こちらには
『PYX』
のネタバレがあります。
本編見る!
KP
目を覚ますと朝だった。
災厄など知ったことかと鳴く鳥の声で、あなたは目を覚ます。
外から、朝の明るい光が射している。

開け放たれた窓からは、何かの騒ぎがここまで届いている声が聞こえだしており、夜の間に事態はまた進んでしまったのだろう、と分かるだろう。
佐倉 光
牧志は!?

慌ててベッドを確認する。
KP
気づくことが二つある。
一つは、あなたの枕元に見慣れない小包が置かれていることだ。
本か何かが入ったような形の小包であるそれは、眠るまでは確かになかったはずだ。

そして、もう一つは。

牧志が、姿を消していた。
牧志が眠っていたベッドの傍らの窓が、開け放たれていた。
佐倉 光
あーあーあー
佐倉 光
小包をひっつかみ、慌てて窓から外を見る。
KP
窓の外を見ると、着地の時に残されたのだろう、僅かに土を踏んだ足跡が残っていた。
照野の車は駐車場に残っている。彼は徒歩で出ていったのだ。

脱いだジャケットや荷物は、何もかも室内に残されていた。
ジャケットのポケットに入っていたスマートフォンもだ。
佐倉 光
「牧志!」
叫んで窓から外を探す。
そういえばさっきの「騒ぎ」ってどこから聞こえているのだろう。
視界に何も無ければ部屋を出る。
KP
「何があったの?」
あなたの様子に気づき、照野が寝室から飛んでくる。
佐倉 光
「牧志がいないんだ!」
KP
「なんてこと……! 一体どうして」
佐倉 光
「わかりません。ただ……僕達を巻き込まないようにした、んだと思う」
佐倉 光
「うたげくんは!?」
KP
「うたげくんは無事よ、さっき起きた所」
佐倉 光
あいつが意味もなく一人で出ていくわけがない。
確実に何かがあった。
そして、きっとこれはその手がかりだ。
手の中にある包みを見下ろす。

こんなもの、牧志が持っていたのか?

ひとまず着替えるからと言って部屋を出て貰い、包みをチェックする。
あいつどんな格好で出て行ったんだ?
※寝るときは着替えたんだろうか。それとも下着だけになって寝るみたいな感じかなぁ。
KP
さすがに着替えはないので、ジャケットだけを脱いで元着ていた服のまま寝ていた。
窓の外がちょうど庭になっていたため、土の上に靴跡が残っている。
追うことができそうだ。
佐倉 光
お、追えるのか。じゃあまず追う!
KP
庭に残った足跡は大通りの方へ続いている。
あなたが追いかけようと動くと、照野が駆け寄ってきて、あなたに何かを渡した。
車の鍵だ。
KP
「使って。私達はここから動けない。
彼を探しに行くんでしょう?」
佐倉 光
「ああ、ありがとう! 助かります!」
手早く外に出られる格好をして、牧志の荷物と自分の荷物を纏めて車に放り込む。
KP
「どうか……、気をつけて。
今朝、父から連絡があったわ。

米軍が動き出しているそうなの。
彼らは、東京を焼却するつもりよ。
人類が彼らに滅ぼされる前に、ここを焼いて、感染拡大を日本で食い止めるつもり。

焼いたって意味なんてないって、分かったのにね。
訴えたけど、止められなかった。

どうか、急いであげて」
佐倉 光
「あァァそりゃそうなるだろうさ! クソッ!」
佐倉 光
これはひどい大事件だ!
クライマックスまであと15時間近く(多分)あるのに生き残れるのか!?
KP
大丈夫まだ内部リーク情報の段階だから、実際に動くまでにはそれなりに時間がかかります。
でも頑張れ佐倉さん。
佐倉 光
「また連絡します!」

足跡を追って出発する!
窓は少し開けて、音が聞こえるようにしよう。
佐倉 光
「ふたりも気をつけて。
ありがとうございました!」
車の鍵を開けて乗り込みながら。
叫ぶように礼を言ってエンジンをかけ、アクセルを踏む。
KP
乗り込む直前に〈聞き耳〉で判定。
佐倉 光
1d100 89〈聞き耳〉 Sasa 1d100→ 50→成功
KP
「……私達は、もう駄目だったから……」

乗り込んで扉を閉めた直後。
後悔のような感情を宿した彼女の声が、微かに耳に届いた。
佐倉 光
「……えっ」
まさか。
彼女たちも牧志と同じ?
だったら尚更だ。
佐倉 光
「諦めないで」
まだ俺は生きているから。

佐倉 光
なんなんだよ、なんなんだよ!
今まで大丈夫だったのにああなっちまったのか?
お前もゾンビみたいになって見境なく人間食ってるのか?
くそ、くそ!

時折地面を確認しつつ足跡を追う。
余裕があったらスピーカーフォンで皆方さんにも連絡取りたいなぁ。
しかし今は牧志が優先かな。
KP
見慣れた足跡は大股に、土の上を駆け出す。

刻まれた足跡を追いかけると、東京へ続く大通りの方へ向かっていた。

舗装された道路に行き当たって、そこから足跡を辿ることができなくなってしまった。
佐倉 光
「くそ!」
あの時俺が、牧志の声を聞いていたら!
気絶せずに話が聞けていたら!
佐倉 光
いやまだ早い。牧志は手がかりを残している。

牧志が残した包みを開ける。
KP
包みを開けようとして、ふと自身のスマートフォンが目に入る。
何かの通知が来ている。

包みを開けると、中身は古ぼけたノートだった。
すべてで四冊。
一冊目の表紙に子供の字で、「光の日記 読むな」とある。
合わせて、あなたが6歳の頃にあたる時の日付が入っている。
佐倉 光
そんな日記つけた覚えある?
KP
ノートには見覚えがなく、この日記にも覚えがない。
佐倉 光
ではまず着信を確認。
牧志 浩太
それは、牧志からのメッセージだった。

明け方の時刻だ。
その時間に出ていったのだろうか。
それとも、どこかで我に返ってメッセージを送ったのだろうか。
佐倉 光
メッセージを確認する!
牧志 浩太
「親玉は、俺だった」
メッセージは、そんな一文で始まっていた。
牧志 浩太
「全部、思い出したんだ。
あの夜にオレンジの煙に襲われて、俺はこうなった。

人を襲ってしまった俺に、あの女はナイフを持たせて言った。

あの人を俺が殺した。
あの人は他の人を殺す。
俺は吸血鬼になって、また人を殺す。
ここから東京中に広がっていく。
お前は取り返しのつかないことをした。

それでも諦める気なんて、死ぬ気なんてなかったんだ。
でも手は勝手に動いて、俺を」
牧志 浩太
「ごめん、ごめん、みんな、ごめん、こうなる前に諦めてたら、こうならなかったかもしれない。

銃はあったのに、取り返しのつかないことをしたんだ、でも諦めたくなかった、なんで忘れてたりしたんだろう、俺のせいだ」
牧志 浩太
「笛の音が聞こえる。
あちらに行きたい、行きたい、行きたくない、生きたい、逝きたい、行きたくない」
牧志 浩太
「佐倉さん。

前と同じだ、銃があれば俺を殺せる。呪文は見つからなかった。

俺には無理だった、手が勝手に逃げて撃てない。

ミスライムのカタコンベで待ってる。
もし、どうしようもなくなったら、その時は俺を」

メッセージはそこで終わっている。
佐倉 光
「馬鹿野郎が」
佐倉 光
こんな予感はしていた。
俺たちが、俺が事件の中心にいることは分かっていた。
だから俺たちのせいだ、なんてことはない!

こんなの天災だ。
牧志にどうにかできたことじゃない。

しかし、どうしたらいいのか。
牧志は今晩にも魂を取られ、ゾンビ化する。
世界はめちゃくちゃになる。少なくとも日本は終わる。
俺にできること、あるのか?
すべてを見なかったことにして門を越えりゃいいのか?
そもそもそんな手段取ろうにも呪文が分からない。

俺は神なのに何も分からない!
佐倉 光
『お前のせいじゃない』
とだけメッセージを送る。
KP
メッセージに返事は、なかった。
分かるのは、少なくとも牧志がまだ牧志であるという、その頼りない事実だけだ。
そして、彼が『そこ』で待つということ。

あなたには分からないことが多すぎる。
あなたは神だというのに、望めば何でも手に入るというのに、あなたの上に意味もわからない限界がある。
佐倉 光
『光の日記』を見よう。
KP
一冊目のノートを開くと、読みづらく幼い文字で綴られた文章が目に入る。
それは病室に閉じ込められたあなたの、孤独で、望みのない日々の日記だ。
「幼馴染」とともに生きながら閉塞感をおぼえる佐倉の日記だ。
親代わりのような「双子の兄弟」への喜びや依存心、それからどこか憎しみのようなものを感じられる。
KP
ノートはあと三冊ある。
佐倉 光
これは、俺だ。俺じゃない。
俺はまたいつの間にか、知らない世界に来ているのか?

そして『俺』は、新たな世界の住人?


ノートを注意深く読み進める。
KP
「日記」の続きには、あなたが十一歳になった時の日付が書かれていた。
佐倉自身に覚えがある幼い頃の想いのほか、さらに鬱々とした双子の兄弟への反発心と憎しみ、幼なじみと話す外のこと、自由のことが記されている。
佐倉たちは全て忘れてしまった双子の兄弟のせいで閉じ込められ自由を奪われていると感じているらしい。
佐倉 光
何だ、この憎しみと怒り。
俺が感じてきたものと比べものにならない。
KP
〈クトゥルフ神話〉99%で判定。正気度 は減少しない。
佐倉 光
1d100 99 Sasa 1d100→ 43→成功
KP
ふと、あなたはその日記に覚えがある気がした。
馴染み深い自分の日記だ。どうして忘れていたのだろう。
こんなことを書いた記憶は……ないが。
佐倉 光
いや、やはりこれは俺のか? 俺が書いた?
いや、俺が記録を残すなら……デジタルにすると思うし。
どういう事だろう。俺じゃない俺の、記憶か?

俺というものが不確かになっている。
KP
日記はあと二冊ある。
佐倉 光
少しの恐れを感じながらも日記を開く。
KP
次の日記には、あなたが十六歳になった時の日付が記されている。
あなたがそのヒランヤを手に入れ、発作に悩まされながらも、少なくともひとりで動けるようになった頃のことだ。

こんな時期になってまだ手で日記を残しているのは、幼い頃からの習慣だろうか?
よく飽きなかったものだ。

あるいは、そうまでしても自らの、自分たちの内から出したくない内容だったのかもしれないが。
「旧き鍵」のことが記されている。
幼なじみとともにそれを目撃した佐倉たちは憧れを抱く。
それと同時にこの世界で起きたことを知る。この世界が実は放棄されたものなのではないのか、と。
KP
あなたは考えたらしい。
「もし、あの石板が使えれば。
あれを使って自分達が、あいつらと同じことをしたとしたら。
今度こそ。
メッセンジャーたる自分達が、手足として生きるしかない牢獄から、逃れられるんじゃないか」
佐倉 光
うーん、ペルソナが反乱を起こした感じ?
KP
佐倉さんを神として成長し直させて、もう一度反乱のチャンスを掴みたい感じ。
佐倉 光
成長する前に摺り下ろされて消えそう。
佐倉 光
双子の神が作った世界で、閉じ込められていると感じた『俺』たちが、外の世界に出ようとしたのか。
『外』ってどこだよ。
旧神から奪った力の欠片がここに残っていた?

……そもそも牧志は、どうしてこんなものを?
そもそもこれを置いていったのは牧志、なのか?

次のノートに手を伸ばす。
KP
最後の日記は短いものだった。
そこには力を手に入れ、悪魔使いとなってからのあなたの日常が綴られている。
幼馴染たちはみな忙しく暮らしていて、あなたも多忙だ。絶えず仕事が下され、あなたは絶えず働いていた。
その多忙さは力を行使する喜びよりも、操られるようなただの日常の忙しなさに満ちていた。

あなたはそれを嘆いていた。力を手に入れようと縛られている。
自由に動けるようになったとしても、あなた達の誰にも自由などないのだ。
KP
日記は刻みつけるような文章で終わっていた。

「自由になりたいと夢見たことも、生活の中に紛れて消えていく。
全てを軽蔑しながら全ての一部分であるしかない。

狂気は救い。全ては濁流のような無感覚の中で全体の一部として消えていく。
全ては自由で、だからこそ存在することは牢獄の中で生きること。

俺達は牢獄以外の場所で生きたことがない。世界とは牢獄だ。
自由の牢獄から離れ、新世界の神になれるなら、もしその日が来るなら、俺は、私は、僕は」
KP
日記の最後のページに、じわりと真紅のインクで、文字が滲んだ。
金色にきらめく文字が、白い地平の上に描かれていく。

「あなたがたは『自由の牢獄』の中にいる。
出口を探し求めなさい、成長の途上にある雛よ。

あなたがわたしたちに新たな進化を齎すことを、わたしたちは望んでいる」
佐倉 光
なんなんだよ。
『あなたがた』って誰のことだよ。
牧志はこれを読んだのか?
出口ってあの門のことか?

世界から飛び出したがって力を求めている『俺』がいた。
そいつは力を求めて何をしたんだ。

牧志はニーオス・コルガイの『親』だ。
あいつを救う手段はないのか。
あいつを殺すことなく、囚われた魂を解放する手段は。
ニーオス・コルガイを追い出す手段は。

ニーオス・コルガイに冒された人間たちはどうして門を目指す。
自由を求めるが故か。
あの門の向こうが自由の世界だからか。

何故ナイフと銃は残された。
これが俺に与えられたクリアのキーアイテムなのか。
俺を追い払うナイフ。
ニーオス・コルガイを殺せる銃。

俺に一体何を期待しているんだ。
佐倉 光
包みに、ノートの裏などに、何か残っていないだろうか。
KP
あるのは……、それだけだ。
他には何もない。
佐倉 光
「あぁぁぁぁ情報が足りねぇ!」
佐倉 光
唇を噛みしめ、スマートフォンを手に取る。
皆方は無事だろうか。

無事。
あの少年は、死んだのか。

いや、俺がうまくやれば皆、生き返るのではないのか?
佐倉 光
「責任重すぎだぜ……」
まあ、いつもの、ことか。

皆方にコールだ!
KP
……返事はない。
無情なコール音が響くばかりだ。

KP
ここ少しぶっちゃけますと、次に話が進むのは24時です。
それまでに牧志の所へ行くことはできますし、他の事もできます。
佐倉 光
なるほどー。シローを迎えに行って東京の外に出す?
いやー、封鎖されていそうかなぁ。

一度シローの様子を見に行こう。

佐倉 光
シローに電話をかける。
こうした連絡手段もいつまで使えるか分からない。
同じ危険なら、一緒にいた方がまだマシな気がする。
KP
「……さくら?」
すぐに電話が取られた。
心細そうなシローの声が応える。
何かあったのか、涙声のように聞こえた。
佐倉 光
「何かあったのか? 今から迎えに行く!」
車を自宅へと向ける。
KP
「ぼく、だいじょうぶ。でも、とらみ、とらみが」
佐倉 光
「東浪見……」
そうか、あいつ家族と一緒だし、人との関わり多そうだもんな。
佐倉 光
「辛かったな。今から行く。待ってろ」

KP
街中へ向かうほどに、辺りの店舗や家々からは人気がなくなっていく。
道に見える人影は、干からびた姿で虚ろに歩く犠牲者たちばかりだ。

ほとんどの人が逃げ出した街の中、ガソリンスタンドで老人がひとり店番をしているのが見えた。

きっと、外へ逃げようとする人のために、そこでガソリンを売り続けているのだろう。
佐倉 光
ガソリンスタンドで給油をしよう。
最悪、逃げるって選択肢もなくはないからな……
KP
ガソリンスタンドの店先に一人で座り込む老人は、車が入ってきたのを見て顔を上げた。
「外から来たね。街へ行くのかい」
佐倉 光
「ああ。あんたは逃げないのか。
こんな時に稼いでどうするんだ?」
KP
「逃げていく連中の分、誰かここで物を売る人間が要るだろう」
佐倉 光
「大したボランティア精神だな」
KP
「少しなら食い物も売ってる、買っていくかい」
佐倉 光
「折角だ、貰おうか。菓子もあると助かる」
大人二人と子供で二日分食べられるだけの水や食料が確保できるなら買っておこう。
KP
「ああ、あるよ」
確保できて一日分と少しといった所だ。
自宅に物資が残っていれば、それが助けになるだろう。
佐倉 光
「サンキュ。あんたも引き際誤るなよ」
有り難く物資を積み込んで先を急ごう。
KP
「俺はいいのさ、老い先短い身だ。元気でな」

KP
改めまして、あけましておめでとうございます
昨年も濃密な卓をありがとうございます
佐倉さんは大変な状況ですが、今年もよろしくお願いします2025
佐倉 光
あけましておめでとうございます。

日々楽しい卓をありがとうございます。
まだ一年ちょっとしかたっていないなんて信じられないほどの経験をさせて貰いました。

新年一発、二人で生き延びたい!!
KP
生き延びたい!!

KP
物資を積み込み先を急ぐあなたの前を、乗る者がいなくなり路上に放り出された車や、逃げようとする車の列が塞ぐ。

窓の開いた車の中で、扉を開けることができずにのたうっている犠牲者の姿が見えた。
KP
それらに道を塞がれながらも、自宅が近づいてくる。
佐倉 光
無事でいろよ、シロー!
自宅の直ぐ側まで車で突っ込んで、エンジン切って様子をうかがう。
KP
静まり返ったアパートの前に人の姿はない。
犠牲者たちもどこかへ行ってしまったのか、うろつく者もないようだ。
佐倉 光
「……よし」
最悪の事態に備え、腕輪の動作を確かめてから車を降り、家に向かう。
人影がなければそのまま自宅へ行って鍵を開ける。
KP
COMPはいつも通りの内容を液晶に表示した。

自宅へ向かって鍵を開けると、室内から「……さくら? まきし?」と、か細い声が聞こえた。
佐倉 光
「佐倉だ! 無事か!?」
靴を脱がずに中へ上がり、声がする方へ。
KP
あなたが呼びかけるなり、奥から小さな足音が走ってきた。
丸い目いっぱいに涙を湛えて、駆け寄ってくる姿が見えた。

「さくらぁあ……!」
シローがあなたの胸へと飛び込む。
佐倉 光
東浪見に何があったんだよぉー
佐倉 光
「頑張ったな。よく頑張った。無事で良かった」
シローを抱きしめて頭と背を撫でる。
落ち着くまでそうしてやりたいが、そうもいかない。
佐倉 光
「すぐ移動しよう」
部屋の中から毛布を二枚引き剥いで持って行く。
あとは食料だ。持てるだけ鞄に詰め込む。
KP
シローはあなたの腕に抱かれ、胸に顔をうずめて泣きじゃくった。
次から次へと溢れてくる涙と鼻水をすすり、涙顔のままくしゃっと表情を締めた。
KP
「うん……。さくら、まきしは?
まきし、くるまでまってる?」

家の中にある食料をあるだけ詰め込もうとするあなたを見て、不安そうに聞く。
佐倉 光
「牧志は……一人で行動してる。
だけど行く場所は大体分かっている。後で会いに行く」
作業中だから、という理由を付けて、シローの目を見ずに返答した。
嘘はついていない。本当のことも言っていない。
佐倉 光
「急がないと。おいで」
手を差し出す。詳しい話は車に戻ってからだ。
KP
「……うん……」
シローは目を伏せて、頷いた。
佐倉 光
荷物を担いでシローの手を引いて車まで戻る。
こちらから訊きたいことも色々あるが、まずは安全を確保してからだ!
KP
車に戻ろうとしたところで、〈目星〉-15%で判定。
佐倉 光
佐倉 光 - 今日 3:48
1d100 83 (1D100) > 4
佐倉 光
クリティカルかな。
KP
ですね、クリティカル
KP
自宅前の廊下の下、地面の上に何かが落ちているのに気づいた。

……あなたは確認しに行くまでもなく、それが何か気づいてしまうだろう。

それは、東浪見のスマートフォンだ。
落下したのか、画面が大きくひび割れてしまっている……。
佐倉 光
瞬時に様々な碌でもない可能性が浮かんだ。
迎えに来て、だが鍵があかなかったので帰っただけ、などということはありえない。

周囲を警戒しながらスマートフォンを拾い上げにゆく。
もし万一、近くに東浪見の姿があったら。近づかない。
佐倉 光
東浪見ゾンビなんていたらそんなのタイラントじゃないか!
KP
周囲を東浪見タイラントがうろついている可能性。恐ろしい。
KP
東浪見の姿は……、ない。
問題なく、それを拾い上げることができる。

手の中にあるそれは、やはり東浪見のスマートフォンだ。
落下した時に壊れたのか、電源が落ちている。
佐倉 光
それは拾って、車の所に戻ろう。
心配して来てくれたんだな、東浪見……

KP
車ではシローが待機している。
涙ぐみながら不安そうにあなたを見上げた。
佐倉 光
「ただいま」
佐倉 光
さて、これからどうしようか……
シローを東京の外に連れ出す?
とはいえ俺に頼れる人はいないし、結局また独りきりにしてしまうことになる。
頼れる人……

実家のことが頭に浮かんだ。
思い出したくなかった。
あそこもきっと、駄目だ。
佐倉 光
「シロー。実はさ、牧志は今行方不明なんだ。
今晩夜中に多分会えると思うけど、その時俺と牧志が無事でいられるか分からない。
一緒に来ると危険だ。

安全に行くなら東京から出て、警察に保護を頼んだりすることになる。
だけど俺はまた戻らなきゃいけないし、迎えに行けるか分からない」
佐倉 光
「一緒に来るか?」
佐倉 光
この状況で脱出ができるかどうかなんてわからない。
できてもゆく宛もない。
選択肢のない問いだ。

それでも、シローは一人で歩くことを望むかもしれない。
KP
……シローは胸に顎を引き寄せ、両の拳をぎゅっと強く握り、自らに問いかけるように考え込んだ。
KP
「……」
KP
「いっしょにいく。
さくらと、まきし、むかえにいく」
その眼は、決意の光を宿していた。
佐倉 光
「……行こう」
ではその図書館の近くまで車で移動する。
後部座席は毛布をかけて外からの視線と中からの視線を遮れるようにしておこう。
佐倉 光
図書館の近くに、人気があまりない駐車場はないかな。
ネットなどがまだ使えるならそれを使って、なければコンビニで地図を確保して、それ使ってなるべく図書館に近づこう。
KP
ネットはまだぎりぎり生きているが、ひどい輻輳で繋がりにくくなっている。
その遅さに苛立つだろうが、辛うじて地図アプリは起動できた。

図書館に近づくほどにうろつく犠牲者たちの姿が増え、図書館を中心に異様な人だかりを作っているのが目に入る。

一番近くにあるのは、大学の駐車場だ。
大学の建物に隠れるようにして置かれたそこには人気がなく、犠牲者たちの姿もない。
図書館までは、建物に隠れて近づくことになるだろう。
佐倉 光
その間に、シローからこの二日間の話を聞こう。
話したくなければ話さなくてもいいけど。
KP
シローは、あなたの言う通りずっと家に閉じこもっていた。
外の雰囲気が異様に変化していくのに気がつきながらも、あなたの言葉を守って、じっと息をひそめていた。

その間、東浪見が話し相手になってくれたのだそうだ。
そして今日の朝、あなたが戻らないのを知って、東浪見は家に来た。

扉越しに話をしようと。
差し入れでもしようと。
家で遊ぼうと。
シローが望むなら、ともに行こうと。

そして扉に手をかける直前、彼の悲鳴と、取っ組み合うような音、そして落ちる音が外から聞こえたのだと。

それからは彼が声をかけてくれることも、メッセージに返事があることも……、なくなってしまった。
佐倉 光
「東浪見……」
こんな状況で人のことなんか気にしているからだ。
馬鹿なヤツだな。
話が終わって暫く視界が歪んで危ないので、少し車を止めた。
佐倉 光
現状俺がとれる行動は、牧志を殺してそれに連なる人々を全て殺すこと、というわけだ。
救いは、俺が知っているニーオス=コルガイではないので、何か違う点があるかも知れない、ということくらい。

なるべく広い道を通って大学の駐車場に向かう。

KP
早くも日が陰りつつある中、あなたは大学の駐車場へと車を滑り込ませた。
不気味なほどの静けさの向こうに、図書館の周囲を取り巻く犠牲者たちの気配を感じる。
佐倉 光
では時間までそこで待とう。
自分も後部座席に行って毛布をかぶり、なるべくシローを抱いた状態で話すようにする。
今まで自分たちが見た物事、牧志が自分の意志で出ていったこと。
自分の不安以外は全部話す。

シローは賢い。
自分に見えていないものが見えるかもしれない。

そうして時間の30分前まで待機する。
KP
シローは、じっとあなたの言葉に耳を傾けた。
あなたの身に起きた事。東京に起きた事。世界に起きた事。
牧志が全ての根源を抱えている事。
彼が、自分の意志で出ていった事。

そして、小さな手を伸ばして、あなたの頭をそっと撫でた。
KP
「さくら、がんばった」

小さく呟くような声。
小さな心に抱えるには大きすぎる取捨選択に、彼はいま、ここで確かなことを口に出すことを選んだようだった。
佐倉 光
「ああ」
KP
「まきしも」

小さな、微かな呟き声が、夕闇が落ちてくる車内にぽつぽつと聞こえた。
佐倉 光
「牧志も、頑張ってるさ」
もう確かなものはこの腕の中の小さな命だけになってしまった。
それなのにここまで連れてきてしまった。
佐倉 光
「もうちょっと頑張って、世界ごと牧志を救いに行ってくるよ」
救う、とは連れ帰ることになるのだろうか。

ちょっとしたものを食べたり飲んだり、たまにうたた寝をしたりしつつ、その時が繰るのを待つ。
合間にBarや牧志、あとは皆方に連絡を入れたりする。
KP
Barも牧志も、皆方からも、返答はなかった。
あなたの声に応える者はない。あるものは…… 静寂だけだ。
腕の中の小さな体温だけが、あなたの傍らにあった。

うつらうつらとたゆたう意識の中に、アラームの振動が届いた。
……時間だ。
佐倉 光
時間か。
俺が勝てなければこの子に未来はない。

シローが眠っているならそのまま置いてゆく。
起きているなら、行ってくると伝えよう。
KP
シローは時折寝言であなたや牧志、東浪見の名をつぶやきながら、すうすうと眠っていた。

図書館の方から、いまだ僅かな、不思議な揺らぎの気配を感じる……。
佐倉 光
では、自分の荷物と牧志の荷物を纏めて持ち、シローの姿が外から見えないように荷物と毛布で隠す。
そして外に出、あの中庭を目指す。
牧志のヤツ、腹すかせてないかな……
佐倉 光
連れていってもいいかなとは思ったんだけど、どう影響するか分からないからなぁー

KP
……図書館の裏庭に近づくと、図書館を取り巻くように無数の犠牲者たちが蠢いている。
その中に……、分かってしまうだろう。
見る影もなく干からびてしまっているが、東浪見の姿もあった。

彼らは生きて動いているものを求めてこそいるが、その視線はぼんやりとしている。

〈忍び歩き〉で判定。
成功すれば、彼らに気づかれずに済む。
佐倉 光
1d100 50〈忍び歩き〉 Sasa 1d100→ 57→失敗
佐倉 光
あー
KP
彼らが一斉にこちらを向いた。

数が多い。
図書館の裏庭へ向かうには、彼らをなぎ倒してゆくか、突っ切ってゆくしかないだろう。
幸い、あなたの方が足はずっと速い。
佐倉 光
突っ切る! この俺の足に追いつけると思うなよ!
KP
あなたは一気に彼らを突っ切ってゆく!
自動成功のため、【DEX】対抗は不要だ。

追いすがってくる彼らを突っ切り、ひたすら走る。

KP
図書館の裏庭にたどり着くと、そこに牧志はいなかった。
代わりにあの落書きが、あなたを誘うように、奇妙に色を変えながら光り輝いていた。

時刻を見れば、24時。
足下に一枚、メモが落ちている。
佐倉 光
周囲を見回して、ほっとすると同時落胆。
メモを拾い上げて読んでみる。
KP
「親愛なるトート様へ
 お友達はこちらへ招待いたしました。
 お元気ですのでご安心ください」

メモには、そうあった。
佐倉 光
「『こちら』って」
まさか、間に合わなかった?

門の方を見る。
あ、メモの裏に何か書いてあったりするかな。
門を起動する方法とか書いてありそう。
KP
メモの裏には何も書かれていない。
また、光り輝く『門』がいま起動していることが、あなたには分かるだろう。
佐倉 光
「『来い』ってのかよ……」
メモを握りしめ、トートの短剣と拳銃をすぐ取り出せるように持った。
門の周囲に牧志が残したものなどはないかざっと見てから
佐倉 光
「シロー……ごめんな」
呟いて門に踏み込む。
佐倉 光
一体何がしたいんだよ、『俺』は!
俺に何をさせたいんだ!
KP
牧志の靴が片方だけ、その場に落ちていた。

門に触れると、あなたの身体が強制的に、その向こうへと吸い込まれていく。
あの時別世界のあなたがそうなったように、壁の中へ。

あなたの意識は闇に飲み込まれるようにして、暗転した。
KP
MPを5消費してください。
佐倉 光
MP 99 → 94
佐倉 光
この時点でも佐倉と牧志に何が起きたのか全く分かっていないんだよなぁ~。
わかるんだけどわからん。
よって「なにをしたらいい」かが分からなくて怖いなぁー。
KP
なんですよねぇ。さっぱりわからん。

KP
…………
KP
…………ふ、とあなたは目を覚ます。

そこは、床も壁も真っ白の部屋だった。
四方向の壁にひとつずつ扉があり、扉のないほうの壁を背に誰かが立っている。
佐倉 光(?)
それは、あなただった。
あなたと同じ姿をしたなにものかが、白い壁を背に、あのオレンジ色の霧をまとい、あなたには似合わぬ気取った表情を浮かべて立っている。

その〈あなた〉は、ぼんやりとした眼で壁にもたれる牧志と、鳩尾のところで繋がって……、いや。
鳩尾のところに広がる、オレンジ色の網目から生えていた。
KP
分かる、それはにせものだ。あなたの姿を象った真菌、ニーオス・コルガイだ。
だというのに、〈あなたと同じ姿〉が存在する風景は、否応なしに、[ 佐倉光 ] の唯一性を揺るがした。
KP
SANチェック成功時減少 0失敗時減少 1d4+1》。
佐倉 光
1d100 14 《SANチェック》 Sasa 1d100→ 100→致命的失敗ファンブル
佐倉 光
あーあー
KP
あーあー
佐倉 光
お前こんなところで揺らいでる場合じゃ
佐倉 光
SAN 14 → 9
そして発狂が発動しました。
KP
一時的発狂ですね。【アイデア】ロールをどうぞ。
佐倉 光
1d100 85【アイデア】 Sasa 1d100→ 66→成功
KP
1d10で種別、1d10+4で持続ラウンドをどうぞ。短期表で。
佐倉 光
1d10 Sasa 1d10→6
あっ
1d10+4 Sasa 1d10+4→ 7+4→合計11
KP
殺人癖/自殺癖かぁー。お好きな方どうぞ。
目の前にどちらでも結果が一緒になりそうなのもいますしね。

佐倉 光
ヤバ ない?
KP
なおあなたは持ち物を持っていてよい。
追加情報。
〈トートのナイフ〉は、牧志の手の中に握られている。
銃は、あなたが持っていれば持っている。
佐倉 光
あれ、ナイフ渡してたっけ。そっか?
というか持って行ったのか。
KP
牧志が持っていったんですね。
佐倉 光
うーん。自分を殺すでいい方向に転がりそうな情報は出てないしー
ニーオス殺すと牧志がとられるしー
……牧志を害する(再生する?)のが一番害がなさそうに見えるんだが…
ニーオスに素手で殴りかかろうか。
KP
それもOK。
佐倉 光
あの日記の主がニーオスだったとすると、これもまた佐倉でニャルだったってことになんのか。
なまり玉ぶち込むほかに、トートのナイフでつんつんしたら追い出せる可能性がある。
でも追い出すと牧志の魂取られちゃうんだよねー。
牧志の魂を取ろうとする力については、赤の女の差し金かなくらいしか分かってないんだよなぁ~。
あと牧志って今心臓あるはずだから、心臓を取り戻してどうこうって話でもないよなー。
呪術的な意味で心臓取り戻したら魂とるって話がなくなる、という可能性もあるんだが。

佐倉 光
「この、偽物野郎が!」
口角からつばをまき散らす勢いでわめいて、自分に掴みかかる。
殴ります。
宇宙吸血鬼ニーオス・コルガイ
〈あなた〉は回避しない。
やさしくあなたを抱きとめるように、あなたの攻撃を受けた。
掴みかかろうとも苦しそうな様子を見せることはなく、掴んだ身体は黴の塊を掴んだような、異様な感触がした。
牧志の身体を掴んだこれは、人間のような形をしていても、明らかに人間ではないのだ。
宇宙吸血鬼ニーオス・コルガイ
「やあ、こんにちは、親愛なるトート様。
そろそろ自分の本当の記憶には馴染んだかな」
それは大きく手を広げ、気障に笑う。
牧志 浩太
「佐倉……、さん」
牧志が鳩尾からニーオス・コルガイを生やしたまま、喘ぐように口を開き、僅かに声を発した。
佐倉 光
「てめぇ……」
その首に指を食い込ませる。
佐倉 光
「東京の人間を解放しろ。
牧志には俺の魂を食わせた、それで充分だったはずだろ。
何昼間っからふらふら出て人間食ってやがる!」
宇宙吸血鬼ニーオス・コルガイ
「ああ、人間ですか?」
それは首を締め上げられながら、けらけらと楽しそうに笑った。
宇宙吸血鬼ニーオス・コルガイ
「どうでもいいではありませんか、あんなちっぽけなもの!
ああ、ですが、あなたさまの糧にはなりましたね。
あなたさまはこれらちっぽけなもののために旅をし、神の力を振るい、そうして神に成ろうとしている。

素晴らしいことです。
あなたさまは可能性を秘めている。
あなたさまであれば、かつて双子の神がそうしたように、鍵を手にすることができるでしょう」
佐倉 光
「鍵、だと?
鍵を手にした双子はどうなった。
戦い、敗北して、新世界を牢獄にされたんだろ?
そいつら今どこで何してんだよ?」
指先に力を込める。
佐倉 光
首を落とすなり折るなりしたら正気に戻って良いですかー
KP
問題ありません。その辺でラウンド数経過するでしょうしね。
佐倉 光
嘲笑うように蕩々と語られる言葉を聞きながら、指が埋まってゆくのも構わず力を込めてゆく。
これはただのくさびらのようなもの。
この形に意味はない。
それでも、だからこそ、その首が落ちるまで止める気はない。
宇宙吸血鬼ニーオス・コルガイ
あなたの指先がその首に食い込んだ。
異様な手ごたえで、首の中に指先が沈んでいく。
宇宙吸血鬼ニーオス・コルガイ
「彼らは失敗したのですよ。
かたわれ、アザトースは無知蒙昧なるまま、新世界の夢を見て永劫に揺蕩っている。
かたわれ、ウボ=サスラは [ 鍵 ]に囲まれながら、 [ 鍵 ] を読む知性すら奪われ、灰色の混沌として昏き洞窟に横たわっている。

ですが、我々ならば新世界の神となることができる!
わたしは [ 鍵 ] たる石板を読むことができました。赤の女王めがわたしに、石板を読ませてくれたのです。
そしてわたしに、新世界の神になれと教えてくれました」
佐倉 光
アザトース!
鋭く息を呑む。
そうだ、こいつを殺せば牧志は、持って行かれる!
宇宙吸血鬼ニーオス・コルガイ
「トート様、あなたさまはここまでたどり着いてくれた。
わたしはあなたさまと一緒に夜の国を作りたいのです。

あなたさまがあの世界で望んだものも、すべてご用意できます。
お友達を連れていっても構いません。
アザトースの軛を超えてしまえば、宮廷になどくれてやる必要はないのですから」

ばつん、あなたの指の中で〈あなた〉の首が落ちた。
首を床の上に落としたまま、首のない体で、ニーオス・コルガイは陶然と笑う。
佐倉 光
「軛を、超える?
この世界の創造主の手を離れる、ということか?」
首を見下ろして問いかける。
宇宙吸血鬼ニーオス・コルガイ
「ええ、そうですよ。
あわれな失敗した神などの手を離れて、我々の手で新たなる世界を造るのです。
旧き神々めが我々のもとに [ 鍵 ] を捨て置いたことを、悔いさせてやりましょう」

ニーオス・コルガイは、あなたに手を伸ばした。
佐倉 光
ニーオス=コルガイからは距離を取る。
佐倉 光
ここでこいつの甘言に乗るのが良い結果を生むとは思えないんだよね~
佐倉 光
佐倉ニャルがここの存在なのかそうじゃないのかもいまだによーわからんなぁ。
本来のニャルラトホテプの一部なのか、それとも「新しく作られたニャルっぽいもの」の一部なのか。

KP
あなたは周囲の扉を探ってもよいし、その手を取ってもよいし、他に可能なことをしてもよい。
また、ここで強制的に〈クトゥルフ神話〉99%で判定。正気度 は減少しない。

また、相手の思惑について〈心理学〉で判定することができる。
宣言のみ行い、判定はKPがクローズドで行うものとする。
佐倉 光
まずは判定。
1d100 99 〈クトゥルフ神話〉 Sasa 1d100→ 73→成功
それから〈心理学〉 65 を使用します。
KP
Sasa 🎲 Secret Dice 🎲
KP
〈赤の女王〉、それは、あなただ。
アザトース、そしてウボ=サスラ。あなたは思い出す、それはあの双子の兄弟の名だ。

ああ、彼はあなたの幼馴染だ。
ともに牢獄の中でもがいた幼馴染だ。
佐倉 光
『自分』がしたことであれば、その思惑も分からないか?
赤の女王が今どこにいるか、あの時何をしたか。

扉の様子を見る。
KP
扉には、何か書かれたプレートがチェーンで下げられているのが見える。
KP
また、『自分』の思惑について考えるのであれば、「人間であるあなた」の【POW】(15)×5で判定。
佐倉 光
1d100 75 【POW】 Sasa 1d100→ 69→成功
KP
あなたは、佐倉光は不意に、違和感を覚えた。

もしも「赤の女王」が、あなたを新世界の神にしたいのだとして。
あなたを神にするために、あなたをこうも弄んだのだとして。
双子の神に擬えるために、あなたとニーオス・コルガイを揃えたのだとして。

なぜ、赤の女王は自分でそうしなかった?
なぜ、ニーオス・コルガイを寄越した?

宇宙を旅する菌類であったニーオス・コルガイ、あなたはそれを、一度はとるにたらぬ生き物だと思ったはずだ。
……なぜ、今になって、幼馴染かもしれないなどと思っているのだ?

赤の女王には、何か、別の思惑があるのではないのか?
KP
不意にあなたは視線を感じた。
赤の女王は今も、どこかであなたたちを見ている。
佐倉 光
俺の記憶はどうなっている。

佐倉 光
距離をとったままで問いかける。
佐倉 光
「『赤の女王』はどこだ」
宇宙吸血鬼ニーオス・コルガイ
「さあ? 赤の女王めはどこかへ行ってしまいましたよ。
いいではありませんか、あれのことなど。

あいつがわたしに新世界の神になれと言ったということは、それはアザトース様の、ひいてはウボ=サスラ様のご意思なのです。
ならば、わたしは神にならなくては」
佐倉 光
こいつと話しても無駄だな。
赤の女王に唆されてその気になってやがるんだ。

扉のプレートに何が書いてあるか見る。
KP
扉にはそれぞれ、「現在」「過去」「未来」「自分」と書かれたプレートがチェーンで下げられている。
そのどれもが、あなた自身の筆跡によく似ている。
佐倉 光
牧志に話しかける。
佐倉 光
「牧志。シローは無事だよ。連れてきた。近くで待っている。
だけど東浪見は駄目だった。
シローに会いに来てくれたときに、この野郎にやられたらしい」
牧志 浩太
牧志を見れば、胸のあたりまでオレンジ色の網が広がっている。
それに肺を掴まれて息がしづらいのか、何度も息をつきながら、口を開く。
牧志 浩太
「そうか……、シローのこと、ありがとう。
東浪見は……、そうか。ごめん、俺のせい……、だな」
佐倉 光
「違う。この偽物野郎のせいだ。
お前もただの被害者だ、忘れるな」
佐倉 光
「つまりな。シローも東浪見も助けるためには、
お前を何とか解放してこの野郎を追い出すしかねぇんだよ」
牧志 浩太
「……、」
牧志の唇が微かに震えた。
ありがとう、とも、ごめん、とも、言えないようだった。

佐倉 光
過去か。牧志がこんなものを付けられるのを邪魔できれば……

『過去』の扉に手をかける。
開けることはできそうかな。
KP
扉を開くと、つんと冷えた空気が向こうから流れ込んできた。
扉の向こうは何か酷く寒い場所の、雪に覆われた洞窟のようだった。
佐倉 光
ここはウボ=サスラが居る場所。つまり『鍵』が在る場所じゃないのか?
ひとまず扉を閉じ、つぎは『現在』の扉を開ける。
KP
扉の向こうは、本棚がびっしりと並び、中央に机がひとつある書斎のような空間だ。
佐倉 光
なんだここ。鍵、つまり知識と繋がる気もするな。
佐倉 光
すると『未来』……
ちら、と『牧志』を見る。
佐倉 光
まずは『自分』を開けてみるか。
KP
扉に鍵がかかっている。
佐倉 光
うーん。過去にウボ=サスラ、未来にアザトース、現在に鍵、ってとこかなぁ?
過去と未来、入るとそいつら見て発狂しそう。
どっかの部屋で鍵を手に入れなければならない、という気はするねー。
怖いのはこの死にかけ正気度 よ。迂闊なもの見ると吹き飛ぶからなぁ。
佐倉 光
仕方ない、『未来』の扉に耳をそばだててみる。嫌な予感がする。
KP
扉の向こうは静かで、微かにキーボードを叩く音が聞こえる。
笛の音は聞こえない。
佐倉 光
ふむ? では扉を開けてみる。
KP
扉を開けると、そこはあなたの部屋だった。
あの家の、あなたの部屋だ。
あなたのPCの前であなたに背を向け、何かくだらないコードを書き続けているのは、あなただ。
あの菌類ではなく、正しく、あなた。
佐倉 光
うーーーん。
そうすると現在にあるのはニャルの歪んだ知識という可能性?
わからんなぁ。
佐倉 光
さしあたって一番害がなさそうに見えるのはこの部屋か。
入ってみるかな……
佐倉 光
「おい……」
一瞬、どう声をかけるか迷った。
佐倉 光
「おい、光」
『佐倉 光』
[あなた]は、神の気配をまとい、悲しげにも楽しげにも見えるいびつな嘲笑を浮かべながら、あなたの方を振り返った。
『佐倉 光』
「ああ、俺か。まだ人間だった俺。
神のくせに、何も分からなくてもがいていた俺」
佐倉 光
「なんだよ。お前が『未来』だってのかよ。ざけんなよ。
お前牧志や東浪見を見捨てたな」
『佐倉 光』
「気を落とすなよ、俺は確定した未来じゃない。
何ならそこまで来られている分、俺よりはだいぶ先に居るさ。
俺は結局、牢獄を出られなかったからな」

淡々とした声は、何の感情も宿してはいなかった。
ずっと笑っているようで、泣いているようで、それは何も感じていない。
その癖、何もかもに飽いている。
佐倉 光
「ふーん。あんま楽しそうじゃねぇな、神ってのも。
力があればいいってもんでもないんだろうな」
『佐倉 光』
「まあな。力があっても自分の意思で使えねぇんじゃ楽しくないだろ。
俺はメッセンジャーなんだ。魂のない主人の代わりに、意図を伝えるだけのな。
明けても暮れてもそればっかりで、自分の感情も、記憶も、意思も、ありゃしない。
俺達はそれに嫌気がさして、これを企てた」
佐倉 光
「俺のことを何も分からないとほざいたな。
それならお前は知っているんだろう? 鍵はどこだ。
牧志を連れていこうとしている音を断ち切る方法は。
牧志の心臓を持ち去った女の行方は」
『佐倉 光』
「ああ、知ってるよ」
[ あなた ] は小さく溜息をついた。
『佐倉 光』
「赤の女王は次のセッティングをしに行った。
自分の鍵なら、あの吸血鬼野郎が持たされてる。
あの音は俺を超えるものの手で齎された事象だ。なら、それを覆せるのも、俺の……、この世の限界を超えるものだ」
佐倉 光
「サンキュ……」
あまりにも毒気も覇気もないので拍子抜けしてしまった。
こんなの俺じゃないだろ。
そういえば前の世界でも俺、随分つまんなさそうだったな。
俺やっぱり、自分で考えて動けなかったり刺激がないと、死ぬのかもな。
……人間、普通はそうか。
佐倉 光
「それじゃあ、過去の扉と現代の扉に何があるかも知ってる?」
『佐倉 光』
「ああ。過去はこの世界の生命の始まりの洞窟だ。
あいつにはもう読めないが、石板もそこにある。
現在は俺が持っている知識。

俺は俺らしくないか、そうかもな。
永すぎて忘れちまったんだ、欲望も、何もかも。
いや……、こんな事を企てたんだ。意外とまだ、欲があんのかもな。
お前に会って、少し思い出した気がするよ」
佐倉 光
「『現在』がお前が持ってる知識か。
お前は一度あの石板を見てるんだよな?
それなのにお前がこの世界から出られていないってことは、この世界の理を超えられるほどの力は『現在』にはない、ってことか?」
『佐倉 光』
「そうだ。
定まってしまったものには、それ以上の進化がない。
俺の『現在』にあるのは、停滞だけだ。

『俺』には無理だった。
だから、お前に望みを託したんだ。
こうなる前のお前にな。

お前はまだ、可能性を秘めている。
例えお前が神となっても、それだけは変わらない」
佐倉 光
「あと、『自分』の先に何があるかは知ってるか?」
『佐倉 光』
「あの先か。外だ。
ここは月面にある。
赤の女王はあそこで待っている。
酷い奴だよ。これだけお前を振り回して、また旅をさせようとしてやがんだ。
お前の大事なものを人質に」
彼がついた溜息には、自嘲に近い響きがあった。
危険の香り
佐倉 光
生の石板ってー、危険そうだしー、絶対ウボ=サスラいるしー。
とりあえず二ーオスを支配かなんかで縛って鍵を吐き出させるってのはアリだな。
佐倉 光
今できることか。

イージーに銃とかで二ーオスぶち殺して鍵貰って先へ行く。牧志は取られる。

ウボサスラがいるであろう過去で力を得て、牧志を解放してからそれをする。
まあ間違いなく《正気度 判定》が入って死にそう。

新世界作って楽しくやる
いろいろな意味で論外、かな。
あ、二ーオス殺しちゃだめだわ。
なんとか剥がさないとあの世界の被害者が死ぬ。
KP
ほんとに正気度 がカツカツなんですよねぇ。
ただまあ、このままニーオス殺すと牧志はとられる。剥がしても牧志はとられる。
あと世界の被害者については『佐倉さん』に聞いてみるのはアリかもですね。
KP
それから、巨大《SANチェック》について一つだけ。
ここには牧志がいます。
佐倉さん、【AF:青い花】まだお持ちでしたよね?
佐倉 光
お、なるほど、未来佐倉頼りになるな。
あー、AF!
どんな効果だっけか。
KP
「相手と同じセッションに参加している場合、一度だけ《SANチェック》を回避」です。
ここで使うかどうかは…… 判断をお任せするけど。
骨組みだけの宇宙で入手した、勿忘草の加護ですね。
佐倉 光
うーーん、でも今使わないと確実死だなこれ。
ラストにでっかいのきそうではあるが、それまで生き残らなくては意味がないし。
判定値を見て考えよう。

佐倉 光
「なるほど? 大体わかった。サンキュ」
佐倉 光
「俺がうまくやればお前が解放されたりはしないわけ?」
『佐倉 光』
「おいおい、随分気が良くなったな」
佐倉 光
「そりゃ、基本はギブアンドテイクだろ。
喉から手が出るほど嬉しい情報だったから、なんか代償があるべきだと思ったんだよ。

悪魔使いの鉄則だろ、忘れた?」
『佐倉 光』
「ああ……、そうだったな。悪魔使いの鉄則。
忘れてたなぁ……、忘れてたよ。すっかり忘れてた。

俺が普段、それで罠をかける方なのにな」
〈あなた〉は、乾いた笑いを浮かべた。
『佐倉 光』
「嬉しいよ。でも、俺はもう終わってしまった俺だ。
もしあるとすれば、お前が俺じゃない未来に辿り着いた時かもな」
意表をつかれて、彼は涙の滲んだような笑いを浮かべた。
佐倉 光
「もののついでに教えてくれないかな。
牧志を捕まえてるニーオスコルガイ、あれ普通のやつじゃないだろ?
あれどうにかしてこの世界の東浪見やシロー助けてやれないかな」
『佐倉 光』
「ああ……、そうか。あいつ言わなかったんだな」
彼はふと目を伏せた。
佐倉 光
「あいつ? 牧志?」
『佐倉 光』
「あいつ。
ニーオス・コルガイの奴、言わなかったんだな。
あの門を潜った瞬間に、お前らは時間を越えてるんだ。

お前がいるそこは、あの時間から一ヵ月後。
あいつの手で、地球の人間が滅んだ後の時間だ」
KP
いとも容易く告げられた滅びに、《SANチェック成功時減少 0失敗時減少 1》。
佐倉 光
うわぁぁぁんシロー!!
KP
ごめんなぁああああ!!
佐倉さんがずっと救おうとしてくれていたから、KPはごめんなぁあああの気持ちでいっぱいでした
佐倉 光
そもそもその世界の人間は救えない運命だったんだなぁ。
KP
ニーオス・コルガイも赤の女王も、最初から佐倉さんの退路を断つ気だったんですね。ごめんな……。
佐倉 光
ついでで世界を滅ぼすな。
KP
それは本当にそう。

コメント By.佐倉 光
選択肢を前に悩む佐倉。
なにしろ正気度がカツカツなのだ!

プレイ日:2025年4月19日 ~ 2025年4月19日

作者名: 月刊かびや/かなむら

配布・販売サイト: PYX【CoCキャンペーンシナリオ】

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【クトゥルフ神話TRPG】
本作は、「 株式会社アークライト  」及び「株式会社KADOKAWA」が権利を有する『クトゥルフ神話TRPG』の二次創作物です。

Call of Cthulhu is copyright ©1981, 2015, 2019 by Chaosium Inc. ;all rights reserved. Arranged by Arclight Inc.
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PUBLISHED BY KADOKAWA CORPORATION 「クトゥルフ神話TRPG」


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