こちらには
『レプリカの心相
のネタバレがあります。
本編見る!
佐倉 光
風呂を出る。
佐倉 光
まだ考えはまとまらないが、寝る前にしておきたいことはある。
浩太は今何をしているだろう。
KP
風呂を出れば、温まった身体がわずかに冷え、微かな眠気を誘う。
浩太
彼は布団を敷き終わったベッドに腰かけて、ぼんやりと自分の膝の上を見ていた。
その膝の上にはメモ帳があり、彼の手にはペンがある。
メモ帳には何も書かれていなかった。
佐倉 光
その姿をしばらく見つめていた。
懐かしいような苦しいような気がした。
深呼吸してから話しかける。
佐倉 光
「浩太、忙しい?
寝る前にちょっとやっときたいことがあるんだ」
浩太
「いや、大丈夫。やりたいことって?」

彼はペンの後ろからキャップを抜き、キャップを閉じて振り返る。
新品らしいペンのキャップに、何かに打ちつけたような跡が微かに残っていた。

そういえば、その傷には覚えがある。
キャップをペンの後ろにつけて、カン、と小さく打ちつけて固定する仕草。
佐倉 光
ほらみろ。『彼』は牧志になりたがっている。そうあるべきなんだ。
佐倉 光
「夕方に『悲しい』映画見たろ?」
佐倉 光
「その、たぶん本当の見方を思い出してもらおうと思って」
『喜び/幸福』のカードを見せたときの方が違和感がなかった。きっとあっちの方が『正しい』。

リビングで最初に回したギャグ映画の続きを回そう。
佐倉 光
『喜び/幸福』のカードを見せるつもりだけど、再判定かな?
KP
「上書きして発現させ直す」つもりでやるのなら、再度〈覚えさせる〉で判定。
佐倉は〈覚えさせる〉判定に成功。
浩太
映画は終盤だった。
突然の笑いで腹を殴りつけたあと、呼吸を奪おうと絶えず繰り出されるジャブに似て、息もつかせず笑いが襲い掛かる。
浩太
「しぬ」
もうその一言しか言えず、彼は地面をのたうち回って笑い転げる。
雨の音しか聞こえない場所を、笑いが染めた。
佐倉 光
笑い転げる浩太のとなりで笑いながら泣いて、やっぱり笑っていた。
浩太
「佐倉さん、俺……、 たのしい」
映画のエンドロールを眺めながら、彼はぽつりと呟いた。
浩太
「ここにいたい」
ちゃんと笑いが発現しているはずなのに、なんだか泣きそうに見えたのは、きっとあなたが泣いているせいだ。
浩太
「佐倉さんのところに、いたい」
佐倉 光
嬉しさと悲しさと、他にも良く分からない感情が溢れだした。
佐倉 光
「そっ、か。
俺もいて欲しいと思ってるよ」
浩太に?  牧志の代わりに?  いつか牧志と交換できるかもしれない生け贄として?
佐倉 光
「俺はただ、今楽しいと思ったんだ」
自分に言い聞かせるように呟く。
佐倉 光
「悪い、どうしても変なことを教えたのが気になっててさ。
もう、寝ようか」
浩太
「ああ、寝ようか」
彼はやわらかく微笑んだ。
佐倉 光
ディスク片付けて寝室に行こう。
浩太は着替えてる?
浩太
彼は先に着替えている。
牧志が着ていたのと、同じ見た目の寝間着だ。
そうしてペンを手に持っていると、異なるものはもう、その表情だけだ。
佐倉 光
どんな動機だろうと、感情だろうと、浩太を育てることだけは決まっているし、一緒にいて欲しいと思っている。
佐倉 光
問題は、俺の感情だけだな。

ベッドの片側に寝転がる。
浩太
彼はあなたの動きに応えるように、あなたのそばに寝転がった。
彼の体温と気配、微かな呼吸の音が伝わってくる。

あなたに顔を向けて、背であなたを守るように寝転がる姿からは、つい二ヶ月ほど前の出来事が思い出された。
佐倉 光
ロボットが呼吸をするのか。
それはそうだろう、必要なくても『必要』だ。

大人が必要だとか、あの家に住めるとか、生活を変える必要がないとか、どうでも良かった。
ただ、牧志がいないことが哀しかった。
その痛みは、浩太の体温を感じていると少し和らいだ気がした。
佐倉 光
そうして久しぶりに、眠った。
無意識に浩太の方へ手を差し出して。
浩太
あなたの傍らで、彼は静かに目を閉じる。
そっと、あなたの手を取った。
KP
【アイデア】で判定。
佐倉 光
1d100 85【アイデア】 Sasa 1d100→ 89→失敗
KP
広々としたベッドの上で、目を閉じる。
彼に眠る機能はあるのだろうか。隣からは一定のリズムの呼吸音が、静かに聞こえてきていた。

異様な状況、異様な一日。その疲労感のままに、重いまぶたを閉じる。

大切なものが消えても、絶望が心を焦がしても、それでも世界は何一つ変わらず、夜は今日も深まっていく。
あなたの小さな体は、否応なしにあなたの意識を闇へと滑り落としていった。
佐倉 光
流されるままの1日。
ひとりぼっちの快適な檻の中。

『彼』はそこにいるのだろうか。
それともただ、人形に想い出を重ねて錯覚をし、独りで話しているだけなのだろうか。
そもそも俺は、何を作ろうとしているのだろうか。

取り留めもない思考を指先に絡め、眠りへと落ちて行く。
KP
彼の寝息、いや、空気の鞴の規則的な作動音が、ずっと耳に聞こえていた。

KP
ふと、瞼に光を感じて目を開ける。
どうやら寝室の小窓から、微かに朝の光がさしてきている。

気がつかぬうちに、どうやらもう朝になっていたようだ。
久しぶりに味わった十分な眠りは、意識と身体からすっきりと疲労を抜いていた。
浩太
「おはよう、佐倉さん」
彼はすでに着替えを終え、ベッドに腰かけていた。
彼が着ているその服は、牧志が着ていたものとそっくりだった。
佐倉 光
悪い夢から覚めたような、すっきりした目覚めだった。
佐倉 光
「おはよう、牧志……」
佐倉 光
「浩太。おはよう。良く眠れたか?」
馬鹿げた問いかも知れなかったが、自分のために口にした。
呼び名
佐倉 光
うっかりするたびにフルネームで呼ぶ人みたいになってら。
KP
「浩太」の方が距離が遠いのがつらい味わい。
佐倉 光
普通逆なんだけどなぁ。
KP
なんですけどね。
佐倉 光
牧志も親しくなっても名字にさん付けだし。
KP
どちらも名字呼びがアイデンティティになってるんですよね。
佐倉さんにとって「牧志」が牧志を示す言葉だし、牧志にとっては「佐倉さん」がそう。
佐倉さんが子供になっても結局変えられなかった。
佐倉 光
状況によってたまに『光』と呼べって言ってるんだけどほとんどそれで呼ばれたことがない。
KP
そう、ない。
最初はそうしようとしたけど無理だった。
そういえば、出たのは本編の方だけど、歯ブラシの名前も「さくら」と「まきし」なんですよね。
佐倉 光
そういえばそうなんですよね。
普段そう呼んでるからか。
KP
普段そう呼んでるからですね。
テープ作ったのたぶん牧志。
佐倉 光
確かに佐倉は作らなさそう。
KP
牧志の方がそういうとこまめそうですよね。

浩太
「どうかな、分からない。
雨、止んだみたいだな」
彼は静かな表情で、胸に手を当てて言う。
昨日出会った時よりも、随分とその声が生きて聞こえるのは、錯覚なのだろうか。
KP
言われてみれば、外からはもう雨の音がしなかった。
佐倉 光
「そうだな、ひとまずは」
佐倉 光
「今日は外に出られそうだ。
散歩してみるのもいいか。
中庭の向こうも気になるしさ」
佐倉 光
トイレに洗顔にブラッシング。久しくまともにしていなかったメンテナンスをゆっくり行う。
終わったら動きやすそうな服に着替えよう。
浩太
「いいな、そうしよう。
朝を食べたら散歩してみようか」
彼は穏やかな声で頷く。
相変わらず、平然とした顔に表情はない。
浩太
彼はあなたの横で歯を磨く。
ひとつずつの歯ブラシに、名前は巻かれていなかった。
佐倉 光
うーん。こういうのでいちいち笑えって指示するのもどうかと思うんだけど。
微笑くらいはして欲しいかなー。
控えめに『喜び/幸福』のカードを見せる。
覚えさせる~!
佐倉は〈覚えさせる〉判定に失敗。
浩太
彼は表情を変えることなく、静かにカードを見ていた。
しばらくしてキッチンに向かうと、冷蔵庫から卵を手に取る。
佐倉 光
駄目か。まあ、笑いたくない気分ってのもあるよな。
佐倉 光
いきなり怒り始めたりしなくて良かった。
浩太
卵とベーコン、それから野菜を少し。
何となく、彼が作ろうとしているメニューが分かる気がした。
ベーコンエッグだ。野菜は付け合せだろう。
佐倉 光
それじゃあ今日は野菜の処理手伝おう。生野菜なら洗ってちぎって盛る。焼き野菜ならできる分カットする。
浩太
脂の焼けるよい匂いが、フライパンの中から漂ってきた。
彼が手早く卵を落とす横で、あなたは野菜を洗い、ちぎって盛る。

慣れ親しんだメニューだった。
いつもの、朝食だ。
佐倉 光
浩太は牧志の記憶を持っている。おそらく。
ただそれは日常の意識しない行動や性格を形成する土台が見えるだけだ。

俺をかばうのは模倣だとする。しかしかばう理由はどこにある。
大人だから?  友人だから?  それとも牧志ならそうするから?

もしかすると、その材料となる経験や記憶も持っているのかもしれない。
ただそれは感情と同じように発現していないだけなのかもしれない。

都合の良い思い込みと一笑に付すには、その考えはあまりに合理的で魅力的だった。


例えばこの朝食だ。
なんの変哲もない、といえばそうだけど、記憶が全くないなら『いつもの朝食』になるだろうか?

考えながら食器を出す。今度は落とさないように……
KP
辺りから鳥の声はしなかった。人の声も、何かの物音もない。
やさしくて静かすぎる朝の光を浴びながら、あなた達は朝食に口をつける。

窓の外に見える空は青く、雲一つ見えない。
雨粒を纏った草木は、そよ風に揺れるたびに朝陽を反射して、きらきらと輝いていた。

まるで何もかもがつくりものの、冷たい朝のようだった。
佐倉 光
「デヴァ・ユガの方がよほど現実っぽかったな」
ぽつりと呟いて、いただきますと手を合わせる。
大人の時も一応それらしいことはしていたが、小学校でさんざんちゃんとやるようにと叩き込まれたのだ。

テレビつけても番組なんかはやってない感じかな?
KP
テレビをつけても、番組のたぐいはやっていなかった。
ここに外部の電波は来ていないらしい。
佐倉 光
まあそんな気はした。
浩太
彼は「いただきます」とひとこと呟いて料理を口にする。
寂しそうな、どこか辛そうな憂い顔が、朝食のひとときを染めていた。
佐倉 光
「……どうかしたのか?」
その顔にちょっとためらって問いかける。
浩太
彼は答えず、言葉を詰まらせたように沈黙した。
そうして随分な間を置いて、ようやく言葉を出した。
浩太
「さびしい」
佐倉 光
「さびしい?
まあな、ここ人気ないしな。だからか?」
牧志は人と関わるのが好きなヤツだ。同じ感性があるなら、ここは寂しく感じるかもしれない。
佐倉 光
「後で探検に行こうぜ。
今日ならお前でも中庭の向こう、行けるだろ?」
浩太
彼はまるで昨日の空のような憂い顔で、小さく頷いた。
結局、食事をすっかり終えるまで、彼はずっと泣きそうな顔をしていた。
佐倉 光
なんだろう。昨日失敗したからなのか、それとも本当に寂しがってるのか……わかんねぇ。
佐倉 光
「飯、美味かったよ。ありがとう。
浩太は?  味覚ってあるのか?」
浩太
「そうか、それはよかった」
味覚があるのか、という問いに、彼は答えなかった。
先程の辛そうな表情も、もう消えている。

ただ、昨日と同じように淡々と食器洗い機に食器を入れ、朝食の痕跡を片付けていく。
佐倉 光
ただの認識エラーでは?  という気がしなくもないが! 
別に食事は笑顔でとらなきゃいけないわけじゃないし、むっずかしいな!
そういえば呼び方が「きみ」から「おまえ」になった。
KP
話しかけ方がラフになっているというか、牧志と話す時に近い口調になりつつありますよね……。最初は距離を取っていたのに。
佐倉 光
皿を近くまで運ぶのを手伝おう。
テーブルを拭くくらいはまあ俺でもできるし。
佐倉 光
感情を教えるって思いのほか難しいよなぁ。
あいつよく笑ってたし、そうするとずーっと『喜び/幸福』のカードを突きつけてなきゃいけないことになるしさ。
痛みを教えるには? 昨日みたいな事故でも起きない限り無理だろ?
なんかつらーい感じの本でも読めばいいのか?

本になんかそういう暗い話題の本などあるだろうか。
なんとなく飛び出し絵本が気になって抜き出して読んでみる。これは俺の個人的な興味だ。
KP
飛び出し絵本を開くと、ティラノサウルスとサメがババン! と飛び出してきた。
昔の生き物の絵本だ。
佐倉 光
浩太に飛び出し絵本を「飛びだす」と伝えないでババーンしたい……
佐倉 光
けどあいつもきっと目がいいから飛び出し絵本だって開ける前からバレそうだな。
やるだけやってみよ。
KP
暗い話題の本を探すのなら、古典の悲劇から鬱展開のライトノベル、ホラーものの漫画、グロ漫画なども取りそろえられている。
我が子を失った科学者が、子供を造り直そうとして恐るべき研究に手を染める話がある……。
佐倉 光
あまり今の俺達に関係ない感じのネタで選ぼう。
色々と難しいことになる。感情が。主に俺が。
割と単純なホラーにしよう。

※ホラーのアドベンチャーゲームを遊んで貰って横からカードババーンするのはちょっと考えたんですけど、本使ってないし折角だから!
KP
では、バネを使った飛び出し絵本で、ティラノゾンビがベチン! と飛び出してくるものを見つけた。
ついでに音も仕込まれていて、飛び出す瞬間にガオー! というリアリティのない吠え声がする。
佐倉 光
なんとなく進む方向が定まってきました。
これでいいのかどうかは良く分からないけど。
KP
これでいいのかどうかはこの後のお楽しみ。
佐倉 光
「浩太ー。本読もうぜー」
極力意図を読まれないように平静を装って呼ぶ。
佐倉 光
「これがさー」
言いながら不意打ちで開いてびっくりさせてみる!
浩太
彼は素直に寄ってきて、本を覗き込んだ。

その瞬間…… バチィン! ガオーッ!! 彼の顔めがけてゾンビが飛び出し、吠え声が轟く!
佐倉 光
すかさず『驚き/混乱』のカードだ!
覚えさせる。
佐倉は〈覚えさせる〉判定に成功。
浩太
「うわぁっ!?」
あなたはその瞬間に、すかさずカードを見せる。
一瞬だけ遅れて、仕掛けを平然と迎えた顔が驚きに染まった。
思わず本を放り出して尻餅をつく。
佐倉 光
このズレは、なんか合わせてもらった感が否めないがまあ仕方ない。
浩太
「び、びっくりした! これめちゃくちゃ凝ってるな!?」
目を見開き、胸を押さえて大きく息をつく。
佐倉 光
「なかなか面白いよな」
うまく行って良かった~!
驚きを教えるの結構難易度高くないか!?
浩太
「う、うん、すごく凝ってるし、面白い、けど。
突然でびっくりした」
佐倉 光
「うん。びっくりさせようと思った」
びっくりするであろうことをして、「はい驚いて!」って指示するの、間抜けだよな。
佐倉 光
あとは、泣けるドキュメンタリーとか……あったよなぁ。ディスクをごそごそ探す。
人がバタバタ死ぬとか、そういう、酷い感じの短いの探そう。
KP
ごそごそと探すと、隕石をきっかけに未知の疫病が流行って人が次々と死んでいく中、地球の反対側に分かたれた二人が互いを探しに行く……、という短い映画が見つかった。
30分程度しかなく、さっくりと見られそうだ。
佐倉 光
またなんか佐倉まで感情移入してしまいそうな映画だなぁ。
佐倉 光
丁度いいかも。これにしよう。
壮大なストーリーの割に短いってことは、要素が整理されて圧縮されているだろう。
感情を掻き立てるのに向いているんじゃないだろうか。
ディスクを再生する。
佐倉 光
牧志は、自分に全く関わりない人間の人生の痕跡にも悲しみを抱ける奴だったんだ。
最初は何てお人好しかと思ったな……
KP
その水に触れた生き物は、溶けて水になってしまう。
いずれ誰もが溶けて死ぬのだと分かったとき、二人は互いを探しに行くことにした。

少しずつ傷つき傷つきながら、長い長い旅をする二人の姿が映像の主体だった。

少しずつ滅んでいく世界が、シーン転換で映し出される。
最初のうちこそ使えた飛行機が、船が、少しずつ使えなくなっていく。
最後の車の燃料がなくなって乗り捨てた時には、世界はもう、水になって溶けてしまったあらゆる生き物たちの、冷たい海になっているのだ。

降り続く雨が、死の水が、世界を海に沈めていく。
そうして世界の最後の陸地で出会った二人がとうとう手を繋ぐとき、繋いだその手を波が呑み込んで、映画は終わる。
佐倉 光
青に染まるぅ
KP
染まるぅ。
佐倉 光
意外と難しいテーマだ。
途中のシーンでは『痛み/苦痛』『悲しみ/絶望』、最期のシーンでは『悲しみ/絶望』『喜び/幸福』かな……
佐倉 光
不条理への怒りというのもあるしなぁ。
でも牧志はあまりそういうのはなかったかな。
佐倉 光
物語の節目でカードを差し出す。
雰囲気ぶち壊れるが仕方ない。
一度覚えればあとは見せなくてもいい筈だしな。
佐倉 光
とはいえちょくちょく自分が物語に見いってしまって機会を逃した。
浩太
彼は、静かに画面に見入っていた。
代わる代わる映される風景を照り返すその眼には、何も浮かんでいないように見えた。
佐倉は〈覚えさせる〉判定に成功。
浩太
彼は、静かに見入っていた。
少しずつ表情が歪み、その眼にぼんやりとした涙を抱えて、静かに映像に見入っていた。
佐倉 光
希望の欠片が次々と水に呑まれ世界が沈黙して行くなか、ひたすらに互いを求めて進み続ける二人が、最後に奇跡を起こすことを願って観ていた。
そんなものはどこにもないとはっきり提示されているのに。
神もおらず、都合良く見つかる超科学もなく、時間が巻き戻ることもなかった。
浩太
「寂しいな……、寂しい、映画」

ふと温かいものを手に感じた。
彼が、あなたの手に手を重ねていた。離すまいと握っていた。
佐倉 光
牧志とはもう手をとることもできない。
そう思った途端に手に暖かいものが重ねられて背を反らす。
佐倉 光
「ああ、寂しい」
呟いて一瞬躊躇い、握り返した。
佐倉 光
誰だよこんなの観ようと思った奴!
俺だよ!!
浩太
エンドロールが終わった後の真っ黒な画面を、彼はあなたの手を握りしめたまま見つめていた。
浩太
「外、行こう」
黒い画面から目をそらして、彼は窓の外を見上げた。
目が痛くなるほどの青空が、冷たく広がっていた。
佐倉 光
「そうだな。いい加減ここも飽きたよな。
出ようか」
右側の扉を開けて外に出よう。

KP
扉を開けると、爽やかな陽の光があなたの全身に降り注いだ。
しかし暑いということはなく、ちょうど少し歩きたくなるような気候だ。

見上げてみれば、周囲はやはり人気のない建物に取り囲まれている。
中央には大きな池があり、その外周をぐるりと道が囲っている。

そこまでの広さはなかったが、ゆっくり散歩をするには十分だろう。
そんな爽やかさと閉塞感を同時に宿した風景を眺めていると、ふと二階のあたりに何かが見えたような気がした。
KP
〈目星〉で判定。
佐倉 光
「お、いい天気」
寒々しい雰囲気も、少しは和らぎそうだ。
ふと視線をあげた。
1d100 98〈目星〉 Sasa 1d100→ 46→成功
KP
人気のない建物の一角で光る、見慣れた色合いの薄青い光。
あれは、PCのモニターか何かの光だろうか。
佐倉 光
人気がないのにモニタつけっぱなしなのか。
あそこには人がいるのかな?

この中庭から他の場所に行く道なんかはあるかな。
KP
この中庭からは、建物に入れそうな扉や、外へ出られそうな場所は見あたらない。

あなたは昨日、先程までいたリビングルームに向かう時、白い廊下を通ったことを思い出すだろう。
あの建物は、この部屋と中庭をぐるりと取り囲んでいる。
施錠されていなければ、リビングルームに入った時の扉から建物内に入れそうだ。
佐倉 光
部屋から出るなとは言われてないもんな。廊下に出てみようか。
庭には他に何も無いかな。一周してみるか。
KP
陽の光を浴びながら、中庭を彼と共に歩く。
庭にあるのは点灯していない明かりのポールくらいで、それ以外には何もない。
浩太
ふと、彼が池のそばで立ち止まった。
何か気づいたことでもあるのだろうか。
佐倉 光
「ん、どうかした? 何かあったのか?」
のぞきに行く。
佐倉 光
「水濡れ厳禁だからな、あまり近づくと……」
浩太
その時、彼の上半身がぐらりと傾いだ。
あっ、と思う間に大きく揺れ、バランスを崩し……、

あなたは止めたかもしれない。
あなたの小さく弱い手の力では、彼の重い身体を止めることはできなかった。

すべては一瞬の出来事だった。
KP
大きな水音が響いた。
彼の背があなたの傍らから消えた。
池が波打った。
彼が、水のただ中へ、落ちてゆく。
水が、彼を、呑み込んでゆく。

あの映画の終わりのシーンのように。
佐倉 光
ほらなーーー!
KP
まあ…… 意味ありげですもんねこの池。
佐倉 光
「浩太! 浩太ーっ!」
叫んで手を伸ばす。見回す。駄目だ、ここにはペットボトルなんかない!
あの時みたいに助けられない!
水の中に手を差し伸べようとし、はっと思い直す。
この体じゃ引き上げるどころか一緒に溺れるだけだ!

棒状の物を探す。
そうだ箒!

箒を取りにダッシュする! 
ついでに非常用ブザーも押すかな!
KP
あなたは箒を取ろうと必死に走る。
室内にあるブザーを押すと、
KP
「どうしたの? 何かあった?」
ブザーの向こうから、一日ぶりに聞く、色國の声が聞こえた。
佐倉 光
「助けてっ!  浩太が水に!」
叫んで、箒を引っつかんで中庭に戻る。
KP
「えっ、レプリカが水に? それは……、なるほど、分かったわ。すぐ行くね」
落ち着いた声が向こうから聞こえた。
佐倉 光
しっかり腰を下ろした状態で箒の先をなるべく浩太が落ちた方へ伸ばす。
浩太
箒の先を伸ばしても、彼がそれを掴む様子はない。
幸い池はそんなに深くはないようだが、辛うじて水面から見える背中は、僅かな身動ぎすらしない。
佐倉 光
「おい!  浩太!  こっちに来い!
箒掴め!
お前壊れちまうぞ!」
叫んで箒を動かす。
佐倉 光
駄目だ、駄目だ、またいなくなる!
俺の前からまたいなくなってしまう!
佐倉 光
「置いて行かないでくれよぉっ!」
KP
あなたの声が空を裂いた。
必死に差し掛ける箒の先を、しかし掴む手はない。

応える声はなかった。
あなたの叫びは、届かない。
声も。腕も。力も。
佐倉 光
「ああ、あああ!  うわあぁぁぁー!」
半狂乱でわめく。
佐倉 光
「牧志!  牧志!!」
佐倉 光
一度水に落ちた牧志を助けたんだよな。
あのときは助けられたんだけど……。
KP
助けたんですよねぇ……。
あの時は助けられたんだけど。
KP
「失礼するね」
その時、色國が小走りで駆け寄ってくると、ひらりと池に飛び込んだ。
重そうな身体を慣れた様子で担ぎ上げ、目を閉じた彼の肌を確かめる。
KP
「随分水が入っちゃってる、でもまだ中枢は無事そう。
えっと、何があったのか聞いてもいい?」
佐倉 光
「池のそばで立ち止まって、
いきなり落ちたんだ。
……そうだ、朝から寂しい、外に出たいって言ってた」
佐倉 光
彼の様子を確かめようと手を伸ばす。
KP
触れた肌は、ひやりと冷たかった。
まるで物言わぬ機械のようだった。
いや、最初からそれは、物言わぬ機械だったのかもしれなかった。
佐倉 光
「浩太……」
何を勘違いしていた?
これは牧志じゃない。
彼を模倣した機械だ。

それでも、それでも話すのは楽しかった。
牧志が戻ってきたようだと錯覚したのは正直ある、だけどなにより、
彼と話すのが楽しかったんだ……!
冷たい手を握る。
KP
その手が、するりとあなたの手から離れた。
色國が彼の身体を抱き上げていた。
KP
「あら……、そう。ごめんね、制御不良があったかもしれないわ。
本当にごめんなさい、急いで修理させてもらうね。

悪いけど、ちょっと待っていてくれるかな?
何もない所だけど、この敷地内だったら好きに見学してくれていいわ」

彼女はそう言うと、力を失った身体を丁重に抱き上げ、リビングルームの扉から建物内へ向かって歩いていく。
KP
ぱたん、と扉が閉じる。
広々としたリビングルームは、彼の姿がないだけで酷く静かで、冷たく思えた。
佐倉 光
しばらく座り込んでいた。
佐倉 光
しかし2分ほどして自らの頬を叩く。
佐倉 光
駄目だ。これじゃあ繰り返しだ。
牧志や浩太がいないとなにもできない?
佐倉 光
俺はいつからそんな腑抜けになったんだ。
佐倉 光
浩太は大丈夫だと言っていた。
彼が戻るまで何かをしよう。何か……

ゲームをする気にも、本を読む気にもなれない。
気分転換、した方がいいな。
本当は二人で行く筈だった施設内の散歩をしよう。

カードはまとめてポケットに入れたままで扉から外に出る。

KP
彼女が言った通り扉に鍵はかかっておらず、素直に開いた。

扉から外へ出る。
白い廊下は、あの日常の雰囲気を収めていたとは思えないほど、無機質で薄暗かった。
僅かに点灯した照明が、辺りをぼんやりと照らしている。

壁のすぐ横に、一階のフロアマップがあった。
あなた達がいたリビングルームには、「経過観察室」と名付けられていた。
他に、「問診室」「機体管理室」「玄関」と、上り階段がある。

位置関係から、「機体管理室」があの時浩太と出会った部屋、「問診室」が最初にあなたが目覚めた部屋なのだろう。
佐倉 光
見学、といっても、それほどシロウトが見て面白そうな所ではないが。
佐倉 光
ま、いいか。順番に覗いてみよう。
佐倉 光
昨日は俺も動揺していて、何も見ていなかったし。

問診室から行ってみよう。
佐倉 光
そういえば浩太はどこに連れて行かれたんだろうな? 管理室? などと考えつつ歩く。
KP
今は使っていないのか、問診室には鍵が掛かっているようだ。
中から物音はしない。
佐倉 光
では機体管理室に行ってみる。
俺達以外に被験者はいない感じか。
KP
機体管理室も、同じような様子だ。
このフロアは薄暗く、寒々しい。
人とすれ違う気配もない所からして、そうなのかもしれない。
佐倉 光
そのままの流れで玄関へ。
ここはどの辺なんだろう? と思って外の様子を見ようと少しドアを開けようとする。
KP
扉を開けようと近づくと、ひとりでに扉が開いた。
両開きのその扉は、どうやら自動ドアらしい。

外向きに「関係者以外立ち入り禁止」の看板が設置されている。
来客もないのか、受付と思しきカウンターには人一人見当たらない。
佐倉 光
普通に外には出られそう、ということだろうか、それとも受付ロビーに入れた、ということだろうか。
看板があるなら外なのかな?
KP
外に出ることはできそうだ。
外を見れば、なだらかな坂道が続いている。ここは小高い丘の上にあるらしい。
辺りには荒れた野原が広がっており、見渡せる範囲に町はないようだ。
佐倉 光
本当にどこだろう、ここは。秘密研究所とか、そういう雰囲気だな。

そんなことより、浩太を探したいな……
正直、あいつの正体が知りたい。
どうしてあいつは牧志にあそこまで似ているのか。
記憶がないなんて嘘だろう。完全に真っ白だったらあんなアクションにはならない……

それにしても見学してもいいという割には見られる部屋がないな。
佐倉 光
二階へ行ってみる。
そういえば下から見えた明かりは二階だったな、などと思いつつ。

KP
二階に上がれば、そこは先程より少しだけ、生きている気配がした。
どこからか機械のファンかなにかの回る音がし、廊下を照らす明かりは外からさす陽光に負けるものの、少し明るい。

階段正面の壁に、二階のフロアマップが見えた。
「研究室」「資料室」「検体管理室」、そして上り階段と下り階段。

「検体管理室」が一番広い。
階段から一番近くにあるのは「研究室」で、廊下を行った先に「資料室」と「検体管理室」がある。
佐倉 光
それじゃ近いところからだよね。研究室覗いてみよう。
KP
扉の向こうは静まり返っている。
ドアノブに触れれば、どうやら鍵は掛かっていないようだ。
佐倉 光
ノックして、「しつれいしまーす」と声かけて開けよう。
KP
ノックをしても返事はなかった。

室内は暗く、つきっぱなしのモニターの光が机の上から周囲を照らしていた。

研究資料などが散らばった床、書類などがねじ込まれるようにして敷き詰められた棚は、室内をひどく雑然として見せた。
机にはひとつ引き出しがあり、少し開いたままになっている。

窓は一か所開いており、そこからは中庭が見下ろせた。
佐倉 光
ああ、さっき見えたのはこの部屋か。
佐倉 光
きったねぇなぁ……あんな凄いロボット作った場所とは思えないな。
佐倉 光
なんとなく開きっぱなしの引き出しを閉めようとして、中を覗く。いや、順番的にはモニターか。
モニターを見る。
深い意味はない。あの超技術の一端に興味が湧かないわけがない。
KP
近づけば、モニターに映っているものが見える。
それは色國の姿だった。手に工具を持ち、カメラに向かって何かをしているようだった。

どうやらこれはPCのモニターなどではなく、カメラの映像を映しているモニターらしい。

口元は動いており、こちらに話しかけているように見える。
画像の右上に、ちょうど今の時間が表示されているのが見えた。
KP
【アイデア】で判定。
佐倉 光
1d100 85【アイデア】 Sasa 1d100→ 89→失敗
佐倉 光
おいおい
普通に考えれば浩太視点だが……
KP
これはどうやら、現在の色國の映像なのだろう。
今まさに彼を直す作業をしているということは、暫くこちらには来ないかもしれない。
佐倉 光
ふーん。ちょっと詳しく見させて貰っちゃおうかな。
こんな状況でも知識欲が抑えきれなくなっている自分に呆れつつ、手近なものに視線を向ける。
開けっぱなしの引き出し、何が入ってるんだ? 閉めるついでにちらっと。
佐倉 光
こんな気分も久しぶり、だな。
KP
引き出しを開ければ、そこには研究所内の鍵が保管されていた。

現在置かれている鍵は「資料室」「検体管理室」「問診室」「機体管理室」の4つだ。
他の部屋の鍵は、色國が持っているのだろうか。

……資料室と検体管理室はこのフロア内なのだし、ちょっと拝借してしまうこともできそうだ。
佐倉 光
「……」
佐倉 光
「……」
佐倉 光
「ちょっとだけ」
いや、技術を盗みたい、というだけじゃない。
牧志のことがもしかしたら、分かるかも知れないじゃないか。
浩太を作るのに作られた技術や方法が、もしかしたらあとで牧志を復活させる鍵になるかも……
佐倉 光
そうだな。真面目な話。
そういう可能性もある。

拝借しよう。
佐倉 光
見てみるならやはり資料室と検体管理室が気になるな。
問診室に俺達のカルテがある可能性もある。
期待管理室はそれこそ、浩太が置いてあった場所だ、牧志に繋がる物が残っているかも。
佐倉 光
見学だよ、見学。していいって言われたもんな。
モラルが迷子
佐倉 光
なるほど。これは割と探索しよう!! ってなりづらい状況ではあるw
誰もいないぜヒャッホウ鍵借りて見よう!! は割とモラルが終わっている気も。
KP
そうなんですよ! なりづらい!!
家探し前提のシナリオなもんで。

改変も考えたけど、そこ改変するとギミックに差し支えてしまう箇所がいくつかあるので、PLに「探索して!!」って事前に提示してしまうことにしました。
佐倉 光
そう言ってもらえれば、佐倉ならそうする理由を作れるので助かります。
興味と万一の希望でモラル低め行動も取れるからなぁ。
ここに牧志の何かが保管されている! とかそういう怪しさがあれば探索に迷いはないんだけどねw
そういうのないからなー
KP
ご協力ありがとうございます。
「積極的に探索すること」がギミックに影響するシナリオなので、改変で誘導も作りにくいんですよね。
佐倉 光
佐倉はロボット自体にも興味を持っているから探索しちゃう!
KP
ありがとうございます!
佐倉 光
提示ありがとうございます。
KP
提示しておいてよかった。スムーズ。
佐倉 光
子供なので尚更遠慮がない。
KP
子供だし、うっかり変な所で発見されても「悪戯でした!」で済むねっていう話が以前にありましたね。

佐倉 光
この部屋ってまだ見て意味がありそうな物はあるのかな。
棚や床に目につく資料などは。
KP
机の上にも棚の上にも、資料が山と積まれている。
ざっと見るなら〈目星〉で判定。
佐倉 光
1d100 98〈目星〉
佐倉 光 - 今日 0:59
CCB<=98 (1D100<=98) > 43 > 成功
KP
資料の中に埋もれた、開かれたままのノートに、「プロジェクトレプリカ」という文字が見えた。
佐倉 光
おっ、これは!
拾い上げて見る。
KP
そこにあるのは、以前の「被験者」たちの履歴だった。
あなた達だけでは……、なかったのだ。

では、彼らはどうなったのか。
その結果が、ここに書かれていた。
そこには、『プロジェクトレプリカ』の被験者達の経過が簡単に書かれていた。
レプリカに感情を教えず去った者、ハートカードの濫用でレプリカが暴走した者、レプリカと良い関係を築いてともに帰った者。
KP
……ノートから読み取れる内容は、以上だ。
佐倉 光
これは……ちょっと、待て。
佐倉 光
ハートカードの使いすぎは暴走を呼ぶ?
コピー元と似せすぎようとすると、まずい事が起こる、ということか?
単に回数、枚数の問題か?
佐倉 光
やべぇな俺随分まとめてカード見せたけど。浩太の様子変だったのそのせいじゃないだろうな?
佐倉 光
「記録 -34」のコメントも気になる。
破棄される『B』。それはつまり、失われた人の肉体、遺体ということだ。どういう状態かは知らねぇが勝手に捨てるな。
『気付いた』という文言。
気付いた? 何に、だ?
佐倉 光
考えなきゃいけない。これは多分、大事なことだ。
佐倉 光
ここに、あるのか? 牧志の遺体が。
そして、菊間さんは何に気付いたっていうんだ?
こちらの情報を見たら鍵を持って行く理由ができますね!
きになる!!
佐倉 光
うむむ、めちゃくちゃ気になるー! 一時過ぎー!
KP
ここから一気に怪しく…… なる!
佐倉 光
カード見せすぎたんじゃないかなw
それで判定が一回になったのですね……
KP
バレた。その通りです。>それで一回
あ、これ二回カウントしてるとえらいことになるわ。と途中で気づくうっかりKPです。
佐倉 光
笑う・驚く以外の感情をちゃんと教えられたか自信なくておさらいしてたら浩太くんに「外行こう」っていわれたのもそのせいだな!!
お手数かけます……
KP
バレた。
そこはちゃんとシナリオにも「誘導してね☆」って書いてある範囲だから大丈夫です!!
佐倉 光
よかったありがとう!!
浩太側の値は上がらなきゃダメで、佐倉側の値は上がりすぎたらイカンのかなぁ、と思ったりなんだり。
強制は良くないよぉ。
KP
ウフフ。
佐倉 光
あ、そうそう。今日「レプリカの心相」に対するシナリオ適性診断あったのでやってみたら100点出ました。
KP
ほうほう、やってみよう。
こちらも100%出ちゃった。
佐倉 光
良かった(?)
KP
よかったよかった(?)ここからが楽しみですね
佐倉 光
牧志を連れ帰るルートは朧気に見えてきたけど、うーん、問題山積みだ。
家捜しすっぞー!
KP
がんばれー!
佐倉 光
ところで『心臓がちょっと早く動くだけ』を思い出して戦々恐々としていた私です。
まあそのルートもまだないとは言えないしな……
きになります!! 続きやりたい!! と叫んで終わります。
KP
はーい! こちらも続けたい気持ちを抑えて寝るゥ!!
おやすみなさいませー!
佐倉 光
お休みなさい! ありがとうございました!
KP
ありがとうございました!

KP
他にも様々な資料があるが、医学、電子工学、生物学などについての専門的な内容の間に、時折意味のわからない言葉の羅列が混じっている。
意味を取ることはできそうにない。
佐倉 光
牧志がいればもう少し役に立つ情報を拾えたかも知れないな。
無理なもんは無理だ、次に行こう。

KP
資料室の扉の前もまた、静まり返っていた。

鍵を使って扉を開くと、室内には書架が並んでいる。
大量のファイルがぎっしりと整頓されて保管されていた。
埃をかぶっているものが多く、しばらく使われていないのだろうと感じる。
奥には資料整理用だろうか、小さな机が一つある。

それにしても、ここは被験者を迎える研究所というには妙な雰囲気だ。
あなたや色國がいる所を除いては、まったく使われていない場所のように見えるのだ。
佐倉 光
さっきの部屋の雰囲気とは全然違うな。ここは使われていないのか。
もともと別の研究をしていた場所を一部だけ流用しているのか、
長いこと研究をしていて、研究を引き継ぐうち手段が確立されて、こういった資料が不要になったか。
そもそも一人で使うには大規模すぎる設備だし、元々は別の用途で使われたか、既に放棄された研究を一人で継続しているか……

大体、あんなに人間そっくりのロボットを作る、ということと、独りぼっちの研究はあまりにもアンバランスに思える。
ちょっと前に行った研究所……あれくらいの人数がいる方が当たり前じゃないかと思える。

どんな資料が置いてあるんだろう。
ファイルの傾向は、死者に似せたロボットを作るというものに合っているだろうか?
書架をざっと見て、気になるものはないか見てみよう。
KP
室内は暗く、上の方の書架はあなたの位置からでは何が入っているのかすらよく見えない。

下の方の書架なら探すことができそうだ。
ざっと資料を探すなら、〈図書館〉で判定。
佐倉 光
くそ、子供の身長が恨めしいぜ。
この体、専門書読むには向いてねぇ。
1d100 75 〈図書館〉 Sasa 1d100→ 54→成功
KP
ここには「プロジェクトレプリカ」についての様々な資料が集められている。
あなたはその中から、全体の概要と経緯が書かれたファイルを見つけられる。

中身を拾い読めば、以下のようなことが分かる。
プロジェクトレプリカを主導した『電人』についての記載がある。
KP
現在、プロジェクトは終了している。
施設は「電人 A」に権利を委譲。
KP
……資料には所々、知らない言葉がある。
佐倉 光
電人……?
この文章をそのまま解釈するなら、あの女性が電人であり、あの肉体はレプリカということになるな。
電人は一応元人間ということか?

ここでは悪魔化した人間が、人間として行動できるようになるためのガワを作る研究をしていたのか。
しかしそれも既に終了していて、研究の主導者が一人で管理している状態……

そして今は、人外化した人間ではなく、死んだ人間とその近しい人間を使って何かを研究している。
何を考えているんだ、あの女?

※外部入力・出力を全て別のもので補っている、という状態までは分からなかったので悪魔化と解釈。
佐倉 光
最近ミ=ゴネタ続いてるなと思ったら……
KP
続いてると思ったらこんな所にもこんにちは。
PCのわかるレベルをいいかんじにしてくれてありがとうございます。
佐倉 光
デメリットがなければ佐倉はレプリカの体を欲しがりそうだなぁ。勿論大人で!!
KP
確かに、佐倉さんが大人の身体を手に入れられるかもしれない研究だもんなぁ。

佐倉 光
机の方も見てみる。最新の記録があるかも知れない。
KP
ここにも埃が積もっており、しばらく誰も使っていないのだと察せられるだろう。
KP
〈目星〉で判定。
佐倉 光
1d100 98 Sasa 1d100→ 99→致命的失敗ファンブル
佐倉 光
あっ
最近出ていないと思ったら。
KP
佐倉さん単独での探索、細かいところに入ったり悪戯で済ませたり下の方がよく見えたりと利点もあるけど、こういう所では明確にやりづらいのが寂しいね……
佐倉 光
身長が40cm程足りない……
KP
子供は子供でもせめて6年生くらいならまだ身長も少しは足りて探索もできるのにね……。
あまりにも小さくて、よわい。
KP
この机はあなたには少々高い。
あなたは背を伸ばして資料を探そうとして、

ゴチン!
倒れてきた資料で強かに頭を打ってしまった。
痛い。悲しい。
KP
【幸運】で判定。
佐倉 光
1d100 75【幸運】 Sasa 1d100→ 58→成功
佐倉 光
「いっっってぇー!」
涙目になって思わず叫びそうになったのをこらえる。
さすがに鍵取って侵入は子供のイタズラには行きすぎ感がある。なるべく見つかりたくない。
くそ、専門書ってどうしてどいつもこいつもこんなクソ重いんだよ。電子化してくれ!
KP
どうにか資料雪崩を起こして大変な音を立てることは防がれた。

あなたの頭の上に、コツン、と薄いファイルが落ちてきた。
見れば、それだけ他と違い、ファイルの表紙に埃が積もっていない。
佐倉 光
「……」
暫く動かずに周囲の様子をうかがう。
良かった。大事にはならなかった。
佐倉 光
お、新しいファイルだ。開いて見る。
KP
それは小さな一覧表のようだった。
『システム強制停止コード』について書かれている。一部の部屋や廊下のシステムを強制停止させるためのコマンドであるようだ。
佐倉 光
重要情報だな。
暫く迷う。しかし、役に立つ可能性はある。
なによりさっきの情報を考えると、あの女性は完全に信頼できるか分からなくなってくる。
万一、ということも……ある。

しかし、廊下、ってなんだ? 明かりか?

近くに筆記用具があればメモして持って行こう。
KP
筆記用具は資料の抜粋を行うためのものを見つけた。メモして行ける。
佐倉 光
ほか、気になるものがなければ「検体管理室」へ向かう。
俺の考えが正しければ、ここには……

コメント By.佐倉 光
レプリカとの生活2日目。今日を乗り切れば、きっと空は晴れる。

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【クトゥルフ神話TRPG】
本作は、「 株式会社アークライト  」及び「株式会社KADOKAWA」が権利を有する『クトゥルフ神話TRPG』の二次創作物です。

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