こちらには
『100万回のハッピーバースデー』
『地獄はやさしい』
ネタバレがあります。

このリプレイには、本シナリオのほか、『地獄はやさしい』 『対の棲みか』のネタバレが含まれます。
本編見る!
KP
あなたは、牧志浩太。
佐倉さんの友達。
底抜けにお人好しで、案外、腰が据わってて芯が強い。
──違和感が降り積もる。
牧志 浩太
俺は本当に牧志浩太なのだろうか?
KP
その違和感を無視するなと、頭のどこかが訴えている。
あなたは誰だっただろうか。
あなたは── 何者だっただろうか。
分からない。
牧志 浩太
ただの記憶の混濁とは思えなくなってきた。
KP
強烈な既視感。
もう、何もかもが信じられない。

KP
────あなたのスマートフォンが、メッセージの着信を告げた。
牧志 浩太
そうだった。
二人にことわって、メッセージをチェックしよう。
KP
そのメッセージには、送信者の名前は表示されていなかった。
牧志 浩太
「これは……」
KP
「中央広場には行けた?」
宛名すら書かず、そんなメッセージ。
牧志 浩太
気になる。朝見たものが思い出される。
しかし、佐倉は目の前にいるのだ。
佐倉 光
「……牧志?」
佐倉はPCやスマートフォンを手に持っていなかった。COMPの腕輪は彼の手にあるが、展開されていない。
牧志 浩太
『行けた。君は誰だ?』
返事を打ち込み、しばらく躊躇ってから送信。
KP
「俺は、ごめん、言えない」
牧志 浩太
「誰なのか分からないけど、事情を知っていそうな相手がいるんだ」
と佐倉に言う。
「俺は、佐倉さんなのかと思っていたんだけど……」
佐倉 光
「……事情を知ってそうな相手だと? 信用できんのか?」
牧志 浩太
「正直、分からない。
けれどこれも、無視してはいけない気がするんだ」
佐倉 光
「真偽不明の手掛かりってか。分かった、相手の意図がなんだろうと参考にはなる。詳しく教えてくれ」
牧志 浩太
そう言って、メッセージを送る。
『助けになるもの、というのが良くわからないけど、ライブ会場には来た』
では送ってから、簡単に佐倉に今朝のことを話す。
東浪見 空
東浪見は頭に盛大に疑問符を浮かべているが、口は挟まずに待ってくれているようだ。
牧志 浩太
ひたすら待たされる東浪見くん。
佐倉 光
「……盛大に怪しいな。広場に行ったのはそいつの差し金か」
KP
「よし、よかった。講演のチラシは見つけた?」
牧志 浩太
『ああ、奇妙な感じだ。俺はこれを見た事がある』
牧志 浩太
時を超えて助言くれてるのかなー。
KP
「それに参加してほしい。あと、幾つか調べた方がいい内容がある」
少し思案したのか、躊躇ったのか。少し時間が空いて、次のメッセージ。
「星の教団、昨日の……、そっちだと昨日かな。襲って来た奴のこと。それから、そのスマホに来てると思うメールの文面」
牧志 浩太
「襲って、きた……?」
KP
「それから、バベッジ社」
佐倉 光
「襲ってきた? ……昨日の奴か?」あなたの呟きを彼はとらえる。
牧志 浩太
『襲って来た奴というのは、肉の塊のような化け物の事か?』
「そうかもしれない、訊いてみる」
KP
「それで合って、」
次の瞬間、スマホが一瞬フリーズする。──前と同じように、メッセージは跡形もなく消えてしまった。
牧志 浩太
「……あっ。
また消えちゃったな」
しまった、佐倉さんのスマホで録画試してもらうんだった。
KP
新着メールの通知が一通分、画面の中で光っている……。
佐倉 光
「スマホ見せてくれ。何か残ってねぇか調べてみる」彼はあなたに言う。
牧志 浩太
「ああ、頼む」
スマホを手渡す。
「……そちらなら昨日、って、どういう意味だ……?」
佐倉 光
彼はあなたのスマホを受け取り、近くにある休憩スペースを探してそこに陣取ると、テーブルの上にミニPCを展開する。
「うわ、汚いな」
テーブルの上にドリンクがこぼれている。拭き取って気を取り直し、改めてミニPCとスマホを……ケーブルの束の中を探り、目的のケーブルを探り当てて接続する。
東浪見 空
「あー、ここ子供多いもんな。何か買ってこようか?」
牧志 浩太
「ああ、悪い、頼むよ」
代金は渡すから。
佐倉 光
「じゃあ麦茶……、いや、モンエナで」
東浪見 空
「牧志は? 麦茶?」
牧志 浩太
「えーと……じゃあ俺も同じやつで」
東浪見 空
「へ? 牧志、カフェイン駄目だろ」
牧志 浩太
「あっ。
ああ、麦茶にしてくれ」
東浪見 空
「珍しいなー、普段気をつけてんのに。オッケー」東浪見は明るく承諾し、近くの自動販売機へドリンクを買いに行く。
牧志 浩太
首をひねる。
こういう気合いを入れたいときは、モンエナって気がするんだが……昨日の事を考えるとやめておくべきだろう。
佐倉の後からのぞき込む。
KP
佐倉くんミニPCのロック方式何にしてますか? パスワード? 指紋? 複合? 物理キー?
牧志 浩太
何だろう、パスワードと指紋かな?
佐倉 光
「……?」
ミニPCを展開して、キーボードに手を伸ばし…… 一瞬手間取る。片隅に指紋センサーを探り当て、そちらに指を伸ばす。
「……
……
…………」
■佐倉視点
佐倉 光
(マジかよ…… おいおいおい。何だよ、頭が真っ白になったみたいだ)

牧志 浩太
指がぐねぐねしてるな……
佐倉 光
「やべぇ、パスワードど忘れした…… 本気かよ……」
牧志 浩太
「佐倉さんが?」
見ていて、何か記憶に引っかかることはあるかな?
KP
背後から画面をのぞき込めば、自然とパスワードが頭に浮かんだ。
牧志 浩太
「ごめん、ちょっと触っていいかな」
恐る恐る声をかける。
佐倉 光
「牧志?」
少し、いや相手が牧志でも、それなりに盛大に躊躇ったとは思う。PCの上は自分の領域だ。
あなたの意図を確認するように、振り返ってあなたの顔を見上げる。
牧志 浩太
「怒らないで聞いて欲しいんだけど……」
佐倉 光
「おう……?」
牧志 浩太
「俺、このパスワード知っているかも知れない」
佐倉 光
「…………へ?」
牧志 浩太
「おかしいよな、佐倉さんがロックを外すところなんて、人に見えるようにやるわけがないのに」
佐倉 光
「なんで牧志が知ってんだよ、波照間さんにも教えてねーぞ」
牧志 浩太
「けど……自信があるんだ」
佐倉 光
「…………」じっと、あなたの顔を見上げた。
■佐倉視点
佐倉 光
(本気か? いや……、牧志が嘘を言う理由がねぇ。それに、さっきからずっと、俺自身が信用できない状態なんだ。

それに。
何でだろうな、これで、間違ってない気がしている)

シークレットダイス
東浪見 空
シークレットダイス sCCB<=65 東浪見くんの【幸運】 (1D100<=65) > 62 > 成功

東浪見 空
三人分のドリンクを買って帰ってきた東浪見は、あなた達に声をかける前に何か取り込んでいることに気づき、間の悪い割り込みを免れた。
「なんか取り込んでんなー」隣の席に陣取って自分のドリンクを飲む。コーラLサイズだ。
牧志 浩太
空気の読めるイケメン!
牧志 浩太
「あ、ありがとう」
気付いてか気付かずにか、東浪見に声をかける。
東浪見 空
「おう、いいってことよ。こっちに置いとくから温くなる前に飲めよー」
佐倉 光
「…………分かった。やってみろよ」彼は、僅かに位置をずらし、あなたにPCの正面を譲る。
牧志 浩太
手を伸ばす。
一瞬周囲の状況を確認。
指が慣れた様子でキーの上を踊る。
『betthekey』
その後に数字をいくつか。
佐倉 光
彼はあなたの背後を塞ぐように移動する。
牧志 浩太
そう、ロックとはいえ、簡易的なもの。半分ジョークのような内容だ。
撃ち込んでみてから、意味が分からないな、と思った。
■佐倉視点
佐倉 光
(結構簡単なやつだったな。拍子抜けだ……、波照間さんが後ろから見てたのか? 結構前のことなのに、よく覚えてんな)

KP
ロックが解除される。見慣れたいつもの画面と、スマートフォンの接続通知を見た瞬間──
牧志くん。「技能値85の1/2」で判定を。
牧志 浩太
CCB<=85/2 【?】 (1D100<=42) > 73 > 失敗
牧志 浩太
かっこよくは決められなかった。
KP
一瞬、その「見慣れた画面」を前に、あらゆることを考えて── 横で、東浪見がうまそうにコーラを飲む音が意識に割り込んだ。
牧志 浩太
ここは暑いな、喉が渇いた。
雑念が入り込む。
佐倉 光
「……解除、できたな……。貸してくれ、後はやる」
牧志 浩太
「あ、ああ」
手を引っ込めて場所を空ける。
東浪見 空
「お、飲む?」彼はあなたに麦茶のペットボトルを差し出す。
牧志 浩太
「ありがとう、喉が渇いた」
東浪見 空
「やっぱペプシじゃなくてコーラだよなー」
佐倉 光
「あ、そ。ありがと……」モンエナを受け取って飲む。
牧志 浩太
「そこの違いは俺には良くわからないな」
東浪見 空
「ペプシはなんか味が薄くてさー」
牧志 浩太
「そういうものなのかな。そういえば一回、コンビニの全種の緑茶買って飲み比べてみたことはあるな……」
東浪見 空
「おー、いいじゃん。どうだった?」
飲み比べ
牧志 浩太
けっこー味に特徴があって面白い。
KP
面白そう。
牧志 浩太
本当に、飲めば「あ、これはこの味」って分かるくらい差があるんですよね。
で、やっぱり伊藤園の濃い味大好きだわって再確認した想い出。
KP
ほほう。差があるなーくらいは思ってましたが、そこまで突き詰めたことないな。今度気にしてみよう。

牧志 浩太
「甘いの、さっぱりしてるの、渋めなの、思った以上に差があって面白かったから、成分調べてみたりした気がするな。産地と品種まで調べたあたりで飽きたけど」
佐倉 光
「結構美味い……。変な感じだ。昨日が初めてだった気もするのに、なんか慣れてる」不思議そうにモンエナを飲み干し、改めてPCに向かう。
東浪見 空
「おっ凝り性。突き詰めるとこ、らしいなー」
牧志 浩太
「凝り性、なのか? 俺」
東浪見 空
「おう。あー、でも雑学にはあんま凝ってた印象ないな。割と分野絞ってた感じ」
佐倉 光
CCB<=85 《芸術(ハッキング)》 (1D100<=85) > 14 > スペシャル
牧志 浩太
さすが
お茶のボトルをしっかり蓋を閉めて別のテーブルに置き、さりげなく佐倉のモンエナの缶も移動させる。
なんか、PCの周りに飲み物がある状況が耐えがたい。
佐倉 光
ミニPC、というか、こういう小さなキーパッドは使い慣れていた気がする。配置が違うので少しもたつきながら、慣れ始めると速い。
ふと、飲み物の缶があった位置に手を伸ばした。
■佐倉視点
佐倉 光
(喉渇いた。ないと調子が出ないんだよな)

牧志 浩太
「ああ、ごめん、向こうに動かした」
佐倉 光
「そうか、悪いな。
珍しくなくても調子が出るな……」
牧志 浩太
波照間さんの記憶かな?
佐倉 光
波照間の記憶です。(ないと調子が出ない)
牧志 浩太
飲んでるものが違わないかw
佐倉 光
明らかに違いますね。気づいてない。
横にビール缶置いて調査した記憶が蘇ってきちゃってる。
牧志 浩太
「何か分かったのか?」
佐倉 光
しばらく真顔で探り、少しして顔を上げた。
「何も痕跡残ってねーな……。どうやって送ってきた? COMPが動きゃ、あっち方面からも探れるんだけどな」
彼は悔しそうに数度腕輪を弄る。
牧志 浩太
「そういえば、いつも会話は突然終わるんだ。向こうに話す気がありそうなのに。
スマートフォンがエラーでも起こしたみたいにフリーズして、全部消える。まるで元々なかったみたいに」
佐倉 光
「話す気がありそうなのに会話が終わる? ……本来のじゃない経路で送ってきてんのかもな。何かの合間を縫って送ってんだ。
にしても、消去した痕跡すらねぇとか……」
牧志 浩太
「そう、話している感じから言って、最初は佐倉さんだと思ったんだ。
そんな時期、あっただろ?」
佐倉 光
「ああ、あの時か」
そういえば、そういう時期があった。ちゃんと連絡が取れるようになる前に、ふと気紛れに連絡をくれたことがあった。
連絡を…… くれた?
牧志 浩太
「あのな……今からものすごく馬鹿な事をいう。
元々そんな連絡はなかったのかも知れない」
佐倉 光
「なかった? でも、見たんだろ」
牧志 浩太
「見たよ。今だって佐倉さんも見ただろ?」
佐倉 光
「ああ、見た」
牧志 浩太
「それでも、なかった。
そう考えるのが、合理的なんだ……」
佐倉 光
「俺達が存在しないものを見てるか……、“無かったことにした”、か」
牧志 浩太
「俺はさっきの連絡で、ひとつ気になっていることがある」
佐倉 光
「何だ」
牧志 浩太
「『そちらでは昨日』って言葉だよ。そちらでは、ということは、あちらでは違う、ということだ。
あの連絡は、今このときに送られた物ではない、ということになる。
けれど、それにしては奇妙なんだ」
佐倉 光
「奇妙?
……そうか、リアルタイムでやりとりしてたな」
牧志 浩太
「そう、それだ。
俺たちは、前に今日を体験したことがあるかも知れない……」
佐倉 光
「一応、事前に自動応答でも仕込んどいてやり取りできるようにしときゃ、今送ってなくてもリアルタイムで話くらいできる。
ただ、事前に── 過去に仕込んだにしちゃ、意図が分かんねぇ」
牧志 浩太
AIとか言われたらそうですねとしか言えねーなそういや。
佐倉 光
最近できちゃいますからね自然な応答。
牧志 浩太
「だから言ったろ、馬鹿なことを言うって。
……時間は決して不変で一定のものではない、という言葉が頭をよぎったんだ。誰から聞いたんだったかな……」
佐倉 光
「相対性理論。不確定性原理……、ああ、それにだ」
CCB<=85 【アイデア】 (1D100<=85) > 92 > 失敗
「クソ、また曖昧だ。物理学で何か思い出しかけたんだけどな」
KP
【アイデア】をどうぞ。
牧志 浩太
CCB<=90 【アイデア】 (1D100<=90) > 25 > 成功
KP
並行世界。
あなたの脳裏に、その言葉がふっと浮かんだ。
牧志 浩太
「平行、世界?」
佐倉 光
「へ?」
牧志 浩太
メガテン的には普通にあるキーワードだなそういや。
PCたちはしらんけど。
牧志 浩太
「平行世界だ。様々な条件の差により発生する、分岐した世界が無数に存在するという」
KP
表の世界のあなたは知っている。
一つの選択が、無数に分岐するという理論を。
裏の世界のあなたは知っている。
異界でさえ、時間はずれるという事実を。
牧志 浩太
「選択された事象によって世界は変化し、その数だけ世界は存在する」
KP
佐倉くんも金剛神界とかは知らないけど、デビルバスターやってそこそこ長いし、話にくらいは聞いた事があるかなって。>時間がずれる
牧志 浩太
あるかも
牧志 浩太
「異界では尚更だ、時間は現実と違うこともある。
そのどこかから送られていたとしたら……」
佐倉 光
CCB<=95/2 【知識】 (1D100<=47) > 67 > 失敗
「このメッセージを送ってきてんのは、分岐した世界の誰か……、ってことか。
もしかすると、未来の俺か? それなら、痕跡残さねーのも納得はいくな」
牧志 浩太
「そうかも知れないな。
俺は……
俺は、信じてみようと思うんだ」
佐倉 光
「信じて……、か。危ういな。ま、俺も今ん所賛成だ。他に手掛かりがねぇ。参考にはなる」
牧志 浩太
「今喋ったことが真実かどうかなんて分かりはしない。
あまりにも飛躍してる。情報も足りない。
だけど、あのメッセージをくれた誰かは信じたいと思う」
佐倉 光
「ま、言った通りだ。全部信じられるかどうかはともかく、参考にはしてみてもいいだろ」
東浪見 空
「なんか超わからん話してるな。イカ?」
佐倉 光
「うわ、いたのか」
牧志 浩太
「イカだよ。まがってたりぐねってたりするんだ」
東浪見 空
「イカが曲がんのかー、って絶対誤魔化したな?」
牧志 浩太
「信じてくれるなら話すけど。
なかなかトバしてる話なんだよ」
佐倉 光
「おい牧志」
■佐倉視点
佐倉 光
(巻き込む気か?)

東浪見 空
「ま、いいや。なんかつもる事情でもあるんだろ。聞かない方がいい話だろ? そういう雰囲気だし」
牧志 浩太
「悪いな」
東浪見 空
「いいってことよ。頑張れ!」彼は再び、どんと自分の胸を叩いた。
東浪見くん
牧志 浩太
なんかもう牧志君じゃなくなってきたな。
帰ってもらった方がいいかな?
KP
どちらでもOKです。KP的には居ても大丈夫ですし巻き込むまいと帰すのもOK。
牧志 浩太
そうだな、佐倉的には巻き込みたくないし、牧志くんもそうかな?
佐倉 光
牧志くんも巻き込みたくないと望むでしょうね。東浪見は友人で、いいやつだし。

牧志 浩太
「この埋め合わせはまたするよ……モニタは俺たちで何とかする。
ちょっと別のことを調べなくちゃならなくて、時間がかかりそうだから、先に帰っていてくれ」
佐倉 光
「……そうだな。帰った方がいい」
■佐倉視点
佐倉 光
(東浪見を巻き込みたくない。こいつはいい奴だ)

牧志 浩太
内なる佐倉と外なる牧志がカエレって言ってる。
東浪見 空
「ありゃそうか。手が要るなら呼べよー」東浪見は必要以上に食い下がることなく、笑って手を振って帰っていく。
佐倉 光
その背中を見届けて、佐倉が安堵したように息をついた。
牧志 浩太
「……いいヤツだな……」
背を見送ってぽつりと呟いた。
「悪いことをした」
佐倉 光
「ああ、いい奴だ、あいつ……。巻き込まずに済みそうで、よかったな」どこか実感をもって、彼は呟く。
「本当に、いい奴だ」
KP
東浪見くん、力を貸すのに慣れている割に変に深入りしたり食い下がったりしないから、愚痴聞き役にされるんだろうなぁ。
牧志 浩太
「やっぱり知ってるだろ、佐倉さん」
茶化すように言って、目の前の『佐倉の』PCに手を伸ばしかける。
「……あ……ごめん。
メモを取ろうと思って」
■佐倉視点
佐倉 光
(そうだ、もう確実だ。俺は東浪見を知ってる。間違いない。東に波に見ると書いて、東浪見。同じ学校の、……ん、何だって?)

佐倉 光
「知ってる? ……そうだな、初対面って気がしない。俺は、東浪見を知ってる」数度、手を握って……、開いて。
「あいつがいい奴だって、知ってる……
……ん……、ああ。なんだって?」
自身の記憶に気を取られていたのか、少し遅れて振り向く。
牧志 浩太
「いや……何でもないんだ」
言って自分の日記帳を取り出す。
KP
さっき佐倉が使っているのを見た、手帳用の小さなボールペン。携帯用の小さな日記帳。
牧志 浩太
何か考え事をしたいとき、紙に書き付ける習慣はなかったように思う。
しかし慣れないスマートフォンよりはマシではないかと思えた。
KP
ペンを取れば、不思議としっくりくるような気もした。
牧志 浩太
なんかこのスマホ、設定が微妙に変なのか、ものすごく打ちづらいのだ。
ペンを紙に走らせる。
牧志 浩太
人のスマホってほんのちょっとしたことがストレスになるよね。
KP
めっっっちゃめちゃわかります 人のスマホとキーボードはだめだ
あとiPhone/Androidが違ってしまうともうだめ その! OSは! わかりません!!!!! ってなる
キーボードはほんとに死ぬ キーピッチが合わないだけでも死ぬ
牧志 浩太
わかんないのよ人のPC……
KP
ほんとにそれですよ…… むりぃ
牧志 浩太
OS違いマジで分からん……

牧志 浩太
『死体……星の教団』『スマホに来ているはずのメールの文面』『バベッジ社』
「さっきのメッセージはこれを調べろと言っていた」
佐倉 光
「そうか。……メールの文面?」
牧志 浩太
「そう、さっき来ていた筈だ」
佐倉 光
ミニPCを元のように仕舞いながら返す。
牧志 浩太
スマートフォンをまたもたつきながら開けて、メールを探す。
佐倉 光
佐倉も横から覗き込む。
KP
そこには、見た覚えのない既読のメールがひとつあった。また通知だけ残っていたようだ。見る?
牧志 浩太
見ますよ!
「佐倉さん、佐倉さんのスマホか何かで録画してみてくれるか」
これは消えたりしなさそうだけどね。
KP
「星の教団」
件名:力を手に入れあなたも幸福に

あなたも星の教団に入り、電子の海の⼀員となりましょう!

そんなメールにURLが添えられている。
スマホを持っている牧志くん……、1d100を、どうぞ!
牧志 浩太
1d100 (1D100) > 54
シークレットダイス
KP
Sc(12×3) c(12×3) > 36

牧志 浩太
あれ、波照間さんが言ってたの星の海の教団じゃなかったっけ。
メガテンの方だけど。
KP
星の智慧教団だった気がする。
牧志 浩太
微妙に違った!

KP
そのURLから異様な引力を感じ、危ない、と思った時には遅かった。
気づいた時には既にページが開いていた。
牧志 浩太
「!?」
KP
あなたの体は宇宙空間にあった。
佐倉 光
「──な!?」
牧志 浩太
「なんだ、これ!?」
KP
見渡せば多数の思念体が、あなたと同じように漂っているのが分かる。
彼らは───みな人のようだった。
あなたの体もまた、精神のみの塊となって、存在している。
牧志 浩太
「宇宙? 空気は? 温度……」
慌てて口と鼻を押さえる。
KP
あなたには手はなかった。口も、鼻も。あなたはただ塊だった。
だれもが吸い込まれるように、同じ一点へと進んでいる。
牧志 浩太
「くそっ、何なんだよ! 召喚されてる?」
KP
泳いだ先に見えたのは、大いなる存在だった。
きらめく緑色の姿。ローブに身を包んだその存在は非常に大きく、彼の衣の内側には更に大きな宇宙が広がっていた。
あなたは── その大きな流れに合流してゆく。
周囲の人々と共に。
真っ先に声が消滅する。次に境界が溶けた。次に意識が融合する。
牧志 浩太
BAD ENDじゃんw
一個一個にバッドエンドが待ってるんじゃないだろうなw
牧志 浩太
自分というものが溶けて混ざってなくなる。
それは凄まじい恐怖だ。
KP
その恐怖すらも引きずられて融合してゆくのだ。
あなたは声を上げただろうか。抵抗しただろうか。何を叫んだだろうか。
牧志 浩太
自己が消滅する怒りを叫んだ。
こんな馬鹿なことがあるか。こんな下らないことで終わるなんて
俺にはまだ、知りたいことがいくらでも……!
りせき
KP
タイミング悪いけど5分離席します!
牧志 浩太
スーン

牧志 浩太
叫んで、もがいて、あがいて、逃れようとする。
有象無象と一緒くたになって化け物のエサなんて事が、耐えられるか!
俺は、俺だ!
俺は、牧志……
強烈な違和感に打ちのめされる。
そうではないだろう?
違うだろう? 俺は
トラブル
KP
すみませんただいま戻りました ちょっと卓とは関係なく水回りのトラブルがありまして
牧志 浩太
水回りは怖い。大丈夫ですか?
PCにモンエナこぼしてませんか?
KP
大丈夫です、家族が対処してくれたんですがその関係で情報共有してまして
牧志 浩太
本当に大丈夫になってからで結構ですよー
KP
お騒がせしました、一通り終わったので大丈夫です
牧志 浩太
はーい

KP
あなたは、己の名を叫ぼうとした。
 ──出てこない。
あらゆる怒りも、叫びも、足掻きも、巨大な流れの前に打ちのめされた。
そこには── 真理があった。
あなたは見た。
あなたは知った。
あなたは聞いた。
全てが混ざり合った一塊の中で。
ふたりは強い精神的ショックを受ける。
牧志 浩太
二人とも頑強。
KP
あれだけ自身を、互いを守ろうとした二人ですものね。

■佐倉視点
KP
あなたは誰かの名を呼ぼうとした。
誰かの名に縋ろうとした。
 ──出てこない。
繰り返し呼ぶ名前が、伸ばす手が、溶けて、消えた。
佐倉 光
(ああ、ああ、──、──さん、)

KP
一瞬、何かが見えた気がした。
牧志くん。
あなたはきちんと、その場にいる。手は存在した。口は、鼻は存在した。あなたの手はスマートフォンを持っている。あなたの傍らに、蒼白な顔をした佐倉がいた。
あなたの目の前には「お探しのページは見つかりませんでした」というメッセージが書かれたページが開かれていた。
牧志 浩太
「……えっ?
何これヤバ」
佐倉 光
「……クソ、」
牧志 浩太
「佐倉さん、今の」
佐倉 光
「何だよ、あれ……」
牧志 浩太
「……みた?」
佐倉 光
「ああ、見た、牧志、お前も見たんだな。俺も、俺も見た」
牧志 浩太
「宇宙に吸い上げられて、無数の魂が悪魔に呼び寄せられて……」
佐倉 光
「全部一緒になって、クソ、宇宙で、……牧志、おい、牧志。いるよな、そこに?」
彼はどこか縋るように、あなたを呼んだ。
牧志 浩太
「いるって。
そんな必死に呼ばなくても大丈夫だから」
牧志 浩太
あの状況は中身牧志君にはきっっっっつい一撃だったなぁ。
佐倉 光
「あ、ああ、そうか。いるのか。よかった、……ごめん、。
縋ってるな、俺……」
牧志 浩太
「いや、それはいいよ、いいって言ったろ」
佐倉 光
「ああ、そうだな……、ごめん……」
牧志 浩太
「いや、でも今の。
なかったことに、された?
ただの幻だったのか?」
佐倉 光
「分からないな……。もしかすると、本当に起きた事なのかもしれない。時間の繰り返しか、並行世界か、それかその両方か」
牧志 浩太
「俺はURLを押す気なんてなかったんだ。それなのに。
手が、勝手に」
佐倉 光
「ああ、分かる。俺にも、牧志の手が勝手に動いたように見えた」
牧志 浩太
勝手に動いた。最近こんな事があった気がする。
しかしその時は、ここまで不快な気分にはならなかった気がする……
KP
これ、どうも「真理」というよりは、「真理を知った、知りたいという渇望の幻想」らしいんですけどね。ただの幻想だとすると佐倉くんにとってはめちゃくちゃ腹の立つ出来事だろうなぁ。
牧志 浩太
あ、それはイラっとする。
知った気分にさせられるのは嫌だねー
牧志 浩太
「つまり、このメールは危険だということが、分かった」
佐倉 光
「ああ。星の教団だったか、調べてみる価値は出てきたな」
牧志 浩太
「今のがただの幻覚などではなくて、本当に起きていたことなら、相当ヤバいな……
メールを送られただけで人間が全滅しかねない。
どうやったんだ。何が起きたんだ。気になるな……」
佐倉 光
「ああ、全くだ。そんな事にさせてたまるか。……牧志?」
牧志 浩太
「ん? ああ、ごめん、何でもないんだ……」
この技術を何とか解明して何か上手く使えないか、なんて……
どうしてそんなことを今考える?
KP
あなたの意識の隅で、知への欲求と渇望が激しくまたたいている。
目の前にいる佐倉が、どうしてそう思わずにいられるように見えるのか、不思議なほどに。
牧志 浩太
「佐倉さんは気にならないのか? さっきのメールの……こととか」
何となく言葉をぼかした。
後ろめたい、と感じた。
佐倉 光
「さっきのメールか……。メールなんて一斉送信だろ。リレーにしときゃ、下手すると世界中の人間を滅ぼせる。見たのが一万人に一人でも……
恐ろしいな」
ぽつり、と呟き。あなたはどこかで、こんな会話をしたような気がした。
牧志 浩太
どこかで。
こんな会話をした。
誰とだっただろう。
手元のメモのことを思い出し、メモを取る。
ページを一つめくって、ぎこちなく起きた出来事を書き付ける。
佐倉 光
恐ろしいな。数歳年上の彼は、畏怖するように、そう、一言……。
牧志 浩太
「恐ろしい? 佐倉さんが?」
佐倉 光
「ああ。恐ろしい……。……恐ろしい? 俺が?
怖れているって?」
彼は、自分の手を……、じっと見た。
牧志 浩太
「らしくないな、と思って……」
佐倉 光
「そうだな、らしくない……。らしくなくブルってんのか? 俺が?」
牧志 浩太
「けど、無理もないかも知れない。
なすすべもなく自分が消えるなんて体験をさせられたら……
正直、俺だって怖い」
言いながら手をすいと胸元に上げ……また落とす。
俺は誰だ。
佐倉 光
彼はあなたのその仕草を、じっと見ている。
「何か変だ。牧志、変と言えばお前もだ」
牧志 浩太
「俺が?」
佐倉 光
彼は少しずつ違和感をたぐるようにしながら、探り当て……、躊躇ってから口に出した。
「底抜けにお人好しなお前が、ハッキングしてみたい、だって?」
牧志 浩太
「……ああ」
佐倉 光
「盛大に変だろ……」
牧志 浩太
「変だよ。分かっている。おかしい。俺は絶対俺じゃない。
俺じゃないなら誰だ。分からないんだ。
今の俺は誰でもない」
佐倉 光
「俺は……、俺だ。お前は牧志だ。牧志浩太。そのはずだろ……
その、はず……」
牧志 浩太
牧志は返事をしなかった。
沈黙に拒絶の意思を込めて。
佐倉 光
「……牧志?」
牧志 浩太
「次を調べる。手伝ってくれ」
佐倉 光
「あ、ああ……」
牧志 浩太
「段々腹が立ってきた。この状況にも、俺自身にも」
佐倉 光
「……腹が立ってきた、か」
ふと、あなたのその言葉を聞いて、彼の動揺がすうっと収まる。
「なんだろうな。その言葉を聞いたら、大丈夫そうな気がしてきた」
牧志 浩太
「なんでだよ……佐倉さんもおかしいし、わけが分からないよ」
佐倉 光
「何か決定的におかしくて、ずらされたままだ。でも、俺はさ。
それに腹を立てられないことが、一番怖かった気がするんだ」
ふっと、彼は。穏やかに笑った。
どこかで見たような表情で。
「だから、大丈夫だよ。きっと」
牧志 浩太
「そうだな……」
佐倉 光
「そうだよ」
牧志 浩太
「ああ、別に呼び名は牧志のままでいい。
紛らわしいし、呼びづらいだろ、まきしかっこかり、とか、まきしっぽいひと とかだと」
佐倉 光
「確かにな。それはちょっと違和感が凄い」
牧志 浩太
「よし、次は……」
講演の時間までまだ間はあるかな?
KP
調べものをするくらいの時間はある。
牧志 浩太
「じゃあ次はこれだ、バベッジ社とさっきの教団についてできるかぎり調べてみよう」
佐倉さんと手分けして調べられるかな?
ふと。
俺が牧志ではないとしたら、牧志はどこへ行ってしまったんだろう、と思った。
KP
OK。
まず、「星の教団」については、〈図書館〉/2〈コンピューター〉〈芸術:ハッキング+10%〉のいずれか。
次に、「バベッジ社」については、〈図書館〉〈コンピューター〉のいずれか。
「『死体』」については、〈図書館〉〈コンピューター〉のいずれか。
いずれも手分けして調べられます。
牧志 浩太
そうだなぁ、どれも興味があるけど、死体については実際に触れた佐倉さんにお願いしよう。
と思ったけど、ハッキング使うヤツがあるのか。
それお願いした方が良さそうだね。
こちらはバベッジ社・死体のことを調べる
KP
あなたたちは人のいない休憩スペースに落ち着き、背後に壁がくる角の席に固まって調べものをするだろう。佐倉はミニPC、あなたはスマートフォンで。
牧志 浩太
そうだね、場所は移動した方が良さそうだ。
KP
あ、佐倉くんのミニPC、ネットワークに繋げてるのかな?
牧志 浩太
繋げることは勿論可能。
KP
なるほど。
牧志 浩太
自分のサブスマホでリレーしてネットに繋いでるね。
佐倉 光
CCB<=85+10 〈芸術(ハッキング)〉 (1D100<=95) > 96 > 致命的失敗
ええぇ~~~~
牧志 浩太
あらあらまあまあ
……死体を調べてもらうか。
佐倉 光
「何だこれ、俺のPCのはずなのに、俺のじゃ……、クソ、違和感が酷くなってきた」彼は頭を押さえて呻く。
咄嗟に伸ばされた手が飲み物か何かの缶を探した。
牧志 浩太
「どうした、佐倉さん……」
佐倉 光
「やっぱ無いと調子が出ねぇ……
……無いと? 何がだ? モンエナか?」
牧志 浩太
「あれ、なんかこんな光景見たことがある気が……
佐倉さんって波照間さんみたいに何かないと集中できない人だっけ?」
佐倉 光
「いや、そんなことねぇ筈なんだが……、俺、まだ未成年だし……、だよな……?」
牧志 浩太
「そういう所変にかっちりしてるよな、佐倉さん……」
飲み物でも買ってこよう……
で、隣のテーブルに茶とモンエナおいて、こちらはこちらで調べ物しよう。
佐倉 光
「サンキュ、牧志。……やっぱ違う気がする……」
牧志 浩太
「それはもう、疑う段階じゃないと思う。
俺たちはおかしいんだ」
佐倉 光
「そうだな。俺達はおかしい。
何が正しかったのか、探る段階だ。もう」
牧志 浩太
「けど、俺たちは互いに牧志浩太、佐倉光として振る舞うしかない……
ヒントがないからな」
佐倉 光
「ああ……。調べてきゃ、どっかで捕まえられると思うしかねぇ。クソ、あれだけ藻掻いて掴んだのに、またコレかよ」
■佐倉視点
佐倉 光
(そうだ、取り戻したはずなんだ。あれだけ藻掻いて、足掻いて……。クソ。
俺は何を間違っていて、何を間違っていないと思っているんだ)

■牧志視点
牧志 浩太
(俺が牧志浩太ではないとすると、普通に考えれば……
あの奇妙な肉片、あれが前に聞いたことのある『ショゴズ』とかいうヤツだとしたら、俺は人間ではないのかも知れない。
紅……どんなヤツなのか、覚えていないな……
それじゃあ牧志浩太の方が余程ましだ。意思決定の根拠としても、その方がはっきりしている。
どういう事だ。俺は『紅』のことを忘れてしまったのか?)

牧志 浩太
「幸い、俺たちは自分の体の人物をよく知っている。
仮のものでも、自己があるってのは大きいと思うんだ」
佐倉 光
「そうだな。無いよりましだ、さっき痛感した」
牧志 浩太
「さっきみたいなのは、二度と勘弁だな」
佐倉 光
「全くだ。クソ過ぎる」
牧志 浩太
「あの『腹』より、酷い」
佐倉 光
「ほんとにな。……よし。仕切り直しだ。調べ直すぞ」
牧志 浩太
一応ダオロスって言っても大丈夫なんだけどね。
KP
とはいえ「牧志」(佐倉くん)はその名を結局聞いていないはずですしね。
あと思ったんですが、佐倉くん(牧志)の口調がちょっと乱暴なの、牧志くんにとって佐倉くんの眩いばかりの「怒り」の印象が強いのかもしれませんね。
牧志 浩太
なるほどー。
こちらは牧志君に穏やかで優しいイメージが強く出ているのかも知れない。
KP
それはありそう。

牧志 浩太
CCB<=82 〈図書館〉 バベッジ社調べまーす (1D100<=82) > 56 > 成功
佐倉 光
CCB<=85 〈コンピューター〉 死体調べます (1D100<=85) > 52 > 成功
牧志 浩太
佐倉さんが失敗した項目を調べ直してもいいですか?
KP
OKです。どうぞ。
牧志 浩太
うーん。あう技能がない。
CCB<=82/2 〈図書館〉星の教団って何なんだ (1D100<=41) > 89 > 失敗
KP
そうですね…… 牧志くん。
牧志 浩太
はい
KP
まず、【POW】×5で判定をどうぞ。
牧志 浩太
CCB<=(12×5) 【POW】 (1D100<=60) > 16 > 成功
KP
では、「技能値85の1/2」で一度判定を試みることができます。
牧志 浩太
そこそこシンドイ確率。
KP
がんばれ。
牧志 浩太
CCB<=85/2 〈?〉 (1D100<=42) > 56 > 失敗
だめだぁー
後で佐倉さんに調べ直してもらうしかないかな。
KP
なるほど。その出目なら……
中核の情報は分からない。あなたはひとつ思い出すことがある。
「星の教団」とは、数か月前に出現したあるクラッカーの名前だ。個人なのかチームなのか、あるいは企業なのかも分からない。
黒い噂の流れる企業や政治家のウェブサイトをクラッキングし、さながらヒーロー気取りの犯行を繰り返していた、思想型クラッカーに分類される連中(?)だ。
わたしはだれ
牧志 浩太
自分がショゴスなのかもなーとか思ってる佐倉。
KP
「牧志」(佐倉くん)の内心も追記してもらったら面白いやつかもしれない。
牧志 浩太
割と今回出してるから書くことほぼないんだよw
KP
ショゴスの所とか、ちょっとだけでも見たーい。
KP
それもそうなんですよね。KPがストップかけているからお手数をおかけします。
牧志 浩太
いえいえー
牧志 浩太
シナリオには全力で乗る!
KP
ありがとうございます! 助かる!
牧志 浩太
どう辻褄合わせて乗るか考えるのも結構楽しいからー

牧志 浩太
「……そういえば」
佐倉 光
「どうした?」
牧志 浩太
「そんな名前のクラッカーが暴れていたな、と思った」
佐倉 光
「クラッカー? そんな名前の奴いたかな。
どんな奴だ?」
牧志 浩太
では自分が知っている情報を伝えます。
「ヒーロー気取りか、くだらないな、と思った覚えが」
佐倉 光
「思想型のクラッカーか……。まあ、そうだな。面白い連中じゃない」
牧志 浩太
「そいつが、得体の知れない悪魔の所へ精神だか魂だかマグネタイトだかを転送するメールをばら撒いた……?
いまいち、やってることの関連が見えないな」
佐倉 光
「らしいな。また魔界でも呼ぼうとしてんのか?」
KP
続いて、「死体」について。
ここ最近、徘徊するアメーバ状の物体や肉片らしきものを目撃する事が増えた。
見つかる不鮮明な写真には、肌色の人形のようなものがぼんやりと写っている。
これらは夜間に目撃されることが多く、どこかに逃げるように動いているという情報が多かった。
佐倉 光
「……あの死体、他の奴ん所にも出てたのか」
牧志 浩太
やっぱりショゴスじゃん。って『牧志』は思った。
佐倉 光
「なら、急いで埋めることもなかったかもな……」
牧志 浩太
「らしいな。襲ってきたんじゃなくて、逃げていたのか?」
佐倉 光
「らしいな。襲ったのは俺の所だけか?」
牧志 浩太
「なかなか大変だったからなぁ」
佐倉 光
「あの時は悪かったな。助かった」
牧志 浩太
「遭遇したときのこと、詳しく教えてもらえないか?」
牧志 浩太
『牧志』は真顔が多い。
佐倉 光
「ああ。とは言っても、俺も詳しく分からない。目が覚めたら目の前にあいつが立ってて、襲ってきたんだ。咄嗟に近くにあるもん投げて追い払ったら、家の前で力尽きやがった。
……? なあ、牧志」
牧志 浩太
「ああ」
佐倉 光
「思い出してきた。目が覚めた時、俺はなんだかぼんやりしていたんだ。違和感があって、自分がここにいるのがおかしいような気がしてた。
それで、窓の外を向いたら、背後にあいつがいて、驚いて振り向いた……」
牧志 浩太
「家の中にいたのか!? あれが?
それは……事件だな」
佐倉 光
「そうだ。鍵は閉まってた、なのになんで入ってきたかが分からなかった」
牧志 浩太
「いつかのように穴が……いや、GP反応ないとか言ってたよな」
佐倉 光
「ああ。……ああ? いや、待てよ。
俺はそれをちゃんと確認したか?  COMPが動かなかったのに?
もしかして、俺は、確認したと思い込んでただけなのか……?」
牧志 浩太
「……ああ……そうか。
どうやって確認したんだろう、とは思ったんだ……忘れていたな」
佐倉 光
「そうだ、思い出した……、俺は……、俺は、あの時、窓に映る俺の顔を見たんだ。
それで……、俺は……、」彼は自分の手を、じっと見ていた。
「俺は一瞬、俺が俺だって、その時初めて分かったような気分になった……」
牧志 浩太
彼の手をじっと見る。
見慣れているアクション。
しかし拭えない違和感。
『俺は彼を知っているはずだ』
「俺も同じだ。佐倉さんからの電話で起こされて……
窓を見たら、牧志浩太の顔がうつっていた。
だから俺は、自分がそうだと信じた」
佐倉 光
「俺達は結局どっちも、自分が何者か分かっていない。
またコピーとかじゃねぇだろうな。ぞっとするぞ。いや、牧志がどうこうって話じゃなくてな」
牧志 浩太
「俺は、自分がショゴスだったりはしないかという疑いを捨て切れていないが……
残念ながら力は無いな」
佐倉 光
「力押しでなんとかなりそうな相手じゃねぇだろ、今回。あの力がありゃ何かと楽だろうけどよ」
牧志 浩太
「だとすると、本物は今どこで何をしているんだろうな?
割と、心配だ。
何故だろうな」
佐倉 光
「あのメッセージ送ってきたのが本物かもな」
牧志 浩太
「だといいが」
佐倉 光
「心配か。自分が何か分かんねぇって時に人の心配できるのは、牧志らしい気もすんだけどな」
牧志 浩太
「さあ、今の俺は『牧志浩太』だ。
そういう風に振る舞ってもおかしくないだろう?」
佐倉 光
「かもな……。自分がコピーかもしれないって思って俺がぞっとするのも、『佐倉光』だからか。
そう考えると、大した事じゃないような気もしてきたな……。俺は俺だ」
牧志 浩太
「そうだな」
佐倉 光
「ああ」
牧志 浩太
「話の腰をすっかり折ってしまったな。
佐倉さんだけが襲われた理由は結局分からないままか」
佐倉 光
「そこは謎だな。で、後はバベッジ社か」
牧志 浩太
「バベッジ社については……」
KPをちらっと見る。
KP
バベッジ社について。
同社はUSB規格の上位互換である新規格──後方互換性の関係で複雑怪奇となった同規格の複雑性を一掃し、実装が単純かつ利便性の高い新規格「YellowCable3.0」を生み出したことで有名だ。
牧志 浩太
きいろー
KP
同規格は音声、映像、ネットワーク伝送、その他全てを高効率で伝送でき、今はバベッジ社の製品に主として実装されているが、メジャーになってくればいずれは他社製品でも採用されるのではないかと見込まれている。
同社はその規格のチップを実装するために開発された言語をオープンソースで公開しており、こちらも有名。
牧志 浩太
大体は知っていることのおさらいだな……と思いながら佐倉に情報共有。
KP
しかし、有名な企業の常かもしれないが、そこに奇妙な噂話がついてまわっていた。
曰く、ユーザーのもとに怪しげなメールが届くらしい。曰く、チップを用いて情報を吸い出しているらしい、曰く、ユーザーは緑色のエメラルドの幻影を見るらしい……。
怪しげなメールの文面として、あの「星の教団」のメールが、URLを削除されて貼られていた。
にてる
牧志 浩太
うーん、メガテンでやってたやべーことの別バージョンな感じの事件。
KP
ですねぇ。雰囲気が結構近い。
牧志 浩太
アルゴン社のクリプトじゃん!! って思った。
KP
狂信者 meets テクノロジー となると生贄一括ゲットしたくなっちゃうのかもしれない。
牧志 浩太
きもちはわかる。
KP
ヒャッハー生贄をチマチマ一人ずつ集めるなんて非効率だぁ、これからは情報の時代よ

佐倉 光
「真偽は分かんねぇが、バベッジ社が絡んでるってのか?」
牧志 浩太
「……なんて噂があるけど。
さっきのメールについてはヤバさは本当だと思ってもいい気はする。
全部信じるとまでは行かなくても、30%くらいの真実はあるかもな」
佐倉 光
「ああ、同感だ。あれはヤバかった。また前みたいな連中が何か企んでんのか?
……講演、そろそろだな」休憩スペースに貼られていたチラシを、彼がちらりと見る。
牧志 浩太
「ああ、そうか。
それじゃ、行ってみるか。
どんな話を聞いたかすら分からない、聞いたはずの講演か」
佐倉 光
「ああ。やべぇ気もするが、手掛かりにはなる。
行くぞ」
牧志 浩太
「ああ、行こう」
KP
「あなた」と「彼」は、怪しげな講演へと向かう。
あなたは誰なのか、彼は誰なのか、もはや分からない。
それでも、あなたと彼はそこにいた。
おしまい
牧志 浩太
佳境だ!
どうしよっかなー。いや、まだいいや。
KP
お?
参考に出すと、あと1シーン挟まってからクライマックスって感じです。
牧志 浩太
なるほど。まあ展開次第でやるかもしれないしやらないかもしれない。
KP
はーい。
牧志 浩太
いきなり宇宙に吸い出されたのはちょっとびびりましたね!
KP
それはそう しかもその最中にKPの自宅に水回りのトラブルが発生するし
牧志 浩太
市規模のトラブル!? って思った。
KP
大丈夫ですKPの自宅の小スケールなトラブルです。慌てたけど。
牧志 浩太
解決したなら良かった。
KP
家族が解決してくれました 感謝……
牧志 浩太
良かった。

おしまい
牧志 浩太
じぶんがだれだかわからんって、佐倉より牧志の方が随分きつそうな気がする……
KP
なんですよねぇ……。
ある意味「経験したことのある」牧志と比べて、佐倉くんの方がキツそう、とも取れる。
KP
以下、次回!
ありがとうございました!
牧志 浩太
次回が楽しみだなー!
ありがとうございました!
KP
色々お手数をおかけしておりますが、楽しんで下さっていてよかった! KPも楽しい!
牧志 浩太
割と思わぬ方向へ話が転がっていって面白いよ!
KP
KPがストップかけているからとはいえ、「コピーかもしれない」は面白い展開だなと思いました。
牧志 浩太
経験あるしね、最近分裂したばかりだしね。
KP
経験ありますしね。どちらも増えましたしね。牧志くん(本物)に至っては「自分の方がコピーだった」んですしね。
牧志 浩太
とくに【牧志】はそういう存在だったんだから、充分ありうる。
そうそう
KP
そうそう。彼は「コピーだった」んですよね。
牧志 浩太
だから「今俺は実は噂の紅だったりするのでは?」とか思っている。
佐倉にしちゃ変な方向に行ってるけど、まあ、異常事態だし混乱してんじゃないかな。
自分が誰か分かったら頭抱えるなこれ。
KP
混乱してるはありそう。あんまりにもあんまりな異常事態なんですよ。
お、そのシーン見たい。尺取ろう。
牧志 浩太
蟲野郎事件知ってる時点で候補者極限まで絞れるだろうが!!
KP
それはそう! 佐倉くんゴメン! KPがストップをかけたばかりに!
牧志 浩太
きっと難しく考えすぎたのよ……
まああと目の前に『佐倉』がいるから……うん。
KP
「佐倉さん」は名前を呼びまくる狂気が再発しちゃったせいで、わりと後の方まで「牧志」を連呼してますしね。
牧志 浩太
なるほど催眠効果!
KP
それもあってコピーどころか全く別人だった、って結論に至りづらいのかも。自分が誰か分かったら佐倉さんに謝り倒す展開!
実際その肉体で、「佐倉さん」の声で「牧志」って連呼されたら催眠効果あると思います。
牧志 浩太
無意識に除外しちゃうな。
こっちはこっちで牧志の過去の話とか色々聞いちゃって、ちょっぴり申し訳ない気分になったり。
KP
知らなかった過去の話を意図せぬタイミングで聞いてしまった。しかも当人として。
大学での牧志くんの姿とか、「波照間・佐倉さんとの友人関係」以外のものがちらっと見えた回でもありますね。
牧志 浩太
それはそれで楽しい。
世界が広がってゆくなぁ。
KP
ですねぇ。楽しい。
あと、CoCな上に当人じゃないのに「ないと調子が出ない」を発動したの笑った
本格的にないと調子が出ないんじゃないか。
牧志 浩太
記憶つよすぎる
特性までうつっちゃったの!?
KP
記憶だけで「ないと調子が出ない」に引きずり込む記憶、もう完全に精神的習慣がついちゃってる。
牧志 浩太
記憶に住み着くSCPでも飼ってんの???
KP
ないと調子が出ないはSCPだったの??
記憶に住み着くSCP、記憶がコピーされると増殖していく いや記憶がコピーされる状況がレアいわ

コメント By.

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