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こちらには『blood red decadence』
ネタバレがあります。


本編見る!


【1日目・夕】


KP
牧志は客間の調査。佐倉さんはどの部屋を調べますか?
佐倉 光
とりあえず何かかにかありそうな物置から行ってみるか。

よし、やっと目が覚めてきた。

比較的元々夜型だったけど、牧志と出歩くようになってからは昼の活動が増えて、割とまともな時間帯に動くようになっていた。
こんな感覚は久しぶりだ。

食物が限られる・太陽がつらいという欠点がつくのだ、おそらく傷の治りが早いことの他にも何かしら利点があって欲しいものだが……

(コウモリに変身して空を飛ぶとか。霧に変身して攻撃をかわすとか。狼に変身して戦闘力上がるとか)
努めて明るく考えようとしているわけではないが、なんとなく肯定的な想像ができた。
そこまでできれば便利かも知れない。
KP
残念ながら、自分の中に意識を当ててみても、狼やコウモリに変身できそうな感覚はない。
佐倉 光
まあー、それができるのはあくまで親のヴァンパイアと、そいつに選ばれた特別なやつであって、ただ噛み付いて増やされたヤツのほとんどはただのグールになっちゃうイメージ。
KP
わりと作品によるイメージ。どっちも好き。

KP
物置は、最低限の薄暗い明かりで照らされていた。
雑多な品々が詰め込まれ、素っ気ない壁で囲まれたそこに窓はなく、まだ陽は落ちていないはずなのに、真夜中のように感じられて少し安心感を覚える。

隅の方にあなた達の荷物が詰め込まれていた。しかし、あなたの腕輪だけはそこにない。

使われていない家具や日用品が辺りを埋めている。

人ひとりが横たわれそうな長さの、細長い木製の箱があった。

〈目星〉
佐倉 光
1d100 85〈目星〉
土詰まってるかなぁ。 Sasa BOT 1d100→62→成功
KP
木箱の中は空だった。

あなたはその木箱や使われていない家具の下、うっすらと四角い枠のようなものを見つける。

地下収納庫か何かへの入り口だろうか。家具をどかせば開けられるかもしれない。
佐倉 光
家具は一人でどけられそうかな?
KP
あなたの力では到底どけられそうにないが……、あなたはふと、あなたが牧志を襲った時のことを思い出すかもしれない。

彼はあなたをどうにか正気に戻そうと、本気で抵抗していたように見えた。
佐倉 光
そもそもが、俺が牧志を組み伏せたってあたりからしておかしい。
牧志の方が断然力が強いのに。
もしかして、俺の力も化け物級になっていたりしないだろうか。

期待とかすかな不安を込めて、再度力を込めてみる。
俺は非力な人間じゃない。俺は悪魔だ。
この程度のことができないはずがない!
牧志視点
KP
あなたは、魔除けが刻まれていたという客間の前にいる。
確かにここの扉だけ他と様子が違っており、細やかな装飾に紛れて様々な文字が刻まれているのが分かる。
牧志 浩太
物々しい様子に少し身構えつつ、扉を開く。
KP
……何の障害もなく、扉はあっさりと開いた。
室内にはベッド、机、クローゼットに洗面台とトイレと、人間ひとりが生活できるだけの調度品が揃っている。

これは、人間が化け物から避難するために作られた部屋ではないだろうか。それがどれほど、いつまで効果のあったものかは分からないが。
牧志 浩太
(吸血鬼が佐倉さんじゃなけりゃ、役に立つんだけどな。……他にもいる可能性もあるわけだし、一応覚えておくか)
机を確認する。何か現状の手がかりになる書物とか、ないだろうか。
KP
机の上に重ねられているのは医学書だった。
血液の疾患や貧血症状に関するものなど、とにかく血液に纏わるものばかりが集められている。
▽医学書
貧血とは酸素を供給する働きをもつ血液中の赤血球や、その中に含まれるヘモグロビンが減少し、体が酸素不足になる病態を指す。
症状として体の怠さ、息切れ、動悸、めまい、頭痛、食欲低下などがあり、酷い時は失神を起こすこともある。
牧志 浩太
(あの時のエリザさんは酷い貧血を起こしていた。外から見て分かるなんて、よっぽどだ。
よく動けてた……、っていうか、よく生きてたな)
KP
また、点滴や輸血のやり方に関する実践的な本もあった。
▽点滴・輸血の手順書
〈図書館〉成功でこの部屋を調べ終わるターン内に読むことが出来る。失敗した場合は 2 ターン分かかる。
本が読めた場合、点滴や輸血をするときの〈医学〉に+50%の補正が付く。
牧志 浩太
1d100 82 〈図書館〉 Sasa BOT 1d100→56→成功

(実践書? うわ、随分細かいな。読んでるとやれそうな気分になってくるけど、読むとやるとでは大違いだよな。

KP
期待と微かな不安を込めて、あなたは重そうな家具に再び手をかける。

みし、みしみし、みし。

木の軋む音を立て、マホガニー材の巨大な箪笥が、少しずつ、ずりずりと床を引きずりながら動き出す。

時間こそかかったが、あなたは床の一角から全ての家具をどけ、その入り口を露わにすることができた。

大きく息をつき、あなたは気づく。
これは、ただ家具を放り込んだ結果ではない。

家具の重量で、封じていたのだ。
その下から開けられないように。
牧志視点
牧志 浩太
……輸血か、もしかして彼女のためだったのかな)

そんなことを思いつつ、クローゼットを調べる。
もし佐倉さんがあのままだったら、と、一瞬考えた。
KP
クローゼットの中には女性物の服が入っていた。大きさからして、エリザのものではないかと思われる。
〈目星〉
牧志 浩太
1d100 89 Sasa BOT 1d100→73→成功
KP
クローゼットの奥に十字架のネックレスと、それから、剣呑な尖った輝きが見える。

鈍い白銀色。あの銃弾と同じ色。
それは、先から柄まで純銀でできているのだろう、一本の杭だった。
▽銀色の杭
銀製の杭。ダメージ 1d4+db 初期値 25%(〈ナイフ〉扱い)
牧志 浩太
まるで刃物のような鋭さに息を呑み、その重さを確認する。
KP
ずっしりと重い。中まで金属でできているに違いない。
牧志 浩太
(ここは、彼女の部屋だったんだ)
酷い貧血を起こしていた彼女。魔除けに守られた、人ひとり分の部屋。銀の杭。

銃ではなく杭がここにあった理由は分からないけど、ここは、吸血鬼の脅威にさらされている人が閉じこもるための部屋に見えた。そういう人を、守るための部屋だ。
牧志 浩太
部屋の中で閉じこもる人。
その血を求めて泣き叫び、扉を引っ掻き続けながら灰になっていく吸血鬼。

その顔が佐倉さんの顔に見えて、首を振った。

銀の杭を持って、部屋を出て寝室へ戻る。
覚えておこう。
もしこの館に他の、例えば佐倉さんをああした親玉みたいな吸血鬼がいたら、最悪ここに逃げ込めるかもしれない。
KP
部屋の外へ出ると、外はもう夜になっているのか、陽光の代わりに薄青い月光だけが微かにカーテンの下へ線を引いていた。

KP
あなたがその入り口を眺めているか、あるいは開けようとすると、不意に──

一瞬、腹を刺されたように感じたかもしれない。

激痛にすら近い欠乏感があなたを襲う。焼けつくような、切り裂かれるような激しい喉の渇き。

夜になっていたのだ。
陽の射さないこの空間で悪戦苦闘しているうちに、とっくの昔に陽は落ちて、夕餉時も過ぎて、今はもう獣の時間。

腹の奥から湧き出る衝動が背筋を駆け上がり脳を染めて、瞬く間に理性をこそげ落としていく。

ああ、
餌を喰わなければ。
あなたの為の餌を。
KPに相談
佐倉 光
今回のお泊まりって二泊で終わっちゃう可能性あります?(ぎりぎりの確認)
ちょっとやりたい流れがありまして、時間足りるかなと……最低三日欲しいんだよね!
無理そうなら一日目に二日分詰め込む所存。
KP
えっそれはぜひちゃんと三日かけて見たい!!
ここからだと最短で……三日目の昼に終わる可能性がありますね。

速すぎることになりそうなら、こちらで調整…… しちゃいましょうか?

・終盤からでも調整利くやつ: ・とある作業にかかる時間を変更する
・ダイナミックなやつ: ・HP減るイベントを生やす
佐倉 光
あ、じゃあそのへんでお願いします。
KP
おっ、ではそうします。
四日目昼までかかれば大丈夫そうですか? もうちょっと必要?
佐倉 光
いえ、三晩あればやりたいトコまでいけます。
KP
はーい!
それは楽しみわくわく 

シナリオ規約確認し直したところ、「シナリオの意味を損なわなければ改変OK、改変ポイントはリプレイに明記してね」だったので、終わったら改変ポイントを出します。
佐倉 光
はーい、ありがとうございます!
絶対やっておきたかったからお話しして良かった!
KP
それはぜひぜひぜひ見たいから話して下さってよかった!



【1日目・深夜】


佐倉 光
部屋に戻る。が、部屋には入らない。
扉の横から牧志に声をかける。

においを嗅いではいけない。
見てはいけない。
あれは牧志だ。俺の親友だ。エサなんかじゃない。

できる限り平静を装って言う。

「牧志。遅くなって悪かったな、何か見つかったか?
ああ、そのままでいい、こっちには来るな」

「一階の倉庫で胡散臭い地下室を見つけた。
開けるのは慎重になった方がいいかもしれない」

部屋に一切入らないし、牧志の顔を見ないようにして話を聞く。

今回は吸血衝動に抵抗します。
牧志視点
KP
扉の向こうから、ずるり、と舌なめずりをするような音が聞こえた。
物欲しそうに舌を打つ音に混じって、声が聞こえる。

「牧志。遅くなって悪かったな」

あなたの名を呼ぶその声は、はち切れんばかりの衝動を内に宿した獣の声だった。
牧志 浩太
それは、俺の名前を呼ぶのは、佐倉さんの声のはずだ。
「佐倉さん?」
一瞬それが信じられなくて、思わずそう聞いてしまった。

牧志 浩太
「佐倉さん? ……ああ、分かった」

彼はあなたの声を聞いて、小さく息を呑んだ。それを誤魔化すように、見つけたものについて話しだす。
牧志 浩太
「地下室? いかにも何かありそうっていうか、居そうだな。
二人で入ってみるか?

こっちはあの客室で、銀色の杭を見つけた。それから医学書と、輸血の手順書。
こんな所で手順書頼みに輸血なんて、さすがにやる度胸出ないけどな。

後は……、練炭と火鉢。全部解決した後に館を燃やす役くらいにしか立たなそうかな。これは」
幅広いニーズ
佐倉 光
練炭に火鉢に手枷に猿轡……色々なニーズにお答えするシナリオだな。
KP
今回は方向性の関係でカットしている描写・アイテムもあって、それを含めるともっとニーズの方向性が幅広いことになります。
佐倉 光
ああ、恋愛系カットしてるって言ってましたもんね。
KP
そうそう。

KP
顔を見ずとも、扉のすぐ向こうに彼がいるのが、はっきりと分かった。
閉じているはずの扉から微かに、甘い匂いが漏れてくる。

感覚がひどく鋭くなっていた。
狂おしい衝動が、後頭部からあなたの頭蓋をひっきりなしに叩く。

あなたの肉体は、延髄は、ひたすらに餌を望んでいた。

耐えるのならば、【POW】×5 で判定。
佐倉 光
「銀の杭か。まったく、冗談じゃない……」

早く扉を開けてすべきことをしろと訴えかける衝動を、手のひらに爪を食い込ませて耐える。
1d100 85 Sasa BOT 1d100→29→成功

「飯は食っとけよ、美味そうなのが台所に残ってたからさ……」
言って扉から離れる。
「あの倉庫の扉が気になるから、見張りがてら一階で寝る。じゃあな」
KP
あなたは狂おしく頭蓋を叩く衝動に耐え、扉に手をかけようとする自らの手を軋むほどの力で押さえ込み、扉の前から離れることに成功する。
牧志視点
KP
声は、はっきりと苛立っていた。湿った息が間近に感じられるような、欲しくて欲しくてたまらないのだと、はっきりと分かる声。
辛うじて歯の間から漏れ出る声に、荒い息が混じっている。浅く、苦しげな声は、どうにかあなたの耳に届く程の大きさだった。

それなのに、声が扉から離れていく。
牧志 浩太
(佐倉さん……、)
耐えてくれているんだ、と気づく。
そんな衝動に、きっと耐えてくれている。

俺を殺してしまわないために。

佐倉 光
階下に降りて、迷わず倉庫の扉を開ける。さっき見つけた人が入れる程度の箱だ。
衣装箱か、お約束の棺桶か、とにかく牧志と自分を隔ててくれるものなら何でも良かった。
また、自分を悪魔だと自覚できる環境の方が耐えられる気がした。
箱の中で縮こまって朝を待つ。
太陽が早く昇ればいい。
そうしたらきっと、感覚は弱まるし、襲おうなんて体力も気力もなくなる。
牧志視点
KP
一階に降りて食事を摂っていると、物置の方から微かに苦しげな、呻き声のような音が聞こえてくるのに気づいた。
牧志 浩太
(……佐倉さん……)
物置の中でじっと身体を丸め、苦しげに呻きながら、じっと朝を待つ佐倉さんの姿が思い浮かんだ。
手早く食事を摂り、逃げるように二階の寝室に戻る。

KP
夜はどうしてこんなに長いのだろう。

あなたはそれからの時間を、赤く明滅する視界を意識から追いやるために費やした。

まともに眠ることなどできなかった。
一瞬でも気を抜けば、彼がいる二階の寝室に向かって階段を上っていた。
一瞬でも気を抜けば、このまま飢えて死んでしまうんじゃないか、という恐怖が襲った。
一瞬でも気を抜けば、少しならいいんじゃないかとか、案外元気そうな声だったとか、そんな思考が意志を掻き回した。

あまりの苦痛に意識を投げ出して眠ってしまえればと願い、その先にあるものが果たして本当に眠りかどうか分からなかった。
牧志視点
牧志 浩太
それから眠りに落ちるまで、ずっと考えていた。
血を吸う、ということ。
佐倉さんに血を吸われて、確かにふらつく感じはあるけれど、俺はまだ生きていること。
血を失うということ。人間の血液量には余剰があって、少し失っても害はなくて。
もちろん血液量は体格に依存するけど、俺の体格なら……。

もちろん回復には時間がかかるから、毎日吸われればそのうち限界は来るし、
佐倉さんが俺からどれだけの血を吸ったのかも、これから吸うのかも、分からないけど。

それでも。

佐倉 光
真っ赤な泥のなかを溶けながらあがく夢を見たような気がした……

牧志に、客間に行って寝ろと言えば良かった。明日からそうしよう。
そんな思考が切れ切れに過った。
牧志視点
牧志 浩太
(よし)
寝床の中で、一つ決意を固めた。
あの激痛と死を覚悟した感覚、喰われるという絶望感を思い出せば、怖くはあったし、正直怖くてたまらなかったけど。

それでも。
俺だって死にたくないけど、佐倉さんにだって死んでほしくない。

KP
※佐倉さんはHP-1d3・SAN-1d3。
 牧志はHP・SAN減少なし。
佐倉 光
1d3 Sasa BOT 1d3→1
1d3 Sasa BOT 1d3→1
HP 8→7
San 72→71
頑張るね……
KP
佐倉さんの頑張りがすごい……

KP
ああ~いい 佐倉さんは境界を引いて耐えるんだなぁ
佐倉 光
昼探索入る前にちょっと牧志にお願いする!
KP
おっなんだろ!
佐倉 光
受けてくれてもくれなくてもいい。
昼寝ようかと思ってたけど、意外と頑張れそうかな?
あーでも朝ダメージ結構あるしなー


【2日目・朝】


KP
佐倉さん、HP-1d4。
牧志はHP最大のため、HP変動なし。
佐倉 光
1d4 Sasa BOT 1d4→1
HP 7→6
KP
おおおお佐倉さん頑張るな!?
佐倉 光
これはもう悪魔使いの意地だな。
KP
悪魔を使う者としての、境界を引く者としての意地を見た……。
KP
はっと目が開いた。
その時初めて、あなたは自分が意識を失っていたことに気づいた。

身体は気だるく、重く、酷く空腹だった。腕を見れば、噛みついた跡が無数に刻まれていた。

薄暗い物置の中では、どれだけ時間が経ったのか分からなかった。

辛うじて、地面に重く縫い止められたかのような感覚が、朝が来たのではないかと感じさせていた。
佐倉 光
体を引きずるように二階に上がる。
だいぶ体の感覚が鈍く、遠い。
これなら牧志と話しても平気かも知れない。

だるさ辛さを有り難く感じたのは初めてだ。

部屋の扉をノックして、返事があったら扉を開ける。
KP
床に線を描く陽光は、白く眩しかった。
朝どころか、もう昼近いらしい。
牧志 浩太
彼はもう起きて動き出しているのか、返答はなかった。

一階のキッチンの方から、何かいい匂いが漂ってくる。
料理の匂いだ。

それが焼けた脂と卵のいい匂いだということは分かったが、美味そうだとか、味の想像だとか、そういった感覚がついてくることはなかった。
佐倉 光
それじゃ、部屋のベッドに寝転がっていよう。
なるべく血のことは考えないようにして。
そして一晩ぼんやりと考え続けていたことを改めてまとめる。
牧志が戻ってくるのを待とう。
牧志 浩太
「おはよう、ってもう昼か」

少し経って、彼が戻ってくる足音がした。
どうやら朝の間にまとめて色々作っていたらしく、作り置きの料理が入ったタッパーをサイドテーブルに置く。
「意外と庶民的な物もあってよかった。こういう所にタッパーあるのって不思議な感じだな」
佐倉 光
壁際に貼り付いて、牧志の方を見る。
牧志視点
KP
佐倉は、昨日よりも更に消耗しているように見えた。
動作は鈍く、ベッドから身を起こすことにさえ困難が伴うようだった。
血の気のない肌は乾いて見え、手を見れば老いたように皺が寄っている。
それは死にゆく病人と向き合っているように見えた。

その眼の中に、彼の燃えるような意志の光が宿っていた。
その意志が彼をこちらに繋ぎ止めているように見えた。
牧志 浩太
(佐倉さん、)
その燃えるような光が。
生きている、生きようとしていると思わせた。

佐倉 光
「おはよう。そうか、良かった。しばらくは安心だ」
けだるさに集中して食欲のことを忘れるよう務める。

「今日は悪いけど休ませてもらうよ。正直しんどいんだ」
牧志 浩太
「それがいいかもな。俺から見てもしんどそうだ、佐倉さん。

今日はどうしようか。例の地下室、昼のうちに軽く見ておこうか。それか、どこかに鍵がないか、他の場所を探してみるか……」
佐倉 光
「鍵を探そう。あの地下は少し嫌な予感がする、二人で行った方がいいかもしれない」

一度目を閉じ、牧志の目を見て語りかける。

「牧志、俺と契約してくれ。
俺に与える命令は、お前に害を与えないこと、で」
KP
ああああ~そういう!! どう答えるかなぁ
佐倉 光
どう解釈してくれてもいいよ~
牧志視点
牧志 浩太
一度、当惑して。
それからすぐに、意図に気づいた。

悪魔使いにとって契約は絶対だ、そう、佐倉さんが言っていたのを思い出す。

牧志 浩太
彼は一瞬不思議そうに目を瞬き、
それから、ゆっくりと真っ直ぐに視線を合わせた。
ある種の儀式のように。

あなたの肩に、彼の両手が触れる。
牧志視点
牧志 浩太
これが、悪魔と悪魔使いの契約なら。
俺は

牧志 浩太
「分かった。契約しよう、佐倉さん。
あなたは、俺に決して害を与えない。
俺は、あなたに決して害を与えない」

それは命令というよりも、どこか祈りのようでもあり。
呪い(まじない)のようでもあり。
悪魔ともと真摯に向き合う青年の声のようでもあった。
KP
こんなんなりました
佐倉 光
なるほどそうきたか。
真摯に向き合ってくれてありがとう、牧志。
佐倉 光
「なんだよ、それじゃああまり……」
言いかけてため息をついた。
「分かった、それでいい。誓うよ」
息を止めて数秒牧志の目を見つめ、身を離して壁際に戻る。

「すまないな、変なことに付き合わせて。
ただのお呪いだけど、俺には割と大事なことなんだ」
牧志 浩太
「いいよ、気の持ちようって大事だしな。
それに、なんだか懐かしい気分だ」
彼はふっと肩から力を抜いて笑う。
「それじゃ、俺は…… そうだな、リビングでも探してくるよ。
寝室にないっていうんなら、鍵、リビングにあるかもしれないし」
佐倉 光
「ああ、頼むよ、ごめん。
俺は少し、寝る……」
ボソボソと呟いてベッドに潜り込んで丸くなる。
眠れないとしても、情報を遮断してしまいたかった。
KP
牧志が静かにあなたの傍から立ち去っていく。
甘い香りが遠ざかり、惜しい、という気持ちが僅かに頭をもたげた。

目を閉じれば暗闇が訪れる。
気怠く、重く、静かで、何もない暗闇。

ふとあなたは、このまま牧志が外へ逃げてしまって、
ここで一人飢えて、渇いて、狂って、死ぬのではないかという、
途方もない恐怖に襲われた。

……戯言だ。
食欲が思考を惑わしているだけだ。
佐倉 光
恐怖はすぐさま横に追いやられる。
このまま牧志が逃げるならいっそそれでもいい気もした、
まずそれはないだろうな、とすぐ思った。

今この状況で逃亡するくらいなら、
あのとき、瓶詰めの俺を置いて逃げている。とっくに。
あと万一逃げるとしたら、波照間さんあたり寄越してくれて、
正式契約できるようにしてくれる、とかな。
それもまあ、悪くない。俺が生きていればの話だけど。


『害を与えない』って契約に逃亡は該当するのか?
逃亡することで飢え死にを誘発すると知っていたら、契約違反ってことになるか?

そんなくだらないことを暇つぶしに考えながら時間を過ごした。
腑をねじられるような痛みに似た食欲への切望は、だんだん耐えがたくなってきていた。
KP
全ての情報を遮断して、じっと暗闇の中耐えている時間は、
物置の中に閉じこもって朝を待ったあの時間に似ていた。
重く気怠い肉体だけが、辛うじて今が夜ではないことを教えてくれる。
牧志視点
KP
柔らかそうなソファと暖炉のあるリビングルーム。
ここを照らす明かりは少し、他よりも優しい色をしていた。

テーブルの上に本が投げ出されている。
牧志 浩太
テーブルの上の本を読んでみる。
KP
それは吸血鬼について書かれたオカルト本だ。
▽オカルト本
民話や伝説などに登場する存在で、生命の根源とも言われる血を吸い、栄養源とする蘇った死人または不死の存在とされている。
現在では様々な伝承や創作が混在し、厳密に定義することはほぼ 不可能になっている。

多く見られる特徴として、不老不死、日光が苦手、鏡に姿が映らない、瞳が赤い、銀製の武器に弱いなどがある。
十字架が苦手という説は教会の威厳を示す目的や、元の人間の信仰心によるものが大きいとされるため
現在の吸血鬼の特徴としてそぐわないこともある。
牧志 浩太
(まあ、吸血鬼だって色々な人がいるはずだもんな)
ソファに何かないか確認する。
KP
程よい柔らかさがあなたの手を受け止める。特に、何か挟まっていたりはしないようだ。
牧志 浩太
暖炉を見てみる。
KP
暖炉にはこんもりと灰が積もっており、傍らに火かき棒が置かれていた。
〈目星〉/2
牧志 浩太
1d100 (89/2)〈目星〉÷2 Sasa BOT 1d100→64
おっと計算はできなかったか。失敗ですね。

リビングルームを出て、佐倉さんと合流しに寝室へ戻る。



【2日目・夕】


KP
そしてまた夜が近づいてくるのだ。
あなたの意識が、肉体が、感覚が、少しずつ目覚め始める。
牧志視点
KP
彼ははじめ、すっかり死んでいるように見えた。
寝息は耳を澄ませてようやく聞こえるほどで、微動だにしない身体からは生命を感じなかった。
牧志 浩太
声をかけるのが少し怖い。声が返ってこないんじゃないか、そんな恐怖。

牧志 浩太
「佐倉さん、……起きてる?」

渇ききったあなたの意識に、辛うじて声が届いた。
佐倉 光
近づいてくるのは、声をかけられる前からその匂いで気付いていた。
思考の何もかもが、血が欲しい、という強い欲望に引っ張られている。
牧志は何か見つけただろうか。
見つけたら戻ってくるはずだ。
戻ってきたら飲めるな。
といった具合に。

そのたびに「害を与えない」という自らへの枷を思い出す。
形ばかりの物であっても、悪魔使いにとって契約は契約だった。
約束しておいて良かった、と安堵する自分と、
どうしてそんな馬鹿げた約束をしてしまったんだ、と歯がみする自分がいる。

「ああ……目が覚めてきた。
悪いけどこのまま聞くよ」
牧志視点
牧志 浩太
(よかった、生きてる……、)

KP
彼が微かに漏らした息が、この距離であっても聞こえた。
微かな不安を混じらせた、穏やかな安堵の息だった。
よかった、生きてる。と、彼は胸を撫でおろしたようだった。
彼がそう思うほどに、あなたは消耗しているようだった。
牧志 浩太
「リビングに鍵はなかった。
……ってことは、風呂にうっかり置き忘れたとかじゃなきゃ、その地下室なんじゃないかな。

テーブルの上に吸血鬼についての本があったけど、
分かったのは鏡に姿が映らないってことと、銀の武器に弱いってことくらいだ。
あ……、あと、不死ってこともか」
佐倉 光
「こんな面倒な体で不死なんて、むしろ拷問だと思うけどな……分かった、ありがとう」

起き上がり、フードを深く降ろす。
牧志が身近にいると感じるだけで呼吸が速くなる。
牙を突き立てて貪りたい。啜りたい。
気がつけば牧志との攻撃の間合いを計っている自分がいる。

駄目だ。悪魔使いに害を与えるな。
報復で滅びると思え。
牧志視点
KP
荒い息が聞こえる。深く下ろされたフードの向こうで、爛々と輝く目があなたを見ている。
首筋に視線が据えられているのが分かる。
一息に飛び掛かれる間合いを、窺われている。

あなたは、狙われている。
牧志 浩太
濡れた牙の気配を、すぐ傍に感じる。
首筋に牙を突きつけられているような距離に。

知ってる。
そんなに飢えているのに、飛びかかってこないのが、佐倉さんの答えだ。
俺は先輩じゃない。やろうと思えば、簡単にねじ伏せられる。

牧志 浩太
「それから、暖炉があった。灰が積もってて、なんだかあの時を思い出したな」
佐倉 光
「灰か、あの時とは逆だな。
といってもあの時のお前、今の俺の方が凶悪さでは勝ってると思うけど。
何しろ本物だからな」

本物だから血を飲まないと生きられないんだ。
今すぐに

暴走しかかる思考に、冷静なもう一人が釘を刺す。

いや。牧志にはまだ勝てない。そんな時間ではない。やめておけ。

「正直、同じ部屋にはいたくないけど、
開けちまった以上、地下を早いところ何とかしたいな。
昨日何が出てくるか不安で、よく眠れなかったんだ。一緒に行って、先に安眠を確保しよう」

ちゃんと冗談のように聞こえただろうか。

というわけで一緒に地下探索に行きます。
1レスが長文
佐倉 光
すぐレス書いてるのに15分もかかってる~
KP
大ボリュームですごく楽しい~~
佐倉 光
なんか小説みたいな推敲してるなぁ。
これぞ置き卓って感じになってますね。
KP
これも置きでやって本当によかった
こちらも牧志の台詞や挙動を一度打ってから考え直したり、じっくり練り込めて楽しい。

牧志 浩太
「……何しろ本物か。地下から何か出てきたら、その時は心強いな。
よし、それじゃ俺達の安眠のためにいざ行こう」

そう言って彼が立ち上がる。
自然に、彼はあなたの一歩後ろにいた。
牧志 浩太
「……」

ふと沈黙が落ちた。
慎重な彼の眼が、あなたの横顔をじっと見ていた。

あなたとの距離を測り、あなたの状態を窺う眼だった。
そこに宿る色に一片の恐怖が覗き見え、しかし、主たるは恐怖ではなく、
何か冷静な判断と、決意に似た感情のようだった。
牧志視点
牧志 浩太
距離を測る。
どれだけ近づきそうになっているのか、一歩踏み出しそうになっているのか、
こちらを振り返ろうとする足を、どれだけの力を振り絞って止めているのか。

状態を量る。
肌が、顔が唇が、どれだけ萎れて、消耗して、
今にも枯れてしまいそうになっているのか。

そして、ひっそりと一つ覚悟を決めた。

佐倉 光
牧志にそんな態度を取られるのは少し寂しい気もしたが、
そんな感傷的な気分を冷静な自分が鼻で笑う。
むしろ警戒してくれるならその方がいいじゃないか。
佐倉 光
契約して貰えたから遠慮なくそれをストッパーにできる。ちょっぴり気が楽。
KP
やったね。しかしそれでも夜は近づくのでした。
佐倉 光
なんとなく考えてることは分かるけど気付かんとこ。
もう吸血欲抑えるのと空腹でいっぱいいっぱいだからね!
KP
佐倉さん ※ それどころではない! ※ですしね!
佐倉さんの思考が本能に影響されてぐちゃぐちゃになっていて非常に楽しい

佐倉 光
倉庫につくと、目の前に箱が置きっぱなしになっていた。
そそくさとそれを部屋の隅に追いやる。

「この下だ」
牧志視点
KP
彼が押しやった箱は人がひとり入れるくらいの大きさの、細長い箱だった。
牧志 浩太
(……棺桶みたいだな)
映画で見たな。土を中にいっぱいに溜めて、棺桶で……。

牧志 浩太
「これか、なんだか少し怖いな」

扉を引き開けると、地下収納にしては長い階段が見えた。
何の飾り気もない照明が、薄暗くぽつりぽつりと階段を照らしている。

階段を下りていくあなたと彼の足音だけが、静まり返った空間にかつ、かつと響く。

「……いかにもな感じだな」
彼があなたの横に出て、懐に手をやった。
そこには、銀の弾丸を込めた銃がある。
KP
階段の終着点に、空間が見えた。
そこは、人ひとり分の部屋のように見えた。

ベッドが一つ。机と椅子が一揃い。本棚が、ひとつ。
そして、不似合いな業務用の大きな冷蔵庫が、低い駆動音をその場に響かせていた。
佐倉 光
「冷蔵庫……?
中に何か入って……人か?」

考え込む。

「もしかすると、この中に一人残して、もう一人は出かけているのかもな?
留守中に出て行かないように上を塞いでいた?
それにしたって、俺達を自由にしておく意味……
いや、まさか、な」
探索します。
まずは机。特に意味がなければ本棚をよく見るかな。
佐倉 光
そういえば牧志一カ所探索ミスってたよね、この部屋じゃないけど。
牧志 浩太
ミスってますね。リビングの探索の時。
牧志 浩太
「まさかって……」
冷蔵庫の中に、人。
どの可能性にしろ、嫌な可能性しか思い浮かばない。

「……ちなみに佐倉さん、何を考えてる?」
彼は恐々と冷蔵庫を見遣る。
KP
あなたは机に目を向ける。
一見して、机は異様な雰囲気を漂わせていた。
机だけではない、ベッドも、本棚もだ。

机の上や脚には、爪で引っ掻かれた傷が無数に残されていた。
その上に散乱したノートは無残に破られ、本棚の周囲には本が散乱していた。
ベッドシーツは引き裂かれ、頭の来る辺りに点々と血痕が散っていた。

それは何者かが苦痛のあまりにもがき苦しみ、暴れ回ったような痕跡だった。

あなたはふと、
自分がここにいる姿を想像した。

〈目星〉
佐倉 光
「俺達にここの中のヤツを殺させるために放置した可能性をちょっと考えた。
例えば倒せば俺の『これ』を直す方法があるとかさ。
まあ……不確実すぎるし、それならそう言ってくるだろうしそりゃないだろ。

俺がもう少し化け物になって、これからここに閉じ込められる可能性。
それもちょっとどうなんだろう。
分からないが……」

周囲の惨状を見回した。
これを行った者が冷蔵庫の中で眠りについている?
そんなことがあるのだろうか。

「家具がちゃんと用意されてるってことは、
それなりに人間として扱われていたか、人間として扱っていた時期があるってことだ。
いきなりとっ捕まえた人間にそんな扱いをするとも思えない。
普通に何か特別で意味のあるやつがここに閉じ込められていたと考えるべきだろうな」

肩をすくめる。

「あとは……俺自身がここにいるかもしれないヤツのエサって可能性かな。
それにしたって自由にしておく意味が分からない」
1d100 85〈目星〉 Sasa BOT 1d100→51→成功
牧志 浩太
「特別で意味のある人間、か……。
そうなんだよな、やっぱり最初に佐倉さんが言ったように、もう用事は済んでるのか?」
KP
あなたは破かれたノートの中に、ラヴァルという名を見つける。
散乱した紙を集めてみれば、それは一連の手記だった。

読んでみる?
佐倉 光
読みます。

言葉を止めると、空腹が頭をもたげてくる。
手記をのぞき込んでくる牧志の血の匂いばかりがぐるぐると回った。
息を止めて何とか耐える。
KP
▽ラヴァルの手記
それはこの館の主、ラヴァルの手記らしかった。

英語の走り書きと日本語が入り混じったそれは、後になるほど判読しづらく、意味を取りづらくなっていくが、忍耐強く読んでいけば内容が取れそうだった。
佐倉 光
「悪いけど、ちょっと離れてくれるかな……」
このままでは集中できない。
離れて交代で見ることにしよう。
牧志 浩太
「あ、……ごめん」
横で手記を覗き込んでいた彼は、あなたが漏らした声に、はたと気づいて距離を取る。
室内の異様な状態と、あなたと交わす推測に、気づけば普段の距離まで近づいていたのだ。

朧げな燐光の中の黒い物質に触れた時から、私の身体はおかしくなってしまった。思えば、あれが全ての始まりだったのだ。

私の身体はいかなる食物も受けつけてはくれない。唯一この震える喉を通るのは、悍ましいことに人間の生き血のみ。まるで寝物語の吸血鬼のようではないか。

そんな言葉をすら笑うことができなくなってきた。
日を経るごとに渇きが酷くなる。砂漠の果てで熱に焼かれているかのように、喉が焼けつく。腹の底が痛む。血を拒めば拒むほどに、私の全てが食欲に侵されていく。

気が狂ってしまいそうだ。
何も考えられない。
エリザ、私を助けてくれ。その熱い血潮で。君が愛しい。

駄目だ。
彼女を手にかけることはできない。私は何を考えている。異常だ。彼女なら許してくれるに違いない。駄目だ。何を考えている。心が侵されていく。野獣だ。駄目だ。駄目だ。駄目だ。


止めることができなかった。
彼女の血潮は甘く芳しく、この世の歓びを凝らせた。

エリザ、どうか逃げてくれ。私は地の果てまで君を追いかけるだろう。
いっそもう死んでしまおうか。彼女を手にかけるくらいなら。


死ぬことすらできなかった。
息の根が止まったと思った次の夜、私は眼を開いていた。
あらゆる手段を幾度も試した。

あるいは銀の銃弾ならば。

神よ。

その後は、ひたすらにのたうち回るような線や、インクの染みで埋め尽くされていた。インクの色が赤みがかっているのが、悪い冗談のようだった。
KP
佐倉さん《SANチェック成功時減少 1失敗時減少 1D3》。
牧志《SANチェック成功時減少 0失敗時減少 1》。
1d100 67 《SANチェック》 Sasa BOT 1d100→30→成功
佐倉 光
「分かったぞ……分かったぞ、ちくしょう、そういうことか」

1d100 71 《SANチェック》 Sasa BOT 1d100→69→成功
SAN 71→70

「あいつら、俺に感染うつして逃げやがったな!」
牧志に手帳を押しつける。
そのままぐるぐると苛立ちを吐き出すように歩き続ける。
牧志 浩太
「そうか……、そういうことだったのか」
彼は愕然と呟いた。不安と怒りが入り混じったような声だった。
「そういうことなら、用事はもう終わっているんだ。誰もいないわけだし、俺達も自由になってるわけだ。
佐倉さんに移した時点で、もう目的は果たされていたんだ」

押しつけられた紙束が、彼の手の中でくしゃりと音を立てた。
牧志視点
牧志 浩太
客間の様子を思い出す。エリザさんの部屋。吸血鬼から人を守るための部屋。
吸血鬼はあいつだったんだ。あいつは自分から彼女を守ろうとしていたんだ。

……移した?
何のために?

佐倉 光
「すると、ここがあの男の寝室ってことに……あれ?」

首をひねる。

「どうして俺達の血を吸わなかった? いや、うつせばそんなことをする必要もないか?
にしても……」
上を見る。
「どうしてここは家具で塞がれていたんだ?
何らかの手段でうつして綺麗な体になりました、めでたしめでたしってんなら、ここを塞ぐ必要、ないだろ。
家具全部どかせるのに何時間もかかったんだぞ。
どうしてわざわざそんなことを」
警戒するように冷蔵庫を見る。
牧志 浩太
「多分、だけどさ。
佐倉さん、昨日どこかに閉じこもってただろ。
……あいつも、同じ事したんじゃないかな。

それから塞いだままにしてた理由は、ちょっと分からないけど。俺達にもし見つけられたら困るとか、そういうことか?」

彼はあなたと同様に、怒りと不安とともに困惑を引きずったまま、この場に不似合いな冷蔵庫を見遣る。
佐倉 光
「開けてみる。離れて、銃構えててくれ」
近づいて〈聞き耳〉してから開ける。
牧志 浩太
彼は緊迫した表情で頷いて、あなたと反対側から、冷蔵庫に向かって銃を構える。
KP
物音を聞こうとしても、冷蔵庫の駆動音の他には何も聞こえない。
佐倉 光
さっきの手記の記述が頭をよぎった。
血を飲まないでいたら、どうなる?

一度頭を振って冷蔵庫に手をかけ、開ける。
牧志 浩太
「うわ、」
KP
そこには人間が収められていた。

ぼろきれのような服を纏い、伸びきった髭と髪がもつれて酷い汚れが絡まっている。浮浪者のような風体の男の片腕は切り取られており、切り取られた片腕にはかじられた跡と血の汚れが残されていた。

二人とも《SANチェック成功時減少 0失敗時減少 1D2
また、二人とも【アイデア】
牧志 浩太
1d100 90 【アイデア】 Sasa BOT 1d100→20→成功
1d100 67 《SANチェック》 Sasa BOT 1d100→99→致命的失敗ファンブル
おっと。ハウスルールによりSAN2減少。
SAN 67 → 65
佐倉 光
1d100 70 SAN Sasa BOT 1d100→95→失敗
1d2 Sasa BOT 1d2→2
SAN 70→68
1d100 85 【アイデア】 Sasa BOT 1d100→73→成功

佐倉 光
「ひでぇな」
笑ってしまった。もう笑うしかなかった。
俺の行く末はこんなのをかじる人生か。
人じゃねぇや。
牧志 浩太
「これ……、あいつが吸った、っていうか、食った、ってことだよな」彼が呟く。
KP
その跡にはどことなく既視感があった。
あなたが自らの腕を噛んだときの跡に似ていた。
そう思えば、血の汚れの理由にも察しがついた。

あいつはこの男の血や肉では満足出来なかったのだろう。
佐倉 光
「これを隠して逃げたってんなら、人の心があったって事だろう。良かったな。めでたしめでたし。そんなおりに運悪く立ち寄った間抜けを犠牲にしてだ。しょうがねぇよな、雨のせいだ。くそ」

夜が近い。頭がくらくらする。
鋭敏な嗅覚が否応もなく新鮮な血の匂いをとらえ、その血流の音すら聞こえてくるような気がする。
牧志のハンカチを巻いた首に視線が吸い寄せられる。
牧志 浩太
「俺も気づかなかった。ごめん、動かずに助けでも呼べばよかったな」

苦悶の表情を晒す遺体を見下ろしながら、彼がぽつりと呟いた。あまりの内容に圧倒され、珍しく少し気弱になっているようで、

今なら飛び掛かれば不意を突けるのではないかという気がした。
佐倉 光
口から長く息を吐く。
落ち着かなければならない。
二度同じ過ちを犯すわけにはいかない。
佐倉 光
※この部屋の探索まだあります?
KP
※まだ見ていないものとしては、ベッドと本棚がある。
佐倉 光
OK落ち着こう。
佐倉 光
目を閉じて口で呼吸。ゆっくり牧志を視界の外に追い出して、本棚に行く。

「牧志、ちょっときつくなってきた。早く終わらせよう。ベッドを頼む」
顔を見ずに頼む。
牧志 浩太
彼が頷いたのが、あなたの鼻に届く匂いの流れで分かった。
牧志が何をし、どう動いているのか、背を向けているというのにはっきりと分かる。濃い匂いが人の形を取って見えるようだった。
1d100 89〈目星〉 Sasa BOT 1d100→71→成功

「これ……、鍵だ。ここに隠してあったのか?」
そんな声。
佐倉 光
「ここに? 書斎の鍵? そうか」
言いながらも半ば上の空だった。
何とか気力を振り絞って本棚を探る。
KP
あなたは室内に充満してくる匂いに耐えながら、本棚に手を伸ばす。

英語、ラテン語、それから見たこともないような言語。のたくる線にしか見えないような何かで綴られたもの。
そこには、一見して珍しく、そして怪しげだと分かる書物が詰められていた。
佐倉 光
大体こういう本読む必要になる時ってネット使えねーんだよな。
勉強すべきかな……
でもラテン語なら大体波照間さんに押しつければいいしなー
そんなことを考えながら背表紙を追い、時折抜き出してチェックする。
KP
ふふふ、波照間がラテン語担当になってる
佐倉 光
たぶん、メガテン系事件で必要なときに時に押し付けてる。
KP
そして波照間は喜んでラテン語担当になると。
KP
あなたはその異様なコレクションの中に、ふと読める本を見つける。

読める、というのは正しくない。
言語かどうかすら分からない落書きが詰まっているような本なのに、どうしてか、あなたにはそれの意味が取れる。

その落書きを目にすると、まるで知っている内容を思い出すかのように、あなたの頭の中に内容が浮かぶのだ。

SANチェック成功時減少 0失敗時減少 1》。

「ニーオス・コルガイ、宇宙の彼方より来たる吸血種族」

その本はそんな文句で始まっていた。読むか?
佐倉 光
1d100 68 SAN Sasa BOT 1d100→34→成功
明らかに知っている言語ではないのに読める文字。
これは臭い。
「ニーオス・コルガイ?」
眉根を寄せた。

宇宙から来て吸血なんて、随分ニッチというかなんというか。
宇宙にも同じように血が流れていて生きている生物がいるのか、
それとも似た概念の液体が必要で、吸ったらそれが血液なのか。
アレコレ考えながら読む。

どんなに下らなくてもいいから考え続けていないと、ふとした隙に牧志を押さえ付けてあの美味い血を満たされるまで飲みたいという欲求が入り込んでしまう。
一日目はここまで酷くなかった。昨日血を吸わなかったからか。
俺がこんなふざけた状態になっているのは、こいつのせいなのか?
ニーオス・コルガイ

彼らは宇宙の彼方から来た吸血種族である。

かつて彼らは空中からエネルギーを変換して取り入れていたと考えられているが、この銀河に捉えられた際、他の生物から生命力を奪って暮らすようになった。

全ての生命力を吸い取られた人間は、一種の吸血鬼化ともいえる病気を発症する。

吸血鬼化した犠牲者は新たな生命力を食餌にする必要がある。
この食餌により、新しい宿主にニーオス・コルガイは感染していく。

この病に対する唯一の治療法は、対象の太陽神経叢に鉛または銀の物体を打ち込むことである。

対象は間違いなく死に、感染した犠牲者も全員死ぬが、それ以上の感染を防ぐことが出来る。
KP
悍ましき宇宙吸血鬼の存在に触れた佐倉さんは、
SANチェック成功時減少 1失敗時減少 1D5〈クトゥルフ神話〉技能+1。
佐倉 光
1D100 68 SAN Sasa BOT 1D100→36→成功
SAN 68→67
〈クトゥルフ神話〉 15→16
KP
偶然にも、この情報の直後に深夜が来るのすごいなと思います
佐倉 光
我慢しすぎるとどうなるか分かったら。
考えているイベント的にとっても都合がいいですね!


ひとこと
佐倉 光
血への渇望に抵抗する佐倉。
境界をひき、自分を悪魔と自認する。
ついには自らに枷をかけるため、牧志に悪魔として契約を申し出るのだった。

欲望と理性の綱引きがより激しくなって1発言についてくる感情と葛藤が凄まじいことに。
これぞ置き卓! って感じで楽しいです。


【置】CoC『迷い家は桜の先に』 牧志&佐倉 1

不安と恐怖が、べったりと思考にこびりついていた。

【置】CoC『俺の恋人が庭からボコボコ生えてくるんだが!?』 佐倉&牧志 1

「おはよう佐倉さん。何これ?」
「俺にもわからん。起きたらこうなってた」

【置】CoC『スプーキィ・ポルカ』牧志&佐倉 2

「いるのか? 牧志」「佐倉さん……、俺、いるよ。ここにいる」

【クトゥルフ神話TRPG】
本作は、「 株式会社アークライト  」及び「株式会社KADOKAWA」が権利を有する『クトゥルフ神話TRPG』の二次創作物です。

Call of Cthulhu is copyright ©1981, 2015, 2019 by Chaosium Inc. ;all rights reserved. Arranged by Arclight Inc.
Call of Cthulhu is a registered trademark of Chaosium Inc.
PUBLISHED BY KADOKAWA CORPORATION 「クトゥルフ神話TRPG」


マモノスクランブル『推し活★ビギニング』 1

「みんな~! 来てくれてありがと~!」

真・女神転生 TRPG 魔都東京20XX 第一部『魔都・渋谷異聞』 1

今、この地に一つの変化が訪れようとしていた。混沌の街に、それを知らせる鶏鳴が響く―――