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こちらには『blood red decadence』
ネタバレがあります。


本編見る!
KP
外はかなり暗くなっていた。
佐倉 光
どう考えても懐中電灯とか必要だったよな。くそ。
けど急いで確認したいしな。
とにかく門を出て、ここに来るときに辿った道を上ろう。
道があるなら迷うことはないはずだ。
下りの道の方も見たいところだが、今はここから出られるか、助けを求められるかを早く知りたい。
KP
木道をひたすらに上る。
20分程度歩いただろうか。
開けた道に戻る。
屋敷へ続く脇道はとくに標識などもないため、
きちんと覚えておかなければ戻るのが困難になるかもしれない。
佐倉 光
なるべく周囲の特徴を見つけるよう観察する。
1d100 85〈目星〉(周囲の観察) Sasa BOT 1d100→40→成功
KP
特徴的にねじ曲がった木を発見した。
これを目印にするなら間違いなく脇道に戻れるだろう。

KP
美しいシャンデリアが吊され、巨大なテーブルがあるダイニング。
テーブルに対して椅子の数は少なめだ。

置いてある椅子は六脚。
椅子が二脚倒れている。
あなた方が座っていた席だ。

人間としてのあなたが終わった場所だ。


グラスやボトルなどはあの晩餐の時のままになっており、
ワインや水がそのまま入っている。

食事が終わった後、残った食べ物は片付けられていたが、
一部の皿がそのままになっていたのだろう。
何枚かの重ねられた皿と、銀色に輝くカトラリーが残されている。

〈目星〉をどうぞ。
牧志 浩太
改めて来てみると、あの時とは何もかもが違いすぎて目眩がしそうだ。

飲みかけのワインや水がそのまま入っている様子に、そういえば一日しか経ってないんだなってことと、そういえば雨、止んだなってことを思う。

雨が降っていれば外に出られたりするだろうか。

いや、出られても知らない人に噛みついてしまうかもしれないし、やめといた方がいいか。
1d100 89〈目星〉 Sasa BOT 1d100→47→成功
KP
あなたが腰掛けていた椅子がひっくり返っているその影に、一冊の本が落ちていた。
開いたまま落ちたのか、ページが折れ曲がっている。

一瞬視界に入った本のページには、
一体何語なのか分からない、意味不明な文字が並んでいるように見えた。

本を拾い上げたとき、
あなたはふと、ワイングラスに。銀食器に、違和感があると感じる。
オミット
KP
普通に考えれば初回吸血前に吐いてると思うんだけど、色々アレなのでオミットしちゃった。
牧志 浩太
吐瀉物が残ってたら牧志のいやなきもちになる度がちょっとアップしたかもしれない。
KP
吐いた口で吸血かー
なんて思っちゃったw
牧志 浩太
うーん、確かにそれは嫌だし佐倉さんが感染で熱を出しかねないw
KP
その描写入れるかどうか、初回時かなり迷ったんですよ。
牧志 浩太
言われてみれば確かにそうなんですよねぇ。
よからぬ【CON】ロールが発生してもなんだしオミットしていただいてよかったと思います。

牧志 浩太
「……?」
拾い上げた本には何だか分からない文字が並んでいた。
もしかしてこれ、あの時の呪文みたいなよく分からない言葉か?

一応佐倉さんに見せてみよう。
そう思って本を拾い上げると、ふと違和感を覚えた。……何だ?
ワイングラスの表面をよく覗き込んでみる。
KP
僅かに残った赤ワインには、ぼんやりと部屋の様子が映っていた。
壁にかけられた絵がある。シャンデリアがある。椅子がある。

決定的に足りない物があった。
うつるべきものがうつっていない。
一番近くでのぞき込んでいるはずの、あなただ。

ワイングラスだけではない。
ボトルにも、ナイフにも、フォークにも、スプーンにも、あなたの姿はうつしだされていない。

SANチェック成功時減少 1失敗時減少 1d3
牧志 浩太
1d100 72 《SANチェック》 Sasa BOT 1d100→23→成功
SAN 72 → 71

赤い水面を覗き込む。部屋の様子に違和感はない。
それ以外に映っているものはない。誰かの顔が映ってたりもしないし、特に……ん?

何度か見直してようやく気づいた。
俺の顔が映っていない。

ああそうか映らないのか。
何となく世界に無視されたような気がした。

自分の手を見直す。うん、見えるよな。
落ちていた本を開く。うん、触れられるよな。

ワイングラスを見返す気が起きなくて、落ちていた本を開き直して中を見てみる。読めなくても何か挟まってたり、訳が書いてあったりしないか。
KP
本には奇妙な字の脇の余白に書き込みがあった。
【吸血鬼は人を愛すると、その相手の血しか飲めなくなるという。
信じがたいが私にとっては現実だ。
日に日に衝動は増す。
血液製剤は役に立たない。鼠も、鳩も、兔も。】


本に書かれた奇妙な字を見つめると、知らないはずの文字が意味を伴って脳に直接飛び込んでくる。
読める。
理解もできないのに読めてしまう。
その字を見つめるだけで、誰かが耳元で囁いて内容を教えてくれているかのように。

呪文のようなものだ。
目にするだけでどう発音すれば良いかまでありありと浮かぶ。

そして何故か、あなたはこれを知っているような気がした。

呪文に続き、走り書き。
【意図的にこの状況を作り出せるなら、これを解放せずに済む。
私は地獄に落ちるだろう】

本には奇妙な文字で説明の文章が続いている。
生餌の生成の呪い
 吸血鬼に他者を襲わせないようにする呪い。
 この呪文は人外である者のみが使用できる。

 生餌とする人間が肉を喰らうのに用いた刃物を吸血鬼の手の甲に突き刺し、以下の呪文を唱える。

 吸血鬼は生餌以外の血液以外を飲むことができなくなり、生餌の血液を求めて激しい衝動に苛まれる。生餌の死によって、吸血鬼はいずれ飢えて滅びるだろう。

KP
広い山道を登る。
あの時自分たちは随分歩いたのだと気付くだろう。
石がはられた道を歩けども歩けどもゴンドラ乗り場は遠い。
そしてほどなくあなたは嫌なことに気付くだろう。

暗いのだ。
乗り場も、その周囲も。

よくよく見れば、ゴンドラは動いておらず人の気配もない。
このあたりには観光客もいない。
佐倉 光
人がいない……? 昨日で運行終わってたりするのか?
一縷の望みをかけて一応行くだけ行ってみる。
通信手段とかあるかも知れないし、警備とか整備員とかいるかも。
KP
急速に暗くなってゆくため、足元がよく見えず、必然、歩みは遅くなる。
更に30分近く歩いただろうか。
あなたは真っ暗なゴンドラ乗り場にたどり着いた。
入り口の扉は閉ざされ、鎖がかけられ、張り紙が貼られている。

ゴンドラは運休している。
どうやら昨日の嵐で故障が出たのが原因のようだ。
もともと運行期間が終わりかけていたため、早めに終わった、ということのようだ。
再開は未定、とある。
佐倉 光
「ああクソ! あの雨! なんなんだよおかしいだろ!」
叫んでもどうにもならない。
中に通信設備とかないかな。
KP
扉を破壊することで中に入れる可能性はある。
佐倉 光
1d100 12 【STR】×2(破壊) Sasa BOT 1d100→56→失敗
KP
十分な道具もない、あなたの非力な腕で破壊できるものではなかった。
かなりの時間をかけて、それが理解できた頃には真っ暗になっていた。

牧志 浩太
それは奇妙な違和感だった。目の前にある文字にまったく見覚えはないのに、その内容だけが頭に入ってくる。

それに戸惑いを覚えたが、それよりも、その内容に強い衝撃を覚えた。

「そん……、な」
呆然と呟く。

吸血鬼は人を愛するとその人の血しか飲めなくなる。
その状況を意図的に作り出す呪い。

そんな、そんな。
否定したい内容を、腹の奥でもはや狂おしく渦巻き始めている食欲が肯定している。

さっきから、佐倉さんの顔しか浮かばないのだ。あの白い首筋しか浮かばない。
知らない人のことなんてそういえば一瞬考えたあと意識から消えていた、そうだ動物の血なんかで何とかなるわけがない、俺は、

俺はあれを喰らう生き物だ。

本を持ったまま、呆然と立ち尽くす。
同じ人間から毎日血を吸い続けて回復が間に合うわけがない。
いずれ俺は佐倉さんを殺して、飢えて、死ぬ……。

「くそ、知らない人を襲う心配はなくなったけど、それ以上に酷いな……」

何としてでもこれをなんとかしないと、俺も佐倉さんもお終いだ。
くそ、解き方どこかにないのか。本の続きにさっと目を走らせる。
KP
本に書いてある文章で読めるのはそこだけだ。
残りは完全に意味不明の記号の羅列だった。
牧志 浩太
「だめだ、読めるのはここだけか……。他を探すしかないな。

佐倉さん、助けを呼べたかな」
ぽつりと呟く。カーテンの下にもう金色の光はなかった。外を見ずとも夜が来たのが分かった。

佐倉 光
やべぇな、帰らないと。
佐倉 光
帰らずにこのまま山を降りる、ということを一瞬考える。
だが、夜に山を降りるのは危険だし、降りられたからってどうなるだろう。
山を降りたからといって牧志を救える希望はほぼないといっていい。
それで得られるものと言えば自分の命と罪悪感くらいのもの。

少なくとも今日今この時点で山を降りる利点はない。現実的じゃない。
明日の朝ならまだしも、といったところか。
佐倉 光
馬鹿なこと考えてないで帰ろう。
KP
冷たい風が体を冷やす。
さっき歩いた道はもう闇に沈んでいる。
月明かりは木々に遮られて足元はほとんど見えない。

鳥の鳴き声が、木々のぶつかる音が周囲から迫ってくる。
佐倉 光
1d100 42〈目星〉/2(周囲の観察) Sasa BOT 1d100→36→成功
KP
何とか目印の木を見つけ、脇道に戻ることができた。
道に沿って下ってゆくと、闇の中にあの館が見えてくる。
遮光カーテンがきっちりと閉められているためか光は全く漏れておらず、
それはホラー映画の舞台のように見えた。
佐倉 光
いい加減ハラペコだし足も痛かったが、
一度足を止めたらもう進めなくなる気がして、無心に足を前に進めた。
あそこで牧志が待っている。

本当に牧志か?
あいつはまだ正気なのか?

足が、重い。
KP
佐倉は〈目星〉を二度とも成功したので帰りはそんなに遅くならないことになりました。
牧志 浩太
ふふふ牧志がひどい情報を知ってしまったところで、ちょうど真っ暗になってから佐倉さんが戻ってくる
※佐倉さんがうっかり山で遭難してTHE ENDにならなくてよかった
KP
失敗しても遭難はしないけど、迷いまくって夜中まわる予定でした。
牧志 浩太
いっそ朝になっていれば襲われなくて済んだかもしれないけど。



1日目 深夜


KP
玄関が開く音がしたのはもう夜の9時をまわってからだった。
佐倉 光
「ただいまー」
KP
声がして、足音はキッチンへ向かった。
そこで何かを持って二階へと上がる。

あなたの鋭い感覚は、餌の動向をまざまざととらえる。
牧志 浩太
あ、と声が漏れた。
分かる。
いや、分かってしまう、って言った方がいい。

僅かな空気の動きさえ分かるくらい、感覚が鋭くなっている。夜の空気が吹き込まれたように身体は活力を取り戻して、離れた場所だっていうのに、微かな香りを全身が捉えた。

ぞわりと歓びが全身を波打たせる。
ああ、帰ってきた。
帰ってきてくれた。

餌が。

違う。
違う!
首を振る。抗う意識が随分とか弱く聞こえた。頭の中が腹の奥から溢れてくる食欲で一杯になって、他の事が頭から抜けそうになる。

甘い香りが形を取ったように感じた。
佐倉さんの手足の、指先までも、どこにいて、どう動いているのか、まるで目の前に見えるように分かってしまう。

だめだ。今の俺はだめだ。
ダイニングルームの椅子を持ち上げて扉を塞ぐ。部屋の奥で背を丸める。
佐倉 光
「牧志ー? どこだ?」
(正直、あの状態の牧志の姿が見えないのは二重の意味で不安だ)
KP
二階でドアを開けて探している物音がする。
牧志 浩太
「……」
声が聞こえる度に、食欲が自分の内側に爪を立てる。
腹が減ったなんてものじゃない、身体中がからからに渇いたような激しい渇望だった。
少しずつ意識がそれに削り落とされて、気持ちを確かに持っていないと、空気の中を揺れ動く香りのことしか考えられなくなりそうだった。

「ああ、くそ、くそ……、」
この扉を開けて、戻ってきてくれて嬉しいと佐倉さんに言いたい。そうして首に噛みついて、思うさま貪りたい。

朝なんて来ないでほしい。
早く、朝になってほしい。

腹の奥にいる自分と頭の隅で理性にしがみついている自分が、溶けるように混ざっていく気がした。
佐倉 光
(もうどこかで寝たのかな。夜だから外に出た?)
そんなわけがない。
肌にピリピリと緊張感がはしっている。
ここには飢えた吸血鬼がいる。

探さずに部屋に戻って扉を閉じ、つっかえ棒でもして、さっさと食事を取って寝てしまった方がいいのかも知れない。
何も知らない振りをして。
牧志ならそんなことをしても許してくれるだろう、きっと。

自分に都合のいい想像をふり捨てる。

まずはあいつの無事を確かめるべきだ。
前の時みたいに自分をなくしかけていて、
人間の言葉を求めているかも知れないんだ。

そして血に飢えた獣の前にさあどうぞと命を差し出すんだな、お前は。
馬鹿なヤツだ。
佐倉 光
「牧志! どこにいる? 無事か?」
自分の中に溢れる碌でもない思考をかき消そうと、ただひたすらに声を上げる。
牧志 浩太
「佐倉さん」
応えたい。その声に応えたい。
俺を探してくれている。こんな状況でも。

食欲と入り混じっていく感情の中でも、それだけは俺の望みだった。

でも、今はいけない。
駄目だ。
駄目なんだ。

朝まで、せめて。どうか。
KP
深夜のアクション、どうしますか?
牧志 浩太
今回は吸血を我慢します。
KP
あなたが閉じこもっているダイニングの扉が引っ張られた。
佐倉 光
「牧……いるのか?」
KP
血の匂いがする。芳しく、魅力的な香りがあなたの嗅覚を殴りつけるように近づく。
牧志 浩太
芳しく甘い香りが柔らかく流れてくる。
嗅覚がその匂いだけに染められて、味覚がありありとその味を思い出す。

ごくり、と喉が鳴った。
口を開くとそのまま嚙みつきたくなった。

「佐倉さん、お帰り。戻ってきてくれて、ありがとう。
……ごめん、今日は出られそうにない」

出した声が驚くほどか細かった。喉がからからに渇いて張りついていた。
佐倉 光
「そうか……分かった」
KP
その声には安堵が混じっていた。
何に対する安堵だっただろう。

佐倉が遠ざかってゆく。
牧志 浩太
「……あ、」
声が漏れた。
すぐ近くまで迫っていた香りが、餌の気配が、離れていく。

せっかく戻ってきてくれたのに。
俺は何をしているんだ。
早く、早く追いかけないと。

頭の中で感情と思考が渦巻く。
気づけば扉に手が触れていた。
それが一瞬、全部食欲に染まっていたことに気づいて、飛び退るように部屋の奥に戻る。

「……だめだ」
言い聞かせるように声を出す。
朝が、まだ遠い。
佐倉 光
寝室に戻って食事取って寝よう。
扉は特に閉じる努力はしない。

KP
真夜中。
時計の針の音が少しずつ少しずつ正気を削ってゆく心地がした。
血が欲しい。
腹が減った。
腹が灼けるようだ。
このままでは死んでしまう。
早くしなければ。
食いたい。
ちがのみたい。
のどがかわいた。
しにたくない。

腹の奥のあなたが喚いていた。
牧志 浩太
時計の音がいやに耳に触る。
少しずつ少しずつ、自分の内側からこそげ落されるように、食欲が思考を削り取っていく。

必死に以前のことを思い出したりしていた。
佐倉さんの顔が記憶の中に見える度、噛みつきたくなってやめた。

血が欲しい。
喉が渇いた。
腹が減った。
このまま飢えて死ぬのか。

寂しい。

ああ、どうしてこんなこと、していたんだっけ。
KP
【POW】×5で判定をどうぞ。
牧志 浩太
1d100 60 Sasa BOT 1d100→61→失敗
惜しいな!
KP
む。吸血衝動起きちゃうな。
どうしましょうかねー
KP
あなたは気がつくと二階の寝室の前に立っていた。
いつの間にここに来てしまっていたのだろう。

中から寝息が聞こえる。
血の匂いがする。
今すぐに血を吸わなければ、自分が自分でなくなってしまう、そんな強い危機感を感じた。
KP
※行くも戻るもおまかせする。
牧志 浩太
佐倉さんは1日目我慢できたし、今度は牧志が吸ってしまって本格的に打ちのめされる展開もいいかもしれない。
KP
そしてまたお香どころではない。
牧志 浩太
まるで操られるように、寝室の前に立っていた。
ダイニングルームの扉を塞いでいた椅子は、乱暴に退かされている。

血を得られる歓び、蕩けたような甘い恍惚感が、頭の中を腐汁のように満たしていた。他のことは何も考えていなかった。
少しだけ分けてもらえばいいか、なんて、そんな甘えた声はもはや自分の声ではなかった。

いや、それこそが自分の声だった。
俺は、最初からそういう生き物だ。
頭の先から爪先までそんな確信が満たしていた。
そうでない自分のことなど、すっかり忘れてしまったようだった。

眠る者に聞こえないように、そっと扉を開く。

俺はどうして我慢なんてしていたんだっけ?
ああ、そうだ。

獲物が眠るまで待つためじゃないか。

牧志 浩太
だめな方向に落ち着き払ってしまっているし、点火しようかな。>お香
KP
あーあー。
牧志の強さが変な方向にぃー
牧志 浩太
中途半端に我慢したのが一番だめな方向に向かってしまった。
KP
獲物はあなたが侵入していることに気付いた様子もなく深く眠っている。
安心しているのか。
疲労しているのか。
何にせよあなたにとっては好都合だった。
獲物は無防備だ。
簡単に奪えるだろう。

そもそもこの獲物の力は弱いので、警戒する必要もなかったはずだが……
牧志 浩太
サイドテーブルに置いた香炉に香を置いて、火をつける。
今にも吸いつきたくてたまらなかったが、前のように性急に吸って、もし殺してしまったら取り返しがつかない。

力が弱い?
そんな訳はない。例えCOMPがなくたって、驚くべき機転を備えていることくらい知っている。
だって、この獲物は佐倉さんだ。油断なんてしていられる相手じゃない。

香の匂いを深く吸い込んで、心を落ち着ける。
この匂いをすっかりあの芳しい血の香りと入れ替える瞬間を思い浮かべて、胸が高鳴った。

さあ、
──頂きます。
何に対してか分からない祈りを落として、首筋に食らいついた。

※香を1袋使用します。
逆転
KP
やだぁ、理性的に襲ってくる!
佐倉と真逆だ。いいぞぉ。
牧志 浩太
・あそこまで必死に我慢しようとしていて失敗したっていうことは、緊張が切れた瞬間に反転して完全に呑まれちゃったかなって
・衝動に呑まれていく毎に「吸血鬼である自分」を自然に思い始めてしまうというのも危うくていいかなと
朝になって牧志が思い出したらめちゃくちゃ愕然とするやつ。
KP
佐倉がどうしていいか分かんなくなるぞコレ。
完全に暴走してるってんならまだ飲み込みやすいんだけど、牧志が牧志のまま襲ってくるのは怖すぎる。
牧志 浩太
サイドテーブルの香に火をつける手つきとか、頭に手を添えて首を上向かせる手つきが穏やかそうですしね、この感じだと。穏やかな割に有無を言わせない力の強さ。

これはもしかしたら「安全な部屋」が活きる展開になるかもしれない。
KP
しれない。

KP
あなたが牙を立てようとした瞬間、獲物は目を開いたようだった。
「何だよ、やっぱり来たのかよ」
苦笑するような声が耳をかすった。
(もしかしたらワンチャン、耐えてくれるかと思ったんだけどなぁ)

牙が皮膚を破り、首に突き刺さってゆく。
獲物は半分声にならないような苦痛の声を上げた。
待ちに待った血が、あなたが欲した味が流れ込んでくる。
牧志 浩太
苦笑するような声が耳を貫いて、何か胸の中のどこかに刺さった気がした。
それが何処だったのか探る間もなく、鼻腔から腹の奥まで埋め尽くす甘い甘い味に、思考が吹き飛ぶ。

吹き飛んだ後に残るのは感覚と本能だけだ。
これが俺の獲物。俺はこれを喰らう生き物。
そんな実感が口の中をやさしく染めて腹へと落ちていく。

香の穏やかな香りがふと嗅覚を撫でて、ふとすれば狂乱に陥りそうな興奮を落ち着けてくれた。

ああ、まだ夜は長い。
急ぐことはない。
ゆっくりと、この味を楽しもう。
KP
獲物はなにか耳元で声もなくつぶやき続けていた。
それは誰かへの呼びかけのようにも聞こえたし、何か数を数えているようにも聞こえたし、最終的には支離滅裂だった。
あなたが思うさま腹を満たす頃には、声は途切れ、空を掻く指先がベッドに落ち、目を見開いたままの体が微かに震えるだけになった。

死んではいない。
また明日も味わえるだろう。

牧志のHPは全快。
佐倉は牧志のダメージ分減少
HP10→6

両者《SANチェック成功時減少 1失敗時減少 1d3
【POW】×5に成功したら1軽減。
牧志 浩太
HP 7 → 11
1d100 60 Sasa BOT 1d100→75→失敗
1d100 71 《SANチェック》 Sasa BOT 1d100→23→成功
SAN 71 → 70
佐倉 光
1d100 72 《SANチェック》 Sasa BOT 1d100→21→成功
FANBOX開設したで
1d100 75 POW Sasa BOT 1d100→100→致命的失敗ファンブル
SAN 72→71
牧志 浩太
WAO
KP
まあお香失敗しただけなんで……
むしろ牧志がお香焚いた上で問答無用で襲ってくるという状況に恐怖してしまった。
牧志 浩太
牧志が牧志のまま襲ってきた状況があまりにも恐怖だったか……
KP
牧志はこのままベッドで寝るかな?
牧志 浩太
気持ちよくベッドで寝ますね。
KP
ではどっちが先に起きるか勝負だ。
【CON】×5!
牧志 浩太
1d100 60 CON Sasa BOT 1d100→83→失敗
気持ちよく寝てる!
佐倉 光
1d100 30 Sasa BOT 1d100→20→成功
牧志 浩太
夜に何を思って何をしてしまったかを全部思い出してしまって、恐慌に陥りながら佐倉さんから離れようとする牧志をお楽しみに。
佐倉さんの方が起きるの先だから、もしかしたら既に同じ部屋にいないかもしれないけど。



2日目 朝


佐倉 光
1d2+1
1d2
Sasa BOT 1d2+1→2+1→合計3
HP 6→9
牧志 浩太
1d4 朝のダメージ
1d4→2
HP 11 → 9

佐倉 光
目が、覚めた。
覚めたことに驚く。
昨日、絶対死んだと覚悟したのだ。

耐えてくれたのだ、と思っていた牧志が真夜中過ぎにいきなり襲ってきた。
まあそれ自体は半分覚悟はしていた。
あいつ随分辛そうだったし、あと一回くらいならまだ行ける、と思ったし。

だけど

ベッドサイドテーブルを見ると、昨日の香の香りがまだ漂っていた。
佐倉 光
あんなのありかよ。
襲ってきたのは正気を失った化け物じゃなくて、
間違いなく俺が知っている牧志だったぞ、あれは。
全く遠慮なしにがっつり吸っていきやがって。

牧志が牧志だって時にも油断できないってんじゃ、俺は一体どうしたらいいんだよ。
このままじゃ俺はいつか、『牧志に殺される』。

横を見ると、牧志が眠っていた。
その寝方は、いつも遊びに来ているときとまるで変わらないのに、白い肌は少し乾いていて、口元から牙が覗いていた。

「冗談じゃないんだよ、ったく……」

深いため息をついた。
そして、香炉の横に置いてあった拳銃を手に取り、ベルトに挟み込む。
佐倉 光
幸い、今朝は軽い頭痛がするだけだ。
キャビネットから見つけたという錠剤を一粒持って、
眠っている牧志を起こさないように一階のキッチンへ行き食事をしよう。

食事中、キッチンのカーテンと窓を開け、換気をした。
外の空気がとてもすがすがしく感じた。

このままでは俺は数日で死ぬだろう。
考えなければ……。

鉄剤を摂取。
1d100 30 【CON】鉄剤 Sasa BOT 1d100→13→成功
HP 9→10
KP
※同室にいた方が良ければ佐倉が戻ってから目覚めるし、いない方が良ければ佐倉が下で食事中に牧志の目が覚めます。
牧志 浩太
はた、と目が覚める。
たらふく血を吸って眠る夢を見ていたような気がした。

ああ、もう朝か……。

床に手をついて身を起こすと、柔らかい感触が掌を受け止めた。

え?
慌てて辺りを見回す。

そこはダイニングルームの冷たい床の上ではなく、寝室のベッドの中だった。

「え、え、……あ、ああ、」
その光景を見た瞬間、バスケットをひっくり返すように、鮮やかに記憶が蘇ってきた。

俺は、眠ってしまってて、目を覚まして、真夜中だった、そうだ、寝室に向かって、

あの時俺は何を考えてた?
寝入ってるのを見て、これまで随分我慢したって、これで吸えるって、……佐倉さんは俺のこと信じて戻ってきてくれたのに、俺は。

前と違って、我を失ってなんていなかった。
目の前にいるのが、佐倉さんだって分かっていた。
声だって聞こえていた。
聞こえていたのに、俺は、佐倉さんのこと、獲物としか見ていなかった。

ああ、だめだ。思った以上に俺、だめみたいだ。佐倉さんは横にいなかった。当然だ、こんな状態の俺と一緒に行動できるわけがない。
身体を包む怠さと重さのせいか、あの激しい飢餓感は少しだけ和らいでいた。
腹の底を打つのはどうしようもない孤独感だった。

佐倉さんを殺したくない。
死にたくない。
置いていかれたくない。

けど。

身体を引きずるようにベッドを降りて、壁際で背を丸める。昨日見つけた拘束具の手枷をお守りのように手に持った。

※佐倉さんが下で食事中に目を覚ましました。
※拘束具はまだ使ってはいません。(持ってるだけ)
佐倉 光
この状況から逃れたければ、簡単だ。
ドアから出て麓を目指す。
非力な俺にも何も難しいことじゃない。

何もただ逃げる訳じゃない。何とかしてみんなに連絡とって、助けて貰う。
バーの奴らならきっと何か対処法を知ってる。
あの屋敷には通信機器や電話の類いはなかった。
LANのジャックも見当たらなかった。
俺たちの荷物を取り戻せれば連絡ができるかもしれない。
佐倉 光
しかしその間牧志はどうなる。
夜に出て町で血を吸える? 動物とか、そう、血液製剤とか。
血液製剤は、ないな。ある場所は教えといたんだ、可能なら昨日やってる。動物だってあいつのことだ、とっくに試したんじゃないか。
町まで降りて吸血。まるきり悪魔だな。距離的に無理かもしれない。

そうしたら?

孤独が何より辛いと言っていた牧志を置き去りにする。
正気を失うような飢えを抱えて、あいつは何日生きられるんだ。

俺の血を吸った量から考えて、常に付きまとっているらしい飢えから考えて、吸わずにいられる時間はそう長くないんだ。
俺はどんな形であれ、親友を永遠に失うだろうな。

もう失っているのかもしれない。
佐倉 光
キッチンの窓を閉めてカーテンを隙間なく閉じる。
牧志が本当に悪魔になったというなら、それなりの対処をするだけだ。
あいつのためにも、俺のためにも。


寝室に戻る。
牧志 浩太
「……、佐倉さん」
壁際で背を丸めたまま、気配を感じて微かに顔を上げる。
手の中に、お守りか何かのように手枷を握りしめている。

声は、昨日に比べて驚くほど弱々しかった。
あれだけ血を吸って、朝とはいえ弱ってはいないのだろうに。
KP
ドアが開く。
佐倉が部屋に入ってきた。
その腰には銀の弾丸が装填された拳銃が挟まれている事が分かるだろう。
その目が壁際で縮こまっているあなたに向く。
表情はあまりにも厳しく、真剣なものだった。

佐倉 光
持っているのは手枷か……『正気に戻って』今は『こちら側』ってわけだな。
だからって気を抜いてなあなあにするわけにはいかない。
あいつが人間の側でいようと、悪魔の側でいようと、
俺は『牧志浩太』と話す必要がある。

KP
彼は距離を開けたままで問いかけてくる。
佐倉 光
「牧志。俺と交渉をする気はあるか?

俺はお前に協力する。だからお前は俺を殺すな」
牧志 浩太
牧志の状態があんまりにあんまりなせいで佐倉さんの葛藤が非常に重くて楽しい。

鬼の駅にてに続いて、佐倉さんにそういう葛藤二度も投げてしまっていますな、そういえば。今度は牧志のせいじゃないとはいえ。

そういえば夜あれだったせいで、生餌の情報をまだ共有できていないのでした。共有したらどうなるかなぁ。
KP
共有したらこの「提案」は無意味なものになるかな。
佐倉を死なせないことは牧志の側にとっても利点というか死にたくないなら必須だし。
牧志 浩太
おっ、これは交渉の途中でいいタイミングで共有したい。
牧志 浩太
声に反応して、ふっと顔を上げる。
もう死んでしまったのかと思わせるような、憔悴した赤い眼。

その眼が最後に絞り出すような光を帯びた。
あまりにも厳しく真剣な眼と、向き合うための光だった。

「あるよ。ただ、その交渉、意味がなくなるかもしれない」
佐倉 光
「意味がない? どういう事だ?」
KP
あなたの言葉が予想外だったのか、顔をしかめた。
牧志 浩太
「あれから一つだけ、分かったことがあるんだ。
あいつは、吸血鬼を外に出さないために、俺に呪いをかけていったらしい。

その呪いのせいで、俺は佐倉さんの血しか飲めないし、佐倉さんが死んだら、俺も飢えて死ぬ……」

手枷を持った手に僅かに力が籠もり、きしりと鳴った。

「俺の方が弱いんだ。俺は佐倉さんを殺せない、殺したら俺もお終いだ」
佐倉 光
「だからって吸う量減らして、ってわけにもいかねぇだろ、食事は命に直結してんだ。
まいったな……思ったより余裕がない」
KP
佐倉はため息をついた。
佐倉 光
「ってことは、俺達の命はお前の理性頼みか。
勢い余って俺が吸い殺されたら二人とも終わる。
そこは最低限死守してくれよな。

できたとしてもぎりぎりで生きていける日数、そんなに多くない。
あくまで俺の感覚だけどな。
吸われた後翌日に響いてんだ、そんなの普通に考えて一週間ともたない」
KP
佐倉はあなたが手にしている手枷をちらと見た。
佐倉 光
「牧志。そんな物持ってる場合じゃない」

「生き残りたいなら全力で足掻く必要がある。
他に見つけたものはないか?
ゴンドラは駄目だ、あっちからは逃げられない。人も来ない。
山を降りるなら徒歩しかない」
そういえば本は佐倉に見せますか?
っていうか訊くか……こっちの方が先だったな。

「その情報、どこにあったんだ?」
牧志 浩太
「……そうだな、その通りだ。丸まってる場合じゃないよな」

手に持っていた手枷を横に置いた。丸めていた背を壁に預け、傍らに落ちていた本を拾う。

「ごめん、佐倉さん。ありがとう。へこんでる場合じゃないな」

佐倉さんはそれこそ、逃げてしまえば十分だった。それでもまだ、戻ってきてくれた。
あんなことになって、まだ。

それなら俺が凹んでる場合じゃないな。

佐倉さんに向けて、問題の呪文が書かれたページを広げる。
よからぬそうだん
牧志 浩太
めちゃくちゃ凹んだ牧志を佐倉さんが引っ張り上げる展開再び

佐倉さんの時と近い展開になってきたので、牧志は深夜が来るごとに吸血鬼としての自分に呑まれちゃってもor呑まれかけちゃっても面白いかもしれない
KP
一回佐倉、外に逃げようと思ってますw
牧志 浩太
ほっほー
いいと思います。
KP
追われてでも、悩みながら何となくでも、夜でも昼でもいいけど、家の外には出る。
牧志 浩太
昼だったら牧志は追いかけられないけど、夜だったら反転して追いかけそう。でもDEX佐倉さんの方が上なんだよなっていう。
KP
昼だって「あっつい!」ってなるだけだからいけるいける!
まあそのぶん後で吸われるけど。
牧志 浩太
後で吸っちゃうけど。
陽光の中で灰になる牧志もありえるけど、HP11あるから朝ダメージ最大の時でも死ぬまで半日以上かかるんですよね。半端にHP2~3くらい残って我慢失敗したら佐倉さん殺してしまいかねない。

牧志 浩太
「ダイニングルームに落ちてたんだ。何だか分からない文字だけど、なぜか俺には読めた。
それこそ、知ってるみたいに、だ。

それからこの本、書き込みがある」

距離を保ったまま、ページをめくって示す。
KP
佐倉は本を覗き込み、唸った。
佐倉 光
「書き込みはあるな、確かに。あいつのかな。マジで地獄に落ちろよクソが」
言ってからページを何枚かめくる。
「お前、これが読めたのか。俺にはさっぱりだ。
内容はさっき言ってたようなことなのか?」
牧志 浩太
「ああ。あの時、肉切りナイフで刺されたのが、この呪文だったんだろうと思う。

読める、っていうより、何だろうな。知ってることを思い出すような、誰かが横で内容を囁いてくるような、そんな感覚だ。

それから、ここの書き込み。これを書いたのがあいつなら、あいつも同じ目に遭ってたように読める。

なんで俺をそうしたのか、は、まだ分からないけど。
読める部分には、解き方は書いてないみたいだった」
佐倉 光
「呪文か……それは使えるってことだな」
KP
佐倉はしばらく本を睨み付けるようにして考えているようだった。
佐倉 光
「家捜ししよう」
牧志 浩太
「そうしよう。これの解き方がどこかにあるかもしれないし、読めないページの読み方が分かるかもしれない。

……俺は、この昼は休んでおくよ。昼に動くのは、結構しんどいみたいだ。その分余計に腹が減るような、そんな気がする」

勢い余って佐倉さんを殺してしまったら、二人ともお終いだ。
それを避けるためには、俺は消耗しすぎない方がいい、はずだ。

……それは、こんな状況で、あんなことになって、まだ。
佐倉さんに頼まなきゃいけないことがある、ってことでもあるけど。
佐倉 光
「分かった。
二階に一つ開かない部屋がある。
何か隠してるかも知れない。
まずは俺達の荷物を見つけたいとこだな」
KP
探して欲しいところあります? なければ客間でも見に行こうかな?
牧志 浩太
「開かない部屋? それ、気になるな。開かないって、鍵が掛かってるとか?

だな。荷物を取り戻したい。スマホとかも、佐倉さんのCOMPも」

荷物。
佐倉さんのCOMPを取り戻せれば、と思った。
ラミアさんにでも取り押さえてもらえば、俺が理性を失っても……。

展開的に佐倉さんが客間を見つけた方が面白そうなので、それで。



2日目 昼


KP
佐倉は別の部屋を見てくる、と言って外に出ていった。
すぐ隣の部屋の扉が開いた音がした。

カーテンの隙間から差し込む光はゆっくりと床を這い、じりじりと床を焦がしてゆくように見えた。

KP
触れたドアをよく見ると、全体に細かな文様が刻まれていた。
呪術的な文様のように見える。
佐倉 光
なんだこれ、魔除け?
KP
触れたからと言って何も起こらなかった。
佐倉 光
牧志はこれ、どうなんだろうな?
とにかく中に入る。

牧志 浩太
寝室のベッドに横たわり、布団に潜って目を閉じる。

じっとりと意識を炙ってくる気温と光を意識から追いやり、佐倉さんの背から香る甘い匂いも、思考から追いやる。

佐倉さんの姿が消える度に、心細さと不安が腹の底をつついた。
不安なのか飢えなのかもう分からないそれを、じっと、受け止める。

佐倉さんが逃げてしまったら、どうしよう。そんな思考がずっと腹の底を巡っている。今のうちに捕まえて、そうして……。

そうしたらお終いだな。俺だけで満足に動ける時間は限られてる。いつか佐倉さんを殺してしまって、お終いだ。

思考を閉じて意識を浮かべる。寝よう。身体は怠いし、重い。俺がそういうものなら、寝てしまえるはずだ。
KP
中はあなた方がいた部屋より少し簡素な寝室だ。
ベッド、机、クローゼット、奥には洗面台にトイレまである。
客間だろうか。
佐倉 光
ここの住人が牧志と同じ状態だったとすると……
分厚い遮光カーテン、あの本への書き込みの内容から言って、
ラヴァルがエリザから吸血していたのだろう。
するとエリザがここにいたのだろうか。
1d100 85〈目星〉1
1d100 85 Sasa BOT 1d100→17→成功
KP
ベッドの枕元にメモがある。

▽メモ
日光 ×
聖水 ×
大蒜 ×
十字架 ×
銀の杭
銀の弾
いたずらに傷つけるだけ、という走り書きがされている。
佐倉 光
痛そうなの試さずに済んで助かったな。
てか日光行けるんだ。
灰になって終わりじゃないのか。
あとは本格的にトドメになりそうなヤツか。

腰にある銃に触れる。
しかし確か一発消費されていたはずだ。
試してみたのだろうか?
KP
ベッドの下を覗いてみると、練炭と火鉢があった。
佐倉 光
ああー……下にあった肉焼いたら美味そう。
佐倉 光
こんな所に置くな。危ねぇから。
もうひとつの用途? そんなもん考える価値もない。

1d100 85〈図書館〉 Sasa BOT 1d100→71→成功
KP
机には医学書が何冊か置かれていた。
貧血についての知識と、点滴・輸血の手順が書かれている。
佐倉 光
いやー……手順が分かっても、消毒とかさー。
一応覚えておくけど。

1d100 85〈目星〉2 Sasa BOT 1d100→88→失敗
KP
クローゼットには女物の服が詰まっている。
服は多すぎてかき分けてもかき分けても奥が見えない。
佐倉 光
やっぱりここにはエリザがいたのか。
さっきの寝室にはキングサイズのベッドがあったことを考えると、
後でこっちに移って、ここで寝ていた。
多分、吸血鬼から身を守るために。
KP
ほかは一般的な家庭にあるようなものが置いてある。
壁にはラヴァルとエリザが寄り添う写真が飾られていた。
佐倉 光
避難所、ってとこか……
あまり収穫はなかったな。

もしかすると大収穫だったんじゃないか?

とにかくメモと本持って寝室に戻ろう。
KP
銀の杭見逃しちゃった。
後でまたこの部屋見なきゃなぁ~。

KP
あなたは人が入ってくる物音で目覚めた。
かちん、と部屋の電気が点けられる。
佐倉 光
「はずれ、隣の部屋大したもんなかったよ」
KP
言いながら佐倉がベッド脇に紙きれを置いた。
佐倉 光
「あったのはこのメモと点滴のやり方説明書くらいのもんだ」
牧志 浩太
魔除け? のことを言わないんだなぁ。
KP
体のだるさはすっきりと抜け、感覚が冴えてきている。
牧志 浩太
「メモ? ……ああー、試してみたのか……。外に出ても、すぐ灰になったりするわけじゃないんだな」

ベッドから身を起こし、距離を保ったままメモを見る。
次第に感覚が鋭くなり、漂ってくる甘い匂いを強く感じるようになってきていた。

ああ、早く吸いたい。
眼を見る度にそんな思いが過るのを、自覚しては無視し続けている。

「俺は……。そろそろ動けそうだ。少し気になってたんだけど、一階にさ、ダイニングとキッチンとバスルームと、あるとしたらリビング。

それ以外に、もう一つ扉があったような気がするんだ。

あれ、物置かもしれない」

廊下の奥で捕らえて、物置に追い込んで、佐倉さんを捕まえる姿がいくつもいくつも頭の中に浮かぶのを無視し続けている。
佐倉 光
「物置か。何かあるかもな……そういう所に鍵はなさそうだけど。
昨日リビングを調べようかと思ってたんだ。
人の出入りの多い部屋には何か残っているかも知れないだろ」
牧志 浩太
「ああ、確かに。
荷物があるかもしれないと思ったんだ、物置は。
開かない部屋に隠されてるかもしれないけど、物置に押し込まれてるとか、ありそうだ」
佐倉 光
「確かに。じゃあ手分けしよう。
物置とリビングだな」
牧志 浩太
「ああ。……そうだ、その、佐倉さん」
少し、口ごもる。
それを口に出す事は躊躇われたけど、話すなら今しかないとも思っていた。

決心して口を開く。

「今のうちに。夜のことを、話しておきたい。
夜になったら、ちゃんと話せなくなるかもしれないから」

佐倉さん、逃げてしまうかな。と、弱気な心が傾いた。
けど。

それで、佐倉さんがもし、逃げてしまうなら。
言わなくてもたぶん、どこかで同じことになる。

逃がしても逃がさなくても同じなんだ。
この呪いだけでもどうにかしないと、俺はいずれ死ぬ。
佐倉 光
「そうか。
俺も夜のお前については聞きたいと思ってた。
知っておくにこした事はないな。

今のお前はわりかしいつも通りに見える。
たまに身の危険を感じることはあるけどな、正直。
昨日の夜はどういう状態だった?」
KP
心なしか佐倉の視線が鋭くなったような気がする。
牧志 浩太
夜のことを思い出すのには、躊躇いを覚えた。
けど、これも共有しておいた方がいいのには間違いない。
佐倉さんが……、いざという時、俺に対処するのにも役に立つ。

「一度気を失うまでは、ダイニングルームの奥でずっと我慢してたんだ。その時は、我慢しようって気持ちはまだあった。

気がついたら、寝室の前にいたんだ。

その時の俺は、最初からこういう生き物だったような気がしてた。我慢していた理由も……、忘れてた。

殺してしまったら不味いって気持ちはあったけど、もう血を吸えなくなったら困るとしか考えてなかった。

目の前にいるのが佐倉さんだってことは分かってた。
佐倉さんが強くて、機転が利くってことも分かってた。
でも、その時の俺は、佐倉さんのことを獲物としか見てなかった。
焦らずに、ゆっくり味わおうとすら……、考えてた」

自分で喋りながら、声が震えていた。
その時の俺は俺だった。俺なのに、今必死に否定しようとしているようなことを、自然に考えて、自然に感じていた。
佐倉 光
1d100 55〈心理学〉 Sasa BOT 1d100→68→失敗

「夜になるほど吸血鬼度が上がって、
人間の意識や行動をねじ曲げる感じなのかな。
寄生生物の意識に乗っ取られると言うより、
一時的に上書きされてて、その度合いが強くなる感じか……

我を忘れるという感じではないなら、むしろいいかもしれない。
さっき俺が言ったことも忘れないでいてくれるだろ。
無視はするかも知れないけどさ。

あとは……どうにかなる物でもなさそうだけど、あまり痛くしないで欲しい。
毎度痛すぎて声は出ないわ思考は止まるわ気絶するわで割と辛い。
正直死なないと言われてもあの痛みがきつすぎて逃げ出したくなる」
KP
今回も噛み付きに麻酔・催淫効果ないやつだからなぁ。
牧志 浩太
なんですよね。遠慮なく痛い。
牧志 浩太
「そうだな、そういう感じで合ってる……、のかもしれない。最初に完全に我を忘れてた時以外は、乗っ取られたって感じはないんだ。
記憶はちゃんと繋がってて、後で思い出して愕然とする。なんであんなこと考えてたんだろう、って。

ううん、そんなに痛いのか……。困ったな。吸い方工夫したらましになったりしないかな……」
佐倉 光
「あんまり期待しない方が良さそうだ。
俺は今日もここで寝るから。
無言で襲うのはナシな」
牧志 浩太
「……なあ、佐倉さん。そんな話の後で、悪いんだけどさ」
その話を聞いて、余計に躊躇いながら話を続ける。
佐倉 光
無言で話を促す。
牧志 浩太
「昼に、考えてたんだ。……佐倉さんを殺してしまわないために、どうすればいいか。
たぶん、たぶんだけど、俺は消耗すればするほど、その消耗を血で癒したくなる。

だから……、その。あまり消耗しすぎると、不味い。血を吸い過ぎてしまう、かもしれない。

今度こそ、我慢するけど……、明日は、ごめん。頼るかもしれない」
佐倉 光
「今のお前はそう考えてる、ってことだな。分かった」
牧志 浩太
「そう。今の俺は、そう考えてる。
……この考えが、本当に冷静なのかどうか、俺にも分からないんだ。もしかしたら俺は、死にたくないだけかもしれない……。でも、そう考えてはいる」
佐倉 光
「そりゃ誰だって死にたくないよ。俺だってそうだ。
助かるために動こうぜ。
今は割と調子よさそうだし、頼りにしてるよ」
牧志 浩太
「ああ……、そうだな」
もりあがるなかのひとたち
KP
今のところ協力する気だけど、あまりにも希望のない情報ばかり出たり、雑に扱われたりすると、逃げることを考え始めます!
牧志 浩太
でも希望のある情報が出てくるのは今の所開かない書斎なんですよネー。
KP
ネー
あまり遊びすぎてラスボスに負けちゃっても困るから程々にな二人とも!
牧志 浩太
それはそう!
拘束具どうしようかな~ 佐倉さんが逃げようとするタイミングまで取っておくか、今夜使って場合によってはホラー展開になるか
KP
それはこわいw
佐倉銃持ってるからねぇ、拘束したくもなるかぁ。
こんな冷静な話した相手が夜中に拘束して無理矢理吸血してくるとか怖すぎんよ。
牧志 浩太
今夜使う場合、牧志が自分自身を拘束して寝る(で、拘束具を破壊して襲ってくるかもしれない)展開ですね。

逃げるタイミングまで取っておいた場合&逃げたのが夜間の場合、今度こそ逃げないように佐倉さんを拘束しようとするかもしれない。(昼の牧志はやらない)
んでどっちにしようかなーってなっております。
KP
なるほどー。それもまた。
じゃあ佐倉に拘束具つけさせといて、夜中に引きちぎって出てくるか。
どっちも楽しそうですね!
描写してないヤツにマズルガードと首輪もあるんでお好きに……
牧志 浩太
佐倉さん拘束するのは他の物(ベッドシーツとか)でもできるかもしれないし、今夜使うかな!
KP
まあ力で叶わないから抑えつけられたら終了ですしねー
牧志 浩太
力で敵わないから押さえつけられたら終了 vs 昼の間に逃げられたらそれでお終い
KP
雑談にうつつを抜かしてしまった。本編本編。
牧志 浩太
今後の展望も楽しくてつい。



ひとこと
佐倉 光
誰よりも傷つけたくない人の血の味を、ゆっくりと愉しんでしまう。
誰よりも信じている人が、その人の目をしたままで平然と襲ってくる。
二人の正気と命は一体いつまで保つのだろうか。

どこに何があるか知っているが故、有益な情報はガンガン後回しにされます。
二周目っていろいろ余裕があるせいか、演出長めになりがち。


CoC『欠落コディペンデント』牧志&佐倉 2

※※※ さわってしまった! ※※※

CoC『meow!!』牧志&佐倉 1

猫とこっくりさんやっている奇妙な青年は、おおいに人目を集めたようだ。

【置】CoC『夢の果てならきみが正しい』 佐倉&牧志 6

確かめに行くって決めたんだ。

【クトゥルフ神話TRPG】
本作は、「 株式会社アークライト  」及び「株式会社KADOKAWA」が権利を有する『クトゥルフ神話TRPG』の二次創作物です。

Call of Cthulhu is copyright ©1981, 2015, 2019 by Chaosium Inc. ;all rights reserved. Arranged by Arclight Inc.
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