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こちらには『blood red decadence』
ネタバレがあります。


本編見る!
佐倉 光
「詰んでるじゃねぇか」
ぽつりと呟いた。
牧志 浩太
「佐倉さん?」
怪訝そうに牧志が振り返る気配がした。
あなたの声に含まれた重さに気づいたのだろう。
佐倉 光
「俺に感染うつったってことは、あの野郎は完全に吸血鬼になってるのか。
あいつはおそらくもと食餌じゃないから、あいつが親玉。
けど逃げられたならもうどうしようもない。
いや、そいつを殺しても俺が助かるって訳でもないからな、大して意味はないか」

この本に載っている情報は、正体を明かしてはくれたが絶望的だ。

牧志には簡単に説明する。
この屋敷の主が寄生生物に取り憑かれた吸血鬼の親玉で、次に寄生生物のいわゆる子は自分に取り憑いたらしいこと。
自分も人間としての命を失えば完全な吸血鬼になること。
親玉を倒せば自分も死ぬらしいこと。

そして、倒し方。

「この本は、割と頭がおかしくなるやつだから、なるべくなら読まない方がいい。
大事なことは俺が話した内容だけ、あとは豆知識だ」

机の上に本を置く。
万一必要なときにまた読めるようにだ。


これがあるからこの部屋は塞がれていたのかも知れない。
俺が自己犠牲精神を発揮して殺しに行く。そんなのを防ぐために?
牧志にとってはあまり変わらないか。逃げればいいだけだ。
一応、他にも犠牲者を増やさないために殺すって選択肢はできた。

しかし、倒し方を隠すため、にしては
ご丁寧に銀の弾丸を込めた銃は部屋に置き去りだったみたいだな。
それに都合が悪いなら本を暖炉で燃やせば良かったんじゃないのか?
そんな余裕もなくなっていたということだろうか。

この部屋を見つける前に俺が『運良く』死ぬよう仕向けるためだとしたら、だいぶクソだけどな。

※いつも通り、口には出してないつもりだけど漏れててもいい。
牧志視点
牧志 浩太
銀の── 弾丸。
懐に入れた銃がずしりと重く感じた。

吸血鬼を殺す方法はあった。
けど、それは、佐倉さんを殺す方法だ。

俺は死なないで済む。
他の人達が、死ぬこともない。

でも、佐倉さんは。

牧志 浩太
『詰んでる』。
その呟きの意味を知り、彼の顔がはっきりと一瞬、青ざめた。

悔しそうに拳を握り、俯いて…… すぐに首を振る。
牧志 浩太
手の中で鍵だろうか、小さくチャリと音を立てた。

そうだ、まだ考えてる。
彼がそう小さく呟いたのが、あなたの鋭くなっていく聴覚に、血をたっぷりと湛えた心臓の鼓動する音とともに届いた。
牧志視点
牧志 浩太
そうだ。
佐倉さんは、まだ考えている。

まだ考えてるんだ。

佐倉さんの声は、まだ諦めきって打ちひしがれたような、そんな声じゃなかった。
そうだ、考えよう。変な所はないか。──矛盾は。その中に、突破口は、ないか。

それから諦めても遅くはない。

そこに願望の色があったのは否定しないけど、
まあ、俺が諦めたくはないから、いいかな。

手の中で、鍵がチャリと鳴った。

牧志 浩太
「そうだ、いくつか変な所がある」

長いような短いような沈黙のあと、彼がぽつりと口を開いた。
慎重に、指折り数えるような声だった。
佐倉 光
牧志の声を聞いて、このお人好しめ、と苦笑する。
牧志は一人で逃げてもいい筈なのだ。最初から。
牧志 浩太
「あいつが吸血鬼の親玉なら、佐倉さんに感染うつして逃げるつもりだったなら。

自分を唯一殺せる武器を、どうして部屋に置き去りにしていたんだ。

余裕がなかったのかもしれないけど、迷い込んでくる不運な奴を招いて晩餐なんてしてる間に、エリザさんが料理を取りに行った時にでも、いくらでも隠せたはずだ。

俺達が気を失ってる間に逃げられる、と確信していたから、わざわざ隠したりしなかった?」
佐倉 光
「武器を残した理由は、正直分からないな。
最初は俺に感染うつして無関係になったからかと思ったけど、
さっきの本によるとあいつが吸血鬼だという事実は変わらないみたいだし。
感染者への慈悲? そんなことがあるかな……
大体これで弱点撃てば死ぬとは書かれているけど、具体的に体のどこなのかはわかんねぇ」
佐倉 光
そういや『太陽神経叢』はしらん。牧志教えて。
KP
『太陽神経叢』について知っているかどうかは〈医学〉で判定。牧志にその言葉を伝えて聞くなら、牧志も判定可能。
佐倉 光
1d100 12 牧志と牧志は知ってるかなー。 Sasa BOT 1d100→51→失敗
しらなーい
「牧志、太陽神経叢ってどこのことだか知ってるか?」
牧志 浩太
1d100 31〈医学〉 Sasa BOT 1d100→24→成功

「太陽神経叢? ちょっと待ってくれ、聞き覚えが…… ああ、思い出した。鳩尾のあたりに広がる神経系じゃなかったかな。放射状に広がってるからそういう呼び方をする、ってことだったと思う」
佐倉 光
「鳩尾か。ああ、なるほど。
何かが入り込んだと感じるのもそこだ、間違いないな」
牧志 浩太
「今思えばあの雨、変だったような気もする。いくら天気が変わりやすいっていっても、まるで追いかけてくるようだった」
佐倉 光
「雨? ああ、そういえば。
山の天気は変わりやすいっていうから、あまり気にしていなかったな。
次の吸血鬼候補を作る必要はあったから、天候を操って犠牲者呼び込んで?
……エリザを犠牲者にしないためかな。大した愛の物語だ」
これは言いながらもあまり信じていない。
天候が異常だったかどうかは一応考えておこう。
牧志 浩太
「佐倉さんに感染させた理由だって、分かってない。逃げる力でも蓄えるために、食事をとってから逃げるつもりだった、ただそれだけか?」
佐倉 光
「俺を感染させた理由は、『吸血鬼になったから』以外にあるのか?
それこそ俺自身がエサだって仮説も立てたけど、違いそうだし。
変態や産卵みたいな、必要な行動だったんじゃないか?」
牧志 浩太
「エリザさんは酷い貧血を起こしていた。実はどちらも吸血鬼で、彼女のための血が足りなかった?」
佐倉 光
「エリザも吸血鬼、ってパターンか。
尚更、俺達の血を吸うでもなく放置した理由が分からないなぁ。
それに俺なら血を吸ってから犠牲者にするけど」

言ってから、何となく気まずそうに続ける。
「自分の血は凄まじく不味くて飲めないんだ。
普通の食物も一切食えない。
その吸血鬼としての必要な行動として犠牲者を増やす前に、
まず自分の食欲を満たしたくなるのは不自然じゃないと思う」
血の話ばかりしていたら、頭がぼうっとしてきた。
欲望に呑まれる。息詰まりそうだ。
牧志視点
牧志 浩太
そうだ。自分の食欲を満たすためだけに、佐倉さんの血を吸って。
その結果、佐倉さんが感染しただけだとしても。
それなら、俺が無事のまま放置されている理由が分からない。

二人とも吸血鬼なら、さぞかし腹が減ってただろうし。
一人だけなら、彼女がそうじゃなく、佐倉さんがそうなった理由も分からない。

牧志 浩太
「分からないな。
まだ、分からない所があるな、佐倉さん」

彼の声はあなたと自身に呼びかけ、言い聞かせるようだった。
慎重に、慎重に語るその声は、あなたの死を怖れていた。
あなたがそれを選ぼうとするのではないかと、怖れていた。
佐倉 光
「大丈夫、俺はまだ死ぬ気はないよ。
1冊で納得する気はないんだ。3冊は別作者のが読みたいところだけど。
少なくともここにはまだ読める物がありそうだ。
楽観的になれる材料が欲しいところだな」
ちら、と上を見る。
佐倉 光
まあ、この手のゲームで書物が嘘をつくことは基本ないし、同じ事象について書かれた書物が何冊も出てきたりはあまりしないんだけどね!
ゲームの書物と占い師、嘘つかない。
KP
わかる。

それぞれ違うこと言ってる書物がバラバラに出てくるようなシナリオやっても、それはそれで面白そう。いつぞやのドリームランドのときも、そういう話出てましたね。

KP
夜が少しずつ近づいてくるのが聞こえた。
佐倉 光
躊躇っている暇はない。これは必要なことだ。
一度長く息を吸い、意志力を込めて牧志の目を見つめる。
これは吸血鬼としての欲によるものじゃない、
あくまで人間、佐倉光として考えた上での頼みだ。


「俺は血を吸わないと早晩完全な化け物になる。
だけどぎりぎりまで足掻く気でいるんだ。
さっき言ったとおり、この屋敷を隅まで見るまで納得する気はない。

だから、頼む。俺に時間をくれ。
お前の血を、俺にくれ」

彼がノーと言ったとき、襲いかからずにいられるだろうか。
そんな一抹の不安を抱えて。
牧志 浩太
彼は静かにあなたを見て、あなたの眼に視線を合わせる。
悪魔使いの眼と勘のいい青年の眼が、同時にあなたの眼の奥を覗き込んでいた。

あなたの状態を。あなたの生命力を。あなたに残された時間を。……あなたの思考の奥にある炎の色を。
隅々まで知ろうとする眼だった。
1d100 76〈心理学〉 Sasa BOT 1d100→11→成功
牧志視点
KP
爛々と輝く眼から、真っ赤に欲が滴るようだった。
彼の眼はぎらぎらと光り、
彼の舌は落ち着きなく牙を舐めては戻り、
唇は枯れたように青ざめて、
その手は頼りなく震えて、

それでも彼は真っ直ぐにあなたを見つめていた。
牧志 浩太
その燃えるような意志で誓うように。
それなら、答えは一つだけだ。

牧志 浩太
「ああ」

それは、彼が考えた上で頷いていると、あなたに知らせるためにそうしているような、何となくそんな風にも感じさせた。

「勿論だ。最初からそうするつもりだった、って言うと語弊があるかな。勿論俺だって死ぬつもりはないし、犠牲になるつもりもない。

でも諦めるつもりもないんだ。佐倉さんと同じでさ」

彼は首筋に巻かれたハンカチに手をかけ、するりと解いた。
佐倉 光
剥き出しになった真っ赤な痣と、ほとんど塞がった牙の痕跡が目に飛び込んで来るなり、歓喜が迸った。
またあの素晴らしい血を味わえる。
その途端、視界が急激にぼやけてそこしか見えなくなる。
相手のことなどお構いなしに今すぐ組み伏せて噛み付きたいという強い衝動に駆られた。

一歩、踏み出す。呼吸が荒くなる。
胸元で金属の星が揺れ、軽く胸にぶつかった。

目の前にいるのは誰だ?


慌てて牧志に背を向ける。
一瞬、完全に目の前の相手を見失っていた。

さっきの言葉は本当に人間の自分の言葉だったのか?
吸血鬼が言葉巧みに餌にありつこうとした結果ではないと断言できるか?
急速に自信がなくなってゆく。

言葉で、理屈で考えろ。
正気を失った者が自らを閉じ込めていた部屋にいては、それもままならない。

「ここだと素晴らしく惨めな気分になれそうだ。上に行こう。
言い忘れてた、倉庫に俺達の大体の荷物があるよ。COMPはないけど」
辛うじて目をそらし、早口に言うと地下から出た。そのまま逃げるように二階へ上がる。
牧志視点
牧志 浩太
(あー……、やりすぎたな。ごめん、佐倉さん)
少し気まずくなって頬を掻く。調子に乗り過ぎたかもしれない。
そりゃ、目の前に突然出されたら、かぶりつきたくなるよな。

KP
少し遅れて、後ろから彼がついてくる足音がした。物置で荷物を探し、持ってきたようだった。
佐倉 光
最初「化け物になったら退治してくれていいよ」って言ったことになってたけど、
そんなしおらしいこと言わないで、たのしい悪魔ライフに切り替えることを考えるなと思ったので消しました。
※牧志が逃げるために攻撃してくるならそれはそれでしょーがないし必要だと思ったから武器渡した
ぎりぎりまで人でいたいけど、悪魔になったらなったで悪魔として生きるつもり。
波照間さんあたりに「俺と契約しない?」って言いに行く。少なくとも今はそのつもりですね。


【2日目・深夜】


KP
地下を出ると、屋敷は相変わらず静まり返っていた。

もうすっかり陽が落ちているのか、カーテンの隙間から射してくるのは薄青い月光だった。
佐倉 光
牧志も食事しなきゃならないよね。
KP
なきゃならないですね。
シーンの合間に摂ってたことにしてもいいですし、必要であれば食事シーン挟んでもいいです。
佐倉 光
うーん。
今日は一日吸ってないから先に食事させてもらうか?
その方が牧志の食事を邪魔しなくて済みそうw
KP
じゃあその流れで、このまま吸血シーンに入った方が流れ的にも綺麗ですしね

佐倉 光
ずっと下を向いたままで部屋に入る。
さっき牧志に食事をさせてくれと願ったときの決意は大分削がれてしまっていた。
「献血する時みたいに、寝転がって腕出してもらえるかな」
その先の言葉を口にするのには随分と逡巡した。
「首は、隠しておいてくれ、目の毒だ……」
牧志 浩太
「ああー……、何だかごめん」
彼は頷いて、首にハンカチを巻き直す。
KP
辺りに充満する匂いは重く濃くなり、傷口を隠したとしても、もはやそれを思考から追い出すことは困難になりはじめていた。
牧志視点
牧志 浩太
(今から血を吸われにいくっていうのも、変な気分だ。痛いのは……、うん、忘れよう。考えないようにしよう。力、抜いたほうが血が出やすいよな、たぶん? 腕のこと考えてると逆に力が入るな……)

牧志 浩太
「これはこれで、逆に緊張するな」
腕をまくり、彼はベッドに横たわった。
KP
あなたの前にさらけ出された腕には、緊張で少し力が入っているようだった。
欲を煽る中の人たち
佐倉 光
今日は最初から腕でお願いするつもりだったけど、首見せられておおいに揺らいだ。
KP
牧志が思い切ってしまったせいで危うく。
佐倉 光
これ途中で余計なこと言われたら首行くからなw
KP
うっかり巻いていたハンカチがずれればいいんです?
佐倉 光
いやあ、欲に流されている最中に見えたらヤバいね!
でも今日はどっちかというと牧志に気を遣ってもらう方が流れ的に面白いかもw
KP
明日もありますしね。じゃあそうしよう。

佐倉 光
ベッド脇に腰掛け、伸ばされた彼の腕を手に取る。
顔を近づけると待ちわびた甘い香りがした。
軽く舌先で前腕の血管をなぞってポイントを捜す。
太くて柔らかい血管が皮膚にほど近い場所。
間違っても神経を傷つけてはいけない、と思うが、
神経のよけ方など分からなかった。
ともあれ狙いを定める。
牧志 浩太
肌を辿られる感覚に、彼が僅かに呻く。
牧志視点
牧志 浩太
牙が腕を這う。食事用のフォークのような、鈍い鋭さを感じた。
腕の筋を這うぞわぞわとした感覚が、体内を這い上られるようで声が出る。
自分の心臓の鼓動が、いやにうるさく聞こえる。

これからここに牙が突き刺さる。
俎板の上に乗せられて調理を待つような、健康診断で注射針を待つ時のような、
言葉にしがたい変な感情が渦巻いた。

KP
極限まで鋭敏になった感覚は、彼の肉体のどこに血が流れているか、どこにあなたの餌があるのか、はっきりと教えてくれる。
柔らかい管が舌先に触れた。痺れに似た歓喜が、期待感があなたを襲う。
牧志 浩太
「行けそう?」
少し不安そうな声。
佐倉 光
言葉に応えるように腕に牙をゆっくりと差し込む。
牙の先が肌を突き破り血管に触れ、その壁に穴を開ける。
たちまち牙を伝って生命の味が流れ込んでくる。
血の味は前にも増して甘く、欠けた体が満たされてゆくようだった。
求めていたのはこれだ。
これがなくては生きられない。
こうあるべきなのだ。
牧志視点
牧志 浩太
──あ。
牙が皮膚を突き破った瞬間に覚えたのは、どうしようもない絶望感のような感覚だった。
走った痛みに腕が跳ね、抵抗しそうになるのを、咄嗟に手を伸ばして抑え込む。

突き立てられた牙と繋がっているような気がした。
そこに穴が開いて、俺そのものが佐倉さんの口の中へと漏れ出していく。
どうしようもなく空虚で、絶望的で、触れた唇が動くたびに激痛が走るのをすら、どこか遠くで眺めている気がした。

それが命を奪われるってことだった。
地獄の蓋が微かに見えた気がした。

牧志 浩太
「あ、」

牙を突き立てている皮膚が、ひくりと震えたのを感じられた。
思わず腕が跳ねそうになるのを、彼はもう片方の腕で押さえ込む。

苦痛かそれとも違和感か、う、あ、という微かな呻き声。彼は腕を差し出したまま、身体を丸めて生命を奪われる感覚に耐えていた。
佐倉 光
その震えを感じ、一瞬、罪悪感に囚われた。
だがそれはすぐさま深紅の流れに押し流される。
もっと欲しい、味わいたい。
ただひたすらに血を啜ることを望んでいる。
だというのに

前腕の血管は首ほど太くはない。血量も少ない。
貫通しないように、と思うと顎を浮かせるような格好になる。
牧志はなるべく動かないようにしてくれているのは分かるが、
やはり腕は動き、牙がずれる。
血潮の甘みは望む量得られない。
これでは腹が満たされるまで一体どのくらい時間がかかるだろう!
気がつけば苛立った獣が唸るような声が漏れ出していた。
牧志視点
牧志 浩太
ふと、もどかしそうに唸る声が腕に響いた。
眠気に似た重さに吞み込まれそうになるのを堪えて、目を開ける。
頭を僅かに擡げて覗き込めば、苛立った様子で腕に牙を這わせる佐倉さんがいた。

そうか、俺の腕が動いてしまうから、うまく吸えないんだ。

牧志 浩太
「さくら……、さん」
彼の頭が緩やかに持ち上げられる。半分閉じかけた眼が、意識を襲う眠気に似た感覚に耐えながら、あなたを心配そうに覗き込んでいた。
KP
その眼にあなたの顔が映っていた。
赤い眼を爛々と輝かせた獣の貌だった。
牧志 浩太
「大丈夫か……、足りない? もう少し、力、込めてもいいから……」
霧の中を彷徨うような声が朧げにあなたを気遣った。
佐倉 光
『声』を聞いて、それが『牧志の声』だと理解し、
自分をのぞき込む者が『牧志である』と思い出した途端に頭が冷える。
真っ赤な目の獣も怯えたような目を見開いてこちらを見つめていた。

また我を忘れかけていた。
知性のない獣のような振る舞いをした。
あくまでこれは人間である自分を生きながらえさせるための
儀式のようなものだというのに。

「いや……このままでいい」

何とか言葉になった。
それから先はひたすら、血への渇望が収まるまで甘美な罪悪感を啜り続けた。
KP
佐倉さん、HP全回復。
佐倉さんの回復分と同じだけ、牧志のHPが減ります。

また、二人とも《SANチェック成功時減少 1失敗時減少 1D3》。
佐倉 光
あっ。お香とかお茶忘れてるw
それどころじゃなかったし仕方ないな。
減少値はなんと二日動いてるのに驚きの4である。
KP
そう、こちらもうっかりしてた。>忘れてた
佐倉 光
1d100 68 san Sasa BOT 1d100→60→成功
SAN 68→67
KP
1d100 65 《SANチェック
Sasa BOT 1d100→58→成功
SAN 65 → 64
HP 11 → 7
佐倉 光
明日は4よりは減ってくれるとRP上有り難いなw さすがに朝と昼行動で越えると思うんだけど。
KP
次回も出目が最小だったらもはや意地


【3日目・朝】


KP
佐倉さんのHP-1d4。
牧志のHP+1d2+1。
佐倉 光
佐倉 HP 10
1d4 Sasa BOT 1d4→4
へったわ。フラストレーションか。
HP 10→6
KP
1d2+1 Sasa BOT 1d2+1→2+1→合計3
かもしれない。日数が経過してより完全な化け物に近づいているということかもしれない。
牧志 浩太
HP 7 → 10
牧志はここで鉄剤を1錠使用。
HP 10 → 11

KP
ふっとあなたの意識が覚める。
佐倉 光
目覚めは悪かった。
昨日ほど体が重くはなかったが、
ひたすらに喉が渇くいた時のようなひりつく感覚がまとわりついていた。
何だか頭が重い。床に踊る太陽の光が忌まわしい。
KP
あなたはベッドに寄りかかるようにして、意識を失ってしまっていたようだ。

傍らに牧志の腕が投げ出されていた。鉄剤のパッケージが床に落ちているのが、重くぼやける視界に映った。
佐倉 光
体を引きずるようにしてベッドと窓から離れる。
この体になってから調子が良かったためしがない。
牧志が持ってきてくれた荷物をチェックしながら起きるのを待とう。
牧志 浩太
「うう、おはよう、佐倉さん……」

牧志が額を押さえながら、身を起こした。
怠そうではあるが、幸い、必要以上に血の気が引いているようなことはなさそうだった。

荷物を確認すると、COMPを除き、荷物からなくなった物はなさそうだ。
佐倉 光
「おはよう」
顔色を見て大丈夫そうだな、と思う。
「昨日俺のせいで飯食い損ねただろ。悪い」
牧志視点
KP
あなたは佐倉の顔色を確認する。
相変わらず肌に血の気は全くないが、昨夜の消耗ぶりに比べると、
どことなく全身に力が戻っているように見えた。
牧志 浩太
(よかった。顔色、ましになったな。
……俺の血を吸ったのが、そんなに効いたんだな。不思議な気分だ)

牧志 浩太
「ああ、そういえば。何か起きるかもしれないと思ってさ、昼多めに食ってたから大丈夫。

……顔色、ましになったな。よかった」
佐倉 光
「まあな、昨日よりは。
今日は太陽が眩しいな……」
眠そうな声に少し苛立ちが混じっていた。
妙な寝方をしたせいか、体にのしかかる眠気が強い。
牧志 浩太
「そうだな。
朝に少し見てきたけど、よく晴れてるみたいだ」
KP
あなたの声に混じる苛立ちに、彼は何となく気づいているようだった。
サイドテーブルに置かれたタッパーを開け、頂きます、と小さく呟いて中に入った料理を食べ始める。

あなたはその中身に何の感覚を覚えることもなかったが、牧志の歯が肉を噛みちぎる姿は、腕に噛みつく自らの牙を思わせた。

彼の腕には一並びの傷跡が残っていた。
牧志視点
牧志 浩太
(何だか視線を感じるな……。まだ足りないってことはないよな?)

佐倉 光
牧志の食事から自分の食事を想起したが、昨日ほどの衝動は感じなかった。
だが同時に昨日ほどの罪悪感も感じなかった。
牧志が食事をしている間に、また屋敷を軽く見回って、ここの主が戻ってきていないか調べよう。(フレーバー調査)
KP
屋敷は変わらず、薄暗い静けさに包まれていた。一周して戻ってくる間に、人影や痕跡を見かけることはなかった。

カーテンの僅かな隙間から、陽光が廊下に細い線を描いていた。
佐倉 光
部屋に戻る。
「屋敷の様子は変わってない」
牧志の食事が終わっていたら、探索を始めようと促す。
牧志 浩太
部屋に戻ると、ちょうど食事を終えた所のようだった。


【3日目・昼】


牧志 浩太
「こう何日もうろついてて様子が変わらないってことは、本当にもう逃げた……、んだろうな。

気になるのは、例の書斎かな。佐倉さんはどうする、動けそう?」
佐倉 光
「ああ、急ぎたいから俺も調べる」
佐倉 光
探索的には意味ないけど、一緒に行くか、書斎。
絶対二人とも気になるヤツだしね。
PL的には1Fの未探索の部屋も気になるけどね。

とりあえず流れ重視で書斎に行こう。
KP
彼は頷いて立ち上がる。
寝室の向かいにある書斎の扉に、変わらず開かれた様子はなかった。
牧志視点
牧志 浩太
期待と、怖さが入り混じった感情を覚えながら、佐倉さんが鍵を開けるのを見ていた。
ここに、望むものがなかったらどうしよう。
いや、きっと何かがあるはずだ。

どちらにも根拠はなくて、
その感情をひとまず棚上げして、目の前のものに集中することにした。

佐倉 光
鍵を開ける。
KP
カチャリ、と音がして、鍵が開く。厚みのある扉を押し開けると、そこには本の山や紙類が散乱した、雑然とした空間があった。

あの地下室とは異なり、何者かが暴れたのではなく、単純に整理されていないようだ。

しっかりとした造りの本棚や、よく磨き上げられた書斎机を、本の山や紙類がすっかり埋めてしまっていた。
牧志 浩太
「うわ、ごちゃごちゃだな」
佐倉 光
「折角の書斎が泣くぜ」
鼻を鳴らして近くの本の上に指を滑らせる。
埃は積もっている?
KP
僅かに積もった埃はここ数日のものだろう。殆ど埃はなく、この書斎は最近まで使われていたらしい。
佐倉 光
「ちぇ。まあ、とりあえず見てみよう。あとはあの男に大した教養がなくて情報を見逃したことを祈ろう」
まずは書斎机から見るかな。
KP
机の上には、いくつかの本が開いたままにされていた。
その中で一つ、研究資料らしい手書きのノートを見つける。

ニーオス・コルガイという言葉があなたの目に留まった。

それは書物のコピーなどが貼りつけられたノートだった。判読しづらい箇所には注釈が施されている。

それは英語で書かれていたが、スマートフォンを使いながら読んでいけば、整理された短い記述の部分については意味を拾うことができそうだ。

 〈英語〉〈図書館〉のいずれかで判定。
また、〈目星〉でもう一つ分かることがある。
佐倉 光
どちらも85だ
1d100 85〈図書館〉 Sasa BOT 1d100→75→成功
FANBOX開設したで
1d100 85〈目星〉 Sasa BOT 1d100→81→成功
KP
あなたは本の間に、見覚えのある光を見つける。
──あなたの腕輪だ!
そして、研究ノートには以下のような内容が書かれていた。
▽研究ノート

>ニーオス・コルガイに全ての生命力を奪われた者は急速に身体が萎れ、歩く屍の如き姿となる。

--
どうも私にはそのようなことは起こっていない。さらに、妻の血液を飲んだが妻は吸血鬼化していないところを見ると、この「吸血鬼病」と今の私の状態は違うように思える。

>宇宙吸血鬼とその犠牲者は一種の繋がりを持つ。

―――
自身の精神に集中し、私の中に巣食うニーオス・コルガイの精神に接触することに成功した。
奴は非常に傷ついており、回復に全ての力を使っているように思えた。

これらのことから思うに、私の生命力を吸う力も残っていないのではないだろうか? そして、その半端な力がこの私を吸血鬼化させているのではないだろうか。

私がエリザを殺してしまう前に、この事態を何とかしなければ。
佐倉 光
「ニーオス・コルガイか……」
手書きのノートを手に取り、取り戻したスマートフォンを使って翻訳かけつつ読む。
随分熱心に研究していたみたいだ。まあ当然だろうけど。
実際今の俺達も似たようなことをしているわけだし。

読み進めるうち、眉間の皺が深くなる。
希望はあるのかも知れない。
この男は何とかしようとしていた。
手立てを探して、愛する人を守ろうとして。

しかし俺に感染させた。
もう逃げるためだけではないような気がしている。

「話が違うな。やっぱりここに来て正解だった。けど……」
牧志 浩太
「何が書いてあったんだ? 話が違うってことは、何か手がかりになりそうなんだよな?」
佐倉 光
COMPを発見して喜びの声を上げかけたが、あることに思い至って眉を寄せる。
どうしてこの腕輪がわざわざここに置かれていた?
これがある程度重要なものだと分かっていて、餌にしたんじゃないのか?
「……やっぱり俺達、協力させられてない?」
誰にともなくぼそりと呟いた。
牧志 浩太
「協力させられてるにしても、見えるものを追うしかないのが、難しい所だな」

あなたの手に腕輪がある姿を見て、彼が少しほっとしたような表情を浮かべた。
佐倉 光
「ああ、少しばかり良いニュースだ、多分」
どうやら大本の存在が力を失い、
下で見つけた本に書いてあったような絶望的な状況ではないかも知れないことを伝える。

それと同時に、こんな有益な情報と一緒にCOMPが置かれていたこと。
「まあ、悪魔繋がりでCOMPを調べていた可能性もあるけど、
俺にはわざとここに置いたんじゃないかと思える」

今までに何度も見てきた、
災厄に呑まれて苦しみながらあがき、少しずつ手がかりを残して消えてゆく先人達。
そんなにおいを感じた。
牧志 浩太
「そうか……、俺達に探させ、道を見つけさせるためにこうした、っていうのは、考え過ぎかな」

彼がぽつりと呟いた。いま自分達の身に起きていることを、その張本人らしい男をどう解釈していいか迷っているような声だった。
「まあ、だからって佐倉さん巻き込んでいいってわけじゃないけどさ。

COMP、動きそう?」

彼は小さく背を伸ばして、話を変えた。
佐倉 光
「どうかな……今の俺に反応してくれるかどうか」
腕輪に指を滑らせ、起動してみる。
KP
腕輪のモニター部分が数度、困惑するように光った。
頼りなげな速度で形を変えると、どうにか見慣れた籠手の形を取る。
佐倉 光
少しほっとした。なんとなくぎこちない手付きでコマンドを送る。
「まずは、現状把握……」
自分と牧志に《アナライズ》します。
KP
あなたは自分にCOMPを向ける。

モニター部分が頼りなく明滅し、
[HUMAN]
[ERROR]
の2つの表示が、入れ替わりながら現れた。

牧志にCOMPを向けると、表示は[HUMAN]で安定する。

COMPの動作はどうにも不安定だった。抵抗するように、腕輪の形に戻ろうとする。

今のあなたに使われることに、COMPが困惑しているようにも見えた。
あるいはそうではなく、不安定なのは、あなたの方なのかもしれなかった。
牧志 浩太
「何だか調子悪いな、COMP」
籠手の表面に、少し遠くからCOMPのモニターを覗く牧志の顔がちらりと映っていた。
佐倉 光
「そうだな。
まあ半分人間判定貰っただけでも上々かな」
肩をすくめて腕輪に戻す。
「ちょっと召喚を試す気にはなれないな。
帰還コマンド打ったら俺が戻されそうだ」

まあでも、こいつが反応してくれなくなったら潮時、という判断材料にはなるな。
なんとなく冷めた頭でそんなことを考えた。

「さてと、少しやる気が出たぞ。気合い入れて探すか!」
本棚に向き直る。
KP
本棚には吸血鬼に纏わる伝承や血液についての資料、医学書などが詰められていた。

〈目星〉または、〈図書館〉で判定。
佐倉 光
1d100 85〈図書館〉 Sasa BOT 1d100→87→失敗
あらー
助けて牧志
KP
1d100 82〈図書館〉 Sasa BOT 1d100→35→成功

佐倉 光
いつも通り、関係ない情報に気を引かれまくった。
KP
牧志の手に、大量に付箋のついた本があった。

吸血鬼、あるいは血を吸う悪霊についてのあらゆる伝承を集めた書物のようだが、そこに何か、別の本のページが挟み込まれている。
牧志 浩太
「何か挟み込まれてるみたいだ。この本よりだいぶ古そうだけど」

東洋の吸血鬼伝承と南米のUMAの共通点についての本に気を取られているあなたに、牧志が声をかける。
佐倉 光
「なあ牧志、チュパカブラとひえんまのさぁ……えっ、あ、ああ!」
言われて気が散っていたことに気がついた。
夜中、どうしても辛かったらここに閉じ籠るのもいいかもしれない。
「なにか見つけたのか? いやこっちは気にしなくていいから」
取り繕うように応える。
牧志 浩太
「えっ、チュパカブラ?
うん。この本なんだけど、古い本のページが挟み込まれてるみたいだ。何て書いてあるかは分からないんだけど」

彼は本のページを開き、あなたに見せる。
▽本の一節
吸血鬼は人を愛すると、その相手の血しか飲めなくなるという。

という一節の下に乱れた字で、「いっそ愛を捨ててしまえば、エリザは私の牙を逃れられるのか」と書かれていた。

その上に覆いかぶさるように古い本のページが挟まれており、付箋がもう一つ。そちらには妙に冷静な字で、「その状態を人工的に引き起こす呪文を見つけた。これで餌を用意してやれば、他人に移したとしても、被害者は一人で済む それでいいのか」と、自問するように書かれていた。
▽古い本のページ
見知らぬ文字で書かれている、朽ちかけた本のページだ。
あなたがそれを見ると、どうしてかその意味が頭の中に浮かび上がってくる。

生餌の生成の呪い
 吸血鬼に他者を襲わせないようにする呪い。
 この呪文は人外である者のみが使用できる。

 生餌とする人間が肉を喰らうのに用いた刃物を吸血鬼の手の甲に突き刺し、以下の呪文を唱える。

 吸血鬼は生餌以外の血液以外を飲むことができなくなり、生餌の血液を求めて激しい衝動に苛まれる。生餌の死によって、吸血鬼はいずれ飢えて滅びるだろう。
佐倉 光
「ふざけやがって……」
思わず声が漏れた。
「ふざけんなふざけんなふざけんな! なんで俺と牧志なんだ! 大体俺は吸血鬼じゃねぇし!
やっぱあいつらが仕組んだんじゃねぇか!」
昼間がもたらすだるさと眠気をも忘れさせる激しい怒りを吐き散らした。
牧志 浩太
「……」
怒りを吐き散らすあなたの傍らで、牧志はその文章をじっと睨んでいた。その視線は鋭く、何か気がかりな事をその中から探し出すような眼だった。
牧志視点
牧志 浩太
(何だ。この文章、何かが気になる。
気のせいかもしれないけど……、地下室で、俺達は同じことを考えた気がする。

何だ。何だ?)

佐倉 光
「情報が足りねぇ! くそ!」
喚いて部屋を出る。
「まだ見てない部屋見てくる!」

もしまだ情報があったり、牧志に呼び止められたり、しない場合は次の探索時間へ続く。
KP
外へ出ようとしたところで、1回〈目星〉
佐倉 光
1d100 85〈目星〉 Sasa BOT 1d100→91→失敗
牧志 浩太
1d100 89〈目星〉 Sasa BOT 1d100→25→成功
「待ってくれ、佐倉さん」
彼はじっと考え込みながら、足元に積み上がった本と紙束の山を見下ろしていた。
そして、それらの中から一冊のノートを拾い上げる。
佐倉 光
足を止める。
「何だよ……」
圧し殺した声には殺気じみたものが混ざっていた。
牧志 浩太
「さっきの文章、違和感があったんだ。あいつは外国の人みたいだから、確証はなかったけど。

感染させることも、確かに移すって言うけどさ。真っ先に思い浮かぶのは、どこかからどこかへ何かを移動する、って意味だろ」

彼はあなたの声に混じる凶暴な色を受け止めながら、静かに続ける。
「あいつの目的、これだったんじゃないかと思うんだ」
KP
彼がページを開く。
そこには複雑な呪文が刻まれていた。その発音を読み解き、正しく発音できるようになるには相応の時間がかかるだろう。
▽呪文のノート
ニーオス・コルガイは現在の宿主から新しい宿主へ移動することが出来る。この能力から強制的に宿主を替えさせる方法を見つけることが、とうとうできた。
《ニーオス・コルガイの強制移動》
これはニーオス・コルガイに憑りつかれている者が、新たな宿主へニーオス・コルガイを強制移動させるための呪文である。

術者は MP1d3 と SAN 値 1d3 を消費し、新たな宿主と 【POW】対抗で勝つことが出来れば、ニーオス・コルガイを強制移動させることが出来る。

この呪文を習得するには、2ターン(1日)の時間がかかる。
《人寄せの呪文》
人外である者が犠牲者を呼び寄せるために使う呪文である。術者は MP1d3 と SAN1d2 を消費することで、濃い霧あるいは雨で住処を取り巻き、次の犠牲者を呼び寄せることができる。

この呪文を習得するには、1 ターン(1/2 日)の時間がかかる。
佐倉 光
「………」
深いため息をついた。
「何だよ。ほんと、ふざけんなよ」

「あいつはどこかで拾ってきた寄生生物に取り憑かれているのが嫌になって、誰かに押し付けることにしたんだ。
そしてご丁寧に、自分から離れた寄生生物が死にやすくなるように、餌を用意して?
餌が死んでも逃げても吸血鬼は死ぬ。
ああ、犠牲は最小限だな。自分は助かり、被害は広がらない。最高だな。俺なら新しい宿主が起きる前に、生餌を殺しておくけどな」

抑揚のない声で言葉を吐いて、牧志に手を出す。
「その本、寄越せよ」
牧志 浩太
「……本当にな」
彼は俯いて、頷く。少し躊躇って、あなたに本を渡した。
牧志視点
牧志 浩太
手段はあった。
俺も、佐倉さんも助かる手段。

それでいいなんて言い切れなかった。俺は。
きっと、いまこうやって苦しんでいる佐倉さん自身も、そうなんだろう。

最後に誰を優先するか。
そんな話を、暗く崩落した館の中で、佐倉さんとしたのを思い出した。

KP
薄暗い書斎に外の光はほとんど入らない。
扉の向こうの廊下で、床に線を描く陽光が橙色に染まっていた。
佐倉 光
うーん、こんな情報来るかぁ。図ったようなタイミングだな。
KP
前回といい流れが丁度いいところに丁度いい情報来てKPはにこにこしています。
佐倉 光
今晩が楽しみだなぁ。
必要なのかどうかよく分からんが、とりあえず佐倉は怒っているので移植魔法を覚えようと思う!
KP
いいと思う。
佐倉 光
《呼び寄せ》はともかく、こっちは用途が一応考えられるからな!


ひとこと
佐倉 光
黒幕の真意は何か?
いやそもそも黒幕なんてものが存在するのか?

錯綜する情報を追ううち夜は訪れる。


【置】CoC『青白い馬』 波照間&東雲 2

「あなたはその時まで一緒にいてくれる?」
「もし、一緒にいられるのなら」

【置】CoC『夢の果てならきみが正しい』 佐倉&牧志 3

それらはあなた達にとって大いに見覚えがあった。
何ならあなたはそれらを男が半狂乱で取り出している映像を見た。
牧志はその握り拳大の塊を自分の手で抉り出した。

【置】CoC『blood red decadence』Side:B 牧志&佐倉 1

どうしてか、錠の降りる音がはっきりと聞こえた気がして、一度振り返った。

【クトゥルフ神話TRPG】
本作は、「 株式会社アークライト  」及び「株式会社KADOKAWA」が権利を有する『クトゥルフ神話TRPG』の二次創作物です。

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Call of Cthulhu is a registered trademark of Chaosium Inc.
PUBLISHED BY KADOKAWA CORPORATION 「クトゥルフ神話TRPG」


世界樹の迷宮SRS 『森への扉』1

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『森への扉』1

インセイン『赤い糸』山崎&歳田 1

「……どしたん、急に黙っちゃって。悩み事なら聞くぜ?」
「……アホか。目の前に悩み事がおってからに」