本編見る!
KP
おっと、そろそろ時間だ。
佐倉 光
「おっ、行こうぜ」
カウンターへ行って手続きをしよう。
ついでに最近牧志や赤い服の女を中庭で見た人がいないか訊いてみよう。
カウンターへ行って手続きをしよう。
ついでに最近牧志や赤い服の女を中庭で見た人がいないか訊いてみよう。
KP
カウンターで聞いても、特に心当たりはないらしい。
夜間、この図書館は施錠して無人になるので、夜間の裏庭のことでは誰も見ていないのではないかということだ。
夜間、この図書館は施錠して無人になるので、夜間の裏庭のことでは誰も見ていないのではないかということだ。
KP
手続きをすると、閲覧室に通してもらえる。
数冊組の分厚い書物は、別冊になっている索引ですらそれなりの大きさだ。
数冊組の分厚い書物は、別冊になっている索引ですらそれなりの大きさだ。
牧志 浩太
「すごいなこれ。
俺と佐倉さんの状況をちゃんと解決できて、人気が一段落したら居座って読みたい」
俺と佐倉さんの状況をちゃんと解決できて、人気が一段落したら居座って読みたい」
佐倉 光
「面白そうだな。人気になるのも当然ってとこか。
酷い目に遭わされた『あれ』のことが今更だけど詳しく分かるかも知れない」
酷い目に遭わされた『あれ』のことが今更だけど詳しく分かるかも知れない」
KP
『世界の吸血鬼事典』にはおおよそ血を吸う、血液を糧とすると言われるあらゆる存在の民話、伝承、記録が一定の体系に沿って分類されている。
真面目に取り組むなら一日二日ではきかないそれを見ようとすると、ある一冊に赤い栞が挟まっているのに気づく。
前の閲覧者の忘れ物だろうか?
真面目に取り組むなら一日二日ではきかないそれを見ようとすると、ある一冊に赤い栞が挟まっているのに気づく。
前の閲覧者の忘れ物だろうか?
佐倉 光
「それにしてもこれはなかなかのボリュームだな……読むだけで何日かかかりそうだぞ」
佐倉 光
赤。その色に惹かれてその本を開く。そこは何のページなのか。栞には何か書いてあるか?
KP
栞のあるページを開くと、正に『それ』を想起するようなページだった。
『分類: 外宇宙から飛来したもの』とあるのだ。
『分類: 外宇宙から飛来したもの』とあるのだ。
外宇宙から飛来し、血液や生命力を吸い取る存在。
それを本書に収載する『吸血鬼』の範疇と見なし、仮に宇宙吸血鬼と呼称する。
そのような宇宙吸血鬼の一例として観測されている存在が吸血、いや、この場合は吸収と呼ぶべきだろう、吸収するのはまず、精神力と呼ぶべきものである。
人間の姿に擬態した吸血鬼は犠牲者を抱きしめて精神力、次いで身体的な生命力を吸い取り、完全に干からびた状態に変貌させる。
宇宙吸血鬼に生命力を吸収された犠牲者は数時間後、生命力を取り戻すために別の犠牲者を求めてゾンビとなって起き上がり、被害を感染させていく。
宇宙吸血鬼を殺すことで、感染した犠牲者は全て死に、被害を食い止められる。
それを本書に収載する『吸血鬼』の範疇と見なし、仮に宇宙吸血鬼と呼称する。
そのような宇宙吸血鬼の一例として観測されている存在が吸血、いや、この場合は吸収と呼ぶべきだろう、吸収するのはまず、精神力と呼ぶべきものである。
人間の姿に擬態した吸血鬼は犠牲者を抱きしめて精神力、次いで身体的な生命力を吸い取り、完全に干からびた状態に変貌させる。
宇宙吸血鬼に生命力を吸収された犠牲者は数時間後、生命力を取り戻すために別の犠牲者を求めてゾンビとなって起き上がり、被害を感染させていく。
宇宙吸血鬼を殺すことで、感染した犠牲者は全て死に、被害を食い止められる。
KP
また、栞には何か書かれているようだ。
牧志 浩太
「佐倉さん……、これ」
牧志がその記述を見て息を呑んだ。
牧志がその記述を見て息を呑んだ。
佐倉 光
「ああ……」
牧志 浩太
「この記述……、似てる。あの時の、吸血鬼にされた時のあいつに」
佐倉 光
「ああ、あの時のヤツの情報にはどう感染するかってのは具体的には書いていなかったな。
ただ、親玉を潰せば全部死ぬ、ってのは同じか」
ただ、親玉を潰せば全部死ぬ、ってのは同じか」
牧志 浩太
「ああ。
まさか……、また、あいつがここにいる、のか?
あのゾンビって、そういうことなのか?」
まさか……、また、あいつがここにいる、のか?
あのゾンビって、そういうことなのか?」
二人はとある事件で同じ存在と関わり、その力の一端に冒されると同時に知識を得ている。
佐倉 光
栞をチェックしてみる。
KP
栞にはこうあった。
「親愛なるトート様へ
2日後の24時、
ミスライムのカタコンベで待っています。」
牧志 浩太
「! 待っている……、だって?」
佐倉 光
「こいつ、あの女か? 俺に何を期待してんだよ」
どうやらこれは俺宛なのは間違いないようだから、そのページは複製を取って、栞は抜き取っておこう。
どうやらこれは俺宛なのは間違いないようだから、そのページは複製を取って、栞は抜き取っておこう。
佐倉 光
「吸血鬼について調べろ、と言ってきて結果これなら、目的の情報は手に入れたと考えていいだろう。
また流されるままって感じで気に入らねぇけどな」
また流されるままって感じで気に入らねぇけどな」
牧志 浩太
「ああ……、そうなるな。
あの動画のゾンビがこいつ、あの時のあいつだって言いたいのか? ……」
牧志はそこから何かを言いかけて、少し躊躇って、結局は口にした。
あの動画のゾンビがこいつ、あの時のあいつだって言いたいのか? ……」
牧志はそこから何かを言いかけて、少し躊躇って、結局は口にした。
牧志 浩太
「ゾンビか……。
もしかして、俺も……、やられてる、のか?
でも俺は、干からびたりしていないし、あの時みたいな吸血鬼にもなってない……」
もしかして、俺も……、やられてる、のか?
でも俺は、干からびたりしていないし、あの時みたいな吸血鬼にもなってない……」
佐倉 光
「精神力を吸われるらしいけどそんな感じもしないしな。
別の要因で生き返ったんじゃないのかな」
ちら、と中庭を見る。
あと復活に関係ありそうなのはトートのナイフか。
別の要因で生き返ったんじゃないのかな」
ちら、と中庭を見る。
あと復活に関係ありそうなのはトートのナイフか。
佐倉 光
そういえば「イヴリィ」って名前について調べてなかった気がするな。
司書さんに訊いたり検索したりで何か引っかからないかな。
司書さんに訊いたり検索したりで何か引っかからないかな。
KP
「イヴリィ」は『自由の牢獄』に収録された短編、『ミスライムのカタコンベ』の主人公だ。
司書に聞くと、「可愛らしい名前だからてっきり少女だと思っていたら、『おれ』って言うものだからびっくりしたんですよ」なんて余談を一緒に語った。
検索すれば、確かに旧約聖書にも登場する言葉で、ヘブライ語で『彼方から』と訳せると出てくる。
それ以降は『ミスライムのカタコンベ』の宗教的解釈について様々に書かれているが、専門用語が多く理解しがたい。
司書に聞くと、「可愛らしい名前だからてっきり少女だと思っていたら、『おれ』って言うものだからびっくりしたんですよ」なんて余談を一緒に語った。
検索すれば、確かに旧約聖書にも登場する言葉で、ヘブライ語で『彼方から』と訳せると出てくる。
それ以降は『ミスライムのカタコンベ』の宗教的解釈について様々に書かれているが、専門用語が多く理解しがたい。
佐倉 光
「へぇ、僕も女性が主人公なのかと思いました」
意外な情報が出たな。
意外な情報が出たな。
佐倉 光
「『彼方より』意図的なもんなのかな」
佐倉 光
「これもミスライムのカタコンベか。
どれだけミヒャエル・エンデに拘っているんだ」
どれだけミヒャエル・エンデに拘っているんだ」
牧志 浩太
「さっきのページを見た感じだと、作者にとっては意味があるんだろうって考察ではあったな。
それをあいつらが何かに重ねてるのか……、は、どうなんだろうな。
これだけ拘ってるんだから、何かありそうだけど」
それをあいつらが何かに重ねてるのか……、は、どうなんだろうな。
これだけ拘ってるんだから、何かありそうだけど」
佐倉 光
短編らしいからざっと読んでみることはできるかなぁ、ミスライムのカタコンベ。
KP
ざっと読むことはできる。
常に囁く声に行動を導かれて生きる「影の民」の一員である主人公イヴリィが、ある時外の夢を見たことから、初めて自分の意思で外を目指そうとする話だ。
無数の選択を導いてくれる声のないことは、彼にとって苦痛にほかならない。
「夢」という不確かなものを信じるほかのない彼の道行きは、絶えず襲う絶望に彩られている。
それでも彼が「外を目指そうとすること」を忘れることはもうできない。
最後は、余韻と解釈の余地を残す終わりとなっている。
常に囁く声に行動を導かれて生きる「影の民」の一員である主人公イヴリィが、ある時外の夢を見たことから、初めて自分の意思で外を目指そうとする話だ。
無数の選択を導いてくれる声のないことは、彼にとって苦痛にほかならない。
「夢」という不確かなものを信じるほかのない彼の道行きは、絶えず襲う絶望に彩られている。
それでも彼が「外を目指そうとすること」を忘れることはもうできない。
最後は、余韻と解釈の余地を残す終わりとなっている。
牧志 浩太
「神の雛か……、雛って、外に向かって殻を破るものだよな。
もしかして、そういう寓意を重ねてるのか?」
もしかして、そういう寓意を重ねてるのか?」
佐倉 光
「自由を求めて殻を破る……
力を取り戻して、意味のない世界から飛び出せ、ということか?
良いことのようにも、後戻りできない道行きのようにも聞こえるな」
力を取り戻して、意味のない世界から飛び出せ、ということか?
良いことのようにも、後戻りできない道行きのようにも聞こえるな」
佐倉 光
「檻を出て自らの足で歩くともとらえられるし、秩序を破壊する狂人の所業にもなり得るか」
どっちかといえば自由を求めたくはあるが、今の自分にとっての『自由』とは何なんだ。
どっちかといえば自由を求めたくはあるが、今の自分にとっての『自由』とは何なんだ。
牧志 浩太
「この話を読んでると、後戻りできないんだ、っていうニュアンスが強いな。
あいつらの言いたいことがどっちなのか、は分からないけど」
あいつらの言いたいことがどっちなのか、は分からないけど」
佐倉 光
「吸血鬼とこのメッセージの送り主とゾンビについての繋がりはいまいち分からないな。
それから牧志が聞いている笛の音か」
それから牧志が聞いている笛の音か」
牧志 浩太
「ああ。
とりあえず、明日ゾンビの話をもう少し詳しく聞いてみるくらいか。
この笛の音のことも、結局どうすればいいのか分からないままだな……」
とりあえず、明日ゾンビの話をもう少し詳しく聞いてみるくらいか。
この笛の音のことも、結局どうすればいいのか分からないままだな……」
牧志 浩太
「あとは、二日後の24時、か」
佐倉 光
「情報が足りねぇな。くそ。
今日はひとまず戻るか。明日何か分かればいいんだけどな」
今日はひとまず戻るか。明日何か分かればいいんだけどな」
牧志 浩太
「ああ。
一応、帰ったらゾンビ騒ぎがどうなったのかもう少し調べてみる。
あとは何か変化が起きてないか、吸血鬼についてネットでもう一度か」
一応、帰ったらゾンビ騒ぎがどうなったのかもう少し調べてみる。
あとは何か変化が起きてないか、吸血鬼についてネットでもう一度か」
佐倉 光
ひとまず戻るか。
さっきチラシ配ってた男はまだいる?
さっきチラシ配ってた男はまだいる?
KP
男はどこへ去ったのか、あるいは図書館から注意でも入ったのか、姿を消している。
佐倉 光
一応周囲の状況に気を配りつつ帰宅かな。
シローのことも心配だ。
帰りながらも検索などしてみよう。
あとは明日会う予定の映画監督について調べられることがあれば。
シローのことも心配だ。
帰りながらも検索などしてみよう。
あとは明日会う予定の映画監督について調べられることがあれば。
KP
夕暮れの街はいつも通りに穏やかで騒がしい。
空を薄く覆い始めた薄曇りの赤は、どこか嵐の前日のように不気味な色をしていた。
空を薄く覆い始めた薄曇りの赤は、どこか嵐の前日のように不気味な色をしていた。
KP
映画監督については先程調べたときに出てきた内容に加え、現在撮影中の映画のことが分かる。
『ザ・ムーン -悪夢の生贄-』は、悪魔の召喚をモチーフとしたありがちなゾンビパニック映画だが、主演に天才子役として名高い帯踏うたげ(おびと うたげ)を迎えていることで話題になっている。
あとは稗田レイジ過去炎上発言集なども上がっているが、見ていると単純に軽はずみなのか、狙ってやっているのか微妙なラインだ。
あとは稗田レイジ過去炎上発言集なども上がっているが、見ていると単純に軽はずみなのか、狙ってやっているのか微妙なラインだ。
佐倉 光
「帯踏うたげ?」
知ってるかなぁ。
知ってるかなぁ。
KP
あなたは詳しくないが、調べてみればすぐに情報が出てくる。
ずば抜けた演技力とルックス、揺るぎない自信で話題を呼ぶ。
有名な作品の幾つかにも出演しており、随所から注目されている。
B級ホラー映画への出演とは、随分ギャラを頑張ったのだろうなどという噂も立っている。
ずば抜けた演技力とルックス、揺るぎない自信で話題を呼ぶ。
有名な作品の幾つかにも出演しており、随所から注目されている。
B級ホラー映画への出演とは、随分ギャラを頑張ったのだろうなどという噂も立っている。
牧志 浩太
「ああ、最近話題の子だな。
『アイリスの翼』の新シーズン主演が決まってるって話題になってる」
牧志が言ったのは、あなたも名を耳にしたことのある有名ドラマだ。
『アイリスの翼』の新シーズン主演が決まってるって話題になってる」
牧志が言ったのは、あなたも名を耳にしたことのある有名ドラマだ。
KP
※このドラマはシナリオに関係ありません
佐倉 光
「へぇ……」
ドラマなどにはそれほど興味がない。辛うじて職場で見てるヤツいたな、程度の認識だ。
シローも見ていたかも知れない。
なんとなくその子のことも調べてみようか。
ドラマなどにはそれほど興味がない。辛うじて職場で見てるヤツいたな、程度の認識だ。
シローも見ていたかも知れない。
なんとなくその子のことも調べてみようか。
KP
詳しく調べると、写真なども出てくる。
目鼻立ちのはっきりとした顔の中に利発そうな眼の光を宿した、輝かんばかりの美少年だ。
今までの出演作品にホラーものは少ない。
『ザ・ムーン』の出演者一覧の中で、稗田レイジが「彼の姿を見た瞬間に、作品世界に彼がいる映像が頭を離れなくなったのだ」とコメントしている。
目鼻立ちのはっきりとした顔の中に利発そうな眼の光を宿した、輝かんばかりの美少年だ。
今までの出演作品にホラーものは少ない。
『ザ・ムーン』の出演者一覧の中で、稗田レイジが「彼の姿を見た瞬間に、作品世界に彼がいる映像が頭を離れなくなったのだ」とコメントしている。
佐倉 光
「確かにインパクトのある顔立ちだな。一度見たら忘れない部類の顔かも知れない」
(シローと鏡を見慣れているせいで【美形である】ことは割と見慣れてしまっている……)
(シローと鏡を見慣れているせいで【美形である】ことは割と見慣れてしまっている……)
牧志 浩太
「だな。ここだけ目立ってる。
眼力も強いし、確かに主演向きなんだろうな」
牧志は画面の中の少年とあなたの顔を、なんとなく見比べた。
眼力も強いし、確かに主演向きなんだろうな」
牧志は画面の中の少年とあなたの顔を、なんとなく見比べた。
佐倉 光
「?」
まだ何となく自分の顔が変わったことを自覚し切れていない。
まだ何となく自分の顔が変わったことを自覚し切れていない。
KP
そういえばそうだ。【APP】18密度の高すぎる空間。>ニャル佐倉さんとシローと
佐倉 光
やっぱりシロー君の【APP】も18なのかな。
KP
シローの【APP】、確か18だったと思います。
佐倉 光
失職したら二人で洞川さんとこ行こうか。
KP
やろうか二人でアイドル。いけるいける。
洞川さん……真・女神転生TRPGのPCで佐倉の悪魔退治仲間。
以前、同僚の女性を誘うついでのように佐倉もアイドルにならないかと声をかけてきていた。無理無理。
以前、同僚の女性を誘うついでのように佐倉もアイドルにならないかと声をかけてきていた。無理無理。
佐倉 光
「しまった。今日チラシ配ってたヤツの写真でも撮っとくんだった。明日話を聞くときに役に立つかも知れなかったな」
牧志 浩太
「ああー、確かに。しくじった」
佐倉 光
チラシを出して見直す。
佐倉 光
「イヴリィは夢に導かれて外を目指す。
イヴリィは彼方より来た新世界の神。
イヴリィは人をゾンビに変える宇宙吸血鬼……」
イヴリィは彼方より来た新世界の神。
イヴリィは人をゾンビに変える宇宙吸血鬼……」
佐倉 光
「最後に世界を破壊して出て行くなら、まるで世界を冒すウイルスだな」
牧志 浩太
「確かに、それだけ聞くとまるきり破壊神だ。
世界を侵すウィルスか、あの小説の中盤、イヴリィが他の影の民を説得して目覚めさせるようなシーンもあったんだよな。
それって、感染と言えるのかもしれない」
世界を侵すウィルスか、あの小説の中盤、イヴリィが他の影の民を説得して目覚めさせるようなシーンもあったんだよな。
それって、感染と言えるのかもしれない」
牧志 浩太
「ふぁ……、」
何事もなく家に帰って少し落ち着いていると、牧志が軽くあくびをした。
少なくとも明け方から起きていてのあの出来事だ、疲労が溜まっているのだろうか。
何事もなく家に帰って少し落ち着いていると、牧志が軽くあくびをした。
少なくとも明け方から起きていてのあの出来事だ、疲労が溜まっているのだろうか。
佐倉 光
「早めに寝ようぜ。明日も明後日も大変そうなんだし」
佐倉 光
「仕事始まってなくて良かったぜ……」
牧志 浩太
「そうだな、賛成。今日休みでよかった……」
牧志は大きく伸びをした。
牧志は大きく伸びをした。
KP
異常な状況、異常な状態の中、そんな日常を交わしあう。
赤く曇っていた空は、すっかり夜の暗黒に色を変えていた。
赤く曇っていた空は、すっかり夜の暗黒に色を変えていた。
KP
軽く夕食をとり、早めに眠る、でよいだろうか?
佐倉 光
さっき牧志が言っていたゾンビと吸血鬼についての検索はしておこうかな。
KP
ざっと検索してみると、吸血鬼については特に目新しい内容は見当たらない。
ゾンビと不死の真菌はますます話題になっている。
両者を結びつけて語る人が現れだし、メジャーな陰謀論が合流して混沌とした状況を生み出している。
真偽は不明だが、本当にゾンビを見たというリプライが稗田レイジのツイートにつき始め、軽はずみな彼の発言は早くも炎上発言集に載ったようだ。
ゾンビと不死の真菌はますます話題になっている。
両者を結びつけて語る人が現れだし、メジャーな陰謀論が合流して混沌とした状況を生み出している。
真偽は不明だが、本当にゾンビを見たというリプライが稗田レイジのツイートにつき始め、軽はずみな彼の発言は早くも炎上発言集に載ったようだ。
佐倉 光
「まともな情報がありゃいいんだけどな、明日」
少し不安にもなってきた。
少し不安にもなってきた。
佐倉 光
そういえば一応念のため。
牧志に向けて《アナライズ》をしてみる。
牧志に向けて《アナライズ》をしてみる。
KP
牧志に《アナライズ》をすると、いつもの『HUMAN』『邪神』の他に、一瞬何かの反応が見えた気がした。
しかし、その反応はすぐに消えてしまう。
見間違い……、だろうか?
しかし、その反応はすぐに消えてしまう。
見間違い……、だろうか?
佐倉 光
何度か試したり録画してみたりするが……
佐倉 光
「確実に牧志は巻き込まれているんだ。
何だろうな、気になる」
何だろうな、気になる」
KP
その反応はちらちらと出ては消えるが、録画してもうまく映らない。
牧志 浩太
「ああ……、怪我が治ってそれでおしまい、って訳じゃないんだ。
佐倉さん。
……俺がもし何かしだしたら、頼む。
ゾンビになってるんじゃなくたって、また操られるんじゃないかと怖いんだ」
佐倉さん。
……俺がもし何かしだしたら、頼む。
ゾンビになってるんじゃなくたって、また操られるんじゃないかと怖いんだ」
佐倉 光
「大丈夫、今俺そういうのも何とかできる気がするから」
半分冗談半分本気で元気づけようとした。
半分冗談半分本気で元気づけようとした。
牧志 浩太
「そっか、神なんだっけ。
でも無理はしないでくれよ」
牧志は少し心細そうな苦笑いを浮かべ、寝る準備を始める。
でも無理はしないでくれよ」
牧志は少し心細そうな苦笑いを浮かべ、寝る準備を始める。
佐倉 光
夜、か。
牧志が夜のことは覚えていないと言っていたな。
一応今日は居間のソファで寝て、牧志が起きてこないか警戒していよう。
牧志が夜のことは覚えていないと言っていたな。
一応今日は居間のソファで寝て、牧志が起きてこないか警戒していよう。
牧志 浩太
「……お休み、佐倉さん」
居間のソファに身を横たえるあなたを見送って、牧志は笑みをつくり、自分の部屋へと姿を消す。
居間のソファに身を横たえるあなたを見送って、牧志は笑みをつくり、自分の部屋へと姿を消す。
KP
シローは不思議そうにしながらも、眠そうな目を擦ってあなたの部屋へと向かった。
佐倉 光
「おやすみ、牧志、シロー」
KP
家の中に静けさが落ちる。
どこからか、遠くで見知らぬ人の喋るざわめきの声。
目を閉じると、今までにあった様々な出来事が、瞼の裏に揺らめくようだった。
どこからか、遠くで見知らぬ人の喋るざわめきの声。
目を閉じると、今までにあった様々な出来事が、瞼の裏に揺らめくようだった。
KP
知恵なき異形が踊る白痴の宮廷とは、もしかすると瞼の裏の風景に似ているのかもしれなかった。
佐倉 光
無理をするな、か。
無理は……してねぇな。多分しない方がストレスなんだ。
目を閉じて、瞼の裏に踊る過去を眺める。
俺は何を望んでいるんだろう。
無理は……してねぇな。多分しない方がストレスなんだ。
目を閉じて、瞼の裏に踊る過去を眺める。
俺は何を望んでいるんだろう。
佐倉 光
力が手に入ったら振るいたくなるものだってのに、
自分がついでに消し飛びそうでやりづらいってのは、なんだか窮屈だよなぁ。
自分がついでに消し飛びそうでやりづらいってのは、なんだか窮屈だよなぁ。
KP
あなたは自由で、縛られていた。
いつでも振るえる力があるというのに、あなたが『あなた』を縛っている。
あなたは望んで、その牢獄の中にいる。
その外にあなたはいないのだとすれば、外だって虚無の牢獄なのかもしれなかった。
いつでも振るえる力があるというのに、あなたが『あなた』を縛っている。
あなたは望んで、その牢獄の中にいる。
その外にあなたはいないのだとすれば、外だって虚無の牢獄なのかもしれなかった。
佐倉 光
図書館に《VANISH》の箱おいとけば良かったかなー
KP
なるほど《VANISH》 これは便利(箱作るのに一日かかるけど)
《VANISH》……瞬間移動を行うことができる魔法だが、準備がそれなりに大変。
KP
うつらうつらと鬱々しい夢に身を任せて、いよいよ意識が落ちようとしたとき、牧志の部屋の扉がかたりと音を立てた。
佐倉 光
慌てて意識を覚醒させようとする。起きられるかな。
牧志の様子を見て、場合によっては止めないと。
牧志の様子を見て、場合によっては止めないと。
KP
身構えていたあなたの眠りは、自覚するよりも浅かったらしい。
すぐに意識を覚醒させ、身を起こすことができる。
かた、かたかたと、開け方を知らないものがこじ開けようとしているかのように、扉は音を立てている。
暫くそうして、ようやくドアノブの存在に気づいたのか、扉がゆっくりと開いた。
すぐに意識を覚醒させ、身を起こすことができる。
かた、かたかたと、開け方を知らないものがこじ開けようとしているかのように、扉は音を立てている。
暫くそうして、ようやくドアノブの存在に気づいたのか、扉がゆっくりと開いた。
牧志 浩太
「……」
そこには寝間着姿の牧志が立っていた。
肌には血の気こそあったが、ぼんやりと瞳孔を開いた眼は彼が「遺体」だったあの時のそれのように、どこにも焦点が合っていない。
そこには寝間着姿の牧志が立っていた。
肌には血の気こそあったが、ぼんやりと瞳孔を開いた眼は彼が「遺体」だったあの時のそれのように、どこにも焦点が合っていない。
佐倉 光
「おい、牧志!」
まずは起き上がって大きめの声を上げる。
反応がなければ道をふさぐ。
まずは起き上がって大きめの声を上げる。
反応がなければ道をふさぐ。
牧志 浩太
「……」
牧志は彼らしい反応を返さなかった。
瞳孔の開いたままの眼球がぐらりと動き、あなたの声を追おうとする。
道を塞ぐあなたの前に、ふらつきながら彼は立った。
糸で吊られるように、あなたに向かって手を伸ばす。
それは、抱きしめようとするような、あるいは拘束しようとするような仕草にも見えた。
牧志は彼らしい反応を返さなかった。
瞳孔の開いたままの眼球がぐらりと動き、あなたの声を追おうとする。
道を塞ぐあなたの前に、ふらつきながら彼は立った。
糸で吊られるように、あなたに向かって手を伸ばす。
それは、抱きしめようとするような、あるいは拘束しようとするような仕草にも見えた。
KP
避ける? 避けない?
佐倉 光
なんとなく予想していたことだ。避ける!
牧志 浩太
あなたが避けると、彼の腕はゆらゆらとあなたを探す。
暫くそうしてあなたに抱きつこうとするが、あなたがあくまで避けようとするならば、ふと彼の首があなたではない方を向く。
暫くそうしてあなたに抱きつこうとするが、あなたがあくまで避けようとするならば、ふと彼の首があなたではない方を向く。
牧志 浩太
彼の首が向く方向は、あなたの部屋の扉だ。
……今、シローがそこで眠っている。
……今、シローがそこで眠っている。
何をしたらいいだろう
佐倉 光
《ミ=ゴの催眠術》は使用可能かなぁ。
P287
最悪《ヨグ=ソトースの拳》かなー P291
P287
最悪《ヨグ=ソトースの拳》かなー P291
KP
ページ番号ありがとうございます。助かる。
KP
呪文を用いるまでもなく、『今の牧志は、既に尋常ではない状態に陥っている』と思えるだろう。
人間を催眠状態に陥らせる音波が、この状態の彼に効くのだろうか?
人間を催眠状態に陥らせる音波が、この状態の彼に効くのだろうか?
佐倉 光
殴り倒すか拘束するしかないかな。
MP削るとかも考えたんだけど意味はなさそうだな。
《ヨグ=ソトース》で殴り倒して気絶させるか……
と思ったけどこれも「意識不明にする」だから意味なさそう!
《魅惑》も効くかどうか分からん。P288
コストのこと考えるとなかなか「ダメ元でやってみんべ」ってやりづらいなぁ。
《皮膚の制御》で足くっつけるか……? P279
いや無理30分かかる。そんなにかかるのかこの呪文。
MP削るとかも考えたんだけど意味はなさそうだな。
《ヨグ=ソトース》で殴り倒して気絶させるか……
と思ったけどこれも「意識不明にする」だから意味なさそう!
《魅惑》も効くかどうか分からん。P288
コストのこと考えるとなかなか「ダメ元でやってみんべ」ってやりづらいなぁ。
《皮膚の制御》で足くっつけるか……? P279
いや無理30分かかる。そんなにかかるのかこの呪文。
佐倉 光
割と便利に改変されたバージョンしか知らなくて、「えっ、そんなにかかるの?」みたいな魔法が多いなぁw
延々《被害を逸らす》も考えたけど、対象が物理攻撃だから、感染は防げるか分かんないしー
P278
あとは《破壊》って手もなくはないが……P277
痛みも意味あるか分からんw
《ハートの勇気》は使えるかな。P276
牧志は確か魔法をいくつか? 知っていたはず。
玄関とシローの部屋の前にルーンを刻むことができるようなら、ここから出るのを防ぐことができるかも。
延々《被害を逸らす》も考えたけど、対象が物理攻撃だから、感染は防げるか分かんないしー
P278
あとは《破壊》って手もなくはないが……P277
痛みも意味あるか分からんw
《ハートの勇気》は使えるかな。P276
牧志は確か魔法をいくつか? 知っていたはず。
玄関とシローの部屋の前にルーンを刻むことができるようなら、ここから出るのを防ぐことができるかも。
KP
《魅惑》や《破壊》は正直な所、使ってみないと分からないと思うだろう。
《被害を逸らす》で防げるかどうかも同様だ。
肉体へ訴えかける《ヨグ=ソトースのこぶし》や、必ずしも正常な心と知性を前提としない《ハートの勇気》はもう少し、効くかもしれない可能性がある。
《被害を逸らす》で防げるかどうかも同様だ。
肉体へ訴えかける《ヨグ=ソトースのこぶし》や、必ずしも正常な心と知性を前提としない《ハートの勇気》はもう少し、効くかもしれない可能性がある。
KP
ルーン文字を刻むなら、急ぐ状況で正しく刻む必要があるため〈オカルト〉で判定した上、【幸運】または〈回避〉で判定する。
失敗すれば、刻んでいる間に牧志に抱きとめられてしまうだろう。
失敗すれば、刻んでいる間に牧志に抱きとめられてしまうだろう。
KP
少々時間がかかるが、《吐き気の魔法円》などで無理やり行動不能に陥らせ、その間に拘束するという手もある。
時間はかかるが、《皮膚の制御》で歩けない形に変えてしまえば確実だろう。
時間はかかるが、《皮膚の制御》で歩けない形に変えてしまえば確実だろう。
佐倉 光
《ヨグ=ソトースのこぶし》で牧志の部屋に吹っ飛ばして扉を閉め、入り口にルーンを刻む……とか。
扉閉めとけば抱かれる心配なくなるし。
《吐き気の魔法円》は結局描かなきゃならないからなぁー
牧志の【CON】が11、【STR】が12。とすると23越えるようにしたいと。
期待値で20前後出そうと思うと7D~9D程度? まかり間違って54なんて出した日にゃあ牧志が10メートル超吹っ飛ぶことになるけど。
あとは方向だなぁー。
気絶してくれるようなら気にする必要はないけども。
扉閉めとけば抱かれる心配なくなるし。
《吐き気の魔法円》は結局描かなきゃならないからなぁー
牧志の【CON】が11、【STR】が12。とすると23越えるようにしたいと。
期待値で20前後出そうと思うと7D~9D程度? まかり間違って54なんて出した日にゃあ牧志が10メートル超吹っ飛ぶことになるけど。
あとは方向だなぁー。
気絶してくれるようなら気にする必要はないけども。
KP
なるほど、それを試みることはできるだろう。
『佐倉光』が本来知らない呪文を1つ行使するごとに、正気度 1d3を消費する。
『佐倉光』が本来知らない呪文を1つ行使するごとに、正気度 1d3を消費する。
KP
あとは《クトゥルフのわしづかみ》P256で押さえつけてしまうのも手かな。
あれは「【STR】を失わせることによって意識不明に陥る」なので、通常の状態になくても気絶させられる可能性はある。
あれは「【STR】を失わせることによって意識不明に陥る」なので、通常の状態になくても気絶させられる可能性はある。
佐倉 光
とりあえず今牧志って何をしようとしている状態かな。
牧志 浩太
牧志はいま、部屋から出てきてふらふらとあなたに抱きつこうとしている。
ただ、もう暫く避けていれば、シローに標的を移すだろうことは想像がつく。
ただ、もう暫く避けていれば、シローに標的を移すだろうことは想像がつく。
むずかしい
佐倉 光
「任せろ」って言ったけどなかなか難しい。
KP
基本が敵視点シナリオソース視点の呪文だから、じっくり殺したり狂わせたりする呪文の多い事。逆に『その場で』『殺さずに』『取り押さえる』みたいなの難しい。
佐倉 光
ドリームランド呪文の《生けるX》とか使えれば大分便利なんだけどな。
KP
一応参照してみよう、何ページでしたっけ。
佐倉 光
幻夢境P153ですね。
《縮小》P155かけて瓶詰めにしたりできるな!
《縮小》P155かけて瓶詰めにしたりできるな!
KP
うーん、P152に例外記述のない場合は覚醒の世界でかけても意味がない、とはっきり書かれていますね。
さすがにこれはドリームランド限定かな。
さすがにこれはドリームランド限定かな。
佐倉 光
あくまでドリームランド用ですからね。
ほかの本に魔法載ってたかなぁー
コストが重いんだよなぁ~。
キーパーコンパニオンに書いてある魔法は召喚魔法ばっかりだった。
ほかの本に魔法載ってたかなぁー
コストが重いんだよなぁ~。
キーパーコンパニオンに書いてある魔法は召喚魔法ばっかりだった。
KP
確かマレモンには呪文はなかった気がする。
後はそうだなぁ……。
・ニャルラトホテプの能力「望むものの入手」で牧志を拘束できるものを手に入れるとか
・「変身」が可能と書いてあるので、「ニャルラトホテプの他の化身になる」こともできるかも?
後はそうだなぁ……。
・ニャルラトホテプの能力「望むものの入手」で牧志を拘束できるものを手に入れるとか
・「変身」が可能と書いてあるので、「ニャルラトホテプの他の化身になる」こともできるかも?
佐倉 光
「拘束もできる武器」を手に入れればいいのか……
扱うには変身が必要かな。
扱うには変身が必要かな。
KP
「欲しいものの入手」で正気度 1d3消費、それを「自動成功で扱う」ことにまた1d3消費ですね。変身しなくても1d3消費すれば武器を自動成功で扱える。
佐倉 光
あれ、そうなんだ。
それじゃあ魔法より随分ましになるし、「Bola Wrap」なんてどうかな。
ボーラ撃ち出して体に巻き付けて拘束する武器。
「望むもの」って武器には限らないのかな。
だとしたら呪文を使うのに必要な道具なんかもお取り寄せできるのかな。
できれば魔法で殴り倒すよりスマートにやりたいよなー。
殴ったら牧志もかわいそうだしさー。
それじゃあ魔法より随分ましになるし、「Bola Wrap」なんてどうかな。
ボーラ撃ち出して体に巻き付けて拘束する武器。
「望むもの」って武器には限らないのかな。
だとしたら呪文を使うのに必要な道具なんかもお取り寄せできるのかな。
できれば魔法で殴り倒すよりスマートにやりたいよなー。
殴ったら牧志もかわいそうだしさー。
KP
なるほど、それはアリですね。>ボーララップ
呪文を使うのに必要な道具は、取り寄せてOKとします。
ただし、作るのに時間が掛かるものについては、掛かる時間はそのまま必要とします。
それも呪文の一部なので。
あとこれだいぶん拡大解釈ではありますが、「暗黒の男」マレモンP201に変身すれば覚醒世界でもドリームランド呪文が使えたりします。
「佐倉さんが知らない化身に変身する」には、先に正気度 1点消費して〈クトゥルフ神話〉99%で判定してもらい、思い出してもらってから正気度 1d3を消費して変身、とします。
変身がどれくらい続いているかは展開の都合次第とさせてください。
呪文を使うのに必要な道具は、取り寄せてOKとします。
ただし、作るのに時間が掛かるものについては、掛かる時間はそのまま必要とします。
それも呪文の一部なので。
あとこれだいぶん拡大解釈ではありますが、「暗黒の男」マレモンP201に変身すれば覚醒世界でもドリームランド呪文が使えたりします。
「佐倉さんが知らない化身に変身する」には、先に正気度 1点消費して〈クトゥルフ神話〉99%で判定してもらい、思い出してもらってから正気度 1d3を消費して変身、とします。
変身がどれくらい続いているかは展開の都合次第とさせてください。
佐倉 光
はーい。今回はボーララップで何とかしましょう。
どうやら1ターンかからずに再装填できるみたいだから、腕と足を何とかすればひとまず止められるだろうし。
どうやら1ターンかからずに再装填できるみたいだから、腕と足を何とかすればひとまず止められるだろうし。
KP
はーい。物理的手段で拘束するの、人間らしいスマートさでもありますしね。
佐倉 光
射出・装填・射出 としても、先に腕を封じれば何とかなりそうだ。
魔法で何とかする手段があったとしても、MPは大量にあるし【POW】で捻じ伏せることもできる体なのに、正気度 の余裕がないんだぁ!
魔法で何とかする手段があったとしても、MPは大量にあるし【POW】で捻じ伏せることもできる体なのに、正気度 の余裕がないんだぁ!
KP
それですな!
ニャルラトホテプは無限といっていい力を持っているのに、「佐倉光」という「人間」がそれに耐えきれないんだ。
ニャルラトホテプは無限といっていい力を持っているのに、「佐倉光」という「人間」がそれに耐えきれないんだ。
佐倉 光
最初にあんなに削られなければもう少しぶいぶい言わせられたかも知れないのになぁw
KP
あの削られっぷりとあんまり回復しないっぷりが酷かった。
佐倉 光
佐倉は佐倉らしく技術で何とかしろってことらしい……
佐倉 光
瞬時に色々思考を巡らす。
自分が使える手段を呼び出して、仮定しては捨てる。
魔法は駄目だ。
即効性に欠けるし、牧志に酷い傷を負わせたり、俺自身を保つのが難しくなる。
全部俺の力でやろうとするから難しいんだ。
捕獲技術。
そういう道具を出せば……!
ふと思いついたのは、アメリカの警察で採用されているボーララップだった。相手に怪我や苦痛を与えることなく瞬時に拘束することができる拘束具だ。レーザーポインタで狙いを付けて発射するだけ、扱いも簡単だったはず!
自分が使える手段を呼び出して、仮定しては捨てる。
魔法は駄目だ。
即効性に欠けるし、牧志に酷い傷を負わせたり、俺自身を保つのが難しくなる。
全部俺の力でやろうとするから難しいんだ。
捕獲技術。
そういう道具を出せば……!
ふと思いついたのは、アメリカの警察で採用されているボーララップだった。相手に怪我や苦痛を与えることなく瞬時に拘束することができる拘束具だ。レーザーポインタで狙いを付けて発射するだけ、扱いも簡単だったはず!
佐倉 光
ボーララップの取り寄せを行います。
1d3 Sasa 1d3→1
SAN 28 → 27
1d3 Sasa 1d3→1
SAN 28 → 27
佐倉 光
この武器、扱いも簡単らしいんですけど、佐倉自身の何らかの技能で使えませんか?
KP
なるほど、いいでしょう。
動く相手に狙いをつけ、戦闘行動に移り、発射するという戦闘の基本行動の意味で、〈こぶし〉で判定。
ここで外すと戦闘ラウンドに入ります。
動く相手に狙いをつけ、戦闘行動に移り、発射するという戦闘の基本行動の意味で、〈こぶし〉で判定。
ここで外すと戦闘ラウンドに入ります。
佐倉 光
51%かー。ちょっと心許ないな。しょうがない、初撃はニャルパワーで撃とう。
1d3 Sasa 1d3→3
1d3 Sasa 1d3→3
佐倉 光
SAN 27 → 24 また不定ラインが近づいてきた!
1d99 ボーララップ射出 胴体を狙って腕ごと拘束 Sasa 1d99→84
1d99 ボーララップ射出 胴体を狙って腕ごと拘束 Sasa 1d99→84
佐倉 光
よしよしよし。使って良かった。
牧志 浩太
「あ……、ああ……」
KP
『あなた』の手元に望んだ瞬間にそれはあり、考えるまでもなく扱いが分かる。
丈夫な紐が瞬時に発射され、いまにもあなたを抱きしめようとしていた彼の腕ごと胴を縛る。
丈夫な紐が瞬時に発射され、いまにもあなたを抱きしめようとしていた彼の腕ごと胴を縛る。
牧志 浩太
「ああ、うう、あ」
彼は動けないことが理解できない様子で呻く。
何度か腕に力を込めて諦め、縛られたままあなたにすり寄ろうとするが、芋虫のように無力に動くばかりだ。
彼は動けないことが理解できない様子で呻く。
何度か腕に力を込めて諦め、縛られたままあなたにすり寄ろうとするが、芋虫のように無力に動くばかりだ。
KP
成る程、これは大層有効で、苦痛も怪我も与えない。
人間は面白い玩具を開発したものだ。
人間は面白い玩具を開発したものだ。
佐倉 光
少し距離を取ってリチャージしたら足にも放つ。
むしろ魔法より便利なことも多いな、人間の機械。
むしろ魔法より便利なことも多いな、人間の機械。
佐倉 光
「牧志」
牧志 浩太
「あうう、ああ」
胴体と脚を縛られて不明瞭に呻く彼の眼に、光は戻らない。
胴体と脚を縛られて不明瞭に呻く彼の眼に、光は戻らない。
佐倉 光
声をかけてみて返事がなければ上からロープか何かで拘束しておこう。あるかなロープとか。ここんちそのテのもありそう。
ずっと前、牧志や俺がおかしくなっていたときなんかに買ったヤツが残っていると思う。
ずっと前、牧志や俺がおかしくなっていたときなんかに買ったヤツが残っていると思う。
KP
ロープがないかと探せば、以前に牧志が不安にとりつかれていた時に買い込んだものが残っていた。
牧志 浩太
胴体ごと腕と脚を縛られ、身動きもままならず横たわる姿は、以前のことを思い出させた。
あの吸血鬼事件。あれも、夜のことだった。
自分からそう望み、あなたの手で一つ一つ丁寧に拘束されていく彼の姿。
今の状況はあの時そっくりなのに、そこに抗おうとする彼の意志はない。
あの吸血鬼事件。あれも、夜のことだった。
自分からそう望み、あなたの手で一つ一つ丁寧に拘束されていく彼の姿。
今の状況はあの時そっくりなのに、そこに抗おうとする彼の意志はない。
佐倉 光
あの時は牧志は牧志のままで化け物になっていった。
だけど今は……
だけど今は……
佐倉 光
拘束終わったら牧志の部屋に運んでベッドに転がしておこう。
で、再度《アナライズ》をおこなってみる。
で、再度《アナライズ》をおこなってみる。
牧志 浩太
ベッドに転がそうとすると、その時変化が訪れた。
しゅうしゅうと彼の全身が異様な音を立てる。
「あ、ああ、ああう」
干物を日にさらして乾かす過程を早回しするように、見る間に彼の眼窩が落ちくぼむ。
水分を奪われ収縮していく眼球が眼窩に張り付き、全身の皮膚が骨の形を浮き上がらせる。
縮んでいく皮膚が飴色に変色し、生きた人間のあるべき弾力が失われる。
しゅうしゅうと彼の全身が異様な音を立てる。
「あ、ああ、ああう」
干物を日にさらして乾かす過程を早回しするように、見る間に彼の眼窩が落ちくぼむ。
水分を奪われ収縮していく眼球が眼窩に張り付き、全身の皮膚が骨の形を浮き上がらせる。
縮んでいく皮膚が飴色に変色し、生きた人間のあるべき弾力が失われる。
牧志 浩太
「ああ、ああう、あああう」
生きた人間からただの干物に変じながら、だというのに、彼は咽び泣くような声をまだがちがちと鳴る喉の奥から発していた。
喉を擦って響く声は笛の音にも似ていた。
そのありさまで彼はまだ、あなたに縋ろうともがいていた。
生きた人間からただの干物に変じながら、だというのに、彼は咽び泣くような声をまだがちがちと鳴る喉の奥から発していた。
喉を擦って響く声は笛の音にも似ていた。
そのありさまで彼はまだ、あなたに縋ろうともがいていた。
KP
《アナライズ》は、あなたの意に従い、はっきりと結果を表示する。
『HUMAN』(『邪神』)『夜魔』
『HUMAN』(『邪神』)『夜魔』
KP
《SANチェック:成功時減少 0 / 失敗時減少 1D3》
佐倉 光
ああー。牧志やられてるのか。
これはまずいな。
これはまずいな。
KP
やられてました。
佐倉 光
うむー、佐倉の生命力をやるという手も無くはないが、そうすると親玉倒した時に二人まとめてロストする可能性がなー
佐倉 光
1d100 24 san Sasa 1d100→ 13→成功
佐倉 光
えらいっ
KP
えらい!
佐倉 光
自分の脳天気さに腹が立った。
当然考えて然るべきだったじゃないか!
生命力が足りないんだ。放っておけば死ぬかもしれない!
当然考えて然るべきだったじゃないか!
生命力が足りないんだ。放っておけば死ぬかもしれない!
佐倉 光
吸血鬼について、〈神話〉知識を探って排除方法や、犠牲者を放置するとどうなるかはわからないかな。
KP
宇宙吸血鬼の記述も読んでいるので、神の知識を探れば分かるだろう。
〈クトゥルフ神話〉で判定。
99%と41%のどちらで判定してもよいが、情報が異なる可能性がある。
〈クトゥルフ神話〉で判定。
99%と41%のどちらで判定してもよいが、情報が異なる可能性がある。
佐倉 光
それはもう探るしかないだろう。
1d3 Sasa 1d3→1
1d3 Sasa 1d3→1
佐倉 光
ギリ!!! 良かったのが悪かったのか。
ここはうっかり処理を誤っています。
神の〈神話知識〉の参照は正気度1d3ではなく、1点消費です。
神の〈神話知識〉の参照は正気度1d3ではなく、1点消費です。
KP
では、99%で判定をどうぞ。
佐倉 光
SAN 24 → 23
1d100 99 Sasa 1d100→ 1→決定的成功(クリティカル)!
1d100 99 Sasa 1d100→ 1→決定的成功(クリティカル)!
佐倉 光
必死だ
佐倉 光
このままでは最悪共倒れ、良くて牧志は死ぬ。
人間の知識じゃ駄目だ、俺たちはもう希望がないことを知っている!
『俺』は何か役立つことを知らないか!?
必死で知識の混沌に潜り、探る。光を探す。
人間の知識じゃ駄目だ、俺たちはもう希望がないことを知っている!
『俺』は何か役立つことを知らないか!?
必死で知識の混沌に潜り、探る。光を探す。
KP
あなたは不意に、強い既視感を覚えた。
あなたは知っている。あなたはそれを知っている。
それは……、哀れでとるにたらぬ生き物だ。
千年ほど前だったろうか、二千年? 巨大な船をつくりあげて宇宙を旅した一種族がいた。
彼らは水中に棲む一種の菌類であり、かつてしばらくこの星に棲んだ。
自然からエネルギーを変換して取り入れることで暮らしていた彼らは、何処でその哀れな変化を被ったか、かつてのようにエネルギーを変換する能力を失った。
それで彼らは、異星人の神経叢に棲みつき、生命力を吸い取ることで暮らす吸血鬼となった。
それは感染した人間の中に潜みながら、毎夜ごとに活性化する。
他人の精神力と生命力を吸い取っては、吸い取られた相手にとりつき、自らを殖やしていく。
それは単純な破壊では傷つかない。
熱も、取りついた人間を殺すことも、何らの効果はないだろう。
鉛または銀の物質を犠牲者の太陽神経叢に打ち込むことでのみ、彼らを抹殺することができる。
感染した人間は、彼らの母体である本体と繋がっている。
その本体を見つけ出し、鉛または銀の物質を打ち込めば、全ての子供らは死に絶えるだろう。
感染した犠牲者もろとも。
あなたは知っている。あなたはそれを知っている。
それは……、哀れでとるにたらぬ生き物だ。
千年ほど前だったろうか、二千年? 巨大な船をつくりあげて宇宙を旅した一種族がいた。
彼らは水中に棲む一種の菌類であり、かつてしばらくこの星に棲んだ。
自然からエネルギーを変換して取り入れることで暮らしていた彼らは、何処でその哀れな変化を被ったか、かつてのようにエネルギーを変換する能力を失った。
それで彼らは、異星人の神経叢に棲みつき、生命力を吸い取ることで暮らす吸血鬼となった。
それは感染した人間の中に潜みながら、毎夜ごとに活性化する。
他人の精神力と生命力を吸い取っては、吸い取られた相手にとりつき、自らを殖やしていく。
それは単純な破壊では傷つかない。
熱も、取りついた人間を殺すことも、何らの効果はないだろう。
鉛または銀の物質を犠牲者の太陽神経叢に打ち込むことでのみ、彼らを抹殺することができる。
感染した人間は、彼らの母体である本体と繋がっている。
その本体を見つけ出し、鉛または銀の物質を打ち込めば、全ての子供らは死に絶えるだろう。
感染した犠牲者もろとも。
KP
その名と姿は、人間のあなたに強烈な、忌まわしい記憶を呼び起こした。
その名は、ニーオス・コルガイ。
宇宙吸血鬼。
その一体に互いを翻弄された痛ましい記憶と、哀れでとるにたらぬと嘲笑う記憶が、頭の中で交錯し吹き荒れた。
その名は、ニーオス・コルガイ。
宇宙吸血鬼。
その一体に互いを翻弄された痛ましい記憶と、哀れでとるにたらぬと嘲笑う記憶が、頭の中で交錯し吹き荒れた。
KP
そう、希望はない。
あの拳銃は、このためにあなたに与えられたものだろうか?
あなたが牧志もろともこの災厄を終わらせるか、それともこの街が化け物の庭へと変じていくのを眺めているか、それを選べというのだろうか?
『あなた』たちは人間のあなたを仲間だなどとは思っておらず、ただ無力な人間をそうするように嘲笑いたかったのだろうか?
あの拳銃は、このためにあなたに与えられたものだろうか?
あなたが牧志もろともこの災厄を終わらせるか、それともこの街が化け物の庭へと変じていくのを眺めているか、それを選べというのだろうか?
『あなた』たちは人間のあなたを仲間だなどとは思っておらず、ただ無力な人間をそうするように嘲笑いたかったのだろうか?
KP
ただ一つだけ希望はある。
それはとるにたらぬ生き物で、あなたは神だ。
そんな生き物程度が、あなたを侵せようはずはない。
※クリティカルボーナス情報
それはとるにたらぬ生き物で、あなたは神だ。
そんな生き物程度が、あなたを侵せようはずはない。
※クリティカルボーナス情報
佐倉 光
《悪魔退散》が効果あるかはわかるかな。p249
イゴーロナクが追い出せるなら二ーオスもやれるかな。一日かかるけど。
イゴーロナクが追い出せるなら二ーオスもやれるかな。一日かかるけど。
KP
『あなた』はそういうものを犠牲者の肉体から排除する手段を、いくつか知っている。
難しいことではない。こんなもの程度、容易く排除できるだろう。
しかし、あなたはふと嫌な予感を覚えた。
【アイデア】で判定。
難しいことではない。こんなもの程度、容易く排除できるだろう。
しかし、あなたはふと嫌な予感を覚えた。
【アイデア】で判定。
佐倉 光
1d100 85【アイデア】
まず吸わせてやらないと死ぬだろうな、とは思う。 Sasa 1d100→ 84→成功
まず吸わせてやらないと死ぬだろうな、とは思う。 Sasa 1d100→ 84→成功
佐倉 光
あっぶね
KP
不意に、あなたの脳裏に無惨な「遺体」となった彼の姿が浮かぶ。
あの時彼は、怪我一つ残さずに治癒した。
真菌は怪我を癒すという噂が広がっている。
嫌な、予感。
彼の治癒が、あのナイフや女の関与ではないとしたら……。
いま彼の肉体を維持しているのは、『これ』ではないのか?
では、『これ』を排除したならば?
例え「そう」なったとて、人間の肉体程度、『あなた』には好きにできる。
復活させてもよいし、ねじ曲げて別のものに変えてもよいのだ。
しかし。
しかしだ。
彼はいま、魂をあの宮廷に引きずられている。
恐らくは『あなた』を超えるものの力で。
その状態で、一瞬なりとも魂と肉体が離れたならば、彼はどうなる?
あの時彼は、怪我一つ残さずに治癒した。
真菌は怪我を癒すという噂が広がっている。
嫌な、予感。
彼の治癒が、あのナイフや女の関与ではないとしたら……。
いま彼の肉体を維持しているのは、『これ』ではないのか?
では、『これ』を排除したならば?
例え「そう」なったとて、人間の肉体程度、『あなた』には好きにできる。
復活させてもよいし、ねじ曲げて別のものに変えてもよいのだ。
しかし。
しかしだ。
彼はいま、魂をあの宮廷に引きずられている。
恐らくは『あなた』を超えるものの力で。
その状態で、一瞬なりとも魂と肉体が離れたならば、彼はどうなる?
佐倉 光
一瞬でも隙を見せるのは、まずい。
肉体に結びつけておかないと取られる。
そうなると手段は一つしかない。
もう一度『あれ』をやるのだ。
肉体に結びつけておかないと取られる。
そうなると手段は一つしかない。
もう一度『あれ』をやるのだ。
佐倉 光
「あんまいい思い出じゃないんだけどな」
苦笑して拘束を外す。
苦笑して拘束を外す。
佐倉 光
「邪魔して悪かったな」
牧志が起き上がるならこっちから抱こう。
牧志が起き上がるならこっちから抱こう。
佐倉 光
あくまで支配するのは俺たちだ。吸血鬼ごときに選択肢はやらねぇ。
さっさと喰って牧志を返せ。
さっさと喰って牧志を返せ。
牧志 浩太
「あう」
拘束を解かれると、牧志はあなたの肩にふらふらと手を伸ばした。
彼はあなたと腕を交わす。
背中に両腕を回し、溺れた人がそうするように……、いや、意味などないのだろう。
干からびた腕で、あなたの背をきつく抱きしめる。
拘束を解かれると、牧志はあなたの肩にふらふらと手を伸ばした。
彼はあなたと腕を交わす。
背中に両腕を回し、溺れた人がそうするように……、いや、意味などないのだろう。
干からびた腕で、あなたの背をきつく抱きしめる。
牧志 浩太
胸と胸が接触する。
ほとんど止まっていた心臓が、強く跳ねるのが聞こえた。
その強く跳ねる心臓が、瞬く間にあなたから、あなたを吸い上げる。
感じたのは途方もない虚脱感だった。
接触した肌を通じて、あなたの魂と彼の肉体が接続されている。
そこからあなたが吸われる。吸い上げられる。奪われる。
彼の鼓動が強くなる程に、あなたの魂が損なわれていく。
今更逃げ出したいような恐怖を覚えても、がっちりと絡み合った腕は外れない。
ほとんど止まっていた心臓が、強く跳ねるのが聞こえた。
その強く跳ねる心臓が、瞬く間にあなたから、あなたを吸い上げる。
感じたのは途方もない虚脱感だった。
接触した肌を通じて、あなたの魂と彼の肉体が接続されている。
そこからあなたが吸われる。吸い上げられる。奪われる。
彼の鼓動が強くなる程に、あなたの魂が損なわれていく。
今更逃げ出したいような恐怖を覚えても、がっちりと絡み合った腕は外れない。
佐倉 光
心臓の鼓動が強制的に引きずられる。
牧志の音に合わせられる。
その音がひとつ打つたびに魂が砕かれて奪われてゆく。
自己が揺るぐような感覚に我知らず肉体が逃げ出すことを望むように牧志から離れようとする。
それを抑えるようにより強く牧志の背を抱く腕に力を込めた。
牧志の音に合わせられる。
その音がひとつ打つたびに魂が砕かれて奪われてゆく。
自己が揺るぐような感覚に我知らず肉体が逃げ出すことを望むように牧志から離れようとする。
それを抑えるようにより強く牧志の背を抱く腕に力を込めた。
牧志 浩太
「あ、あああ、あう」
彼の眼に不意に、光が戻った。
己の肉体が行う暴挙を止めようと眼球がもがくのに、急くようにあなたから魂を吸い上げる肉体の挙動は変わらない。
彼の眼に不意に、光が戻った。
己の肉体が行う暴挙を止めようと眼球がもがくのに、急くようにあなたから魂を吸い上げる肉体の挙動は変わらない。
佐倉 光
「大丈夫。この程度で俺は消えない」
牧志に聞こえるように、自分の耳に聞こえるように声を張った。
牧志に聞こえるように、自分の耳に聞こえるように声を張った。
佐倉 光
「必要な分食っとけ。神の魂だ。なかなか食えるもんじゃないぞ」
この程度平気だ、と、牧志に知らせるように笑った。
この程度平気だ、と、牧志に知らせるように笑った。
牧志 浩太
「あ、あう、あう」
風船に空気を入れるように、彼の肌が力を取り戻していく。
死の色に変わった肌が生きた色を取り戻し、内側で凝っていた血液が流れだして頬を染める。
臓物が、脂肪が、筋肉が、内側で膨らみ、彼を膨らませていく。
風船に空気を入れるように、彼の肌が力を取り戻していく。
死の色に変わった肌が生きた色を取り戻し、内側で凝っていた血液が流れだして頬を染める。
臓物が、脂肪が、筋肉が、内側で膨らみ、彼を膨らませていく。
牧志 浩太
「あ、ああ、佐倉さん、佐倉さん、そんな、」
牧志の眼がもがく。
それなのに、すっかり吸い尽くすまで、彼の腕はあなたから離れない。
牧志の眼がもがく。
それなのに、すっかり吸い尽くすまで、彼の腕はあなたから離れない。
佐倉 光
今日は大丈夫。少なくとも今日は問題ない。
牧志 浩太
「あ……、」
一瞬にも永劫にも感じた時間の後、指先があなたの背から離れた。
呆然と座り込む彼が出来上がったとき、あなたは己を構成する魂が、彼に与えた分だけ減ったのを感じた。
これは、あなたが神でなければ随分とやられていただろう。
もしかすると、もう数日すれば、あなたの魂すら呑み干してしまうだろう。
そうしたところで『あなた』が滅ぶことはないが、あなたという化身は尽きてしまうかもしれない。
一瞬にも永劫にも感じた時間の後、指先があなたの背から離れた。
呆然と座り込む彼が出来上がったとき、あなたは己を構成する魂が、彼に与えた分だけ減ったのを感じた。
これは、あなたが神でなければ随分とやられていただろう。
もしかすると、もう数日すれば、あなたの魂すら呑み干してしまうだろう。
そうしたところで『あなた』が滅ぶことはないが、あなたという化身は尽きてしまうかもしれない。
KP
彼の中で蠢く何かがあなたに触れるのを感じたが、それがあなたを侵すことはなかった。
KP
あなたは、【POW】11を永久喪失する。
Sasa 🎲 Secret Dice 🎲
🎲 Secret Dice 🎲
Sasa 🎲 Secret Dice 🎲
🎲 Secret Dice 🎲
佐倉 光
この場合減ったのは『佐倉の』【POW】15ではなくて、『人間体ニャル佐倉』の【POW】100が削れたということでしょうか。
KP
そうです。人間体ニャル佐倉さんの【POW】100から減らしてください。
牧志が呑んだのは神の魂。
牧志が呑んだのは神の魂。
佐倉 光
クリティカルのおかげで迷わず『じゃあ食わせます』ができるのありがたい。
そのへん、まだ人間がどの範囲までなのか良くわかんないからなぁー。
正気度 はイカれそうかも。
そのへん、まだ人間がどの範囲までなのか良くわかんないからなぁー。
正気度 はイカれそうかも。
KP
あそこでクリティカルした佐倉さんえらい。
そして気づいたら佐倉さん喰ってた牧志にむしろ《SANチェック》なのでした。
そして気づいたら佐倉さん喰ってた牧志にむしろ《SANチェック》なのでした。
牧志 浩太
「あ、ああ……、」
その手が、へたりと落ちる。
その手が、へたりと落ちる。
牧志 浩太
「……ああ……、俺……、やられてた、んだな」
ようやく牧志に戻った身体で、彼は茫然と自分の指先を満た。
あなたの魂を呑んだからだろうか、痣はまた赤々と肌の上に刻まれていた。
ようやく牧志に戻った身体で、彼は茫然と自分の指先を満た。
あなたの魂を呑んだからだろうか、痣はまた赤々と肌の上に刻まれていた。
佐倉 光
「せっかく……」
真っ赤な痣を見て思わずこぼれた言葉を呑み込んだ。
真っ赤な痣を見て思わずこぼれた言葉を呑み込んだ。
佐倉 光
「大丈夫、あの時みたいに痛くはないから、随分耐えやすいんだ」
手を差し伸べる。
手を差し伸べる。
牧志 浩太
差し伸べられた手を取りたくて指先が動いて、躊躇って拳を緩く握った。
牧志 浩太
「……、我慢もできなかったんだ。
気がついたら、もうやってた」
傍らに落ちたままのロープを手繰り寄せて、彼は呟く。
気がついたら、もうやってた」
傍らに落ちたままのロープを手繰り寄せて、彼は呟く。
佐倉 光
こちらからその手を取って引き起こす。
牧志 浩太
彼はその手を振り払えなかった。
引き起こされるままに立ち上がる。
引き起こされるままに立ち上がる。
佐倉 光
「しょうがねぇだろう、我慢したら死ぬんだ」
牧志 浩太
「あの時とは違って、肉体の方が強いみたいなんだ。
途中で気がついても、身体が全然動いてくれなかった。
俺を無視して、勝手に俺の脳に佐倉さんの魂を注ごうとするんだ……」
途中で気がついても、身体が全然動いてくれなかった。
俺を無視して、勝手に俺の脳に佐倉さんの魂を注ごうとするんだ……」
佐倉 光
「俺はまだ大丈夫。ただ、あの時と同じで長持ちはしない。
今回お前の中にいるヤツは随分大食いみたいだ。
それなら排除しちまえばいい……んだけど、それも危険だと思うんだ」
自分の嫌な予感について話す。
今回お前の中にいるヤツは随分大食いみたいだ。
それなら排除しちまえばいい……んだけど、それも危険だと思うんだ」
自分の嫌な予感について話す。
牧志 浩太
「そうか……、俺は一度、死んだから。
そうだろうな、そう思う。あの時よりずっと不確かなんだ。
いま気がついてから、身体の感覚がおかしい。
何かに支えられてるような感じだ」
そうだろうな、そう思う。あの時よりずっと不確かなんだ。
いま気がついてから、身体の感覚がおかしい。
何かに支えられてるような感じだ」
牧志 浩太
「これがきっと、そいつなんだな」
牧志は、痣で赤く染まった胸に手を当てた。
彼自身の手で、あの時一度抉り取られたのだろう心臓だ。
牧志は、痣で赤く染まった胸に手を当てた。
彼自身の手で、あの時一度抉り取られたのだろう心臓だ。
牧志 浩太
「親玉を探して撃てば、俺も一緒に死ぬ。
追い出せば、やっぱり俺は死ぬかもしれない、か……、くそ」
追い出せば、やっぱり俺は死ぬかもしれない、か……、くそ」
牧志 浩太
「佐倉さん、ごめん、ありがとう。
あのままだと、シローをやってたな。そうしたら同じ目に遭わせてたかもしれなかった」
あのままだと、シローをやってたな。そうしたら同じ目に遭わせてたかもしれなかった」
牧志 浩太
「助かった。ごめん」
佐倉 光
「ああ。俺に余裕があるうちに、何か突破口を見つけよう」
佐倉 光
「その笛の音さえ何とかなりゃあ、中のヤツ追い出して生き返らせることだってできる。
俺を呼んだヤツなら何か知っているだろうし、締め上げて事情を聞き出して……」
俺を呼んだヤツなら何か知っているだろうし、締め上げて事情を聞き出して……」
牧志 浩太
「二日後って言ってたな、あいつ。
明日の夜か。
笛の音の件もあるから急ぎたいけど、最悪そこまで行けば、確実に話は聞ける。
俺がまた喋れなくなりそうなのが嫌だけど。
……記憶がない……、
もしかして、あの夜も俺、ああなってたのか」
明日の夜か。
笛の音の件もあるから急ぎたいけど、最悪そこまで行けば、確実に話は聞ける。
俺がまた喋れなくなりそうなのが嫌だけど。
……記憶がない……、
もしかして、あの夜も俺、ああなってたのか」
佐倉 光
「そうか、確かに時間帯的にそうなる可能性はあるんだ。
『食事』を済ませれば正気に戻れるなら、何とかなるんじゃないか……
タイミングにも寄るが」
『食事』を済ませれば正気に戻れるなら、何とかなるんじゃないか……
タイミングにも寄るが」
牧志 浩太
「ああ、だといいな……」
佐倉 光
「お前がそうなってるのと同じように吸血鬼が増えているとすると、
東京も割とまずい状況だな。早いところカタをつけないと」
周囲に吸える人間がいなかった場合、吸血鬼は死ぬのか?
そうなると単純な倍々ゲームで増えるわけではないのか……?
東京も割とまずい状況だな。早いところカタをつけないと」
周囲に吸える人間がいなかった場合、吸血鬼は死ぬのか?
そうなると単純な倍々ゲームで増えるわけではないのか……?
牧志 浩太
「そうか、あの一日の間に、俺以外にも増えてるかもしれないんだな。
ああ、みんなが心配だ。
早くけりをつけないとな」
ああ、みんなが心配だ。
早くけりをつけないとな」
佐倉 光
「俺には力があるはずなのに、ままならねぇな。
俺がまだ人間だからなのか」
折角牧志からあいつの、『俺』の干渉を引き剥がすことができそうだったのに元の木阿弥になってしまったのも、俺が不完全だからなのか。
俺がまだ人間だからなのか」
折角牧志からあいつの、『俺』の干渉を引き剥がすことができそうだったのに元の木阿弥になってしまったのも、俺が不完全だからなのか。
牧志 浩太
「案外、神ってのも難しいんだな」
牧志はあなたを引き留めるように、軽く手を握った。
牧志はあなたを引き留めるように、軽く手を握った。
佐倉 光
「……」
牧志に声をかけられ手を握られ、ふと引き上げられたような気がした。
たまに自覚なく『俺』という海に沈んで行っているような気がする。
牧志に声をかけられ手を握られ、ふと引き上げられたような気がした。
たまに自覚なく『俺』という海に沈んで行っているような気がする。
佐倉 光
「そうだな。意外とできることは多くないみたいだ」
牧志 浩太
「佐倉さん、もし昨日同じようなことがあったんなら、何か騒ぎが起きてるかもしれない」
牧志はスマートフォンを手に取る。
牧志はスマートフォンを手に取る。
佐倉 光
「ああ、確かに」
牧志はすっかり元通りの頼れる相棒だ。
失いかけたことを、今まさに危機に引き寄せられ続けていることを思えば安心はできないが、それでも安堵する。
牧志はすっかり元通りの頼れる相棒だ。
失いかけたことを、今まさに危機に引き寄せられ続けていることを思えば安心はできないが、それでも安堵する。
佐倉 光
では、SNSなどに気になる情報がないかチェックしよう。
KP
SNSは昨日と様変わりしていた。
ゾンビを見た、ゾンビに襲われたといった情報が溢れている。
稗田の昨日の発言は不謹慎だ、怖い、といった大量のリプライでパニック状態を呈していた。
また、「奇妙な幻覚を見て事故を起こしたといった事件が増えている。
パニックによるものか、暴行事件等が昨夜から多発している」というニュースが通知に入っている。
その二つでネットの上は混乱状態に陥っているというのに、ふと顔を上げれば、窓の外の街は奇妙なほどに、いつも通りの朝の静けさをたたえていた。
ゾンビを見た、ゾンビに襲われたといった情報が溢れている。
稗田の昨日の発言は不謹慎だ、怖い、といった大量のリプライでパニック状態を呈していた。
また、「奇妙な幻覚を見て事故を起こしたといった事件が増えている。
パニックによるものか、暴行事件等が昨夜から多発している」というニュースが通知に入っている。
その二つでネットの上は混乱状態に陥っているというのに、ふと顔を上げれば、窓の外の街は奇妙なほどに、いつも通りの朝の静けさをたたえていた。
新世界
KP
めちゃくちゃどうでもいい話、「新世界」って言われると大阪某所を思い出してしまう今話でした
(初KP時はKPCが関西人だったため、随所でネタにされた)
(初KP時はKPCが関西人だったため、随所でネタにされた)
佐倉 光
BARかしら
いや下町の名前なのか。
随分小規模な創世神話だな。
町内会長にされる双子の神!
いや下町の名前なのか。
随分小規模な創世神話だな。
町内会長にされる双子の神!
KP
なのです。>下町 通天閣とかあるあたり。
商店街の創世神話!
商店街の創世神話!
佐倉 光
「思っていたより犠牲者が多いな。
始まったのが昨日じゃないのか、一気に大量に出ているのか。
シローには夜の外出をさせないようにしよう」
波照間さんや他のメンバーにも伝えておかないとな。
とっくに把握している気もするけど。
始まったのが昨日じゃないのか、一気に大量に出ているのか。
シローには夜の外出をさせないようにしよう」
波照間さんや他のメンバーにも伝えておかないとな。
とっくに把握している気もするけど。
牧志 浩太
「もしかしたら、だけど……、
一人で足りなければ一夜に何人も襲うとか、そういうことがあるのかもしれない。
ああ、そうしよう。
先輩には俺からも連絡する。あと東浪見にも」
牧志はそう言うと、スマートフォンを取って連絡を始める。
一人で足りなければ一夜に何人も襲うとか、そういうことがあるのかもしれない。
ああ、そうしよう。
先輩には俺からも連絡する。あと東浪見にも」
牧志はそう言うと、スマートフォンを取って連絡を始める。
佐倉 光
「ゾンビ騒ぎはニーオス=コルガイのせいとすると、夜のうちに回復したヤツは人に戻り、できなかったヤツはそのまま滅びるのかな。
それで朝には、見た目はいつも通りに戻るのか」
それで朝には、見た目はいつも通りに戻るのか」
佐倉 光
「昨日チラシ配ってたヤツは見るからにゾンビじみていたけど、夜間に吸いきれなかったのかな。
人間だったら吸い殺されてもおかしくない勢いだったからなぁ、一人ではまかなえない可能性もある。
ただの病人って可能性もあるが」
人間だったら吸い殺されてもおかしくない勢いだったからなぁ、一人ではまかなえない可能性もある。
ただの病人って可能性もあるが」
牧志 浩太
「どうだろう、まだこの辺まで来てないだけの可能性もあるな。
スタジオまで行く時に、辺りをよく見た方がよさそうだ」
スタジオまで行く時に、辺りをよく見た方がよさそうだ」
佐倉 光
今日の調査にはあまり期待が持てないが……
もしかすると、牧志の体から異物を追い出す準備でもした方がいいのではないだろうか?
そんな疑念を抱きつつも、何故か気になって仕方がなかった。
これは勘ってやつなのか、運命力ってやつなのか。
もしかすると、牧志の体から異物を追い出す準備でもした方がいいのではないだろうか?
そんな疑念を抱きつつも、何故か気になって仕方がなかった。
これは勘ってやつなのか、運命力ってやつなのか。
佐倉 光
「まるで悪夢を見ているみたいだ」
牧志 浩太
「悪夢……、か」
佐倉 光
シローの様子を見に行こう。
起きるようなら、何かあっても夜には絶対外に出るな、玄関を開けるなと厳命しないと。
起きるようなら、何かあっても夜には絶対外に出るな、玄関を開けるなと厳命しないと。
KP
シローは目を覚まして、布団の中で眠そうにしていた。
「さくら、まきし、おでかけ?」
眠そうな目を瞬きながら、不安そうに言う。
何か起きていることに、それが解決してなどいないことに、薄々気づいている。
「さくら、まきし、おでかけ?」
眠そうな目を瞬きながら、不安そうに言う。
何か起きていることに、それが解決してなどいないことに、薄々気づいている。
佐倉 光
「ああ、悪いな、また何か起きてて、二人ともちょっとやられているんだ。
何とかするためにちょっと出かけてくる」
何とかするためにちょっと出かけてくる」
佐倉 光
「大丈夫、時間はかかるかも知れないけど、いつも通り何とかして戻ってくるから」
佐倉 光
「今回街全体がおかしなことになってるから、なるべく外には出ないでおいてくれ。
特に夜は、誰が来ても絶対開けるな。俺達でもだ。分かった?
命の危険を感じたら迷わずに波照間さんや東浪見や警察の人を頼ること。Ok?」
特に夜は、誰が来ても絶対開けるな。俺達でもだ。分かった?
命の危険を感じたら迷わずに波照間さんや東浪見や警察の人を頼ること。Ok?」
KP
「さくらでも?」
シローは困惑したように目を瞬き、布団の端をぎゅっと握りしめる。
シローは困惑したように目を瞬き、布団の端をぎゅっと握りしめる。
佐倉 光
「そう。そもそも俺達なら鍵を持ってるし、シローが開けてくれなくても何とかするから」
不安がらせてしまうが、今回のは本格的にまずそうだから注意はしないとな。
最悪ゲートを開くって手も……あるかな。
不安がらせてしまうが、今回のは本格的にまずそうだから注意はしないとな。
最悪ゲートを開くって手も……あるかな。
KP
「……わかった。さくら、まきし、きをつけてね」
シローは何度も頷いて、不安そうに窓の外を見た。
シローは何度も頷いて、不安そうに窓の外を見た。
牧志 浩太
「先輩と東浪見、それから大学の友達に連絡取ってみた。
先輩は東雲さんの所へ行くらしい。
東浪見は無事だって。
休日だからかな、まだ寝てるのか連絡つかないのが何人か」
先輩は東雲さんの所へ行くらしい。
東浪見は無事だって。
休日だからかな、まだ寝てるのか連絡つかないのが何人か」
佐倉 光
「みんながみんなさっきみたいに途中で起きるとは限らない。
昼間は人間の振りをしていたり、自覚がないパターンも考えられるのがなぁ」
昼間は人間の振りをしていたり、自覚がないパターンも考えられるのがなぁ」
牧志 浩太
「かもしれないな……。
俺だって、夜まで気づかなかったんだ。全然。
寝てるうちに吸われて気づかなかった、なんてこともあるのかもしれない」
俺だって、夜まで気づかなかったんだ。全然。
寝てるうちに吸われて気づかなかった、なんてこともあるのかもしれない」
佐倉 光
そう、もう誰も信用できない状態になってしまっている。
シローには一人で耐えて貰うしかないんだ。
シローには一人で耐えて貰うしかないんだ。
牧志 浩太
「出ようか。
今のうちに出れば、少し早めに着けそうだ」
今のうちに出れば、少し早めに着けそうだ」
佐倉 光
「ああ、外の様子も見たいしな。行こう」
出かけます。朝食はそういう話をしながら三人で食べたってことにしていいですか。
出かけます。朝食はそういう話をしながら三人で食べたってことにしていいですか。
KP
朝食は食べたことにしてokです。
牧志 浩太
牧志はすぐに戻れないだろうと思ってか、シローの昼食も用意して出る。
MIDNIGHT DEJAVO
MIDNIGHT DEJAVO
TRPGリプレイとかゲーム関連
コメント By.佐倉 光
わからないままにもがき続ける二人。
以前に聞いた名を見ることになるが……
わからないままにもがき続ける二人。
以前に聞いた名を見ることになるが……
【クトゥルフ神話TRPG】
本作は、「 株式会社アークライト 」及び「株式会社KADOKAWA」が権利を有する『クトゥルフ神話TRPG』の二次創作物です。
Call of Cthulhu is copyright ©1981, 2015, 2019 by Chaosium Inc. ;all rights reserved. Arranged by Arclight Inc.
Call of Cthulhu is a registered trademark of Chaosium Inc.
PUBLISHED BY KADOKAWA CORPORATION 「クトゥルフ神話TRPG」
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