こちらには
『今昔 狼龍奇譚
のネタバレがあります。


新シリーズ!
東浪見 海
こんばんはー!
KP
こんばんはー
よーしがんばるぞー
東浪見 海
久しぶりの新規PC!! がんばるぞー
KP
最初にちょっとだけ二人の関係について入れるかな。
東浪見 海
はーい、そこ大事ですね それは楽しみ
KP
では始めまーす
よろしくおねがいします。
東浪見 海
よろしくお願いしまーす! わくわく
KP
割と、小説にRP挟む感じの話ではあるんですが、割といつものノリでやります。
いつものだ
東浪見 海
そこはもちろんいつものノリでやっていただけたら嬉しいですね!
私の場合、プレイスタイルが合わないのか小説にRP挟む感じだといまいちキャラが立てきれないまま終わっちゃうことが多いので。
(PL/PCの口数が多すぎる)
KP
そうなんですよねー
挟むだけだとなかなかつらい。
東浪見 海
なのですよね。シナリオを味わうのがメインの、口数少ないPL/PCさんだと割と合うんだけど、私はガンガン台詞描写行動したいタイプなのであまり合わない。



すえの露 もとの雫や 世の中の
おくれさきだつ ためしなるらむ」
新古今集・僧正遍昭そうじょうへんじょうより

こずえに宿る露や
滴り落ちる雫のように
どうにもこの世の中に在るものたちは
遅かれ早かれいつかみな消えてしまうのだろうか


クトルゥフ神話TRPG
「今昔狼龍奇譚」

はじまり、はじまり。


KP
あなたには幼なじみがいる。

いつから一緒だったかはあまり覚えていない。
幼稚園で一緒に遊んでいたかな、くらいの頃から、なんだかんだと関わりがある。
「あーそーぼー」なんて明るい声でよくなついてくる。子犬か何かのようだ。
そんな関係性は大人になってもあまり変わっていない。
東浪見 海
いつからだったっけ、たぶん覚えてないくらい昔かな。
幼稚園だったか近所の公園だったか、それからずっと。
弟どもの体力が無尽蔵なせいで病弱扱いされてた(遺憾だ)頃から、ずうっと同じ。
KP
あんなのと比べられたら……
東浪見家の男はどいつもこいつもSTR・CONが18ありそうなガタイである。
呼び名
士幌 美雪
なんて呼ぼうかなー。うみー。とらー。
東浪見 海
名前の読みは「かい」ですね。それでもあえてうみーって呼んでもいい。
士幌 美雪
あえてうみにしようかな!
らみー はもう使われてるか。
東浪見 海
らみー は使われてますね。(文具トリオ)
こちらからの呼び名は美雪でいいですかな?
士幌 美雪
okです!

士幌 美雪
「えー。病弱って私みたいなのを言うんだよぉー」
なんていう彼女も、あまり病気などしない健康体だ。
東浪見 海
「美雪も病弱って言うにはほど遠いでしょ。全然風邪ひかないし」
士幌 美雪
「びょうじゃくだよー」棒読み
「うみちゃんもそんなムッキムキなのにねー。
うみちゃんちみんなすっごいもんね、ビルダーみたい」
東浪見 海
「家出たら改めて、うちはおかしいなって思うのよね。
歩いてる人がみんな細く見えたもの、最初」
士幌 美雪
「あ、でねぇ、今日はプール行こプール。
もうすぐ夏も終わっちゃうし、泳ぎ収めしよ!」
KP
割といつも唐突である。思いつきで動いているのかと思えるほどだ。
東浪見 海
「お、プール? いいじゃんいいじゃん。行こう!」
そんな唐突さが面白くて、用事でもなければ乗っかってみるのだ。
士幌 美雪
「やったぁ!
他の友達だーれも乗っかってくれなくてさー。
せめて2日前に言えって怒られちゃった」
東浪見 海
「都民プール? 遊園地のでっかいやつ? 浮き輪?
えぇ、二日前に決めたら当日までに気分変わっちゃうじゃない。ねー」
士幌 美雪
「そうそう! もういつ寒くなるか分かんないし! 行こう都民プール!」
東浪見 海
「最近気温の変わり方急だもんね。地球温暖化ってやつかなー」
KP
そんなこんなで、いきなり山に登ろうだの川に降りてみたいだの、水族館に行ったら着替えもないのにイルカに乗りたいと言い出したりする、あれこれと好奇心旺盛な幼なじみだ。
東浪見 海
次から次へと繰り出される好奇心はまるでジェットコースターだ。それが楽しくて一緒にいるような節もある。
東浪見 海
美雪の思いつきにホイホイ乗っかれる程度のバイタリティはある。
士幌 美雪
東浪見ほどの体力はない。瞬発力だけある。
東浪見 海
つまり良いコンビ。

KP
と、そんな彼女なのだが。
秋風が吹き始める今日この頃、少し元気がない。
東浪見 海
「美雪、どしたの? 風邪?」
インフルシーズンにはまだ早いはずだけど。いつにない元気のなさに少し心配になって聞く。
士幌 美雪
「えっ、そう? ううん、元気だよ。
……ちょっと、変な夢を見て、疲れたかな」
東浪見 海
「そう言って、最近浮かない顔じゃん。……夢?」
士幌 美雪
「……ねえ、うみちゃんは夢って見る方?
最近になって、とか」
東浪見 海
はて、と思い返してみる。
疲れ果てた時には覿面に夢を見るが、普段はあまり見ないタイプだ。
KP
あなたにはとくにそういった心当たりはない。
見るにしても見ないにしてもいつも通りだ。
東浪見 海
「こないだのステージが超ハードで、あれから暫くは疲れて夢ばっかり見てたかな。
でも、最近になって、ってことはないよ。どしたの、眠れない?」
KP
美雪は、うーん、と耳が肩につくほど首を傾げた。
士幌 美雪
「ちょっと怖い夢だったって事しか覚えてないんだけどね。
眠れないって事は、ないんだけど」
士幌 美雪
「あ、そうそう、ステージ。
あれうみちゃん的にうまくいった?」
東浪見 海
「90点、かな。好評だったからよかったけど、もうちょっと全力出しきれたんじゃないかって思ってる」
士幌 美雪
「厳しいなぁー! 綺麗だったと思うのに!
あれは絶対100点だと思ったんだけどな」
KP
美雪の笑顔から影は抜けて、「きっとそれだからどんどん上手になるんだね」と羨望を込めて笑った。
東浪見 海
「ありがと、そう見えたなら嬉しいな!
んー……、眠れてるならよかったけど、怖い夢ばっかり見るならしんどいよね。何かいいものでも食べに行く?」
士幌 美雪
「いくーーー!」
KP
美雪は子供のように笑った。
KP
もう30分過ぎてるのか。過去まで行くかなこれ?
でもここはきっと必要なパート。
東浪見 海
現世の二人の関係性をたっぷり味わいたい
KP
そんなことがあって、更に一週間後。
時刻は夕方。
とある金曜日、あなたは今日も一日を過ごし帰路についているところだった。
東浪見 海
「はぁー、疲れた疲れた」
弟どもはそもそも“疲れた”という概念を持たない化け物だったと気づいたのも、ダンサーを志してからだ。
そういうのではないから、金曜日ともなると疲れが溜まる。
誰にともなく疲れを口にして、帰ったらまずは風呂! と誓いながら歩く。
KP
人々の行き交う街を歩いていれば、大きな街頭ビジョンを携えたビルの近くを通りかかる。
すると、モニターに速報という見出しが表示され、緊迫感のある声でニュースキャスターが読み上げを行った。
◆「相次ぐ失踪事件」
人気若手俳優の「境伊 朋来さかい ともき(26歳)」が行方不明となった。彼がいたと思われる事件現場には被害者の血痕と弾痕があり、警察はここ数週間で多発している「無差別傷害・誘拐事件」に深く関連しているとして捜査を進めると共に引き続き情報提供を求めている。
東浪見 海
「ん?」
何だろう、と声につられて顔を上げる。
KP
あなたはテレビやネットなどよく観る方だろうか?
観ないようなら【知識】
観るようなら知っている。
東浪見 海
そんなによく見る方ではないが、何となく流れてくるニュースを見ることはよくある。
特にこだわりなく、何かのついでについてきたニュースアプリをいくつか入れている。
KP
それならきっと知っているだろう。
最近頭角を現してメディアのインタビューを受けたりすることが多くなった俳優だ。
心情を表す演技が特に評価されている。
東浪見 海
そういえば、と思い出す。
直接交流はないが、バックダンサーなんてやっているので、たまに近い所をすれ違うことはあったかもしれない。
KP
あっただろう。会釈をしたことくらいはあるかな。
人当たりの良い、舞台から降りても感じのいい青年だったと記憶している。
東浪見 海
「あの人がね……」
まだ死んだと決まったわけじゃないけど、あの人の演技は印象に残っている。
どこかの犯罪に巻き込まれて、なんて、惜しいなと思った。
KP
ニュースはそのまま、何ヶ月も前にバズっていた他愛もないネットで流行った動物動画にうつっていった。
KP
この事件は最近よく騒がれている。
気になるなら調べれば話題になっているだろう。
KP
ああー。エピソード足そうそうしよう。
KP
ネットの書き込みには彼のファンの物が多数あり、心配したり哀しむ声が多くある。
そういえば、しつこいファン、というよりストーカーに追われているという彼に手を貸してやったことがあった気がした。
KP
たぶん「もう帰った」って言ってもらったとかそんな軽ーいヤツで。
もうちょっとアクティブでもいいけども。
東浪見 海
そういえば、そんなこともあったっけ。
あれは結構…… うん。怖かったよね。人間の狂気って怖い。
普段なにかと人……、っていうか美雪を庇うのに慣れてたのが役に立ったな。
美雪、アクティブな割に見た目がかわいいから、絡まれる時は凄いんだよね。
あと、思ってもない所に入り込むし。
だいたい絡んできた相手を振り回してダウンさせてるけど。
東浪見 海
勝手にエピソードを捏造。
KP
わーい
東浪見 海
普段ならニュースの常で気にすることもないまま流したが、彼のことが少し気になった。
手元のスマートフォンで軽く調べてみよう。
◆「無差別傷害・誘拐事件」
約3週間前の第一被害者を皮切りに全国各地で起こっている事件。
被害者は先程の俳優「境 朋来」を含めると計7名にものぼる。
被害者たちの居住地や年齢、性別に関連性は無く、事件の共通点として事件現場には被害者の血痕と拳銃の弾痕が残されていることから同一犯の犯行と推測がされている。
事件の捜査は難航しており、今日に至るまでいずれの被害者の身柄は保護されていない。
KP
ここ数週間、世間を騒然とさせている事件に加えて被害者に著名な人物が出たこともあり、あなたの周囲では同じように街頭ビジョンを見上げ足を止め、不安そうな声色を漏らす人が多くみられた。

KP
ふと雑踏を見つめていると、その中に美雪の姿を見つける。
周囲と同じようにモニターをじっと見上げている様子だが、表情は一切無かった。数秒見つめたとしても直立のまま全く動こうともしない。
風景から美雪だけが切り取られたような、何とも言えない違和感があなたを襲う。


KP
SANチェック》ありません
東浪見 海
「あ、美雪ー」半分反射で呼びかけようとする。
「……?
……美雪?
おーい、美雪ー?」
不思議に思って、近寄りながらもう一度呼びかける。
士幌 美雪
「わっ、……うみちゃん……
びっくりした……」
東浪見 海
「ごめんごめん。どしたの、……何かあった?」
士幌 美雪
「ん……なんでもない、と思うんだけど」
KP
美雪はあなたをじっと見つめた。
士幌 美雪
「うん、なんでもないよ、きっと……
大丈夫。ただの夢だから。
帰るところ?」
東浪見 海
「夢って、こないだ言ってた怖い夢? まだ続いてるの?」
士幌 美雪
「うん、面白いよね、いつも同じようなファンタジーっぽい夢を見るの。
すごく強いひとがいてね、夢の中の私はその人を見てるの。
そのひとちょっとだけ、うみちゃんに似てたな」
東浪見 海
「え、あたしに?」
士幌 美雪
「うん、そう。ちょっとだけね。
私の夢だもん、知ってる人をモデルにして出してるのかもね」
東浪見 海
「ああ、かも。知らない感覚は夢に出ないっていうもんね。宇宙船の夢を見ても、船内は自分の部屋だったりとか、そういうの」
士幌 美雪
「……うん……そうだね……そうだよね」
東浪見 海
「そうだ、なんなら帰りどこか寄って、夢の話でもする?
話してれば気が紛れるかも」
士幌 美雪
「ざんねーん、今日私早く帰らなきゃなんだ。
そうだね、話せば悪い夢は本当にならないっていうし。明日聞いてよ」
士幌 美雪
「早く解決するといいな、事件……」
東浪見 海
「事件か……、そうだね。大人の誘拐事件なんて、普通に物騒だしさ。
なんなら送ろうか、ちょっとだけ」
士幌 美雪
「うみちゃんまで子供扱いしないでよぉ」
東浪見 海
「一緒に帰りたいだけだって」
士幌 美雪
「うん、でもね、そうね、ちょっとだけ」

KP
そうして立ち話をしていると、あなたの腰当たりにボスンと軽い衝撃が走る。
子供がぶつかってきたようだ。
飛鳥&美代
「いたた!」
「飛鳥…ちゃんと前見て歩いてよ…」
「前見てあるいてたよ! 美代も見てたならはやく言ってよ!」
「言う前に走ってくから…」
「じゃあ僕が悪いっていうの?」
「そうだよ…ぶつかった飛鳥が悪い」
「そんなぁ!」
東浪見 海
「わっ。気をつけなよー」
KP
あなたの声に気付いて、ふたりは大事なことを忘れていることに気付いたようだ。
KP
「それより、ちゃんと謝って…」
「あ、そうだった…ぶつかってごめんなさい…」
「ごめんなさい…」
東浪見 海
「よろしい。ちゃんと謝れていい子だね」
士幌 美雪
「うんうん、えらいぞ!」
KP
二人はほっとしたように表情を緩め、あなたと、そして美雪を見る。
飛鳥&美代
男の子――飛鳥と言われていた方が「あ!」と声を上げ美雪へと指をさす。
すかさず女の子――美代はその指を手ではたいた。
「いた!」
「こら…指なんてさしちゃダメ…本当に失礼ばかりごめんなさい…」
士幌 美雪
「いいんだよ。もうしなければね」
東浪見 海
「いいよいいよ。いた! って? どしたの、知り合い?」
士幌 美雪
「ううん?」
「ごめんね、どこかで会ったかな」
飛鳥&美代
「ううん、ごめんなさい」
子供達はぺこりと頭を下げる。
KP
通りの向こうから女性が何事か呼びかけていた。
二人の母親であるらしい。
子供達はぱっと笑顔を浮かべ、慌てたように走って行く。
東浪見 海
「じゃあねー」手を振る。
KP
子供達は声に応えてブンブンと手を振る。
士幌 美雪
「可愛いねぇ」
東浪見 海
「ふふ、だね」
士幌 美雪
「……うーん。
どっかで会ったかなぁ」
東浪見 海
「いた! って、顔見知りって感じじゃないよねぇ」
士幌 美雪
「ねぇ、うみちゃんは運命とか信じる方?」
東浪見 海
「運命? 運命の人とかそういうやつ?」
士幌 美雪
「よくあるじゃない、夢の中で会ったら運命とかそういうの。
前にあったことがある気がするけど、全然知らない人とか……
そういえばお誕生日が一緒なら運命の人だ、って幼稚園で流行ったよね」
東浪見 海
「ああー、あったあった。中学校くらいの時にも流行ったな、一度」
士幌 美雪
「そういうの、ふだんあんまり信じないんだけど。
私、あの子たちとも夢の中で会ったことがあるのかもね?」
東浪見 海
「実は同じ夢を見てたって? 面白いな。運命とか因縁かー、普段はそんなのスルーしちゃえって言う方だけどね」
士幌 美雪
「うみちゃんはそう言うと思ったぁー。
夢日記でもつけようかな。面白かったら絵本でも書くのもいいかも。
うみちゃんもみようよー、同じ夢」
東浪見 海
「いいね、日記つけたら夢の内容教えてよ。そしたら同じような夢を見るかも」
士幌 美雪
「一杯話せば、見られるかなぁ。
あいたいな……」
ふと夕焼け空を見上げた。

KP
その日は残念ながら時間がなかったので、その「不思議な世界」の話は詳しくはできなかったが。
美雪は、夢に「ハヤミ」という名のかっこいい女性戦士が出てくるのだ、と、興奮気味に語っていた。
しかし、その表情はどこか物憂げにも見えた。
東浪見 海
話して気がほぐれて、夢の頻度も下がるといいんだけど。
KP
あなたは駅で美雪と別れた。


―――しかしその翌日、美雪は行方不明となる。



本編見る!


第1章
「多事多難」


KP
街頭ビジョンからニュースキャスターの声がする。
◆ニュース速報

「―――時刻は未明。士幌 美雪さん(24)が行方不明になりました。現場と思われる路地裏には美雪さんの血痕および拳銃の弾痕が残されており、無差別傷害・誘拐事件と大きく関連をするとして警察は捜査を進めると共に、未だ解決に至らない事態について緊急会見を行うとのことです。国民の皆さんは人通りの多い道を歩く、明るい間に活動を済ませるなどし、犯罪に巻き込まれないよう防犯意識を高めると共に―――」
KP
焦燥感を煽る言い回しに対し、雑踏はいつにも増してざわついていた。
東浪見 海
何となく聞き流していたニュースが、突然間近に降ってきた。
あの時の美雪みたいに、唖然として、呆然と街頭ビジョンを見上げていた……。
KP
今日で美雪が行方不明になってから3日が経っていた。

あなたは美雪のいない日常を過ごしている。
東浪見 海
暇を見ては探して、ビラを撒いてみたり、ネットで聞き回ってみたりもして。
それでも次のステージはやってくるし、練習もあるし、疲れたら何もせずに休まざるを得ない時もある。
何かした方がいいんじゃないかって焦燥感と裏腹に、驚くほどできることが少なかった。
東浪見 海
「美雪……」
KP
この三日間で手がかりを見つけようと情報を調べたり、実際に現場に赴いたりしたとしても、これといって大きな進展は見られないまま時間だけが過ぎていくばかりだった。
薄っすらと自身に纏わりつく無力感に、帰路へつく足取りが少々重く感じるかもしれない。
あなたの弟たちも驚くべきバイタリティで協力してくれただろうが、やはり美雪はその影も形も見えなかった。
東浪見 海
はぁ……、しんどいな。
寝ずに探した方がいいんじゃないか、休んでる暇なんてないんじゃないか、そんな罪悪感がちらちら見えそうになって、それはいけないと首を振る。
まさか、そんなことがあるなんて思ってなかった。まさか知ってる人が、美雪が、いなくなるなんて。
KP
実家住まいですかね?
それとも一人暮らし?
東浪見 海
家を出て一人暮らしですね。
KP
疲れた足を引きずるように自宅へ辿り着き玄関扉をあける。
その瞬間、
パリンとガラスの割れる音が室内に響いた。
KP
〈聞き耳〉
東浪見 海
CCB<=70〈聞き耳〉 (1D100<=70) > 58 > 成功
KP
音は部屋の奥の方から聞こえてきた。
しかしそれ以上の気配や物音についてはよくわからない。
東浪見 海
「……!!」
思わず玄関扉に手をかけたまま固まる。えっ、泥棒、空き巣!?
KP
屋内はしんと静まりかえっている。
東浪見 海
迷わず110番する。
KP
では、電話をしようとした途端。
???
「あーっ、まって、まってくださいっ、警察呼ばないでっ!」
KP
女の子の声がした。
あなたは不思議とその声に、警戒を感じない。
東浪見 海
「へ、誰あなた」
???
「やっと会えたのに通報されたらたまんないですよぅ!」
KP
扉が開く。
奥の部屋から、少女が走ってくる。彼女が侵入したらしい窓の向こうから冷たい夜の風が外から流れ込みカーテンが揺らぐ。
KP
一人の女子高生の姿がそこにはあった。質の良いブレザーの制服を身に着け、薄茶のくせ毛は一つにまとめられている。
彼女はにこりと笑顔を向けてくる。
???
「こんな形になっちゃったのは私としても不本意なんですが……
あ、わたしちあき! 幾島ちあきです!」
幾島 ちあき
「その様子だとやっぱり思い出してないですか? 私のことも、美雪さんのことも」
東浪見 海
「なに、うちの窓割ったの? 随分思い切ったことすんのね…… !
ちょっと、ちょっと待って! 美雪の事、何か知ってるの!?」

どこの高校だろう、学校に連絡、と思った所で突然出てきた名に、思わず前のめりになってしまう。
今日まで頭の端に、美雪のことが残っていない時間はなかったのだ。
幾島 ちあき
「何も呑み込めないですよねっ! わかってました!
あとガラスはちょっと勢いで! ごめんなさいっ!
でも急がなきゃなの! 止めなきゃいけないから。
美雪さんも、境伊さんも、他のみんなも、取り返しのつかないことになる。
お願い、思い出して、どうか力を貸してくれませんか」
KP
少女は立て続けに叫ぶと、あなたの顔に手をかざした。
東浪見 海
「ちょっ」
突然ガラス割って入ってきたらしい狂気の変人少女に、話を聞く間も学校に連絡する間もなかった。
幾島 ちあき
「お願いです、はやみさん……!」
KP
そうして眩い光のなか、意識が溶けていく。

KP
ここでPCチェンジとなります。


KP
これは、かつてあなたが歩んだ旅路の物語。
確かに存在した、ひとつの命の物語。


第2章

「枯樹生華」


KP
むかしむかし。
それはまだ、神が姿を成していた時代のお話。

とある国の都には、国を守り抜く騎士たちが仕えていた。
騎士たちは王に忠誠を誓い、民に優しく、脅威には厳しく、国を、そして民草の自由を守っていた。

今では思いやりあふれた豊かな国だが、数十年前には隣国と戦をしていた。
その戦争で両親を無くし、孤児として行く当てもなく、戦地で泣いていた子どもたちを一人残らず拾い、育てあげたのが現国王であった。

あなたもそうして命を拾われた元孤児だったが、今では国に任命され誉高い騎士の一人として日々を過ごしている。
早浪
私が親をなくしたのは、国という概念が分かるよりも昔だった。
どちらの国のものかもわからぬまま、ただ泣いていたものを拾われたのだ。
そんな身の上をたまに複雑に思うことこそあれど、私が恩義を感じるのはこの国の王で、私が愛するのはこの国とこの町だ。
早浪
和風!
KP
町はインチキ和風で!
町の人は普通に和服で、騎士はコートとかそんな感じ。

KP
そして今日こんにちも国を、そして民を守るため、街の見回りに勤めていることだろう。


KP
「わぁ、早浪さまだ! 早浪さまー!」
通りを行く子供があなたに手を振る。
早浪
「やあ、おはよう。元気だね」手を振る子供達に笑いかける。
KP
「つぎのお休みはいつ? 剣の修行見てよ!」
「おれ強くなったと思うよ!」
わんぱくそうな子供は使い込んだ木剣を振り回して見せた。
あなたが教えた型らしきものを辛うじて真似ている。
早浪
「よく頑張っているね。分かった、次の休みには順番に見てあげよう」
KP
未来を担う騎士の卵たちは嬉しそうに駆け回る。
KP
「あら、早浪様、見回りはまだ続きますか?」
近くの上で野菜を売っていた女が頭を下げて声をかけてくる。
「帰りにでもお寄りくださいねぇ。美味しい栗と芋がとれましたから、さきのお礼にお持ちいただきたいのです」
土に汚れた顔で女は売り物らしい秋の山と大地の恵みを指した。まるまるとした芋が籠に山積みである。
早浪
「ありがとう、いつも助かるよ。一回り終わったら帰りに寄らせてもらうとしよう」
KP
「きっとですよぅ!」
KP
あなた方騎士の働きもあり、今日も都は平和である。
早浪
今日も都は平和で、通りの向こうから輝く陽の光はやさしい。
早浪
キャラが固まってない場合は特に立ち絵があるとそこからキャラが出るので、顔だけだけど間に合ってよかった
KP
ですね!
KP
そうして歩いていると、路地裏に見知った人影を捉える。
あなたと日々切磋琢磨しあう仲間の一人、騎士の「慈空じくう」だ。
薄茶のくせ毛が特徴的で物腰は柔らかく、仲間のなかでも一際騎士の誇りを大切にしている男だ。
KP
彼の向かい、路地の少し奥まったあたりへ目をやると、そこには頭と顔全体を大きな布で覆った人物がいた。
布の隙間から見える黒髪は艶めいており、体格からして子ども、あるいは女性なのではないかと推測ができた。
慈空はその人物と楽し気に会話をしているようだった。
KP
すると、布の影から血よりも鮮明な赤の瞳があなたを捉えた。
しかしそれも一瞬のことで、その人物は路地裏へと消えていってしまった。
KP
〈目星〉
早浪
CCB<=75〈目星〉 (1D100<=75) > 45 > 成功
KP
路地裏へ消えていった人物の瞳に対し、漠然とした違和感を覚えた。
早浪
「……?」
やあ慈空、と声をかけようとして思いとどまる。
漠然とした違和感の正体は何だったのだろうか。思い当たりがない……。
KP
曲変えるのはやかったですね!
早浪
あるある!
慈空
「あれ、早浪じゃないか。
お疲れ様。そういえば早浪も今日ここらへん見回りだったか」
KP
慈空は人なつこい笑顔で挨拶をする。
早浪
「ああ。今日も精が出るね、慈空」
慈空
「……もしかして今の子、見ちゃった?」
早浪
「実はね。何だい、とうとう彼女でもできた?」
慈空
「か、彼女……
ち、違うよ。
最近ここらを歩いている物乞いの女の子なんだ。
たびたびこうして顔を合わせるから食べ物をあげてるんだ」
KP
慈空に対して【アイデア】〈心理学〉それぞれ+30で判定(同じ情報)
どちらを使ってもいい。
早浪
CCB<=(80+30)〈心理学〉 (1D100<=110) > 54 > 成功
オープン判定になっちゃった。分かった方が面白いし、まあよし!!
KP
嘘だな。
あなたの勘は告げる。
彼は嘘が下手くそだ。
早浪
「……ふうん?
その割には随分と楽しげだったけど」
慈空
「ばっ。
……いや、かなわないな」
頬を少し赤らめながら慈空は口を開く。
慈空
「実は結構前から交流しているんだ、あの子と。
俺たちの国で作られる綺麗な装飾品に興味があるらしくてね」
慈空
「……なんだその目は。違うぞ。誓って違うぞ」
早浪
「何も言ってないよ。ということは、他の国の子なのかい」
慈空
「ああ、そうみたいだ……
年相応のかわいい女の子だなと思ってはいる。
それ以上は何もないからな! 本当に! 国に誓ってそれはない!」
早浪
「だから、何も言ってないって。君は真面目だね」くすくすと笑う。
早浪
他の国との出入りは自由だったりするんでしょうか? 制限されている? 関所ある?
観光ビザ出る?
KP
関所くらいはあるかな。ただ、旅人は珍しいというほどでもない。
あのような赤い目は珍しいが。
KP
夕刻を告げる鐘の音が響く。
慈空
「そろそろ帰還の時間だ!」
KP
話を切り上げようと、慈空は音に飛びついた。
その目は口ほどに物を言う。
顔は真っ赤である。
慈空
「こほん。
見回りの時間も終わりだな。
お喋りはここまでにして王宮へと戻ろうか」
早浪
「そうだね。ところで顔が赤いよ」
慈空
「夕焼けの色だっ!
早浪だって赤いじゃないか!」
早浪
「はいはい、そういうことにしておこうか」
KP
見上げれば、夕焼けに照らされた王宮があなたたち騎士の帰還を待ちわびている。
煌びやかな佇まいはこの国の栄華を象徴しているようだった。

KP
本日はここまで。
ここからしばらく前世の話です。
早浪
はーい。全身立ち絵はよ仕上げよう。
KP
私も来週までには仕上げなければっ
早浪
ありがとうございましたー! 現世では大変なことが起きてるのに前世は不思議と平穏だ!
KP
平和な国ですからねぇ。
早浪
不穏なNPCいるけど。
KP
Hahaha
気のせいですよ。
早浪
えぇえーーー気のせいなんですかぁ?
KP
多分全4~5回くらい……?
早浪
ふむふむ
KP
もうちょっといくかなーどうかな。
早浪さん次第ではあります。
早浪
どうなるのかなぁ。慈空と謎の少女の交際の行方やいかに!
KP
ではしめまーす!
早浪
はーい、ありがとうございました!
KP
ありがとうございました!

コメント By.KP
全体的に描写やイベントを盛ってプレイしています。
折角の大きな隔たりを越えた因果、丁寧に楽しみたいですからね!

TRPGリプレイ【置】CoC『迷い家は桜の先に』 牧志&佐倉 1

不安と恐怖が、べったりと思考にこびりついていた。

TRPGリプレイ【置】CoC『えっ? 手のひらから唐揚げ出せるんですか?』 佐倉&牧志(塔) 3(終)

牧志は唐揚げにされた自分自身の手足を想像して、恐怖すると同時にどうしようもなく興奮してしまっている。
だめだ。戻ってきてほしい。戻ってきてくれない。

TRPGリプレイ【置】CoC『眼窩に祝福』 佐倉&牧志 2

牧志の胸の中の鼓動を掴むように軽く引っ掻いた。
今まで、追い出そう、忘れようとしてきた執着を呼び戻さなくては、壊れてしまうと思った。

【クトゥルフ神話TRPG】
本作は、「 株式会社アークライト  」及び「株式会社KADOKAWA」が権利を有する『クトゥルフ神話TRPG』の二次創作物です。

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BEAST BIND トリニティ キャラクターメイキング

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TRPGリプレイ【置】CoC【タイマン限2】収録シナリオ『デート or デッド』 佐倉&牧志 1

「生きてて良かったけど……」
見た目が大分やべぇなこれ。

FF XIV TTRPGリプレイ『マーチ・オブ・アルコンズ 異聞』ランドレン&ボラーク 1

「強い種ってどこで交換できる?」
「強い種? それは園芸ギルドで訊いた方がいいと思うけれど」