック:成功時減少 1D2 / 失敗時減少 1D4》
牧志 浩太
CCB<=65 《SANチェック》 (1D100<=65) > 97 > 致命的失敗
[ 牧志 浩太 ]SAN 65 → 61
[ 牧志 浩太 ]SAN 65 → 61
KP
責任感じちゃったかなー
牧志 浩太
責任感じちゃいましたね。
牧志 浩太
「くそ、くそ、くそ……!」
動き出しているんだ。俺が、止められなかったせいで。
俺が、この手で、何かの引き金を引いてしまったせいで。
動き出しているんだ。俺が、止められなかったせいで。
俺が、この手で、何かの引き金を引いてしまったせいで。
KP
講演の場所は、渋谷にあるイベント用ホールだ。
牧志 浩太
それは、あの三角形とどんな位置関係にあるだろうか。
KP
範囲内ではあるが、とくに中心部であったりはしないようだ……
牧志 浩太
きっともう猶予がない。
佐倉さんと合流したら、合流できたら、すぐに動き出さないと。
そのためには、合流する瞬間まで、気を抜くわけにはいかない!
佐倉さんと合流したら、合流できたら、すぐに動き出さないと。
そのためには、合流する瞬間まで、気を抜くわけにはいかない!
牧志 浩太
泣いている時間はないんだ、まだ。
牧志 浩太
武器になりそうなものを持って行こうかと思って、やめる。
荷物になるだけだ。
場所が場所だ、きっとそのまま俺達を殺すつもりだろう。
逃げおおせるしかない。
荷物になるだけだ。
場所が場所だ、きっとそのまま俺達を殺すつもりだろう。
逃げおおせるしかない。
牧志 浩太
自分自身を叱咤して、車を走らせる。
指定された山中へと。
指定された山中へと。
牧志 浩太
次回、クライマックス! ……か!?
KP
待て、次号!
牧志 浩太
ありがとうございましたー!
KP
ありがとうございました!
KP
多分次回で終わる……んじゃないかな?
牧志 浩太
次回金曜日ですしね。
KP
ですねー
牧志 浩太
今回は牧志が自分の手で引き金を引いてしまったせいで、だいぶん責任を感じていますね。
あと発端が、狙われていることに気づけなかったことだと思っているので。
あと発端が、狙われていることに気づけなかったことだと思っているので。
KP
その引き金になったのは佐倉なワケで~
情報だけ持って帰ればきっと迎撃できたのになーって~
情報だけ持って帰ればきっと迎撃できたのになーって~
牧志 浩太
無事に全部終わったら色々ぶっちゃけよう。
そして新しい形の相棒になろう。
そして新しい形の相棒になろう。
KP
なろう。
そしてレッドで大暴れするんだ。
そしてレッドで大暴れするんだ。
牧志 浩太
するんだ!
身代金のところで牧志の覚悟ってそれかーっていう描写ができてちょっと面白い。
身代金のところで牧志の覚悟ってそれかーっていう描写ができてちょっと面白い。
KP
ちょっとそれについて思いついたー
牧志 浩太
おっ?
KP
あーでもあーーーーーーそうか。
終わってからだな。
終わってからだな。
牧志 浩太
なんだろぉーーーーー楽しみ!
KP
佐倉だったら平然とマッカ持っていくかも知れないなぁと思いながら見てた。
牧志 浩太
ちなみにPL通過時、あまりに刹那的な生き方をしていた男だったため、ここで七万円しか出なかったりしました。
(刹那的な生き方にも理由はあったんですが)
(刹那的な生き方にも理由はあったんですが)
KP
ななまん……
色々な意味で大丈夫かそれは。
色々な意味で大丈夫かそれは。
牧志 浩太
相手に「えぇー……」ってされましたね。だって無いんだもん。
KP
ない物は仕方ないな!
コメント By.KP
指示されるままに動くしかない牧志。
このままでは終わらない!
指示されるままに動くしかない牧志。
このままでは終わらない!
【クトゥルフ神話TRPG】
本作は、「 株式会社アークライト 」及び「株式会社KADOKAWA」が権利を有する『クトゥルフ神話TRPG』の二次創作物です。
Call of Cthulhu is copyright ©1981, 2015, 2019 by Chaosium Inc. ;all rights reserved. Arranged by Arclight Inc.
Call of Cthulhu is a registered trademark of Chaosium Inc.
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