こちらには『VOID』及び
『AND/HAND』
ネタバレがあります。

本編見る!
KP
ふと気付いたら手を無理矢理くっつけられ、中に「御子」とかいうナニカを入れられてしまったヴィキと結城。
その腕は人とVOIDであるにもかかわらず完全に癒着・接合させられており、腕にはそれを更に確かな物とするように銀の腕輪がはめられていた。
腕輪に衝撃を与えると、毒が射出されるらしい……
幸い、二人が囚われていた施設は一人の襲撃者によって破壊され、二人は脱出することができた。
彼は言う。「明日朝に名無市のリストビルに来い」と。
ヴィキ
手首だけに
KP
運良くVOIDに好感情を持つハッチャンという男に近所の宿泊施設まで送って貰うことができたが……それはいわゆる郊外のラブホテルであった。
手の中のナニカに体力と気力が刻々と削られて行く。
疲労と空腹が限界に達している二人は、とりあえず休むしかない、という結論に達し、未知への扉を潜ったのであった。

ヴィキ
恐る恐る中を覗き込む
どんなタイプの部屋なのかなー
KP
まず目に入るのは大きなベッド。
二人で大の字になっても寝られそうだ。
他の家具は簡素だが、テレビや色々なものが入った販売ケースのようなもの。あとは電話、バスルーム、トイレなど。
一見、普通の宿泊施設に見えなくもない簡素なものだ。
ベッドの大きさを除けば。
ヴィキ
「い、意外に普通……かな?」
結城 晃
「い、意外と。もっとこう、やる気に溢れているものかと思った」
ヴィキ
「何か、自販機みたいなのもあるね、飲み物とかかな……」
なんとなくそちらへと目をやって、
「……!」
中身を改めて絶句
KP
良い子にはお見せできないものが入っている。
ヴィキ
なんか、話や噂で聞いたり、検索した時に表示される広告なんかで見たものが入っていた
結城 晃
「お、お金ないしさ……」
問題はそこじゃない。
ヴィキ
「うん……」
どういう風に使うか、なども聞いたことはあるが。
結城 晃
あまりにも物珍しくて見てしまうが。
ヴィキ
なんとなく気まずいながらも、相手の方を視線で窺ってしまう
結城 晃
視線を感じてはっと我に返る。
ヴィキ
やはり、こういうものに興味があるのだろうか
いやいや、実は一つ二つ持っていたりとかするのだろうか
いやいやいや、こういうものを使うことを考えていたりするのだろうか
その時が来たら自分はどうするべきだろうか
とか、色々なことがシリコンチップが弾き出す高速演算で思考されてしまう
結城 晃
「今役に立ちそうなものはないし、早く休まないとな!」
取って付けたような慌てた言葉。
ヴィキ
「そ、そうだね」
結城 晃
今じゃなければ、なんて考えたことを、知られたいような知られたくないような。
ヴィキ
「また今度、ね。
あ、いや、今度ってそういう意味じゃなくってね?」
結城 晃
「また、今度」
ヴィキ
今度って、いつになるのかな……
なんてちょっと考えてしまう
結城 晃
しばし黙って、ヴィキを見つめる。
「今度の機会、貰えるかな。
これが何とかなったら」
ヴィキ
「え、あ、ええと」
真正面からそう尋ねられて、ドギマギとしてしまうが
「うん……えっと、えっとね。
その……うん」
ものすごく小さな声で、何かを呟いて頷いた
結城 晃
それが聞こえたのかどうか。
結城はにこりと笑った。
「その体も何とかして貰わないとな」
ヴィキ
「……!」
結城 晃
「不安定な仮の体じゃ、安心できないし」
ヴィキ
「そうだね……早く、私自身の体で、あっくんと一緒にいたいよ。
なんだか、落ち着かないもんね」
結城 晃
「そうだな……休もうか」
ヴィキ
「うん。この体、『これ』のためなのかバイオマテリアルの比率が高くて、なんかちょっと疲れた……」
枷の嵌められた手首を持ち上げて、ため息を一つ
結城 晃
「こんな状況じゃ、誰だって疲れるさ」
KP
時計は23時を指している。
ヴィキ
夜はまだまだこれから
KP
どう休む?
二人一緒に朝まで寝る?
ヴィキ
問題が無ければ、一緒に寝たいけど
例の衝撃云々があるなら、こちらは起きていようかな
KP
衝撃?
ヴィキ
寝返り打ってどーんとか
KP
あー、なるほど。
ならお言葉に甘えて結城は休息を取るけど、ヴィキは全く寝ない?
ヴィキ
展開的にはどうなんだろ
イベントとかあるなら寝るが
メタいけど
VOIDはどっちも選べるし
KP
「寝ない」って言っても一瞬気絶っぽくはなるよ。
ヴィキ
なるほど
じゃぁ寝ようかな

ヴィキ
「ごめんね、あっくん狭いかもしれないけど、関節はロックしてスリープに入るから。
筋肉や骨格の一部もバイオマテリアルだから、少し休んで修復させないと」
結城 晃
「そうだな、ベッドも広いし、間違って落ちるなんて事もないだろうから」
ちら、と腕輪を見た。
KP
タイマーは49:35:43をさしている。
そういえば……
【アイデア】をどうぞ。
ヴィキ
CCB<=75 【アイデア】 (1D100<=75) > 74 > 成功
KP
結城がずっとトイレに行っていないな、と思った。
ヴィキ
「あれ?」
ふと、思いついた
「あっくん、おトイレ大丈夫? こうなってから一度も行ってないよね」
結城 晃
「ん?
あ、そういえばそうだな……
今も全然行きたくならないけど」
ヴィキ
「……私に気を遣ってるなら、えっと……気にしなくていいよ。
聴覚切っておくから。
体に悪いからね」
結城 晃
「いや、そんなんじゃないから。そもそもそんなの我慢できるものじゃないし。
そういえば不思議だな」
ヴィキ
「そうなの? うーん。
血液中の老廃物なんかも『これ』が吸収してるのかな」
KP
結城の発汗量が極端に下がっていることに気付くかも知れない。
ヴィキ
うーん、〈医学〉は18しかないんだよな
結城 晃
「それはそれで良かったような良くないような……」
ヴィキ
「喉が渇いたりとかは?」
結城 晃
「喉は常に死ぬほど渇いてるし、腹も減ってるよ」
KP
それはあなたも同様だ。
ヴィキ
視界内で、目の前の結城の体をスキャンする
同時に、自らのボディのパラメータも確認し
「そっか、これに吸われてるから……
ちょっと、気をつけないといけないね。寝る前に、水分はたっぷり取っておこう」
結城 晃
「そうだな、ラブホでミイラ化なんて死に方はちょっと」
ヴィキ
「あと、そこの自販機、スナックとかのお菓子も買えるみたいだから、カロリーも。
色々な事件になっちゃうよ」
結城 晃
「でもそうやって摂った栄養が、こいつに取られるんじゃなぁ」
手を上げて。
ヴィキ
「図々しいやつだよね」
とりあえず、結城を促して自販機まで行って、ペットボトルとお菓子をいくつか
できるだけハイカロリーなものを
その他のグッズは見ないようにしながら

KP
お金かー。一応シナリオ的には使用不可ではあるんだが。
ヴィキ
そうなのか
お金あれば他のとこいけちゃうしな
KP
進行中に武器買ったり余計な施設に行ったり遠くに行かないための対処だと思うんだな、
まああれ、いまのボディあちこち不具合でてるし
その辺の機能も不安定ってことにしとこ。

ヴィキ
「ルームサービス頼もうか。身分証はあるし、ツケさせてもらえないかな……」
KP
ツケにする。
そう言った時、あなたの脳裏には親指を立てるトラックドライバーの姿が浮かぶだろう。
結城 晃
「お金は後でお返しすることにして……
お借りしようか」
ヴィキ
「うん。背に腹は替えられないもんね」
KP
窓口で事情を説明するなら、飲食物を出して貰えるだろう。
ヴィキ
ではそれらをありがたくいただいて
KP
では二人一緒にベッドで横になる。
さすがにVOIDの客はいなかったのか、ベッドは少し軋んだ。
ヴィキ
こっちの方がめっちゃ沈み込んでそう
KP
そうだなー、体重自体はともかく密度が。
ヴィキ
あ、でも今は軽いのかな
いつもと違うボディだし
KP
いつもより15キロも軽いよ!
ヴィキ
それくらいなら大丈夫だろう、きっと
「なんか、複雑」
ぽそりと呟いたとかなんとか
KP
横になった途端、睡魔が押し寄せてくる。
あなたの体はまるで不具合でもあったときのように各所処理を止め、強制的にスリープモードへと入って行くだろう。
横たわった互いの姿を見る余裕もなく。
ヴィキ
「Zzz……」
KP
では不定の更新を行ってください。
ヴィキ
むしろ増えている
KP
そっかー
じゃあ増やしといて
第二回から第三回まで三ヶ月の間が空いたので、その間にシナリオを経て更にヴィキの精神は頑強になっていたのだった。

KP
夢を見ている感覚がある。漠然とした圧迫感に押しつぶされるような、重苦しい悪夢だ。
あなたは『記憶』でも『記録』でもない、『悪夢』をみている。
ヴィキ
どんな内容だろ
KP
自分のものではない鼓動を感じ、あなたは暗闇で怯えている。
SANチェック成功時減少 1失敗時減少 1D4
ヴィキ
CCB<=93 《SANチェック》 (1D100<=93) > 71 > 成功
[ ヴィキ ] SAN : 93 → 92
KP
【アイデア】をどうぞ。
ヴィキ
CCB<=75 【アイデア】 (1D100<=75) > 45 > 成功
KP
あなたはそれを体験として電脳に記録してしまうだろう。
あなたはおぞましい生物と向かいあっている。
彼の者の問いかけに対して、自分が「はい」と答えている光景。
それはまるで逃れることは許されない、何かの契約のように感じられた。
ヴィキ
記録されたのならこちらのもの
あとで消去してもらお(VOIDの特権)
KP
ずるい
結城 晃
CCB<=59 《SANチェック》 (1D100<=59) > 63 > 失敗
1d4 (1D4) > 4
[ 結城 晃 ] SAN : 59 → 55
CCB<=90 【アイデア】 (1D100<=90) > 61 > 成功
ヴィキ
しばらく療養してた方がいいよ
温泉とかいって
結城 晃
まだ55あるからいけるいける……初期値より高いんだ。

KP
そしてあなた方は目覚める。
ヴィキ
「……」
現在時刻を確認
と、腕輪の残り時間も
KP
6時30分だ。
扉からノックが聞こえる。
どうやらその音で覚醒したらしい。
ヴィキ
「あ、はーい」
慌てて起きようとして、腕輪が引っかかる
「いけない、時間……」
結城 晃
「ん……
あれ……もう朝……」
ヴィキ
「あっくん、大丈夫? 多分、女将さんが」
KP
ふたたび扉が控えめにノックされた。
ヴィキ
ドアを指差す
結城 晃
「あ、ああ、そうか……なんだか夢見が悪くてさ」
ヴィキ
「うん、私も」
結城 晃
「あまり寝た気がしないな……」
ぼやきながら起き上がる。
ヴィキ
「チェックアウトまではまだ少しあるから、もう少し寝たらいいよ」
結城 晃
「ヴィキも? まさか変な夢を……って話は後だな」
KP
扉を開く?
ヴィキ
身だしなみだけ軽く整えてから
扉を開ける
KP
50代のおばさんが、トレイを持って立っていた。
ヴィキ
女将さんじゃなかった
女将さんか
「おはようございます」
KP
「おはよう。10時までのんびりしていていいから。
それじゃ、ごゆっくり」
ヴィキ
「ありがとうございます」
KP
おっと、手渡しじゃなくて窓からの差し入れだったわ。まあよし。
ヴィキ
ラブホだからね
まぁ訳ありの客だから
KP
そういうことにしといて!
トレーにのったバタートーストとハムエッグ、コーヒーのモーニングセットだ。
ヴィキ
トレイを受け取って、頭を下げる
KP
決して量は多くないが、空腹に響く香りだ。
おばさんはひらりと手を振って去って行った。
トレイを見て食べ物の香りを嗅いだ瞬間、手の中の物が蠢いた。
ヴィキ
「あっくん、こぼさないように気をつけてね」
腕輪に捉われた互いの手首に気を払いながら
KP
SANチェック成功時減少 0失敗時減少 1
ヴィキ
CCB<=92 《SANチェック》 (1D100<=92) > 42 > 成功
結城 晃
CCB<=55 《SANチェック》 (1D100<=55) > 36 > 成功
KP
それは最初に気づいた時から、少し大きくなっているような感覚がある。
ヴィキ
「あんたのためのじゃないんだからね」
結城 晃
「そうだな、俺たちのために食べよう。
こいつを何とかする体力をつけないと」
ヴィキ
「うん」
そういえば、我々どっちがどっちでしたっけ、捉われてるのは
結城 晃
ヴィキは右手だな
ヴィキ
右手か
では、バターを塗ろうとして、右手を持ち上げ
結城の手も持ち上がってしまうことに気付く
「あ、ごめん」
結城 晃
「おっと。
じゃあ塗るのはこっちでやろうか。お皿押さえてくれる?」
ヴィキ
「うん、OK」
左手で皿を押さえる
結城 晃
バターを塗り広げて、半分をヴィキにあげる。二枚ずつくらいだろうか?
ヴィキ
「ありがとう」
左手で受け取り、口に運ぶ
KP
ぱりっと焼けたパンは香ばしい。ハムと卵も決して良質とは言えないが、丁寧に調理されていた。
ヴィキ
「なんか、いつも一緒だけど、こんな風に食べるのも新鮮かも?」
結城 晃
「強制的じゃなければ悪くないかな」
ヴィキ
「これからもたまに、こんな風にしてみようか。
二人の共同作業……なんちゃって」
結城 晃
「面白いかも」
コーヒーをこぼさないように注意深く持ち上げる。
ヴィキ
「じゃぁ、はい。あーん」
左手でトーストを持ち上げて、結城の口元に寄せる
結城 晃
「え、あ、あーん」
反射的にやってしまった。
ヴィキ
そっとその口にトーストを差し入れ
結城 晃
「……美味しい」
ヴィキ
「……ファーストバイト」
悪戯っぽく笑う
「ね、美味しいね」
結城 晃
「美味しい」
結城も自分の手元にあったパンをヴィキの口元に運ぶ。
「ヴィキも、あーん」
ヴィキ
「あーん」
KP
バターの香りが鼻をくすぐる。
ヴィキ
もぐもぐ
KP
食事と幸せが喉を降りて行く。
そんな幸せなひとときに水を差すように、手の中のものが蠢いた。
まるで喜んでいるかのように。
ヴィキ
「こいつ、うるさいな。お邪魔虫」
結城 晃
「まったく、邪魔だな。
これもまたの機会にやり直そう」
ヴィキ
「そうだね。今度はちゃんとしたやつでね。
落ち着いたら、あそこの施設のことも調べて報告しないとね。
絶対に許さないんだから」
結城 晃
「そうだな、被害者もいたみたいだし」

KP
あとはホテルを出るまで自由時間だったりします。
チェックアウトまでのんびりしてもいいし、このまま出てもいい。
ヴィキ
とりあえず、それまでゆっくりしてもらって
リストビルのことや、例の襲撃者のことについて、調べられないかな
あと、例の施設もだ
KP
調査か。
そうだなー
相変わらず通信関係が不安定だ……
ヴィキ
何もわからんか
「ダメか……
このボディ、メカ部分は全然からっきしだなー」

KP
ぶっちゃけるとね。
調査可能って事は通信関係生きてるって事になるので
ヴィキ
ああ
KP
警察に助けを求めることができるのだな
そうなるとあなた方にとってあまり良いことがない。
ヴィキ
でも、この有機体ベースのボディの研究が進むことで、より人間に近いVOIDが生まれるかもしれないわけで
いずれ二人の関係にも有益な何かをもたらすことにもなるのかもしれないし
KP
そう思ったから、怪しげな実験に付き合う気になったのかも知れないな。

KP
人間の精神を乗せ、手に奇妙なナニカを育て、爆発に耐える、なんてことはできなかったようだ。
耐久性は低い、耐衝撃性能も弱い、燃費も悪い。
いつものボディとの差は歴然、悪いところばかり……にも思えるが。
ヴィキ
「でも、なんだか本当の人間みたい」
逆に、有機体の情報系を電脳で処理できるその事実から、技術の発展に驚く
KP
『肉体的感覚の鋭敏さ』については高いように思える。
そもそもがそういう方向を目指して作られたボディなのかも知れない。
また、あなたの普段の体が特別製であり、一般のVOIDに比べてはるかに高性能であることもまたギャップを大きく感じさせているのだろう。
ヴィキ
横で寝ている彼の額に、左手でそっと触れる
「……暖かい」
そのまま、髪に指を通す
KP
いつもの「温度」だけではなく、解像度の高い触覚や、詳細にわたる嗅覚などが鮮やかに感覚を伝える。
処理が重く感じるのもそのデータ量が異質で多すぎるからなのかも知れない。
ヴィキ
細いそれらの感覚が、いつものデジタルな処理系とは異なる、独特な感触として伝わってくる
なんだか、懐かしい感覚
「すごいな……」
VOIDを生み出した、二人の偉人の顔を思い出す
そして、彼らとかつて共にあった頃の暖かな記憶が、意識の裏でくすぐる
KP
「気をつけて、ヴィキ」
誰かの声が耳元で聞こえた。
ヴィキ
目を閉じて、指先の感触を楽しんでいた意識が、呼び戻される
KP
それは今横で眠る結城のものではなかった。
ここには存在しない誰か。『懐かしいと感じる』誰かの声。
ヴィキ
「……誰?」
なんとなく自分たちしかいないはずの空間を見回す
KP
それはいつかの日にあなたに語りかけてきた『ウイルス』の声。
ヴィキ
「あっくんの……おじさん?」
KP
「君の体は不安定だ。これ以上損傷を受ければ、バグが君の精神に及び、悪影響を及ぼす可能性がある」
あなたの声が聞こえていないようにそれだけ言って、声は消えた。
ヴィキ
バグあるんか
「……?」
一応、自己診断しとこうかな
バグあるのかな
KP
あちこちにエラーが出ている。通信系をメインに、主に右手の周辺に。
痛覚遮断も原因不明のエラーで行うことができない。
感覚系はデータが大きすぎるせいか、処理が追いついていないようにも思える。
ヴィキ
「……急がないと」
とはいえ、今は相棒の回復を待つ
KP
じゃあ9時頃に目覚めた。
ヴィキ
「おはよう。少しは休めた?」
結城 晃
「お陰で、少しすっきりしたよ。
ありがとう。急ごうか」
ヴィキ
「うん。女将さんにお礼言ってからね」
KP
では、お礼を言ってチェックアウトをした……ということで。

ヴィキ
リストビルの場所は確か、はっちゃんに聞いてたよね
KP
聞いてたね。
ホテルをチェックアウトして閑散とした明るい道を歩いてゆく。
ほどなく名無市街に入ることができるだろう。
駅付近まで来れば朝でも人の往来がそれなりにあり、そこそこ栄えた街だとわかる。
すれ違う人々が、こころなしかあなたたちの繋がれた手元をちらちら見ている気がする。
ヴィキ
「……」
結城 晃
「……」
ヴィキ
「……アンテナ。外しておこうか」
結城 晃
「いいよ、別に」
ヴィキ
「ありがとう」
簡単なやりとりだが、その言葉が嬉しい
KP
駅前の朝の道で、一人の若い女性がバインダーを手にきょろきょろと辺りを見回していた。
彼女はゆったりとした私服を着ており、大体20代くらいだろうか。あなた方の姿を見つけると足早に近づいてくる。
「おはようございまーす!
街頭調査にご協力いただけませんかー?
街で手をつなぐ人々にインタビューしています!
世の中にはぁー、手を繋ぐのがすきなひとと苦手なひとの二種類がいることについて、大学のレポートに書くために調査してます!」
ヴィキ
「え、あ」
結城 晃
「私たち急いでまして」
KP
「そんなにしっかりと手を握られて…
わー、変わった腕輪ですね!」
女性は物珍しそうに二人の手を見て、ヴィキを見て
「VOIDのお姉さん! 是非、ご協力を!」
ヴィキ
「えっ、あの……」
KP
「お時間とりませんので、お願いします!
すこしばかりですが謝礼も用意してるので…単位がかかってるんです」
女性は立て続けに喋り続ける。
ヴィキ
ちら、と結城の顔を見やる
結城 晃
「……
(答えた方が早く追い払えるかも知れないかな?)」
KP
ここは答えても答えなくても良い。
ヴィキ
「えっと……どういった内容ですか?」
KP
「やったぁ、ありがとうございます! では、あなたたちの関係は?」
目をキラキラさせて問いかけてくる。
ヴィキ
「えっと……」
VOIDらしからぬ戸惑いを見せつつ
「し、仕事のバディです」
結城 晃
「関係……」
何か言いかけて、あなたの返答を聞き言葉を飲み込んだ気配がした。
ヴィキ
流石に恋人同士です、では彼に迷惑が
少し俯いて、答える
結城 晃
CCB<=40 〈心理学〉 (1D100<=40) > 36 > 成功
「婚約者ですけど」
ヴィキ
「……!
ちょ、ちょっと、あっくん」
KP
「ええーっ、職場結婚! しかも、きゃーーーー!」
女性のテンションは爆上がりである。
「じゃ、じゃあ、訊くまでもないかも知れませんが、お互いのことをどう思っていますか?」
鼻息荒くマイクを突きつけてくる。
結城 晃
「愛してますよ、勿論」
ヴィキ
「あわわ」
KP
女性は頬に手を当てくねくねしている。
「そ、それじゃあお姉さん! 手を繋いでいると、どんな気持ちになりますか?」
ヴィキ
「あ、えっと。それは……」
なおも少し、戸惑ってから
覚悟を決めたように、マイクへと向かい
「すごく、暖かくて、楽しくて、嬉しい気持ちになります。……私も、大好きですから」
答えて、頷く
KP
「いやーーーんお幸せに!!」
女性は顔を真っ赤にしてあなたに小さな袋を押しつけた。
ヴィキ
「わ」
KP
駄菓子がいくつか入っている……
どうやら彼女が言っていた謝礼の品らしい。
ヴィキ
「ど、どうも……」
結城 晃
「……レポートの役に立つんですか? これ」
KP
結城の言葉も終わらないうち、女性は次の相手を求めて走り去っていった……
ヴィキ
「……ふわぁ。
びっくりした……」
結城 晃
「なんだあれ……
良くわからないけど、まあ役に立つなら良かった」
ヴィキ
「ていうか、あっくん肝が据わってるね……」
結城 晃
「嘘はつきたくなかったから」
ヴィキ
「……」
結城 晃
「行こうか」
ヴィキ
「うん」
何か、大きな気持ちが胸を膨らませていたが、それらを言葉にすることはできなくて、繋いだその手を改めて強く握り返した

KP
歩いて10分ほどの所に、『リストビル』はあった。
駅前から少し離れており、時間帯のせいもあってかそれほど人通りは多くないビル街の裏手だ。
廃墟という割にはそれほど壊れてはおらず、中に入って行くのに支障はなさそうではある。
ヴィキ
「なんだか、いかにもアジトって感じ……」
KP
ただ、テナントの看板はどれもかすれて読めなくなっている。ボロボロの外観は、廃ビルそのものだった。
ヴィキ
「一応、私の後ろに隠れてね」
今のこのボディでどれほどの強度があるかは疑問だが、いつも通りの言葉を掛けて、前に立つ
KP
結城は頷いてできる限りあなたの後ろに立つ。
ヴィキ
そこらの幟の重しにされていたコンクリートブロックを左手に掴み、階段を上がる
KP
男はこのビルの4階に来るようにといっていたはずだ。
外階段は壊れておらず、問題なく登ることができる。
がらんとしたビルに、二人の足音が響く。
男が指定した4階のフロアには1つだけ出入り口があり、ドアスコープとインターフォンがついていた。
ヴィキ
〈聞き耳〉できるかな
KP
〈聞き耳〉どうぞ。
ヴィキ
CCB<=85 〈聞き耳〉 (1D100<=85) > 25 > 成功
KP
中に人の気配がある。あなた方の来訪に気付いているのか、ドアの向こうに近づいてくるのが分かった。
ヴィキ
ブロックを掴み直し、インターホンを押す
KP
扉が開く。
その向こうには、あの時の男がいた。
「……来たか」
ヴィキ
「……
本当にいましたね。一応」
「嘘をついてどうする。入れ。
見捨てるつもりなら、あの場で射殺している」
ヴィキ
「道理ではありますね」
結城を背後に庇うようにしつつ、内部を走査しながら扉を潜る
KP
玄関をくぐり、さらにひとつ奥の部屋に通される。
ボロボロの事務所のような一室には、よくわからない書物やダンボール箱などが雑多に置かれている。
ヴィキ
「念の為ですけど」
「ああ」
ヴィキ
「私はドロ課所属のVOIDです。その活動上、バディ同席であれば人間に対しても攻撃が許可されていますので、そのつもりで」
「なるほど? やめた方が身のためだと思うが。
あんた自身のために」
ヴィキ
「ええ。ですからあくまで念の為」
その目的はどうあれ、彼は人間を射殺した
警戒はするに越したことはない
「俺はあんた達の敵ではない。それだけは最初に言っておく。
わざわざここに来させたのもあんたたちを助けるためだ。
立ち話もなんだな。散らかっているが、適当に座ってくれ」
KP
あなたたちをソファに座るように促し、男は窓から外を警戒してドアに鍵をかけたあと、事務椅子をひっぱりだしてあなたたちの向かいに座る。
ヴィキ
「あなたは、何者なんです」
「俺は拝島。個人的な恨みでカルト教団を殲滅して回っている」
KP
彼の背後で小さなテレビがニュースを報じていた。
ヴィキ
内容は?
KP
昨夜未明愛豊山で火災、全焼した研究施設で約10名の死体が発見された。
発火の原因は現在も調査中である、という内容だ。
ヴィキ
そちらをチラリと見遣ってから
「カルト教団、ですか」
「そうだ……その手で育てられているものも、あいつらの奉じるものに関係している」
ヴィキ
「我々は公安部の管轄です。情報をご提供いただければ、正当な捜査として協力することもできるかと思いますが」
拝島
「手続きを待っているほど暇じゃなくてね」
拝島は肩をすくめた。
「その手を見せてくれ」
ヴィキ
枷のはまった腕を突き出す
「……その、カルト教団ですが」
言葉は続ける
KP
拝島は手を観察しつつあなたの言葉を聞いている。
ヴィキ
「例えば、人間の意識―――魂とでも言えばいいのか。
それを、人形、あるいは機械に移し替えるであるとか。
そういったことも可能な技術を有している集団ですか」
KP
拝島の目が鋭く光る。
拝島
「……いや。
そういった団体を知っている、ということか?」
ヴィキ
隣に立つ彼の様子を伺う
かつてのその記憶が、彼の負担となってはいないか
結城 晃
結城はあなたの視線に気付いて、大丈夫、というように微笑した。
ヴィキ
「……ええ。あるいは個人によるものもありますが、3件ほど、そうした事態に遭遇したことがあります。
また、そのほか、おおよそこれまでにオカルトとして片付けられてきたようなことに対する認識を、改めなければならないようなことも。
あなたは、それらを悪用する者たちと、戦っていると?」
KP
拝島はあなたの言葉を、冷たい目で聞いていた。
彼の心の内を多少なりとも知りたければ、〈心理学〉を振っても良い。
ヴィキ
〈心理学〉は58ある
シークレットダイス
KP
シークレットダイス sCCB<=58 〈心理学〉ヴィキ (1D100<=58) > 80 > 失敗
シークレットダイス sCCB<=40 〈心理学〉結城 (1D100<=40) > 84 > 失敗

KP
その目にはただ熾火のような怒りだけが感じられた。
だが彼がどんな思いをもってその怒りを燃やしているのかまでは、良くわからなかった。
ヴィキ
「もし、あなたがそうだと言うのならば。
少なくとも、私たち二人は、それについて互いに協力ができる可能性があると考えます」
拝島
「なるほど……」
拝島はあなた方二人を値踏みするように見つめた。
ヴィキ
「もちろん、あなた自身が信用に足る人物であるならば、という前提はありますが」
拝島
「それはなかなかに難しいな」
男は苦笑した。
「詳しく聞かせて貰いたいところだ……が。
まずはこちらを何とかする必要がある」
ヴィキ
「……そうですね。それも含めて、まずはこちらからお願いします」
言って、腕輪の調査を促す
KP
拝島はあなた方の手の接合部を指して言う。
拝島
「この皮膚の癒着は、信じられないかも知れないが魔術によるものだ」
結城 晃
「魔術?」
ヴィキ
「今となっては、そのくらいじゃもう驚かないよね」
肩をすくめる
拝島
「待っていろ」
KP
拝島は部屋の隅にある金庫のロックをあける。
手帳のようなものを一冊取り出して戻ってくると、ページをめくりながらしばらく思案し、あなたたちに向き直る。
拝島
「今からそれをとく。
しばらく目を伏せていたほうがいい。おそらく正気を損なう」
ヴィキ
「……」
じ、っと彼の目を正面から見据える
拝島
「どうした?
VOIDが対象になっているのは初めて見たが、症状が同じだ。問題ないだろう」
ヴィキ
信じて良いものか、と一瞬思案するが
「わかりました」
頷き
「いい? あっく……結城さん」
結城 晃
「ああ、信じるしかないだろうな」
ヴィキ
「結構です。お願いします」
KP
では、結城は言われたとおりに目を伏せる。
あなたはどうする?
ヴィキ
自分も、それに倣う
一応、周囲の動態センサーだけ働かせてはおくが
現状、どれだけ有効かはわからないが、いざとなれば自分が盾になるつもりで
KP
拝島がぶつぶつと何か唱えているのが聞こえた。
あなたの右手の向こう、感覚が熱を伝える。
ヴィキ
あっちっち?
KP
あつい。
突如無数のエラーが生じた。
ヴィキ
顔をしかめる
「……これは、何を……」
KP
右手の向こうの感覚が混乱する。無秩序な痛み、怖気だつような虫の這い回る感覚、笑い出したくなるほどの痺れ、震え。ありとあらゆる感覚が暴走したかのようにデータがあふれかえる。
それらは皮膚が溶け落ちた、という計算結果を出す。
SAN減少1d6
ヴィキ
1d6 (1D6) > 3
[ ヴィキ ] SAN : 92 → 89
結城 晃
1d6 (1D6) > 3
[ 結城 晃 ] SAN : 55 → 52
ヴィキ
「……!」
結城 晃
「……!」
KP
突如。
手が戻ってきた。
あなたの手のエラーは消え失せ、正常な処理によって指先まで正常な感覚が伝わる。
ヴィキ
指先は動く?
KP
動く。
拝島
「これで、指が動かせるようになるだろう。手を動かしてみてくれ」
ヴィキ
もう動かしちゃった
薄らと目を開ける
KP
あなたが動かした指先から、結城の手との間に挟まれていたであろう液体があふれ出す。
透明な液体に乗って、手の中からぬるりと何かがすべりおち、べしゃりと音を立てて床に落ちる。
ヴィキ
手を改める
KP
あなたの手は少しぬるついているが異常はなく、問題なく見えた。
ただ、銀の腕輪はいまだ腕に巻き付いているので、自由はきかないが。
ヴィキ
「これは……」
KP
びくりびくりと床の上で蠢くそれは、白く丸く、ぱんぱんに太った巨大な虫の幼虫のようだった。
SANチェック成功時減少 0失敗時減少 1
ヴィキ
CCB<=89 《SANチェック》 (1D100<=89) > 46 > 成功
結城 晃
CCB<=52 《SANチェック》 (1D100<=52) > 47 > 成功
ヴィキ
「……うぇ。
こんなのが入ってたの……?」
結城 晃
「何だこれは」
KP
あなた方がそれを認識しようとした瞬間、拝島の足がそれを踏み潰した。
ブーツの下で白いナニカがぶちゅりと弾けて、粘液をあふれ出させる。
ヴィキ
「……
今のは、何? あなたは何をしたの」
拝島
「俺が行ったのは、永続的な皮膚の制御……魔術の一種だ。
今の物については知らない方がいい。
孵化する前でよかったな」
ヴィキ
「……とっくに孵化はしてたみたいに見えましたけど。
あなたは、その……魔術師、というものなのですか?」
拝島
「多少なりとも知っていて、魔術も使える、というだけだ」
KP
拝島は冷蔵庫から缶コーヒーを出してあなた方に投げ渡す。
ヴィキ
それを、自由になった手で受け取る
拝島
「もう飲み食いしても問題ないだろう。問題はその腕輪だな」
ヴィキ
あ、腕輪はまだついてるのか
KP
そう、腕輪はカウンターを止めたが、いまだあなた方の腕をつないだままだ。
ヴィキ
じゃぁ、左手で受け取り
結城 晃
「ありがとうございます……」
ヴィキ
「中身が死んだのなら、もう破壊できるのでは?」
拝島
「いや、その腕輪は手を癒着させた魔術と無関係だ。
別途外す必要があるが……資料に寄れば、毒針が内臓されている。だったな。おそらくは即効性のものなのだろう。
射出される条件が明記されていないから、無理に外そうとしたり独自に分解するというのもリスクが高い」
KP
拝島は、あなたがあの施設で見つけた物と似たファイルを手にしている。
ヴィキ
「仕方ないね……。本庁の処理班なら、対応できるかな?」
KP
拝島はコーヒーを一口飲んで、あなたたちに向き直る。
拝島
「俺は手首を落とすのを勧めるが」
ヴィキ
「……は?」
拝島
「いつ射出されるか分からない以上、時間をかければかけるほどリスクが上がる。
片方を落とせば隙間ができるから、もう片方はなんとかそこから手を引き抜くことはできるだろう」
ヴィキ
「何をバカなこと」
拝島
「刃物と処置用具ならある」
言って横に置いてあったトランクを開く。
KP
中には拳銃に鉈、斧、ハンティングナイフなどどこから収集したのか、様々な武器が雑多に収納されている。血が付いているものもある。
拝島
「それに……」
KP
拝島が言葉を続けようとした、その時だ。
拝島がぴくり、と顔を上げにわかに立ち上がる。
拝島
「悠長にしている暇はなさそうだぞ」
ヴィキ
「何を」
KP
直後、ドカン! と入口側から派手な音がした。
ヴィキ
咄嗟に結城を背後へ庇う
KP
拝島はトランクから武器をいくつか手に取る。
そして大股に入り口の方へ向かいながら、あなた方に早口に言う。
拝島
「内側から鍵を閉めて、隠れておけ。もし俺が戻らなければ、そこの金庫のロックを“0625”で開けて、……なんとか隙を見て逃げろ。
そんな状態でこっちを手伝おうなんて真似は、間違ってもするな」
KP
バタン、と扉が閉ざされ、あなたたちはふたりきりで取り残される。
ヴィキ
「ちょっと……!」
戦闘の音とか聞こえるのかな
KP
何かが破砕する音を皮切りに、銃撃戦の音がする。
焦げ臭いにおいが漂ってきていた。
その時、腕輪からピーーーーと警告音のような甲高い電子音が鳴り響く。
ヴィキ
腕輪を改める
KP
液晶に文字が表示されていた。
ERROR:BABY NOT FOUND!! COUNT START
ピ、ピ、ピと馴染みのあるテンポの秒刻みの音とともにカウントダウンが始まる。
残り時間は、5分を切っている。
結城 晃
「何だ? 警告?」
ヴィキ
毒針と連動してるのかな
内部走査してそれだけでもわからんかな
KP
さて、それは分からないが……
想像はできるかも知れない。
ヴィキ
「わざわざこんなものまで仕込まなくてもいいじゃないの!」
結城 晃
「腕を落とせって?」
ヴィキ
「……その前に」
金庫に取り付いて、開けよう
「悠長に待ってられないし!」
KP
金庫はその番号で開く。
重い扉の向こうには、あの時拝島が持っていた手帳が入っていた。
中には手書きで意味不明な文章や言葉の羅列が日本語や英語まじりでぎっしりと書かれている。
一見して、それを読み解くにはそれなりの時間がかかりそうだと分かるだろう。
残り4分!
ヴィキ
「何よ、もう! 役立たず!」
結城 晃
「ヴィキ。さっきのトランクの方へ」
ヴィキ
「あっくん?」
結城 晃
「もう時間がない。死ぬよりはマシだ」
ヴィキ
「……本気?」
その言葉の意味に、彼の顔を正面から見据えて問う
結城 晃
「今はもうそれしかないんだろ?」
その顔は真っ青になっている。
「考える暇もない。迷っている暇もない。急ごう」
ヴィキ
なおも十数秒、彼と視線を交わしたまま
しばしして
「……わかった」
トランクへと向かう
KP
扉の向こうでは変わらず銃撃が聞こえている。
トランクにはいくつかの刃物が残されていた。
ヴィキ
その中を改める視界の上を、光の線がいくつも走る
意識が呼び起こす目的に沿って、重量、鋭さ、それらを計測し、可能な限り一撃で仕留められるものがピックアップされる
KP
適度な重さを持った斧が最適だろう。
一撃で落とせる可能性が高い。
ヴィキ
それを手に取る
KP
結城は自分の手を落とす気でいる。それで進めて大丈夫かな?
ヴィキ
「……あっくん。念の為だけど」
結城 晃
「ああ」
ヴィキ
「落とすのは、私の手首。わかってるよね」
結城 晃
「……でも」
ヴィキ
「やっぱり、自分のをやろうとしてた!
ダメだからね。私はVOIDなんだから。
痛覚遮断もできるし、流路遮断もできるんだから」
もちろん、自分はそれができないことは知っている
それでも、彼にそんなことは絶対にさせられない
結城 晃
「そうかもしれないけど……!
……くそ、分かったよ。
……ああ、くそ、時間がない」
結城はあなたの腕を手首より少し上で括る。
CCB<=85 〈応急手当〉 (1D100<=85) > 51 > 成功
ヴィキ
「……ありがとう」
KP
タイマーは残り1分半を切った。
ヴィキ
拝島が使っていたであろうデスクの上を、持った斧の柄で横なぎに払い、上に乗ったものを落とし、場所を開ける
その上に、どん、と自らと彼の手首を置き
手首を、強くデスクへと押し当て、左手の斧を持ち替える
結城 晃
結城は自らの腕が動かないように、もう片方の手で押さえている。
ヴィキ
ふう、ふう、と緊張に昂った息を細く吐き出す
これまでのボディに必要の無かった、代謝機能が働き、顔から『汗』が溢れ出し、細い顎を伝って垂れる
照準システムが起動し、自らの手首の位置へと、光の線が走る……が、エラーが弾き出される
そのエラーに、決めていた覚悟が、揺れそうになるが
結城 晃
「……ヴィキ」
ヴィキ
「……あっくん」
エラー表示は、すべてのVOIDに備わる、最も根源的な命令条項
条項1、2に反しない限り、自らの身を守らなければならない
自傷は許されない
微かに、体が震えている
結城 晃
そうだ。すっかり忘れていた。
VOIDに自分が傷つけられるはずがないのだ。
「無理だ。俺の手を落とせ」
ヴィキ
「……!」
結城 晃
「お前なら一撃で決めてくれるだろう?
ヴィキ。命令する。俺の手首を打ち落とせ」
ヴィキ
その言葉に、視界の中の赤い表示、命令条項の2、人間を保護しなければならない、の項がグリーンに切り替わる
KP
結城は歯を食いしばった。
ヴィキ
「…………」
噛み締めた強化セラミックの歯が、ばり、と軋む
斧を、振り上げる
KP
腕輪のタイマーが30秒を切る。

KP
【POW】×5を3回振ってください。
ヴィキ
X3 CCB<=(18×5) 【POW】倍数
#1(1D100<=90) > 17 > スペシャル
#2(1D100<=90) > 54 > 成功
#3(1D100<=90) > 53 > 成功
KP
あなたは強い意思を持って寸分違わず行動を起こすことができるだろう。
結城 晃
CCB<=(11×5) 【POW】 (1D100<=55) > 22 > 成功
CCB<=(11×5) 【POW】 (1D100<=55) > 23 > 成功

ヴィキ
腕が、体が震える
照準が、結城の手首の上でグリーンに、自らの手首の上で赤くエラーを吐き出し、揺れる
VOIDとしての、自らの意識が、自らを縛りあげる
KP
結城の腕はほとんど動かない。
恐怖は感じているようだが、それ以上にあなたへの信頼が見える。
カウンターが20秒をきった。
ヴィキ
緊張と恐怖の最中、ヒートアップする意識の中で、さまざまな思いが考えが、感情が迸る
それらの奔流の中、不意に、閃いたのは―――
いつか、彼を襲う凶刃の前に立ちはだかった、あの時の光景
想い
覚悟―――
何も怖くなかった
ただ、彼を守りたいがために―――
そうだ
自分は、ただのVOIDではなく―――
KP
カウンターが10秒をきった。
ヴィキ
瞬間、それまでただただ赤く描かれていた照準が、緑に切り替わった
「――――――!!!」
迸ったのは、雄叫びだった
斧を振り下ろす
結城 晃
「……!」
ヴィキ
結城の顔に、液体が降りかかるだろう
その色は―――青かった
ごん、と言う音ともに叩きつけられ、断たれたのは―――
細く、白い手首だった。
結城 晃
「……ッ
ヴィキ!」
KP
体重をかけた刃物がバイオマテリアルとフレームを断ち、テーブルへ到達する。
感覚は一瞬途切れた。
しかし直後、無数の警告が手の先から這い上がってくる。
残り、6秒。
ヴィキ
「~~~~~~~~!」
あ、ともお、とも聞こえる呻き、叫びとともに、自らの断たれた手首を左でおさえながら、ヨタ、ヨタ、とあとずさる
結城 晃
結城は素早く腕輪を引き抜いた。
ヴィキ
腕輪から、それを引き抜いた体は、がくがくと震え、膝から崩れ落ちる
それは、致命的な肉体的損害を受けた際に人間が見せるものと同じ、ショック症状だ
KP
床にぶつかった腕輪は、カシュ、と音を立てて針を飛び出させた。
あなたの手はテーブルの上に力なく転がっていた。
結城 晃
「ヴィキ! なんてことを」
ヴィキ
「ん、ん、ンンンンンンん」
固く引き絞った唇から漏れる呻き
極度の震えに、ついた膝から、糸の切れた操り人形のようにばたりと倒れた
その体は、未だ痙攣するように強く跳ね、震える
結城 晃
CCB<=45 〈機械修理〉 (1D100<=45) > 93 > 失敗
CCB<=85 〈応急手当〉 (1D100<=85) > 7 > スペシャル
「ヴィキ! ヴィキ!!
くそ、どうしたらいいんだ」
KP
結城はあなたの手首をきつく括り、人間に施すような止血処置をした。
ヴィキ
見開かれたアイセンサーは、これも人間の瞳孔のように強く開き
光量調節の効かなくなった、真っ白の視界の中が、幾つものエラー表示に真っ赤に染まる
KP
→《SANチェック成功時減少 1失敗時減少 1D5
→HP -2
ヴィキ
CCB<=89 《SANチェック》 (1D100<=89) > 80 > 成功
[ ヴィキ ] SAN : 89 → 88
[ ヴィキ ] HP : 25 → 23
びくともしないな
KP
止血処置分ダメージ減らしたんだけど
減らさない方が良かったね!
ヴィキ
半分くらい持ってかれて、ショックロールでもいいと思うなw
CCB<=(16×5) 【CON】倍数 (1D100<=80) > 53 > 成功
めっちゃ耐えたわ
KP
つおい
折角だからHP8くらいいっとく?
system
[ ヴィキ ] HP : 23 → 15
ヴィキ
「ああああああっく、くん」
震える舌と唇、顎で、彼の名を呼ぶ
結城 晃
「ああ、何!?
何をしたらいい?」
ヴィキ
「だ、だだ大丈夫……?」
壮絶に見開かれた瞳で、天井を見据えたまま、しかし吐き出された言葉は、彼の身を案じる言葉だった
その様子に、結城は気付くだろう
痛覚遮断も、流路遮断も、そのような機能が働いていないことに
KP
結城。あなたは、愛する人が手首を切断する瞬間を間近で目撃する。
できるはずのない自傷によって切り落とされた手は、切断面から青い『血液』を流している。
あなたの命は助かった。ここまでともに連れ添った、相手の犠牲によって。
ヴィキ
まぁほら、我はスタックさえ無事ならなんとかなるから
失血死とか脳死とかないから安心!
KP
SANチェック成功時減少 1失敗時減少 5》 1/1d5
結城 晃
CCB<=52 《SANチェック》 (1D100<=52) > 98 > 致命的失敗
[ 結城 晃 ] SAN : 52 → 47
不定入りましたが??
1d10 (1D10) > 8
KP
短時間の心因反応・支離滅裂・妄想・常軌を逸した振る舞い・幻覚。
ヴィキ
常軌を逸した振る舞いで、青い血塗れで警視庁にヴィキ担ぎ込んで
「誰か助けてくださーい!」
すればいいのでは
結城 晃
「ヴィキ、どうしてそんなことが。
お前が人間だったからか?
痛いんだな? 遮断は?
遮断できるんだろ?」
ヴィキ
彼女は、もはや答えない
見開かれた瞳、薄く開かれた口から漏れるのは、ひゅう、ひゅう、という細い息
結城 晃
「痛みは遮断できるんじゃなかったのか……!
くそ、くそっ」
彼女の体を運ぼうと手をかけ、そして気付く。彼女が先ほど金庫から出し横に置いた手帳。
ヴィキ
やがて、アンテナ部に、ノイズ混じりに浮かび上がるホログラム
『Critical damage detected.
60 seconds remaining to shutdown.』
結城 晃
「シャットダウン?」
いつもならそう問題はないが……
この状態での再起動はまずい気がする。
ヴィキ
勢いよく数字を減らしてゆく、ご丁寧に100分の1秒まで表示されたカウンターが、気を焦らせる
結城 晃
ちょ、60秒しかないの!? 手帳読むっつってんだろ! 判定失敗したらどうすんだよwww
結城 晃
CCB<=85 〈図書館〉 (1D100<=85) > 40 > 成功
KP
手帳をめくると、すぐに「治療」という言葉が飛び込んできた。
運が良かったとしか言いようがない。
結城 晃
呪文なんて、などと言っている場合ではない。
そこに横たわっているのは、腹部から血を流した小さな少女であった。
青い血を流した最愛の女性だった。
手帳の文字を指先でなぞり、そこに記されている言葉を読み上げる。
ただ彼女の無事を祈りながら。
[ 結城 晃 ] SAN : 47 → 46
[ 結城 晃 ] MP : 11 → 5
KP
ヴィキの体がわずかに燐光に包まれる。
その手首の先に光が集まる。
あなたは無意識のうちに、テーブルに落ちた手首に目をやった。
結城 晃
手首を拾い上げてヴィキの手首に接触させる。
KP
…………
結城 晃
2d6 (2D6) > 5[3,2] > 5
KP
ヴィキのHPが5回復。
結城 晃
CCB<=(11×5) 【POW】 (1D100<=55) > 98 > 致命的失敗
KP
おぉっと。結城は呪文の反動で意識を失った。
ヴィキ
あーもうめちゃくちゃだよ
じゃぁむしろ、目を覚ましたヴィキが結城を連れ出して脱出したって感じか
そして結城さんは見知らぬ天井?
KP
そうなるw
ヴィキ
これ、脱出シーンもやるのかな?
それとも病院で結城さん目覚めるシーンに飛ぶ?
KP
飛んでも良い。

KP
ではヴィキ。あなたの肉体的損傷は何故かある程度の修復が成されていた。
それによりシャットダウンは中断される。
ヴィキ
カウントダウンは、突如停止
[ ヴィキ ] HP : 15 → 20
代わって表示されるのは
『Restoration completed.
All systems GREEN.
Shutdown sequence stopped.』
ヴィキ
唐突に目を覚ます
KP
落としたはずの手首が元通りくっついており、結城が気絶しているのが見えた。
それを認識した途端、大きな爆発音とともに、あなたたちのいる部屋へ通じるドアが爆破によって半壊する。
粉塵が渦巻き、何者の姿も見えない。
銃撃音は止んでいる。
今なら出入口まで駆け抜けることができるかもしれない。
ヴィキ
保護回路の働きによって、壮絶な記憶だけは薄れたまま、前後の記憶が接続される
瞬時に理解したVOIDは、倒れた彼の体を背負い上げると、開かれた出口へと駆け出していった

KP
結城。あなたは病院で目を覚ます。
すぐ横には、ヴィキの姿があるだろう。
ヴィキ
「あ」
開いた目がこちらを向いたのに気付いた彼女が、小さく声を上げる
KP
結城は何が起きたのか分からないという顔をしていた。
ヴィキ
「あっくん!」
名を呼ぶ声と共に、彼の体に縋り付く
「大丈夫? 痛いところとかない? 意識は?」
結城 晃
「うわ、大丈夫!
ヴィキ……そうだ、手は?」
ヴィキ
「……」
第一声、そんなことを言う彼の目の前で、白い指を握ったり、開いたりして見せる
KP
あなたの手首にはぐるりと赤いアザのような痕跡が残っていた。
結城 晃
「ああ」
信じられない、というようにあなたの手に触れる。
「良かった」
ヴィキ
では、触れようと手を伸ばしてきたところで
遮るようにその顔に、ぱむ、と薄汚れた手帳を叩きつけた
もちろん、軽くではあるが
結城 晃
「うわ!」
ヴィキ
「また無茶、したでしょ」
咎めるような口調で、
自分が起きた時に『治療』のページが開かれていたこと、彼が精神虚脱のような状態で意識不明の状態となってしまっていたこと、命に別状はないが、これまで数日、昏睡とまではいかなくとも目を覚まさなかったこと、など
いかに自分が心配をしたかについて、ブイブイと文句をつける
「心配、したんだから」
結城 晃
「悪かったよ。けどそれしか方法がないと思ったんだ。
それに無茶をしたのは君もだろ」
ヴィキ
「それは……」
言われて、う、と黙る
結城 晃
「君に自己破壊しろなんて命令はしてない。
君が君の意志でやったんだろ?」
ヴィキ
「うん……」
首を傾げるようにして
「なんでか、できたんだよ。
でもさ、だって。
あなたの手を切り落とすなんて、絶対にできないもの」
結城 晃
「ヴィキ、けれど君は」
VOIDが命令に反するなんて事が簡単にできるのか?
命令に反したVOIDはどうなるのか?
彼女が自分の心にしたがったからと言って、簡単にできることではなかったはずだ。
「……
ありがとう。お陰で助かった」
ヴィキ
「……」
何か、咎められているようで、彼女はしばらく黙っていたが、その言葉にようやく顔を綻ばせた
「ううん。あなたを守れて良かった」
結城 晃
また守られてしまった。そんな言葉を飲み込む。
「ああ、ありがとう」
ヴィキ
「うん」
それから、しばし、今回会った出来事のことの情報の整理や、雑談などをして
それらの話もようやく落ち着いたところで
「……」
ふと、会話が途切れた時間
何かを話すでもなく、彼女は視線をあちらやこちらへ、と泳がせるようにしながら
何かを話そうと迷っているような、そんな様子を見せる
結城 晃
「……?」
首をかしげる。
「どうかした?」
ヴィキ
その言葉に、びくっと肩を震わせる
「あ、えーと……」
問われ、あからさまに落ち着かないような様子
しばし、更に迷うようにしてから
「えっと、さ。
このボディ、有機体ベースで作られててさ。骨格もそうなんだけど、内側も、こう、バイオマテリアルで作られてるのね」
結城 晃
「うん? そうか、そのボディ、まだ戻せてないんだな。
トラブル、そんなに酷いのか」
ヴィキ
「あ、ううん。そういうわけじゃなくって……
今回色々なデータフィードバックもあったから、試用期間が少し伸びたらしくて。
まだしばらくの間だけ、このボディのままなんだけど……」
結城 晃
「そうなのか。
いつも通りじゃないと大変だろ?」
ヴィキ
「あ、うん。それはまぁ……うん」
組んだ指をもじもじとさせながら、俯く
結城 晃
「けど、そうか、人間に大分近いんだな」
ヴィキ
「!
そ、そうそう。そうなんだよ」
結城 晃
「ん? うん?」
ヴィキ
「それでね、えっと……
その、えっと……」
チラチラと目線を彷徨わせながら
「その……今後、そう言う機能も必要になるから、ってことらしくて。
そ、そう言うことも、ね。で、できるって言うことなんだけど……」
KP
データとれるからそういうのも喜んで許してくれるし期間も伸ばしてくれそうだなぁ。
ヴィキ
レミさんが気を遣ってくれたのかな
結城 晃
「そういう?」
ヴィキ
「……うん」
首を傾げる結城の姿に、なおもしばらくもじもじとしてから
「ああ、もう!」
痺れを切らしたように、立ち上がって、ベッドの上で半身を起こす結城の耳元に、顔を寄せる
そして囁く
「え、えっちな……こと」
その顔は、薄く上気したような桃色になっていることに、気付くかもしれない
結城 晃
「……
えっ、あ、そういう」
KP
結城の顔がぽかん、として。
それから驚きに満たされる。
ヴィキ
「た、試して、みる……?」
薄桃色の顔と、どこか潤んだようにも見える戸惑いを浮かべた瞳で、不安そうに尋ねる
結城 晃
「試す……なんて」
ぽつりと呟いて。
KP
その顔が一気に明るくなった。
結城 晃
「本当に? いや、信じられなくて」
言いながらも、少し身を乗り出しているのに気付くかも知れない。
「試すとか、じゃなくて、嬉しいし、お願いしたい? いや言い方がおかしいなこれ」
ヴィキ
「あ、ああ、うん、そうだよね」
彼女も慌てたように、引き攣った顔で
結城 晃
ヴィキの手を取って、抱きしめよう。
ヴィキ
「わぁっ」
結城 晃
「うん、あの時できなかったことを、しよう」
ヴィキ
「あの時できなかったこと……」
KP
心拍が上がって行くのが感じ取れる。
結城 晃
「今度は邪魔者なしで」
ヴィキ
ライブラリから、近々の記憶が読み出され
耳までが真っ赤に染まる
「うん……」
小さく、か細い声で頷いてから
ふと、何かを思い出したように
「あ、ど、道具とかはやめてね。……怖いし」
結城 晃
「いや、いきなりそういうのは俺もちょっと」
ヴィキ
「あ、そ。そうだよね」
あはは、と誤魔化すように笑い
「と、とにかく、そう言うことなんで。
早く、元気になってね!」
KP
……
すでに元気になっている気もするが。
ヴィキ
「……」
結城 晃
そっと布団で下半身を隠した。
ヴィキ
VOIDの鋭い視線が、ベッドの上、薄いシーツに覆われた結城の下半身のあたりの変化を、隠される間際に捉えた!
かもしれない
「あはは、それじゃ……。お、お大事に」
結城 晃
「あ、ああ、ありがとう。
『そういう』ことも教えてくれて、その、嬉しかった」
ヴィキ
「……だって。
一番にあなたに教えたかったから」
花のように綻んだ笑顔でそう、口にして
とんでもなく恥ずかしいことを口にしてしまった、と気付いた彼女の顔は再び真っ赤になり、慌てて逃げるようにして病室を去った
そして、彼女が腰掛けていた椅子の上には、パンフレットの束
『阿煮町』と言う温泉街のものらしい
KP
つながったー!

KP
後日、ニュースでリストビルの火災が短く報じられた。
身元不明の4名の死体が発見されたということだった。
愛豊山での火災についても、出火の原因や研究所の素性、事件性について明かされることはないまま、世間に忘れられていった。
ヴィキ
一応、拝島の遺体は無かったか、こっそり調べておこう
KP
恐らくなかったのではないかと思われる。
あなたが知る特徴と、見つかった遺体の特徴は一致しなかった。
ヴィキ
今度こういう事件あったら、あいつに振ろう
KP
あなたの手には彼が残した手帳がある。
もしかすると、それを受け取りに現われることもあるかも知れない……
ヴィキ
スパローとも情報共有しておかないと
KP
取り戻した日常がこのまま穏やかに続くかどうか、誰も保証してはくれない。
ただ、手を繋いで走ったあの二日間のことを、あなた方がひとつとなった日のことを
あなたは忘れることはないだろう……


END:A



ヴィキ
Aはどんな条件なんだろう
KP
無事腕輪外してビルから逃げられた場合。
ヴィキ
ふむふむ
KP
腕輪外すのに失敗するとBになるよ。
ヴィキ
外さずに逃げたりもできるのか
KP
あとは【POW】判定失敗したり
ヴィキ
【POW】は狙い通り切れるかの根性ロール?
KP
あれ全失敗すると腕落とす決意を固められなくて、1分のインターバルが必要になる。
ヴィキ
なるほど
腕輪抜けなかったら、死亡END?
KP
相方が代わりに振る、とかもあるし、そうそうないとは思うけど、そういうエンドもある。
ロストエンドだね。
ヴィキ
なるほどなーーー
KP
生還報酬!
ヴィキ
やったぜ
KP
◆SAN値回復
生還した 1d6
自己犠牲により危機的状況を回避した 1d6
今回の件で相手と関係が深まったと感じた 1d6

◆クトゥルフ神話技能
アイホートの雛を埋め込まれる 1d3%
結城は2つめの項目はなしだね。
ヴィキ
関係の深まり具合がやばいな
KP
これは文句なしでしょう。
ヴィキ
3d6 (3D6) > 12[6,5,1] > 12
[ ヴィキ ] SAN : 88 → 96
KP
2d6 (2D6) > 4[3,1] > 4
ヴィキ
MAX
1d3
1d3 (1D3) > 2
結城 晃
振るわないな。初期値に戻ったからヨシとしよう。
[ 結城 晃 ] SAN : 46 → 50
1d3 (1D3) > 2
KP
VOIDではなんか色々無理がありそうな話だったけど、お付き合いありがとうございました!
色々封じてごめんな!
ヴィキ
封じたおかげで、二人の関係が深まった
この二人、何があっても結局イチャつく
KP
これがあった後で温泉行ったからね、そりゃ高校生みたいな恋愛なんてやってられないわけだよ。
結城 晃
あ、結城の不定期間。
1d6 (1D6) > 4
4ヶ月でした。
たまに奇妙な行動したり幻覚見たりするけど勘弁。
ヴィキ
枕投げした後で、二人が部屋を去ったら夜の大運動会したんでしょうね(ゲス顔
KP
そりゃしただろう。あの時はさすがになぁと思って口には出さんかったが。
このシナリオの後で『阿煮町』に行ったことになる。
ヴィキ
4ヶ月の間は、まぁヴィキが〈精神分析〉でケアもできるし
CCB<=81 〈精神分析〉 (1D100<=81) > 33 > 成功
KP
病院にも通って療養して貰おう。
ヴィキ
〈聞き耳〉【DEX】でCRTとF出てるが
【DEX】はどうなる?
KP
【DEX】は、その能力値やシーンに関連していそうな技能かな。
ヴィキ
ふむ
まず〈聞き耳〉から
CCB<=85 〈聞き耳〉 (1D100<=85) > 23 > 成功
ヴィキ
はい
KP
まあね
ヴィキ
CCB<=85 〈ショットガン〉 (1D100<=85) > 82 > 成功
結城 晃
CCB<=20 〈オカルト〉 (1D100<=20) > 41 > 失敗
1d10 (1D10) > 10
めっちゃのびたわ。
ヴィキ
すごーい!
むしろヴィキが伸びないのが不思議なくらいだけど
KP
妄想喋るのってオカルトなアレコレ語るようになっちゃったのでは。
なんで結城さん〈オカルト〉もってんだろ……
ヴィキ
同棲してる時に、やたらホラー動画を流すようになってるのかもしれない
結城 晃
中の人的には何も問題ないじゃないか。
ヴィキ
ほんとにあった呪いのビデオとか
結城 晃
「ヴィキ、ここで扉が動くだろ? ここには何かが潜んでいて……」
ヴィキ
「すごいねー。こんなことあるんだねー」
それらの映像トリックをあっさりVOID力で分析して、棒読みで相槌を打っている
でもごく稀に、どう分析してもわからないものがあったりして、そう言う時は
「今日、一緒に寝ていい……?」
ってなる
KP
4ヶ月間だけだからまあ我慢していただいて……
って思ったけどそういう事なら治らなくてもいいかな!
ヴィキ
彼女が添い寝してくれる
いや、添い寝を乞うてくる
結城 晃
喜んで一緒に寝るし、その先もokなら!
ヴィキ
いずれ、有機体ボディの技術が、メインボディの『一部』に実装されるかもしれないからね!
夜が楽しくなる
KP
というわけで生還&進展おめでとうございますありがとうございます。
ヴィキ
お疲れ様でした!

ひとこと
KP
どう考えてもVOIDでやったら無理がありそうなシナリオでしたが、VOIDならではの要素やイベントが多数生えて、結果的にはやって良かったなと思いました。
二人の仲もヴィキ自身も何歩も前進、色々と広がりも出て良かったと思います。
ラストの禁止条項なんかはKP素で忘れていたので、『こ、このシーンは……!』ってドキドキしてしまいました。
いやーーーんお幸せに!!!


CoC『VOID』29

CoC
VOID 22日目 close
「……肯定、して、ほしかった」
「そうか……今もまだ、そう思ってる?」

CoC『VOID』継続『靴下が履けない』結城&ヴィキ

『うん。ちょっと横断歩道渡れなくて困ってるお婆さんと、気分悪そうにしてるおじいさんと、風船取れなくて困ってる子がいて』
『……イベント起きすぎじゃない?』

CoC『VOID』28

CoC
VOID 21日目 close
……わたし達は道具だ。道具とはいえ、望みくらいは、持っている。意思を持たせておきながら、その意思を完全に無視してしまうのは―――わたし達自身の存在意義への侵襲に他ならない。



本作は、「 株式会社アークライト  」及び「株式会社KADOKAWA」が権利を有する『クトゥルフ神話TRPG』の二次創作物です。

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