TRPGリプレイ Zephyranthes 第九話 『Alice in Mirror World』1

OPENING
SCENE 1
SCENE 2
SCENE 3
SCENE 4
SCENE 5
SCENE 6
SCENE 7 ~ SCENE 12
SCENE 13 ~ ENDING
その日は和室で遊んでいたのだが、出入口と押入れが並んでいたため、ディーラーが部屋から出ようとして押入れを開けてしまう、なんてハプニングがあった。

OPENING

大陸横断鉄道は、とあるマザータウンに停車して、そろそろ半月が経とうとしている。
次の駅まで距離があるので、整備を兼ねて大量補給をしてゆくのだという。

三人の旅人たちもまた、この町に滞在して出発を待っていた。

そんなある日、猟奇殺人事件が発生した。
犠牲者は、ヨハンとマグノリアがよく行っていた雑貨屋の店員だった……。

SCENE 1

DL
ヨハンとマグノリアは教会に呼ばれています。
マグノリア
「さ、マスター、お通りください(ドアを開けながら)」
DL
あ、とりあえずマグノリア、君はマスターに言われてお使いに出ていました。
マグノリア
……はっ。どこの扉を開けていたのかしら(笑)
DL
トイレのドアを開けていた(笑)
マグノリア
「マスター」「マスター」「マスター」ってドアを開け閉めしている(笑)
DL
君が帰ってくると、ヨハンがいない。
マグノリア
あら。置手紙とかは?
DL
いや、別に何もない。どうやら、君を置いて先に出ちゃったみたいだ。
マグノリア
教会に? 場所はわかってるんでしょ。
「あら、マスター。先に行くとか一言言ってくださればいいのに。まあいいわ、行きましょうか」
Let’s Go! Let’s Go! って意気揚々と出て行っちゃう。

DL
君が街中を歩いているとだ。
女の声(DL)
「そこのあなた、止まりなさい」
マグノリア
周りには誰もいない?
DL
もちろん街だからたくさんいますよ。
マグノリア
そうだよね。じゃあ自分とは思わないね。
女の声(DL)
「止まりなさいって言っているのよ、そこの鉄面皮。そこの馬鹿みたいな角生やしてる奴に言ってるのよ」
マグノリア
とりあえず周りに角生えた人がいないか探す(笑)《観察》で11。
「私以外に変わった人がいるかもしれないわ」
クリフ
変わっているっていう自覚はあるんだ。
マグノリア
(笑)
「心が躍るわ。私の『心が躍る』なんてそうないことよ」って探してる。
大きな角をぶんぶん振り回しながら。
クリフ
周りから角に張り倒された人の悲鳴が。
マグノリアの目に、建物の上に立つ一人の人物の姿がうつる。
マグノリア
時期って、春うららでいい?
DL
いいよ(笑)
マグノリア
「あら。春になると変わった人が増えるとマスターが言っていたけど、本当のことのようね。やだやだ、あんな人に付き合っていたら、私までが変な奴だと思われてしまうわ。ぐずぐずしているとマスターにしかられてしまう」
女の声(DL)
「好き放題言ってんじゃないわよ。あんたがマグノリアね」
マグノリア
「あなたが私の名前を知っていても、私はあなたを知らなくてよ」
女の声(DL)
「……はッ。卑怯者ーッ!」(笑)
「勝負なさい」
屋根の上に立っているのは、いかにも「魔女」という格好をした女だった。
ただ、箒のかわりに巨大なスタッフを持っている。
なんとスタッフの先端は直径1メートルはありそうだ。
マグノリア
「あら、とうとうウジがわいたのかしら。ナマモノってこれだから大変よね。
防腐剤でも入れていたらどうかしら。いや、防虫剤かしら」
魔女モドキ(DL)
「ムキーッ!」
マグノリア
「(突然冷静に)何故私が貴方と勝負しなければいけないのかしら」
魔女モドキ(DL)
「あなたはアリス様に逆らうつもりね」
マグノリア
それ聞いた瞬間に、「またかー」って思う(笑)
(一同笑)
マグノリア
「逆らう……? 私はあなたたちには興味がないの。
私が興味を持っているのはただ一人。マスターだけよ。
さ、箸にも棒にもかからない連中の事なんか忘れてマスターを追わなければ」
無視しててくてくと歩いてく。
「マスター、マスター」チャッキーくん人形片手に。
クリフ
まだ持ってるの?(笑)
マスターチャッキーくん人形……マグノリア自作のヨハンをかたどった人形。第六話初登場。
ヨハンと離れたマグノリアが寂しさを紛らわすために作ったもので、最近はよく抱いて歩いている。
テッカテカのプラスチック(のようなもの)でできているらしい。
なぜか武器のところだけ半端にリアルに作ってあって怖い。

何故チャッキー君なのか解らない人は「チャイルドプレイ」という映画を見よう。
マグノリア
マスターチャッキー君人形をぶんぶんぶんぶん振り回しながら。
DL
じゃあそのマスターチャッキー人形が撃ち抜かれた。
(一同笑)
マグノリア
じゃあその切れた手だけをぶんぶんぶんぶん(笑)
DL
君のチャッキー君人形が急に軽くなった(笑)
マグノリア
「あら?(見る)はッ……! 折角真空管まで入れたのに!」
DL
《蒸気魔術》《ブリッド》で撃ち抜かれたようだ。
マグノリア
「あら、あなた、こんな所でそんな事をするなんて。意外と大胆ね」
DL
女は目の前に飛び降りてきた。
マグノリア
「最近私はそのアリスという人に何かしたかしら。とんと覚えがないわね」
魔女モドキ(DL)
「あなたたちがアリス様に危害を加えようとしているのは解っているわ」
マグノリア
「それなら危害を加えてから言ってくれないかしら」
魔女モドキ(DL)
「それじゃあ遅いでしょうがッ!」
マグノリア
「まったく、変わった人ね、あなた。
私はただの人形なの。私をどうにかしたって意味はないでしょう」
魔女モドキ(DL)
「あなたが私の相手をしないというのなら、このあたりに被害が出るわよ」
マグノリア
「あら。私はこのあたりに被害が出たって興味がないわ。さっきも言ったでしょ、私が興味あるのはただ一人ッ!」
ちょっとゴルゴちっくな顔で言う(笑)
「好きにしたらいいじゃない。この辺りが阿鼻叫喚? 私は教会へ行くのよ」
DL
じゃあ攻撃する。
マグノリア
はっ。俺を?
DL
うん。
クリフ
あ、ごめん。ちょっと外します。
(間違えて出入り口の隣にある押入れを開けて暫し固まるクリフのプレイヤー)
(一同笑)
マグノリア
ドラえも~ん(笑)
DL
いってらっしゃーい。
ヨハン
夢の国へどうぞ~(笑)
クリフ
行かねーよ(笑)(今度は出口を開けて出て行く)
マグノリア
まさか二人も引っかかるとは(笑)
これは何かい、俺たちもやれっていう前振りになっているのかい。

魔女モドキが放った魔法の弾はマグノリアに軽いショックによる呼吸困難を引き起こす。
(マグノリアは呼吸をしないので、軽くよろめいた)
マグノリア
「あら、こんな物理的な攻撃では私はびくともしないわよ。私のような鉄の女はね」
DL
鋼鉄の処女。
マグノリア
処女まではつけない(笑)
鉄の処女(Iron Maiden)……中世ヨーロッパの拷問具。
マリアが刻まれた鉄の棺で、内部には太く長い棘がいくつも埋め込まれている。
犠牲者を中に入れて蓋を閉めると完了。かなり分厚いので悲鳴は外に漏れない。
マグノリア
すごい俺の内部構造簡素なんだけど(笑)
DL
竹ひごとかゴムひもとか。
マグノリア
それにも血が染み付いてるんでしょ(笑)
DL
はい、じゃあ君らは戦闘を始めました。シーンが閉じます。
マグノリア
えーっ(笑)
ヨハン
戦闘でシーンが閉じた。
DL
次、えー、クリフ。いねェ~。
マグノリア
いないねえ。
DL
じゃあクリフが街中を歩いているとー……。
クリフ
(戻ってきた)ちょっと待てー。

SCENE 2

クリフ
私は前のシーンを知らなくても問題ない?
DL
問題ない。
マグノリア
罵倒しあっている二人がいるだけだから。
DL
そうだね(笑)
マグノリア
多分、魔法使いっぽい姿をしているにもかかわらず、髪をつかみ合って平手打ちをしているだけだから。
クリフ
何があったんだろう、一体。
DL
とにかく君が町を歩いていると……はい、《観察》してください。
クリフ
9。
DL
前のほうにヨハンとマグノリアが歩いているね。
いつもと違って、珍しくマグノリアのほうがリードをしている。
マグノリア
あんた騙されてるよー!
(一同笑)
クリフ
リードしてるっていうのは、マグノリアに引っ張られてる感じ?
DL
そうだね。
クリフ
「珍しいこともあるモンだな」
マグノリア
いつもはヨハンが首輪についたチェーンを持って引っ張ってるのに……
ヨハン
そんな猟奇的なことはしない(笑)
クリフ
今はマグノリアがチェーンのついた首輪でぐいぐい引っ張ってるんだ。散歩でハイになっちゃってる犬みたいに(笑)それは面白そうだなぁ。
マグノリア
犬耳とミニ尻尾でも付けるか。
DL
え~。
マグノリア
わんわん。
犬耳ロボメイド。狭いターゲットに大人気。
ヨハン
いやだって君鹿の角はえてるし。
(一同笑)
DL
それはいけないね。

声をかけようとしたクリフの腰に強い衝撃が走る。([カラミティー・ルージュ]
クリフ
……はい?
DL
具体的には体重120㎏のタックルだ。
クリフ
げふぅッ!
マグノリア
あの、多分折れると思います(笑)
DL
じゃあ、[腰部損傷]。
何故か腰にばかりダメージを受けている、という印象が染み付いてしまったクリフ。
人呼んで「腰砕けのクリフ」! それを言うなら「腰砕かれ」だろうッ!
クリフ
だーかーらー。腰にこだわるのはやめなさい。避けるのはできないってことね。
DL
そうだね、カラミティー・ルージュだからね。
クリフ
わかりました。じゃあその場にすっこける。
DL
タッチダウンされた。
マグノリア
じゃあ周りの人が「ナァイスタッコォ」って言ってる(笑)
クリフ
「何だいきなり!」
DL
君の腰にしがみついてるのはモイラ。
クリフ
んぁ?
マグノリア
ちみっこだよ、ちみっこ。君には非生命体でしかない萌えっ子だよ(笑)
クリフ
うん、女とは思ってないよ。「何だぁ?」
モイラ(DL)
「クリフの兄ちゃんじゃん、何してンの?」
クリフ
「何してる、って、見て解らんか。街をうろついてんだよ」
DL
「ふーん、そうなんだー」
って言うモイラの後ろにSFがいる。
クリフ
「こいつもいるのか……!(頭を抱える)
お前らこそ何なんだよ~。何で俺たちの行く先々現れるんだよ~」
SF(DL)
「それは仕方がございません。我々もまたあの大陸横断鉄道に乗っておりますがゆえに」
ヨハン
同乗してるのか(笑)
マグノリア
何だろう。もっといい物に乗れないのかしら(笑)
DL
いや、最高級にいいものだよ。
マグノリア
そうだね(笑)
クリフ
多分ね、私たちとは部屋のランクが違う。
DL
特等車両だよ。
クリフ
「(苦笑)お前らも暇なのか?」
SF(DL)
「いいえ、我々は消耗品の買出しに」
クリフ
「そうか」
SF(DL)
「あと、若干の用事というものがありまして」

ヨハン
偽ヨハンは何をしている?
クリフ
……は?
ヨハン
偽ヨハンがそこにいるって。
クリフ
歩いて行っちゃったんでしょ。
DL
声をかけようとしたらモイラに邪魔された。
クリフ
絡まれちゃったから。
マグノリア
何してるのって声かけようとしたら、120㎏のタックルで殺されそうになった(笑)
クリフ
別に、何が何でもヨハン追わなきゃならない用事ないし。
DL
120㎏がドーンっときたら、その瞬間画面がレントゲンになって(笑)
ヨハン
必殺仕事人みたいに「ゴキャッ」(笑)
クリフ
じゃあ、《医術》判定で治療を(笑)
「(モイラに)ていうかお前重いからいい加減降りろ。中身が出るッ」
(一同笑)
マグノリア
最悪肋骨折れる可能性がある(笑)
モイラ(DL)
「えー、いいじゃーん」
しがみついたままでごろごろしている(笑)
クリフ
じゃあ、本気で冷や汗流しながら(笑)
マグノリア
何てギャルゲーをやっているんだ!(笑)
ヨハン
ギャルゲーか?(笑)
クリフ
本人は全然嬉しくないよ(笑)
マグノリア
体重120㎏のロボットと思わなければギャルゲーだよ。
クリフ
本人は全く嬉しくないんだけど、周りから見ると「何だあいつは」みたいな。
マグノリア
そして腰から「ゴリゴリッゴリゴリッ」って嫌な音がするんでしょ(笑)
DL
SFは冷静に見ている。
クリフ
「そこのおねーさん、助けてくんない?」(笑)
SF(DL)
「失礼ですが、このような状況でSFは何をしたらよろしいのでしょうか」
クリフ
「とりあえず、お前さんの連れをどけてくれないかなぁ」

(しばし沈黙)

マグノリア
なんて賢しい奴なんだろう。ここでクリフを殺せば敵が一人減る(笑)
SF(DL)
「かしこまりました(モイラの首根っこを掴んで持ち上げる)」
DL
だけど、ついでにクリフも持ち上がる。
クリフ
(笑)
マグノリア
ぶらーんって。
クリフ
「で、これから俺にどうしろって言うんだ、お前は」(笑)
DL
そうやっているところでもう一回《観察》
クリフ
うーん、〈西部の掟〉じゃ台詞言えないな。……〈誇り高い〉じゃもっと吐けないな(笑)
DL
ものすごく誇り低いな(笑)
マグノリア
高く持っても仕方ない状態だ(笑)

持ち上げられた状態のクリフには空が見えていたが、その視線の先を二つの影が飛び過ぎていった。その一体には鹿の角があった。
マグノリア
ここにも偽者がいやがった~!
DL
もう一体はいかにも魔女みたいな格好をして、でっかい機械でできた箒のようなものを持っている。
見えたのはほんの一瞬だけど、戦っているように見えたね。
クリフ
「……あれ? マグノリアはさっきあっち行ったような……」
マグノリア
メカメイドが多すぎるぜ。
DL
メカ含有率が高いね(笑)
クリフ
「西部にはメカメイドが多い。それが〈西部の掟〉だッ!」
(一同笑)
実際、キャスト、レギュラーゲストでごく普通の人間はクリフ一人という恐ろしさ。
ヨハンも人間ですが、サムライを入れている時点で人間という枠からは外れてしまうのです。
そして残りは全てメカ娘というこの偏りっぷり。
クリフ
わけわかんね(笑)そんなのは〈西部の掟〉じゃない(笑)とりあえずそれは置いといて
「あれ、マグノリア……?」
モイラ(DL)
「どうしたの?」
クリフ
「いや、今何かが上を飛んで行ったような」
モイラ(DL)
「……何もいないよ」

SCENE 3

DL
次、ヨハーン神父。
ヨハン
よーし。
マグノリア
良かったな、ヨハン。眠そうにならなくて。
ヨハン
一度も眠そうになったことなんかない(笑)一度も寝たことがない。
マグノリア
ああ、寝たことはないよね。
ヨハン
生まれてこのかた寝たことがない。
クリフ
えー(笑)
マグノリア
いや、床につくのを「寝る」とは言わないのかもしれない。
クリフ
ああ、目を閉じたら朝になっていると。
マグノリア
もしくは、休停止している。人間じゃないのかもしれない。
ヨハン
布団に入って妄想にふけって、気が付くと朝。
(一同笑)

DL
君はマグノリアと一緒に教会にたどり着きました。
ヨハン
マグノリアと一緒に来たの?
DL
うん。
マグノリア(DL)
「さあマスター、着きましたよ」
ヨハン
「ここがこの町の教会か。なかなか大きいな。この町の民の信心が篤い証拠よのう。よっしゃよっしゃ」
マグノリア(DL)
「素晴らしいですわね、マスター」
DL
マグノリアはいつも以上に君にべたべたしている。
ヨハン
まあ、そういうのは気にしないでおく。
DL
べたべた。まるで今蜂蜜を触ってきたかのような手で。
ヨハン
ああ、そうかそうか。じゃあ早速聖書でガツーン!(笑)
マグノリア(DL)
「あざーっす!」
ヨハン
凄い、ちゃんとしてる(笑)普段は無反応なのに(笑)
マグノリア
無反応じゃない。いつもはうっとりした目で君を見ているんだ(笑)
ヨハン
右の頬を打たれたら左の頬を差し出せ。
マグノリア
頬なんか打ってないじゃん(笑)

DL
マグノリア。君はバトルを繰り広げながら、教会のちょうど屋根あたりに来た。
マグノリア
「全く、しつこい人ね。ここまでしつこいとストーカーでも困ったものよ。いや、しつこいからストーカーっていうのかしら? うふ、うふ、うふ……」
DL
相手の頭にも巻貝のような角が生えていて、マナを吸っている。
マグノリアの頭の角はただの飾りではありません。
《蒸気魔術》を使う歳に必要な「マナ」を空気中から集めることができ、それによって短時間で強力な魔法を放つことができるのです。
魔女モドキ(DL)
「噂通り、なかなかやるようね」
マグノリア
「あら、私は一度もあなたに何もしていないのに、何を言っているの」
DL
さっきのシーンから今までの間に色々やった(笑)
マグノリア
わかった(笑)知らぬ間に使ってるぜい。どうせ一回使ったら経費変わらないけどね。わっほーう。
じゃあ、《蒸気魔術》撃った後で、空のエーテル管をばらばらっと排出して
「随分とお金が飛んでしまったじゃない。どうマスターに言い訳したらいいの。困ったものね」
魔女モドキ(DL)
「安心なさい、今日はここまでにしておいてあげるわ」
マグノリア
「まあ、三下のセリフね」
魔女モドキ(DL)
「また後日会いましょう。そのときは必ずケリをつけるわ」
マグノリア
「まあ、好きに言うがいいわ」

一方、教会の扉に手をかけるヨハン。
ヨハン
「頼もう!」
DL
がちゃっと開けたところで《観察》かな。
ヨハン
18。
DL
君の背後で舌打ちが聞こえた。
ヨハン
振り向く。
DL
マグノリアがいない。
ヨハン
「……マグノリアが消えた」
クリフ
ありえないね(笑)
ヨハン
「一体これは……《テレポート》か」
DL
いつものアレか、と思った(笑)
ヨハン
いつものアレかぁ♪
マグノリア
どうしていつも君の後ろから消えるのに《テレポート》を使わにゃならんの(笑)
ヨハン
今の舌打ちはマグノリアのじゃないよね。
DL
君からすると、多分マグノリアの舌打ちだろうね。

ふと見下ろしたマグノリアは、戸惑うヨハンの姿を見つける。
マグノリア
ぼろぼろになった服から埃だけ払い落として、とうっ。
「Master♪」
(一同笑)
マグノリア
ぐるぐるぐるーって回転しながら(笑)
DL
ムーンサルトしながら、浴びせ蹴りを仕掛ける勢いで。
マグノリア
「Master~~~~♪」
ヨハン
避ける。
DL
どすーんって埋まった。
マグノリア
ぐわしゃーん……よっこいしょって出てくる。
ヨハン
出てきたところをガツーン(笑)
マグノリア
うっとりしている(笑)
ヨハン
「どこに行っていた」
マグノリア
「す、すみません。今ストーカーに襲われていたもので」
ヨハン
「ストーカー……敵か」
マグノリア
「ええ、またアリスの関係者らしき娘が襲ってきましたもので、ちょっと相手をしておりました。大変申し訳ございません」
ヨハン
「私がその場にいればすぐに取り押さえたものを」
マグノリア
「さすがマスター。では次回からはマスターにお任せいたします」
ヨハン
「よし、ここは教会でもあることだし、祈りでも済ませておこう」
マグノリア
「はい、マスター」
DL
おかしいところはないの?
マグノリア
服はぼろぼろだけどね。
ヨハン
「御免。ナイ神父、ナイ神父はいるかッ」
(一同笑)
DL
じゃあ君は発狂した。
ヨハン
ぎゃー。
ナイ神父……ニャルラトホテプの仮の姿。
この頃ちょうど女神転生200Xキャンペーンのキャラ作成をしていた。

ヨハン
「巡回神父のヨハンだ」
神父(DL)
「お待ちしておりました、ヨハン神父。ご訪問ありがとうございます。お噂はかねがね伺っております。様々な事件を解決されてこられたとか」
ヨハン
「素晴らしい。噂は正確に伝わっているようだな」
クリフ
大きいのがみっつくらい、小さいのは数え切れないほど。
DL
そうそう。
神父(DL)
「あの映画は私も観させていただきました。実に感動しました」
ヨハン
「素晴らしい」
神父(DL)
「特に、ヨハン神父の顔が大写しになったときにスクリーンが破られるというあの演出。素晴らしいですね」
あの映画……第六話で撮られた”Go, West!”というヨハンらが役者として出演した映画のこと。第七話で戦闘中に上映され、その際スクリーンが破られた。DVDも出たらしい。
クリフ
いつ観てたんだそれは(笑)
ヨハン
「どこで観ていた。貴様、あの列車に乗っていたな?」(笑)
DL
いや、全ての劇場でそういうことが行われている(笑)
マグノリア
ああ、もうそれが公式なんだ(笑)斬新だ。それでもお金は入らなかったんだ(笑)
クリフ
いや、入ってるんだけど、そうやっていちいち破いてるから経費がかかりすぎて収入になってない(笑)
ヨハン
「そうか、君にもあのシーンの良さが解るか。なかなかあれは世間に受け入れられなくてな」
(一同笑)
神父(DL)
「そうでしょうねえ」
マグノリア
公開時間ごとに張りなおすんでしょ(笑)
ヨハン
「一万年くらい早かったかな」
マグノリア
一万年も早すぎたら、もう誰も着いて来れないよ(笑)

神父(DL)
「最近この付近で、若い女性の猟奇殺人事件が起きているのをご存知ですか」
ヨハン
「うむ、私もその話は耳にしている。心苦しく思っているのだが」
神父(DL)
「今日ヨハン神父をお呼びしたのはほかでもありません、その事件の解決をお願いしたいのですが」
ヨハン
「素晴らしい! この私に事件の解決を頼むとは、なかなかいい目をしている」
DL
(笑)ヨハン神父、君は何も疑問に思わんのか? 神父である君がそんな依頼をされていることに(笑)
ヨハン
うん、思わない。
DL
マグノリアはいいの、それで(笑)
マグノリア
何言ってんの(笑)マスターがそう言ってるんだから、俺が口を挟むことはない(笑)
DL
じゃあ、拍子抜けした顔をしている(笑)
クリフ
「あれっ?」(笑)
マグノリア
じゃあダメ押しで言っておく。
「あなたは目の付け所が違います。
私のマスターにかかれば、どんな難事件でも解決していただけますわ」
神父(DL)
「ああ、そ、そうなんですか」
ヨハン
「頼るべき人間をちゃんと解っているな。
君のその男気に免じて、普段は一万円のところを九千円に負けてやろう」
DL
「ああ、そうですか」じゃあカエレって言われる(笑)
(一同笑)
ヨハン
じゃあ帰る。
マグノリア
「マスター、ドルです、ドル」
ヨハン
じゃあ、九千ドル。

  一同

高ッ!(笑)
マグノリア
そりゃカエレ言うわ(笑)
DL
じゃあ九千ドル分のパンチを貰った。
ヨハン
お前はアクメツか。じゃあ五千ドル。
DL
五千ドルね。わかったわかった。って神父に言われる(笑)
マグノリア
うわあ、流すの上手ぇーと思う(笑)

神父(DL)
「以前法王庁の経由で聞いたのですが、悪魔使いを倒されたことがあるとか」
ヨハン
「ああ、どんな話だったかな。すまん、悪魔使いを倒してばかりで」
DL
二度しか倒したことないだろ(笑)随分前、マグノリアがディーラーやったときに。
クリフ
第二話でね。
悪魔使い倒したって話が広まってるって事は、ジャンセン神父火炙りにされちゃった?(笑)
(一同笑)
DL
それはまあ、その場で殺されたってことになってるから。
ヨハン
犯人はね。
神父(DL)
「そういった事件を解決されたと伺っております」
ヨハン
「なるほどなるほど、では犯人は悪魔使い、もしくは悪魔の可能性が高いということだな」
神父(DL)
「事件現場のあの凄惨さを見るに、そういったことも考慮に入れておいた方が良いかと思いまして」
ヨハン
「私の出番というわけだな。腕が鳴る。では、事件についての詳細を聞きたいのだが」
神父(DL)
「わかりました、お話ししましょう」

DL
ここでシーンが閉じます。
ヨハン
話が長くなりますな。
DL
そうだね(笑)
マグノリア
全部話すのに二週間くらいかかるんでしょ。
ヨハン
そしてまた被害者が(笑)その被害者の話を聞いてまた二週間。そしてまた悲劇が起こる。
クリフ
そして町の人がいなくなる。

SCENE 4

DL
シーンプレイヤーはクリフさん。
クリフ
私はまだ猫のようにつままれているのか。
DL
さすがに開放されているよ。
マグノリア
でもまだつきまとわれている。
DL
つきまとわれているというより、なぜか君は買い物に付き合わされています。
クリフ
あー、荷物持ち……って、「お前らのほうが力持ちじゃねーかよッ」(笑)
ヨハン
重い荷物はクリフの腰の負担に(笑)
SF(DL)
「女性に荷物を持たせるのはあまりよろしくないことと判断いたします」
クリフ
「それは俺がレディーと認めた場合だけだッ」ぶーぶーいいながら持ってる(笑)
マグノリア
なんて可哀想な奴なんだ。
モイラ(DL)
「兄ちゃん失礼だなあ、永遠の美少女が二人もいるんだよ」
クリフ
「俺は機械を女と認めん」
モイラ(DL)
「またまた、そんなー(クリフの腰を叩く)」58って言って。
クリフ
「……ッ!」
DL
でも荷物は落とさない。
クリフ
そうそう(笑)
ヨハン
そこらへんで「男らしい」ってフラグが立ってる。
DL
そうそう、今の「落としてしまう」っていうのと「我慢する」っていう選択肢が出てた。
クリフ
うわ、なんかバッドエンドに直行(笑)
マグノリア
いや、人によってはバッドエンドじゃないよ。
クリフ
いや、クリフにとってはバッドエンドですよ。

DL
さて、君はそのように買い物をしています。君の目の前には縦に荷物がつみあがっていて前が見えませんが、声が聞こえます。
女の声(DL)
「モイラ、SF、何をしているの。そいつは誰」
クリフ
荷物の横から顔を出して見ようとするけど。
DL
いかにも魔女のような格好をした、でかい機械でできた箒みたいなものを持った女がいる。
クリフ
見なかったことにする。
DL
(笑)じゃあ、ちょっと顔を出してすっと戻す(笑)
ヨハン
町に着くごとにアリスの手下が増えてくな。
(一同笑)
DL
じゃあ後いつつくらい駅通過するから。
マグノリア
ヨハン気づいてごらん、これでとうとうゲストがキャストより多くなったよ。
DL
ヴィクトリカはキャストだから。
マグノリア
相手してくれるのかねえ(笑)
DL
ねえ。今死んでるけど。
マグノリア
いつ直るんだい。
DL
さあ。
ヨハン
ビリーとヴィクトリカに五人くらい相手にさせればいい。
マグノリア
そうだね。
クリフ
そうだね、強いからね。
DL
ビリーとヴィクトリカは戦わないから。

モイラ(DL)
「(口を尖らせて)遅いよ、ブレンヒルド。買い物もあるし、あの件も解決しなきゃいけないんだよ」
クリフ
あの件って何だろうなー、と思うけど、迂闊に訊いたら痛い目を見そうなので、耳をそばだてて聞いておく。
ブレンヒルド(DL)
「なんで私が怪事件の解決なんてしなきゃいけないのよ」
クリフ
「(こいつらもひょっとしてあれか、食費稼ぎか?)」
DL
しばらく話し合っていたけど、ブレンヒルドにはモイラたちに協力する気はないようだね。
クリフ
うん。
モイラ(DL)
「ま、いいか。兄ちゃんに手伝ってもらえば」
クリフ
「ちょっと待てッ! 何で俺が手伝うことになってるんだ」
モイラ(DL)
「え、だって兄ちゃん暇でしょ?」
クリフ
「暇は暇だけど、お前らを手伝う理由はないぞ」
モイラ(DL)
「まあ、何ていうか、袖擦り合うも他生の縁っていうか」
クリフ
「他生過ぎだ」
SF(DL)
「クリフ様、女性の頼みを肯定するのは、好感度がアップするものと思われます。CGゲットのためにもここは「うん」と言っておくべきかと」
クリフ
「CGって何だよ~」(笑)これは何、「はい」しか選べないイベント?
DL
「いいえ」って選ぶと「そんな ひどい」って言われる。
マグノリア
そしてまた同じ質問に戻る(笑)
クリフ
はー、どうしようかなぁ。何ともしようがないな。
口車に乗せるっていっても、私の《話術》《挑発》しかないからなー(笑)
マグノリア
《挑発》したらやるしかないもんね(笑)
クリフ
三人がかりでボコられるだけだな。
味方の女にもボコられて、敵方の女にもボコられるの?(笑)
マグノリア
ボコったことはないぞ俺(笑)
クリフ
女に弱い。
DL
文字通り女に弱い(笑)
クリフ
過去の話から言っても女運悪すぎるからクリフ(笑)
マグノリア
いつかめくるめくラブストーリーがやってくるわけだよ。
ヨハン
相手は女じゃないかもしれないけど(笑)

クリフ
深ーいため息をついて
「どれくらいかかりそうなんだ、それは」
モイラ(DL)
「わかんない」
クリフ
「そうだよね……(ま、こいつらも同じ列車に乗っているんだし、乗りっぱぐれることもないだろ……)じゃあ、まァ、適当に付き合ってやってもいいぞ」
モイラ(DL)
「さっすが兄ちゃん、わかってるね」
マグノリア
こういうタイプは乗り遅れそうになったら君を蹴落とすぞ。いきなり「邪魔ー!」とか言い出して(笑)
クリフ
逃げる。やばくなったら逃げる。

モイラ(DL)
「実はさー、アリス様からお願いされてさ」
クリフ
「……あ、訂正訂正。人殺しなら請け負わない」
モイラ(DL)
「何でボクたちが人殺しなんかするのさ」(笑)
クリフ
「いや、アリスとか言うから」
モイラ(DL)
「アリス様はそんな人じゃないよ」
クリフ
そこで反論すると面倒なことになりそうなので何も言わない。
モイラ(DL)
「これこれこういう猟奇事件が起きててさ、これがちょっと厄介なことらしくって、もしかしたらダークが関係しているかも知れないんだよ」
クリフ
「……お前ら、そういうマトモな事もやってるんだな」
SF(DL)
「我々はいつでもマトモであると判断いたしますが」
クリフ
「(ぼそっと)嘘つけ」
SF(DL)
「それをマトモと判断できないクリフ様こそが……いえ、これ以上は申しますまい」
クリフ
こいつに口で勝つのは絶対無理だ(笑)
わかった。無理やり〈正義感〉を燃え立たせて、「しょうがないな、協力してやろう」
モイラ(DL)
「じゃあ、買い物終わったから、その事件現場に行ってみようか」
クリフ
「(投げやりに)はーい」
DL
そして君はうず高く詰まれた荷物を左右に揺らしながら歩いていくわけだ。
クリフ
「……これ、どっかに置いていったりしないの?」
モイラ(DL)
「だって時間もったいないじゃん」
クリフ
「荷物もちで手伝えって言われてるのかな、ひょっとして(苦笑)」
モイラ(DL)
「ううん、両方」
クリフ
「(荷物落としたろか)」
DL
はい次ヨハン。
クリフ
どんどん便利屋の兄ちゃんになってゆく。

SCENE 5

ヨハンは殺人についての話を聞いている。

かなりひどい殺され方をしている。
バラバラ殺人なのだが、刃物は使用されておらず、「力任せに引き千切られている」というのだ。
マグノリア
そりゃ人間だとは思わないな。
ヨハン
なるほど。
クリフ
《怪力》のマニューバを持った奴か。
マグノリア
ぶちぶちーって。
ヨハン
「わかった。少し一人になって考えてみようと思う。納屋を貸してくれ」
神父(DL)
「納屋ですか? わかりました、こちらです」
ヨハン
ひとりになったら床を調べてみる。
(一同爆笑)
床を調べる……かつて、教会の地下で《悪魔召喚》の儀式が行われ、その生贄として人間が殺されるという事件があった。
その際、教会の納屋の地下に忌まわしき儀式の祭壇があったのだ。
第二話『別れ』を参照。
DL
そしたら壁の穴からヴィクトリカが生えてる(笑)
ヨハン
今回はそのままにしておく。
DL
じゃあ58って殴られる。
ヨハン
出られるんじゃねーか(笑)
DL
そういうことなら小屋は消えました(笑)
ヨハン
ああ、目の前で小屋が消えてゆく(笑)
ヨハン
「そうだな……それだけの情報では如何とも……」

事件は夕方に起きている。目撃者がいるかも知れないので、ヨハンは現場で聞き込みをする。
ヨハン
「この呪われた街の住民たちを救い給え」
殺されたのは雑貨屋に勤めていた女の子。
ヨハンは、同じ雑貨屋で働く従業員の女性に話を聞いた。しかし具体的な話は聞くことができない。
殺された女の子はその日はちょうど非番で自宅にいたらしい。
DL
ちなみに殺された女の子のことは君は良く知っています。
この半月の間にこの店をよく利用していたから。
やっぱり褌はここの雑貨屋が一番いいなあと思っていた。
ヨハン
「いい褌を仕入れているな」
マグノリア
「ただの布ですけど……」
DL
今ヨハンはお勧め品のデニム地の褌してるんでしょ(笑)
ケミカルウォッシュの青いの。
マグノリア
「なんで毎日買いに来るんですか?」って言ったら
「いやいや、戦闘する度に破けるからな」(笑)
ヨハン
「これはヴィンテージ物なんだ」
マグノリア
後ろに一個だけポケットついてる(笑)
DL
いや、褌だから前垂れにポケットついてる(笑)
マグノリア
かっこいいな(笑)そんな所にポケットつけられても(笑)
ヨハン
何かあるとそこからアンパン出して「これでも食え」
(一同笑)
殺された女の子は、ほかの店員と比べてかなりヨハンと親しかった。
ヨハン
「この街で今はやっている悪魔なりダークなりの噂を収集してきなさい、マグノリア」
マグノリア
「はい、マスター」
女性店員(DL)
「私、怖くて……(ヨハンに抱きつく)」
マグノリア
後ろ向いてるから見えてない(笑)
DL
いや、見えてた方が面白い(笑)
マグノリア
(笑)じゃあ、「はぁ~ッ……!(ショックを受ける)」
手に持っていたガラス瓶をバリバリバリー(笑)
(一同笑)
DL
ヨハンは、抱きつく店員の肩越しにそういう光景が見えた(笑)
ヨハン
じゃあ、左手で女の子の頭をよしよしってやりながら、右手の聖書でマグノリアをガツンってやる(笑)
(一同笑)
DL
ヨーヨーみたいにシュパーンと飛んで戻ってきた(笑)
ヨハン
「物を粗末にするんじゃないッ!」
DL
そっちかよ(笑)
マグノリア
「大変申し訳ございません、マスター(砕けたガラスを掃除している)」

SCENE 6

クリフは事件現場に到着。少し裏道に入ったところで、住宅がひしめき合っているような所だ。

狭い路地の向こう、真っ赤な夕日に照らされて黒々と影を落とし、家はあった。
クリフ
「あーあ、どうすっかな……」
モイラ(DL)
「雰囲気あるね(ぼそっと)」
クリフ
「どーでもいいから、とっとと調べてとっとと話を進めよう」(笑)
「俺は早くこの状況から脱したいんだ!」
マグノリア
(ナウシカ風に)何をそんなに怯えているの? 怖くない、怖くない……(笑)
クリフ
怯えてるんじゃない。
要するにこの二人に引きずりまわされるのがもう嫌なだけなの(笑)
マグノリア
かわいそうに(笑)
SF(DL)
「クリフ様はやる気満々ですね」
クリフ
「……そういう事にしておいてくれていいよ」
マグノリア
かわいそうに……なんて不憫なんだ(笑)
クリフは荷物を置いて家に入ってゆく。

事件から時間が経っているのだが、それでもまだそこには死臭が漂っていた。
クリフにとっては嗅ぎ慣れた臭いではあったが、それでもやはり生理的嫌悪がこみ上げ、彼はげんなりした声を漏らす。
クリフ
私は、被害者がどんな死に方をしていたとか知っているの?
DL
来る道でモイラがまるで怪談を話すかのように話してくれた。
クリフ
千切られた女の子がぐちゃぐちゃになって死んでたって。
「酷い殺し方しやがる……」
この家には誰もいないんだよね?
DL
もちろん。《観察》してください。
クリフ
17。
床、壁面、家具、部屋のあらゆる所に赤黒いシミが残り、事件の凄惨さをうかがわせている。
加えて、恐らく事件直後に訪れたシェリフが描いたのであろう。部屋のいたるところにチョークで丸が書かれている。
クリフ
ああ、飛び散った……。
とりあえずモイラとSFに、この件について何か知っていることはないか訊いてみよう。
モイラ(DL)
「ボクらも来たばっかりだからねぇ。あんまり詳しくは知らない」
クリフ
「お前ら、シェリフに聞き込みとかしなかったの?」
モイラ(DL)
「ボクらは基本的に非公式に動いてるしさ」
クリフ
「……だったら俺を引き込んだ時点で「行ってこい」とか言えよ」(笑)
モイラ(DL)
「……あー、それ気づかなかった。兄ちゃんあッたまいい~」(笑)
クリフ
「……お前らが馬鹿なんだよ。
……しょうがないな……大体俺に何を調べろっていうんだ。俺は探偵じゃないぞ」
DL
もう一回《観察》してください。
クリフ
死体があればね、医者として死体の状況を確認するとかできるかもしれないけど……11。
DL
ソファーをかすかに動かした跡がある。
クリフ
力強そうなのはモイラかな。
「モイラモイラ、ちょっとおいで。これ動かしたら面白そうじゃないか?」(笑)
モイラ(DL)
「面白いってのがよくわかんないんだけど」(笑)
クリフ
「……しょうがないな」って自分で動かす。
(一同笑)
DL
諦めが早い(笑)乗せてくれれば動かすのに。「クッキーが落ちてるよ」とか。
ヨハン
それはねーだろ(笑)
マグノリア
持ってるクッキーを下に投げておけばいい(笑)
クリフ
後が怖いからやらない(笑)
DL
ソファーがずれて隠れていた壁に、何か書いてある。
マグノリア
「殺す」(笑)
DL
「次はお前だ」(笑)
ヨハン
「犯人はSだ」
クリフ
振り向いて、鉄面皮の少女の方を見る(笑)
結局なんて書いてあるの? ……「何で」書いてあるの?
DL
血文字です。「HORN」
クリフ
え? ホーン? 角……?
「殺された女の子には角生えてたのか?」って一応訊いてみる(笑)
モイラ(DL)
「角生えてるなんて、ブレンヒルドとマグノリアだけでしょ?」
クリフ
「さっきの奴か。あれ、誰だ?」
モイラ(DL)
「ボクらの仲間だよ」
クリフ
「……ああ、同類か」
マグノリア
わかんないよ。初人間かもしれないじゃないか。
クリフ
「人間?」
モイラ(DL)
「ボクらは基本的にオートマータだよ」
クリフ
「少しでも期待した俺が馬鹿だったよ」(笑)
モイラ(DL)
「あー、ナマモノナマモノ」
クリフ
「どっちにしても角生えてるからナマモノじゃないし」
マグノリア
失礼だな。ナマモノでも角生えてる奴だっているじゃないか。
クリフ
「角がどうかしたのかな。
角が生えた奴が犯人とか……
いや、ちょっと待てよ。
ここで殺された奴が自分の血で文字を書くのは不可能だ。その上椅子を動かすなんてありえん。
犯人が隠したとするなら、自分に都合の悪いものなら消すなり破壊するなりするだろう。わざわざ隠す理由はない……
なので意味不明だ」
DL
何だその結論(笑)散々考えておいてそれか(笑)
モイラ(DL)
「役に立たないなぁ、兄ちゃん」
クリフ
「うるさい」(笑)だって本当に意味不明なんだもん。
マグノリア
隠してなければ、死ぬ前にやったのかしらって思えるけどね。