こちらには
『PYX』
のネタバレがあります。
本編見る!
KP
もう逃げ出したのだろうか、それとも、車窓の外には人の姿がほとんどなかった。
もとから人の少ない経路を選んでいるのもあるのだろう、車は大回りして郊外へと向かう。

人の姿を失った店舗は、うすら寒く明かりを灯したままで。
扉を閉ざした家々は、怯えるようにカーテンを閉じている。
にもかかわらず、どこからか風に乗って人の悲鳴と、聞き取りがたい声が聞こえてきた。
佐倉 光
「くそ、こうなるのを事前に、人に知られないうちに止めるのが俺達の仕事だろ」
神父何してんだよ。

普段は気にすることもない自分の仕事の意味まで考えてしまう。
今Barや波照間さんたちに電話したら繋がるのかな。

※雰囲気描写です
KP
GPの上昇による事件ではないとはいえ、本来ならもう仲間が動いているはずだ。

神父は、人を愛する化身あなたは、何をしているのだろうか?
彼すら、この不気味な思惑に関与しているというのだろうか……
佐倉 光
神父あのひとはあのひとなりに動いているんだろう、少なくとも人間に利がある方向で。
その理由が別にあるとしても。
KP
Barに電話しても、通話は繋がらなかった。
波照間 紅
波照間に電話しても返答はない。
ただ、メッセージが一つ来ていた。
波照間 紅
「すまない、僕は彼女を外へ」
……メッセージはそこで途切れている。
牧志 浩太
「それは、先輩か?
俺の所にも、同じものが来てた。
……返事を送ったけど、返答はなかった。

先輩……」
優先するもの
佐倉 光
ああ、波照間さんは彼女の安全をとったか。
真っ先に囚われそうだもんなぁ
KP
波照間にも優先順位ができちゃったんですよね。
牧志の所には佐倉さんがいるだろう、とも思ってある意味信じているし。
そこで彼女より人々全体のために動くことはできなかったし。
佐倉 光
神父も初回の話のエンディングで、人間が頑張って足掻く様を「面白い、ひととき我が主を慰撫する程度には」と評しているんだよね。
だから彼も結局は目的はそれで、手段として人間を助けているだけなんだよな。
KP
なんですよね。
彼もニャルラトホテプではあるんだ。

佐倉 光
「そうか。波照間さん、変わったな」
牧志 浩太
「……そっか。確かに。
先輩、ちゃんと東雲さんと一緒に逃げたかもしれないのか。

ちょっと心細いけど、無事でいてくれるといいな」
佐倉 光
波照間さんあのひともこの状況においては境界のこちら側にいたって事だ。
二人とも無事に逃げおおせてくれたら良い。
佐倉 光
俺が『こちら側』なのかは良く分からなくなっちまったけどな。
少なくとも『あちら』に行かないようもがいているような気はする。
佐倉 光
「火葬場か。あの時は燃やそうなんて考えもしなかったけど。
体の損傷を治すのに生きた人間が必要だとしたら、傷を与え続けるのは意味があるかも知れない。
ただそういう手段を取るなら、宿主を救うことはできないだろうな」
佐倉 光
「いずれにせよ、あまり近づかない方がいいと思う。きっと危険だ」
佐倉 光
「あくまで様子見です。危険のないように、離れたところにいて、絶対車から出ないで下さい」
KP
「ええ、勿論。……あなた達は?」
行く先に、火葬場の目立たない建物が見えてくる。
照野は前を向いたまま、葛藤を声に宿してそう聞いた。
佐倉 光
正直俺は一度や二度なら襲われても耐えられる自信はあるけど、そのシーンを見られたらもう協力してもらえなくなる。
そもそもいくらやられても大丈夫ってわけじゃない。
牧志はすでに冒されているんだからゾンビ化自体は問題ないだろうが、万一にもあれらと同じ状態になったらこの場では見捨てるしかなくなる。
ただ、車の中で牧志に何かあったらこの人たちは間違いなく犠牲になる……
佐倉 光
「あまり深入りしないように様子を見てきます。牧志も一緒に来てくれ」
なるべく外からの視線が切れないように中の様子を探りに行こう。
KP
「ごめんなさい、……任せるわ。
すぐ出せるようにしておく。何かあったら、すぐに戻ってきて」
ハンドルを握る彼女の手に、力が籠もった。
牧志 浩太
「ああ。
照野さん、退路は任せます。
ここで、うたげくんを、守っていて下さい」
佐倉 光
「行ってきます」
声をかけて車を降りる。

KP
あなた達は車を降りる。
静寂を湛える石造りの建物には、少なくとも表口には普段通りの静けさが漂っていた。

裏の搬入口の方では今まさに「対処」をしようとしているのか、少々の騒がしさが風に乗って聞こえてくる。

職員がひとり、受付の中にいるのが見える。
牧志 浩太
「今の所……、まずいことには、なってなさそうに、見えるな」
牧志が一言ずつ確認しながら、声をひそめて言う。
佐倉 光
裏の搬入口の方を覗いてみよう。
オレンジの煙が少しでも見えたら撤退する!
KP
搬入口に近寄ろうとすると、職員があなた達の姿を見つけて声をかけてくる。
KP
「ご用事ですか?」
佐倉 光
「はい、そのご遺体は最近の騒ぎで亡くなった方ですか?」
ダイレクトに問おう。
KP
「ああ、そうなんすよ。亡くなった、っていうか病気っていうか色々言われてますけどね、まあ、そうです。
蘇るとかなんとか言われてますけど、お送りしたら普通のご遺体ですよ」

こんな状況で緊張状態にあるのか、職員は少々口数が多い。
佐倉 光
「こちらではそういったご遺体を、その、焼いたことは今までにもあるんですか。
とくに通常のものと違うことはないんですか?」
いつもはそうかも知れないけど、現状はな……
KP
「ええ、あるっすよ。
まあ最初はびっくりしましたけど、普通に燃えますし、普通のご遺灰ですよ。
こちらで保管させて頂いてますけど、特におかしなことはないっすし」
佐倉 光
「そうか。それなら一応燃やせば止められるということですね」
運ばれていく棺を見送る。

俺が知る限りまだ影響から解放する方法はない。最悪、そういう手段を使わざるを得ないか……

最後まで見届けてみたいところだけど、確か火葬には二時間ほどかかるはず。
この『ご遺体』を最後まで見ているのは無理だな。
車で目的に着く前に夜になるとまずい。
佐倉 光
「今日の『遺体』の火葬はこれが初めてですか?
遺灰を見せていただくことはできますか?
僕たち、この現象について調査中なんです」
KP
「あー、いいっすよ。
丁度、直前のご遺体をお出しする所っす。こちらに……」

そのとき、職員の背後、搬入口の方で空気が揺らめいた。

それはあなたが警戒していた通りの、橙色の煙だった。
いや、煙というには質感が重い。それは粒の重い霧、いまにも豪雨と変じる直前の霧のように見えた。

その端が絶えず質感を変え、奇妙な橙色に揺らめくのを、あなた達が視認した直後。

それは空中で唐突に向きを変えた。
ごうっ、と、意思のある風のように、こちらへ吹きつけてきた!
佐倉 光
「逃げろ!」
職員の腕を引いて異常に気付かせると同時牧志に叫ぶ。
あとは車まで一目散だ。
KP
Sasa 🎲 Secret Dice 🎲
KP
「ひゅあっ!?」
職員は驚いて声を上げるが、あなた達に比べると反応が遅れた。
霧はみるみるうちに彼を取り巻き── その腕に抱かれた彼が、服の中で萎びたものへと変じていくのが、視界の隅に見えた。

その間に、あなた達は一目散に車へと逃げ出すことができる。
霧の腕があなたや牧志の背を捕らえる、その直前、その一瞬前に。
背後からは、何人もの人々の悲鳴が聞こえ、そして途切れ、くぐもった声に置き換わった。
棺が地面に落ちる、重い音がした。

──炎は救いになどならないのだ。
それが今、はっきりと分かった。
KP
SANチェック成功時減少 0失敗時減少 1D4》。
佐倉 光
1d100 19 《SANチェック》 Sasa 1d100→ 69→失敗
1d4 Sasa 1d4→3
SAN 19 → 16
KP
🎲 Secret Dice 🎲
🎲 Secret Dice 🎲
佐倉 光
アッ
KP
あーあー。がりっと行ったなぁ。
佐倉 光
うおぉぉ大丈夫か牧志ぃ
佐倉も大分やられてるけど
ここそんな重要な情報ないような気もしたんだよなぁ!
佐倉 光
他の人間を気にしている余裕はない!
牧志の事だけを気にしながら車へと走る。
牧志の様子がおかしいようなら手を引く。
牧志 浩太
牧志に異常はない。
眼の光を失うといったことも、あなたに抱きつこうとすることもない。

ただ分かるのは、愕然とするあなたと共に、牧志の横顔がひどく憔悴していることだ。
瞬く間に災厄に呑まれていく東京、自らもいつ「そう」なるとも分からない状況が、既に心に衝撃を受けていた彼に重くのしかかっている。
KP
あなた達が車に乗り込み、牧志が扉を閉めたのを確認すると、照野は即座に車を発進させた。
佐倉 光
「炎じゃダメだ、前は大丈夫だったのかも知れないが、今のこの現象に効果はない!
何か別の手段を考えないと」
佐倉 光
「ニーオス=コルガイが変質しているのはどうしてだ?
どうして犠牲者の外に出ている。
犠牲者の体が破壊されている?」
佐倉 光
「牧志、きっと方法はある。諦めるなよ」
どう考えても自分より更に諦めが悪いはずの牧志が肉体から手を離してしまいそうで、ぞっとした。
牧志 浩太
……その一瞬、牧志から返事はなかった。
彼は途方に暮れたように、空の上を眺めているように見えた。
その耳はあなたの声ではなく、何か違うものを聞いていた。
佐倉 光
「牧志!」
肩を揺さぶる。
ダメだ。そちらへ行ったら戻ってこられない!
牧志 浩太
「あ……、ああ……、ああ。
ごめん、何だって。ああ、そうだ、方法はある、きっと。
きっとある……、考えるんだ」
牧志は何度か頭を揺らし、ようやくあなたの声に反応した。
聞き返してから、聴覚が受け取っていた言葉をどうにか脳へ行き渡らせ、あなたの腕を掴んだ。
その手は言葉と裏腹に、縋るような手だった。
佐倉 光
その手を強く握る。
取られてたまるかよ。俺のなんだぞ。
……違う。牧志は俺の相棒で、
それは俺のってことじゃ、ないのか?
とにかく、違う。そういうことじゃない。

明日の夜まで。
24時までとにかく持ちこたえるんだ、何としても。
佐倉 光
牧志の正気度 どれくらい残ってるんだ……
佐倉もラストを越えられる気がしないなー
KP
結構えらい値になっております、牧志……。
佐倉 光
いっそ狂気に陥ってくれれば〈精神分析〉するチャンスもあるんだけど
不定とかにはなっていないのかな。
KP
ああそうか、〈精神分析〉の関係がありますね。
では、これだけ明示します。
KP
「牧志は不定の狂気に陥っている」。
内容は「一時的聴覚障害」です。

先程から聞きづらそうにしているのは、笛の音のせいだけではない。
牧志の意識とは別に、無意識の底で、精神が目の前のものから耳を塞いで己を守ろうとしている。
佐倉 光
なるほど。実際に耳が聞こえづらいのか。
では、ゆっくり背を撫でながら喉の響きが伝わるように体を付けて語りかけよう。
きっと上手く行く。まだ手がかりはある。協力者もいる。まだ進める。
そうやって牧志の心に語りかけることで不定の狂気に対する〈精神分析〉治療をする。
車に乗っている時間がそれなりにありそうだし、そういう余裕はないだろうか。
KP
問題ない。〈精神分析〉で判定をどうぞ。
佐倉 光
1d100 47〈精神分析〉
Sasa 1d100→ 27→成功
オッしゃぁぁぁぁ!
1d3 Sasa 1d3→3
不定の狂気と精神分析
佐倉 光
ところで佐倉自身の不定についても管理がよくわからなくなっているけど、前回のは22でリセットかな、19でリセットかな。
22で起きるべき不定が私のミスで19で発生しています。
佐倉 光
〈精神分析〉について再度ルールブックを確認してー、あんまり知りたくないことを知ったな!
KP
おおっ一体何が!
佐倉 光
基本シナリオ中にこの技能で正気度 回復をすることは想定されていないね!
あくまで一ヶ月に一度の療養時1D3で使えるって扱いみたいだ!
KP
なんとー!
あくまで長期でやるものと。
佐倉 光
ゲーム中は一時的狂気の症状を抑える効果がある、というだけみたいだね!
あとまあこれは一応意識はしていたけど、精神科でやるみたいな語りかけやケアをする前提なので、1時間くらいかかる!
シナリオ中には不定でも一日分くらいは正気に保っておけるよ、と、そんな応急処置的な物ができる感じだねぇ。
「最高で一時間」か。うまいことやれば一応早くてもいいのか。
ああー、でも「回復する」とは書かれている? どっちなんだこれ。
KP
〈精神分析〉は精神に対する応急手当である」「〈精神分析〉は、不定の狂気に陥っている者の正気度 ポイントを上げることができる」をどう読むか次第ですねぇ。

ここの解釈しようによっては、「長期の治療に使える1d3回復とは別に、応急手当的な正気度 回復がある」と読めなくもない。
6版あるあるなフレーバーと処理のごちゃごちゃっぷりで、解釈が分かれる書き方になってる。
佐倉 光
「手当をされると回復」とは書いているから、シナリオ中狂気に陥るたびにこれで手当てして回復しても良い、とも解釈できるかぁ
KP
数値的に明示されてはいないけど、「応急手当相当の1d3回復がある」と処理してもかまわない記載だとは思います。
佐倉 光
ただ、〈精神分析〉は症状一回につき1度しか行えない(何人いても一回)は覚えた!
KP
ですね!
佐倉 光
よ、よし、ファンブルさえ出さなければ役に立つ!

KP
おっと、そうだ、こちらも不定を忘れていました。
こちらも指摘していなかったので、19でリセットしてください。
また、佐倉さん自身も「不定の狂気に陥っている」として処理できます。
佐倉 光
こちらはあと一点でまた不定だ!
KP
車は街を抜け、郊外へと向かう。
その背後で夕陽が、辺りを真っ赤に染めてゆく。
血の色とあの霧の橙色を混ぜたような、薄気味悪い赤だった。
牧志 浩太
牧志はあなたの喉に手を伸ばし、あなたの肉体から伝わる声に、静かに耳を傾けた。
そうして語りかける声に、何度も、何度も、頷きながら同じ言葉を繰り返した。
牧志 浩太
「まだ……、進める」
牧志 浩太
「進める……、俺も、佐倉さんも、ここにいる……」

あちらへとらわれかけていた牧志の眼に、泣きそうな光が少し戻ったように見えた。
佐倉 光
ではその会話の流れで、自分自身に対しても同時に、
気を落ち着けて心の中の整理をし、奇妙な笛のような幻聴を断ち切ることを試みる!
1d100 47〈精神分析〉 Sasa 1d100→ 21→成功
1d3 Sasa 1d3→1
SAN 16 → 17
佐倉 光
牧志に語り続けるうち、耳に響く奇妙な幻聴が薄れて、現実の音が歪まずに聞こえるようになった。
KP
牧志に語りかけているうちに、言葉があなた自身の耳にも染み通ってくる。
そうだ。あなたは佐倉光で、彼は牧志浩太で、ともに人間だ。
佐倉 光
ずっとここで一緒に歩いてきた相棒なんだ。
俺は神なんかじゃないし、牧志も贄なんかじゃない。
何故かそんなことを忘れかけていた気がした。

佐倉 光
途中シローにも電話をかけて無事を確かめると同時、昼間も絶対外に出るなと厳命しよう。
シローは電話に出るかな。
KP
「さくら? まきし?」
電話をかければ、心細そうな声が聞こえた。
ちゃんとシローの声だ。
佐倉 光
「良かった、無事だな? 俺達も大丈夫」
電話をスピーカーにする。
佐倉 光
「二人とも無事だよ」
牧志 浩太
「よか……、った、無事なんだな」
牧志がほっと息を吐く。
牧志 浩太
「シロー、俺も無事だ。
シローも、無事でよかった。
佐倉さんの言う事を、聞いて、どうか気をつけて」
佐倉 光
「シロー、今東京全体がまずいことになっているんだ。
昼間だろうが絶対外に出るな。
そこを捨てて逃げざるを得なくなっても、オレンジの霧には絶対近寄るな」
KP
「まずいの? ……うん、わかった。
さくら……、まきし、きをつけてね。

あのね、……まってる」
シローはその言葉を言い出すのに、随分と迷ったようだった。
佐倉 光
「ああ……きっと迎えに行く」
そうありたい、と思いながら言葉を口にした。
佐倉 光
「シロー。君なら賢いから分かるはずだ。
拘りすぎずに、正しい判断をしろよ」
KP
「…………うん」
返った声は、ほとんど聞こえない程の微かなものだった。
KP
うずくまって下を向いていたうたげが、シローの声に顔を上げた。
「誰?」
佐倉 光
「うちにいる子供だよ。親戚の子でね、うたげ君より少し下かな」
KP
「ふうん……、」
うたげは何か、きっとこうなる以前の彼が言ったような、世を知ったようなことを言いかけて。
KP
「会ってみたかったな」
その代わりに、そう小さく呟いた。
佐倉 光
会わせたかったね……
KP
色々ともうちょっと余裕のある状況ならね……。>会わせたかった
うたげくんとシローの邂逅は面白かったかもしれない。

KP
車は随分と走り、周囲に大きな店舗とぽつぽつと家と、道から少し離れれば畑が混じるような、そんな外れの辺りまで来た。
東京の周辺部に位置するここまでは、まだ騒ぎも辿り着いていない。
逃げてきた人間があなた達の他にもおり、ホームセンターの店員と諍いを起こしているのが見えた。
佐倉 光
「災厄はどこからともなく降ってくるわけじゃなくて、あくまでも人伝いの感染なんだな。
被害者が図書館に向かっているなら、際限なく広がってゆくというものでもないのか」
KP
「どうかしら、皆方さんは一部だ、って言ってたわ。
どちらが多いのか分からないけど、一部に過ぎないなら、微妙な所ね」
照野が返した。
牧志 浩太
「あの煙も……、誰かから出てきたものなのかもしれない。
それか、最初に見たあの煙が、親玉なのか。

例えば誰かが、犠牲者を燃やしたことが原因で、一気に広がった、とか。
親玉が辺りをうろうろして、何人もに広げて回ってる、とか。

どっちにしても、瞬間移動できるわけじゃないなら、限りが、あるの、かも」
牧志が続ける。
彼の言葉はおぼつかなかったが、先程より少し、あなたとともに考えることができているようだった。
佐倉 光
「向かっているヤツとそうじゃないヤツ、原因が違う、のか?
同じニーオス=コルガイでも、違う種類がいたりするのか。
夜にひっそり仲間を増やすものと、昼までも見境なく犠牲者を増やし、体外にも出てくるもの……」

おそらく犠牲者を燃やすと広がってしまうことはネットに書き込んでおこう。
もし過激な手段に出る者がいると余計にまずいことになる。
KP
いよいよ混乱を深めつつあるネットの中に、その書き込みは確かに落とされた。
佐倉 光
「『私たちは牢獄を捨て、新しい世界へ行く……』
新しい世界って、どこだ。門の向こうか。
門の向こうに何がある……くそっ」
KP
あなたが呟く疑問に答えられる者は、この場にいなかった。
沈黙だけが重苦しく、車内に落ちる。
佐倉 光
皆方さんに門のことを言っていなかったな。教えておこう。
例の図書館におかしな魔術的な書き込みを見た、そこにあるのは門ではないのかと、『前に見たことがあるので』知っていると。
KP
皆方からは返答があった、
「君は、いや、追及はやめよう。
それが別の場所に通じているかもしれない、それが鍵かもしれない、と言うんだな。

こちらは過去の事件を当たってみたが、今回の件に関係のありそうな事件はなかった。
トートやそのナイフ、古代エジプトに関わるような事件もない」
佐倉 光
「そうですか。残念だな」
KP
「一件、エジプト展を主催していた企業の所有のビルが跡形もなく消滅した、という信憑性不明の記録と、その企業が薬物の密輸に関わっていたという報道があっただけだ」
佐倉 光
「……あー。
そのビル無関係ですね。
前に仕事で調べたことがあります」
とあるトートと関わった事件で心当たりがある話。
KP
「火の件は照野くんから聞いた。危険なことをさせてしまってすまない」
佐倉 光
「……いえ」
佐倉 光
「少なくとも、燃やしてもダメだ、ということは分かりましたから」
KP
あ、直接連絡先教えていないな。
照野さん経由で連絡を取った、ということにしてください。
佐倉 光
はーい
NPCの皆さんの役どころが色々考えられて怖いよぅ

KP
車はある家の駐車場に滑り込み、そこで止まる。
洋館のような、洒落た作りの一軒家だ。
外から見てもそれなりの大きさがあり、窓を覆うたっぷりとしたカーテンは一見して上等な布地と分かる。

あなたの目で見れば、分厚い雨戸や、カメラやアラームといったセキュリティの存在にも気づくだろう。
KP
「ここよ。大したおもてなしはできないけど、せめて寛いで過ごして」
照野はうたげを促して家に入り、あなた達を招く。
佐倉 光
「ありがとうございます、お邪魔します」
牧志 浩太
「佐倉さん」
もし何かあったら頼む。
車から降りる間際に、牧志がそう耳打ちした。
佐倉 光
分かった、と頷いてみせる。
少なくとも今晩、牧志はまた正気を失うことになる。
誰にも見られずに『食事』は必要だ。

立派な洋館を見上げると、ふと、いつぞやの吸血鬼騒ぎの事を思い出した。
あの時だって、もう駄目かと思ったけど二人で何とかした。
今度は協力者もいる。あの時よりは随分マシだ。きっと。
牧志 浩太
「ありがとう」
あなたが頷いたのを確認して、お邪魔します、と一礼し、牧志も家に入る。
KP
全員が入ったのを確認すると、照野は玄関扉を施錠し、窓の雨戸を降ろした。
ひととき真っ暗になる室内に、穏やかな色の明かりが灯る。

佐倉 光
「ここは随分と厳重だな、安全そうだ……」
KP
「父が警察官僚なの。だからどう、というわけではないけど」
肩の力を抜くと、照野は少し困り顔を見せて苦笑した。
佐倉 光
「……本当に有り難いです、この状況では」
佐倉 光
「警察の方に連絡が取れるようなら、火を使ってはいけないと伝えた方がいいですね。
広範囲を『処理』しようなんて考えたら、余計大変なことになる」
ふと、そういう事をしそうな仲間のことを思い出した。
無事だといいけど、彼女も。

しかしさっき照野は、彼女の父も犠牲者だと口走っていた。
警察も最早あてにならないと考えるべきだろうな。
KP
「ええ……、そうね。
夕食を取ったら、もう一度連絡を取ってみるわ。
簡単なものになるけど、夕食にするわね」
牧志 浩太
「あ、手伝いますよ」
佐倉 光
牧志の言葉を聞いて少しほっとした。
ここでのひとときは人間らしさを支えてくれそうだ。

時間にだけは注意しないとな。
昨日牧志がおかしくなった時間には、確実に個室にいるようにしないと。
KP
自宅ではないとはいえ、しっかりと囲われた家という空間は、思っていた以上にあなたの身に安らぎを感じさせるだろう。
夕食の準備の手伝いを買って出る牧志も、人間味と確かさを少し取り戻しているように見えた。
KP
リビングルームらしい室内には大きなテレビがあり、スマートフォンを見ればネットも通じている。
防災用に置かれたラジオもあり、情報収集はできそうだ。
佐倉 光
ようやく一息つける。
きっと元々の人間としての自分の体力ではもたなかったのではないか、とも思えたし、
それでも自分は頑張れていたはずだ、とも思えた。
すこしだけ休ませて貰おう。
あとはテレビやラジオ、ネットなどで情報収集……

それと、うたげくんとも少し話しておきたいな。
彼は両親の無事が分からなくて不安がっているだろう。
シローの代わり、というわけではないが、気になる。
KP
うたげは緊張の糸が切れたのか、ソファの上で背を丸め、目元に涙を浮かべながら少し眠そうにしていた。
まだ眠り込んではいないので、話すことができる。
佐倉 光
うたげくんの家の周辺の状況について再度調べる。
家の明かりが点いていたりしないだろうか。
点いていればそのことを、点いていなければネットの癒し動画か何か探して見せるかな。
KP
うたげの家の周辺を再び確認すると、家には灯りが点いていなかった。
先程倒れていた二人も姿を消しており、周囲の家々にも窓に灯りはない。
家の周囲には寒々しい沈黙と、そらぞらしい街灯の明かりが落ちるばかりだった。
KP
「ん……、何?」
うたげはあなたに声をかけられ、目を瞬いて顔を上げる。
佐倉 光
「うたげくん、今日は頑張ったね。
こんな本当とも思えない悪夢みたいな日に、本当に偉いと思うよ」
佐倉 光
「僕はああいうのを割と相手にする仕事をしているんだけど、
初めてああいうのに遭遇したとき、君よりもっとずっと大きくなっていたってのに、
泣きベソかいて逃げることしか考えていなかったから。
君みたいに人を助けようなんてこと、考えられなかったよ」
佐倉 光
泣きながら這って逃げようとしてたね……
KP
逃げようとしてましたね、懐かしいなぁ。
真・女神転生TRPG第一話覚醒前の佐倉の話。
KP
「……そうでしょ。
ぼくはすごいし、えらいんだよ。天才だもん」
すん、とうたげは鼻を鳴らした。
佐倉 光
「うん、本当に偉いな」
佐倉 光
「君が出演した作品で自信作があったら教えてくれる?
僕、ドラマとか映画とか全然知らなかったから、観てみたい」
KP
「……うん」
うたげは自分のスマートフォンを取り出し、鼻をすすりながら映画の公式サイトを見せる。

海外のメロディックバンドの世界観を題材にしたファンタジー映画で、うたげは主人公を神秘の世界に引き込む導き手の役だ。
KP
「助演だけど、これで次のドラマの主演が決まったんだ。
……楽しかった。ぼく、すごく輝いてたよ」
佐倉 光
そうか。じゃあそれを一緒に観よう。
食事の準備が終わるくらいまで。
うたげ君が寝るなら声をかけはしないよ。
KP
うたげは画面を、その中で笑ったり泣いたりする自分の姿をじっと見ていた。
佐倉 光
今もこの少年は演技をしているのだろうか。
それとも意外と子供というのは強いものなんだろうか。
シローもある程度特別であると分かってはいるが、
こうも自分の少年時代と違う子供達ばかりを見ていると、
自分が特別弱かっただけなのかも知れないと思えてくる。
佐倉 光
言うなれば俺がみんなを巻き込んでいることになるのか?
いや、こんなの天災みたいなものだな。
佐倉 光
彼がシローみたいに「子供でいられなかった子供」なら少し楽にしていいと言ってあげたいけど、それにより彼を支えている緊張がブチ切れて、必要な時に必要な動きができなくなっても困るな、と迷いまくる佐倉と中の人。

あと、彼が超美形であるっていうことはやっぱそういうことなの? とまだ疑いを持っている中の人。
KP
ウフフ
佐倉 光
それはそれとして、仕方ないこととは言えシローを放置して怖い思いをさせているであろう佐倉は、目の前の子供を何とかしたい。


KP
やがて夕食の準備が終わり、あなた達は大きなダイニングルームで、ささやかな夕食をとることになる。

日持ちのしない野菜などを主体にしたメニューは、持久戦を考慮してかやや少なめだったが、牧志と照野は雰囲気を温めるよう工夫したようで、食卓は楽しげに飾りつけられていた。
佐倉 光
二人に礼を言って食卓に行く。
有り難くいただこう。
KP
「頂きます」
それぞれの声が揃った。
佐倉 光
食料に加え、インフラがいつまで生きているかは頭が痛い問題だな。
シローが独りでいられるのは電気や水が生きている間だけだ。
最悪危険だとしても、明日には迎えに行った方がいいかも知れない。
KP
夕食を終えると、疲れてしまったのかうたげはうつらうつらとしだす。
佐倉 光
食事が終わったらネットやテレビでで調べ物をしよう。
ニュースなどを見れば何か状況が分からないだろうか。
KP
ネットは早くも輻輳しつつあり、速度が随分遅い。

さまざまな憶測や助けを求める声でネットは混乱状態になっており、まだ災厄の及んでいない首都圏全域にまでパニックが伝播しはじめているらしいことが分かる。

政治機能の中枢を担う人間は辛うじて都外に退避し、指揮を取ろうとしているが、相手が対処方法不明の災厄、それも「市民だったもの」とあって、整った行動は取れていない。
KP
「駄目ね……、警察には連絡がつかない。

周辺の県警には連絡がついたけれど、逃げてきた人達の対処や混乱への応対で手一杯のようよ」
照野が肩を落とした。
牧志 浩太
「東京以外はまだ無事なんだな。でも……」
KP
災厄は着実に広がりつつある。
インフラが機能不全に陥るのも……、時間の問題かもしれない。
佐倉 光
「無理もないな。
人間に対抗できるものじゃない。
悪魔使いでも数に攻められたら無理だ。
とにかく有効打が限られているのが始末に負えない。
近づけばミイラ取りがミイラ」
佐倉 光
「親玉を何とかしないことには」

そういえば、トートのナイフに何か効果があるか、というのは、知識を探ったら分かりそうかな。もう調べてたっけ?
KP
人間としての知識では知っていましたが、神の知識はまだ探っていませんね。
佐倉 光
やってみるかなぁ。
もう手がかりがない。

こいつに某モナドみたいな、人を切らずに魔を切るみたいな効果でもない限りは。
1d3 Sasa 1d3→3
佐倉 光
不定じゃ
SAN 17→14
1d100 99 Sasa 1d100→ 82→成功
KP
不定の狂気「人間の感覚を一時的にひとつ失い、代わりに超常の感覚を得る」が再発します。
※夜中までには元に戻って構いません。
KP
あなたの眼が見ていた「人間らしい穏やかな風景」を、あなたはひととき見失った。
代わりに見えるのは木と石とセメントに覆われた凡庸な囲いの中に、人間の気配がぽつぽつと灯っている様子だ。

女と、子供と、それからあなたの持ち物。
佐倉 光
瞬時に景色が色あせた。
それと認識することもなかった。
何故俺はこんなつまらない場所に留まっているんだろう?
KP
あなたの手の中にあるナイフは現状あなたのもので、あなたはそれが何かを、ようく知っている。
それはあなたを超える『何か』によってつくられたもので、そうだ、確か、ふたつの効果を持つのだ。

ひとつはあなたを追い払うもの。
もうひとつは、あなたの主人に仕えるべき魂を、あなたの主人のもとへと送るものである。

この剣で人の胃を切り裂き心臓を取り出すことで、人の魂をあなたの主人の宮廷に送ることができる。
魂は主人に仕える非人間の姿として生まれ変わるまで、永劫あの宮廷に留まる。
KP
まあ、これはあなたを追い払うものでもあるから、なんとなく自分で触るのは厭で、大体は人間にやらせていたが。
佐倉 光
俺が触れたくないものに俺の名がついているのは皮肉なもんだな。
俺の『もの』に目をやる。
あれに飽いたら、近くの人間を操るなり何なりして心臓を抉ればいい。

それにしても不快なナイフだ。
……これを不快だと感じるのは、何故だっただろう?
牧志 浩太
『あなたのもの』は、ぼんやりと眠るように目を閉じていた。
耳をあの宮廷の呼び声に奪われ、心をあのばかげた旋律に惹かれ、瞼の裏には永劫に踊るものどもが見えているのだろう。

あともう一日と少しもすれば、この魂はあちらへゆくだろう。
招き
佐倉 光
うーん、牧志にとどめを刺すアイテム、あるいはニャルをちくちくするものかー。
今回の件の解決法には今のところ繋がらないな。
KP
牧志が連れていかれようとしているのが、このナイフで心臓を抉ったせいだというのが分かったということですね。
佐倉 光
ああー、つまり、
トートのナイフで心臓を抉られた牧志は宮殿へ招かれ、
その状態でニーオス・コルガイに感染したせいで肉体が生き返ってしまいここに留められている?
刺したら即飛んでくのかと思った。
KP
そんな感じです。
魂を宮廷に招く方法はいくつかあって、(ネンブラさんがチョイチョイするのもその一つ)、
肉体が生きている方法なら、今回みたいにじわじわと招かれる。

ナイフの場合、普通なら心臓刺したら肉体が死ぬので魂は宮廷行きですけど、今回はニーオス・コルガイの感染によって肉体が生きていると。
イブクロ君「巻き添えで裂き殺されて遺憾である」
佐倉 光
イブクローーーーーーーッ!
彼は再生されなかったのか。
KP
イブクロ君も感染しているだろうから、本体と一緒に生き返ってるかも? イブクロ君の【POW】とは。
佐倉 光
彼にも魂や意思……ありそう。
KP
意思はバリバリにありそうだし魂もありそう。
イブクロ君「一緒に生き返ったはいいが一緒に宮廷行きになりそうで遺憾である。
別個の意思を持っているが魂が接続されており、本体と【POW】を共有する存在」とかかも。
佐倉 光
世にも珍しいひとりの人間なのに合唱できる存在に。

狂気と〈精神分析〉
佐倉 光
ある程度落ち着ける空間にいるか、という制限はあるけど、正気度 低下すればするほど〈精神分析〉で食い止める機会が増えることは増えるか。
KP
ああー、不定の狂気が「重複して発生する」扱いになるのか、「重複しては発生しない、一時的に再発するだけ」扱いになるか、どちらか次第かな。
不定の狂気の扱いってどっちでしたっけ。
>再度〈精神分析〉できるかどうか
佐倉 光
それは基本のルールブックに寄れば、「不定になればそれ以上発生しない」かな。
そうなると都度回復はしないな。
KP
そうなると毎回〈精神分析〉はNGですね。
逆に〈精神分析〉に1回成功していれば、さらに不定基準値を割っても、シナリオ中は一瞬再発するだけですぐ我を取り戻せる、と取って大丈夫です。
佐倉 光
ハーイ
KP
表にまとめておきます。
佐倉 光
不定割る度に可能になるとちょっと変なことになりますからね、確かに。
KP
何度も何度も不定になって、その度に回復可能だと、ギリギリのタイミングで毎回〈精神分析〉してすごく踏みとどまれる。
それはそれで《SANチェック》の結果によってはそれでも一瞬で吹き飛ぶわけで、不定だらけになる・不定だらけでまともに動けない状態になる・〈精神分析〉で踏みとどまれる、というバランスも面白いけど、

ルールブック的に不定の多重発生はナシ、ということであれば、
 ・多重発生無し(不定だらけでまともに動けなくなることはない)
 ・その代わり毎回〈精神分析〉で回復も無し
としようかと。
不定になった時点で他の狂気に全然ならなくなるのも面白くないのと、一時的狂気との併発については記載なかったと思うので、逆に既に不定になってても一時的狂気は発生する、としようと思いますがどうでしょう?
佐倉 光
いいですよー。
その場合、一時的狂気を止めるための〈精神分析〉はアリかな?
KP
それはアリです。>一時的狂気を止めるための〈精神分析〉

あ、不定が多重発生しないのって、何ページでしたっけ? 不定の狂気のところに見つからなくて

一応SANロストに関わるのでちゃんと確認します。
(さっきみたいに解釈分かれる文章があるかもなので)
KP
そういえば、〈精神分析〉によるシナリオ後の療養時の回復は、「病院にかかる、または落ち着いた状況で自宅療養すれば1d3回復」のルールを別の書き方で書いてあるだけっぽいです。処理の中身が一緒なので。

然るべき施療者がいなくても、〈精神分析〉する人がいれば同じようにシナリオ後回復ができる、または施設での回復の中身がプロによる〈精神分析〉である、ってことと思われます。
もしかしたら重複するのかもしれないけど、ちょっと記述の意図がどっちなのかは読み取れない感じです。
佐倉 光
・「不定の狂気」は三段階ある内の二段目、無期限の狂気である
・「不定の狂気」に陥ったキャラクターはしばらくの間プレイから外れていなければならない
P90~92
実プレイ時の例
P92~95

無期限ということは、常に発生し続けているということである と解釈したからかな。
これそれこそちょっと前にアーカムメンバーズでやっていた質問に投げても良かったかも知れない。
KP
ああー、確かに。
佐倉 光
私がKPやる時は、狂気が新しく発生した場合、合成した方が面白いそうならそうするってだけで、再発扱いにしていた……はず。
KP
ここの記載はかなり微妙だなぁ……。
「重複した結果、さらに強くなった」とも取れるんですよね、これ。
P93の記述を読むと「これが最後の不安ではない」「話し合った結果、既存の恐怖症がさらに強くなったことにする」という記載からして、「不定は重複する」「今回は同じものが重複して強まったことにする」と取れる。
佐倉 光
既存の恐怖症はその前に来ていた一時的狂気のヤツのことかな。
KP
あ、一時的の方か、これは。
佐倉 光
一時的はまだ来る可能性があるし。
不定はハウスルールで1セッション1回とするものが散見されますね。
KP
うーん、ここの記述からは不定が重なるのか、重ならないのかは解釈の範囲かなぁ。
不定の狂気はずっと続く」を考慮すると「重複しないだろう」と考えてもいいけど、この記述をもって「重複しないと記載されている」とは断定できない気がしますね。
佐倉 光
どっかで重ならないって見た気がするけど、7版だったかなー。
7版のるるぶも見てみたけど今見つからなかったんですよねー。
さすがに私もこの記述だけで「重ならない」って断言はしないと思うんだなぁ。
KP
ですよねぇ。
7版のプレイエイド(10章)の隅っこにあったとかが一番可能性ありそう。
佐倉 光
まあハウスルールで決めている人が多いってことは、ここはルールブックに確たる記載がないってことだと思うので、KPが決めるのが良いかと思います。
KP
ですね。
では今回は
 ・不定だらけになるとロールプレイがややこしいし
 ・後に残るものが増えて継続処理がややこしいし
 ・〈精神分析〉の処理もややこしくなるし
という理由で「重複しない」にします。
佐倉 光
はーい
私の処理は
不定というバッドステータスは重複はしない
・二度目の症状は一応振ってみてそっちの方が楽しそうだったり合成した方が楽しそうなら「症状のみ変化する」
ということにします。
KP
ああー、そしたらこちらもそうしようかな。
そうさせてください。それが一番面白そう。狂気は変化するものだし。
佐倉 光
今までのやり方だと、二度目の期間の方が長ければそっちが採用されていたけど、今回からは「二度目以降に振るのは症状のみ」と限定します。
KP
ですね。
佐倉 光
不定だ、回復。また不定だ、回復。ってのもなんだかゲーム的すぎて美しくないですしね。
(キャラクターを守る立場としてはやりたいけど!)
KP
ですね。
逆に期間がのびないとしておけば、ずーっと不定のままだ! ってこともなくなりますし。
佐倉 光
一時期そんなことありましたね……
KP
ありましたね…………。
というわけでお騒がせしましたが、修正の上まとめ直しました。
佐倉 光
はーい。こんなぎりぎりなのも初めてだからなぁ。
正気度 10を割ると本人にまずいって自覚出るとルルブにありました。
KP
ですねぇ。これだけ連発するのは結城さんぶりだ。
佐倉 光
結城かー、あれも最後は相当まずかった。
KP
あの時はシナリオにないシーンが増えて大長編になったのもあって、最後かなり大変なことになってましたね。いきててよかった。
佐倉 光
よかった。おかげさまで幸せにやってます。
KP
よかったよかった。お幸せに。
テディベアのログも気になるけどやってないので読めない。
佐倉 光
あれはいちゃついてるだけですって!
KP
いちゃついてる! いいぞ! お幸せに
佐倉 光
佐倉と牧志でテディベア……うん、ないわ。
ある意味面白いけどない。
KP
波照間と東雲さんでテディベア?
佐倉 光
あー、それならありうるかも?
KP
それならどこかでやってみても面白いかも。
佐倉 光
東雲さんがテディベア……何があったのかなぁ……
KP
どんな話なんだろ……。
佐倉 光
相方がテディベアになります。かわいいね!
KP
なんと! それはかわいい!
大変だけどめちゃくちゃかわいい>東雲さんベア

佐倉 光
ナイフを手にしたまま、ふらりと『俺のもの』に手を伸ばす。
その手を握る。
まだ、飽きてはいない。
だからだろうか、この魂が『あちらへゆく』ことを考えたときに、胸の奥で何かが疼いた。
真っ赤な刻印が首から心臓へと伸び、それを掴み取ろうとしている。
これは俺のだ。もうすぐ手に入るところだった。
邪魔が入らなければ間違いなく俺のだった。
牧志 浩太
はっ、と『それ』はこちらを振り向いた。
何度か目を瞬き、息を吸い、あなたの手を強く握る。
牧志 浩太
「佐倉……、さん」
心細そうに震える彼の眼と、あなたの眼が合った。
彼は息を呑み、少し迷うようにして『あなた』の手に縋った。
佐倉 光
「……さくら」
佐倉 光
それは俺の分け身の名前だ。ひとつの仮面の名前だ。
もうひび割れて砕けかけている。
失ったらまたどこかから同じのを拾って来れば良い、いくらでも転がっている。

いくらでも?
佐倉 光
俺……は
牧志 浩太
「佐倉さん、聞こえる……、よな?
佐倉さん、だめだ。ここにいるのは、佐倉さん、だから。
『神』だけど、『神』じゃない」
KP
あなたの視界に『それ』の眼の色はわからなかったが、その声は聞こえる。
佐倉 光
「……ああ、うん? 聞こえてる」
牧志の言葉に返事をする。
どうしてそんな当たり前のことを確認されるのだろう、と不思議に思った。
牧志 浩太
「佐倉さん」
牧志はあなたの存在を確認するように、もう一度『名前』を呼んで、あなたの手を握った。
佐倉 光
「そうだ、このナイフのこと『思い出して』いたんだ」
佐倉 光
「これは『神』を追い払うナイフだ。
同時に、これで心臓を抉ったヤツの魂を『あちら』へ連れ去る効果を持っている。
死ぬんじゃない、連れ去られるんだ」
牧志 浩太
「そうか、俺がいま、こうなってる……、持っていかれそうになってるのは、そいつのせい、だったんだな。
俺は自分で、こうした……、させられた、んだ」
牧志 浩太
「『神』を追い払える、ってことは、あの女も追い払えた……、ってこと、だよな。
どうして、そんなもの、俺達の手元に残した……、んだろう」
KP
不定の重複発生について、修正。

~ハウスルール~
不定が重複発生するかどうかはルールブックから断定できないので、

不定というバッドステータスは重複発生しない
・二度目は症状のみ振ってみて、そっちの方が楽しそうだったり合成した方が楽しそうなら「症状のみ変化する」期間はのびない

・ので、不定基準値を割る度に〈精神分析〉するのはナシ
・逆に、〈精神分析〉に1回成功していれば、さらに不定基準値を割っても、シナリオ中は一瞬再発するだけですぐ我を取り戻せる

不定の狂気になった後でも、一時的狂気は発生する(同時発生時は不定優先)
・その場合、一時的狂気を止めるための〈精神分析〉はアリ

とします。
KP
というわけで、ちょっと遅れましたが、今回の不定から症状を振り直して頂いてもOKです。
今回、牧志はいろいろあるので症状固定です。
佐倉 光
お、そうか。症状は今のでいいかなと思います。
神の味覚ってなんだろ。

佐倉 光
「そういえばそうだな。銃もそうだけど、わざわざ残して行ったんだ。
あちこちにわざわざヒントも置いて。
尚更、この事態を俺達に何とかしろと突きつけている気が……するな」
牧志 浩太
「ああ……。
俺を連れていきたいだけ、とか、連れていかれるのを、佐倉さんに見せたいだけ、とか……、
佐倉さんに、ショックを与えたいだけ、とか、なら。
それを、残していく必要は、なかった……と、思う」
牧志 浩太
「希望は、きっとあるんだ」
牧志の声はすこし、そうであれと願うようでもあった。
佐倉 光
「あるさ」
佐倉 光
「ネットにめぼしい情報はないか。そろそろ夜に備えて休んだ方がいいと思う」
KP
夜が更けてくる。
照野は再度戸締りを確認すると、いつしか眠り込んでしまっていたうたげを抱いて、自身の寝室へ向かう。
あなた達は、来客用の寝室を案内される。
佐倉 光
ありがとうございますと礼を言い、有り難く部屋をお借りしよう。
扉に近い方の寝台に横になって目を閉じ、『その時』を待つ。
KP
眠らずに目を閉じて待つ?
佐倉 光
そうだなー、前回やられた時間より一時間くらい前にタイマーかけて起きようかな。
ちょっと睡眠不足気味かも知れないし。
KP
なるほど。では眠らない事による問題は被らなくてよい。
時折聞こえる鳥の声を聞きながら、あなたは自然と街のあわいの静けさの中、いつしか眠りに落ちていることだろう。
KP
アラームで起きられるかどうか、【CON】×5(95ですね)でロールをどうぞ。
ファンブルしたら神の肉体が疲労に負けます。
佐倉 光
なんてこった!
佐倉 光
1d100 95 Sasa 1d100→ 61→成功
佐倉 光
神は寝不足に負けない。
佐倉 光
色々なことがありすぎて疲れてしまった。
シローのことを案じつつゆっくりと眠りに落ちてゆく。

目覚ましは牧志や他の人を起こさないように振動のみだ。
佐倉 光
短い時間に仮眠取るとき、いつもバイブにしたスマホ抱いて寝てますw
KP
あー。それは良い。
持ってれば気づきますもんね。
佐倉 光
音より効く気がします。

KP
……古い、昔の夢を見ていた。

あなたは牢獄のような病室に閉じ込められて、手にしたことのない自由を夢見ながら、一日一日の命だけをつないでいた。
あなたには自由がどんな体験なのか分からず、それでも夢見ることをやめられなかった。

ただ一つ救いだったのは、あなたには幼馴染がたくさんいたことだ。
同じ病室の中に幼馴染たちがいて、あなたは孤独で閉ざされた暮らしながらも、彼らと孤独を共有して生きていたのだ。

彼らと、随分と色々な話をした気がする。
病室の壁のこと。自由のこと。
彼らと生きるのは救いではあったが、それでもあなた達はやはり牢獄の中にいて、みんな孤独で、絶望していた。
KP
アラームの振動で目を覚ますと、そんな夢のほとんどは覚醒の中に散って消えてしまった。
残るのは、朧げな彼らの印象だけだ。
佐倉 光
昔の、楽しくはないときの夢を観ていた、ような。
病室にいた頃の。
誰か、どこか、懐かしいような面影を見たような。

俺に友達なんていただろうか。
俺は孤独に過ごしていたような、気もするが……

どちらにせよ自由に焦がれていたのは、間違っていない。
だからあれは俺だったのかも知れない……

彼らについて思い出すことはできるだろうか。
俺が知っているヤツか、それとも知識として持っている何者かか。
KP
思い出そうとする端から、夢の記憶はさらさらと消えていく。
詳しく思い出すことはできそうにない。
残るのは、「そんな夢を見た」という記憶だけだ。
佐倉 光
夢現にぼんやりとしながら、スマートフォンを手に取って時間を見る。

そうだ、牧志。
牧志がそろそろ起きるかも知れない。見張るために起きようとしていたんだ。

牧志が眠っていた方のベッドを見る。
牧志 浩太
牧志のことを思い出したとき、ふわりとベッドの布団がめくれた。
スマートフォンの僅かな明かりに照らされて、牧志が身を起こす。

牧志はひとことも発しなかった。
ゆらり、ゆらりと糸で操られているように身を揺らしながら、腕に引きずられるようにしてあなたに抱きつこうとしてくるその姿は、昼に見た干からびた者たちの挙動そっくりだった。
佐倉 光
来たか。いいタイミングだな。

深呼吸してこちらから抱く。
これで牧志を留めてやれるんならくれてやる。
牧志の心臓を取り戻すまでの辛抱だ。
牧志 浩太
あなたの腕の中で、牧志は瞼を震わせたように見えた。
抗うようにか悲しむようにか、眉が動き、表情を形作ったように見えた。
唇が名を呼んだように見えたのは、錯覚かもしれない。
牧志 浩太
「あ……、ああ……、あう……」
彼は悲しげに啼きながら、その心臓で神の魂を噛み砕き、呑み込む。
彼の両眼からとうとうと涙が流れていた。
涙が、虚脱感に喘ぐあなたの胸を濡らした。

冷えてゆくあなたの心臓のすぐ傍らで、彼の心臓が力強く脈打っていた。
赤い痣は彼の胸の上でいまや、誇らしげにうねり、うごめいていた。
牧志 浩太
彼はいまや、神の魂によって生かされていた。
KP
あなたは【POW】を牧志に吸引される。
ニャルラトホテプの【POW】より、11の【POW】を永久的に減らすこと。
佐倉 光
【POW】 89 → 78 Sasa 🎲 Secret Dice 🎲
🎲 Secret Dice 🎲
佐倉 光
これじゃあ、俺が引き取った意味がない。
牧志から『神』を引き剥がした意味がない。
だが放置すれば牧志は死に、その瞬間に魂は召し上げられて、
俺が神だろうがなんだろうが手が届かない場所へ行ってしまう。

虚脱感と同時、そんな想いに打ちのめされた。
自分の無力さをじっくりと噛みしめさせられている気分だった。

神も弱るんだな。
佐倉 光
「泣くな。俺が望んだことだ」
ぼんやりとくずれかける意識の中で、辛うじてそう語りかけていた。
KP
呼びかける言葉は、彼に届いたのだろうか。
あなたは意識をじんわりと噛み砕かれながら、夢も見ない闇の中へ落ちていく。

すっかり意識が落ちきる直前、牧志が何かを叫んだ気がしたが、意識は肉体の制御権を取り戻す前に、ぱつんと落ちてしまった。
佐倉 光
牧志にもたれかかるようにして意識を失った。
佐倉 光
狂気に落ちたかなぁ牧志……

コメント By.佐倉 光
侵蝕され続ける光景を見ながら足掻く二人。

発狂周りのルールって結構ふわっとしているんですよね。

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【クトゥルフ神話TRPG】
本作は、「 株式会社アークライト  」及び「株式会社KADOKAWA」が権利を有する『クトゥルフ神話TRPG』の二次創作物です。

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