キーワードを多めに盛り込み、最後に「オモシロくなってしまった」単語の再確認パートを入れたため、難易度はとっても低いです。もし遊びたい人がいたら好きに使ってやってください。使ったり、面白いなと思ってくださったなら、この記事にイイネでも入れてくれれば私は嬉しい。
2008年8月26日に匿名掲示板「2ちゃんねる」オカルト板のスレッド「死ぬほど洒落にならない怖い話を集めてみない?196」に投稿された一連の話を簡略化して、キーワードになりそうな言葉を増量、最後にキーワード塗れにしてみました。これにオリジナルシナリオと銘打つのはどうなんだと思いつつ、一応分類上はそうなるか……
難易度を上げたい場合は最後の段を原作通り、「聞こえてくるのではないかと。」の行で終わればいいと思います。
稲川版、寡聞ながら稲川淳二さんの怪談はほとんど聴いたことがないので、それっぽさが出ているか不安。
キーワード
【ぽぽぽ】
【声】
【八尺】
【殺され】
【地蔵】
【お札】
【夜】
【盛り塩】
【コツ……コツ……】
【黒く変色】
【おしゃべり】用追加キーワード
《祖父》
《祈祷師》
『八尺様』(通常版キーワード入り 1099文字)
十年前のある日、僕は《祖父》の家を訪れた。縁側でくつろいでいると、不意に「【ぽぽぽ】…」という不気味な【声】が耳に入った。
目を向けると、庭の生垣の上に帽子が見え、その下に白いワンピースを着た女が立っていた。
しかし、生垣の高さは2メートル以上。その上から顔を覗かせるには、あまりにも背が高すぎる。
《祖父》と祖母にその話をすると、二人の表情は凍り付いた。
《祖父》は「それは【八尺】様だ」と言った。
【八尺】様は、名前の通り【八尺】(約2.4メートル)の背丈を持つ女で、【ぽぽぽ】という不気味な【声】を発し、魅入られてしまった者は数日のうちに【殺され】ると言われている存在だ。
この地域では、【八尺】様が他の土地に行けないよう【地蔵】が四方に立てられている。
しかし、目を付けられれば逃げられない。
《祖父》はすぐに《祈祷師》を呼び、僕には【お札】が渡された。
【夜】が迫ると、僕は二階の部屋に閉じ込められた。窓は新聞紙で目張りされ、四隅には【盛り塩】が置かれていた。
「朝まで決して出るな。誰の【声】がしても応じるな。」
深【夜】、窓の外から「【ぽぽぽ】…」とあの【声】が聞こえ、窓が【コツ……コツ……】と叩かれた。
「【ぽぽぽ】……」「【ぽぽぽ】……」
恐怖に震えていると、《祖父》の【声】が聞こえた。「おーい、こっちに来てもええぞ」
しかし僕は思い出していた。「朝まで決して出るな。誰が呼んでも応じるな。」と言われたのだ。
その【声】は本当に《祖父》なのか? 不安に駆られ【盛り塩】を見ると、【黒く変色】していた。
……【八尺】様が来た。僕は【殺され】る。
僕は必死に仏像の前で【お札】を握りしめ、「助けてください」と祈り続けた。
窓の外からは「【ぽぽぽ】……」という【声】と、【コツ……コツ……】とガラスを叩く音が続いたが、【夜】が明けると音は消えていた。
朝、《祈祷師》に【お札】を見せると、【黒く変色】していた。
その後、僕は九人乗りのバンで家を出た。親戚たちに囲まれ、僕は目を閉じ、下を向いて座った。
しばらくすると、再び【ぽぽぽ】という【声】が聞こえた。
薄目を開けると、白いワンピースの女が車に並走していた。
慌てて目を閉じ、必死に【お札】を握りしめる。
ガラス越しに【コツ……コツ……】と叩く音が響き、恐怖がピークに達した。
やがて《祈祷師》が「うまく抜けた」と言い、僕はようやく家に戻ることができた。
親父は「昔、友人が【八尺様】に魅入られて【殺され】た」と話してくれた。
そして数年後、祖母から連絡があった。「【地蔵】が壊された。それもお前の家に通じる道のだけがな」と。
今でも、【夜】になると耳を澄ませる。
「【ぽぽぽ】……」というあの【声】が、再び聞こえてくるのではないかと。
【コツ……コツ……】と叩く音が聞こえはしないかと。
【八尺様】に【殺される】のではないかと。
『八尺様』(通常版キーワードなし 1099文字)
十年前のある日、僕は祖父の家を訪れた。縁側でくつろいでいると、不意に「ぽぽぽ…」という不気味な声が耳に入った。
目を向けると、庭の生垣の上に帽子が見え、その下に白いワンピースを着た女が立っていた。
しかし、生垣の高さは2メートル以上。その上から顔を覗かせるには、あまりにも背が高すぎる。
祖父と祖母にその話をすると、二人の表情は凍り付いた。
祖父は「それは八尺様だ」と言った。
八尺様は、名前の通り八尺(約2.4メートル)の背丈を持つ女で、ぽぽぽという不気味な声を発し、魅入られてしまった者は数日のうちに殺されると言われている存在だ。
この地域では、八尺様が他の土地に行けないよう地蔵が四方に立てられている。
しかし、目を付けられれば逃げられない。
祖父はすぐに祈祷師を呼び、僕にはお札が渡された。
夜が迫ると、僕は二階の部屋に閉じ込められた。窓は新聞紙で目張りされ、四隅には盛り塩が置かれていた。
「朝まで決して出るな。誰の声がしても応じるな。」
深夜、窓の外から「ぽぽぽ…」とあの声が聞こえ、窓がコツ……コツ……と叩かれた。
「ぽぽぽ……」「ぽぽぽ……」
恐怖に震えていると、祖父の声が聞こえた。「おーい、こっちに来てもええぞ」
しかし僕は思い出していた。「朝まで決して出るな。誰が呼んでも応じるな。」と言われたのだ。
その声は本当に祖父なのか? 不安に駆られ盛り塩を見ると、黒く変色していた。
……八尺様が来た。僕は殺される。
僕は必死に仏像の前でお札を握りしめ、「助けてください」と祈り続けた。
窓の外からは「ぽぽぽ……」という声と、コツ……コツ……とガラスを叩く音が続いたが、夜が明けると音は消えていた。
朝、祈祷師にお札を見せると、黒く変色していた。
その後、僕は九人乗りのバンで家を出た。親戚たちに囲まれ、僕は目を閉じ、下を向いて座った。
しばらくすると、再びぽぽぽという声が聞こえた。
薄目を開けると、白いワンピースの女が車に並走していた。
慌てて目を閉じ、必死にお札を握りしめる。
ガラス越しにコツ……コツ……と叩く音が響き、恐怖がピークに達した。
やがて祈祷師が「うまく抜けた」と言い、僕はようやく家に戻ることができた。
親父は「昔、友人が八尺様に魅入られて殺された」と話してくれた。
そして数年後、祖母から連絡があった。「地蔵が壊された。それもお前の家に通じる道のだけがな」と。
今でも、夜になると耳を澄ませる。
「ぽぽぽ……」というあの声が、再び聞こえてくるのではないかと。
コツ……コツ……と叩く音が聞こえはしないかと。
八尺様に殺されるのではないかと。
『八尺様』(稲川版キーワードあり 1418文字)
……十年前のことなんですけどね。僕、祖父の家に行ったんですよね。
田舎の家で、縁側でぼんやりしてたんです。するとね、聞こえてきたんです。あの声が。
「【ぽぽぽ】…」ってね。
機械の音じゃない、明らかに人の【声】なんですよ。不気味で、胸の奥がザワッとするような。
なんだろーと思って目を向けるとね、庭の生垣の上に【帽子】が見えたんですね。
その下には、白いワンピースを着た女が立っていた。
けどね、あの生垣、2メートル以上あるんですよ。なのに、その女は顔を生垣の上から覗かせていた。
変だなーと思って祖父と祖母に話すと、二人とも凍りつきました。
祖父は、低い声で言ったんですね。
「それは【八尺】様だ」
【八尺】様は、その名の通り【八尺】、約2.4メートルの背丈を持つ女で、あの【ぽぽぽ】という【声】を発するんだといいます。そして、一度魅入られてしまえば、数日のうちに【殺される】……。
この地域では、【八尺】様が他の土地に行けないように【地蔵】が四方に立てられているそうですね。
でも、目を付けられたらもう、逃げられないんだって。
祖父はすぐにAさんを呼びました。この方を仮にAさんとしましょうか。
僕には【お札】が渡され、【夜】が来る前に二階の部屋に閉じ込められました。
窓は新聞紙で目張りされ、四隅には【盛り塩】が置かれていましたね。
祖父は言いました。「朝まで決して出るな。誰の【声】がしても応じるな。」
……【夜】中、外からまた聞こえてきたんですね。
「【ぽぽぽ】……」
それだけじゃない。窓がね、【コツ……コツ……】
叩かれるんですよ。
「【ぽぽぽ】……」
【コツ……コツ……】
「【ぽぽぽ】……」
背筋がゾクーッとした。そんなときに、
「おーい、こっちに来てもええぞー」
祖父の【声】がしました。
ああ助かった! 祖父の【声】だ!
でも、ハッとした。「朝まで決して出るな。誰が呼んでも応じるな。」
言われてたことを思い出したんですね。
おかしいなーと思って【盛り塩】を見た。そしたら……【黒く変色】していた。
……ああ、来てる。いるんだよ。もう、僕は【八尺】様に【殺される】。
僕は仏像の前で【お札】を握りしめ、うぅ~っ! と声にならない悲鳴をあげた。
窓の外からは「【ぽぽぽ】……」という【声】と、【コツ……コツ……】
音が【夜】中ずっと続いていて……。
気が付いたら、朝だったんです。
Aさんに【お札】を見せると、【黒く変色】していましたね。
その後、九人乗りのバンで家を出ることになりました。
親戚たちに囲まれ、目を閉じて、下を向いて座った。
しばらくすると、また【ぽぽぽ】という【声】が聞こえてきた。
思わず薄目を開けてしまった。そしたら……
車にスーッとスーッと並走する白いワンピースの女。
こいつ、この世のモノじゃない。
慌てて目を閉じました。でもね、聞こえるんです。
窓の外から、【コツ……コツ……】……叩く音が。
冷や汗がファーッ……と吹き出してきて、必死でギューッと【お札】を握りしめました。
やがて、Aさんが「うまく抜けた」と言い、やっと帰ることができたんです。
親父は言いました。「昔、友人が【八尺】様に魅入られて【殺された】」。
それから数年後、祖母から電話がかかってきたんです。
「【地蔵】が壊された。それもお前の家に通じる道のだけがな」。
……今でも夜になると耳を澄ませます。
「【ぽぽぽ】……」という、あの【声】がまた聞こえてくるんじゃないかって。
「【コツ……コツ……】」、窓を叩く音が聞こえてくるんじゃないかって……。
……僕は、【八尺】様に【殺される】んじゃないかなって。
『八尺様』(稲川版キーワードなし 1418文字)
……十年前のことなんですけどね。僕、祖父の家に行ったんですよね。
田舎の家で、縁側でぼんやりしてたんです。するとね、聞こえてきたんです。あの声が。
「ぽぽぽ…」ってね。
機械の音じゃない、明らかに人の声なんですよ。不気味で、胸の奥がザワッとするような。
なんだろーと思って目を向けるとね、庭の生垣の上に帽子が見えたんですね。
その下には、白いワンピースを着た女が立っていた。
けどね、あの生垣、2メートル以上あるんですよ。なのに、その女は顔を生垣の上から覗かせていた。
変だなーと思って祖父と祖母に話すと、二人とも凍りつきました。
祖父は、低い声で言ったんですね。
「それは八尺様だ」
八尺様は、その名の通り八尺、約2.4メートルの背丈を持つ女で、あのぽぽぽという声を発するんだといいます。そして、一度魅入られてしまえば、数日のうちに殺される……。
この地域では、八尺様が他の土地に行けないように地蔵が四方に立てられているそうですね。
でも、目を付けられたらもう、逃げられないんだって。
祖父はすぐにAさんを呼びました。この方を仮にAさんとしましょうか。
僕にはお札が渡され、夜が来る前に二階の部屋に閉じ込められました。
窓は新聞紙で目張りされ、四隅には盛り塩が置かれていましたね。
祖父は言いました。「朝まで決して出るな。誰の声がしても応じるな。」
……夜中、外からまた聞こえてきたんですね。
「ぽぽぽ……」
それだけじゃない。窓がね、コツ……コツ……
叩かれるんですよ。
「ぽぽぽ……」
コツ……コツ……
「ぽぽぽ……」
背筋がゾクーッとした。そんなときに、
「おーい、こっちに来てもええぞー」
祖父の声がしました。
ああ助かった! 祖父の声だ!
でも、ハッとした。「朝まで決して出るな。誰が呼んでも応じるな。」
言われてたことを思い出したんですね。
おかしいなーと思って盛り塩を見た。そしたら……黒く変色していた。
……ああ、来てる。いるんだよ。もう、僕は八尺様に殺される。
僕は仏像の前でお札を握りしめ、うぅ~っ! と声にならない悲鳴をあげた。
窓の外からは「ぽぽぽ……」という声と、コツ……コツ……
音が夜中ずっと続いていて……。
気が付いたら、朝だったんです。
Aさんにお札を見せると、黒く変色していましたね。
その後、九人乗りのバンで家を出ることになりました。
親戚たちに囲まれ、目を閉じて、下を向いて座った。
しばらくすると、またぽぽぽという声が聞こえてきた。
思わず薄目を開けてしまった。そしたら……
車にスーッとスーッと並走する白いワンピースの女。
こいつ、この世のモノじゃない。
慌てて目を閉じました。でもね、聞こえるんです。
窓の外から、コツ……コツ…………叩く音が。
冷や汗がファーッ……と吹き出してきて、必死でギューッとお札を握りしめました。
やがて、Aさんが「うまく抜けた」と言い、やっと帰ることができたんです。
親父は言いました。「昔、友人が八尺様に魅入られて殺された」。
それから数年後、祖母から電話がかかってきたんです。
「地蔵が壊された。それもお前の家に通じる道のだけがな」。
……今でも夜になると耳を澄ませます。
「ぽぽぽ……」という、あの声がまた聞こえてくるんじゃないかって。
「コツ……コツ……」、窓を叩く音が聞こえてくるんじゃないかって……。
……僕は、八尺様に殺されるんじゃないかなって。
シナリオ作りながら思った、『怪談白物語のシナリオ』についての話
『怪談白物語』のシナリオは初めて作りました。
基本勝敗を競うゲームではなく、へんてこりんになったお話を読んで笑うゲームだと思っているので、以下のように作っています。
・恐怖っぽい単語をキーワードとする
怖い話でなくするのが目的なのでここは必須ですよね。オカルト系単語、怪異の名前なんかは真っ先に入れたい所。
・それをなるべくまんべんなく複数回出てくるようにちりばめる
一度しか出てこない単語がキーワードだったりすると難しくなってしまう、というのもありますが、折角変えた単語は何度だって出てきて欲しいですよね!
ということで、キーワード以外の言葉もなるべく似た言葉は同じ言葉に統一して、同じ言葉が何度も出てくるようにしています。弄られやすい怪異の名前や鳴き声は何度でも出したい!
・最後には集大成をお出しする
最後の最後には「何だこりゃ」って文になっていて欲しいので、書き換えられるであろう単語をなるべく最後の節に多く入れて、奇妙に歪んだ物語の集大成をどーんと出したいところです。その方が面白いかなと思いますので。
今回の話では、原作では「声が聞こえそうで怖い」で終わっているのですが、その後に「八尺様」について色々思い出す文を追加しています。(怪談的には割と台無しなことやってますね)
ただしこれをやると難易度は下がります、当然ながら。
あまり下げすぎて、途中でキーワードが全滅しちゃっても何なので、最後にしか出てこないワードもちょっとは必要かなぁと思いました。
・稲川版
この方の語りは基本デスマス、前談では語尾に「ね」多め。
登場人物の心情が語りにフラットに混ざってくるのと、ホラーシーンに入った時の擬音使いなどが特徴なのかなと思いました。
「こわいなーこわいなー」はものまねでよく使われるんですが、実はそれほど出てこないらしい。
あとは、基本早口、ホラーではないシーンでは笑顔、ホラーシーンは身振り手振りも交えて表情でも演出……で、何とかそれっぽくなるでしょうか。
基本「間」の演出、緩急がそれっぽさを形作っているので、真似は難しいのですよね。
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